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Title:
SYNTHESIZER, SYNTHESIZER MODULE, AND RECEPTION DEVICE AND ELECTRONIC DEVICE USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063612
Kind Code:
A1
Abstract:
Phase noise deterioration in a synthesizer can be suppressed by providing an oscillator (5) for outputting an oscillation signal based on an output signal from a comparator (4), a frequency divider (6) for dividing an output signal from the oscillator (5) based on control from a controller (7), and a temperature sensor (8) for detecting a difference between a preset frequency and a frequency based on a reference oscillation signal, the comparator (4) comparing an output signal from the frequency divider (6) with an output signal from a MEMS oscillator (2) and outputting to the oscillator (5) a signal indicating the comparison result, and the controller (7) varying the frequency dividing ratio of the frequency divider (6) based on an output signal from the temperature sensor (8) and varying the frequency dividing ratio while holding the frequency dividing ratio at a past value.

Inventors:
NAMBA AKIHIKO
FUJII TAKESHI
TSUKIO YASUNOBU
Application Number:
PCT/JP2008/003256
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
NAMBA AKIHIKO
FUJII TAKESHI
TSUKIO YASUNOBU
International Classes:
H03L7/183; H03L1/02; H03L7/197
Domestic Patent References:
WO2004084403A12004-09-30
Foreign References:
JP2003069426A2003-03-07
JPH1028051A1998-01-27
JP2007175577A2007-07-12
JP2000312149A2000-11-07
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
基準発振器から出力された基準発振信号が入力される比較器と、
前記比較器の出力信号に基づいて発振信号を出力する発振器と、
前記発振器の出力信号を制御部からの制御に基づいて分周する分周器と、
予め設定した周波数と前記基準発振信号に基づく周波数との誤差を検出する周波数誤差検出部とを備え、
前記比較器は、前記分周器からの出力信号と前記基準発振器からの出力信号とを比較して比較結果を示す信号を前記発振器に出力し、
前記制御部は、前記周波数誤差検出部の出力信号に基づいて前記分周器の分周比を変化させると共に、前記分周比を過去の値に保持した状態で前記分周比を変化させるシンセサイザ。
前記分周器の前記分周比を変化させる分周数は、整数部分と分数部分とからなり、前記制御部は、前記分周数の前記分数部分を過去の値に保持した状態で前記分周比を変化させる請求項1に記載のシンセサイザ。
前記制御部は、前記分周器の前記分周数切り替え直前の周波数と、前記分周器の前記分周数切り替え後の周波数との差が、ロックレンジ以内となるように前記分数分周数を変更する請求項2に記載のシンセサイザ。
前記分周器の前記分周比を変化させる分周数は、整数部分と分数部分とからなり、前記周波数誤差検出部の出力に基づいて前記制御部により前記分周器の分周比を変化させる際に、前記制御部より前記分周器の前記分周数の前記整数部分へ入力される整数分周数が変更されず、前記分数部分へ入力される分数分周数のみ変化させる場合には、前記分数部分を過去の値に保持した状態で前記分数分周数を前記分数部分へ入力し、前記整数部分へ入力される前記整数分周数が過去の値より大きい値へ変更され、前記分数部分へ入力される前記分数分周数も任意に変更される場合には、前記分数部分を最小値に戻した後、前記制御部からの前記分数分周数を前記分数部分へ入力する請求項1に記載のシンセサイザ。
前記分周器の前記分周比を変化させる分周数は、整数部分と分数部分とからなり、前記周波数誤差検出部の出力に基づいて前記制御部により前記分周器の分周比を変更する際に、前記制御部より前記分周器の前記分周数の前記整数部分へ入力される整数分周数が変更されず、前記分数部分へ入力される分数分周数のみ変更される場合には、前記分数部分を過去の値に保持した状態で前記分数分周数を分数部分へ入力し、前記整数部分へ入力される前記整数分周数が過去の値より小さい値へ変更され、前記分数部分へ入力される前記分数分周数も任意に変更される場合には、前記分数部分を最大値に戻した後、前記制御部からの前記分数分周数を前記分数部分へ入力する請求項1に記載のシンセサイザ。
前記基準発信器が、微細電気機械システム素子からなる請求項1に記載のシンセサイザ。
前記周波数誤差検出部は、温度を検出する温度センサの出力信号に基づいて、予め設定した周波数と前記基準発振信号に基づく周波数との誤差を検出する請求項1に記載のシンセサイザ。
請求項1に記載のシンセサイザと、微細電気機械システム素子からなる振動子により構成された基準発振器とを有し、前記基準発振器の出力信号が前記比較器に入力されるシンセサイザモジュール。
前記シンセサイザと前記微細電気機械システム素子からなる振動子とが同一の半導体基板上に形成された請求項8に記載のシンセサイザモジュール。
請求項1に記載のシンセサイザと、前記シンセサイザからの前記発振信号に基づいて受信信号の周波数を変換する混合器とを備えた受信装置。
前記シンセサイザからの出力信号に基づいて、基準発振器から出力された基準発振信号の周波数変動を検出する請求項10に記載の受信装置。
前記受信信号の周波数を切り替える場合は、前記制御部は、予め設定された値に戻して前記分周器の分周比を変化させる請求項10に記載の受信装置。
前記分周器の前記分周比を変化させる分周数は、整数部分と分数部分とからなり、前記受信信号の周波数を切り替える場合は、前記整数部分を変化させ、前記周波数誤差検出部の出力信号に基づいて前記分周器の分周比を変化させる場合は、前記分数部分を変化させる請求項10に記載の受信装置。
前記制御部が所定のデータを受信していないと判断した期間は、予め設定された値に戻して前記分周比を変化させ、前記制御部が所望のデータを受信していると判断した期間は、前記予め設定された値に戻すことなく過去の値に保持した状態で前記分周比を変化させる請求項10に記載の受信装置。
前記制御部が所定なデータを受信していないと判断した期間は、ガードインターバル期間である請求項14に記載の受信装置。
請求項1に記載のシンセサイザを備え、複数の周波数チャネルを利用して信号を送受信する無線装置から構成される電子機器。
請求項1に記載のシンセサイザと、前記シンセサイザからの前記発振信号に基づいて受信信号の周波数を変換する混合器と、前記混合器の出力側に接続された信号処理部と、前記信号処理部の出力側に接続された表示部とを備えた電子機器。
Description:
シンセサイザ、シンセサイザモ ュール、およびこれを用いた受信装置、電 機器

 本発明は、シンセサイザ、シンセサイザ ジュール、およびこれを用いた受信器、電 機器に関するものである。

 以下、例えば、特許文献1に開示されてい る、基準発振器の温度補償を行う従来のシン セサイザについて、図14を用いて説明する。

 図14は、従来の基準発振器の温度補償を うシンセサイザのブロック図である。図14に おいて、従来のシンセサイザ100は、基準周波 数発振器101から出力された基準発振信号が第 1の分周器102で分周された後、比較器103へ入 される。更に、比較器103の出力信号はロー スフィルタ104で積分され、直流近傍の周波 を持つ信号に変換される。この信号電圧値 基づいて、電圧制御発振器105は発振信号を ーカル信号として出力する。さらに、電圧 御発振器105は発振信号を第2の分周器106へ入 する。第2の分周器106では、チャンネル指定 に従って制御回路107から指定される分周数で 、発振信号を分周し、比較器103へ出力する。 比較器103では、第2の分周器106からの入力信 と第1の分周器102からの入力信号とを比較す 。

 以上が、基本的なシンセサイザの動作で る。図14で示したシンセサイザ100では、更 、温度センサ108が検知する温度により第2の 周器106の分周数を制御している。動作を簡 に説明する。温度センサ108で、周囲温度を 出し、その温度をA/D(アナログ/デジタル)変 器109でデジタル信号に変換する。予め温度 よる補正値が記憶されたEEPROM(電気的に内容 を書き換え可能な読み出し専用記憶素子)な のメモリ110から、A/D変換器109の出力に応じ 所定の補正値を読み出して制御回路107へ出 する。制御回路107はメモリ110から出力され 補正値に応じて、第2の分周器106の分周数を 更する。

 第2の分周器106はアキュムレータを備えて おり、アキュムレータに分周数を入力するこ とにより分周数を変更する。図15は第2の分周 器106内の従来のアキュムレータを示す構成図 である。図15を用いて、従来の分周数の変更 方法を、バイナリーで19ビットのアキュム ータを例に説明する。

 図15において、従来のアキュムレータ111 、制御回路107(図14)より入力される分数分周 Nのデータを一時的に保持し、クロック信号 の立ち上がりでQ端子より分数分周数Nのデー を足し算器112へ送信する第1フリップフロッ プ113を備えている。さらに、アキュムレータ 111は、第1足し算器112より入力される累積加 値データを一時的に保持し、クロック信号 立ち上がりでQ端子より第1足し算器112へ累積 加算値データを送信する第2フリップフロッ 114を備えている。第1足し算器112において、 1フリップフロップ113と第2フリップフロッ 114からの入力データの足し算の結果、オー ーフローした場合、オーバーフローデータ ある値「1」を、第2の分周器106(図14)を構成 る第2足し算器(図示せず)へ送信する。すな ち、図15のアキュムレータ111がオーバーフロ ーデータを出力する時だけ、可変分周器15(図 14)の分周比はM+1となり、それ以外のときの分 周比はMとなる。

 このような構成からなる従来の一般的なシ セサイザにおいては、分周比を変化のさせ 際には、一旦、第2の分周器106をリセットし 、その後、所望の分周比を選択している。す なわち、図15に示すように、第2フリップフロ ップ114のD端子にリセット部115を接続し、分 比を変化させる際に、最初に、リセット部11 5のR端子にリセット信号を入力する。これに り、アキュムレータ111に蓄積されているデ タを予め設定されているデータに戻してい 。これは、アキュムレータ111に過去のデー が蓄積されているため、これらをリセット なければ所望の分周比への切り替えが遅延 てしまうためである。例えば、分数分周数 2 19 、アキュムレータの動作周波数を5MHzとする 、リセットせずに(過去の累積加算値を保持 た状態で)分周比を変更した場合、最大で0.1 秒の切り替え遅延が生じてしまう。このため 、アキュムレータ111の初期値を予め設定した 値にリセットする必要が生じる。

 図16は、第2分周器106(図14)の動作を示すタ イミングチャートである。簡単に説明をする ため、図16のタイミングチャートはバイナリ で3ビットのアキュムレータを用いた場合を 示す。分数分周数N=3とした場合、クロック信 号aの3回目の立ち上がりの時、累積加算値bが 「9」となり、バイナリー3ビットの最大値で る「8」を超えて桁上がりを起こしてしまう 。これによりオーバーフローデータcとして 1」が送信され、分周比dが「M+1」となる。こ れと共に、桁上がり後の残りデータである「 1」が第1フリップフロップ113(図15)へ入力され る。ここで、制御回路107より入力される分数 分周数Nが「3」から他の値に変更される場合 図15の従来のアキュムレータ111においては リセット部115へリセット信号が入力され、 2フリップフロップ114へ入力される累積加算 が0に戻され、リセットされる。

 一般に従来のシンセサイザは携帯電話のチ ンネル切り替えに使用される場合が多い。 かしながら、例えば、従来のシンセサイザ1 00をデジタルテレビの受信機などに用いた場 、温度変化に対応した第2の分周器106の制御 を行うタイミングで、毎回、第2の分周器106 リセットされてしまう。この瞬間、大きく 振器105の発振周波数(シンセサイザの出力周 数)が大きく変動してしまい、発振周波数の 電力と、その近傍のノイズの比である位相雑 音が大きくなってしまう。通常、この発振周 波数はローカル信号などに用いるため、ロー カル信号の位相雑音性能の悪化は、受信信号 のC/N(Carrier/Noise)特性の大幅な劣化を引き起こ すことになる。ここで、C/Nとは受信信号と、 雑音の比で、このC/Nが小さくなると、復調側 でのBER(Bit Error Rate)の増加を引き起こし、受 信状態を悪化させてしまうことになる。例え ば、テレビでは、このC/Nが悪化している期間 、受信状態が悪くなったり、受信自体が出来 ない状態となる。

特開平3-209917号公報

 本発明は、分周器の分周比切り替え時に 相雑音の劣化の少ないシンセサイザを提供 るものである。

 本発明のシンセサイザは、基準発振器か 出力された基準発振信号が入力される比較 と、比較器の出力信号に基づいて発振信号 出力する発振器と、発振器の出力信号を制 部からの制御に基づいて分周する分周器と 備えている。さらに、予め設定した周波数 基準発振信号に基づく周波数との誤差を検 する周波数誤差検出部とを備えている。さ に、比較器は、分周器からの出力信号と基 発振器からの出力信号とを比較して比較結 を示す信号を発振器に出力する。さらに、 御部は、周波数誤差検出部の出力信号に基 いて分周器の分周比を変化させると共に、 周比を過去の値に保持した状態で分周比を 化させるものである。

 このような構成により、本発明のシンセ イザは、温度変化に対応して分周器の分周 を変更する際、分周器をリセットすること く(過去の累積加算値を保持した状態で)分 比を変更する。したがって、分周比変更時 シンセサイザの出力周波数変化を小さく抑 る事ができ、位相雑音の劣化を防止し、受 性能の指標となるC/N特性の劣化を防止する とが可能となる。

図1は、本発明の電子機器の一実施の形 態を示す構成図である。 図2は、同実施の形態におけるアキュム レータを示す構成図である。 図3は、同実施の形態における分周器の 動作を示すタイミングチャートである。 図4Aは、同実施の形態における分周器 他の動作を示すタイミングチャートである 図4Bは、同実施の形態における分周器 他の動作を示すタイミングチャートである 図4Cは、同実施の形態における分周器 他の動作を示すタイミングチャートである 図5は、同実施の形態における他のアキ ュムレータを示す構成図である。 図6は、同実施の形態における他のアキ ュムレータを用いた分周器の動作を示すタイ ミングチャートである。 図7Aは、同実施の形態の分周比変化時 発振周波数変化を示す図である。 図7Bは、従来のシンセサイザの分周比 化時の発振周波数変化を示す図である。 図7Cは、図7Bの要部の拡大を示す図で る。 図8Aは、本発明の一実施の形態におけ 比較器4のブロック図である。 図8Bは、同比較器4の内部回路図である 。 図8Cは、同比較器4の出力状態を示す状 態遷移図である。 図8Dは、同比較器4の波形の立ち上がり の説明図である。 図9Aは、同実施の形態における分数分 数の切り替え直前の周波数スペクトラムの 態を示す図である。 図9Bは、同実施の形態における所定の ャリアのスペクトラムを模式的に示す図で る。 図9Cは、同実施の形態における他の所 のキャリアのスペクトラムを模式的に示す である。 図10Aは、水晶発振器を用いた場合の 実施の形態のシンセサイザのC/N特性と従来 シンセサイザのC/N特性の比較を示す図であ 。 図10Bは、MEMS発振器を用いた場合の同 施の形態のシンセサイザのC/N特性と従来の ンセサイザのC/N特性の比較を示す図である 図11は、本発明の一実施の形態である ンセサイザモジュールの概念図である。 図12は、本発明の一実施の形態である ンセサイザモジュールの他の概念図である 図13は、本発明の一実施の形態である ンセサイザモジュールの更に他の概念図で る。 図14は、従来のシンセサイザを示す構 図である。 図15は、従来のシンセサイザのアキュ レータを示す構成図である。 図16は、従来のシンセサイザの分周器 動作を示すタイミングチャートである。

符号の説明

 1  シンセサイザ
 2  MEMS発振器
 3  第1の分周器
 4  比較器
 5  発振器
 6  第2の分周器
 7  制御部
 8  温度センサ
 9  アキュムレータ
 11  第1フリップフロップ
 12  第2フリップフロップ
 13  第1足し算器
 14  第2足し算器
 15  可変分周器
 17  ループフィルタ
 18  チャージポンプ
 20  ベース基板
 21  MEMS振動子
 22  テレビ受信用モジュール
 23  アンテナ
 24  第1フィルタ
 25  LNA
 26  第2フィルタ
 27  バラン
 28  リセット制御部
 29  混合器
 30  受信装置
 31  受信機器
 32  信号処理部
 33  表示部
 34  チップ部品

 (実施の形態1)
 以下、実施の形態1のシンセサイザについて 図面を用いて説明する。図1は本発明の一実 の形態であるシンセサイザを用いた電子機 の構成図である。

 図1において、受信装置30は、シンセサイ 1と、基準発振信号を出力するMEMS(微細電気 械システム、Micro Electro Mechanical Systems)素 としての発振器(以下、MEMS発振器と記す)2と を備えている。MEMS発振器2の基準発振周波数f REF1は10MHzである。さらに、受信装置30は、MEMS 発振器2の出力を1/2分周する第1の分周器3と、 シンセサイザ1から出力される発振信号に基 いて受信RF(Radio Frequency)信号の周波数を変換 する混合器29とを備えている。電子機器31は 受信装置30の混合器29の出力側に接続された 号処理部32と、信号処理部32の出力側に接続 された表示部33とを備えている。

 シンセサイザ1は、第1の分周器3と接続さ た比較器4と、比較器4にチャージポンプ18お よびループフィルタ17を介して接続される電 制御発振器(以下、発振器と記す)5とを備え いる。さらに、シンセサイザ1は、受信機チ ャンネル切替要求信号に基づいて分周数を制 御する制御部7と、制御部7から出力される分 数によって、発振器5が出力する発振信号の 周波数(fVCO)を分周する第2の分周器6とを備え いる。さらに、シンセサイザ1は、周囲の温 度を検出し、検出した温度に対応する信号を 制御部7に出力する温度センサ8を備えている ここで、発振器5から予め設定した所定の周 波数の発振信号を得ようとしても、周囲の温 度変動により、MEMS発振器2の出力の基準発振 号に基づく周波数との間で周波数語差を生 る。温度センサ8は、この誤差を検出する機 能を有する。すなわち、温度センサ8は、予 設定した周波数と基準発振信号に基づく周 数との誤差を検出する周波数誤差検出部の 能を備えている。

 第2の分周器6は、制御部7から出力される 数分周数Nが入力されオーバーフロー値を出 力するアキュムレータ9と、アキュムレータ9 出力と制御部7から出力される整数分周数M 加算する第2加算器14とを備えている。さら 、第2の分周器6は、第2加算器14の出力に基づ いて発振器5から出力される信号の周波数を 周する可変分周器15を備えている。

 以上の構成からなる本実施の形態の受信 置の動作を以下に説明する。MEMS発振器2か 出力された基準発振信号は第1の分周器3で1/2 分周された後、シンセサイザ1の比較器4へ入 される。比較器4の出力はチャージポンプ18 より電流成分に変換される。更に、チャー ポンプ18の出力はループフィルタ17で受けて 、直流近傍の成分のみ取り出して発振器5へ 給される。ループフィルタ17は、コンデンサ による比較器4からの電流(電荷)の充電部分と 、低周波を通過させる低域通過フィルタで構 成されている。なお、本実施の形態では、比 較器4の出力は、チャージポンプ18、ループフ ィルタ17を介して発振器5に出力された。しか し、比較器4の出力は、発振素子5との間に他 回路を介することなく、直接、発振器5と接 続してもよい。比較器4の出力信号に基づい 、発振器5が発振信号を出力し、第2の分周器 6へ入力される構成であればよい。

 第2の分周器6は、制御部7からの制御信号 基づいて発振器5の発振信号を分周し、比較 器4へ出力する。比較器4では、第2の分周器6 らの入力信号と上記した第1の分周器3からの 入力信号とを比較して、比較結果を示す信号 を発振器5に出力する。以上の繰り返しによ 、シンセサイザ1は動作する。

 ところで、制御部7は、温度を検出する温 度センサ8の出力信号に基づいて第2の分周器6 へ適切な整数分周数Mと分数分周数Nの制御信 を送り、第2の分周器6の分周比を変化させ 。つまり、第2の分周器6に入力された分周数 は、分周数Mが入力される整数部分と、分周 Nが入力される分数部分により構成される。 周比の変更の際、制御部7は、第2の分周器6 リセットすることなく、所望の分周比へ変 をさせる。すなわち、予め定めた値に戻す となく、第2の分周器6を過去の値に保持し 状態で所望の分周比へ変化をさせる。これ より、第2の分周器6の分周比を切り替える時 に、位相雑音特性が劣化し難いシンセサイザ を実現することができる。また、同時に、受 信器としてのC/N性能も確保することができ、 受信特性の劣化のない受信機が実現できる。 なお、ここで説明した発振器5は、直流電圧 より、周波数がスイープするVCO(Voltage Control  Oscillator)である。

 なお、本実施の形態のシンセサイザモジ ールは、シンセサイザ1と、MEMS素子からな 振動子により構成されたMEMS発振器2とを有し ており、MEMS発振器2の出力信号が第1の分周器 3を介して比較器4に入力される。

 次に、図1の第2の分周器6を構成するアキ ムレータ9について説明する。図2は、本実 の形態のアキュムレータ9を示す構成図であ 。一例として、バイナリーで19ビットのア ュムレータを図示した。図2において、アキ ムレータ9は、制御部7(図1)より入力される 数分周数Nのデータを一時的に保持し、クロ ク信号(fREF:5MHz)の立ち上がりでQ端子より分 分周数Nのデータを足し算器13へ送信する第1 フリップフロップ11を備えている。さらに、 キュムレータ9は、第1足し算器13より入力さ れる累積加算値データを一時的に保持し、ク ロック(fREF:5MHz)の立ち上がりでQ端子より第1 し算器13へ累積加算値データを送信する第2 リップフロップ12を備えている。第1足し算 13において、第1フリップフロップ11と第2フ ップフロップ12からの入力データの足し算結 果が、バイナリー19ビットで表現できる値以 となった場合、オーバーフローデータであ 値「1」を第2足し算器14(図1)へ送信する。な お、図2では、1ビットのフリップフロップ11 12を示しているが、実際は19ビット分必要で 19組のフリップフロップ11、12が必要となる また、足し算器13も19ビット分の足し算器と なっている。

 図1において、第2足し算器14でオーバーフ ローデータ値「1」と整数分周数Mとが足し算 れ、足し算結果「M+1」の値が可変分周器15 入力される。すなわち、図2のアキュムレー 9がオーバーフローデータを出力する時だけ 、可変分周器15の分周比はM+1となり、それ以 のときの分周比はMとなる。

 したがって、第2の分周器6の分周比は、( 1)で表される。

 また、この時の、発振器5の発振周波数は (数2)で表される。

 なお、(数1)で表される分周比における第1 項目は整数分周比を示し、第2項目は分数分 比を示している。

 また、本実施の形態では、模式的にオー ーフローデータと整数分周数Mを第2足し算 14で加算し、その結果が可変分周器15へ入力 れる構成とした。しかし、必ずしも第2足し 算器14は必要でなく、オーバーフローデータ 整数分周数Mの各々が個別に入力されて、M たはM+1の異なる分周動作を行える可変分周 を備えた場合でも同等の動作を実現できる

 上記のように、本実施の形態においては アキュムレータ9は、制御部7より入力され 分数分周数Nが他の値に変更される場合に、 来のようにリセット信号が入力されて第2フ リップフロップ12に入力される累積加算値が 0」に戻されることはない。このことを第2 分周器の動作を示すタイミングチャートを いて説明する。

 まず、図1に示すシンセサイザ1がチャン ル切替要求信号を受けてチャンネル変更を う場合に制御部7が第2の分周器6を制御する 作について説明する。

 図3は、本実施の形態の第2の分周器6の動作 示すタイミングチャートである。図3は、バ イナリーで19ビットのアキュムレータを用い 場合を示している。図3において、クロック 信号(fREF2)aの立ち上がりのときに、アキュム ータ9の累積加算値bは順位加算されていく チャンネル切替要求信号がT=t0で入力される とにより、分数分周数切替信号eが時刻T=t0 「H」となる。アキュムレータ9の累積加算値 bが2 19-1 となる時刻T=t0までの時間は、分数分周数N=1 入力され、それ以降は分数分周数N=2 19-1 が入力されるとする。この場合、従来のアキ ュムレータのように累積加算値が0にリセッ されていないため(予め設定された値に戻す となく、過去の累積加算値を保持した状態 ため)、時刻T=t0の時点のアキュムレータ9の 積加算値2 19-1 に新たな分数分周数である2 19-1 が足し合わされることになる。したがって、 この時点でオーバーフローデータcが「1」を 力し、分周比dはこの時点でMからM+1となる

 次に、図1の温度センサ8の出力信号に基 いて制御部7が第2の分周器6を制御する動作 ついて説明する。シンセサイザの分周比を 更する要因の1つである基準発振器としてのM EMS発振器2の温度変化は、受信機のチャンネ 変更の場合と異なり、連続的である。また チャンネル変更時と比較すると、基準発振 の温度変化に伴う分周比の変更量は小さい のとなる。図4は、温度センサ8の出力信号に 基づく、本実施の形態の第2の分周器の動作 示すタイミングチャートである。

 温度は、アナログ量であり、チャンネル切 要求信号のようなそれほど大きな変化は無 。したがって、図1の制御部7は分数分周数N 変化させる信号を徐々に出力する。図4は、 温度センサ8の出力に基づいて分数分周数Nを かく変化させた場合のタイミングチャート 示している。簡易的に3ビットのアキュムレ ータ9を用いた一例を示している。分数分周 切替信号eの値Nを「1」から「8」へ1つずつ細 かく増加させていった場合、分周比dの値(M,M+ 1)の発生頻度は、アキュムレータ出力のオー ーフローデータcが示すように変化する。こ れにともなって、分周比dはMからM+1へと緩や に移行していく。また、同様にして、分周 dの移行に伴って、局部発振器の出力周波数 も変化していく。なお、図3では、整数分周 Mは変えずに分数分周数Nを「1」から「2 19-1 」へ大幅に切り替えて発振器5から出力する 振周波数が大きく変化する例を示したが、 数分周数Mが変わるようなチャンネル変更の 合も同様である。

 ここで、チャンネル変更時による分周比 変更と温度補償時による分周比の変更を具 的に説明する。まず、温度補償による分周 の変更について説明する。この具体例では 温度に対する周波数変動が、水晶振動子に べて大きいシリコン振動子、例えば、1次の 周波数温度係数が30ppm/℃のシリコン振動子を 用いた。さらに、シリコン振動子と、これを 駆動するドライバ回路で構成される基準発振 器、いわゆる、MEMS発振器2を用いた場合に関 て説明する。また、ワンセグ放送において 使用するチャンネルは13チャンネル(中心周 数:473.143MHz)で、基準発振周波数は10MHzで、 る瞬間に温度が-3.3℃変動した場合を仮定す 。

 図1の1/2分周を行う第1の分周器3から出力さ るクロック信号aの比較周波数(fREF2)は、温 変動前は、5MHz(10MHz/2)となる。また、発振器5 から出力される周波数は、473.143MHzに中間周 数0.5MHzを加えた、473.643MHzとする。したがっ 、第2の分周器6のトータルの分周数Kは473.643 MHz/5MHz=94.7286となる。つまり、整数分周数M=94 分数分周比=0.7286であり、上記した分数分周 比の分子部分である分数分周数N=381996(これは 、N/2 19 =0.7286により導出)となる。但し、端数は切り てている。

 次に、-3.3℃の温度変動が起こった場合に 関して説明する。この場合、基準周波数とし ては、30ppm/℃×3.3℃=100ppmで、1KHzの変動幅と る。つまり、基準発振周波数は、10MHzから、 10.001MHzへ変動することになる。また、比較周 波数FREF2=10.001/2=5.0005MHzとなる。したがって、 中間周波数を温度変動前の473.643MHzに保持し うとすると、第2の分周器6のトータルの分周 数Kは473.643MHz/5.0005MHz=94.719128とする必要があ 。

 つまり、整数分周数M=94は温度変動前と同一 値で、分数分周比=0.719128に変更する必要があ る。すなわち、分数分周数N=377030(N/2 19 =0.719128より導出)に変更する必要がある。但 、端数は切り捨てている。

 ここで、周波数変動分を補正するために変 する分数分周数Nの差分は、381996-377030=4966と なる。この値は、分数分周数Nの最大変化値2 19-1 と比較すると、1%弱の値にしかならない。

 次に、チャンネル変更時の分周比の変更に いて説明する。使用するチャンネルが15チ ンネルに変更になった場合、その中心周波 は485.143MHzとする。基準発振周波数は温度変 がない上記条件であれば、発振器5から出力 される周波数は、中間周波数0.5MHzを加えた485 .643MHzとなる。したがって、第2の分周器6のト ータルの分周数Kは485.643MHz/5MHz=97.1286となる。 つまり、整数分周数Mは97で、分数分周比は0.1 286で、上記した分数分周比の分子部分である 分数分周数Nは67423(N/2 19 =0.1286により導出)となる。

 分数分周数Nの13チャンネルとの差分は、3819 96-67423=314573となる。この値は、分数分周数N 最大変化値2 19-1 と比較すると、約60%である。また、整数分周 数Mの13チャンネルとの差分は、97-95=2となる 以上のように、温度補償時とチャンネル変 時と比較すると、局部発振器の温度変動に う温度補償時の分周比の変更量は小さい。

 したがって、分周分周数Nの変化量を細か くした発振器5の温度補償においては、アキ ムレータ9の累積加算値を0へリセットするこ となく(過去の累積加算値を保持した状態で) 連続的に分数分周数Nを制御すれば良い。こ れにより、分周比変更時におけるMEMS発振器2 出力周波数の変化を小さく抑えることがで る。つまり、チャンネル切り替えのような 幅な分周比の変更とは異なった制御動作と る。

 以上説明したように、本実施の形態では 温度センサ8の出力に基づいて、制御部7が 2の分周器6を制御する際に、制御部7より出 される整数分周数Mが過去の値に対して変更 れていない。すなわち、分数分周数Nのみ過 去の値に対して変更される場合には、アキュ ムレータ9の累積加算値を予め設定された値 戻すことなく分数分周数Nを加算している。 れによって、従来発生していた、アキュム ータ9のリセットに伴う位相雑音を抑えるこ とができる。したがって、温度変動の激しい 条件の下で使用されるシンセサイザには非常 に効果的である。

 なお、図1において、温度センサ8の出力 基づいて、制御部7が第2の分周器6を制御す 際に、制御部7より出力される整数分周数Mが 過去の値より大きい値へ変更された場合には 、アキュムレータ9の累積加算値を、一旦、 小値である「0」へリセットした後、変更後 分数分周数Nの足し算を行っても良い。これ により、分周比変更時のシンセサイザ1の位 雑音性能の劣化を低減できる。具体的には 基準発振器の温度変化により、分周比を「8. 999」から「9.001」に変更した場合、整数分周 Mは「8」から「9」へ変更され、分数分周比 「0.999」から「0.001」へ変更される。この場 合、分数分周比は「0.999」から「0.000」へと きく変化することとなる。しかし、本実施 形態のシンセサイザ1は、分周比変更時にア ュムレータ9に蓄積されている累積加算値を リセットしない(過去の累積加算値を保持し 状態を保つ)。そのため、分周比を変更した 間は、分周比が「9.999」に近い値となって まう。故に、整数分周数Mが過去の値に対し 大きい値に変更される場合は、アキュムレ タの累積加算値を一旦、最小値「0」にリセ ットすることで、分周比を一旦「9.000」にし やり、分周比の変化を滑らかにする事が出 、シンセサイザの位相雑音性能の劣化を抑 することができる。

 同様に、図1において、温度センサ8の出力 基づいて制御部7を介して第2の分周器6を制 する際に、制御部7より出力される整数分周 Mが過去の値より小さい値へ変更された場合 には、アキュムレータ9の累積加算値を、一 、最大値(例えば、バイナリーで19ビットの キュムレータの場合、最大値は2 19-1 )へリセットした後、変更後の分数分周数Nの し算を行っても良い。この場合も、上記と 様に、分周比の変化を滑らかにする事が出 、シンセサイザの位相雑音性能の劣化を抑 する事ができる。

 なお、本実施の形態のシンセサイザ1が用 いられた受信装置30において、受信チャンネ を変更する際は、制御部7は、整数分周数M 分数分周数Nの両方を変化させて第2の分周器 6を制御している。さらに、このとき、温度 ンサ8が検知した温度に基づき第2の分周器6 制御する際は、分数分周数Nのみを変化させ 第2の分周器6を制御しても良い。これによ 、温度センサ8が検知した温度に基づき第2の 分周器6を制御する際は、整数分周数Mを変更 る必要がなくなる。

 また、本実施の形態のシンセサイザ1が用い られた受信装置30が受信チャンネルを変更す 場合のみは、従来どおり、第2の分周器6を セットするようにしても良い。すなわち、 3からわかるように、アキュムレータ9をリセ ットしない場合(過去の累積加算値を保持し 場合)、リセットした場合と同様の累積加算 =0の状態が発生する時刻T=tx間での期間Te(2 19-1 クロック分)は、所望の分周比が実現できて ない期間となる。それ以外の期間Tcは分周比 が正しい期間となる。クロック周波数aの比 周波数fREF=5MHzとすると、所望の分周比が実 できるのは、分数分周数Nが変更されてから1 /5(MHz)×2 19-1 =約0.1秒後となる。日本のデジタルテレビ放 の場合、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex ing)の1シンボル時間は約1msであるため、100シ ボル分のデータが影響を受けることになる したがって、受信チャンネルを変更する場 のみアキュムレータ9をリセットしてもよい 。

 図5は、受信チャンネルを変更する場合の みアキュムレータ9をリセットするアキュム ータ9の構成図である。図2で示したアキュム レータ9とは異なり、リセット制御部28を備え ている。リセット制御部28は、チャンネル切 要求動作時のみリセットする。図5において 、チャンネル切替要求信号はチャンネル切替 要求動作時のみ「H」、リセット信号はリセ ト起動時のみ「H」となるように設定されて る。したがって、もしも分周比の変更に連 してリセット信号が起動されたとしても、 ャンネル切替要求動作時に限ってのみ第2フ リップフロップ12はリセットされて、累積加 値は0に戻る。また、チャンネル切替要求動 作でない温度補償動作時は、分周比を変更し ても第2フリップフロップ12はリセットされず 、累積加算を継続する。

 このように、分数分周数Nを変更する場合に 、リセット信号を入力し、累積加算値を0へ セットした場合の分周器の動作を図6に示す イミングチャートを用いて説明する。図6は 、図3同様に、バイナリーで19ビットのアキュ ムレータ9を用いた場合を示している。アキ ムレータ9の累積加算値bが2 19-1 となる時刻T=t1までの時間は、分数分周数N=1 入力され、時刻T=t1に分数分周数がN=2 19-1 へ変更されたとする。この場合、時刻T=t1~t2 間、チャンネル切替要求信号とリセット信 fが図5のリセット制御部28に入力され、累積 算値が0へリセットされる。故に、分数分周 数Nが変更された時刻T=t2以降においても、直 所望の分周比を実現できる事となる。なお 図6では整数分周数Mは変えず、分数分周数N けを1から2 19-1 へ大幅に切り替えて発振器5から出力する発 周波数が大きく変化する例を示したが、整 分周数Mが変わる場合も同様である。

 このように、第2の分周器6のリセットの 無を、分周比変更の要因により場合わけす 事により、チャンネル切替要求動作の高速 と温度補償動作における位相雑音の良化が 現でき、受信装置のトータル性能を向上さ る事が可能となる。

 以上説明してきたように、本実施の形態 シンセサイザ1は、図1の基準発振器であるME MS発振器2の温度変化に伴う発振周波数の変動 を、MEMS発振器2の温度を検知する温度センサ8 の出力信号を基に制御する際に、第2の分周 6をリセットしない(過去の累積加算値を保持 した状態のままにする)ものである。一般に シンセサイザの分周比を変更する要因の1つ ある基準発振器の温度変化は、受信機のチ ンネル変更の場合と異なり、連続的である また、チャンネル変更時と比較すると、基 発振器の温度変化に伴う分周比の変更量は さい。したがって、本実施の形態のように MEMS発振器2の温度変化に伴って分周比を変 する際には、第2の分周器6をリセットしない (過去の累積加算値を保持した状態のままに る)ことにより、位相雑音の発生を抑制する とができる。

 図7A、図7Bは、第2の分周器6の分周比を変 させた際、発振器5の発振周波数がどのよう に時間変化するかを示す図である。図7Aは、 実施の形態のシンセサイザ1の発振周波数の 時間変化を示している。図7Bは、従来のシン サイザの発振周波数の時間変化を示してい 。図7Cは、図7BのR部を拡大した図である。 8A~図8Dは、比較器4の説明図である。図8Aは比 較器4のブロック図である。図8Bは比較器4を 成する内部回路図である。図8Cは比較器4の 力状態を示す状態遷移図である。図8Dは、波 形の立ち上がりの説明図である。

 図7A、図7Bでは、時刻t1に第2の分周器6の 周比を変化させている。時刻t1以降、図7Bに いては大きな周波数変化gが観測されている 。これは、第2の分周器を一度リセットして る事に起因している。これに対し、図7Aにお いては、時刻t1以降、大きな周波数変化が観 されていない。これは、第2の分周器6のリ ットを行わなかった(過去の累積加算値を保 した状態のままにした)ことにより、分周比 が滑らかに変更されたためである。これによ り、本実施の形態のシンセサイザは、分周比 の変化時の位相雑音特性の大幅な劣化を防止 する事が可能となる。また、受信器として用 いた場合には、受信性能の指標であるC/Nの劣 化を防止することが可能となる。

 また、リセット動作が行われて、周波数 大きく変化すると、シンセサイザは、図7C 示すように、サイクルスリップ動作CSを行い ながら、目標周波数に近づくことになる。な お、図7Cは、ロック状態に入る直前の状態を している。ロック状態とは、図8Aでの入力1 および入力2の位相、周波数が一致するよう な状態である。この状態になった時、シンセ サイザは、ロックしたという。

 次に、図8A~Dを用いて比較器4の動作につ て、説明する。図8Aにおいて、比較器4は、 相周波数比較器とも呼ばれ、入力信号の周 数、位相を比較する機能を有する。図8A、図 8Bにおいて、Dフリップフロップ35には入力1( 1の分周器3の出力であるfREF2)が入力される。 Dフリップフロップ36には入力2(第2の分周器6 出力)が入力される。NAND回路37は、Dフリップ フロップ35、36へリセット信号を供給する。D リップフロップ35、および、Dフリップフロ プ36のD端子には、常に、「1」が入力される 。

 図8Cで、比較器4が、最初に、「出力なし の状態であったとすると、図8Bで、VCOup、お よび、VCOdownの出力は、共に、「Low」の状態 ある。この状態で、Dフリップフロップ35へ 力1が先に入力され、図8Dに示すような立ち がりエッジが検出されると、Dフリップフロ プ35の出力、つまり、「VCOup」が、「High」 なる。すなわち、図8Cにおける「VCOup」の状 に遷移する。この「VCOup」の状態において Dフリップフロップ36へ入力2が入力され、図8 Dに示すような立ち上がりエッジが検出され と、Dフリップフロップ36の出力、つまり、 VCO_down」が、「High」となる。すなわち、図8C における「出力なし」の状態に遷移する。こ の回路動作を、図8Bを用いて説明すると、VCOu p、VCOdownの両方の出力が「High」となり、NAND 路36の出力が「Low」となる。したがって、2 のDフリップがリセットされ、その出力が、 Low」となり、図8Cにおける「出力なし」の 態に遷移することになる。

 先に説明したサイクルスリップ動作CSは 入力1、および、入力2の位相差が0°、或いは 、180度になることによって、引き起こされる 。これは、2つの信号の周波数が一致してい いにも関わらず、上記の0度、180度で、位相( パルス信号のエッジ)が一致したと判定され 次の瞬間、位相の遅れ、進みが逆に判定さ てしまうためである(次の、0度、180度で、も とに戻る)。この現象を繰り返しながら、出 信号は、目標値へ徐々に近づくことになる このサイクルスリップ動作CSが起こる周波数 レンジをロックレンジLRと呼ぶ(図7C)。現在の 周波数と分数分周数の切り替え後の周波数の 差がロックレンジLR以内であった場合は、周 数はほぼ近い値ということになり、位相を ックさせる動作(それ以前は、周波数ロック 動作)となる。つまり、このロックレンジLRの 範囲内で、次の目標周波数を設定(分周数を 定)すれば、更に、周波数の収束時間が早く り、本発明の効果をより顕著なものとする とになる。

 具体的には、図4において説明した分数分 周数の切り替え直前(Nの切り替え直前)の周波 数と、切り替え後周波数の差が、このロック レンジ以内に収まるようにすれば良い。この 時、切り替え周期T1が短い程、一度の周波数 整量(切り替え直前の周波数と切り替え後周 波数との差)を少なくでき、収束時間が短く る。なお、出力信号の周波数が500MHzから1GHz 度のシンセサイザでは、このロックレンジ 、1~5kHz程度となり、出力信号の周波数に対 て、1~10ppm程度となる。つまり、1回の周波 調整量を、少なくとも、シンセサイザ出力 号の周波数の1ppm以下とすれば、前記の目的 達成される。なお、温度の検出(つまり、温 度による周波数変動量の検出)と、周波数の 正のタイミング、周期は、必ずしも、一致 せる必要はない。

 図9Aは、分数分周数の切り替え直前(Nの切 り替え直前)の周波数と切り替え後の周波数 差が、ロックレンジLRよりも大きい場合(以 、この条件を「条件1」と呼ぶ)と、ロックレ ンジ以内の場合(以後、この条件を条件2と呼 )での周波数スペクトルの状態を表す図であ る。図9Aにおいて、実線は条件1のスペクトル であり、一点破線で示した包絡線aは、条件1 スペクトルのピーク部分をつないだ包絡線 ある。また、破線で示す包絡線bは、条件2 スペクトルのピーク部分をつないだ包絡線 ある。包絡線aと包絡線bを比較すると、位相 雑音のレベルが包絡線1の方が大きい。つま 、条件1では、シンセサイザの出力信号の位 雑音が大きいことになる。位相雑音が悪い 、C/Nが悪化し、結果、受信性能の悪化をも らす。

 図9Bは、条件2におけるOFDMのマルチキャリ アのスペクトルを模式的に示したもので、5 のキャリアA1~A5が示されている。ここでは、 キャリアA2の位相雑音の隣接キャリアA1、キ リアA3への影響(キャリアA1、A3から見ると雑 レベル)は比較的小さい。

 図9Cは、条件1におけるOFDMのマルチキャリ アのスペクトルを模式的に示したもので、5 のキャリアA1~A5を示している。図9Cにおいて 、キャリアA2の位相雑音の隣接キャリアA1、 キャリアA3への影響は、条件2と比較して大き く、これが、前記した、C/N悪化や受信性能悪 化を引き起こす。以上のスペクトルの観察か らも、分数分周数の切り替え直前(Nの切り替 直前)の周波数と、切り替え後の周波数の差 をロックレンジ以内とすることによる効果の 大きさがわかる。

 なお、本発明における「分数分周数切り え直前の周波数」とは、分数分周数がある 間にN1へ切り替えられたときに、N1へ切り替 えられる直前のシンセサイザの出力信号の周 波数を指している。また、本発明における「 分数分周数切り替え後の周波数」とは、分数 分周数がN1へ切り替えられた後、更にN2へ切 替えられるまでの期間中におけるシンセサ ザの出力信号の周波数を指している。

 一例として、図4を用いて説明すると、分 数分周数がN=1からN=2へ切り替えられる場合に は、分数分周数がN=1の状態である期間TAにお るシンセサイザの出力信号の周波数が「分 分周数切り替え直前の周波数」に該当し、 数分周数がN=2の状態である期間TBにおける ンセサイザの出力信号の周波数が「分数分 数切り替え後の周波数」に該当する。

 図10A、図10Bは、本実施の形態のシンセサ ザを用いた場合の、ワンセグテレビ放送の 信状態の変化を示す図である。図10Aは、基 発振器として水晶発振子を用いた場合の変 を示す図である。図10Bは、基準発振器とし シリコン振動子で構成されるMEMS発振器を用 いた場合の変化を示す図である。各図におい て、実線aはアキュムレータ9をリセットした 合の変化を、実線bはアキュムレータ9をリ ットしなかった場合(過去の累積加算値を保 した状態の場合)の変化を示している。各図 において、実線a、bから分かるように、リセ トの有無による差異が示されている。ここ 、今回用いた水晶発振子には、TCXO(温度補 型水晶発振器)や、精密にカット角度が規定 れた水晶振動子を用いておらず、比較的、 価に手に入るものを用いている。この水晶 周波数温度特性は、使用温度範囲―30℃~85 の温度範囲で、±100ppmである。高価な水晶で はないが、他の材料に比べ、比較的温度特性 が良好であることから、この温度センサ8の 知結果に基づく第2の分周器6の制御間隔は、 MEMS発振器を用いた場合よりも長くなってい 。

 まず、第1に、水晶発振器を用いた図10Aに ついて説明する。実線aのリセットありの場 では、温度補正を行ったリセットのタイミ グで、受信状態を示す指標であるC/Nが波形p 示すように悪化している。リセットが瞬時 であるにもかかわらず、C/Nの劣化が長く続 ているのは、復調側でずれた中間周波数を わせるのに、時間がかかってしまうという ステム的な問題に起因している。実線bで示 すリセットなし(過去の累積加算値を保持し 状態)の場合では、ほぼ良好なC/N性能を維持 ている。

 第2に、MEMS発振器を用いた図10Bについて 明する。ここで、前記したように、シリコ 振動子の場合、周波数温度特性が30ppm/℃と いため、補正の間隔を短くしなければなら 、つまりは、リセットの間隔が短くて頻繁 リセットが起こる。例えば、本実施の形態 場合、補正の間隔を50msecとしている。図10B 、実線aで示すリセットありの場合、初期状 では温度制御を開始しておらず、周波数も 較的変動の少ない状態であることから、比 的良好なC/Nが得られている。しかし、その 後、温度センサ8の検知結果に基づき第2の 周器6の分周比を変更する必要が生じ、一旦 第2の分周器6をリセットしたため、波形qに すように、C/N特性が大幅に劣化しているこ が分かる。また、第2の分周器6の温度制御 間隔が50msecと頻繁であるために、C/N特性が 復する前に、次の制御時期が到来してしま 、波形rに示すように、C/N特性は良くない状 を維持してしまうことになる。このように 繁にリセットが起こる状態では、C/Nは良好 状態にまで、回復せず、良くない状態を維 したような結果となってしまう。この時、 部発振器の周波数は、所望の周波数に合わ れた状態ではあるが、頻繁なリセットによ C/Nの劣化が引き起こされることになる。テ ビの受信電力が大きい場所では、この状態 も受信できる可能性はあるが、受信電力が さくなると、受信が出来ないといった不具 が生じ、受信機の主たる性能である最小入 感度特性が悪化することとなる。なお、C/N は、完全な瞬時値を示しているわけではな 、ある一定期間の平均値を示しているため 図10Bの実線aのリセットありのように、C/Nが ほぼ変動なく悪い状態で観測される。これは 、前記した補正間隔が短いためである。

 これに対し、本実施の形態のシンセサイ のC/N特性は、図10Bの中の実践bに示したよう に、C/N特性の劣化がほぼ見られない。以上の ことより、MEMS振動子のように、大きな周波 温度特性を有する振動子を基準発振器に用 た場合には、特に本実施の形態のシンセサ ザが有効であることが分かる。

 なお、MEMS振動子のように大きな周波数温 度特性を有する場合は、温度制御間隔を小さ くすることで第2の分周器6の分周比の変化量 小さく抑える事ができる。したがって、分 比変更時にリセットをしない場合(過去の累 積加算値を保持した状態の場合)において、 周比変更時の周波数誤差を小さく抑えるこ が可能となる。

 また、水晶振動子の例である図10Aの時間 は、C/Nの劣化を明瞭に示すために、MEMS振動 子の例である図10Bの時間軸よりも短い時間幅 をモニターした結果である。

 以上の例からもわかるように、温度セン 8の検知結果に基づき第2の分周器6の制御を う際は、受信チャンネル切替要求の場合の うに大きな周波数変化を必要としない。こ ため、第2の分周器6をリセットせず、過去 累積加算値を保持した状態でも、すなわち め設定された値に戻さない状態でも、所望 分周比に到達するまでの時間は、比較的短 なる。

 以上説明したように、本実施の形態のシ サセイザを用いることにより、分周比変更 のC/N劣化を抑えることが可能となる。例え 、テレビの場合では、途切れることのない 連続した受信が可能となる。また、携帯電 の場合でも、複雑な制御を行う必要がなく システムの簡易化を図ることが可能となる

 なお、従来、テレビのチャンネル変更の 合、次のチャンネルへ移行するのに数十msec ~1secの猶予時間があり、チャンネル変更の際 C/N劣化は問題にならなかった。これは、こ 猶予期間におけるテレビ受信が不要であっ ためである。

 なお、携帯電話の場合では、常時、信号 受信されているわけではない。よって、受 されていないタイミングを見計らって分周 の切替えを行うことで、C/N劣化による受信 性への影響をなくすことが可能である。し し、受信していないタイミングに分周比を 替える制御を行う必要があり、システムへ 負荷が増えると共に、システムが煩雑にな 、製造コストが増大する。本実施の形態の ンセサイザのような第2の分周器の制御方法 を用いることで、上記のような複雑な制御を 考慮する必要がなくなる。

 なお、本実施の形態では、リセットを完 にしない場合に関して、説明を行った。し し、有効なデータ、つまり、BERに直接的に 与しないデータを送信している期間中にリ ット処理を行えば、前記した効果と比較的 い効果が得られる。例えば、OFDM(Orthogonal Fr equency Division Multiple)信号のガードインター ルの期間がそれにあたる。すなわち、この ードインターバルの期間の一部を用いて、 セット処理を行うことで、実効的なC/Nの劣 を最小限に抑えることは可能である。

 本発明のシンセサイザを使用したテレビ 信用モジュールについて、図11を用いて説 する。図11において、本発明のシンセサイザ 1は温度センサ8を含めて同一の半導体IC(集積 路)19に一括に形成され、ベース基板20に実 されている。また、基準発振器の構成要素 してMEMS振動子21が用いられ、ベース基板20の 上に実装されている。また、ベース基板20に 、バイパスコンデンサなどのチップ部品34 実装されている。基準発振器の構成要素と てMEMS振動子21を用いる事で、テレビ受信用 ジュール22の小型化を実現することができる 。例えば、水晶振動子では2.5×2.0mmのサイズ 必要だが、MEMS振動子では0.5×0.5mm~0.3mm×0.3mm サイズで構成できる。また、高さも半分以 となる。携帯電話に搭載するような小型の レビ受信用モジュールでは、サイズが、9×9m m~8×8mmと小型になっているため、このサイズ 果は非常に大きいものとなる。

 他の構成要素に関して説明すると、ベー 基板20には、アンテナ23が受信した受信信号 が入力される第1フィルタ24が実装されている 。さらに、第1フィルタ24の出力信号が入力さ れるLNA(Low Noise Amplifier)25が実装されている さらに、LNA25の出力信号が入力される第2フ ルタ26が実装されている。さらに、第2フィ タ26の出力信号が入力されるバラン27が実装 れている。そして、バラン28の出力信号は 導体IC19に入力される。なお、図11において 、MEMS振動子21を用いた。しかし、上記した 型化の効果を考慮する必要が無ければ、水 振動子を用いてもよい。

 図11のMEMS振動子21を半導体IC19の中に形成 た他の例を図12、図13に示す。図12では、MEMS 振動子21を半導体IC19内へ取り込んでいる。ま た、図13では、上記したLNA25は、MEMS振動子21 半導体IC19の内部に取り込み、第2のフィルタ 26、バラン27は、半導体IC19を構成する際に不 になるようなシステム構成としている。

 このように、MEMS振動子21と温度センサ8が 同一の半導体IC19内に内蔵されることにより 実際のMEMS振動子21の温度をより正確に検知 ることが可能となる。したがって、MEMS発振 の発振周波数の調整精度を向上させること できる。例えば、急激な温度変化が起こっ 際でも、温度伝導の遅延がほぼ無い状態で 度検知が可能となり、それによる受信劣化 引きおこさなくなる。また、特に、図13の 成では、1つの半導体IC19内に外部の構成要素 も形成できるため、大幅な小型化ができると 共に、製造効率を向上させる事が出来る。

 なお、以上説明した本実施の形態では、 振器5の出力をシンセサイザ1の出力とした しかし、発振器5の後に分周器を入れて、シ セサイザ1の出力としても良い。これにより 、発振器5の発振周波数を高くすることがで 、発振器5のサイズを小さくすることが可能 なる。

 また、本実施の形態で説明した温度セン とは、例えば、半導体の電荷移動量の温度 性を利用したものや、サーミスタと呼ばれ 温度に対して、抵抗値が変化する特性を利 したものなどが挙げられる。しかし、これ 限るものではない。要は、基準発振器を構 する振動子の使用温度を検知するものであ ば良く、直接的に、温度を検知しなくても 間接的に温度を検知しても良い。

 なお、本実施の形態では、温度変動に基 いて発生した周波数誤差、すなわち、設定 た発振周波数と基準発振周波数との誤差を 正する例を説明した。しかし、設定した発 周波数と基準発振周波数との周波数誤差は 温度変動以外の要因に基づいても発生する したがって、温度変動以外の要因に基づい 発生した周波数誤差を補正するには次のよ な構成を採用すればよい。すなわち、周波 誤差検出部を所定の箇所に設けて、設定し 発振周波数と基準発振周波数との間の周波 誤差を検出し、その検出結果で制御部7を制 御すればよい。この場合、周波数誤差検出部 の設置場所としては、図1において、MEMS発振 2と第1の分周器3との間や、発振器5と混合器 29との間や、混合器29と信号処理部32との間な どが実用的であると考えられる。

 また、本実施の形態のシンセサイザを複 の周波数チャネルを有した無線装置に用い もよい。ここで、「複数の周波数チャネル 有する無線装置」とは、携帯電話やテレビ 信機などのように複数の周波数チャネルを 用して信号を送受する無線システムを指し いる。これまで、複数の周波数チャネルを 用した無線装置においては、本実施の形態 シンセサイザのような「分周器(特に、分数 分周器)の分周比を変化させるときに、予め 定された値に戻すことなく分周比を変化さ る」といった機能を有していなかった。こ は、チャネル切り替えに伴い、分周器の分 比を変化させる際、予め設定された値に戻 ずに分周比を変化させると、シンセサイザ 動作が不安定になり、正確に所望の周波数 変化させる事ができなかったためであった 本実施の形態のシンセサイザにおいては、 のような従来の技術を敢えて覆すことによ 、温度変化に対応して分周器の分周比を切 替え際の位相雑音を低減できるという顕著 効果を奏している。なお、温度変化に対応 て分周器の分周比を切り替える際は、温度 変化自体が連続的に変化するものであり、 ャネル変更時のような不連続的な周波数変 を伴うものではないため、シンセサイザの 作が不安定となることはない。

 なお、以上説明した実施の形態では、周 数誤差検出部として、温度センサを用いた 、これに限るものではない。要は、基準発 器であるMEMS発振器2の周波数誤差を直接、 いは、間接的に検知する機能を周波数誤差 出部が有していれば良い。例えば、混合器29 の出力であるIF信号の周波数が、所定の値よ もどれだけずれているかを検出しても良い MEMS発振器2の周波数が所定の値よりずれて ると、シンセサイザ1の出力が所定の値より れることとなる。したがって、デジタル放 などの受信信号とシンセサイザ出力とを混 器29で混合した結果の周波数は、所定の値 りもずれることになる。この周波数誤差を 出してやれば良い。周波数誤差の検出方法 、例えば、周波数弁別などにより直接周波 を検出してもよい(具体的には、所定値から ずれを、FM用の復調回路などで、検出する 法)。また、ベースバンドにおける信号処理 、周波数誤差を検出しても良い。この場合 受信信号に埋め込まれているパイロット信 の位相情報などから、周波数誤差を検出す ば良い。

 なお、本発明における「予め設定した周 数」とは、シンセサイザを設計する上で予 設定された、基準発振器の出力信号の周波 、または、混合器から出力されるIF信号の 波数など、の受信装置の各部位における所 の周波数を指している。

 また、本発明における「基準発振信号に づく周波数」とは、基準発振器から出力さ る信号の周波数、または、混合器から出力 れるIF信号の周波数など、の受信装置の各 位における実際のシンセサイザの動作時に ける周波数を指している。

 なお、本発明における「予め設定した周 数と基準発振信号に基づく周波数との誤差 とは、受信装置における任意部位(例えば、 混合器の出力側)において、シンセサイザ設 時に予め設計された「予め設定した周波数 と、実際のシンセサイザ動作時における周 数との差を指している。

 例えば、受信されたデジタル放送の信号 周波数が、ドップラー周波数などで所定値 らずれた場合においても、混合器からの出 されるIF信号の周波数の所定値からの周波 誤差を検出し、それに基づいてシンセサイ の出力信号の周波数を調整できるので、高 受信品質を維持することができる。

 なお、本発明では、周波数温度特性が良 ない振動子に対して、特に大きな効果を発 する。これは、以下の理由による。まず、 1の理由は、周波数温度特性が悪いほど、温 度補正の回数が増えてしまうことである。補 正回数が増えると、リセットによる悪影響が 大きくなる。第2の理由は、周波数温度特性 悪いほど、1回の分周比の制御で、補正する 波数の幅が大きくなってしまうことによる この周波数幅、つまり、分数分周数切り替 直前の周波数と、分数分周数切り替え後の 波数との差が、大きくなると、サイクルス ップ動作CSを起こしながら、ロック状態に る。そのため、ロックするまでにより多く 時間がかかり、その間、位相雑音性能が悪 する。本発明で開示したロックレンジLR以内 となるように分数分周数を変更すれば、この ような課題は解決されることになる。

 なお、周波数温度特性について、説明を えておく。基準温度をT0、現在の温度をT、 準温度T0での共振周波数をf、温度がT0からT 変化した際の振動子の共振周波数変化量を fとすると、温度に対する周波数変動率は(数 3)で表される。

 δf/f=α(T-T0)+β(T-T0) 2 +γ(T-T0) 3    (数3)
 なおα、β、γをそれぞれ1次、2次、3次の周 数温度係数と呼ぶ。詳細に言うと、δf/fは T0からTまで温度が変化した際の周波数の変 率を示している。例えば、水晶振動子は、 の周波数温度係数が、1次が0で、2次、3次の 度係数も小さい振動子である。一般に、温 係数は、1次、2次、3次となるにしたがって 小さくなる。さらに、温度係数は、電子機 の使用温度範囲における周波数温度特性に める影響も小さくなるため、1次の温度係数 が0であるということは、その振動子の周波 温度特性が非常に、良好であると言う事を している。水晶の各温度係数は、水晶イン ット(水晶の引き上げ後の固まり)から、水晶 板を切り出す際のカット角度によって変わる 。その良好な周波数温度特性から、最も広く 使用されている水晶振動子に、ATカット水晶 動子がある。これは、例えば、使用温度範 (-40~85℃)において、周波数の変動率が、±20~ ±100ppm程度となる。この周波数の変動率の幅 、カット角度の微小な違いによって生じる これに対して、MEMS振動子は、周波数温度特 性が良くないものがほとんどで、例えば、シ リコン振動子は、1次の温度係数が大きく、-3 0ppm/℃であり、使用する温度範囲において、 の1次の温度係数が支配的である。-40℃~85℃ の使用温度範囲において、これは、30×125=3750 ppmとなり、前記ATカット水晶振動子の±20~±100 ppm程度と比較しても非常に悪いことがわかる 。したがって、本発明は、周波数温度特性が よくないMEMS振動子を用いた構成では、より 般的な水晶振動子を用いた構成よりも、特 、大きな効果がある。

 また、本実施の形態では、MEMS振動子とし て、半導体材料を基材としたシリコン振動子 を用いて、説明したが、MEMS振動子の他の例 しては、同じ半導体材料であるポリシリコ 振動子を用いたものが挙げられる。また、Al N、ZnO、PZTと言った薄膜圧電材料をベースと たFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれるも や、SiO2などのその他の薄膜材料をベースと したものが挙げられる。また、弾性表面波を 用いたSAW(Surface Acoustic Wave)振動子や、異な 物質の境界を伝播する境界波などを用いた 動子もその一例である。これらの振動子の ちで、ATカット水晶振動子と同程度の周波数 温度特性を持つものは、ほとんどなく、また 、そのほとんどが、1次の温度係数を有する( 視できない)ものである。例えば、AlNを用い たFBARは、厚み縦振動(印加電界と同一方向に 動)を用いた振動子で、-25ppm/℃の温度係数 有し、ZnOは、-60ppm/℃程度の温度係数を有す 。また、SAWを用いた振動子でも、基材に36° yカットのタンタル酸リチウムを用いたもの 、-35ppm/℃程度、基材に64°yカットのニオブ リチウムを用いたものは、-72ppm/℃程度の温 係数を有する。

 本発明は、例えばMEMS振動子を用いたシン セサイザの位相雑音を良好に維持できるので 、受信装置を構成するシンセサイザや電子機 器などに有用である。