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Title:
METHOD OF MEASURING HEMATOCRIT VALUE OR BLOOD COMPONENT CONCENTRATION AND MEASUREMENT SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119213
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method of measuring hematocrit value whereby a hematocrit value can be measured at a high accuracy, and a system for measuring hematocrit value. A method of measuring the hematocrit value of a blood specimen by a coloration reaction with the use of a color development reagent reacting with a component in the blood differing from hemoglobin, characterized in that the hematocrit value of the blood specimen is calculated based on an optical characteristic (a1) of the blood specimen measured with a light (λ1) having at least one absorption peak wavelength that is specific to hemoglobin and another optical characteristic (a2) of the blood specimen measured with a light (λ2) having at least one absorption peak wavelength that is specific to a colorant formed by the coloration reaction as described above.

Inventors:
SUGAWARA YOSHIHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053036
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
February 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TERUMO CORP (JP)
SUGAWARA YOSHIHISA (JP)
International Classes:
G01N33/49; G01N21/78; G01N33/483; G01N33/72
Foreign References:
JP2000262298A2000-09-26
JPS63101757A1988-05-06
JP2005509161A2005-04-07
JP2007537457A2007-12-20
JPH10318928A1998-12-04
JP2000262298A2000-09-26
Other References:
See also references of EP 2259058A4
Attorney, Agent or Firm:
HATTA & ASSOCIATES (JP)
Hatta international patent business corporation (JP)
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Claims:
 ヘモグロビンとは異なる血液中の成分と反応する発色試薬を用いた呈色反応において血液検体のヘマトクリット値を測定する方法であって、
 ヘモグロビンに特異的な少なくとも一つの吸収波長の光で測定された前記血液検体の光学特性と、前記呈色反応で生成した色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長の光で測定された前記血液検体の光学特性とに基づいて、前記血液検体のヘマトクリット値を算出することを特徴とするヘマトクリット値測定方法。
 前記ヘモグロビンの吸収波長の光に対する前記血液検体の光学特性は、前記色素の吸収波長の光に対する前記血液検体の光学特性よりも早い時点において測定されたものであることを特徴とする請求項1に記載のヘマトクリット値測定方法。
 ヘモグロビンとは異なる血液中の成分と反応する発色試薬を用いた呈色反応により前記成分の濃度を測定する方法であって、
 ヘモグロビンに特異的な少なくとも一つの吸収波長の光を血液検体に照射して、前記ヘモグロビンの吸収波長の光に対する前記血液検体の第1の光学特性を測定する段階と、
 前記呈色反応で生成した色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長の光を前記血液検体に照射して、前記色素の吸収波長の光に対する前記血液検体の第2の光学特性を測定する段階と、
 前記第1の光学特性と前記第2の光学特性とに基づいて、前記血液検体のヘマトクリット値を算出する段階と、
 前記算出されたヘマトクリット値と前記第2の光学特性とに基づいて、前記血液検体の前記成分の濃度を算出する段階と、を有することを特徴とする成分測定方法。
 ヘモグロビンとは異なる血液中の成分と反応する発色試薬を用いた呈色反応において血液検体のヘマトクリット値を測定する装置であって、
 ヘモグロビンに特異的な少なくとも一つの吸収波長の光で測定された前記血液検体の光学特性と、前記呈色反応で生成した色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長の光で測定された前記血液検体の光学特性とに基づいて、前記血液検体のヘマトクリット値を算出することを特徴とするヘマトクリット値測定装置。
 ヘモグロビンとは異なる血液中の成分と反応する発色試薬を用いた呈色反応により前記成分の濃度を測定する装置であって、
 ヘモグロビンに特異的な少なくとも一つの吸収波長の光を血液検体に照射する第1の発光手段と、
 前記第1の発光手段から照射され、前記血液検体で反射または前記血液検体を透過した光を受光して、前記ヘモグロビンの吸収波長の光に対する前記血液検体の第1の光学特性を測定する第1の受光手段と、
 前記呈色反応で生成した色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長の光を前記血液検体に照射する第2の発光手段と、
 前記第2の発光手段から照射され、前記血液検体で反射または前記血液検体を透過した光を受光して、前記色素の吸収波長の光に対する前記血液検体の第2の光学特性を測定する第2の受光手段と、
 前記第1の光学特性と前記第2の光学特性とに基づいて、前記血液検体のヘマトクリット値を算出するヘマトクリット値算出手段と、
 前記算出されたヘマトクリット値と前記第2の光学特性とに基づいて、前記血液検体の前記成分の濃度を算出する成分濃度算出手段と、を有することを特徴とする成分測定装置。
Description:
ヘマトクリット値または血液成 濃度の測定方法および測定装置

 本発明は、ヘマトクリット値測定方法、 マトクリット値測定装置、成分測定方法、 よび成分測定装置に関する。

 糖尿病の予防および治療には、血糖値を 握することが重要である。

 採血した血液から血糖値を光学的に測定 る技術としては、特開2000-262298号公報に示 ようなグルコース濃度の定量方法が知られ いる。特開2000-262298号公報に開示されている 定量方法は、発色組成物を含有してなる多層 分析素子により、500~590nmの範囲内で定められ た一の波長の光を用いて赤血球の色素の赤色 濃度を測定する一方で、500nmよりも短波長側 域または590nmよりも長波長側領域の範囲内 定められた一の波長の光を用いて血液検体 発色濃度を測定するものである。このよう 構成の定量方法によれば、発色濃度から得 れるグルコース値を、赤色濃度から得られ ヘマトクリット値を用いて補正しつつ、グ コース濃度を定量することができる。

 しかしながら、上記定量方法では、500~590 nmの範囲内で定められた一の波長の光を用い 得られるヘマトクリット値の測定精度が不 分であるために、グルコース濃度を正確に 量することができないという問題がある。

 また、ヘマトクリット値を測定するため 使用した波長に、血液成分と発色試薬の反 によって生成した色素の吸収波長が重なる 合は、当該波長に基づくヘマトクリット値 精度は色素の吸収波長の重なりの影響でよ 低下する。

 本発明は、上述した問題を解決するため なされたものである。したがって、本発明 目的は、ヘマトクリット値を精度よく測定 ることができるヘマトクリット値測定方法 よびヘマトクリット値測定装置を提供する とである。

 また、本発明の他の目的は、上記ヘマト リット値測定方法およびヘマトクリット値 定装置を用いた成分測定方法および成分測 装置を提供することである。

 本発明の上記目的は、下記の(1)~(5)に記載 の発明によって達成される。

 (1)ヘモグロビンとは異なる血液中の成分 反応する発色試薬を用いた呈色反応におい 血液検体のヘマトクリット値を測定する方 であって、ヘモグロビンに特異的な少なく も一つの吸収波長の光で測定された前記血 検体の光学特性と、前記呈色反応で生成し 色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長 光で測定された前記血液検体の光学特性と 基づいて、前記血液検体のヘマトクリット を算出することを特徴とするヘマトクリッ 値測定方法である。

 (2)前記ヘモグロビンの吸収波長の光に対 る前記血液検体の光学特性は、前記色素の 収波長の光に対する前記血液検体の光学特 よりも早い時点において測定されたもので ることを特徴とする上記(1)に記載のヘマト リット値測定方法である。

 (3)ヘモグロビンとは異なる血液中の成分 反応する発色試薬を用いた呈色反応により 記成分の濃度を測定する方法であって、ヘ グロビンに特異的な少なくとも一つの吸収 長の光を血液検体に照射して、前記ヘモグ ビンの吸収波長の光に対する前記血液検体 第1の光学特性を測定する段階と、前記呈色 反応で生成した色素に特異的な少なくとも一 つの吸収波長の光を前記血液検体に照射して 、前記色素の吸収波長の光に対する前記血液 検体の第2の光学特性を測定する段階と、前 第1の光学特性と前記第2の光学特性とに基づ いて、前記血液検体のヘマトクリット値を算 出する段階と、前記算出されたヘマトクリッ ト値と前記第2の光学特性とに基づいて、前 血液検体の前記成分の濃度を算出する段階 、を有することを特徴とする成分測定方法 ある。

 (4)ヘモグロビンとは異なる血液中の成分 反応する発色試薬を用いた呈色反応におい 血液検体のヘマトクリット値を測定する装 であって、ヘモグロビンに特異的な少なく も一つの吸収波長の光で測定された前記血 検体の光学特性と、前記呈色反応で生成し 色素に特異的な少なくとも一つの吸収波長 光で測定された前記血液検体の光学特性と 基づいて、前記血液検体のヘマトクリット を算出することを特徴とするヘマトクリッ 値測定装置である。

 (5)ヘモグロビンとは異なる血液中の成分 反応する発色試薬を用いた呈色反応により 記成分の濃度を測定する装置であって、血 検体に、ヘモグロビンに特異的な少なくと 一つの吸収波長の光を照射する第1の発光手 段と、前記第1の発光手段から照射され、前 血液検体で反射または前記血液検体を透過 た光を受光して、前記ヘモグロビンの吸収 長の光に対する前記血液検体の第1の光学特 を測定する第1の受光手段と、前記呈色反応 で生成した色素に特異的な少なくとも一つの 吸収波長の光を前記血液検体に照射する第2 発光手段と、前記第2の発光手段から照射さ 、前記血液検体で反射または前記血液検体 透過した光を受光して、前記色素の吸収波 の光に対する前記血液検体の第2の光学特性 を測定する第2の受光手段と、前記第1の光学 性と前記第2の光学特性とに基づいて、前記 血液検体のヘマトクリット値を算出するヘマ トクリット値算出手段と、前記算出されたヘ マトクリット値と前記第2の光学特性とに基 いて、前記血液検体の前記成分の濃度を算 する成分濃度算出手段と、を有することを 徴とする成分測定装置である。

 上記(1)に記載の発明によれば、波長の異 る2つの光に対する血液検体の光学特性から ヘマトクリット値が算出されるため、ヘマト クリット値を精度よく測定することができる 。

 また、上記(2)に記載の発明によれば、ヘ トクリット値をより高精度に測定すること できる。

 また、上記(3)に記載の発明によれば、ヘ グロビンとは異なる血液中の成分を測定す ために用いる光を利用してヘマトクリット を精度よく測定することができるため、装 構成を複雑化することなく、血液中の成分 濃度を正確に測定することができる。

 また、上記(4)に記載の発明によれば、波 の異なる2つの光に対する血液検体の光学特 性からヘマトクリット値が算出されるため、 ヘマトクリット値を精度よく測定することが できる。

 また、上記(5)に記載の発明によれば、ヘ グロビンとは異なる血液中の成分を測定す ために用いる光を利用してヘマトクリット を精度よく測定することができるため、装 構成を複雑化することなく、血液中の成分 濃度を正確に測定することができる。

本発明の一実施の形態における成分測 装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す成分測定装置の部分断面図で ある。 図1に示す成分測定装置の概略構成を示 すブロック図である。 図1に示す成分測定装置における成分測 定処理を説明するためのフローチャートであ る。 図4のステップS110に示すヘマトクリッ 値算出処理を説明するための図である。 グルコースとヘモグロビンが種々の濃 で含有されている血液検体の発色スペクト を示す図である。 試験紙に吸収させた血液検体の色素の 吸収波長の光に対する反射吸光度の経時的な 変化を示す図である。 試験紙に血液検体を吸収させたときの ヘモグロビンの吸収波長の光に対する反射吸 光度の経時的な変化を示す図である。 比較例におけるヘマトクリット値算出 理を説明するための図である。

 以下、図面を参照して、本発明の実施の 態を説明する。なお、以下に示す実施の形 では、本発明の成分測定装置を血液中のグ コース濃度を測定する血糖測定装置に適用 た場合を例にとって説明する。図中、同様 部材には、同一の符号を用いた。

 図1は、本発明の一実施の形態における成 分測定装置の概略構成を示す斜視図であり、 図2は、図1に示す成分測定装置の部分断面図 ある。本実施の形態の成分測定装置は、波 の異なる2つの光に対する血液検体の光学特 性を測定することによって、血液検体のヘマ トクリット値を算出するとともに、算出され たヘマトクリット値と一の光に対する血液検 体の光学特性とに基づいて、血液検体のグル コース濃度を算出するものである。

 図1に示すとおり、本実施の形態の成分測 定装置10は、測定装置本体部20と、測定装置 体部20に装着されるチップ30とから構成され 。以下、チップ30および測定装置本体部20の 順に説明する。

 (チップ)
 チップ30は、血液検体を保持するものであ 。図1および図2に示すとおり、チップ30は、 管部31aが備えられたホルダ31と、ホルダ31内 部に固定された試験紙32と、を備える。

 細管部31aは、毛細管現象により先端開口 から血液検体をホルダ31内部に導入する。 管部31aを通じて導入される血液検体は、ホ ダ31内部の試験紙32に吸収される。試験紙32 、シート状の多孔質基材から構成されてお 、試験紙32には、グルコースと反応して呈色 反応を示す発色試薬が含浸されている。この ような構成によれば、細管部31aを通じてホル ダ31内部に導入される血液検体は、発色試薬 含浸された試験紙32において呈色反応を起 す。

 試験紙32の材料としては、ポリエステル 、ポリアミド類、ポリオレフィン類、ポリ ルホン類、またはセルロース類が挙げられ 。また、発色試薬としては、たとえば、グ コースオキシダーゼ(GOD)、ペルオキシダーゼ (POD)、4-アミノアンチピリン,N-エチル-N-(2-ヒ ロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン・ナ リウム(TOOS)が挙げられる。

 (測定装置本体部)
 測定装置本体部20は、チップ30に保持される 血液検体の血糖値を測定するものである。図 1に示すとおり、本実施の形態の測定装置本 部20は、波長の異なる2つの光を血液検体に 射して反射光の強度を測定する測光部21と、 測光部21を制御するとともに測光部21で取得 れる測光値データに対して種々の演算を実 する制御部(不図示)と、を有する。測光部21 、外装ケース22の先端部に設けられている 制御部は、外装ケース22内部に電源などとと もに収容されている。制御部についての詳細 な説明は後述する。外装ケース22表面には、 糖値の測定結果などを表示する表示部23お び各種スイッチ24が設けられている。

 図2に示すとおり、本実施の形態の測光部21 、波長の異なる2つの光λ 1 2 を発光する発光素子25と、2つの光λ 1 2 の反射光を受光する受光素子26と、を備える 発光素子25および受光素子26は、ホルダ27に 容されている。

 発光素子25は、第1および第2の発光手段とし て、ヘモグロビンの吸収波長(たとえば、545nm )の光(以下、第1光と称する)λ 1 と、血液検体の呈色反応の結果生じる色素の 吸収波長(たとえば、630nm)の光(以下、第2光と 称する)λ 2 を照射する。本実施の形態の発光素子25は、2 波長型の発光ダイオードであって、制御部に より制御され、ヘモグロビンの吸収波長の第 1光λ 1 または色素の吸収波長の第2光λ 2 を照射する。本実施の形態の発光素子25から 射される第1および第2光λ 1 2 はパルス光であって、その周期が0.5~3.0msec程 、1パルスの発光時間が0.05~0.3msec程度に設定 される。発光素子25から照射される第1および 第2光λ 1 2 は、試験紙32で反射される。なお、本実施の 態では、第1および第2の発光手段として、2 長型の発光ダイオードを用いているが、1波 長型の発光ダイオードを2つ設けてもよい。

 受光素子26は、第1および第2の受光手段とし て、試験紙32で反射された第1および第2光λ 1 2 を受光して、血液検体の吸光度(光学特性)を 定するものである。本実施の形態の受光素 26は、フォトダイオードであって、試験紙32 で反射されるヘモグロビンの吸収波長の第1 λ 1 と、色素の吸収波長の第2光λ 2 とを受光して、これらの強度を測光値データ として出力する。

 図3は、図1に示す成分測定装置の概略構 を示すブロック図である。

 上述したとおり、本実施の形態の成分測 装置10は、測光部21および制御部40を有する 測光部21の発光素子25は、制御部40により発 を制御され、測光部21の受光素子26からの測 光値データは、A/D変換器28を介して、制御部4 0に入力される。制御部40は、外装ケース22表 の表示部23および各種スイッチ24に対応する 入力部29と電気的に接続されている。

 図3に示すとおり、本実施の形態の制御部 40は、CPU41、データ記憶部42、タイマ43、およ 温度センサ44を備える。データ記憶部42、タ イマ43、および温度センサ44は、それぞれCPU41 と電気的に接続されている。

 CPU41は、波長の異なる2つの光λ 1 2 に対する測光値データに対して種々の演算を 実行するものである。本実施の形態のCPU41は 受光素子26の測光値データから、波長の異 る2つの光λ 1 2 に対する血液検体の吸光度a 1 ,a 2 を算出する。CPU41は、ヘマトクリット値算出 (ヘマトクリット値算出手段)および成分濃 算出部(成分濃度算出手段)として機能する。

 ここで、ヘマトクリット値算出部は、ヘモ ロビンの吸収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 と、血液検体の呈色反応で生じた色素の吸収 波長の第2光λ 2 に対する吸光度a 2 とに基づいて、血液検体のヘマトクリット値 を算出する。成分濃度算出部は、ヘマトクリ ット値と第2光λ 2 に対する吸光度a 2 とに基づいて、血液検体のグルコース濃度を 算出する。なお、各部の具体的な処理内容に ついては、後述する。

 データ記憶部42は、第1メモリ(RAM)、第2メモ (ROM)、および第3メモリ(不揮発性RAM)を備え いる。第1メモリには、測光部21より入力さ た測光値データが格納される。第2メモリに 、測光値データから求められる第1および第 2光λ 1 2 に対する吸光度a 1 ,a 2 とヘマトクリット値との関係を示す変換テー ブル、ならびに、第2光λ 2 に対する吸光度a 2 とヘマトクリット値とグルコース濃度との関 係を示す変換テーブルが格納されている。ま た、第2メモリには、第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 と第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 とに基づいて、血液検体のヘマトクリット値 を算出するヘマトクリット値算出プログラム 、ならびに、第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 とヘマトクリット値とに基づいて、血液検体 のグルコース濃度を算出する成分濃度算出プ ログラムが格納されている。第3メモリには 個々の装置ごとに固有の校正値が予め記憶 れている。

 タイマ43は、時間の経過を計測して、CPU41に 報知するものである。本実施の形態のタイマ 43は、ヘモグロビンの吸収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 を測定する第1の測定時点と、色素の吸収波 の第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 を測定する第2の測定時点を、CPU41に報知する 。

 温度センサ44は、環境温度を測定するも である。温度センサ44によって取得された温 度情報は、目的とするグルコース濃度の温度 補正計算に利用される。

 以上のとおり構成される本実施の形態の成 測定装置10では、ヘモグロビンに特異的な 収波長を有する第1光λ 1 および血液検体の呈色反応によって生じる色 素に特異的な吸収波長を有する第2光λ 2 が照射され、第1の測定時点における第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 と、第1の測定時点よりも遅い第2の測定時点 おける第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 とが測定される。次に、測定された2つの吸 度a 1 ,a 2 に基づいて、血液検体のヘマトクリット値が 算出される。そして、ヘマトクリット値と第 2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 とに基づいて、血液検体のグルコース濃度が 算出される。以下、図4~図7を参照しつつ、本 実施の形態における成分測定方法について説 明する。

 図4は、図1に示す成分測定装置における 分測定処理を説明するためのフローチャー である。

 図4に示すとおり、本実施の形態における成 分測定処理では、まず、血液点着前に、ヘモ グロビンに特異的な吸収波長の第1光λ 1 の基準値および色素に特異的な吸収波長の第 2光λ 2 の基準値を測定するために、第1光λ 1 および第2光λ 2 を交互に時分割で発光させ、試験紙32に照射 る(ステップS101)。本実施の形態では、試験 32に血液検体が吸収され、呈色反応が発生 たことを検知するために、色素の吸収波長 第2光λ 2 が使用される。なお、本実施の形態の成分測 定装置10では、血液検体が試験紙32の一方の 側から試験紙32に吸収される一方で、発色を 検知するための第1光λ 1 および第2光λ 2 は試験紙32の他方の面側から試験紙32に照射 れる。

 次に、呈色が開始したか否かが判断される( ステップS102)。本実施の形態では、CPU41が、 光度a 2 の所定時間あたりの変化量を検出することに より、呈色が開始したか否かを判断する。

 呈色が開始されない場合(ステップS102:NO)、 色が開始されるまで待機する。一方、呈色 開始された場合(ステップS102:YES)、血液検体 による呈色反応が発生したとして、時間の計 測が開始される(ステップS103)。本実施の形態 では、タイマ43が、呈色開始時点からの時間 経過を計測する。また、呈色の開始が検知 れた時点で一旦、色素の吸収波長の第2光λ 2 の照射が止められる。

 次に、第1の測定時点か否かが判断される( テップS104)。本実施の形態では、CPU41が、タ マ43からの報知があるか否かを判定するこ によって、ヘモグロビンの吸収波長の第1光 1 に対する吸光度a 1 を測定する第1の測定時点か否かを判断する ここで、第1の測定時点は、たとえば、呈色 始から5秒後の時点である。第1の測定時点 、細管部31aおよび試験紙32の材質および寸法 などによって決定される。

 第1の測定時点でない場合(ステップS104:NO)、 第1の測定時点になるまで待機する。一方、 1の測定時点になった場合(ステップS104:YES)、 第1の測定時点における第1光λ 1 に対する吸光度a 1 が測定される(ステップS105)。本実施の形態で は、第1の測定時点における受光素子26の出力 から、CPU41が第1の測定時点におけるヘモグロ ビンの吸収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 を算出する。算出された吸光度a 1 は、データ記憶部42に格納される。

 次に、ヘモグロビンの吸収波長の第1光λ 1 に代わって、血液検体の呈色反応に関わる色 素の吸収波長の第2光λ 2 が照射される(ステップS106)。本実施の形態で は、2波長型の発光素子25が、ヘモグロビンの 吸収波長の第1光λ 1 に代わって、色素の吸収波長の第2光λ 2 を発光する。なお、本実施の形態では、第1 λ 1 は呈色開始時点から第1の測定時点までの間 射され、第2光λ 2 は第1の測定時点から第2の測定時点までの間 射されるようにしているが、これに限定さ ず、第1光λ 1 と第2光λ 2 を第2の測定時点まで交互に連続発光させて よいし、第2の光λ 2 のみを連続発光させてもよい。

 次に、時間が計測され、第2の測定時点か否 かが判断される(ステップS107,S108)。本実施の 態では、CPU41がクロック43からの報知がある か否かを判定することによって、色素の吸収 波長の第2光λ 2 に対する吸光度a 2 を測定する第2の測定時点か否かを判断する ここで、第2の測定時点は第1の測定時点より も遅い時点であって、たとえば、呈色開始か ら10秒後の時点である。第2の測定時点は、細 管部31aおよび試験紙32の材質および寸法など よって決定される。

 第2の測定時点でない場合(ステップS108:NO)、 第2の測定時点に到達するまで待機する。一 、第2の測定時点になった場合(ステップS108:Y ES)、第2の測定時点における第2光λ 2 に対する吸光度a 2 が測定される(ステップS109)。本実施の形態で は、第2の測定時点における受光素子26の出力 から、CPU41が第2の測定時点における色素の吸 収波長の第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 を算出する。算出されたa 2 吸光度は、データ記憶部42に格納される。

 次に、ステップS105およびステップS109で測 された吸光度a 1 ,a 2 に基づいて、ヘマトクリット値が算出される (ステップS110)。本実施の形態では、データ記 憶部42に予め格納されている第1光λ 1 に対する吸光度a 1 と第2光λ 2 に対する吸光度a 2 とヘマトクリット値との関係を示す吸光度- マトクリット値変換テーブルに基づいて、CP U41が、測定された2つの吸光度a 1 ,a 2 から血液検体のヘマトクリット値を算出する 。なお、本実施の形態における吸光度-ヘマ クリット値変換テーブルは、図5に示すとお 、予め取得された複数の参照データに基づ て最小二乗法により算出される2次の多項式 (近似曲面)としてデータ記憶部42に格納され いる。算出されたヘマトクリット値は、デ タ記憶部42に格納される。

 そして、血液検体のグルコース濃度が算出 れる(ステップS111)。本実施の形態では、CPU4 1が、ステップS110に示す処理で算出されたヘ トクリット値と、ステップS109に示す処理で 測定された第2光λ 2 に対する吸光度a 2 に基づいて、血液検体のグルコース濃度を算 出する。より具体的には、データ記憶部42に め格納されているヘマトクリット値と吸光 a 2 とグルコース濃度との関係を示すヘマトクリ ット値-吸光度-グルコース濃度変換テーブル 基づいて、CPU41がグルコース濃度を算出す 。算出されたグルコース濃度は、血糖値と て表示部23に表示される。

 以上のとおり、図4のフローチャートに示す 処理によれば、ヘモグロビンの吸収波長の第 1光λ 1 が照射されて、第1の測定時点における血液 体の吸光度a 1 が測定される。また、血液検体の呈色反応に 関わる色素の吸収波長の第2光λ 2 が照射されて、第1の測定時点よりも遅い第2 測定時点における血液検体の吸光度a 2 が測定される。次に、2つの吸光度a 1 ,a 2 に基づいて、血液検体のヘマトクリット値が 算出される。そして、算出されたヘマトクリ ット値と色素の吸収波長の第2光λ 2 に対する吸光度a 2 とに基づいて、血液検体のグルコース濃度が 算出される。

 次に、図6および図7を参照して、ヘモグロ ンの吸収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 および血液検体の呈色反応に関わる色素の吸 収波長の第2光λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 について説明する。

 図6は、グルコースとヘモグロビンが種々の 濃度で含有されている血液検体の発色スペク トルを示す図である。図6の横軸は、波長で り、縦軸は、血液検体が吸収された試験紙 反射率である。また、図6の反射率は、グル ースと反応する発色試薬による血液検体の 色開始から10秒経過した時点のものである なお、凡例で、たとえば、bg45-ht20とは、血 値45mg/dl、ヘマトクリット値20%に調整した血 検体を示す。図6に示すとおり、グルコース が含有されている血液検体(bg45,bg117,bg465)にお ける波長と反射率との関係を示す波長-反射 曲線は、630nm付近で極小値を呈する。したが って、血液検体の呈色反応に関わる色素の吸 収波長の第2光λ 2 として、630nm付近の波長の光を用いることが ましいことが分かる。

 また、グルコースが含有されてない血液検 (bg0)における波長と反射率との関係を示す 長-反射率曲線は、545nmおよび575nm付近で極小 値を呈する。したがって、ヘモグロビンの吸 収波長の第1光λ 1 としては、545nm前後または575nm前後の波長の を用いることが好ましいことが分かる。

 加えて、このようなヘモグロビンの吸収波 の第1光λ 1 の発色スペクトルは、色素の吸収波長の第2 λ 2 の発色スペクトルの影響を受けるため、ヘモ グロビンの吸収波長の第1光λ 1 に加えて、血液検体の呈色反応に関わる色素 の吸収波長の第2光λ 2 を利用することでその影響を取り除くことが でき、血液検体のヘマトクリット値を精度よ く測定することができる。

 図7Aは、試験紙に吸収させた血液検体の 素の吸収波長の光に対する反射吸光度の経 的な変化を示す図であり、図7Bは、試験紙に 血液検体を吸収させたときのヘモグロビンの 吸収波長の光に対する反射吸光度の経時的な 変化を示す図である。図7Aおよび図7Bの横軸 、時間であり、縦軸は、吸光度である。な 、縦軸の吸光度は、試験紙での反射吸光度 示し、256/反射率を意味する。

 図7Aに示すとおり、時間と吸光度の関係を す複数の時間-吸光度関係曲線は、グルコー 濃度(bg)が高いほど、色素の吸収波長の第2 λ 2 に対する血液検体の吸光度a 2 が高くなる傾向を示す。また、各血液検体の 吸光度a 2 は、呈色開始から10秒程度経過した時点で飽 状態に至っており、血糖値を算出するのに している。

 一方、図7Bに示すとおり、ヘモグロビンの 収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 は、時間の経過にともなって吸光度a 1 が急激に増加する立ち上がり期間と、立ち上 がり期間における吸光度a 1 の変化よりも緩やかに吸光度a 1 が変化する安定期間と、を有する。立ち上が り期間から安定期間に移行した直後(たとえ 、呈色開始から5秒後)の期間では、ヘマトク リット値(ht)が高いほど吸光度a 1 が高くなる相関性が示されている。しかしな がら、安定期間において時間が経過するにし たがって、呈色反応によって生じた色素の影 響によって、ヘマトクリット値(ht)と吸光度a 1 との相関性が失われる。具体的には、グルコ ース濃度465mg/dlかつヘマトクリット値20%の血 検体(bg465-ht20)が、ヘマトクリット値40%の血 検体と同程度の吸光度a 1 を示すようになる。したがって、ヘマトクリ ット値の測定精度をより向上させるためには 、呈色開始から5秒程度の時点におけるヘモ ロビンの吸収波長の第1光λ 1 に対する血液検体の吸光度a 1 、すなわち、立ち上がり期間から安定期間へ の移行直後の吸光度a 1 を測定することが好ましいことが分かる。

 以上のとおり、上述した実施の形態にお て、本発明のヘマトクリット値測定方法、 マトクリット値測定装置、成分測定方法、 よび成分測定装置を説明した。しかしなが 、本発明は、その技術思想の範囲内におい 当業者が適宜に追加、変形、および省略す ことができることはいうまでもない。

 たとえば、上述した実施の形態では、本 明の成分測定装置を用いて、グルコース濃 を測定する場合について説明した。しかし がら、本発明の成分測定装置の用途は、血 値の測定に限定されるものではなく、コレ テロールといった他の成分の測定に用いて よい。この場合、測定対象成分に応じて発 試薬が選択され、これに応じて、呈色反応 生ずる色素に特異的な吸収波長の光が選択 れる。

 また、上述した実施の形態では、血液検 を試験紙に採取して測定する簡便型の成分 定装置により本発明を実施する場合につい 説明した。しかしながら、本発明は、上述 た装置に限定されるものではなく、試験管 キュベットに血液検体を採取して透過吸光 を測定するタイプなど、種々の形態の測定 置によって実現される。

 また、上述した実施の形態では、ヘモグ ビンに特異的な吸収波長の光に対する血液 体の光学特性を測定したのち、色素に特異 な吸収波長の光に対する血液検体の光学特 を測定した。しかしながら、ヘモグロビン 吸収波長の光に対する血液検体の光学特性 色素の吸収波長の光に対する血液検体の光 特性とは、同時点に測定されてもよい。

 以下、実施例を用いて本発明の実施の形 をより詳細に説明する。しかしながら、本 明は、本実施例によって何ら限定されるも ではない。

 (比較例)
 まず、血糖値およびヘマトクリット値が既 の血液検体を作成した。作成した血液検体 血糖値は、0mg/dl、45mg/dl、117mg/dl、465mg/dlで り、ヘマトクリット値は、20%、40%、60%であ た。

 また、発色試薬を含浸して40℃で30分間乾 燥させた厚さ約150μmのポリエーテルスルホン 膜を、試験紙として用いたチップを準備した 。発光試薬は、グルコースオキシターゼ(150mg )、ペルオキシターゼ(75mg)、4-アミノアンチピ リン(10mg)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホ ロピル)-m-トルイジン(20mg)、および0.2Mリン 緩衝液(pH6)(15ml)の組成を有していた。毛細管 現象により血液検体を導入するチップの細管 部の材質は、アクリル樹脂であり、その内径 は、0.35mmであった。

 そして、5μl以上の血液検体をチップの細 管部からホルダ内部に導入して試験紙の裏面 から吸収させるとともに、ヘモグロビンの特 定の吸収波長(545nm)の光を試験紙の前面に照 して、呈色開始時点から5秒後の試験紙の反 率を測定した。反射率の測定には、色差計( 日本分光社、シグマ80)を使用した。そして、 測定された反射率に基づいて、各検体のヘマ トクリット値を算出した。なお、本比較例で は、図8に示すとおり、ヘモグロビンの吸収 長の光に対する血液検体の吸光度とヘマト リット値との関係を示す変換テーブルは、 小二乗法によって算出される1次の多項式(近 似直線)であった。測定結果を表1に示す。

 表1に示すとおり、実際のヘマトクリット 値(実Ht)と、測定し計算によって求めたヘマ クリット値(Ht計算値)との間には誤差が生じ いる。実際のヘマトクリット値と測定した マトクリット値との間の誤差の標準偏差は 3.53であった。

 (実施例1)
 実施例1では、比較例と同様の条件で複数の 血液検体を試験紙に吸収させたのち、ヘモグ ロビンの特定の吸収波長(545nm)の光と、血液 体の呈色反応に関わる色素の特定の吸収波 (630nm)の光を照射して、呈色開始時点から10 後の試験紙の反射率を測定した。そして、 定した2つの反射率に基づいて、ヘマトクリ ト値を算出した。測定結果を表2に示す。

 表2に示すとおり、実際のヘマトクリット 値(実Ht)と、測定し計算によって求めたヘマ クリット値(Ht計算値)との間の誤差の標準偏 は、1.60であった。したがって、波長の異な る2つの光を用いることによって、ヘマトク ット値を精度よく測定できることが確認さ た。

 (実施例2)
 実施例2では、比較例と同様の条件で複数の 血液検体を試験紙に吸収させたのち、まず、 ヘモグロビンの特定の吸収波長(545nm)の光を 射して、呈色開始時点から5秒後の試験紙の 射率を測定した。次に、色素の特定の吸収 長(630nm)の光を照射して、呈色開始時点から 10秒後の試験紙の反射率を測定した。そして 測定した2つの反射率に基づいて、ヘマトク リット値を算出した。測定結果を表3に示す

 表3に示すとおり、実際のヘマトクリット 値(実Ht)と、測定し計算によって求めたヘマ クリット値(Ht計算値)との間の誤差の標準偏 は、1.35であった。したがって、波長の異な る2つの光を用いることに加えて、545nmの波長 の光に対する吸光度を、630nmの波長の光に対 る吸光度よりも早い時点において測定する とによって、ヘマトクリット値をより高精 に測定できることが確認された。

 なお、本出願は、2008年3月25日に出願され た日本国特許出願第2008-078880号に基づいてお 、その開示内容は、参照により全体として 用されている。

符号の説明

10 成分測定装置、
20 測定装置本体部、
21 測光部、
25 発光素子、
26 受光素子、
30 チップ、
32 試験紙、
40 制御部、
41 CPU、
42 データ記憶部。




 
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