Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
VIBRATION-PROOF DAMPER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011042
Kind Code:
A1
Abstract:
Rocking of a vacuum pump is appropriately suppressed. Vibration-proof damper (40) is not only for absorption of vibration generated by turbo-molecular pump (1) but also reduces influences on the turbo-molecular pump (1) by vibration generated in vacuum container (50). The vibration-proof damper (40) comprises flanges (41,42), elastic member (43), bellows (44) and metal collar (45). The elastic member (43) is a cylindrical member of rubber and has not only the function of vibration damping but also a strength sufficient to be capable of withstanding any vacuum drawing force. The bellows (44) is a thin tube with folded continuous cross sectionconsisting of stainless steel, etc. and constitutes a boundary between vacuum and atmospheric air. The metal collar (45) is a cylindrical member of stainless steel and is inserted between the bellows (44) and the elastic member (43). The metal collar (45) functions as a deformation inhibiting means for inhibition of any deformation in radial direction of the bellows (44) and the elastic member (43).

Inventors:
FUKAMI HIDEO (JP)
SAKAGUCHI YOSHIYUKI (JP)
ENOSAWA HIDEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064154
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 18, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
EDWARDS JAPAN LTD (JP)
FUKAMI HIDEO (JP)
SAKAGUCHI YOSHIYUKI (JP)
ENOSAWA HIDEKI (JP)
International Classes:
F16F15/04
Foreign References:
JP2003519761A2003-06-24
JP2002295581A2002-10-09
JPH0681766A1994-03-22
Attorney, Agent or Firm:
NAKANO, Hitoshi et al. (12-8 Nishishinjuku 8-chom, Shinjuku-ku Tokyo 23, JP)
Download PDF:
Claims:
 真空ポンプと前記真空ポンプによって排気される真空装置との間に配置される防振ダンパであって、
 気体の流路を形成するベローズと、
 前記ベローズの周囲に配置された弾性体と、
 前記弾性体の変形を抑制する変形抑制手段と、
を具備することを特徴とする防振ダンパ。
 前記変形抑制手段は、剛性を有する筒形状の部材であり、
 前記ベローズは、前記変形抑制手段の内側に配置され、
 前記弾性体は、筒形状を有し、前記変形抑制手段の外側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の防振ダンパ。
 前記真空ポンプと前記真空装置との間に当該防振ダンパを配設し、前記真空ポンプによる真空引きが行われている状態において、前記変形抑制手段の高さ方向の長さは、前記弾性体の高さ方向の長さより短いことを特徴とする請求項2記載の防振ダンパ。
 前記ベローズと前記変形抑制手段との間に、摩擦低減機能を有する部材が配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の防振ダンパ。
 前記真空ポンプは、回転軸を非接触で支持する軸受手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の防振ダンパ。
Description:
防振ダンパ

 本発明は、例えば、真空ポンプで発生し 振動の伝播を抑制する防振ダンパに関する

 半導体製造装置や電子顕微鏡装置、表面解 装置などのチャンバー(真空容器)の高真空 を形成する手段として、ターボ分子ポンプ どの真空ポンプが用いられている。
 真空ポンプでは、モータのコギングトルク どの影響により振動が生じる。このような 空ポンプで生じた振動が真空容器側へ伝播 ると、例えば表面解析装置では、振動の影 により解析精度が低下するおそれがある。 のため、振動の伝播が問題となる電子顕微 や表面解析装置などでは、一般に振動を吸 する防振ダンパを介して真空ポンプを接続 る。
 従来、真空ポンプで生じた振動を吸収する 振ダンパが下記の特許文献をはじめ種々提 されている。

特開2002-295581公報

 図6は、従来の防振ダンパ100の構造を示した 図である。
 図6に示すように従来の防振ダンパは、弾性 部材101、フランジ102、103、及びベローズ104か ら構成されている。
 弾性部材101は、フランジ102とフランジ103間 配置されたゴム製の円筒部材であり、振動 減衰させる機能を有する。
 ベローズ104は、ステンレス鋼などによって 成された、ひだ状の連続断面を有する肉薄 管であり真空と大気の境界を形成する。ま ベローズ104は、山形に形成された側面が伸 縮みすることにより弾性力を発揮し振動を 収して減衰させる機能を有する。
 フランジ102、103は、鉄やステンレス鋼など 金属で形成された環状(鍔状)の部材であり それぞれにベローズ104の開口端部が接合さ ている。
 このような防振ダンパ100を介して真空ポン を真空容器に接続することにより、真空ポ プで生じた振動が真空容器へ伝播すること 抑制できる。

 図7は、真空ポンプ200の取り付け例を示した 図である。
 図7に示すように真空ポンプ200は、防振ダン パ100を介して真空容器300に接続される。真空 ポンプ200は、磁気軸受式のターボ分子ポンプ であり、定常回転時において回転体201は磁気 浮上した状態を維持するように構成されてい る。
 磁気軸受式の真空ポンプ200には、非接触で 転軸を保持できない状態となった場合にバ クアップするための危急用(保護用)の補助 アリング(タッチダウンベアリング)が設けら れている。なお、補助ベアリングは、玉軸受 やころ軸受などの転がり軸受によって構成さ れている。通常、回転体と補助ベアリングと の間にはクリアランス(数ミリの隙間)が設け れている。

 ところで、振動は真空ポンプ200だけでなく 空容器300においても発生する場合がある。 えば、真空容器300にX-Yテーブル等の稼動機 が設けられている場合には、このような機 の動作によって真空容器300に振動が生じる この振動は、防振ダンパ100を介して真空ポ プ200へ伝播する。この真空容器300で生じた 動が加振力となり、防振ダンパ100及び真空 ンプ200は、図7に示すように防振ダンパ100を 支点として振子運動を起こす。
 真空ポンプ200が稼動している間は、防振ダ パ100のアキシャル方向(軸方向)に対する剛 は比較的大きいが、ラジアル方向(径方向)の 剛性は小さい。そのため加振力が生じると真 空ポンプ200は容易に振子運動を起こす。

 真空ポンプ200内の回転体201は、磁気浮上し 状態で非常に高速で回転している。そのた 回転体201は、ジャイロモーメントの作用に り姿勢を維持しようとする力が働く。一般 この力は、磁気軸受の剛性より強い(高い) め、回転体201は、筐体の振子運動に完全に 追従しない。
 このように真空ポンプ200では、筐体などの 定部の変位量と回転体201の変位量が一致し くなり、回転軸が補助ベアリング(タッチダ ウンベアリング)と接触してしまう。
 磁気軸受式の真空ポンプ200は、定格運転中 回転体と補助ベアリングとの接触により、 転体の振れ回りバランスが変化する。この ランスが悪化する方向に変化した場合、回 体と補助ベアリングとの接触頻度が増加し しまう。回転軸と補助ベアリングとの接触 る頻度が高くなると、補助ベアリングの摩 率(摩耗速度)が大きくなり、補助ベアリン の寿命に影響するおそれがあった。

 そこで本発明は、本来の目的である防振 能を維持しつつ、真空ポンプの揺れを適切 抑制することができる防振ダンパを提供す ことを目的とする。

(1)前記目的を達成するために、請求項1に記 の発明では、真空ポンプと前記真空ポンプ よって排気される真空装置との間に配置さ る防振ダンパであって、気体の流路を形成 るベローズと、前記ベローズの周囲に配置 れた弾性体と、前記弾性体の変形を抑制す 変形抑制手段と、を具備することを特徴と る防振ダンパを提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記変形抑制 段は、剛性を有する筒形状の部材であり、 記ベローズは、前記変形抑制手段の内側に 置され、前記弾性体は、筒形状を有し、前 変形抑制手段の外側に配置されていること 特徴とする請求項1記載の防振ダンパを提供 る。なお、請求項2に記載の発明では、前記 変形抑制手段は、例えば、ステンレス鋼など の金属製の部材で形成されていることが好ま しい。
(3)請求項3に記載の発明では、前記真空ポン と前記真空装置との間に当該防振ダンパを 設し、前記真空ポンプによる真空引きが行 れている状態において、前記変形抑制手段 高さ方向の長さは、前記弾性体の高さ方向 長さより短いことを特徴とする請求項2記載 防振ダンパを提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記ベローズ 前記変形抑制手段との間に、摩擦低減機能 有する部材が配置されていることを特徴と る請求項1、請求項2又は請求項3記載の防振 ンパを提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記真空ポン は、回転軸を非接触で支持する軸受手段を 備することを特徴とする請求項1から請求項4 までのうちの何れか1の請求項に記載の防振 ンパを提供する。

 本発明によれば、変形抑制手段を設ける とにより、弾性体やベローズの変形を抑制 ることができるため、真空ポンプの揺れを 制することができる。

本実施形態に係る防振ダンパを介して 空容器に取り付けられたターボ分子ポンプ した図である。 (a)は図1に示すA部の拡大図であり、(b) (c)は金属カラーの他の配置例を示した図で る。 加振機を用いて擬似的に真空容器をラ アル方向に振動させた場合における、変位 振入力振幅(縦軸)と、変位加振入力周波数( 軸)との関係の一例を示したグラフである。 金属カラーの位置決め方法の一例を示 た図である。 摩擦低減構造の一例を示した図である 従来の防振ダンパの構造を示した図で る。 真空ポンプの取り付け例を示した図で る。

符号の説明

  1 ターボ分子ポンプ
  2 ケーシング
  3 ねじ溝スペーサ
  4 吸気口
  5 フランジ
  6 排気口
  7 シャフト
  8 ロータ本体
  9 回転翼
 10 円筒部材
 11 モータ部
 12~14 磁気軸受部
 15~17 変位センサ
 18 金属ディスク
 19 電磁石
 20 電磁石
 21、22 補助ベアリング
 23 ボルト
 24 ベース
 30 固定翼
 31 スペーサリング
 39 ねじ溝部
 40 防振ダンパ
 41 フランジ
 42 フランジ
 43 弾性部材
 44 ベローズ
 44a 第1ベローズ
 44b 第2ベローズ
 45 金属カラー
 46 中継部材
 47 固定溝
 48 摩擦低減部材
 50 真空容器
 51 フランジ

 以下、本発明の好適な実施の形態について 図1~図5を参照して詳細に説明する。本実施 形態では、真空容器(真空チャンバ)の排気 行う真空ポンプの一例として、ターボ分子 ンプ部Tとねじ溝ポンプ部Sを有する複合型タ ーボ分子ポンプを用いて説明する。
 図1は、本実施形態に係る防振ダンパ40を介 て真空容器50に取り付けられたターボ分子 ンプ1を示した図である。なお、図1は、ター ボ分子ポンプ1における軸線方向の断面を示 。

 ターボ分子ポンプ1の外装体を構成するケー シング2は略円筒状の形状をしており、ケー ング2の下部(排気口6側)に設けられたねじ溝 ペーサ3、ベース24と共にターボ分子ポンプ1 の筐体を構成している。そして、この筐体の 内部には、ターボ分子ポンプ1に排気機能を 揮させる構造物、即ち気体移送機構が配置 れている。
 この気体移送機構は、大きく分けて回転自 に軸支された回転部と、筐体に対して固定 れた固定部から構成されている。
 ケーシング2の端部には、ターボ分子ポンプ 1へ気体を導入するための吸気口4が形成され いる。また、ケーシング2の吸気口4側の端 には、外周側へ張り出したフランジ5が形成 れている。
 また、ねじ溝スペーサ3の端部には、ターボ 分子ポンプ1から気体を排気するための、即 半導体製造装置からのプロセスガス等を排 する排気口6が形成されている。

 回転部は、回転軸であるシャフト7、このシ ャフト7に配置された断面略逆U字状のロータ 体8、ロータ本体8に設けられた回転翼9、排 口6側(ねじ溝ポンプ部S)に設けられた円筒部 材10などから構成されている。ロータ本体8は 、シャフト7の上部にボルト23で固定されてい る。また、円筒部材10は、ロータ本体8の延長 上に形成され、ロータ本体8の回転軸線と同 の円筒形状をした部材からなる。
 ロータ本体8の外周には、回転翼9が配置さ 、この回転翼9は、シャフト7の軸線に垂直な 平面から所定の角度だけ傾斜してシャフト7 ら放射状に伸びたブレード(羽根)からなる。

 シャフト7の軸線方向中程には、シャフト7 高速回転させるためのモータ部11が設けられ ている。ここでは、モータ部11は以下のよう 構成されたDCブラシレスモータであるとす 。
 モータ部11は、シャフト7の周囲に固着され 永久磁石を備えている。この永久磁石は、 えば、シャフト7の周りにN極とS極が180°ご に配置されるように固定されている。また モータ部11は、この永久磁石の周囲にシャフ ト7から所定のクリアランスを経て配置され 電磁石を備えている。ここでは、6個の電磁 が60°ごとにシャフト7の軸線に対して対称 に対向するように配置されている。

 ターボ分子ポンプ1は、コネクタ及びケー ブルを介して図示しない制御装置に接続され ている。そして、この制御装置によってシャ フト7の回転が持続するように電磁石の電流 次々に切り替える。即ち、制御装置は、6個 電磁石の励磁電流を切り替えることにより ャフト7に固定された永久磁石の周りに回転 磁界を生成し、永久磁石をこの回転磁界に追 従させることによりシャフト7を回転させる

 シャフト7のモータ部11に対して吸気口4側、 及び排気口6側には、シャフト7をラジアル方 (径方向)に軸支するための磁気軸受部12、13 設けられている。また、シャフト7の下端( 気口側端)には、シャフト7をスラスト方向( 線方向)に軸支するための磁気軸受部14が設 られている。
 これらの磁気軸受部12~14は、いわゆる5軸制 型の磁気軸受を構成している。
 シャフト7は、磁気軸受部12、13によってラ アル方向(シャフト7の径方向)に非接触で支 され、磁気軸受部14によってスラスト方向( ャフト7の軸方向)に非接触で支持されている 。
 また、磁気軸受部12~14の近傍には、それぞ シャフト7の変位を検出する変位センサ15~17 設けられている。

 磁気軸受部12には、4個の電磁石がシャフト7 の周囲に90°ごとに対向するように配置され いる。シャフト7は、高透磁率材(鉄など)に り形成され、これらの電磁石の磁力により 引されるようになっている。
 変位センサ15は、シャフト7のラジアル方向 変位を所定の時間間隔でサンプリングして 出する。

 そして図示しない制御装置は、変位センサ1 5からの変位信号によってシャフト7がラジア 方向に所定の位置から変位したことを検出 ると、各電磁石の磁力を調節してシャフト7 を所定の位置に戻すように動作する。この電 磁石の磁力の調節は、各電磁石の励磁電流を フィードバック制御することにより行われる 。
 制御装置は、変位センサ15の信号に基づい 磁気軸受部12をフィードバック制御し、これ によってシャフト7は、磁気軸受部12において 電磁石から所定のクリアランスを隔ててラジ アル方向に磁気浮上し、空間中に非接触で保 持される。

 磁気軸受部13の構成と作用は、磁気軸受部12 と同様である。制御装置は、変位センサ16の 号に基づいて磁気軸受部13をフィードバッ 制御し、これによってシャフト7は、磁気軸 部13でラジアル方向に磁気浮上し、空間中 非接触で保持される。
 このように、シャフト7は、磁気軸受部12、1 3の作用により、ラジアル方向に所定の位置 保持される。

 また、磁気軸受部14は、円板状の金属ディ ク18、電磁石19、20を備え、シャフト7をスラ ト方向に保持する。
 金属ディスク18は、鉄などの高透磁率材で 成されており、その中心においてシャフト7 垂直に固定されている。この金属ディスク1 8を挟み、かつ対向するように電磁石19、20が 置されている。電磁石19は、磁力により金 ディスク18を上方に吸引し、電磁石20は、金 ディスク18を下方に吸引する。
 制御装置は、この電磁石19、20が金属ディス ク18に及ぼす磁力を適当に調節し、シャフト7 をスラスト方向に磁気浮上させ、空間に非接 触で保持するようになっている。

 さらにシャフト7の下端部に対向して変位セ ンサ17が配置されている。この変位センサ17 、シャフト7のスラスト方向の変位をサンプ ングして検出し、これを制御装置に送信す 。制御装置は、変位センサ17から受信した 位検出信号によりシャフト7のスラスト方向 変位を検出する。
 シャフト7がスラスト方向のどちらかに移動 して所定の位置から変位した場合、制御装置 は、この変位を修正するように電磁石19、20 励磁電流をフィードバック制御して磁力を 節し、シャフト7を所定の位置に戻すように 作する。制御装置は、このフィードバック 御を連続的に行う。これにより、シャフト7 はスラスト方向に所定の位置で磁気浮上し、 保持される。
 以上に説明したように、シャフト7は、磁気 軸受部12、13によりラジアル方向に保持され 磁気軸受部14によりスラスト方向に保持され るため、シャフト7の軸線周りに回転するよ になっている。

 また、シャフト7の上部及び下部側には、補 助ベアリング21、22が配置されている。通常 シャフト7及びこれに取り付けられている回 部は、モータ部11により回転している間、 気軸受部12、13により非接触状態で軸支され 。補助ベアリング21、22は、磁気軸受12、13 19、20が非励磁時(励磁電流が供給されない場 合や、制御系箇所の破損に伴い異常な励磁電 流が供給された場合など)に磁気軸受部12、13 代わって回転部を軸支することで装置全体 保護するための保護用ベアリング(タッチダ ウンベアリング)である。従って、補助ベア ング21、22は、内輪がシャフト7に対して非接 触状態となるように配置されている。
 筐体の内周側には、固定部が形成されてい 。この固定部は、吸気口4側(ターボ分子ポ プ部T)に設けられた固定翼30、また、ねじ溝 ペーサ3などから構成されている。ねじ溝ス ペーサ3の内壁面には、ねじ溝部39が形成され ている。

 固定翼30は、シャフト7の軸線に垂直な平面 ら所定の角度だけ傾斜して筐体の内周面か シャフト7に向かって伸びたブレードを有し ている。
 ターボ分子ポンプ部Tでは、固定翼30が軸線 向に、回転翼9と互い違いに複数段形成され ている。
 各段の固定翼30は、円筒形状をしたスペー リング31により互いに隔てられ、所定の位置 に保持されている。
 スペーサリング31は段部を有するリング状 部材であり、例えばアルミニウム、鉄又は テンレスなどの金属によって構成されてい 。
 なお、スペーサリング31の内側に位置する 部の軸方向の長さは回転翼9における各段の 隔に応じた長さとなっている。

 ねじ溝部39は、円筒部材10との対向面に沿っ て形成されたらせん溝により構成されている 。ねじ溝部39は、所定のクリアランス(隙間) 隔てて円筒部材10の外周面と対面するように 設けられている。ねじ溝部39に形成されたら ん溝の方向は、らせん溝内をシャフト7の回 転方向にガス(気体)が輸送された場合、排気 6の方向である。
 また、らせん溝の深さは、排気口6に近づく につれ浅くなるようになっており、らせん溝 を輸送されるガスは、排気口6に近づくにつ て圧縮されるように構成されている。

 真空容器50は、例えば、電子顕微鏡の観察 料を設置するチャンバなど高真空を要し、 たターボ分子ポンプ1で発生した振動の伝播 好まれない。
 真空容器50には、その排気口部に外部装置 取り付けるためのフランジ51が設けられてい る。
 ターボ分子ポンプ1は、防振ダンパ40を介し 真空容器50に取り付けられ、この状態で真 容器50の気体の排出(排気)を行う。
 防振ダンパ40は、ターボ分子ポンプ1で発生 た振動を吸収する目的だけでなく、真空容 50で発生した振動によるターボ分子ポンプ1 の影響を低減させる目的で設けられている

 防振ダンパ40は、フランジ41、42、弾性部材4 3、ベローズ44、金属カラー45を備えている。
 フランジ41、42は、鉄やステンレス鋼などの 金属で形成された環状(鍔状)の部材である。
 防振ダンパ40は、フランジ41とフランジ51と 接合することによって真空容器50に固定さ 、フランジ42とフランジ5とを接合すること よってターボ分子ポンプ1に取り付けられる
 なお、各フランジは、ボルトとナットで締 付けることにより接合されている。また、 フランジは、気密性を確保するためにOリン グなどのシール部材を介して接合されている 。

 弾性部材43は、フランジ41とフランジ42間に 置されたゴム製の円筒部材であり、振動を 衰させる機能を有すると共に、ターボ分子 ンプ1による真空引きの力に耐え得る十分な 強度を備えている。弾性部材43の内径は、ベ ーズ44の外形よりも大きく形成されている
 なお、ターボ分子ポンプ1による真空容器50 真空引きが行われている間、フランジ41、42 には、弾性部材43を押し潰す方向の力が作用 るため、弾性部材43の両端はフランジ41、42 確実に接触するように構成されている。

 ベローズ44は、ステンレス鋼などによって 成された、ひだ状の連続断面を有する肉薄 管であり、真空と大気の境界を形成する。 ローズ44は、弾性部材43と同心状に弾性部材4 3の内側に挿入されている。
 またベローズ44は、山形に形成された側面 伸び縮みすることにより弾性力を発揮し振 を吸収して減衰させる機能を有する。
 ベローズ44は、ろう付けや溶接などによっ その開口端部がそれぞれフランジ41、42に接 されており、これらの接合部(連接部)から 気が進入しないように構成されている。
 防振ダンパ40のばね定数は、弾性部材43とベ ローズ44のばね定数を合成したものである。 常、弾性部材43のばね定数は、ベローズ44の ばね定数より大きく設定されている。防振ダ ンパ40の気密性はベローズ44によって保持さ 、振動の吸収は主に弾性部材43により行われ る。

 金属カラー45は、例えば厚さ0.5mm程度のステ ンレス鋼で形成された円筒状(中空円柱状)の 材であり、ベローズ44と弾性部材43との間に 挿入されている。
 金属カラー45は、ベローズ44や弾性部材43の ジアル方向(径方向)への変形を抑制するた の変形抑制手段として機能する。
 図2(a)は、図1に示すA部の拡大図である。
 図2(a)に示すように、金属カラー45は、その キシャル方向(軸方向)の長さが、弾性部材43 の軸方向の長さより短くなるように構成され ている。
 そして、金属カラー45は、フランジ41、42と 間にそれぞれ数mm程度の隙間αが設けられる ように配置されている。つまり、金属カラー 45は、ターボ分子ポンプ1による真空引き時に フランジ41、42と接触しない。
 従って、ターボ分子ポンプ1で発生した振動 が、金属カラー45を介して真空容器50へ伝播 ることを防止することができるため、金属 ラー45を設けることによって、防振ダンパ40 防振性能(振動を減衰させる機能)が著しく 下することはない。

 図2(b)、(c)は、金属カラー45の他の配置例を した図である。
 金属カラー45がフランジ41、42の両方に接触 ない限り、ターボ分子ポンプ1で生じた振動 が真空容器50へ伝播することはない。従って 金属カラー45の配置位置は、図2(a)に示す位 に限定されるものではない。
 例えば、図2(b)に示すように、金属カラー45 、一端がフランジ42に固定され、他端とフ ンジ41との間に数mm程度の隙間βが設けられ ように配置するようにしてもよい。また同 に、図2(c)に示すように、一端がフランジ41 固定され、他端とフランジ42との間に数mm程 の隙間βが設けられるように配置するよう してもよい。
 なお、最も効果的に防振ダンパ40の変形(曲 り)を抑制させるために、金属カラー45は、 ローズ44全ての山に接触するように配置す ことが好ましい。

 本実施形態では、防振ダンパ40に上述した 属カラー45を設けることにより防振ダンパ40 身のラジアル方向の変形(曲り)を抑制する とができる。
 従って、例えば、真空容器50に設けられたX- Yテーブル等の稼動機構により生じた振動が 振力となるような状況であっても、金属カ ー45の作用によりターボ分子ポンプ1の揺れ 低減(抑制)することができる。
 これにより、定常運転時にターボ分子ポン 1のシャフト7が補助ベアリング21、22と接触 る頻度を低減することができるため、補助 アリング21、22の摩耗速度の低減を図ること ができる。

 次に、金属カラー45を設けた防振ダンパ40を 用いた場合の効果を具体的に説明する。
 図3は、加振機を用いて擬似的に真空容器50 ラジアル方向に振動させた場合における、 位加振入力振幅(縦軸)と、変位加振入力周 数(横軸)との関係の一例を示したグラフであ る。
 なお、変位加振入力振幅とは、ターボ分子 ンプ1においてシャフト7と補助ベアリング21 、22とが接触する加振動の最小振幅を示し、 れ以上の振幅の振動を加えるとシャフト7と 補助ベアリング21、22とが接触することを示 。
 また、「カラー挿入ダンパ」とは、金属カ ー45を設けた防振ダンパ40を介してターボ分 子ポンプ1を真空容器50に取り付けた場合を示 し、「従来ダンパ」とは、金属カラー45が設 られていない防振ダンパを介してターボ分 ポンプ1を真空容器50に取り付けた場合を示 。

 X-Yテーブルの稼動時には概ね2Hz近傍の振動 生じる。そこで、変位加振入力周波数が2Hz おける変位加振入力振幅を比較してみると 図3に示すように、「従来ダンパ」では、変 位加振入力振幅が0.62mmであったのに対して、 「カラー挿入ダンパ」では、変位加振入力振 幅が2.56mmとなる。
 つまり、金属カラー45が設けられていない 来の防振ダンパを用いた場合には、真空容 50においてラジアル方向の周波数2Hzの振動の 振幅が0.62mmに達すると、ターボ分子ポンプ1 揺れが許容値を超えて振動(振子運動)し、シ ャフト7と補助ベアリング21、22が接触してし う。

 一方、金属カラー45が設けられている本実 形態に係る防振ダンパ40を用いた場合には、 振動の振幅が2.56mmに達するまで、シャフト7 補助ベアリング21、22は接触しない。
 つまり、変位加振入力周波数が2Hzの場合に 、金属カラー45を設けることによって、振 の許容範囲が4倍程度まで拡大されることが かる。
 図3に示す試験結果からも、金属カラー45を 振ダンパ40に設けることにより、ベローズ44 や弾性部材43のラジアル方向(径方向)の変形 抑制され、ターボ分子ポンプ1の揺れの度合 が低減されることがわかる。
 このように、本実施形態によれば、金属カ ー45を設けるという比較的安価な方法で、 ャフト7と補助ベアリング21、22の接触が生じ る頻度を低下させることができる。

 次に、防振ダンパ40における金属カラー45の 位置決め方法について説明する。
 図4は、金属カラー45の位置決め方法の一例 示した図である。
 図4(a)に示すように、ベローズ44を軸線方向 中心から2等分し、第1ベローズ44aと第2ベロ ズ44bに分割する。そして、第1ベローズ44aと 第2ベローズ44bを中継部材46に接合する。なお 、中継部材46は、鉄やステンレス鋼などの金 で形成された環状(鍔状)の部材からなる。 1ベローズ44a及び第2ベローズ44bと、中継部材 46との接合は、気密性を確保できるように、 えば溶接やろう付けにより行う。
 金属カラー45の軸線方向の中心と、中継部 46の外周部とを接合することによって金属カ ラー45を位置決めすることができる。

 金属カラー45の位置決め(固定)は、中継部材 46介して行う方法に限定されるものではない
 例えば、図4(b)に示すように、金属カラー45 嵌め込むための固定溝47を弾性部材43の内周 壁に形成する。そして、固定溝47に金属カラ 45を嵌め込むことによって金属カラー45の位 置決めを行うようにしてもよい。

 図5は、摩擦低減構造の一例を示した図であ る。
 上述した本実施形態では、弾性部材43とベ ーズ44との間に金属カラー45が挿入されてい 。つまり、金属製のベローズ44と金属カラ 45とが隣接するように配置されている。
 そこで、ベローズ44と金属カラー45との間の 摩擦を低減するために、図5に示すように、 ローズ44と金属カラー45との間に摩擦低減部 48を配置するようにしてもよい。
 摩擦低減部材48としては、例えば、テフロ (登録商標)コーティングシートや、摩擦係数 の低いアクリル樹脂製のシートなどがある。
 このような摩擦低減部材48を設けることに り、ベローズ44と金属カラー45との間の摩擦 よるベローズ44の摩耗を抑制することがで る。
 また、摩擦低減部材48を設ける代わりに、 接、金属カラー45の内周面に、例えば、テフ ロン(登録商標)コーティングなど、摩擦抵抗 低減する摩擦低減材を塗布するようにして よい。