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Title:
SEMICONDUCTOR CHIP AND HIGH FREQUENCY CIRCUIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129713
Kind Code:
A1
Abstract:
A semiconductor chip in which a reflection circuit, a demultiplexer circuit, a matching circuit, and he like, being connected to the chip end can be made to function sufficiently. A semiconductor chip having wiring patterns (12, 14) provided on a semiconductor substrate on which at least one semiconductor element (11) is formed and being connected with respective terminals of the semiconductor element (11), and electrode pads (13, 15) connected with the wiring patterns (12, 14) and connecting the semiconductor substrate with a signal I/O circuit formed on other substrate is further provided with parallel wiring patterns (16, 18) being connected with the wiring patterns (12, 14) at at least one terminal end of the semiconductor element, and electrode pads (17, 19) connected with the parallel wiring patterns (16, 18) and electrically connecting a reactance circuit formed on the other substrate separately from the signal I/O circuit.

Inventors:
SUZUKI TAKUYA (JP)
KAWAKAMI KENJI (JP)
KANAYA KO (JP)
KITAMURA YOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/072211
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
November 15, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
SUZUKI TAKUYA (JP)
KAWAKAMI KENJI (JP)
KANAYA KO (JP)
KITAMURA YOICHI (JP)
International Classes:
H03D7/02; H01L21/822; H01L27/04
Foreign References:
JP2005311852A2005-11-04
JP2005151165A2005-06-09
JP2006222704A2006-08-24
JPH1131923A1999-02-02
Other References:
WADA Y. ET AL.: "K-tai Teiwai Tanheiko Gukochoha Mixer MMIC", 2002 NEN IEICE ELECTRONICS SOCIETY TAIKAI KOENRONBUNSHU 1, 23 August 2002 (2002-08-23), pages 23, XP003021971
See also references of EP 2133992A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 少なくとも1つの半導体素子が形成された半導体基板上に設けられ、
 前記半導体素子の各端子にそれぞれ接続される配線パターンと、
 前記配線パターンに接続され、前記半導体基板とは別基板上に形成された信号入出力回路を接続するための電極パッドと、
 を有する半導体チップにおいて、
 前記半導体素子の少なくとも1つの端子端にて、前記配線パターンに接続される並列配線パターンと、
 前記並列配線パターンに接続され、前記信号入出力回路とは別個に、前記別基板上に形成されたリアクタンス回路とを電気的に接続するためのリアクタンス回路接続用電極パッドと、
 を備えたことを特徴とする半導体チップ。
 前記半導体基板には、単体ダイオード、または極性が相互に異なる2つのダイオードを並列に接続したアンチパラレルダイオードペアなどの2端子の半導体素子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
 前記半導体基板には、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタなどの3端子の半導体素子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
 少なくとも1つの半導体素子が形成された半導体基板上に設けられ、該半導体素子の各端子にそれぞれ接続される配線パターンおよび該配線パターンに接続される電極パッドを有する半導体チップと、
 前記半導体基板とは別基板上に形成され、前記電極パッドに電気的に接続し、前記半導体素子へ高周波信号を入出力する信号入出力回路と、
 を備えて構成される高周波回路において、
 前記半導体チップは、
 前記半導体素子の少なくとも1つの端子端にて、前記配線パターンに接続された並列配線パターンと、
 前記並列配線パターンに接続され、前記信号入出力回路とは別個に、前記別基板上に形成されるリアクタンス回路を電気的に接続するためのリアクタンス回路接続用電極パッドとを備え、
 前記リアクタンス回路接続用電極パッドに電気的に接続され、前記信号入出力回路とは別個に、前記別基板上に形成されたリアクタンス回路とを備えたことを特徴とする高周波回路。
 前記半導体基板には、極性が相互に異なる2つのダイオードを並列に接続したアンチパラレルダイオードペア(APDP)が形成されており、
 前記信号入出力回路は、
 LO信号を入出力するLO信号入出力回路と、
 RF信号を入力するRF信号入力回路と、
 前記LO信号と前記RF信号とにより生成されるIF信号を分波および出力するIF信号入出力回路と、
 を備え、
 前記並列配線パターンは、前記APDPの一端側および他端側にそれぞれ形成される第1、第2の2つの並列配線パターンを有し、
 前記リアクタンス回路接続用電極パッドは、前記第1、第2の並列配線パターンにそれぞれ電気的に接続される第1、第2の2つリアクタンス回路接続用電極パッドを有し、
 前記リアクタンス回路は、
 前記第1のリアクタンス回路接続用電極パッドに接続され、前記APDPの一端にてRF信号の通過を可能とする一方で、前記LO信号を短絡するLO分波スタブと、
 前記第2のリアクタンス回路接続用電極パッドに接続され、前記APDPの他端にて前記LO信号の通過を可能とする一方で、前記RF信号を短絡するRF分波スタブと、
 を備えた、
 ことにより偶高調波ミキサとして動作することを特徴とする請求項4に記載の高周波回路。
 前記LO分波スタブの長さは、前記APDPの一端にて前記LO信号が短絡となるような長さに設定されるとともに、前記RF分波スタブの長さは、前記APDPの他端にて前記RF信号が短絡となるような長さに設定されることを特徴とする請求項5に記載の高周波回路。
 前記半導体基板には、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタなどの3端子の半導体素子が形成されており、
 前記信号入出回路は、
 前記3端子素子の第1端子に接続される電極パッドに接続され、所定の信号周波数で共振する共振器と、所定の信号周波数で発振位相条件を満たす位相線路とからなる共振回路および該第1端子に動作電圧を供給する電圧供給回路と、
 前記3端子素子の第2端子に接続される電極パッドに接続され、該第2端子から出力される信号を出力端に導く出力回路および該第2端子に動作電圧を供給する電圧供給回路と、
 前記3端子素子の第3端子に接続される電極パッドに接続され、該第3端子にて入出力される入出力信号の実効波長の略1/4~略1/2の長さを有する先端短絡回路と、
 を備え、
 前記リアクタンス回路は、
 前記3端子素子の第2端子に接続されるリアクタンス回路接続用電極パッドに接続され、該第2端子にて入出力される入出力信号の実効波長の略1/4の長さを有する先端開放回路と、
 を備えた、
 ことにより発振器として動作することを特徴とする請求項4に記載の高周波回路。
 前記先端開放回路の長さは、前記3端子素子の第2端子端にて前記信号周波数でほぼ短絡となるような長さに設定されているとともに、前記先端短絡回路の長さは、前記共振回路側から、前記3端子素子の第1端子側を見たときの反射利得が1以上となるインダクタンスを有するような長さに設定されていることを特徴とする請求項7に記載の高周波回路。
 前記半導体基板には、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタなどの3端子の半導体素子が形成されており、
 前記信号入出回路は、
 前記3端子素子の第1端子に接続される電極パッドに接続され、入力信号の基本信号周波数の整合回路として機能する入力回路および該第1端子に動作電圧を供給する電圧供給回路と、
 前記3端子素子の第2端子に接続される電極パッドに接続され、前記基本信号周波数の偶数倍の信号周波数の整合回路として機能する出力回路および該第2端子に動作電圧を供給する電圧供給回路と、
 前記前記3端子素子の第3端子に接続される電極パッドに接続され、DCおよび高周波帯の信号を接地する短絡回路と、
 を備え、
 前記リアクタンス回路は、前記3端子素子の第2端子に接続されるリアクタンス回路接続用電極パッドに接続され、該第2端子にて前記基本信号周波数の実効波長の1/4の長さを有する先端開放回路を備えた、
 ことにより偶数倍逓倍器として動作することを特徴とする請求項4に記載の高周波回路。
 前記先端開放回路の長さは、前記3端子素子の第2端子端にて前記基本信号周波数の短絡となるような長さに設定されていることを特徴とする請求項9に記載の高周波回路。
Description:
半導体チップおよび高周波回路

 本発明は、半導体チップおよび高周波回 に関するものであり、特に、高周波数無線 信システムやレーダシステムなどに好適な 導体チップおよび高周波回路に関するもの ある。

 近時、無線通信システムやレーダシステ では、使用する無線周波数の高周波帯域へ 移行が進展している。実際のところ、車載 レーダシステムで用いられる無線周波数帯 は、100GHz近傍まで達している。このような 周波帯のシステムに用いられる、半導体回 には、所要の高周波特性が要求され、GaAs等 の高価な基材や専用プロセスが必要となり、 チップ面積に比例した多額の製造費用を要し ていた。このため、性能達成に必須となる半 導体部分のみをベアチップ化し、周辺の信号 入出力回路や、機能回路等は、低価格な有機 樹脂やセラミックなどの外部基板に構成して 、全体の回路コストを低減するディスクリー ト回路の開発が進んでいる。

 ここで、従来のディスクリート回路に用 られるダイオードチップでは、極力チップ 積を小さくするために、ダイオード素子と ダイオード各端子と外部基板上の機能回路 を接続するために最小限必要な各1個の接続 パッドを設ける構成が主流であった(例えば 非特許文献1参照)。

M/A-COM社 製品カタログ 型番「MA4E1318」 ど、「ONLINE」、「平成19年2月25日検索」、イ ンターネット<URL:http://www.macom.com/DataSheets/MA 4E1317_1318_1319.pdf>

 ところで、マイクロ波帯やミリ波帯など 高周波帯のミキサ回路では、RF信号、LO信号 をダイオードへ入力する場合、ダイオードの 信号入力側と逆の端子は高周波的に接地する 必要がある。高周波帯では、スルーホールの 電気長が無視できなくなってくるため、この 高周波信号の接地手段として、通例、並列ス タブが用いられる。すなわち、ダイオード端 とRF/LO信号の各入出力線路の接続点に、スタ 等のリアクタンス回路を並列接続すること より、定在波的にRF/LO短絡を実現する。

 しかしながら、上記のミキサ回路をディ クリート化するために、並列スタブを信号 出力回路とともに外部基板に構成した場合 従来のディスクリート回路用ダイオードチ プでは、ダイオードの各端子に1つの接続パ ッドのみであるため、ダイオードチップと外 部基板を接続するAuバンプや、ワイヤの介在 よりRF信号、LO信号の短絡特性に影響を受け てしまう。すなわち、Au-Bumpやワイヤボンド インダクタンスが付加されることにより、 イオード端を完全な短絡とすることができ かった。

 したがって、従来のディスクリート回路 ダイオードチップで構成したミキサ回路は ダイオードに接続される並列スタブを十分 機能させることができず、Au-Bump、ワイヤボ ンドなどの実装に起因する変換損劣化等を許 容せざるを得なかった。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、チップ上の半導体素子に接続される 射回路、分波回路、整合回路などのリアク ンス回路を十分に機能させることができる 導体チップおよび当該半導体チップを用い 構成した高周波回路を提供することを目的 する。

 上述した課題を解決し、目的を達成する め、本発明にかかる半導体チップは、少な とも1つの半導体素子が形成された半導体基 板上に設けられ、前記半導体素子の各端子に それぞれ接続される配線パターンと、前記配 線パターンに接続され、前記半導体基板とは 別基板上に形成された信号入出力回路を接続 するための電極パッドと、を有する半導体チ ップにおいて、前記半導体素子の少なくとも 1つの端子端にて、前記配線パターンに接続 れる並列配線パターンと、前記並列配線パ ーンに接続され、前記信号入出力回路とは 個に、前記別基板上に形成されたリアクタ ス回路を電気的に接続するためのリアクタ ス回路接続用電極パッドと、を備えたこと 特徴とする。

 本発明にかかる半導体チップによれば、 導体基板上に設けられた半導体素子の少な とも1つの端子端にて、予め設けられた配線 パターンに接続される並列配線パターンと、 この並列配線パターンに接続され、信号入出 力回路とは別個に構成された反射回路、分波 回路、整合回路などのリアクタンス回路とを 電気的に接続するためのリアクタンス回路接 続用電極パッドとを、備えるようにしている ので、当該半導体チップと、別基板上に構成 した外部機能回路とを接続するAuバンプや、 イヤなどのインダクタンスの影響を受ける となく、ディスクリート回路の外部機能回 に構成された反射回路、分波回路、整合回 などのリアクタンス回路を、チップ上の半 体端子端において理想的に機能させること できるという効果が得られる。

図1は、本発明の実施の形態1にかかる 導体チップを形成する各構成部の配置関係 示す平面図である。 図2は、図1に示す半導体チップ(APDP)を いて構成した偶高調波ミキサの構成を示す 面図である。 図3は、図2に示す偶高調波ミキサの等 回路を示す図である。 図4は、ダイオードに接続される分波ス タブの接続位置と偶高調波ミキサの変換損と の関係を示す図である。 図5-1は、RFポート(RFin)からAPDPを見たRF 信号成分に対する理想的な等価回路を示す図 である。 図5-2は、LOポート(LOin)からAPDPを見たLO 信号成分に対する理想的な等価回路を示す図 である。 図6は、従来の半導体チップ(APDP)を用い て偶高調波ミキサを構成した場合の等価回路 を示す図である。 図7は、APDP端(A端:図3、E端:図6)から先端 開放スタブ側を見たときの反射特性(相対値) 示すグラフである。 図8は、APDP端(A端:図3、E端:図6)から先端 開放スタブ側を見たときの反射特性を示すス ミスチャートである。 図9は、APDP端(A端:図3、E端:図6)における 短絡インピーダンス(実数部)を示すグラフで る。 図10は、APDP端(A端:図3、E端:図6)におけ 短絡インピーダンス(虚数部)を示すグラフ ある。 図11は、実施の形態1で示した半導体チ ップを用いて発振器を構成した場合の一実施 形態を示す図である。 図12は、実施の形態1で示した半導体チ ップを用いて逓倍器を構成した場合の一実施 形態を示す図である。

符号の説明

11,51 半導体素子(APDP)
12 RF信号入力用配線パターン
13 RF信号入力用電極パッド
14 LO信号入力用配線パターン
15 LO信号入力用電極パッド
16,18 並列配線パターン
17,19 リアクタンス回路接続用電極パッド
21,61,111,121 半導体チップ
22,62 先端開放スタブ
23,63 先端短絡スタブ
24 RF入力線路
25 LO入力線路
27 IF出力回路
28 AUバンプ
37,38 インダクタンス
112,122 半導体FET素子
113a,123a ゲート端子電極パッド
113b,123b ソース端子電極パッド
113c,123c ドレイン端子第1電極パッド
114c,124c ドレイン端子第2電極パッド
115 共振回路
116,126 出力回路
117 先端短絡回路
118 反射回路(先端開放スタブ)
125 入力回路
127 基本波反射回路(先端開放スタブ)

 以下に、本発明にかかる半導体チップお び高周波回路の好適な実施の形態を図面に づいて詳細に説明する。なお、以下に示す 施の形態により本発明が限定されるもので ない。

実施の形態1.
 図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導 チップを形成する各構成部の配置関係を示 平面図である。同図において、この半導体 ップ21には、半導体素子11、高周波信号(以下 「RF信号」という)入力用配線パターン12、RF 号入力用電極パッド13、局部発振波信号(以 「LO信号」という)入力用配線パターン14,LO信 号入力用電極パッド15、並列配線パターン16 リアクタンス回路接続用電極パッド17、並列 配線パターン18、およびリアクタンス回路接 用電極パッド19の各構成部が形成されてい 。ここで、半導体素子11は、例えばトランジ スタ、ダイオードなどであり、少なくとも1 の素子が配置される。

 ここで、本実施の形態では、半導体チッ 上には、2つのダイオードが互いに逆極性と なるように並列接続されて構成されたアンチ ・パラレル・ダイオード・ペア(以下「APDP」 略記)が形成され、当該半導体チップとは別 基板上に形成された信号入出力回路、反射回 路、分波回路などの機能回路とを電気的に接 続し、ディスクリートの偶高調波ミキサ回路 を構成している場合を一例として以下の説明 を行う。

 なお、APDPを用いて構成された偶高調波ミキ サでは、LO信号の入力ポートから入力されたL O信号と、RF信号の入力ポートから入力された RF信号とに基づき、両者の信号がミキシング れて両者の周波数和または周波数差の成分 表す信号(以下「IF信号」という)が生成され る。いま、RF信号の基本周波数、LO信号の基 周波数およびIF信号の各周波数をf RF 、f LO およびf IF で表せば、これらの周波数間には、f RF =|f IF ±2・f LO |関係がある。また、偶高調波ミキサに入力 れるRF信号とLO信号との間には、f RF ≒2・f LO の関係がある。

 図1に戻り、RF信号入力用配線パターン12 、APDP11にRF信号を入力するための伝送線路と して機能する配線パターンであり、その一端 がAPDP11の一端に電気的に接続される。RF信号 力用電極パッド13は、RF信号入力用配線パタ ーン12と図示しない半導体基板と別基板上に 成したRF信号を入力するための回路(以下「R F信号入力回路」という)との電気的接点を提 するための電極パッドである。同様に、LO 号入力用配線パターン14は、APDP11にLO信号を 力するための伝送線路として機能する配線 ターンであり、その一端がAPDP11の他端に電 的に接続される。LO信号入力用電極パッド15 は、LO信号入力用配線パターン14と図示しな 半導体基板と別基板上に構成したLO信号を入 力するための回路(以下「LO信号入力回路」と いう)との電気的接点を提供するための電極 ッドである。並列配線パターン16は、RF信号 力用配線パターン12に対し並列に分岐する うに形成された伝送線路として機能する配 パターンであり、RF信号入力用配線パターン 12と同様に、その一端がAPDP11の一端に電気的 接続される。リアクタンス回路接続用電極 ッド17は、並列配線パターン16と図示しない 半導体基板と別基板上に構成した反射回路、 分波回路、整合回路などの機能回路(以下「 アクタンス回路」という)との電気的接点を 供するための電極パッドである。並列配線 ターン18は、LO信号入力用配線パターン14に し並列に分岐するように形成された伝送線 として機能する配線パターンであり、LO信 入力用配線パターン14と同様に、その一端が APDP11の他端に電気的に接続される。リアクタ ンス回路接続用電極パッド19は、リアクタン 回路接続用配線パターン18と図示しない半 体基板と別基板上に構成した所望のリアク ンス回路との電気的接点を提供するための 極パッドである。

 上述のように、本実施の形態にかかる半 体チップは、半導体チップと別基板上に構 された信号入出力回路から、半導体素子の 端子に信号を入出力するために一般的に設 られる電極パッド(図1の構成では、RF信号入 力用電極パッド13、LO信号入力用電極パッド15 )に加えて、信号入出力回路とは別個に形成 たリアクタンス回路を接続するための電極 ッド(図1の構成では、リアクタンス回路接続 用電極パッド17,19)を設けるようにしている。

 図2は、図1に示す半導体チップ(APDP)を信 入出回路24,25、分波スタブ(リアクタンス回 )22,23、IF出力回路27を形成した外部基板上にA uバンプ28によりフリップチップ実装して構成 したディスクリート偶高調波ミキサを示す平 面図であり、図3は、図2に示す偶高調波ミキ の等価回路を示す図である。

 図2において、所定の基板上に実装された半 導体チップ21は、上述のような4つの電極パッ ド(RF信号入力用電極パッド13、LO信号入力用 極パッド15、リアクタンス回路接続用電極パ ッド17,19)を有している。また、RF信号入力用 極パッド13にはRF入力線路24が接続され、LO 号入力用電極パッド15にはLO入力線路25が接 され、リアクタンス回路接続用電極パッド17 には長さL 1 の先端開放スタブ22が接続され、リアクタン 回路接続用電極パッド19には長さL 2 の先端短絡スタブ23が接続されている。

 また、先端開放スタブ22、および先端短絡 タブ23はそれぞれ、APDPの各端子で、LO信号と RF信号を短絡する機能だけでなく、RF信号とLO 信号との周波数関係(f RF ≒2・f LO )から、LO信号の短絡はRF信号の開放に、RF信 の短絡はLO信号の開放となるため、互いに短 絡されない信号に対しては、ほぼ無反射通過 となる(このため、以下では、2つのスタブを 波スタブと称す)。

 APDPにより、RF信号とLO信号のミキシング より生成されたIF信号は、LO信号入力端子側 接続された先端短絡スタブ23のDC接地を基準 電位として、RF信号入力側に接続されたIF出 回路27から取り出される。IF出力回路27は、RF 入力線路24との接続点でRF周波数に対して、 放となるようなRFチョークを構成しており、 RF信号の損失が発生せず、IF信号のみを取り すことができる。

 なお、実施の形態1では、RF側からIF信号 取り出しているが、RF側にDC接地手段を設け LO周波数に対して開放となるようなIF出力回 路をLO側に接続して、LO側からIF信号を取り出 す構成としてもよい。またこの場合、先端短 絡スタブ23により、IF信号も短絡されてしま ため、例えば、図1に示す半導体チップの並 配線パターン18にMIMキャパシタなどを挿入 、IF信号などのDC、低周波信号に対して、先 短絡スタブのDC接地を切るような構成とし もよい。

 また、先端開放スタブ22の長さL 1 は、LO信号実効波長(λg)の1/4よりも短くなる うに設定されるとともに、先端短絡スタブ23 の長さL 2 は、LO信号実効波長(λg)の1/4よりも短くなる うに設定されている。なお、図2では、この とをL 1 <λg/4@LOおよびL 2 <λg/4@LOとして表記している(以下、同様な 記を行う)。

 つぎに、先端開放スタブ22の長さL 1 が、L 1 <λg/4@LOに設定される理由について説明する 。

 図3の等価回路に示すように、先端開放スタ ブ22がリアクタンス回路接続用電極パッド17 接続される際には、Au-Bumpのインダクタンス3 8が付加される。なお、Au-Bumpは、特にミリ波 、マイクロ波帯においては、そのインダク ンスを無視することはできない。このため Au-Bumpのインダクタンス38を含めた電気長(以 下「等価電気長」という)が略λg/4@LOとなるよ うに、先端開放スタブ22の長さL 1 を短く設定している。

 なお、図3にも示しているが、先端開放スタ ブ22のインピーダンス、Au-Bumpのインダクタン ス38などを考慮した等価電気長によって決定 れる短絡位置は、リアクタンス回路接続用 極パッド17ではなく、半導体チップ21を構成 するダイオードの接続端(A端=図1のRF信号入力 用配線パターン12と並列配線パターン16の接 点に対応)であることが理想的である。この め、先端開放スタブ22の長さL 1 は、接続端Aにおいて短絡となるように、さ に半導体チップ上の並列配線パターン16およ びリアクタンス回路接続用電極パッド17(図1 照)の長さも考慮して、設定されることが好 しい。

 上記の構成は、LO入力端側についても適用 れる。すなわち、先端短絡スタブ23がリアク タンス回路接続用電極パッド19に接続される には、Au-Bumpのインダクタンス37が付加され 。このため、Au-Bumpのインダクタンス37を含 た等価電気長が略λg/4@LOとなるように、先 短絡スタブ23の長さL 2 が設定される。なお、RF入力端側と同様に、 端短絡スタブ23の長さL 2 は、短絡端の位置が半導体チップ21を構成す ダイオードの接続端(B端=図1のLO信号入力用 線パターン14と並列配線パターン18の接続点 に対応)となるように、先端短絡スタブ23のイ ンピーダンス、Au-Bumpのインダクタンス37およ び並列配線パターン18およびリアクタンス回 接続用電極パッド19(図1参照)の長さも考慮 て設定されることが好ましい。

 図4は、ダイオードに接続される分波スタブ の接続位置と偶高調波ミキサの変換損との関 係を示す図であり、横軸にはダイオード端か ら入出力用配線パターン上の分波スタブの接 続位置までの電気長、縦軸には変換損の相対 値(ダイオード端に分波スタブを接続したと の変換損に対する比較値)を示している。例 ば、分波スタブが接続点において、LO信号 波数で短絡となるように、分波スタブ長が λg/4の長さに固定されている場合、同図に示 すように、ダイオード端から分波スタブの接 続位置までの電気長が実効波長の略1/4(=λg/4) ときに偶高調波ミキサの変換損が最小にな 。したがって、図3に示すように、先端開放 スタブ22の長さL 1 がダイオードの接続端AをLO信号周波数で短絡 となるような長さ(L 1 <λg/4@LO)に設定され、かつ、先端短絡スタ 23長さL 2 がダイオードの接続端BをRF信号周波数で短絡 となるような長さ(L 2 <λg/4@LO)に設定されている場合に偶高調波 キサの変換損が最小となる。

 ところで、上記のように、例えばRF回路 に接続される先端開放スタブをダイオード 接続端Aが短絡端となるような長さに設定す ことは、接続パッドが各端子で単一の従来 術にかかる半導体チップにおいても、ダイ ード端から分波スタブの接続位置の長さを 記の長さに設定することにより、簡単に実 できるように思われる。しかしながら、従 技術にかかる半導体チップの構造では、理 的な短絡端を得ることができない。以下、 の理由について説明する。

 図5-1は、RFポート(RFin)からAPDPを見たRF信 に対する理想的な等価回路を示す図であり 図5-2は、LOポート(LOin)からAPDPを見たLO信号に 対する理想的な等価回路を示す図である。

 図3において、接続端Bが理想的にRF信号周 波数で短絡(図5-1参照)となるときには、RFポ ト(RFin)から入力されるRF信号は、APDP51の両端 にて最大電圧で励振される。

 同様に、接続端Aが理想的にLO信号周波数 短絡(図5-2参照)となるときには、LOポート(LO in)から入力されるLO信号は、APDP51の両端にて 大電圧で励振される。この結果、APDPにより 最小限の変換損失で、RF、LO信号の周波数混 、周波数変換が行われる。

 図6は、従来の半導体チップ(APDP)を用いて偶 高調波ミキサを構成した場合の等価回路を示 す図である。上述のように、従来の半導体チ ップでは、その両端にそれぞれ1つの接続パ ド71,72しか有していない。このため、従来の 偶高調波ミキサでは、図6に示すように、先 開放スタブ62および先端短絡スタブ63は、Au ンプやワイヤなどを介した、半導体チップ は別基板上に形成したRF信号入力回路上の一 端(G端)と、LO信号入力回路上の一端(H端)に接 するのが一般的な構成となる。なお、図6に おいて、先端開放スタブ62の長さL 3 は、Au-Bumpおよび半導体チップ61内の配線パタ ーンのインダクタンスを含めた電気長がλg/4@ LOとなるような長さに設定されているものと る。

 図7は、APDP端(A端:図3、E端:図6)から先端開 放スタブ側を見たときの反射特性(相対値)を すグラフであり、図8は、APDP端(A端:図3、E端 :図6)から先端開放スタブ側を見たときの反射 特性をスミスチャートで示している。また、 図9は、APDP端(A端:図3、E端:図6)における短絡 ンピーダンス(実数部)を示すグラフであり、 図10は、APDP端(A端:図3、E端:図6)における短絡 ンピーダンス(虚数部)を示すグラフである グラフは、いずれもシミュレーションによ 代表的な結果を示している。

 図7~図10の各図において、記号「○」で示さ れる曲線が本実施の形態にかかる半導体チッ プ(図3参照)を用いたときの各特性であり、記 号「×」で示される曲線が従来の半導体チッ (図6参照)を用いたときの各特性である。例 ば、本実施の形態にかかる半導体チップを いた場合には、LO周波数f 0 にて全反射(反射量=0dB:図7、規格化インピー ンス=0:図8のm1)が実現され、そのときのイン ーダンス(Z=R+jX)も、実部R=0(図9)、虚部X=0(図1 0)が実現されている。すなわち、A端はLO周波 で理想的な短絡となっていることが解る。

 一方、従来の半導体チップを用いた場合に 、LO周波数f 0 において、反射量=-5dB(図7)、規格化インピー ンス≠0(図8のm2)であり、理想的な短絡とは っていないことが解る。すなわち、従来の 導体チップを用いた図6の構成では、短絡イ ンピーダンスの虚部を零とすることはできて も(図10参照)、短絡インピーダンスの実部を とすることはできず、若干の抵抗値が残っ しまう(図9参照)。この結果、ダイオードの 準電位は完全に接地されないため、理想的 LO信号の最大励振が得られず、変換損の劣化 が生じる。

 このように、理想的な短絡を得るには、 続位置からλg/4の電気長を有した分波スタ を、所望の位置(APDP端)へ並列接続する必要 ある。

 なお、この実施の形態では、先端開放,先 端短絡の各スタブをAu-Bumpで接続する場合に いて説明したが、各スタブ回路をワイヤボ ドで接続する場合であっても、上記と同様 構成を採ることができる。

 以上説明したように、この実施の形態に れば、半導体チップ内に形成されるAPDPの各 端で、理想的なRF信号短絡、LO信号短絡を実 することができるので、APDPに接続される分 スタブを十分に機能させることができ、当 チップを用いて構成したディスクリート偶 調波ミキサ回路の変換損失を最小化するこ が可能となる。

 また、このような実装による特性劣化を けるために、従来の高周波回路では、とき は半導体素子基板上に部分的に必要となる 射回路、分波回路、整合回路等のリアクタ ス回路を一体化して構成する場合もあった( パーシャルMMICなど)。これに対して、この実 の形態では、半導体(能動)素子以外の入出 回路および反射回路、分波回路、整合回路 のリアクタンス回路を半導体素子基板と別 板に形成し、高価な半導体基板には半導体( 動)素子部分のみを構成することができる。 したがって、実装による設計制約を受けない 設計自由度の高いディスクリート回路の構成 が可能となり、回路性能確保と半導体チップ 小型化の両立が期待できる。

 また、この実施の形態の半導体チップは 4つの電極パッドを有しているので、2つの 極パッドを有している従来の半導体チップ 比べて、フリップチップ実装時の安定性を 加することができ、いわゆるチップ倒れの 生確率を減少させることが可能となる。

実施の形態2.
 図11は、実施の形態1で示した半導体チップ 用いて発振器を構成した場合の一実施形態 示す図である。同図に示す発振器は、半導 チップ111、共振回路115、出力回路116、先端 絡回路117および反射回路118の各部を備えて 成される。

 半導体チップ111には、3端子素子として代 表的な電界効果トランジスタ(FET素子)112が形 されている。また、半導体チップ111には、 ート端子電極パッド113a、ソース端子電極パ ッド113b、ドレイン端子第1電極パッド113c、ド レイン端子第2電極パッド114cによる4つの電極 パッドが形成されている。これらの電極パッ ドにおいて、ゲート端子電極パッド113aには 振器として機能する共振回路115が接続され ソース端子電極パッド113bにはFET素子112のソ ス端までの電気長がλg/4~λg/2(λg:発振器出力 信号の実効波長)となる先端短絡回路(ソース ンダクタ)117が接続され、ドレイン端子第1 極パッド113cには発振出力を取り出すための 力回路116が接続され、ドレイン端子第2電極 パッド114cにはFET素子112のドレイン端までの 気長が略λg/4となる先端開放スタブ118が接続 されている。先端開放スタブ118はFET素子112の 出力信号の負帰還により、信号周波数での反 射利得を高めるための、反射回路として機能 する。なお、ゲート端子電極パッド113aに接 される共振回路115は、発振周波数帯域で動 する共振器と、発振周波数を決める位相条 を与えるFET素子112のベース端までの所定電 長を持つ位相線路とにより構成される。例 ば、共振器長(λg/2)と位相線路長さ(α)で与え られる電気長を持つスタブとして構成するこ とにより、共振器として機能させることがで きる。また、共振回路115および出力回路116に は、FET素子112に動作電圧を供給するための電 源回路を含んでいるが、図示および説明は省 略する。

 上記の反射回路118は、動作信号周波数が くなるとともに、FET素子112のドレイン端子 近接して接続することが必要となり、例え 、ドレイン端子第1電極パッド113cのみを接 して、出力回路とともに構成しようとした 合、Auバンプやワイヤなどのインダクタンス により、反射利得が得られる上限周波数が低 くなってしまう。このため、Auバンプやワイ などを接続箇所よりも、手前のドレイン端 側に、反射回路118を接続する必要が生じる

 この実施の形態によれば、例えば発振動 に必要な反射利得を得る際に、Auバンプや イヤなどのインダクタンス付加による上限 波数の制約を受けずに所望の特性を得るこ ができ、発振動作の高周波化などが期待で る。また、従来では、所望の特性を得るた に、ときにはFET素子112が構成される半導体 板上に反射回路118を構成(パーシャル化)する ことも行っていたが、そのような設計手法を 採る必要がなく、高価な半導体素子基板上に はFET素子112のみを構成すればよい。このため 、実装による設計制約を受けない設計自由度 の高いディスクリート型の発振器を構成する ことができ、回路性能確保と半導体チップ小 型化の両立が期待できる。

 なお、この実施の形態では、半導体チッ を構成するトランジスタのドレイン端子に 2個の電極パッドを設ける構成としているが 、この構成に限定されるものではない。例え ば、回路の必要に応じて、ゲート端子や、ソ ース端子に各2個の電極パッドを設ける構成 してもよい。

実施の形態3.
 図12は、実施の形態1で示した半導体チップ 用いて(偶数)逓倍器を構成した場合の一実 形態を示す図である。同図に示す逓倍器は 半導体チップ121、入力回路125、出力回路126 短絡回路128,および基本波反射回路127の各部 備えて構成される。

 半導体チップ121には、3端子素子として代 表的な電界効果トランジスタ(FET素子)122が形 されている。また、半導体チップ121には、 ート端子電極パッド123a、ソース端子電極パ ッド123b、ドレイン端子第1電極パッド123c、ド レイン端子第2電極パッド124cによる4つの電極 パッドが形成されている。これらの電極パッ ドにおいて、ゲート端子電極パッド123aには 入力信号の基本波に対する整合回路として 作する入力回路125が接続され、ソース端子 極パッド123bには、DCおよび高周波帯の信号 接地する短絡回路128が接続され、ドレイン 子第1電極パッド123cには基本波信号が偶数倍 された偶数倍逓倍信号に対する整合回路とし て動作する出力回路126が接続され、ドレイン 端子第2電極パッド124cにはFET素子112のドレイ 端までの電気長が基本波のλg/4に設定され 先端開放スタブ127が接続されている。なお ドレイン端子第2電極パッド124cに接続される 先端開放スタブ127は、基本波に対する全反射 回路として機能する。また、入力回路125およ び出力回路126には、FET素子112に動作電圧を供 給するための電源回路を含んでいるが、図示 および説明は省略する。

 この実施の形態の(偶数)逓倍器において 、ドレイン端子の出力側に、基本波全反射 偶数逓倍信号の整合回路を形成する際に、Au バンプやワイヤなどのインダクタンス付加に よる制約を受けずに、設計自由度の高い回路 設計が可能となり、所望の特性が得られるデ ィスクリート型の(偶数)逓倍器を構成するこ ができる。

 なお、この実施の形態では、半導体チッ を構成するトランジスタのドレイン端子に 2個の電極パッドを設ける構成としているが 、この構成に限定されるものではない。例え ば、回路の必要に応じて、ゲート端子や、ソ ース端子に各2個の電極パッドを設ける構成 してもよい。

 また、上記実施の形態1~3では、例えば2端 子素子としてAPDPを、3端子素子としてFETを半 体素子として形成した場合の一例について 明したが、これらの2端子素子および3端子 子に限定されるものではない。例えば、3端 素子として、バイポーラトランジスタおよ IGBTなどの単機能素子ならびに、極性同一の 2つのダイオードを直列に接続したシリーズ ィなどの機能素子に適用することも可能で る。また、例えば、単体ダイオードまたはAP DPの各4素子をリング状に接続したリングクワ ッドなどの4端子素子などにも適用すること できる。

 以上のように、本発明にかかる高周波回 および半導体チップは、チップ上の半導体 子に接続される反射回路、分波回路、整合 路などを十分に機能させることができる発 として有用である。