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Title:
METHOD OF CONTROLLING SLIDING NOZZLE DEVICE AND PLATE USED THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119824
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method of controlling a sliding nozzle device, which enables to extend the life of a plate (13) and to reduce the degree of the wear and the stroke length of the plate (13) by automatically optimizing the sliding state of the sliding nozzle device (10) even when the operating conditions are changed; and the plate (13) used therefor. When the integrated average sliding rate of the plate (13) comes out of a control width in controlling the sliding nozzle device (10), the sliding rate of the plate (13) is changed within a preset range, whereby the sliding state of the sliding nozzle device (10) can be automatically optimized even when the operating conditions are changed. Furthermore, the degree of the wear of the plate (13) can be reduced and the life thereof can be remarkably increased by setting the average sliding rate to 3 to 20%.

Inventors:
SADANO SHUNJI (JP)
YANO JUNYA (JP)
TOFUKU HIROYUKI (JP)
HARADA KENICHI (JP)
OTSUKA AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056341
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KROSAKI HARIMA CORP (JP)
SADANO SHUNJI (JP)
YANO JUNYA (JP)
TOFUKU HIROYUKI (JP)
HARADA KENICHI (JP)
OTSUKA AKIRA (JP)
International Classes:
B22D11/10; B22D11/18; B22D41/28
Foreign References:
JPS62158557A1987-07-14
JPS62158556A1987-07-14
JPS62158556A1987-07-14
JPS62158557A1987-07-14
JP2003164951A2003-06-10
JPH11138243A1999-05-25
Attorney, Agent or Firm:
NAKAMAE, Fujio et al. (JP)
Fujio Nakamae (JP)
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Claims:
 連続鋳造において取鍋からタンディッシュへ排出される溶鋼流量を制御するために、前記タンディッシュ内の溶鋼重量を測定し、該測定値と基準設定値との偏差を算出し、該偏差及び/又は前記タンディッシュ内の溶鋼重量の変化率からプレートの摺動距離を制御する制御信号を所定の周期で出力するスライディングノズル装置の制御方法において、
 前記プレートの平均積算摺動率(%/分)を算出し、該プレートの平均積算摺動率(%/分)が予め設定した管理幅を外れた場合には、前記プレートの摺動率を予め設定した設定範囲で変更することを特徴とするスライディングノズル装置の制御方法。
 請求項1記載のスライディングノズル装置の制御方法において、前記プレートの平均積算摺動率に関する前記管理幅が0.5(%/分)以上18(%/分)以下であるスライディングノズル装置の制御方法。
 請求項1記載のスライディングノズル装置の制御方法において、前記プレートの摺動率に関する前記設定範囲が3%以上20%以下であるスライディングノズル装置の制御方法。
 取鍋で使用されるスライディングノズル装置の制御方法であって、
前記スライディングノズル装置を構成するプレートの平均摺動率を3%以上20%以下とすることを特徴とするスライディングノズル装置の制御方法。
 請求項4記載のスライディングノズル装置の制御方法において、前記プレートの摺動回数が60分当たり10回以上60回以下であるスライディングノズル装置の制御方法。
 請求項1及び4のいずれか1項に記載のスライディングノズル装置の制御方法において、前記プレートのストローク長が該プレートに形成されたノズル孔径の1.5倍以上2倍未満であるスライディングノズル装置の制御方法。
 請求項1及び4のいずれか1項に記載のスライディングノズル装置の制御方法において使用されるプレートであって、
 ストローク長がノズル孔径の1.5倍以上2倍未満であるプレート。
Description:
スライディングノズル装置の制 方法及びそれに使用されるプレート

 本発明は、連続鋳造設備において使用さ る取鍋の底部に設置されたスライディング ズル装置の制御方法及びそれに使用される レートに関する。

 取鍋からタンディッシュへ注入される溶 流量は、スライディングノズル装置により 御されている。スライディングノズル装置 は、ノズル孔を有する複数の耐火物製のス イディングノズル用プレート(以下、「スラ イディングノズル用プレート」を単に「プレ ート」と呼ぶこともある。)が使用されてい 。そしてこの複数のプレートを高圧で挟ん 状態で少なくとも1つのプレートを摺動させ ノズル孔開度を調整することで溶鋼流量が 御される。

 スライディングノズル装置の制御方法と ては、タンディッシュ内の溶鋼重量を測定 、測定値と基準設定値との間の偏差や溶鋼 量の変化率に応じてノズル孔の開閉度を調 する方法等が知られている。ノズル孔の開 度を調整するためには、例えば予めプレー の摺動距離(制御定数)を大と小など2種類設 しておき、偏差の大きさに応じて、これら2 種類の出力信号を制御装置からパルス信号で 発信するようになっている。また、パルス信 号を出力する周期も、例えば5秒など予め設 された値(制御定数)で制御されている。

 上記制御方法によりノズル孔の開閉度を 御した場合、操業条件にかかわらず溶鋼レ ルを一定に保とうとするため、プレートの 動が頻繁に行われることがある。その結果 プレートの損耗が進み、プレートの使用回 が大幅に制限されるという問題があった。

 そこで、特許文献1や特許文献2では、タン ィッシュ内溶鋼重量の測定値と基準設定値 の間の偏差が存在する場合でも、測定値の 化の方向が基準設定値に近づく方向である 合には、プレートの位置を保持させるよう したスライディングノズル装置の制御方法 開示されている。そして、この制御方法に れば、プレートの寿命が長くなり、しかも ンディッシュ内溶鋼重量の安定性が向上し 外乱による重量あるいは湯面高の変動をよ 小さく制御できるようになるとされている
 また、特許文献3では、レードル(取鍋)内溶 ヘッドとノズル孔の開度とレードル注出流 との関係に基いてノズル孔の開度を調整す スライディングノズル装置の制御方法が開 されている。

一方、近年、作業者のハンドリング負荷の軽 減やコストダウンの要請からプレートの小型 化に対するニーズが高まっている。例えば特 許文献4には、プレートのノズル孔の縁から レートの端までの距離を規定することで溶 漏れを起こさない範囲で経済的なプレート 状とすることが記載されている。

日本国特開昭62-158556号公報

日本国特開昭62-158557号公報

日本国特開2003-164951号公報

日本国特開平11-138243号公報

 鋳込み作業において鋼種が変更になった 合、溶鋼成分が変わるため、ノズル孔が詰 り易くなったり、逆にノズル孔の溶損が進 したりして、プレートから吐出される溶鋼 が変化することがある。また、ノズル孔径 変更になった場合も、プレートから吐出さ る溶鋼量が変化する。具体的には、ノズル に介在物が付着し断面積が小さくなった場 には、最初に設定した摺動距離では溶鋼流 変化が小さいため、ノズル孔の面積を大き する方向に連続して2度、3度と移動する場 がある。その結果、摺動回数が多くなりす ることになる。一方、ノズル孔径が大きく った場合には、一度の摺動でノズル孔が開 すぎるので短時間で反対方向に摺動しなけ ばならず、やはり摺動回数が増えてしまう

しかしながら、特許文献1や特許文献2に記 された制御方法では、制御定数を固定して るため、鋼種変更やノズル孔径の変更など よる溶鋼流量の変化に適応できず、タンデ ッシュ内溶鋼重量の制御がうまくできない とがある。そのため、プレートの摺動頻度 増え損耗が大きくなり、プレートの寿命が 下する問題が生じる。この場合、手間を掛 てスライディングノズル装置の制御システ を再チューニングすることになる。

また、スライディングノズル装置の駆動機 構が、スライド金枠と油圧シリンダをアーム を介して連結するリンク駆動方式から、スラ イド金枠と油圧シリンダを直結する直動方式 に変更になった場合、連結部のガタ量が減少 するため、プレートが以前に比べて動き過ぎ となり、プレートの摺動頻度が増え損耗が大 きくなり寿命が短くなる。

一方、特許文献3に記載された制御方法で 、プレートの摺動距離が大きい場合、プレ トの損傷が大きくなり、ノズル孔の開閉頻 が増加することがある。その結果、プレー の使用回数が大幅に制限されるという問題 あった。

 一般に、プレートの損耗は、絞り注入時に ズル孔のエッジ部が溶損するエッジ溶損Q( 10(a)参照)と、プレートの摺動動作によって プレートの摺動面が損傷するストローク損 R(図10(b)参照)に大別され、プレートの摺動回 数あるいは摺動距離が増大するほど、これら 二種類の溶損が大きくなる。
これらのプレートの損耗が大きくなると、溶 鋼漏れが発生するおそれがあるため、特許文 献4で開示されているように、プレートのス ローク長はノズル孔径の2倍以上を確保しな ればならなかった。このため、従来はプレ トの全長を小さくすることには限界があっ 。

 本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ もので、操業条件が変更になっても、スラ ディングノズル装置の摺動状態を自動的に 適化し、プレートの寿命を延ばすことが可 なスライディングノズル装置の制御方法及 それに使用されるプレートを提供すること 目的とする。
 また、プレートの損耗度を低減し、プレー のストローク長を短くすることが可能なス イディングノズル装置の制御方法及びそれ 使用されるプレートを提供することを目的 する。

 第一の発明は、連続鋳造において取鍋から ンディッシュへ排出される溶鋼流量を制御 るために、前記タンディッシュ内の溶鋼重 を測定し、該測定値と基準設定値との偏差 算出し、該偏差及び/又は前記タンディッシ ュ内の溶鋼重量の変化率からプレートの摺動 距離を制御する制御信号を所定の周期で出力 するスライディングノズル装置の制御方法に おいて、前記プレートの平均積算摺動率(%/分 )を算出し、該プレートの平均積算摺動率(%/ )が予め設定した管理幅を外れた場合には、 記プレートの摺動率を予め設定した設定範 で変更することを特徴としている。
 ここで、摺動率(%)とは、流量制御を行うた の1回のプレートの摺動距離をそのプレート の使用前のノズル孔径で除した値である。ス ライディングノズル装置による溶鋼流量の制 御では、ノズル孔径によって単位時間当たり の溶鋼流量が異なるため、プレートの摺動距 離もノズル孔径によって異なるためである。 また、プレートの平均積算摺動率とは、摺動 率と摺動回数との積であるプレートの積算摺 動率に関する所定時間当たりの平均値をいう 。

 本発明者等は、スライディングノズル装 の制御において、摺動率と摺動回数との積 あるプレートの積算摺動率がプレートの寿 に大きな影響を与え、この積算摺動率を最 な範囲で管理することで、操業条件が変更 なっても、スライディングノズル装置の摺 状態を自動的に最適化することが可能であ ことを見いだした。第一の発明は上記知見 基づくものである。

 また、第一の発明に係るスライディングノ ル装置の制御方法では、前記プレートの平 積算摺動率に関する前記管理幅が0.5(%/分)以 上18(%/分)以下であることを好適とする。
 平均積算摺動率が0.5(%/分)未満の場合には、 タンディッシュ内の溶鋼重量の管理精度が低 下し、平均積算摺動率が18(%/分)を超える場合 にはプレートの寿命が低下する。

 また、第一の発明に係るスライディングノ ル装置の制御方法では、前記プレートの摺 率に関する前記設定範囲が3%以上20%以下で ることを好適とする。
プレートの摺動率が3%未満ではタンディッシ 内の溶鋼重量の管理精度が低下し、プレー の摺動率が20%を超える場合にはプレートの 命が低下する。

 第二の発明は、取鍋で使用されるスライデ ングノズル装置の制御方法であって、前記 ライディングノズル装置を構成するプレー の平均摺動率を3%以上20%以下とすることを 徴としている。
 ここで、平均摺動率(%)とは、摺動率の60分 の平均値である。具体的には以下の式で示 れる。平均摺動率(%)=[(プレートの60分間の合 計摺動距離/60分間の摺動回数)/使用前のプレ トのノズル孔径×100]。

 前述したように、スライディングノズル 置による溶鋼流量の制御では、ノズル孔径 よって単位時間当たりの溶鋼流量が異なる め、プレートの摺動距離もノズル孔径によ て異なる。このため、摺動率の60分間の平 値を制御パラメータとして採用し、その値 規定している。

 平均摺動率は、3%以上20%以下、より好ま くは5%以上15%以下とする。平均摺動率が20%を 超えると、ストローク損傷が大きくなり、プ レートの寿命が低下する。さらに、摺動回数 も多くなるため、ストローク損傷が大きくな りプレートの寿命が低下する。平均摺動率が 3%未満の場合には、タンディッシュの重量変 幅が大きくなり、流量制御性が不十分とな 。

 第二の発明では、平均摺動率を3%以上20% 下として、プレートの摺動距離を必要最小 に抑えることで、プレートの損耗度を低減 せることができる。また平均摺動率を小さ することで、摺動回数も少なくすることが きるので、よりプレートの損耗度が低減す 。

 また、第二の発明に係るスライディングノ ル装置の制御方法では、前記プレートの摺 回数を60分当たり10回以上60回以下とするこ を好適とする。
 第二の発明では、プレートの摺動回数を60 当たり10回以上60回以下、より好ましくは10 以上30回以下とし、プレートの摺動量を必要 最小限に抑えることで、プレートの損耗度の 低減を図るものである。プレートの摺動回数 が60分当たり60回を超えた場合には、プレー の損耗度が大きくなり、プレートの寿命が くなる。一方、プレートの摺動回数が60分当 たり10回未満の場合には、タンディッシュの 量変動幅が大きくなり、流量制御性が不十 となる。

 また、第一及び第二の発明に係るスライデ ングノズル装置の制御方法では、前記プレ トのストローク長が該プレートに形成され ノズル孔径の1.5倍以上2倍未満であることを 好適とする。
 プレートのストローク長がノズル孔径の1.5 未満の場合には、プレートの損耗代が不十 となり、寿命が短くなる。一方、2倍以上に なると、寿命の差はほとんど無くなるが、プ レートの全長が長くなってしまう。

 ここで、プレートのストローク長とは、 該プレートが使用されるスライディングノ ル装置において、当該プレートのノズル孔 心と当該プレートと接する相手プレートの ズル孔中心との間の距離が最大となる位置 おける、当該プレートのノズル孔中心と、 手プレートのノズル孔中心を当該プレート に仮想した仮想点との間の距離をいう。図2 は、プレートが使用されるスライディングノ ズル装置において、ノズル孔間の距離が最大 の位置を示しており、上プレートのストロー ク長は、上プレートのノズル孔中心Aと、下 レートのノズル孔中心に対応する上プレー の仮想点Bとの間の距離Sとなる。

 また、第一及び第二の発明に係るスライ ィングノズル装置の制御方法において使用 れるプレートは、ストローク長がノズル孔 の1.5倍以上2倍未満であることを好適とする 。

 本発明に係るスライディングノズル装置 制御方法では、プレートの平均積算摺動率 管理幅を外れた場合には、プレートの摺動 を予め設定した設定範囲で変更することに り、操業条件が変更になっても、スライデ ングノズル装置の摺動状態を自動的に最適 することが可能である。その結果、プレー の損傷度が低減し、プレートの耐用性を向 させることができる。さらにプレートを小 化することができる。

 また、本発明に係るスライディングノズ 装置の制御方法では、平均摺動率を3%以上20 %以下とすることにより、プレートの損耗度 低減され、寿命が大幅に向上する。さらに 本発明に係るスライディングノズル装置の 御方法及びプレートにおいて、プレートの トローク長をノズル孔径の1.5倍以上2倍未満 することで、プレートのサイズを小さくす ことが可能となる。

本発明の第一及び第二の実施例に係る 御方法を適用するスライディングノズル装 の構成を示した模式図である。 同スライディングノズル装置のプレー の側断面図である。 本発明の第一の実施例に係るスライデ ングノズル装置の制御方法を説明するため 制御フローチャートである。 タンディッシュ内溶鋼重量と基準設定 との偏差の時刻歴変化を示した説明図であ 。 プレートの寿命とプレートの平均積算 動率との関係を示したグラフである。 プレートの寿命とプレートの平均摺動 との関係を示したグラフである。 プレートの寿命とストローク長/ノズル 孔径との関係を示したグラフである。 プレートの寿命と平均摺動率との関係 示したグラフである。 プレートの寿命とストローク長/ノズル 孔径との関係を示したグラフである。 (a)は、プレートのエッジ溶損を示した 該プレートの側断面図であり、(b)は、プレー トのストローク損傷を示した該プレートの側 断面図である。

符号の説明

10:スライディングノズル装置、11:取鍋、12: タンディッシュ、13:プレート(スライディン ノズル用プレート)、13u:上プレート、13d:下 レート、14u、14d:ノズル孔、15:上ノズル、16: ノズル、17:スライド金枠、18:固定金枠、19: 閉金枠、20:油圧シリンダ、20a:ロッド、21:油 圧ユニット、22:制御装置、23:ロードセル

 続いて、添付した図面を参照しつつ、本 明を具体化した実施例につき説明し、本発 の理解に供する。以下では、スライディン ノズル用プレートが上プレート(固定プレー ト)と下プレート(摺動プレート)の2枚からな 場合について説明するが、上プレート(上部 定プレート)、中プレート(摺動プレート)、 プレート(下部固定プレート)の3枚からなる 合も基本的に同様である。

[スライディングノズル装置の構成]
 図1に、本発明の第一及び第二の実施例に係 る制御方法を適用するスライディングノズル 装置10の構成を示す。
スライディングノズル装置10は、プレート13( ライディングノズル用プレート)と、プレー ト13を摺動させる摺動手段とから構成される

プレート13は、上プレート13uと下プレート1 3dとからなり、それぞれノズル孔14u、14dが形 されている。上プレート13uは、固定金枠18 介して取鍋11の底面に固定され、ノズル孔14u には上ノズル15が接続されている。一方、下 レート13dは、固定金枠18に対して開閉可能 設けられた開閉金枠19の内側に配置されたス ライド金枠17上に固定され、上プレート13uの 面に沿って摺動する。また、下プレート13d ノズル孔14dには下ノズル16が接続されてい 。

 固定金枠18は、スライド金枠17の摺動方向 に延在し、延在方向の一端には油圧シリンダ 20が設置されている。そして、スライド金枠1 7の一端に油圧シリンダ20のロッド20a先端部が 接続されている。

 取鍋11の直下に配置されたタンディッシ 12の底面には、タンディッシュ12内の溶鋼重 を測定するためのロードセル23が設置され いる。ロードセル23の出力は制御装置22に入 され、制御装置22では、ロードセル23の出力 値に応じた制御信号を油圧ユニット21に出力 る。油圧ユニット21は、制御信号に従って 圧シリンダ20を作動させ、スライド金枠17を 動させる。

[本発明の第一の実施例に係るスライディン ノズル装置の制御方法]
 続いて、本発明の第一の実施例に係るスラ ディングノズル装置の制御方法について、 3の制御フローチャートを利用して説明する 。

(1)タンディッシュ12の底面に設置されたロー セル23の出力信号を制御装置22に取込む(S1)
(2)制御装置22は、従来のスライディングノズ 装置の自動制御を行う装置であって、ロー セル23の出力信号と基準設定値との間の偏 に基づいて油圧シリンダ20の制御力を算出す る。そして、油圧ユニット21に制御信号を出 し、油圧ユニット21は、制御信号に基づい 油圧シリンダ20を駆動して下プレート13dを摺 動させ、ノズル孔の開閉度の制御を行う(S2) 開閉度の制御は、特許文献1等で開示された 法と同様の方法、つまり表1に示すように予 め溶鋼の基準設定値と溶鋼重量の変化率の幅 を設定し、それぞれの基準設定内で制御信号 の種類が決まる。また制御信号の出力周期は 5秒と設定されている。

 表1において、Kは溶鋼重量の変化率(kg/5sec )、Aは定数である。また、「閉小」は、ノズ 孔の開口面積が小さくなる方向に、摺動プ ートを小さく摺動させるためのパルス信号 「閉大」は、ノズル孔の開口面積が小さく る方向に、摺動プレートを大きく摺動させ ためのパルス信号であり、「開小」は、ノ ル孔の開口面積が大きくなる方向に、摺動 レートを小さく摺動させるためのパルス信 、「開大」は、ノズル孔の開口面積が大き なる方向に、摺動プレートを大きく摺動さ るためのパルス信号である。因みに、プレ トの摺動距離を5mmと10mm、ノズル孔径を85mm すると、「閉小」及び「開小」の摺動率は6% 、「閉大」及び「開大」の摺動率は12%となる 。なお、「保持」では、摺動プレートを摺動 させないようにする。

(3)表1に示された制御信号の出力後、制御の 適化のため、プレートの摺動距離に関する 御定数の調整が制御装置22によって以下の手 順で実施される。
先ず最初に、プレートの平均積算摺動率(%/分 )を算出する(S3)。

 プレートの平均積算摺動率(%/分)は、所定 時間におけるプレートの積算摺動率(%)とプレ ート摺動回数(回)とから算出される。本実施 においては、プレート積算摺動率(%)は、最 に設定したプレートを摺動するための制御 号の種類と発信回数とから計算する。例え 表1において、過去10分間で、開大(12%)が2回 、閉大(12%)が1回、閉小(6%)が1回、保持が2回 場合には、10分間の積算摺動率は42%となる またこの間におけるプレートを摺動させる めの制御信号の発信回数は4回であるから、1 0分間のプレートの平均積算摺動率は10.5%/分 なる。

 なお、プレートを摺動させるための制御 号は、プレートが使用される前に面圧を掛 た状態で各制御信号(パルス信号)とプレー の摺動距離を実測しておくことで、プレー の摺動率とすることができる。あるいは油 シリンダ等の駆動装置に位置センサーを設 てその計測結果をプレートの摺動距離とし も良い。さらに実際のプレートの摺動距離 計測しても良い。

 このプレートの平均積算摺動率(%/分)を算 出する時間は、算出時(制御信号の出力時)を 点として最低5分間以上遡った時間とする。 5分間より少ないと平均積算摺動率(%/分)の精 が低下する。平均積算摺動率(%/分)を算出す る時間の上限は特に無く、例えば、取鍋での 注入開始から終了までの間の積算時間とする ことができる。この場合には、注入開始直後 に制御をスタートしてから継続してプレート が制御信号によって摺動した距離と摺動回数 をカウントし、制御信号の出力周期(例えば5 )の度に注入開始直後からの積算データに対 する平均積算摺動率を計算することになる。 また、制御信号の出力時の起点として遡って 5分間以上60分までの任意の特定の時間を決め てもよい。

(4)プレートの平均積算摺動率が管理幅である 0.5(%/分)以上18(%/分)以下であるか判断される(S 4)。
(5)平均積算摺動率が0.5(%/分)未満の場合には プレートの摺動距離が大きくなるようにプ ート摺動距離に関する制御定数を変更し、 均積算摺動率が18(%/分)を超える場合には、 レートの摺動距離が小さくなるようにプレ ト摺動距離に関する制御定数を変更する(S6) 平均積算摺動率が0.5(%/分)未満の場合には、 タンディッシュ内の溶鋼重量の管理精度が低 下し、平均積算摺動率が18(%/分)を超える場合 にはプレートの寿命が低下する。

 ただし、プレートの摺動率は、3%以上20% 下の範囲となるように設定することがより ましい。プレートの摺動率が3%未満ではタン ディッシュ内の溶鋼重量の管理精度が低下し 、プレートの摺動率が20%を超える場合にはプ レートの寿命が低下する。なお、プレートの 摺動率を設定する際、複数の制御信号がある 場合には、その平均値とすることができる。 例えば表1においては、制御信号としてプレ トの摺動率が6%と12%の場合があり、この場合 の平均摺動率は9%となる。

 また、プレートの摺動率の他に、プレー の摺動速度、あるいは制御信号の出力周期 ついても同様に所定の管理幅を設定して制 定数を可変とする制御を行うことで、より 実施例の制御方法の精度を向上することが きる。

(6)プレートの平均積算摺動率が管理幅の範囲 内にある場合は、鋳込み終了かどうかの判定 を行う(S5)。
(7)鋳込みが未だ終了していない場合は、ステ ップS1に戻り、上記(1)以降の手続を実行する 一方、鋳込みが終了している場合は、スラ ディングノズル装置10を停止する。

 また、本実施例の制御方法において、プ ートの平均積算摺動率(%/分)の管理に加えて 、タンディッシュ内溶鋼重量の周期(分)、及 /又はタンディッシュ内溶鋼重量の変曲点数 (回/分)の管理を行うことでより流量制御の精 度を高めることができる。

 図4は、タンディッシュ内溶鋼重量と基準 設定値との偏差の時刻歴変化を示したもので ある。図1のスライディングノズル装置にお て、図3のフローで示す制御方法で制御を行 た結果を示している。本制御方法の適用前 は、プレートの平均積算摺動率が20%/分と本 実施例の範囲外であったが、プレート摺動距 離に関する制御定数を変更し、プレートの摺 動率を12%と6%に変更することで(表1参照)、プ ートの平均積算摺動率が9%/分となった。即 、下プレートの摺動距離が小さくなり、し も摺動回数が低下し、プレートの寿命が延 た。また、図4において、制御ON時から重量 差の変動周期が長くなっている。

 図5には、プレートの寿命とプレートの平 均積算摺動率との関係を示す。このプレート の平均積算摺動率が18(%/分)以下の場合にはプ レートの寿命が長くなり、さらに平均積算摺 動率(%/分)が12(%/分)以下の場合、寿命がより くなることがわかる。平均積算摺動率が18(%/ 分)を超える場合には、プレートのエッジ溶 、やストローク損傷が大きくなり寿命が短 なる。

 図6には、プレートの寿命とプレートの平 均摺動率との関係を示す。この試験において は、平均積算摺動率が18%以下の条件で実施し た。このプレートの平均摺動率が20%以下の場 合にはプレートの寿命が長くなり、さらに平 均摺動率が10%以下の場合、寿命がより長くな ることがわかる。平均摺動率が20%を超える場 合には、プレートのエッジ溶損、やストロー ク損傷が大きくなり寿命が短くなる。

 図7には、プレートの寿命とストローク長 /ノズル孔径との関係を示す。図7では、図1及 び図3で示した制御方法において、スライデ ングノズル装置の設定変更によりプレート ストローク長のみを変えて試験を行った。 ストローク長について3個のプレートを使用 て試験を行い、プレート寿命の平均値で評 した。試験の結果、ストローク長がノズル 径の1.5倍未満になると、プレートの寿命が 激に低下するが、ストローク長が2倍以上に なってもプレートの寿命に大きな変化は無い ことがわかった。

 なお、図5~図7に関する試験において、使用 たプレートは、長さ600mm、幅260mm、厚さ50mm ノズル孔径85mmである。プレートは、Al 2 O 3 含有率80%以上のアルミナカーボン材質でター ルを含浸したタイプを使用した。試験時の面 圧は100kN、鋳造時間は1チャージが45~55分、取 容量は300tonであった。

 摺動回数と摺動距離(mm)は、作業員がスラ イディングノズル装置のそばに居て計測した 。平均摺動率は、平均摺動率(%)=[(プレートの 60分間の合計摺動距離/60分間の摺動回数)/使 前のプレートのノズル孔径×100]の計算式に 算出した。また、摺動距離と摺動回数は、 じ取鍋で60分間の摺動距離と摺動回数を計測 した。例えば、ある取鍋で1チャージが45分で 終了した場合には、同じ取鍋で次のチャージ で15分間計測し合計60分間の摺動距離と摺動 数を計測した。なお、摺動回数及び摺動距 には、摺動開始時にプレートのノズル孔を 定の開度にするためのプレートの摺動、鋳 終了時及び緊急時に溶鋼の排出を停止する めのプレートの摺動は除外している。また 図5と図6の試験では、プレートの摺動速度、 プレートの摺動距離、プレートの位置が保持 される不感帯の幅、出力周期等を変化させて 行った。

[本発明の第二の実施例に係るスライディン ノズル装置の制御方法]
 続いて、本発明の第二の実施例に係るスラ ディングノズル装置の制御方法について説 する。

 ノズル孔14u、14dの内径をDとすると、プレ ート13の平均摺動率が20%のときのプレート13 摺動距離は0.2Dとなり、プレート13の平均摺 率が3%のときのプレート13の摺動距離は0.03D なる。下プレート13dは、制御装置22から出力 されるパルスによって制御されるので、下プ レート13dを大パルスと小パルスの2種類のパ スで制御する場合、大パルスによる摺動距 を0.2D以下とし、小パルスによる摺動距離を0 .03D以上とすれば、プレート13の平均摺動率は 、理論的に3%以上20%以下となる。複数のパル を使用する場合も同様である。即ち、最大 ルスによる摺動距離を0.2D以下とし、最小パ ルスによる摺動距離を0.03D以上とすればよい

 次に、平均摺動率をパラメータとして、 ライディングノズル装置10の制御試験を行 たので、その結果について説明する。

 図8は、プレートの寿命と平均摺動率の関 係を示したグラフである。グラフの縦軸のプ レート寿命は、使用可能であったチャージ回 数を示し、使用したプレート表面のエッジ溶 損及びストローク損傷を作業者が目視観察し 、再使用の可否を判定した。

 本試験では、長さ600mm、幅260mm、厚さ50mm、 ズル孔径85mmのプレートを使用した。プレー はAl 2 O 3 含有率80%以上のアルミナカーボン材質でター ルを含浸したタイプを使用した。また、スラ イディングノズル装置10のプレート摺動手段 ストロークは160mm、プレート13のストローク 長Sは160mmである(図2参照)。なお、試験時の面 圧は100kN、鋳造時間は1チャージが45~55分、取 容量は300tonであった。

 また、本試験では、特開昭62-158556号公報に 載されているスライディングノズル装置の 御方法を用いて、プレート13の摺動回数の 御も併せて行った。
 特開昭62-158556号公報に記載されているスラ ディングノズル装置の制御方法では、ロー セル23による測定値が基準設定値近傍に設 られた不感帯内にあるとき、又は測定値が 感帯外にあるが、基準設定値との偏差が所 値内であり且つ測定値が基準設定値に近づ ているときは、プレートの位置を保持する のである。

 本試験では、プレートの摺動速度の設定 プレートの摺動距離の設定、及びプレート 位置が保持される不感帯の幅を調節するこ により、プレートの摺動回数を制御した。 だし、タンディッシュ内の溶鋼重量の管理 は±1質量%以内とした。

 また、プレートの摺動距離については、 と小の2つの移動距離を設定した。プレート が同じ方向に2度以上移動する場合には、2以 の摺動回数としてカウントした。摺動距離 油圧システムにおいて電磁弁を励磁する時 と油量で設定した。

 摺動回数と摺動距離(mm)は、前述した第一 の実施例に係るスライディングノズル装置の 制御方法と同様の条件下で計測し、平均摺動 率は、前述の計算式にて算出した。

 図8では、摺動回数を10回ごとのグループに けて、それぞれの平均摺動率におけるプレ トの寿命をプロットした。図8より、平均摺 動率が減少するにつれてプレートの寿命が増 加することがわかる。具体的には、平均摺動 率が20%以下になると、プレートの寿命が大幅 に伸びる一方、平均摺動率が20%を超えると、 プレートの寿命が極端に低下することがわか る。また、摺動回数が少ないほうがプレート の寿命が長く、特に、摺動回数が10~30回の場 が最もプレートの寿命が長い。摺動回数が6 0回を超えると、平均摺動率を低くしてもプ ートの寿命は7回以下となっている。
 なお、平均摺動率が3%を下回った場合又は 動回数が10回を下回った場合には、タンディ ッシュ内の溶鋼重量の管理幅が±3%を超え、 量制御性がやや低下した。

 次に、プレートの寿命とストローク長/ノズ ル孔径との関係について図9に示す。プレー は、図8で使用したプレートにおいてスライ ィングノズル装置の設定変更によりストロ ク長のみを変えて使用した。また、摺動回 が21~30回及び平均摺動率が10~15%の範囲内の 件以外の試験条件は、前記図8と同様の方法 行った結果である。各ストローク長におい 3個のプレートを使用して試験を行い、プレ ート寿命の平均値で評価した。
 試験の結果、ストローク長がノズル孔径の1 .5倍未満になると、プレートの寿命が急激に 下するが、ストローク長が2倍以上になって もプレートの寿命に大きな変化は無いことが わかった。

 なお、モールドの湯面変動は鋼の品質に 影響を与えるので、タンディッシュからモ ルドへの溶鋼流量の制御は高精度で行われ いる。このため、取鍋からタンディッシュ の溶鋼流量の制御において、プレートの摺 回数を減少させることにより、タンディッ ュの溶鋼量の変動が多少大きくなっても、 の変動は、タンディッシュからモールドへ 溶鋼流量制御により吸収することができる 具体的には、タンディッシュ内の溶鋼重量 管理幅は±3質量%の範囲が好ましく、より好 ましくは±1質量%の範囲であれば、タンディ シュの湯面変動に与える影響が小さく、製 となる鋼の品質に悪影響を与えることが無 。

 以上、本発明の実施例について説明して たが、本発明は何ら上記した実施例に記載 構成に限定されるものではなく、請求の範 に記載されている事項の範囲内で考えられ その他の実施例や変形例も含むものである

 本発明は、取鍋からタンディッシュへ注 される溶鋼流量の制御を行うスライディン ノズル装置に利用することができる。その 、本発明によれば、操業条件が変更になっ も、スライディングノズル装置の摺動状態 自動的に最適化することが可能である。ま 、プレートの損耗度が低減され、寿命が大 に向上する。




 
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