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Title:
RSTP PROCESSING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133250
Kind Code:
A1
Abstract:
Nodes conforming to the IEEE 802.3 perform RSTP processings in a network having a ring topology in a very short time through predetermined transmission lines by using hardware for performing processings concerning the physical layer and data link layer of an OSI reference model not by using software, thereby realizing a recovery time meeting the requirement of real-time transmission. Each node has an RSTP processing unit, two MAC units, and two PHY units. Each MAC unit includes a BPDU transmission/reception buffer. One PHY unit receives BPDU data from a network, and the BPDU data is stored in the BPDU transmission/reception buffer of one MAC unit connected to the one PHY unit. The RSTP processing unit receives the stored BPDU data through a BPDU data bus connected to the one MAC unit, interprets the received BPDU data, performs a predetermined processing of the BPDU data, and transfers the processed BPDU data to the other BPDU transmission/reception buffer through the other BPDU data bus connected to the other MAC unit. The other PHY unit connected to the other MAC unit sends out the BPDU data to the network.

Inventors:
JIANG WEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057766
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YAMATAKE CORP (JP)
JIANG WEI (JP)
International Classes:
H04L12/44; H04L12/42
Foreign References:
JP2006174422A2006-06-29
JP2004282409A2004-10-07
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 IEEE802.3に準拠した複数のノードが所定の伝送線路によって接続されてリング型のトポロジを有するネットワークにおけるRSTP処理方式であって、
 前記ノードは、前記伝送線路にそれぞれ接続されて、OSI参照モデルの物理層に係る処理をそれぞれ実行する2つのPHY部と、
 これらPHY部にそれぞれ接続されて、前記OSI参照モデルのデータリンク層の下位副層に係る処理をそれぞれ実行する2つのMAC部と、
 これらMAC部に接続されて、ラピッド・スパニング・ツリー・プロトコルを処理するRSTP処理部と、
 前記各MAC部にそれぞれ設けられて、前記ラピッド・スパニング・ツリー・プロトコルにおけるBPDUデータの送受をそれぞれ行うBPDU送受信バッファと、
 これらBPDU送受信バッファと前記RSTP処理部との間で前記BPDUデータを相互に受け渡す2つのBPDUデータバスと
を具備し、
 前記RSTP処理部は、一方の前記PHY部が前記ネットワークから受信し、このPHY部に接続された一方の前記MAC部における前記BPDU送受信バッファに蓄積されたBPDUデータを、このMAC部と接続された前記BPDUデータバスを介して受け取り、この受け取ったBPDUデータを解読して、所定の処理を実行した後、他方の前記MAC部と接続された前記BPDUデータバスを介して所定のBPDUデータを他方の前記BPDU送受信バッファに転送し、この他方のMAC部に接続された他方の前記PHY部から前記ネットワークに該BPDUデータを送出することを特徴とするRSTP処理方式。
 前記PHY部は、前記RSTP処理部に前記物理層レベルの障害を通知するリンク信号ラインを有し、
 前記RSTP処理部は、一方の前記PHY部の前記リンク信号ラインから前記物理層レベルの障害が通知されたとき、他方のPHY部に接続された他方の前記MAC部が有する前記BPDU送受信バッファから前記ネットワークに前記他方のPHY部を介して通報BPDUデータを送出することを特徴とする請求項1に記載のRSTP処理方式。
 前記RSTP処理部は、2つの前記MAC部のBPDU送受信バッファをそれぞれ制御する2つのポート制御モジュールと、前記ネットワークにおける自ノードの優先順位を判定する優先順位制御モジュールとを備え、
 2つの前記MAC部のBPDU送受信動作は、並列処理で動作することを特徴とする請求項1または2に記載のRSTP処理方式。
 前記各MAC部は、OSI参照モデルの上位層のプロトコルを司るCPUと互いに送受信データを受け渡す上位層データバスと、
 この上位層データバスとBPDU送受信バッファとのいずれか一方を前記PHY部に対する接続に切り換えるスイッチ部と、
 前記RSTP処理部からの制御を受けて前記スイッチ部における接続先を切り換えるBPDU送受信処理モジュール部と
をそれぞれ具備し、
 前記ポート制御モジュールは、前記PHY部から前記MAC部に与えられる受信データまたは前記MAC部から前記PHY部へ与える送信データが前記BPDUデータであるとき、前記BPDU送受信処理モジュール部に前記スイッチ部を前記BPDU送受信バッファ側に切り換える指令を与える一方、前記受信データまたは送信データが前記BPDUデータでないとき、前記スイッチ部を前記上位層データバス側に切り換える指令を与えることを特徴とする請求項3に記載のRSTP処理方式。
Description:
RSTP処理方式

 本発明は、IEEE802.3に準拠した複数のノー が所定の伝送線路によって接続されてリン 型のトポロジを有するネットワークにおけ RSTP処理方式に係り、特にネットワークに生 じた障害から極めて高速に復旧するに最適な RSTP処理方式に関する。

 従来、IEEE802.3に準拠したイーサネット(登 録商標:以下、同じ)等のLAN(ローカル・エリア ・ネットワーク)におけるパケットのスイッ ングを行うスイッチング・ハブが広く用い れている。この種のスイッチング・ハブは IEEE802.1D/wによって規定されたスパニングツ ープロトコル(Spanning-tree protocol)に基づいたB PDU(Bridge Protocol Data Unit)の送受信を行い、ル ープの発生を防止する機能を備える。

 しかしながら、スイッチング・ハブによ スイッチングが継続したまま、このスイッ ング・ハブを制御するCPU(中央処理装置)の 理が停止すると、スパニングツリープロト ルが正しく機能せず、ネットワークにルー が形成されてしまうことがある。このよう 不具合を防止するため、パケットスイッチ 置およびスパニングツリートポロジの安定 方法が知られている(例えば、特許文献1参照 )。

 この装置および方法は、ハードウエアで ケットのスイッチを行う装置にスパニング リープロトコルを実装する場合、パケット イッチを行う回路にBPDUの送信を監視する回 路を組み込み、スパニングツリープロトコル で規定された時間内にBPDUの送信が行われな 場合には、パケットスイッチを停止するこ によってネットワークトポロジにループが 生することを抑制し、ネットワークを安定 させている。

 ところで、IEEE802.3に準拠したネットワー は、オフィスや家庭にも幅広く適用され、 らには、工業システムやビルシステムへの 用も試みられている。そしてオフィスに適 されるネットワークは、その利便性から配 方式としてスター型のトポロジが採用され いる。一方、工業システムやビルシステム おけるネットワークの形態は、一般に伝送 路の配線長が長くなることが否めず、その め複数の制御機器(以下、ノードと称するこ とがある)間に亘る、渡り配線方式を適用す ことが好ましい。具体的には、図17に示すよ うに複数のノードN1’,N2’,・・・,Nn’にそれ ぞれスイッチング・ハブS1’,S2’,・・・,Sn’ を装備し、これらスイッチング・ハブS1’,S2 ,・・・,Sn’が備えるポートのうちの2ポー をそれぞれ異なるノードに伝送線路1を介し 接続し、リング型トポロジを構成する。そ て、複数のスイッチング・ハブS1’,S2’,・ ・,Sn’には、IEEE802.1wのRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)を搭載しておく。

 本来、RSTPは、ネットワーク内においてパ ケットが無限に循環することを防止するもの である。図17に示したようにRSTPの機能を利用 することで、リング状にネットワークを構成 したとしても、ネットワークの一箇所が論理 的に切断(ブロッキング)された状態を維持す ので、パケットがネットワーク内を無限に ープすることがない。

 このように構成されたネットワークにお て、伝送線路1の断線やノードの電源ダウン 等のネットワークに生じる障害を検出するに は、所定の時間毎に予め定めたパケット、具 体的にはBPDUをネットワークに送出し、その 全性を確かめるヘルシ・チェックを実施す 。そして一定時間以内にBPDUを受信できない 合、各ノードは、障害が発生したことを認 する。するとスイッチング・ハブS1’,S2’, ・・,Sn’は、ネットワークのブロッキング 解除し、新しい通信ルートを形成する。こ ようにすることで、ネットワークに生じた 害が回避され正常な通信機能を維持するこ ができる(リカバリ)。

 より詳しくはスイッチング・ハブS1’,S2 ,・・・,Sn’は、図18に示すように、2つのポ ト2A,2Bに伝送線路1がそれぞれ接続され、OSI 照モデルの物理層に係る処理をそれぞれ実 する2つのPHY部3A,3Bと、これらPHY部にそれぞ 接続されて、前記OSI参照モデルのデータリ ク層の下位副層に係る処理をそれぞれ実行 る2つのMAC部4A’,4B’と、これらMAC部4A’,4B とCPU5との間で相互にデータを授受すると共 、2つのMAC部4A’,4B’間でデータを受け渡す ッファ/転送回路部6を備えて構成される。

 CPU5は、スイッチング・ハブS1’,S2’,・・ ・,Sn’が処理するデータリンク層より上位層 (アプリケーション層およびネットワーク層) 処理を実行する。このCPU5は、前述したRSTP 理をソフトウエアで実行するRSTPアルゴリズ 7を備える。またPHY部3A,3Bには、検出したネ トワークの障害をバッファ/転送回路部6に えるLinkライン8A,8Bがそれぞれ設けられてい 。

 このように構成されたネットワークでは BPDUを所定の時間(一般には、2秒毎)に送出し 、ネットワークにおける健全性の確認(ヘル ・チェック)が行われている。この場合、RSTP アルゴリズムは、ソフトウエアによる処理で あり、それ故、障害発生からリカバリ完了ま で数秒程度の時間(リカバリ時間)がかかる。

 ところで工業システムやビルシステムの うなリアルタイム伝送処置が要求されるネ トワークの伝送周期は、極めて短く例えば1 0ms程度が望ましい。したがって、この伝送周 期の範囲内でリカバリを完了することが要求 されている。

 しかしながら、上述した構成をとるネッ ワークは、リカバリ時間に数秒程度を要す ため、工業システムやビルシステムのよう リアルタイム伝送処理が要求されるネット ークには適用できないという問題がある。

 ちなみにリカバリ時間を短縮するために Linkライン8A,8Bを介して、物理層レベルにお る障害を検出することも可能であり、その 合は、リカバリ時間を50msにまで短縮するこ とが可能ではあるものの、伝送周期が短い上 述した工業システムやビルシステムには、適 用できないという問題がある。

 本発明は、このような従来の事情を考慮 てなされたものであり、その目的とすると ろは、IEEE802.3に準拠した複数のノードが所 の伝送線路によって接続されてリング型の ポロジを構成したネットワークにおけるRSTP 処理を極めて短い時間で処理し、リアルタイ ム伝送処理の要求を満たすリカバリ時間を実 現するRTSP処理方式を提供することにある。

 上述した目的を達成するため、本発明のR STP処理方式は、IEEE802.3に準拠した複数のノー ドが所定の伝送線路によって接続されてリン グ型のトポロジを有するネットワークにおけ るRSTP処理方式であって、前記各ノードは、

 前記伝送線路にそれぞれ接続されて、OSI 照モデルの物理層に係る処理をそれぞれ実 する2つのPHY部と、

 これらPHY部にそれぞれ接続されて、前記O SI参照モデルのデータリンク層の下位副層に る処理をそれぞれ実行する2つのMAC部と、

 これらMAC部に接続されて、ラピッド・ス ニング・ツリー・プロトコルを処理するRSTP 処理部と、

 前記各MAC部にそれぞれ設けられて、前記 ピッド・スパニング・ツリー・プロトコル おけるBPDUデータの送受をそれぞれ行うBPDU 受信バッファと、及び

 これらBPDU送受信バッファと前記RSTP処理 との間で前記BPDUデータを相互に受け渡す2つ のBPDUデータバスとを具備する。

 本発明に係るRSTP処理方式の前記RSTP処理 は、一方の前記PHY部が前記ネットワークか 受信し、このPHY部に接続された一方の前記MA C部における前記BPDU送受信バッファに蓄積さ たBPDUデータを、このMAC部と接続された前記 BPDUデータバスを介して受け取り、この受け ったBPDUデータを解読して、所定の処理を実 した後、他方の前記MAC部と接続された前記B PDUデータバスを介して所定のBPDUデータを他 の前記BPDU送受信バッファに転送し、この他 のMAC部に接続された他方の前記PHY部から前 ネットワークに該BPDUデータを送出する。

 すなわち、一方のMAC部のBPDU送受信バッフ ァに蓄積されたBPDUデータをBPDUデータバスを して受け取り、このBPDUデータを解読し、所 定の処理を実行した後、他方のMAC部に接続さ れたBPDUデータバスを介して他方のMAC部およ PHY部からBPDUデータを送出する一連の処理を フトウエアによることなくRSTP処理部のハー ドウエアによって実行する。

 本発明に係るRSTP処理方式によれば、RSTP 処理するRSTP処理部をデータリンク層にハー ウエアとして組み込み、このRSTP処理部とMAC 部のBPDU送受信バッファとをBPDUデータバスで 続し、RSTP処理をハードウエア上で実行して いるので、ソフトウエアの処理を介在するこ となく極めて高速にBPDUの処理が可能となる

 前記PHY部を、更に、前記RSTP処理部に前記 物理層レベルの障害を通知するリンク信号ラ インを有し、前記RSTP処理部は、一方の前記PH Y部の前記リンク信号ラインから前記物理層 ベルの障害が通知されたとき、他方のPHY部 接続された他方の前記MAC部が有する前記BPDU 受信バッファから前記ネットワークに前記 方のPHY部を介して通報BPDUデータを送出する ように構成すると、PHY部が検出した物理層レ ベルの障害をリンク信号によってRTSP処理部 通知する一方、このリンク信号によって障 の通知を受けたRSTP処理部は、他方のPHY部に 続された他方のMAC部のBPDU送受信バッファか らネットワークにBPDUデータを送出している で、極めて少ない伝送遅延時間でBPDUデータ 転送することができる。

 更に又、前記RSTP処理部を、2つの前記MAC のBPDU送受信バッファをそれぞれ制御する2つ のポート制御モジュールと、前記ネットワー クにおける自ノードの優先順位を判定する優 先順位制御モジュールとを備え、2つの前記MA C部のBPDU送受信動作は、並列処理で動作する うに構成すると、リカバリ時におけるノー の優先順位の切り換え(すなわち、RootとDesig natedの切り換え)を高速に行うことができ、さ らに、2つのMAC部はハードウエアによりリン 型ネットワーク上の隣り合う複数ノードへ BPDUデータの送信時間を並列処理できるので 短時間のうちに障害からのネットワークの 旧システムを実現することができる。

 また、前記ポート制御モジュールと優先 位制御モジュールに加え、各MAC部を、OSI参 モデルの上位層のプロトコルを司るCPUと互 に送受信データを受け渡す上位層データバ と、この上位層データバスとBPDU送受信バッ ファとのいずれか一方を前記PHY部に対する接 続に切り換えるスイッチ部と、前記RSTP処理 からの制御を受けて前記スイッチ部におけ 接続先を切り換えるBPDU送受信処理モジュー 部とをそれぞれ具備し、前記ポート制御モ ュールは、前記PHY部から前記MAC部に与えら る受信データまたは前記MAC部から前記PHY部 与える送信データが前記BPDUデータであると き、前記BPDU送受信処理モジュール部に前記 イッチ部を前記BPDU送受信バッファ側に切り える指令を与える一方、前記受信データま は送信データが前記BPDUデータでないとき、 前記スイッチ部を前記上位層データバス側に 切り換える指令を与えるように構成すると、 RSTP処理部は、PHY部からMAC部に与えられる受 データがBPDUデータであるとき、スイッチ部 BPDU送受信バッファ側に切り換える指令を与 える一方、受信データがBPDUデータでないと 、BPDU送受信処理モジュール部にスイッチ部 上位層データバス側に切り換える指令を与 ることと、また同様に他方、送信すべきデ タがBPDUデータでない場合にはBPDU送受信モ ュール部のスイッチ部を上位層データバス に切り換える指令を与えることで、障害か のネットワークの復旧と上位層との通信を 方実行することができる等の実用上多大な 効果を奏する。

 本発明に係る、上述したいずれの構成のR STP処理方式によっても、RSTP処理をデータリ ク層においてハードウエアで高速に処理し 10ms以下のRSTPリカバリ時間を実現することが できる。

本発明の一実施形態に係るノードおよ スイッチング・ハブの要部構成を示すブロ ク図。 図1のスイッチング・ハブの構成の詳細 構成を示すブロック図。 複数のノードが伝送線路によってリン 状のトポロジを構成するネットワークにお るBPDUデータの流れを示す図。 図3に示すネットワークでケーブル断障 害が発生したときの通報およびACKの転送手順 を示した図。 図4の通報に対する返信およびそのACKの 転送手順を示した図。 ノードが障害の発生を検出し、隣接す ノードに対して通報の送信が完了するまで 時間を示した図。 図6に示した内訳時間の定義、時間およ び条件を示した図。 通報を受信したノードがACKを返信する ともに、他のポートから通報を送信し終え までの時間を示した図。 図8に示した内訳時間の定義、時間およ び条件を示した図。 通報を受信してから、両ポートに対し その返信を送信完了するまでの時間を示した 図。 図10に示した内訳時間の定義、時間お び条件を示した図。 通報に対する返信を受信してからACKを 返信すると共に、他のポートから通報に対す る応答を送信し終えるまでの時間を示した図 。 図12に示した内訳時間の定義、時間お び条件を示した図。 障害検出ノードが通報に対する返信を 受信してからACKの送信が完了するまでの時間 を示した図。 図14に示した内訳時間の定義、時間お び条件を示した図。 ノードの台数とリカバリ時間との関係 を示したグラフ。 複数のノードが伝送線路によってリン グ状のトポロジを構成したネットワークの概 略構成を示すブロック図。 従来のノードおよびスイッチング・ハ ブの要部構成を示すブロック図。

 以下、本発明のRSTP処理方式について図面 を参照しながら説明する。なお、図1~図16は 本発明の一実施形態に係るRSTP処理方式を説 するための図であって、これらの図によっ 本発明が限定されるものではない。また、 れらの図において、従来技術を説明するた の、図17,18に示す構成要素と同一の符号を した部分は、実質的に同一の構成と機能を するので、それらの詳細な説明は省略する

 さて、図1,2は、各ノードN1,N2,・・・,Nnに れぞれ装備されたスイッチング・ハブS1,S2, ・・,Snのスイッチング・ハブの構成を示す のである。本発明に係る各スイッチング・ ブにも、伝送線路1にそれぞれ接続されて、 OSI参照モデルの物理層に係る処理をそれぞれ 実行する2つのPHY部3A,3Bと、PHY部3A,3Bにそれぞ 接続されて、OSI参照モデルのデータリンク の下位副層に係る処理をそれぞれ実行する2 つのMAC部4A,4Bが備えられている。

 詳細は後述するがこの図に示したスイッ ング・ハブS1,S2,・・・,Snが従来のスイッチ グ・ハブを示す図18と異なるところは、2つ MAC部4A,4Bにそれぞれにバッファ/転送回路部6 とは別に、ラピッド・スパニング・ツリー・ プロトコルにおけるBPDUデータの送受をそれ れ行うBPDU送受信バッファ10A,10Bが新たに設け られた。さらに、BPDU送受信バッファ10A,10Bま はバッファ/転送回路部6とPHY部3A,3Bとの間で データの接続を切り換えるスイッチ部11A,11B このスイッチ部11A,11Bの切り換えを制御するB PDU送受信処理モジュール部12A,12Bが各MAC部4A,4B にそれぞれ設けられている。更に、各スイッ チング・ハブに、RSTP処理をソフトウエアの 在なしに、ハードウエアで実行するRSTP処理 20、およびこのRSTP処理部20とBPDU送受信バッ ァ10A,10Bとの間でデータを相互に受け渡すBPU Dデータバス13A,13Bがそれぞれ設けられた。

 RSTP処理部20は、BPDUデータバス13A,13Bを介 てBPDU送受信バッファ10A,10Bとデータを相互に 送受するほか、BPDU送受信処理モジュール部12 A,12Bに対する制御指令を行うポート制御モジ ール21A,21Bを備えている。

 これら2つのポート制御モジュール21A,21B 、それぞれ接続されたMAC部4A,4Bに対して一方 のポート制御モジュール21A,21Bから他方のポ ト制御モジュール21B,21Aに対して互いに送信 求(送信REQ)とその確認応答(送信ACK)を実行す る。

 またBPDUデータバス13A,13Bは、64バイトのBPD Uデータを一度に(1クロックで)相互に受け渡 ができるようBPDUデータのサイズに合わせた6 4バイトのデータ幅を有している。つまりポ ト制御モジュール21A,21BとBPDU送受信バッファ 10A,10Bとの間のBPDUデータの受け渡し(リード/ イト)は、1クロックで完了する。

 また2つのポート制御モジュール21A,21Bは それぞれが制御するMAC部4A,4Bから伝えられる 自ノードの優先順位を制御する優先順位制御 モジュール22に接続されている。この優先順 制御モジュール22は、RSTPアルゴリズムにお る優先順位、すなわちRootとDesignatedを定め ものであって、ポート制御モジュール21A,21B らの優先順位変更要求(変更REQ)を受け、そ 要求に対するID情報(RootID)を返す役割を担っ いる。

 このように構成された本発明のRSTP処理方 式における処理手順及びそれによるリカバリ 時間短縮の効果について、より詳細に説明す る。

 先ず、RSTP処理による伝送路のブロッキン グとリカバリについて説明する。なお、IEEE80 2.1wに準拠したRSTP処理は周知であるから、RSTP 処理の結果による伝送路状態のみを説明する 。リカバリ時間短縮効果の検討は、図3に示 ように5つのノードN1~N5のそれぞれにスイッ ング・ハブS1~S5を備え(図3には、スイッチン ・ハブを「SW.HUB」と記載されている。以下 同様)、各スイッチング・ハブS1~S5の2つのノ ードを順に隣接するノードに伝送線路1を用 て接続してリング状のトポロジを形成した ットワークを例に行う。ここではノード番 が小さい方が優先度が高いものとする。つ り、ノードN1の優先度が最も高くマスタ(Root) の役割を担い、他のノードN2~N5は、ノードN1 り優先度が低くスレーブ(Designated)の役割が えられるものとする。また各スイッチング ハブS1~S5が有する2つのポートを、それぞれ ートP1およびポートP2とする。ここでは図3に 示した5つのスイッチング・ハブS1~S5において 向かって左側をポートP1、右側をポートP2と る。

 するとマスタの役割を担うRootスイッチン グ・ハブ(以下、Rootと称することがある)は、 優先度が最も高いノードN1に自動的に決めら る。そしてネットワークが正常に動作して るとき、RootであるノードN1は、2つのポート (P1およびP2)から他のノードN5,N2にヘルシ・チ ック用のBPDUを所定の時間毎(一般に2秒毎)に 送信する。このBPDUを受け取ったノードN2およ びノードN5は、それぞれ隣り合うノードに対 て、受け取ったBPDUを転送する。つまりノー ドN2は、ポートP2からノードN3のポートP1に、 ードN5は、ポートP1からノードN4のポートP2 BPDUをそれぞれ転送する。

 次いでノードN3は、同様にポートP2からノ ードN4のポートP1にBPDUを転送し、ノードN4は ポートP1からノードN3のポートP2へBPDUを転送 ようとする。このときノードN3およびノー N4は、それぞれノードN3のポートP2とノードN4 のポートP1との間の通信を論理的にブロック る(ブロッキング)。このようにしてノード の通信をブロッキングすることによってパ ットがネットワーク内でループされること 防ぐ。

 このようにブロッキングがなされている き図4に示すようにノードN1とノードN2の伝 線路1にケーブル断障害が発生した場合(ST1) ノードN2はポートP1のPHY部3Aのリンク信号に って障害を検知する(ST2)。するとノードN2は 新Root(New Root)として作動する(ST3:新Root生成) 。ノードN2は、New Rootとして作動を開始した を、他のノード(Designated)に通報するために ポートP2から「通報BPDU」(以下、「通報」と 称する)を送信する(ST4)。このときノードN2の ート制御モジュール21A,21Bは、相互に送信REQ および送信ACKをやり取りしてBPDUを確実に受 渡す。

 この「通報」を受信したノードN3は、「 報」を受けたことをノードN2に通知するため ポートP1から「ACK BPDU」(以下、「ACK」と称す る)を返信する(ST5)。ノードN3は、ポートP2か 「通報」をノードN4に送信する(ST6)。以下、 様にノードN4,N5は、「通報」、「ACK」を相 に送信する(ST8~ST10)。このときノードN4は、 ードN3からの「通報」を受信するとネットワ ークに障害が発生したと認識し、ブロッキン グを解除する(ST7)。

 そうしてノードN5のポートP2からノードN1 ポートP1に「通報」が到着する(ST11)。する ノードN1は、優先度がノードN2より高いのでR ootとしてその機能を継続する。次いでノード N1は、図5に示すようにRootで作動中であるこ をノードN2に通知する(ST12’)とともに、他の 全ノードN5~N2に「トポロジが変更された」こ を通知するため、「Re:通報BPDU」(以下「Re: 報」)を順次転送する(ST12)。この「Re:通報」 受け取った各ノードは、この応答として「A CK/Re:通報」を順次返信する(ST13~ST20)。

 このようにして、各ノードが順次「Re:通 」を受け取り、「ACK/Re:通報」を順次返信す ると最後にノードN2に「Re:通報」が到着する するとノードN2の優先順位制御モジュール22 は、New Rootの作動をやめてDesignatedの動作に る(ST19)。このようにしてリカバリ動作は、 了し、新通信ルートが形成される。

 なお、各ノードN1~N5は、「通報」、「ACK と「Re:通報」のどちらかを受信した場合、 ポロジが変更されたと認識し、自ノードが 持する「ポートMACアドレス・テーブル」の 容を消去する。この「ポートMACアドレス・ ーブル」とは、ポートの接続先のノードのMA Cアドレスの情報を保持しているものである

 ここで、図4,5の中のST1~ST20までの動作時 の合計が、リカバリ時間となる。さらに、 害(図4ではノードN1とノードN2との間)が解消 れた場合には、同様な動作が実行され、再 正常動作時の状態(初期状態)に復帰する。

 さて、このようなリカバリ動作を実行する ットワーク・システムにおいて本発明のリ バリに要する時間を算定する。このリカバ 動作におけるリカバリ時間は、次の各要素 よって定まる。
(a)各ノードN1~N5のRSTP処理時間とBPDUの伝搬時
(b)障害発生箇所
(c)接続ノードの台数
(d)各ノードN1~N5の通信状況

 そこで、前述したRSTP動作原理を踏まえると 、各ノードにおけるRSTP処理時間とBPDUの伝搬 間は、主に次の5つの要素に大別することが できる。
(1)RT1:ノード(図4の場合は、ノードN2が該当す )が障害の発生を検出し、隣接するノードに 対して「通報」の送信が完了するまでの時間
(2)RT2:「通報」を受信したノード(図4の場合、 ノードN3~N5が該当する)が「ACK」を返信すると ともに、他のポートから「通報」を送信し終 えるまでの時間
(3)RT3:ノード(図4および図5の場合、ノードN1が 該当する)が「通報」を受信してから、両ポ トに対し「Re:通報」を送信完了するまでの 間
(4)RT4:ノード(図5の場合、例、ノードN3、N4、N5 が該当する)が「Re:通報」を受信してから「AC K」を返信すると共に、他のポートから「Re: 報」を送信し終えるまでの時間
(5)RT5:障害検出ノード(図5の場合、ノードN2が 当する)が「Re:通報」を受信してから「ACK」 の送信が完了するまでの時間

 そこでこれら5つの要素時間について本発明 の計算モデルを作って計算する。
<計算モデル(1)RT1について>
 まず伝搬時間RT1についてその所要時間を算 する。図6、図7に示すように障害が発生し からPHY部3A(または3B)がこの障害(Link障害)を 出するまでの時間をt1、PHY部3A(または3B)がLin k障害を検出してからRSTP処理部20が処理を完 するまでの時間をt2、他方のMAC部4B(または4A) に「通報」データの送信処理に要する時間を t3、このMAC部4B(または4A)が「通報」データをM II(Media Independent Interface)に出力するまでの時 間をt4、PHY部3B(または3A)が転送に要する時間( 転送遅延時間)をt5、伝送線路(ケーブル)伝搬 間をt6とする。

 なお、これらの時間を算出する条件とし 、「通報」データのフレーム長は72バイト ネットワークはケーブル(伝送線路)にTIA/EIA-5 68-A-5に準拠したカテゴリ5のケーブル100mを用 、伝送速度100Mbpsで伝送するIEEE802.3で規定さ れる100BASE-TXであるとし、PHY部3A,3BおよびMAC部 4A,4Bの動作クロックはそれぞれ25MHzおよび50MHz であるとする。

 すると、上述した各時間は、t1=20μs以下(実 値)、t2=0.14μs(7クロック)、t3=0.2μs(5クロック )、t4=5.76μs(フレーム長72バイト)、t5=70ns(7BT:Bit
Time)、t6=538nsとなる。

 したがって、伝搬時間RT1は、
  RT1=t1+t2+t3+t4+t5+t6
   =20+0.14+0.2+5.76+0.07+0.538=26.708μs
と求まる(内訳時間の詳細を図7に示す)。

<計算モデル(2)RT2について>
 次に伝搬時間RT2についてその所要時間を算 する。図8、図9に示すようにPHY部3A(または3B )が転送に要する時間(転送遅延時間)をt7,t13,t1 7、MAC部4A(または4B)が「通報」を受信する時 (MIIからのデータ入力時間)をt8、MAC部4A(また 4B)による「通報」データの受信処理時間をt 9、RSTP処理部20におけるハードウエア処理時 をt10、MAC部4A(または4B)が「ACK」データを処 する時間をt11、MAC部4A(または4B)が「ACK」デ タをMIIに出力する時間をt12、伝送線路(ケー ル)伝搬時間をt14,t18、他方のMAC部4B(または4A )が「通報」データの送信を処理する時間をt1 5、このMAC部4B(または4A)が「通報」データをMI Iに出力する時間をt16とする。

 なお、伝搬時間RT2を算出するための条件 、前述した伝搬時間RT1を算出したときの条 と同一であり、また「ACK」のフレーム長は7 2バイトである。

 すると、これらの時間は、t7=t13=t17=70ns(7BT )、t8=5.76μs、t9=0.28μs(7クロック)、t10=0.52μs(26 ロック)、t11=0.2μs(5クロック)、t12=5.76μs、t14 =t18=538ns、t15=0.2μs(5クロック)、t16=5.76μsとな 。

 ちなみにMAC部4A(または4B)が「通報」を受 する時間(MIIからのデータ入力時間)t8は、伝 搬時間RT1を算出した前述の計算式の時間t4と じBPDUの送受信時間であり、伝搬時間RT2には 含まない。当該t4およびt8にかかる「通報」 ータを送信および受信する処理は各ノード 同時に実行されるものだからである。また 上記時間の[t11+t12+t13+t14]と[t15+t16+t17+t18]は、2 つのMAC部のハードウエア並列処理により同時 に実行される。したがって、どちらか一方の 時間を用いて伝搬時間RT2を算出すればよい。 計算数値上はどちらも等価だが、ここでは、 次のノードにおける処理時間の連結に着目し 、後者を採用する。

 よって伝搬時間RT2は、
  RT2=t7+t9+t10+t15+t16+t17+t18
   =0.07+0.28+0.52+0.2+5.76+0.07+0.538
   =7.438μs
と求まる(内訳時間の詳細を図9に示す)。

<計算モデル(3)RT3について>
 次に伝搬時間RT3についてその所要時間を算 する。図10、図11に示すようにPHY部3A(または 3B)が転送に要する時間(転送遅延時間)をt19,t25 ,t29、MAC部4A(または4B)が「通報」をMIIから入 する時間をt20、MAC部4A(または4B)による「通 」データの受信処理時間をt21、RSTP処理部20 おけるハードウエア処理時間をt22、MAC部4A( たは4B)が「Re:通報」データを送信処理する 間をt23、MAC部4A(または4B)が「Re:通報」デー をMIIに出力する時間をt24、伝送線路(ケーブ )伝搬時間をt26,t30、他方のMAC部4B(または4A) 「Re:通報」データの送信を処理する時間をt2 7、このMAC部4B(または4A)が「Re:通報」データ MIIに出力する時間をt28とする。

 なお、伝搬時間RT3を算出するための条件 、前述した伝搬時間RT1,RT2を算出したときの 条件と同一であり、また「Re:通報」のフレー ム長は72バイトである。

 ちなみに伝搬時間RT2の計算と同様にMAC部4 A(または4B)が「通報」をMIIから入力する時間t 20は、伝搬時間RT2の前述計算式中の時間t16と 時に発生するので伝搬時間RT3の計算に含ま い。また、上記時間の[t23+t24+t25+t26]と[t27+t28 +t29+t30]は、ハードウエア並列処理のため同時 に実行される。したがって、どちらか一方の 時間を用いて伝搬時間RT3を算出すれば足りる 。ここでは、次のノードにおける処理時間の 連結に着目し、前者を採用する。

 よって、伝搬時間RT3は、
  RT3=t19+t21+t22+t23+t24+t25+t26
   =0.07+0.28+0.32+0.2+5.76+0.07+0.538
   =7.238μs
と求まる(内訳時間の詳細を図11に示す)。

<計算モデル(4)RT4について>
 次に伝搬時間RT4についてその所要時間を算 する。図12、図13に示すようにPHY部3A(または 3B)が転送に要する時間(転送遅延時間)をt31,t37 ,t41、MAC部4A(または4B)が「Re:通報」をMIIから 力する時間をt32、MAC部4A(または4B)による「Re :通報」データの受信処理時間をt33、RSTP処理 20におけるハードウエア処理時間をt34、MAC 4A(または4B)が「ACK」データを送信処理する 間をt35、MAC部4A(または4B)が「ACK」データをMI Iに出力する時間をt36、伝送線路(ケーブル)伝 搬時間をt38,t42、他方のMAC部4B(または4A)が「Re :通報」データの送信を処理する時間をt39、 のMAC部4B(または4A)が「Re:通報」データをMII 出力する時間をt40とする。

 なお、伝搬時間RT4を算出するための条件 、前述した伝搬時間RT1~RT3を算出したときの 条件と同一である。

 ちなみに伝搬時間RT2,RT3の計算と同様にMAC 部4A(または4B)が「Re:通報」をMIIから入力する 時間をt32は、伝搬時間RT3の前述計算式中の時 間t28と同時に発生するので伝搬時間RT4の計算 には含まない。また、上記時間の[t35+t36+t37+t3 8]と[t39+t40+t41+t42]は、ハードウエア並列処理 ため同時に実行される。したがって、どち か一方の時間を用いて伝搬時間RT4を算出す ば足りる。ここでは、次のノードにおける 理時間の連結に着目するので、後者を採用 る。

 よって、伝搬時間RT4は、
  RT4=t31+t33+t34+t39+t40+t41+t42
   =0.07+0.28+0.4+0.2+5.76+0.07+0.538
   =7.318μs
と求まる(内訳時間の詳細を図13に示す)。

<計算モデル(5)RT5について>
 最後に、伝搬時間RT5についてその所要時間 算出する。図14、図15に示すようにPHY部3A(ま たは3B)が転送に要する時間(転送遅延時間)をt 43,t49、MAC部4A(または4B)が「Re:通報」をMIIから 入力する時間をt44、MAC部4A(または4B)による「 Re:通報」データの受信処理時間をt45、RSTP処 部20におけるハードウエア処理時間をt46、MAC 部4A(または4B)が「ACK」データを送信処理する 時間をt47、MAC部4A(または4B)が「ACK」データを MIIに出力する時間をt48、伝送線路(ケーブル) 搬時間をt50とする。

 なお、伝搬時間RT5を算出するための条件 、前述した伝搬時間RT1~RT4を算出したときの 条件と同一である。

 ちなみに伝搬時間RT2~RT4の計算と同様にMAC 部4A(または4B)が「Re:通報」をMIIから入力する 時間をt44は、伝搬時間RT4の前述計算式中の時 間t40と同時に発生するので伝搬時間RT5の計算 には含まない。

 よって、伝搬時間RT5は、
  RT5=t43+t45+t46+t47+t48+t49+t50
   =0.07+0.28+0.52+0.2+5.76+0.07+0.538
   =7.438μs
と求まる(内訳時間の詳細を図15に示す)。

<総合計算モデルについて>
 これらの伝搬時間RT1~5に基づき、図3に示し 5つのノードN1~N5で構成されたネットワーク おけるリカバリ時間RT(最大値)を求めると次 式に示すようになる。
  RT=RT1(ノードN2)+RT2(ノードN3)+RT2(ノードN4)
    +RT2(ノードN5)+RT3(ノードN1)+RT4(ノードN5)
    +RT4(ノードN4)+RT4(ノードN3)+RT5(ノードN2)
   =RT1+3×RT2+RT3+3×RT4+RT5
   =26.708+3×7.438+7.238+3×7.318+7.438
   =85.652μs

 ただし、この計算式で求められるリカバ 時間は、各ノードがRSTP処理に係るデータ以 外を送信していない状態(ゼロ負荷と称する) ときである。

 またこの計算式に基づいて、n台のノードで リング状のトポロジを構成した場合、リカバ リ時間RT(最大値)を求める計算式を次式に示 ように得ることができる。
  RT=RT1+(n-2)×RT2+RT3+(n-2)×RT4+RT5
   =26.71+(n-2)×7.438+7.238+(n-2)×7.318
    +7.438
   =26.628+(n-1)×14.756μs

 よって100台のノードを用いて構成した場 のリカバリ時間RT(最大値)は、約1.487msとな 。

 逆に工業システムやビルシステムのよう リアルタイム伝送処置が要求されるネット ークでリカバリ時間を10ms以内に抑えたい場 合、上記式を変形してノードの最大数を求め ればよく、そのノードは676台となる。

 次にIEEE802.3が規定する各ノードがネット ークに一度に出力できるフレームの最大長 ある1526バイトのフレームを出力したと仮定 したとき、同様に伝搬時間RT1~RT5を求める(こ を絶対最大負荷と称する)。100BASE-TXにおい 1526バイトのフレームを出力するのに必要な 間は、122.08μsであるから、この時間を上記R T1~RT5のそれぞれに加えればよい。具体的には 、上述したMIIに出力する時間t4,t16,t28,t40,t48に それぞれ122.08μsを加えればよい。

 このようにして各ノードが1526バイトのデー タをそれぞれ任意に送出するものとして求め た伝搬時間RT1~RT5は、それぞれ次のようにな 。
  RT1=148.788μs
  RT2=129.518μs
  RT3=129.318μs
  RT4=129.398μs
  RT5=129.518μs

 よって、5つのノードが絶対最大負荷のとき のリカバリ時間RT(最大値)は、上記式を用い ば、
  RT=1184.372μs
と求まる。また、n台のノードがある場合の カバリ時間RT(最大値)は、
  RT=148.708+(n-1)×258.916μs
となる。したがってこの場合、リカバリ時間 を10ms以内に抑えるには、ノードの台数を39台 以下にすればよい。

 次に工業システムやビルシステムのよう リアルタイム伝送処置が要求されるネット ークにおいて各ノードは、200バイト程度の ータを送受するのが一般的である(これを実 際最大負荷と称する)。そこで各ノードが200 イトのデータをそれぞれ任意に送出するも として伝搬時間RT1~RT5を再計算する。100BASE-TX の場合、200バイトのデータを送信するのに要 する時間は16μsであるから、上述したMIIに出 する時間t4,t16,t28,t40,t48に16μsを加えればよ 。

 このようにして求めた伝搬時間RT1~RT5は、そ れぞれ次のようになる。
  RT1=42.708μs
  RT2=23.438μs
  RT3=23.238μs
  RT4=23.318μs
  RT5=23.438μs

 よって、5つのノードが実際最大負荷のとき のリカバリ時間RT(最大値)は、上記式を用い ば、
  RT=229.652μs
と求まる。また、n台のノードがある場合の カバリ時間RT(最大値)は、
  RT=42.628+(n-1)×46.756μs
となる。したがってこの場合、10msのリカバ 時間内を満たすノードの台数は、最大213台 で可能となる。
 

 このようにして求められたノード台数と カバリ時間の関係を図示すると図16のグラ が得られる。このグラフに示されるように 発明のRTSP処理方式は、リアルタイムシステ にも充分適用できることが確かめられた。

 かくして本発明のRSTP処理方式は、RSTPを 理するRSTP処理部20をデータリンク層にハー ウエアとして組み込み、このRSTP処理部20とMA C部4A,4BのBPDU送受信バッファ10A,10BとをBPDUデー タバス13A,13Bで接続し、RSTP処理をハードウエ 上で実行しているので、ソフトウエアの処 を介在することなく極めて高速にBPDUの処理 ができる。

 また本発明のRSTP処理方式は、PHY部3A,3Bが 出した物理層レベルの障害をリンク信号に ってRTSP処理部20に通知する一方、このリン 信号によって障害の通知を受けたRSTP処理部 20は、他方のPHY部3B,3Aに接続された他方のMAC 4B,4AのBPDU送受信バッファ10B,10Aからネットワ クにBPDUデータを送出するので、極めて少な い伝送遅延時間でBPDUデータを転送すること できる。

 さらに本発明のRSTP処理方式は、RSTP処理 20に自ノードの優先順位を判定する優先順位 制御モジュール22を備えているので、リカバ 時におけるノードの優先順位の切り換え(す なわち、RootとDesignatedの切り換え)を高速に行 うことができ、短時間のうちにネットワーク の復旧ができる。

 また本発明のRSTP処理方式は、MAC部4A,4Bに イッチ部11A,11Bを設け、CPUとBPDU送受信バッ ァ10A,10Bへの経路を切り換るように構成され RSTP処理部20が、PHY部3A,3BからMAC4A,4B部に与え られる受信データがBPDUデータであるとき、 イッチ部11A,11BをBPDU送受信バッファ10A,10Bに り換える指令を与える一方、受信データがBP DUデータでないとき、BPDU送受信処理モジュー ル部12A,12Bにスイッチ部を上位層データバス 切り換える指令を与えているので、ノード の上位層における通信を実行しつつ短時間 うちに障害からのネットワークの復旧と再 成を実行することができる等の実用上多大 る効果を奏する。

 なお、本発明のRSTP処理方式は、上記した実 施の形態に限定されるものではなく、本発明 の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更 を加えてもかまわない。