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Title:
TYMPANITES VENTRICULI-CONTROLLING AGENT FOR RUMINANT ANIMALS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149994
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a tympanites ventriculi-controlling agent for ruminant animals characterized by containing cashew nut shell oil.

Inventors:
KOBAYASHI YASUO (JP)
NAGASHIMA KYO (JP)
MOCHIZUKI MASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060492
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
KOBAYASHI YASUO (JP)
NAGASHIMA KYO (JP)
MOCHIZUKI MASAMI (JP)
International Classes:
A23L25/00; A61K36/00; A61K36/22; A61P1/14; A61P3/00; A61P3/02; A61P31/04; A61K131/00
Foreign References:
JPH08231410A1996-09-10
JPH03217484A1991-09-25
Other References:
CHENG K.J. ET AL.: "A review of bloat in feedlot cattle", JOURNAL OF ANIMAL SCIENCE, vol. 76, no. 1, 1998, pages 299 - 308, XP008124616
HIMEJIMA M. AND KUBO I.: "Antibacterial Agents from the Cashew Anacardium-occidentale (Anacardiaceae) Nut Shell Oil", JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY, vol. 39, 1991, pages 418 - 421, XP002419513
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshiyuki et al. (4-10 Higashi Nihonbashi 3-chome, Chuo-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
カシューナッツ殻油を含有することを特徴とする反芻動物の鼓脹症防除剤。
鼓脹症がStreptococcus bovisにより引き起こされる、請求項1に記載の鼓脹症防除剤。
請求項1または2記載の鼓脹症防除剤を含有することを特徴とする、鼓脹症防除用飼料用組成物。
請求項3記載の飼料用組成物を含有することを特徴とする、鼓脹症防除用飼料。
カシューナッツ殻油を含有することを特徴とする鼓脹症防除用飼料用組成物。
カシューナッツ殻油を含有することを特徴とする鼓脹症防除用飼料。
カシューナッツ殻油を反芻動物に投与することを特徴とする反芻動物の鼓脹症の防除方法。
反芻動物の鼓脹症防除剤の製造におけるカシューナッツ殻油の使用。
鼓脹症防除用飼料用組成物の製造におけるカシューナッツ殻油の使用。
鼓脹症防除用飼料の製造におけるカシューナッツ殻油の使用。
Description:
反芻動物の鼓脹症防除剤

 本発明は、カシューナッツ殻油を含有す 鼓脹症の防除剤に関する。

 家畜の感染症は、家畜の体重を減少させた 、様々な病状を引き起したりするなど、そ 商品価値を著しく低下させる。例えば、ス フィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus au reus)は、ウシ、ヒツジ、ヤギの乳房炎、皮下 瘍、膿血症、馬の発疹、豚、鶏の関節炎、 膚炎、敗血症の原因菌である。また、スト プトコッカス・スイス(Streptococcus suis)は、 の髄膜炎、敗血症、心内膜炎、関節炎の原 菌であり、ストレプトコッカス・ボビス(Str eptococcus bovis)はウシの鼓脹症の原因菌である 。
 鼓脹症は第一胃内容液が泡沫状になること ガスと液が分離しなくなり、たまったガス あい気で外に出せなくなった状態であり、 臓と肺を圧迫し、そのままだと死んでしま 。粗飼料が少なく、トウモロコシなどのデ プン質の多く含まれるエサを与えると、ル メン内でStreptococcus bovisが増え、産生され 粘性物質のためルーメン液が泡沫状になる

 カシューナッツ殻油には、抗菌作用(非特許 文献1)、コクシジウム症軽減作用(特許文献1) 知られている。
 また、カシューナッツ殻油がStaphylococcos aur eus、Streptococcus mutans、Bacillus subtilis、Bacillus ammoniagenesのようなグラム陽性菌に抗菌作用 あり、Escherichia coli、Enterobacter aerogenes、Pseu domonas aeruginosaのようなグラム陰性菌およびSa ccharomyces cerevisiae、Candida utilis、Penichillium ch rysogenumのような真菌に抗菌作用が無いことが 報告されているが(非特許文献2)、カシューナ ッツ殻油のS.bovisに対する抗菌作用は知られ おらず、鼓脹症予防効果に関しては報告が く無い。

特開平8-231410号公報 Muroi, H. et al. Bioorganic & Medicinal Che mistry 12,583-587 (2004) Himejima M. and Kubo I., J.Agric.Food Chem., 39 , 418-421 (1991)

 本発明は、反芻動物の鼓脹症を抑制する とを課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を行った結果、カシューナッツ殻油が 鼓脹症の防除に用いることができることを 出し、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)カシューナッツ殻油を含有することを特徴 とする反芻動物の鼓脹症防除剤。
(2)鼓脹症がStreptococcus bovisにより引き起こさ る、(1)に記載の鼓脹症防除剤。
(3)(1)または(2)記載の鼓脹症防除剤を含有する ことを特徴とする、鼓脹症防除用飼料用組成 物。
(4)(3)記載の飼料用組成物を含有することを特 徴とする、鼓脹症防除用飼料。
(5)カシューナッツ殻油を含有することを特徴 とする鼓脹症防除用飼料用組成物。
(6)カシューナッツ殻油を含有することを特徴 とする鼓脹症防除用飼料。
(7)カシューナッツ殻油を反芻動物に投与する ことを特徴とする反芻動物の鼓脹症の防除方 法。
(8)反芻動物の鼓脹症防除剤の製造におけるカ シューナッツ殻油の使用。
(9)鼓脹症防除用飼料用組成物の製造における カシューナッツ殻油の使用。
(10)鼓脹症防除用飼料の製造におけるカシュ ナッツ殻油の使用。

 本発明の鼓脹症防除剤は、反芻動物の鼓 症の防除に用いることができる。

 本発明の反芻動物の鼓脹症防除剤は、カ ューナッツ殻油を含有することを特徴とす 。

 本発明に用いるカシューナッツ殻油は、 シューナッツ ツリー(Anacardium occidentale L.) の実の殻に含まれる油状の液体である。カシ ューナッツ殻油は、その成分として、アナカ ルド酸、カルダノール、カルドールを含むも のである。

 本発明において使用されるカシューナッツ 油は、カシューナッツの殻を圧搾すること より抽出した植物油として得ることができ 。また、本発明において使用されるカシュ ナッツ殻油は、加熱または抽出により、例 ば、カシューナッツ殻を乾留又は溶剤抽出 て得ることもできる。さらに、本発明にお て使用されるカシューナッツ殻油は、特開 8-231410号公報に記載されている方法によっ 得ることができる。
 本発明において使用されるカシューナッツ 油は、その他にも加熱殺菌処理油、カシュ ナッツの殻を粉砕・破砕して得られたもの あってもよい。
 本発明において使用されるカシューナッツ 油は、市販品を用いることもできる。

 本発明の鼓脹症防除剤におけるカシュー ッツ殻油の含有量は、前記防除剤の全量基 で、効果やコストの面から、1質量%~100質量% が好ましく、より好ましくは5質量%~90質量%、 さらに好ましくは10質量%~80質量%である。1質 %以上含まれていれば鼓脹症防除を効率よく 発揮できる。また、カシューナッツ殻油の原 液を直接経口投与することもできる。なお、 本発明において、防除とは予防および治療を 含むものである。

 また、カシューナッツ殻油は、Streptococcus b ovisに対して抗菌活性を示すことから、本発 の鼓脹症防除剤は、Streptococcus bovisによって 引き起こされる鼓脹症を防除するために用い ることができる。
 本発明における鼓脹症は、マメ科牧草や濃 飼料によって引き起こされる鼓脹症をも含 ものであり、本発明の鼓脹症防除剤は、こ ような鼓脹症に対しても効果を有するもの ある。

 また、本発明の鼓脹症防除剤は、カシュ ナッツ殻油の他に、反芻動物の成長促進に 効な成分、栄養補助成分、保存安定性を高 る成分等の任意成分をさらに含むものであ てもよい。このような任意成分としては、 えば、エンテロコッカス属細菌、バチルス 細菌、ビフィズス菌等の生菌剤;アミラーゼ 、リパーゼ等の酵素;L-アスコルビン酸、塩化 コリン、イノシトール、葉酸等のビタミン; 化カリウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウ 、リン酸塩類等のミネラル、DL-アラニン、DL -メチオニン、L-リジン等のアミノ酸;フマル 、酪酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びそれら 塩;エトキシキン、ジブチルヒドロキシトル ン、ブチルヒドロキシアニソール、フェル 酸、ビタミンC、ビタミンE等の抗酸化剤;プ ピオン酸カルシウム等の防カビ剤;カルボキ シルメチルセルロース(CMC)、カゼインナトリ ム、ポリアクリル酸ナトリウム等の粘結剤; レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ソル ビタン脂肪酸エステル等の乳化剤;アスタキ ンチン、カンタキサンチン等の色素;各種エ テル、エーテル、ケトン類等の着香料が挙 られる。

 本発明の鼓脹症防除剤の剤形は特に制限 れず、例えば粉末、液体、固体、錠剤、カ セル剤、乳剤など任意の形態とすることが きる。本発明の鼓脹症防除剤は、カシュー ッツ殻油および必要に応じて任意成分を混 し、製剤化することにより製造することが きる。なお、剤の形態によっては、前記し カシューナッツ殻の粉砕・破砕物、或いは らの処理もしないでカシューナッツ殻をそ まま他の任意成分と混合させて本発明の鼓 症防除剤とすることができる。さらに、他 任意成分と混合させず、粉砕・破砕物その のまたはカシューナッツ殻そのものを鼓脹 防除剤とすることができ、前記鼓脹症防除 そのものを飼料用組成物、または飼料とす こともできる。

 本発明の飼料用組成物は、カシューナッツ 油を含有することを特徴とする。また、前 した鼓脹症防除剤を含有することもできる 本発明の飼料用組成物におけるカシューナ ツ殻油の含有量は、飼料用組成物の乾物質 当たり、効果やコストの観点から、0.5~500,00 0質量ppmが好ましく、より好ましくは5~100,000 量ppm、さらに好ましくは50~50,000質量ppmであ 。
 本発明の鼓脹症防除剤を飼料用組成物とし 用いる場合は、ペットフード、ペット用サ リメント(以下、飼料という。)に用いられ 他の飼料成分と混合して、飼料とすること できる。飼料の種類や、カシューナッツ殻 以外の成分は、特に制限されない。

 本発明の飼料はカシューナッツ殻油を含有 ることを特徴とする。また、前記した飼料 組成物を含有することもできる。
 なお、本発明の飼料におけるカシューナッ 殻油の含有量は、飼料の乾物質量当たり、 果やコストの面から、0.5~50,000質量ppmが好ま しく、より好ましくは5~10,000質量ppm、さらに ましくは50~5,000質量ppmである。

 本発明の飼料は、カシューナッツ殻油ま はカシューナッツ殻油を含む飼料用組成物 そのまま飼料成分に添加し、混合して製造 ることができる。この際、粉末状、固形状 飼料用組成物を用いる場合は、混合を容易 するために飼料用組成物を液状又はゲル状 形態にしてもよい。この場合は、水、大豆 、菜種油、コーン油などの植物油、液体動 油、ポリビニルアルコールやポリビニルピ リドン、ポリアクリル酸などの水溶性高分 化合物を液体担体として用いることができ 。また、飼料中におけるカシューナッツ殻 の均一性を保つために、アルギン酸、アル ン酸ナトリウム、キサンタンガム、カゼイ ナトリウム、アラビアゴム、グアーガム、 マリンド種子多糖類などの水溶性多糖類を 合することも好ましい。

 本発明の飼料を摂取させる動物の種類は、 芻動物である。例えば、本発明の飼料は、 、ヤギ、羊などの反芻動物の飼育に好適で る。摂取させる飼料の量は、動物の種類、 重、年齢、性別、健康状態、飼料の成分な により適宜調節することができ、このとき 料に含まれるカシューナッツナッツ殻油が ましくは0.005~500g/頭・日、より好ましくは0. 05~100g/頭・日、さらに好ましくは0.5~50g/頭・ である。
 飼料を摂取させる方法及び飼育する方法は 動物の種類に応じて、通常用いられる方法 とることができる。

 実施例1
 S.bovisに対するCNSLの抗菌作用
 カシュー・トレーディング(株)より、カシ ーナッツの殻から圧搾で抽出したカシュー ッツ殻油(CNSL)を入手した。
 CNSLの抗菌作用を調べるため、Staphylococcos au reus牛分離菌株、S.bovis DSM20065株、Bacillus subti lis NBRC3009株、Escherichia coli ATCC11303株、Pseudom onas aeruginosa NBRC12689株、およびSaccharomyces cer evisiae NBRC10217株をブレインハートインフュー ジョン培地(日水製薬(株)製品)で37℃1日培養 た。CNSLを添加したブレインハートインフュ ジョン培地に、前記した各々の菌株の培養 を10μL植菌し、37℃で2日間培養し最小生育 止濃度(MIC)を算出した。
 結果を表1に示す。

 CNSLは、グラム陽性菌のStaphylococcos aureus よびBacillus subtilisと同様に、S.bovisに対して 高い抗菌作用を有する。S.bovisはルーメン中 に存在する細菌で、鼓脹症の原因菌の一つと 考えられている。従って、本発明の鼓脹症防 除剤の作用メカニズムの一つとして、CNSL投 によりルーメン内でS.bovisの増殖が抑えられ 鼓脹症の防除ができることが考えられる。

 実施例2
 CNSL投与のインビボでの経時的な影響
(1)試料
 ルーメンカニューレを装着しためん羊4頭に 、体重の1.4質量%相当の餌(濃厚飼料:乾草=3:7( 積))を給与した。
 CNSL投与開始前に一回目のルーメン内容物の サンプリングを行った。CNSL投与量は、これ でのin vitro試験で100mg/L以上でルーメン機能 善効果が認められた。羊のルーメン液中で1 00mg/Lにするためには、ルーメン液中で希釈さ れることから、餌に0.14~0.28質量%(1,400~2,800質 ppm)混合する必要が有る。そこで、初めの2週 間は餌にCNSLを0.14質量%給与し、1週間毎2回ル メン内容物のサンプリングを行った。次の2 週間は餌にCNSLを0.28質量%給与し、1週間毎2回 ーメン内容物のサンプリングを行った。次 2週間はCNSLを無投与で餌のみ給与し、1週間 2回ルーメン内容物のサンプリングを行った 。
(2)結果
 ルーメン液のpHを表2に示す。

 ルーメン液のpHはCNSLの投与を中止すると低 した。CNSLにはルーメン液のpH低下を防ぐ効 が有ることが分かる。すなわちCNSLにはルー メン液が酸性化し、ルーメン機能を悪化させ るルーメンアシドーシスを防ぐ効果が有るこ とが分かる。
 ルーメン液の粘度(CP)、ルーメン液の起泡性 (IVI(%))および泡沫安定性(sIVI(%))を表3に示す。

 牛の鼓脹症はルーメン液が泡状になり、 い気を出せなくなりルーメンにガスがたま て腹部が鼓張する病気で、重症になると心 や肺を圧迫し死に至る。ルーメン液の粘度 起泡性、および泡沫安定性はともにCNSLの投 与により低下し、投与を中止すると増加した 。すなわちCNSLには鼓脹症を防ぐ効果が有る とが分かる。

 カシューナッツ殻油を反芻動物に摂取さ て飼育することにより、鼓脹症を防除する とができる。