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Title:
TRANSPARENT MATERIAL MACHINING METHOD AND TRANSPARENT MATERIAL MACHINING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075207
Kind Code:
A1
Abstract:
A transparent material machining apparatus capable of precisely making through holes and holes with thin bottoms in large numbers by using the feature of the LIBWE technique. The apparatus (10) is used for machining a transparent material (15) from its back surface by bringing a first fluid substance (14) having an excitation reactivity to a laser beam into contact with the back surface of the transparent material (15) and applying a laser beam to the front surface of the transparent material (15). The apparatus (10) has a first vessel (12) for holding the first fluid substance (14), a first opening portion (12a) provided to the first vessel (12) to bring the back surface of the transparent material (15) into contact with the first fluid substance (14), a second vessel (13) for holding a second fluid material (16) not having an excitation reactivity to the laser beam, and a second opening portion (13a) provided to the second vessel (13) to bring the front surface of the transparent material (15) into contact with the second fluid material (16).

Inventors:
OSHITANI HIROSHI (JP)
IMADA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071931
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
OSHITANI HIROSHI (JP)
IMADA MASAHIRO (JP)
International Classes:
B23K26/18; B23K26/12
Foreign References:
JP2004306134A2004-11-04
JP3012926B12000-02-28
JP2006297478A2006-11-02
JP2004042082A2004-02-12
Attorney, Agent or Firm:
SANO, Shizuo (Bekkan 2-6, Tenmabashi-Kyomachi,Chuo-Ku, Osaka-Sh, Osaka 32, JP)
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Claims:
 レーザに対して励起反応性のある第1流動性物質を第1透明材料の裏面に接触させ、第1透明材料の表面からレーザを照射して第1透明材料の裏面から加工する透明材料加工法において、
 前記レーザに対して励起反応性のない第2流動性物質又はダミーの第2透明材料を、第1透明材料の表面に接触させて加工することを特徴とする透明材料加工法。
 第2透明材料が、基板又はゲルであることを特徴とする請求項1記載の透明材料加工法。
 前記レーザに対して励起反応性のない接着剤を用いて第2透明材料を第1透明材料に接着することを特徴とする請求項1記載の透明材料加工法。
 第1透明材料と第2透明材料とが同材料であることを特徴とする請求項1記載の透明材料加工法。
 第1流動性物質が溶液であり、第2流動性物質は、第1流動性物質の溶媒と同じであることを特徴とする請求項1記載の透明材料加工法。
 前記溶媒が、水、アセトン、エタノール又はTHFであることを特徴とする請求項5記載の透明材料加工法。
 第1及び第2流動性物質はそれぞれ第1及び第2容器に収容され、少なくとも第2容器は前記レーザを透過することを特徴とする請求項1、5、6の何れかに記載の透明材料加工法。
 第1透明材料の加工後、第1及び第2流動性物質は、それぞれ第1及び第2経路を通って第3及び第4容器に収容されることを特徴とする請求項1、5、6の何れかに記載の透明材料加工法。
 第1透明材料の加工前、第1及び第2流動性物質は、それぞれ第3及び第4容器から第1及び第2経路を通って第1及び第2容器へ収容されることを特徴とする請求項8記載の透明材料加工法。
 レーザに対して励起反応性のある流動性物質を第1透明材料の裏面に接触させ、第1透明材料の表面からレーザを照射して第1透明材料の裏面から加工する透明材料加工装置において、
 前記流動性物質を収容する容器と、
 第1透明材料の裏面を前記流動性物質に接触させるため、前記容器に設けられた開口部とを備え、
 ダミーの第2透明材料を第1透明材料の表面に接触させて加工することを特徴とする透明材料加工装置。
 第2透明材料が、基板又はゲルであることを特徴とする請求項10記載の透明材料加工装置。
 前記レーザに対して励起反応性のない接着剤を用いて第2透明材料を第1透明材料に接着することを特徴とする請求項10記載の透明材料加工装置。
 第1透明材料と第2透明材料とが同材料であることを特徴とする請求項10記載の透明材料加工装置。
 レーザに対して励起反応性のある第1流動性物質を透明材料の裏面に接触させ、該透明材料の表面からレーザを照射して該透明材料の裏面から加工する透明材料加工装置において、
 第1流動性物質を収容する第1容器と、
 透明材料の裏面を第1流動性物質に接触させるため、第1容器に設けられた第1開口部と、
 前記レーザに対して励起反応性のない第2流動性物質を収容する第2容器と、
 透明材料の表面を第2流動性物質に接触させるため、第2容器に設けられた第2開口部とを備えたことを特徴とする透明材料加工装置。
 第1流動性物質が溶液であり、第2流動性物質は、第1流動性物質の溶媒と同じであることを特徴とする請求項14記載の透明材料加工装置。
 前記溶媒が、水、アセトン、エタノール又はTHFであることを特徴とする請求項15記載の透明材料加工装置。
 少なくとも第2容器は前記レーザを透過することを特徴とする請求項14~16の何れかに記載の透明材料加工装置。
 第3容器と、
 第4容器と、
 第1及び第3容器を繋ぐ第1経路と、
 第2及び第4容器を繋ぐ第2経路とを備え、
 前記透明材料の加工後、第1及び第2流動性物質は、それぞれ第1及び第2経路を通って第3及び第4容器に収容されることを特徴とする請求項14~16の何れかに記載の透明材料加工装置。
 前記透明材料の加工前、第1及び第2流動性物質は、それぞれ第3及び第4容器から第1及び第2経路を通って第1及び第2容器へ収容されることを特徴とする請求項18記載の透明材料加工装置。
Description:
透明材料加工法及び透明材料加 装置

 本発明は、レーザに対して励起反応性の る流動性物質を透明材料の裏面に接触させ 該透明材料の表面からレーザを照射して該 明材料の裏面から加工する透明材料加工法 いわゆるLIBWE法に関する。

 従来より、光をほとんど吸収しない透明 料は、レーザアブレーションやレーザ溶融 など、直接的なレーザエッチング法を利用 て加工することは困難であった。例えば、 英ガラスの加工技術として以下の方法が知 れている。

 多段階リソグラフィ法は、適切なレジス を基板表面に製膜した後、リソグラフィに ってパターニングし、イオンビームやプラ マやフッ酸を用いてエッチングする方法で る。しかしながら、この方法は、フォトリ グラフィ技術に基づいているので、レジス の塗膜、乾燥、露光、現像、エッチング、 離など、複雑な工程が必要であり、時間が かる。

 また、イオンエッチング法は、イオン注 法により生じたエッチング速度の差を利用 て、マスクレスの化学エッチングを行う方 である。しかしながら、この方法は、集光 きるイオン注入装置が必要であり、加工で る範囲が小さく時間効率が低いため量産に いていない。

 また、短波長レーザ法は、透明材料が吸 できる短波長光を発振するレーザを利用し ドライエッチングを行う方法である。また 極短パルスレーザ法は、パルス幅がピコ秒 下の極短パルスレーザを利用してドライエ チングを行う方法である。しかしながら、 波長レーザ法及び極短パルスレーザ法は、 真空環境が必要であり、エネルギー効率も く、量産に向いていない。

 また、レーザ誘起プラズマ法は、真空溶 中、金属基板をガラスの後方に置いてレー を照射し、金属から発生したプラズマを利 する方法である。しかしながら、この方法 は、金属基板表面とガラス表面とのレーザ 度を同時に調整する必要があるためにマス のイメージの形成が難しく、かつ、真空環 が必要である。さらに、未照射部分でも金 がコーティングされてしまい、試料への損 が大きく、酸による洗浄工程が必要で処理 手間が掛かる。

 そこで、特許文献1では、レーザの直接照 射が困難な透明材料については、透明材料の 裏面に光吸収率の大きな流動性物質を接触さ せ、流動性物質のレーザ吸収を利用したレー ザ誘起背面湿式加工法(LIBWE:laser-induced backside  wet etching)が提案されている。

 また特許文献1の変形として特許文献2に 、透明材料に光吸収の大きな流動性物質を 触させ、所定のフォトマスクを透過して特 のビーム形状を持ったレーザ光を透明材料 表面側から照射しながら、レーザ光をスキ ンすることにより、透明材料に所定の3次元 面微細構造を加工する光学素子作製方法が 示されている。

 また特許文献3には、被加工物を、微粒子を 分散した溶液中に浸漬させて配置し、高強度 超短パルスレーザから出射した高強度超短パ ルスレーザ光を、前記被加工物の手前側位置 に焦点を結ぶように集光して前記溶液にパル ス照射し、前記高強度超短パルスレーザの出 力強度を制御することにより、レーザ光によ って誘起される前記溶液の非線形光学効果に より発生する自己集束とレーザ光の回折とが 釣り合うようにバランスさせて、レーザ光を 前記溶液内において微小線状に前記被加工物 に向け伝播させ、その微小線状の領域内の溶 液中に浮遊する前記微粒子を前記被加工物に 衝突させて加工を行うレーザ誘起加工法が開 示されている。これはレーザ励起による加工 法であるが、上記のLIBWE法とは異なる。

特許3012926号公報

特開2004-306134号公報

特開2006-68789号公報

 ところで、市場ではインクジェットプリ タのインクノズルとして微細な貫通穴が用 られており、その普及に伴って微細な貫通 の高効率・高精度の加工法が求められてい 。特許文献1や特許文献2で提案されている うに、LIBWE法は励起現象を活用して低エネル ギーでガラスなどを多数個同時に加工できる 優れた手法である。

 しかしながら、特許文献1や特許文献2で 貫通穴を開けることは考慮されていない。 工面に流動性物質(主として液体)が接触して いる必要があるため、貫通穴を開けようとす ると液体が流出することになる。そして流出 した液体は、装置の光源系や駆動系に重大な ダメージを与えるおそれがある。また、貫通 穴や底の薄い穴を開けようとすると、貫通間 近で残肉が薄くなったとき、残肉表裏の大気 圧と液体との圧力差によって残肉部分が破損 するおそれがあり、破損した場合、穴周辺に クラックや欠けが生じるおそれもある。

 本発明は、LIBWE法の特徴を活かしながら 貫通穴や底の薄い穴を精度良く量産できる 明材料加工法及び透明材料加工装置を提供 ることを目的とする。

 上記目的を達成するために本発明は、レ ザに対して励起反応性のある第1流動性物質 を第1透明材料の裏面に接触させ、第1透明材 の表面からレーザを照射して第1透明材料の 裏面から加工する透明材料加工法において、 前記レーザに対して励起反応性のない第2流 性物質又はダミーの第2透明材料を、第1透明 材料の表面に接触させて加工することを特徴 とする。

 この構成によれば、第1流動性物質を第1 明材料の裏面に、第2流動性物質を第1透明材 料の表面に接触させた状態となる。そして、 第1透明材料へ向けてレーザを照射すると、 1透明材料のレーザ入射側である表面では何 変化はないが、第1流動性物質と接触した第 1透明材料の面ではレーザ照射部分にのみ選 的にエッチングが行える。またこの構成に れば、第1流動性物質を第1透明材料の裏面に 、第2透明材料を第1透明材料の表面に接触さ た状態ともなる。そして、第1及び第2透明 料へ向けてレーザを照射すると、第1透明材 のレーザ入射側である表面では何ら変化は いが、第1流動性物質と接触した第1透明材 の面ではレーザ照射部分にのみ選択的にエ チングが行える。

 なお、上記の透明材料加工法において、 2透明材料は基板又はゲルであることが望ま しい。これにより、第2透明材料を第1透明材 に密着させることができる。

 また上記の透明材料加工法において、前 レーザに対して励起反応性のない接着剤を いて第2透明材料を第1透明材料に接着して よい。これにより、第2透明材料を透明材料 工装置に固定するための固定手段が不要と り、装置を簡略化できるとともに着脱作業 簡略化される。

 また上記の透明材料加工法において、第1 透明材料と第2透明材料とが同材料であるこ が望ましい。これにより、第2透明材料のた に他の材料を用意する必要がない。

 また上記の透明材料加工法において、第1 流動性物質が溶液であり、第2流動性物質は 第1流動性物質の溶媒と同じであることが望 しい。これにより、貫通穴を加工した場合 第1流動性物質と第2流動性物質とが混ざっ としても反応するおそれがない。

 上記の溶媒としては、水、アセトン、エ ノール又はTHFなどを用いることができる。

 また上記の透明材料加工法において、具 的には、第1及び第2流動性物質はそれぞれ 1及び第2容器に収容され、少なくとも第2容 は前記レーザを透過する構成とする。

 また上記の透明材料加工法において、第1 透明材料の加工後、第1及び第2流動性物質は それぞれ第1及び第2経路を通って第3及び第4 容器に収容されるようにすることが望ましい 。これにより、第1透明材料の交換が容易に る。

 さらに、第1透明材料の加工前、第1及び 2流動性物質は、それぞれ第3及び第4容器か 第1及び第2経路を通って第1及び第2容器へ収 されるようにすることが望ましい。これに り、第1及び第2流動性物質の再利用が容易 なる。

 また、上記の透明材料加工法を用いた透 材料加工装置は、レーザに対して励起反応 のある流動性物質を第1透明材料の裏面に接 触させ、第1透明材料の表面からレーザを照 して第1透明材料の裏面から加工する透明材 加工装置において、前記流動性物質を収容 る容器と、第1透明材料の裏面を前記流動性 物質に接触させるため、前記容器に設けられ た開口部とを備え、ダミーの第2透明材料を 1透明材料の表面に接触させて加工すること 特徴とする。

 上記の透明材料加工装置において、第2透 明材料は基板又はゲルであることが望ましい 。

 また上記の透明材料加工装置において、 記レーザに対して励起反応性のない接着剤 用いて第2透明材料を第1透明材料に接着し もよい。

 また上記の透明材料加工装置において、 1透明材料と第2透明材料とが同材料である とが望ましい。

 また本発明は、レーザに対して励起反応 のある第1流動性物質を透明材料の裏面に接 触させ、該透明材料の表面からレーザを照射 して該透明材料の裏面から加工する透明材料 加工装置において、第1流動性物質を収容す 第1容器と、透明材料の裏面を第1流動性物質 に接触させるため、第1容器に設けられた第1 口部と、前記レーザに対して励起反応性の い第2流動性物質を収容する第2容器と、透 材料の表面を第2流動性物質に接触させるた 、第2容器に設けられた第2開口部とを備え ことを特徴とする。

 この構成によれば、第1流動性物質を透明 材料の裏面に、第2流動性物質を透明材料の 面に接触させた状態となる。そして、第2容 の外側から透明材料へ向けてレーザを照射 ると、透明材料のレーザ入射側である表面 は何ら変化はないが、第1流動性物質と接触 した透明材料の面ではレーザ照射部分にのみ 選択的にエッチングが行える。

 上記の透明材料加工装置において、第1流 動性物質が溶液であり、第2流動性物質は、 1流動性物質の溶媒と同じであることが望ま い。これにより、貫通穴を加工した場合に 1流動性物質と第2流動性物質とが混ざった しても反応するおそれがない。

 上記の溶媒としては、水、アセトン、エ ノール又はTHFなどを用いることができる。

 また上記の透明材料加工装置において、 体的には、少なくとも第2容器は前記レーザ を透過する構成とする。

 また上記の透明材料加工装置において、 3容器と、第4容器と、第1及び第3容器を繋ぐ 第1経路と、第2及び第4容器を繋ぐ第2経路と 備え、前記透明材料の加工後、第1及び第2流 動性物質は、それぞれ第1及び第2経路を通っ 第3及び第4容器に収容されることが望まし 。これにより、透明材料の交換が容易にな 。

 さらに、前記透明材料の加工前、第1及び 第2流動性物質は、それぞれ第3及び第4容器か ら第1及び第2経路を通って第1及び第2容器へ 容されることが望ましい。これにより、第1 び第2流動性物質の再利用が容易になる。

 本発明によると、第2流動性物質を透明材 料の表面に接触させているので、加工部分が 貫通間近で残肉が薄くなったとき、残肉の表 裏の第2流動性物質と第1流動性物質との圧力 がないので残肉部分に力がかからず、破損 ることもクラックや欠けが生じることもな 。したがって、加工精度を飛躍的に向上さ ることができる。

 また、第2透明材料を第1透明材料の表面 接触させているので、貫通間近で残肉が薄 なったときでも第2透明材料が残肉を押さえ いるので、流動性物質の圧力によって残肉 分が破損することもクラックや欠けが生じ こともない。したがって、加工精度を飛躍 に向上させることができる。

 また、第1透明材料が貫通したときでも第 2透明材料が流動性物質を封止するので、流 性物質が流出することがない。したがって 光源系や駆動系へのダメージを防止するこ ができる。

 また本発明によると、第3容器及び第4容 を用いて第1流動性物質及び第2流動性物質を 待避させることにより、新たな透明材料に付 け替えるために、第1容器及び第2容器の上面 ら流動性物質を抜かなくてよいので、作業 が向上し、量産に適している。

本発明の透明材料加工装置の模式的な 断面図である。 本発明の透明材料の他の設置形態を示 第1及び第2容器の側断面図である。 本発明の他の形態の第1及び第2容器の 断面図である。 本発明の他の形態の第1及び第2容器の 断面図である。 本発明の他の実施形態の透明材料加工 置の模式的な側断面図である。 図5の第1及び第2弁を開放した状態の図 ある。 図6の状態から第1及び第2流動性物質を 1及び第2容器に再注入した図である。 本発明の他の実施形態の透明材料加工 置の模式的な側断面図である。 図8の状態から第1及び第2流動性物質を 3及び第4容器に排出した図である。 本発明の他の形態の透明材料加工装置 の模式的な側断面図である。 本発明の透明材料の他の設置形態を示 す容器の側断面図である。 本発明の他の形態の透明材料加工装置 の模式的な側断面図である。 本発明の他の形態の透明材料加工装置 の模式的な側断面図である。

符号の説明

   10、20、30、40、50、60  透明材料加工装
   12  第1容器
   12a  第1開口部
   13  第2容器
   13a  第2開口部
   14  第1流動性物質
   15  第1透明材料
   16  第2流動性物質
   21  第1経路
   22  第2経路
   23  第3容器
   24  第4容器
   41  第2透明材料
   43  接着剤

 図1は、本発明の透明材料加工装置の模式 的な側断面図である。透明材料加工装置10は レーザに対して励起反応性のある第1流動性 物質14を第1透明材料15の裏面に接触させ、第1 透明材料15の表面からレーザを照射して第1透 明材料15の裏面から加工する装置である。そ ため透明材料加工装置10は、レーザ装置11と 、レーザに対して励起反応性のある第1流動 物質14を収容する第1容器12と、第1透明材料15 の裏面を第1流動性物質14に接触させるために 第1容器12に設けられた第1開口部12aと、レー に対して励起反応性のない第2流動性物質16 収容する第2容器13と、第1透明材料15の表面 第2流動性物質に接触させるために第2容器13 設けられた第2開口部13aとを備えている。

 第1透明材料15としては、使用するレーザ 長に対して透明性があればよい。例えば、 英ガラス、一般ガラス、フッ化カルシウム フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フ 化リチウム、シリコンカーバイド、アルミ 、サファイア、水晶、ダイヤモンド、のよ な無機材料、ポリカーボネイト樹脂、アク ル樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂などのプ スチック材料、有機ガラス、有機結晶・固 化合物、及びそれらの混合物などが挙げら る。第1透明材料15の形態は、図1で示した基 板状の他にも、容器状、管状など任意の形状 でよい。第1透明材料15の厚みは、約10μm~数mm ものを用いることができる。

 レーザ装置11は、レーザを発振するレー 光源系17と、発振されたレーザを所望の形状 に整えるとともに、焦点も移動させられる走 査光学系18とを有している。レーザとしては ArF(λ=193nm)、KrCl(λ=222nm)、KrF(λ=248nm)、XeCl(λ=3 08nm)、XeF(λ=351nm)エキシマレーザ、YAGレーザ、 YVOレーザ、YLFレーザ、色素レーザ、炭酸ガス レーザ、Krイオンレーザ、Arイオンレーザ、 蒸気レーザ、チタンサファイアレーザ等の 本発振波長光、及びその基本発振波長光を 線形光学素子などにより変換したものを用 ることができる。例えば、YAGレーザに二倍 調波(λ=532nm)、三倍高調波(λ=355nm)、四倍高調 波(λ=266nm)などが挙げられる。

 そして、エッチングを行うためのレーザ強 は、レーザ波長に対する第1流動性物質の吸 収によって異なるが、0.01~100J/cm 2 /pulseが好ましい。さらに好ましくは、0.1~10J/c m 2 /pulseである。レーザ強度が弱すぎるとエッチ ングが起こらず、強すぎると第1透明材料15に 損傷を与える。

 なお、走査光学系18の代わりに走査でき い光学系を用いて、エッチング時には第1透 材料15側を走査させてもよい。また、フォ マスクなどを用いて所望の形状のエッチン を行うようにしてもよい。

 第2容器13は、少なくともレーザが照射さ る部分が、使用するレーザ波長に対して透 性、つまりレーザ透過性を有すればよい。 えば、上述した第1透明材料15に用いること できる材料と同じ材料を用いることができ 。一方、第1容器12は、第2容器と同じ材料で ある必要はなく、レーザを吸収する材料でも 構わない。第1容器12及び第2容器13の壁面の厚 みには特に限定はないが、数mmの厚さがあれ 足りる。第1容器12及び第2容器13は、例えば 1に示すように、直方体の上面が開放された 形状とすることができる。この開放された上 面には異物侵入防止のために蓋を設けてもよ い。この上面から第1流動性物質14又は第2流 性物質16及び第1透明材料15の入れ替えが行わ れる。

 第1開口部12aと第2開口部13aとは、第1透明 料15よりもひとまわり小さい開口であり、 1では2つの開口部12a、13aは同じ大きさの四角 形状となっている。また図1では、第1透明材 15は、第2開口部13aの第2容器13内側面にOリン グ(不図示)などを介して固定されている。こ 固定にはネジやクリップやクランプなどの 定手段を用いればよい。

 なお、第1透明材料15は、図2のように、第 1開口部12aの第1容器12内側面に固定してもよ し、図3のように、第1開口部12aの第1容器外 面にOリングを介して固定するとともに、第2 開口部13aの第2容器外側面にOリングを介して 定してもよい。また、図4のように、第1容 12と第2容器13との間の壁面は1枚とし、共有 てもよい。つまり、第1容器12と第2容器13と 一体型にするということである。この場合 第1開口部12aと第2開口部13aとは1つの開口部 なり、第1透明材料15はこの開口部のどちら に固定してもよい。

 また、第1容器12又は第2容器13の側壁その のを加工することもできる。この場合、第1 開口部12a又は第2開口部13aを壁面とし、その 面を加工することになる。

 第1流動性物質14は、使用するレーザ波長 対して高い吸収率を有する物質であればよ 。例えば、ピレンのアセトン溶液、ベンジ のアセトン溶液、ピレンのテトラヒドロフ ン(THF)溶液、ローダミン6Gのエタノール溶液 、フタロシアニンのエタノール溶液などのよ うな芳香族環を含む有機化合物の溶液、ベン ゼン、トルエン、四塩化炭素などのような液 体状の化合物などが挙げられる。また、ピラ ニン水溶液、ナフタレン誘導体水溶液、有機 化合物、有機色素、無機顔料、あるいは炭素 などの微粒子を分散して作った溶液や、有機 化合物、有機色素、無機顔料、あるいは炭素 粉末などの微粒子や微結晶で作った流動性粉 体などが挙げられる。さらに、上述した物質 の2種類以上を混合して作られた流動性物質 使用することができる。

 これらの物質は使用するレーザ波長に対 て高い吸収率を有することが必要で、例え 、第1流動性物質14と第1透明材料15との界面 ら、流動性物質内部に0.1mmの深さで10%以上 吸収率を有することが好ましい。さらに好 しくは、0.1mmの深さで50%以上の吸収率を有す ることである。吸収率が十分に高くない場合 には、エッチングの精密化及び微細化が十分 には達成されない。

 第2流動性物質16は、使用するレーザ波長 対して透明性を有する物質であればよい。 えば、上述した第1流動性物質14の溶媒とし 挙げられた水、アセトン、エタノール、THF どを用いることができる。第2流動性物質16 、第1流動性物質14と混合したときに化学反 しない必要があるので、第1流動性物質14の 媒と同じものを用いることが望ましい。

 次に、上記の透明材料加工装置10を用い 第1透明材料15の加工法について図1を用いて 明する。まず、第1透明材料15を図1のように 第2容器13の開放された上面から第2容器13内へ 移動させ、第2開口部13aに密着させるように 定する。続いて第1流動性物質14を第1容器12 、第2流動性物質16を第2容器13へそれぞれの 面から注入する。それぞれの流動性物質は 少なくとも第1透明材料15の加工位置よりも まで注ぐ。このとき気泡が混ざらないよう 注意する。気泡は加工の妨げとなるからで る。

 これで、第1流動性物質14を第1透明材料15 裏面に、第2流動性物質16を第1透明材料15の 面に接触させた状態となる。次に、第2容器 13の外側から第1透明材料15へ向けてレーザを 射する。つまり、第1透明材料15の表面から ーザを照射することになる。レーザの焦点 第1透明材料15の裏面と第1流動性物質14との 触面に合わせる。

 第1透明材料15に対するレーザの入射角は 意に設定でき、第1流動性物質14と第1透明材 料15との接触面にレーザが到達できればよい また、単一のレーザビームを照射するか、 数のレーザビームを同時に又は続けて照射 るかは任意であり、少なくとも、1つのレー ザビームが第1透明材料15を通して第1流動性 質14と第1透明材料15との接触面に照射されれ ばよい。したがって、上述したように、レー ザをレンズにより集光させて直接照射する方 法や、フォトマスクを介して照射する方法な ど、任意の方法によって行うことができる。

 このようにしてレーザを照射すると、第1 透明材料15のレーザ入射側である表面では何 変化はないが、第1流動性物質14と接触した 1透明材料15の面ではレーザ照射部分にのみ 択的にエッチングが行える。また、マスク ターンを通してレーザ照射することによっ 、線幅が数μmの鮮明なエッチングパターン 形成も可能である。しかもエッチング部分 は何ら化学的な劣化や損傷を与えない。エ チング速度はレーザ強度に依存し、エッチ グ工程を精密に制御できる。また、エッチ グの深さは、レーザパルス数に比例して増 するので、エッチング深さを精密に制御で る。

 また、作業温度としては、第1流動性物質 14の流動性が保持される温度であれば特に限 はない。さらに、エッチングの安定性を高 るための手段、例えば、第1流動性物質14を 環する方法、あるいは、撹拌する方法など 用いてもよい。

 また、上記の実施形態では、第1透明材料 15を垂直に支持して水平レーザによって加工 る例を示したが、第1透明材料15を水平に支 して、垂直方向からレーザを照射する落射 式によっても実施することができる。その には、レーザアブレーションによって発生 る気泡を継続的に除去することが望ましい で、第1透明材料15の裏面に形成されている 1流動性物質14を循環又は撹拌させ、さらに 第1透明材料15の裏面への第1流動性物質14の きつけを行う等の手法で気泡の影響をなく ことが望ましい。

 上記の透明材料加工装置10及び加工法に れば、多段階リソグラフィ法による多段階 工程が必要であることに比べて、一段階の 理でエッチングができる。しかも、真空雰 気が不要である。また、レーザ誘起プラズ 法に比べて、未照射部分への損傷も避けら る。しかもレーザを直接集光する方法とマ クを通して照射する方法とのどちらでも可 である。また、低レーザ強度のためエネル ー効率が良く、エッチングできる材料の対 範囲も広くなる。さらに、低レーザ強度の めにマスクを通してパターン状のエッチン も可能で、エッチングパターンの精度は10μm 以下である。加えて、エッチング速度も制御 でき、エッチング面の化学組成にも変化を与 えないことから、本発明の加工法は微細化、 精密化、高品質化できる方法であるとともに 、非常に低コストであり、量産性に富む方法 である。

 また、上記の透明材料加工装置10及び加 法では、貫通穴や底の薄い穴を精度良く量 することもできる。この場合も上述したよ に、第1透明材料15の裏面からエッチングし いき、貫通するまでエッチングを続ければ 通穴が得られ、貫通直前でエッチングを終 すれば底の薄い穴を得ることができる。

 このエッチング工程において、従来のよ に第2流動性物質16を用いない場合は、貫通 近で残肉が薄くなったとき、残肉の表裏の 気圧と第1流動性物質14との圧力差によって 肉部分が破損するおそれがあり、破損した 合、穴周辺にクラックや欠けが生じるおそ もある。これは、貫通穴や底の薄い穴の径 大きくなるほど顕著に表れる。

 それに比べて本発明のように第2流動性物 質16を第1透明材料15の表面に接触させている 合は、貫通間近で残肉が薄くなったとき、 肉の表裏の第2流動性物質16と第1流動性物質 14との圧力差がないので残肉部分に力がかか ず、破損することもクラックや欠けが生じ こともない。

 このように、貫通穴や底の薄い穴を加工 る場合、第2流動性物質16を第1透明材料15の 面に接触させることで加工精度を飛躍的に 上させることができる。なお、貫通穴や底 薄い穴の形状は、円、楕円、多角形など、 意の形状に加工できる。また、貫通穴や底 薄い穴の形状を円とした場合、その直径は0 .01mm以上であれば加工可能であり、約0.1mmま が最適に加工可能である。この大きさの穴 精度良く大量に加工できるので、例えばイ クジェット用ノズルの加工に利用すること できる。

 次に、本発明の透明材料加工装置の他の 施形態について説明する。図5は、本発明の 他の実施形態の透明材料加工装置の模式的な 側断面図である。この透明材料加工装置20が 1の透明材料加工装置10と異なる点は、第1容 器12に繋がる第1経路21と、第2容器13に繋がる 2経路22と、第1経路21に繋がる第3容器23と、 2経路22に繋がる第4容器24とが設けられてい ことである。

 図5では、第1容器12の底面に第1経路21であ る穴が形成され、第2容器13の底面に第2経路22 である穴が形成されている。そして、第1経 21の下方に第3容器23が、第2経路22の下方に第 4容器24が位置している。さらに、第1経路21の 上面には第1弁25が、第2経路22の上面には第2 26が設けられている。なお、第1容器12及び第 2容器13は、図2~図4のような形態を利用しても よい。

 なお、第1経路21及び第2経路22は、管を用 てもよく、その場合、管は第1容器12及び第2 容器13の底面に接続してもよいし、第1容器12 び第2容器13の底面付近の側面に接続しても い。

 第3容器23は、第1容器12より一回り大きく その上面が開放されている。同様に、第4容 器24は、第2容器13より一回り大きく、その上 が開放されている。また、第3容器23と第4容 器24との間の壁面27は1枚とし、共有している つまり、第3容器23と第4容器24とが一体とな ている。この壁面27は、上下に折りたため ようになっており、例えば、蛇腹の樹脂を いることができる。また、壁面27の上端は、 第1経路21と第2経路22の間であって、第1容器12 又は第2容器13の底面に密着した状態で固定さ れている。また、第3容器23及び第4容器24は、 第1流動性物質14及び第2流動性物質16によって 劣化しない材料で作製されていればその材料 には特に限定はない。

 第1弁25は、第1経路21を通じて第1流動性物 質14を第1容器12と第3容器23との間で移動させ り、せき止めたりできればよく、同様に、 2弁26は、第2経路22を通じて第2流動性物質16 第2容器13と第4容器24との間で移動させたり せき止めたりできればよく、例えば、電磁 などを用いることができる。図5では、第1 25及び第2弁26は、それぞれ第1経路21の上面又 は第2経路22の上面を覆うように設けられてい るが、その位置は特に限定はなく、第1経路21 又は第2経路22の中や下面に設けてもよい。な お、弁の代わりにコックなど他のせき止め手 段を用いてもよい。

 次に、上記の透明材料加工装置20を用い 第1透明材料15の加工法について図5~図7を用 て説明する。まず、第1透明材料15を図5のよ に第2容器13の開放された上面から第2容器13 へ移動させ、第2開口部13aに密着させるよう に固定する。続いて第1流動性物質14を第1容 12へ、第2流動性物質16を第2容器13へそれぞれ の上面から注入する。このとき第1弁25及び第 2弁26は閉じておく。それぞれの流動性物質は 、少なくとも第1透明材料15の加工位置よりも 上まで注ぐ。

 次に、第2容器13の外側から第1透明材料15 向けてレーザを照射する。これは、図1で説 明した方法と同様であるので、ここでは説明 を省略する。そして、加工が完了すると、レ ーザ照射を停止し、図6のように第1弁25を開 し、第1容器12中の第1流動性物質14を第1経路2 1を通じて第3容器23へ落下させて収容する。 様に、第2容器13中の第2流動性物質16を第2経 22を通じて第4容器24へ落下させて収容する その後、第1透明材料15を取り出す。

 続けて新たな第1透明材料15を加工する場 は、この状態で第1透明材料15を同様に取り ける。そして、図7のように第1弁25及び第2 26を開放した状態で、第3容器23及び第4容器24 を、流動性物質がこぼれ出さないように、徐 々にゆっくりと持ち上げる。これにより、第 1流動性物質14及び第2流動性物質16は、それぞ れ第3容器23及び第4容器24から第1経路21及び第 2経路22を通って第1容器12及び第2容器13へ収容 される。そして、第1流動性物質14及び第2流 性物質16が十分に第1容器12及び第2容器13へ移 動したら、第1弁25及び第2弁26を閉じ、第3容 23及び第4容器24を下方へ移動させ、図5の位 まで戻す。その後、レーザ照射によって加 する。

 このように、第3容器23及び第4容器24を用 ることにより、新たな透明材料に付け替え ために、第1容器12及び第2容器13の上面から 動性物質を抜かなくてよいので、作業性が 上し、量産に適している。

 また、第1流動性物質14を第3容器23へ移動 せて再び第1容器12へ戻すことにより、第1流 動性物質14を循環させることができ、大面積 透明基板を加工するときに起こりうるエッ ング付近の第1流動性物質14の劣化の影響を 減することができる。したがって、エッチ グの精度を維持することができるとともに エッチングの再現性も向上させることがで る。

 なお、上記の透明材料加工装置20は、図8 示す透明材料加工装置30のような形態とし もよい。透明材料加工装置30は、透明材料加 工装置20から第1弁25及び第2弁26を省略し、少 くとも第4容器24の側面24aのレーザが照射さ る部分が、使用するレーザ波長に対して透 性を有する構成としたものである。

 この構成によれば、図8のように第1及び 2容器12、13と第3及び第4容器23、24とを重ねた 状態でレーザ照射可能である。そして、第1 明材料15を取り替える際には、図9のように 1及び第2容器12、13を持ち上げる。これによ 、第1及び第2流動性物質14、16はそれぞれ第1 び第2経路21、22を通じて第3及び第4容器23、2 4へ移動するので、容易に第1透明材料15を取 替えることができる。そして、第1弁25及び 2弁26も不要となる。

 本発明において、貫通穴を加工した場合 貫通穴を通じて第1及び第2流動性物質14、16 互いに混ざることが考えられるが、多少混 って第1流動性物質14の濃度が多少薄くなっ としてもレーザの吸収率はほとんど変わら いので十分に再利用可能である。一方、第2 流動性物質14に第1流動性物質16が多少混ざっ 第2流動性物質が数%の濃度になったとして レーザに反応する濃度にはほど遠く、レー の焦点も透明材料の裏面にあるので、第2流 性物質16を再利用してもレーザによって透 材料の表面が加工されてしまうことはない したがって、貫通穴を加工する場合、第1流 性物質14及び第2流動性物質16は何回も再利 することができ経済的である。

 次に、本発明の透明材料加工装置のさら 他の実施形態について説明する。図10は、 発明の透明材料加工装置の模式的な側断面 である。透明材料加工装置40は、レーザに対 して励起反応性のある第1流動性物質14を第1 明材料15の裏面に接触させ、第1透明材料15の 表面からレーザを照射して第1透明材料15の裏 面から加工する装置である。そのため透明材 料加工装置40は、レーザ装置11と、レーザに して励起反応性のある第1流動性物質14を収 する第1容器12と、第1透明材料15の裏面を第1 動性物質14に接触させるために第1容器12に けられた第1開口部12aとを備えている。

 そして、第2透明材料41が第1透明材料15の 面に密着するように接触している。第2透明 材料41は、第1透明材料15を加工する際、加工 分が貫通間近で残肉が薄くなったときに生 る破損の防止や加工部分が貫通したときに じる第1流動性物質14の流出の防止のために さえておくダミーの材料である。

 第2透明材料41としては、使用するレーザ 長に対して透明性があればよい。例えば、 1透明材料15で例示した材料やゲルを用いる とができる。ゲルとしては、シリコーンを 成分とするアルファゲル(ジェルテック社製 )などが挙げられる。第2透明材料41の形態は 第1透明材料15に密着させるため、第1透明材 15の形態に沿った形態であれば、図10で示し た基板状の他にも、容器状、管状など任意の 形状でよい。そして、少なくとも加工部分を 覆う大きさであればよい。また、第2透明材 41の厚みは、約10μm~数mmのものを用いること できる。なお、第2透明材料41として第1透明 材料15そのものを用いれば、ダミーとして用 た第2透明材料41を、後で第1透明材料15とし 利用することができ無駄がでない。

 そして、エッチングを行うためのレーザ強 は、レーザ波長に対する第1流動性物質14の 収によって異なるが、0.01~100J/cm 2 /pulseが好ましい。さらに好ましくは、0.1~10J/c m 2 /pulseである。レーザ強度が弱すぎるとエッチ ングが起こらず、強すぎると第1透明材料15に 損傷を与える。

 なお、走査光学系18の代わりに走査でき い光学系を用いて、エッチング時には第1透 材料15側を走査させてもよい。また、フォ マスクなどを用いて所望の形状のエッチン を行うようにしてもよい。

 第1透明材料15は、第1開口部12aの第1容器12 外側面にOリング(不図示)などを介して固定さ れている。そして、第2透明材料41が第1透明 料15に密着している。第1透明材料15及び第2 明材料41の固定にはネジやクリップやクラン プなどの固定手段を用いればよい。

 なお、第1透明材料15及び第2透明材料41は 図11のように、第1開口部12aの内側面に固定 てもよい。また、第1容器12の側壁そのもの 加工することもできる。この場合、第1開口 部12aを壁面とし、その壁面を加工することに なる。

 次に、上記の透明材料加工装置40を用い 第1透明材料15の加工法について図10を用いて 説明する。まず、第1透明材料15を第1開口部12 aに密着させるように固定する。続いて第2透 材料41を第1透明材料15の表面側に密着させ ように固定する。そして第1流動性物質14を 1容器12へその上面から注入する。第1流動性 質14は、少なくとも第1透明材料15の加工位 よりも上まで注ぐ。このとき気泡が混ざら いように注意する。気泡は加工の妨げとな からである。

 これで、第1流動性物質14を第1透明材料15 裏面に、第2透明材料41を第1透明材料15の表 に接触させた状態となる。次に、第2透明材 料41の表面側からレーザを照射する。つまり 第1透明材料15の表面からレーザを照射する とになる。レーザの焦点は第1透明材料15の 面と第1流動性物質14との接触面に合わせる

 第1透明材料15及び第2透明材料41に対する ーザの入射角は任意に設定でき、第1流動性 物質14と第1透明材料15との接触面にレーザが 達できればよい。また、単一のレーザビー を照射するか、複数のレーザビームを同時 又は続けて照射するかは任意であり、少な とも、1つのレーザビームが第1流動性物質14 と第1透明材料15との接触面に照射されればよ い。したがって、上述したように、レーザを レンズにより集光させて直接照射する方法や 、フォトマスクを介して照射する方法など、 任意の方法によって行うことができる。

 このようにしてレーザを照射すると、第1 透明材料15のレーザ入射側である表面では何 変化はないが、第1流動性物質14と接触した 1透明材料15の面ではレーザ照射部分にのみ 択的にエッチングが行える。また、マスク ターンを通してレーザ照射することによっ 、線幅が数μmの鮮明なエッチングパターン 形成も可能である。しかもエッチング部分 は何ら化学的な劣化や損傷を与えない。エ チング速度はレーザ強度に依存し、エッチ グ工程を精密に制御できる。また、エッチ グの深さは、レーザパルス数に比例して増 するので、エッチング深さを精密に制御で る。

 また、作業温度としては、第1流動性物質 14の流動性が保持される温度であれば特に限 はない。さらに、エッチングの安定性を高 るための手段、例えば、第1流動性物質14を 環する方法、あるいは、撹拌する方法など 用いてもよい。

 また、上記の実施形態では、第1透明材料 15を垂直に支持して水平レーザによって加工 る例を示したが、第1透明材料15を水平に支 して、垂直方向からレーザを照射する落射 式によっても実施することができる。その には、レーザアブレーションによって発生 る気泡を継続的に除去することが望ましい で、第1透明材料15の裏面に形成されている 1流動性物質14を循環又は撹拌させ、さらに 第1透明材料15の裏面への第1流動性物質14の きつけを行う等の手法で気泡の影響をなく ことが望ましい。

 このような透明材料加工装置の具体例を 12に示す。図12の透明材料加工装置50では、 ーザは、レーザ光源系17から水平方向に発 され、反射鏡42で直角に反射させて鉛直上方 へ導き、走査光学系18で整形され、第2透明材 料41の下側から入射して第1透明材料15の上側 透過し、第1流動性物質14に吸収される構成 なっている。

 ここで第1容器12’は、直方体の1面が開放 された開放面を有する形状となっている。こ の開放面から第1流動性物質14の入れ替えを行 い、開放面の端部を第1透明材料15にOリング( 図示)などを介して固定することで第1流動 物質14の漏れを防止し、第1透明材料15を下に 向けた状態で透明材料加工装置10に取り付け 。そして、第2透明材料41を第1透明材料15に 着させる。第1透明材料15及び第2透明材料41 固定にはネジやクリップやクランプなどの 定手段を用いればよい。

 上記の透明材料加工装置50を用いた第1透 材料15の加工法について図12を用いて説明す る。まず、第1容器12’に第1流動性物質14を注 入し、第1容器12’の開放面に第1透明材料15及 び第2透明材料41を取り付ける。そして、第1 明材料15及び第2透明材料41が下向きになるよ うに第1容器12’を上下逆さまにし、走査光学 系18の上方の所定位置に取り付ける。このと 、第1流動性物質14に気泡が混ざらないよう 注意する。気泡は加工の妨げとなるからで る。

 これで、第1流動性物質14を第1透明材料15 裏面に接触させた状態となる。次に、第2透 明材料41の下側からレーザを照射する。つま 、第1透明材料15の表面からレーザを照射す ことになる。レーザの焦点は第1透明材料15 裏面と第1流動性物質14との接触面に合わせ 。このような透明材料加工装置50によって 本発明の加工法を実現することができる。

 また、接着剤を用いて第2透明材料41を第1 透明材料15に接着する構成としてもよい。図1 3は、その透明材料加工装置60の模式的な側断 面図である。なお、この構成は図11や図12の 置にももちろん適用できる。この透明材料 工装置60が図10の透明材料加工装置40と異な 点は、第2透明材料41と第1透明材料15を接着 る接着剤43を設け、第2透明材料41を固定する クランプなどの固定手段を省略した点である 。なお、接着剤43は、少なくとも加工部分に ければよい。

 接着剤43としては、第2透明材料41と第1透 材料15を接着でき、使用するレーザ波長に して透明性があればよい。さらに、分離が 易であることが望ましい。例えば、エンチ ール樹脂系紫外線硬化型接着剤であるハー ロックOP(電気化学工業株式会社製)やアクリ 系紫外線硬化型接着剤であるハードロックU V(電気化学工業株式会社製)やポリビニルブチ ラール樹脂系接着剤などを用いることができ る。また、接着剤43の厚みは、数μm~数mmとす ことができる。

 次に、上記の透明材料加工装置60を用い 第1透明材料15の加工法について図13を用いて 説明する。まず、第2透明材料41又は/及び第1 明材料15に接着剤43を塗布し、第1透明材料15 と第2透明材料41とを接着する。続いて、第1 明材料15を第1開口部12aに密着させるように 定する。これ以降の加工法は上述した透明 料加工装置40の場合と同様であるので説明を 省略する。

 加工後は、接着された状態の第2透明材料 41及び第1透明材料15を透明材料加工装置60か 取り外し、接着剤43の種類と第1及び第2透明 料16、17の材質とに応じた適切な手法で第2 明材料41と第1透明材料15を分離する。分離の 手法としては、例えば、接着剤43を有機溶剤 溶かしたり、接着剤43を高温で燃焼させた 、接着剤43をプラズマ照射で昇華させたりす るなどの手法がある。

 このように、接着剤を用いて第2透明材料 41を第1透明材料15に接着することにより、第2 透明材料41を透明材料加工装置30に固定する めの固定手段が不要となり、装置を簡略化 きるとともに着脱作業も簡略化される。ま 、接着剤43による固定はクランプなどによる 固定よりも安定しているため、第2透明材料41 及び第1透明材料15が大面積である場合に最適 な手法である。

 上記の透明材料加工装置40、50、60及び加 法によれば、多段階リソグラフィ法による 段階の工程が必要であることに比べて、一 階の処理でエッチングができる。しかも、 空雰囲気が不要である。また、レーザ誘起 ラズマ法に比べて、未照射部分への損傷も けられる。しかもレーザを直接集光する方 とマスクを通して照射する方法とのどちら も可能である。

 また、低レーザ強度のためエネルギー効 が良く、エッチングできる材料の対象範囲 広くなる。さらに、低レーザ強度のために スクを通してパターン状のエッチングも可 で、エッチングパターンの精度は10μm以下 ある。加えて、エッチング速度も制御でき エッチング面の化学組成にも変化を与えな ことから、本発明の加工法は微細化、精密 、高品質化できる方法であるとともに、非 に低コストであり、量産性に富む方法であ 。

 また、上記の透明材料加工装置40、50、60 び加工法では、貫通穴や底の薄い穴を精度 く量産することもできる。この場合も上述 たように、第1透明材料15の裏面からエッチ グしていき、第2透明材料41が一部エッチン されるまでエッチングを続ければ貫通穴が られ、貫通直前でエッチングを終了すれば の薄い穴を得ることができる。

 このエッチング工程において、従来のよ に第2透明材料41を用いない場合は、貫通間 で残肉が薄くなったとき、残肉の表裏の大 圧と第1流動性物質14との圧力差によって残 部分が破損するおそれがあり、破損した場 、穴周辺にクラックや欠けが生じるおそれ ある。これは、貫通穴や底の薄い穴の径が きくなるほど顕著に表れる。

 それに比べて本発明のように、第2透明材 料41を第1透明材料15の表面に接触させている 合は、貫通間近で残肉が薄くなったときで 第2透明材料41が残肉を押さえているので、 1流動性物質14の圧力によって残肉部分が破 することもクラックや欠けが生じることも い。

 また、従来のように第2透明材料41を用い い場合は、貫通穴を開けると第1流動性物質 14が流出することになる。そして、流出した 1流動性物質14は、装置の光源系や駆動系に 大なダメージを与えるおそれがある。それ 比べて本発明のように、第2透明材料41を第1 透明材料15の表面に接触させている場合は、 1透明材料15が貫通したときでも第2透明材料 41がその貫通穴を封止するので、第1流動性物 質14が流出することがない。

 このように、貫通穴や底の薄い穴を加工 る場合、第2透明材料41を第1透明材料15の表 に接触させることで加工精度を飛躍的に向 させることができるとともに、光源系や駆 系へのダメージを防止することができる。 お、貫通穴や底の薄い穴の形状は、円、楕 、多角形など、任意の形状に加工できる。 た、貫通穴や底の薄い穴の形状を円とした 合、その直径は0.01mm以上であれば加工可能 あり、約0.1mmまでが最適に加工可能である この大きさの穴を精度良く大量に加工でき ので、例えばインクジェット用ノズルの加 に利用することができる。

 本発明による貫通穴の加工は、インクジ ット用ノズルの加工などに利用することが きる。また、本発明の加工は、マイクロレ ズアレイ、回折格子、光導波路、発光素子 回折素子(DOE)、フェーズマスク、フォトニ ク素子、液晶配向基板、などの光学素子の 工やDNAチップ基板、マイクロリアクター反 容器、マイクロ分析セル、センサー基板な の化学・環境・バイオ・医療用材料の調製 極微小マーキング、微小電気回路素子など 産業応用材料のように様々な応用が可能で る。