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Patent Searching and Data


Title:
SCREENING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/153091
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method of screening a compound having an effect of inhibiting the production of a prostatic specific antigen and/or an effect of regulating the proliferation of androgen-independent prostatic cancer, characterized by comprising using an androgen-independent human prostatic cancer cell.

Inventors:
HARA TAKAHITO (JP)
YAMAOKA MASUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060743
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TAKEDA PHARMACEUTICAL (JP)
HARA TAKAHITO (JP)
YAMAOKA MASUO (JP)
International Classes:
C12Q1/02; A61P13/08; A61P35/00; G01N33/15; G01N33/50; A61K31/40; A61K31/4155; A61K31/427; A61K31/4439; A61K45/00; C07D207/34; C07D401/06; C07D403/06; C07D417/06
Domestic Patent References:
WO2003057669A12003-07-17
WO2003057669A12003-07-17
WO2004016576A12004-02-26
WO2006064944A12006-06-22
WO2007015567A12007-02-08
WO2006046944A12006-05-04
Foreign References:
JP2006163992A2006-06-22
Other References:
CHEN C.T. ET AL.: "Androgen-dependent and -independent human prostate xenograft tumors as models for drug activity evaluation", CANCER RES., vol. 58, no. 13, 1998, pages 2777 - 2783, XP003021954
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J. MED. CHEM., vol. 34, 1991, pages 447 - 455
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BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 15, 2005, pages 389 - 393
CHEM. PHARM. BULL., vol. 53, no. 4, 2005, pages 402 - 409
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 13, 2005, pages 2837 - 2846
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 13, 2005, pages 6414 - 6424
J. MED. CHEM., vol. 49, 2006, pages 716 - 726
J. ANCER RES., vol. 63, no. 1, 1 January 2003 (2003-01-01), pages 149 - 53
MOL. ENDOCRINOL., vol. 11, 1997, pages 148 - 161
CANCER RES., vol. 57, 1997, pages 495 - 499
CANCER RES., vol. 63, no. 1, 1 January 2003 (2003-01-01), pages 149 - 53
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building3-7, Shiromi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を用いることを特徴とする前立腺特異抗原産生阻害作用および/またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増殖抑制作用を有する化合物のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に試験化合物を接触させた場合の前立腺特異抗原産生量または細胞数と、試験化合物を接触させない場合の前立腺特異抗原産生量または細胞数を測定し、比較する工程を含む、請求項1記載のスクリーニング方法。
 連結されたPSAプロモーターとレポーター遺伝子が組み込まれたアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に試験化合物を接触させた場合と試験化合物を接触させない場合のレポーター遺伝子の発現量を測定し、比較する工程を含む、請求項1記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞がLNCaP-FGC由来の細胞である請求項1記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が、LNCaP-hrである請求項1記載のスクリーニング方法。
 抗癌薬のスクリーニング方法である請求項1記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺細胞を移植した動物モデルを用いることを特徴とする、抗腫瘍作用を有する化合物のスクリーニング方法。
 モデル動物にアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を移植し、該モデル動物に試験化合物を投与した場合と投与しない場合の細胞増殖の状態を測定し、比較する工程を含む、請求項7記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞がLNCaP-FGC由来の細胞である請求項7記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が、LNCaP-hrである請求項7記載のスクリーニング方法。
 動物モデルがマウスまたはラットである請求項7記載のスクリーニング方法。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を含んでなる、前立腺特異抗原産生阻害作用および/またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増殖抑制作用を有する化合物のスクリーニング用キット。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を含んでなる、抗腫瘍作用を有する化合物のスクリーニング用キット。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が、LNCaP-hrである請求項12又は13記載のスクリーニング用キット。
Description:
スクリーニング方法

 本発明は、アンドロゲン非依存性ヒト前 腺癌細胞を用いることを特徴とする前立腺 異抗原産生阻害作用および/またはアンドロ ゲン非依存性前立腺癌増殖抑制作用を有する 化合物のスクリーニング方法に関する。

 アンドロゲンは精巣および副腎皮質で合成 れ、標的臓器でアンドロゲン受容体に結合 、様々な生理活性を発揮する、いわゆる男 ホルモンである。天然のアンドロゲンは化 的にはすべてC19ステロイドに属する。その で主要なアンドロゲンは、主として精巣で 成されるテストステロンであり、標的細胞 の取り込み、生理活性が強い。女性では副 皮質が主要なアンドロゲン供給源となって る。
 アンドロゲンは生殖器官(前立腺、精嚢、副 精巣、精管など)の発育・機能維持、胎生期 性分化、精子形成、二次性徴の発現(筋肉骨 、音声、脂肪分布などの雄性化の誘起など) 、筋肉などでのタンパク質同化の促進作用、 骨代謝への作用などがある。

 アンドロゲンが病態の進行に関わっている 合には、アンドロゲンを低下させる治療が われる。例えば、アンドロゲン依存性の前 腺癌では、去勢術(外科的去勢術、薬物によ る去勢術)、アンドロゲン受容体拮抗薬投与 どのホルモン療法等により、テストステロ およびその活性代謝物であるジヒドロテス ステロンを低下させるか、あるいはその作 に拮抗することで、治療効果を上げている
 アンドロゲンを低下させる治療療法によっ 増殖が一旦抑制された後、再び増殖能を獲 した前立腺癌は、アンドロゲン非依存性前 腺癌とよばれる。
アンドロゲン依存性前立腺癌の患者に対して ホルモン療法等の治療を行うと、腫瘍マーカ ーである前立腺特異抗原(PSA、Prostate Specific  Antigen)の血中濃度は低下する。しかしながら ルモン療法を続けても一定期間の後、一旦 下した血中PSA濃度の持続的上昇が観察され 。このようにホルモン療法に不応答になっ 前立腺癌もアンドロゲン非依存性前立腺癌 よばれる。
 従来のアンドロゲン受容体拮抗薬は、アン ロゲン依存性前立腺癌モデル細胞に対して 拮抗薬として、アンドロゲン非依存性前立 癌モデル細胞に対しては作動薬として働く 、あるいは作用がない。アンドロゲン依存 前立腺癌モデル細胞およびアンドロゲン非 存性前立腺癌モデル細胞の両者に対して拮 薬としてはたらく化合物を見出すことがで れば、該化合物はアンドロゲン非依存性前 腺癌の治療薬として使用できる可能性があ 。

 アンドロゲン拮抗薬のスクリーニング方法 、特許文献1ないし4、および、非特許文献1 いし12に記載されているが、いずれのスク ーニング方法も、アンドロゲン依存性前立 癌モデル細胞およびアンドロゲン非依存性 立腺癌モデル細胞の両者に対して拮抗薬と てはたらく化合物を見出すことができるス リーニング方法ではない。
 株化されたヒト前立腺癌細胞としては、LNCa P-FGC、LNCaP-hrが知られている(非特許文献13)。

WO03/057669号パンフレット

WO2004/016576号パンフレット

WO2006/064944号パンフレット

WO2007/015567号パンフレット Journal of Medicinal Chemistry, 1973, 16(5), 512 -516 J. Med. Chem., 1988, 31, 954-959 J. Med. Chem., 1991, 34, 447-455 J. Med. Chem., 1998, 41, 623-639 Bioorganic & Medicinal Chemistry, 10, (2002),  1555- Eur. J. Med. Chem., 37, (2002), 619-634 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 15,  (2005), 271-276 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 15,  (2005), 389-393 Chem. Pharm. Bull., 53(4), 402-409, (2005) Bioorganic & Medicinal Chemistry 13, (2005), 2837-2846 Bioorganic & Medicinal Chemistry 13, (2005), 6414-6424 J. Med. Chem., 2006, 49, 716-726 J ancer Res. 2003 Jan 1;63(1):149-53

 アンドロゲン非依存性前立腺癌の前立腺 異抗原産生に対する阻害作用および/または 同癌の増殖抑制作用を有する化合物のスクリ ーニング方法が望まれている。

 本発明者らは、鋭意検討した結果、アン ロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を用いる とにより、簡便にアンドロゲン非依存性前 腺癌の前立腺特異抗原産生に対する阻害作 および/または同癌の増殖抑制作用を有する 化合物のスクリーニングが行えることを見出 し、この知見に基づいて本発明を完成した。

 すなわち、本発明は、
〔1〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を いることを特徴とする前立腺特異抗原産生 害作用および/またはアンドロゲン非依存性 前立腺癌増殖抑制作用を有する化合物のスク リーニング方法。
〔2〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に 験化合物を接触させた場合のPSA産生量また 細胞数と、試験化合物を接触させない場合 PSA産生量または細胞数を測定し、比較する 程を含む、上記〔1〕記載のスクリーニング 方法。
〔3〕
 連結されたPSAプロモーターとレポーター遺 子が組み込まれたアンドロゲン非依存性ヒ 前立腺癌細胞に試験化合物を接触させた場 と試験化合物を接触させない場合のレポー ー遺伝子の発現量を測定し、比較する工程 含む、上記〔1〕記載のスクリーニング方法 。
〔4〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞ア ドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞がLNCaP-F GC由来の細胞である上記〔1〕記載のスクリー ニング方法。
〔5〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が LNCaP-hrである上記〔1〕記載のスクリーニン 方法。
〔6〕
 抗癌薬のスクリーニング方法である上記〔1 〕記載のスクリーニング方法。
〔7〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺細胞を移 した動物モデルを用いることを特徴とする 抗腫瘍作用を有する化合物のスクリーニン 方法。
〔8〕
 モデル動物にアンドロゲン非依存性ヒト前 腺癌細胞を移植し、該モデル動物に試験化 物を投与した場合と投与しない場合の細胞 殖の状態を測定し、比較する工程を含む、 記〔7〕記載のスクリーニング方法。
〔9〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞がL NCaP-FGC由来の細胞である上記〔7〕記載のスク リーニング方法。
〔10〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が LNCaP-hrである上記〔7〕記載のスクリーニン 方法。
〔11〕
 動物モデルがマウスまたはラットである上 〔7〕記載のスクリーニング方法。
〔12〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を んでなる、前立腺特異抗原産生阻害作用お び/またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増 殖抑制作用を有する化合物のスクリーニング 用キット。
〔13〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を んでなる、抗腫瘍作用を有する化合物のス リーニング用キット。
〔14〕
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞が LNCaP-hrである上記〔12〕又は〔13〕記載のス リーニング用キット。
等に関する。

 本発明のスクリーニング方法を用いるこ により、アンドロゲン非依存性前立腺癌の 立腺特異抗原産生に対する阻害作用および/ または同癌の増殖抑制作用を有する化合物を 簡便に選別することができる。

実施例1における化合物1を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物2を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物3を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物4を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物5を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物6を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物7を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物8を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物9を用いた場合 細胞数の増減を示すグラフであり。縦軸に 胞数(細胞数/ウェル)、横軸に薬物濃度(μM) 示す 実施例1における化合物1を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物2を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物3を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物4を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物5を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物6を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物7を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物8を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例1における化合物9を用いた場合 PSA産生量を示すグラフである。縦軸にPSA産 量(ng/mL)、横軸に薬物濃度を示す。 実施例3における化合物6を用いた場合 レポーター活性を示すグラフである。縦軸 レポーター活性(%)、横軸に薬物濃度を示す 実施例3における化合物8を用いた場合 レポーター活性を示すグラフである。縦軸 レポーター活性(%)、横軸に薬物濃度を示す 実施例3における化合物9を用いた場合 レポーター活性を示すグラフである。縦軸 レポーター活性(%)、横軸に薬物濃度を示す 実施例3における陰性対照化合物 ビタ ルカミドを用いた場合のレポーター活性を示 すグラフである。縦軸にレポーター活性(%)、 横軸に薬物濃度を示す。

 本発明のアンドロゲン非依存性前立腺癌の 立腺特異抗原産生に対する阻害作用および/ または同癌の増殖抑制作用を有する化合物の スクリーニング方法は、アンドロゲン非依存 性ヒト前立腺癌細胞を用いることを特徴とす る。
 ここで、「アンドロゲン非依存性ヒト前立 癌細胞」とは、ステロイド(例えば、野生型 または変異型アンドロゲン受容体に結合する 分子、具体的には、例えば、アンドロゲン、 プロゲステロン、グルココルチコイド、エス トロゲン)が実質的に存在しない培養条件に いて増殖能を示すヒト前立腺癌細胞を意味 る。
 アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞と ては、例えば、(i)ステロイドが実質的に存 しない培養条件において増殖が抑制される ト前立腺癌細胞(親株)を由来とし、ステロ ドが実質的に存在しない培養条件における 殖能が親株よりも高いヒト前立腺癌細胞、(i i)ホルモン療法によって一旦血中PSA濃度が低 した後に再度PSA濃度が上昇した前立腺癌患 由来のヒト前立腺癌細胞等が挙げられる。 お、(i)記載の親株には、ステロイドが実質 に存在しない培養条件において増殖速度が 制されるヒト前立腺癌細胞、及び該条件に いて増殖することができない細胞が含まれ 。
 好ましいアンドロゲン非依存性ヒト前立腺 細胞としては、例えば、(i)記載の性質に加 て、(iii)親株よりもPSAの基礎産生量が上昇 ている及び/又は(iv) 親株の場合よりも低濃 のアンドロゲン刺激よって親株と同程度のP SA産生量を示す細胞、が挙げられる。(iii)の 胞としては、親株よりも1.2倍以上、好まし は1.2倍~30倍のPSAの基礎産生量を示す細胞が げられる。また、(iv)の細胞としては、親株 場合の1/3以下、好ましくは1/3~1/30の濃度の ンドロゲン刺激によって、親株と同程度のPS A産生量を示す細胞が挙げられる。
 上記(i)の細胞は、例えば、ステロイドが実 的に存在しない培養条件において増殖が抑 されるヒト前立腺癌細胞(親株)をステロイ が実質的に存在しない培養条件において培 し、親株よりも高い増殖能を獲得した亜株 選択することにより得られる。親株として 用できるヒト前立腺癌細胞とは、例えば、LN CaP-FGC(ATCC CRL-1740)である。
 本発明のアンドロゲン非依存性ヒト前立腺 細胞としては、例えば、LNCaP-FGCを由来とす 細胞、具体的には、参考例記載のヒト前立 癌細胞LNCaP-hr等があげられる。LNCaP-FGCを由 とする細胞は、例えば次の方法により得ら る。まず、親株であるLNCaP-FGC細胞をチャコ ルデキストランによりステロイドを除去し 血清をふくむ培地(例えば、MEM培地、DMEM培地 、RPMI1640培地、199培地、F12培地等、特に、RPMI 1640培地)で培養する。細胞が、一旦増殖が抑 された後増殖を再開した後も同じ条件で培 を続け、増殖速度、PSA産生量、細胞形状等 形質を安定させた細胞を得る。
 LNCaP-hr細胞においては、アンドロゲン反応 の蛋白質であるPSAの基礎産生量が、親株(LNCa P-FGC細胞)よりも上昇している。また、LNCaP-hr 胞は、親株の場合よりも低濃度のアンドロ ン刺激によって、親株と同程度のPSA産生量 示す。したがって、LNCaP-hr細胞は、親株よ もアンドロゲン刺激に高反応性の細胞と考 られる。LNCaP-hr細胞においては、従来のアン ドロゲン受容体拮抗薬のビカルタミドは高濃 度ではPSA産生にアゴニストとして作用し、ビ カルタミドによる細胞増殖の抑制も、LNCaP-FGC の場合よりはるかに弱い。これは臨床でのホ ルモン療法抵抗性癌の性質と類似する。

 また、本発明のスクリーニング方法は、
(1)アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に 試験化合物を接触させたときのPSA産生量また は細胞数と、試験化合物を接触させない場合 のPSA産生量または細胞数を測定し、比較する 工程を含むこと;
(2)連結されたPSAプロモーターとレポーター遺 伝子が組み込まれたアンドロゲン非依存性ヒ ト前立腺癌細胞を試験化合物と接触させる工 程を含むこと;または
(3)モデル動物にアンドロゲン非依存性ヒト前 立腺癌細胞を移植し、該モデル動物に試験化 合物を投与した場合と投与しない場合の細胞 増殖の状態を測定し、比較する工程を含むこ と
を特徴とする。
 以下、(1)~(3)について、詳細に説明する。

 (1)アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞 試験化合物を接触させたときのPSAの産生量 たは細胞数と、試験化合物を接触させない 合のPSA産生量または細胞数を測定し、比較 る工程を含むスクリーニング方法:
 (1)の方法は、アンドロゲン非依存性ヒト前 腺癌細胞を用いることを特徴とする前立腺 異抗原産生阻害作用および/またはアンドロ ゲン非依存性前立腺癌増殖抑制作用を有する 化合物(例えば抗癌薬)のスクリーニング方法 して使用できる。アンドロゲン非依存性ヒ 前立腺癌細胞としては、例えば、LNCaP-FGC由 の細胞、具体的には、例えばLNCaP-hrが使用 きる。
 PSA産生量の測定は、試験化合物を含む(また は含まない)培地を用いてアンドロゲン非依 性ヒト前立腺癌細胞を培養した後、培養上 に分泌されたPSAをELISA法、RIA法等によって測 定することにより実施可能である。細胞数は 、試験化合物を含む(または含まない)培地を いてアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細 を培養した後に測定すればよい。細胞数は 例えば、コールターカウンターを用いる細 数のカウント、細胞内のATP含量の定量、ミ コンドリアにより還元されて発色する色素 用いる方法によって測定することができる
 (1)記載の工程の結果に基づいて、(i)アンド ゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に接触させ ときに該細胞のPSA産生量を減少させる試験 合物を選抜する、または(ii)アンドロゲン非 依存性ヒト前立腺癌細胞に接触させたときに 該細胞の増殖が抑制される試験物質を選択す ることにより、前立腺特異抗原産生阻害作用 および/またはアンドロゲン非依存性前立腺 増殖抑制作用を有することが期待される化 物を得ることができる。
 (1)のスクリーニング方法は、例えば、下記 ように実施することができる。
 LNCaP-FGC由来のアンドロゲン非依存性ヒト前 腺癌細胞をマルチウェルプレートあるいは ャーレに播き、翌日、化合物を添加する。 合物は化合物を溶解する適当な溶媒(PBS、HBS S、生理食塩水、水、エタノール、DMSO、DMFな )に溶解し、そのままあるいは培地で希釈し 、細胞を播種したマルチウェルプレートある いはシャーレに添加する。一定期間培養後培 養上清中のPSA濃度を、ELISAまたはRIAにより測 し、コントロール群を100%、化合物添加前の PSA量を0%としたときのPSA産生抑制率を算出す 。また細胞増殖をコールターカウンターに る計数、細胞内のATP含量測定、BrdU取り込み 、[ 3 H]-Thymidine取り込み、色素法(MTT、alamar blue,resa zurin、WST-1、WST-8など)により評価する。

 (2)連結されたPSAプロモーターとレポーター 伝子が組み込まれたアンドロゲン非依存性 ト前立腺癌細胞を試験化合物と接触させる 程を含むスクリーニング法:
 (2)の方法は、連結されたPSAプロモーターと ポーター遺伝子が組み込まれたアンドロゲ 非依存性ヒト前立腺癌細胞に試験化合物を 触させた場合と試験化合物を接触させない 合のレポーター遺伝子の発現量を測定し、 較する工程を含むことが好ましい。
 (2)の方法は、アンドロゲン非依存性ヒト前 腺癌細胞を用いることを特徴とする前立腺 異抗原産生阻害作用および/またはアンドロ ゲン非依存性前立腺癌増殖抑制作用を有する 化合物(例えば抗癌薬)のスクリーニング方法 して使用できる。アンドロゲン非依存性ヒ 前立腺癌細胞としては、例えば、LNCaP-FGC由 の細胞、具体的には、例えばLNCaP-hrが使用 きる。
 PSAプロモーターとは、アンドロゲン受容体 よって転写が調節されるPSA遺伝子のプロモ ターであって、6k-PSAプロモーター(文献名:Mo l. Endocrinol., 1997, 11, 148-161)、PSAR-PCPSA-P(文献 名:Cancer Res., 1997, 57, 495-499)等が使用可能で ある。レポーター遺伝子としては、例えばβ- ガラクトシダーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ遺 伝子、蛍光タンパク質遺伝子、アルカリホス ファターゼ遺伝子、西洋ワサビペルオキシダ ーゼ遺伝子、クロラムフェニコールアセチル トランスフェラーゼ遺伝子が使用できる。
 (2)の方法は、例えば、下記のように実施す ことができる。まず、PSAプロモーターを、 ポーター遺伝子を連結した後、これをアン ロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞に組み込 で変異株を作製し、該変異株と試験化合物 接触させる。変異株と接触させた場合にレ ーター遺伝子の発現を低下させる試験化合 、すなわちアンドロゲン受容体による転写 進に対する抑制作用を有する化合物を選別 ることで、前立腺特異抗原産生阻害作用お び/またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増 殖抑制作用を有する化合物(例えば抗癌薬)を ることができる。
 (3)モデル動物にアンドロゲン非依存性ヒト 立腺癌細胞を移植し、該モデル動物に試験 合物を投与した場合と投与しない場合の細 増殖の状態を測定し、比較する工程を含む クリーニング方法:
 (3)の方法は、抗腫瘍作用を有する化合物の クリーニング方法として使用できる。アン ロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞としては 例えば、LNCaP-FGC由来の細胞、具体的には、 えばLNCaP-hrが使用できる。モデル動物とし は、例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモ ト、ハムスター、マウス、ラット、特に好 しくはマウスまたはラットが使用できる。 デル動物は、免疫不全動物であることが好 しい。細胞増殖の状態の測定としては、例 ば、腫瘍体積の測定が挙げられる。
 上記(3)の工程の結果に基づいて、モデル動 の腫瘍体積を縮小させる、または腫瘍体積 増加を抑制する試験化合物を選抜すること より、抗腫瘍作用を有することが期待され 化合物を得ることができる。
 (2)の方法は、例えば、下記のように実施す ことができる。
 LNCaP-FGCに由来するアンドロゲン非依存性ヒ 前立腺癌細胞をPBS、HBSS、生理食塩水あるい はマトリゲル中に浮遊させ、そのうち0.5-10X10 6 細胞に相当する浮遊液をヌードマウス皮下、 腹腔内、静脈内、心室内、骨内あるいは前立 腺内に移植する。雄ヌードマウスあるいは雄 ヌードラットにおいては場合により去勢した 動物を使用する。腫瘍体積がある程度以上( えば100mm 3) になった段階で腫瘍体積をもとに群分けし、 化合物を1日1~4回1~8週間経口投与を行い、コ トロール群の体積を100%、投与開始時の体積 0%として投与群の腫瘍体積を計算する(T/C%)

 本発明のスクリーニング方法に供される 験化合物には特に制限はなく、例えば、コ ビナトリアルケミストリー技術を用いて作 された化合物ライブラリー、固相合成やフ ージディスプレイ法により作製されたラン ムペプチドライブラリー、あるいは、微生 、動植物、海洋生物等由来の天然成分等が げられる。

 本発明はまた、上記のスクリーニング方法 実施するのに好適なキットをも提供する。 発明のスクリーニング用キットは、アンド ゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞を含んでな ことを特徴とする。アンドロゲン非依存性 ト前立腺癌細胞としては、本発明のスクリ ニング方法の説明において上記したものが 用できる。
 本発明のスクリーニング用キットは、PSAを 定するための試薬類をさらに含んでいても い。例えば、下記の試薬類を含むことがで る。
タンデム-RフリーPSA、高感度PSAタンデム、ア セス・ハイブリテック・フリーPSA、ST Eテ ト「TOSOH」II(PSA II)、ナノピアPSA、LTオート コーPSA、ランリームPSA II、マーキットM PA アーキテクト R (登録商標)・PSA、イノテック PSA、 DPC・イム ライズ(R)HS-PSA、 E-テスト PSA、エクルーシス 試薬PSAII、エクルーシス試薬FPSA、AxSYM R  PSA・ダイナパック R 、AxSYM R  フリーPSA・ダイナパック R 、ルミパルス PSA-N、ルミスポットAL-1000用PSA 定試薬、 Unicel Dx I 800用測定試薬、日立70 70分析装置用PSA測定試薬

 本発明はまた、本発明のスクリーニング法 得られた前立腺特異抗原産生阻害作用およ /またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増殖 抑制作用を有する化合物を含有してなる癌( に前立腺癌)の予防・治療薬を提供する。該 防・治療薬は、必要に応じて薬理学的に許 される担体を含有することができる。
 ここで、「薬理学的に許容される担体」と ては、製剤素材として慣用の各種有機ある は無機担体物質が用いられ、固形製剤にお る賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製 剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等 張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合さ れる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化 剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用い ることもできる。

 賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D -マンニトール、D-ソルビトール、デンプン、 α化デンプン、デキストリン、結晶セルロー 、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース カルボキシメチルセルロースナトリウム、 ラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽 無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メ ケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げ れる。
 滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸 グネシウム、ステアリン酸カルシウム、タ ク、コロイドシリカなどが挙げられる。
 結合剤の好適な例としては、α化デンプン ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチル ルロース、カルボキシメチルセルロース、 ルボキシメチルセルロースナトリウム、結 セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハ ロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキ シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、ポリビニルピロリドンな どが挙げられる。
 崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、 ンプン、カルボキシメチルセルロース、カ ボキシメチルセルロースカルシウム、クロ カルメロースナトリウム、カルボキシメチ スターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低 換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが げられる。
 溶剤の好適な例としては、注射用水、生理 食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピ ングリコール、ポリエチレングリコール、 マ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実 などが挙げられる。
 溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチ ングリコール、プロピレングリコール、D- ンニトール、トレハロース、安息香酸ベン ル、エタノール、トリスアミノメタン、コ ステロール、トリエタノールアミン、炭酸 トリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げら る。
 懸濁化剤の好適な例としては、ステアリル リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリ ム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチ 、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ ム、モノステアリン酸グリセリンなどの界 活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリ ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ ースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロ キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ ルロース、ヒドロキシプロピルセルロースな どの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリ キシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられ 。
 等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリ ム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビ トール、ブドウ糖などが挙げられる。
 緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢 塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液など 挙げられる。
 無痛化剤の好適な例としては、ベンジルア コールなどが挙げられる。
 防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安 香酸エステル類、クロロブタノール、ベン ルアルコール、フェネチルアルコール、デ ドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
 抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、 スコルビン酸塩などが挙げられる。
 着色剤の好適な例としては、水溶性食用タ ル色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄 4号および5号、食用青色1号および2号などの 食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水 性食用タール色素のアルミニウム塩など)、 天然色素(例、β-カロチン、クロロフィル、 ンガラなど)などが挙げられる。
 甘味剤の好適な例としては、サッカリンナ リウム、グリチルリチン酸二カリウム、ア パルテーム、ステビアなどが挙げられる。

 前記医薬組成物の剤形としては、例えば錠 、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカ プセルを含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤 乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例 、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤 、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与 剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直 坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、徐 性製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど) の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ 口的あるいは非経口的に安全に投与できる
 医薬組成物は、製剤技術分野において慣用 方法、例えば日本薬局方に記載の方法等に り製造することができる。以下に、製剤の 体的な製造法について詳述する。医薬組成 中の本発明のスクリーニング方法により得 れる化合物の含量は、剤形、該化合物の投 量などにより異なるが、例えば約0.1ないし1 00重量%である。

 例えば、経口剤は、有効成分に、賦形剤( 例、乳糖、白糖、デンプン、D-マンニトール ど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロ スカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプ 、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ ニルピロリドンなど)または滑沢剤(例、タ ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチ ングリコール6000など)などを添加して圧縮成 形し、次いで必要により、味のマスキング、 腸溶性あるいは持続性を目的として、コーテ ィング基剤を用いて自体公知の方法でコーテ ィングすることにより製造される。

 該コーティング基剤としては、例えば糖衣 剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸 性フィルムコーティング基剤、徐放性フィ ムコーティング基剤などが挙げられる。
 糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さら 、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン アラビアゴム、プルラン、カルナバロウな から選ばれる1種または2種以上を併用して よい。
 水溶性フィルムコーティング基剤としては 例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒ ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ シエチルセルロース、メチルヒドロキシエ ルセルロースなどのセルロース系高分子;ポ リビニルアセタールジエチルアミノアセテー ト、アミノアルキルメタアクリレートコポリ マーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームフ ルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合 高分子;プルランなどの多糖類などが挙げら る。
 腸溶性フィルムコーティング基剤としては 例えばヒドロキシプロピルメチルセルロー  フタレート、ヒドロキシプロピルメチル ルロース アセテートサクシネート、カルボ キシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸 セルロースなどのセルロース系高分子;メタ クリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商 名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸 ポリマーLD〔オイドラギットL-30D55(商品名) ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポ マーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームフ ルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラッ クなどの天然物などが挙げられる。
 徐放性フィルムコーティング基剤としては 例えばエチルセルロースなどのセルロース 高分子;アミノアルキルメタアクリレートコ ポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロー ムファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタア クリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギ ットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などの クリル酸系高分子などが挙げられる。
 上記したコーティング基剤は、その2種以上 を適宜の割合で混合して用いてもよい。また 、コーティングの際に、例えば酸化チタン、 三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい 。

 注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソ ルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ 60など、ポリエチレングリコール、カルボ シメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ など)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピ ルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブ タノール、フェノールなど)、等張化剤(例、 化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトー 、D-ソルビトール、ブドウ糖など)などと共 水性溶剤(例、蒸留水、生理的食塩水、リン ル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油 ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油などの植 油、プロピレングリコール等)などに溶解、 濁あるいは乳化することにより製造される この際、所望により溶解補助剤(例、サリチ ル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、安定 (例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例 ベンジルアルコール等)等の添加物を用いて よい。注射液は、通常、適当なアンプルに 填される。

 このようにして得られる製剤は、安全で低 性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、 ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブ タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパ ンジーなど)に対して経口的にまたは非経口 に投与することができる。
 該予防・治療薬の投与量は、対象疾患、重 度、投与対象、投与ルートなどにより異な が、例えば、前立腺癌に罹患している成人 者(体重60kg)においては、有効成分である化 物の量として、一日あたり約0.1~約100mg、好 しくは約1.0~約50mg、より好ましくは約1.0~約2 0mgであり、この量を1回または数回に分けて 与することができる。
 以下に、参考例、実施例を挙げて本発明を らに詳しく説明するが、本発明はこれらに 定されるものではない。
[参考例]

 ヒト前立腺癌細胞LNCaP-FGCを親株として用い 本発明のアンドロゲン非依存性ヒト前立腺 細胞「LNCaP-hr」を得た。
 まず、ステロイドが実質的に存在しない培 を用いて、LNCaP-FGC細胞(ATCCCRL-1740)を培養し 。ステロイドが実質的に存在しない培地と 、アンドロゲンが除去された牛胎児血清を10 %含有する、RPMI1640培地(GIBCO社 11835-030, phenol red free)である。
 牛胎児血清からのアンドロゲンの除去は、 胎児血清のDCC(Dextran coated charcoal)処理によ 行った。まず、「Charcoal, activated, USP」(SIGM A社, C7606-500G) 25g、 「デキストランT70」(EXTR ASYNTHESE社, 4445) 250mgおよびD-PBS(GIBCO社, 14190-1 44) 500mLを混合した後にオートクレーブ(121℃,  20分)し、これをDCCとした。次に、牛胎児血 500mLにDCC 25mLを混合し、45℃の温浴中で30分 振とう撹拌した。その後、4℃, 3000rpmでの 心を2回行い、得られた上清をろ過滅菌(CORNIN G 430773, 0.2um Nylon)し、アンドロゲンが除去 れた牛胎児血清を得た。アンドロゲンが除 された牛胎児血清と、RPMI1640培地(GIBCO社 1183 5-030, phenol red free)を混合し、ステロイドが 質的に存在しない培地とした。
 ステロイドが実質的に存在しない培地を用 て培養すると、LNCaP-FGC細胞の増殖は、一旦 制された後、再開された。再増殖開始後も じ条件で培養を続け、増殖速度及び細胞形 が安定した細胞を選択した。得られた細胞 「LNCaP-hr」と名づけた。
 なお、「LNCaP-hr」は、Cancer Res. 2003 Jan 1;63 (1):149-53(非特許文献13)にも記載された細胞で る。
 LNCaP-hr細胞のPSAの基礎産生量を、ELISA法で測 定した。その結果、LNCaP-hr細胞においては、 ンドロゲン反応性の蛋白であるPSAの基礎産 量は、LNCaP-FGC細胞の約1.2倍~30倍であった。
 また、アンドロゲン刺激による細胞のPSAの 生量を、ELISA法で測定した。その結果、LNCaP -hr細胞は、LNCaP-FGC細胞の場合の1/3~1/30の濃度 アンドロゲン刺激によって、LNCaP-FGC細胞と 程度のPSA産生量を示した。したがって、LNCa P-hr細胞は、親株よりもアンドロゲン刺激に 反応性の細胞と考えられる。
 この細胞では従来のAR拮抗薬のビカルタミ は高濃度ではPSA産生にアゴニストとして作 し、ビカルタミドによる細胞増殖の抑制もLN CaP-FGCの場合よりはるかに弱かった。これは 床でのホルモン療法抵抗性癌の性質と類似 ていた。
 この細胞を用いてin vitroでのPSA産生の産生 害および増殖阻害ならびにこの細胞をヌー マウスに移植して作成した癌に対する抗腫 作用で化合物を評価した。

 LNCaP-hr細胞での化合物によるPSA産生阻害試 :
 表1記載の化合物1~化合物9を被験化合物とし てPSA産生阻害試験をおこなった。まず、LNCaP- hr細胞を24穴プレートに40000細胞/500μL/ウエル 播き、翌日、化合物を添加した。添加3日後 の培養上清中のPSA濃度をELISAにより測定し、 ントロール群を100%、化合物添加前のPSA量を 0%としたときのPSA産生抑制率を算出した。ま 細胞数をコールターカウンターで計数した
 細胞数およびPSA産生量ともに無添加時より 低下する化合物を選択した。
 なお、表1記載の化合物は、WO2006/064944号パ フレットおよび特願2006-163992号明細書の記載 に基づいて合成した。
 結果を図1および図2に示す。化合物3~9にPSA 生抑制作用が認められた。

 LNCaP-hr細胞移植ヌードマウスを用いた抗腫 試験:
 表1記載の化合物1、6及び9を被験化合物とし て抗腫瘍試験をおこなった。LNCaP-hr細胞をマ リゲル中に浮遊させ、5X10 6 細胞を去勢したヌードマウス側腹部皮下に移 植した。腫瘍体積が100mm 3 程度になった段階で腫瘍体積をもとに群分け し、化合物15mg/kg体重を1日2回3週間経口で投 し、コントロール群の体積を100%、投与開始 の体積を0%として投与群の腫瘍体積を計算 た(T/C%)。結果を表2に示す。化合物6、8及び9 いずれにも抗腫瘍活性が認められた

LNCaP-hr細胞を用いたレポーターアッセイ:
 表1記載の化合物6,8,9を試験化合物としてレ ーターアッセイをおこなった。陰性対照化 物として、従来のAR拮抗薬であるビカルタ ドを使用した。PSAプロモーターとして6k-PSA  プロモーターを、レポーター遺伝子としてホ タルルシフェラーゼ遺伝子を使用した。
 連結されたPSAプロモーターとレポーター遺 子が組み込まれたLNCaP-hr細胞を、96穴プレー トに50000細胞/100μL/ウエルで播き、8時間培養 に試験化合物を添加した。添加24時間後に ポーター活性を測定した。試験化合物を添 していない細胞のレポーター活性を100%(コン トロール群)、レポーター遺伝子を組み込ん いない無処置のLNCaP-hr細胞のレポーター活性 を0%として、試験化合物のレポーター抑制活 を算出した。
 結果を図3に示す。試験化合物6、8及び9のい ずれにも、濃度依存的なレポーター抑制活性 が認められた。各試験化合物が、アンドロゲ ン受容体による転写促進に対する抑制作用を 有することが示された。一方、陰性対照であ るビカルタミドは、濃度依存的なレポーター 抑制活性を示さなかった。

 本発明のスクリーニング方法を用いるこ により、前立腺特異抗原産生阻害作用およ /またはアンドロゲン非依存性前立腺癌増殖 抑制作用を有する化合物を簡便に選別するこ とができる。