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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE HOOD STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136136
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle hood (1) is provided with a hood outer (2) constituting the body outer surface of the hood (1) covering an engine room (6), a hood inner (3) arranged on the rear surface of the hood outer (2), an insulator (4) for suppressing the transmission of a sound generated within the engine room (6) to the outside, and an intercooler duct (5) which guides outside air having flowed into the engine room (6) and feeds it to the intercooler. The insulator (4) has a through hole part (42) at a part of an overlapped part (41) which is overlapped with the intercooler duct (5).

Inventors:
GODA NAOKI (JP)
UCHINO KEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/063982
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
July 13, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA AUTO BODY CO LTD (JP)
GODA NAOKI (JP)
UCHINO KEIICHI (JP)
International Classes:
B60R21/34; B62D25/10; B62D25/12
Foreign References:
JP2005186851A2005-07-14
JPH0378685U1991-08-09
JP2003226264A2003-08-12
Other References:
See also references of EP 2138384A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Yoshiyasu et al. (26-19 Meieki 3-chome, Nakamura-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
 エンジンルームを覆うフードの車体外表面を構成するフードアウタと、該フードアウタの裏面に配設されたフードインナと、上記エンジンルーム内で発生した音の外部への伝達を抑制するためのインシュレータと、上記エンジンルーム内に流入した外気を案内してインタークーラーに送給するインタークーラーダクトとを備えた車両用フード構造において、
 上記インシュレータは、上記インタークーラーダクトと重なり合う重合部の少なくとも一部に貫通穴部を有していることを特徴とする車両用フード構造。
 請求項1において、上記インシュレータの上記重合部には、上記インタークーラーダクトの外形に沿って凹んだ薄肉凹部が形成されており、該薄肉凹部内には、上記インタークーラーダクトの少なくとも一部が収容されていることを特徴とする車両用フード構造。
 請求項1又は2において、上記インシュレータは、グラスウールを含有することを特徴とする車両用フード構造。
Description:
車両用フード構造

 本発明は、特に自動車等の車両に適用さ る車両用フード構造に関する。

 近年、自動車等の車両用のフードには、 行者等の衝突安全性の確保が求められるよ になっている。例えば、歩行者の頭部が衝 した際の安全性を確保するため、国際的に 部障害値(HIC:Head Injury Criteria)を基準値以下 にすることが求められている。

 上記の頭部障害値は、歩行者頭部安全試 によって求められる。この歩行者頭部安全 験は、子供及び大人の頭部を模擬したダミ (頭部インパクタ)を衝突装置から試験対象 なるフードに向けて発射させ、頭部インパ タが受ける衝撃を測定し、頭部障害値を求 るものである。

 図6に歩行者頭部安全試験の結果の一例を 示す。同図は、頭部インパクタがフードに衝 突した際における頭部インパクタの加速度( 下、適宜、単に加速度という)と時間との関 を示したものである。頭部障害値は、この 速度と時間との関係で示された曲線Gを積分 することによって求められる(詳細について 後述の実施例参照)。

 また、同図に示されるように、頭部イン クタがフードに衝突した際に、頭部インパ タの加速度の最初のピーク(1次ピークP1)が れる。頭部障害値は、上述のごとく、加速 と時間との関係で示された曲線Gを積分する とによって求めるため、1次ピークP1が高く ると頭部障害値も高くなる。

 例えば、自動車のエンジンルームを覆い 護するフードには、エンジンルーム内で発 した音の外部への伝達を抑制するためのイ シュレータやインタークーラーに接続され ダクト等が配設された構造のものがある。 のような構造において、特にSUV系等の車両 用いられるフードは、乗用車系、1BOX系のフ ードに比べて大型となるため、同じ材料で構 成すればフード全体の質量が大きくなり、剛 性も高くなる傾向にある。

 このようにフード全体の質量が大きくな 、剛性が高くなると、上述した歩行者頭部 全試験における1次ピークが高くなり、それ に伴って頭部障害値が高くなるという問題が 発生する。そのため、大型のフードにおいて は、この頭部障害値を低くすることが特に求 められる。

 上記頭部障害値を低くするためには、1次 ピークを低くする必要がある。しかしながら 、1次ピーク後の2次ピークを低くするための 体パネルの構造(特許文献1参照)は提案され いるものの、1次ピークを簡易な構造で効果 的に低くすることができるフードの構造は提 案されていなかった。

特開2003-226264号公報

 本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて されたものであり、特に大型フードにおけ 頭部傷害値(HIC)を簡易な構造によって効果 に低減することができる車両用フード構造 提供しようとするものである。

 本発明は、エンジンルームを覆うフードの 体外表面を構成するフードアウタと、該フ ドアウタの裏面に配設されたフードインナ 、上記エンジンルーム内で発生した音の外 への伝達を抑制するためのインシュレータ 、上記エンジンルーム内に流入した外気を 内してインタークーラーに送給するインタ クーラーダクトとを備えた車両用フード構 において、
 上記インシュレータは、上記インタークー ーダクトと重なり合う重合部の少なくとも 部に貫通穴部を有していることを特徴とす 車両用フード構造にある。

 本発明の車両用フード構造は、上記のご く、フードアウタ、フードインナ、インシ レータ及びインタークーラーダクト(以下、 適宜、単にダクトという)を配設したもので る。そして、上記インシュレータは、上記 クトと重なり合う部分に重合部を有し、該 合部の少なくとも一部には、上記インシュ ータを貫通してなる貫通穴部が形成されて る。すなわち、該貫通穴部を形成した分だ 上記インシュレータをカットすることがで 、該インシュレータの軽量化を図ることが きる。これにより、上記インシュレータを めた上記フード全体の質量を小さくするこ ができる。

 さらに、本発明において特に注目すべき は、上記貫通穴部を上記インシュレータと 記ダクトとが重なる部分である上記重合部 形成したことにある。つまり、上記フード おいて上記ダクトを配設した部分は、該ダ ト分だけエンジン等の内蔵物との間に確保 きるスペースが小さくなり、歩行者等が衝 した際に上記フード全体が変形し、衝突エ ルギーを吸収するためのスペース(変形領域 )を充分に確保することができない。本発明 は、このようなに部分に上記貫通穴部を形 したのである。

 そのため、単に上記インシュレータの軽 化だけでなく、上記ダクトを配設した部分 おける上記フードの変形領域を充分に確保 ることができ、歩行者等が衝突した際に上 フードが変形して衝突エネルギーを充分に 収することができる。これにより、上記フ ド全体の質量を小さくできると同時に、上 フード全体の剛性を効果的に低くすること できる。

 よって、質量の低減、剛性の低下を可能に た上記構造の車両用フードを適用すること より、歩行者頭部安全試験における1次ピー クを低くすることができる。また、これに伴 って頭部障害値も低くすることができる。
 また、自動車のSUV系車両等に用いられる大 のフードは、小型のフードに比べて質量が きく、剛性も高くなるため、歩行者頭部安 試験における1次ピーク及び頭部障害値が特 に高くなる傾向にある。そのため、大型のフ ードに上記構造の車両用フードを適用するこ とにより、上記の効果を特に有効に発揮する ことができる。

 また、上記本発明の効果は、上記インシュ ータの上記重合部に上記貫通穴部を形成す ことにより達成可能であるため、上記フー 内の大きな設計変更等を必要としないとい 利点がある。
 また、上記貫通穴部は、上記ダクトと重な 合う上記重合部に形成する。そのため、上 貫通穴部を形成した部分においては、エン ンルーム内で発生した音の外部への伝達を 制するという上記インシュレータの役割を 記貫通穴部に重なって配設される上記ダク が代わりに果たす。それ故、上記構造を適 した場合であっても、エンジンルーム内で 生した音の外部への伝達を充分に抑制する とができる。

 以上により、本発明の車両用フード構造 よれば、インシュレータの軽量化を図るこ により、特に大型フードにおける頭部傷害 (HIC)を簡易な構造によって効果的に低減す ことができる。

実施例における、フードアウタ及びフ ドインナ示す説明図。 実施例における、インシュレータを組 付けた状態を示す説明図。 実施例における、インタークーラーダ トを組み付けた状態を示す説明図。 図3のA-A線断面図。 実施例における、保護者頭部安全試験 結果を示す説明図。 保護者頭部安全試験の結果の一例を示 説明図。

 本発明において、上記貫通穴部は、上記イ シュレータの上記重合部に1箇所形成しても よいし、複数箇所形成してもよい。
 また、上記貫通穴部のサイズ、形状等は、 記インシュレータの強度を充分に確保する とができれば、特に限定されるものではな 。
 また、上記インシュレータの強度を確保す ために、上記貫通孔部間に補強部材等を架 することもできる。また、上記貫通孔部間 上記インシュレータをカットせずに残すこ によって形成された補強部等を設けること できる。

 また、上記インシュレータの上記重合部に 、上記インタークーラーダクトの外形に沿 て凹んだ薄肉凹部が形成されており、該薄 凹部内には、上記インタークーラーダクト 少なくとも一部が収容されていることが好 しい。
 この場合には、上記インシュレータの軽量 及び上記フードにおける省スペース化を図 ことができる。

 また、上記インシュレータは、グラスウー を含有することが好ましい。
 すなわち、グラスウールは比較的重量が大 いため、上記貫通穴部を設けることによる 果が大きい。
 なお、上記インシュレータを構成する材料 しては、上記のグラスウール以外にも、硬 発泡ウレタン、メラミン樹脂発泡体等を用 ることができる。

 本発明の実施例にかかる車両用フード構造 ついて、図を用いて説明する。
 本例のフード1は、図1~図4に示すごとく、エ ンジンルーム6を覆うフード1の車体外表面を 成するフードアウタ2と、フードアウタ2の 面に配設されたフードインナ3と、エンジン ーム6内で発生した音の外部への伝達を抑制 するためのインシュレータ4と、エンジンル ム6内に流入した外気を案内してインターク ラー(図示略)に送給するインタークーラー クト5とを備えている。
 そして、インシュレータ4は、インタークー ラーダクト5と重なり合う重合部41の一部に貫 通穴部42を有している。
 以下、これを詳説する。

 本例のフード1は、図1~図4に示すごとく、 自動車(SUV系車両)のエンジンルーム6を覆い保 護するフードに適用したものであり、フード 1の車体外表面を構成するフードアウタ2とエ ジン61等の内蔵物との間にフードインナ3、 ンシュレータ4、インタークーラーダクト5 順に配設した構造を有している。

 図1に示すごとく、フードインナ3は、フー アウタ2の外周端部の裏面に沿って配設され 外枠部31と、外枠部31間に架設された中枠部 32とからなる。中枠部32は、外枠部31間を互い に交差するように複数設けられている。また 、一部の中枠部32は、凸部321を有し、断面凸 を呈している(図4参照)。
 また、外枠部31で囲まれた領域には、複数 中枠部32全体によって外枠部31からフードア タ2側に凹んだ形状を呈し、インシュレータ 4を組み付けるための組付凹部33が形成されて いる。

 インシュレータ4は、図2に示すごとく、組 付け時においてインタークーラーダクト5と なり合う部分に重合部41を有している。
 また、図2、図4に示すごとく、重合部41には 、インタークーラーダクト5の外形に合致す ように凹んだ形状を呈し、組み付け時にお てインタークーラーダクト5の一部を重ねて 容するための薄肉凹部43が形成されている

 また、図2、図4に示すごとく、重合部41には 、薄肉凹部43の底面431からインシュレータ4を 貫通するように4つの貫通穴部42が形成されて いる。
 本例では、図2に示すごとく、重合部41にお て、インタークーラーダクト5を構成する後 述の分岐ダクト51、52と重なる部分に、それ れ2つの貫通穴部42が形成されている。
 また、貫通穴部42間には、インシュレータ4 強度を確保するために貫通穴部42を形成せ 、つまりインシュレータ4をカットせずに残 ことによって形成された補強部421が設けら ている。

 また、図2に示すごとく、インシュレータ4 、組み付け時において、フードインナ3の中 部32によって形成された凹状の組付凹部33内 に配設される。
 なお、本例のインシュレータ4は、グラスウ ール層及び不織布層の2層構造からなり、所 の形状に成形された成形タイプのものであ 。

 図3に示すごとく、インタークーラーダクト 5は、上記のごとく、エンジンルーム6内に流 した外気を案内してインタークーラー(図示 略)に送給するものであり、外気をインター ーラーに流通させる2本の筒状の分岐ダクト5 1、52を有している。また、インタークーラー ダクト5は、分岐ダクト51、52にそれぞれダク 開口部511、512を有しており、さらに分岐ダ ト51及び分岐ダクト52が合流して開口した合 流開口部513を有している。合流開口部513は、 インタークーラーに接続されている。
 また、図3、図4に示すごとく、インターク ラーダクト5は、組み付け時において、分岐 クト51、52の一部を薄肉凹部43内に収容する うに配設される。

 次に、本例のフード構造における作用効果 ついて説明する。
 本例のフード1の構造において、インシュレ ータ4は、インタークーラーダクト5と重なり う部分に重合部41を有し、重合部41の一部に は、インシュレータ4を貫通してなる貫通穴 42が形成されている。すなわち、貫通穴部42 形成した分だけインシュレータ4をカットす ることができ、インシュレータ4の軽量化を ることができる。これにより、インシュレ タ4を含めたフード1全体の質量を小さくする ことができる。

 さらに、本例では、貫通穴部42をインシ レータ4とインタークーラーダクト5とが重な る部分である重合部41に形成してある。つま 、フード1においてインタークーラーダクト 5が配設され、歩行者等が衝突した際にフー 1全体が変形して衝突エネルギーを吸収する ペース(変形領域)を充分に確保することが きない部分に、貫通穴部42を設けたのである 。

 そのため、単にインシュレータ4の軽量化 だけでなく、インタークーラーダクト5を配 した部分におけるフード1の変形領域を充分 確保することができ、歩行者等が衝突した にフード1が変形して衝突エネルギーを充分 に吸収することができる。これにより、フー ド1全体の質量を小さくできると同時に、フ ド1全体の剛性を効果的に低くすることがで る。

 よって、質量の低減、剛性の低下を可能に た上記構造のフード1を適用することにより 、後述する歩行者頭部安全試験における1次 ークを低くすることができる。また、これ 伴って頭部障害値も低くすることができる
 また、自動車のSUV系車両等に用いられる大 のフード1は、小型のフード1に比べて質量 大きく、剛性も高くなるため、歩行者頭部 全試験における1次ピーク及び頭部障害値が に高くなる傾向にある。そのため、上記構 のフード1を適用することにより、上記の効 果を特に有効に発揮することができる。

 また、上記の効果は、インシュレータ4の重 合部41に貫通穴部42を形成することにより達 可能であるため、フード1内の大きな設計変 等を必要としないという利点がある。
 また、貫通穴部42は、インタークーラーダ ト5と重なり合う重合部41に形成する。その め、貫通穴部42を形成した部分においては、 エンジンルーム6内で発生した音の外部への 達を抑制するというインシュレータ4の役割 貫通穴部42に重なって配設されるインター ーラーダクト5が代わりに果たす。それ故、 記構造を適用した場合であっても、エンジ ルーム6内で発生した音の外部への伝達を充 分に抑制することができる。

 次に、本例のフード構造の作用効果を示す 験例について説明する。
 本例では、インシュレータ4の重合部41に貫 穴部42を設けた本実施例のフード1(本発明品 )を準備した。また、比較として、インシュ ータに貫通穴部を設けない従来のフード(従 品)を準備した。そして、それぞれについて 歩行者頭部安全試験を行い、頭部障害値(HIC) 求めた。
 なお、本例で用いたフードは、SUV系車両に 用される大型のものである。

 図5に国内アセスメントによる試験結果を示 す。同図は、頭部インパクタの加速度と時間 との関係を示したものであり、なお、加速度 とは、頭部インパクタの軸力の減速度を示し ている。
 同図から本発明品(曲線E)と従来品(曲線C)と 比較すると、頭部インパクタがフードに衝 した際に表れる1次ピークP1は、本発明品の うが従来品に比べて低くなっている。これ 、本発明品のフード全体の質量の低減、剛 の低下によるものと考えられる。

 次に、図5の試験結果から頭部障害値(HIC)を める。
 頭部障害値(HIC)は、歩行者頭部安全試験の 果の一例を示した図6を用いて説明すると、 速度と時間との関係によって示された曲線G において、任意の時間(t1~t2)を選定し、下記 式を用いて積分することによって求めるこ ができる。

 図5の試験結果(曲線E及び曲線C)から、上 の式を用いて本発明品及び従来品の頭部障 値(HIC)を求めたところ、本発明品は、1次ピ クP1の低減に伴い、頭部障害値(HIC)を従来品 対して10%程度低減することができた。