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Title:
SILICON SINGLE-CRYSTAL PULLUP APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146371
Kind Code:
A1
Abstract:
A silicon single-crystal pullup apparatus comprising a crucible as a reservoir of molten silicon; a heater for heating the crucible; crucible driving means for rotation and/or vertical movement of the crucible; a chamber for accommodating the crucible and the heater; and magnetic field application means for application of a magnetic field to the chamber, disposed outside the chamber, wherein the magnetic field application means is provided so as to run along the outer circumferential surface of the chamber and is capable of not only generating an iso-magnetic field diagram approximately concentric with respect to the central axis of the crucible but also applying a magnetic field so that the magnetic field strength unilaterally increases or decreases from the surface of the molten silicon toward the bottom of the crucible. Accordingly, any unstable convection of the molten silicon can be inhibited, and fluctuations in a minor zone of the oxygen concentration and dopant concentration of silicon single crystal can be prevented.

Inventors:
FURUKAWA JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/060995
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUMCO CORP (JP)
FURUKAWA JUN (JP)
International Classes:
C30B29/06; C30B15/20
Domestic Patent References:
WO2006025238A12006-03-09
Foreign References:
JP2000247787A2000-09-12
JP2004051475A2004-02-19
JPH09188590A1997-07-22
JP2000119095A2000-04-25
JP2004315289A2004-11-11
JP2001158690A2001-06-12
JP2004051475A2004-02-19
Other References:
See also references of EP 2022876A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Yaesu Chuo-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 シリコン単結晶引上装置であって、シリコン融液を貯溜するルツボと、前記ルツボを加熱するヒータと、前記ルツボを回転及び/又は昇降させるルツボ駆動手段と、前記ルツボおよびヒータを収容するチャンバと、前記チャンバの外側に設けられて該チャンバに磁場を印加する磁場印加手段とを有し、
 前記磁場印加手段は、前記チャンバの外周面に沿うように形成され、前記ルツボの中心軸に対し略同心円状の等磁場線を形成可能とされてなることを特徴とするシリコン単結晶引上装置。
 シリコン単結晶引上装置であって、シリコン融液を貯溜するルツボと、前記ルツボを加熱するヒータと、前記ルツボを回転及び/又は昇降させるルツボ駆動手段と、前記ルツボおよびヒータを収容するチャンバと、前記チャンバの外側に設けられて該チャンバに磁場を印加する磁場印加手段とを有し、
 前記磁場印加手段は、前記チャンバの外周面に沿うように形成され、前記ルツボに貯留されたシリコン融液の融液面から前記ルツボの底部に向けて磁場強度が一方的に増加するか、あるいは磁場強度が一方的に減少するように磁場を印加可能とされてなるシリコン単結晶引上装置。
 請求項1記載のシリコン単結晶引上装置であって、前記磁場印加手段は、さらに前記チャンバの外周面に沿うように形成され、前記ルツボに貯留されたシリコン融液の融液面から前記ルツボの底部に向けて磁場強度が一方的に増加するか、あるいは磁場強度が一方的に減少するように磁場を印加可能とされてなるシリコン単結晶引上装置。
 請求項2または3に記載のシリコン単結晶引上装置であって、
 前記ルツボに貯留されたシリコン融液の融液面から前記ルツボの底部に向けて一方的に磁場強度が増加または減少する際の磁場強度の変動範囲は、前記磁場印加手段によって前記チャンバ内に印加される磁場の最強強度の0.6倍~0.9倍の範囲に設定されるシリコン単結晶引上装置。
 請求項1または2に記載のシリコン単結晶引上装置であって、
 前記磁場印加手段は、前記チャンバを取り巻くように略リング状に形成されているシリコン単結晶引上装置。
Description:
シリコン単結晶引上装置

 本発明は、チョクラルスキー法によりシ コン単結晶を形成するシリコン単結晶引上 置およびシリコン単結晶引上方法に関する のである。

 シリコン単結晶は、坩堝に収容された多 晶シリコン原料をヒータで加熱してシリコ 融液とし、CZ(Czochralski)法によりシリコン融 からシリコン単結晶を引き上げながら成長 せることにより製造される。シリコンウェ ハは、上記の方法で製造されたシリコン単 晶をスライス(切断)することにより製造さ 、このシリコンウェーハ上に集積回路等の バイスが形成される。

 シリコン単結晶は、1枚のシリコンウェー ハ上により多くの回路を形成するために、ま すます大直径化する傾向にある。一方で、シ リコン単結晶の大直径化に伴う単結晶成長技 術の課題として、単結晶の低酸素濃度化と品 質の安定化、および生産性向上が挙げられる 。こうした課題に対して、CZ法に水平磁場を 加したHMCZ(Horizontal Magnetic field applied CZ)技 術の適用により単結晶の低酸素濃度化や結晶 成長の安定化を実現する方法が知られている 。また、シリコン単結晶とシリコン融液との 境界面である固液界面形状を、単結晶の方向 に向かって湾曲させた上凸型に維持すること によって、単結晶の軸方向温度勾配を固液界 面近傍で大きくし、また面内均一化効果を得 る方法も知られている(特開2001-158690号公報)

 水平磁場印加により、ルツボ内のシリコ 融液の対流の不安定な状態は抑制され、安 な対流が得られる。しかし、大口径の結晶 育成するためには大口径のルツボを用い、 液量も増加する。この場合、水平磁場を印 するだけでは十分な効果は得られず、融液 流の不安定な領域が存在することが明らか なった。またヘルムホルツ型のマグネット 用い、互いに平行に配置した2つのマグネッ ト間にシリコン単結晶引上装置のチャンバを 配置した場合、コイル径の設計により水平磁 場強度の分布が均一な構造が得られるが、必 要とされる強度の磁場を得るためには、マグ ネット自体が巨大なものとなり、大きな装置 スペースが必要となるという問題があった。

 一方、最近、シリコン単結晶引上装置の ャンバを取り囲むリング状のケースに、マ ネットコイルを変形させて組み込んだ省ス ース型の水平磁場マグネットが開発されて る。この様な省スペース型の水平磁場マグ ットの場合、発生する磁場の強度は、コイ の設計スペースの制約により、不均一な分 を示す場合がある。省スペース型の水平磁 マグネットについて、磁場強度分布の測定 結晶成長実験の対比を行った結果、磁場強 分布と磁場設定位置に関係して、シリコン 液に不安定な領域が発生することが明らか なった。

 結晶引上時にシリコン融液に不安定な領 が発生した場合、シリコン単結晶内で不純 濃度(酸素濃度等含む)の分布が不均一とな 、シリコン単結晶の成長方向で見た場合も 不純物濃度分布が不均一となる。

 大口径のシリコン単結晶を育成する場合 生産性向上のため、結晶成長速度を速くで る様に、固液界面形状を上凸形状として結 成長が多く行われている。その際に、シリ ン融液の不安定な領域が発生すると、結晶 引上軸に垂直な断面内(すなわち、単結晶か ら採取されるウェーハ表面に平行な面内)で 不純物濃度が不均一となり、濃度値が面内 変化するなどの濃度分布が観察される。こ で、不純物濃度とは、酸素濃度、およびシ コン単結晶のキャリア濃度を決定するドー ント濃度のことを意味する。固液界面形状 上凸形状として結晶成長を行う際に、シリ ン融液に不安定な領域が発生すると、シリ ン単結晶より切り出されるウェーハ面内で 不純物濃度が同心円状に変化する分布が観 される。微小な範囲での、酸素濃度および ーパント濃度の高濃度、あるいは低濃度へ ばらつきは、デバイス工程において、結晶 陥の密度差による重金属不純物のゲッタリ グ不足の原因となる。さらに、抵抗率など 、デバイスの特性として重要なウェーハ特 を低下させる可能性がある。また結果とし 、単結晶から得られる良好なウェーハの収 、ウェーハから得られるデバイスの収率も 下する。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの あって、ゲッタリング能のばらつき、抵抗 の面内分布のばらつき等を防止でき、デバ ス工程においてデバイス特性および収率を 好に保つことができるウェーハを採取でき 、シリコン単結晶育成の可能なシリコン単 晶引上装置、およびシリコン単結晶引上方 を提供することを目的とする。
 このため、本発明は、シリコン単結晶中で 不純物濃度の不均一分布を抑制し、不純物 度の均一化を図ることにより、酸素濃度お びドーパント濃度の微小な範囲でのばらつ を防止してシリコン単結晶を育成できる、 リコン単結晶引上装置、およびシリコン単 晶引上方法を提供することを目的とする。

 本発明の第1の態様に係るシリコン単結晶引 上装置は、シリコン融液を貯溜するルツボと 、前記ルツボを加熱するヒータと、前記ルツ ボを回転及び/又は昇降させるルツボ駆動手 と、前記ルツボおよびヒータを収容するチ ンバと、前記チャンバの外側に設けられて チャンバに磁場を印加する磁場印加手段と 有する単結晶引上装置であって、
 前記磁場印加手段は、前記チャンバの外周 に沿うように形成され、前記ルツボの中心 ら略同心円状(同心のループ状)の等磁場線 形成可能とされている。
 このシリコン単結晶引上装置によれば、ル ボのシリコン融液には磁場印加手段で印加 れる水平磁場によって略同心円状に等磁場 が形成される。同心円状に等磁場線が形成 れることによって、ルツボ内のシリコン融 の対流状態の不安定化を抑制し、安定な対 状態を得ることができる。
 ここで、略同心円状の等磁場線を形成する 囲は、少なくともルツボ内のシリコン融液 存在する範囲を含むものであればよく、そ 以外のチャンバ内の領域は、等磁場曲線が 同心円状とならなくてもよい。したがって 省スペース型の磁場印加手段を用いること できる。また、等磁場曲線が同心円状とな 範囲は、シリコン融液が存在する高さ位置 少なくとも含むものであればよい。
 同様に、磁場印加により形成される磁力線 、ルツボ内のシリコン融液の存在する範囲 みで略直線となっていればよく、それ以外 部分では、多少直線からずれていても構わ い。

 本発明の第2の態様に係るシリコン単結晶引 上装置は、シリコン融液を貯溜するルツボと 、前記ルツボを加熱するヒータと、前記ルツ ボを回転及び/又は昇降させるルツボ駆動手 と、前記ルツボおよびヒータを収容するチ ンバと、前記チャンバの外側に設けられて チャンバに磁場を印加する磁場印加手段と 有する単結晶引上装置であって、
 前記磁場印加手段は、前記チャンバの外周 に沿うように形成され、前記ルツボに貯留 れたシリコン融液の融液面から前記ルツボ 底部に向けて磁場強度が一方的に増加する 、あるいは磁場強度が一方的に減少するよ に磁場を印加可能とされている。
 このシリコン単結晶引上装置によれば、引 げたシリコン単結晶インゴットの酸素濃度 、シリコン単結晶インゴットの成長方向(軸 方向)の長さ全域に渡って一定の割合で減少 、酸素濃度が不安定に変動する領域が生じ ことがない。

 前記ルツボに貯留されたシリコン融液の融 面から前記ルツボの底部に向けて一方的に 場強度が増加または減少する際の磁場強度 変動範囲は、前記磁場印加手段によって前 チャンバ内に印加される磁場の最強強度の0 .6倍~0.9倍の範囲に設定されることが好ましい 。これにより、不純物濃度の不均一分布を抑 制でき、酸素濃度およびドーパント濃度の微 小な範囲でのばらつきを防止できる。
 前記磁場印加手段は、前記チャンバを取り くように略リング状に形成されていてもよ 。具体的には、ルツボ側壁と同心状の円筒 に、軸対称として同一高さに2つまたは3つ たは4つのリング状マグネットコイルを貼り けた形状とされることができる。言い換え と、垂直方向の軸線を有する第1の円筒面と この第1の円筒よりも小さい半径を有し第1の 筒の軸線と交わり、かつ水平方向の軸線を する第2の円筒面との交線に対応するコイル 形状とされることができる。あるいは、軸対 称に配置されるコイルの片方を複数にしたよ うな形状とされることができる。または、こ れらの形状を省スペース的な観点などから多 少変更した形状とすることができる。これに よって、水平磁場印加手段を備えたシリコン 単結晶引上装置の小型、軽量化を図ることが 可能になる。

 上記、第1の態様のシリコン単結晶引上装 置において、前記磁場印加手段は、前記ルツ ボの中心から略同心円状の等磁場線を形成可 能とされ、かつルツボに貯留されたシリコン 融液の融液面から前記ルツボの底部に向けて 磁場強度が一方的に増加するか、あるいは磁 場強度が一方的に減少するように磁場を印加 可能とされていてもよい。

 本発明のシリコン単結晶引上装置を用いれ 、ルツボに貯留されたシリコン融液に種結 を浸漬し、前記種結晶を回転させながら引 げる単結晶引上げ方法(単結晶育成方法)を
前記種結晶の引上にともなう融液の減少に応 じて、ルツボを上昇させて融液面を所定位置 に維持し、前記融液の位置で、等磁場線がル ツボの中心軸に対して略同心円状(同心のル プ状)となる水平磁場を印加する方法とする とができる。
 また本発明のシリコン単結晶引上装置を用 れば、ルツボに貯留されたシリコン融液に 結晶を浸漬し、前記種結晶を回転させなが 引上げる単結晶引上げ方法(単結晶育成方法 )を、
前記種結晶の引上にともなう融液の減少に応 じて、ルツボを上昇させて融液面を所定位置 に維持し、前記シリコン融液の融液面から前 記ルツボの底部に向けて磁場強度が一方的に 増加するか、あるいは磁場強度が一方的に減 少するように水平磁場を印加する方法とする ことができる。
 上記方法において、前記融液の位置で、等 場線が略同心円状となり、前記シリコン融 の融液面から前記ルツボの底部に向けて磁 強度が一方的に増加するか、あるいは磁場 度が一方的に減少するように水平磁場を印 してもよい。
 本発明の単結晶引上げ装置を用いる上記方 において、前記ルツボに貯留されたシリコ 融液の融液面から前記ルツボの底部に向け 一方的に磁場強度が増加または減少する際 磁場強度の変動範囲は、単結晶引上げ装置 磁場印加手段を用いて、前記チャンバ内に 加される磁場の最強強度の0.6倍~0.9倍の範囲 に設定されてもよい。 

 本発明のシリコン単結晶引上装置および リコン単結晶引上方法によれば、シリコン 液の融液面からルツボの底部に向かう全域 おいて、磁場強度を単調に漸増、または漸 させることにより、引上げられたシリコン 結晶インゴットの酸素濃度は、インゴット 成長方向の長さ全域に渡って一定の割合で 少し、不安定部(酸素濃度が不安定に変動す る部位)が生じることがない。不安定部が生 ると、シリコン単結晶インゴットの断面に ける酸素濃度の面内分布は、微小な範囲で きな揺らぎを示す。したがって、この不安 部から採取したシリコンウェーハをデバイ 製造に用いた場合、デバイス工程において 晶欠陥の密度差による重金属不純物のゲッ リング能不足の原因となる。本発明により 純物濃度の不均一分布を抑制でき、酸素濃 およびドーパント濃度の微小な範囲でのば つきを防止し、ドーバント濃度のばらつき よる抵抗率のばらつきを防止し、デバイス 程においてデバイス特性および収率を良好 保つことが可能になる。

本発明の単結晶引上装置の概略を示す 面断面図である。 図1の単結晶引上装置の上面断面図であ る。 図1の単結晶引上装置の磁場印加手段 おける、コイルの配置の一例を示す図であ 。 磁場印加手段における、コイルの配置 の一例を示す上面断面図である。 ルツボのシリコン融液に印加される磁 の磁力線と、等磁場線を示す説明図である 本発明の実施形態を示す説明図である 本発明の別な実施形態を示す説明図で る。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 従来の比較例を示す説明図である。 本発明と比較例の検証結果を示すグ フである。 比較例の単結晶の不安定部の断面に ける、酸素濃度の面内分布を示す図である 本発明の検証結果を示すグラフであ 、単結晶の引上長とルツボ表面の磁場強度 ルツボ底の磁場強度の関連を示している。 本発明の検証結果を示すグラフであ 、単結晶の引上長と、酸素濃度の関連を示 。 本発明の単結晶の断面における、酸 濃度の面内分布を示す図である。 比較例の検証結果を示すグラフであ 、単結晶の引上長とルツボ表面の磁場強度 ルツボ底の磁場強度の関連を示している。 図13Bは、比較例の検証結果を示すグ フであり、単結晶の引上長と酸素濃度の関 を示す。

 以下、本発明の単結晶引上装置をシリコン 結晶引上装置に適用した場合の実施の形態 説明する。図1は本発明のシリコン単結晶引 上装置を示す側面断面図であり、図2は上部 ら見たときのシリコン単結晶引上装置を示 上面断面図である。シリコン単結晶引上装 10には、チャンバ11と、該チャンバ11内に設 られてシリコン単結晶のシリコン融液12を貯 溜する石英ルツボ13と、シリコン単結晶のシ コン融液12を加熱する側面ヒータ41と、保温 材19と、ルツボ駆動手段17と、チャンバ11の外 側に設けられてチャンバ11に水平磁場を印加 る磁場印加手段51が備えられている。
 チャンバ11は有底円筒状の下部と、この下 から上方に向かってすぼまる天板部と、天 部の中央から上方に向かってすぼまる天板 と、天板部の中央から直立する円筒状のケ シング21とを有する。ケーシング21は、チャ バ11の下部よりも径が小さい。

 石英ルツボ13は、チャンバ11の下部内に収 容されており、上方が開放された略円筒形の 胴部13bと、この胴部13bの下方を閉塞する底部 13aとからなる。石英ルツボ13の外面は黒鉛サ プタ(ルツボ支持体)14により支持されている 。石英ルツボ13の下面は黒鉛サセプタ14を介 て支軸16の上端に固定され、この支軸16の下 はルツボ駆動手段17に接続される。石英ル ボ13の胴部13bの外側周囲に黒鉛サセプタ14を して側面ヒータ41が設けられている。

 側面ヒータ41は、例えば石英ルツボ13を取 り巻くように円筒形に形成され、石英ルツボ 13を加熱する。また、側面ヒータ41とチャン 11との間には側面ヒータ41を取り囲む円筒状 保温材19が設けられている。

 磁場印加手段51は、リング状のケースに 少なくとも2個のマグネットコイルを対向さ た状態で組み込んだ、省スペース型の水平 場マグネットであり、シリコン単結晶引上 置10のチャンバ11の下部を取り囲むように配 設されている。図3A、図3Bに磁場印加手段51に おける、コイルの配置の例を示す。図3Bはコ ル52の配置と、チャンバ11の関係を示す上面 断面図であり、図3Aは片方のコイルの側から た側面図である。例えば、磁場印加手段51 、図3A、図3Bの例のように、一対のコイル52 軸対称に配置して非磁性体製のリング状の ースに組み込んだ物でもよい。それぞれの イルは、半円弧にそって変形してケースに 納されている。各コイルは、長円形、長方 、楕円形等の形状に変形した後、長軸をケ スの円弧に沿って変形して、ケース内で対 配置するように組み込まれる。このような 場印加手段51は、側面ヒータ41、保温材19、 ャンバ11を介してルツボ13に貯留されたシリ ン融液12に水平磁場Lを印加する。こうした 場印加の詳細は後ほど述べる。

 ルツボ駆動手段17は、ルツボ13を回転させ る第1回転用モータ(図示略)と、ルツボ13を昇 させる昇降用モータ(図示略)とを有し、こ らのモータにより、ルツボ13が所定の方向に 回転し得るとともに、上下方向に移動可能に 構成されている。ルツボ駆動手段は、種結晶 24の引上げとともに低下するシリコン融液12 液面12aを上述した所定位置に維持するため シリコン融液12の減少量に応じて昇降用モー タによりルツボ13を上昇させるように構成さ ている。

 チャンバ11の上面にはチャンバ11より小径の 円筒状のケーシング21が設けられている。こ ケーシング21の上端部には水平状態で旋回 能に引上げヘッド22が設けられ、ヘッド22か はワイヤケーブル23が石英ルツボ13の回転中 心に向って垂下される。
 図示しないが、ヘッド22にはヘッド22を回転 させる第2回転用モータと、ワイヤケーブル23 を巻取り又は繰出す引上げ用モータが内蔵さ れる。ワイヤケーブル23の下端にはシリコン 液12に浸してシリコン単結晶インゴット25を 引上げるための種結晶24がホルダ23aを介して 付けられる。

 チャンバ11にはこのチャンバ11の上部から Arガスのような不活性ガスを供給し、かつ上 不活性ガスをチャンバ11の下部から排出す ガス給排手段28が接続されている。ガス給排 手段28は一端がケーシング21の周壁に接続さ 、他端が図示しない不活性ガスのタンクに 続された供給パイプ29と、一端がチャンバ11 下壁に接続され、他端が真空ポンプ(図示せ ず)に接続された排出パイプ30とを有する。供 給パイプ29及び排出パイプ30にはこれらのパ プ29,30を流れる不活性ガスの流量を調整する 第1及び第2流量調整弁31,32がそれぞれ設けら ている。

 次に、こうした構成のシリコン単結晶引 装置10におけるシリコン単結晶の引上手順 、本発明の作用を説明する。本実施形態の リコン単結晶引上装置10を用いてシリコン単 結晶を引上げるにあたっては、まず、原料と なる多結晶シリコン塊をルツボ13に入れ、側 ヒータ41によって融解してシリコン融液12を 形成する。そして、シリコン融液12の融液面1 2aの直上に種結晶24をホルダ23aを介してワイ ケーブル23に吊り下げる。

 次に、第1及び第2流量調整弁31,32を開くこ とにより、供給パイプ29から不活性ガスをケ シング21内に供給してシリコン融液12の表面 から蒸発したSiOx ガスをこの不活性ガスとと もに排出パイプ30から排出させる。この状態 、引上げヘッド22の図示しない引上げ用モ タによりワイヤ23を繰出して種結晶24を降下 せ、種結晶24の先端部を融液12に接触させる 。

 種結晶24の先端部をシリコン融液12に接触 させると、熱応力によりこの先端部にスリッ プ転位が導入されるため、その後、種結晶24 徐々に引上げて直径が約3mmの種絞り部25aを 成する。種絞り部25aを形成することにより 種結晶24に導入された転位は消滅する。そ 後、更に種結晶24を引上げることにより種絞 り部25aの下部に無転位のシリコン単結晶イン ゴット25を育成させる。

 このようにシリコン単結晶インゴット25 育成する際には、シリコン融液12は側面ヒー タ41により加熱されており、磁場印加手段51 より磁場が印加されている。このとき、上 昇降用モータは、種結晶24の引上げとともに 減少する融液12の量に応じてルツボ13を上昇 せ、シリコン融液12の表面12aを所定位置に維 持する。

 本実施形態のシリコン単結晶引上装置で 、チャンバ11の外側に円環状に設けられた 場印加手段51によって、シリコン融液12に印 される水平磁場が形成される。磁場印加手 51は、チャンバ11を取り囲むリング状のケー スにマグネットコイルを組み込んだ、水平磁 場マグネットであり、こうした形状の磁場印 加手段51によって、ルツボ13内のシリコン融 12に印加される磁場は、ループ状の等磁場線 を形成する。

 図4は、磁場印加手段51によって、ルツボ1 3内に形成される磁場の分布を等磁場線など 示したものである。磁場印加手段51は、リン グ状のケースにマグネットコイルを組み込ん だ、水平磁場マグネットである。図中、実線 Rで示されたものがルツボであり、細かい矢 は、それぞれの位置における磁力線の方向 示す。また、ルツボの中心付近には引き上 た単結晶インゴットSが示される。そして、 ツボを取り囲むように等磁場線Mが示される 。図4に示されるように、ルツボには磁場印 手段51で印加される水平磁場によって略同心 円状(同心のループ状)に等磁場線が形成され 。

 一方、磁場印加手段51は、ルツボ13に貯留 されたシリコン融液12の融液面から前記ルツ の底面に向けて、磁場強度が一方的に増加 るか、あるいは磁場強度が一方的に減少す ように水平磁場を印加する。図5は、こうし た磁場強度とルツボに貯留されたシリコン融 液との関係を示した説明図である。図5によ ば、磁場印加手段51は引上げ方向Zに対して 場強度Byの最も高い位置を中心Oとし、この 心Oから上下方向にそれぞれ磁場強度Byが漸 するように磁界を発生させる。そして、こ 磁場強度Byの最も高い中心Oに合わせてルツ 13のシリコン融液12の融液面12aが位置するよ に設定する。

 このように磁場強度の分布とシリコン融 12の融液面12aの位置とを設定することによ て、シリコン融液12には融液面12aからルツボ 13の底部13aに向かって磁場強度Byが漸減する うに磁場印加手段51から水平磁場が印加され ることになる。こうした磁場強度の漸減割合 は、シリコン融液12の融液面12a位置に加わる 場の磁場強度Byを1とすると、ルツボ13の底 13a位置(シリコン融液12中、融液面12a位置か 最も離間した下側となる位置)に加わる磁場 度Byが0.6~0.9になるように(即ち、最強磁場強 度の0.6倍~0.9倍)設定されれば良い。

 以上、説明したように、磁場印加手段51 してリング状のケースにマグネットコイル 組み込んだ水平磁場マグネットを用い、シ コン融液の融液面12aからルツボ13の底部13aに 向かって磁場強度が漸減するように、磁場印 加手段51から水平磁場を印加することによっ 、図4に示すように、シリコン融液12には同 状の等磁場線が形成されると共に、磁場強 分布と磁場設定位置に関係する、シリコン 液中の不安定領域の発生が防止される。シ コン融液の不安定な領域の発生を解消する とにより、シリコン単結晶内で不純物濃度 不安定に変動する不均一分布の発生を防止 、シリコン単結晶の成長方向における不純 分布の均一化、あるいは短調化を達成する とが可能になる。

 また、リング状のケースにマグネットコ ルを組み込んだ水平磁場マグネットを磁場 加手段51として用いることによって、従来 ヘルムホルツ型のマグネットを用いた場合 比較して、磁場印加手段を有するシリコン 結晶引上装置のサイズを大幅に小型、軽量 することが可能になる。

 ルツボ13のシリコン融液12に印加される磁 場は、図5に示したようなルツボの融液面か ルツボの底面に向けて、磁場強度が一方的 減少するような配分にする以外にも、ルツ の融液面からルツボの底面に向けて、磁場 度が一方的に増加するように水平磁場を印 してもよい。図6によれば、磁場印加手段51 引上げ方向Zに対してルツボ13の底部13aの磁 強度Byを最も高くし、このルツボ13の底部13a ら上下方向にそれぞれ磁場強度Byが漸減す ように磁界を発生させる。

 このように磁場強度の分布とシリコン融 12の融液面12aの位置とを設定することによ て、磁場印加手段51から、ルツボ13の底部13a らシリコン融液12の融液面12aに向かって磁 強度Byが漸減するように水平磁場が印加され ることになる。こうした磁場強度の漸減割合 は、ルツボ13の底部13a位置に加わる磁場の磁 強度を1とすると、シリコン融液12の融液面1 2a位置に加わる磁場強度Byが0.6~0.9になるよう (即ち、最強磁場強度の0.6倍~0.9倍)設定され ば良い。シリコン融液12に対する磁場強度 分布をこのように設定することで、シリコ 単結晶内で不純物濃度が不安定に変動する 均一分布の発生を防止し、シリコン単結晶 成長方向における不純物分布の均一化、あ いは短調化を達成することが可能になる。

 本出願人は、本発明の作用および効果を 証した。検証に当たっては、直径24インチ 石英ルツボを準備し、この石英ルツボに、 料として、160kgの多結晶シリコンを仕込んだ 。そして、ヒータにより、原料を仕込んだ石 英ルツボを加熱して、シリコン融液を形成し 、直径200mmのシリコン単結晶インゴットを引 げた。引き上げにあたって、石英ルツボ内 シリコン融液に、シリコン単結晶引上装置 チャンバを取り囲むように配設されたリン 状のケースにマグネットコイルを変形させ 組み込んだ省スペース型の水平磁場マグネ ト(磁場印加手段)を用い、水平磁場を印加 た。

 シリコン融液に水平磁場を印加するにあ って、本発明例として、3つの実施例を用意 した。

 第1の実施例としては、図7に示すように 磁場印加手段51は引上げ方向Zに対して、磁 強度Byの最も高い位置を中心Oとし、この中 Oから上下方向にそれぞれ磁場強度Byが漸減 るように磁界を発生させた。そして、この 場強度Byの最も高い中心Oに合わせてルツボ13 のシリコン融液12の融液面12aが位置するよう 設定し、融液面12aからルツボ13の底部13aに かって磁場強度Byが漸減するようにシリコン 融液12に水平磁場を印加してシリコン単結晶 ンゴットを引上げた(サンプル1)。なお、こ で磁場強度Byとは、ルツボの軸線上におけ 磁場強度のY成分(引き上げ軸に垂直で、水平 磁場の磁力線に平行な成分)を示す。

 本発明の第2の実施例としては、図8に示 ように、磁場印加手段51は引上げ方向Zに対 て、磁場強度Byの最も高い位置を中心Oとし この中心Oから上下方向にそれぞれ磁場強度B yが漸減するように磁界を発生させた。そし 、この磁場強度Byの最も高い中心Oよりも距 aだけ下側にルツボ13のシリコン融液12の融液 面12aが位置するように設定し、融液面12aから ルツボ13の底部13aに向かって磁場強度Byが漸 するようにシリコン融液12に水平磁場を印加 してシリコン単結晶インゴットを引上げた( ンプル2)。

 本発明の第3の実施例としては、図9に示 ように、磁場印加手段51は引上げ方向Zに対 てルツボ13の底部13aの磁場強度Byを最も高く 、このルツボ13の底部13aから上下方向にそ ぞれ磁場強度Byが漸減するように磁界を発生 させた。これによりルツボ13の底部13aからシ コン融液12の融液面12aに向かって磁場強度By が漸減するようにシリコン融液12に水平磁場 印加してシリコン単結晶インゴットを引上 た(サンプル3)。

 なお、本発明と対比させる比較例(従来例 )として、図10に示すように、磁場印加手段61 引上げ方向Zに対して、磁場強度Byの最も高 位置を中心Oとし、この中心Oから上下方向 それぞれ磁場強度Byが漸減するように磁界を 発生させた。そして、この磁場強度Byの最も い中心Oをルツボ13のシリコン融液12の中ほ に位置するように設定した。これにより、 リコン融液12の融液面12a(z=-a位置)からルツボ 13の底部13aに向かって、融液の中ほどまで磁 強度Byが漸増し、この中ほどを過ぎると一 して磁場強度Byが漸減するようにシリコン融 液12に水平磁場を印加してシリコン単結晶イ ゴットを引上げた(サンプル4)。

 以上、説明した本発明の実施例1~3(サンプ ル1~3)と、比較例(従来例:サンプル4)によって 上げられたシリコン単結晶インゴットの成 方向の長さXLと酸素濃度Oiとの関係を図11Aに 示す。

 図11Aに示すように、シリコン融液12の融 面12aからルツボ13の底部13aに向かう全域にお いて、磁場強度Byを単調に漸増、または漸減 せた状態を引き上げ長の全長にわたって維 した場合には、引上げたシリコン単結晶イ ゴットの酸素濃度Oiは、長さXLの全域にわた って一定の割合で減少し、不安定な領域は見 られない。一方、シリコン融液12の融液面12a らルツボ13の底部13aに向かって、融液の中 どまで磁場強度Byが漸増し、この中ほどを過 ぎると一転して磁場強度Byが漸減するように リコン融液12に水平磁場を印加した場合に 、この磁場強度Byが漸増から漸減に転じる付 近において、不安定部が生じる。

 このような不安定部ではシリコン融液対 が不安定なため、図11Bに二つの例を実線お び破線で示すように、シリコン単結晶イン ットの断面(成長方向に垂直な断面)に置け 酸素濃度Oiの面内分布が微小な範囲で大きく 揺らいでいる。このように酸素濃度の面内分 布が大きく揺らぐと、デバイス工程において 、結晶欠陥の密度差による重金属不純物のゲ ッタリング不足の原因となり、デバイスの特 性および収率を低下させ悪影響を及ぼす可能 性がある。本発明により不純物濃度が不均一 に分布することを抑制でき、酸素濃度および ドーパント濃度が微小な範囲でばらつくこと を防止し、デバイス工程においてデバイス特 性および収率を良好に保つことができる。

 図12Aは、上述した実施例でのサンプル1お よび2における、シリコン単結晶インゴット 成長方向の長さXLと、シリコン融液表面の磁 場強度およびルツボ底部の磁場強度との関係 を示したグラフである。このグラフによれば 、シリコン融液表面の磁場強度はサンプル1 よび2ともシリコン単結晶インゴットの成長 向の長さXLの全域に渡って一定であり、ま 、ルツボ底部の磁場強度は、シリコン融液 面の磁場強度よりも低い範囲で緩やかに漸 している。

 このような磁場強度の分布によって、図1 2Bに示すように、サンプル1および2の双方で リコン単結晶インゴットの酸素濃度Oiは、長 さXLの全域にわたって一定の割合で減少する これにより、図12Cに示すように、シリコン 結晶インゴットの断面における酸素濃度Oi 面内分布は揺らぐことなく、安定した分布 示す。

 図13Aは、上述した比較例(従来例)でのサ プル4における、シリコン単結晶インゴット 成長方向の長さXLと、シリコン融液表面の 場強度およびルツボ底部の磁場強度との関 を示したグラフである。このグラフによれ 、シリコン融液表面の磁場強度はシリコン 結晶インゴットの成長方向の長さXLの全域に 渡って一定であるのに対して、ルツボ底部の 磁場強度は、シリコン単結晶インゴットの成 長方向の長さXLの中ほどを過ぎた付近でシリ ン融液表面の磁場強度を上回り、更にその 減少に転じている。

 このような磁場強度の分布になると、融 対流の変動が生じて図13Bに示すように不安 部が出来てしまい、結果的に、図11Bに示す うに、酸素濃度の面内分布が大きく揺らぎ 結晶欠陥の密度差による重金属不純物のゲ タリング不足の原因となる。

 以上のような検証結果から、本発明によ て、シリコン融液に平面的には略同心円状 等磁場線を形成し、かつ高さ方向には磁場 度が単一的(単調的)に増加または減少する 場を印加し、この磁場状態を引き上げ長の 長にわたって維持しながら単結晶を引き上 ることにより、結晶内での不純物濃度分布 揺らぎを抑制できることが確認された。こ により、本発明によれば、酸素濃度および ーパント濃度の微小な範囲でのばらつきを 止し、酸素濃度及び抵抗率の面内および軸 向の不均一分布の発生を低減し、デバイス 程においてデバイス特性および収率を良好 保てることが確認された。

 本発明によれば、シリコン単結晶引き上 時にシリコン融液の不安定な対流を抑制し シリコン単結晶の酸素濃度およびドーパン 濃度の微小な範囲でのばらつきを防止する とができる。このようなシリコン単結晶よ 得られたシリコンウェーハをデバイス製造 用いれば、ゲッタリング能のばらつき、抵 値の面内分布のばらつき等を防止でき、デ イス工程においてデバイス特性および収率 良好に保つことができる。