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Title:
BEAM PROCESSING APPARATUS AND BEAM MONITORING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123550
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a beam processing apparatus or a beam monitoring apparatus which has reduced sizes and reduced cost. The beam processing apparatus or the beam monitoring apparatus is provided with a beam outputting source; a beam passing member (25), which has an outputting section (25a) for outputting a beam toward a work (2) and permits the beam traveling toward the work (2) from the beam outputting source to pass through; a fixed member (6), which has a fixing surface (6a) for fixing the work (2) and moves in a prescribed direction; and a hollow member (23), which is formed hollow to be deformed in three-dimensional directions and has the beam passing member (25) inside. The hollow member (23) is composed of at least a first hollow member (26) and a second hollow member (27) connected to each other. At one end of the hollow member (23), an opening section (37) is formed, the one end of the hollow member (23) abuts to the fixing surface, and inside the hollow member (23) is in a vacuum state.

Inventors:
MASUZAWA TSUNEAKI (JP)
TANAKA FUMITOSHI (JP)
YAMAZAKI TOMOHIRO (JP)
YOSHIDA YOSHIKAZU (JP)
IKEDA HIROMICHI (JP)
OGUCHI KEIGO (JP)
YAMAGISHI HIKARU (JP)
WAKABAYASHI YUJI (JP)
KOBAYASHI KOUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056598
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
April 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HIRAIDE PREC CO LTD (JP)
TOYO UNIVERSITY (JP)
NAGANO PREFECTURE (JP)
MASUZAWA TSUNEAKI (JP)
TANAKA FUMITOSHI (JP)
YAMAZAKI TOMOHIRO (JP)
YOSHIDA YOSHIKAZU (JP)
IKEDA HIROMICHI (JP)
OGUCHI KEIGO (JP)
YAMAGISHI HIKARU (JP)
WAKABAYASHI YUJI (JP)
KOBAYASHI KOUJI (JP)
International Classes:
H01J37/30; H01J37/16; H01J37/20; H01J37/317
Foreign References:
JP2006244720A2006-09-14
JP2006294481A2006-10-26
JP2007019045A2007-01-25
JP2004327302A2004-11-18
JP2007188821A2007-07-26
Attorney, Agent or Firm:
IAT WORLD PATENT LAW FIRM (INT's Nakano Bldg.33-3, Nakano 3-chom, Nakano-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 加工対象物の加工を行うためのビームを出射するビーム出射源と、上記加工対象物が固定される固定面を有し所定方向へ移動可能な固定部材と、上記加工対象物に向けて上記ビームを出射する出射部を有し上記ビーム出射源から上記加工対象物に向かう上記ビームが通過するビーム通過部材と、3次元方向に変形可能にかつ中空状に形成され、上記ビーム通過部材が内部に配置される中空部材とを備え、
 上記中空部材は、少なくとも、互いに接続される第1の中空部材と第2の中空部材とから構成され、
 上記中空部材の一端には開口部が形成され、上記中空部材の一端は上記固定面に当接するとともに、上記中空部材の内部は真空状態とされることを特徴とするビーム加工装置。
 前記固定部材は、前記固定面が前記ビームの出射方向に直交する方向に対して傾くように傾動可能に構成され、
 前記中空部材は、前記固定面の傾きに追従するように変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のビーム加工装置。
 前記固定面は、平面状に形成されるとともに、前記固定部材は、前記固定面に直交する方向を回転軸の方向として回転可能に構成され、
 前記中空部材は、前記固定面に対向配置され前記固定部材とともに回転可能な回転部材と、上記回転部材を相対回転可能に保持する保持部材とを前記一端に備えることを特徴とする請求項1または2記載のビーム加工装置。
 前記中空部材は、溶接ベローズを備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のビーム加工装置。
 前記中空部材は、内周側に前記ビーム通過部材が配置されるコイルバネと、上記コイルバネの外周面を覆うゴム製のカバーとを備えることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のビーム加工装置。
 前記出射部から出射されるビームは、集束イオンビームであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のビーム加工装置。
 観察対象物の観察を行うためのビームを出射するビーム出射源と、上記観察対象物が固定される固定面を有し所定方向へ移動可能な固定部材と、上記観察対象物に向けて上記ビームを出射する出射部を有し上記ビーム出射源から上記観察対象物に向かう上記ビームが通過するビーム通過部材と、3次元方向に変形可能にかつ中空状に形成され、上記ビーム通過部材が内部に配置される中空部材とを備え、
 上記中空部材は、少なくとも、互いに接続される第1の中空部材と第2の中空部材とから構成され、
 上記中空部材の一端には開口部が形成され、上記中空部材の一端は上記固定面に当接するとともに、上記中空部材の内部は真空状態とされることを特徴とするビーム観察装置。
 前記固定部材は、前記固定面が前記ビームの出射方向に直交する方向に対して傾くように傾動可能に構成され、
 前記中空部材は、前記固定面の傾きに追従するように変形可能に構成されていることを特徴とする請求項7記載のビーム観察装置。
Description:
ビーム加工装置およびビーム観 装置

 本発明は、ビームを用いて加工対象物の 工を行うビーム加工装置、および、ビーム 用いて観察対象物の観察を行うビーム観察 置に関する。

 従来から、加工対象物(ワーク)に対する 工を行う加工装置として、集束イオンビー でワークを加工する集束イオンビーム加工 置が知られている(たとえば、特許文献1参照 )。また、ワークに対する加工を行う加工装 として、電子ビームでワークを加工する電 ビーム加工装置も知られている(たとえば、 許文献2参照)。

 特許文献1に記載された集束イオンビーム 加工装置では、集束イオンビームの散乱を防 止するため、真空チャンバー内に配置された ステージ上にセットされたワークに対して集 束イオンビームが照射され、ワークの加工が 行われる。また、特許文献2に記載された電 ビーム加工装置でも同様に、電子ビームの 乱を防止するため、真空チャンバー内に配 されたステージ上にセットされたワークに して電子ビームが照射され、ワークの加工 行われる。

 また、集束イオンビームを用いて観察対 物の観察を行う集束イオンビーム観察装置 知られている(たとえば、特許文献3参照)。 た、一般に、電子ビームを用いて観察対象 の観察を行う電子ビーム観察装置も知られ いる。かかる集束イオンビーム観察装置や 子ビーム観察装置でも、真空チャンバー内 配置されたステージ上にセットされた観察 象物に対して集束イオンビームや電子ビー が照射されて、観察対象物の観察が行われ 。

特開2006-32154号公報

特開2004-167536号公報

特開平10-162766号公報

 しかしながら、特許文献1に記載の集束イ オンビーム加工装置および特許文献2に記載 電子ビーム加工装置では、ワークがセット れるステージの全体が真空チャンバー内に 置されているため、真空チャンバーが大型 する。そのため、加工装置が大型化し、加 装置の製造コストが嵩む。また、真空チャ バーが大型化するため、加工装置のランニ グコストが嵩む。また、従来の集束イオン ーム観察装置や電子ビーム観察装置におい も、同様の問題が生じる。

 そこで、本発明の課題は、小型化が可能 かつコストの低減が可能なビーム加工装置 よびビーム観察装置を提供することにある

 上記の課題を解決するため、本発明のビ ム加工装置は、加工対象物の加工を行うた のビームを出射するビーム出射源と、加工 象物が固定される固定面を有し所定方向へ 動可能な固定部材と、加工対象物に向けて ームを出射する出射部を有しビーム出射源 ら加工対象物に向かうビームが通過するビ ム通過部材と、3次元方向に変形可能にかつ 中空状に形成され、ビーム通過部材が内部に 配置される中空部材とを備え、中空部材は、 少なくとも、互いに接続される第1の中空部 と第2の中空部材とから構成され、中空部材 一端には開口部が形成され、中空部材の一 は固定面に当接するとともに、中空部材の 部は真空状態とされることを特徴とする。

 本発明のビーム加工装置では、開口部が 成された中空部材の一端が固定面に当接し いるため、固定面に固定された加工対象物 中空部材の内部に配置することができる。 た、中空部材の内部が真空状態とされるた 、加工対象物の周囲を局所的に真空状態と ることができる。したがって、従来のよう 大きな真空チャンバーが不要になる。その 果、本発明のビーム加工装置では、装置の 型化が可能になり、装置の製造コストを低 することが可能になる。また、加工対象物 周囲のみが局所的に真空状態となるため、 工装置のランニングコストを低減すること 可能になる。

 また、本発明のビーム加工装置では、中 部材の内部は真空状態とされるため、固定 に当接する中空部材の一端は固定面を吸着 る。また、中空部材が3次元方向に変形可能 に構成されているため、移動する固定部材の 動きに追従させて中空部材の一端側を変形さ せることが可能になる。すなわち、中空部材 の内部を真空状態に保ったままで、移動する 固定部材の動きに追従させて中空部材の一端 側を変形させることが可能になる。その結果 、本発明では、ビームの散乱等を防止すると ともに、所定の加工部位を適切に加工するこ とが可能になる。

 さらに、本発明のビーム加工装置では、 空部材は、少なくとも、互いに接続される 1の中空部材と第2の中空部材とから構成さ ているため、中空部材の変形の自由度を高 ることができる。たとえば、ある方向での 形量が大きくなるように第1の中空部材を形 し、他の方向での変形量が大きくなるよう 第2の中空部材を形成することで、中空部材 の変形の自由度を高めることができる。その 結果、本発明では、広範囲にわたって、中空 部材の一端側を固定部材の動きに追従して変 形させることができ、加工対象物を広範囲で 加工することが可能になる。

 本発明において、固定部材は、固定面が ームの出射方向に直交する方向に対して傾 ように傾動可能に構成され、中空部材は、 定面の傾きに追従するように変形可能に構 されていることが好ましい。このように構 すると、様々な角度から加工対象物にビー を照射することが可能となり、加工対象物 複雑な加工が可能となる。

 本発明において、固定面は、平面状に形 されるとともに、固定部材は、固定面に直 する方向を回転軸の方向として回転可能に 成され、中空部材は、固定面に対向配置さ 固定部材とともに回転可能な回転部材と、 転部材を相対回転可能に保持する保持部材 を一端に備えることが好ましい。このよう 構成すると、回転部材と保持部材との作用 よって、中空部材にねじれを生じさせるこ なく、加工対象物を回転させながら加工す ことが可能となり、加工対象物の複雑な加 が可能となる。特に、固定面がビームの出 方向に直交する方向に対して傾くように固 部材が傾動可能に構成され、固定面の傾き 追従するように中空部材が変形可能に構成 れている場合には、ビームを用いて、加工 象物に曲面加工や球面加工等の複雑な3次元 加工を行うことが可能になる。

 本発明において、中空部材は、溶接ベロ ズを備えていることが好ましい。このよう 構成すると、中空部材内の真空度を高くす ことが可能になり、適切な加工を行うため 高い真空度が必要となるビームを使用する とが可能になる。

 本発明において、中空部材は、内周側に ーム通過部材が配置されるコイルバネと、 イルバネの外周面を覆うゴム製のカバーと 備えることが好ましい。このように構成す と、コイルバネによって、中空部材の潰れ 防止することができるため、中空部材内の 空度を高くすることが可能になり、適切な 工を行うために高い真空度が必要となるビ ムを使用することが可能になる。また、こ ように構成すると、中空部材の変形量を大 くすることができ、広範囲にわたって、中 部材の一端側を固定部材の動きに追従させ 変形させることができる。そのため、加工 象物を広範囲で加工することが可能になる

 本発明において、出射部から出射される ームは、たとえば、集束イオンビームであ 。この場合には、集束イオンビームを用い ビーム加工装置の小型化および装置の製造 スト、ランニングコストの低減が可能にな 。また、集束イオンビームを用いた加工対 物の適切な加工が可能になる。

 また、上記の課題を解決するため、本発 のビーム観察装置は、観察対象物の観察を うためのビームを出射するビーム出射源と 観察対象物が固定される固定面を有し所定 向へ移動可能な固定部材と、観察対象物に けてビームを出射する出射部を有しビーム 射源から観察対象物に向かうビームが通過 るビーム通過部材と、3次元方向に変形可能 にかつ中空状に形成され、ビーム通過部材が 内部に配置される中空部材とを備え、中空部 材は、少なくとも、互いに接続される第1の 空部材と第2の中空部材とから構成され、中 部材の一端には開口部が形成され、中空部 の一端は固定面に当接するとともに、中空 材の内部は真空状態とされることを特徴と る。

 本発明のビーム観察装置では、開口部が 成された中空部材の一端が固定面に当接し また、中空部材の内部が真空状態とされる め、観察対象物を中空部材の内部に配置す とともに、観察対象物の周囲を局所的に真 状態とすることができる。したがって、従 のような大きな真空チャンバーが不要にな 、装置の小型化および装置の製造コスト、 ンニングコストの低減が可能になる。

 また、本発明のビーム観察装置では、中 部材の内部は真空状態とされ、かつ、空部 が3次元方向に変形可能に構成されているた め、固定面に当接する中空部材の一端が固定 面を吸着した状態で、移動する固定部材の動 きに追従させて中空部材の一端側を変形させ ることが可能になる。すなわち、中空部材の 内部を真空状態に保ったままで、移動する固 定部材の動きに追従させて中空部材の一端側 を変形させることが可能になる。その結果、 本発明では、ビームの散乱等を防止するとと もに、所定の観察部位を適切に観察すること が可能になる。

 さらに、本発明のビーム観察装置では、 空部材は、少なくとも、互いに接続される 1の中空部材と第2の中空部材とから構成さ ているため、中空部材の変形の自由度を高 ることができる。その結果、本発明では、 範囲にわたって、中空部材の一端側を固定 材の動きに追従して変形させることができ 観察対象物を広範囲で観察することが可能 なる。

 本発明のビーム観察装置において、固定 材は、固定面がビームの出射方向に直交す 方向に対して傾くように傾動可能に構成さ 、中空部材は、固定面の傾きに追従するよ に変形可能に構成されていることが好まし 。このように構成すると、ビームを用いて 観察対象物の形状を様々な角度から観察す ことが可能になる。

 以上のように、本発明のビーム加工装置 よびビーム観察装置では、装置の小型化お びコストの低減が可能になる。

本発明の実施の形態にかかるビーム加 装置の概略構成を説明するための模式図で る。 図1に示す局所真空チャンバーを上面側 から示す斜視図である。 図1に示す局所真空チャンバーの平面図 である。 図3のE-E断面を示す断面図である。 図4に示す中空部材の変形状態を説明す るための模式図である。 本発明の他の実施の形態にかかる中空 材の構成を説明するための図である。

符号の説明

 1 ビーム加工装置
 2 ワーク(加工対象物)
 3 ビーム出射源
 6 固定部材
 6a 固定面
 15 保持板(保持部材)
 16 回転板(回転部材)
 23、43 中空部材
 25 ビーム通過部材
 25a 出射部
 26 第1の中空部材(中空部材の一部)
 27 第2の中空部材(中空部材の一部)
 30 溶接ベローズ
 33 圧縮コイルバネ(コイルバネ)
 36 カバー
 37 開口部
 45 第3の中空部材(中空部材の一部)

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て説明する。

 (ビーム加工装置の概略構成)
 図1は、本発明の実施の形態にかかるビーム 加工装置1の概略構成を説明するための模式 である。なお、以下の説明では、図1の上を 上」、下を「下」、右を「右」、左を「左 、紙面手前を「前」、紙面奥を「後(後ろ) とする。また、以下では、左右方向と前後 向とによって形成される平面をXY平面とする 。

 本形態のビーム加工装置1は、所定の加工 対象物(ワーク)2の加工を行うためのビームと して、集束イオンビーム(FIB(Focused Ion Beam)) 用いて、ワーク2に対して除去加工等の微細 加工を行う加工装置である。このビーム加 装置1は、図1に示すように、FIBを出射する めのビーム出射源3および第1真空チャンバー 4と、ワーク2へ照射されるFIBの拡散を防止す ための拡散防止部5と、ワーク2が載置され 定される平面状の固定面6aを有する固定部材 6とを備えている。なお、ビーム加工装置1は 大気圧中に配置されている。

 ビーム出射源3は、ガリウム(Ga)等の液体 属をイオン源としてイオンビームを出射す 。また、ビーム出射源3は、第1真空チャンバ ー4の上端側に取り付けられており、ビーム 射源3から出射されたイオンビームは、第1真 空チャンバー4の内部を通過する。第1真空チ ンバー4の内部には、通過するイオンビーム を集束させるための所定のイオン光学系(図 省略)等が配置されている。

 本形態では、第1真空チャンバー4の内部 通過したイオンビームは、第1真空チャンバ 4の下端側から下方向に向かってFIBとして出 射される。たとえば、20~30kVに加速されたGaイ オンビーム(すなわち、FIB)が出射され、スパ タリング現象を用いて、ワーク2の加工が行 われる。本形態では、このFIBによって、ワー ク2は、数百nmのレベルで加工される。なお、 本形態のビーム加工装置1は、第1真空チャン ー4の内部を真空状態とするための真空ポン プ(図示省略)を備えている。

 拡散防止部5は、第1真空チャンバー4から 射されたFIBがワーク2に向かって通過する局 所真空チャンバー9と、局所真空チャンバー9 内部に配置される第2真空チャンバー8と、 2真空チャンバー8および局所真空チャンバー 9の内部を真空状態とするための第1ポンプ10 よび第2ポンプ11とを備えている。第2真空チ ンバー8および局所真空チャンバー9は、第1 空チャンバー4の下端側に取り付けられてお り、第1真空チャンバー4から出射されたFIBは 第2真空チャンバー8および局所真空チャン ー9の内部を通過して、拡散防止部5の下端側 でワーク2に照射される。

 第2真空チャンバー8は、図1に示すように 鍔部8aを有する鍔付きの略円筒状に形成さ ている。鍔部8aは、第2真空チャンバー8の上 に、径方向外側へ広がるように形成されて り、鍔部8aが第1真空チャンバー4の下端に固 定されている。

 上述のように、第2真空チャンバー8の内 には、局所真空チャンバー9が配置されてい 。具体的には、局所真空チャンバー9の上端 が、第2真空チャンバー8の上端よりもわずか 下がった状態で、第2真空チャンバー8の内 に局所真空チャンバー9が配置されている。 のため、第2真空チャンバー8内における局 真空チャンバー9の上方には、第1空間17が形 されている。この第1空間17は、第1真空チャ ンバー4の内部に連通している。

 第2真空チャンバー8の下端には、局所真 チャンバー9を構成する後述の固定パイプ29 鍔部29bの上面が当接した状態で、固定され いる。鍔部29bの上面と第2真空チャンバー8の 下端との間には、後述のように、真空状態と なる第1空間17(すなわち、第2真空チャンバー8 の内部)への外部からの空気の流入を防止す ためのシール部材(図示省略)が配置されてい る。

 また、第2真空チャンバー8には、後述の うに、第1空間17等を真空状態とするための 気を行う排気孔8bが、第2真空チャンバー8の 周面から内周面に貫通するように形成され いる。

 局所真空チャンバー9は、上述のように、 第2真空チャンバー8の内部に配置されている 本形態では、第1真空チャンバー4から出射 れるFIBは、第1空間17を通過した後、さらに 局所真空チャンバー9の内部を通過する。こ 局所真空チャンバー9の詳細な構成について は後述する。

 第1ポンプ10および第2ポンプ11は、排気孔8 bに接続された配管21を介して、第2真空チャ バー8の内部に接続されている。本形態の第1 ポンプ10は、吸引容量は比較的小さいが、比 的高い真空到達度を得ることが可能なポン であり、たとえば、ターボ分子ポンプであ 。また、第2ポンプ11は、吸引容量は大きい 、高い真空到達度を得ることができないポ プであり、たとえば、ロータリポンプであ 。

 固定部材6は、ワーク2を固定するための ャック等の固定手段(図示省略)を備えている 。この固定手段は、固定部材6の上面となる 定面6aに取り付けられている。また、固定部 材6は、所定方向へ移動可能となっている。 なわち、固定部材6は、固定部材6を移動させ る移動機構(図示省略)に取り付けられている 本形態の移動機構は、固定部材6を3次元方 に移動させるように構成されている。たと ば、移動機構は、上下方向、左右方向およ 前後方向のそれぞれに固定部材6を移動させ ためのZ方向移動機構(図示省略)、Y方向移動 機構(図示省略)およびX方向移動機構(図示省 )を備えるいわゆるXYZステージである。

 また、固定部材6は、固定面6aがFIBの出射 向(すなわち、上下方向)に直交する方向に して傾くように傾動可能に構成されている すなわち、固定部材6は、固定面6aがXY平面に 対して傾くように、固定部材6を傾ける傾動 構(図示省略)に取り付けられている。たとえ ば、固定部材6は、左右方向または前後方向 、固定面6aがXY平面に対して傾くように、傾 機構(図示省略)に取り付けられている。あ いは、固定部材6は、左右方向および前後方 で、固定面6aがXY平面に対して傾くように、 傾動機構に取り付けられている。なお、任意 の方向で、固定面6aがXY平面に対して傾くよ に、固定部材6が傾動機構に取り付けられて 良い。

 さらに、固定部材6は、固定面6aに直交す 方向を回転軸の方向として回転可能に構成 れている。すなわち、固定部材6は、固定面 6aに直交する方向を回転軸の方向とする回転 構(図示省略)に取り付けられている。

 本形態では、移動機構の上に傾動機構が り付けられ、傾動機構の上に回転機構が取 付けられ、回転機構の上に固定部材6が取り 付けられている。そのため、ビーム加工装置 1では、固定面6aに固定されたワーク2に対し 、3次元の自由曲面の加工を行うことが可能 ある。なお、傾動機構の上に移動機構が取 付けられ、移動機構の上に固定部材6が取り 付けられた回転機構が取り付けられる等、移 動機構、傾動機構および回転機構の配置は任 意に変えても良い。

 (局所真空チャンバーの構成)
 図2は、図1に示す局所真空チャンバー9を上 側から示す斜視図である。図3は、図1に示 局所真空チャンバー9の平面図である。図4は 、図3のE-E断面を示す断面図である。図5は、 4に示す中空部材23の変形状態を説明するた の模式図である。

 局所真空チャンバー9は、図2~図5に示すよ うに、第1空間17を通過した後のFIBがワーク2 向かって通過するビーム通過部材25と、中空 状に形成され、ビーム通過部材25が内部に配 される中空部材23と、略円板状に形成され ビーム通過部材25の上端が固定される固定板 28と、中空の管状に形成され、中空部材23の 端が固定される固定パイプ29とを備えている 。

 ビーム通過部材25は、直線状にかつ円管 に形成された金属製のパイプである。この ーム通過部材25は、図4に示すように、上下 向を軸方向として、局所真空チャンバー9の 部に配置されている。また、ビーム通過部 25の下端部は、ワーク2に向けてFIBを出射す 出射部25aとなっている。

 本形態の中空部材23は、互いに接続され 第1の中空部材26と第2の中空部材27とを備え いる。第1の中空部材26と第2の中空部材27と 上からこの順番で配置されている。また、 2の中空部材27の下端には、固定部材6が回転 たときの中空部材23のねじれを防止するた の回転機構部22が取り付けられている。本形 態では、図4に示すように、第1の中空部材26 上下方向の長さは、第2の中空部材27の上下 向の長さよりも長くなっている。また、第2 中空部材27の外径は、第1の中空部材26の外 よりも大きくなっている。

 第1の中空部材26は、図4に示すように、複 数のリング状の金属板を重ねて配置し、それ らを溶接することで形成される溶接ベローズ 30と、溶接ベローズ30の上端に固定された鍔 材31と、溶接ベローズ30の下端に固定された 部材32とから構成されている。鍔部材31、32 、径方向の中心部に上下方向に貫通する貫 孔が形成された金属製の円板状部材である 鍔部材31の上面は、固定パイプ29に固定され ている。また、鍔部材32の下面には、第2の中 空部材27が固定されている。

 ビーム通過部材25の大半部分は、第1の中 部材26の内部に配置されている。また、ビ ム通過部材25の外周面と第1の中空部材26の内 周面との間には、第2空間24が形成されている 。

 第2の中空部材27は、内周側にビーム通過 材25の下端側が配置される圧縮コイルバネ33 と、圧縮コイルバネ33の上端が取り付けられ 取付リング34と、圧縮コイルバネ33の下端が 取り付けられる取付リング35と、圧縮コイル ネ33の外周面を覆うゴム製のカバー36とから 構成されている。図4に示すように、第2の中 部材27の内部は、第2空間24に連通している

 取付リング34は、金属製のリング状部材 あり、外周側に圧縮コイルバネ33の上端が取 り付けられている。取付リング35も、金属製 リング状部材であり、外周側に圧縮コイル ネ33の下端が取り付けられている。また、 付リング35の下面側は、上面側よりも径の大 きな拡径部35aとなっており、この拡径部35aの 下面には、回転機構部22が取り付けられてい 。なお、取付リング35の内径は、取付リン 34の内径よりも大きくなっている。

 カバー36は、上述のように、圧縮コイル ネ33の外周面を覆うとともに、取付リング34 上面も覆っている。また、カバー36の下端 、取付リング35の外周面から径方向へ窪むよ うに形成された凹部に取り付けられている。 また、取付リング34、35に取り付けられた圧 コイルバネ33は、若干圧縮された状態で、カ バー36の内部に配置されている。そのため、 2の中空部材27に外力がかかっていないとき は、圧縮コイルバネ33の付勢力と、カバー36 の弾性変形に起因する弾性力とが釣り合った 状態となって、第2の中空部材27が所定の形状 を維持している。なお、図4に示すように、 バー36が取付リング34と鍔部材32とにはさま て、それらに当接した状態で、取付リング34 が鍔部材32の下面に固定されている。

 回転機構部22は、取付リング35の下面に固 定される円板状の保持板15と、保持板15に対 て相対回転可能となるように保持板15に保持 される円板状の回転板16と、回転板16の下面 固定されたリング状のシール部材18と、保持 板15と回転板16との間に配置されたリング状 2本のシール部材19とを備えている。本形態 は、回転板16は、後述のように、固定面6aに 向配置され固定部材6とともに回転可能な回 転部材であり、保持板15は、回転板16を相対 転可能に保持する保持部材である。

 保持板15には、径方向の中心部に上下方 に貫通する貫通孔が形成されている。この 通孔の径はたとえば、取付リング35の内径と 同じ大きさとなっている。また、保持板15の 面は、拡径部35aの下面に固定されている。 転板16にも、径方向の中心部に上下方向に 通する貫通孔が形成されている。この貫通 の径もたとえば、取付リング35の内径と同じ 大きさとなっている。また、回転板16の上面 、保持板15の下面に当接し、回転板16の下面 は、固定面6aに対向配置されている。本形態 は、回転板16の下面と固定面6aとの間にはわ ずかな隙間が形成されている。

 上述のように、回転板16は、保持板15に対 して相対回転可能となっている。具体的には 、保持板15の下面に対して、回転板16の上面 摺動することで、回転板16が、保持板15に対 て相対回転する。

 シール部材18は、たとえば、ゴム製のOリ グである。このシール部材18は、図4に示す うに、回転板16の下面よりも下側に突出し おり、ワーク2の加工時に、後述のように、 定面6aに当接する。シール部材18は、固定面 6aに当接することで、回転板16の内径側への 部からの空気の流入を防止する機能を果た ている。また、シール部材19は、保持板15と 転板16との間において、保持板15および回転 板16の内径側への外部からの空気の流入を防 する機能を果たしている。

 上述のように、取付リング35はリング状 部材であり、また、保持板15および回転板16 は、径方向の中心部に上下方向に貫通する 通孔が形成されている。そのため、図4に示 すように、中空部材23の下端側には、開口部3 7が形成されることとなる。また、ワーク2の 工を行う際には、中空部材23の下端(具体的 は、回転板16の下面に固定されたシール部 18)は、固定部材6の固定面6aに当接する。そ ため、ワーク2の加工時には、ワーク2が第2 中空部材27の内部および回転機構部22の内部 配置される。なお、図4に示すように、出射 部25aは、第2の中空部材27の下端よりも上方に 配置されており、ワーク2の加工時には、出 部25aとワーク2との間には所定の隙間が形成 れる。

 また、中空部材23の下端が固定面6aに当接 した状態(すなわち、シール部材18が固定面6a 当接した状態)で、固定部材6が回転すると 保持板15の下面に対して、回転板16の上面が 動して、回転板16は、固定部材6とともに回 する。そのため、固定部材6が回転する場合 であっても、中空部材23のねじれを防止する とができる。

 固定板28は、金属製の円板状部材である この固定板28の径方向の中心部には、図2等 示すように、上下方向に貫通する貫通孔28a 形成されている。貫通孔28aは、第2空間24に 通している。また、貫通孔28aには、ビーム 過部材25の上端側を固定するための固定リブ 28bが形成されている。

 固定パイプ29は、底付きかつ鍔付きの略 筒状に形成されており、底部29aを上側、鍔 29bを下側にした状態で配置されている。す わち、底部29aの上面が固定板28の下面に当接 した状態で固定板28の下面に固定され、底部2 9aの下面には、鍔部材31の上面が当接した状 で固定されている。また、底部29aの径方向 中心部には、ビーム通過部材25の上端側およ び固定リブ28bの一部が配置される貫通孔が上 下方向に貫通するように形成されている。ま た、図に示すように、鍔部29bの上面は、第2 空チャンバー8の下端に当接した状態で、第2 真空チャンバー8の下端に固定されている。

 なお、固定パイプ29は、後述のように変 可能な中空部材23の過変形を防止する機能も 果たしている。すなわち、中空部材23が必要 上に変形しないように、中空部材23の外周 が固定パイプ29の内周面に当接する。

 鍔部材31と底部29aとの間、および、底部29 aと固定板28との間には、シール部材38が配置 れている。このシール部材38は、後述のよ に、真空状態となる第2空間24への外部から 空気の流入を防止する機能を果たしている

 上述のように、第1の中空部材26は、溶接 ローズ30と鍔部材31、32とを有する構成とさ ているため、所定範囲内で3次元のあらゆる 方向に変形可能となっている。また、第2の 空部材27は、圧縮コイルバネ33と取付リング3 4、35とゴム製のカバー36とを有する構成とさ ているため、所定範囲内で3次元のあらゆる 方向に変形可能となっている。

 具体的には、本形態では、図5に示すよう に、3次元方向に移動可能でかつ傾動可能な 定部材6の動きに追従可能となるように、第1 の中空部材26の上端を支点として、中空部材2 3が変形可能となっている。すなわち、図5(B) 示すように、固定面6aとXY平面とが平行にな った状態で、固定部材6が移動する場合であ ても、また、図5(C)に示すように、固定面6a XY平面に対して傾くように、固定部材6が傾 する場合であっても、第2の中空部材27の内 および回転機構部22の内部にワーク2を配置 た状態で、固定部材6の動きに追従可能とな ように、第1の中空部材26の上端を支点とし 、中空部材23が変形可能となっている。な 、図5では、回転機構部22の図示を省略して る。

 図1および図4に示すように、局所真空チ ンバー9が第2真空チャンバー8の内部に配置 れた状態では、第1空間17とビーム通過部材25 の内部とが連通している。また、この状態で は、貫通孔28aを介して、第1空間17と第2空間24 とが連通している。そのため、第1ポンプ10、 第2ポンプ11が起動すると、第1空間17とビーム 通過部材25の内部とが真空状態となる。また 第1ポンプ10、第2ポンプ11が起動すると、第2 空間24も真空状態となる。すなわち、第1の中 空部材26の内部である第2空間24が真空状態に るとともに、第2空間24に連通する第2の中空 部材27の内部および回転機構部22の内部も真 状態となる。

 (ワークの加工手順)
 以上のように構成されたビーム加工装置1に よるワーク2の加工手順の概略を以下に説明 る。

 まず、ワーク2を固定部材6の固定面6aに固 定する。その後、固定部材6を移動させてワ ク2の位置合せを行う。その後、中空部材23 下端(具体的には、シール部材18)を固定面6a 当接させて、ワーク2を第2の中空部材27の内 および回転機構部22の内部に配置する。

 ワーク2の加工時には、ワーク2へ向かうFI Bの拡散を防止するため、FIBの経路、第2の中 部材27の内部および回転機構部22の内部を真 空状態とする必要がある。そのため、その後 、図示を省略する真空ポンプを起動させて第 1真空チャンバー4の内部を真空状態とする。 た、第1ポンプ10、第2ポンプ11を起動させて 第1空間17、ビーム通過部材25の内部、第2空 24、第2の中空部材27の内部および回転機構 22の内部等を真空状態とする。第2の中空部 27の内部および回転機構部22の内部が真空状 となると、固定面6aに当接する中空部材23の 下端は、固定面6aを吸着する。

 ここで、本形態では、第2ポンプ11、第1ポ ンプ10をこの順番で起動させて、FIBの拡散を 止するために必要な真空度まで、FIBの経路 第2の中空部材27の内部および回転機構部22 内部等を減圧する。

 その後、ビーム出射源3から出射され、第 1真空チャンバー4の内部、第1空間17およびビ ム通過部材25を通過したFIBを、出射部25aか ワーク2に向かって照射する。すなわち、出 部25aから照射されるFIBをワーク2の加工部位 に集束させて、ワーク2を加工する。

 また、必要に応じて、固定部材6を移動さ せてワーク2を加工する。たとえば、図5(B)に すように、固定面6aとXY平面とを平行に保っ たまま、固定部材6を移動させてワーク2を加 する。また、たとえば、図5(C)に示すように 、固定面6aがXY平面に対して傾くように、固 部材6を傾動させてワーク2を加工する。また 、固定部材6を回転させてワーク2を加工する

 上述のように、固定部材6の動きに追従可 能となるように、中空部材23が変形可能とな ている。また、中空部材23の下端が固定面6a に当接した状態で、第2の中空部材27の内部お よび回転機構部22の内部が真空状態となって り、中空部材23の下端は固定部材6を吸着し いる。そのため、固定部材6を動かす場合で あっても、中空部材23の下端側が固定部材6の 動きに追従するように、中空部材23が変形す 。なお、固定部材23が回転する場合であっ も、上述のように、回転機構部22の作用によ って、中空部材23のねじれが防止される。

 (本形態の主な効果)
 以上説明したように、本形態のビーム加工 置1では、ワーク2の加工時に、開口部37が形 成された中空部材23の下端が固定面6aに当接 ているため、固定面6aに固定されたワーク2 第2の中空部材27の内部および回転機構部22の 内部に配置することができる。また、第2の 空部材27の内部および回転機構部22の内部が 空状態とされるため、ワーク2の周囲を局所 的に真空状態とすることができる。したがっ て、従来のような大きな真空チャンバーが不 要になる。その結果、本形態では、ビーム加 工装置1の小型化が可能になり、装置の製造 ストを低減することが可能になる。また、 ーク2の周囲のみを局所的に真空状態とする とができるため、ビーム加工装置1のランニ ングコストを低減することが可能になる。

 また、本形態では、ワーク2の加工時に、 中空部材23の下端が固定面6aを吸着するとと に、中空部材23は、移動する固定部材6の動 に中空部材23の下端側が追従するように変形 する。すなわち、第2の中空部材27の内部およ び回転機構部22の内部を真空状態に保ったま で、中空部材23の下端側が移動する固定部 6の動きに追従して変形する。そのため、本 態では、ワーク2の加工形状に応じて、固定 部材6を動かす場合であっても、ワーク2の周 を真空状態に保つことができる。その結果 FIBの拡散を防止して、ワーク2を適切に加工 することができる。

 さらに、本形態では、中空部材23は、第1 中空部材26と第2の中空部材27とを備えてい 。そのため、中空部材23の変形の自由度を高 めることができる。たとえば、本形態では、 第1の中空部材26の上下方向の長さは、第2の 空部材27の上下方向の長さよりも長くなって いるため、左右方向および前後方向での第1 中空部材26の変形量が大きくなっており、第 2の中空部材27の外径は、第1の中空部材26の外 径よりも大きく、かつ、第2の中空部材27は、 圧縮コイルバネ33とゴム製のカバー36と等か 構成されているため、XY平面に対する第2の 空部材27の下端の傾斜可能量が大きくなって いる。したがって、中空部材23の変形の自由 を高めることができ、広範囲にわたって、 空部材23の下端側を固定部材6の動きに追従 て変形させることができる。その結果、ワ ク2を広範囲で加工することが可能になる。

 本形態では、図5(C)に示すように、傾動す る固定部材6の固定面6aの傾きに追従するよう に、中空部材23が変形可能となっている。そ ため、様々な角度からワーク2にFIBを照射す ることができ、ワーク2に対して複雑な加工 行うことができる。また、本形態では、固 部材6が固定面6aに直交する方向を回転軸の 向として回転可能に構成され、かつ、中空 材23は、その下端に回転機構部22を備えてい 。そのため、中空部材23にねじれを生じさ ることなく、ワーク2を回転させながら加工 ることができ、ワーク2に対して複雑な加工 を行うことができる。

 特に、本形態のビーム加工装置1では、ワ ーク2を回転させながら、かつ、様々な角度 らワーク2にFIBを照射することができるため ワーク2に曲面加工や球面加工等の複雑な3 元加工を行うことができる。

 本形態では、第1の中空部材26に、溶接ベ ーズ30を用いている。そのため、第1の中空 材26の内部(すなわち、第2空間24)の真空度を 高くすることができる。その結果、本形態で は、適切な加工を行うために高い真空度が必 要となるFIBを使用することができる。

 また、本形態では、第2の中空部材27は、 縮コイルバネ33とゴム製のカバー36と等から 構成されている。そのため、圧縮コイルバネ 33によって、第2の中空部材27の径方向への潰 を防止することができ、第2の中空部材27の 部の真空度を高くすることができる。その 果、本形態では、適切な加工を行うために い真空度が必要となるFIBを使用することが きる。また、第2の中空部材27が、圧縮コイ バネ33とゴム製のカバー36と等から構成され ているため、第1の中空部材26と比較して、第 2の中空部材27の変形量を大きくすることがで きる。その結果、広範囲にわたって、中空部 材23の下端側を固定部材6の動きに追従させて 変形させることができ、ワーク2を広範囲で 工することが可能になる。

 (他の実施の形態)
 上述した形態では、中空部材23は、溶接ベ ーズ30を利用した第1の中空部材26と、圧縮コ イルバネ33とゴム製のカバー36とを利用した 2の中空部材27とが接続されて、構成されて る。この他にもたとえば、溶接ベローズを 用した2個の中空部材が互いに接続されて、 空部材23に相当する中空部材が構成されて 良い。また、圧縮コイルバネとゴム製のカ ーとを利用した2個の中空部材が互いに接続 れて、中空部材23に相当する中空部材が構 されても良い。

 上述した形態では、中空部材23は、互い 接続された2個の第1の中空部材26と第2の中空 部材27とによって構成されている。この他に たとえば、3個以上の中空部材が互いに接続 されて、中空部材23に相当する中空部材が構 されても良い。たとえば、図6に示すように 、第1の中空部材26、第2の中空部材27に加え、 さらに別の第3の中空部材45が接続されて、大 きな中空部材43が構成されても良い。この場 には、第3の中空部材45は、第2の中空部材27 同様に圧縮コイルバネとゴム製のカバーと 利用したものであっても良いし、第1の中空 部材26と同様に溶接ベローズを利用したもの あっても良い。また、溶接ベローズを利用 た3個の中空部材が互いに接続されて、中空 部材43が構成されても良いし、圧縮コイルバ とゴム製のカバーとを利用した3個の中空部 材が互いに接続されて、中空部材43が構成さ ても良い。なお、この場合であっても、中 部材43の下端には、回転機構部22が取り付け られている。

 また、中空部材は、溶接ベローズを利用 たもの、あるいは、圧縮コイルバネとゴム のカバーとを利用したには限定されない。 とえば、中空部材は、成型ベローズを利用 たものであっても良い。また、中空部材の 部の真空度が低いのであれば、補強ワイヤ 入りの樹脂製パイプを利用したものであっ も良い。すなわち、中空部材の内部が真空 態になっても潰れてしまうことがなく、か 、固定部材6の動きに追従可能となるように 変形する管状部材であれば、中空部材として 、本発明のビーム加工装置に用いることがで きる。

 上述した形態では、第2真空チャンバー8 局所真空チャンバー9とが別体で形成され、 2真空チャンバー8の内部に局所チャンバー9 配置されている。この他にもたとえば、第2 真空チャンバー8の配置を省略して、局所真 チャンバー9を直接、第1真空チャンバー4に 定しても良い。この場合には、ビーム通過 材25の内部、第2空間24、第2の中空部材27の内 部および回転機構部22の内部を真空状態とす ことができるポンプを局所真空チャンバー9 に接続すれば良い。

 上述した形態では、ビーム加工装置1は、 ワーク2の加工を行うためのビームとしてFIB 用いているが、ビームは電子ビームであっ も良い。また、ビームはレーザビームであ ても良い。これらの場合であっても、上述 た効果と同様の効果を得ることができる。 た、上述した形態では、第1真空チャンバー4 内に配置された所定のイオン光学系等によっ てFIBが生成されているが、ビーム出射源3か 出射されるイオンビームがそのままワーク2 向けて出射されても良い。

 上述した形態では、本発明の実施の形態 して、ビーム加工装置1の構成を説明してい るが、ビーム加工装置1と同様の構成を、観 対象物の観察を行うビーム観察装置に適用 ることができる。すなわち、ビーム出射源3 ら出射されるFIBを用いて、固定部材6に固定 される観察対象物の観察を行っても良い。

 このように、ビーム加工装置1と同様の構 成が適用されるビーム観察装置では、ビーム 加工装置1と同様の効果を得ることができる すなわち、このビーム観察装置では、観察 象物を第2の中空部材27の内部および回転機 部22の内部に配置して、観察対象物の周囲を 局所的に真空状態とすることができため、従 来のような大きな真空チャンバーが不要にな り、装置の小型化および装置の製造コスト、 ランニングコストの低減が可能になる。また 、固定面6aに当接する中空部材23の下端が固 面6aを吸着した状態で、中空部材23の下端側 移動する固定部材6の動きに追従して変形す る。すなわち、第2の中空部材27の内部および 回転機構部22の内部を真空状態に保ったまま 、中空部材23の下端側が移動する固定部材6 動きに追従して変形する。その結果、FIBの 乱を防止して、観察対象物を適切に観察す ことが可能になる。さらに、中空部材23が 第1の中空部材26と第2の中空部材27とから構 されているため、中空部材23の変形の自由度 を高めることができ、広範囲にわたって、中 空部材23の下端側を固定部材6の動きに追従し て変形させることができる。その結果、観察 対象物を広範囲で観察することが可能になる 。

 また、傾動する固定部材6の固定面6aの傾 に追従するように、中空部材23が変形可能 あるため、FIBを用いて、観察対象物の形状 様々な角度から観察することが可能になる

 なお、中空部材23の下端には、必ずしも 転機構部22が取り付けられていなくても良い 。




 
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