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Title:
RUBBER COMPOSITION FOR TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072350
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to improve rolling resistance properties and controllability/stability. Thus, disclosed is a rubber composition for a side-wall, a clinch or an insulation, which comprises: 100 parts by mass of a diene rubber component; 20 to 60 parts by mass of a filler, 1.0 to 4.0 parts by mass of sulfur, and 0.1 to 10 parts by mass of a vulcanization accelerator aid, wherein the diene rubber component comprises 10 to 70 mass% of at least one diene rubber component (a) selected from the group consisting of a solution-polymerization-modified styrene-butadiene rubber, a tin-modified butadiene rubber and a butadiene rubber modified with a compound represented by the formula (1) at its terminus and 20 to 80 mass% of a diene rubber component (b) that is different from the diene rubber component (a), and wherein the vulcanization accelerator aid is selected from the group consisting of a citraconimide compound, an organic thiosulfate compound, an alkyl phenol-sulfur chloride condensate, a compound represented by the formula (2) and a methacrylic acid metal salt represented by the formula (3).

Inventors:
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068449
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
October 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
International Classes:
C08L15/00; B60C1/00; B60C5/14; B60C15/06
Domestic Patent References:
WO2002002356A12002-01-10
Foreign References:
JP2006063143A2006-03-09
JP2008024913A2008-02-07
JPH05320421A1993-12-03
JP2008174585A2008-07-31
JP2007302865A2007-11-22
JPH07237405A1995-09-12
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta et al. (2-22Tanimachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 12, JP)
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Claims:
 溶液重合変性スチレン-ブタジエンゴム、スズ変性ブタジエンゴムおよび式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アルコキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基またはこれらの誘導体であり、R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも1種のジエン系ゴム成分(a)を10~70質量%および
ジエン系ゴム成分(a)以外のジエン系ゴム成分(b)を20~80質量%含有するジエン系ゴム成分100質量部に対して、
充填剤を20~60質量部、
硫黄を1.0~4.0質量部ならびに
シトラコンイミド化合物、有機チオスルフェート化合物、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、式(2):
  R 1 -S-S-A-S-S-R 2     (2)
(式中、Aは炭素数2~10のアルキレン基、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立にチッ素原子を含む1価の有機基を示す)
で表される化合物、および式(3):
(式中、Mは金属、xは1または2の整数である)
で表されるメタクリル酸金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の加硫促進補助剤を0.1~10質量部含有するサイドウォール、クリンチおよび/またはインスレーション用ゴム組成物。
充填剤がカーボンブラックである請求の範囲第1項記載のサイドウォール、クリンチおよび/またはインスレーション用ゴム組成物。
さらに、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.2~5質量部含有する請求の範囲第1項または第2項記載のサイドウォール、クリンチおよび/またはインスレーション用ゴム組成物。
請求の範囲第1項~第3項記載のサイドウォール、クリンチおよび/またはインスレーション用ゴム組成物からなるサイドウォール、クリンチおよび/またはインスレーションを有する空気入りタイヤ。
Description:
タイヤ用ゴム組成物

 本発明は、タイヤにおけるサイドウォー 、クリンチおよび/またはインスレーション 用ゴム組成物に関する。

 近年、省エネルギー化を目的とし、タイ の転がり抵抗を低減させる(転がり抵抗特性 を向上させる)、あるいは車の操縦安定性を 上させるため、種々の手段が取り上げられ きた。その手段としては、タイヤのトレッ を2層構造(内面層および表面層)として、そ 内面層であるベーストレッドに、優れた転 り抵抗特性および操縦安定性を示すゴム組 物を使用することがあげられる。また、タ ヤのサイドウォール、クリンチおよびイン レーションにおいては、優れた転がり抵抗 よび耐久性(耐亀裂成長性)、またクリンチに おいては、優れた耐摩耗性を示すゴム組成物 を使用することがあげられる。

 転がり抵抗特性および操縦安定性の向上を 的として、ベーストレッド用ゴム組成物と て、変性ブタジエンゴムとカーボンブラッ とを含有することにより、損失正接(tanδ)を 低減させタイヤの転がり抵抗を低減させる技 術や、1,2-シンジオタクチックポリブタジエ 結晶を含むポリブタジエンゴムを含有する とにより、複素弾性率(E * )を向上させ、さらに、カーボンブラックの 有量を低減することにより、tanδを低減させ ることにより、転がり抵抗特性や操縦安定性 を向上させる技術が開示されている(例えば 特開2006-124503号公報参照)。

 しかしながら、ジエン系ゴム成分としてブ ジエンゴムと天然ゴムの組み合わせのよう ブタジエン骨格を有するゴムやイソプレン 格を有するゴムを同程度含有すると、加硫 りが生じやすく、E * の低減やtanδの増大の原因となってしまう。

 そのため、加硫戻りの抑制のためにスチ ン-ブタジエンゴムをジエン系ゴム成分中に 含有することが必要となるが、スチレン-ブ ジエンゴムに低補強性カーボンブラックや リカなどの補強用充填剤を含有する、また 補強用充填剤の含有量を小さくするだけで 、tanδの低減は充分ではない。

 また、特開2006-124503号公報に開示される ーストレッド用ゴム組成物をサイドウォー 、クリンチまたはインスレーション用とし 適用した場合、低発熱性と破断伸び(耐久性) の両立の点で改善の余地があった。

 本発明は、優れた転がり抵抗特性および 縦安定性を示すサイドウォール、クリンチ よび/またはインスレーション用ゴム組成物 を提供することを目的とする。

 本発明は、溶液重合変性スチレン-ブタジエ ンゴム、スズ変性ブタジエンゴムおよび式(1) :
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたブタジエ ンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも1 のジエン系ゴム成分(a)を10~70質量%および
ジエン系ゴム成分(a)以外のジエン系ゴム成分 (b)を20~80質量%含有するジエン系ゴム成分100質 量部に対して、
充填剤を20~60質量部、
硫黄を1.0~4.0質量部ならびに
シトラコンイミド化合物、有機チオスルフェ ート化合物、アルキルフェノール・塩化硫黄 縮合物、式(2):
  R 1 -S-S-A-S-S-R 2     (2)
(式中、Aは炭素数2~10のアルキレン基、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立にチッ素原子を含む1価の 機基を示す)
で表される化合物、および式(3):
(式中、Mは金属、xは1または2の整数である)
で表されるメタクリル酸金属塩よりなる群か ら選ばれる少なくとも1種の加硫促進補助剤 0.1~10質量部含有するサイドウォール、クリ チおよび/またはインスレーション用ゴム組 物に関する。

 充填剤がカーボンブラックであることが ましい。

 さらに、ジエン系ゴム成分100質量部に対 て、クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物お び変性レゾルシン縮合物よりなる群から選 れる少なくとも1種の化合物を0.2~5質量部含 することが好ましい。

 また本発明は、前記のサイドウォール、 リンチおよび/またはインスレーション用ゴ ム組成物からなるサイドウォール、クリンチ および/またはインスレーションを有する空 入りタイヤにも関する。

本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いた イドウォール、インスレーションおよびベ ストレッドを有する構造を示すタイヤの部 断面図である。 本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いた リンチを有する構造を示すタイヤの部分断 図である。

符号の説明

  1 ベーストレッド
  2 サイドウォール
  3 ケースコード
  4 バンド
  5 ブレーカー
  6 インナーライナー
  7 キャップトレッド
  8 インスレーション
  9 クリンチ
  10 ビードコア
  11 ビードエイペックス
  12 カーカスプライ
  13 チェーファー

 本発明のゴム組成物は、溶液重合変性スチ ン-ブタジエンゴム(以下、S-SBRともいう)、 ズ変性ブタジエンゴム(以下、スズ変性BRと いう)および式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたブタジエ ンゴム(BR)よりなる群から選ばれる少なくと 1種のジエン系ゴム成分(a)およびジエン系ゴ 成分(a)以外のジエン系ゴム成分(b)を含有す ジエン系ゴム成分、充填剤、硫黄ならびに 硫促進補助剤を含有する。

 スチレン-ブタジエンゴム(SBR)は、分子量 布が狭く、低分子量成分が少ないため、分 鎖末端が少なく、低燃費性に優れていると う理由から、S-SBRであり、好ましくは分子 の重合開始末端または重合活性末端がシリ との相互作用を有する構造に変性されてい ものである。このような分子鎖の末端構造 しては、たとえば、水酸基、カルボキシル 、アミノ基などがあげられる。

 S-SBRのスチレン単位量は、5~45質量%が好ま しく、ビニル単位量は20~65質量%が好ましい。 S-SBRのスチレン単位量が5質量%未満でビニル 位量が65質量%をこえると、加硫速度が低下 るため、タイヤ製造の生産性が低下する傾 があり、タイヤ性能としてもチッピングな が生じ、耐摩耗性に劣る傾向もある。また S-SBRのスチレン単位量が45質量%をこえ、ビニ ル単位量が20質量%未満では、低発熱性に劣り 、転がり抵抗を低減できない傾向がある。

 S-SBRの含有率は、低発熱性に優れるとい 点から、前記ジエン系ゴム成分中に、10質量 %以上が好ましく、15質量%以上が好ましく、20 質量%以上がより好ましい。また、S-SBRの含有 率は、破断強度が優れるという点から、80質 %以下が好ましく、75質量%以下がより好まし く、70質量%以下がさらに好ましい。

 スズ変性BRとしては、リチウム開始剤に り1,3-ブタジエンの重合をおこなったのち、 ズ化合物を添加することにより得られる。

 リチウム開始剤としては、アルキルリチ ム、アリールリチウム、ビニルリチウム、 機スズリチウムおよび有機チッ素リチウム 合物などのリチウム系化合物や、リチウム 属などがあげられる。前記リチウム開始剤 スズ変性BRの開始剤とすることで、高ビニ 、低シス含有量のスズ変性BRを作製できる。

 スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチ スズトリクロライド、ジブチルスズジクロ イド、ジオクチルスズジクロライド、トリ チルスズクロライド、トリフェニルスズク ライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフ ニルスズエトキシド、ジフェニルジメチル ズ、ジトリルスズクロライド、ジフェニル ズジオクタノエート、ジビニルジエチルス 、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジス アレート、テトラアリルスズ、p-トリブチ スズスチレンなどがあげられ、これらのス 化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を み合わせて用いてもよい。

 スズ変性BR中のスズ原子の含有率は50ppm以 上が好ましく、60ppm以上がより好ましい。ス 原子の含有率が50ppm未満では、スズ変性BR中 のカーボンブラックの分散を促進する効果が 小さく、tanδが増大してしまう傾向がある。 た、スズ原子の含有率は3000ppm以下が好まし く、2500ppm以下がより好ましく、250ppm以下が らに好ましい。スズ原子の含有率が3000ppmを えると、混練り物のまとまりが悪く、エッ が整わないため、混練り物の押出し加工性 悪化する傾向がある。

 スズ変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は2以下が好 ましく、1.7以下がより好ましい。スズ変性BR Mw/Mnが2をこえると、カーボンブラックの分 性が悪化し、tanδが増大してしまう。なお 分子量分布の下限は、特に限定されないが 1であることが好ましい。

 スズ変性BRのビニル結合量は5質量%以上が 好ましく、7質量%以上がより好ましい。スズ 性BRのビニル結合量が5質量%未満であるスズ 変性BRを重合(製造)することが困難な傾向が る。また、スズ変性BRのビニル結合量は50質 %以下が好ましく、20質量%以下がより好まし い。スズ変性BRのビニル結合量が50質量%をこ ると、カーボンブラックの分散性が悪化し 引張強度が低下する傾向がある。

 また、式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBRは、シ カとの接着性を向上させるためにシリカと 学結合するという点で好ましい。

 式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBRは、分 量分布のコントロールが容易で転がり抵抗 悪化させる要因の低分子量成分を除去する とができ、また、リビング重合であるため 末端に官能基を導入しやすいという理由か 、溶液重合することで得られたBRに官能基 導入することにより得られるものが好まし 。

 式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBRにおい 、例えば、R 1 、R 2 およびR 3 が、エトキシ基であるとき、末端にエトキシ シリル基を有するBRのエトキシシリル基の変 率は、シリカとの結合量が多く、転がり抵 を充分に低減できるという点から、30%以上 あることが好ましく、50%以上であることが り好ましい。また、末端にエトキシシリル を有するBRのエトキシシリル基の変性率は シリカとの相互作用が充分にえられ、ゴム 練り時の加工性が低下しないという点から 80%以下であることが好ましく、70%以下であ ことがより好ましい。

 式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBRの分子 分布(Mw/Mn)は、低分子量成分が増加せず、転 がり抵抗が悪化しない点から、分子量分布が 狭いものが好ましく、具体的には2.3以下が好 ましく、2.2以下がより好ましい。なお、分子 量分布の下限は、特に限定されないが、1で ることが好ましい。

 式(1):
で表される化合物で変性されたBRは、充填剤 してシリカを含有する場合、シリカとの結 性を向上させることができる点、シリカの 散性を向上させる点において好ましい。

 式(1)の具体例としては、たとえば、
があげられる。

 式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBR中のビ ル結合量は、リムチェーフィング性におい 優れるという点から、35質量%以下が好まし 、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下 さらに好ましい。また、前記式(1)で表され 化合物で変性されたBR中のビニル結合量は 製造効率が優れるという点から、5質量%以上 が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10 量%以上がさらに好ましい。

 ジエン系ゴム成分(a)の含有率は、低発熱 に優れるという点から、前記ジエン系ゴム 分中に、10質量%以上であり、15質量%以上が ましく、20質量%以上がより好ましい。また ジエン系ゴム成分(a)の含有率は、破断強度 よび加工性において優れるという点から、7 0質量%以下が好ましい。

 他のジエン系ゴム成分(b)としては、S-SBRや 性BR以外のゴムである。具体的には、天然ゴ ム(NR)、イソプレンゴム(IR)、前記スズ変性BR よび式(1):
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同じかまたは異なり、アルキル基、アル コキシ基、アセタール基、カルボキシル基、 メルカプト基またはこれらの誘導体であり、 R 4 およびR 5 は、同じかまたは異なり、アルキル基または 水素原子であり、nは整数である)
で表される化合物で末端変性されたBR以外の タジエンゴム(BR)、S-SBR以外のSBR、1,2-シンジ オタクチックポリブタジエン結晶を含むブタ ジエンゴム(SPB含有BR)などがあげられる。な でも、破断強度が優れるという点から、NRが 好ましい。

 他のジエン系ゴム成分(b)の含有率は、破 強度および加工性に優れるという点からジ ン系ゴム成分中に、20質量%以上であり、25 量%以上が好ましい。また、他のジエン系ゴ 成分(b)の含有率は、リバージョンを抑制す ことができるという点、およびtanδを低減 せることができるという点から、ジエン系 ム成分中に80質量%以下であり、70質量%以下 好ましく、65質量%以下がより好ましい。

 なお、tanδを低減させることができる点 おいて、変性BRよりも劣ってしまうという理 由から、高シス含有量のBRを含まないことが ましい。

 補強用充填剤としては、たとえば、カー ンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、ク ー、アルミナ、水酸化アルミニウム、タル などがあげられ、充分な硬度および補強性 得やすいという理由から、カーボンブラッ が好ましく、低発熱性に優れる、破断伸び おいて優れるという理由からシリカが好ま い。

 補強用充填剤の含有量は、破断強度が優 るという点から、ジエン系ゴム成分100質量 に対して、20質量部以上であり、23質量部以 上が好ましく、25質量部以上がより好ましい また、補強用充填剤の含有量は、低発熱性 優れるという点から、ジエン系ゴム成分100 量部に対して、60質量部以下であり、45質量 部以下が好ましく、40質量部以下がより好ま く、35質量部以下がさらに好ましく、33質量 部以下がさらに好ましい。

 さらに、補強用充填剤の分散性を向上さ るために、シランカップリング剤を含有し もよい。シランカップリング剤としては、 とえば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピ )テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシ リルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリ トキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビ (3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスル フィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル) トラスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリ ブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエト シシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2- トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド ビス(4-トリエトキシシリルブチル)トリスル ィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル) トリスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリル エチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキ シリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス (2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフ ド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジ スルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチ ル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリ ブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリ プロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテト ラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピ -N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスル ィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメ ルチオカルバモイルテトラスルフィド、2- リメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカ ルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキ シリルプロピルベンゾチアゾリルテトラス フィド、3-トリエトキシシリルプロピルベ ゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエト キシシリルプロピルメタクリレートモノスル フィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタ リレートモノスルフィドなどのスルフィド 、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラ 、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン 、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2 -メルカプトエチルトリエトキシシランなど メルカプト系、ビニルトリエトキシシラン ビニルトリメトキシシランなどのビニル系 3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-ア ノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミ エチル)アミノプロピルトリエトキシシラン 3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメト シシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシ ロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキ プロピルトリメトキシシラン、γ-グリシド シプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グ シドキシプロピルメチルジメトキシシラン どのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルト メトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエト キシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピ トリメトキシシラン、3-クロロプロピルト エトキシシラン、2-クロロエチルトリメトキ シシラン、2-クロロエチルトリエトキシシラ などのクロロ系などがあげられる。

 シランカップリング剤の含有量は、補強 充填剤の分散性を向上させる点、シリカの 凝集を防ぎ、tanδを低減させることができ という点から、補強用充填剤100質量部に対 て6質量部以上であることが好ましく、7質量 部以上であることがより好ましく、8質量部 上であることがさらに好ましい。また、シ ンカップリング剤の含有量は、破断強度を 下させないという点から、補強用充填剤100 量部に対して10質量部以下であることが好ま しく、9質量部以下であることがより好まし 、8質量部以下であることがさらに好ましい なお、硫黄原子を有するシランカップリン 剤については、含有量が、補強用充填剤100 量部に対して10質量部をこえると、硫黄が 出され、架橋が必要以上にタイトになる傾 がある。

 硫黄としては、ゴム工業において一般的 用いられる不溶性硫黄を好適に用いること できる。

 硫黄の含有量は、硬度(Hs)が向上し、良好 であるという点から、ジエン系ゴム成分100質 量部に対して、1.0質量部以上であり、1.2質量 部以上が好ましく、1.3質量部以上がより好ま しい。また、硫黄の含有量は、破断強度が優 れるという点から、ジエン系ゴム成分100質量 部に対して、4.0質量部以下であり、3.8質量部 以下が好ましく、3.6質量部以下がより好まし い。なお、硫黄として不溶性硫黄を用いる場 合、硫黄の含有量は、オイル分を除いた純硫 黄分の含有量を示す。

 本発明のゴム組成物は、さらに、加硫促進 助剤として、シトラコンイミド化合物、有 チオスルフェート化合物、アルキルフェノ ル・塩化硫黄縮合物、式(2):
  R 1 -S-S-A-S-S-R 2         (2)
(式中Aは炭素数2~10のアルキレン基、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立にチッ素原子を含む1価の 機基を示す。)で表される化合物、および式( 3):
(式中、Mは金属、xは1または2の整数である)
で表されるメタクリル酸金属塩よりなる群か ら選ばれる少なくとも1種の加硫促進補助剤 含む。

 シトラコンイミド化合物としては、熱的 安定であり、ゴム中への分散性に優れると う理由から、ビスシトラコンイミド類が好 しい。具体的には、1,2-ビスシトラコンイミ ドメチルベンゼン、1,3-ビスシトラコンイミ メチルベンゼン、1,4-ビスシトラコンイミド チルベンゼン、1,6-ビスシトラコンイミドメ チルベンゼン、2,3-ビスシトラコンイミドメ ルトルエン、2,4-ビスシトラコンイミドメチ トルエン、2,5-ビスシトラコンイミドメチル トルエン、2,6-ビスシトラコンイミドメチル ルエン、1,2-ビスシトラコンイミドエチルベ ゼン、1,3-ビスシトラコンイミドエチルベン ゼン、1,4-ビスシトラコンイミドエチルベン ン、1,6-ビスシトラコンイミドエチルベンゼ 、2,3-ビスシトラコンイミドエチルトルエン 、2,4-ビスシトラコンイミドエチルトルエン 2,5-ビスシトラコンイミドエチルトルエン、2 ,6-ビスシトラコンイミドエチルトルエンなど があげられる。なかでも、熱的に安定であり 、ゴム中への分散性に優れるという理由から 、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン が好ましい。

 1,3-(ビスシトラコンイミドメチル)ベンゼン は、以下の式で表されるものである。

 有機チオスルフェート化合物とは、以下の で表されるものである。
  MO 3 S-S-(CH 2 ) m -S-SO 3 M
(式中、mは3~10であり、Mはリチウム、カリウ 、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム バリウム、亜鉛、ニッケルまたはコバルト ある。また、結晶水を含有していてもよい )

 mは3~10が好ましく、3~6がより好ましい。m 2以下では、充分な耐熱疲労性が得られない 傾向があり、mが11以上では、分子量が増大す るわりに耐熱疲労性の改善効果が小さい傾向 がある。

 Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マ グネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、 ニッケルまたはコバルトが好ましく、カリウ ムまたはナトリウムが好ましい。

 また、分子内に結晶水を含んでいてもよ 。

 具体的には、ナトリウム塩1水和物、ナト リウム塩2水和物などがあげられ、経済的理 から、チオ硫酸ナトリウムからの誘導体、 えば1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウ ・2水和物が好ましい。

 1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・ 2水和物とは、以下の式で表されるものであ 。

 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物とは 以下の式で表されるものである。
 式中、nは10以下が好ましい。

 xは、同じかまたは異なり、ゴム組成物を 効率よく高硬度にすることができる(リバー ョン抑制)点から、いずれも2~4の整数であり 好ましくは2である。

 Rは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合 物(B)のジエン系ゴム成分中への分散性がよい 点から、いずれも炭素数5~12のアルキル基で り、このましくは炭素数6~9のアルキル基で る。

 また、式(2)
  R 1 -S-S-A-S-S-R 2       (2)
(式中Aは炭素数2~10のアルキレン基、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立にチッ素原子を含む1価の 機基を示す。)で表される化合物において、A は、アルキレン基が好ましい。アルキレン基 としては、直鎖状、枝分かれ状、環状のもの があげられ、とくに制限はなく、いずれも使 用することができるが、直鎖状のアルキレン 基が好ましい。

 Aの炭素数は2~10が好ましく、4~8がより好ま い。Aの炭素数が1以下では、熱的な安定性が 悪く、S-S結合から得られるメリットが得られ ない傾向があり、11以上では、S架橋鎖以上の 長さとなってしまい、-S x -に置換して、置き換わることが難しい傾向 ある。

 上記条件を満たすアルキレン基としては エチレン基、トリメチレン基、テトラメチ ン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン 、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、 カメチレン基などがあげられる。なかでも ポリマー/ポリマー間の硫黄架橋にスムーズ に置換し、熱的にも安定であるという理由か ら、ヘキサメチレン基が好ましい。

 R 1 およびR 2 としては、それぞれ独立にチッ素原子を含む 1価の有機基が好ましく、芳香環を少なくと 1つ含むものがより好ましく、炭素原子がジ オ基に結合した=N-C(=S)-で表される結合基を むものがさらに好ましい。

 R 1 およびR 2 は、それぞれ同一でも、異なっていてもよい が、製造の容易さなどの理由から、同一であ ることが好ましい。

 上記条件を満たす化合物としては、例え 、1,2-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイ ジチオ)エタン、1,3-ビス(N,N’-ジベンジルチ オカルバモイルジチオ)プロパン、1,4-ビス(N,N ’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタ 、1,5-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイ ジチオ)ペンタン、1,6-ビス(N,N’-ジベンジル チオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7-ビス( N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘ タン、1,8-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバ イルジチオ)オクタン、1,9-ビス(N,N’-ジベン ジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10-ビ ス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ) デカンなどがあげられる。

 なかでも、熱的に安定であり、分極性に れるという理由から、1,6-ビス(N,N’-ジベン ルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ま しい。

 メタクリル酸金属塩とは、式(3)で表される のである。

 式中、Mは2価の金属であり、具体的には 亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウ 、ストロンチウム、ニッケルなどがあげら る。これらの中で、亜鉛が、高純度の製品 安価に製造できる点で好ましい。

 さらに、メタクリル酸金属塩の具体的な構 式としては、式(3a):
式(2b):
(式中、Mは式(3)と同じであり、Aは、ヒドロキ シル基、水素原子、あるいはOH・H 2 O水和型である)
があげられ、式(3a)および(3b)をそれぞれ単独 含有してもよく、また、式(3a)および(3b)の 合物を含有してもよい。
 また、Aがヒドロキシル基である場合、メタ クリル酸金属塩は水和物であってもよい。

 上記の4種の加硫促進補助剤のなかでも、 分子構造中に硫黄を含有しないため、熱的に 安定であり、さらに、架橋の際に硫黄を放出 することなく、初期加硫速度を過度にはやく することがないという理由から、1,3-ビスシ ラコンイミドメチルベンゼンが好ましい。

 前記4種類の加硫促進補助剤のなかでも、EB 、スコーチタイムに影響せず、E * を高くできることから、シトラコンイミド化 合物を含有することが好ましい。また、EBや スコーチタイムに影響せず、E * を高くできることから、メタクリル酸金属塩 を含有することが好ましい。さらに、従来か ら加硫促進補助剤として使用される老化防止 剤、ステアリン酸などは、必要に応じて適宜 配合することができる。シトラコンイミド化 合物およびメタクリル酸金属塩を配合するこ とにより得られる効果は共通するので、シト ラコンイミド化合物およびメタクリル酸金属 塩を併用することで、EBや、スコーチタイム 影響せず、E * をさらに高くすることができる。

 前記シトラコンイミド化合物、有機チオ ルフェート化合物、アルキルフェノール・ 化硫黄縮合物、前記式(2)および(3)で表され 化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1 種の加硫促進補助剤の含有量は、硬度が充分 に得られる点、低発熱性に優れるという点か ら、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1質 量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好 ましい。また、前記加硫促進補助剤の含有量 は、硬度上昇の効果が充分に得られ、コスト の点から良好である、また、加工中のゴム焼 け性、経済性に優れるという点から、ジエン 系ゴム成分100質量部に対して10質量部以下が ましく、8質量部以下がより好ましい。

 本発明のゴム組成物は、さらに、酸化亜 を含むことが好ましい。

 酸化亜鉛としては、従来からゴム工業で 用され、平均粒子径が200nmをこえる通常の 化亜鉛であっても、平均粒子径が200nm以下の 微粒子酸化亜鉛であってもよい。

 サイドウォールやインスレーションにお て、酸化亜鉛として通常の酸化亜鉛を含有 る場合、酸化亜鉛の含有量は、リバージョ を抑制する効果が得られる点、破断強度が れるという点から、ジエン系ゴム成分100質 部に対して3質量部以上が好ましく、3.5質量 部以上がより好ましい。また、通常の酸化亜 鉛の含有量は、分散性が良好であるため、未 分散塊が起点となり破断強度が極端に低下す るということがなく、破断強度のばらつきが 小さいという点から、12質量部以下が好まし 、10質量部以下がより好ましい。

 クリンチにおいて、酸化亜鉛として通常 酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有 は、リムとの接触による引き起こされる摩 (リムチェーフィング)を抑えるためにも、 断時強度とのバランスを考慮して、ジエン ゴム成分100質量部に対して1.0~3質量部が好ま しい。

 本発明のゴム組成物には、前記ジエン系 ム成分、補強用充填剤、硫黄、加硫促進補 剤以外にも、従来ゴム工業で使用される配 剤、たとえば、アロマオイル、ワックス、 種加硫促進剤、N-シクロヘキシルチオ-フタ アミド(CTP)などの遅延剤などを必要に応じ 適宜配合することができる。

 本発明のゴム組成物は、一般的な方法で 造される。すなわち、バンバリーミキサー ニーダー、オープンロールなどで前記配合 を混練したのち、加硫することによりゴム 成物を製造することができる。

 また、前記ゴム組成物はサイドウォール 、クリンチ用またはインスレーション用に いられる。

 さらに、本発明は、前記タイヤ用ゴム組 物を用いた空気入りタイヤにも関する。

 以下、図面を用いて、本発明のゴム組成 をサイドウォール用、クリンチ用およびイ スレーション用として用いたサイドウォー 、クリンチおよびインスレーションを有す タイヤにおけるサイドウォール、クリンチ よびインスレーションについて説明する。

 図1は、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用 いたインスレーションおよびサイドウォール を有する構造を示すタイヤの部分断面図であ る。図1に示すように、ベーストレッド1とは トレッド、サイドウォール2と、トレッドと サイドウォール2の内側に配設されるケース ード3、トレッドの内側でケースコード3の外 側に配されるバンド4、バンド4の内側でケー コード3の外側に配されるブレーカー5、ケ スコード3の内側に配設されるインナーライ ー6を有するタイヤにおいて、トレッドがベ ーストレッド1およびキャップトレッド7から る二層構造を有し、キャップトレッド7の内 側で、バンド4の外側に配設されるゴム層の とであり、トレッドの内層においては、耐 耗性を向上させる必要がなく、トレッド部 体を低発熱化する役割があり、また、トレ ドからの衝撃性を吸収し、バンド/ブレーカ の損傷を防ぐ役割がある。

 また、図1に示すように、インスレーショ ン8とは、前記のタイヤ構造において、ケー コード3の内側でインナーライナー6の外側に 配設されるゴム層のことであり、ケースコー ドとインナーライナー間の接着性を仲介する 役割があり、また、耐屈曲性を確保する役割 がある。特に、本発明のゴム組成物をインス レーションとして用いた場合、tanδ(転がり抵 抗性)およびEB(耐久性)の点において優れる。

 また、図1に示すように、サイドウォール 2とは、前記のタイヤ構造において、ケース ード3の外側に配されるゴム層のことであり 路面からの衝撃をたわみによって吸収する 割、およびケースコードを外傷から防ぐ役 がある。特に、本発明のゴム組成物をサイ ウォールとして用いた場合、tanδ(転がり抵 性)およびEB(耐久性)の点において優れる。

 図2は、本発明のゴム組成物を用いたクリン チを有する構造を示すタイヤの部分断面図で ある。図2に示すように、クリンチ9とは、ビ ドコア10およびビードエイペックス11からな るビード部、ビード部の周囲およびサイドウ ォール2の内側に配設されるカーカスプライ12 、サイドウォール2の内部に配設されるイン ーライナー6、タイヤにおけるリムが擦れる 分に配設されるチェーファー13を有するタ ヤにおいて、カーカスプライ12と隣接し、か つサイドウォール2からビード部にかけて配 されるゴム層のことであり、リムフランジ ィッティング部を保護する役割がある。特 、本発明のゴム組成物をクリンチとして用 た場合、tanδ(転がり抵抗性)、EB(耐久性)およ びリムチェーフィング性(酸化亜鉛の含有量 小さい場合)、E * (操縦安定性)の点において優れる。

 本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴ 組成物を用いて通常の方法で製造される。 なわち、必要に応じて前記配合剤を配合し 本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタ ヤのサイドウォール、クリンチまたはイン レーションの形状にあわせて押出し加工し タイヤ成形機上にて通常の方法で成形する とにより、未加硫タイヤを形成する。この 加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧すること より空気入りタイヤを得る。

 実施例にもとづいて、本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらのみに限定され ものではない。

 つぎに、実施例および比較例で使用した各 薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
溶液重合変性スチレン-ブタジエンゴム(溶液 合変性SBR):JSR(株)製のHPR340(変性S-SBR、結合ス チレン量:10質量%、アルコキシルシランでカ プリングし、末端に導入)
スズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR):日本ゼ ン(株)製のBR1250(リチウム開始剤で重合、ス 原子の含有率:250ppm、ビニル量:10~13質量%、Mw /Mn:1.5)
エトキシシラン変性ブタジエンゴム(S変性BR/ 端にエトキシシリル基を有するブタジエン ム):住友化学(株)製のS変性BR(式:
の化合物により変性されたBR、ビニル含有量: 15質量%)
高シス含有量のブタジエンゴム(ハイシスBR): 部興産(株)製のBR150B
SPB含有BR:宇部興産(株)のVCR617(SPBの融点:200℃ 沸騰n-ヘキサン不溶物の含有率:15~18質量%、SP Bの含有率:15~18質量%)
カーボンブラックN550:キャボットジャパン(株 )製のショウブラックN550
カーボンブラックN351H:三菱化学(株)製のN351H
シリカ:ローディア社製のZ115GR(N 2 SA:112m 2 /g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビ ス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラス フィド)
ステアリン酸:日本油脂(株)製
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製(平均粒子径:290n m)
老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)製のノク ック6C(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p- ェニレンジアミン)
アロマオイル:出光興産(株)製のダイアナプロ セスAH-24
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノッ ク
不溶性硫黄(20%オイル含有):フレキシス製のク リステックスHSOT20(二硫化炭素による不溶物90 %以上、オイル分20質量%含む不溶性硫黄)
不溶性硫黄(10%オイル含有):日本乾溜工業(株) のセイミサルファー(二硫化炭素による不溶 物60%以上、オイル分10質量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノ セラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスル ェンアミド)
HTS(ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナ リウム塩2水和物):フレキシス社製のデュラ ンクHTS
メタクリル酸亜鉛:サートマー社製のSR709
加硫促進補助剤(タッキロールV200):田岡化学 業(株)製のタッキロールV200(アルキルフェノ ル・塩化硫黄縮合物、式中、n:0~10、R:オク ル基、xは2である)
加硫促進補助剤(PK900):フレキシス社製のPERKALI NK900(1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼ ン)

実施例1~32および比較例1~22
 表1および表2は、サイドウォールおよびイ スレーションとして好ましい配合を表す。 1および表2に示す配合処方および共通の薬品 として、ジエン系ゴム成分100質量部に対して 、ステアリン酸を2.0質量部、酸化亜鉛を3.0質 量部、老化防止剤6Cを3.0質量部、アロマオイ を5.0質量部、ワックスを1.0質量部配合し、 らに、表1および2に示す加硫促進補助剤で るタッキロールV200、不溶性硫黄および加硫 進剤TBBS以外の薬品をバンバリーミキサーを 用いて混練りし、混練り物を得た。次に、オ ープンロールを用いて、得られた混練り物に 加硫促進補助剤であるタッキロールV200、不 性硫黄および加硫促進剤TBBSを添加して混練 し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未 硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレ 加硫することにより、実施例1~32および比較 1~22の加硫ゴム組成物を作製し、以下の粘弾 性試験および引張試験を行った。

 また、表3および表4は、クリンチとして ましい配合を表す。表3および表4に示す配合 処方および共通の薬品として、ジエン系ゴム 成分100質量部に対して、ステアリン酸を2.0質 量部、酸化亜鉛を2.0質量部、老化防止剤6Cを2 .0質量部、アロマオイルを5.0質量部、ワック を1.0質量部配合している。

(粘弾性試験)
 粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所 )を用いて、温度30℃、周波数10Hz、初期歪10% および動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の 素弾性率(E * )および損失正接(tanδ)を測定した。E * が大きいほど剛性が高く、操縦安定性が優れ ることを示し、tanδが小さいほど低燃費性に れることを示す。

(引張試験)
 温度100℃の条件下で72時間、熱酸化劣化し 試験用ゴムシートからなる3号ダンベルを用 て、JIS K6251に準じて引張試験を実施し、破 断伸び(EB)を測定した。

 また、前記得られた未加硫ゴム組成物を所 の形状の口金を備えた押し出し機で押し出 成形し、サイドウォール形状、クリンチ形 およびインスレーション形状のゴム組成物 それぞれ得た。それぞれのテストサンプル ついて、以下の測定を実施した。さらに、
得られたゴム組成物を定法にてタイヤ成型機 上で張り合わせ、タイヤローカバーを作製し 、これを金型中で加硫することにより、実施 例1~36および比較例1~22の空気入りタイヤ(サイ ズ:195/65R15 GTO65、乗用車用夏用タイヤ、リム イズ(15×6JJ))を試作し、以下の耐久試験、リ ムチェーフィング性、操縦安定性性能の測定 試験を実施した。

(耐久試験)
 JIS規格の230%荷重の条件下で、製造したタイ ヤを20km/hの速度でドラム走行させた。損傷発 生(トレッド、サイドウォールおよびビード 損傷ふくれや亀裂、目視検知、エアー漏れ 生)が生じたときにストップさせた。比較例1 の耐久性指数を100とし、下記計算式により、 各配合の耐久性能を指数表示した。なお、耐 久性指数が大きいほど、耐久性に優れること を示す。
  (耐久性指数)=(各配合の走行距離)
                í(比較例1の走行距離 )×100

(リムチェーフィング性)
 JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重 条件下で、タイヤを速度20km/hで600時間ドラ 走行させた後、リムフランジ接触部の摩耗 さを測定し、比較例1のリムチェーフィング 性指数を100とし、各配合の摩耗深さを指数表 示した。なお、リムチェーフィング性指数が 大きいほど、リムフランジ接触部の摩耗が少 なく(深くなく)リムずれしにくく、好ましい とを示す。

(操縦安定性)
 試験タイヤを車両(国産FF2000cc)の前輪に装着 してテストコースを実車走行し、ドライバー の官能評価により操縦安定性を評価した。評 価は6点を満点とし、比較例1を5点として相対 評価を行なった。評点が大きいほど操縦安定 性が良好であることを示す。

 上記、加硫ゴム組成物についての試験お び空気入りタイヤについての試験結果を、 1、表2、表3および表4に示す。

 表1および表2は、得られた加硫ゴム組成 をサイドウォールおよびインスレーション 用いた空気入りタイヤについての試験結果 示す。

 表3および表4は、得られた加硫ゴム組成 をクリンチに用いた空気入りタイヤについ の試験結果を示す。

 本発明によれば、特定のジエン系ゴム成 と特定の加硫促進助剤を含有し、サイドウ ール、クリンチおよび/またはインスレーシ ョン用ゴム組成物とすることによって、優れ た転がり抵抗特性および操縦安定性を有する 。