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Title:
STEPPED AUTOMATIC TRANSMISSION DEVICE, POWER UNIT WITH THE TRANSMISSION DEVICE, AND MOTORCYCLE WITH THE POWER UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025215
Kind Code:
A1
Abstract:
A transmission device that is compact in size in the direction of the axis of an input shaft and in which the distance between the input shaft and an output shaft is relatively small. The transmission device (31) includes a first clutch (55) having a first rotating shaft (53) and a second rotating shaft (54) that are arranged in the direction perpendicular to the direction of the axis of the input shaft (52) and also having a third rotating shaft (64); a first shift gear pair (86) having a first gear (58) that rotates together with an output-side clutch member (57) and also having a second gear (63); a first transmission gear pair (84) having a third gear (87) that rotates together with the first rotating shaft (53) and also having a fourth gear (75); a second transmission gear pair (85) having a fifth gear (74) that rotates together with the second rotating shaft (54) and also having a sixth gear (78); a second clutch (70); and a second shift gear pair (91) having a seventh gear (73) that rotates together with an output-side clutch member (72) and also having an eighth gear (77). At least either of an axis (C2) and an axis (C4) is not present on a plane (P).

Inventors:
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064511
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YAMAHA MOTOR CO LTD (JP)
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
International Classes:
F16H3/083; B62M9/04; B62M11/06
Foreign References:
JPS5690539U1981-07-20
JPS508379U1975-01-28
JPS63104683U1988-07-06
JPS56142773A1981-11-07
JPS58107927U1983-07-22
GB921869A1963-03-27
Other References:
See also references of EP 2151601A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAYAMA, Kazutoshi et al. (5-4 Tanimachi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 12, JP)
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Claims:
 入力軸と、出力軸とを備えた有段式自動変速装置であって、
 各々、前記入力軸の軸方向と垂直な方向に配列された第1の回転軸、第2の回転軸並びに、前記出力軸に接続された、又は前記出力軸を構成する第3の回転軸と、
 前記入力軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記入力軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有する第1のクラッチと、
 前記第1のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第1のギアと、前記第1のギアと噛合し、前記第1の回転軸と共に回転する第2のギアとを有する第1の変速ギア対と、
 第1の回転軸と共に回転する第3のギアと、前記第3のギアと噛合し、前記第2の回転軸と共に回転する第4のギアとを有する第1の伝達ギア対と、
 第2の回転軸と共に回転する第5のギアと、前記第5のギアと噛合し、前記第3の回転軸と共に回転する第6のギアとを有する第2の伝達ギア対と、
 前記第2の回転軸と前記第5のギアとの間に配置され、前記第2の回転軸の回転を前記第5のギアに伝達する一方、前記第5のギアの回転を前記第2の回転軸に伝達しない第1の一方向回転伝達機構、若しくは前記第3の回転軸と前記第6のギアとの間に配置され、前記第6のギアの回転を前記第3の回転軸に伝達する一方、前記第3の回転軸の回転を前記第6のギアに伝達しない第2の一方向回転伝達機構と、
 前記第2の回転軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記第2の回転軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有する第2のクラッチと、
 前記第2のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第7のギアと、前記第7のギアと噛合し、前記第3の回転軸と共に回転する第8のギアとを有し、前記第1の変速ギア対とは異なるギア比を有する第2の変速ギア対と、
を備え、
 前記第1の回転軸の軸線と前記第3の回転軸の軸線とのうちの少なくとも一方は、前記入力軸の軸線と前記第2の回転軸の軸線とを含む平面上にない有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記第1の回転軸の軸線は、前記平面に対して一方側に位置している一方、前記第3の回転軸の軸線は、前記平面に対して他方側に位置している有段式自動変速装置。
 請求項2に記載された有段式自動変速装置において、
 前記入力軸と、前記出力軸と、前記第1の回転軸と、前記第2の回転軸と、前記第3の回転軸とが収納されており、下部にオイル溜まりが形成されたケーシングをさらに備え、
 前記第1の回転軸の軸線は、前記平面に対して上側に位置している一方、前記第3の回転軸の軸線は、前記平面に対して下側に位置している有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記入力軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記入力軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有し、前記第1のクラッチとは異なる前記入力軸の回転速度で接続される第3のクラッチと、
 前記第3のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第9のギアと、前記第9のギアと噛合し、前記第1の回転軸と共に回転する第10のギアとを有し、前記第1の変速ギア対及び前記第2の変速ギア対とのそれぞれとは異なるギア比を有する第3の変速ギア対と、
をさらに備えた有段式自動変速装置。
 請求項4に記載された有段式自動変速装置において、
 前記第2の回転軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記第2の回転軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有し、前記第2のクラッチとは異なる前記第2の回転軸の回転速度で接続される第4のクラッチと、
 前記第4のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第11のギアと、前記第11のギアと噛合し、前記第3の回転軸と共に回転する第12のギアとを有し、前記第1の変速ギア対、第2の変速ギア対及び第3のギア対のそれぞれとは異なる第4の変速ギア対と、
をさらに備えた有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前後方向に関して、前記第3の回転軸は、前記第2の回転軸よりも前方に位置している有段式自動変速装置。
 クランク軸を有する駆動源と、
 前記駆動源に接続された入力軸と、出力軸とを有する有段式自動変速装置と、
を備えたパワーユニットであって、
 前記有段式自動変速装置は、
  各々、前記入力軸の軸方向と垂直な方向に配列された第1の回転軸、第2の回転軸並びに、前記出力軸に接続された、又は前記出力軸を構成する第3の回転軸と、
  前記入力軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記入力軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有する第1のクラッチと、
  前記第1のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第1のギアと、前記第1のギアと噛合し、前記第1の回転軸と共に回転する第2のギアとを有する第1の変速ギア対と、
  第1の回転軸と共に回転する第3のギアと、前記第3のギアと噛合し、前記第2の回転軸と共に回転する第4のギアとを有する第1の伝達ギア対と、
  第2の回転軸と共に回転する第5のギアと、前記第5のギアと噛合し、前記第3の回転軸と共に回転する第6のギアとを有する第2の伝達ギア対と、
  前記第2の回転軸と前記第5のギアとの間に配置され、前記第2の回転軸の回転を前記第5のギアに伝達する一方、前記第5のギアの回転を前記第2の回転軸に伝達しない第1の一方向回転伝達機構、若しくは前記第3の回転軸と前記第6のギアとの間に配置され、前記第6のギアの回転を前記第3の回転軸に伝達する一方、前記第3の回転軸の回転を前記第6のギアに伝達しない第2の一方向回転伝達機構と、
  前記第2の回転軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記第2の回転軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有する第2のクラッチと、
  前記第2のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第7のギアと、前記第7のギアと噛合し、前記第3の回転軸と共に回転する第8のギアとを有し、前記第1の変速ギア対とは異なるギア比を有する第2の変速ギア対と、
を有し、
  前記第1の回転軸の軸線と前記第3の回転軸の軸線とのうちの少なくとも一方は、前記入力軸の軸線と前記第2の回転軸の軸線とを含む平面上にないパワーユニット。
 請求項7に記載されたパワーユニットにおいて、
 前記駆動源は、前記クランク軸に接続されたバランサ軸を有するバランサをさらに有し、
 前記第1の回転軸の軸方向から視たときに、前記第1の回転軸、前記第2のギア、または前記第3のギアの少なくとも一部と、前記バランサの少なくとも一部とは、重なるように配置されているパワーユニット。
 請求項7に記載されたパワーユニットを備えたモーターサイクル。
 請求項9に記載されたモーターサイクルにおいて、
 前記第2の回転軸の軸線は、前記入力軸の軸線よりも高い位置又は低い位置にあるモーターサイクル。
 請求項9に記載されたモーターサイクルにおいて、
 前記パワーユニットが懸架され、前記パワーユニットの後方に位置する後方フレーム部を有する車体フレームと、
 前記出力軸の回転に伴って回転する後輪と、
 一端が後方フレーム部に揺動可能に取り付けられ、他端に前記後輪が回転可能に取り付けられたリアアームと、
をさらに備えたモーターサイクル。
Description:
有段式自動変速装置、それを備 たパワーユニット、及びそれを備えたモー ーサイクル

 本発明は、有段式自動変速装置、それを えたパワーユニット、及びそれを備えたモ ターサイクルに関する。

 近年、4速以上の有段式自動変速装置を用 いたモーターサイクルに対するニーズが高ま ってきている。モーターサイクルでは、ライ ダーが車体を傾斜させることで方向転換が行 われる。このため、モーターサイクルにおい ては、車幅が狭いことが好ましい。従って、 車幅方向にスリムな4速以上の有段式自動変 装置が求められている。

 例えば、特許文献1には、3速の有段式自動 速装置を用いたモーターサイクルが開示さ ている。特許文献1では、有段式自動変速装 の複数のクラッチが前後方向に配列されて る。これにより、比較的幅狭の有段式自動 速装置が実現されている。

実開昭62-23349号公報

 ところで、変速装置の出力軸と後輪とが 力伝達手段で接続されており、車体フレー と後輪とが、リアアームによって接続され モーターサイクルなどでは、高い運動性能 得るために、リアアームを長くしたいとい 要望もある。

 リアアームを長くするためには、変速装 の前後方向の長さは短い方が好ましい。言 換えれば、変速装置の入力軸と出力軸と間 距離は短い方が好ましい。しかしながら、 許文献1に記載された有段式自動変速装置で は、回転軸が車両の前後方向に配列されてい る。このため、特許文献1に記載された有段 自動変速装置では、変速装置の入力軸と出 軸と間の距離が比較的長い。従って、特許 献1に記載された有段式自動変速装置を用い のでは、リアアームを長くしてモーターサ クルの運動性能を向上させることが困難で る。

 本発明は、斯かる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、入力軸 軸方向に関してコンパクトであると共に、 力軸と出力軸との間の距離が比較的短い変 装置を提供することにある。

 本発明に係る有段式自動変速装置は、入力 と、出力軸と、各々、入力軸の軸方向と垂 な方向に配列された第1の回転軸、第2の回 軸並びに、出力軸に接続された、又は出力 を構成する第3の回転軸と、第1のクラッチと 、第1の変速ギア対と、第1の伝達ギア対と、 2の伝達ギア対と、第1の一方向回転伝達機 若しくは第2の一方向回転伝達機構と、第2の クラッチと、第2の変速ギア対とを備えてい 。第1のクラッチは、入力軸と共に回転する 力側クラッチ部材と、入力軸に対して回転 能な出力側クラッチ部材とを有する。第1の 変速ギア対は、第1のクラッチの出力側クラ チ部材と共に回転する第1のギアと、第1のギ アと噛合し、第1の回転軸と共に回転する第2 ギアとを有する。第1の伝達ギア対は、第1 回転軸と共に回転する第3のギアと、第3のギ アと噛合し、第2の回転軸と共に回転する第4 ギアとを有する。第2の伝達ギア対は、第2 回転軸と共に回転する第5のギアと、第5のギ アと噛合し、第3の回転軸と共に回転する第6 ギアとを有する。第1の一方向回転伝達機構 は、第2の回転軸と第5のギアとの間に配置さ 、第2の回転軸の回転を第5のギアに伝達す 一方、第5のギアの回転を第2の回転軸に伝達 しない。第2の一方向回転伝達機構は、第3の 転軸と第6のギアとの間に配置され、第6の アの回転を第3の回転軸に伝達する一方、第3 の回転軸の回転を第6のギアに伝達しない。 2のクラッチは、第2の回転軸と共に回転する 入力側クラッチ部材と、第2の回転軸に対し 回転可能な出力側クラッチ部材とを有する 第2の変速ギア対は、第2のクラッチの出力側 クラッチ部材と共に回転する第7のギアと、 7のギアと噛合し、第3の回転軸と共に回転す る第8のギアとを有する。第2の変速ギア対は 第1の変速ギア対とは異なるギア比を有する 。第1の回転軸の軸線と第3の回転軸の軸線と うちの少なくとも一方は、入力軸の軸線と 2の回転軸の軸線とを含む平面上にない。
(発明の効果)

 本発明によれば、入力軸の軸方向に関し コンパクトであると共に、入力軸と出力軸 の間の距離が比較的短い変速装置を実現す ことができる。

図1は、モペットの左側面図である。 図2は、モペットの右側面図である。 図3は、エンジンユニットの右側面図で ある。 図4は、エンジンユニットの断面図であ る。 図5は、エンジンユニットの部分断面図 である。 図6は、エンジンユニットの構成を表す 模式図である。 図7は、下流側クラッチ群の構成を表す エンジンユニットの部分断面図である。 図8は、オイル回路を表す概念図である 。 図9は、変速装置における1速時の動力 達経路を説明するための模式図である。 図10は、変速装置における2速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図11は、変速装置における3速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図12は、変速装置における4速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図13は、変形例1におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図14は、変形例2におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図15は、変形例3におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図16は、変形例4におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図17は、変形例5におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図18は、変形例6におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。

符号の説明

      2   モペット(モーターサイクル)
     10   車体フレーム
     10a  後方フレーム部
     18   後輪
     20   エンジンユニット(パワーユニ ト)
     28   リアアーム
     30   エンジン(駆動源)
     31   変速装置
     32   クランクケース
     33   出力軸
     34   クランク軸
     52   入力軸
     53   第1の回転軸
     54   第2の回転軸
     55   第1のクラッチ
     56   インナ(入力側クラッチ部材)
     57   アウタ(出力側クラッチ部材)
     58   第1のギア
     59   第3のクラッチ
     60   インナ(出力側クラッチ部材)
     61   アウタ(入力側クラッチ部材)
     62   第9のギア
     63   第2のギア
     64   第3の回転軸
     65   第10のギア
     66   第4のクラッチ
     67   インナ(入力側クラッチ部材)
     68   アウタ(出力側クラッチ部材)
     69   第11のギア
     70   第2のクラッチ
     71   インナ(入力側クラッチ部材)
     72   アウタ(出力側クラッチ部材)
     73   第7のギア
     74   第5のギア
     75   第4のギア
     76   第12のギア
     77   第8のギア
     78   第6のギア
     83   第3の変速ギア対
     84   第1の伝達ギア対
     85   第2の伝達ギア対
     86   第1の変速ギア対
     87   第3のギア
     88   車速センサ
     91   第2の変速ギア対
     99   オイル溜まり
    100   キックスタータ
    115   バランサ軸

 本実施形態では、本発明を実施した好ま い形態の一例について、所謂モペット2を例 に挙げて説明する。

 (モペット2の概略構成)
 まず、図1及び図2を参照しながらモペット2 概略構成について説明する。尚、以下の説 において、前後左右といった方向は、モペ ト2のシート14に着座したライダーから視た 向をいうものとする。

 図2に示すように、モペット2は、車体フ ーム10を備えている。車体フレーム10は、図 しないヘッドパイプを有する。ヘッドパイ は、車両の前方部分において、下方に向か てやや斜め前方に延びている。ヘッドパイ には、図示しないステアリングシャフトが 転可能に挿入されている。ステアリングシ フトの上端部には、ハンドル12が設けられ いる。一方、ステアリングシャフトの下端 には、フロントフォーク15が接続されている 。フロントフォーク15の下端部には、従動輪 しての前輪16が回転可能に取り付けられて る。

 車体フレーム10には、車体カバー13が取り 付けられている。車体フレーム10の一部は、 の車体カバー13によって覆われている。車 カバー13には、ライダーが着座するシート14 取り付けられている。また、車両のほぼ中 において、車体フレーム10には、サイドス ンド23が取り付けられている。

 車体フレーム10には、エンジンユニット20 が懸架されている。本実施形態では、エンジ ンユニット20は、車体フレーム10に固定され いる。つまり、エンジンユニット20は、所謂 リジットタイプのエンジンユニットである。

 本実施形態のエンジンユニット20は、比 的前後方向に短いタイプである。具体的に 本実施形態のエンジンユニット20の変速装置 31は、入力軸52と出力軸33との間の距離が比較 的短いタイプである。よって、本実施形態の エンジンユニット20は、スクータ型車両より 比較的高い運動性能が求められるモペット オフロード車、オンロード車などに特に有 である。

 図2に示すように、車体フレーム10は、エ ジンユニット20の後方に位置する後方フレ ム部10aを備えている。後方フレーム部10aに 、後方に延びるリアアーム28が取り付けられ ている。リアアーム28は、ピボット軸25を中 として揺動可能である。リアアーム28の後端 部には、駆動輪としての後輪18が回転可能に り付けられている。この後輪18は、図示し い動力伝達手段によって、変速装置31の出力 軸33に接続されている。よって、後輪18は、 ンジンユニット20によって駆動される。また 、リアアーム28の後端部には、クッションユ ット22の一端が取り付けられている。クッ ョンユニット22の他端は、車体フレーム10に り付けられている。このクッションユニッ 22によって、リアアーム28の揺動が抑制され る。

 図6に示すように、本実施形態では、出力 軸33に対して、車速センサ88が設けられてい 。具体的には、車速センサ88は、出力軸33と に回転する第14のギア80に対して設けられて いる。但し、車速センサ88は、出力軸33以外 回転軸に対して設けられていてもよく、出 軸33に対して一定の回転数比で回転する他の 部材に設けられていてもよい。

 (エンジンユニット20の構成)
 図4は、エンジンユニット20の断面図である 図6は、パワーユニットとしてのエンジンユ ニット20の構成を表す模式図である。図4に示 すように、エンジンユニット20は、駆動源と てのエンジン30と、変速装置31とを備えてい る。尚、本実施形態ではエンジン30が単気筒 ンジンである例について説明する。但し、 発明において、エンジン30は、単気筒エン ンに限定されない。エンジン30は、例えば、 2気筒エンジンなどの多気筒のエンジンであ てもよい。

  -エンジン30-
 エンジン30は、クランクケース32と、シリン ダボディ37と、シリンダヘッド40と、クラン 軸34とを備えている。クランクケース32の内 には、クランク室35が区画形成されている シリンダボディ37の内部には、クランク室35 開口するシリンダ38が区画形成されている シリンダボディ37の先端には、シリンダヘッ ド40が取り付けられている。クランク室35に 、車幅方向に延びるクランク軸34が配置され ている。クランク軸34には、コンロッド36が り付けられている。コンロッド36の先端には 、シリンダ38内に配置されたピストン39が取 付けられている。このピストン39とシリンダ ボディ37と、シリンダヘッド40とによって燃 室41が区画形成されている。シリンダヘッド 40には、先端の発火部が燃焼室41に位置する うに点火プラグ42が取り付けられている。

 図5は、キックスタータ100及びセルモータ 101を表すエンジンユニット20の部分断面図で る。図2及び図5に示すように、エンジンユ ット20には、キックスタータ100が設けられて いる。モペット2のライダーは、このキック タータ100を操作することによってエンジン30 を始動させることができる。

 キックスタータ100は、キックペダル24を する。キックペダル24は、図2に示すように クランク軸34よりも後方かつ下方において、 クランクケース32の右側に配置されている。 ックペダル24は、キック軸102に取り付けら ている。キック軸102とクランクケース32との 間には、圧縮コイルばね103が設けられている 。この圧縮コイルばね103は、ライダーの操作 により回転したキック軸102に対して逆回転方 向の付勢力を付与する。また、キック軸102に は、ギア104が設けられている。一方、軸105に は、ギア106が回転自在に設けられている。ギ ア104は、このギア106と噛合している。このギ ア104等を介して、キック軸102の回転がクラン ク軸34に伝達される。また、ギア106は、軸127 設けられたギア123と噛合している。よって ギア104の回転は、ギア106とギア123とを介し 軸127に伝達される。軸127にはギア124が設け れている。このギア124は、クランク軸34に けられたギア125と噛合している。よって、 127の回転は、ギア124とギア125とを介してク ンク軸34に伝達される。よって、キックペダ ル24をライダーが操作することで、クランク 34が回転する。

 また、エンジン30には、セルモータ101も けられている。セルモータ101は、クランク ース32に対して取り付けられている。このセ ルモータ101の回転は、ギア120、121及び126を介 してクランク軸34に伝達される。これにより ライダーの操作によりセルモータ101が駆動 れることによって、エンジン30が始動する

  -バランサ軸115-
 図4に示すように、エンジン30には、バラン 軸115を有するバランサ115Aが設けられている 。バランサ軸115には、ギア118が設けられてい る。ギア118は、クランク軸34に設けられたギ 119と噛合している。よって、バランサ軸115 、クランク軸34と共に回転する。図4及び図3 に示すように、バランサ軸115の軸線C6は、第2 の回転軸54の軸線C2の近くに配置されている 図4に示すように、第1の回転軸53の軸方向か 視たときに、第1の回転軸53、第2のギア63、 たは第3のギア87の少なくとも一部と、バラ サ115Aの少なくとも一部とは、互いに重なる ように配置されている。ここでは特に、バラ ンサ軸115は、第1の回転軸53の軸方向から視た ときに、第1の回転軸53と少なくとも一部が重 なるように配置されている。バランサ軸115は 、車幅方向に関して、コンロッド36が接続さ たクランク軸34の中心部に位置している。 方、第1の回転軸53は、車幅方向に関して、 側に位置している。バランサ軸115と第1の回 軸53とは、車幅方向に関して、オフセット れている。言い換えれば、バランサ軸115と 1の回転軸53とは、車幅方向に関して、相互 重ならないように配置されている。

  -発電機45-
 図4及び図5に示すように、クランクケース32 の左側には、発電機カバー43が取り付けられ いる。この発電機カバー43とクランクケー 32とによって、発電機室44が区画形成されて る。

 クランク軸34の左側端部は、クランク室35 から突出して、発電機室44に至っている。発 機室44内において、クランク軸34の左側端部 には、発電機45が取り付けられている。発電 45は、インナ45aと、アウタ45bとを備えてい 。インナ45aは、クランクケース32に対して回 転不能に取り付けられている。一方、アウタ 45bは、クランク軸34の左側端部に取り付けら ている。アウタ45bは、クランク軸34と共に 転する。よって、クランク軸34が回転すると 、アウタ45bはインナ45aに対して相対的に回転 する。これによって、発電が行われる。

 クランクケース32の左側には、変速装置 バー50が取り付けられている。この変速装置 カバー50とクランクケース32とによって、ク ンクケース32の左側に位置する変速装置室51 区画形成されている。

  -変速装置31の構成-
 次に、主として図6を参照しながら、変速装 置31の構成について詳細に説明する。変速装 31は、入力軸52と出力軸33とを備えた4速の有 段式自動変速装置である。変速装置31は、複 の変速ギア対を介して入力軸52から出力軸33 へと動力が伝達される所謂ギアトレイン型の 有段式変速装置である。

 クランク軸34の右側端部は、クランク室35 から突出して、変速装置室51に至っている。 ランク軸34は、変速装置31の入力軸52を兼ね いる。

   ~回転軸構成~
 変速装置31は、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とを有する 。第1の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の 転軸64と、出力軸33とのそれぞれは、入力軸5 2と平行に配置されている。

 図3において、符号C1,C2,C3,C4,C5は、それぞ 、入力軸52の軸線、第1の回転軸53の軸線、 2の回転軸54の軸線、第3の回転軸64の軸線、 力軸33の軸線を表している。図3に示すよう 、入力軸52と、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64とのすべての回転軸は、 側面視において、相互に隣接するように配置 されている。言い換えれば、入力軸52と、第1 の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の回転軸 64とは、入力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53の 軸線C2と、第2の回転軸54の軸線C3と、第3の回 軸64の軸線C4とが、側面視において、矩形を 構成するように配置されている。

 図3に示すように、第1の回転軸53の軸線C2 、第3の回転軸64の軸線C4とのうち少なくと 一方は、入力軸52の軸線C1と第2の回転軸54の 線C3を含む平面P上に位置していない。詳細 は、第1の回転軸53の軸線C2と、第3の回転軸6 4の軸線C4との両方が、入力軸52の軸線C1と第2 回転軸54の軸線C3を含む平面P上に位置して ない。より詳細には、第1の回転軸53の軸線C2 が平面Pに対して一方側に位置しているのに して、第3の回転軸64の軸線C4が平面Pに対し 他方側に位置している。具体的には、第1の 転軸53の軸線C2が平面Pに対して上側に位置 ているのに対して、第3の回転軸64の軸線C4が 平面Pに対して下側に位置している。よって 第1の回転軸53の軸線C2が比較的上側に位置し 、第3の回転軸64が比較的下側に位置している 。つまり、第1の回転軸53よりも第3の回転軸64 の方がオイル溜まり99の近くに配置されてい 。具体的に、本実施形態では、第1の回転軸 53はオイル溜まり99よりも高い位置に配置さ ている。一方、第3の回転軸64は、オイル溜 り99に浸かっている。

 第3の回転軸64の軸線C4は、前後方向に関 て、第2の回転軸54の軸線C3よりも前方に位置 している。詳細には、第3の回転軸64の軸線C4 、前後方向に関して、第2の回転軸54の軸線C 3と入力軸52の軸線C1との間に位置している。

 出力軸33の軸線C5は、図3に示すように、 3の回転軸64の軸線C4よりも上方且つ後方に位 置している。出力軸33の軸線C5は、側面視に いて、入力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53の 線C2と、第2の回転軸54の軸線C3と、第3の回 軸64の軸線C4とにより構成される仮想矩形の 部に位置している。出力軸33の軸線C5は、側 面視において、第2の回転軸54の軸線C3よりも 方に位置している。

 尚、平面Pは、後方に向かって上方に延び ている。つまり、第2の回転軸54の軸線C3は、 力軸52の軸線C1よりも高い位置に位置してい る。

 尚、本実施形態では、出力軸33と第3の回 軸64とがそれぞれ別個に設けられている例 ついて説明する。但し、本発明はこの構成 限定されない。出力軸33と第3の回転軸64とは 共通であってもよい。言い換えれば、第3の 転軸64に対して後輪18が取り付けられていて よい。

   ~上流側クラッチ群81~
 図4及び図6に示すように、入力軸52には、上 流側クラッチ群81が設けられている。上流側 ラッチ群81は、第1のクラッチ55と、第3のク ッチ59とを備えている。第1のクラッチ55は 第3のクラッチ59よりも右側に配置されてい 。第1のクラッチ55と、第3のクラッチ59とは それぞれ遠心クラッチにより構成されてい 。具体的に、本実施形態では、第1のクラッ 55と、第3のクラッチ59とは、それぞれドラ 式の遠心クラッチにより構成されている。 し、本発明は、この構成に限定されない。 1のクラッチ55と、第3のクラッチ59とは、遠 クラッチ以外のクラッチであってもよい。 えば、第1のクラッチ55と、第3のクラッチ59 は、油圧式のクラッチであってもよい。但 、第1のクラッチ55は、遠心クラッチである とが好ましい。

 第1のクラッチ55は、入力側クラッチ部材 してのインナ56と、出力側クラッチ部材と てのアウタ57とを備えている。インナ56は、 力軸52に対して回転不能に設けられている このため、インナ56は、入力軸52の回転と共 回転する。一方、アウタ57は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ5 6に働く遠心力により、インナ56とアウタ57と 接触する。これにより第1のクラッチ55がつ がる。一方、インナ56とアウタ57とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ56に働く遠心力が弱くなり、インナ56と ウタ57とが離れる。これにより第1のクラッ 55が切断される。

 第3のクラッチ59は、出力側クラッチ部材 してのインナ60と、入力側クラッチ部材と てのアウタ61とを備えている。インナ60は、 述する第9のギア62に対して回転不能に設け れている。入力軸52が回転すると、その回 が第1の変速ギア対86と、第1の回転軸53と第3 変速ギア対83とを介して、インナ60に伝達さ れる。このため、インナ60は、入力軸52の回 と共に回転する。アウタ61は、入力軸52に対 て回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ60 に働く遠心力により、インナ60とアウタ61と 接触する。これにより第3のクラッチ59がつ がる。一方、インナ60とアウタ61とがつなが た状態で回転しているときに、その回転速 が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ナ60に働く遠心力が弱くなり、インナ60とア ウタ61とが離れる。これにより第3のクラッチ 59が切断される。

 尚、本実施形態では、アウタ57とアウタ61 とが同一の部材で構成されている。但し、本 発明はこの構成に限定されない。アウタ57と ウタ61とを別の部材によって構成してもよ 。

 第1のクラッチ55が接続されるときの入力 52の回転速度と、第3のクラッチ59が接続さ るときの入力軸52の回転速度とは相互に異な る。言い換えれば、第1のクラッチ55が接続さ れるときのインナ56の回転速度と、第3のクラ ッチ59が接続されるときのインナ60の回転速 とは相互に異なる。具体的には、第1のクラ チ55が接続されるときの入力軸52の回転速度 の方が、第3のクラッチ59が接続されるときの 入力軸52の回転速度よりも低い。より具体的 説明すると、第1のクラッチ55は、入力軸52 回転速度が第1の回転速度以上のときにつな る。一方、第1のクラッチ55は、入力軸52の 転速度が第1の回転速未満であるときに切断 れた状態となる。第3のクラッチ59は、入力 52の回転速度が上記第1の回転速度よりも高 第2の回転速度以上のときにつながる。一方 、第3のクラッチ59は、入力軸52の回転速度が 2の回転速度未満であるときに切断された状 態となる。

 第1のクラッチ55のアウタ57には、第1のギ 58が、アウタ57に対して回転不能に設けられ ている。第1のギア58は、第1のクラッチ55のア ウタ57と共に回転する。一方、第1の回転軸53 は、第2のギア63が設けられている。第2のギ ア63は第1のギア58と噛合している。第1のギア 58と第2のギア63とは第1の変速ギア対86とを構 している。本実施形態では、第1の変速ギア 対86は、第1速の変速ギア対を構成している。

 第2のギア63は、所謂一方向ギアである。 体的には、第2のギア63は、第1のギア58の回 を第1の回転軸53に伝達する。一方、第2のギ ア63は、第1の回転軸53の回転を入力軸52には 達しない。つまり、第2のギア63は、一方向 転伝達機構96を兼ね備えている。

 第3のクラッチ59の出力側クラッチ部材と てのインナ60には、第9のギア62が設けられ いる。第9のギア62はインナ60と共に回転する 。一方、第1の回転軸53には、第10のギア65が けられている。第10のギア65は第9のギア62と 合している。第10のギア65と第9のギア62とは 第3の変速ギア対83とを構成している。第3の 速ギア対83は、第1の変速ギア対86とは異なる ギア比を有する。具体的に、第3の変速ギア 83は、第1の変速ギア対86のギア比よりも小さ なギア比を有している。第3の変速ギア対83は 第2速の変速ギア対を構成している。

 第1の変速ギア対86と第3の変速ギア対83と 間には、上記第1のクラッチ55と第3のクラッ チ59が位置している。言い換えれば、上記第1 のクラッチ55と第3のクラッチ59とは、第1の変 速ギア対86と第3の変速ギア対83との間に配置 れている。

 本実施形態では、第10のギア65は、第3の ア87としての機能も兼ね備えている。言い換 えれば、第10のギア65と第3のギア87とは共通 ある。第2の回転軸54には、第4のギア75が、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。第4のギア75は第2の回転軸54と共に回転 る。第10のギア65としての機能も兼ね備える 3のギア87は、第4のギア75と噛合している。 10のギア65としての機能も兼ね備える第3の ア87と、第4のギア75とは、第1の伝達ギア対84 を構成している。

 第2の回転軸54には、第5のギア74が、第2の 回転軸54に対して回転不能に設けられている 第5のギア74は第2の回転軸54と共に回転する 一方、第3の回転軸64には、第6のギア78が第3 の回転軸64に対して回転不能に設けられてい 。第3の回転軸64は、第6のギア78と共に回転 る。第5のギア74と第6のギア78とは相互に噛 している。第5のギア74と第6のギア78とは、 2の伝達ギア対85を構成している。

 第6のギア78は、所謂一方向ギアである。 体的には、第6のギア78は、第2の回転軸54の 転を第3の回転軸64に伝達する。一方、第6の ギア78は、第3の回転軸64の回転を第2の回転軸 54には伝達しない。つまり、第6のギア78は、 方向回転伝達機構93を兼ね備えている。

 但し、本発明において、第6のギア78が所 一方向ギアであることは必須ではない。例 ば、第6のギア78を通常のギアとし、第5のギ ア74を所謂一方ギアとしてもよい。言い換え ば、第5のギア74に一方向回転伝達機構を兼 備えさせてもよい。具体的には、第5のギア 74を第2の回転軸54の回転を第6のギア78に伝達 る一方、第6のギア78の回転を第2の回転軸54 伝達しないようにしてもよい。

   ~下流側クラッチ群82~
 第2の回転軸54には、下流側クラッチ群82が けられている。下流側クラッチ群82は上流側 クラッチ群81の後方に位置している。図4に示 すように、下流側クラッチ群82と上流側クラ チ群81とは、入力軸52の軸方向に関して、少 なくとも一部が重なる位置に配置されている 。言い換えれば、下流側クラッチ群82と上流 クラッチ群81とは、車幅方向に関して、少 くとも一部が重なる位置に配置されている 詳細には、下流側クラッチ群82と上流側クラ ッチ群81とは、車幅方向に関して、実質的に なる位置に配置されている。

 下流側クラッチ群82は、第2のクラッチ70 第4のクラッチ66とを備えている。第4のクラ チ66は、第2のクラッチ70よりも右側に配置 れている。このため、第1のクラッチ55が第3 クラッチ59に対して位置する方向と、第4の ラッチ66が第2のクラッチ70に対して位置す 方向とは等しくなっている。そして、図4に すように、第1のクラッチ55と第4のクラッチ 66とは、車幅方向に関して少なくとも一部が なるように配置されている。言い換えれば 第1のクラッチ55と第4のクラッチ66とは、入 軸52の軸方向に関して少なくとも一部が重 るように配置されている。一方、第3のクラ チ59と第2のクラッチ70とも、車幅方向に関 て少なくとも一部が重なるように配置され いる。言い換えれば、第3のクラッチ59と第2 クラッチ70とは、入力軸52の軸方向に関して 少なくとも一部が重なるように配置されてい る。具体的には、第1のクラッチ55と第4のク ッチ66とは、車幅方向に関して実質的に重な るように配置されている。一方、第3のクラ チ59と第2のクラッチ70とも、車幅方向に関し て実質的に重なるように配置されている。

 第2のクラッチ70と第4のクラッチ66とは、 れぞれ所謂油圧式クラッチにより構成され いる。具体的には、本実施形態では、第2の クラッチ70と第4のクラッチ66とは、それぞれ ィスク式の油圧式クラッチにより構成され いる。但し、本発明は、この構成に限定さ ない。第4のクラッチ66と第2のクラッチ70と 、油圧式のクラッチ以外のクラッチであっ もよい。例えば、第4のクラッチ66と第2のク ラッチ70とは、遠心クラッチであってもよい 但し、第4のクラッチ66と第2のクラッチ70と 、油圧式のクラッチであることが好ましい

 このように、第1のクラッチ55、第3のクラ ッチ59、第4のクラッチ66及び第2のクラッチ70 それぞれは、ドラム式又はディスク式の遠 クラッチであってもよいし、ドラム式又は ィスク式の油圧式クラッチであってもよい 第1のクラッチ55、第3のクラッチ59、第4のク ラッチ66及び第2のクラッチ70のすべてが遠心 ラッチであってもよい。第1のクラッチ55、 3のクラッチ59、第4のクラッチ66及び第2のク ラッチ70のすべてが油圧式クラッチであって よい。また、第1のクラッチ55、第3のクラッ チ59、第4のクラッチ66及び第2のクラッチ70の ち、比較的ギア比の大きい1又は複数のクラ ッチを遠心クラッチとし、それ以外の比較的 ギア比の小さいクラッチを油圧式クラッチと してもよい。具体的には、第1のクラッチ55の みを遠心クラッチとし、それ以外のクラッチ 59、66、70を油圧式クラッチとしてもよい。逆 に、第1のクラッチ55、第3のクラッチ59、第4 クラッチ66及び第2のクラッチ70のうち、比較 的ギア比の大きい1又は複数のクラッチを油 式クラッチとし、それ以外の比較的ギア比 小さいクラッチを遠心クラッチとしてもよ 。

 第2のクラッチ70が接続されるときの第2の 回転軸54の回転速度と、第4のクラッチ66が接 されるときの第2の回転軸54の回転速度とは 互に異なる。言い換えれば、第2のクラッチ 70が接続されるときのインナ71の回転速度と 第4のクラッチ66が接続されるときのインナ67 の回転速度とは相互に異なる。具体的には、 第2のクラッチ70が接続されるときの第2の回 軸54の回転速度の方が、第4のクラッチ66が接 続されるときの第2の回転軸54の回転速度より も低い。

 第2のクラッチ70は、入力側クラッチ部材 してのインナ71と、出力側クラッチ部材と てのアウタ72とを備えている。インナ71は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ71は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ72は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第2の ラッチ70がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ71は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ72は第2の回 軸54と共には回転しない。第2のクラッチ70 つながっている状態では、インナ71とアウタ 72との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第2のクラッチ70の出力側クラッチ部材と てのアウタ72には、第7のギア73が取り付け れている。第7のギア73は、アウタ72と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第8のギ 77が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第8のギア77は、第3の回転軸64と共 に回転する。第7のギア73と第8のギア77とは、 相互に噛合している。よって、アウタ72の回 は、第7のギア73と第8のギア77とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第7のギア73と第8のギア77とは、第2の変速 ギア対91を構成している。第2の変速ギア対91 、第1の変速ギア対86のギア比と、第3の変速 ギア対83のギア比と、第4の変速ギア対90のギ 比は異なるギア比を有する。

 第2の変速ギア対91は、第2のクラッチ70に して、第3のクラッチ59に対して第3の変速ギ ア対83が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第2の変速ギア対91は、第2のク ラッチ70に対して左側に位置している。第3の 変速ギア対83も同様に、第3のクラッチ59に対 て左側に位置している。

 また、第2の変速ギア対91と第3の変速ギア 対83とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第2の変速ギア対91と第3の変速ギア 対83とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第2の変速ギア対91と第3の変 ギア対83とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第4のクラッチ66は、入力側クラッチ部材 してのインナ67と、出力側クラッチ部材と てのアウタ68とを備えている。インナ67は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ67は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ68は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第4の ラッチ66がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ67は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ68は第2の回 軸54と共には回転しない。第4のクラッチ66 つながっている状態では、インナ67とアウタ 68との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第4のクラッチ66の出力側クラッチ部材と てのアウタ68には、第11のギア69が取り付け れている。第11のギア69は、アウタ68と共に 転する。一方、第3の回転軸64には、第12の ア76が第3の回転軸64に対して回転不能に設け られている。第12のギア76は、第3の回転軸64 共に回転する。第11のギア69と第12のギア76と は、相互に噛合している。よって、アウタ68 回転は、第11のギア69と第12のギア76とを介 て第3の回転軸64に伝達される。

 第12のギア76と第11のギア69とは第4の変速 ア対90を構成している。第4の変速ギア対90 、第1の変速ギア対86のギア比及び第3の変速 ア対83のギア比とは異なるギア比を有する

 第2の変速ギア対91と第4の変速ギア対90と 間には、上記第2のクラッチ70と第4のクラッ チ66とが位置している。言い換えれば、上記 2のクラッチ70と第4のクラッチ66とは、第2の 変速ギア対91と第4の変速ギア対90との間に配 されている。

 第4の変速ギア対90は、第4のクラッチ66に して、第1のクラッチ55に対して第1の変速ギ ア対86が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第4の変速ギア対90は、第4のク ラッチ66に対して右側に位置している。第1の 変速ギア対86も同様に、第1のクラッチ55に対 て右側に位置している。

 また、第4の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第4の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第4の変速ギア対90と第1の変 ギア対86とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第3の回転軸64には、第13のギア79が第3の 転軸64に対して回転不能に設けられている。 第13のギア79は、車幅方向に関して、第12のギ ア76と、第8のギア77よりも左側に配置されて る。第13のギア79は第3の回転軸64と共に回転 する。一方、出力軸33には、第14のギア80が出 力軸33に対して回転不能に設けられている。 い換えれば、第14のギア80は、出力軸33と共 回転する。この第14のギア80と第13のギア79 によって、第3の伝達ギア対98が構成されて る。この第3の伝達ギア対98によって、第3の 転軸64の回転が出力軸33に伝達される。

   ~下流側クラッチ群82の詳細構造~
 次に、主として図7を参照しながら、下流側 クラッチ群82についてさらに詳細に説明する

 第2のクラッチ70には、プレート群136が設 られている。プレート群136は、複数のフリ ションプレート134と複数のクラッチプレー 135とを備えている。複数のフリクションプ ート134と複数のクラッチプレート135とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート134は、アウタ72 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート135は、インナ71に対して回転不能である 。

 インナ71は、アウタ72に対して回転可能で ある。インナ71のアウタ72とは車幅方向の反 側には、プレッシャープレート163が配置さ ている。プレッシャープレート163は、圧縮 イルスプリング92によって車幅方向右側に付 勢されている。すなわち、プレッシャープレ ート163は、圧縮コイルスプリング92によって ス部162側に付勢されている。

 ボス部162とプレッシャープレート163との には、作動室137が区画形成されている。作 室137には、オイルが満たされている。この 動室137内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート163は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 163とインナ71との間の距離が短くなる。従 て、プレート群136が相互に圧接された状態 なる。その結果、インナ71とアウタ72とが共 回転し、第2のクラッチ70が接続状態となる

 一方、作動室137内の圧力が低くなると、 レッシャープレート163は、圧縮コイルスプ ング92によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群136の圧接状態が解除さ る。その結果、ンナ71とアウタ72とが共に相 的に回転可能となり、第2のクラッチ70が切 される。

 尚、図示は省略するが、第2のクラッチ70 は、作動室137に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ71とアウタ72と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ70の切断時に、作動室137内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ70の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ71とアウ タ72との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

 第4のクラッチ66には、プレート群132が設 られている。プレート群132は、複数のフリ ションプレート130と複数のクラッチプレー 131とを備えている。複数のフリクションプ ート130と複数のクラッチプレート131とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート130は、アウタ68 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート131は、インナ67に対して回転不能である 。

 インナ67は、アウタ68に対して回転可能か つ車幅方向に変位可能である。インナ67のア タ68とは車幅方向の反対側には、プレッシ ープレート161が配置されている。プレッシ ープレート161は、圧縮コイルスプリング89に よって車幅方向左側に付勢されている。すな わち、プレッシャープレート161は、圧縮コイ ルスプリング89によってボス部162側に付勢さ ている。

 ボス部162とプレッシャープレート161との には、作動室133が区画形成されている。作 室133には、オイルが満たされている。この 動室133内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート161は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 161とインナ67との間の距離が短くなる。従 て、によってプレート群132が相互に圧接さ た状態となる。その結果、インナ67とアウタ 68とが共に回転し、第4のクラッチ66が接続状 となる。

 一方、作動室133内の圧力が低くなると、 レッシャープレート161は、圧縮コイルスプ ング89によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群132の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ67とアウタ68とが共に 対的に回転可能となり、第4のクラッチ66が 断される。

 尚、図示は省略するが、第4のクラッチ66 は、作動室133に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ67とアウタ68と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ66の切断時に、作動室133内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ66の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ67とアウ タ68との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

   ~オイル経路139~
 図8に示すように、第4のクラッチ66の作動室 133内の圧力と第2のクラッチ70の作動室137内の 圧力とは、オイルポンプ140によって付与され ると共に調整される。図8に示すように、ク ンク室35の底部には、オイル溜まり99が形成 れている。このオイル溜まり99には、スト ーナ141が漬けられている。ストレーナ141は オイルポンプ140に接続されている。オイル ンプ140が駆動されることで、このストレー 141を介してオイル溜まり99に溜められたオイ ルが吸い上げられる。

 第1のオイル経路144の途中には、リリーフ バルブ147が設けられている。吸い上げられた オイルは、オイルクリーナ142において浄化さ れ、リリーフバルブ147により所定の圧力に調 圧される。その後、浄化されたオイルの一部 は、クランク軸34や、シリンダヘッド40内の 動部に対して供給される。また、浄化され オイルの一部は、第4のクラッチ66の作動室13 3と第2のクラッチ70の作動室137とにも供給さ る。具体的には、オイルクリーナ142から延 る第1のオイル経路144には、第2のオイル経路 145と第3のオイル経路146とが接続されている 第2のオイル経路145は、バルブ143から変速装 カバー50側を経て、第2の回転軸54の右端部 ら、第2の回転軸54内に延びている。そして 第2のオイル経路145は作動室133に至っている よって、第2のオイル経路145を経由して作動 室133にオイルが供給され、作動室133内の圧力 が調節される。一方、第3のオイル経路146は バルブ143からクランクケース32側を経て、第 2の回転軸54の左端部から、第2の回転軸54内に 延びている。そして、第3のオイル経路146は 動室137に至っている。よって、第3のオイル 路146を経由して作動室137にオイルが供給さ る。

 第1のオイル経路144と、第2のオイル経路14 5及び第3のオイル経路146との接続部には、バ ブ143が設けられている。このバルブ143によ て、第1のオイル経路144と第3のオイル経路14 6との間の開閉、及び第1のオイル経路144と第2 のオイル経路145との間の開閉が行われる。

 バルブ143には、図7に示すように、バルブ 143を駆動するモータ150が取り付けられている 。このモータ150によってバルブ143が駆動され ることで、第2のクラッチ70と第4のクラッチ66 の断続が行われる。つまり、本実施形態では 、オイルポンプ140と、バルブ143と、モータ150 とによって、油圧式クラッチである第2のク ッチ70と第4のクラッチ66とに対して油圧を付 加するアクチュエータ103が構成されている。 そして、そのアクチュエータ103が、図7に示 ECU138によって制御されることで、第2のクラ チ70と第4のクラッチ66との油圧が調節され 。具体的には、作動室133と作動室137との油 が調節される。これにより、第2のクラッチ7 0と第4のクラッチ66の断続が行われる。

 より具体的に説明すると、図7に示すよう に、ECU138には、スロットル開度センサ112と車 速センサ88とが接続されている。制御部とし のECU138は、このスロットル開度センサ112に って検出されるスロットル開度と、車速セ サ88により検出される車速とのうちの少な とも一方に基づいてアクチュエータ103を制 している。本実施形態では、制御部として ECU138は、このスロットル開度センサ112によ て検出されるスロットル開度と、車速セン 88により検出される車速との両方に基づいて アクチュエータ103を制御している。具体的に は、ECU138は、スロットル開度センサ112から出 力されるスロットル開度と、車速センサ88か 出力される車速とを、メモリ113から読み出 たV-N線図に適用して得られた情報に基づい アクチュエータ103を制御している。

 具体的に、バルブ143は、略円柱状に形成 れている。バルブ143には、第1のオイル経路 144と第2のオイル経路145とを開通するための 部経路148と、第1のオイル経路144と第3のオイ ル経路146とを開通するための内部経路149とが 形成されている。モータ150によってバルブ143 が回転することで、上記内部経路148、149によ って、第1のオイル経路144と第2のオイル経路1 45とが開通する一方、第1のオイル経路144と第 3のオイル経路146とが切断されるポジション 第1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 開通する一方、第1のオイル経路144と第2のオ ル経路145とが切断されるポジション、及び 1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 断されると共に、第1のオイル経路144と第2の オイル経路145とも切断されるポジションのう ちのいずれかが選択されるようになっている 。これにより、第4のクラッチ66及び第2のク ッチ70の両方が切断された状態、第4のクラ チ66が接続されている一方、第2のクラッチ70 は切断されている状態、又は第4のクラッチ66 が切断されている一方、第2のクラッチ70が接 続されている状態のいずれかが選択される。

  -変速装置31の動作-
 次に変速装置31の動作について、図9~図12を 照しながら詳細に説明する。

   ~発進時、1速~
 まず、エンジン30が始動すると、クランク 34(=入力軸52)の回転が開始する。第1のクラッ チ55のインナ56は入力軸52と共に回転する。こ のため、入力軸52の回転速度が所定の回転速 (=第1の回転速度)以上になり、インナ56に所 以上の大きさの遠心力がかかりだすと、図9 に示すように、第1のクラッチ55がつながる。 第1のクラッチ55がつながると、第1のクラッ 55のアウタ57と共に、第1の変速ギア対86が回 する。これにより、入力軸52の回転が第1の 転軸53に伝達される。

 第3のギア87は、第1の回転軸53と共に回転 る。このため、第1の回転軸53の回転に伴っ 、第1の伝達ギア対84も回転する。よって、 1の伝達ギア対84を介して、第1の回転軸53の 転が第2の回転軸54に伝達される。

 第5のギア74は、第2の回転軸54と共に回転 る。このため、第2の回転軸54の回転に伴っ 、第2の伝達ギア対85も回転する。よって、 2の伝達ギア対85を介して、第2の回転軸54の 転が第3の回転軸64に伝達される。

 第13のギア79は、第3の回転軸64と共に回転 する。このため、第3の回転軸64の回転に伴っ て、第3の伝達ギア対98も回転する。よって、 第3の伝達ギア対98を介して、第3の回転軸64の 回転が出力軸33に伝達される。

 このように、モペット2の発進時、すなわ ち1速時は、図9に示すように、第1のクラッチ 55、第1の変速ギア対86、第1の伝達ギア対84、 2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98を介 て、入力軸52から出力軸33へと回転が伝達さ れる。

   ~2速~
 上記1速時において、第3のギア87と共通の第 10のギア65は、第1の回転軸53と共に回転して る。このため、第10のギア65と噛合する第9の ギア62と、第3のクラッチ59のインナ60とも共 回転している。よって、入力軸52の回転速度 が上昇すると、第3のクラッチ59のインナ60の 転速度も上昇する。入力軸52の回転速度が 記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度以 上になると、インナ60の回転速度もその分上 し、図10に示すように、第3のクラッチ59が ながる。

 ここで、本実施形態では、第3の変速ギア 対83のギア比の方が、第1の変速ギア対86のギ 比よりも小さい。よって、第10のギア65の回 転速度の方が、第2のギア63の回転速度よりも 速くなる。このため、第3の変速ギア対83を介 して、入力軸52から第1の回転軸53に回転が伝 される。一方、第1の回転軸53の回転は、一 向回転伝達機構96により入力軸52には伝達さ れない。

 第1の回転軸53から出力軸33への回転力の 達は、上記1速時と同様に、第1の伝達ギア対 84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98 介して行われる。

 このように、2速時は、図10に示すように 第3のクラッチ59、第3の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝 達ギア対98を介して、入力軸52から出力軸33へ と回転が伝達される。

   ~3速~
 上記2速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度が第2の回転速度よりも高くなり 且つ、車速が所定の車速以上になると、図1 1に示すように、バルブ143が駆動され、第2の ラッチ70がつながる。このため、第2の変速 ア対91の回転が開始する。ここで、第2の変 ギア対91のギア比は、第2の伝達ギア対85の ア比よりも小さい。このため、第2の変速ギ 対91の第8のギア77の回転速度が、第3の変速 ア対83の第6のギア78の回転速度よりも高く る。このため、第2の回転軸54の回転は、第2 変速ギア対91を介して第3の回転軸64に伝達 れる。一方、第3の回転軸64の回転は、一方 回転伝達機構93により第2の回転軸54には伝達 されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時、2速 と同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力 33へと伝達される。

 このように、3速時は、図11に示すように 第3のクラッチ59、第3の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第2のクラッチ70、第2の変速ギ ア対91及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

   ~4速~
 上記3速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度がさらに高くなり、且つ、車速 さらに高くなると、図12に示すように、バル ブ143が駆動され、第4のクラッチ66がつながる 。その一方で、第2のクラッチ70は切断される 。このため、第4の変速ギア対90の回転が開始 する。ここで、第4の変速ギア対90のギア比も 、第2の伝達ギア対85のギア比よりも小さい。 このため、第4の変速ギア対90の第12のギア76 回転速度が、第2の伝達ギア対85の第6のギア7 8の回転速度よりも高くなる。このため、第2 回転軸54の回転は、第4の変速ギア対90を介 て第3の回転軸64に伝達される。一方、第3の 転軸64の回転は、一方向回転伝達機構93によ り第2の回転軸54には伝達されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時~3速時 同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力軸3 3へと伝達される。

 このように、4速時は、図12に示すように 第3のクラッチ59、第3の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第4のクラッチ66、第4の変速ギ ア対90及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

 以上説明したように、本実施形態では、 謂ギアトレイン式の変速装置31を採用して る。このため、例えば、Vベルトを使用した 段変速装置と比較して、エネルギーの伝達 スが少ない。その結果、車両の燃費を向上 せることができる。

 本実施形態では、入力軸52、第1の回転軸5 3、第2の回転軸54、第3の回転軸64及び出力軸33 が入力軸52の軸方向と垂直な方向に配列され いる。つまり、入力軸52、第1の回転軸53、 2の回転軸54、第3の回転軸64及び出力軸33が入 力軸52の軸方向と垂直な方向に重なるように 列されている。入力軸52、第1の回転軸53、 2の回転軸54、第3の回転軸64及び出力軸33が入 力軸52の軸方向と垂直な方向に関して重なる うに配列されている。このため、入力軸52 軸方向に関して、変速装置31をコンパクト化 することができる。その結果、モペット2の 幅方向の幅を抑制することができる。従っ 、モペット2のバンク角を比較的大きくとる とができる。

 また、本実施形態では、第1の回転軸53の 線C2と、第3の回転軸64の軸線C4とのうち少な くとも一方は、入力軸52の軸線C1と第2の回転 54の軸線C3を含む平面P上に位置していない このように、入力軸52と、第1の回転軸53と、 第2の回転軸54と、第3の回転軸64とを配置する ことで、入力軸52と出力軸33との間の距離を 較的短くすることができる。よって、出力 33を比較的車両の前側に配置することができ る。よって、リアアーム28を比較的長くする とができる。その結果、モペット2の運動性 能を向上させることができる。

 さらにリアアーム28を長くする観点から 、第2の回転軸54の軸線C3が入力軸52の軸線C1 りも高い位置又は低い位置にくるように第2 回転軸54を配置することが好ましい。つま 、平面Pが水平に対して傾くように入力軸52 第2の回転軸54とを配置することが好ましい 具体的には、平面Pが後ろ上がり又は後ろ下 りとなるように入力軸52と第2の回転軸54と 配置することが好ましい。そうすることで 前後方向に関して、入力軸52と出力軸33との の距離をより短くすることができる。よっ 、リアアーム28をより長くすることができ 。

 入力軸52と出力軸33との間の距離をより短 くする観点からは、本実施形態のように、第 1の回転軸53の軸線C2と、第3の回転軸64の軸線C 4との両方を、入力軸52の軸線C1と第2の回転軸 54の軸線C3を含む平面P上以外の場所に配置す ことが好ましい。第1の回転軸53の軸線C2が 面Pに対して一方側に位置する一方、第3の回 転軸64の軸線C4が平面Pに対して他方側に位置 るように、第1の回転軸53と第3の回転軸64と 配置することが特に好ましい。また、この 合は、入力軸52と、第1の回転軸53と、第2の 転軸54と、第3の回転軸64とが相互に隣接す 。よって、入力軸52と第1の回転軸53との間の 距離、第1の回転軸53と第2の回転軸54との間の 距離、第2の回転軸54と第3の回転軸64との間の 距離のそれぞれを比較的短くすることができ る。従って、回転軸間の動力伝達を行うため のチェーン等を別途設ける必要がない。さら に、チェーンを設ける場合のように、チェー ンテンショナやチェーンガイドなどのさらな る別途の部品も必要ない。このため、変速装 置31の構成をシンプルにすることができる。 た、変速ギア対を構成するギアを比較的小 くすることができる。このため、変速装置3 1の軽量化及びコンパクト化を図ることがで る。

 また、エンジンユニット20の全体の前後 さを短くする観点からは、前後方向に関し 、比較的出力軸33に近い第3の回転軸64を、比 較的出力軸33から離れている第2の回転軸54よ も前方に配置することが好ましい。

 本実施形態では、第1の回転軸53の軸線C2 平面Pに対して上側に位置しているのに対し 、第3の回転軸64の軸線C4が平面Pに対して下 に位置している。このため、比較的高速で 転する第1の回転軸53はオイル溜まり99から 較的遠い位置に配置されている一方、比較 低速で回転する第3の回転軸64はオイル溜ま 99に比較的近い位置に配置されている。この ように比較的高速で回転する第1の回転軸53を オイル溜まり99から遠い位置に配置すること 、第1の回転軸53の回転に伴うオイル溜まり9 9内のオイルの攪拌や波立ち等を抑制するこ ができる。また、本実施形態のように、第1 回転軸53又は第3の回転軸64がオイル溜まり99 に浸かっている場合は、比較的低速で回転す る第3の回転軸64をオイル溜まり内に配置する ことで、オイル溜まり99内のオイルの攪拌を 制すると共に、回転軸の回転抵抗の増加を 減させることができる。

 それに対して、第1の回転軸53をオイル溜 り99に漬け、第3の回転軸64をオイル溜まり99 よりも高い位置に配置した場合は、入力軸52 出力軸33との間の距離を比較的短くできる のの、比較的高速化移転している第1の回転 53によってオイル溜まり99のオイルが激しく 攪拌され、且つ第1の回転軸53に対して比較的 大きな回転抵抗が発生する。その結果、変速 装置31における動力伝達効率が低下すること なる。

 つまり、第1の回転軸53の軸線C2を平面Pに して上側に位置させる一方、第3の回転軸64 軸線C4を平面Pに対して下側に位置させるこ で、入力軸52と第2の回転軸54との間の距離 比較的短くできる。また、オイル溜まり99の 近傍に配置される回転軸は、回転数がなるべ く小さい方が好ましい。オイルの攪拌抵抗等 が小さくなるからである。ここで、第3の回 軸64は、第1の回転軸53よりも減速された後の 部分である。そのため、上述の通り、第3の 転軸64の軸線C4を平面Pに対して下側に位置さ せることで、オイル溜まり99のオイルの攪拌 回転軸(すなわち、第3の回転軸64)の回転抵 の増加を抑制することができる。

 本実施形態において説明したような、4つ の回転軸を設け、所謂ギアトレイン式を採用 する技術は2速以上の変速装置に効果的であ 。さらには3速以上の変速装置、特には4速以 上の変速装置に効果的である。3速や4速以上 変速装置では、必要となる変速ギア対やク ッチが特に多くなるため、エンジンユニッ 20の全体の距離が比較的長くなりやすい傾 にあるからである。

 本実施形態では、側面視において、第1の 回転軸53、第2のギア63、または第3のギア87の なくとも一部と、バランサ115Aの少なくとも 一部とは、重なるように配置されている。こ れにより、変速装置31のスリム化を促進させ ことができる。

 《変形例1》
 上記実施形態では、第1のクラッチ55のアウ 57と、第3のクラッチ59のアウタ61とが同一の 部材により構成されている例について説明し た。但し、本発明は、この構成に限定されな い。例えば、図13に示すように、第1のクラッ チ55のアウタ57と、第3のクラッチ59のアウタ61 とを別個に設けてもよい。

 《変形例2》
 上記実施形態では、第6のギア78に対して一 向回転伝達機構93が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図14に示すように、一 方向回転伝達機構93を第5のギア74に対して配 してもよい。

 《変形例3》
 上記実施形態では、第2のギア63に対して一 向回転伝達機構96が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図15に示すように、一 方向回転伝達機構96を第1のギア58に対して配 してもよい。

 《変形例4》
 上記実施形態では、第1のクラッチ55と第3の クラッチ59とが第1の変速ギア対86と第3の変速 ギア対83との間に配置されている例について 明した。但し、本発明はこれに限定されな 。例えば、図16に示すように、第1のクラッ 55を第1の変速ギア対86に対して左側に配置 ると共に、第3のクラッチ59も第3の変速ギア 83に対して左側に配置してもよい。

 同様に、上記実施形態では、第2のクラッ チ70と第4のクラッチ66とが第2の変速ギア対91 第4の変速ギア対90との間に配置されている について説明した。但し、本発明はこれに 定されない。例えば、図16に示すように、 2のクラッチ70を第2の変速ギア対91に対して 側に配置すると共に、第4のクラッチ66も第4 変速ギア対90に対して左側に配置してもよ 。

 図16に示す場合であっても、入力軸52、第 1の回転軸53、第2の回転軸54、第3の回転軸64及 び出力軸33が前後方向に配列されているため 比較的幅の狭い変速装置31を実現すること できる。

 《変形例5》
 上記実施形態では、本発明を実施した好ま い形態の例について、4速の変速装置31を例 挙げて説明した。但し、本発明はこれに限 されない。例えば、変速装置31は5速以上で ってもよい。その場合、第3の回転軸64と出 軸33との間にさらなる回転軸を2軸設け、そ 2軸に、さらなるクラッチと、さらなる変速 ギア対を設けることが考えられる。

 また、例えば、変速装置31は、図17に示す ように、3速の変速装置であってもよい。具 的に、3速の変速装置を構成する場合、図17 示すように、図6に構成を表す変速装置31の 4のクラッチ66と第2の変速ギア対91とを設け い構成とすることが考えられる。

 《変形例6》
 また、例えば、変速装置31は、図18に示すよ うに、2速の変速装置であってもよい。具体 に、2速の変速装置を構成する場合、図18に すように、図6に構成を表す変速装置31の第3 クラッチ59、第4の変速ギア対90、一方向回 伝達機構96、第4のクラッチ66、及び第2の変 ギア対91を設けない構成とすることが考えら れる。

 《その他の変形例》
 上記実施形態ではエンジン30が単気筒エン ンである例について説明した。但し、本発 において、エンジン30は、単気筒エンジンに 限定されない。エンジン30は、例えば、2気筒 エンジンなどの多気筒のエンジンであっても よい。

 上記実施形態では、出力軸33と第3の回転 64とがそれぞれ別個に設けられている例に いて説明した。但し、本発明はこの構成に 定されない。出力軸33と第3の回転軸64とは共 通であってもよい。言い換えれば、第3の回 軸64に対して後輪18が取り付けられていても い。

 上記実施形態では、第1のクラッチ55と、 3のクラッチ59とは、それぞれドラム式の遠 クラッチにより構成されている。但し、本 明は、この構成に限定されない。第1のクラ ッチ55と、第3のクラッチ59とは、遠心クラッ 以外のクラッチであってもよい。例えば、 1のクラッチ55と、第3のクラッチ59とは、油 式のクラッチであってもよい。

 上記実施形態では、第1のクラッチ55と、 3のクラッチ59とは、それぞれディスク式の 圧式クラッチにより構成されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。第4のクラッチ66と第2のクラッ チ70とは、油圧式のクラッチ以外のクラッチ あってもよい。例えば、第4のクラッチ66と 2のクラッチ70とは、遠心クラッチであって よい。但し、第4のクラッチ66と第2のクラッ チ70とは、油圧式のクラッチであることが好 しい。

 このように、第1のクラッチ55、第3のクラ ッチ59、第4のクラッチ66及び第2のクラッチ70 それぞれは、ドラム式又はディスク式の遠 クラッチであってもよいし、ドラム式又は ィスク式の油圧式クラッチであってもよい 第1のクラッチ55、第3のクラッチ59、第4のク ラッチ66及び第2のクラッチ70のすべてが遠心 ラッチであってもよい。第1のクラッチ55、 3のクラッチ59、第4のクラッチ66及び第2のク ラッチ70のすべてが油圧式クラッチであって よい。また、第1のクラッチ55、第3のクラッ チ59、第4のクラッチ66及び第2のクラッチ70の ち、比較的ギア比の大きい1又は複数のクラ ッチを遠心クラッチとし、それ以外の比較的 ギア比の小さいクラッチを油圧式クラッチと してもよい。具体的には、第1のクラッチ55の みを遠心クラッチとし、それ以外のクラッチ 59、66、70を油圧式クラッチとしてもよい。逆 に、第1のクラッチ55、第3のクラッチ59、第4 クラッチ66及び第2のクラッチ70のうち、比較 的ギア比の大きい1又は複数のクラッチを油 式クラッチとし、それ以外の比較的ギア比 小さいクラッチを遠心クラッチとしてもよ 。

 尚、上記実施形態及び各変形例では、ギ 対が直接噛合している例について説明した 但し、本発明は、これに限定されない。ギ 対は、別途設けられたギアを介して間接的 噛合していてもよい。

 上記実施形態では、図3に示すように、第 1の回転軸53は、第1の回転軸53の軸線C2が第3の 回転軸64の軸線C4よりも高い位置に位置する うに配置された例について説明した。但し 本発明は、この構成に限定されない。例え 、第1の回転軸53を、第1の回転軸53の軸線C2が 第3の回転軸64の軸線C4よりも低い位置に位置 るように配置してもよい。具体的には、第1 の回転軸53を、第1の回転軸53の軸線C2が平面P 下方に位置するように配置してもよい。第3 の回転軸64を、第3の回転軸64の軸線C4が平面P 上方に位置するように配置してもよい。

 《本明細書における用語等の定義》
 本明細書において、「モーターサイクル」 は、所謂狭義のモーターサイクルに限定さ ない。「モーターサイクル」は、所謂広義 モーターサイクルを意味する。具体的に、 明細書において「モーターサイクル」は、 両を傾斜させることによって方向転換を行 車両全般をいう。このため、「モーターサ クル」は、自動二輪車に限定されない。前 及び後輪のうちの少なくとも一方が複数の 輪により構成されていてもよい。具体的に 、「モーターサイクル」は、前輪及び後輪 うちの少なくとも一方が相互に隣接して配 された2つの車輪によって構成されている車 両であってもよい。「モーターサイクル」に は、狭義のモーターサイクル、スクータ型車 両、モペット型車両及びオフロード型車両が 少なくとも含まれる。

 本発明は、有段式自動変速装置、パワー ニット、及びモーターサイクルに有用であ 。