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Patent Searching and Data


Title:
WIRELESS IC DEVICE AND COMPONENT FOR A WIRELESS IC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145218
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a wireless IC device and component for a wireless IC device of small size and low height, with which the mechanical strength and environmental resistance of a wireless IC chip can be improved. A component (20A) for a wireless IC device is provided, comprising a wireless IC chip (5) and a power-supply circuit board (10) constituted by laminating resin layers. The wireless IC chip (5) is incorporated in the power-supply circuit board (10) and an annular electrode (25) is arranged within the power-supply circuit board (10). A wireless IC device is constituted by this component (20A) for a wireless IC device and a radiating plate.

Inventors:
KATO NOBORU (JP)
SASAKI JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059669
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
KATO NOBORU (JP)
SASAKI JUN (JP)
International Classes:
G06K19/07; H01Q1/50; G06K19/077; H01Q1/38; H01Q1/40; H01Q7/00; H01Q23/00
Domestic Patent References:
WO2007083575A12007-07-26
Foreign References:
JP2000137779A2000-05-16
JPH1069533A1998-03-10
JP2005244778A2005-09-08
Other References:
See also references of EP 2282372A4
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA Takekazu et al. (JP)
Takeichi Morishita (JP)
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Claims:
 無線ICと、
 前記無線ICを内蔵し、前記無線ICと結合するインダクタンス素子を含む共振回路および/または整合回路を含む給電回路を設けた給電回路基板と、
 を備え、
 前記給電回路基板は複数の樹脂層と複数の電極とを積層してなる多層基板であること、
 を特徴とする無線ICデバイス用部品。
 前記給電回路基板は一方主面と他方主面とを備え、前記給電回路は前記樹脂層の積層方向における前記無線ICと前記一方主面との間および前記無線ICと前記他方主面との間に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の無線ICデバイス用部品。
 前記無線ICの直上および/または直下に前記無線ICへの応力を緩和するための応力緩和用電極を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線ICデバイス用部品。
 前記インダクタンス素子は、前記給電回路基板に形成されたビアホール導体と前記複数の電極とで環状に形成された少なくとも一つの環状電極で構成され、前記環状電極の巻回軸は前記積層方向に対して垂直であること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線ICデバイス用部品。
 前記無線ICは、前記環状電極を前記積層方向に垂直な方向からみたときに、前記環状電極の内側に配置されていること、を特徴とする請求項4に記載の無線ICデバイス用部品。
 前記給電回路は前記複数の電極を対向して配置して構成したキャパシタンス素子を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の無線ICデバイス用部品。
 前記キャパシタンス素子を構成する前記複数の電極は、前記応力緩和用電極を兼ねていること、を特徴とする請求項6に記載の無線ICデバイス用部品。
 前記給電回路基板はフレキシブルな部分とリジッドな部分とを有し、
 前記無線ICは前記リジッドな部分に配置されていること、
 を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の無線ICデバイス用部品。
 前記リジッドな部分は前記環状電極によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の無線ICデバイス用部品。
 前記リジッドな部分は前記応力緩和用電極によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の無線ICデバイス用部品。
 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の無線ICデバイス用部品と、
 前記給電回路と電磁界結合する放射板と、
 を備えたことを特徴とする無線ICデバイス。
 前記環状電極の一部が前記放射板に近接して配置されていることを特徴とする請求項11に記載の無線ICデバイス。
 前記放射板において送受信される信号の周波数は、前記給電回路の共振周波数によって実質的に決定されること、を特徴とする請求項11または請求項12に記載の無線ICデバイス。
Description:
無線ICデバイス用部品および無 ICデバイス

 本発明は、無線ICデバイス、特にRFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる無 線ICを有する無線ICデバイス用部品および無 ICデバイスに関する。

 近年、物品の管理システムとして、誘導 磁界を発生するリーダライタと物品や容器 どに付与された所定の情報を記憶したICチ プ(ICタグ、無線タグ、無線ICチップとも称す る)とを非接触方式で通信し、情報を伝達す RFIDシステムが開発されている。ICチップは ンテナすなわち放射板と接続されることに りリーダライタと通信が可能になるが、ICチ ップを搭載した無線タグとしては、従来、特 許文献1に記載されているものが知られてい 。

 この無線タグは、ICチップとその左右に 成された主アンテナ素子、ICチップと主アン テナ素子との間に形成された整合部および主 アンテナ素子の内側端面に近接して配置され た補助アンテナ素子とで構成されている。こ のような無線タグでは、整合部においてICチ プと主アンテナ素子とのインピーダンスを 合させ、主アンテナ素子にて信号の送受信 行うことにより無線タグとして機能するも である。

 しかし、前記無線タグにおいては、ICチ プの左右に配置された整合部が誘電体基板 に平面状に形成されているため、整合部で 生した電磁界が誘電体基板外部にも広がっ いる。そのため、無線タグを物品等に貼り けた場合、整合部近傍の誘電率が変化する とにより、整合部のインダクタンス値や容 値が変化し、ICチップと主アンテナ素子との 整合状態が変化する。このように、ICチップ 主アンテナ素子との整合状態が変化すると 主アンテナ素子において所望の放射特性が られず、無線タグと無線通信を行うリーダ イタとの間での通信不良が発生し、無線タ としての動作が不安定になるという問題が った。

 また、前記無線タグにおいては、誘電体 板上に配置したICチップの左右に整合部を 置しているため、無線タグのサイズが大型 するという問題もあった。

 さらに、前記無線タグにおいては、ICチ プが誘電体基板上に外部から見えるように 置されているため、無線タグを物品等に貼 着けた後、その物品の移動時や運搬時にお てICチップが他の物品と接触する可能性があ り、その接触時の衝撃等によりICチップが破 されたり、誘電体基板から脱落することに り無線タグとして動作しなくなるという問 もあった。また、ICチップが外部に露出し いた場合、無線タグ周囲の温度や湿度によ 腐食などが発生し、耐環境性能が悪いと言 問題もあった。

特開2005-244778号公報

 そこで、本発明の目的は、無線ICと放射 とのインピーダンス整合状態を変化させず かつ機械的強度および耐環境性能を向上す ことにより安定的に動作可能な小型で低背 無線ICデバイス用部品および無線ICデバイス 提供することにある。

 前記目的を達成するために、本発明の第1 の形態である無線ICデバイス用部品は、無線I Cと、前記無線ICを内蔵し、前記無線ICと結合 るインダクタンス素子を含む共振回路およ /または整合回路を含む給電回路を設けた給 電回路基板と、を備え、前記給電回路基板は 複数の樹脂層と複数の電極とを積層してなる 多層基板であることを特徴としている。

 前記無線ICデバイス用部品においては、 電回路を備えた給電回路基板に無線ICチップ を内蔵している。このような構造にすること により、無線ICデバイス用部品としての機械 強度を向上することができ、無線ICデバイ 用部品として安定的に動作させることがで る。また、給電回路基板を樹脂を用いた多 基板で形成することにより、無線ICデバイス 用部品を小型・低背化することができる。さ らに、整合回路を含む給電回路を多層基板で ある給電回路基板に形成しているため、基板 外部に近接配置される物品等の影響を受けに くく、インピーダンス整合状態の変化を抑制 することができる。

 本発明の第2の形態である無線ICデバイス おいては、前記給電回路と電磁界結合する 射板を、さらに備えることを特徴としてい 。

 前記給電回路基板は一方主面と他方主面 を備え、前記給電回路は前記樹脂層の積層 向における前記無線ICと前記一方主面との および前記無線ICと前記他方主面との間に配 置されていることが好ましい。このような構 造にすることにより、所望の特性の無線ICデ イスとして動作させることができ、さらに 電回路の配置面積を増やすことができ、そ 回路規模や配置位置の設計自由度を向上す ことができる。

 また、前記無線ICの直上および/または直 に前記無線ICへの応力を緩和するための応 緩和用電極を配置してもよい。無線ICの直上 や直下に電極を配置することにより、給電回 路基板に衝撃などの応力が加わった場合、そ の電極により応力が緩和され、無線ICに加わ 応力を低減することができる。これにより 無線ICデバイスの機械的強度を向上するこ ができる。

 また、前記インダクタンス素子は、前記 電回路基板に形成されたビアホール導体と 記複数の電極とで環状に形成された少なく も一つの環状電極で構成され、前記環状電 の巻回軸は前記積層方向に対して垂直であ ことが好ましい。このような構造にするこ により環状電極の内側であり、給電回路基 の積層方向に垂直な方向に磁界が発生する これにより、例えば給電回路基板の他方主 を実装面として物品に近接して配置したと 、その実装面と平行に磁界が発生するため 給電回路で発生する電磁界はその物品の影 を受けにくく、安定した通信特性を得るこ ができる。また、給電回路基板内のビアホ ル導体をインダクタンス素子の一部として 用しているため、インダクタンス素子のQ値 を大きくすることができ、電気特性の良好な 給電回路を構成することができる。

 また、前記無線ICは前記環状電極を前記 層方向に垂直な方向からみたときに、前記 状電極の内側に配置され、前記環状電極の 部が前記放射板に近接して配置されている とが好ましい。このような構造にすること より、給電回路基板全体を利用して給電回 を構成することができ、給電回路の設計自 度を向上することができる。また、放射板 結合させる主面に近接して給電回路を配置 ることができるため、給電回路と放射板と 結合を強くすることができ、放射板におけ 信号の放射特性を向上することができる。

 また、前記給電回路は前記複数の電極を 向して配置して構成したキャパシタンス素 を含み、前記キャパシタンス素子を構成す 前記複数の電極は、前記応力緩和用電極を ねていてもよい。キャパシタンス素子を構 する電極を給電回路基板の積層方向に垂直 方向に配置することにより、インダクタン 素子を構成する環状電極で発生する磁界の きとその電極の延在方向とが平行になる。 れにより、インダクタンス素子で発生する 界がキャパシタンス素子を構成する電極で されず、所望の設計値を得ることができ、 定の共振特性や整合特性を備えた給電回路 得ることができる。さらに、無線ICの直上 よび/または直下に配置される応力緩和用電 を、前記キャパシタンス素子を構成する電 で兼ねていてもよい。このような構造にす ことにより、給電回路基板内の電極層数を 減することができ、無線ICデバイスを小型 低背化することができる。

 また、前記給電回路基板はフレキシブル 部分とリジッドな部分とを有し、前記無線I Cは前記リジッドな部分に配置されているこ が好ましい。給電回路基板は複数の樹脂層 構成されているため、基本的にはフレキシ ルであるが、部分的にリジッドにして該リ ッドな部分に無線ICを配置すれば、無線ICに わる応力を低減させることができる。環状 極や応力緩和用電極を形成した部分は曲げ れることが抑制されるリジッドな部分にな 。特に、環状電極を銅箔で形成すれば環状 極の内側部分をよりリジッドにすることが きる。

 また、前記無線ICデバイスでは、前記放 板において送受信される信号の周波数は、 記給電回路の共振周波数によって実質的に 定されることが好ましい。このように給電 路における共振周波数によって通信に使用 る信号の周波数を実質的に決定することに り、放射板および無線ICデバイスを取り付け る物品の形状や材質が変化しても放射板によ り送受信される信号の周波数はほとんど変化 しない。そのため、無線ICデバイスを種々の 品に貼り着けても、また、無線ICデバイス 貼り着けた物品を変形したとしても動作不 は発生せず、無線ICデバイスとしての動作を 安定化させることができる。

 本発明によれば、給電回路基板を複数の 脂層と複数の電極とを積層して多層基板を 成するため、無線ICデバイス用部品および 線ICデバイスを小型・低背化することができ る。また、無線ICチップを給電回路基板に内 することにより、無線ICチップを保護する とができ、機械的強度および耐環境性能を 上した無線ICデバイス用部品および無線ICデ イスを提供することができる。

本発明の第1実施例である無線ICデバイ 用部品を示す斜視図。 前記無線ICデバイス用部品を示す分解 視図。 無線ICチップ示す斜視図。 第1実施例である無線ICデバイス用部品 備えた無線ICデバイスを示す斜視図。 前記無線ICデバイスの等価回路図。 本発明の第2実施例である無線ICデバイ 用部品を示す分解斜視図。 第2実施例である無線ICデバイス用部品 備えた無線ICデバイスの等価回路図。 本発明の第3実施例である無線ICデバイ 用部品を示す分解斜視図。 第3実施例である無線ICデバイス用部品 備えた無線ICデバイスの等価回路図。

 以下、本発明に係る無線ICデバイス用部 および無線ICデバイスの実施例について添付 図面を参照して説明する。なお、各図におい て、共通する部品、部分は同じ符号を付し、 重複する説明は省略する。

(第1実施例、図1から図5参照)
 図1および図2に本発明の第1実施例である無 ICデバイス用部品20Aを示す。なお、図1は無 ICデバイス用部品20Aの内部構造を示すため 透視図であり、図2は無線ICデバイス用部品20 Aを構成する樹脂層ごとに分解した分解斜視 である。この無線ICデバイス用部品20Aは、所 定周波数の送受信信号を処理する無線ICであ 無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を内蔵し 給電回路基板10とから構成されている。

 無線ICチップ5は、クロック回路、ロジッ 回路、メモリ回路などを含み、必要な情報 メモリされている。また、図3は無線ICチッ 5を示す斜視図であり、裏面に入出力電極6a, 6bおよび実装用端子電極7,7が設けられている 入出力電極6a,6bが給電回路基板10の内部に設 けた電極8a,8bに金属バンプ等を介して電気的 接続されている。なお、金属バンプの材料 しては、Au、半田などを用いることができ 。

 給電回路基板10の一方主面11側には、Cuな の電極を用いて線状に形成された複数の線 電極13が一方主面11にそれぞれ平行になるよ うに並んで形成されている。また、給電回路 基板10の他方主面12側にも、複数の線状電極14 が他方主面12にそれぞれ平行になるように並 で形成されている。そして、線状電極13の 部と、線状電極14の端部とをそれぞれ接続す るような複数のビアホール導体21,22が給電回 基板10の内部に形成されている。このよう 給電回路基板10の内部には、線状電極13、線 電極14およびビアホール導体21,22により環状 電極25が形成されている。そして、給電回路 板10の樹脂層の積層方向に垂直な方向から 状電極25をみたときに、螺旋状になるように 隣り合う環状電極どうしが接続されている。 そして、これら環状電極25は、所定箇所(コイ ルの両端部に位置するビアホール導体21,22)に おいて接続電極28a,28bを介して電極8a,8bと接続 されている。

 給電回路基板10における無線ICチップ5の 部には、少なくとも一部が重なるように矩 の平板電極9a,9bが積層方向に対向して配置さ れている。そして、平板電極9a,9bは、それぞ 接続電極29a,29bを介して環状電極25の所定箇 (コイルの両端部に位置するビアホール導体 21,22)と接続されている。また、環状電極25を 電回路基板10の積層方向に垂直な方向から たときに、無線ICチップ5および平板電極9a,9b は環状電極25の内側に配置されている。

 また、給電回路基板10は、図2の分解斜視 に示すように、樹脂層41a~41g上に形成された 複数の線状電極13,14、電極8a,8b、平板電極9a,9b および接続電極28a,28b,29a,29bと、樹脂層41b~41f それぞれ貫通するように形成されたビアホ ル導体21a~21e,22a~22eから構成されている。な 、本実施例における無線ICデバイス用部品20A における樹脂層の材料としては、液晶ポリマ やポリイミド等を用いることができる。複数 の線状電極13,14、電極8a,8b、平板電極9a,9bおよ び接続電極28a,28b,29a,29bは、樹脂層41a~41g上のCu 等の電極をエッチングすることにより形成し たものである。また、ビアホール導体21a~21e,2 2a~22eは、樹脂層をレーザや機械パンチ等によ り穴あけし、その穴の中にAgやCuなどの導電 材料を充填・硬化させることにより形成し ものである。また、無線ICチップ5は所定の 脂層上に形成した電極8a,8b上に実装されてお り、その樹脂層と他の前記樹脂層とを積層・ 圧着することにより給電回路基板10を得るこ ができる。

 なお、複数の線状電極13,14は、同一樹脂 上に形成しても、別の樹脂層上に形成して 構わない。別の樹脂層上に形成することに り、線状電極間の電磁界による結合量を調 することができる。また、線状電極13,14は、 給電回路基板10の内部だけでなく、その一方 面11あるいは他方主面12の上に形成しても構 わない。

 無線ICデバイス用部品20Aにおいて、線状 極13,14およびビアホール導体21,22により形成 れた環状電極25は、給電回路におけるイン クタンス素子Lとして機能する。そして、こ インダクタンス素子Lは、複数の環状電極25 螺旋状に接続されて構成されているため、 層方向に垂直な方向から環状電極25をみた きに、複数の環状電極の内側を通過するよ に磁界が発生する。また、複数の環状電極25 は、所定箇所において接続電極28a,28bを介し 無線ICチップ5と接続されている。そのため 無線ICチップ5からみると、環状電極25は、図 5に示すように、インダクタンス素子Lが無線I Cチップ5の両端に接続された構成となる。

 さらに、無線ICチップ5の下部には、対向 る平板電極9a,9bが形成されてキャパシタン 素子C(図5参照)を構成している。そして、こ ら2枚の平板電極9a,9bは、それぞれ所定箇所 インダクタンス素子Lである環状電極25と接 電極29a,29bを介して並列に接続されることに より、共振回路または整合回路を構成してい る。本実施例のように、給電回路基板10にお て、無線ICチップ5の上部および下部に給電 路を配置することにより、多くの回路素子 給電回路基板10内に配置することができ、 電回路基板10および無線ICデバイス用部品20A 小型・低背化することができ、給電回路の 計自由度も向上する。

 なお、平板電極9a,9bは、無線ICチップ5の 部に配置されることにより、応力緩和用電 としても機能する。本発明において給電回 基板10は柔らかい樹脂により形成されるため 、無線ICデバイス用部品20Aに外部から衝撃な が加わると、給電回路基板10にソリが発生 る。そのソリによる応力が無線ICチップ5に わると、無線ICチップがたわんだり、ゆがん だりするため、破壊する可能性がある。また 、破壊しなくとも、給電回路基板10にソリが 生することにより、無線ICチップ5と電極8a,8 bとの間で接続不良が発生し、無線ICデバイス 用部品として動作しないという不具合が発生 する可能性がある。その際、無線ICチップ5の 下部に配置した平板電極9a,9bが応力を緩和し 給電回路基板10に発生するソリを抑制し、 線ICチップ5の破壊や、接続不良による動作 良を防止することができる。また、平板電 9a,9bは環状電極25で発生する磁界の向きに平 になるように配置されているため、磁界を すことがなく、所定の共振回路または整合 路の特性を得ることができる。

 なお、本実施例においては、平板電極9a,9 bは無線ICチップ5の下方に2枚配置しているが 無線ICチップの下方だけでなく上方に配置 ることにより(図2の平板電極9c参照)、無線IC ップ5へ加わる応力をさらに低減することが でき、無線ICデバイス用部品20Aの機械的強度 さらに向上することができる。また、平板 極9a,9bの枚数についても2枚である必要はな 、所定のキャパシタンス値を得るために3枚 以上配置してもよい。さらに、環状電極25よ も平板電極9a,9bを給電回路基板10の他方主面 側に配置してもよい。給電回路基板10の他方 面側に平板電極9a,9bを配置することにより 放射板と給電回路とを電界結合させること できる。これにより、放射板と給電回路と 間における電磁界結合量を調整することが き、放射板からの信号の放射特性を制御す ことができる。

 (無線ICデバイス、図4、図5参照)
 前記無線ICデバイス用部品20Aを、放射板30と 組み合わせて無線ICデバイス1Aとした実施例 図4に示す。放射板30は、PETフィルムなどの 板35上に形成した放射電極38を備えている。 射電極38は、無線ICデバイス用部品20Aと結合 するための結合部39を有し、その結合部39は 射電極38の長手方向の中央部に配置されてい る。そして、無線ICデバイス用部品20Aは、接 剤等により結合部39に貼着して搭載されて る。また、放射電極38は、無線ICデバイス用 品20Aから見てその両側に設けられ、いわゆ ダイポール型の形状である。そして、放射 極38はその両端部に幅広部38a,38bを有してお 、放射特性および指向性を向上させている

 無線ICデバイス用部品20A内の給電回路と 結合部39とは電気的に絶縁された状態で配置 され、給電回路を構成する環状電極25(インダ クタンス素子L)で発生した磁界により給電回 と結合部39とは電磁界結合している。給電 路基板10には所定の共振周波数を有する共振 回路(インダクタンス素子Lとキャパシタンス 子C)が内蔵されており、無線ICチップ5から 信された所定の周波数を有する送信信号を 射電極38に伝達し、かつ、放射電極38で受け 信号から所定の周波数を有する受信信号を 択し、無線ICチップ5に供給する。それゆえ この無線ICデバイス1Aは、放射電極38で受信 れた信号によって無線ICチップ5が動作され 該無線ICチップ5からの応答信号が放射電極3 8から外部に放射される。

 前記無線ICデバイス1Aの等価回路を図5に す。図5に示すように、給電回路基板10は、 ンダクタンス素子Lおよびキャパシタンス素 Cを含む共振回路・整合回路を有する給電回 路を備えている。また、インダクタンス素子 Lはそれぞれ放射電極38と磁界結合し、この給 電回路が無線ICチップ5と接続されている。

 給電回路基板10においては、インダクタ ス素子Lとキャパシタンス素子Cで構成された 共振回路にて共振周波数特性が決定される。 放射電極38から放射される信号の共振周波数 、共振回路の自己共振周波数によって実質 に決まる。

 ところで、共振回路は無線ICチップ5のイ ピーダンスと放射電極38のインピーダンス 整合させるための整合回路を兼ねてもよい 給電回路基板10は、インダクタンス素子Lや ャパシタンス素子Cで構成された共振回路と 別に設けられた整合回路を備えていてもよ (この意味で、共振回路を整合回路とも称す る)。共振回路に整合回路の機能をも付加し うとすると、共振回路の設計が複雑になる 向がある。共振回路とは別に整合回路を設 れば、共振回路、整合回路をそれぞれ独立 て設計できる。

 以上のように、本無線ICデバイス1Aにあっ ては、樹脂層で形成した給電回路基板10に無 ICチップ5を内蔵し、その無線ICチップの上 および下方に給電回路を配置することがで るため、給電回路の設計自由度を向上でき とともに、給電回路基板10を小型・低背化す ることができる。また、無線ICチップ5を給電 回路基板10に内蔵するため、無線ICチップ5の 械的強度と耐環境性能を向上することがで る。

 (第2実施例、図6、図7参照)
 図6に本発明の第2実施例である無線ICデバイ ス用部品20Bを示す。基本的には前記第1実施 と同様に、樹脂層からなる給電回路基板10内 に螺旋状電極51,52,53,54によって環状電極55(イ ダクタンス素子L)を形成し、無線ICチップ5 内蔵したものである。

 各螺旋状電極51~54は樹脂層61a~61d上に形成 れ、螺旋状電極51の端部51aはビアホール導 62aを介して螺旋状電極52の端部52aに接続され 、該螺旋状電極52の端部52bはビアホール導体6 2bを介して螺旋状電極53の端部53aに接続され いる。さらに、螺旋状電極53の端部53bはビア ホール導体62cを介して螺旋状電極54の端部54a 接続されている。

 螺旋状電極51の端部51bはビアホール導体62 dを介して樹脂層61b上に形成した線状電極56の 端部56aに接続され、該線状電極56の端部56bは 線ICチップ5の入出力電極6a(図3参照)に接続 れている。一方、螺旋状電極54の端部54bはビ アホール導体62e,62fを介して樹脂層61b上に形 した電極57に接続され、該電極57は無線ICチ プ5の入出力電極6bに接続されている。

 この無線ICデバイス用部品20Bにおいては 図7に示すように、螺旋状電極51~54からなる 状電極55(インダクタンス素子L)が無線ICチッ 5に対して直列に接続され、インダクタンス 素子Lが放射電極38と電磁界結合している。

 以上の構成からなる無線ICデバイス1Bの作 用効果は前記第1実施例と同様であり、放射 極38で受信された信号によって無線ICチップ5 が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号 が放射電極38から外部に放射される。なお、 給電回路基板10においては環状電極55の内側 領域がリジッドな領域となる。すなわち、給 電回路基板10は、複数の樹脂層で構成されて るため、基本的にはフレキシブルであるが 螺旋状電極51~54からなる環状電極55により曲 げられることが抑制されるため、環状電極55 内側領域はリジッドな領域となる。特に、 第2実施例では、螺旋状電極51~54を複数回巻 させているので、前記第1実施例に比べて、 環状電極55の内側領域がよりリジッドとなる そして、リジッドな領域に、無線ICチップ5 配置されているので、無線ICチップ5に加わ 応力を低減させることができる。なお、環 電極55の内側領域に、図2に示した応力緩和 の平板電極9cを形成してもよい。これによ 、環状電極55の内側領域のリジッドな領域が 、よりリジッドとなるので、無線ICチップ5に 加わる応力をより低減させることができる。

 (第3実施例、図8、図9参照)
 図8に本発明の第3実施例である無線ICデバイ ス用部品20Cを示す。基本的には前記第1実施 と同様に、樹脂層からなる給電回路基板10内 に2重の線状電極71,72,73,74,75,76によって環状電 極77(インダクタンス素子L1,L2)、および、対向 する平板電極83,84(キャパシタンス素子C)を形 し、無線ICチップ5を内蔵したものである。

 各線状電極71~76は樹脂層81a~81c上に形成さ 、線状電極71の端部71bはビアホール導体78a 介して線状電極73の端部73aに接続され、該線 状電極73の端部73bはビアホール導体78bを介し 線状電極75の端部75aに接続されている。該 状電極75の端部75bはビアホール導体78cを介し て樹脂層81d上に形成された平板電極84の端部8 4aに接続されている。一方、線状電極72は線 電極71から分岐し、端部72aはビアホール導体 78dを介して線状電極74の端部74aに接続され、 線状電極74の端部74bはビアホール導体78eを して線状電極76の端部76aに接続されている。 さらに、線状電極76の端部76bは平板電極83に 続されている。

 線状電極71の端部71aはビアホール導体78f 介して樹脂層81b上に形成した電極85の端部85a に接続され、該電極85の端部85bは無線ICチッ 5の入出力電極6a(図3参照)に接続されている 一方、平板電極83はビアホール導体78gを介し て樹脂層81b上に形成した電極86に接続され、 電極86は無線ICチップ5の入出力電極6bに接続 されている。

 この無線ICデバイス用部品20Cにおいては 図9に示すように、線状電極71~76からなる環 電極77でインダクタンス素子L1,L2が構成され 互いに磁気結合(相互インダクタンスMで示 )している。このインダクタンス素子L1,L2と の一端に直列に接続されたキャパシタンス 子C(平板電極83,84)とで共振回路・整合回路を 有する給電回路が構成されている。また、イ ンダクタンス素子L1,L2はそれぞれが放射電極3 8Aと磁界結合し、キャパシタンス素子Cが放射 電極38Bと電界結合している。

 以上の構成からなる無線ICデバイス1Cの作 用効果は前記第1実施例と同様であり、放射 極38A,38Bで受信された信号によって無線ICチ プ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答 号が放射電極38A,38Bから外部に放射される。 なお、本給電回路基板10においては環状電極7 7の内側領域および平板電極83,84が形成されて いる部分がリジッドな領域となる。そして、 無線ICチップ5が、平板電極83,84の直上に配置 れ、リジッドな領域に位置しているので、 線ICチップ5に加わる応力を低減させること できる。

 以上のように、本発明は、無線ICデバイ 用部品および無線ICデバイスに有用であり、 特に、無線ICと放射板とのインピーダンス整 状態を変化させず、安定的に動作可能であ 点で優れている。

  1A,1B,1C 無線ICデバイス
  5 無線ICチップ
  6a,6b 入出力電極
  8a,8b 電極
  9a,9b,83,84 平板電極
  9c 応力緩和用電極
  10 給電回路基板
  13,14,71~76 線状電極
  20A,20B,20C 無線ICデバイス用部品
  21,22 ビアホール導体
  25,55,77 環状電極
  28,29 接続電極
  30 放射板
  38,38A,38B 放射電極
  39 結合部
  51~54 螺旋状電極
  L,L1,L2 インダクタンス素子
  C キャパシタンス素子