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Patent Searching and Data


Title:
WAFER SUPPORTING JIG, VERTICAL HEAT TREATMENT BOAT INCLUDING THE SAME, AND MANUFACTURING METHOD OF WAFER SUPPORTING JIG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136181
Kind Code:
A1
Abstract:
A wafer supporting jig having a supporting surface for supporting a wafer to be treated while the wafer to be treated is mounted thereon at least during heat treatment. The skewness Rsk of the supporting surface for supporting the wafer to be treated is 0

Inventors:
KOBAYASHI TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000977
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHINETSU HANDOTAI KK (JP)
KOBAYASHI TAKESHI (JP)
International Classes:
H01L21/324; H01L21/22; H01L21/683
Foreign References:
JP2007077421A2007-03-29
JPH046826A1992-01-10
JP2007073923A2007-03-22
JP2004063617A2004-02-26
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIMIYA, Mikio (6-11 Ueno 7-chome, Taito-k, Tokyo 05, JP)
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Claims:
 少なくとも、熱処理するときに被処理ウエーハを載置して支持する支持面を有するウエーハ支持治具であって、
 前記被処理ウエーハを支持する支持面におけるスキューネスR sk が0<R sk <10であるとともに、
 前記支持面全域に高さ30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するものであることを特徴とするウエーハ支持治具。
 
 前記支持面に突起状物を有するウエーハ支持治具は、エッチング液でエッチング可能な母材中に、前記突起状物となる粒子が分散添加されたものであり、前記突起状物は、前記エッチング液で前記母材がエッチングされて、前記分散添加された粒子により支持面に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記エッチング液でエッチング可能な母材が石英であり、前記分散添加された粒子が炭化珪素またはシリコンであることを特徴とする請求項2に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記母材をエッチング可能なエッチング液が、フッ酸を含む溶液であることを特徴とする請求項3に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記エッチング液でエッチング可能な母材がシリコンであり、前記分散添加された粒子が炭化珪素であることを特徴とする請求項2に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記母材をエッチング可能なエッチング液が、フッ酸および硝酸を含む溶液であることを特徴とする請求項5に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記支持面に突起状物を有するウエーハ支持治具は、多結晶体が熱処理されて、前記突起状物が支持面に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記多結晶体の熱処理が、減圧雰囲気下で行われたものであることを特徴とする請求項7に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記多結晶体の熱処理が、不活性ガスを含む雰囲気、水素ガスを含む雰囲気、これらの混合ガス雰囲気のいずれかで行われたものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のウエーハ支持治具。
 
 前記熱処理される多結晶体が、シリコンまたは炭化珪素の多結晶体であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のウエーハ支持治具。
 
 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のウエーハ支持治具を備えた縦型熱処理用ボートであって、少なくとも、複数の支柱と、各支柱の両端部に連結した一対の板状部材とを有し、前記各支柱に、前記被処理ウエーハを水平に支持するための複数の支持部が形成されており、該複数の支持部に、前記被処理ウエーハが各々一枚ずつ載置されて支持される前記ウエーハ支持治具が着脱可能に装着されているものであることを特徴とする縦型熱処理用ボート。
 
 熱処理するときに支持面で被処理ウエーハを載置して支持するウエーハ支持治具を製造する方法であって、
 前記ウエーハ支持治具の母材中に突起状物となる粒子を分散して添加し、前記母材をエッチング液でエッチングして、前記支持面に前記分散添加された粒子で突起状物を形成し、
 前記支持面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、
 前記支持面全域に高さ30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造することを特徴とするウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記エッチング液でエッチングする母材を石英とし、前記分散添加する粒子を炭化珪素またはシリコンとすることを特徴とする請求項12に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記母材をエッチングするエッチング液を、フッ酸を含む溶液とすることを特徴とする請求項13に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記エッチング液でエッチングする母材をシリコンとし、前記分散添加する粒子を炭化珪素とすることを特徴とする請求項12に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記母材をエッチングするエッチング液を、フッ酸および硝酸を含む溶液とすることを特徴とする請求項15に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 熱処理するときに支持面で被処理ウエーハを載置して支持するウエーハ支持治具を製造する方法であって、
 前記ウエーハ支持治具の母材となる多結晶体を熱処理して、前記支持面に突起状物を形成し、
 前記支持面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、
 前記支持面全域に高さ30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造することを特徴とするウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記多結晶体の熱処理を、減圧雰囲気下で行うことを特徴とする請求項17に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記多結晶体の熱処理を、不活性ガスを含む雰囲気、水素ガスを含む雰囲気、これらの混合ガス雰囲気のいずれかで行うことを特徴とする請求項17または請求項18に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 前記熱処理する多結晶体を、シリコンまたは炭化珪素の多結晶体とすることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれか一項に記載のウエーハ支持治具の製造方法。
 
 熱処理するときに支持面で被処理ウエーハを載置して支持するウエーハ支持治具を製造する方法であって、
 前記ウエーハ支持治具の母材中に突起状物となる粒子を分散して添加し、前記母材をエッチング液でエッチングして、前記支持面に前記分散添加された粒子で突起状物を形成するか、
 前記ウエーハ支持治具の母材となる多結晶体を熱処理して、前記支持面に突起状物を形成して、
 前記支持面に突起状物を有するウエーハ支持治具を製造することを特徴とするウエーハ支持治具の製造方法。
 
Description:
ウエーハ支持治具およびこれを えた縦型熱処理用ボートならびにウエーハ 持治具の製造方法

 本発明は、主に半導体ウエーハ等の被処理 エーハを熱処理する際に使用するウエーハ 持治具およびこれを備えた縦型熱処理用ボ トに関し、特には、熱処理時にスリップ転 が被処理ウエーハに発生するのを抑制する とができるウエーハ支持治具および縦型熱 理用ボートに関する。
 

 半導体単結晶ウエーハ、例えばシリコン エーハを用いてデバイスを作製する場合、 エーハの加工プロセスから素子の形成プロ スまで多数の工程が介在し、その一つに熱 理工程がある。熱処理工程は、ウエーハの 層における無欠陥層の形成、ゲッタリング 結晶化、酸化膜形成、不純物拡散等を目的 して行われる重要なプロセスである。

 このような熱処理工程、例えば、酸化や 純物拡散に用いられる拡散炉(酸化・拡散装 置)としては、ウエーハの大口径化に伴い、 数のウエーハを所定の間隔をあけて水平に 持した状態で熱処理を行う縦型の熱処理炉 主に用いられている。そして、縦型熱処理 を用いてウエーハを熱処理する際には、多 のウエーハをセットするための縦型熱処理 ボート(以下、単にボートという場合がある) が用いられる。

 図4は、従来の一般的な縦型熱処理用ボー ト210の概略を示している。4本の支柱(ロッド) 214の両端部に一対の板状部材(連結部材、あ いは天板と底板とも言う)216が連結されてい 。各支柱214には多数のスリット211が形成さ 、各スリット211間の凸部がウエーハの支持 212として作用する。被処理ウエーハ(以下、 単にウエーハということがある)を熱処理す 際には、図5(A)の平面図、図5(B)の正面図に示 したように、各支柱214の同じ高さに形成され ている支持部212にウエーハWの外周部を載置 ることでウエーハWが水平に支持されること なる。

 図6は、縦型熱処理炉の一例を示す概略図で ある。縦型熱処理炉220の反応室222の内部に搬 入された熱処理用ボート210には多数のウエー ハWが水平に支持されている。熱処理の際に 、ウエーハWは、反応室222の周囲に設けられ ヒータ224によって加熱されることになる。 処理中、反応室222にはガス導入管226を介し ガスが導入され、上方から下方に向かって れてガス排気管228から外部に排出される。 用するガスは熱処理の目的によって異なる 、主としてH 2 、N 2 、O 2 、Ar等が用いられる。不純物拡散の場合には これらのガスを不純物化合物ガスのキャリ ガスとしても使用する。

 縦型熱処理用ボート210におけるウエーハ 持部212は種々の形状が採用されており、図7 (A)(B)はそれぞれ一例を示している。(A)の方は 、半円柱形状の支柱214に凹み状のスリット( )211を設けることで半円形の支持部212を形成 たものである。一方、(B)の方は、(A)のもの りもウエーハWの中心に近い箇所を支持する ために幅の広い角柱形状の支柱215に凹み状の スリット211を設けて長方形の支持部213を形成 したものである。他にも、スリット形状を円 弧状にしたものや、鉤型状にしたものなども ある。

 さらに、これらの支持部212、213でウエー Wを直接支持するのではなく、各支持部212、 213にウエーハ支持治具を着脱可能に装着し、 このウエーハ支持治具にウエーハWを載置し 支持する形態のものも挙げられる。

 さて、このような被処理ウエーハと直接接 して支持するウエーハ支持治具(あるいは支 持部)のウエーハとの接触面(支持面)について 述べる。
 特開平9-283455号公報には、スリップを抑制 るためにこの支持面の表面粗さRaを0.5μm以下 にして、ウエーハの自重により応力が集中し てしまう要因を取り除くことが記載されてい る。
 一方、特開2000-269150号公報には、支持面を まり平滑にし過ぎると、ウエーハとウエー 支持治具が部分的に固着するため、支持面 表面粗さRaを0.3μm以上にすることが記載され ている。
 このように、自重応力集中防止や、ウエー /ウエーハ支持治具の固着防止を両立させる ためには、表面粗さを最適領域に調整する必 要があり、研削加工やサンドブラスト加工な どの方法で表面粗さ調整が行なわれている。

 しかし、こうした方法で調整されたウエ ハ支持面を用いても、熱処理時の昇降温速 を加速したり、ボートピッチを縮小したり て、熱応力要因を増大させると、スリップ 抑えきることができなかった。これは、ウ ーハおよびウエーハ支持治具の熱変形の影 と考えられる。ウエーハとウエーハ支持治 との間に摩擦や固着がある場合、昇降温時 熱変形を妨げる応力が発生する。昇降温速 を加速したり、ボート溝ピッチを縮小した すると、熱変形の速度が速くなってウエー がウエーハ支持治具上を滑ることなどによ 変形緩和が追い付かなくなるため、応力が 大してスリップが発生するものと考えられ 。

 この応力を低減するために、特許3328763号公 報にはウエーハ支持治具にコロを用いて、ウ エーハとウエーハ支持治具との間の摩擦を低 減する方法が記載されている。しかし、コロ を載置する凹部を精度高く加工することが難 しく、ボートの製造コストが高くなるなどの 問題があった。
 

 そこで、本発明者は、ウエーハ支持治具の 持面/ウエーハの摩擦や固着について鋭意研 究を行ったところ、この摩擦・固着を低減す るにあたっては、ウエーハ支持治具の支持面 におけるスキューネス(R sk )が重要な要素の一つであることを発見した
 ここで、このR sk について述べる。
 例えば研削等によって形成されたウエーハ 持治具の支持面においては、実際には微小 凹凸が存在し、その断面は振幅曲線を描い いる。R sk とは、この振幅曲線が平均線の上下どちらに 偏っているかを示すパラメータである。

 研削やサンドブラストでウエーハ支持治具 表面を加工して支持面とした場合、支持面 は条痕や窪みが発生するため、例えば図2に 示すように、振幅曲線が平均線よりも上に偏 る場合が多く、R sk がマイナスの値となる。
 これに対し、図3のように、支持面が剣山の ような形状の場合、振幅曲線が平均線より下 に偏って、R sk はプラスの値となる。

 そして、本発明者は、従来のサンドブラス 等により形成され、R sk がマイナスとなる支持面の場合に対し、支持 面のR sk をプラスにすることで、ウエーハとウエーハ 支持治具との摩擦・固着が低減され、スリッ プ転位を抑制するにあたり高い効果を発揮で きることを見出した。
 さらに、本発明者は、逆にR sk が大きすぎると、ウエーハとウエーハ支持治 具との接触が少なくなりすぎて自重応力集中 が起こり、スリップが発生してしまうことを 見出した。すなわち、R sk には最適領域が存在する。

 また、R sk の調整について本発明者は以下のことを見出 した。
 R sk は、支持面に故意に突起状物を形成して、こ の突起状物の密度と高さをコントロールする ことによって調整が可能である。突起状物の 密度を少なくするにつれて、また、突起状物 を高くするにつれてR sk 値が増大するので、最適のR sk 値が得られるように突起状物の密度、高さを 調整する。
 そして、この突起状物のサイズ分布の調整 必要である。他の突起状物より極端に大き 突起状物が存在すると、これを要因として 重応力集中が起きるので、極端に大きな突 状物がなく、大きめの突起状物の高さを揃 、適度な密度で配置する必要がある。

 本発明は、上記本発明者が見出した問題 を鑑みてなされたもので、縦型熱処理炉に り半導体ウエーハ等の被処理ウエーハを熱 理する際、ウエーハ支持治具の支持面/ウエ ーハの摩擦や固着を低減できるとともに、支 持面における突起状物のサイズ分布が適切で あり、スリップ転位の発生を抑制することが できるウエーハ支持治具、これを備えた縦型 熱処理用ボート、さらにはウエーハ支持治具 の製造方法を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明は、少 くとも、熱処理するときに被処理ウエーハ 載置して支持する支持面を有するウエーハ 持治具であって、前記被処理ウエーハを支 する支持面におけるスキューネスR sk が0<R sk <10であるとともに、前記支持面全域に高さ 30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するものであることを特徴とするウ エーハ支持治具を提供する。

 このように、少なくとも、熱処理するとき 被処理ウエーハを載置して支持する支持面 有するウエーハ支持治具であって、前記被 理ウエーハを支持する支持面におけるスキ ーネスR sk が0<R sk <10であれば、支持面において、ウエーハ支 持治具と被処理ウエーハの摩擦・固着を低減 することができ、これを起因とするスリップ 転位の発生を効果的に抑制することができる 。

 さらに、支持面全域に高さ30μm以上の突起 物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するものであるので、他の突起状物 よりも極端に大きい突起状物が存在すること もなく、適度な高さおよび密度の突起状物を 有しており、その結果、載置する被処理ウエ ーハの自重による応力集中、さらにはこの応 力集中を起因とするスリップ転位の発生を防 ぐことができる。また、このような適度な高 さおよび密度の突起状物を有しているので、 R sk が上記範囲に調整されたものとなる。

 この場合、前記支持面に突起状物を有する エーハ支持治具は、エッチング液でエッチ グ可能な母材中に、前記突起状物となる粒 が分散添加されたものであり、前記突起状 は、前記エッチング液で前記母材がエッチ グされて、前記分散添加された粒子により 持面に形成されたものとするのが好ましい
 このようなウエーハ支持治具であれば、エ チング液で母材がエッチングされて、母材 に分散添加された粒子により、支持面に突 状物が均一かつ容易に形成されたものとす ことができる。

 このとき、前記エッチング液でエッチング 能な母材が石英であり、前記分散添加され 粒子が炭化珪素またはシリコンであるもの することができる。
 そして、前記母材をエッチング可能なエッ ング液が、フッ酸を含む溶液であるものと ることができる。
 また、前記エッチング液でエッチング可能 母材がシリコンであり、前記分散添加され 粒子が炭化珪素であるものとすることがで 、前記母材をエッチング可能なエッチング が、フッ酸および硝酸を含む溶液であるも とすることができる。
 母材や、母材中に分散添加された粒子、エ チング液が上記のようなものであれば、ウ ーハ支持治具の支持面に所望の突起状物を 易に形成することが可能である。

 また、前記支持面に突起状物を有するウエ ハ支持治具は、多結晶体が熱処理されて、 記突起状物が支持面に形成されたものとす のが好ましい。
 このように、多結晶体が熱処理されて、前 突起状物が支持面に形成されたものであれ 、ウエーハ支持治具の支持面に突起状物が 一かつ容易に形成されたものとすることが きる。

 このとき、前記多結晶体の熱処理が、減圧 囲気下で行われたものとすることができ、 た、前記多結晶体の熱処理が、不活性ガス 含む雰囲気、水素ガスを含む雰囲気、これ の混合ガス雰囲気のいずれかで行われたも とすることができる。
 このように、多結晶体の熱処理が、減圧雰 気下で行われたもの、また、不活性ガスを む雰囲気、水素ガスを含む雰囲気、これら 混合ガス雰囲気のいずれかで行われたもの あれば、ウエーハ支持治具の支持面に所望 突起状物が効率よく形成されたものとする とができる。

 そして、前記熱処理される多結晶体が、シ コンまたは炭化珪素の多結晶体のものとす ことができる。
 このように、熱処理される多結晶体が、シ コンまたは炭化珪素の多結晶体のものであ ば、支持面に容易に突起状物が形成された のとすることができる。

 また、本発明は、前記のウエーハ支持治 を備えた縦型熱処理用ボートであって、少 くとも、複数の支柱と、各支柱の両端部に 結した一対の板状部材とを有し、前記各支 に、前記被処理ウエーハを水平に支持する めの複数の支持部が形成されており、該複 の支持部に、前記被処理ウエーハが各々一 ずつ載置されて支持される前記ウエーハ支 治具が着脱可能に装着されているものであ ことを特徴とする縦型熱処理用ボートを提 する。

 このような縦型熱処理用ボートであれば、 処理ウエーハを水平に支持するための複数 支持部に、前記被処理ウエーハが各々一枚 つ載置されて支持される前記のウエーハ支 治具が着脱可能に装着されているものであ ので、ウエーハ支持治具と被処理ウエーハ 摩擦・固着を低減することができ、スリッ 転位の発生を効果的に抑制することができ 。
 さらに、支持面において、ウエーハ支持治 の支持面に極端に大きい突起状物が存在す こともなく、適度な高さおよび密度の突起 物を有しているので、被処理ウエーハの自 による応力集中ひいてはスリップ転位の発 を効果的に防止することができる。

 また、本発明は、熱処理するときに支持面 被処理ウエーハを載置して支持するウエー 支持治具を製造する方法であって、前記ウ ーハ支持治具の母材中に突起状物となる粒 を分散して添加し、前記母材をエッチング でエッチングして、前記支持面に前記分散 加された粒子で突起状物を形成し、前記支 面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、前記支持面全域に高さ 30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造するこ とを特徴とするウエーハ支持治具の製造方法 を提供する。

 このようなウエーハ支持治具の製造方法で れば、ウエーハ支持治具の母材中に突起状 となる粒子を分散して添加し、母材をエッ ング液でエッチングして、支持面に分散添 された粒子で突起状物を形成するので、均 かつ容易に支持面に突起状物を形成するこ ができる。
 そして、支持面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、支持面全域に高さ30μm 上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造するの で、ウエーハ支持治具と被処理ウエーハの摩 擦・固着を低減することができ、スリップ転 位の発生を効果的に抑制することが可能であ り、また、載置する被処理ウエーハの自重に よる応力集中、さらにはこの応力集中を起因 とするスリップ転位の発生を防ぐことが可能 なウエーハ支持治具を得ることができる。
 しかも、この製造方法であれば、製造後に 起状物が脱離することもきわめて少なく、 ーティクル汚染が発生するのを防止できる

 このとき、前記エッチング液でエッチング る母材を石英とし、前記分散添加する粒子 炭化珪素またはシリコンとすることができ そして、前記母材をエッチングするエッチ グ液を、フッ酸を含む溶液とすることがで る。
 また、前記エッチング液でエッチングする 材をシリコンとし、前記分散添加する粒子 炭化珪素とすることができ、そして、前記 材をエッチングするエッチング液を、フッ および硝酸を含む溶液とすることができる
 母材や、母材中に分散添加する粒子、エッ ング液を上記のようなものとすることによ 、ウエーハ支持治具の支持面に所望の突起 物を容易に形成することが可能である。

 また、本発明は、熱処理するときに支持面 被処理ウエーハを載置して支持するウエー 支持治具を製造する方法であって、前記ウ ーハ支持治具の母材となる多結晶体を熱処 して、前記支持面に突起状物を形成し、前 支持面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、前記支持面全域に高さ 30μm以上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造するこ とを特徴とするウエーハ支持治具の製造方法 を提供する。

 このようなウエーハ支持治具の製造方法で れば、前記ウエーハ支持治具の母材となる 結晶体を熱処理して、前記支持面に突起状 を形成するので、均一かつ容易に支持面に 起状物を形成することができる。
 そして、支持面におけるスキューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、支持面全域に高さ30μm 上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造するの で、ウエーハ支持治具と被処理ウエーハの摩 擦・固着を低減することができ、スリップ転 位の発生を効果的に抑制することが可能であ り、また、載置する被処理ウエーハの自重に よる応力集中、さらにはこの応力集中を起因 とするスリップ転位の発生を防ぐことが可能 なウエーハ支持治具を得ることができる。
 また、突起状物が脱離することによるパー ィクル汚染を防止することができる。

 このとき、前記多結晶体の熱処理を、減圧 囲気下で行うことができ、また、前記多結 体の熱処理を、不活性ガスを含む雰囲気、 素ガスを含む雰囲気、これらの混合ガス雰 気のいずれかで行うことができる。
 このように、多結晶体の熱処理を、減圧雰 気下、また、不活性ガスを含む雰囲気、水 ガスを含む雰囲気、これらの混合ガス雰囲 のいずれかで行えば、ウエーハ支持治具の 持面に所望の突起状物を効率よく形成する とが可能である。

 そして、前記熱処理する多結晶体を、シリ ンまたは炭化珪素の多結晶体とすることが きる。
 このように、熱処理する多結晶体を、シリ ンまたは炭化珪素の多結晶体とすれば、支 面に容易に突起状物を形成することができ 。

 さらに、本発明は、熱処理するときに支 面で被処理ウエーハを載置して支持するウ ーハ支持治具を製造する方法であって、前 ウエーハ支持治具の母材中に突起状物とな 粒子を分散して添加し、前記母材をエッチ グ液でエッチングして、前記支持面に前記 散添加された粒子で突起状物を形成するか 前記ウエーハ支持治具の母材となる多結晶 を熱処理して、前記支持面に突起状物を形 して、前記支持面に突起状物を有するウエ ハ支持治具を製造することを特徴とするウ ーハ支持治具の製造方法を提供する。

 このようなウエーハ支持治具の製造方法 あれば、ウエーハ支持治具の母材中に突起 物となる粒子を分散して添加し、母材をエ チング液でエッチングして、支持面に分散 加された粒子で突起状物を形成するか、ウ ーハ支持治具の母材となる多結晶体を熱処 して、支持面に突起状物を形成するので、 一かつ容易に支持面に所望の突起状物が形 されたウエーハ支持治具を製造することが きる。

 本発明のウエーハ支持治具、縦型熱処理用 ートであれば、支持面に載置される被処理 エーハとの摩擦や固着を低減することがで 、また、被処理ウエーハの自重による応力 中が発生することを防止することができ、 いては被処理ウエーハにスリップ転位が生 るのを効果的に防ぐことが可能である。
 また、本発明のウエーハ支持治具の製造方 であれば、支持面に突起状物を均一かつ容 に形成することができ、上記のようなスリ プ転位の発生を効果的に防止することがで るウエーハ支持治具を得ることができるし 支持面に形成された突起状物は脱離しにく 、パーティクル汚染の発生を抑制すること できる。
 

本発明のウエーハ支持治具および縦型 処理用ボートの一例を示す概略図である。 R sk がマイナスの値をとる場合の一例を示す説明 図である。 R sk がプラスの値をとる場合の一例を示す説明図 である。 従来の縦型熱処理用ボートの一例を示 概略図である。 従来の縦型熱処理用ボートにウエーハ セットした状態を示す説明図である。 縦型熱処理炉の一例を示す概略図であ 。 従来の縦型熱処理用ボートにおけるウ ーハ支持部を示す概略図である。 触針式表面粗さ測定器を用いた表面形 の測定方法を説明する説明図である。(A)側 図、(B)上面図である。

 以下では、本発明のウエーハ支持治具およ これを備えた縦型熱処理用ボート、さらに ウエーハ支持治具の製造方法について、図 を参照しながら詳細に説明するが、本発明 これに限定されるものではない。
 図1に、本発明のウエーハ支持治具およびこ れを備えた縦型熱処理用ボートの一例の概略 を示す。
 この縦型熱処理用ボート1は、4本の支柱4と 各支柱4の両端部に連結した一対の板状部材 6とを有している。各支柱4には、それぞれ同 高さの位置に複数のスリット(溝)7が等間隔 形成されており、スリット7間の凸部が半導 体ウエーハの支持部2として作用する。そし 、この本発明の縦型熱処理用ボート1では、 支柱4の支持部2に本発明であるウエーハ支 治具3が着脱可能に装着される。ウエーハを 処理する際には、各支柱4の同じ高さの支持 部2に装着したウエーハ支持治具3上に各々1枚 ずつウエーハが載置される。
 なお、ウエーハ支持治具3以外は、例えば従 来と同様のものとすることができ、特に限定 されない。

 ここで、ウエーハ支持治具3についてさらに 詳しく述べる。
 本発明者は、ウエーハ支持治具の支持面に いて鋭意研究を行った結果、まず、支持面 表面粗さに関して、以下のことを見出した
 まず、従来のウエーハ支持治具について述 ると、上述したように、その支持面は研削 サンドブラストで加工されたものであり条 や窪みが形成されている。したがって、こ ような従来の支持面においては、図2に示す ようにスキューネスR sk はマイナスの値となる。このとき、ウエーハ 支持治具とそれに載置して支持する被処理ウ エーハの間において摩擦や固着は比較的大き なものとなる。

 一般に、被処理ウエーハを熱処理するとき 例えば熱処理温度を昇降温すると被処理ウ ーハに熱変形が生じるが、このとき、被処 ウエーハがウエーハ支持治具上を滑ること どによる変形緩和が追い付かなくなる場合 ある。すなわち、熱変形を妨げる応力が被 理ウエーハに発生してしまい、スリップ転 等が発生する。
 従来のウエーハ支持治具であると被処理ウ ーハ/ウエーハ支持治具間の摩擦や固着が大 きいため、滑りが良くなく、その結果、スリ ップ転位が発生しやすい。

 そこで本発明者は、支持面におけるR sk について、さらに詳しく研究をおこなったと ころ、本発明のウエーハ支持治具3のように 支持面11におけるR sk が0より大きく、すなわちプラスの値のもの あれば、被処理ウエーハ/ウエーハ支持治具 の摩擦や固着が従来よりも著しく低減可能 ことを見出した。したがって、このような 発明のウエーハ支持治具3により、被処理ウ エーハ/ウエーハ支持治具間の摩擦や固着を 因とするスリップ転位の発生を効果的に防 することができる。

 一方で、支持面11におけるR sk が大きすぎると、すなわち10以上の場合、被 理ウエーハとウエーハ支持治具との接触が なくなりすぎて自重による応力集中が起こ 、スリップ転位が発生してしまう。そのた 、R sk が10未満のものとする必要がある。

 以上より、本発明のウエーハ支持治具3の支 持面11におけるR sk の値の範囲は、0<R sk <10である。
 このように支持面11のR sk が適切な範囲におさまっているので、被処理 ウエーハ/ウエーハ支持治具間の摩擦や固着 あるいは被処理ウエーハとウエーハ支持治 の接触範囲の小ささからスリップ転位が発 するのを著しく抑制することができる。こ により、熱処理された被処理ウエーハの品 を改善することができるし、歩留りの向上 図ることが可能である。

 なお、R sk を求めるにあたっては、例えば、フォームタ リサーフイントラ(触針式表面粗さ測定器:テ ラーホブソン社製)を用いることができる。
 ここで、フォームタリサーフイントラによ 被測定対象物(ワーク)の表面形状の測定方 の概略について図8を参照して説明する。図8 (A)の側面図および図8(B)の上面図に示すよう 、測定部の針をステージ上のワーク表面に 触させて計測を行うものであり、X軸方向に 定部を移動させることによって、ワークの 面の断面曲線を得ることができる(2次元モ ド)。また、さらにステージをY軸方向に移動 させることにより、ワーク表面全領域の3次 曲面を得ることもできる(3次元モード)。
 R sk の測定にあたっては、まず、例えば分解能1μ m(X軸方向に連続的に測定するが、1μm間隔で ータを取り込む)で30mm(ワークの長さ)測定し 断面曲線を得る。得られた断面曲線をカッ オフ波長2.5mmでフィルタリング(2.5mm以上の 長成分を除去する)して粗さ曲線を得る。こ 粗さ曲線からR sk を求めるが、計算方法はJIS B0601:2001で規定さ れている。
 なお、表面粗さRaについても同様にして粗 曲線を測定し、上記規定より算出すること できる。

 また、本発明のウエーハ支持治具3の支持面 11は、支持面全域に高さ30μm以上の突起状物 無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有している。
 本発明のウエーハ支持治具3では、支持面11 このような突起状物を有しているため、各 域において、他の突起状物よりも極端に大 い突起状物が存在することもなく、比較的 きめの突起状物の高さが揃っているので、 の領域で被処理ウエーハの自重による応力 分散し、スリップ転位が発生するのを抑制 ることができる。

 なお、この突起状物の高さや密度を求める あたっては、例えば、上記のフォームタリ ーフイントラを用いることができる。
 ここでは、ステージをY軸方向に移動させて 3次元モードにて測定を行う。X-Y軸分解能2μm( X方向に連続的に測定するが、2μm間隔でデー を取り込む。Y方向はYステージを2μmステッ で移動させる。)でワーク接触面全領域の3 元曲面を得る。得られた3次元曲面をカット フ波長2.5mmでフィルタリングして粗さ曲面 得る。この粗さ曲面の平均面から高さ2μm以 の突起の数を求め、密度を算出する。

 そして、このウエーハ支持治具3の材料等は 特に限定されないが、例えば、以下のような ものが挙げられる。
 まず、1つ目の例として、エッチング液(例 ばフッ酸を含む溶液)でエッチング可能な母 (例えば石英)中に、突起状物となる粒子(例 ば炭化珪素またはシリコン)が分散添加され たものであり、支持面11における突起状物は ッチング液で母材がエッチングされて、分 添加された粒子により形成されたものが挙 られる。
 また、母材がシリコンであり、母材中に分 添加された粒子が炭化珪素であり、エッチ グ液がフッ酸および硝酸を含む溶液である のとすることもできる。

 次に2つ目の例としては、シリコンや炭化 珪素等の多結晶体が熱処理されて、突起状物 が支持面11に形成されたものとすることがで る。このとき、上記熱処理が減圧雰囲気下 行われたもの、また、不活性ガスを含む雰 気、水素ガスを含む雰囲気、これらの混合 ス雰囲気のいずれかで行われたものが挙げ れる。

 以下、本発明のウエーハ支持治具3の製造方 法について述べる。
 まず、上記1つ目の例(エッチング液を用い ものの場合)について説明する。
 ウエーハ支持治具3の母材の中心となるシリ カガラス粉を用意し、これを水、加熱ゲル化 剤であるセルロース誘導体と混合してスラリ ー化する。さらに、後に突起状物を形成する ことになる炭化珪素粉またはシリコン粉を混 合する。このようにすることで、母材中に炭 化珪素粉またはシリコン粉を均一に分散して 添加することができる。

 なお、これらの混合比率は特に限定されな が、この混合比率によって、母材中の炭化 素粉またはシリコン粉の割合が変化し、支 面11に形成される突起状物の密度等に影響 る。したがって、突起状物の密度、高さ、 持面11のR sk 等が本発明における範囲内におさまるように 、例えば繰り返し実験を行うことにより、適 切な混合比率を求めれば良い。各粉のサイズ もその都度決定することができる。

 次に、上記のようにして用意したスラリ を、例えば10℃以下、1~120分の範囲で冷却し たのち射出シリンダーに注入する又は射出シ リンダー内で冷却し、それを加熱ゲル化剤の ゲル化温度以上、150℃以下、具体的には例え ば70~120℃の温度に加熱した樹脂製又は金属製 の成形型内に射出成形する。そして、このよ うにして得られたシリカガラス成形体を離型 し、乾燥、脱脂処理、純化処理し、さらに焼 結する。このような処理は、例えば特開2006-3 15910号公報等に開示されている方法とするこ ができる。

 すなわち、上記脱脂処理は、例えば大気雰 気下、300~900℃の温度で3~6時間保持し、脱脂 処理終了後室温にまで放冷する。
 また、純化処理は、例えば塩化水素を含む 囲気下、500~1300℃で0.5~5時間の処理を行う。 この純化処理でシリカガラス成形体中のアル ミニウム濃度は15ppm以下、鉄、カルシウム、 トリウム、カリウム及びリチウムの各濃度 それぞれ1ppm以下にでき、半導体工業でも十 分に使用できる製品に製造することができる 。特にアルカリ金属、アルカリ土類金属が十 分に純化されていることで焼結によるガラス 化時にシリカガラスのクリストバライトへの 転移が抑えられ、製品にクラックによる破損 や欠け、或は表面の微細なクラックによる凹 凸の発生を抑制することができる。
 ガラス化の焼結は、例えば1200~1700℃の温度 5~30分間、好ましくは減圧下で行うのがよい 。

 この後、研削等を施してウエーハ支持治具3 の形に加工する。
 このようにして、石英を主成分とする母材 に炭化珪素粉またはシリコン粉が分散添加 れたものに対し、エッチング液としてフッ を含む溶液を用いてエッチング処理を施す
 このとき、フッ酸により石英を主成分とす 母材の表面がエッチングされる一方で、炭 珪素粉またはシリコン粉はほとんどエッチ グされない。したがって、ウエーハ支持治 3の支持面11には、炭化珪素粉またはシリコ 粉が露出し、突起状物として形成される。
 なお、特開2002-43239号公報に開示されている ような、支持面に粉末を溶着させるという、 従来の突起状物の形成方法では、支持面に粉 末を均一にさせることは難しく、また、熱処 理中に溶着したはずの粉末が脱離して被処理 ウエーハをパーティクル汚染してしまうこと があったが、本発明のウエーハ支持治具の製 造方法であれば、これらのことは生じにくく 、サイズの揃った突起状物を均一に分散させ て形成すること、突起状物の脱離が極めて少 ないものにすることが可能である。

  しかも、本発明では、添加する炭化珪素 等の粒子サイズ、量等を調整することで、 単に突起状物を形成して、支持面における キューネスR sk を0<R sk <10にするとともに、支持面全域に高さ30μm 上の突起状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するウエーハ支持治具を製造するこ とができる。

 なお、母材および分散添加する粒子、母材 エッチング処理に用いるエッチング液はこ に限定されず、他には、例えばそれぞれ順 、シリコン、炭化珪素、フッ酸および硝酸 含む溶液とすることができる。
 熱処理の目的や被処理ウエーハの種類等に り、適宜、ウエーハ支持治具3の材料等を決 定することができる。

 また、2つ目の例(熱処理によるものの場合) しては、シリコンまたは炭化珪素の多結晶 をウエーハ支持治具3の形に加工した後、例 えば、減圧雰囲気下で、不活性ガスを含む雰 囲気、水素ガスを含む雰囲気、これらの混合 ガス雰囲気のいずれかで熱処理を施すことに より、支持面11に突起状物を効率良く形成す ことができる。そして、上記と同様の範囲 R sk 、また、同様の範囲の高さ、密度の突起状物 が形成された支持面11を有するウエーハ支持 具3を製造することができる。

 このときの熱処理条件は特に限定されず、 験を繰り返すことにより、上記範囲のR sk 、突起状物の高さおよび密度が得られるよう 適宜決定することができる。例えば減圧下に 限られることもなく、上記雰囲気であれば常 圧下で十分に突起状物を形成することができ る。また、逆に、減圧下であれば、上記雰囲 気に限定されることもなく、他の雰囲気であ っても突起状物を形成することができる。
 さらに、熱処理する多結晶体も、シリコン たは炭化珪素に限定されない。適宜、適切 多結晶体を選択することができる。
 このように、多結晶体を熱処理する方法に れば単一部材でウエーハ支持治具を製造す ことができ、2種類以上の部材で製造するよ りも簡便で高い清浄度とすることができる。

 なお、ここでは図1に示すような形態のウエ ーハ支持治具3について述べたが、熱処理す ときに被処理ウエーハを載置して支持する 持面11を有するものであればよく、ウエーハ 支持治具3の形状は特に限定されない。製造 法もエッチング処理や熱処理によって突起 物を形成し、上記範囲のR sk 、突起状物の高さ、密度が得られればよく、 成形方法等は、ウエーハ支持治具3の形状等 応じてその都度適切に決定することができ 。
 例えば、ウエーハ支持治具3をリング状のも のとすることができる。
 

 (実施例1:サンプルA~E)
 シリカガラス粉/水/メチルセルロースを混 したスラリーに炭化珪素粉を混ぜたものを に射出して成形し、離型、乾燥、脱脂、純 、焼結、研削することによって、図1に示す うなウエーハ支持治具(長さ30mm)を作製した
 炭化珪素粉には、サイズ頻度分布における 大頻度サイズが8μm、最大サイズが24μm以下 最小サイズが3μm以上のものを用い、混合比 率を変えた5種類の材料を準備した。
 研削後、10%HFで4時間エッチングすることに り炭化珪素粒を表面に露出させ、R sk の異なるウエーハ支持治具を作製した。

 各ウエーハ支持治具のRa値、R sk 値、突起状物の密度を、フォームタリサーフ イントラで測定した結果を表1に示す。また どのウエーハ支持治具からも高さ30μm以上の 突起状物は検出されなかった。なお、表1の 起状物の密度は、支持面全領域をフォーム リサーフイントラで3次元測定したときの粗 曲面における平均面との高度差が2μm以上30 m未満のものについてのものである。

 この石英製のウエーハ支持治具を、図1に 示すような溝ピッチ7.5mmのボートにセットし 直径300mmシリコンウエーハを載置して1200℃ 1時間の熱処理を行ったところ、X線トポグ フィで評価したスリップレベルは表1のよう なった。

 従来では、固着等によるスリップ転位の発 防止にはRaを0.3μm以上にする必要があると れていたが、表1に示すように、本発明のよ に、支持面において、0<R sk <10であり、支持面全域に高さ30μm以上の突 状物が無くかつ任意の1mm 2 内に高さが2μm以上30μm未満の突起状物を10 0 個以上10 5 個以下有するものであれば、Raが0.08~0.29μmと 較的小さな値をとるものであっても、いず のサンプルA~Eもスリップフリーにできるこ が判る。
 

(比較例1:サンプルF~H)
 炭化珪素を混合しない石英製のウエーハ支 治具を作製した。表面粗さの異なる2種類を 準備し、ひとつは研削加工後にエッチングし たもの、もうひとつは研削加工後にサンドブ ラスト加工を行ってからエッチングしたもの である。
 また、パターンを用いたサンドブラスト加 を行ってからエッチングを行ったものも用 した。ここで、パターンを用いたサンドブ スト加工とは、直径200μmの穴を300μm間隔で けたマスクを準備し、その上からサンドブ スト加工を実施することである。この加工 より、なだらかな突起状物を形成できる。
 そして、実施例1と同様にして、各ウエーハ 支持治具のRa値、R sk 値、突起状物密度、スリップ転位の有無を測 定した結果を表2に示す。

 比較例1の炭化珪素なしサンプルFは、研削 工品で、Raが小さく、R sk もマイナスの値で、高さ2μm以上の突起状物 検出されなかった。そして、スリップレベ は非常に悪かった。
 炭化珪素なしサンプルGは、サンドブラスト 加工でRaを大きくした。そのときのR sk はマイナスの値であり、高さ2μm以上の突起 物は検出されていない。サンドブラスト処 で表面粗さを粗くしても、スリップ転位を 全に抑制することはできなかった。
 また、炭化珪素なしサンプルHは、パターン を用いたサンドブラスト加工により、なだら かな突起状物が形成されたものであり、突起 状物の密度が1個/mm 2 以上となったものの、R sk 値はマイナスとなってしまい、完全なスリッ プフリーウエーハを作製することはできない 。
 なお、サンプルF~Hの支持面には高さ30μm以 の突起状物は検出されなかった。

 このように、単に研削加工しただけ、サン ブラスト処理を施した従来の方法だけでは ウエーハ支持治具の支持面のR sk がマイナスとなり、突起状物の高さも低く、 支持面の曲率が大きすぎてウエーハとの固着 が生じてしまう。これはスリップ転位を生み 出す原因となると解される。
 そして、特にサンプルHからわかるように、 突起状物の高さ、密度のみを規定してもスリ ップ転位の発生を完全に防止することはでき ず、R sk も適切な値とすることで初めて完全にスリッ プ転位の発生を防止できる。スリップ転位の 発生は突起状物の高さ、密度だけでなく、突 起状物の形状が影響すると考えられ、R sk もまた、スリップ転位を発生させない突起状 物を規定するのに有効なパラメータであるこ とがわかる。
 

(比較例2:サンプルI、J)
シリカガラス粉/水/メチルセルロースを混合 たスラリーに炭化珪素を混合し、非常に突 状物の多いウエーハ支持治具と(炭化珪素混 合サンプルI)、非常に突起状物の少ないウエ ハ支持治具(炭化珪素混合サンプルJ)を作製 た(表3参照)。これらのウエーハ支持治具か 、高さ30μm以上の突起状物は検出されなか た。

 炭化珪素混合サンプルIは、突起状物が多過 ぎるために、R sk 値がマイナスであった。ウエーハとウエーハ 支持治具との摩擦・固着はあまり低減せず、 スリップレベルは悪かった。
 炭化珪素混合サンプルJは、炭化珪素粒が少 なすぎて、R sk 値が10以上の値であった。この場合は自重応 集中が起き、スリップレベルは悪かった。
 このように、支持面における突起状物の密 が10 0 ~10 5 個/mm 2 の範囲外であり、R sk の値も0<R sk <10の範囲外であるとスリップ転位を抑制す ることができない。
 

(比較例3)
 Siを含浸させた反応焼結炭化珪素を用いて ウエーハ支持治具を作製し、炭化珪素CVDコ トを行った。
 なお、実施例1と同様の測定の結果、Raは0.92 μm、R sk は4.7、突起状物の密度は4.9×10 1 個/mm 2 であった。ただし、炭化珪素CVDコートの表面 には、異常成長により発生した突起状物が数 多く発生しており、その中に極端に大きい突 起状物が少数存在する。
 具体的には、30μm以上の高さの突起状物が5 検出された。
 このウエーハ支持治具を用いて実施例1と同 様の熱処理を行ったところ、X線トポグラフ 評価で被処理ウエーハに強いスリップが検 された。これらのスリップは、30μm以上の高 さの突起状物のいくつかを起点としていた。

 このように、例え支持面におけるR sk の値や突起状物の密度が本発明の範囲内であ っても、周りに比べて極端に大きな突起状物 が存在すると、そこを起点として被処理ウエ ーハに応力が集中してしまい、スリップ転位 が発生してしまう。
 

(実施例2)
 比較例3で作製したものと同様のウエーハ支 持治具において、30μm以上の高さの突起状物5 個全てを削り落とした。
 実施例1と同様にスリップ転位の評価を行っ たところ、スリップ転位は検出されなくなっ た。
 

(実施例3)
 多結晶シリコン製のウエーハ支持治具を研 により作製した。
 このとき、高さ2μm以上の突起はなく、Raは0 .16μm、R sk は-0.10であった。
 これをアルゴンガス雰囲気減圧下1250℃で100 hアニールしたところ、Raは0.24μm、R sk は0.95、任意の1mm 2 内で、高さ2μm以上30μm未満である突起状物の 密度は1.5×10 3 個/mm 2 であった。また、支持面全域で高さ30μm以上 突起状物は無く、すなわち、本発明のウエ ハ支持治具となった。
 このウエーハ支持治具を用いて実施例1と同 様の熱処理を行ったところ、X線トポグラフ 評価でスリップ転位は検出されなかった。
 

(比較例4)
 多結晶シリコン製のウエーハ支持治具とし 、表面粗さの異なる2種類を作製した。
 ひとつは研削加工上がりもので、Raが0.14μm R sk は-0.16で、高さ2μm以上の突起はなかった。も うひとつは研削加工をしてからサンドブラス ト加工をしたもので、Raが0.62μm、R sk は-0.41で、こちらも高さ2μm以上の突起状物は なかった。
 このウエーハ支持治具を用いて実施例1と同 様の熱処理を行ったところ、どちらのウエー ハ支持治具のスリップレベルも悪かった。
 

 なお、本発明は、上記実施形態に限定され ものではない。上記実施形態は、例示であ 、本発明の特許請求の範囲に記載された技 的思想と実質的に同一な構成を有し、同様 作用効果を奏するものは、いかなるもので っても本発明の技術的範囲に包含される。