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Patent Searching and Data


Title:
AGENT FOR RELIEF OR PREVENTION OF XEROSTOMIA
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093793
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition which can relief or prevent xerostomia more safely and more effectively. Specifically disclosed are: an agent for the relief or prevention of xerostomia, which comprises oxidized coenzyme Q and/or reduced coenzyme Q as an active ingredient; a composition (e.g., a food, a health food, a dietary supplement, a supplement, an oral health care product, a drug, a quasi drug, a pet food, a animal feed) comprising the agent; and a method for treatment of xerostomia and a method for reducing the risk of xerostomia, which are characterized by administering the composition.

Inventors:
SAITO ICHIRO (JP)
FUJII KENJI (JP)
HAMADA KAZUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051550
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
SAITO ICHIRO (JP)
FUJII KENJI (JP)
HAMADA KAZUYA (JP)
International Classes:
A61K31/122; A23K1/16; A23L1/30; A61K9/14; A61K9/48; A61K31/05; A61K47/46; A61P1/02
Foreign References:
JP2006070016A2006-03-16
JP2004532831A2004-10-28
JPH07330584A1995-12-19
JPH07330593A1995-12-19
JPH07287560A1995-10-31
Other References:
PORTER S.R. ET AL.: "An update of the etiology and management of xerostomia", ORAL SURG. ORAL MED. ORAL PATHOL. ORAL RADIOL. ENDOD., vol. 97, no. 1, January 2004 (2004-01-01), pages 28 - 46, XP008115258
BULTZINGSLOWEN I. ET AL.: "Salivary dysfunction associated with systemic diseases: systematic review nd clinical management recommendations", ORAL SURG. ORAL MED. ORAL PATHOL. ORAL RADIOL. ENDOD., vol. 103, no. SUPL. S57, March 2007 (2007-03-01), pages E1 - E15, XP005926784
J. AGRIC. FOOD CHEM., vol. 47, 1999, pages 3756 - 3763
FREE RADICAL RESEARCH, vol. 36, 2002, pages 455 - 460
ARCHIVES OF BIOCHEMISTRY AND BIOPHYSICS, vol. 421, 2004, pages 54 - 60
NEUROBIOLOGY OF DISEASE, vol. 18, 2005, pages 618 - 627
See also references of EP 2127646A4
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
下記式(1)で表される酸化型補酵素Qおよび/または下記式(2)で表される還元型補酵素Qを有効成分とすることを特徴とする口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
(上記各式中、nは1~12の整数を表す)
前記酸化型補酵素Qが、前記式(1)中、nが10である酸化型補酵素Q 10 であり、前記還元型補酵素Qが、前記式(2)中、nが10である還元型補酵素Q 10 である、請求項1記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
さらに栄養補助成分および/または健康食品素材を含有する請求項1または2記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
前記栄養補助成分が、アミノ酸、金属イオン、糖類、蛋白質類、脂肪酸類、テアニン、γ-アミノ酪酸、アンセリン、大豆ペプチド、チオレドキシン、小麦グルテン加水分解物、グルタミン、ミルクペプチド、ω-3系脂肪酸、ホスファチジルセリン、アスタキサンチン、ポリフェノール類、緑茶カテキン、サポニン、イチョウ葉エキス、セントジョーンズワート、羅布麻エキス、エゾウコギ、ワサビ、およびリグナン類からなる群より選択される1種以上の成分である、請求項3記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
前記健康食品素材が、ハーブ類、生薬類、きのこ類およびそれらからの抽出物からなる群より選択される1種以上の素材である、請求項3記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
さらに抗酸化物質または/および抗酸化酵素を含有する請求項1~5いずれか1項記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
前記抗酸化物質が、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミンC、ビタミンC誘導体、リコペン、ビタミンA、カロテノイド類、ビタミンB、ビタミンB誘導体、フラボノイド類、グルタチオン、α-リポ酸およびセレンからなる群より選択される1種以上の物質である、請求項6記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
抗酸化酵素が、スーパーオキサイドディスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、グルタチオン還元酵素、カタラーゼおよびアスコルビン酸ペルオキシダーゼからなる群より選択される1種以上の酵素である、請求項6記載の口腔内乾燥症の緩和または予防剤。
請求項1~8いずれか1項記載の口腔内乾燥症状の緩和または予防剤を含有する、口腔内乾燥症状の緩和または予防用組成物。
前記組成物が食品、健康食品、栄養補助食品、サプリメント、ペットフード、及び飼料からなる群から選択される少なくとも1種の口腔内乾燥症の緩和または予防用製品である請求項9記載の組成物。
前記組成物が、口腔内乾燥症の緩和または予防用医薬品または医薬部外品である、請求項9記載の組成物。
前記組成物が、口腔内乾燥症の緩和または予防用口腔内ヘルスケア製品である、請求項9記載の組成物。
下記式(1)で表される酸化型補酵素Qおよび/または下記式(2)で表される還元型補酵素Qを有効成分とする組成物を、投与対象に投与することを特徴とする、口腔内乾燥症の処置方法。
(上記各式中、nは1~12の整数を表す。)
投与対象が、口腔内乾燥症患者又はその予備軍である請求項13記載の方法。
下記式(1)で表される酸化型補酵素Qおよび/または下記式(2)で表される還元型補酵素Qを有効成分とする組成物を投与対象に投与することを特徴とする、口腔内乾燥症のリスクを軽減する方法。
(上記各式中、nは1~12の整数を表す。)
投与対象が、口腔内乾燥症患者又はその予備軍である請求項15記載の方法。
Description:
口腔内乾燥症の緩和または予防

本発明は、口腔内乾燥症(ドライマウス)の 和または予防剤に関する。詳細には、様々 原因により唾液分泌量が減少することによ て引き起こされる、口腔内乾燥症に関連す 様々な症状の緩和、あるいはその予防に適 た、補酵素Qを有効成分として含有すること を特徴とする口腔内乾燥症(ドライマウス)の 和または予防剤を提供するものである。

口腔内乾燥症は一般的に、Xerostomiaあるい ドライマウスと呼ばれ、多くの原因によっ 、唾液分泌量が減少または欠乏することを 徴とする一般に経験される病気である。唾 分泌には極めて多くの因子が関連するため 口腔内乾燥症の原因の探究は極めて難しい その原因として挙げられるのは、唾液腺の 質的変化を起こす各種疾患、全身性疾患に う唾液腺の病変、放射線治療による唾液腺 破壊、HIV感染(エイズ)、加齢による分泌機能 の低下、各種薬剤の服用による影響、更には 複雑な社会生活条件に対する精神的な疲労や ストレスによってもこの症状を呈することが 知られている。

特に高齢者では、口腔内乾燥は日常的に見 られる徴候であり、70歳以上の年齢層では男 の約16%、女性の約25%に口腔内乾燥の症状が められる。この原因は加齢による唾液腺の 行性変化と、それに伴う唾液分泌量の低下 考えられている。また、口腔内乾燥症の原 として種々の薬剤による影響も指摘されて る。例えば、トリクロルメチアザイドやフ セミド等の利尿剤、レセルピンや塩酸クロ ジン等の降圧剤、硫酸アトロピン等の抗コ ン剤、マレイン酸クロルフェニラミン等の ヒスタミン剤、また各種の鎮咳去痰剤、抗 ーキンソン剤、向精神剤、抗うつ剤、トラ キナイザー、筋弛緩剤等が口腔内乾燥症を き起こす薬剤として挙げられる。さらに口 外科、耳鼻咽喉科領域における悪性腫瘍に しては、放射線療法が重要性を増している 、照射範囲の関係で放射線による唾液腺の 大な損傷は避けがたく、その結果として特 重度の口腔内乾燥症を発症しやすい。放射 療法の普及に伴い、今後も口腔内乾燥症の 者数が増加することが予測されている。

口腔内乾燥症に罹ると、単に口腔内の乾燥 感を覚えるだけでなく、口腔内の灼熱感、疼 痛、舌痛、味覚異常、舌乳頭萎縮、口腔粘膜 の炎症、びらん、潰瘍形成、舌や口角の亀裂 、その他咀嚼、嚥下及び発声・会話の困難、 睡眠の中断、摂食障害を引き起こし、経管栄 養や点滴に体内への栄養の補給を頼らざるを 得なくなる場合もある。さらに口腔内乾燥症 は口腔粘膜の潰瘍、齲食、歯周病を含めた歯 科疾患、口腔内や呼吸器感染症の頻度の増加 、口臭の原因となり、これらに対する適切な 対応が強く要求されている。

現在、口腔内乾燥症の緩和を目的とする成 分等として、人工唾液、含嗽剤、ヒアルロン 酸、コンドロイチン硫酸配合保湿洗口剤等が あるが、これは一時的な口腔内の湿潤をもた らすに過ぎない。唾液分泌促進剤(例えば塩 セビメリン)や各種の漢方薬による口腔内乾 症の改善も試みられているが、好ましくな 副作用が認められる場合があり、また口腔 乾燥症の緩和や予防に関する十分な効果が られているとはいえない。

補酵素Qは、その側鎖の繰り返し構造により 補酵素Q 1 から補酵素Q 13 までが知られているが、哺乳動物においては 、補酵素Q 10 が主要な補酵素Qであり、ヒトでは補酵素Q 10 が用いられている。補酵素Qは、ミトコンド ア、リソゾーム、ゴルジ体、ミクロソーム ペルオキシソーム、或いは細胞膜などに局 し、ミトコンドリアでは電子伝達系の構成 分としてATP産生賦活、生体内での抗酸化作 、膜安定化に関与している事が知られてい 生体の機能維持に必要不可欠な物質である 電子伝達系では、補酵素Qは酸化還元を繰り すことで、電子を伝達することが知られて る。

補酵素Qとしては、酸化型と還元型が知ら ており、酸化型は「ユビキノン」、還元型 「ユビキノール」と命名されている。また 体内の補酵素Qはそのほとんどが還元型とし 存在しており、生体内に吸収された酸化型 酵素Qは細胞内において還元酵素により還元 型に変換される。また、抗酸化作用は還元型 補酵素Qが体内の活性酸素と反応することに り発揮されるものであることから、還元型 酵素Qが抗酸化活性を示す。このように生体 においては、補酵素Qの多くが還元型として 存在していることや、還元型のみが抗酸化活 性を示すことなどから、還元型補酵素Qが生 内での主要な有効成分であると考えられる

しかしながら、還元型補酵素Qは空気中で 化されて酸化型補酵素Qに変換されやすく、 気中での安定性に問題がある。従って、こ まで産業上は空気中での安定性に優れる酸 型補酵素Qのみが用いられてきた。そのよう な背景から、従来の報告において補酵素Qと 載がある場合は特に断りのない限り酸化型 酵素Qのことを示すのが一般的であり、還元 を指す場合は、単に「補酵素Q」とは表記せ ず、「ユビキノール」あるいは「還元型補酵 素Q」と記載されている。

酸化型補酵素Qは、従来うっ血性心不全の めの補助薬として用いられてきたものであ 。近年では、健康食品として全世界で広く いられている。その生理活性は幅広く研究 れており、抗糖尿病、抗疲労、抗動脈硬化 ど多くの生理活性が知られている(特許文献1 ~3)。また副作用の報告の非常に少ない化合物 でもある。また、動物を用いた安全性試験で も、ラットを用いて1.2g/kg/dayという高い投与 で52週間連投した場合でも、全く毒性所見 認められず、高い安全性が証明されている 合物である(非特許文献1)。

また代表的な神経変性疾患であるパーキン ソン病モデルマウスにおいて酸化型補酵素Q その症状の改善効果を示すことが報告され いる(非特許文献2)。さらにin vitroの系にお て神経細胞に過酸化水素を曝露し細胞死を 発する系においても同様に酸化型補酵素Qの 用により抑制されることが報告されている( 非特許文献3、4)。

しかしながら、補酵素Qの口腔内乾燥症に対 る有効性についてこれまでに報告された例 ない。

特開平7-330584号公報

特開平7-330593号公報

特開平7-287560号公報 J.Agric.Food Chem.1999.Vol.47 3756-3763 Free Radical Research.2002.Vol.36 455-460 Archives of Biochemistry and Biophysics 2004.Vol. 421 54-60 Neurobiology of Disease 2005.Vol.18 618-627

本発明は、口腔内乾燥症(ドライマウス)患 の口腔内の乾燥および乾燥感の緩和または 防剤を提供することを目的とする。また該 和または予防剤を含有する食品、健康食品 栄養補助食品、サプリメント、医薬品、医 部外品、ペットフード、または飼料等の安 な組成物を提供することを目的とする。

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意 研究を行った結果、酸化型補酵素Qおよび/ま は還元型補酵素Qを有効成分として含有する 組成物が、唾液分泌量を増やす効果を有する ことを発見した。即ち本発明の第一の態様は 、酸化型補酵素Qおよび/または還元型補酵素Q を有効成分として含有することを特徴とする 、口腔内乾燥症(ドライマウス)の緩和または 防剤に関する。
また本発明の第二の態様は、上記緩和または 予防剤を含有する、食品、健康食品、栄養補 助食品、サプリメント、口腔内ヘルスケア製 品、医薬品、医薬部外品、ペットフード、ま たは飼料に関する。
本発明の第三の態様は、酸化型補酵素Qおよ /または還元型補酵素Qを有効成分とする組成 物を、投与対象に投与することを特徴とする 口腔内乾燥症の処置方法に関する。
本発明の第四の態様は、酸化型補酵素Qおよ /または還元型補酵素Qを有効成分とする組成 物を、投与対象に投与することを特徴とする 口腔内乾燥症のリスクを軽減する方法に関す る。

以下に本発明を詳述する。

本発明において、「口腔内乾燥症(Xerostomia) 」とは、唾液分泌の阻害、減少又は無唾液症 による口の乾燥を伴う状態をいう。

本発明において、「口腔内乾燥症患者」とは 、サクソン(Saxon)テスト法によって測定され 唾液分泌量が2.0g/2min.以下の者をいう。
また、「口腔内乾燥症患者の予備軍」とは、 唾液腺の器質的変化を起こす各種疾患、全身 性疾患に伴う唾液腺の病変、放射線治療によ る唾液腺の破壊、HIV感染(エイズ)などをわず う者や、加齢により分泌機能が低下した者 トリクロルメチアザイドやフロセミド等の 尿剤、レセルピンや塩酸クロニジン等の降 剤、硫酸アトロピン等の抗コリン剤、マレ ン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン 、また各種の鎮咳去痰剤、抗パーキンソン 、向精神剤、抗うつ剤、トランキナイザー 筋弛緩剤等の各種薬剤を服用する者、放射 療法を受ける者、さらには精神的な疲労や トレスに晒されている者の他、唾液分泌量 正常範囲ではあるが少なめである者、例え サクソンテスト法によって測定される唾液 泌量が3.0g/2min.以下の者をいう。

ここで、上記サクソンテスト法は次のように 行う。
あらかじめ重量を測定しておいたガーゼを被 験者に2分間噛ませ、2分間噛んだ後のガーゼ 重量を測定する。2分間噛んだ後のガーゼの 重量と噛む前のガーゼの重量との差を唾液分 泌量として算出する。

本発明の第一の態様の口腔内乾燥症の緩和ま たは予防剤は、下記式(1)で表される酸化型補 酵素Qおよび/または下記式(2)で表される還元 補酵素Qを有効成分として含有することを特 徴とする。
一般式(1):

一般式(2):

(上記各式中、nは1~12の整数を表す。)

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 は、上述した口腔内乾燥症に関連する症状を 緩和する、あるいはそのような症状が発生す ることを予防する作用を有する。口腔内乾燥 症に関連する症状としては、口腔内の乾燥感 だけでなく、口腔内の灼熱感、疼痛、舌痛、 味覚異常、舌乳頭萎縮、口腔粘膜の炎症、び らん、潰瘍形成、舌や口角の亀裂、その他咀 嚼、嚥下及び発声・会話の困難、睡眠の中断 、摂食障害などがある。また、本発明の緩和 または予防剤は、口腔内乾燥症に起因する口 腔粘膜の潰瘍、齲食、歯周病を含めた歯科疾 患、口腔内や呼吸器感染症の頻度の増加、口 臭の発生などの症状を緩和し、または症状の 発生を予防する作用も有する。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 の有効成分である酸化型補酵素Qは、従来か の公知の方法、例えば、発酵法、合成法、 植物からの抽出法によって得られるものを 用することが可能である。このうち、発酵 などの合成法以外によって得られるオール ランス構造であるものが、安全性の観点か 好ましい。発酵法で得られるものとしては カネカ・コエンザイムQ10(登録商標)(株式会 カネカ製)が例示できる。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤の 有効成分である還元型補酵素Qを得る方法と ては特に限定されず、以下のような方法が げられる。例えば、従来の方法で補酵素Qを た後、液体クロマトグラフィーを行い、還 型補酵素Q画分を濃縮する方法などが挙げら れる。また必要に応じて上記補酵素Qに対し 水素化ほう素ナトリウム、亜ジチオン酸ナ リウム(ハイドロサルファイトナトリウム)等 の一般的な還元剤を添加し、常法により上記 補酵素Q中に含まれる酸化型補酵素Qを還元し 還元型補酵素Qとした後に液体クロマトグラ フィーを行っても良い。また、既存の酸化型 を主成分とする高純度補酵素Qに上記還元剤 作用させる方法によっても還元型補酵素Qを ることが出来る。あるいは、還元型補酵素Q を含有する菌体等を使用することも可能であ る。あるいは、酸化型補酵素Qをビタミン類 どの還元力を持つ物質と共に製剤化するこ により、酸化型補酵素Qを還元型補酵素Qに還 元することも可能である。また最近販売が開 始された、高純度の還元型補酵素Q 10 である、KANEKA QH(登録商標)(株式会社カネカ )も好ましく使用できる。また、公知の方法 よって得られた酸化型と還元型の混合物で る補酵素Qをそのまま使用してもよい。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 においては、酸化型補酵素Q、還元型補酵素Q いずれもその有効成分として使用できる。 た酸化型補酵素Qおよび還元型補酵素Qの混 物である補酵素Qを有効成分として含有して よい。混合物の場合、補酵素Q中の酸化型と 還元型の割合は適宜決定できる。補酵素Q中 還元型補酵素Qの割合を極端に高める事は、 の安定化対策などでコストが高まる可能性 あるが、より高い緩和または予防効果が期 できる。補酵素Q全体の中での還元型補酵素 Qの割合は、好ましくは20重量%以上であり、 に好ましくは40重量%以上、最も好ましくは80 重量%以上である。本願明細書中で単に「補 素Q」と記載した場合は、酸化型補酵素Q単独 、還元型補酵素Q単独、酸化型と還元型の混 物のいずれをも意味するものである。

補酵素Q中の酸化型と還元型の割合を決定 る方法としては、通常、UV検出器を用いたHPL Cシステムにより、試料中の酸化型補酵素Qと 元型補酵素Qを定量し、その量比をもって算 出する方法と、HPLCに電気化学的検出器を組 込んだシステムにより酸化型補酵素Qと還元 補酵素Qの割合をピーク面積から算出する方 法とがある。電気化学的検出器を組み込んだ システムでは、酸化還元物質を特異的に測れ ることと感度が高いことから、生体あるいは 試料に微量に存在する還元型の割合を測定す る場合は、有用性が高い。本発明で示す酸化 型補酵素Qと還元型補酵素Qの割合は全て、電 化学的検出器を組み込んだHPLCシステムによ って定量したものであるが、もちろん上記割 合の測定方法はこのシステムによる測定方法 に限定されない。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤に おいては、ヒトを含む多くの哺乳動物では補 酵素Q 10 が主要な補酵素Qであることから、補酵素Qと て、nが10である補酵素Q 10 を使用するのが好ましい。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 は、補酵素Qのみをそのまま単体として含有 ても良いが、補酵素Qが脂溶性であることか 、一般の食用油脂を補酵素Qと共に含有する のが好ましい。具体的には、一般の食用油脂 中に補酵素Qを分散、溶解させて調製するの 好ましい。上記食用油脂としては、例えば シ油、パーム油、パーム核油、アマニ油、 ばき油、玄米胚芽油、アボガド油、菜種油 米油、落花生油、コーン油、小麦胚芽油、 豆油、エゴマ油、綿実油、ヒマワリ種子油 カポック油、月見草油、シア脂、サル脂、 カオ脂、ゴマ油、サフラワー油、オリーブ 、豚脂、乳脂、魚油、牛脂、及びこれらを 工した油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド、 びに脂肪酸の部分グリセリドなどが挙げら る。

或いは、公知の形態、例えばシクロデキス トリンによる包接体、水中油型乳化物等の形 態に加工することも可能である。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 は、補酵素Qの他、さらに栄養補助成分や健 食品素材を共に含む事が出来る。

上記栄養補助成分としては、特に限定はさ れないが、アミノ酸、金属イオン、糖類、蛋 白質類、脂肪酸類、テアニン、γ-アミノ酪酸 (GABA)、アンセリン、大豆ペプチド、チオレド キシン、小麦グルテン加水分解物、グルタミ ン、ミルクペプチド、ドコサヘキサエン酸、 エイコサペンタエン酸などのω-3脂肪酸、ホ ファチジルセリン、アスタキサンチン、ポ フェノール類、緑茶カテキン、サポニン、 チョウ葉エキス、セントジョーンズワート 羅布麻エキス、エゾウコギ、ワサビ、セサ ンなどのリグナン類などが挙げられる。

上記健康食品素材としては、特に限定され ないが、ハーブ類、生薬類、キノコ類などや それらからの抽出物が挙げられる。ハーブ類 としては例えばイタリアンパセリ、エリキャ ンペーン、オリーブ、オレガノ、カールドン 、カモミール、カレープラント、キャットニ ップ、キャラウェイ、クリスマスローズ、ク リムソンクローバ、コーンフラワー、コモン マロウ、サラダバーネット、サントリナ、シ ナモン、ジャスミン、ステビア、セージ、セ イヨウボダイジュ、センテッドゼラニウム、 ソープワート、ソロモンズシール、タイム、 タンジー、チャービル、チャイブ、ナスタチ ウム、ナツメ、バジル、ハニーサックル、ヒ ソップ、フラックス、フェンネル、フォック スグローブ、ブラックリーホーリーホック、 フレンチマリーゴールド、ベトニー、ヘリオ トロープ、ベルガモット、ヘンプアグリモニ ー、ヘンルーダ、ポットマリーゴールド、ボ リジ、ホワイトホアハウンド、マートル、マ ーレイン、マジョラム、ミント、ヤロウ、ラ ベンダー、レディースベッドストロー、レモ ングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、 ローズ、ローズマリー、ロケット、ワイルド ストロベリー、ワイルドパンジー、わすれな 草などが挙げられるが、これに限定されるも のではない。生薬類としては例えばアカネコ ン、アキョウ、アケビ、アセンヤク、イカリ ソウ、イスイ、イチョウ、イレイセン、イン チンコウ、ウイキョウ、ウコン、ウゾッコツ 、ウズ、ウバイ、ウヤク、ウヨリョウ、エン ゴサク、オウギ、オウゴン、オウセイ、オウ バク、オウレン、オオツヅラフジ、オオバコ 、オンジ、カイカ、カイキンシャ、カイゴシ ツ、カイトウヒ、ガイハク、ガイヨウ、カゴ ソウ、カシ、カシュウ、ガジュツ、カッコウ 、カッコン、カッセキ、カヤ、カロコン、カ ロニン、カンキョウ、カンゾウ、カンレンソ ウ、キキョウ、キクカ、キコク、キジツ、キ ハダ、キバン、ギュウカク、キョウカツ、キ ョウニン、ギョクチク、キンオウシ、ギンギ ョウ、キンギンカ、キンセンソウ、キンミズ ヒキ、クコシ、クジン、クセキ、ケイガイ、 ケイケットウ、ケイシ、ケイヒ、ケツジツ、 ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンジン、コウイ、 コウカ、ゴウカンヒ、コウコウ、コウシ、コ ウジュ、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴカ ヒ、ゴシツ、ゴシュウ、コショウ、コツサイ ホ、コトウニク、ゴバイシ、コハク、ゴボウ シ、ゴマ、ゴミシ、コロハ、サイコ、サイシ ン、サフラン、サヨウ、サンザシ、サンジコ 、サンシシ、サンシャ、サンシュユ、サンシ ョウ、サンズコン、サンソニン、サンヤク、 サンリョウ、ジオウ、シオン、シカジチョウ 、シカラク、ジコッピ、シコン、ジセキ、シ セキエイ、シソ、シソシ、シソヨウ、シツリ シ、ジフシ、シャクセキシ、シャクヤク、ジ ャショウシ、シャジン、シャゼンシ、シャゼ ンソウ、シャチュウ、ジュウイシ、シュクシ ャ、ショウキョウ、ショウブコン、ショウマ 、ショウモク、ジョテイシ、ジリュウ、シン イ、シンギク、ジンギョウ、ジンコウ、スイ テツ、セイソウコン、セイソウシ、セイタイ 、セイヒ、セキイ、セキシャク、セキショウ コン、セキリュウヒ、セッケツメイ、セッコ ウ、センカクソウ、センキュウ、ゼンコ、セ ンタイ、センプクカ、センレンシ、ソウカ、 ソカクシ、ソウシ、ソウジシ、ソウジュツ、 ソウズク、ソウハクヒ、ソウヒョウショウ、 ソボク、ソヨウ、ダイオウ、タイセキシャ、 ダイセイヨウ、タイソウ、ダイフクヒ、タク シャ、タクラン、タンジン、チクジョ、チク モウ、チモ、チョウトウコウ、チョレイ、チ ンピ、テイレキシ、テンカフン、テンジクオ ウ、テンナンショウ、テンマ、テンモンドウ 、トウガシ、トウキ、トウシン、トウチュウ カソウ、ドッカツ、トウニン、トシシ、トチ ュウ、ニクジュヨウ、ニクズク、ニュウコウ 、ニンジン、ニンドウ、ネズミモチ、ハクガ イシ、バクガ、ハクニシン、ハクズク、ハク センピ、ハクトウオウ、ハクヘンズ、バクモ ントウ、ハゲキテン、ハッカ、ハマボウフウ 、ハンゲ、バンコウカ、ヒカイ、ヒシ、ビャ クゴウ、ビョクシ、ビャクジュツ、ビョクシ 、ビャクジュツ、ビャクダン、ビャクビ、ビ ャクブコン、ビャッカジャゼッソウ、ビャッ キュウ、ビャッキョウサン、ビンロウジ、フ クボンシ、ブクリョウ、ブシ、ベッコウ、ベ ニバナ、ヘンチク、ボウイ、ボウコン、ボウ フウ、ホオウ、ホコウエイ、ホコツシ、ボタ ンピ、ボレイ、マイカイカ、マオウ、マオウ コン、マシニン、マンケイシ、ミツモウカ、 ミロバラン、モクツウ、モクゾク、モッカ、 モッコウ、ヤカン、ヤクチ、ヤクモソウ、ヤ コウトウ、ユウタン、ヨクイニン、ヨモギ、 ライガン、ライフクシ、ラカンカ、リュウガ ンニク、リュウキド、リュウコツ、リュウタ ン、リョウキョウ、リョクズ、レンギョウ、 レンセンソウ、レンニク、ロクジョウ、ロホ ウボウなどが挙げられるが、これに限定され るものではない。きのこ類としては、マツタ ケ、マイタケ、シイタケ、エノキ、シメジ、 エリンギ、ブナハリタケなどが挙げられる。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 には、補酵素Qの他、さらに抗酸化物質や抗 化酵素を共に含有する事もできる。上記抗 化物質としては特に限定はされないが、例 ば、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミン C、ビタミンC誘導体、リコペン、ビタミンA、 カロテノイド類、ビタミンB、ビタミンB誘導 、フラボノイド類、グルタチオン、α-リポ 、セレンなどが挙げられる。また、上記抗 化酵素としては、特に限定はされないが、 えば、スーパーオキサイドディスムターゼ( SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グル チオン-S-トランスフェラーゼ、グルタチオ 還元酵素、カタラーゼ、アスコルビン酸ペ オキシダーゼなどが挙げられる。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 には、以上例示したような抗酸化物質、抗酸 化酵素、栄養補助成分、健康食品素材を1種 独で、または2種類以上適宜組み合わせて、 いることが出来る。

本発明の緩和または予防剤中の抗酸化物質 、抗酸化酵素、栄養補助成分、健康食品素材 の配合量については特に限定されないが、総 補酵素Q量(酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの 計量)100重量%に対して、1~10000重量%であるの 好ましく、10~1000重量%であるのがより好ま い。上記配合量が総補酵素Q量100重量%に対し て1重量%未満の場合、これら成分を併用する 果があまりなく、10000重量%を超えると、相 的に補酵素Qの配合量が低下するために、本 発明の効果があまり得られない場合がある。

本発明の緩和または予防剤中の総補酵素Q は、特に限定されないが、緩和または予防 の総重量100重量%に対し通常1~100重量%、好ま くは5~80重量%、より好ましくは10~60重量%で る。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 には、更に、上記成分の他に薬剤学的に、あ るいは食品として許容される他の素材を、常 法により適宜添加混合してもよい。このよう なものとしては特に限定されず、例えば、賦 形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤 、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補 助剤、安定化剤、滋養強壮成分などが挙げら れる。

上記賦形剤としては特に限定されず、例えば 、白糖、乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、 マンニト-ル、結晶セルロース、リン酸カル ウム、硫酸カルシウム、などが挙げられる 上記崩壊剤としては特に限定されず、例え 、澱粉、寒天、クエン酸カルシウム、炭酸 ルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキスト ン、結晶セルロース、カルボキシメチルセ ロース、トラガント等が挙げられる。上記 沢剤としては特に限定されず、例えば、タ ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチ ングリコール、シリカ、硬化植物油等が挙 られる。上記結合剤としては特に限定され 、例えば、エチルセルロース、メチルセル ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー 、トラガント、シェラック、ゼラチン、ア ビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビ ルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタ リル酸、ソルビトール等が挙げられる。上 酸化防止剤としては特に限定されず、例え 、アスコルビン酸、トコフェロール、ビタ ンA、β-カロチン、亜硫酸水素ナトリウム、 オ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム クエン酸などが挙げられる。上記着色剤と ては特に限定されず、例えば、医薬品に添 することが許可されているものなどを使用 ることができる。上記凝集防止剤としては に限定されず、例えばステアリン酸、タル 、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸など 挙げられる。上記吸収促進剤としては特に 定されず、例えば高級アルコール類、高級 肪酸類、グリセリン脂肪酸エステルなどの 面活性剤などが挙げられる。上記溶解補助 としては特に限定されず、例えばフマル酸 コハク酸、りんご酸などの有機酸などが挙 られる。上記安定化剤としては特に限定さ ず、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム パラオキシ安息香酸エチルなどが挙げられ 。滋養強壮成分としては、特に限定はされ いが、例えば、クレアチン、タウリン、ビ ミンB 1 、ビタミンB誘導体、アミノ酸およびこれら 物質の混合物が挙げられる。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 はそのままでも投与することができるが、緩 和または予防剤を含有する組成物として、食 品、健康食品、栄養補助食品、サプリメント 、口腔内ヘルスケア製品、医薬品、医薬部外 品、ペットフード、または飼料に加工するこ ともできる。ここでいう「健康食品」とは、 いわゆる健康食品の他、健康補助食品、特定 保健用食品、栄養機能食品など、医薬品以外 で健康維持のために摂取出来る食品形態の全 てを指している。これらの組成物は本願発明 の第二の態様である。

本発明の緩和または予防剤の剤型は特には 限定されないが、カプセル剤、マイクロカプ セル剤、ソフトカプセル剤、錠剤、散剤、チ ュアブル製剤、シロップ、液剤などの、経口 的に摂取出来る形態;食用油脂組成物、調理 類、スプレー油類、バター類、マーガリン 、ショートニング類、ホイップクリーム類 濃縮乳類、ホワイトナー類、ドレッシング 、ピックル液類、パン類、ケーキ類、パイ 、クッキー類、和菓子類、スナック菓子類 油菓子類、チョコレート及びチョコレート 子類、米菓類、ルウ類、ソース類、たれ類 トッピング類、氷菓類、麺類、ベーカリー ックス類、フライ食品類、加工肉製品類、 産練り製品類、冷凍アントレ類、畜産冷凍 品、農産冷凍食品などの冷凍食品類、米飯 、ジャム類、チーズ、チーズフード、チー 様食品、ガム類、キャンデイー類、発酵乳 、缶詰類、飲料類などの一般食品としての 態;貼付剤、ローション、スプレーなど外皮 通じて、有用成分を体内に送り込む形態;な どが挙げられる。特に、口腔内ヘルスケア製 品としては、歯磨き剤、マウスウォッシュ、 口腔用スプレーなどが挙げられる。

本発明の第三の態様は、酸化型補酵素Qお び/または還元型補酵素Qを有効成分とする組 成物を、投与対象に投与することを特徴とす る口腔内乾燥症の処置方法に関する。

上記組成物を投与する方法は特に限定され ず、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、髄 腔内投与、皮下投与、舌下投与、経直腸投、 経腟投与、点眼、経鼻投与、吸入、経皮投与 、経皮的吸収投与などが挙げられる。中でも 、最も便利でかつ最も安全であることから、 経口投与が好ましい。

上記投与対象は、口腔内乾燥症患者または その予備軍が好ましい。

上記組成物を投与する際の剤型は、特には 限定されないが、カプセル剤、マイクロカプ セル剤、ソフトカプセル剤、錠剤、散剤、チ ュアブル製剤、シロップ、液剤などの、経口 的に摂取出来る形態;食用油脂組成物、調理 類、スプレー油類、バター類、マーガリン 、ショートニング類、ホイップクリーム類 濃縮乳類、ホワイトナー類、ドレッシング 、ピックル液類、パン類、ケーキ類、パイ 、クッキー類、和菓子類、スナック菓子類 油菓子類、チョコレート及びチョコレート 子類、米菓類、ルウ類、ソース類、たれ類 トッピング類、氷菓類、麺類、ベーカリー ックス類、フライ食品類、加工肉製品類、 産練り製品類、冷凍アントレ類、畜産冷凍 品、農産冷凍食品などの冷凍食品類、米飯 、ジャム類、チーズ、チーズフード、チー 様食品、ガム類、キャンデイー類、発酵乳 、缶詰類、飲料類などの一般食品としての 態;貼付剤、ローション、スプレーなど外皮 通じて、有用成分を体内に送り込む形態;な どが挙げられる。特に、口腔内ヘルスケア製 品としては、歯磨き剤、マウスウォッシュ、 口腔用スプレーなどが挙げられる。

本発明の上記組成物が、補酵素Qのうち酸 型補酵素Qのみを有効成分として含有する場 (すなわち還元型を含まない場合)、酸化型 酵素Qの一日あたりの有効投与量は、成人の 合50~1000mg、好ましくは、100~600mg、更に好ま くは200~350mgである。投与量が50mg未満では十 分に口腔内乾燥症を緩和、予防作用が得られ ない場合がある。但し、これらの投与量は、 製剤の剤型によって異なることも知られてお り、高吸収性製剤であれば、更に低い投与量 で、所定の目的を達することも期待できる。 上記組成物が、補酵素Qのうち還元型補酵素Q みを有効成分として含有するものである場 (すなわち酸化型を含まない場合)、還元型 酵素Qの一日あたりの有効投与量は、成人の 合10~500mg、好ましくは、30~300mg、更に好まし くは50~150mgである。また酸化型補酵素Qと還元 型補酵素Qの混合物を有効成分として含有す 場合、酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qを合わ せた全補酵素Qの一日あたりの有効投与量は 酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの存在割合に よっても違うため、一概に規定できないが、 成人の場合10~450mg、好ましくは、20~300mg、更 好ましくは30~200mgである。還元型補酵素Qは 化型補酵素Qに比較して経口吸収性、粘膜吸 性が高いことが知られていることから、酸 型補酵素Qに比較して、低用量で同程度の効 果が得られる。

本発明の第四の態様は、酸化型補酵素Qお び/または還元型補酵素Qを有効成分とする組 成物を、投与対象に投与することを特徴とす る口腔内乾燥症のリスク(発症や再発のリス )を軽減する方法に関する。

上記組成物を投与する方法は特に限定され ず、上記口腔内乾燥症の処置方法と同様の方 法で投与することができる。投与対象、剤形 、投与量についても同様である。

本発明の口腔内乾燥症の緩和または予防剤 は、唾液分泌量を増加させることにより、様 々な原因による口腔内乾燥症に伴う症状を緩 和および予防することに優れた作用を有する 。また、副作用を伴わず、日常的に摂取が可 能である。本発明の口腔内乾燥症の緩和また は予防剤を含有する組成物は、食品、健康食 品、栄養補助食品、サプリメント、口腔内ヘ ルスケア製品、医薬品、医薬部外品、ペット フード、または飼料として有用である。また 口腔内乾燥症の処置方法及び口腔内乾燥症の リスクを軽減する方法においては、酸化型補 酵素Qおよび/または還元型補酵素Qを有効成分 とする組成物を、投与対象に投与することで 、唾液分泌量を効果的に増加させることがで きる。

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的 に説明するが、本発明はこれらの実施例に限 定されるものではない。

(実施例1)口腔内乾燥症患者における補酵素Q 10 摂取による唾液分泌量の増加効果
口腔内乾燥症(ドライマウス)外来患者23名(女 23名、うちシェーグレン症候群患者21名)を 群に分け、このうち、9名に表1記載の組成の 酸化型補酵素Q 10 含有カプセル(被験食1、一粒当たりの量:240mg) を、別の9名に表1記載の組成の還元型補酵素Q 10 含有カプセル(被験食2、一粒当たりの量:240mg) をそれぞれ、一ケ月、毎日1粒摂取させ、摂 前後の唾液分泌量を定量した。また、残り 5名にプラセボカプセル(対照食、一粒当たり の量:240mg)を一ケ月、毎日1粒摂取させ、同様 摂取前後の唾液分泌量を定量した。

唾液分泌量はサクソンテスト法によって測 定した。すなわち、あらかじめ重量を測定し ておいたガーゼを、被験者に2分間噛ませ、2 間噛んだ後のガーゼの重量を測定し、噛む のガーゼの重量との差を唾液分泌量として 出した。本実施例においては、上記サクソ テスト法における唾液分泌量が2.0g/2min.以下 の者を口腔内乾燥症患者とし、それを超える 者を健常者とした。なお表2および3には投与 全員の平均値を記載した。

結果を表2に示す。本試験での唾液分泌量は 酸化型補酵素Q 10 摂取前で0.69g/2min.であったのに対し、摂取後 1.28g/2min.と0.59g/2min.の唾液分泌量の有意な増 加が認められた。また、還元型補酵素Q 10 摂取では、摂取前で0.82g/2min.であったのに対 、摂取後は1.52g/2min.と0.7g/2min.の有意差のあ 唾液分泌量の増加が認められ、酸化型補酵 Q 10 摂取よりも高い効果が認められた。

(参考例1)健常者における補酵素Q 10 摂取による唾液分泌量の増加効果
健常者57名(男性12名、女性45名)をボランティ として募った。このうち、22名(男性5名、女 性17名)に表1記載の組成の酸化型補酵素Q 10 含有カプセル(被験食1、一粒当たりの量:240mg) を別の22名(男性5名、女性17名)に表1記載の組 の還元型補酵素Q 10 含有カプセル(被験食2、一粒当たりの量:240mg) をそれぞれ、一ケ月、毎日1粒摂取させ、摂 前後の唾液分泌量を実施例1と同様の方法で 量した。また、残りの13名(男性2名、女性11 )にプラセボカプセル(対照食、一粒当たり 量:240mg)を一ケ月、毎日1粒摂取させ、摂取前 後の唾液分泌量を定量した。

結果を表3に示す。本試験での唾液分泌量は 酸化型補酵素Q 10 カプセル投与群、還元型補酵素Q 10 カプセル投与群、プラセボカプセル投与群い ずれにおいても、摂取前の唾液分泌量に対し て、摂取後の唾液量の有意差のある過剰な増 加は認められなかった。

(実施例2)口腔内乾燥症患者における酸化型補 酵素Q 10 含有ガム摂取による唾液分泌量と唾液中補酵 素Q 10 濃度の増加効果
口腔内乾燥症(ドライマウス)外来患者12名に 酸化型補酵素Q 10 含有ガム(10粒中120mgの酸化型補酵素Q 10 を含有)を、1日に10粒(1回に2粒、合計5回)飲食 直後に最低5分間、2週間で咬んで頂き、摂取 、及び摂取を2週間継続した後の唾液分泌量 を実施例1と同様の方法で測定した。酸化型 酵素Q 10 ガム摂取量の唾液分泌量が0.78g/2min.であった に対し、摂取を2週間継続した後には唾液分 泌量が1.18g/2min.となり、0.40g/2min.の唾液分泌 の増加が認められた。さらに、上記改善効 はStudent t-test統計処理の結果有意差のある のであった。

(製剤例1)(散剤)
酸化型補酵素Q 10 をプロパノールに溶解し、次いでこれを微結 晶セルロースに吸着させた後、減圧下で乾燥 した。これをコーンスターチと混合し、散剤 とした。
酸化型補酵素Q 10            20重量部
微結晶セルロース           40重量部
コーンスターチ            55重量部

(製剤例2)(カプセル剤)
製剤例1と同様に下記処方で散剤を作成した 、常法によりゼラチンカプセルに充填した
酸化型補酵素Q 10            20重量部
微結晶セルロース           40重量部
コーンスターチ            20重量部
乳糖                   65重量部
ステアリン酸マグネシウム        3重量
ポリビニルピロリドン           2重量

(製剤例3)(ソフトカプセル剤)
コーン油を50℃に加温し、同温度で溶融した 化型補酵素Q 10 を加えて溶解した。これを常法によりソフト カプセル化した。
酸化型補酵素Q 10            50重量部
コーン油               350重量部

(製剤例4)(錠剤)
酸化型補酵素Q 10 をプロパノールに溶解し、これを微結晶セル ロースに吸着させた後、減圧下で乾燥した。 これに窒素雰囲気下でコーンスターチ、乳糖 、カルボキシメチルセルロースカルシウム、 ステアリン酸マグネシウムを混合し、次いで ポリビニルピロリドンの水溶液を結合剤とし て加えて常法により顆粒化した。これに滑沢 剤としてタルクを加えて混合した後、錠剤に 打錠した。
酸化型補酵素Q 10              20重量部
コーンスターチ              20重量部
乳糖                     15重量部
カルボキシメチルセルロースカルシウム 10 量部
微結晶セルロース              40重量 部
ポリビニルピロリドン             5重 量部
ステアリン酸マグネシウム          3重 量部
タルク                     10重量

(製剤例5)(カプセル剤)
製剤例1と同様に下記処方で散剤を作製した 、常法によりゼラチンカプセルに充填した 充填したカプセルはシールをした後、窒素 囲気下でパッキングし、冷蔵保存した。
還元型補酵素Q 10            20重量部
酸化型補酵素Q 10           0.4重量部
微結晶セルロース           40重量部
コーンスターチ            20重量部
乳糖                  65重量部
ステアリン酸マグネシウム        3重量
ポリビニルピロリドン          2重量部

(製剤例6)(ソフトカプセル剤)
コーン油を50℃に加温し、同温度で溶融した 元型補酵素Q 10 (但し、2%の酸化型補酵素Q 10 を含む)加えて溶解した。これを常法により フトカプセル化した。
還元型補酵素Q 10            49重量部
酸化型補酵素Q 10             1重量部
コーン油               350重量部

(製剤例7)(カプセル剤)
製剤例1と同様に下記処方で散剤を作製した 、常法によりゼラチンカプセルに充填した 充填したカプセルはシールをした後、窒素 囲気下でパッキングし、冷蔵保存した。
酸化型補酵素Q 10            20重量部
ビタミンB                20重量部
ビタミンC                40重量部
ビタミンE                20重量部
微結晶セルロース           40重量部
コーンスターチ            20重量部
乳糖                   65重量部
ステアリン酸マグネシウム        3重量
ポリビニルピロリドン           2重量

(製剤例8)(カプセル剤)
製剤例1と同様に下記処方で散剤を作製した 、常法によりゼラチンカプセルに充填した 充填したカプセルはシールをした後、窒素 囲気下でパッキングし、冷蔵保存した。
還元型補酵素Q 10            20重量部
酸化型補酵素Q 10             1重量部
ビタミンB                20重量部
ビタミンC                40重量部
ビタミンE                20重量部
微結晶セルロース           40重量部
コーンスターチ            20重量部
乳糖                  65重量部
ステアリン酸マグネシウム        3重量
ポリビニルピロリドン           2重量

本発明の酸化型補酵素Qおよび/または還元型 酵素Qを含有する組成物は唾液分泌量を増加 させることにより、口腔内乾燥症を緩和およ び予防できる。
また該組成物を含有する医薬品、医薬部外品 、食品、栄養サプリメント、口腔内ヘルスケ ア用組成物、動物医薬用組成物、ペットフー ド、飼料または餌料が提供できる。