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Patent Searching and Data


Title:
TUNGSTEN RECOVERY METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174907
Kind Code:
A1
Abstract:
A tungsten recovery method characterized by inducing the leaching of tungsten while suppressing the leaching of silicon from a tungsten raw material containing tungsten oxide and silicon by using a weak alkali compound, wherein the majority of the silicon is separated as a residue during the leaching of the tungsten, and a tungsten leachate having an extremely low silicon concentration is recovered.

Inventors:
HARAGUCHI DAISUKE (JP)
ABE JUNJI (JP)
NAGAI YUUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/001010
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
January 15, 2020
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
JAPAN NEW METALS CO LTD (JP)
International Classes:
C22B7/00; C22B3/12; C22B34/36
Foreign References:
JPS4839160B11973-11-21
US4351808A1982-09-28
JP2011047013A2011-03-10
JP2013159788A2013-08-19
JP2004002927A2004-01-08
CN104372169A2015-02-25
JP2019032167A2019-02-28
JP2016089219A2016-05-23
JPS5344154B21978-11-27
JPS5344170B21978-11-27
Other References:
SATOSHI HATTORI, NORI SAITO, TAKASHI OGI, TOSHIYUKI NOMURA, YASUHIRO NISHI, RYOJI ICHIMURA: "Z105: Hydrothermal leaching of tungsten from low-grade scheelite by alkaline water solution", LECTURE ABSTRACTS OF FALL ANNUAL RESEARCH PRESENTATION OF THE SOCIETY OF CHEMICAL ENGINEERS, JAPAN, vol. 41, 30 November 2008 (2008-11-30) - 18 September 2009 (2009-09-18), Tokyo, pages 1064, XP009529719
See also references of EP 3933058A4
Attorney, Agent or Firm:
MATSUNUMA Yasushi et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/174907 12 卩(:17 2020 /001010

請求の範囲

[請求項 1 ] 酸化タングステンと共にケイ素を含有するタングステン原料につい て、 弱アルカリ化合物を用いた弱アルカリ浸出によって、 ケイ素の浸 出を抑制しながらタングステンを浸出することを特徴とするタングス テンの回収方法。

[請求項 2] 弱アルカリ化合物が炭酸ナトリウム、 アンモニア水、 またはリン酸 ナトリウムである請求項 1 に記載するタングステンの回収方法。

[請求項 3] 原料中の酸化タングステン量に対して、 1 . 5倍〜 3 . 0倍モル当量 の弱アルカリ化合物をタングステン原料に加えてタングステンを浸出 する請求項 1 または請求項 2に記載するタングステンの回収方法。

[請求項 4] タングステン原料が、 炭化タングステンおよびケイ素を含むタング ステンスラッジの酸化焙焼物である請求項 1〜請求項 3の何れかに記 載するタングステンの回収方法。

[請求項 5] 前記タングステンスラツジが、 \/\/〇3 2 5〜 3 5 ¾\/†%、 〇〇\/\/〇 4

1 5〜 2 0 «^%、 を含む酸化焙焼物である請 求項 4に記載するタングステンの回収方法。

Description:
\¥02020/174907 1 卩(:17 2020/001010

明 細 書

発明の名称 : タングステンの回収方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 タングステンと共にケイ素を含有するタング ステン原料から効 率よくタングステンを選択的に回収する方法 に関する。

本願は、 2 0 1 9年 2月 2 5日に日本に出願された特願 2 0 1 9 - 0 3 2 1 6 7号について優先権を主張し、 その内容をここに援用する。

背景技術

[0002] 近年、 タングステンは切削用途向けの超硬工具だけ でなく、 電極材料、 配 線材などの電子材料やタングステン触媒など 様々な材料として用いられてお り、 その需要は年々高まってきている。 一方、 タングステン原料の資源は限 られており、 その安定な供給が課題となっている。 このような背景から、 夕 ングステンスクラップなどのようにタングス テンを含む様々な材料からタン グステンを効率よく回収して有効に利用する ことが求められている。

[0003] タングステンスクラップの中には、 ケイ素を 2〜 5〇1/^%程度含むものが あり、 ケイ素含有量の多い材料からタングステンを 有効に回収するには、 ケ イ素を効率よく分離してタングステンのみを 選択的に回収する必要がある。 しかしながら、 従来の方法では処理コストが嵩み、 またタングステン回収率 も低くなるという問題があった。

[0004] ケイ素量の多いタングステン原料から、 タングステンのみを選択的に回収 する方法として以下の方法が従来知られてい る。

( 3 ) タングステン成分とケイ酸成分を含む混合物 とフッ酸含有液とを接触 させてケイ酸成分を溶出させる工程と、 該溶出工程の残渣に含まれる不溶の タングステン含有物からタングステンを回収 する工程とを有するタングステ ンの回収方法。 (特開 2 0 1 6 - 8 9 2 1 9号公報:特許文献 1 )

( 13 ) タングステン成分およびシリカ成分を含む原 料にアルカリ溶液を加え てシリカ成分を浸出し (シリカ浸出工程) 、 固液分離した浸出残渣を酸化焙 \¥02020/174907 2 卩(:171?2020/001010

焼し (酸化焙焼工程) 、 該焙焼物にアルカリ溶液を加えてタングステ ンを浸 出させ ( 浸出工程) 、 該溶液からタングステンを回収する方法。 (特許第 5 3 4 4 1 5 4号公報:特許文献 2)

(〇) タングステン成分およびシリカ成分を含む原 料を酸化焙焼し、 該焙焼 物にアルカリ溶液を加えてタングステン成分 、 シリカ成分を浸出させ、 タン グステン成分およびシリカ成分を含む浸出液 に水酸化カルシウムを加えて液 中のシリカ成分を沈殿化し、 これを固液分離してタングステン成分の浸出 液 を得る工程を有するタングステンの回収方法 。 (特許第 5 3 4 4 1 7 0号公 報:特許文献 3)

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 6 - 8 9 2 1 9号公報

特許文献 2 :特許第 5 3 4 4 1 5 4号公報

特許文献 3 :特許第 5 3 4 4 1 7 0号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 特許文献 1の方法は炭化タングステン( 〇)がフッ酸と反応しないことを 利用し、 フッ酸(1 ~ 1 )によってケイ素を浸出している。 また、 特許文献 2の 方法は 〇が 3〇 1 ~ 1と反応しないことを利用し、 3〇 1 ~ 1によってケイ素 を浸出している。 何れも、 最初にタングステン原料中のケイ素を浸出し て 〇含有残渣と分離し、 含有残渣を酸化焙焼して を酸化タングス テン(\^/〇 3 )に変えてアルカリ浸出する方法である 。 これらの方法では原料中 のケイ素を前処理的に除去するため手順とし ては合理的であるが、 プロセス 全体として結果的にケイ素浸出と 〇 3 浸出の 2回の浸出工程と固液分離を繰 り返す。 このため、 処理工程が煩雑になり、 処理時間の長期化や処理設備の 大型化を招き、 生産性が低下しやすい。 また、 ケイ素浸出工程において、 ケ イ素と ! ! またはケイ素と 3〇 ! !を含む廃水が発生するため、 廃水処理の \¥02020/174907 3 卩(:171?2020/001010

対策が必要になる。

[0007] さらに、 タングステン原料として、 タングステンスラツジなどを用いる場 合、 タングステンスラツジなどには切削油などの 油分が含まれているので、 高粘性でハンドリング性が低く、 水溶液にも懸濁し難い。 そのため焙焼処理 などによって油分を除去する前に薬液に懸濁 させることによってケイ素浸出 を行うことは、 処理時間が長期化しやすい。 また油分の付着などによる設備 への損傷も発生しやすいなどの問題も招く。

[0008] 特許文献 3の方法は、 とケイ素を含有する原料を最初に酸化焙焼し て \^/〇を\^/〇 3 に酸化させ、 3〇 1 ~ 1によって浸出処理を施してタングステ と 共にケイ素を浸出させるが、 この浸出液にケイ素を除去する処理を施して い る。 すなわち、 浸出液に水酸化カルシウム〇 3(〇 1 ~ 1) 2 を添加して〇 3〇 3 1 〇 2 - 1 ~ 1 2 〇を沈殿させ、 これを固液分離してケイ素を除去している。

[0009] 特許文献 3の方法では最初に原料を酸化焙焼すること よって油分が分解 されるため油分に関わる諸問題は解消されて いる。 しかしながら、 〇 1 ~ 1) 2 添加による沈殿処理の際に、 浸出液中のタングステンの一部がタング ステン酸カルシウム(〇 として沈殿し、 0 3 0 3 I 0 2 1 ~ 1 2 〇沈殿 中にタングステンが移行して失われてしまう という問題がある。 さらに、 こ れらの沈殿には浸出液が必然的に付着するた め、 該浸出液に含まれるタング ステンの一部がこれらの沈殿に付着してやは りタングステンの損失になる。 また、 これらの沈殿については埋立処分など別途処 理をする必要があり、 追 加コストや環境負荷などを招く原因になる。 課題を解決するための手段

[0010] 本発明の一態様に係るタングステン回収方法 は、 従来方法の上記問題を解 決したタングステン回収方法であって、 タングステンと共にケイ素を含有す るタングステン原料から効率よくタングステ ンを選択的に回収する方法を提 供する。

[001 1 ] 本発明の一態様は以下のタングステン回収方 法に関する。

〔1〕 酸化タングステンと共にケイ素を含有するタ ングステン原料について \¥02020/174907 4 卩(:17 2020/001010

、 弱アルカリ化合物を用いた弱アルカリ浸出に よって、 ケイ素の浸出を抑制 しながらタングステンを浸出することを特徴 とするタングステンの回収方法

〔2〕 弱アルカリ化合物が炭酸ナトリウム、 アンモニア水、 またはリン酸ナ トリウムである上記 [1] に記載するタングステンの回収方法。

〔3〕 原料中の酸化タングステン量に対して、 1 . 5倍〜 3 . 0倍モル当量の 弱アルカリ化合物をタングステン原料に加え てタングステンを浸出する上記 [1] または上記 [2] に記載するタングステンの回収方法。

〔4〕 タングステン原料が、 炭化タングステンおよびケイ素を含むタング ス テンスラツジの酸化焙焼物である上記 [1] 〜上記 [3] の何れかに記載す るタングステンの回収方法。

〔5〕 前記タングステンスラツジが、 \^〇 3 2 5 ~ 3 5 ¾^%、 〇〇\^/〇 4 1 5 〜 2 0 %、 を含む酸化焙焼物である上記 [4] に記 載するタングステンの回収方法。

発明の効果

[0012] 本発明の一態様に係るタングステン回収方法 では、 弱アルカリ浸出によっ て、 ケイ素の浸出を抑制してタングステンを浸出 するので、 タングステン浸 出時にケイ素の大部分が残渣として分離され る。 従って、 ケイ素濃度が極め て低いタングステン浸出液を得ることができ る。

また本発明の一態様に係るタングステン回収 方法は、 ケイ素の浸出および 固液分離からタングステンの浸出および固液 分離をするといったような複雑 な処理工程を実施する必要が無く、 処理工程がシンプルである。 そのため処 理時間を短縮や処理設備の簡略化をすること ができ、 また生産性を高めるこ とができる。 さらに固液分離の回数が少ないことから、 タングステンの共沈 や吸着、 付着などによってタングステンが残渣に移行 して損失してしまうこ とを抑制することができる。

[0013] 本発明の一態様に係るタングステン回収方法 は、 フツ化水素などの薬剤を 用いないので薬剤コストを低減することがで き、 処理操作を安全に行うこと \¥02020/174907 5 卩(:171?2020/001010

ができる。 さらに、 本発明の一態様に係るタングステン回収方法 は、 従来方 法のようなカルシウム化合物の薬剤を使用し ないので、 余分な沈殿が発生せ ず、 廃水処理や汚泥処分などの手間を省くことが でき、 処理コストや環境負 荷などを軽減することができる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1 ]本発明の実施形態に係る回収方法の一例を す処理工程図である。

発明を実施するための形態

[0015] 次に、 本発明の実施形態を図面に基づいて説明する 。

図 1は、 本発明の第 1実施形態に係る回収方法の一例を示す処理 程図で ある。

[0016] <ケイ素含有タングステン原料 >

本実施形態に係るタングステン回収方法は、 酸化タングステンと共にケイ 素を含有するタングステン原料からタングス テンを選択的に浸出して回収す る方法である。 上記タングステン原料としては、 炭化タングステン( 〇)お よびケイ素を含むタングステンスラツジなど の酸化焙焼物などを用いること ができる。 〇およびケイ素を含むタングステンスラツジ としては、 例えば 超硬工具の使用工程から排出される切削屑ス ラリーの回収スラツジなどが該 当する。 切削屑の回収スラツジには、 超硬工具成分由来の炭化タングステン( 〇)やコバルト(〇〇)に加え、 固液分離回収時の濾過助剤として使用されて いる珪藻土(3 丨 〇 2 )が混入している。

[0017] 一般に、 上記回収スラツジに含まれている や(3〇は、 酸化焙焼すると 、 次式 [ 1 ] [ 2 ]のように反応し、 概ね \^/〇 3 2 5〜 3 5(/^%、 〇〇\^/〇 4 1 5 〜 2 0 «^%、 を含む焙焼物になる。

\^/〇 + 5 / 2〇 2 ® \^/〇 3 +〇〇 2 [ 1 ]

\/\/〇 +〇0 + 3〇 2 ® 〇〇\/\/〇 4 +〇〇 2 [ 2 ]

[0018] <弱アルカリ浸出工程 3 0 1 >

本実施形態に係るタングステン回収方法は、 浸出薬剤として弱アルカリ化 合物を用いる。 弱アルカリ化合物としては、 炭酸ナトリウム、 アンモニア水 \¥02020/174907 6 卩(:171?2020/001010

、 またはリン酸ナトリウムなどを用いることが できる。 炭酸ナトリウムやリ ン酸ナトリウムなど用いることによって、 酸化タングステン( 〇 3 )は次式 [ 3] のように反応し、 タングステン酸ナトリウム( 3 2 \^〇 4 )を生じて浸出 される。 一方、 弱アルカリ化合物によってケイ素は浸出され 難いので、 タン グステンを選択的に浸出することができる。

\^/〇 3 3 ) + 3 2 〇〇 3 (a q) +1 ~ 1 2 〇 ® 3 2 \^/〇 4 (a q) +1 ~ 1 2〇〇 3 (8 ) [3]

[0019] 弱アルカリ化合物の使用量は、 原料中の酸化タングステン量に対して、 1.

5倍〜 3.0倍モル当量が好ましく、 2.0倍〜 2.5倍モル当量がより好まし い。 この使用量が 〇 3 量に対して 3.5倍モル当量以上になるとケイ素の浸 出量が増えるので、 ケイ素の浸出を抑制するには、 弱アルカリ化合物の使用 量は上記範囲 ( 1.5倍〜 3.0倍モル当量) が好ましい。

[0020] 上記タングステン原料 (タングステンスラツジの酸化焙焼物など) に水を 加えてスラリーにし、 このスラリーに炭酸ナトリウムなどの弱アル カリ化合 物を加えて浸出を行うとよい。 該スラリーの固形分濃度は 1 〇〜 6009八の 範囲が良く、 300〜 350 9 /1_の範囲がより好ましい。 スラリー濃度が上記 範囲より低いと薬剤費や処理量などの経済性 が低下し、 スラリー濃度が上記 範囲より高いと浸出時間が長くなる。

[0021] 浸出温度は 1 00 ° 〇以上がよく、 1 50 ° 〇~ 200 ° 〇がより好ましい。 浸 出時間は 2.5時間〜 3.5時間程度で良い。

[0022] 上記浸出工程 301 において、 例えば、 原料中の酸化タングステン量に対 して 1.5倍〜 3.0倍モル当量の炭酸ナトリウムを用いること により、 ケイ 素の浸出を抑制しつつ、 タングステンの浸出を促すことができ、 \^/〇 3 浸出率 90%以上であって、 浸出液の 3 丨濃度と \^/0 3 濃度の比 (3 丨 [9八]/ \^/〇 3 [ 9/1]) を〇.〇 04未満に抑制した浸出液を得ることができる

[0023] 一般に液中の 3 丨 [9八]/ \^/〇 3 9 八]濃度比が 0.005未満であれば、 3 丨 濃度が十分に低いので浸出液中における 3 丨の再沈殿化を防止することがで きる。 本発明の回収方法では浸出液の 3 丨 [9八]/ \^/0 3 9 八]濃度比を 0.00 \¥02020/174907 7 卩(:171?2020/001010

4未満に抑制することができるので、 3 丨の再沈殿が生じない。

[0024] 3 〇1 ~ 1を用いたアルカリ浸出を行うと、 次式 [4 ][ 5]に示すように、 酸 化タングステン( 〇 3 )と共にケイ素が多く浸出されるので、 タングステンを 選択的に浸出することができない。

\^/〇 3 3 ) +2 3〇1 ~ 1 (a q) ® 3 2 \^/〇 4 (a q) + 1 ~ 1 2 〇 - - [4]

3 1 〇 2 (3) +2 3〇1 ~ 1 (39) ® 3 2 3 1 〇 3 (3 ) + 1 ~ 1 2

〇 [ 5 ]

[0025] <回収工程 302>

回収工程 302では、 浸出液と浸出残渣を固液分離して回収する。 この浸 出液にはケイ素が殆ど含まれていないので、 効率よくタングステンを回収す ることができる。 一方、 回収した浸出残渣に水を加えてリパルプ洗浄 (30 3) して残渣に付着している浸出液を洗い出し、 これを固液分離 (304) して洗浄後液 (2次浸出液) を回収し、 該洗浄後液 (2次浸出液) に含まれ ているタングステン( 3 2 4 )を回収することができる。 浸出残渣のリパ ルプ洗浄 (303) は必要に応じて行えば良い。

[0026] 本実施形態に係るタングステン回収方法では 、 弱アルカリ浸出によって、 ケイ素の浸出を抑制してタングステンを浸出 するので、 タングステン浸出時 にケイ素の大部分が残渣として分離される。 従って、 ケイ素濃度が極めて低 いタングステン浸出液を得ることができる。

また本実施形態に係るタングステン回収方法 は、 ケイ素の浸出および固液 分離からタングステンの浸出および固液分離 をするといったような複雑な処 理工程を実施する必要が無く、 処理工程がシンプルである。 そのため処理時 間を短縮や処理設備の簡略化をすることがで き、 また生産性を高めることが できる。 さらに固液分離の回数が少ないことから、 タングステンの共沈や吸 着、 付着などによってタングステンが残渣に移行 して損失してしまうことを 抑制することができる。

[0027] 本実施形態に係るタングステン回収方法は、 フッ化水素などの薬剤を用い \¥02020/174907 8 卩(:171?2020/001010

ないので薬剤コストを低減することができ 、 処理操作を安全に行うことがで きる。 さらに、 本実施形態に係るタングステン回収方法は、 従来方法のよう なカルシウム化合物の薬剤を使用しないので 、 余分な沈殿が発生せず、 廃水 処理や汚泥処分などの手間を省くことができ 、 処理コストや環境負荷などを 軽減することができる。

実施例

[0028] 以下、 本発明に係る回収方法の実施例を比較例と共 に示す。

タングステン原料および浸出残渣中の 〇 3 濃度は規格に定める測定方法 ( 」1 11/1 8128 鉱石中のタングステン定量方法) に則って測定した。 また、 3 I 濃度は蛍光エックス線分析によって測定した 。 浸出液中の 〇 3 濃度および 3 )濃度は丨 〇 一八巳 3分析によって測定した。

ケイ素含有タングステン原料として、 \^/〇 3 濃度 59. および 3 丨濃 度 1 4.7 %を含む酸化焙焼物を用いた。

3 浸出率は、 \^/0 3 浸出率[%]=浸出液中の\^0 3 9 ]/ (浸出液中の 〇 3 [9] +浸出残渣中の \^〇 3 9 ]) の式によって算出した。

浸出液の 3 \^/0 3 濃度比は 3 丨 [9八]/ \^/0 3 9 八]比とした。

[0029] 〔実施例 1〕

ケイ素含有タングステン原料 (上記酸化焙焼物) 1 509をオートクレー ブ容器に仕込み、 水 500111を加えてスラリー濃度 3009八にした。 これに 炭酸ナトリウム 81.7 9 ( [1\1 32 〇〇 3 ] / [ 〇 モル比 =2.0倍当量) を添加し、 200°〇に加熱して 1時間保持して 〇 3 を浸出した。

浸出後の浸出液の液量は 組成は \^/0 3 濃度 1 57.2 9 八、 3 丨濃 度 0.2 1 9 八、 3 \^/〇 3 濃度比は 0.001 3であり、 は目標の 3 \^〇 3 濃度比 0.004より十分に低かった。 また、 乾燥した浸出残渣は 6 8. 0 9 、 浸出残渣中の \^/〇 3 濃度は 6. 4 %であった。 この結果から 〇 3浸出率は 95. 1 %であり、 高い浸出率を得た。

[0030] 〔実施例 2〕

炭酸ナトリウム添加量を 1 02.29 ([N 3 2 0〇 3 ]/[ 〇 3 ]モル比 = 2. \¥02020/174907 9 卩(:171?2020/001010

5倍当量) とし、 その他の条件は実施例 1 と同様にして浸出を行った。 その 結果、 浸出後の浸出液の液量は 55 組成は \^/0 3 濃度 1 57.59八、 3 I濃度 0.22 9 八、 3 \^/〇 3 濃度比は 0.001 4であり、 3 丨濃度は目標 の 3 丨 /\^/〇 3 濃度比 0.004よりも十分に低かった。 また、 乾燥した浸出残 渣は 66. 5 9 、 浸出残渣中の \^/〇 3 濃度は 3. であった。 この結果か ら\^/〇 3 浸出率は 97. 1 %であり、 高い浸出率を得た。

[0031] 〔実施例 3〕

炭酸ナトリウム添加量を 1 22.69 ([N 3 2 0〇 3 ]/[ 〇 3 ]モル比 = 3.

〇倍当量) とし、 その他の条件は実施例 1 と同様にして浸出を行った。 その 結果、 浸出後の浸出液の液量は 組成は \^/0 3 濃度 1 56.9 9 八、 3 I濃度 0.239八、 3 \^/〇 3 濃度比は 0.001 5であり、 濃度は目標 の 3 丨 /\^/〇 3 濃度比 0.004よりも十分に低かった。 また、 乾燥した浸出残 渣は 64. 1 9、 浸出残渣中の \^/〇 3 濃度は 2. であった。 この結果か ら\^/〇 3 浸出率は98.5%であり、 高い浸出率を得た。

[0032] 〔実施例 4〕

炭酸ナトリウム添加量を 57.2 9 ([ 32 〇〇 3 ]/[\^/〇 3 ]モル比= 1.4 倍当量) とし、 その他の条件は実施例 1 と同様にして浸出を行った。 その結 果、 浸出後の浸出液の液量は 組成は \^/〇 3 濃度 1 40.7 9 八、 3 I 濃度〇. 1 6 9 八、 3 \^/〇 3 濃度比は 0.001 2であり、 3 丨濃度は目標の 3 \^/〇 3 濃度比 0.004より十分に低かった。 しかし、 乾燥した浸出残渣 は 7 1. 2 9 、 浸出残渣中の 〇 3 濃度は 2 1. であった。 この結果か ら\^/〇 3 浸出率は 83.2%であり、 〇 3 浸出率を 95%以上に高めるには、 [ 3 2 〇〇 3 ]/[\^/〇 3 ]モル比は1.5倍当量以上が好ましいこと 確認された

[0033] 〔実施例 5〕

炭酸ナトリウムに代えてリン酸ナトリウムを 用い、 その添加量を 1 58.0 9 ([!\! 32 〇〇 3 ]/[\^/〇 3 ]=2.5倍当量) とし、 その他の条件は実施例 1 と 同様にして浸出を彳了った。 その結果、 浸出後の浸出液の液量は 580(111_、 組 \¥02020/174907 10 卩(:171?2020/001010

成は \^/〇 3 濃度 1 49.6 9 八、 3 丨濃度 0.20 9 八、 3 \^/〇 3 濃度比は〇. 001 3であり、 3 I濃度は目標の 3 I /\^/〇 3 濃度比〇.004よりも十分に 低かった。 また、 乾燥した浸出残渣は 66. 9 9 、 浸出残渣中の \^/〇 3 濃度は 4. 11/^%であった。 この結果から 〇 3 浸出率は 96.9%であり、 高い浸 出率を得た。

[0034] 〔比較例 1〕

炭酸ナトリウムに代えて水酸化ナトリウムを 用い、 その添加量を 6 1.7 9 ([ 3 2 〇〇 3 ]/[\^/〇 3 ]モル比 =4.0倍当量) とし、 その他の条件について は実施例 1 と同様にして浸出を行った。 その結果、 浸出後の浸出液の液量は 530111し 組成は 〇 3 濃度 1 65.2 9 八であり、 乾燥した浸出残渣は 68. 6 9 、 浸出残渣中の \^/〇 3 濃度は 2. であった。 この結果から \^/〇 3 浸 出率は 98. 1 %であった。 しかし、 浸出液の 3 丨濃度は 42.99八であり、 多量のケイ素が浸出された。 この結果、 3 丨 /\^/〇 3 濃度比は 0.26と高くな り、 ケイ素浸出を抑制してタングステンを選択的 に浸出するには不適切であ つた。

[0035]

[表 1 ]

産業上の利用可能性

[0036] 本発明は、 タングステンと共にケイ素を含有するタング ステン原料から効 率よくタングステンを選択的に回収する方法 を提供する。