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Title:
SOUND SOURCE SEPARATION AND DISPLAY METHOD, AND SYSTEM THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145310
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a sound source separation and display method, and a system thereof, in particular, a sound source separation and display method, and a system thereof in which the removal of a specific sound source is the objective. The processing result of the sound source discrimination is employed in order to use only one microphone array set to separate a plurality of sound sources. Specifically, a directional signal is extracted from the processing result of the sound source discrimination, and the locations which were restricted or removed by the effects of the signal are calculated and displayed. By repeatedly performing this operation, a virtual reference signal can be created in the time domain.

Inventors:
NAKAGAWA HIROSHI (JP)
TAKASHIMA KAZUHIRO (JP)
HIROSAWA KUNIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059885
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NITTOBO ACOUSTIC ENGINEERING CO LTD (JP)
NAKAGAWA HIROSHI (JP)
TAKASHIMA KAZUHIRO (JP)
HIROSAWA KUNIKAZU (JP)
International Classes:
G01H3/00; G01S3/80; G10L21/0272; G10L21/028; G10L21/0308
Domestic Patent References:
WO2004021031A12004-03-11
Foreign References:
US6958950B22005-10-25
JPH1054754A1998-02-24
Other References:
KYOUNG-UK NAM ET AL.: "A partial field decomposition algorithm and its examples for near-field acoustic holography", JOURNAL OF ACOUSTIC SOCIETY OF AMERICA, vol. 116, no. 1, July 2004 (2004-07-01), pages 172 - 185
EUI SEOK HWANG ET AL.: "Beamforming-based Partial Field Decomposition in Acoustical Holography", TRANSACTIONS OF THE KOREAN SOCIETY FOR NOISE AND VIBRATION ENGINEERING, vol. 11, no. 6, September 2001 (2001-09-01), pages 200 - 207
HIROTOSHI KOIKE ET AL.: "Zen Hoi Ongen Tansa System o Mochiita Soon Sokutei -Kojo ni Okeru Sokutei Jirei ni Tsuite", PROCEEDINGS OF THE MEETING, THE INSTITUTE OF NOISE CONTROL ENGINEERING OF JAPAN, vol. 2007, 12 September 2007 (2007-09-12), pages 101 - 104
Attorney, Agent or Firm:
HORI, Shiroyuki et al. (JP)
Ditch Shiroyuki (JP)
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Claims:
 音源分離及び表示方法であって、
 複数の音響センサーを用いて音響信号を測定する音響信号測定工程と、
測定された音響信号から単一もしくは複数の音源を識別処理し、特定の到来方向もしくは特定の場所における音源信号を抽出する音源信号抽出工程と、
 該音源信号抽出工程で抽出した信号を仮想リファレンス信号とし、該仮想リファレンス信号に対して相関がある成分を測定された音響信号から分離することで特定の音源の影響を測定された音響信号から除去し、特定の音源の影響が除去分離された信号に対して再度単一もしくは複数の音源の識別処理を行い、音源の識別処理結果の中から特定の音源の影響のみを除去する特定音源除去工程とを備えて、
 分離された音源を表示できることを特徴とする音源分離及び表示方法。
 前記音源信号抽出工程及び前記特定音源除去工程は、複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の音源分離及び表示方法。
 前記特定音源除去工程は、仮想リファレンス信号を作成するために特定の到来方向もしくは特定の音源の位置を推定して、複数の音源の影響の強さを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の音源分離及び表示方法。
 前記特定音源除去工程は、音響信号のクロススペクトラム行列に対して、無相関な音源の数に関連する行列のランクを推定し、除去回数の上限を決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の音源分離及び表示方法。
 音響センサーと同様に設置した受光素子で撮影した画像と合成して音源を可視化することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の音源分離及び表示方法。
 音源分離及び表示システムであって、
 複数の音響センサーを用いて音響信号を測定する音響信号測定手段と、
測定された音響信号から単一もしくは複数の音源を識別処理し、特定の到来方向もしくは特定の場所における音源信号を抽出する音源信号抽出手段と、
 該音源信号抽出手段で抽出した信号を仮想リファレンス信号とし、該仮想リファレンス信号に対して相関のある成分を測定された音響信号から分離することで特定の音源の影響を測定された音響信号から除去し、特定の音源の影響が除去分離された信号に対して再度単一もしくは複数の音源の識別処理を行い、音響の識別処理結果の中から特定の音源の影響のみを除去する特定音源除去手段と
分離された音源を表示できることを特徴とする音源分離及び表示システム。
 前記音源信号抽出手段及び前記特定音源除去手段は、複数回行われることを特徴とする請求項6に記載の音源分離及び表示システム。
 前記特定音源除去手段は、仮想リファレンス信号を作成するために特定の音波の到来方向もしくは特定の音源の位置を推定して、複数の音源の影響の強さを算出する手段を特徴とする請求項6又は7に記載の音源分離及び表示システム。
 前記特定音源除去手段は、音響信号のクロススペクトラム行列に対して、無相関な音源の数に関連する行列のランクを推定し、除去回数の上限を決定する手段を特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の音源分離及び表示システム。
 音響センサーと同様に設置した受光素子で撮影した画像と合成して音源を可視化する手段を特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の音源分離及び表示システム。
Description:
音源分離及び表示方法並びにシ テム

 本発明は、音源表示方法及びシステムに り、特に、特定の音源の除去を目的とした 源分離及び表示方法並びにシステムに関す 。

 音の到来方向、音源の同定及び可視化の め、複数のマイクロホンを組み合わせたマ クロホンアレイを用いた計測システムが広 利用される。この計測システムは、マイク ホンアレイを単独でシステムを構成する場 と、マイクロホンや振動ピックアップ等の くつかのリファレンス信号用センサーを併 する場合がある。

 マイクロホンアレイを単独で使用する場 には、そのマイクロホンアレイが対象とす 方向の音源を平等に評価することを目的と る。例えば、平面形状のマイクロホンアレ では、正面方向の音源の分析を目的とし、 面マイクロホンアレイでは球の周囲全方向 音源の分析を目的とする。この時に、対象 音の音圧レベルが大きく、他の暗騒音に対 て十分なS/N比がある場合には、リファレン 信号がなくてもこれらの音源の場所乃至は 来方向は分析可能であり、デジタル信号処 を応用することにより機械的に判別できる

 これに対して、リファレンス信号用セン ーを併用する場合には、一般にそのリファ ンス信号用センサーの信号に相関が高い信 をデジタル信号処理で分離する。例えば、 動車騒音を対象とする場合には、様々な音 に対して良質な音源情報をもたらすリファ ンス用センサーをいくつか適切な場所に設 して、例えばエンジンの動作に相関の高い 号、路面からの入力に相関の高い信号、風 音に相関の高い信号等を各々分離する。こ 場合、車室内で観測される騒音に相関の高 リファレンス信号をもたらす場所が予め分 っていて、その場所に振動ピックアップも くは近傍にマイクロホンを設置する必要が る。このリファレンス信号を取得する場所 予め適切に定めるか、相当数のリファレン 信号用センサーを設置してその中から寄与 高い信号を選び出すかのどちらかが必要と る。

 ところが、実際の騒音現象ではどこが音 か特定できない場合が多く存在する。例え 、閉空間内で純音成分が卓越した騒音が観 された場合には、この音の発生場所を人間 官能(聴覚)のみで判断するのは困難を極め 。そこで、この問題を解決するために、リ ァレンス信号用のセンサーを設置せずに、 想的にリファレンス信号を作成する「仮想 ファレンス」を用いた方法がある。

 非特許文献1では、音源探査の主要な計算 手段である近距離音響ホログラフィ(NAH)で用 るリファレンス信号を得るために、近距離 響ホログラフィ用のマイクロホンアレイの に、ポスト処理で鋭い指向性を得ることが 来るビームフォーミング(BF)用のマイクロホ ンアレイを設置して解析する方法を示した。 これは、まず、MUSIC法を用いて強い音源の到 方向を推定し、得られた方向に対して鋭い 向性をBFにより形成し、当該方向からの到 音を抽出して近距離音響ホログラフィのリ ァレンス信号として用いる。この手法では 複数の音源が存在する場合に、複数のリフ レンス信号をポスト処理で得ることができ それぞれに対応したリファレンス信号に相 の高い結果であるパーシャルフィールドを ることができる(非特許文献1)。

 一方、別の手段としてNAH用のマイクロホ アレイのみでパーシャルフィールドを計算 、可視化する手法がある。これは、NAHで得 れた推定音圧のピークを仮想的なリファレ ス信号とし、このピークの影響を除去して 視化する。そして、この処理を繰り返し行 ことにより第2、第3の弱い音源の可視化が 能となる(特許文献1及び非特許文献2)。

米国特許6958950号

「Beamforming based partial field decomposition  in acoustical holography」、 J. of Kor. Soc. for N oise and Vib. Eng.、 v.11、 No.6、 2001年、 p.20 0。 「A partial field decomposition algorithm and i ts examples for near-field acoustic holography」、 J . Acoust. Soc. Am. 116 (1)、2004年、 p172-。

 しかしながら、非特許文献1の方法では、 対象音源の近傍にリファレンスマイクロホン を設置する必要こそないものの、遠方にもう 1セットのマイクロホンアレイを設置する必 があり、これはリファレンス信号用センサ と考えられ、つまり、この手法でもリファ ンス信号用センサーが必要であることに変 りはなかった。また、特許文献1及び非特許 献2の方法では、近距離音響ホログラフィで 得られた音圧マップ上で弱い音源を可視化す るためだけに利用するものであり、近距離音 響ホログラフィという計算方法に特化してい て、他の手法に応用できる一般性はなかった 。近距離音響ホログラフィは、マイクロホン アレイ近傍の音場を正確に予測することがで き、音源に近接してマイクロホンアレイを設 置した場合は音源情報を正確に得ることがで きた。しかし、音源がマイクロホンアレイか ら遠方にある場合にはマイクロホンアレイ近 傍の音場を正確に予測することができるもの の、遠方にある音源に関する情報を的確に示 すことはできず、騒音対策の指針となるよう な情報を得ることは難しいことも問題点のひ とつであった。

 本発明は、このような状況に鑑みてなさ たものであり、上述の課題を解消すること 課題とする。

 本発明の音源分離及び表示方法は、音源分 及び表示方法であって、複数の音響センサ を用いて音響信号を測定する音響信号測定 程と、測定された音響信号から単一もしく 複数の音源を識別処理し、特定の到来方向 しくは特定の場所における音源信号を抽出 る音源信号抽出工程と、該音源信号抽出工 で抽出した信号を仮想リファレンス信号と 、該仮想リファレンス信号に対して相関が る成分を測定された音響信号から分離する とで特定の音源の影響を測定された音響信 から除去し、特定の音源の影響が除去分離 れた信号に対して再度単一もしくは複数の 源の識別処理を行い、音源の識別処理結果 中から特定の音源の影響のみを除去する特 音源除去工程とを備えて、分離された音源 表示できることを特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示方法は、 記音源信号抽出工程及び前記特定音源除去 程は、複数回行うことを特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示方法は、 記特定音源除去工程は、仮想リファレンス 号を作成するために特定の到来方向もしく 特定の音源の位置を推定して、複数の音源 影響の強さを算出することを特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示方法は、 記特定音源除去工程は、音響信号のクロス ペクトラム行列に対して、無相関な音源の に関連する行列のランクを推定し、除去回 の上限を決定することを特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示方法は、 響センサーと同様に設置した受光素子で撮 した画像と合成して音源を可視化すること 特徴とする。
 本発明の音源分離及び表示システムは、音 分離及び表示システムであって、複数の音 センサーを用いて音響信号を測定する音響 号測定手段と、測定された音響信号から単 もしくは複数の音源を識別処理し、特定の 来方向もしくは特定の場所における音源信 を抽出する音源信号抽出手段と、該音源信 抽出手段で抽出した信号を仮想リファレン 信号とし、該仮想リファレンス信号に対し 相関のある成分を測定された音響信号から 離することで特定の音源の影響を測定され 音響信号から除去し、特定の音源の影響が 去分離された信号に対して再度単一もしく 複数の音源の識別処理を行い、音響の識別 理結果の中から特定の音源の影響のみを除 する特定音源除去手段と分離された音源を 示できることを特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示システム 、前記音源信号抽出手段及び前記特定音源 去手段は、複数回行われることを特徴とす 。
 また、本発明の音源分離及び表示システム 、前記特定音源除去手段は、仮想リファレ ス信号を作成するために特定の音波の到来 向もしくは特定の音源の位置を推定して、 数の音源の影響の強さを算出する手段を特 とする。
 また、本発明の音源分離及び表示システム 、前記特定音源除去手段は、音響信号のク ススペクトラム行列に対して、無相関な音 の数に関連する行列のランクを推定し、除 回数の上限を決定する手段を特徴とする。
 また、本発明の音源分離及び表示システム 、音響センサーと同様に設置した受光素子 撮影した画像と合成して音源を可視化する 段を特徴とする。

 本発明によれば、リファレンス信号を得 ためのマイクロホンは不要となるため、対 となる騒音現象が仮に微小で他の雑音に埋 れてしまっているような場合でも簡単に計 ・評価できるようになり、騒音を低減する うな対策を効果的かつ簡単に実施すること できる。また、本発明によれば、時間領域 の仮想リファレンス信号を作成することが きるため、近距離音響ホログラフィ以外に ビームフォームミング法をはじめとする指 性デジタルフィルタ処理においても広く適 することができる。そして、十分なS/N比が い場合及び/又は音源が複数ある場合におい ても、任意の音響信号の強調や表示除去が可 能になる。

本発明の実施の形態1に係る特定音源表 示システムの構成図である。 本発明の実施の形態1に係るサーバーの 制御構成図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去結果の概念図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去の概念図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去処理を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る音源信号抽 出工程を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去処理の概念図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去工程を示す概念図である。 本発明の実施の形態1に係る特定音源除 去工程を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るサーバー 制御構成図である。 本発明の実施の形態2に係る特定音源 去処理を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る音源信号 出工程を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る特定音源 去工程を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る音響信号 クロススペクトラム行列計算を示す図であ 。 実施例1~4で行った実験条件を示す図で ある。 実施例1~4で行った実験の模式図と実際 の測定時の写真である。 実施例1の音源間の開き角が30度での解 析結果の例を示す図である。 実施例1の音源間の開き角が60度での解 析結果の例を示す図である。 実施例1の音源間の開き角が90度での解 析結果の例を示す図である。 実施例1の音源間の開き角が180度での 析結果の例を示す図である。 実施例2の音源間の開き角が30度での解 析結果の例を示す図である。 実施例2の音源間の開き角が60度での解 析結果の例を示す図である。 実施例2の音源間の開き角が90度での解 析結果の例を示す図である。 実施例2の音源間の開き角が180度での 析結果の例を示す図である。 実施例3の音源間の開き角が30度での解 析結果の例を示す図である。 実施例3の音源間の開き角が60度での解 析結果の例を示す図である。 実施例3の音源間の開き角が90度での解 析結果の例を示す図である。 実施例3の音源間の開き角が180度での 析結果の例を示す図である。 実施例4の音源間の開き角が30度での解 析結果の例を示す図である。 実施例4の音源間の開き角が60度での解 析結果の例を示す図である。 実施例4の音源間の開き角が90度での解 析結果の例を示す図である。 実施例4の音源間の開き角が180度での 析結果の例を示す図である。 実施例5の音源除去処理を行う前の車 内騒音の解析結果の例を示す図である。 実施例5のAピラー部分からの騒音寄与 解析結果の例を示す図である。 実施例5のAピラー部分からの騒音寄与 除去した解析結果の例を示す図である。 実施例6の音源除去処理を行う前の車 内騒音の解析結果の例を示す図である。 実施例6のユーザーが最適な位置に抽 ポイントを置いた場合の解析結果の例を示 図である。 実施例6のユーザーが最適でない位置 抽出ポイントを置いた場合の解析結果の例 示す図である。

5 ネットワーク
100、101 サーバー
110 入力部
120 記憶部
130 音響信号抽出部
140 仮想リファレンス作成部
150 制御部
160 出力部
170 音響信号のクロススペクトラム行列計算
200-1~200-n 音響センサー
X 音源表示システム

 本発明の最良の形態を図面を用いて説明 る。

<第1の実施の形態>
[システム構成]
 図1を参照して、本発明の実施の形態に係る 音源表示システムXの構成について説明する
 本発明の実施の形態に係る音源表示システ Xは、音響センサー200-1~200-nが、インターネ トやイントラネット等であるネットワーク5 を介して、実際に音源表示を実行するサーバ ー100(特定音源除去装置)に接続されている。

 音響センサー200-1~200-nは、音圧信号を測定 るマイクロホンアレイ、粒子速度信号を測 する音響粒子速度センサー等、音圧乃至は 子速度を測定する任意の音響センサー装置 用いることができる。各音響センサーの位 は、任意の(x,y,z)の三次元で示す座標が設け れて、取得した音がどの音響センサー200-1~2 00-n由来か識別される。好ましくは、音響セ サー200-1~200-nは、PCT/JP2003/010851及びPCT/JP2008/05 0632に記載したバッフル上に複数のマイクロ ンを有するマイクロホンアレイから構成さ る音源識別測定装置により構成される。す わち、マイクロホン、マイクロホン延長コ ド、マイクロホン増幅器、A/D変換器、各種 ンターフェイスを備えたデータ通信部等に り構成される。また、データ通信部には、LA Nインターフェイス等のネットワーク5への接 手段を備えている。
 また、マイクロホンを用いる場合には、無 向性又は指向性であってもよく、さらなる 別精度を追及するためにマイクロホンの出 信号に周波数帯域毎のフィルタ及び目的音 に特化したフィルタを用いることも可能で る。周波数帯域特性フィルタは、マイクロ ン以降の受信系に配置する。目的音源に特 したフィルタとは、例えば自動車のエンジ 騒音においてはエンジン回転数に同期した 数トラッキングフィルタや対象騒音の周波 特性に応じた任意周波数特性を持つフィル があげられる。マイクロホンで収集したア ログ信号の電気信号である音圧信号は、A/D 換装置でデジタル信号へ変換される。
 また、音響センサー200-1~200-nは、マイクロ ンで測定した音圧信号等をサンプリングし ほぼリアルタイムでこの信号の経時変化(時 列)のデータをLANインターフェイス等を用い て送信することができる。ここでは実際の音 圧波形を、例えば、16ビット、サンプリング 波数44.1kHzのCD並の音質等でデジタルサンプ ングし、場合によっては原波形を完全に復 することができるロスレスコーデックで圧 して送信することができる。そして、この ータは、上述のネットワーク5の形態に合わ せて送信する。

 ネットワーク5は、LAN、電灯線LAN、cLink、 線LAN、携帯電話又はPHS網、有線電話回線、 用の回線等、音声データの転送レートに応 た回線速度を持つものであればいかなるネ トワークでも用いることができる。また、 ットワークの形態としても、IPネットワー やその他のスター状やリング状のネットワ ク等を用いることができる。さらに、フレ シブルディスク、各種フラッシュメモリカ ド、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)等の記 憶媒体を介してデータをやり取りすることも できる。

 サーバー100は、PC/AT互換機を用いたPCサー バーや汎用機等であり、音響センサー200-1~200 -nから音響信号データを解析して、望みの方 に存在する単一もしくは複数の音響信号を 出して作成した仮想リファレンス信号を用 て、音源識別測定結果の中から特定の音源 影響のみを消去する機能を有するためのプ グラムを実行している。

[制御構成]
 次に、図2を参照して、本発明の実施の形態 に係るサーバー100の制御構成について、より 詳しく説明する。
 サーバー100は、音響信号データの解析と演 を行うことができる構成部位であり、各音 センサー200-1~200-nで取得した音響信号デー を入力する入力部110(入力手段)、入力された データや音響信号の抽出データ、指向性デジ タルフィルタ処理のアルゴリズム、特定音源 除去結果等を記憶する記憶部120(記憶手段)、 定の方向から到来もしくは場所における音 信号を抽出する音響信号抽出部130(音響信号 抽出手段)、指向性デジタルフィルタ処理を って抽出された仮想リファレンス信号を作 するための仮想リファレンス信号作成部140( 想リファレンス信号作成手段)、CPU(セント ル・プロセッシング・ユニット、中央処理 置)やMPU(マイクロ・プロセッシング・ユニッ ト)等である制御部150(特定音源除去手段)、LCD ディスプレイ等の表示装置やプリンタやプロ ッタや波形出力機等である出力部160(出力手 )とを主に備えている。
 なお、これらの音響信号を抽出するデータ び仮想リファレンス信号の作成は、サーバ 100が、音響センサー200-1~200-nにより検出さ たデータを取得しても、別のセンサ等や情 サイト等の情報を直接ネットワーク5から取 するようにしても、記憶媒体を介して直接 得するようにしてもよい。

 さらに具体的に説明すると、入力部110は、L ANインターフェイス等であり、また、キーボ ドやポインティングデバイスや光学・磁気 キャナ等の入力手段も含む。これにより、 力部110は、音響センサー200-1~200-nからのデ タや、予め測定員が測定したデータ等を入 することができる。さらに、入力されたセ サー200-1~200-nのデータについて、測定員が音 響信号データの種類等を入力するためのユー ザインターフェイスも備えていてもよい。
 記憶部120は、RAMやROMやフラッシュメモリやH DD等である。記憶部120は、音響センサー200-1~2 00-nから入力された音響信号データや、予め 定員が測定した音響信号データ、ビームフ ーミング法や近距離ホログラフィ等の指向 デジタルフィルタ処理で用いるアルゴリズ 、特定音源除去結果等のプログラムや必要 データ等を記憶しておくことができる。
 また、音響信号抽出部130と仮想リファレン 信号作成部140は、専用の演算用DSP(デジタル ・シグナル・プロセッサ)や物理演算専用演 装置やGPU(Graphics Processing Unit)等のリアルタ ムに演算可能な演算器を用いるのが好適で る。なお、音響信号抽出部130と仮想リファ ンス信号作成部140の機能を、制御部150の演 機能を用いて実現してもよい。
 制御部150は、実際に以下の特定音源除去処 を行う際の制御と演算を行う構成部位であ 。このために、記憶部120のROMやHDD等に記憶 ているプログラムに従って、A/D変換器で変 されたデジタル信号である音響信号データ 対して各種の制御と演算の処理を実行する

[特定音源除去の概念]
 図3の特定音源除去結果の概念図に示すよう に、本発明では、除去したい音であるマスカ ーを判別して除去することによって、浮き出 る音であるマスキーを抽出する。マスカーは マスクする音であり、典型的には強い音圧レ ベルを示す主要な音源であるが解析を行う上 では除去したい音である。マスキーはマスク される音で典型的には主要な音源の影響に埋 もれているが騒音対策のターゲットとしたい 音を指す。横軸は方位角及び縦軸は仰角を示 す。
 図3上段は、マスカーを除去する前のマスカ ー及びマスキーを示したものである。マスカ ーはホワイトノイズ(+20dB)であり、マスキー ホワイトノイズであり、どちらも中心周波 1kHzの1/1オクターブバンドである。図3下段は 、図3上段で示したマスカーを取り除いた後 音源表示結果を示したものである。マスカ を取り除くことによって、隠れていたマス ーが浮き出てくることが分かる。

 本発明の特定音源除去方法の概念を図4の 2入力システムを用いて説明する。Xrはマスカ ーの入力信号、Xm/rはマスキーの入力信号、Xm はマイクロホンの出力信号、Lrmはマスカーか らマイクロホン出力までの伝達関数、Srrはマ スカーのオートスペクトラム、Srmはマスカー とマイクロホン出力のクロススペクトラムと 定義する。マイクロホン出力すなわちマイク ロホンが収録する音の信号は、伝達関数Lrmで 表される経路を通るマスカーの信号とマスキ ーの信号の和である。したがって、マスキー を抽出するには、マイクロホンの出力信号か ら伝達関数Lrmを通るマスカーの信号を差し引 いて求める。図4下段にマスキーの信号を求 る式を示す。

[特定音源除去処理]
 特定音源除去処理は、リファレンス信号を るためのマイクロホンを必要とせずに時間 域での仮想リファレンス信号を作成でき、 意の音響信号の強調や分離を可能にするこ で、対象となる騒音現象を簡単かつ正確に 測・評価して、騒音低減するような対策を 果的かつ簡単に実施するための有効な手段 ある。しかし、この特定音源除去処理では マスカーの到来方向もしくは場所を人手に り指定しなければならなかった。そこで、 下の処理で仮想リファレンス信号の抽出を 手による除去処理を必要とせずに行うこと 考案した。
本発明の特定音源除去処理は、図5に示すよ に大きく音響信号測定工程S10、音源信号抽 工程S11、特定音源除去工程S12、特定音源の 去は全て終了したかを判定する工程S13から 成される。

[音響信号測定工程]
 PCT/JP2003/010851及びPCT/JP2008/050632に記載した音 源識別測定装置及び実装するソフトウェアを 用いて行った音響信号測定工程S10を説明する 。
 本実施形態の説明では、音響信号測定工程S 10で用いるマイクロホンアレイは、1セットの みであり、マイクロホンを31個使用する場合 示す。なお、マイクロホンの数は、多けれ 多いほど音源識別結果の精度と安定性が向 するが、マイクロホンの数は音源識別を行 べき次元に応じた必要最低限以上の数であ ば音源識別は可能である。マイクロホンア イは、利用範囲及び手法、解析で取りうる 標系によって適宜変更される。なお、マイ ロホンアレイの形状は、平面形状、二次元 状、三次元形状及び任意の形状でもよい。 なみに、平面形状は、もっとも広く利用さ ており、近距離音響ホログラフィ及びビー フォーミングに以前より広く採用されてい 。また、三次元形状は、球面形状及び円筒 状等が思い浮かぶが、これらのマイクロホ アレイは球面座標系及び円筒座標系で見れ 一種の二次元形状マイクロホンアレイであ 。任意形状は、オブジェクトの形状に沿っ 設置するため、自由度が高い反面、マイク ホンの位置を厳密に知る必要がある。以下 具体的に、制御部150等で行う各マイクロホ により取り込まれた音響信号の特定音源除 処理の流れを示す。いずれにしても、近距 音響ホログラフィ及びビームフォーミング アルゴリズムは、マイクロホンアレイの形 により適宜変更する必要がある。

[音源信号抽出工程]
 PCT/JP2003/010851及びPCT/JP2008/050632に記載した音 源識別測定装置及び実装するソフトウェアを 用いて行った音源信号抽出工程S11を説明する 。ただし、特定の方向から到来もしくは場所 における音響信号は一般にビームフォーミン グ、近距離音響ホログラフィ等の演算で抽出 することができるが、任意のアルゴリズム、 装置及び実装するソフトウェアを用いること ができることは言うまでもない。ここではPCT /JP2003/010851及びPCT/JP2008/050632に記載したビー フォーミングに基づくアルゴリズムを例に て説明する。
 実装するソフトウェアは、デジタル信号に 換された音圧信号を指向性デジタルフィル を用いて、音源分離を行う指向性デジタル ィルタ処理を行う。この処理を一般的にビ ムフォーミングと呼ぶ。この指向性デジタ フィルタはあらゆる方向に同時に存在する 源を分離するためのフィルタであって、マ クロホンアレイの形状、サイズやマイクロ ンの位置、周波数、分離方向といったパラ ータに応じて定められ、音圧信号、電気信 、そしてA/D変換装置で変換されたデジタル 号に対して数値計算によって行われる。こ ビームフォーミング演算は、演算可能なあ ゆる方向に渡って指向性を変化させ、同時 複数の方向に音源があっても各音源信号を 出して分離する。

 具体的には、図6に示すように、音源信号 抽出工程S11では、時間範囲の決定(ステップS1 10)、時間周波数分析(ステップS120)、音源探査 (ステップS130)を備えている。以下で各ステッ プを詳細に説明する。

(ステップS110)
 まず、音響信号抽出部130は、時間範囲の決 を行う。音響信号抽出部130は、音の到来方 と強度解析を行うための時間範囲を決定す 。ここでは、音の到来方向と強度解析とを う解析区間として、取得した音響信号デー の時間波形の中で、目的音源からの音が含 れている時間範囲を抽出する。

(ステップS120)
 次に、音響信号抽出部130は、時間周波数分 を行う。音響信号抽出部130は、任意の音響 ンサー200-1~200-nから取得した音響信号デー の交流波形の時間周波数の分析を行う。測 されている騒音が時間変化に乏しく定常的 ある場合、時間周波数分析の結果の各時刻 データを平均化してもよい。騒音が非定常 ある場合は、当該音が含まれる時刻を時間 波数分析の結果から特定する。

(ステップS130)
 次に、音響信号抽出部130は、音源探査を行 。音響信号抽出部130は、解析区間において 源識別測定装置による音源探査を実施し、 位時間毎の音の到来方向(複数)とその強度( 時刻の音に対する寄与度)を求める。ここで も騒音が定常的である場合には、平均化され たスペクトラムから音源の強度が求まる。

 上記のように、複数の音響センサー200-1~200- nにより取り込まれたそれぞれの音響信号の 幅特性と、位相特性とを演算処理で求めた 、それらの信号情報とバッフル周辺の音場 析情報とを統合し、特定方向からの到来音 強調する演算処理を全方位に渡って行い、 源からの音の到来方向を演算処理により特 することで、全方位に渡る音源からの音の 来方向の特定と、音源の音の強さの推定と 一度に行う。このような制御部150による演 処理により、音源からの音の到来方向の解 と音源の音の強さの推定とが行われると、 の演算処理結果が音の強さ分布として出力 160の表示装置にカラーで表示してもよい。 7は、音源識別測定装置の球バッフルマイク ホンに配設されている複数のマイクロホン 複数の受光素子とから得られた音圧レベル 画像とを合成したものである。表示装置に り表示される音の強さをカラーで表示した 例である。また、図7中に示すXrは、除去対 とするマスカー信号の一例であり、ソフト ェアを用いてXrを抽出している操作の一例 ある。
 音源信号抽出工程S11で抽出した信号を仮想 ファレンス信号として、以下の特定音源除 工程S12で用いる。

[特定音源除去工程]
 図8に示した31入力システムにおける特定音 除去工程S12を示す概念図を用いて説明をす 。マスカーとマスキーが混じっている音を3 1本の音源識別測定装置のマイクロホンで収 する。マイクロホンでは時間波形を収録し それらの周波数応答X1~X31を求めるために周 数分析を行う。周波数分析は典型的にはFFT 理である。次に、取り除きたいマスカーの 波数応答Xrを求めるために、音源識別測定装 置では予めある方向に対する信号の強調機能 を用いてマスカーの抽出を行い、これを仮想 リファレンス信号とする。つまり、マスカー の信号が仮想リファレンス信号と等価と見な すのである。これによって、マスカーと各マ イクの間の伝達関数Lr1~Lr31を計算し、各マイ の出力X1~X31からそれぞれに対応するマスカ (Lr1Xr~Lr31Xr)を差し引いて、各マイクにおけ マスキー(X1/r~X31/r)を抽出する。この後、求 たマスキーを指向性デジタルフィルタ処理 解析し、最終的に分析結果を可視化して出 する。

 具体的には、図9に示すように、特定音源 除去工程S12では、仮想リファレンス信号の作 成(ステップS170)、特定の音源を除去して出力 表示(ステップS180)を備えている。以下で各ス テップを詳細に説明する。

(ステップS170)
 仮想リファレンス信号作成部140は、仮想リ ァレンス信号の作成を行う。仮想リファレ ス信号作成部140は、上記音源信号抽出工程 抽出した音響信号である音源探査結果に対 て、指向性デジタルフィルタ処理をして仮 リファレンス信号を作成する。本実施の形 では、指向性デジタルフィルタ処理として いるアルゴリズムは、ビームフォーミング (Beam-Forming:BF)であり、マイクロホンアレイ BF用の1セットのみ必要である。また、近距 音響ホログラフィ(Nearfield Acoustic Holography:NA H)を使ってマイクロホンアレイ近傍の音圧も くは粒子速度を予測し、それを仮想リファ ンスとして用いることも可能である。
BFは、音波伝搬のモデルに一種の近似が用い れているため、音源からマイクロホンアレ が波長に比べて離れた遠方場の解析で利用 れることが多い。音源の分解性能は、マイ ロホンアレイのサイズ及び周波数に依存し マイクロホンアレイが大きく、周波数が高 ほど分解能が高くなる。一方、NAHは数学的 厳密性が高く近似が少ないため、音源の近 場での解析で利用できる。NAHは波動方程式 ら比較的近似が少ない定式化が用いられて り、指向性応答を計算するBFに比べ、マイ ロホンアレイ近傍の音圧及び粒子速度を推 できることが大きな違いである。音源の分 性能は周波数に依存せず、周波数が低くて 高い分解能で分析できるが、一般的にBFでは 指向性応答が計算できる高周波域での計算は 難しい。

 このように本発明では物理的なリファレ スセンサーを利用する代わりに、仮想リフ レンス信号としてBFで得られた指向性音圧 NAHで推定された音圧乃至は粒子速度を利用 る。つまりこの場合、リファレンス信号を るためのマイクロホンは不要となる。この 想リファレンス信号を使い、BFやNAHの計算を 再帰的に繰り返すこともできる。これらの信 号の影響を取り除いた結果を得るのが特定音 除去演算である。 

(ステップS180)
 次に、出力部160は、特定の音源を除去して 力表示を行う。出力部160は、取得した仮想 ファレンス信号を利用して、各々のリファ ンス信号に相関の高い結果であるパーシャ フィールドを計算ステップに従って繰り返 表示する。ここでは画面上の2次元座標に対 応したメッシュ状に区切った区分毎に出力を 行い、出力部160の表示装置に白黒やカラー等 のコンターで表示する。また、音響センサー と同様に設置したCCDやCMOS等の受光素子で撮 した画像と合成して音源を可視化して表示 てもよい。

 本発明の実施の形態1では、リファレンス 信号として、追加マイクロホンや振動ピック アップ等の物理的な追加のセンサーを利用す る代わりに、ビームフォーミングで得られた 指向性信号や近距離音響ホログラフィで予測 された音圧乃至は粒子速度を、仮想的なリフ ァレンス信号として利用する。このようにし て、リファレンス信号を得るためのマイクロ ホンアレイは不要となる。完全にリファレン ス信号を計測用のマイクロホンアレイのみで 得ることができるため、本発明では、対象機 器に様々な騒音発生要因が考えられる際、マ イクロホンや加速度ピックアップなどのリフ ァレンスセンサーを対象や問題の候補となる 機器の近傍に設置できないといった問題も解 決できる。したがって、2セットのマイクロ ンアレイを用いる手法における物理的な煩 さの問題を解決する。

 また、従来の手法では算出が難しかった 時間領域でのリファレンス信号」を作成す ことができるため、そのリファレンス信号 ビームフォーミングでの利用ばかりではな 、近距離音響ホログラフィ等その他の音源 査手法にも適用可能である。更には音源信 をエンジニアが聴くことができることによ 、解析対象の音源を確認することが出来る も大きな特徴となっている。

 そして、得られたリファレンス信号を利 して、周波数や音の到来方向もしくは場所 に応じて複数の仮想リファレンス信号を作 し、それに対応したパーシャルフィールド 計算できる。また、逆にそのリファレンス 号の影響を含まない、もしくはリファレン 信号の影響を取り除いた音源除去フィール (Eliminated Field)も計算できる。このようにし て得られたリファレンス信号が、他の音源に 比べて物理的に非常に大きなエネルギーを持 っていた場合、その影響するパーシャルフィ ールドを取り除くことは、マスクされている 他の小さな騒音現象が容易に発見できる事を 意味する。すなわち、十分なS/N比がなく検出 又は対策したい音の物理的エネルギーが他の 音に比べて極端に小さい場合、他の音に埋も れて分離が難しく、対象となる騒音現象を簡 単に計測・評価できないという問題も解消さ れる。また、音源除去を何回も行うことで、 エネルギーの大きい音源からその影響を取り 除くことができるため、マスクされていた第 2,第3、、、の音源を見出すことができること も特徴である。また、様々な現象が同時に収 録されている音から特定の成分を取り除くこ とで、埋もれていた他の音を実際に聴くこと ができ、故障診断等の情報として生かすこと ができる。

 このような仮想リファレンス信号を数学 な観点から見れば、マイクロホンアレイそ ぞれの素子からの信号をフィルタリングし 結果の和となり、線形な演算であるため、 ファレンス信号はすべてのマイクロホンに して一部相関がある信号になる。しかし、 も重要なのは、仮想リファレンス信号が特 の方向や場所に強い相関を持つ信号となる である。

[特定音源の除去は全て終了したかの判定]
 特定音源の除去は全て終了したかを判定す 工程S13は、特定音源の除去は全て終了した 否かを判定する。全て終了した場合(YES)に 以降の演算は行わない。全て終了していな 場合(NO)には、音源信号抽出工程S11及び音源 号除去工程S12を再度行う。

[リファレンス信号の有無による特定音源除 処理の相違]
 なお、リファレンス信号の有無で特定音源 去処理は異なってくる。
 リファレンス信号がない場合には、音場に るすべての音源の影響を計算した結果であ トータルフィールド(Total Field)を計算して 示する。
 リファレンス信号がある場合には、リファ ンス信号に相関のある(コヒーレントな)成 だけを抜き出して解析を行う。これによっ 、各々のリファレンス信号に相関の高い結 のみを解析した結果であるパーシャルフィ ルド(Partial Field)を計算して表示が可能にな 。また、リファレンス信号に関連のない(イ ンコヒーレントな)成分を抜き出して解析し 結果である音源除去フィールド(Eliminated Fiel d)を計算して表示が可能となる。このように ると、弱い音源信号の強調も可能となる。

 BFやNAHでのリファレンス信号の利用として 、定常的な音を対象とする場合、非定常な を対象とする場合の双方が考えられる。
 定常的な音を対象とする場合には、マイク ホンアレイでの計測の必要はない。1chリフ レンスセンサー及び計測用センサーで入力 を構成し、計測用センサーを対象物体の周 に移動させてその座標及び音圧をリファレ スセンサーと同時サンプリングで計測でき ばよい。また、リファレンスセンサーは、 該信号を忠実にピックアップできるセンサ 種類(マイクロホン、振動ピックアップ等) び設置場所であればよい。複数の要因から 寄与が大きくなる場所でのセンサーの設置 分離が難しくなるため、一般的に避けられ いる。この場合に得られるのは、リファレ スセンサーの信号に相関があるパーシャル ィールドのみである。この場合はポスト処 で仮想リファレンス信号を抽出することは きるものの、本発明の特徴である時間領域 仮想リファレンス信号は抽出できず、周波 領域での処理に限定される。
 また、非定常な音を対象とする場合には、 イクロホンアレイ及びリファレンスセンサ が必要であり、同時サンプリングがされる リファレンスセンサーの設置に関しては、 常的な音の場合と同様であるが、リファレ スセンサーを適切な位置に設置するのが難 いのは前述したとおりである。
 リファレンス信号を高温の物体の近傍に設 したい場合等、取付け場所に制約があって ファレンス設置が難しい場合は、本発明で したように特定音源除去処理のプロセスに い、仮想リファレンス信号を作成すること できる。

<第2の実施の形態>
 次に、図10を参照して、本発明の第2の実施 形態に係る音源表示システムのサーバー101 ついて説明する。
 サーバー101を用いた音源表示システムの構 は、図1に示した第1の実施の形態に係る音 表示システムXと同様であり、サーバー101の 御構成のみが異なっている。 このサーバ 101においては、音響信号のクロススペクト ム行列計算部170(音響信号のクロススペクト ム行列計算手段)が追加されている点がサー バー100と異なっている。なお、この他の同じ 符号の構成要素については、サーバー100と同 様である。
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、音響信号のクロススペクトラム行列の 算を行うためのDSPやCPU等の演算器である。 た、上述の音響信号抽出部130と仮想リファ ンス信号作成部140と同様に、制御部150の演 機能を用いて実現してもよい。

 本発明の第2の実施の形態に係るサーバー101 においては、この音響信号のクロススペクト ラム行列計算部170を用いて、マイクロホンア レイで計測された音響信号のクロススペクト ラム行列を計算する。続いてクロススペクト ラム行列のランク(階数)を推定する。この演 は、典型的には特異値分解を使って行われ 。このランクに関する情報から特定音除去 算回数の上限を決めることができる。これ より最も妥当と考えられる音源が影響の大 い順番に示され、かつそれらの音源の影響 取り除いた結果を自動的に得ることができ 。なお自動的とは、ユーザーが目視により 意に仮想リファレンスを設置することなく 且つ任意の音源を除去する上限回数が収録 れた音響信号の状態に応じて自動的に設定 れることを意味する。
 なお、これらの追加する音響信号のクロス ペクトラム行列計算のデータは、サーバー1 01が、音響センサー200-1~200-nにより検出され データを取得しても、別のセンサ等や情報 イト等の情報を直接ネットワーク5から取得 るようにしても、記憶媒体を介して直接取 するようにしてもよい。

[自動化した特定音源除去処理]
 特定の場所ないしは方向に対応した仮想リ ァレンス信号を抽出する場合には、その設 場所もしくは方向が問題となる。この設置 所はユーザーが任意に設定することができ 特定の単独の音源の影響のみが卓越する場 に設置することが望ましい。しかし、実際 ユーザーが誤った場所に仮想リファレンス 設置することは十分考えられる。誤った場 に仮想リファレンスが設置された場合には 仮想リファレンスと特定の音源信号間のコ ーレンスが低下するため、抽出されたパー ャルフィールドは、特定の音源の影響を代 するものではなくなってしまう。このよう 仮想リファレンスの設置は、個人の技量に 存し特定音源除去の再現性が担保されてい かった。そこで、以下の処理で仮想リファ ンス信号の抽出を人手による除去処理を必 とせずに行うことを考案した。

 本発明の自動化した特定音源除去処理は、 11に示すように大きく音響信号測定工程S20 音源信号抽出工程S21、特定音源除去工程S22 特定音源の除去は全て終了したかを判定す 工程S23から構成される。
 具体的には、音響信号測定工程S20は、第1の 実施の形態で示した音響信号測定工程S10と同 様の処理を行う。
 また、図12に示すように、音源信号抽出工 S21は、時間範囲の決定(ステップS210)、時間 波数分析(ステップS220)、音源探査(ステップS 230)、及び暗騒音の音圧レベルを推定(ステッ S261)を備える。
 また、図13に示すように、特定音源除去工 S22は、仮想リファレンス信号の作成(ステッ S270)、音響信号のクロススペクトラム行列 算(ステップS271)、及び特定の音源を除去し 出力表示(ステップS280)を備える。
 また、特定音源の除去は全て終了したかを 定する工程S23は、第1の実施の形態で示した 特定音源の除去は全て終了したかを判定する 工程S13と同様の処理を行う。

 また、図14に示すように、音響信号のク ススペクトラム行列計算(ステップS271)は、 定の音源の影響を取り除いた後の残差エネ ギーを計算(ステップS2711)、残差が示す音源 報のうち寄与が最も大きい場所に再度リフ レンスを設置(ステップS2712)、仮想リファレ ンスの位置及び方向のテーブルを作成(ステ プS2713)、音源の並び替え(ステップS2714)、残 エネルギーが暗騒音レベルよりも小さいか 判定(ステップS2715)、及び結果の取得(ステ プS2716)を備える。以下で各ステップを詳細 説明する。

 ステップS210はステップS110と、ステップS2 20はステップS120と、ステップS230はステップS1 30と第1の実施の形態で示したように同様の処 理を行う。

(ステップS261)
 音響信号抽出部130は、暗騒音の音圧レベル 推定を行う。音響信号抽出部130は、マイク ホンアレイでの測定時に、暗騒音の音圧レ ルを推定する。これは、暗雑音に比べて極 に小さいエネルギーの音源は発見すること 一般的に困難であるためで、暗騒音の音圧 ベルは、繰り返し行う特定音除去回数の上 を設定するために用いる。また、一般的に 騒音は実際の測定の前後で確認のために測 することが多く、これを利用できる。

 ステップS270はステップS170と第1の実施の 態で示したように同様の処理を行う。

(ステップS271)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、音響信号のクロススペクトラム行列計 を行う。音響信号のクロススペクトラム行 計算部170は、音響信号測定後に音源探査計 の前にマイクロホンアレイで計測された音 信号のクロススペクトラム行列を計算する そして、クロススペクトラム行列のランク( 階数)を典型的には特異値分解を用いて推定 る。クロススペクトラム行列のランクrと音 内にある無相関な音源の数Nとはr≦Nの関係 ある(Kompella et al. Mechanical Systems and Signal  Processing (1994) 8(4), 363-380)。したがって、 り返し行った場合の特定音除去演算の上限 数はr回以内とすることができる。

 ステップS280はステップS180と第1の実施の 態で示したように同様の処理を行う。

 図14で示すように、具体的には、音響信 のクロススペクトラム行列計算(ステップS271 )では、さらに以下の手順に従って特定音除 演算を行う。

(ステップS2711)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、残差エネルギーの計算を行う。音響信 のクロススペクトラム行列計算部170は、全 ィールドの結果のうち、寄与が最も大きい 所(全体のピーク位置)に仮想リファレンス 設置し、特定音除去演算を行なう。

(ステップS2712)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、特定音除去演算を行った後の残差が示 音源情報のうち寄与が最も大きい場所に再 リファレンスの設置を行う。音響信号のク ススペクトラム行列計算部170は、残差エネ ギーの平均がステップS2711で計算された暗 音レベルより大きく、かつ演算回数がr回以 の場合に限り、残差が示す音源情報のうち 与が最も大きい場所に再度仮想リファレン を設置し、残差を計算する。

 (ステップS2713)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、仮想リファレンスの位置及び方向のテ ブルを作成する。音響信号のクロススペク ラム行列計算部170は、ステップS2711及びス ップS2712で繰り返し抽出した仮想リファレン スの位置及び方向のテーブルを作成する。以 下テーブルの例(球面音源識別測定装置で測 して、BFで解析した場合)を示す。

(ステップS2714)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、音源の並び替えを行う。音響信号のク ススペクトラム行列計算部170は、ステップS 2711からステップS2713の順番で作成した特定音 源除去の順序は、ピークの音圧レベルを示す 箇所に仮想リファレンスを設置するため、寄 与の大きい音源から順番に抽出しているかと いう観点から言うと必ずしも正しくない可能 性がある。最も測定結果に影響を与える主要 な音源は、抽出後(減算後)の残差のエネルギ が最も小さくなるものである。従って、そ ぞれの音源のうち、以下の順序で音源を並 替える。
(1)全フィールドから仮想リファレンスの影響 をそれぞれ減算し、残差のエネルギーが最も 小さいものを第1の仮想リファレンス、すな ち最も影響が大きい音源とする。
(2)同様の手順で第2,第3、、、の音源も同様に 定める。

(ステップS2715)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、残差のエネルギーが暗騒音レベルより 小さいかを判定する。音響信号のクロスス クトラム行列計算部170は、ステップS2714で 源を並び替えた後に、残差のエネルギーが 騒音レベルよりも小さいかを判定し、小さ 場合(YES)には以降の演算は行わない。大きい 場合(NO)には、ステップS2711に戻り、繰り返し 音源を求める計算を行う。

(ステップS2716)
 音響信号のクロススペクトラム行列計算部1 70は、計算結果を取得する。そして、上記の 順により最も妥当と考えられる音源が影響 大きい順番に自動的に示され、かつそれら 音源の影響を取り除いた結果を自動的に得 ことができる。
 これによって、仮想リファレンスが最適で い位置に置かれる可能性が低くなり、再現 が担保され信頼性を高めることが可能とな 。また、音源除去回数の上限を設定するこ によって、効率的に特定音源除去処理を行 ことが可能となった。

 以下の実施例により、本願発明をさらに説 する。しかし、本実施例により、本願発明 、限定的に解釈されるものではない。
 図15では、実施例1~4で行った実験条件を示 。図16左では、模式的に示すように、無響室 において2つの音源がある。図16右では、実際 の実験を行った際の、音源識別測定装置と音 源の位置を示す。

(実施例1)
 左側のマスカーを+20dBのホワイトノイズと 、右側のマスキーをホワイトノイズとした 合に、本発明を用いてマスカーの除去を試 る。
 図17~20は、音源間の開き角を変更したもの あり、マスカーがホワイトノイズ(+20dB)であ 、マスキーがホワイトノイズである場合に マスカーの除去が正しく行うことができる 調べた。

 図17は、音源間の開き角が30度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であり、マスキ はホワイトノイズであり、どちらも中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドである場合の解 結果の例を示す図である。
 図18は、音源間の開き角が60度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であり、マスキ はホワイトノイズであり、どちらも中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドである場合の解 結果の例を示す図である。
 図19は、音源間の開き角が90度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であり、マスキ はホワイトノイズであり、どちらも中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドである場合の解 結果の例を示す図である。
 図20は、音源間の開き角が180度であり、マ カーはホワイトノイズ(+20dB)であり、マスキ はホワイトノイズであり、どちらも中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドである場合の解 析結果の例を示す図である。
 図17~20の解析結果の例から、除去前は左側 強いが除去後は右側が強く表示されており マスカーよりもマスキーの方が強く表示さ ている。これより、左側のマスカーを+20dBの ホワイトノイズとし、右側のマスキーをホワ イトノイズとした場合には、音源間の開き角 に関わらずマスカーの除去が正しく行われて いる。

(実施例2)
 左側のマスカーを+20dBのホワイトノイズと 、右側のマスキーを純音とした場合に、本 明を用いてマスカーの除去を試みる。
 図21~24は、音源間の開き角を変更したもの あり、マスカーがホワイトノイズ(+20dB)であ て中心周波数1kHzの1/1オクターブバンドであ り、マスキーが1kHzの純音場合に、マーカー 除去が正しく行うことができるか調べた。

 図21は、音源間の開き角が30度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ は1kHzの純音である場合の解析結果の例を示 す図である。
 図22は、音源間の開き角が60度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ は1kHzの純音であるの場合の解析結果の例を 示す図である。
 図23は、音源間の開き角が90度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ は1kHzの純音である場合の解析結果の例を示 す図である。
 図24は、音源間の開き角が180度であり、マ カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ ーは1kHzの純音である場合の解析結果の例を す図である。
 図21~24の解析結果の例から、除去前は左側 強いが除去後は右側が強く表示されており マスカーよりもマスキーの方が強く表示さ ている。これより、左側のマスカーを+20dBの ホワイトノイズとし、右側のマスキーを純音 とした場合には、音源間の開き角に関わらず マスカーの除去が正しく行われている。

(実施例3)
 左側のマスカーを+20dBのホワイトノイズと 、右側のマスキーをクリック音または短音 した場合に、本発明を用いてマスカーの除 を試みる。
 図25~28は、音源間の開き角を変更したもの あり、マスカーがホワイトノイズ(+20dB)であ て中心周波数1kHzの1/1オクターブバンドであ り、マスキーがクリック音または短音である 場合に、マーカーの除去が正しく行うことが できるか調べた。 

 図25は、音源間の開き角が30度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ はクリック音または短音である場合の解析 果の例を示す図である。
 図26は、音源間の開き角が60度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ はクリック音または短音である場合の解析 果の例を示す図である。
 図27は、音源間の開き角が90度であり、マス カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ はクリック音または短音である場合の解析 果の例を示す図である。
 図28は、音源間の開き角が180度であり、マ カーはホワイトノイズ(+20dB)であって中心周 数1kHzの1/1オクターブバンドであり、マスキ ーはクリック音または短音である場合の解析 結果の例を示す図である。
 図25~28の解析結果の例から、除去前は左側 強いが除去後は右側が強く表示されており マスカーよりもマスキーの方が強く表示さ ている。これより、左側のマスカーを+20dBの ホワイトノイズとし、右側のマスキーをクリ ック音または短音とした場合には、音源間の 開き角に関わらずマスカーの除去が正しく行 われている。

(実施例4)
 左側のマスカーを+20dBの純音とし、右側の スキーをクリック音または短音とした場合 、本発明を用いてマスカーの除去を試みる
 図29~32は、音源間の開き角を変更したもの あり、マスカーが1kHzの純音(+20dB)であり、マ スキーがクリック音または短音である場合に 、マーカーの除去が正しく行うことができる か調べた。

 図29は、音源間の開き角が30度であり、マス カーは1kHzの純音(+20dB)であり、マスキーはク ック音または短音である場合の解析結果の を示す図である。
 図30は、音源間の開き角が60度であり、マス カーは1kHzの純音(+20dB)であり、マスキーはク ック音または短音である場合の解析結果の を示す図である。
 図31は、音源間の開き角が90度であり、マス カーは1kHzの純音(+20dB)であり、マスキーはク ック音または短音である場合の解析結果の を示す図である。
 図32は、音源間の開き角が180度であり、マ カーは1kHzの純音(+20dB)であり、マスキーはク リック音または短音である場合の解析結果の 例を示す図である。
 図29~32の解析結果の例から、除去前は左側 強いが除去後は右側が強く表示されており マスカーよりもマスキーの方が強く表示さ ている。これより、左側のマスカーを+20dBの 純音とし、右側のマスキーをクリック音また は短音とした場合には、音源間の開き角に関 わらずマスカーの除去が正しく行われている 。

(実施例5)
 自動車の車室内騒音の典型的なテストの一 として行なわれるのが、シャシダイナモメ ターを使った台上試験である。実際の走行 模擬したエンジン回転と負荷を与え、車両 挙動を測定することができるが、騒音の評 目的でも広く利用されている。ここでは、 速エンジン音を対象とした試験の例を示す
 この試験では乗用車をシャシダイナモメー ーのローラー上に設置する。ローラーの表 はスリップ防止面でカバーされているが、 の凹凸は顕著なロードノイズ(タイヤと路面 の接触によって生じる騒音)を発生するもの はない。この場合、自動車を運転状態にす ば、加速時のエンジン負荷を実現でき、そ 上での騒音が評価可能になる。ここではギ を3速に固定し、エンジンを3000rpmに保持した 状態での測定結果である。マイクロホンアレ イは助手席に設置している。

 図33は、特定のリファレンス信号に依存し いトータルフィールドの計算結果を写真上 重ねて表示したもので、周波数は800Hzである 。この場合であれば、エンジン音がダッシュ パネルから透過して車室内に影響していると ころがわかる。この図で示されたピークが主 要な騒音寄与を示しているが、ダッシュパネ ルからの放射音の影響を除去できれば次に問 題となっている場所を追加実験なしに指し示 すことができる。このダッシュパネルのピー ク(図34画面9の白丸参照)に本発明の特定音源 去を適用すると図34を得る。図34は、Aピラ (ドアミラーが付いている部分からルーフに かって立ち上がる柱上の構造部品)部分から の騒音寄与を示している。図34からAピラー部 分の騒音寄与(図35画面1の白丸参照)を除去し ものが図35である。
 このように自動車騒音においても、本発明 用いれば主要な音源(マスカー)を除去する とで隠れていた音源(マスキー)を発見できる 。

(実施例6)
 最適な位置もしくは最適でない位置に抽出 イントをユーザーが置いた場合の比較を示 ために、実施例5と同様の事例で、音源識別 測定装置を用いて音源識別測定装置の周囲に 存在する車室内騒音の特定音源除去処理を行 った例を示す。以下、図面を参照して車室内 騒音の特定音源除去処理を行った解析結果の 例を示す。

 図36~38は、音源識別測定装置を用いて音源 別測定装置の全方向に存在する車室内騒音 音圧レベルと実際の車室の画像とを合成し 示した解析結果の例である。解析結果の例 、音源の位置として最適な位置もしくは最 でない位置に抽出ポイントをユーザーが置 た場合の比較を示す。
 図36は、音源除去処理を行う前の音圧レベ と実際の車室の画像とを合成して表示して る。図37は、最適な位置に抽出ポイントをユ ーザーが置いた場合(図37画面9の白丸参照)に 源除去処理を行った結果の例を示す。図38 、最適でない位置に抽出ポイントをユーザ が置いた場合(図38画面1の白丸参照)に音源除 去処理を行った結果の例を示す。
 図37に示すように、ユーザーが最適な位置 抽出ポイントを置いた場合には、画面中に れている音源の除去が適切になされている 一方、図38に示すように、ユーザーが最適で ない位置に抽出ポイントを置いた場合には、 画面中に表れている音源の除去が適切になさ れておらず、多くのピークが特定音源除去演 算の結果である図38に現れている。このよう ユーザー自身が音源の位置を指定して除去 行う場合には、最適な位置にポイントしな と適切な結果を得ることができない。

 また本発明を用いれば、ユーザーが抽出 イントを指定することなく正確な特定音源 去処理を自動的に行うことが可能である。 の手順に従えば実施例5のプロセスを自動化 でき、実施例5と同様の結果が得られる。こ 例では、800Hzのクロススペクトラム行列のラ ンクは3であり、暗騒音レベルは15dBであった 実際、実施例5で特定音源除去を2回行なっ 後の残差エネルギーは12dBであり、暗騒音と 較してもこれ以上の特定音除去は困難であ ことがわかる。つまり、本発明内の自動化 法を用いても、実施例5と同様の結果が得ら れることは明白である。

 なお、上記実施の形態の構成、解析及び測 は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない 囲で適宜変更することができることは言う でもない。
また、上記実施の形態の構成、解析及び測定 で示した処理工程は、当業者にとって実際の 処理の一部または全部を行い、若しくはその 処理工程・ステップの順番を変更しても、そ の処理によって前述した実施形態の機能が実 現される場合も含まれることは言うまでもな い。