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Patent Searching and Data


Title:
TWELVE-MEMBERED CYCLOMACROLACTAM DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126918
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a twelve-membered cyclomacrolactam derivative having antitumor activity, more specifically a compound represented by formula (1) or its salt. In formula (1), R1 represents a hydrogen atom, a C1-6 alkyl group, a C1-6 alkylcarbonyl group, or a C6-14 arylcarbonyl group; R2 represents a hydrogen atom or a C1-6 alkyl group; R3 represents a hydrogen atom or a hydroxyl group; R4 represents a hydrogen atom or a hydroxyl group; R5 represents a hydrogen atom or a C1-6 alkyl group; R6 represents a hydrogen atom or a hydroxyl group; and R7 represents an acetyl group or the like.

Inventors:
MIYANO MASAYUKI (JP)
ITO DAISUKE (JP)
MURAI NORIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057173
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
EISAI R&D MAN CO LTD (JP)
MIYANO MASAYUKI (JP)
ITO DAISUKE (JP)
MURAI NORIO (JP)
International Classes:
C07D405/06; A61K31/395; A61P35/00; A61P35/02
Domestic Patent References:
WO2002060890A12002-08-08
WO2006001967A22006-01-05
WO2007110705A22007-10-04
WO2007043621A12007-04-19
WO2007043621A12007-04-19
Foreign References:
JP2002060890A2002-02-28
JPH04352783A1992-12-07
JP2003099813A2003-04-04
JP2004011459A2004-01-15
JP2004011661A2004-01-15
JP2007110704A2007-04-26
JP2007110705A2007-04-26
JP2007043621A2007-02-15
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Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo, JP)
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Claims:
 下記式(1)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 3 は水素原子または水酸基を表す;R 4 は水素原子または水酸基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 は水素原子または水酸基を表す;R 7 はR a C(=Y)-{ここにおいて、Yは、酸素原子または硫黄原子を表す;R a は、
  a)置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基、
  b)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルキル基、
  c)置換基を有していても良いC 6-14 アリール基、
  d)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
  e)置換基を有していても良いC 7-22 アラルキル基、
  f)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
  g)置換基を有していても良いC 1-22 アルコキシ基、
  h)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルコキシ基、
  i)置換基を有していても良いC 6-14 アリールオキシ基、
  j)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基、
  k)置換基を有していても良いR N1 R N2 N-(ここにおいて、R N1 およびR N2 は、同一または異なって、
  1)水素原子、
  2)置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基、
  3)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルキル基、
  4)置換基を有していても良い脂肪族C 2-22 アシル基、
  5)置換基を有していても良い芳香族C 7-15 アシル基、
  6)置換基を有していても良いC 6-14 アリール基、
  7)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
  8)置換基を有していても良いC 7-22 アラルキル基、
  9)R N1 およびR N2 が一緒になって結合する窒素原子と共に形成する3ないし14員環非芳香族複素環式基(該非芳香族複素環式基は置換基を有していても良い)、
  10)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
  11)置換基を有していても良いC 3-14 シクロアルキル基、または
  12)置換基を有していても良い3ないし14員環非芳香族複素環式基を表す。)}を表す。]
 で表される化合物またはその塩。
 下記式(2)
 [式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;P 1 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩。
 下記式(3)
 [式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;P 1 は水素原子または保護基を表す;P 3 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩。
 下記式(4-1)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;P 3 は水素原子または保護基を表す;Xはハロゲンを表す。]
で表される化合物またはその塩。
 下記式(4-2)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表す;P 1 は水素原子または保護基を表す;P 3 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩。
 請求項1に記載の化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する医薬。
 抗腫瘍剤である請求項6に記載の医薬。
 固形腫瘍治療剤である請求項7に記載の医薬。
 固形腫瘍治療剤が肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌の治療剤である請求項8に記載の医薬。
 白血病治療剤である請求項7に記載の医薬。
 医薬を製造するための、請求項1に記載の化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種の使用。
 医薬が抗腫瘍剤である請求項11に記載の使用。
 抗腫瘍剤が固形腫瘍治療剤である請求項12に記載の使用。
 固形腫瘍治療剤が肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌の治療剤である請求項13に記載の使用。
 医薬が白血病治療剤である請求項12に記載の使用。
 腫瘍を治療するための、請求項1に記載の化合物またはその塩。
 腫瘍が固形腫瘍である請求項16に記載の化合物またはその塩。
 固形腫瘍が肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌である請求項17に記載の化合物またはその塩。
 腫瘍が白血病である請求項16に記載の化合物またはその塩。
Description:
12員環マクロラクタム誘導体

 本発明は、12員環マクロラクタム誘導体 関し、特に抗腫瘍活性を有する12員環マクロ ラクタム誘導体に関する。

 従来、プラジエノライド化合物として、 (1’’’)

で表されるプラジエノライド B及び式(2’ ’)

で表されるプラジエノライド Dなどが知られ ている。これら化合物は、酒井らによって、 Streptomyces sp. Mer-11107株の培養物から見出さ た12員環マクロライド系化合物であり、優れ た抗腫瘍活性を有することで知られている( えば、特許文献1参照。)。また、特許文献2 いし7には、プラジエノライド B及びプラジ ノライド Dに構造上類似する種々の化合物 開示されている。一方、特許文献8には、プ ラジエノライド B及びプラジエノライド Dの 合成方法が開示されている。

国際公開第2002/60890号パンフレット

特開平4-352783号公報

国際公開第2003/099813号パンフレット

国際公開第2004/011459号パンフレット

国際公開第2004/011661号パンフレット

国際公開第2007/110704号パンフレット

国際公開第2007/110705号パンフレット

国際公開第2007/043621号パンフレット

 しかしながら、特許文献2ないし5および8に 、環部分が12員マクロラクトンである化合 が開示されているのみであり、発酵産物か 得ることのできない化合物である環部分が12 員マクロラクトン以外の化合物及びその合成 法については一切記載されてはいない。
 一方、特許文献6には、一般的な記載として 環部分が12員マクロラクタム等である化合物 記載されてはいるものの、これに対応する 施例は記載されていない。また、特許文献7 には、環部分が12員マクロラクタム等である 合物が記載されている。

 本発明は、抗腫瘍活性を有する12員環マ ロラクタム誘導体およびその合成中間体を 供することを目的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究した結果、環部分が12員マクロラクタ である有用な12員環マクロラクタム誘導体の 合成に成功し、かつ当該12員環マクロラクタ 誘導体が抗腫瘍活性を有することを見出し 本発明を完成させた。上記したように、特 文献7には12員環マクロラクタム化合物が記 されているものの、11位の側鎖の構造を始 として、当該文献に記載の化合物は本願発 の化合物とは全く構造が異なる。

 すなわち、本発明は、
[1] 下記式(1)で表される化合物またはその塩
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 3 は水素原子または水酸基を表す;R 4 は水素原子または水酸基を表す;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 は水素原子または水酸基を表す;R 7 はR a C(=Y)-{ここにおいて、Yは、酸素原子または硫 原子を表す;R a は、
  a)置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基、
  b)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルキル基、
  c)置換基を有していても良いC 6-14 アリール基、
  d)置換基を有していても良い5ないし14員環 ヘテロアリール基、
  e)置換基を有していても良いC 7-22 アラルキル基、
  f)置換基を有していても良い5ないし14員環 ヘテロアラルキル基、
  g)置換基を有していても良いC 1-22 アルコキシ基、
  h)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルコキシ基、
  i)置換基を有していても良いC 6-14 アリールオキシ基、
  j)置換基を有していても良い5ないし14員環 ヘテロアリールオキシ基、
  k)置換基を有していても良いR N1 R N2 N-(ここにおいて、R N1 およびR N2 は、同一または異なって、
  1)水素原子、
  2)置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基、
  3)置換基を有していても良い不飽和C 2-22 アルキル基、
  4)置換基を有していても良い脂肪族C 2-22 アシル基、
  5)置換基を有していても良い芳香族C 7-15 アシル基、
  6)置換基を有していても良いC 6-14 アリール基、
  7)置換基を有していても良い5ないし14員環 ヘテロアリール基、
  8)置換基を有していても良いC 7-22 アラルキル基、
  9)R N1 およびR N2 が一緒になって結合する窒素原子と共に形成 する3ないし14員環非芳香族複素環式基(該非 香族複素環式基は置換基を有していても良 )、
  10)置換基を有していても良い5ないし14員 ヘテロアラルキル基、
  11)置換基を有していても良いC 3-14 シクロアルキル基、または
  12)置換基を有していても良い3ないし14員 非芳香族複素環式基を表す。}}を表す。]
[2]  下記式(2)
 [式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;P 1 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩、
[3]  下記式(3)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;P 1 は水素原子または保護基を表す;P 3 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}
を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩、
[4]  下記式(4-1)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;P 3 は水素原子または保護基を表す;Xはハロゲン 表す。]
で表される化合物またはその塩、
[5]  下記式(4-2)
[式中、R 1 は水素原子、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルカルボニル基またはC 6-14 アリールカルボニル基を表す;R 2 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 4 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;R 5 は水素原子またはC 1-6 アルキル基を表す;R 6 ’は水素原子、水酸基、またはO-保護基を表 ;P 1 は水素原子または保護基を表す;P 3 は水素原子または保護基を表す。ただし、R 4 ’とOP 1 は一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。]
で表される化合物またはその塩、
[6] R 7 がR a ’C(=Y)-{ここにおいて、Yは、酸素原子または 黄原子を表し、R a ’は置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基を表す。}である[1]に記載の式(1) 化合物またはその塩、
[7]Yが酸素原子である[6]に記載の化合物また その塩、
[8] R 7 がアセチル基である[7]に記載の化合物または その塩、
[9] R 4 、R 5 およびR 6 が水素原子である[1]、[6]~[8] のいずれかに記 載の化合物またはその塩、
[10] R 4 が水酸基であり、R 5 が水素原子、メチル基又はエチル基であり、 R 6 水酸基である[1]、 [6]~[8] のいずれかに記載 化合物またはその塩、
[11]R 5 がメチル基である[10]に記載の化合物または の塩、
[12] R 1 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので ある [1]、[6]~[11] のいずれかに記載の化合物 またはその塩、
[13] R 1 が水素原子である [12]記載の化合物またはそ の塩、
[14] R 1 がメチル基である [12]記載の化合物またはそ の塩、
[15] R 2 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので ある [1]、[6]~[14] のいずれかに記載の化合物 またはその塩、
[16] R 2 が水素原子である [15]記載の化合物またはそ の塩、
[17] R 2 がメチル基である [15]記載の化合物またはそ の塩、
[18]R 3 が水素原子である[1]、[6]~[17] のいずれかに 載の化合物またはその塩、
[19]R 3 が水酸基である[1]、[6]~[17] のいずれかに記 の化合物またはその塩、[20] R 4 ’、R 5 およびR 6 ’が水素原子である[2]~[5] のいずれかに記載 の化合物またはその塩、
[21] R 4 ’が水酸基であり、R 5 が水素原子、メチル基又はエチル基であり、 およびR 6 ’が水酸基またはO-保護基である[2]~[5] のい れかに記載の化合物またはその塩、
[22]R 5 がメチル基である[21]に記載の化合物または の塩、
[23] R 1 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので ある[2]~[5]、[20]~[22]のいずれかに記載の化合 またはその塩、
[24] R 1 が水素原子である [23]記載の化合物またはそ の塩、
[25] R 1 がメチル基である [23]記載の化合物またはそ の塩、
[26] R 2 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので ある[2]~[5]、[20]~[25] のいずれかに記載の化合 物またはその塩、
[27] R 2 が水素原子である [26]記載の化合物またはそ の塩、
[28] R 2 がメチル基である [26]記載の化合物またはそ の塩、
[29]  [1]、[6]~[19] のいずれかに記載の化合物 またはその塩から選ばれる少なくとも1種を 効成分として含有する医薬、
[30]  抗腫瘍剤である[29]に記載の医薬、
[31]  固形腫瘍治療剤である[30]に記載の医薬 、
[32]  固形腫瘍治療剤が肺癌、脳腫瘍、乳癌 前立腺癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌の 療剤である[31]に記載の医薬、
[33]  白血病治療剤である[30]に記載の医薬、
[34]  医薬を製造するための、[1]、[6]~[19]の ずれかに記載の化合物またはその塩から選 れる少なくとも1種の使用、
[35]  医薬が抗腫瘍剤である[34]に記載の使用 、
[36]  抗腫瘍剤が固形腫瘍治療剤である[35]に 記載の使用、
[37]  固形腫瘍治療剤が肺癌、脳腫瘍、乳癌 前立腺癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌の 療剤である[36]に記載の使用、
[38]  医薬が白血病治療剤である[35]に記載の 使用、
[39]  腫瘍を治療するための、[1]、[6]~[19]の ずれかに記載の化合物またはその塩、
[40]  腫瘍が固形腫瘍である[39]に記載の化合 物またはその塩、
[41]  固形腫瘍が肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立 癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌である[40] に記載の化合物またはその塩、
[42]  腫瘍が白血病である[39]に記載の化合物 またはその塩、
[43]  有効量の[1]、[6]~[19]のいずれかに記載 化合物またはその塩を患者に投与するステ プを含む、腫瘍の治療方法、
[44]  腫瘍が固形腫瘍である[43]に記載の方法 、
[45]  固形腫瘍が肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立 癌、卵巣癌、大腸癌または皮膚癌である[44] に記載の方法、
[46]  腫瘍が白血病である[43]に記載の方法、
を提供するものである。

 本発明により、抗腫瘍活性を有する新規 12員環マクロラクタム誘導体である化合物 たはその塩を提供することができる。また 本発明の中間体またはその塩を用いること より、本発明の12員環マクロラクタム誘導体 である化合物またはその塩を、製造すること ができる。

 以下に、本明細書において記載する用語 記号等の意義を説明し、本発明を詳細に説 する。

 本発明に係る化合物またはその塩は無水 、水和物または溶媒和物のいずれであって よい。ここで、式(1)の化合物の溶媒和物と 、式(1)の化合物の無溶媒和物に溶媒分子が 媒和した化合物を意味し、特に溶媒和する 媒分子の個数は限定されない。

 また、本明細書においては、各式で表さ る化合物は便宜上平面化学式で記載されて るが、化学式から導かれる一定の異性体を むことができる。すなわち、本発明は、当 化合物の構造上存在するすべての幾何異性 、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性 、互変異性体および異性体混合物を含むこ ができる。

 本明細書において使用する「塩」とは、本 明に係る化合物と塩を形成するものであれ 特に限定されず、例えば、無機塩基との塩 が挙げられ、中でも薬理学的に許容される が好ましい。
 無機塩基との塩の好適な例としては、例え リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩な のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネ ウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミ ウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。

 本願明細書における「C 1-6 アルキル基」とは、炭素数1~6個の直鎖状また は分枝鎖状のアルキル基である。具体例とし ては、例えば、メチル基、エチル基、1-プロ ル基(n-プロピル基)、2-プロピル基(i-プロピ 基)、2-メチル-1-プロピル基(i-ブチル基)、2- チル-2-プロピル基(t-ブチル基)、1-ブチル基( n-ブチル基)、2-ブチル基(s-ブチル基)、1-ペン ル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチ -1-ブチル基、3-メチル-1-ブチル基、2-メチル -2-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、2,2-ジメチ ル-1-プロピル基、1-へキシル基、2-へキシル 、3-へキシル基、2-メチル-1-ペンチル基、3- チル-1-ペンチル基、4-メチル-1-ペンチル基、 2-メチル-2-ペンチル基、3-メチル-2-ペンチル 、4-メチル-2-ペンチル基、2-メチル-3-ペンチ 基、3-メチル-3-ペンチル基、2,3-ジメチル-1- チル基、3,3-ジメチル-1-ブチル基、2,2-ジメ ル-1-ブチル基、2-エチル-1-ブチル基、3,3-ジ チル-2-ブチル基、2,3-ジメチル-2-ブチル基等 挙られる。特にR 1 、R 2 、R 5 およびR 6 において、「C 1-6 アルキル基」はメチル基であることが好まし い。

 本願明細書における「C 1-6 アルキルカルボニル基」とは、前記定義の「 C 1-6 アルキル基」が結合したカルボニル基である ことを意味する。具体例としては、例えば、 アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオ ニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレ リル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が 挙げられる。

 本願明細書における「C 6-14 アリールカルボニル基」とは「C 6-14 アリール基」が結合したカルボニル基である ことを意味する。具体例としては、例えば、 置換基を有してもよいベンゾイル基等が挙げ られる。ここで「置換基」の具体例としては 、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、NO 2 等が挙げられる。

 本願明細書における「C 1-22 アルキル基」とは、炭素数1~22個の直鎖状ま は分枝鎖状のアルキル基を意味する。具体 としては、例えば、上記C 1-6 アルキル基において挙げたものに加えて、2- チルペンチル基、3-メチルペンチル基、n-ヘ プチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシ ル基等が挙げられる。中でも、例えば、メチ ル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル 基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基 tert-ブチル基等が好ましい。

 本願明細書における「不飽和C 2-22 アルキル基」とは、炭素数2ないし22個の直鎖 状または分枝鎖状のアルケニル基、または炭 素数2ないし22個の直鎖状または分枝鎖状のア ルキニル基である。具体例としては、例えば 、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、2- ロペニル基、イソプロペニル基、2-メチル-1- プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1- テニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1- ンテニル基、1-ヘキセニル基、1,3-ヘキサン エニル基、1,5-ヘキサンジエニル基、エチニ 基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブ ニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-エ ニル-2-プロピニル基、2-メチル-3-ブチピニ 基、1-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、1,3-ヘ キサンジインイル基、1,5-ヘキサンジインイ 基等が挙げられる。中でも、例えば、ビニ 基、アリル基、1-プロペニル基、2-プロペニ 基、イソプロペニル基、エチニル基、1-プ ピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2 -ブチニル基、3-ブチニル基等が好ましい。

 本願明細書における「C 6-14 アリール基」とは、6ないし14個の炭素原子で 構成された芳香族炭化水素環式基であり、単 環式基、二環式基、三環式基等の縮合環も含 まれる。具体例としては、例えば、フェニル 基、インデニル基、1-ナフチル基、2-ナフチ 基、アズレニル基、ヘプタレニル基、イン セニル基、アセナフチル基、フルオレニル 、フェナレニル基、フェナントレニル基、 ントラセニル基等が挙げられる。中でも、 えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチ 基等が好ましい。

 本願明細書における「5ないし14員環ヘテ アリール基」とは、窒素原子、硫黄原子お び酸素原子からなる群より選ばれる複素原 を1個以上含んでなる単環式、二環式、三環 式の5ないし14員芳香族複素環式基である。具 体例として、含窒素芳香族複素環式基として は、例えば、ピロリル基、ピリジル基、ピリ ダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基 、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾ トリアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリ ル基、ベンツイミダゾリル基、インドリル基 、イソインドリル基、インドリジニル基、ブ リニル基、インダゾリル基、キノリル基、イ ソキノリル基、キノリジル基、フタラジル基 、ナフタリジニル基、キノキサリル基、キナ ゾリル基、シンノリニル基、ブテリジニル基 、イミダゾトリアジニル基、ピラジノピリダ ジニル基、アクリジニル基、フェナントリジ ニル基、カルバゾリル基、カルバゾリニル基 、ベリミジニル基、フェナントロリニル基、 フェナシニル基、イミダゾビリジニル基等; 硫黄芳香族複素環式基としては、例えば、 エニル基、ベンゾチエニル基等;含酸素芳香 複素環式基としては、例えば、フリル基、 ラニル基、シクロペンタピラニル基、ベン フリル基、イソベンゾフリル基等;2個以上 異種複素原子を含んでなる芳香族複素環式 としては、例えば、チアゾリル基、イソチ ゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニ 基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、 ソキサゾイル基、ベンゾオキサゾリル基、 キサジアゾリル基、オキサジアゾリル基、 ラゾロオキサゾリル基、イミダゾチアゾリ 基、チエノフラニル基、フロピロリル基、 リドオキサジニル基等が挙げられる。中で 、例えば、チエニル基、フリル基、ピリジ 基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジ 基等が好ましい。

 本願明細書における「C 7-22 アラルキル基」とは、前記「C 1-22 アルキル基」において、置換可能な部分が前 記「C 6-14 アリール基」で置換された基である。具体例 として、例えば、ベンジル基、フェネチル基 、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル 、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基 が挙げられる。中でも、例えば、ベンジル 、フェネチル基等が好ましい。

 本願明細書における「5ないし14員環ヘテロ ラルキル基」とは、前記「C 1-22 アルキル基」において、置換可能な部分が前 記「5ないし14員環ヘテロアリール基」で置換 された基である。具体例として、チエニルメ チル基、フリルメチル基、ピリジルメチル基 、ピリダジルメチル基、ピリミジルメチルオ キ基、ピラジルメチル基等が挙げられる。

 本願明細書における「C 1-22 アルコキシ基」とは、前記「C 1-22 アルキル基」において、その末端に酸素原子 が結合した基である。具体例として、例えば 、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基 iso-プロポキシ基、sec-プロポキシ基、n-ブト キシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基,tert- トキシ基、n-ペンチルオキシ基、iso-ペンチ オキシ基、sec-ペンチルオキシ基、n-ヘキソ シ基、iso-ヘキソキシ基、1,1-ジメチルプロ ルオキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2,2- ジメチルプロピルオキシ基、1-メチル-エチル プロポキシ基、1-エチル-メチルプロポキシ基 、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1,2,2-トリメ チルプロポキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基 1,2-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキ シ基、2,3-ジメチルブチルオキシ基、1,3-ジメ ルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、2-エチ ルペントキシ基、3-エチルペントキシ基、ヘ シルオキシ基等が挙げられる。中でも、例 ば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキ 基、iso-プロポキシ基、sec-プロポキシ基、n- トキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基 が好ましい。

 本願明細書における「不飽和C 2-22 アルコキシ基」とは、前記「不飽和C 2-22 アルコキシ基」において、その末端に酸素原 子が結合した基である。具体例として、例え ば、ビニロキシ基、アリロキシ基、1-プロペ ルオキシ基、2-プロペニルオキシ基、イソ ロペニルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、エ チニルオキシ基、2-メチル-1-プロペニルオキ 基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基、1-ブチ テニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブ ニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、1-ヘ セニルオキシ基、1,3-ヘキサンジエニルオキ シ基、1,5-ヘキサンジエニルオキシ基、プロ ルギルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブ ニルオキシ基等が挙げられる。中でも、例 ば、ビニロキシ基、アリロキシ基、1-プロ ニルオキシ基、2-プロペニルオキシ基、イソ プロペニルオキシ基、エチニルオキシ基、1- チニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基等が ましい。

 本願明細書における「C 6-14 アリールオキシ基」とは、前記「C 6-14 アリール」において、その末端に酸素原子が 結合した基である。具体例として、例えば、 フェニルオキシ基、インデニルオキシ基、1- フチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、ア レニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、 ンダセニルオキシ基、アセナフチルオキシ 、フルオレニルオキシ基、フェナレニルオ シ基、フェナントレニルオキシ基、アント セニルオキシ基等が挙げられる。中でも、 えば、フェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ 基、2-ナフチルオキシ基等が好ましい。

 本願明細書における「5ないし14員環ヘテ アリールオキシ基」とは、前記「5ないし14 環ヘテロアリール基」において、その末端 酸素原子が結合した基である。具体例とし 、例えば、ピロリルオキシ基、ピリジルオ シ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジニ オキシ基、ピラジニルオキシ基、トリアゾ ルオキシ基、テトラゾリルオキシ基、ベン トリアゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ 、イミダゾリルオキシ基、ベンツイミダゾ ルオキシ基、インドリルオキシ基、イソイ ドリルオキシ基、インドリジニルオキシ基 ブリニルオキシ基、インダゾリルオキシ基 キノリルオキシ基、イソキノリルオキシ基 キノリジルオキシ基、フタラジルオキシ基 ナフタリジニルオキシ基、キノキサリルオ シ基、キナゾリルオキシ基、シンノリニル キシ基、ブテリジニルオキシ基、イミダゾ リアジニルオキシ基、ピラジノピリダジニ オキシ基、アクリジニルオキシ基、フェナ トリジニルオキシ基、カルバゾリルオキシ 、カルバゾリニルオキシ基、ベリミジニル キシ基、フェナントロリニルオキシ基、フ ナシニルオキシ基、イミダゾビリジニルオ シ基、チエニルオキシ基、ベンゾチエニル キシ基、フリルオキシ基、ピラニルオキシ 、シクロペンタピラニルオキシ基、ベンゾ リルオキシ基、イソベンゾフリルオキシ基 チアゾリルオキシ基、イソチアゾリルオキ 基、フラザニルオキシ基、フェノキサジニ オキシ基、オキサゾリルオキシ基、イソキ ゾリルオキシ基、イソキサゾイルオキシ基 ベンゾオキサゾリルオキシ基、オキサジア リルオキシ基、オキサジアゾリルオキシ基 ピラゾロオキサゾリルオキシ基、イミダゾ アゾリルオキシ基、チエノフラニルオキシ 、フロピロリルオキシ基、ピリドオキサジ ルオキシ基等が挙げられる。中でも、例え 、チエニルオキシ基、フリルオキシ基、ピ ジルオキシ基、ピリダジルオキシ基、ピリ ジルオキシ基、ピラジルオキシ基等が好ま い。

 本願明細書における「脂肪族C 2-22 アシル基」とは、前記「C 1-22 アルキル基」、前記「不飽和C 2-22 アルキル基」において、その末端にカルボニ ル基が結合した基である。具体例として、例 えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ ル基、iso-ブチリル基、バレリル基、iso-バレ ル基、ピバリル基、カプロイル基、デカノ ル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パ ミトイル基、ステアロイル基、アラキドイ 基、アクリル基、プロピオル基、クロトニ 基、iso-クロトニル基、オレイノル基、リノ レノイル基等が挙げられる。

 本願明細書における「芳香族C 7-15 アシル基」とは、前記「C 6-14 アリール基」、前記「5ないし14員環ヘテロア リール基」において、その末端にカルボニル 基が結合した基である。具体例として、例え ば、ベンゾイル基、1-ナフトイル基、2-ナフ イル基、ピコリノイル基、ニコチノイル基 イソニコチノイル基、フロイル基、チオフ ンカルボニル基等が挙げられる。中でも、 えば、ベンゾイル基、1-ナフトイル基、2-ナ トイル基等が好ましい。

 本願明細書における「3ないし14員環非芳 族複素環式基」としては、例えば、アジリ ニル基、アゼチジル基、ピロリジニル基、 ロリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル 、ホモピペリジル基、ホモピペラジル基、 ミダゾリル基、ピラゾリジル基、イミダゾ ジル基、モルホリル基、チオモルホリル基 イミダゾリニル基、オキサゾリニル基、キ クリジル基等が挙げられる。

 本願明細書において用いる「C 3-14 シクロアルキル基」とは、3ないし14個の炭素 原子で構成されたシクロアルキル基を示し、 好適な基としては、例えばシクロプロピル基 、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ クチル基等があげられ、好ましくは例えばシ クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ ヘプチル基、シクロオクチル基等である。

 本願明細書において用いる「置換基を有し いても良い」の置換基とは、
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)チオール基、
(4)ニトロ基、
(5)ニトロソ基、
(6)シアノ基、
(7)カルボキシル基、
(8)ヒドロキシスルホニル基、
(9)アミノ基、
(10)C 1-22 アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n-プ ロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso- チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等)、
(11)不飽和C 2-22 アルキル基(例えばビニル基、アリル基、1-プ ロペニル基、2-プロペニル基、イソプロペニ 基、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピ ニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチ ニル基等)、
(12)C 6-14 アリール基(例えばフェニル基、1-ナフチル基 、2-ナフチル基等)、
(13)5ないし14員環ヘテロアリール基(例えばチ ニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジ 基、ピリミジル基、ピラジル基等)、
(14)3ないし14員環非芳香族複素環式基(例えば ジリジニル基、アゼチジル基、ピロリジニ 基、ピロリル基、ピペリジニル基、ピペラ ニル基、ホモピペリジル基、ホモピペラジ 基、イミダゾリル基、ピラゾリジル基、イ ダゾリジル基、モルホリル基、チオモルホ ル基、イミダゾリニル基、オキサゾリニル 、キヌクリジル基等)、
(15)C 3-14 シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基 シクロブチル基、シクロペンチル基、シク ヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオ チル基)、
(16)C 1-22 アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ 、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、sec-プ ポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、t ert-ブトキシ基等)、
(17)不飽和C 2-22 アルコキシ基(例えばビニロキシ基、アリロ シ基、1-プロペニルオキシ基、2-プロペニル キシ基、イソプロペニルオキシ基、エチニ オキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピ ニルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチ ルオキシ基等)、
(18)C 6-14 アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基 1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等) 、
(19)C 7-22 アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキ 基、フェネチルオキシ基、3-フェニルプロピ ルオキシ基、4-フェニルブチルオキシ基、1- フチルメチルオキシ基、2-ナフチルメチルオ キシ基等)、
(20)5ないし14員環へテロアラルキルオキシ基( えばチエニルメチルオキシ基、フリルメチ オキシ基、ピリジルメチルオキシ基、ピリ ジルメチルオキシ基、ピリミジルメチルオ シ基、ピラジルメチルオキシ基等)、
(21)5ないし14員環へテロアリールオキシ基(例 ばチエニルオキシ基、フリルオキシ基、ピ ジルオキシ基、ピリダジルオキシ基、ピリ ジルオキシ基、ピラジルオキシ基等)、
(22)脂肪族C 2-22 アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル 、ブチリル基、iso-ブチリル基、バレリル基 iso-バレリル基、ピバリル基、カプロイル基 、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイ ル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ア ラキドイル基、アクリル基、プロピオル基、 クロトニル基、iso-クロトニル基、オレイノ 基、リノレノイル基等)、
(23)芳香族C 7-15 アシル基(例えばベンゾイル基、1-ナフトイル 基、2-ナフトイル基等)、
(24)脂肪族C 2-22 アシロキシ基(例えばアセトキシ基、プロピ ニルオキシ基、アクリルオキシ基等)、
(25)C 2-22 アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ ボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポ キシカルボニル基、iso-プロポキシカルボニ 基、n-ブトキシカルボニル基、iso-ブトキシ ルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert -ブトキシカルボニル基等)、
(26)不飽和C 3-22 アルコキシカルボニル基(例えばビニロキシ ルボニル基、アリロキシカルボニル基、1-プ ロペニルオキシカルボニル基、2-プロペニル キシカルボニル基、イソプロペニルオキシ ルボニル基、プロパルギルオキシカルボニ 基、2-ブチニルオキシカルボニル基)である

 本願明細書における「保護基」は、通常 有機合成上水酸基の保護基として用いられ 基であればいかなる基でもよく特に限定さ ない。具体的には、例えば、tert-ブチルジ チルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル 基、トリエチルシリル基、トリイソプロピル シリル基、トリメチルシリル基、ジエチルイ ソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピル シリル基、ジ-tert-ブチルメチルシリル基、ジ フェニルメチルシリル基、トリメチルシリル エトキシメチル基、トリメチルシリルエチル 基等のシリル系保護基、メトキシメチル基、 2-メトキシエトキシメチル基、2,2,2-トリクロ エトキシメチル基、1-エトキシエチル基、1- メチル-1-メトキシエチル基、テトラヒドロピ ラニル基等のアルコキシアルキル系保護基、 ベンジル基、4-メトキシベンジル基、3,4-ジメ トキシベンジル基、2,5-ジメトキシベンジル 、2,3,4-トリメトキシベンジル基、3,4,5-トリ トキシベンジル基、2-ニトロベンジル基、4- トロベンジル基、4-クロロベンジル基、2,6- クロロベンジル基、4-シアノベンジル基、 フェニルメチル基、トリフェニルメチル基 のベンジル系保護基、アセチル基、クロロ セチル基、ジクロロアセチル基、トリクロ アセチル基、フルオロアセチル基、ジフル ロアセチル基、トリフルオロアセチル基、 ロモアセチル基、トリブロモアセチル基、 トキシアセチル基、ピバロイル基、ベンゾ ル基等のアセチル系保護基、メトキシカル ニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニ 基、ベンジルオキシカルボニル基等のアル キシカルボニル系保護基等が挙げられる。

 P 1 における「保護基」の好適な例としては、例 えば、アセチル基、tert-ブチルジメチルシリ 基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリ チルシリル基、トリイソプロピルシリル基 ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル ソプロピルシリル基、メトキシメチル基、1- エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基 、ベンジル基、ベンゾイル基等が挙げられる 。特に、P 1 はアセチル基、またはtert-ブチルジメチルシ ル基であることが好ましい。また、OP 1 は、後述するR 4 ’と一緒になって、
{P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。}を表してもよい。

 P 3 における「水酸基の保護基」の好適な例とし ては、例えば、アセチル基、tert-ブチルジメ ルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル 、トリエチルシリル基、トリイソプロピル リル基、ジエチルイソプロピルシリル基、 メチルイソプロピルシリル基、メトキシメ ル基、ベンジル基、4-メトキシベンジル基、 3,4-ジメトキシベンジル基、2,5-ジメトキシベ ジル基、2,3,4-トリメトキシベンジル基、3,4, 5-トリメトキシベンジル基、ベンゾイル基等 挙げられ、より好ましくはアセチル基、ベ ジル基、4-メトキシベンジル基、ベンゾイ 基である。

 R 4 ’における「水酸基の保護基」の好適な例と しては、例えば、トリエチルシリル基、ジエ チルイソプロピルシリル基、ジメチルイソプ ロピルシリル基、メトキシメチル基、1-エト シエチル基、等が挙げられ、より好ましく メトキシメチル基、1-エトキシエチル基で る。

 R 6 ’における「水酸基の保護基」の好適な例と しては、例えば、tert-ブチルジメチルシリル 、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエ ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、 エチルイソプロピルシリル基、ジメチルイ プロピルシリル基、メトキシメチル基、1-エ トキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、 ベンジル基、ベンゾイル基等が挙げられ、よ り好ましくはtert-ブチルジメチルシリル基、 リエチルシリル基である。

 本発明の式(1)の化合物である12員環マクロ クタム誘導体としては、R 1 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 2 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 3 が水素原子または水酸基であり、R 4 が水素原子または水酸基であり、R 5 が水素原子またはC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 6 が水素原子または水酸基であり、R 7 がR a ’C(=Y)-{ここにおいて、Yは、酸素原子または 黄原子を表し、R a ’は置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基を表す。}またはR N1 R N2 N-[ここにおいて、R N1 およびR N2 は、同一または異なって、l)置換基を有して ても良い式(I)
(式中、n 3 は、1ないし3の整数を表す;R N3 は、水素原子、メチル基、またはエチル基を 表す;R N4 は、水素原子、C 1-22 アルキル基、またはC 3-10 シクロアルキル基を表す。)。またはm)置換基 を有していても良い式(II)
(式中、n1およびn2は、同一または異なって0な いし4の整数を表す;R N5 は、水素原子、またはC 1-6 アルキル基を表す;Xは、-CH 2 、-O-、-S-、または-NR N6 -{ここにおいて、R N6 は、水素原子、置換基を有していても良いC 1-6 アルキル基、置換基を有していても良い不飽 和C 2-10 アルキル基、置換基を有していても良いC 6-14 アリール基、置換基を有していても良い5な し14員環ヘテロアリール基、置換基を有して いても良いC 7-10 アラルキル基、置換基を有していても良いC 3-10 シクロアルキル基、置換基を有していても良 いC 4-9 シクロアルキルアルキル基、置換基を有して いても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基 、または、置換基を有していても良い5ない 14員環非芳香族複素環式基を表す。}を表す )]である化合物であることが好ましい。R 1 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 2 が水素原子およびC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 3 が水素原子または水酸基であり、R 4 が水素原子または水酸基であり、R 5 が水素原子またはC 1-3 アルキル基からなる群より選択されるもので あり、R 6 が水素原子または水酸基であり、R 7 がR a ’C(=Y)-{ここにおいて、Yは、酸素原子または 黄原子を表し、R a ’は置換基を有していても良いC 1-22 アルキル基を表す。}である化合物であるこ がより好ましく、R 1 が水素原子、メチル基、エチル基からなる群 より選択されるものであり、R 2 が水素原子、メチル基、エチル基からなる群 より選択されるものであり、R 3 が水素原子または水酸基であり、R 4 が水素原子または水酸基であり、R 5 が水素原子、メチル基、エチル基からなる群 より選択されるものであり、R 6 が水素原子または水酸基であり、R 7 がアセチル基である化合物であることがさら に好ましい。本発明の式(1)の化合物として、 後述する化合物(P15)、(P16)、(P24)、(P36)が特に ましい。

 本発明の式(1)の化合物は、例えば、下記 示す製造工程により、一般的な有機化学合 手段を用いて合成することができる。なお 各工程の反応終了後、目的の化合物は、常 に従い、反応混合物から精製することがで る。

 なお、下記の各式中、R 1 等の各基は、上記したものとそれぞれ同じ基 を表す。また、製造方法および実施例におい て使用される略号は以下の通りである。
Bn:ベンジル、Et:エチル、Me:メチル、Ph:フェニ ル、Ac:アセチル、TBS:tert-ブチルジメチルシリ ル、Boc:tert-ブトキシカルボニル、TES:トリエ ルシリル、Ts:パラトルエンスルホニル、PMP: ラメトキシフェニル、PMB:パラメトキシベン ジル(4-メトキシベンジル)、DME:1,2-ジメトキシ エタン、DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、THF:テ トラヒドロフラン。

<製造工程A>
 本発明の式(1’)の化合物(式(1)の化合物にお いてR 7 に代えてP 1 を有し、R 4 ’およびR 6 ’がO-保護基であってもよいもの。)は、溶剤 中、触媒存在下、式(11)の化合物と式(2)の化 物とを反応させることにより、合成するこ ができる。

<製造工程A>

 式(1’)の化合物においてR 4 ’および/またはR 6 ’が、O-TBS等のO-保護基である場合、通常の 保護反応により保護基を除去することがで 、これにより式(1)の化合物を得ることがで る。また、P 1 がR 7 への変換が必要ない保護基(アセチル基等)で る場合、製造工程Aにより式(1)の化合物を得 ることができる。P 1 が、アセチル基等のR 7 への変換が必要なTBS等の保護基である場合、 下記製造工程B’またはB”に準じた方法によ 当該変換を行い、これにより式(1)の化合物 得ることができる。また、P 1 から、ウレタン基、チオウレタン基等のR 7 への変換が必要な場合については後述する製 造工程EおよびFならびにこれらに準じた方法 より、式(1)の化合物を得ることができる。

 本工程は、文献(Grubbs,R.H.、「Handbook of Me tathesis」、Wiley-VCH、2003年、第2巻、第246-292ペ ジ。)等に記載された、一般的に用いられて いる方法により行うことができる。より具体 的には、後述の実施例中の工程(1-21)、(2-3)、( 3-8)、(4-12)に記載された反応条件、反応後操 、精製方法等を参考にして行うことができ 。なお、本工程は、窒素ガス、アルゴンガ 等の不活性気体の気流下または雰囲気下で 行うことができる。

 式(11)の化合物としては、特許文献8に記 の製造方法およびこれに準じた方法により 成される化合物を用いることができる。特 、後述の実施例記載の化合物(Q9)、(R1)等であ ることが好ましい。

 式(2)の化合物としては、後述する製造工 Bおよびこれに準じた方法により合成される 化合物を用いることができる。特に、後述の 実施例記載の化合物(P14)、(P22)、(P23)、(P33)、( P34)、(P35)等であることが好ましい。

 本工程において用いられる溶剤としては 出発原料をある程度溶解するものであり、 つ反応を阻害しないものであれば、特に限 されるものではない。具体例としては、例 ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ ベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭 水素系溶剤、ジクロロメタン、1,2-ジクロロ エタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロ ゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。本工 程において用いられる溶剤としては、ハロゲ ン化炭化水素系溶剤等を用いることが好まし い。

 本工程において用いられる触媒としては 例えば、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル -2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニル チレン)-トリシクロヘキシルホスフィン)ル ニウム、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル -2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ(O-イソプ ポキシフェニルメチレン)ルテニウム、トリ クロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6)トリ チルフェニル-4,5-ジヒドロイミダゾール-2- リデン][ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジクロ ド、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イ ミダゾリジニリデン]ジクロロ(2-イソプロポ シ-5-ニトロフェニルメチレン)ルテニウム、[ 1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イミダゾ リジニリデン]ジクロロ(2-イソプロポキシ-3- ェニルフェニルメチレン)ルテニウム、3-ビ -(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イミダゾリジニ リデン]ジクロロ(2,2'-ジイソプロポキシ-1,1’ ナフタレン-3-イルメチレン)ルテニウム、[1, 3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イミダゾ ジニリデン]ジクロロ(2-メトキシフェニルメ レン)ルテニウム、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチ フェニル-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ( 2,4,5-トリメトキシフェニルメチレン)ルテニ ム、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス -(2,4,6)トリメチルフェニル-2,3-ジヒドロイミ ゾール-2-イリデン][ベンジリデン]ルテニウ (IV)ジクロリド、ビストリシクロヘキシルホ フィン[3,3-ジフェニルプロプ-2-エン-1-イリ ン]ルテニウム(IV)ジクロリド、ビス[3-ブロモ ピリジン][1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル- 2-イミダゾリジニリデン][ベンジリデン]ルテ ウム(IV)ジクロリド、ビストリシクロヘキシ ルホスフィン[ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジ クロリド、2,6-ジイソプロピルフェニリミド  ネオフィリデンモリブデニウム ビス(ヘキサ フルオロ-t-ブトキシド)等が挙げられる。中 も、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イ ダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチ ン)-トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニ ム、[1,3-ビス-(2,4,6)トリメチルフェニル-2-イ ダゾリジニリデン]ジクロロ(O-イソプロポキ シフェニルメチレン)ルテニウム、トリシク ヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6)トリメチ フェニル-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデ ン][ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジクロリド 用いることが好ましい。

 本工程において用いられる触媒量は、式( 2)の化合物に対して0.001~1倍モル当量用いるこ とができるが、0.01~0.3倍モル当量用いること 好ましい。

 本工程における反応温度や反応時間等の 応条件は、出発原料や溶剤等の反応に用い れる試薬の種類等を考慮して適宜決定する とができる。例えば、反応温度は、20℃~還 温度(反応容器中の内温)であることが好ま く、還流温度(反応容器中の内温)であること がより好ましい。また、反応時間は、試薬を 添加した後、反応温度にて反応液を0.1~96時間 攪拌することが好ましく、0.5~12時間攪拌する ことがより好ましく、約1~5時間攪拌すること がさらに好ましい。

<製造工程B>
 式(2)の化合物は、式(3)の化合物の-OP 3 をメチレン基に変換することにより合成する ことができる。当該変換は保護基P 3 に応じて種々の反応により行うことができる 。好ましくは、式(2)の化合物は、必要に応じ て任意に式(3)の化合物の-OP 3 を脱保護して水酸基とし、当該水酸基を酸化 してカルボニル基とした後、得られたカルボ ニル基をメチレン基に変換することにより合 成することができる。R 4 ’およびR 6 ’がO-保護基である場合にあっては、P 3 の変換と同時に当該保護基の変換または除去 を行うこともできる。

<製造工程B>

 なお、式(3)の化合物において、P 3 が水素原子である場合には、P 3 の脱保護は必要でなく、そのまま酸化反応を 行うことができる。P 3 が保護基である場合には、脱保護反応により 、P 3 を水素原子とした後に酸化反応を行うことが 好ましい。本工程における脱保護反応は、保 護基の種類に応じて、水酸基の保護基を脱保 護する場合に通常行われている一般的な有機 合成手段によって行うことができる。より具 体的には、後述の実施例中の工程(1-12)、(1-13) 、(3-5)、(4-9)に記載された反応条件、反応後 作、精製方法等を参考にして行うことがで る。

 また、式(3)の化合物において、P 1 が水素原子である場合には、保護反応により P 1 を保護基とした後に酸化反応を行うことが好 ましい。本工程における水酸基の保護反応は 、保護基の種類によって異なるが、水酸基を 保護する場合に通常行われている一般的な有 機合成手段によって行うことができる。より 具体的には、後述の実施例中の工程(1-11)、(3- 4)に記載された反応条件、反応後操作、精製 法等を参考にして行うことができる。

 本工程の酸化反応は、Dess-Martin Periodinane( DMP)を用いる酸化反応等の一般的に用いられ いる方法により行うことができる。また、 工程のメチレン基への変換反応は、Wittig反 等の一般的に用いられている方法により行 ことができる。より具体的には、後述の実 例中の工程(1-14)、(3-6)に記載された反応条件 、反応後操作、精製方法等を参考にして行う ことができる。

 式(3)の化合物としては、後述する製造工 C1およびC2ならびにこれらに準じた方法によ り合成される化合物を用いることができる。 特に、後述の実施例記載の化合物(P11)、(P12) (P13)、(P20)、(P21)、(P32)等であることが好まし い。

<製造工程B’>
 必要に応じて任意に、製造工程Bにより得ら れた式(2)の化合物における保護基P 1 を変換し、式(2’)の化合物とすることができ る。具体的には、上記製造工程Aの前に、TBS の保護基P 1 を、R 7 への変換が必要ない保護基(アセチル基等)に め変換することができる。式(2')の化合物は 、脱保護反応により式(2)の化合物の-OP 1 を水酸基とした後、得られた水酸基を修飾す ることにより、合成することができる。

<製造工程B’>
[式中、P 1 'は水素原子またはR 7 への変換が必要ない保護基(アセチル基等)を す。]

 本工程における脱保護反応は、保護基の種 に応じて、水酸基の保護基を脱保護する場 に通常行われている一般的な有機合成手段 よって行うことができる。同様に、本工程 おける修飾反応は、修飾基の種類に応じて 水酸基を修飾する場合に通常行われている 般的な有機合成手段によって行うことがで る。例えば、脱保護反応により式(2)の化合 の-OP 1 を水酸基とし、得られた化合物を無水酢酸と 反応させることにより、水酸基にアセチル基 を導入する修飾を行うことができる。より具 体的には、後述の実施例中の工程(3-7)に記載 れた反応条件、反応後操作、精製方法等を 考にして行うことができる。

 式(2)の化合物としては、上記製造工程Bお よびこれに準じた方法により合成される化合 物を用いることができる。特に、後述の実施 例記載の化合物(P22)等であることが好ましい

<製造工程B’’>
 特に式(2)の化合物において、R 4 ’とOP 1 が一緒になって、
 [P 2 はフェニル基またはC 1-6 アルキル基を表す。]
を表す場合(式(2’’))、式(2')の化合物は、溶 剤中、試薬存在下、式(2’’)の化合物の6位 7位の水酸基の保護基を除去した後に、得ら た化合物の7位の水酸基を修飾することによ り、合成することができる。

<製造工程B’’>

 本工程の除去反応は、文献(Green, T.W.、「 Protective Groups in Organic Synthesis 3rdEdition」、 Wiley-interscience、1999年。)等に記載された、一 的に用いられている方法により行うことが きる。より具体的には、後述の実施例中の 程(4-10)に記載された反応条件、反応後操作 精製方法等を参考にして行うことができる

 式(2’’)の化合物としては、上記製造工 Bおよびこれに準じた方法により合成される 化合物を用いることができる。特に、後述の 実施例記載の化合物(P33)等であることが好ま い。

 本工程の除去反応において用いられる溶 としては、出発原料をある程度溶解するも であり、かつ反応を阻害しないものであれ 、特に限定されるものではない。具体例と ては、例えば、メタノール、エタノール等 アルコール系溶剤、水等が挙げられる。本 程において用いられる溶剤としては、アル ール系溶剤等を用いることが好ましい。

 本工程の除去反応において用いられる試 としては、例えば、塩酸、硫酸、フッ化水 酸、過塩素酸等の無機酸、p-トルエンスル ン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PP TS)、トリフルオロメタンスルホン酸、メタン スルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有 機酸等が挙げられる。本工程において用いら れる試薬としては、PPTSを用いることが好ま い。

 本工程の除去反応において用いられる試 量は、式(2’’)の化合物に対して0.05~20倍モ ル当量用いることができるが、0.1~10倍モル当 量用いることが好ましく、1~2倍モル当量用い ることがより好ましい。

 本工程の除去反応における反応温度や反 時間等の反応条件は、出発原料や溶剤等の 応に用いられる試薬の種類等を考慮して適 決定することができる。例えば、反応温度 、0~50℃(反応容器中の内温)であることが好 しく、室温(反応容器中の内温)であること より好ましい。また、反応時間は、試薬を 加した後、反応温度にて反応液を0.5~96時間 拌することが好ましい。

 除去反応により得られた化合物に対し、7 位の水酸基の修飾反応を行うことにより式(2' )の化合物を合成することができる。本工程 おける修飾反応は、修飾基の種類に応じて 水酸基を修飾する場合に通常行われている 般的な有機合成手段によって行うことがで る。より具体的には、後述の実施例中の工 (4-11)に記載された反応条件、反応後操作、 製方法等を参考にして行うことができる。

<製造工程C1>
 一の態様では、式(3)の化合物は、式(4-1)の 合物を閉環化することにより、合成するこ ができる。閉環化はNozaki-Hiyama-Kishi反応によ 行うことができる。好ましくは、式(3)の化 物は、式(4-1)の化合物の水酸基を酸化した 、得られたアルデヒド基とハロゲン原子と 間で閉環化することにより、合成すること できる。特にR 2 がC 1-6 アルキル基を表す場合、本工程を用いること が好ましい。

<製造工程C1>

 本工程は、Furstnerらの方法(Chemical Review、 1999年、第99巻、第991-1045ページ。)、Stamosらの 方法(Tetrahedron Letter、1997年、第38巻第36号、 6355-6358ページ。)、Pilliらの方法(The Journal of  Organic Chemistry、1998年、第63巻、第7811-7819ペ ジ。)等の公知の方法により行うことができ る。より具体的には、後述の実施例中の工程 (1-11)、(3-4)に記載された反応条件、反応後操 、精製方法等を参考にして行うことができ 。本反応は、窒素、アルゴンなどの不活性 体の気流下または雰囲気下でも行うことが きる。

 本工程において、溶剤は、出発原料をあ 程度溶解するものであり、かつ、反応を阻 しないものであれば、特に制限はない。溶 として、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド 、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラ ン、またはそれぞれの混合溶媒等を用いるこ とができ、好適には、N,N-ジメチルホルムア ド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロ ランを用いることができ、さらに好適にはN, N-ジメチルホルムアミドを用いることができ 。

 本工程において触媒として、塩化クロム( II)、塩化ニッケル(II)等を用いることができ 。触媒は、化合物(4-1)に対して0.002~15倍モル 量用いることができ、好適には、0.04~10倍モ ル当量用いることができ、より好適には、0.0 6~6倍モル当量用いることができる。

 反応温度は、通常、出発原料、溶剤、そ 他反応に用いる試薬によって異なり、好適 は、0℃~30℃(反応容器中の内温)であり、よ 好適には、0℃~室温であり、さらに好適に 、室温(15~25℃)である。

 反応時間は、通常、出発原料、溶剤、そ 他反応に用いる試薬、反応温度によって異 り、試薬を加えた後、上記反応温度にて反 液を1~24時間撹拌するのが好適であり、2~13 間撹拌するのがより好適であり、3~13時間撹 するのがより好適である。

 式(4-1)の化合物としては、後述する製造 程D1およびこれに準じた方法により合成され る化合物を用いることができる。特に、後述 の実施例記載の化合物(P10)、(P19)等であるこ が好ましい。

<製造工程D1>
 式(4-1)の化合物は、式(17)の化合物と式(18)の 化合物を反応させることにより、合成するこ とができる。好ましくは、脱保護反応により 、式(17)の化合物のアミノ基の保護基を除去 た後、式(18)の化合物のカルボニル基と脱水 合反応させてアミド結合を形成することに り式(4-1)の化合物を得ることができる。

<製造工程D1>
[式中、P 4 は保護基を表す;P 5 は保護基を表す。]

 本工程における脱保護反応は、保護基の 類に応じて、アミノ基の保護基を脱保護す 場合に通常行われている一般的な有機合成 段によって行うことができる。より具体的 は、後述の実施例中の工程(1-10)、(3-3)に記 された反応条件、反応後操作、精製方法等 参考にして行うことができる。

 本工程における脱水縮合反応は、アミド 合を形成する場合に通常行われている一般 な有機合成手段によって行うことができる より具体的には、後述の実施例中の工程(1-1 0)、(3-3)に記載された反応条件、反応後操作 精製方法等を参考にして行うことができる

 式(17)の化合物としては、後述する実施例 (1-10)および(3-3)ならびにそれらに準じた方法 より合成される化合物を用いることができ 。特に、後述の実施例記載の化合物(P7)、(P1 8)等であることが好ましい。

 式(18)の化合物としては、後述する実施例 (1-9)およびこれに準じた方法により合成され 化合物を用いることができる。特に、後述 実施例記載の化合物(P9)等であることが好ま しい。

<製造工程C2>
 他の態様では、式(3)の化合物は、式(4-2)の 合物を閉環化することにより、合成するこ ができる。閉環化はRCM反応により行うこと できる。好ましくは、式(3)の化合物は、溶 中、触媒存在下、式(4-2)の化合物を閉環化す ることにより合成することができる。特に、 R 2 が水素原子を表す場合、本工程を用いること が好ましい。

<製造工程C2>

 本工程は、文献(Grubbs,R.H.、「Handbook of Me tathesis」、Wiley-VCH、2003年、第1-3巻。)等に記 された、一般的に用いられている方法によ 行うことができる。より具体的には、後述 実施例中の工程(4-8)に記載された反応条件、 反応後操作、精製方法等を参考にして行うこ とができる。本反応は、窒素、アルゴンなど の不活性気体の気流下または雰囲気下でも行 うことができる。

 式(4-2)の化合物としては、後述する製造 程D2およびこれに準じた方法により合成され る化合物を用いることができる。特に、後述 の実施例記載の化合物(P31)等であることが好 しい。

 本工程において、溶剤としては、出発原 をある程度溶解するものであり、かつ、反 を阻害しないものであれば、特に制限はな 。溶剤として、例えば、ベンゼン、トルエ 、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベ ゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジクロロ タン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、 四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤等 を用いることができ、好適には、ベンゼン、 トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエ ンを用いることができる。

 本工程において、触媒とは、[1,3-ビス-(2,4 ,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリ ン]ジクロロ(O-イソプロポキシフェニルメチ ン)ルテニウム、トリシクロヘキシルホスフ ィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジ ヒドロイミダゾール-2-イリデン][ベンジリデ ]ルテニウム(IV)ジクロリド、[1,3-ビス-(2,4,6- リメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン ]ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロフェニ メチレン)ルテニウム、[1,3-ビス-(2,4,6-トリメ チルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジク ロ(2-イソプロポキシ-3-フェニルフェニルメ レン)ルテニウム、[1,3-ビス-(2,4,6-トリメチ フェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ (2,2‘-ジイソプロポキシ-1,1’-ビナフタレン-3 -イルメチレン)ルテニウム、[1,3-ビス-(2,4,6-ト リメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン] クロロ(2-メトキシフェニルメチレン)ルテニ ウム、[1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2- ミダゾリジニリデン]ジクロロ(2,4,5-トリメ キシフェニルメチレン)ルテニウム、トリシ ロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメ ルフェニル)-2,3-ジヒドロイミダゾール-2-イ デン][ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジクロリ ド、ビストリシクロヘキシルホスフィン[3,3- フェニルプロプ-2-エン-1-イリデン]ルテニウ ム(IV)ジクロリド、ビス[3-ブロモピリジン][1,3 -ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリ ジニリデン][ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジ ロリド等を意味するが、好適には、[1,3-ビス -(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニ リデン]ジクロロ(O-イソプロポキシフェニル チレン)ルテニウムである。

本工程において用いられる触媒量は、式(4- 2)の化合物に対して0.001~1倍モル当量用いるこ とができるが、0.01~1倍モル当量用いることが 好ましい。

 反応温度は、通常、出発原料、溶剤、そ 他反応に用いる試薬によって異なり、好適 は、25℃~還流温度(反応容器中の内温)であ 、より好適には、還流温度(反応容器中の内 )である。また、反応時間は、通常、出発原 料、溶剤、その他反応に用いる試薬、反応温 度によって異なり、試薬を加えた後、上記反 応温度にて反応液を0.5~48時間撹拌するのが好 適であり、1~8時間撹拌するのがより好適であ る。

<製造工程D2>
 式(4-2)の化合物は、式(23)の化合物と式(24)の 化合物を反応することにより、合成すること ができる。好ましくは、式(23)の化合物のア ノ基と式(24)の化合物のカルボニル基とを脱 縮合反応させてアミド結合を形成すること より式(4-2)の化合物を得ることができる。

<製造工程D2>

 本工程における脱水縮合反応は、アミド 合を形成する場合に通常行われている一般 な有機合成手段によって行うことができる より具体的には、後述の実施例中の工程(4-7 )に記載された反応条件、反応後操作、精製 法等を参考にして行うことができる。

 式(23)の化合物としては、後述する実施例 (4-6)およびこれに準じた方法により合成され 化合物を用いることができる。特に、後述 実施例記載の化合物(P30)等であることが好 しい。

 式(24)の化合物としては、特許文献8に記 の製造方法およびこれに準じた方法により 成される化合物を用いることができる。特 、後述の実施例記載の化合物(Q25)等であるこ とが好ましい。

 その他、本発明の式(1)の化合物において、R 7 がアセチル基であるもの(下記式(25))のアセト キシ基を、一般的な有機合成手段を用いてウ レタン基、チオウレタン基等へ変換すること により、本発明の式(1)の化合物のうち他のも のを合成することができる。代表的な方法と して、ウレタン誘導体の製造方法、チオウレ タンの製造方法等を以下に述べる。

<製造工程E>
 本発明の式(1)の化合物のうちウレタン誘導 は、式(25)の化合物を出発化合物とした以下 の反応ルートにより合成することができる。

[式中、R 3a 、R 4a 、R 6a は、R 3 、R 4 、R 6 が水酸基を表す場合に、O-Pを表す(Pは保護基 表す);R 21a は保護基を表す;R F は置換基を有していても良いC 6-14 アリール基を表す。]

 第E1工程は、式(IE)の化合物を製造する工 である。本工程は式(25)の化合物の水酸基を 保護することにより達成することができる。 水酸基を保護する反応は、保護基の種類に応 じて、有機合成化学でよく知られている方法 で行うことができる。

 保護基としては、例えば1-エトキシエチ 、テトラヒドロピラニル、1-メチル-1-メトキ シエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メ キシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒ ロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピ ラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニ  S,S-ジオキシド、メトキシメチル、メチル オメチル、メトキシエトキシメチル、トリ ロロエトキシメチル、トリメチルシリルエ ル、トリメチルシリルエトキシメチル、tert -ブチルジメチルシリル、トリエチルシリル ジエチルイソプロプルシリル、トリメチル リル、トリイソプロピルシリル、メチルジ-t ert-ブチルシリル、ジフェニルメチルシリル ベンジル、p-メトキシベンジル、p-メチルベ ジル、p-ニトロベンジル、p-クロロベンジル 、トリフェニルメチル等を用いることができ る。また、式(25)の化合物中の、全てまたは 部の水酸基を適宜保護することができる。

 例えば、1-エトキシエチル、テトラヒド ピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メ キシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテ ラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒ ドロチオピラニル-S,S-ジオキシド等の各水酸 の保護誘導体は、エチルビニルエ-テルある いはジヒドロピラン等の相当するビニルエー テルを酸存在下、式(27)の化合物と処理する とにより合成できる。酸としては、例えば p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)、p- ルエンスルホン酸、カンファースルホン酸 酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン 等の有機酸、塩化水素、硝酸、塩酸、硫酸 の無機酸等の一般的なものを用いることが きる。中でも、例えば、PPTS、p-トルエンス ホン酸、カンファースルホン酸等を用いる とが好ましい。

 反応に用いられる溶媒は特に限定されな が、原料物質と容易に反応しない不活性溶 が望ましく、例えば、テトラヒドロフラン ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ 、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエー ル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四 化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化 炭化水素類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン 等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケ トン等のケトン類、アセトニトリル等のニト リル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ ルアセトアミド、N-メチル-2-ピリドン、ヘ サメチルホスホリルアミド等のアミド類、 メチルスルホキシド等のスルホキシド類等 挙げられる。中でも、例えば、ジクロロメ ン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等 用いることが好ましい。

 本工程における反応温度や反応時間等の 応条件は、出発原料や溶剤等の反応に用い れる試薬の種類等を考慮して適宜決定する とができる。例えば、反応温度は、-78℃~加 熱還流温度(反応容器中の内温)であることが ましく、室温(反応容器中の内温)であるこ がより好ましい。また、反応時間は、試薬 添加した後、反応温度にて反応液を10分間か ら5日間攪拌することが好ましく、1~2日間攪 することがより好ましい。反応に使用する ニルエーテルおよび酸は、式(25)の化合物に して、それぞれ1~200当量および0.05~2当量用 られ、好ましくはそれぞれ30~50当量および0.1 ~0.3当量である。

 また、他の保護基としては、例えば、メ キシメチル、メチルチオメチル、メトキシ トキシメチル、トリクロロエトキシメチル トリメチルシリルエチル、トリメチルシリ エトキシメチル、tert-ブチルジメチルシリ 、トリエチルシリル、トリメチルシリル、 エチルイソプロピルシリル、トリイソプロ ルシリル、ジ-tert-ブチルメチルシリル、ジ ェニルメチルシリル、ベンジル、p-メトキシ ベンジル、p-メチルベンジル、p-ニトロベン ル、p-クロロベンジル、トリフェニルメチル 等が挙げられる。これら水酸基の保護誘導体 は、それぞれの保護基のクロル体、ブロム体 またはトリフルオロメタンスルホニル体を塩 基存在下に反応させることにより合成できる 。

 塩基としては、一般的な有機塩基、無機 基を用いることができる。例えば、有機塩 としては、イミダゾ-ル、4-(N,N-ジメチルア ノ)ピリジン(本明細書において用いられる4- メチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアミノ ピリジンおよびジメチルアミノピリジンは同 義である)、ピリジン、2,6-ルチジン、コリジ 等の芳香族塩基、例えばN-メチルピペリジ 、N-メチルピロリジン、トリエチルアミン、 トリメチルアミン、ジ-iso-プロピルエチルア ン、シクロへキシルジメチルアミン、N-メ ルモルホリン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナ タレン等の3級アミン、ジ-iso-ブチルアミン ジシクロヘキシルアミン等の2級アミン、メ ルリチウム、ブチルリチウム等のアルキル チウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウ エトキシド等の金属のアルコキシド等を用 ることができる。また、無機塩基としては 水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水 化アルカリ金属、水素化カルシウム等の水 化アルカリ土類金属、水酸化ナトリウム、 酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシ ム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナ リウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩等が げられる。水酸基をシリル保護基にて保護 る場合に用いられる好ましい塩基としては 例えば、イミダゾ-ル、4-ジメチルアミノピ ジン等の芳香族塩基、トリエチルアミン等 3級アミン等が挙げられる。

 反応に用いられる溶媒は特に限定されな が、原料物質と容易に反応しないものが望 しく、前記不活性溶媒が挙げられ、好まし はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N ,N-ジメチルホルムアミド等が用いられる。ま た、反応時間は10分間から3日間であり、好ま しくは1ないし2日間である。

 また、水酸基の保護に用いる試薬とその 量を選択することにより、水酸基の選択的 保護が可能である。例えばクロロトリエチ シラン、トリエチルアミン、4-ジメチルア ノピリジンを用いてジクロロメタン中、ま は、例えばtert-ブチルクロロジメチルシラン 、イミダゾールを用いてN,N-ジメチルホルム ミド中、室温にて反応を行うことにより、3 および21位の水酸基が選択的に保護された 合物を得ることができる。このとき、例え クロロトリエチルシランまたはtert-ブチルク ロロジメチルシラン等の当量を制限すること により、3位水酸基を優先的に保護すること 可能である。さらに、4つの水酸基のうち2つ または3つをシリル基で保護した後、残りの2 または1つの水酸基を前記のエトキシエチル 基等で保護することが出来る。

 第E2工程は式(IIE)の化合物を製造する工程 である。本工程は式(IE)の化合物のアセトキ 基を、不活性溶媒中、塩基で処理し水酸基 と変換することにより達成することができ 。

 使用される塩基は、例えば、水素化ナト ウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ 属、水素化カルシウム等の水素化アルカリ 類金属、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸 物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸 リウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水 ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩 、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキ ド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert- トキシド等の金属のアルコキシド等が挙げ れる他、グアニジン、アンモニア等の塩基 挙げられる。好ましい塩基としては、炭酸 リウム、グアニジン等が挙げられる。

 使用される不活性溶媒は、前記不活性溶 の他に、メタノ-ル、エタノ-ル、イソプロ ノ-ル、tert-ブタノ-ル等のアルコ-ル系溶媒や 水等を用いることができ、これらの溶媒を混 合して用いることもできる。好ましい溶媒と しては、アルコール系溶媒、またはアルコー ルとハロゲン系溶媒の混液が挙げられる。反 応時間は10分から5日であり、好ましくは30分 から1日である。反応温度は-78℃から加熱還 流の温度で、好ましくは室温である。反応に 使用する塩基は、式(IE)の化合物に対して、1~ 10当量、好ましくは2~5当量である。

 第E3工程は式(IIIE)の化合物を製造する工 である。本工程は、式(IIE)の化合物の水酸基 を、塩基存在下、クロロホルメイト誘導体ま たはカルボニルジイミダゾ-ルで処理するこ により達成される。クロロホルメイト誘導 としては、例えば4-ニトロフェニルクロロホ ルメイト、フェニルクロロホルメイト、4-ク ロフェニルクロロホルメイト、4-ブロモフ ニルクロロホルメイト、2,4-ジニトロフェニ クロロホルメイト等が挙げられる。塩基と ては、前記の有機塩基、無機塩基等が挙げ れ、好ましくはジイソプロピルエチルアミ 、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチル ミン、ピリジン、2,6-ルチジン、水素化ナト ウム等が用いられる。反応に用いられる溶 は特に限定されないが、原料物質と容易に 応しないものが望ましく、前記不活性溶媒 挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド 等が用いられる。反応に使用するクロロホル メイト誘導体および塩基は、式(IIE)の化合物 対して、それぞれ1~10当量および1~20当量、 ましくはそれぞれ1~5当量および1~10当量であ 。反応時間は10分間から30時間であり、好ま しくは1から4時間である。反応温度は-78℃か 加熱還流の温度であり、好ましくは-10から5 0℃である。

 第E4工程は式(IVE)の化合物を製造する工程で ある。本工程は式(IIIE)の炭酸エステルを不活 性溶媒中、塩基存在下、所望の式(1)の化合物 を形成することができるアミン(R N1 R N2 H)と、あるいはアミンのみで処理することに り達成される。

 使用されるアミンは、例えば、メチルア ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ アミン、オクチルアミン、デシルアミン、 クロプロピルアミン、シクロペンチルアミ 、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン ジエチルアミン、エチルメチルアミン、エ レンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4- タンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミ 、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジ メチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジエチルエチ レンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジア ミン、N,N-ジエチル-1,4-ブタンジアミン、N,N、 N’-トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’-ト メチル- 1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリ メチル- 1,4-ブタンジアミン、N-エチル-N’,N -ジメチルエチレンジアミン、N-エチル-N’,N -ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N-エチル-N ’,N’-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N、N’ -トリエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリ チル- 1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリエ ル- 1,4-ブタンジアミン、N,N-ジエチル-N’- チルエチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メ ル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-N’- チル-1,4-ブタンジアミン、N、N’-ジメチル-N -フェニルエチレンジアミン、N、N’-ジメチ -N-フェニル- 1,3-プロパンジアミン、N-ベン ル-N、N’-ジメチルエチレンジアミン、N-ベ ジル-N,N’-ジメチル- 1,3-プロパンジアミン モルホリン、チオモルホリン、チオモルホ ン-S-オキサイド、チオモルホリン-S,S-ジオキ サイド、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジ ン、ホモピペラジン、4-ヒドロキシピペリジ 、4-メトキシピペリジン、1-メチルピペラジ ン、1-エチルピペラジン、1-プロピルピペラ ン、1-ブチルピペラジン、1-イソプロピルピ ラジン、1-シクロブチルピペラジン、1-シク ロペンチルピペラジン、1-シクロヘキシルピ ラジン、1-シクロヘプチルピペラジン、1-シ クロオクチルピペラジン、1-(シクロプロピル メチル)ピペラジン、1-ベンジルピペラジン、 1-メチルホモピペラジン、1-エチルホモピペ ジン、1-(2-アミノエチル)ピロリジン、1-(2-(N- メチルアミノ)エチル)ピロリジン)、1-(3-アミ プロピル)ピロリジン、1-(3-(N-メチルアミノ) プロピル)ピロリジン)、1-(2-アミノエチル)ピ リジン、1-(2-(N-メチルアミノ)エチル)ピぺリ ジン)、1-(3-アミノプロピル)ピぺリジン、1-(3- (N-メチルアミノ)プロピル)ピぺリジン)、4-(2- ミノエチル)モルホリン、4-(2-(メチルアミノ )エチル)モルホリン)、4-(3-アミノプロピル)モ ルホリン、4-(3-(N-メチルアミノ)プロピル)モ ホリン)、1-(2-アミノエチル)-4-メチルピペラ ン、1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジ 、1-(3-(N-メチルアミノ)プロピル)-4-メチルピ ペラジン、1-アミノ-4-メチルピペリジン、1- チルアミノ-4-メチルピペリジン、1-エチル-4- (N-メチルアミノ)ピペリジン、1-メチルアミノ -4-プロピルピペリジン、1-ブチル-4-(N-メチル ミノ)ピペリジン、1-(N,N-ジメチルアミノ)ピ リジン、1-(N,N-ジエチルアミノ)ピペリジン 4-(ピロリジン-1-イル)ピペリジン、4-(ピペリ ン-1-イル)ピペリジン、3-アミノキヌクリジ 、3-(N-メチルアミノ)キヌクリジン、アニリ 、N-メチルアニリン、N,N-ジメチル-p-フェニ ンジアミン、N,N,-ジメチル-m-フェニレンジ ミン、N,N,N’-トリメチル-p-フェニレンジア ン、N,N,N’-トリメチル-m-フェニレンジアミ 、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、ベ ジルアミン、N-メチルベンジルアミン、フ ネチルアミン、N-メチルフェネチルアミン、 2-ピコリルアミン、3-ピコリルアミン、4-ピコ リルアミン、N-メチル-2-ピコリルアミン、N- チル-3-ピコリルアミン、N-メチル-4-ピコリル アミン、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2 -メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3, 8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,4-ジアザ シクロ[4.3.0]ノナン等が挙げられる。

 塩基としては、前記の有機塩基、無機塩 等が挙げられ、好ましくは、ジイソプロピ エチルアミン、ジメチルアミノピリジン、 リエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、 水素化ナトリウム等が用いられる。反応に用 いられる溶媒は特に限定されないが、原料物 質と容易に反応しないものが好ましく、前記 不活性溶媒が挙げられ、好ましくはテトラヒ ドロフラン、ジクロロメタン、N,N-ジメチル ルムアミド等が用いられる。反応に使用す アミンおよび塩基は、式(IIIE)の化合物に対 て、それぞれ1~10当量および2~20当量、好まし くはそれぞれ1.5~5当量および2~10当量である。 反応時間は10分間から30時間であり、好まし は1から2時間である。反応温度は-78℃から加 熱還流の温度であり、好ましくは-10から50℃ ある。

 第E5工程は、本発明の式(1)の化合物であ 式(VE)の化合物を製造する工程である。本工 は式(IVE)の化合物であるウレタン誘導体を 不活性溶媒中、以下に示すような脱保護の 理をすることにより達成される。水酸基の 護基を脱保護する反応は、保護基の種類に って異なるが、水酸基の保護基を脱保護す 場合に通常行われている一般的な有機合成 段によって行うことができる。

 例えば、1-エトキシエチル、テトラヒド ピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メ キシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテ ラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒ ドロチオピラニル-S,S-ジオキシド等の各水酸 の脱保護は、不活性溶媒中、酸処理するこ により容易に行われる。酸としては、前記 有機酸、無機酸等であり、好ましくは、例 ばPPTS、p-トルエンスルホン酸、カンファー ルホン酸等があげられる。反応に用いられ 溶媒は特に限定されないが、原料物質と容 に反応しないものが望ましく、好ましくは タノ-ル、エタノ-ル、イソプロパノ-ル、tert -ブタノ-ル等のアルコ-ル系溶媒であり、また これらと前記不活性溶媒を混合して用いるこ ともできる。反応に使用する酸は、式(IVE)の 合物に対して、0.5~5当量であり、好ましく 1~3当量である。反応時間は10分間から10日間 あり、好ましくは1から4日間である。反応 度は-78℃から加熱還流の温度であり、好ま くは-10から50℃である。

 また、他の保護基として、例えばtert-ブ ルジメチルシリル、トリエチルシリル、ジ チルイソプロピルシリル、トリメチルシリ 、トリイソプロピルシリル、ジ-tert-ブチル チルシリル、ジフェニルメチルシリル等で 護されている場合の脱保護は、例えばフッ アニオンまたは酸処理することにより可能 ある。フッ素アニオンとしては、例えばテ ラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化 素、フッ化カリウム、フッ化水素ピリジニ ム等が挙げられる。酸としては、前記の有 酸、無機酸等が挙げられ、好ましくは酢酸 ギ酸、トリフルオロ酢酸、PPTS、カンファー ルホン酸等が挙げられる。反応に用いられ 溶媒は特に限定されないが、原料物質と容 に反応しないものが望ましく、前記の不活 溶媒が挙げられ、好ましくはテトラヒドロ ラン、ジエチルエーテル、水等が用いられ 。反応に使用するフッ素アニオンおよび酸 、式(IVE)の化合物に対して、それぞれ1~5当 および0.5~5当量、好ましくはそれぞれ1~4当量 および0.5~3当量である。反応時間は、10分間 ら30時間であり、好ましくは1から2時間であ 。反応温度は、-78℃から加熱還流の温度で り、好ましくは-10から50℃である。

<製造工程F>
 本発明の式(1)の化合物のうちチオウレタン 導体は、式(IIE)の化合物を出発化合物とし 以下の反応ルートにより合成することがで る。

<製造工程F>
 [式中、R 3a 、R 4a 、R 6a は、R 3 、R 4 、R 6 が水酸基を表す場合には、O-Pを表す(Pは保護 を表す);R 21a は保護基を表す;R F は置換基を有していても良いC 6-14 アリール基を表す。]

 第F1工程は、イソシアネートに替えてチ イソシアネートまたはチオカルバモイルク リドを用いることによって、式(IF)の化合物 合成する工程である。本工程は、式(IIE)の 合物を、不活性溶媒中、塩基またはビス(ト ブチルチン)オキサイドの存在下、イソチオ シアネ-トまたはチオカルバモイルクロリド 処理することによって達成される。

 用いられるイソチオシアネートは特に限 されず、例えば、エチルイソチオシアネー 、メチルイソチオシアネート、フェニルイ チオシアネート、ベンジルイソチオシアネ ト、アリルイソチオシアネート、2-(N,N-ジメ チルアミノ)エチルイソチオシアネート、2-(N, N-ジエチルアミノ)エチルイソチオシアネート 、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピルイソチオシ ネート、3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピルイ チオシアネート、2-(モルホリン-4-イル)エチ イソチオシアネート、2-(ピペリジン-1-イル) エチルイソチオシアネート、2-(ピロリジン-1- イル)エチルイソチオシアネート等を用いる とができる。

 用いられるチオカルバモイルクロリドは に限定されず、例えば、N,N-ジメチルチオカ ルバモイルクロリド、N-フェニル-N-メチルチ カルバモイルクロリド、(モルホリン-4-イル )チオカルバモイルクロリド、(4-メチルピペ ジン-1-イル)チオカルバモイルクロリド、(4- チルホモピペラジン-1-イル)チオカルバモイ ルクロリド等を用いることができる。

 用いられる塩基としては、前記の有機塩 、無機塩基等が挙げられ、好ましくは、ジ ソプロピルエチルアミン、4-ジメチルアミ ピリジン、トリエチルアミン、ピリジン、2, 6-ルチジン、水素化ナトリウム等が用いられ 。反応に用いられる溶媒は特に限定されな が、原料物質と容易に反応しないものが望 しく、前記不活性溶媒が挙げられ、好まし はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N ,N-ジメチルホルムアミド、トルエン等が用い られる。反応に使用する塩基またはビス(ト ブチルチン)オキサイドおよびイソチオシア -トまたはチオカルバモイルクロリドは、式 (IIE)の化合物に対して、それぞれ1~5当量およ 1~10当量、好ましくはそれぞれ1~3当量および 2~5当量である。反応時間は、10分間から72時 であり、好ましくは1から24時間である。反 温度は、-78℃から加熱還流の温度であり、 ましくは-10から70℃である。

 次いで、第E5工程と同様にして水酸基の 護基を除去することにより、本発明の式(1) 化合物である式(IIF)のチオウレタン誘導体を 合成することができる。

 なお、製造工程EおよびFにおいて用いられ 式(25)の化合物としては、製造工程Aおよびこ れに準じた方法により合成される化合物を用 いることができる。特に、後述の実施例記載 の化合物(P15)、(P16)、(P36)等であることが好ま しい。
  上記製造方法で特に以下の表1と表2の化合 物が合成できる。

 本発明の式(1)の化合物またはその塩は、抗 瘍活性に基づき、腫瘍に対する治療剤(以下 、抗腫瘍剤という。)として有効である。
 なお、本明細書において、「治療」とは、 防もしくは治療またはそれらの両方を意味 る。

 本発明の式(1)の化合物またはその塩は、 り具体的には、抗腫瘍剤として、特に固形 瘍または血液系腫瘍に対する抗腫瘍剤・癌 移抑制剤として有効である。固形腫瘍とし は、例えば膵臓癌、胃癌、大腸癌、乳癌、 立腺癌、肺癌、腎癌、脳腫瘍、頭頚部癌、 道癌、皮膚癌、肝癌、子宮癌、子宮頚癌、 胱癌、甲状腺癌、精巣腫瘍、絨毛癌、骨肉 、軟部組織肉腫、及び卵巣癌等が挙げられ 特に、肺癌、脳腫瘍、乳癌、前立腺癌、卵 癌、大腸癌または皮膚癌が好ましい。また 血液系腫瘍としては、例えば白血病が挙げ れる。

 本発明の式(1)の化合物またはその塩を各 疾患治療・予防剤として投与する場合、錠 、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤 として経口的に投与してもよく、噴霧剤、 剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口 に投与してもよい。投与量は、症状の程度 年齢、肝疾患の種類等により著しく異なる 、通常成人1日当たり約1mg~100mgを1日1~数回に わけて投与する。

 製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、 法により製造する。すなわち、本発明の式( 1)の化合物またはその塩を注射剤として調整 る場合は、主薬に、必要によりpH調整剤、 衝剤、安定化剤、可溶化剤等を添加し、常 により皮下、筋肉内、関節内、静脈内用注 剤とする。また、経口用固形製剤を調整す 場合は、主薬に賦形剤、更に必要に応じて 合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭 等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤 顆粒剤、散剤、カプセル剤等とする。これ の錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、そ 他必要により適宜コーティングすることは 論差し支えない。

 次に実施例を示して本発明をさらに詳細 説明するが、本発明は以下の実施例に限定 れるものではない。

[実施例1] (2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5R)-5-ヒドロキシ-6-{ (2R,3R)-3-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル] キシラン-2-イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエ ン-1-イル)-3-メチル-12-オキサアザシクロドデ -4-エン-6-イル アセテート(P15)の合成例
工程(1-1)エチル(3R)-4-{[tert-ブチル(ジメチル)シ リル]オキシ}-N-(4-メトキシフェニル)-L-バリネ ート(P1)の合成

 本工程は文献(Mitsumori,S.、外5名、Journal of t he American Chemical Society、2006年、第128巻、第1 040-1041ページ。)を参考にして行った。
 本工程で使用するα-イミノエチルグリオキ レートと(3R,5R)-5-メチル-ピロリジン-3-カル ン酸は本文献記載の方法で調製した。
 α-イミノエチルグリオキシレート(3g、14.5mmo l)のDMSO(40ml)溶液にプロピオンアルデヒド(2.09m l、29mmol)及び(3R,5R)-5-メチル-ピロリジン-3-カ ボン酸(93.6mg、0.725mmol)を室温で加えた。反応 液を同温度にて1時間撹拌した。反応液にメ ノール(40ml)を加え、0℃で水素化ホウ素ナト ウム(548mg、14.5mmol)を加えた。反応液を同温 にて30分撹拌したのち、飽和塩化アンモニ ム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。 機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸 グネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をDMF(40ml)に溶解し、イミダゾ ル(1.98g、29mmol)及びtert-ブチルジメチルシリ クロリド(2.62g、17.4mmol)を加え、室温で10.5時 間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム 水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した 。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫 酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ フィー(関東化学、商品名Silica gel 60N、粒状 0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=20:1→5:1) で精製することで標記化合物(3.6g)を無色油状 物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.06(s,3H),0.07(s,3H),0.93(s,9H),0.98(d,J=7.1Hz,3H), 1.24(t,J=7.1Hz,3H),2.09-2.19(m,1H),3.64-3.71(m,2H),3.73(s,3H ),4.02-4.09(brs,1H),4.15(d,J=7.1Hz,1H),4.19(d,J=7.1Hz,1H),4. 26-4.34(brs,1H),6.62(d,J=8.8Hz,2H),6.75(d,J=8.8Hz,2H);MS m/ z 403.91(M+Na) +

工程(1-2)(3R)-4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル] キシ}-N-メトキシ-N 2 -(4-メトキシフェニル)-N-メチル-L-バリナミド( P2)の合成

 本工程は文献(Williams,J.M.、外4名、Tetrahedron  Letter,1995年、第36巻第31号、第5461-5464ページ。 )を参考にして行った。
 窒素雰囲気下、エチル(3R)-4-{[tert-ブチル(ジ チル)シリル]オキシ}-N-(4-メトキシフェニル) -L-バリネート(310mg、0.812mmol)とN,O-ジメチルヒ ロキシアミン塩酸塩(122mg、1.22mmol)のTHF(4ml) 液に、-10℃にて撹拌下、リチウムビス(トリ チルシリル)アミド 1M THF溶液(2.44ml)を加え 。反応液を同温度にて1.5時間撹拌した。反 液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、 酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水 洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥 、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(関東化学、商品 名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタ :酢酸エチル=6:1)で精製することで標記化合 (283mg)を黄色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.05(s,3H),0.05(s,3H),0.94(s,9H),1.00(d,J=7.2Hz,3H), 1.87-1.98(m,1H),3.17(s,3H),3.59-3.67(m,1H),3.61(s,3H),3.73(s ,3H),3.85(dd,J=4.4,9.6Hz,1H),4.05-4.16(brs,1H),4.41-4.54(brs ,1H),6.69(d,J=9.2Hz,2H),6.73(d,J=9.2Hz,2H);MS m/z 418.89(M +Na) +

工程(1-3)エチル(2E,4S,5R)-6-{[tert-ブチル(ジメ ル)シリル]オキシ}-4-[(4-メトキシフェニル) ミノ]-3,5-ジメチルヘキサ-2-エノエート(P3)の 成

 窒素雰囲気下、(3R)-4-{[tert-ブチル(ジメチル) シリル]オキシ}-N-メトキシ-N2-(4-メトキシフェ ニル)-N-メチル-L-バリナミド(20g、50.4mmol)のTHF( 500ml)溶液に、-78℃にてメチルリチウム 1.13M  ジエチルエーテル溶液(134ml)を滴下した。反 液を同温度にて30分撹拌した。反応液に飽和 塩化アンモニウム水溶液を加えたのち、酢酸 エチルで希釈した。有機層を水及び飽和食塩 水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ ムで乾燥し、減圧濃縮し、褐色固体(17.5g)を た。
 得られた褐色固体のうち5gをトルエン(100ml) 溶解した。この溶液に(カルベトキシメチレ ン)トリフェニルホスホラン(30g、86.1mmol)を加 て、1.5日間加熱還流した。反応液を0℃まで 冷却し、生じる白色固体を濾去した後、濾液 を減圧濃縮した。
 得られた残渣をメタノール(50ml)に溶解し、0 ℃で水素化ホウ素ナトリウム(537mg、14.2mmol)を 加えて、同温度にて1時間撹拌した。反応液 飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢 エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で 浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し 減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(関東化学、商品名S ilica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン: 酸エチル=30:1→10:1→4:1)で精製することで標 化合物(3.81g、E:Z=7:1)を黄色油状物として得 。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )(主生成物のデータ)δ(ppm)0.06(s,3H),0.07(s,3H),0.94 (s,9H),1.05(d,J=7.0Hz,3H),1.26(t,J=7.0Hz,3H),1.84-1.96(m,1H) ,2.13(s,3H),3.58(dd,J=4.4,10.1Hz,1H),3.64(d,J=5.7Hz,1H),3.72 (s,3H),3.76(d,J=3.1Hz,1H),4.07-4.19(m,2H),4.76-4.90(brs,1H), 5.95(s,1H),6.41(d,J=8.8Hz,2H),6.73(d,J=8.8Hz,2H);MS m/z 42 2.00(M+H) +

工程(1-4)N-[(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-((1R)-2-{[ tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-メチル エチル)-2-メチルブタ-2-エン-1-イル]-4-メトキ アニリン(P4)の合成

 窒素雰囲気下、エチル(2E,4S,5R)-6-{[tert-ブチ (ジメチル)シリル]オキシ}-4-[(4-メトキシフェ ニル)アミノ]-3,5-ジメチルヘキサ-2-エノエー (18.1g、43.1mmol)のジクロロメタン(400ml)溶液に -78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム 0. 97M n-ヘキサン溶液(112ml)を滴下し、この反応 を同温度にて30分撹拌した。反応液を氷冷 た後、飽和ロッシェル塩水溶液を加えた。 応液を1時間激しく撹拌したのち、酢酸エチ で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し のち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧 縮した。
 得られた残渣をTHF(400ml)に溶解し、窒素雰囲 気下、0℃で水素化ナトリウム(60%、4.32g、108mm ol)を加えて、同温度にて30分撹拌した。この 応液にヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム( 3.18g、8.62mmol)及びベンジルブロミド(7.69ml、64. 7mmol)を滴下した。反応液を室温で12時間撹拌 たのち、水素化ナトリウム(1.73g、43.2mmol)と ンジルブロミド(5.13ml、43.1mmol)をさらに加え て室温で7時間撹拌した。反応液に水を加え 酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩 で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(関東化学、商 名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタ ン:酢酸エチル=30:1→15:1→2:1)で精製すること 標記化合物(16.3g)を黄色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.05(s,3H),0.06(s,3H),0.93(s,9H),0.98(d,J=6.8Hz,3H), 1.57(s,3H),1.74-1.85(m,1H),3.57(d,J=7.2Hz,1H),3.64(dd,J=4.8, 10.0Hz,1H),3.70(s,3H),3.73(dd,J=3.6,10.0Hz,1H),4.09(d,J=6.4H z,2H),4.39(d,J=11.6Hz,1H),4.40(d,J=11.6Hz,1H),4.53-4.62(brs, 1H),5.64(t,J=6.8Hz,1H),6.48(d,J=8.8Hz,2H),6.72(d,J=8.8Hz,2H) ,7.22-7.38(m,5H);LMS m/z 492.03(M+Na) +

工程(1-5)(2R,3S,4E)-6-(ベンジロキシ)-3-[(4-メト キシフェニル)アミノ]-2,4-ジメチルヘキサ-4- ン-1-オール(P5)の合成

 N-[(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-((1R)-2-{[tert-ブチ (ジメチル)シリル]オキシ}-1-メチルエチル)-2 -メチルブタ-2-エンー1-イル]-4-メトキシアニ ン(14.8g、31.4mmol)のTHF(150ml)溶液にテトラ-n-ブ ルアンモニウムフロリド 1M THF溶液(62.6ml) 加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。こ 反応液に水を加えて希釈したのち酢酸エチ で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し のち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(関東化学、商品名Silica g el 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エ ル=2.5:1→1:1)で精製することで標記化合物(10 .8g)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.86(d,J=6.8Hz,3H),1.51(s,3H),1.83-1.95(m,1H),2.05(s ,1H),3.58-3.68(brs,1H),3.60(d,J=9.3Hz,1H),3.69(s,3H),3.70-3. 79(m,2H),3.96-4.08(m,2H),4.29(d,J=11.7Hz,1H),4.35(d,J=11.7Hz ,1H),5.51(t,J=6.4Hz,1H),6.64(d,J=9.0Hz,2H),6.74(d,J=9.0Hz,2H ),7.19-7.35(m,5H);MS m/z 377.88(M+Na) +

工程(1-6)tert-ブチル{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)- 1-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-メチルエチル]-2-メチル タ-2-エン-1-イル}カルバメート(P6)の合成

 本工程は文献(Verkade,J.M.M.、外5名、Tetrahedron Letter、2006年、第47巻第46号、第8109-8113ページ 。)を参考にして行った。
 (2R,3S,4E)-6-(ベンジロキシ)-3-[(4-メトキシフェ ニル)アミノ]-2,4-ジメチルヘキサ-4-エン-1-オ ル(10.5g、29.6mmol)のアセトニトリル-水(2:1、315 ml)混合溶液にオルト過ヨウ素酸(6.77g、29.6mmol) 及び1M硫酸水溶液(59.2ml)を加え、反応液を室 で1.5時間撹拌した。反応液を水(200ml)で希釈 、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水 にジクロロメタン(500ml)を加えて、ジ-tert-ブ チルジカーボネート(25.8g、119mmol)と炭酸カリ ム(40.9g、296mmol)を加えて、室温で8時間激し 撹拌した。反応液をジクロロメタンで抽出 、得られた有機層を合わせた後、飽和食塩 で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化 学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n -ヘプタン:酢酸エチル=2:1→1:1)で精製するこ で標記化合物(6.61g)を無色油状物として得た
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.98(d,J=7.0Hz,3H),1.45(s,9H),1.64(s,3H),1.59-1.74(m ,1H),2.56-2.59(brs,1H),3.42-3.56(brs,1H),3.68-3.78(brd,J=10. 1Hz,1H),3.92(t,J=8.1Hz,1H),4.08(d,J=6.4Hz,2H),4.52(s,2H),4.9 5(d,J=8.4Hz,1H),5.65(t,J=5.6Hz,1H),7.23-7.30(m,5H);MS m/z  371.90(M+Na) +

工程(1-7)tert-ブチル{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)- 1-[(1S,2E)-3-ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イ ]-2-メチルブタ-2-エン-1-イル}カルバメート(P7 )の合成

 本工程は文献(Takai,K.、外2名、Journal of the  American Chemical Society、1986年、第108巻、第7408- 7410ページ。)を参考にして行った。
 本工程では、使用直前にベンゾフェノンケ ルから蒸留した無水THFを使用した。また、 化クロム(II)は使用直前に真空ポンプを用い て減圧下、200℃で3時間乾燥した。
 tert-ブチル{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1R)-2- ドロキシ-1-メチルエチル]-2-メチルブタ-2-エ -1-イル}カルバメート(300mg、0.858mmol)のジク ロメタン(8ml)溶液にDess-Martin試薬(436mg、1.03mmo l)を加え、反応液を室温で10分撹拌した。反 液を酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウ を含む飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およ 飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水 酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣及びヨードホルム(1.01g、2.57mmo l)の無水THF(10ml)溶液を、アルゴン雰囲気下、0 ℃で、塩化クロム(II)の無水THF(10ml)溶液に滴 したのち、反応液を同温度で30分撹拌し、次 いで室温でさらに5時間撹拌した。反応液に を加えて希釈した後、酢酸エチルで抽出し 。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し のち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(関東化学、商品名Silica ge l 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エ ル=10:1)で精製することで標記化合物(179mg)を 色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.02(d,J=6.8Hz,3H),1.44(s,9H),1.61(s,3H),2.34-2.51(m ,1H),3.81-3.98(brs,1H),4.09(d,J=6.2Hz,2H),4.41-4.58(m,1H),4. 50(s,2H),5.55(t,J=6.2Hz,1H),6.10(d,J=14.5Hz,1H),6.43(dd,J=7. 7,14.5Hz,1H),7.23-7.40(m,5H);MS m/z 493.92(M+Na) +

工程(1-8)7-ヒドロキシヘプタン酸エチル(P8) 合成

 本工程は文献(Alexander,J.、外2名、Synthetic Com munications、1995年、第25巻第23号、第3875-3881ペ ジ。)を参考にして行った。
 窒素雰囲気下、7-ブロモヘプタン酸エチル(2 5g、105mmol)とギ酸(12.1g、263mmol)の混合溶液に、 0℃でトリエチルアミン(36.7ml、263mmol)を滴下 、反応液を50℃で21時間撹拌した。反応液に を加えて希釈した後、酢酸エチルで抽出し 。有機層を1N塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナ リウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗 した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾 し、減圧濃縮することで標記化合物(17.9g)を 色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.30-1.44(m,4H),1.50-1.74(m,4H),2 .30(t,J=7.3Hz,2H),3.64(t,J=6.6Hz,2H),3.67(s,1H),4.13(q,J=7.1 Hz,2H);MS m/z 197.01(M+Na) +

工程(1-9)7-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オ シ}ヘプタン酸(P9)の合成

7-ヒドロキシヘプタン酸エチル(5g、28.7mmol)のD MF(50ml)溶液に室温でイミダゾール(2.93g、43.1mmo l)とtert-ブチルジメチルシリルクロリド(5.2g、 34.5mmol)を加え、反応液を同温度にて30分撹拌 た。反応液に水を加え希釈した後、ジエチ エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水 洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥 、減圧濃縮した。
 得られた残渣をTHF-メタノール-水(2:2:1、150ml )混合溶液に溶解し、無水水酸化リチウム(1.37 g、57.3mmol)を加え、反応液を室温で1.5時間撹 した。反応液に水を加えて希釈した後、ジ ロロメタンで洗浄した。水層に1N塩酸水溶液 を加えて酸性にし、酢酸エチルで抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸 マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することで 標記化合物(7.41g)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.05(s,6H),0.89(s,9H),1.29-1.42(m,4H),1.46-1.57(m,2H ),1.58-1.70(m,2H),2.35(t,J=7.5Hz,2H),3.60(t,J=6.6Hz,2H);MS  m/z 282.85(M+Na) +

工程(1-10)N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)- 3-ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチ ルブタ-2-エン-1-イル}-7-ヒドロキシヘプタン ミド(P10)の合成

 tert-ブチル{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3 -ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチ ブタ-2-エン-1-イル}カルバメート(1.44g、3.03mm ol)のジクロロメタン(15ml)溶液にトリフルオロ 酢酸(2.25ml、30.3mmol)を加えた。この反応液を 温で3時間撹拌したのち、減圧濃縮をした。
 得られた残渣と7-{[tert-ブチル(ジメチル)シ ル]オキシ}ヘプタン酸(1.09g、4.19mmol)をDMF(20ml) に溶解した。この溶液に室温でトリエチルア ミン(1.17ml、8.35mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリ アゾール(850mg、6.26mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメ ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1. 2g、6.26mmol)を順次加え、同温度にて1.5時間撹 した。反応液に水を加えて希釈した後、ジ チルエーテルで抽出した。有機層を0.5N塩酸 水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び 飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫 酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をTHF(34ml)に溶解した溶液に、 トラ-n-ブチルアンモニウム フロリド 1M TH F溶液(10.4ml)を加えて室温で12時間撹拌した。 応液に水を加え希釈した後、酢酸エチルで 出した。有機層を飽和食塩水で洗浄したの 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮 た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(関東化学、商品名Silica gel 60 N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エチル= 1:2)で精製することで標記化合物(1.34g)を黄色 状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.02(d,J=6.6Hz,3H),1.28-1.46(m,6H),1.48-1.73(m,2H),1 .62(s,3H),2.19(t,J=7.3Hz,2H),2.42-2.56(m,1H),3.62(t,J=6.4Hz, 2H),4.08(d,J=6.2Hz,2H),4.22-4.33(m,1H),4.50(s,2H),5.35(d,J=8 .8Hz,1H),5.55(t,J=6.2Hz,1H),6.10(d,J=14.5Hz,1H),6.42(dd,J=7. 9,14.5Hz,1H),7.21-7.42(m,5H);MS m/z 522.16(M+Na) +

工程(1-11)(2S,3S,4E)-2-[(1E)-3-(ベンジロキシ)-1- チルプロパ-1-エン-1-イル]-3-メチル-12-オキ アザシクロドデカ-4-エン-6-イル アセテート (P11)の合成

 本工程は文献(Furstner,A.、Chemical Review、1999 、第99巻、第991-1045ページ。Stamos,D.P、外3名 Tetrahedron Letter、1997年、第38巻第36号、第6355- 6358ページ。Pilli,R.A.、外3名、The Journal of Org anic Chemistry、1998年、第63巻、第7811-7819ページ 。)を参考にして行った。
 本工程では、使用直前に凍結脱気を行ったD MFを用いた。また、塩化クロム(II)及び塩化ニ ッケル(II)は使用直前に真空ポンプを用いて 圧下、200℃で5時間乾燥した。
 N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3-ヨード-1 -メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチルブタ-2- ン-1-イル}-7-ヒドロキシヘプタンアミド(700mg 、1.4mmol)のジクロロメタン(31.6ml)溶液に0℃でD ess-Martin試薬(893mg、2.1mmol)を加えて、室温で1 間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し 亜硫酸ナトリウムを含む飽和炭酸水素ナト ウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し 。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し 減圧濃縮した。
 得られた残渣をDMF(17ml)に溶解した溶液を、 化クロム(II)(1.07g、8.71mmol)と塩化ニッケル(II )(11.3mg、87.1μmol)のDMF(170ml)溶液に、アルゴン 囲気下、0℃で滴下、室温で3時間撹拌した。 この反応液に対して飽和炭酸水素ナトリウム 水溶液にセリンを1Mになるように溶解させた 液(10ml)を加えた後、反応液が黒紫色になる で撹拌した。反応液に水を加えて希釈した 、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食 水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで 燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をジクロロメタン(20ml)に溶解 、トリエチルアミン(977μl、7mmol)、4-ジメチ アミノピリジン(88.5mg、0.7mmol)及び無水酢酸( 397μl、4.2mmol)を順次加えて室温で1時間撹拌し た。反応液に水を加えて希釈した後、酢酸エ チルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄 したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減 圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(関東化学、商品名Silic a gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸 エチル=1:1)で精製することで標記化合物(333mg) を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.98(d,J=6.4Hz,1.5H),0.99(d,J=6.2Hz,1.5H),1.14-1.65( m,6H),1.62(s,3H),1.66-2.06(m,3H),2.01(s,1.5H),2.08(s,1.5H),2 .20-2.35(m,2H),4.01-4.14(m,2H),4.19-4.30(m,1H),4.51(s,2H),5. 17-5.47(m,3.5H),5.58(dd,J=9.9,13.9Hz,0.5H),5.66-5.73(m,1H),7 .24-7.36(m,5H);MS m/z 435.99(M+Na) +

工程(1-12)(2E)-3-[(2S,3S,4E)-6-(アセトキシ)-3-メ ル-12-オキサアザシクロドデカ-4-エン-2-イル ]ブタ-2-エン-1-イル アセテート(P12)の合成

 本工程では文献(Ireland,R.E.、外3名、Journal of  the American Chemical Society、1985年、第107巻、 3285-3294ページ。)を参考にして行った。
 本工程では、使用直前にベンゾフェノンケ ルから蒸留した無水THFを使用した。また、 工程で使用するリチウム-4,4´-ジ-tert-ブチル ビフェニルは使用直前にリチウム(7.56mg、1.09  mmol)と4,4´-ジ-tert-ブチルビフェニル(193mg、0 .726mmol)から常法により調製した。
 (2S,3S,4E)-2-[(1E)-3-(ベンジロキシ)-1-メチルプ パ-1-エン-1-イル]-3-メチル-12-オキサアザシク ロドデカ-4-エン-6-イル アセテート(30mg、72.6 mol)の無水THF(726μl)溶液に、窒素雰囲気下、-7 8℃でリチウム-4,4´-ジ-tert-ブチルビフェニル 無水THF(7.26ml)溶液を、反応液が濃青色とな まで滴下して加えた。反応液を-78℃で1時間 拌したのち、飽和塩化アンモニウム水溶液 加えて希釈した後、酢酸エチルで抽出した 有機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫 マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をジクロロメタン(1ml)に溶解 、トリエチルアミン(50.7μl、0.363mmol)、4-ジメ チルアミノピリジン(4.43mg、36.3μmol)及び無水 酸(20.6   μl、0.218mmol)を順次加えて室温で1 時間撹拌した。反応液に水を加えて希釈した 後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無 水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した 。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィー(関東化学、商品名Silica gel 60N、 状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=1:2) 精製することで標記化合物(15mg)を無色油状 として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.94(d,J=6.8Hz,1.5H),0.96(d,J=6.8Hz,1.5H),1.08-1.86( m,7H),1.62(s,3H),1.87-2.12(m,2H),2.01(s,1.5H),2.06(s,3H),2.0 8(s,1.5H),2.15-2.39(m,2H),4.17-4.30(m,1H),4.53-4.69(m,2H),5. 16-5.35(m,1H),5.36-5.74(m,4H);MS m/z 388.14(M+Na) +

工程(1-13)(2S,3S,4E)-2-[(1E)-3-ヒドロキシ-1-メチ ルプロパ-1-エン-1-イル]-3-メチル-12-オキサア シクロドデカ-4-エン-6-イル アセテート(P13) の合成

 (2E)-3-[(2S,3S,4E)-6-(アセトキシ)-3-メチル-12-オ サアザシクロドデカ-4-エン-2-イル]ブタ-2-エ ン-1-イル アセテート(92mg、0.251mmol)のメタノ ル(3ml)溶液に活性化した粉末モレキュラー ーブ4A(200mg)を窒素雰囲気下で加え、室温で7. 5時間撹拌した。反応液をセライトで濾過し 後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィーで(関東 学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm ;n-ヘプタン:酢酸エチル=1:3→ジクロロメタン: メタノール=15:1)で精製することで標記化合物 (61.2mg)を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.96(d,J=6.4Hz,1.5H),0.97(d,J=6.4Hz,1.5H),1.11-1.87( m,7H),1.65(s,3H),1.88-2.16(m,2H),2.01(s,1.5H),2.08(s,1.5H),2 .17-2.38(m,2H),4.08-4.27(m,3H),5.16-5.37(m,1H),5.38-5.50(m,1 .5H),5.51-5.75(m,2.5H);MS m/z 346.12(M+Na) +

工程(1-14)(2S,3S,4E)-3-メチル-2-[(1E)-1-メチルブ タ-1,3-ジエン-1-イル]-12-オキサアザシクロド カ-4-エン-6-イル アセテート(P14)の合成

 (2S,3S,4E)-2-[(1E)-3-ヒドロキシ-1-メチルプロパ- 1-エン-1-イル]-3-メチル-12-オキサアザシクロ デカ-4-エン-6-イル アセテート(20mg、61.8μmol) のジクロロメタン(2ml)溶液に室温でDess-Martin 薬(31.6mg、74.2μmol)を加えて、室温で30分撹拌 た。反応液を酢酸エチルで希釈した後、亜 酸ナトリウムを含む飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。 機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減 濃縮した。
 得られた残渣を無水THF(1ml)に溶解した溶液 、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム(3 7.6mg、92.8μmol)とn-ブチルリチウム 1.59M n-ヘ サン(58.4μl、92.8μmol)溶液から常法により調 したメチレントリフェニルホスホランの無 THF(1ml)溶液に、窒素雰囲気下、0℃で滴下し 同温度にて30分撹拌した。反応液を飽和塩化 アンモニウム水溶液で希釈した後、酢酸エチ ルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウ ムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東 学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm; n-ヘプタン:酢酸エチル=1:3)で精製することで 記化合物(10.4mg)を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.95(d,J=6.8Hz,1.5H),0.96(d,J=6.8Hz,1.5H),1.16-1.87( m,7H),1.73(s,3H),1.90-2.12(m,2H),2.01(s,1.5H),2.08(s,1.5H),2 .20-2.37(m,2H),4.20-4.30(m,1H),5.08-5.16(m,1H),5.17-5.50(m,4 .5H),5.58(dd,J=10.1Hz,14.6Hz,0.5H),6.10(d,J=10.8Hz,1H),6.48- 6.61(m,1H);MS m/z 342.14(M+Na) +

工程(1-15)メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1- H-テトラゾール-5-イル)チオ]ペンタ-2-エノエ ト(Q1a) 及び エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェ ル-1-H-テトラゾール-5-イル)チオ]ペンタ-2-エ エート(Q1b)の合成
工程(1-15-1)メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル- 1-H-テトラゾール-5-イル)チオ]ペンタ-2-エノエ ート(Q1a)の合成

  氷冷下にてメチル-(2E)-5-ヒドロキシ-3-メチル ンタ-2-エノエート(1.16g、7.31mmol)のTHF(36.8ml) 液に5-メルカプト-1-フェニルテトラゾール(2. 62g、14.60mmol)、トリフェニルホスフィン(3.83g 14.60mmol)及びジイソプロピルアゾジカルボキ レート(95%、2.96g、14.60mmol)を加えた。反応液 を室温まで昇温し、2時間撹拌した。反応液 酢酸エチルで希釈した後、蒸留水及び飽和 塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ ウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merc k、商品名Silica Gel 60、230-400mesh;へキサン:酢 エチル=5:1)により精製し、標記化合物(2.33g) 白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)2.22(d,J=1.2Hz,3H),2.70(t,J=7.2Hz,2H),3.54(t,J=7.2Hz ,2H),3.70(s,3H),5.70-5.74(q,J=1.2Hz,1H),7.52-7.59(m,5H);100M Hz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)18.41,30.75,39.68,50.94,117.30,123.73,129.81,130.18, 133.46,153.79,155.84,166.49;IR(KBr)=3071,2991,2948,1707,1648 ,1593,1499,1437,1412,1380,1226,1153,1057,877,761,693,559,485 ,407cm -1 ; HRMS C 14 H 16 AgN 4 O 2 S(M+Ag + )理論値411.0045, 実測値411.0073.

工程(1-15-2)エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニ -1-H-テトラゾール-5-イル)チオ]ペンタ-2-エノ エート(Q1b)の合成

  本反応は文献(Mitsunobu,O.、Synthesis、1981年、第1 -28ページ。)を参考にして行った。
  氷冷下にてエチル-(2E)-5-ヒドロキシ-3-メチル ンタ-2-エノエート(13.80g、86.90mmol)のTHF(410ml) 液に5-メルカプト-1-フェニルテトラゾール(1 6.30g、91.20mmol)、トリフェニルホスフィン(27.30 g、104mmol)及びジイソプロピルアゾジカルボキ シレート(95%,21.10g、104mmol)を加えた。反応液 室温まで昇温し、4時間撹拌した。反応液を 酸エチルで希釈した後、蒸留水及び飽和食 水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシ ムで乾燥した後、乾燥剤を濾去し、減圧濃 した。得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(Merck、商品名Silica Gel 60,230 -400mesh;へキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し 、標記化合物(27.16g)を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.26(t,J=7.2Hz,3H),2.22(s,3H),2.70(t,J=7.2Hz,2H),3.5 4(t,J=7.2Hz,2H),4.15(q,J=7.2Hz,2H),5.72(brs,1H),7.54-7.59(m, 5H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)14.05,18.22,30.59,39.53,59.48,117.58,123.57,129.61,1 29.98,133.33,153.61,155.24,165.96;IR( KBr)=3064,2981,2939,2 903,2358,2341,1713,1650,1597,1500,1386,1278,1222,1145,1054,7 63,694cm -1 ; HRMS C 15 H 18 AgN 4 O 2 S(M+Ag + )理論値425.0201, 実測値425.0170.

工程(1-16)メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1- H-テトラゾール-5-イル)スルホニル]ペンタ-2- ノエート(Q2a) 及び エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1 -フェニル-1-H-テトラゾール-5-イル)スルホニ ]ペンタ-2-エノエート(Q2b)の合成
工程(1-16-1)メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル- 1-H-テトラゾール-5-イル)スルホニル]ペンタ-2- エノエート(Q2a)の合成

  本反応は文献(Shultz,H.S.、外2名、Journal of Orga nic Chemistry、1963年、第28巻第4号、第1140-1140ペ ージ。)を参考にして行った。
 メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1-H-テト ゾル-5-イル)チオ]ペンタ-2-エノエート(7.53g、 24.70mmol)のエタノール(150ml)溶液に、室温にて モリブデン酸六アンモニウム四水和物(2.91mg 、2.35mmol)の約30%過酸化水素水(26.7ml、235mmol)溶 液を加えた。同温にて12時間撹拌した後に反 液を酢酸エチルで希釈し、蒸留水及び飽和 塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ ウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Mer ck、商品名Silica Gel 60、230-400mesh;へキサン:酢 酸エチル=4:1)により精製し、標記化合物(8.24g) を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)2.24(d,J=1.2Hz,3H),2.79-2.83(m,2H),3.71(s,3H),3.88-3 .92(m,2H),5.77-5.78(q,J=1.2Hz,1H),7.60-7.71(m,5H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)18.25,32.44,50.90,53.59,117.67,124.83,129.51,131.30, 132.66,152.97,165.99;IR( KBr)=3102,3075,2952,2913,1703,1651 ,1495,1439,1346,1238,1160,1047,998,923,882,764,689,593,550,5 07,456,420cm -1 ; HRMS C 14 H 16 AgN 4 O 4 S(M+Ag + )理論値442.9943, 実測値442.9929.

工程(1-16-2)エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニ -1-H-テトラゾール-5-イル)スルホニル]ペンタ -2-エノエート(Q2b)の合成

  本反応は文献(Shultz,H.S.、外2名、Journal of Orga nic Chemistry、1963年、第28巻第4号、第1140-1140ペ ージ。)を参考にして行った。
 エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1-H-テト ゾール-5-イル)チオ]ペンタ-2-エノエート(13.31 g、41.80mmol)のエタノール(200ml)溶液に、室温に て七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(54 2mg,0.44mmol)の約30%過酸化水素水(47.4ml、418.0mmol) 溶液を加えた。同温にて12時間撹拌した後に 反応液を酢酸エチルで希釈し、蒸留水及び 和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ ネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (Merck、商品名Silica Gel 60、230-400mesh;へキサ :酢酸エチル=4:1)により精製し、標記化合物( 12.65g)を白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.29(t,J=7.2Hz,3H),2.24(d,J=1.2Hz,3H),2.78-2.82(m,2H ),3.88-3.92(m,2H),4.17(q,J=7.2Hz,2H),5.77(brs,1H),7.59-7.71( m,5H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)14.22,18.51,32.72,53.93,59.97,118.44,124.95,129.77,1 31.55,132.88,152.56,153.19,165.81;IR( KBr)=3077,3008,2991,2 906,1698,1660,1495,1342,1235,1158,1045,877,764,689,589,550,5 08,454cm -1 ; HRMS C 15 H 18 AgN 4 O 4 S(M+Ag + )理論値457.0100, 実測値457.0133.

工程(1-17)メチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(ト リエチルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエー (Q3a) 及び エチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[ (トリエチルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエ ト(Q3b)の合成
工程(1-17-1)メチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[( リエチルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエー ト(Q3a)の合成

  本反応は文献(Blakemore,P.R.、外3名、Synletter、19 98年、第26-28ページ。)を参考にして行った。
 なお、本反応で使用するTHFは水素化リチウ アルミニウムから蒸留した。また、DMEは水 化カルシウムから蒸留した。
 メチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1-H-テト ゾル-5-イル)スルフォニル]ペンタ-2-エノエー ト(1.19g、3.53mmol)のDME(40ml)溶液に-60℃にてカリ ウム ビス(トリメチルシリル)アミド 0.5Mト エン溶液(8.48ml、4.24mmol)を滴下し、同温にて3 0分間撹拌した。次いで-78℃にて(2R,3S)-2-メチ -3-[(トリエチルシリル)オキシ]ペンタナール (1.63g、7.06mmol)のTHF(5ml)溶液を滴下し、2時間撹 拌した。反応液を室温まで昇温した後に、蒸 留水を加えた。酢酸エチルで希釈し、飽和食 塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウ ムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck、 商品名Silica Gel 60、230-400mesh;へキサン:ジエ ルエーテル=50:1)により精製し、標記化合物(1 .17g)を無色油状物として得た。標記化合物は 1 H-NMRによりE:Z=17:1の混合物と決定した。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.60(q,J=8.0Hz,6H),0.87(t,J=7.2Hz,3H),0.95(t,J=8.0Hz ,9H),0.96(d,J=6.8Hz,3H),1.35-1.50(m,2H),2.14(d,J=1.2Hz,3H),2 .25-2.31(m,1H),2.82(d,J=6.4Hz,2H),3.44-3.48(m,1H),3.69(s,3H) ,5.36(ddd,J=6.8,13.6,15.6Hz,1H),5.51(dd,J=7.6,15.2Hz,1H),5.6 8(q,J=1.2Hz,1H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)5.04,6.78,9.35,15.41,18.57,26.65,41.50,43.86,50.48,7 7.18,115.38,124.80,136.84,158.86,166.97;IR( neat)=2958,2879 ,2352,2330,1723,1651,1435,1219,1147,1013,740cm -1 ; HRMS C 19 H 36 AgO 3 Si(M+Ag + )理論値447.1485, 実測値447.1461;[α] D 21  -22.1(c1.10,CHCl 3 ).

工程(1-17-2)エチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8- [(トリエチルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエ ート(Q3b)の合成

  本反応は文献(Blakemore,P.R.、外3名、Synletter、19 98年、第26-28ページ。)を参考にして行った。
 なお、本反応で使用するTHFは水素化リチウ アルミニウムから蒸留した。また、DMEは水 化カルシウムから蒸留した。
 エチル-(2E)-3-メチル-5-[(1-フェニル-1-H-テト ゾル-5-イル)スルフォニル]ペンタ-2-エノエー ト(9.0g、25.7mmol)のDME(280ml)溶液に-60℃にてカリ ウム ビス(トリメチルシリル)アミド 0.5Mト エン溶液(64.2ml)を滴下し、同温にて30分間撹 した。次いで-78℃にて(2R,3S)-2-メチル-3-[(ト エチルシリル)オキシ]ペンタナール(12.0g、52 .1mmol)のTHF(50ml)溶液を滴下し、1時間撹拌した 反応液を室温まで昇温した後に、蒸留水を えた。酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で 浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(Merck、商品名S ilica Gel 60、230-400mesh;へキサン:ジエチルエー テル=100:1)により精製し、標記化合物(8.92g)を 色油状物として得た。標記化合物は 1 H-NMRによりE:Z=18:1の混合物と決定した。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.60(q,J=8.0Hz,6H),0.87(t,J=7.2Hz,3H),0.95(d,J=7.6Hz ,3H),0.96(t,J=8.0Hz,9H),1.27(t,J=7.2Hz,3H),1.36-1.53(m,2H),2 .13(d,J=1.2Hz,3H),2.26-2.32(m,1H),2.81(d,J=6.8Hz,2H),3.44-3. 48(m,1H),4.14(q,J=7.2Hz,2H),5.36(ddd,J=6.8,13.6,15.2Hz,1H),5 .51(dd,J=7.6,15.2Hz,1H),5.67-5.68(m,1H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)5.05,6.77,9.35,14.11,15.37,18.51,26.67,41.50,43.89,5 9.18,77.20,115.85,124.88,136.78,158.38,166.52;IR( neat)=295 8,2879,2362,2345,1719,1650,1460,1218,1144,1050,1013,740cm -1 ; HRMS C 20 H 38 AgO 3 Si(M+Ag + )理論値461.1641, 実測値461.1640;[α] D 22  -19.0(c2.06,CHCl 3 ).

工程(1-18)(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエチ シリル)オキシ]デカ-2,5-ジエン-1-オール(Q4) 合成
工程(1-18-1)(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエ ルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエン-1-オール(Q4) の合成

  メチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエチル シリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエート(0.22g、0. 64mmol)のトルエン(6ml)溶液に-78℃にて水素化ジ イソブチルアルミニウム 1Mトルエン溶液(1.76 ml、1.76mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌 た。反応液をジエチルエーテルで希釈し、 和酒石酸ナトリウムカリウム四水和物水溶 (1.0ml)を加え、室温まで昇温し、2時間撹拌し た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、 減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィー(Merck、商品名Silica G el 60、230-400mesh;へキサン:ジエチルエーテル=8 :1)により精製し、標記化合物(150mg)を無色油 物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.60(q,J=7.6Hz,6H),0.87(t,J=7.6Hz,3H),0.95(d,J=14.0H z,3H),0.96(t,J=7.6Hz,9H),1.35-1.50(m,2H),1.65(brs,3H),2.24-2 .29(m,1H),2.70(d,J=6.4Hz,2H),3.45(dd,J=5.6Hz,1H),4.16(d,J=7. 2Hz,2H),5.32-5.48(m,3H);100MHz  13 C-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)5.08,6.85,9.37,15.73,16.08,26.72,41.50,42.82,59.10,7 7.39,123.82,126.73,135.25,138.53;IR( neat)=3330,2959,2875,1 671,1459,1419,1009,740cm -1 ; HRMS C 18 H 36 AgO 2 Si(M+Ag + )理論値419.1536, 実測値419.1572;[α] D 21  -23.4(c1.45,CHCl 3 ).

工程(1-18-2)(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリ チルシリル)オキシ]デカ-2,5-ジエン-1-オール( Q4)の合成

  エチル-(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエチル シリル)オキシ]デカ-2,5-ジエノエート(8.92g、25 .20mmol)の無水ジエチルエーテル(37.5ml)溶液に-7 8℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム 1M ルエン溶液(52.2ml、52.2mmol)を滴下し、同温度 にて1時間撹拌した。反応液にメタノール(1ml) 及び飽和酒石酸ナトリウムカリウム四水和物 水溶液(9.3ml)を加え、室温まで昇温し、2時間 拌した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(Merck、商品名S ilica Gel 60、230-400mesh;へキサン:ジエチルエー テル=8:1)により精製し、標記化合物(3.84g)を無 色油状物として得た。(2-2)で得られた標記化 物の 1 H-NMRデータは(2-1)で得られた標記化合物の 1 H-NMRデータと完全に一致した。

工程(1-19){(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ-4-メ ルヘプタ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキシラン- 2-イル}メチル 4-メチルベンゼンスルホネー (Q7)の合成
工程(1-19-1)(2R,3R)-3-メチル-3-{(2E,4S,5S)-4-メチル- 5-[(トリエチルシリル)オキシ]ヘプタ-2-エン-1- イル}オキシラン-2-イル)メタノール(Q5)の合成

  本反応は文献(Katsuki,T.、外2名、J.Am.Chem.Soc.,198 0年、第102巻、第5976-5978ページ。Gao,Y.、外5名 Journal of the American Chemical Society、1987年、 第109巻、第5765-5780ページ。)を参考にして行 た。
(i)アルゴン雰囲気下、活性化した粉末モレキ ュラーシーブ4A(880mg)に蒸留した無水ジクロロ メタン(22ml)を加えて-30℃に冷却した。次いで 、反応液を撹拌しながら(-)-酒石酸ジエチル(2 .01ml、11.7mmol)とチタンテトライソプロポキシ (2.32ml、7.89mmol)を加えて5分間撹拌した後、(2 E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエチルシリル) キシ]デカ-2,5-ジエン-1-オール(1.76g、5.63mmol) ジクロロメタン(4ml)溶液を滴下した。30分間 拌した後、15分間かけて反応溶液にtert-ブチ ルヒドロ過酸化物 5Mデカン溶液(2.26ml、11.20mm ol)を滴下した。この後、反応液を同温にてさ らに1.5時間撹拌した。反応液に蒸留水(5ml)を えて、セライトを用いて濾過した。濾液を 酸エチルで希釈し、蒸留水及び飽和食塩水 洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで 燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(Kanto、商品 Silica Gel 60N、40-100μm;へプタン:酢酸エチル= 5:1)により精製し、標記化合物(1.69g、90%de)を 色油状物として得た。なお、光学純度の測 は標記化合物を{(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキ -4-メチルヘプタ-2エン-1-イル]-3-メチルオキ ラン-2-イル}メチル 4-メチルベンゼンスル ネート(Q7)へ変換して、キラルカラム(DAICEL、 商品名CHIRALPAK AD-H、へキサン:イソプロピル ルコール=90:10)を用いたHPLCによって決定した 。
(ii)アルゴン雰囲気下、活性化した粉末モレ ュラーシーブ4A(500mg)に蒸留した無水ジクロ メタン(12ml)を加えて-30℃に冷却した。次い 、反応液を撹拌しながら(-)-酒石酸イソプロ ル(0.202ml、0.96mmol)とチタンテトライソプロ キシド(0.189ml、0.640mmol)を加えて5分間撹拌し 後、(2E,5E,7S,8S)-3,7-ジメチル-8-[(トリエチル リル)オキシ]デカ-2,5-ジエン-1-オール(1.0g、3. 20mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液を滴下した。 反応液を30分間撹拌した後、15分間かけて反 溶液にtert-ブチルヒドロ過酸化物 5Mデカン 液(1.28ml,6.36mmol)を滴下した。この後、反応液 を同温にてさらに2時間撹拌した。反応液に 留水(5ml)を加えて、セライトを用いて濾過し た。濾液を酢酸エチルで希釈し、蒸留水及び 飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナ トリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (Kanto、商品名Silica Gel 60N、40-100μm;へプタン: 酢酸エチル=5:1)により精製し、標記化合物(925 mg、82%de)を無色油状物として得た。なお、光 純度の測定は標記化合物を{(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S) -5-ヒドロキシ-4-メチルヘプタ-2エン-1-イル]-3- メチルオキシラン-2-イル}メチル 4-メチルベ ゼンスルホネート(Q7)へ変換して、キラルカ ラム(DAICEL、商品名CHIRALPAK AD-H、へキサン:イ プロピルアルコール=90:10)を用いたHPLCによ て決定した。
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.67(q,J=8.0Hz,6H),0.93(t,J=7.6Hz,3H),1.02(d,J=6.8 Hz,3H),1.03(t,J=8.0Hz,9H),1.29(s,3H),1.45-1.58(m,2H),2.23-2. 35(m,3H),2.97(dd,J=4.8,6.4Hz,1H),3.56(dt,J=5.6,6.0Hz,1H),3.6 3(dd,J=6.0,12.0Hz,1H),3.75(dd,J=4.8,12.0Hz,1H),5.13(dt,J=7.2 ,15.6Hz,1H),5.57(dd,J=7.6,15.6Hz,1H);100MHz  13 C-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)6.14,7.43,9.85,16.39,17.05,27.91,42.79,42.99,61.68 ,61.72,63.68,78.70,125.23,138.18;IR( neat)=3422,2959,2877,1 459,1239,1103,1016,740cm -1 ; HRMS C 18 H 36 AgO 3 Si(M+Ag + )理論値435.1485, 実測値435.1492;[α] D 21  -15.1(c2.14,MeOH) (90%de).

工程(1-19-2)(2R,3R)-3-メチル-3-{(2E,4S,5S)-4-メチ -5-[(トリエチルシリル)オキシ]ヘプタ-2-エン -1-イル}オキシラン-2-イル)メチル 4-メチルベ ンゼンスルホネート(Q6)の合成

 (2R,3R)-3-メチル-3-{(2E,4S,5S)-4-メチル-5-[(トリ チルシリル)オキシ]ヘプタ-2-エン-1-イル}オ シラン-2-イル)メタノール(425mg、1.29mmol、90%de )のジクロロメタン(9ml)溶液に室温にてトリエ チルアミン(1.86ml、12.90mmol)、4-ジメチルアミ ピリジン(23.7mg、0.19mmol)及びp-トルエンスル ニルクロリド(493mg、2.59mmol)を加えた。反応 を同温にて2時間撹拌した。反応液を酢酸エ ルで希釈した後、蒸留水及び飽和食塩水で 浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(Kanto、商品名S ilica Gel 60N、40-100μm;へプタン:酢酸エチル=15: 1)により精製し、標記化合物(641mg、90%de)を無 油状物として得た。なお、光学純度の測定 標記化合物を{(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ -4-メチルヘプタ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキ ラン-2-イル}メチル 4-メチルベンゼンスルホ ネート(Q7)へ変換して、キラルカラム(DAICEL、 品名CHIRALPAK AD-H、へキサン:イソプロピルア ルコール=90:10)を用いたHPLCによって決定した
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.66(q,J=8.0Hz,6H),0.91(t,J=7.6Hz,3H),0.99(d,J=7.2 Hz,3H),1.02(t,J=8.0Hz,9H),1.21(s,3H),1.40-1.56(m,2H),2.15-2. 35(m,3H),2.50(s,3H),3.02(dd,J=4.8,6.8Hz,1H),3.54(dt,J=5.2,6. 0Hz,1H),4.10(dd,J=6.8,11.2Hz,1H),4.27(dd,J=4.8,11.2Hz,1H),5. 37(dt,J=8.0,15.6Hz,1H),5.53(dd,J=8.0,15.6Hz,1H),7.50(ddd,J=1 .0,2.0,6.8Hz,2H),7.85(dd,J=1.6,6.8Hz,2H);100MHz  13 C-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)6.11,7.51,9.90,16.44,17.20,21.73,27.87,42.11,42.92 ,59.45,61.85,70.33,78.54,124.60,128.97,131.07,134.19,138.53, 146.44; [α] D 21  +2.70(c2.10,MeOH).

工程(1-19-3){(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ-4- メチルヘプタ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキシ ン-2-イル}メチル 4-メチルベンゼンスルホネ ート(Q7)の合成

 (i)(2R,3R)-3-メチル-3-{(2E,4S,5S)-4-メチル-5-[(ト エチルシリル)オキシ]ヘプタ-2-エン-1-イル} キシラン-2-イル)メチル 4-メチルベンゼンス ルホネート(440mg、0.91mmol、90%de)のTHF(2ml)溶液 室温にて1M塩酸水溶液(0.1ml)を加え、同温に 1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈 た後、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄した。 機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(Kanto、商品名Silica Gel 60N 、40-100μm;へプタン:酢酸エチル=2:1)により精 し、標記化合物(334mg、90%de)を無色油状物と て得た。なお、光学純度はキラルカラム(DAIC EL、商品名CHIRALPAK AD-H、へキサン:イソプロピ ルアルコール=90:10)を用いたHPLCによって決定 た。
(ii)標記化合物({(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ -4-メチルヘプタ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキ ラン-2-イル}メチル 4-メチルベンゼンスルホ ネート)(850mg、82%de)を分取用キラルカラム(DAIC EL、商品名CHIRALPAK AD、20X250mm、へキサン:イソ プロピルアルコール=90:10、流速10mL/min)を用い たHPLCで分取し、標記化合物(634mg、>99%de)を 色油状物として得た。また、そのβ-エポキ 異性体(38mg、>99%de)を無色油状物として得 。
Q7:400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.97(t,J=7.6Hz,3H),1.04(d,J=6.8Hz,3H),1.21(s,3H),1 .29-1.38(m,1H),1.53-1.63(m,1H),2.14-2.30(m,3H),2.50(s,3H),3. 03(dd,J=4.4,6.8Hz,1H),3.25-3.29(m,1H),4.10(dd,J=6.8,11.2Hz,1 H),4.28(dd,J=4.4,11.2Hz,1H),5.38(dt,J=6.8,15.6Hz,1H),5.49(dd ,J=8.0,15.6Hz,1H),7.50(dd,J=1.0,8.4Hz,2H),7.85(ddd,J=2.0,2.0 ,8.4Hz,2H);100MHz  13 C-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)10.64,16.58,17.10,21.62,28.31,41.96,44.21,59.51,62 .01,70.43,77.63,124.85,129.00,131.13,134.15,138.80,146.65;  IR( neat)=3386,2976,2958,2924,2502,1933,1599,1454,1359,1173 ,1095,967,866,782,667,554cm -1 ;HRMS C 19 H 28 NaO 5 S(M+Na + )理論値391.1555, 実測値391.1550;[α] D 20  +2.82(c1.04,MeOH).
βエポキシ体(Q7の異性体):400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.98(t,J=7.6Hz,3H),1.04(d,J=6.8Hz,3H),1.21(s,3H),1 .27-1.42(m,1H),1.53-1.65(m,1H),2.13-2.31(m,3H),2.50(s,3H),3. 03(dd,J=4.8,6.8Hz,1H),3.23-3.31(m,1H),4.10(dd,J=6.8,11.6Hz,1 H),4.28(dd,J=4.8,11.6Hz,1H),5.38(dt,J=7.2,15.6Hz,1H),5.49(dd ,J=8.0,15.6Hz,1H),7.50(dd,J=0.8,8.0Hz,2H),7.85(m,2H).

工程(1-20)(1R)-1,2-アンヒドロ-3,5-ジデオキシ-1-[ (1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-4-C-ビニ -D-エリトロ-ペンチト-ル(Q9)の合成
工程(1-20-1)5,6:8,9-ジアンヒドロ-1,2,4,7-テトラ オキシ-4,8-ジメチル-10-O-[(4-メチルフェニル) ルホニル]-D-トレオ-D-ガラキト-デシトール(Q 8)の合成

 本反応は文献(Wang,Z.,-X.、外4名、Journal of th e American Chemical Society、1997年、第119巻、第11 224-11235ページ。Wang,Z.,-X.、外4名、Journal of Or ganic Chemistry、1997年、第62巻、第2328-2329ペー 。)を参考にして行った。
(i){(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ-4-メチルヘ タ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキシラン-2-イル} メチル 4-メチルベンゼンスルホネート(2.82g 7.64mmol,89%de)をアセトニトリル(80.8ml)と0.05Mナ リウム テトラボレートデカヒドレートの0. 4mMエチレンジアミンテトラ酢酸 二ナトリウ 塩水溶液(53.4ml)に溶解した。氷冷下にて1,2:4 ,5-ジ-O-イソプロピリデン-D-エリスロ-2,3-へキ ジウロ-2,6-ピラノース(1.97g、7.64mmol)を加え 。次いで、同温度にて炭酸カリウム(12.70g、9 1.80mmol)とオキソン(14.10g、22.93mmol)の混合粉末 4時間かけて加えた。反応液を同温にてさら に1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希 し、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄した。有 層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃 した。得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(Kanto、商品名Silica Gel 60N、4 0-100μm;へプタン:酢酸エチル=3:1→2:1)により精 製し、標記化合物(2.57g、81%de)を無色油状物と して得た。なお、標記化合物の光学純度はキ ラルカラム(DAICEL、商品名CHIRALPAK AD-H、へキ ン:イソプロピルアルコール=80:20)を用いたHPL Cにより決定した。次いで、へキサン-ジエチ エーテル混合溶媒を用いて再結晶し、標記 合物(1.52g)を単一物(>99%de)の無色プリズム として得た。
(ii){(2R,3R)-3-[(2E,4S,5S)-5-ヒドロキシ-4-メチルヘ タ-2-エン-1-イル]-3-メチルオキシラン-2-イル }メチル 4-メチルベンゼンスルホネート(700mg 1.90mmol、>99%de)をアセトニトリル(20.1ml)と0. 05Mナトリウム テトラボレートデカヒドレー の0.4mMエチレンジアミンテトラ酢酸 二ナト リウム塩水溶液(13.3ml)に溶解した。氷冷下に 1,2:4,5-ジ-O-イソプロピリデン-D-エリスロ-2,3- へキソジウロ-2,6-ピラノース(489mg、1.90mmol)を えた。次いで、同温度にて炭酸カリウム(3.1 5g、22.8mmol)とオキソン(3.50g、5.71mmol)の混合粉 を4時間かけて加えた。反応液を同温にてさ らに1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで 釈し、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄した。 機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(Kanto、商品名Silica Gel 60N 40-100μm;へプタン:酢酸エチル=3:1→2:1)により 精製し、標記化合物(331mg、88%de)を無色油状物 として得た。なお、標記化合物の光学純度は キラルカラム(DAICEL、商品名CHIRALPAK AD-H、へ サン:イソプロピルアルコール=80:20)を用いた HPLCにより決定した。
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.98(d,J=7.2Hz,3H),0.99(t,J=7.6Hz,3H),1.27-1.36(m, 1H),1.32(s,3H),1.48-1.61(m,2H),1.67(dd,J=6.8,14.4Hz,1H),1.80 (dd,J=4.8,14.4Hz,1H),2.50(s,3H),2.71(dd,J=6.4,8.0Hz,1H),2.85 -2.89(m,1H),3.10(dd,J=4.4,6.4Hz,1H),3.57(dt,J=4.8,8.0Hz,1H), 4.12(dd,J=6.4,11.2Hz,1H),4.31(dd,J=4.4,11.6Hz,1H),7.44(dd,J= 1.0,8.0Hz,2H),7.86(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),7.87(dd,J=2.0,8.4Hz,1H );100MHz  13 C-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)10.55,10.85,17.41,21.62,28.55,41.82,42.36,55.43,60 .18,60.63,61.63,70.17,75.15,129.00,131.13,134.04,146.66; IR ( KBr)=3389,2976,2957,2873,1923,1598,1454,1359,1188,1173,10 99,969,866,815,669,557,507cm -1 ;HRMS C 19 H 28 AgO 6 S(M+Ag + )理論値491.0658, 実測値491.0638;[α] D 23  +42.7(c1.00,MeOH)(>99%de).

工程(1-20-2)(1R)-1,2-アンハイドロ-3,5-ジデオ シ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-4-C- ビニル-D-エリトロ-ペンチト-ル(Q9)の合成

 本反応は文献(Fujii, N.、外7名、Journal of the  Chemical Society Perkin Transactions 1、1996年、第 865-866ページ。)を参考にして行った。
 5,6:8,9-ジアンハイドロ-1,2,4,7-テトラデオキ -4,8-ジメチル-10-O-[(4-メチルフェニル)スルホ ル]-D-トレオ-D-ガラキト-デシトール(350mg、0. 91mmol)のアセトン(17.5ml)とDMF(3.5ml)の混合溶液 溶解し、ヨウ化カリウム(528mg、3.18mmol)を加 、2時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却 化、4-(ジメチルアミノ)フェニルジフェニル スフィン(420mg、1.37mmol)及びヨウ素(100mg、0.45m mol)を加え、同温にて15分間撹拌した。反応液 に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(3ml)及び5%炭酸 チオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、同温 てさらに10分間撹拌した。反応液に酢酸エ ルで希釈し、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄 た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し 減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(Kanto、商品名Silica  Gel 60N、40-100μm;へプタン:酢酸エチル=2.5:1)に り精製し、標記化合物(186mg)を無色油状物と して得た。
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.98(d,J=7.2Hz,3H),0.99(t,J=7.6Hz,3H),1.29-1.37(m, 1H),1.36(s,3H),1.48-1.61(m,2H),1.73(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),1.80 (dd,J=6.0,14.0Hz,1H),2.72(dd,J=2.4,7.6Hz,1H),2.95(dt,J=2.4,6 .0Hz,1H),3.38(s,1H),3.58(dt,J=4.8,8.0Hz,1H),5.08(dd,J=1.6,10 .8Hz,1H),5.29(dd,J=1.6,17.6Hz,1H),6.02(dd,J=10.8,17.6Hz,1H); 100MHz  13 C-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)10.28,10.92,27.88,28.54,42.39,45.54,55.74,62.10,73 .17,75.18,112.21,146.27; IR(neat)=3418,3088,2970,2935,2879, 1647,1455,1416,925cm -1 ;HRMS C 12 H 22 O 3 Ag(M+Ag + )理論値321.0620, 実測値321.0667;[α] D 24  +13.5(c1.67,MeOH)(>99%de).

工程(1-20-3)(1R)-1,2-アンハイドロ-3,5-ジデオ シ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-4-C- ビニル-D-エリトロ-ペンチト-ル(Q9)の合成の別 法

 本反応は文献(Sarandeses, L.A.、外2名、Journal  of the Chemical Society Chemical Communications、1991 、第818-820ページ。)を参考にして行った。
 5,6:8,9-ジアンハイドロ-1,2,4,7-テトラデオキ -4,8-ジメチル-10-O-[(4-メチルフェニル)スルホ ル]-D-トレオ-D-ガラキト-デシトール(200mg、0. 52mmol)のアセトン(5ml)とDMF(1ml)の混合溶液に溶 し、ヨウ化カリウム(303mg、1.83mmol)を加え、2 時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却化 、反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(3ml) び5%炭酸チオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加 、同温にてさらに10分間撹拌した。反応液 酢酸エチルで希釈し、蒸留水及び飽和食塩 で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム 乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗生成物 次の反応に使った。
 亜鉛粉末(102、1.56mmol)のエタノール(0.5ml)と (0.75ml)の混合溶液に溶解し、ヨウ化銅(99mg、0 .52mmol)を加え、室温にて超音波で5分間撹拌し た。この反応液に上記粗生成物のエタノール (0.5ml)溶液を加え、同温にて1.5時間超音波で 拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、セ イト濾過したのち、蒸留水及び飽和食塩水 洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで 燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(Kanto、商品 Silica Gel 60N、40-100μm;へプタン:酢酸エチル=2 .5:1)により精製し、標記化合物(110mg)を無色油 状物として得た。本別法で得られた標記化合 物の 1 H-NMRは上記(20-2)で得られた標記化合物の 1 H-NMRデータと完全一致した。

工程(1-21)(2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5R)-5-ヒドロキシ-6- {(2R,3R)-3-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル] キシラン-2-イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジ ン-1-イル)-3-メチル-12-オキサアザシクロドデ カ-4-エン-6-イル アセテート(P15)の合成

 本反応は文献(Grubbs,R.H.、「Handbook of Metathes is」、Wiley-VCH、2003年、第2巻、第246-292ページ )を参考にして行った。
 アルゴン雰囲気下、(2S,3S,4E)-3-メチル-2-[(1E)- 1-メチルブタ-1,3-ジエン-1-イル]-12-オキサアザ シクロドデカ-4-エン-6-イル アセテート(10.0mg ,31.3μmol)及び(1R)-1,2-アンハイドロ-3,5-ジデオ シ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-4-C- ビニル-D-エリトロ-ペンチト-ル(9.4mg、43.9μmol) を無水ジクロロメタン(2.5ml)に溶解した溶液 、第二世代Grubbs触媒;[1,3-ビス-(2,4,6-トリメチ ルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロ (フェニルメチレン)-トリシクロヘキシルホ フィン)ルテニウム(2.66mg、3.1μmol)を加え、 応液を2時間加熱還流した。反応液を減圧濃 して得られた残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(Merck、商品名20 PLC プレート 20×20 Silica Gel 60 F 254 、0.5mm;ジクロロメタン:メタノール=15:1)によ 精製し、標記化合物(4.6mg)を白色固体として た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.80-1.02(m,9H),1.18-1.67(m,8H),1.37(s,1.5H),1.37(s, 1.5H),1.69-1.90(m,3H),1.73(s,3H),1.90-2.16(m,2H),1.99(s,1.5H ),2.08(s,1.5H),2.19-2.34(m,2H),2.76(dd,J=2.2,6.2Hz,1H),2.94- 3.13(m,1H),3.55-3.72(m,3H),4.18-4.29(m,1H),5.17-5.47(m,2.5H) ,5.58(dd,J=9.9,14.7Hz,0.5H),5.80(d,J=15.1Hz,1H),6.10(d,J=10. 8Hz,1H),6.50(dd,J=10.8,15.1Hz,1H);MS m/z 528.37(M+Na) +

[実施例2] (2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5S)-6-{(2R,3R)-3-[(1R,2S) -2-ヒドロキシ-1- メチルブチル]オキシラン-2- イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)-3- メチル-12-オキソアザシクロドデカ-4-エン-6- ル アセテート(P16)の合成例
工程(2-1)tert-ブチル[((1S,2S)-1-エチル-2{(2R,3R)-3-[ (2S)-2-メチルブタ-3-エン-1-イル]オキシラン-2- ル}プロピル)オキシ]ジメチルシラン(Q16)の 成

 本工程は文献(Matsubara,S.、外2名、Synletter、19 98年、第97巻、第313-315ページ。)を参考にして 行った。
 Nysted試薬([シクロ-ジブロモジ-μ-メチレン(μ -テトラヒドロフラン)トリ亜鉛])の20%wtテトラ ヒドロフラン懸濁液(4.56g、2.0mmol)のTHF(6ml)溶 に、0℃にて三フッ化ホウ素ジメチルエーテ 錯体(71mg、0.5mmol)を加え、同温にて5分間撹 した。反応液に((5R)-4,5-アンヒドロ-5-((1S,2S)-2 -{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-メチ ルブチル)-2,3-ジデオキシ-2-メチル-L-エリトロ -ペントース(315mg、0.10mmol)のTHF溶液(2ml)を加え 、室温まで昇温したのち、3時間撹拌した。 応液に塩酸1M水溶液(3ml)を加え、反応液をヘ サンで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗 し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(関東化学、商品名Sil ica Gel 60N、0.040mm-0.100mm;へプタン:酢酸エチル =50:1→5:1)により精製し、標記化合物(77mg)を無 色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.13(s,6H),0.88(t,J=7.6Hz,3H),0.94(d,J=7.6Hz,3H),0 .96(s,9H),1.10(d,J=6.8Hz,3H),1.30-1.42(m,1H),1.48-1.64(m,4H) ,2.34-2.50(m,1H),2.72(dd,J=2.4,8.0Hz,1H),2.75-2.85(m,1H),3.6 9-3.82(m,1H),5.01(brd,J=10.8Hz,1H),5.08(brd,J=17.2Hz,1H),5.7 2-5.86(m,1H);MS m/z 335.05(M+Na) + .

工程(2-2)(2R,3S)-2-{(2R,3R)-3-[(2S)-2-メチルブタ-3 -エン-1-イル]オキシラン-2-イル}ペンタン-3-オ ール(R1)の合成

 tert-ブチル[((1S,2S)-1-エチル-2{(2R,3R)-3-[(2S)-2- チルブタ-3-エン-1-イル]オキシラン-2-イル}プ ロピル)オキシ]ジメチルシラン(400mg、1.28mmol) THF(10ml)溶液にテトラ-n-ブチルアンモニウム フロリド 1M THF溶液(5.12ml)を加えた。反応液 を室温で13時間撹拌した。反応液に水を加え 希釈したのち酢酸エチルで抽出した。有機 を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグ シウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 関東化学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm- 0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=3:1)で精製する とで標記化合物(254mg)を無色油状物として得 。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.96(t,J=8.4Hz,3H),0.97(d,J=7.1Hz,3H),1.07(d,J=6.8Hz ,3H),1.41-1.58(m,4H),1.81-1.92(brs,1H),2.33-2.46(m,1H),2.69( dd,J=2.2,7.1Hz,1H),2.79-2.83(m,1H),3.56-3.66(brs,1H),4.99(d, J=10.3Hz,1H),5.05(d,J=17.2Hz,1H),5.74(ddd,J=7.7,10.3,17.2Hz, 1H);MS m/z 221.15(M+Na) +

工程(2-3)(2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5S)-6-{(2R,3R)-3-[(1R,2S) -2-ヒドロキシ-1-     メチルブチル]オキシ ン-2-イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエン-1- ル)-3-メチル-12-オキソアザシクロドデカ-4-エ ン-6-イル アセテート(P16)の合成

 本反応は文献(Grubbs,R.H.、「Handbook of Metathes is」、Wiley-VCH、2003年、第2巻、第246-292ページ )を参考にして行った。
 窒素雰囲気下、(2S,3S,4E)-3-メチル-2-[(1E)-1-メ ルブタ-1,3-ジエン-1-イル]-12-オキサアザシク ロドデカ-4-エン-6-イル アセテート(4.2mg,13.1μ mol)及び(2R,3S)-2-{(2R,3R)-3-[(2S)-2-メチルブタ-3-エ ン-1-イル]オキシラン-2-イル}ペンタン-3-オー (11.9mg、60μmol)を無水ジクロロメタン(2ml)に 解した溶液に、第二世代Grubbs触媒;[1,3-ビス-( 2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニ デン]ジクロロ(フェニルメチレン)-トリシク ヘキシルホスフィン)ルテニウム(1.11mg、1.3μ mol)を加え、反応液を5時間加熱還流した。反 液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(Merck、商品名20  PLC プレート 20×20 Silica Gel 60 F 254 、0.5mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=1:6)により精製 、標記化合物(2.8mg)を無色油状物として得た 。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.90-1.00(m,9H),1.02-1.12(m,3H),1.17-1.88(m,13H),1.7 0(s,3H),1.89-2.06(m,1H),2.01(s,3H),2.20-2.34(m,2H),2.38-2.52 (m,1H),2.64-2.72(m,1H),2.74-2.81(m,1H),3.53-3.64(m,1H),4.16- 4.34(m,1H),5.17-5.64(m,5H),5.55-5.62(m,1.5H),6.06(d,J=10.6Hz ,1H),6.24(dd,J=10.6,15.2Hz,1H);MS m/z 512.35(M+Na) +

 [実施例3] (2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5S)-6-{2R,3R)-3-[(1R,2S )-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]オキシラン-2- ル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)-1,3 -ジメチル-12-オキサアザシクロドデカ-4-エン- 6-イル アセテート(P24)の合成例
工程(3-1)N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3- ード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチル タ-2-エン-1-イル}-2-ニトロアニリン(P17)の合

 tert-ブチル{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3 -ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチ ブタ-2-エン-1-イル}カルバメート(910mg、1.93mm ol)に4M 塩化水素-酢酸エチル溶液(20ml)を加え 。反応液を室温で1時間撹拌したのち、減圧 濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈 し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び 飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫 酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をジクロロメタン(10ml)に溶解 、トリエチルアミン(808μl、5.79mmol)及び2-ニ ロベンゼンスルホニルクロリド(428mg、1.93mmo l)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌したの ち、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ク ロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水 で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲ ルクロマトグラフィー(関東化学、商品名Silic a gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸 エチル=6:1→2:1)で精製することで標記化合物( 935mg)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.93(d,J=6.8Hz,3H),1.41(s,3H), 2.32-2.44(m,1H),3.62 -3.70(m,1H),3.76-3.94(m,2H),4.41(s,1H),4.42(s,1H),5.46(d,J=7 .9Hz,1H),5.49(t,J=5.9Hz,1H),6.22(d,J=14.5Hz,1H),6.27(dd,J=7. 7,14.5Hz,1H),7.27-7.39(m,5H),7.54-7.63(m,2H),7.77-7.82(m,1H) ,7.98-8.04(m,1H);MS m/z 579.10(M+Na) +

工程(3-2)N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3 -ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチ ブタ-2-エン-1-イル}-N-メチル-2-ニトロアニリ ン(P18)の合成

 窒素雰囲気下、N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[ (1S,2E)-3-ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]- 2-メチルブタ-2-エン-1-イル}-2-ニトロアニリン (935mg、1.68mmol)のDMF(16ml)溶液に、炭酸カリウム (1.86g、13.5mmol)及びヨウ化メチル(418μl、6.73mmol )を加え、反応液を室温で68時間撹拌した。反 応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸 マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得ら れた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー( 東化学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0. 100mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=2:1)で精製するこ で標記化合物(912mg)を無色油状物として得た 。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.00(d,J=6.8Hz,3H),1.66(s,3H), 2.65-2.76(m,1H),2.83 (s,3H),4.07(d,J=6.0Hz,1H),4.08(d,J=6.0Hz,1H),4.18(d,J=11.0Hz ,1H),4.49(s,2H),5.58(t,J=6.0Hz,1H),6.08(d,J=14.3Hz,1H),6.24( dd,J=9.2,14.3Hz,1H),7.27-7.39(m,5H),7.55-7.62(m,1H),7.62-7.7 1(m,2H),7.93-7.98(m,1H);MS m/z 609.06(M+Na) +

工程(3-3)N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3 -ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチ ブタ-2-エン-1-イル}-7-ヒドロキシ-N-メチルヘ プタンアミド(P19)の合成

 窒素雰囲気下、N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[ (1S,2E)-3-ヨード-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル]- 2-メチルブタ-2-エン-1-イル}-N-メチル-2-ニトロ アニリン(912mg、1.60mmol)のDMF(16ml)溶液に水酸化 リチウム(153mg、6.38mmol)及びチオグリコール酸 (222μl、3.19mmol)を加え、反応液を室温で2.5時 撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し 。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 水及び飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸 グネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣と7-{[tert-ブチル(ジメチル)シ ル]オキシ}ヘプタン酸(658mg、2.54mmol)をDMF(30ml) に溶解した。この溶液にジイソプロピルアミ ン(1.17ml、6.73mmol)及びPyBOP;ベンゾトリアゾー -1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウ ム ヘキサフルオロホスフェート(1.31g、2.54mmo l)を順次加え、室温で1日間撹拌した。反応液 に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて希釈 した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽 和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をTHF(16ml)に溶解した溶液に、 トラ-n-ブチルアンモニウム フロリド 1M TH F溶液(8.45ml)を加えて室温で19.5時間撹拌した 反応液に水を加え希釈した後、酢酸エチル 抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した ち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃 した。得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(関東化学、商品名Silica gel  60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エチ =2:1)で精製することで標記化合物(550mg)を無 油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.06(d,J=6.6Hz,3H),1.34-1.47(m,2H),1.55(s,3H), 1.57 -1.72(m,6H),2.22-2.35(m,2H),2.63(s,3H),2.64-2.72(m,1H),3.65( t,J=6.6Hz,2H),4.13(d,J=6.2Hz,2H),4.51(d,J=12.3Hz,1H),4.53(d, J=12.3Hz,1H),5.01(d,J=10.8Hz,1H),5.54(t,J=6.2Hz,1H),6.03(d,J =14.3Hz,1H),6.36(dd,J=9.7,14.3Hz,1H),7.26-7.39(m,5H);MS m/z  536.20(M+Na) +

工程(3-4)(9E,11S,12S)-12-[(1E)-3-ベンジロキシ-1- チルプロパ-1-エン-1-イル]-8-{[tert-ブチル(ジ チル)シリル]オキシ}-1,11-ジメチルアザシク ドデカ-9-エン-2-オン(P20)の合成

 本工程は文献(Furstner,A.、Chemical Review、1999 、第99巻、第991-1045ページ。Stamos,D.P、外3名 Tetrahedron Letter、1997年、第38巻第36号、第6355- 6358ページ。Pilli,R.A.、外3名、The Journal of Org anic Chemistry、1998年、第63巻、第7811-7819ページ 。)を参考にして行った。
 本工程では、使用直前に凍結脱気を行ったD MFを用いた。また、塩化クロム(II)及び塩化ニ ッケル(II)は使用直前に真空ポンプを用いて 圧下、200℃で5時間乾燥した。
 N-{(1S,2E)-4-(ベンジロキシ)-1-[(1S,2E)-3-ヨード-1 -メチルプロパ-2-エン-1-イル]-2-メチルブタ-2- ン-1-イル}-7-ヒドロキシ-N-メチルヘプタンア ミド(100mg、0.195mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液 に室温でDess-Martin試薬(165mg、0.39mmol)を加えて 室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル で希釈し、亜硫酸ナトリウムを含む飽和炭酸 水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順 次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム で乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をDMF(4ml)に溶解した溶液を、 化クロム(II)(144mg、1.17mmol)と塩化ニッケル(II) (1.52mg、11.7μmol)のDMF(26ml)溶液に、アルゴン雰 気下、0℃で滴下した。反応液を室温で13時 撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリ ム水溶液に溶かした1Mセリンナトリウム塩 溶液(20ml)を加えた。反応液が黒紫色になる で撹拌した。反応液に水を加えて希釈した 、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食 水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで 燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をDMF(3ml)に溶解し、イミダゾ ル(79.7mg、1.17mmol)及びtert-ブチルジメチルシ ルクロリド(90.9mg、0.585mmol)を順次加えて室温 で1日間撹拌した。反応液に水を加えて希釈 た後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽 食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウ で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化 、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n- ヘプタン:酢酸エチル=3:1)で精製することで標 記化合物(57mg)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.00(s,1.5H),0.01(s,1.5H),0.01(s,1.5H),0.02(s,1.5H), 0.86(s,4.5H),0.89(s,4.5H),1.06(d,J=6.2Hz,1.5H),1.07(d,J=6.2H z,1.5H),1.12-1.56(m,4H),1.59(s,1.5H),1.60(s,1.5H),1.63-1.72( m,2H),1.89-2.12(m,2H),2.53-2.67(m,2H),2.76(s,1.5H),2.77(s,1. 5H),4.06-4.15(m,1H),4.18(d,J=13.7Hz,2H),4.53(d,J=12.1Hz,1H), 4.54(d,J=12.1Hz,1H),5.05(d,J=11.4Hz,1H),5.22(dd,J=8.8,15,4Hz ,0.5H),5.34(dd,J=9.7,15,4Hz,0.5H),5.40(dd,J=3.8,15,4Hz,0.5H) ,5.44(dd,J=3.5,9.7Hz,0.5H),5.48-5.60(m,1.5H),5.64-5.70(m,0.5 H),7.28-7.39(m,5H);MS m/z 522.39(M+Na) +

工程(3-5)(9E,11S,12S)-8-{[tert-ブチル(ジメチル) リル]オキシ-12-[(1E)-3-ヒドロキシ-1-メチルプ ロパ-1-エン-1-イル]-1,11-ジメチルアザシクロ デカ-9-エン-2-オン(P21)の合成

 本工程では文献(Ireland,R.E.、外3名、Journal of  the American Chemical Society、1985年、第107巻、 3285-3294ページ。)を参考にして行った。
 本工程では、使用直前にベンゾフェノンケ ルから蒸留した無水THFを使用した。また、 工程で使用するリチウム-4,4’-ジ-tert-ブチ ビフェニルは使用直前にリチウム(15.8mg、2.28 mmol)と4,4’-ジ-tert-ブチルビフェニル(304mg、1.1 4mmol)から常法により調製した。
 (9E,11S,12S)-12-[(1E)-3-ベンジロキシ-1-メチルプ パ-1-エン-1-イル]-8-{[tert-ブチル(ジメチル)シ リル]オキシ-1,11-ジメチルアザシクロドデカ-9 -エン-2-オン(57mg、0.114mmol)の無水THF(2ml)溶液に 、窒素雰囲気下、-78℃でリチウム-4,4’-ジ-ter t-ブチルビフェニルの無水THF(10ml)溶液を、反 液が濃青色となるまで滴下して加えた。反 液を-78℃で30分間撹拌したのち、飽和塩化 ンモニウム水溶液を加えて希釈し、酢酸エ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄 たのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減 濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(関東化学、商品名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸 チル=1:2)で精製することで標記化合物(33.6mg) 無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.02(s,1.5H),0.02(s,1.5H),0.03(s,1.5H),0.04(s,1.5H), 0.88(s,4.5H),0.90(s,4.5H),1.06(d,J=7.2Hz,1.5H),1.08(d,J=7.2H z,1.5H),1.13-1.83(m,6H),1.63(s,1.5H),1.65(s,1.5H),1.88-2.14( m,2H),2.53-2.71(m,2H),2.79(s,1.5H),2.79(s,1.5H),4.06-4.18(m, 1H),4.31(s,1H),4.32(s,1H),5.06(d,J=11.4Hz,1H),5.24(dd,J=8.8, 15.2Hz,0.5H),5.35(dd,J=9.7,15.2Hz,0.5H),5.42(dd,J=3.7,15.2Hz ,0.5H),5.45(dd,J=3.7,9.7Hz,0.5H),5.49-5.63(m,1.5H),5.64-5.70 (m,0.5H);MS m/z 432.25(M+Na) +

工程(3-6)(9E,11S,12S)-8-{[tert-ブチル(ジメチル) リル]オキシ-1,11-ジメチル-12-[(1E)-1-メチルブ タ-1,3-ジエン-1-イル]アザシクロドデカ-9-エン -2-オン(P22)の合成

(9E,11S,12S)-8-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オ シ-12-[(1E)-3-ヒドロキシ-1-メチルプロパ-1-エ -1-イル]-1,11-ジメチルアザシクロドデカ-9-エ -2-オン(33.6mg、82μmol)のジクロロメタン(2ml) 液に室温でDess-Martin試薬(52.2mg、0.123mmol)を加 て、室温で30分撹拌した。反応液を酢酸エ ルで希釈した後、亜硫酸ナトリウムを含む 和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食 水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ シウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣を無水THF(1ml)に溶解した溶液 、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム(4 9.7mg、0.123mmol)とn-ブチルリチウム 2.77M n-ヘ サン(44.4μl、0.123mmol)溶液から常法により調 したメチレントリフェニルホスホランの無 THF(1ml)溶液に、窒素雰囲気下、0℃で滴下し 同温度にて30分撹拌した。反応液を飽和塩化 アンモニウム水溶液で希釈した後、酢酸エチ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し たのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧 濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー(関東化学、商品名Silica  gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタン:酢酸エ チル=2:1)で精製することで標記化合物(24.1mg) 白色固体として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.01(s,1.5H),0.02(s,1.5H),0.02(s,1.5H),0.03(s,1.5H), 0.87(s,4.5H),0.87(s,4.5H),1.04(d,J=6.4Hz,1.5H),1.06(d,J=6.4H z,1.5H),1.12-1.70(m,6H),1.72(s,1.5H),1.74(s,1.5H),1.88-2.12( m,2H),2.53-2.69(m,2H),2.75(s,1.5H),2.77(s,1.5H),4.06-4.18(m, 1H),5.07-5.31(m,3.5H),5.36(dd,J=9.7,15.2Hz,0.5H),5.38-5.45(m ,0.5H),5.41(dd,J=3.7,15.4Hz,0.5H),5.48(dd,J=3.8,15.8Hz,0.5H) ,5.57(ddd,J=1.7,9.5,15.2Hz,0.5H),6.02(dd,J=10.6,27.8Hz,1H),6 .58-6.69(m,1H);MS m/z 428.28(M+Na) +

工程(3-7)(2S,3S,4E)-1,3-ジメチル-2-[(1E)-1-メチ ブタ-1,3-ジエン-1-イル]-12-オキソアザシクロ デカ-4-エン-6-イル アセテート(P23)の合成

 (9E,11S,12S)-8-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オ キシ-1,11-ジメチル-12-[(1E)-1-メチルブタ-1,3-ジ ン-1-イル]アザシクロドデカ-9-エン-2-オン(24 .1mg、59.4μl)のTHF(2ml)溶液に、テトラ-n-ブチル ンモニウムフロリド 1M THF溶液(267μl)を加 て室温で23時間撹拌した。反応液に水を加え 希釈した後、酢酸エチルで抽出した。有機層 を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグネ シウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をジクロロメタン(1ml)に溶解 、トリエチルアミン(41.5μl、0.297mmol)、4-ジメ チルアミノピリジン(3.63mg、29.7μmol)及び無水 酸(16.8μl、0.178mmol)を順次加えて室温で1時間 撹拌した。反応液に水を加えて希釈した後、 酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水 で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥 し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(関東化学、商 名Silica gel 60N、粒状、0.040mm-0.100mm;n-ヘプタ :酢酸エチル=2:1)で精製することで標記化合 (19.5mg)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.04(d,J=4.9Hz,1.5H),1.05(d,J=4.9Hz,1.5H),1.18-1.84( m,6H),1.72(s,1.5H),1.73(s,1.5H),1.87-2.16(m,2H),2.01(s,1.5H) ,2.01(s,1.5H),2.53-2.69(m,2H),2.76(s,1.5H),2.77(s,1.5H),5.19 -5.32(m,4.5H),5.38(ddd,J=1.7,9.5,15.4Hz,0.5H),5.45(dd,J=4.0, 15.6Hz,0.5H),5.54(ddd,J=1.1,9.2,15.6Hz,0.5H),5.59(dd,J=10.1, 14.7Hz,0.5H),5.78(dd,J=4.4,15.4Hz,0.5H),5.94-6.45(m,1H),6.57 -6.68(m,1H);MS m/z 356.14(M+Na) +

工程(3-8)(2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5S)-6-{2R,3R)-3-[(1R,2S)- 2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]オキシラン-2-イ ル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)-1,3- メチル-12-オキサアザシクロドデカ-4-エン-6- イル アセテート(P24)の合成

 本反応は文献(Grubbs,R.H.、「Handbook of Metathes is」、Wiley-VCH、2003年、第2巻、第246-292ページ )を参考にして行った。
 窒素雰囲気下、(2S,3S,4E)-1,3-ジメチル-2-[(1E)-1 -メチルブタ-1,3-ジエン-1-イル]-12-オキソアザ クロドデカ-4-エン-6-イル アセテート(19.5mg, 58.5μmol)及び(2R,3S)-2-{(2R,3R)-3-[(2S)-2-メチルブタ -3-エン-1-イル]オキシラン-2-イル}ペンタン-3- ール(34.8mg、0.176mmol)を無水ジクロロメタン(1 ml)に溶解した溶液に、第二世代Grubbs触媒;[1,3- ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリ ジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)-ト シクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(4.97mg 、5.9μmol)を加え、反応液を3時間加熱還流し 。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシ カゲルカラムクロマトグラフィー(Merck、商 名20 PLC プレート 20×20 Silica Gel 60 F 254 、0.5mm;n-ヘプタン:酢酸エチル=1:3)により精製 、標記化合物(0.6mg,Rf値;0.5,展開溶媒;n-ヘプ ン:酢酸エチル=1:3)を白色固体として得た。
MS m/z 526.40(M+Na) +

[実施例4] (1R)-4-C-{(1E,3E)-4-[(2S,4E,6S,7R,10R)-6-(ア チルオキシ)-7,10-ジヒドロキシ-7-メチル-12- キソアザシクロドデカ-4-エン-2-イル]ペンタ- 1,3-ジエン-1-イル}-1,2-アンヒドロ-3,5-ジデオキ シ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-D-エ リトロ-ペンチトール(P36)の合成例
工程(4-1)tert-ブチル(4R,5S)-4-[1-(アセチルオキシ )プロパ-2-エン-1-イル]-2,2,5-トリメチル-1,3-オ サゾリジン-3-カルボキシレート(P25)の合成

 D-スレオニンから調製したGarner‘s アルデ ド(参考文献:Organic Synthesis,Coll. Vol.9,p300(1992) ;Koskinen,A.M.P;Otsomaa,L.A;Tetrahedron,1997,53(18),6473-648 4.)(2.00g、8.22mmol)の無水THF(40.0ml)溶液に、窒素 囲気下で、ビニルマグネシウムクロライド 1.44M THF溶液(6.85ml、9.86mmol)を滴下した。反応 液を-78℃で1時間攪拌したのち、飽和塩化ア モニウム水溶液を加えて室温に昇温した。 応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水と 和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ ネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣を無水ジクロロメタン(22.0ml) 溶解し、室温でピリジン(1.95ml、24.1mmol)と無 酢酸(2.28ml、24.1mmol)、4-ジメチルアミノピリ ン(98.1mg、803μmol)を加えた。反応液を室温で 5時間攪拌したのち反応液を減圧濃縮した。 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(山善、商品名Hi-Flash Column、 Silica ge l、40μm、60Å;n-ヘプタン:酢酸エチル=2:1、Rf=0. 65)で精製することで標記化合物(1.84g)を無色 状物として得た。
MS m/z 335.90(M+Na) + .

工程(4-2)tert-ブチル(4S,5S)-4-アリル-2,2,5-トリ メチル-1,3-オキサゾリジン-3-カルボキシレー (P26)の合成

 窒素雰囲気下、tert-ブチル(4R,5S)-4-[1-(アセチ ルオキシ)プロパ-2-エン-1-イル]-2,2,5-トリメチ ル-1,3-オキサゾリジン-3-カルボキシレート(1.4 4g、4.59mmol)のDMF(72.0ml)溶液に、テトラキスト フェニルホスフィンパラジウム(531mg、459μmol )とギ酸ナトリウム(3.75g、55.2mmol)、トリエチ アミン(10.9ml、77.8mmol)を加えた。反応液を65 で8時間攪拌したのち、室温に冷却してジエ ルエーテルで希釈した。反応液を水と飽和 塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ ウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山 善、商品名Hi-Flash Column、 Silica gel、40μm、60 Å;n-ヘプタン:酢酸エチル=4:1、Rf=0.7)で精製す ることで標記化合物(800mg)を無色油状物とし 得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.27-1.30(m,3H),1.45(brs,3H),1.48(s,9H),1.58(brs,3H) ,2.51(brs,2H),3.47(brs,1H),3.97(m,1H),5.08(brs,1H),5.11(brs, 1H),5.73(m,1H).

工程(4-3)エチル(2E,4S)-4-[(tert-ブトキシカル ニル)アミノ]-3-メチルヘプタ-2,6-ジエノエー (P27)の合成

 tert-ブチル(4S,5S)-4-アリル-2,2,5-トリメチル-1, 3-オキサゾリジン-3-カルボキシレート(888mg、3 .47mmol)のメタノール(36.0ml)溶液にカンファー ルホン酸(40.3mg、174μmol)を加えて室温で4時間 攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈したの ち、水と飽和食塩水で洗浄した。有機層を無 水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した 。
 得られた残渣をジクロロメタン(21.0ml)に溶 し、Dess-Martin試薬(1.74g、4.10mmol)を加えて室温 で3時間30分攪拌した。反応液を酢酸エチルで 希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と亜 硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗 浄したのち、有機層を減圧濃縮した。
 得られた残渣を無水THF(10.0ml)に溶かし、別 、窒素雰囲気下でトリエチルホスホノアセ ート(2.05ml、10.3mmol)の無水THF(20.0ml)溶液に水 化ナトリウム(60%、342mg、8.55mmol)を加え、0℃ て20分間攪拌して調製した溶液に滴下した 反応液を0℃にて1時間30分攪拌したのち、室 でさらに40分間攪拌した。反応液を飽和塩 アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで 出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し 。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し 減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(山善、商品名Hi-Flas h Column、 Silica gel、40μm、60Å;n-ヘプタン:酢 酸エチル=2:1、Rf=0.6)で精製することで標記化 物(600mg)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.27(t,J=7.0Hz,3H),1.43(s,9H),2.15(s,3H),2.31(m,1H), 2.35(m,1H),4.13(m,1H),4.15(q,J=7.0Hz,2H),4.66(brs,1H),5.11(m ,1H),5.15(m,1H),5.66(m,1H),5.78(m,1H).

工程(4-4)tert-ブチル[(1S,2E)-1-アリル-4-ヒドロ キシ-2-メチルブタ-2-エン-1-イル]カーバメー (P28)の合成

 窒素雰囲気下、エチル(2E,4S)-4-[(tert-ブトキ カルボニル)アミノ]-3-メチルヘプタ-2,6-ジエ エート(100mg、353μmol)の無水ジクロロメタン( 3.0ml)溶液に、-78℃で三フッ化ホウ素ジエチル エーテル錯体(44.7μl、353μmol)を加え、同温度 30分間攪拌した。反応液に水素化ジイソブ ルアルミニウム(0.98M、n-ヘキサン溶液、1.08ml 、1.06mmol)を滴下した。反応液を同温度で1時 攪拌したのち、ロッシェル塩水溶液を加え 室温で一時間攪拌した。反応液を酢酸エチ で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(山善、商品名Hi-Flash  Column、 Silica gel、40μm、60Å;n-ヘプタン:酢酸 エチル=2:1、Rf=0.15)で精製することで標記化合 物(72.3mg)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.28(brs,1H),1.43(s,9H),1.67(s,3H),2.23-2.47(m,2H),4 .06(brs,1H),4.20(dd,J=5.4,5.4Hz,2H),4.59(brs,1H),5.08(d,J=1. 2Hz,1H),5.11(dd,J=1.2,9.2Hz,1H),5.57(brt,J=6.8Hz,1H),5.69(m, 1H).

工程(4-5)(2E,4S)-4-[(tert-ブトキシカルボニル) ミノ]-3-メチルヘプタ-2,6-ジエン-1-イル ベ ゾエート(P29)の合成

 tert-ブチル[(1S,2E)-1-アリル-4-ヒドロキシ-2-メ チルブタ-2-エン-1-イル]カーバメート(1.62g、6. 71mmol)の無水ジクロロメタン(33.0ml)溶液に、安 息香酸無水物(1.82g、8.05mmol)とピリジン(1.30ml 16.1mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(82.0mg、67 1μmol)を加えて室温で2時間30分攪拌した。安 香酸無水物(1.82g、8.05mmol)を加えてさらに6時 攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチル 抽出した。有機層を2N塩酸、飽和炭酸水素 トリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し のち無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有 層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(山善、商品名Hi-F lash Column、 Amino、40μm、60Å;n-ヘプタン:酢酸 エチル=1:1、Rf=0.5)で精製することで標記化合 (2.17g)を無色油状物として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)1.24(s,9H),1.77(s,3H),2.28-2.35(m,2H),4.11(brs,1H),4 .60(brs,1H),4.88(d,J=6.8Hz,2H),5.07-5.12(m,2H),5.61-5.75(m,2 H),7.41-7.45(m,2H),7.56(m,1H),8.03-8.04(m,2H).

工程(4-6)(2E,4S)-4-アミノ-3-メチルヘプタ-2,6- エン-1-イル ベンゾエート塩酸塩(P30)の合成

 (2E,4S)-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3- メチルヘプタ-2,6-ジエン-1-イル ベンゾエー (2.17g、6.28mmol)を4N塩化水素酢酸エチル溶液(40 .0ml)に加え、0℃で40分間攪拌した。反応液を 圧濃縮し、標記化合物(1.66g)を白色個体とし て得た。このものはこれ以上精製せずに次の 工程に用いた。
400MHz  1 H-NMR(DMSO-d 6 )δ(ppm)1.91(s,3H),2.50-2.62(m,2H),3.85(t,J=7.2Hz,1H),4.99(d ,J=6.8Hz,2H),5.21-5.30(m,2H),5.72-5.82(m,1H),5.87(t,J=6.8Hz, 1H),7.51-7.55(m,2H),7.66(m,1H),8.05-8.07(m,2H).

工程(4-7)(2E,4S)-4-({(3R)-3-{[tert-ブチル(ジメチ )シリル]オキシ}-5-[(2S,4R,5S)-4-メチル-2-フェ ル-5-ビニル-1,3-ジオキソラン-4-イル]ペタノ ル}アミノ)-3-メチルヘプタ-2,6-ジエン-1-イル ベンゾエート(P31)の合成

 (2E,4S)-4-アミノ-3-メチルヘプタ-2,6-ジエン-1- ル ベンゾエート塩酸塩(257mg、911μmol)のDMF(6 .20ml)溶液に、(3R)-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シ ル]オキシ}-5-[(2S,4R,5S)-4-メチル-2-フェニル-5- ニル-1,3-ジオキソラン-4-イル]ペンタン酸(319 mg、759μmol)と、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ ル(205mg、1.52mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミ ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(291mg、1.52m mol)、トリエチルアミン(741μl、5.31mmol)を加え 室温で16時間攪拌した。1-ヒドロキシベンゾ トリアゾール(20.0mg、104μmol)、1-エチル-3-(3-ジ メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸 (14.0mg、104μmol)、トリエチルアミン(90.0μl、64 4μmol)を加えてさらに1時間30分攪拌した。反 液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水 洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム 乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシ カゲルカラムクロマトグラフィー(山善、商 名Hi-Flash Column、 Silica gel、40μm、60Å;n-ヘ タン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.55)で精製すること で標記化合物(412mg)を黄色油状物として得た
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.03(s,3H),0.04(s,3H),0.88(s,9H),1.28(s,3H),1.28-1.7 7(m,4H),1.70(s,3H),2.25-2.30(m,2H),2.42(dd,J=4.6,14.8Hz,1H), 3.94(m,1H),4.24(d,J=6.8Hz,1H),4.49(dt,J=7.2,7.2Hz,1H),4.79(d ,J=6.8Hz,2H),5.03-5.08(m,2H),5.28(d,J=10.4Hz,1H),5.40(d,J=17 .2Hz,1H),5.62-5.70(m,2H),5.84(m,1H),5.88(s,1H),6.41(d,J=8.8H z,1H),7.34-7.36(m,3H),7.39-7.43(m,2H),7.46-7.48(m,2H),7.52-7 .56(m,1H),8.09(dd,J=1.2,7.2Hz,2H).MS m/z 670.41(M+Na) + .

工程(4-8)(2E)-3-[(2S,3aS,4E,7S,11R,13aR)-11-{[tert-ブ ル(ジメチル)シリル]オキシ}-13a-メチル-9-オ ソ-2-フェニル-3a,6,7,8,9,10,11,12,13,13a-デカヒド ロ[1,3]ジオキソロ[4,5-f]アザシクロドデシン-7- イル)]ブタ-2-エン-1-イル ベンゾエート(P32)の 合成

 窒素雰囲気下、((2E,4S)-4-({(3R)-3-{[tert-ブチル( ジメチル)シリル]オキシ}-5-[(2S,4R,5S)-4-メチル- 2-フェニル-5-ビニル-1,3-ジオキソラン-4-イル] タノイル}アミノ)-3-メチルヘプタ-2,6-ジエン -1-イル ベンゾエート(333mg、514μmol)の無水ジ ロロメタン(1.03L)溶液に、第二世代Grubbs触媒 :[1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダ ゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン) -トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム( 87.2mg、103μmol)を加え、9時間30分加熱還流した 。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリ カゲルカラムクロマトグラフィー(山善、商 名Hi-Flash Column、 Amino、40μm、60Å;n-ヘプタ :酢酸エチル=1:1、Rf=0.7)で精製することで標 化合物(135mg)を白色アモルファスとして得た
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.10(s,6H),0.89(s,9H),1.41(s,3H),1.47-1.82(m,3H),1.8 2(s,3H),2.01(m,1H),2.35-2.45(m,2H),2.50(dd,J=4.4,14.4Hz,1H), 2.58(brd,J=13.2Hz,1H),3.77(m,1H),4.24(d,J=8.8Hz,1H),4.39(brt ,J=9.6Hz,1H),4.88(d,J=6.8Hz,2H),5.45(brd,J=9.2Hz,1H),5.57-5. 72(m,3H),5.94(s,1H),7.34-7.50(m,7H),7.56(m,1H),8.02-8.06(m,2 H);MS m/z 642.40(M+Na) + .

工程(4-9)(2S,3aS,4E,7S,11R,13aR)-11-{[(1,1-ジメチル エチル)ジメチルシリル]オキシ}-3a,7,8,10,11,12,1 3,13a-オクタヒドロ-13a-メチル-7-[(1E)-1-メチル-1 ,3-ブタジエニル]-2-フェニル-1, 3-ジオキソロ[ 4,5-f]アザシクロドデシン-9(6H)-オン(P33)の合成

 (2E)-3-[(2S,3aS,4E,7S,11R,13aR)-11-{[tert-ブチル(ジメ チル)シリル]オキシ}-13a-メチル-9-オキソ-2-フ ニル-3a,6,7,8,9,10,11,12,13,13a-デカヒドロ[1,3]ジ キソロ[4,5-f]アザシクロドデシン-7-イル)]ブ -2-エン-1-イル ベンゾエート(135mg、218μmol) THF(2.0ml)-メタノール(2.0ml)-水(1.0ml)溶液に、水 酸化リチウム一水和物(27.4mg、654μmol)を加え 室温で40分間攪拌した。反応液を水にあけ、 酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水 、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸 マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
 得られた残渣をジクロロメタン(5.0ml)に溶解 し、二酸化マンガン(1.10g、12.7mmol)を加えて室 温で45分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで 釈し、セライトろ過した。ろ液を減圧濃縮 た。
 得られた残渣を無水THF(1.0ml)に溶解し、窒素 雰囲気下、別途、ヨウ化メチルトリフェニル ホスホニウム(175mg、432μmol)の無水THF(3.0ml)懸 液に0℃にてn-ブチルリチウム 2.66M n-ヘキサ ン溶液(162μl、432μmol)を滴下したのちに同温 で10分間攪拌することで調製した反応液に、 -15℃で滴下した。反応液を同温度で10分間攪 したのち、飽和塩化アンモニウム水溶液と 酸エチルを加えた。有機層を分離し、水、 和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ ネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (山善、商品名Hi-Flash Column、 Silica gel、40μ m、60Å;n-ヘプタン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.63)で 製することで標記化合物(15.0mg)を無色油状物 として得た。
400MHz  1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm)0.10(s,6H),0.89(s,9H),1.41(s,3H),1.43-1.82(m,3H),1.8 1(s,3H),2.02(m,1H),2.29-2.57(m,4H),3.75(m,1H),4.24(d,J=9.2Hz ,1H),4.42(brt,J=10.2Hz,1H),5.13(d,J=10Hz,2H),5.22(d,J=17.2Hz ,1H),5.37(brd,J=8.0Hz,1H),5.57-5.73(m,3H),5.94(s,1H),6.01(d, J=10.8Hz,1H),6.56(dt,J=10.4,16.8,1H),7.35-7.41(m,3H),7.48-7. 50(m,2H).MS m/z 534.33(M+Na) + .

工程(4-10)(4R,7R,8S,9E,12S)-4,7,8-トリヒドロキシ -7-メチル-12-[(1E)-1-メチルブタ-1,3-ジエン-1-イ ]アザシクロドデカ-9-エン-2-オン(P34)の合成

 (2S,3aS,4E,7S,11R,13aR)-11-{[(1,1-ジメチルエチル) メチルシリル]オキシ}-3a,7,8,10,11,12,13,13a-オク タヒドロ-13a-メチル-7-[(1E)-1-メチル-1,3-ブタジ エニル]-2-フェニル-1, 3-ジオキソロ-[4,5-f]ア シクロドデシン-9(6H)-オン(15.0mg、29.3μmol)の タノール(0.5ml)溶液に、ピリジニウムパラト エンスルホン酸(29.5mg、117μmol)を室温で加え た。反応液を同温度で4日間攪拌した。反応 を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナト ウム水溶液で洗浄した。水層をさらにジク ロメタンで抽出した。あわせた有機層を無 硫酸マグネシウムで乾燥し、有機層を減圧 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(山善、商品名Hi-Flash Column 、 Silica gel、40μm、60Å;メタノール:酢酸エ ル=0:1→1:19→1:9)で精製することで標記化合 (4.2mg)を無色油状物として得た。同時に(2S,3aS ,4E,7S,11R,13aR)-11-{[(1,1-ジメチルエチル)ジメチ シリル]オキシ}-3a,7,8,10,11,12,13,13a-オクタヒド ロ-13a-メチル-7-[(1E)-1-メチル-1,3-ブタジエニル ]-2-フェニル-1, 3-ジオキソロ[4,5-f]アザシクロ ドデシン-9(6H)-オン(P33)(4.3mg)を回収した。
MS m/z 332.20(M+Na) + .

工程(4-11)(2S,4E,6S,7R,10R)-7,10-ジヒドロキシ-7- チル-2-[(1E)-1-メチルブタ-1,3-ジエン-1-イル]-1 2-オキソアザシクロドデカ-4-エン-6-イル ア テート(P35)の合成

 (4R,7R,8S,9E,12S)-4,7,8-トリヒドロキシ-7-メチル- 12-[(1E)-1-メチルブタ-1,3-ジエン-1-イル]アザシ ロドデカ-9-エン-2-オン(4.2mg、13.6μmol)の無水 ジクロロメタン(2.0ml)溶液に、無水酢酸(1.29μm l、13.6μmol)とトリエチルアミン(3.79μml、27.2μm ol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.17mg、1.4μmol) を加えた。反応液を室温で1時間攪拌したの 、無水酢酸(0.6μml、6.33μmol)を加え、さらに1 間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し 水、飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マ ネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し 得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(Mer ck、商品名PLCプレート、シリカゲル60F 254 、0.5mm;メタノール:酢酸エチル=1:9)で精製する ことで標記化合物(4.8mg)を無色油状物として た。
MS m/z 374.50(M+Na) + .

工程(4-12)(1R)-4-C-{(1E,3E)-4-[(2S,4E,6S,7R,10R)-6-(ア セチルオキシ)-7,10-ジヒドロキシ-7-メチル-12- キソアザシクロドデカ-4-エン-2-イル]ペンタ -1,3-ジエン-1-イル}-1,2-アンヒドロ-3,5-ジデオ シ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]-D- リトロ-ペンチトール(P36)の合成

 窒素雰囲気下、(2S,4E,6S,7R,10R)-7,10-ジヒドロ シ-7-メチル-2-[(1E)-1-メチルブタ-1,3-ジエン-1- ル]-12-オキソアザシクロドデカ-4-エン-6-イ  アセテート(4.8mg,13.6μmol)の無水ジクロロメ ン(2.0ml)溶液に、第二世代Grubbs触媒:(1R)-1,2- ンハイドロ-3,5-ジデオキシ-1-[(1R,2S)-2-ヒドロ シ-1-メチルブチル]-4-C-ビニル-D-エリトロ-ペ ンチトール(14.6mg、68.0mmol)を加え、1時間30分 熱還流した。第二世代Grubbs触媒(1.2mg、1.40μmo l)を加えてさらに1時間攪拌したのち、反応液 をシリカゲル(Fuji Silysia、商品名Chromatorex、NH 、200-350mesh)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した。 得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(Merck 、商品名PLCプレート、シリカゲル60F 254 、0.5mm;メタノール:酢酸エチル=1:9)で精製する ことで標記化合物(1.5mg)を無色油状物として た。
400MHz  1 H-NMR(CD 3 OD)δ(ppm)0.95(d,J=7.2Hz,3H),0.99(t,J=7.4Hz,3H),1.24(s,3H),1 .28‐1.62(m,7H),1.34(s,3H),1.74(dd,J=6.0,14・0Hz,1H),1.85( s,3H),1.86(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),2.09(s,3H),2.17(dd,J=12.6,23. 8Hz,1H),2.49-2.59(m,3H),2.72(m,1H),2.93(m,1H),3.57(dt,J=4.4, 8.0Hz,1H),3.75(m、H),4.64(m、H),5.10(d,J=9.2Hz,1H),5.66-5. 81(m,2H),5.85(d,J=15・2Hz,1H),6.08(d,J=10.8Hz,1H),6.56(dd,J =10.6,15.4Hz,1H);MS m/z 560.30(M+Na) + .

[試験例1](2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5R)-5-ヒドロキシ-6-{(2 R,3R)-3-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチルブチル]オ シラン-2-イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエ -1-イル)-3-メチル-12-オキサアザシクロドデカ -4-エン-6-イル アセテート(P15)のWiDrヒト大腸 細胞等に対する増殖抑制作用
 10%ウシ胎児血清、ペニシリン(100unit/ml)、ス レプトマイシン(100μg/ml)を含むRPMI1640培地(SI GMA社製)で培養したWiDrヒト大腸癌細胞を、2×1 0 3 cells/90μl/wellずつ96ウェルプレートに播いた。 CO 2 インキュベーター内で一晩培養した後、3倍 釈系列の化合物(P15)を含む10μlを、上記各ウ ルに添加して、さらに3日間培養した。その 後、50μlのCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability A ssay(Promega社製)を加え、2分間の振とう後15分 静置して反応させた。反応後、ルミノメー ーを用いてルシフェラーゼ発光を測定し、 られた測定値を各ウェルの生細胞数の指標 した。
 これらの結果に基づき、化合物(P15)につい 、WiDrヒト大腸癌細胞の増殖を50%抑制する濃 (IC50値)を求めたところ、IC50値は0.57μMであ 、化合物(P15)がWiDrヒト大腸癌細胞増殖抑制 用を有することが明らかとなった。
 WiDrヒト大腸癌細胞に代えてU937ヒト白血病 胞、KP4ヒト膵管癌細胞、MIApaca2ヒト膵管癌細 胞、MDA-MB231ヒト乳癌細胞、MDA-MB435ヒト乳腺癌 細胞、DU145ヒト前立腺癌細胞、PC9ヒト肺腺癌 胞、又はOVCAR3ヒト卵巣癌を用いた以外は上 試験と同様にして、化合物(P15)について、 れらの細胞の増殖を50%抑制する濃度(IC50値) 求めた。結果を表3にまとめた。化合物(P15) 上記癌細胞等に対して増殖抑制作用を有す ことが明らかとなった。

[試験例2](2S,3S,4E)-2-((1E,3E,5S)-6-{(2R,3R)-3-[(1R,2S)-2 -ヒドロキシ-1-       メチルブチル]オキ ラン-2-イル}-1,5-ジメチルヘキサ-1,3-ジエン-1- イル)-3-メチル-12-オキソアザシクロドデカ-4- ン-6-イル アセテート(P16)のWiDrヒト大腸癌 胞等に対する増殖抑制作用
 化合物(P15)に代えて化合物(P16)を用いた以外 は試験例1と同様にして、化合物(P16)について 、WiDrヒト大腸癌細胞の増殖を50%抑制する濃 (IC50値)を求めたところ、IC50値は0.29μMであり 、化合物(P16)がWiDrヒト大腸癌細胞増殖抑制作 用を有することが明らかとなった。
  WiDrヒト大腸癌細胞に代えてU937ヒト白血病 細胞、KP4ヒト膵管癌細胞、MIApaca2ヒト膵管癌 胞、MDA-MB231ヒト乳癌細胞、MDA-MB435ヒト乳腺 細胞、DU145ヒト前立腺癌細胞、PC9ヒト肺腺 細胞、又はOVCAR3ヒト卵巣癌を用いた以外は 記試験と同様にして、化合物(P16)について、 これらの細胞の増殖を50%抑制する濃度(IC50値) を求めた。結果を表3にまとめた。化合物(P16) が上記癌細胞等に対して増殖抑制作用を有す ることが明らかとなった。