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Patent Searching and Data


Title:
IMAGE DISPLAY DEVICE AND METHOD FOR DRIVING IMAGE DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093792
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an image display device, the lifetime of which is extended while the occurrences of luminance unevenness on the screen and crosstalk are suppressed. The image display device comprises an organic EL element (1), a driving transistor (2), a Vth compensation transistor (3A), and a capacitor (4). The organic EL element (1) has a light-emitting luminance that changes depending on the amount of current. The driving transistor (2) adjusts, by the voltage applied to a third electrode, the amount of current flowing between a first electrode electrically connected to the organic EL element (1) and a second electrode, thereby controllingthe amount of current flowing through the organic EL element (1). The Vth compensation transistor (3A) adjusts, by the voltage applied to a sixth electrode, the amount of current flowing between a fourth electrode electrically connected to the first electrode and a fifth electrode electrically connected to the third electrode. The capacitor (4) has a seventh electrode electrically connected to the third electrode and an eighth electrode. The value of the parasitic capacitance (3Ags) between the fifth electrode and the sixth electrode is set to a larger value than the value of the parasitic capacitance (3Agd) between the fourth electrode and the sixth electrode.

Inventors:
TAKASUGI SHINJI (JP)
EBISUNO KOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051549
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
TAKASUGI SHINJI (JP)
EBISUNO KOHEI (JP)
International Classes:
G09G3/30; G09F9/30; G09G3/20; H01L27/32; H01L51/50
Domestic Patent References:
WO2006103802A12006-10-05
Foreign References:
JP2005309150A2005-11-04
JP2002514320A2002-05-14
JP2005031630A2005-02-03
JP2006091654A2006-04-06
JP2005189673A2005-07-14
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Hidetoshi et al. (Sumitomo-seimei OBP Plaza Bldg.4-70, Shiromi 1-chome,Chuo-k, Osaka-shi Osaka 01, JP)
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Claims:
 画像表示装置であって、
 電流量によって発光輝度が変化する発光素子と、
 第1、第2、第3の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を、前記第3の電極に印加される電位によって調整する第1のトランジスタと、
 第4、第5、第6の電極を有し、前記第4の電極と前記第5の電極との間における電流量を、前記第6の電極に印加される電位によって調整する第2のトランジスタと、
 第7、第8の電極を有し、前記第7の電極と前記第8の電極との間で容量を形成するコンデンサと、を備え、
 前記第1の電極は、前記発光素子に対して電気的に接続されており、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を調整することで、前記発光素子における電流量が制御され、
 前記第4の電極は前記第1の電極に、前記第5の電極は前記第3の電極に、それぞれ電気的に接続され、
 前記第7の電極が前記第3の電極に電気的に接続され、
 前記第5の電極と前記第6の電極との間の寄生容量が、前記第4の電極と前記第6の電極との間の寄生容量よりも大きな値に設定されていることを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第6の電極は、
 前記第5の電極と対向する部分の面積の方が、前記第4の電極と対向する部分の面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第5の電極と前記第6の電極との間の寄生容量が、前記第4の電極と前記第6の電極との間の寄生容量の2倍以上の値に設定されていることを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、n型のトランジスタであって、
 前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償される補償期間において、前記第8の電極に付与される電位が、前記コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応じた電荷が蓄積される書込期間において前記第8の電極に付与される電位の最大値よりも高い電位に設定されることを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、p型のトランジスタであって、
 前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償される補償期間において、前記第8の電極に付与される電位が、前記コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応じた電荷が蓄積される書込期間において前記第8の電極に付与される電位の最大値よりも低い電位に設定されることを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、n型のトランジスタであって、
 前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償される補償期間において、前記第2の電極に対して第1の電位が付与され、前記第2のトランジスタが前記導通状態から前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得ない非導通状態に移行するタイミングと略同時に、前記第2の電極に対して付与される電位が、前記第1の電位から前記第1の電位よりも高い第2の電位となるように制御する制御部を設けたことを特徴とする画像表示装置。
 請求項1に記載の画像表示装置において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、p型のトランジスタであって、
 前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償される補償期間において、前記第2の電極に対して第1の電位が付与され、前記第2のトランジスタが前記導通状態から前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得ない非導通状態に移行するタイミングと略同時に、前記第2の電極に対して付与される電位が、前記第1の電位から前記第1の電位よりも低い第2の電位となるように制御する制御部を設けたことを特徴とする画像表示装置。
 電流量によって発光輝度が変化する発光素子と、
 第1、第2、第3の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を、前記第3の電極に印加される電位によって調整する第1のトランジスタと、
 第4、第5、第6の電極を有し、前記第4の電極と前記第5の電極との間における電流量を、前記第6の電極に印加される電位によって調整する第2のトランジスタと、
 第7、第8の電極を有し、前記第7の電極と前記第8の電極との間で容量を形成するコンデンサと、
を備える画像表示装置の駆動方法であって、
 前記第1の電極は、前記発光素子に対して電気的に接続されており、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を調整することで、前記発光素子における電流量が制御され、
 前記第4の電極は前記第1の電極に、前記第5の電極は前記第3の電極に、それぞれ電気的に接続され、
 前記第7の電極が前記第3の電極に電気的に接続されており、
 前記第8の電極に対し、第1の電位が付与されるとともに、前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償される閾値補償ステップと、
 前記第8の電極に対し、第2の電位が付与されるとともに、前記コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応じた電荷が蓄積される書込ステップと、
を備えることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
 請求項8に記載の画像表示装置の駆動方法において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、n型のトランジスタであって、
 前記第1の電位は、前記コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応じた電荷が蓄積される書込期間において前記第8の電極に付与される電位の最大値よりも高く、
 前記第2の電位は、前記第1の電位よりも低いことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
 請求項8に記載の画像表示装置の駆動方法において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、p型のトランジスタであって、
 前記第1の電位は、前記コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応じた電荷が蓄積される書込期間において前記第8の電極に付与される電位の最大値よりも低く、
 前記第2の電位は、前記第1の電位よりも高いことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
 電流量によって発光輝度が変化する発光素子と、
 第1、第2、第3の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を、前記第3の電極に印加される電位によって調整する第1のトランジスタと、
 第4、第5、第6の電極を有し、前記第4の電極と前記第5の電極との間における電流量を、前記第6の電極に印加される電位によって調整する第2のトランジスタと、
 第7、第8の電極を有し、前記第7の電極と前記第8の電極との間で容量を形成するコンデンサと、
を備える画像表示装置の駆動方法であって、
 前記第1の電極は、前記発光素子に対して電気的に接続されており、前記第1の電極と前記第2の電極との間における電流量を調整することで、前記発光素子における電流量が制御され、
 前記第4の電極は前記第1の電極に、前記第5の電極は前記第3の電極に、それぞれ電気的に接続され、
 前記第7の電極が前記第3の電極に電気的に接続されており、
 前記第2の電極に対して第1の電位が付与されるとともに、前記第2のトランジスタが前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る導通状態に設定されつつ、前記コンデンサに前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されることで前記閾値電圧が補償される閾値補償ステップと、
 前記第2のトランジスタが前記導通状態から前記第4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ得ない非導通状態に移行するタイミングと略同時に、前記第2の電極に対して付与される電位が、前記第1の電位から第2の電位とされるステップと、
を備えることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
 請求項11に記載の画像表示装置の駆動方法において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、n型のトランジスタであって、
 前記第2の電位は、前記第1の電位よりも高いことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
 請求項11に記載の画像表示装置の駆動方法において、
 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、p型のトランジスタであって、
 前記第2の電位は、前記第1の電位よりも低いことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
Description:
画像表示装置、および画像表示 置の駆動方法

 本発明は、画像を表示する装置に関する

 従来より、電界発光を利用した有機EL(Elec troluminescent)素子を備える画像表示装置が知ら れている。

 有機EL素子としては、例えば、発光層を む有機層を挟んで透明電極と金属電極とを 向配置させたものがある。このような構成 有機EL素子では、透明電極と金属電極との間 に電圧または電流を印加して発光層に電流を 流すと発光層が発光し、この発光層から出射 される光が透明電極を透過して外部に放出さ れる。また、一般的な有機EL素子では、発光 の電流密度と輝度がほぼ比例することが知 れており、従来例としては、例えば特許文 (特開2006-309258号公報)等に開示されているも のがある。

 しかしながら、有機EL素子の電流密度が ければ高いほど有機EL素子の劣化が促進され 、有機EL素子の短寿命化、ひいては画像表示 置の短寿命化を招く。

 本発明は上記問題に鑑みてなされたもの あり、画像表示装置の長寿命化を図ること できる技術を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するため、本発明の第1の 態様に係る画像表示装置は、電流量によって 発光輝度が変化する発光素子と、第1、第2、 3の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の 極との間における電流量を、前記第3の電極 に印加される電位によって調整する第1のト ンジスタと、を備える。さらに、この画像 示装置は、第4、第5、第6の電極を有し、前 第4の電極と前記第5の電極との間における電 流量を、前記第6の電極に印加される電位に って調整する第2のトランジスタと、第7、第 8の電極を有し、前記第7の電極と前記第8の電 極との間で容量を形成するコンデンサと、を 備える。また、前記第1の電極は、前記発光 子に対して電気的に接続されており、前記 1の電極と前記第2の電極との間における電流 量を調整することで、前記発光素子における 電流量が制御される。さらに、前記第4の電 は前記第1の電極に、前記第5の電極は前記第 3の電極に、それぞれ電気的に接続され、前 第7の電極が前記第3の電極に電気的に接続さ れる。ここで、前記第5の電極と前記第6の電 との間の寄生容量が、前記第4の電極と前記 第6の電極との間の寄生容量よりも大きな値 設定されているようにした。

 本発明の第2の態様に係る画像表示装置の 駆動方法は、第1、第2、第3の電極を有し、前 記第1の電極と前記第2の電極との間における 流量を、前記第3の電極に印加される電位に よって調整する第1のトランジスタと、第4、 5、第6の電極を有し、前記第4の電極と前記 5の電極との間における電流量を、前記第6 電極に印加される電位によって調整する第2 トランジスタと、第7、第8の電極を有し、 記第7の電極と前記第8の電極との間で容量を 形成するコンデンサとを備える画像表示装置 の駆動方法である。そして、前記第1の電極 、前記発光素子に対して電気的に接続され おり、前記第1の電極と前記第2の電極との間 における電流量を調整することで、前記発光 素子における電流量が制御され、前記第4の 極は前記第1の電極に、前記第5の電極は前記 第3の電極に、それぞれ電気的に接続され、 記第7の電極が前記第3の電極に電気的に接続 されている。ここで、この駆動方法が、前記 第8の電極に対し、第1の電位が付与されると もに、前記第2のトランジスタが前記第4の 極と前記第5の電極との間で電流が流れ得る 通状態に設定されつつ、前記コンデンサに 記第1のトランジスタの閾値電圧に応じた電 荷が蓄積されることで、前記閾値電圧が補償 される閾値補償ステップと、前記第8の電極 対し、第2の電位が付与されるとともに、前 コンデンサに前記発光素子の発光輝度に応 た電荷が蓄積される書込ステップとを備え ようにした。

 本発明の第3の態様に係る画像表示装置の 駆動方法は、電流量によって発光輝度が変化 する発光素子と、第1、第2、第3の電極を有し 、前記第1の電極と前記第2の電極との間にお る電流量を、前記第3の電極に印加される電 位によって調整する第1のトランジスタと、 4、第5、第6の電極を有し、前記第4の電極と 記第5の電極との間における電流量を、前記 第6の電極に印加される電位によって調整す 第2のトランジスタと、第7、第8の電極を有 、前記第7の電極と前記第8の電極との間で容 量を形成するコンデンサとを備える画像表示 装置の駆動方法である。そして、前記第1の 極は、前記発光素子に対して電気的に接続 れており、前記第1の電極と前記第2の電極と の間における電流量を調整することで、前記 発光素子における電流量が制御され、前記第 4の電極は前記第1の電極に、前記第5の電極は 前記第3の電極に、それぞれ電気的に接続さ 、前記第7の電極が前記第3の電極に電気的に 接続されている。ここで、この駆動方法が、 前記第2の電極に対して第1の電位が付与され とともに、前記第2のトランジスタが前記第 4の電極と前記第5の電極との間で電流が流れ る導通状態に設定されつつ、前記コンデン に前記第1のトランジスタの閾値電圧に応じ た電荷が蓄積されることで前記閾値電圧が補 償される閾値補償ステップと、前記第2のト ンジスタが前記導通状態から前記第4の電極 前記第5の電極との間で電流が流れ得ない非 導通状態に移行するタイミングと略同時に、 前記第2の電極に対して付与される電位が、 記第1の電位から第2の電位とされるステップ とを備えるようにした。

 <用語に関する記載> 
 本明細書における「ゲート電圧」とは、ソ スに対するゲート電位のことを言い、適宜 Vgs」で表現する。

 また、本明細書における「閾値電圧」と 、トランジスタがオフ状態(いわゆるドレイ ン電流が流れない状態)からオン状態(ドレイ 電流が流れる状態)に移り変わるときの、境 界となるゲート電圧のことを言い、適宜「閾 値電圧」を「閾値」と略称する。

図1は、本発明の比較対象技術に係る画 像表示装置の画素回路7を例示する図である 図2は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7において発生する寄生容量を模式的 示す図である。 図3は、本発明の比較対象技術に係る画 像表示装置の駆動波形を示すタイミングチャ ートである。 図4は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7の動作を例示する回路図である。 図5は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7の動作を例示する回路図である。 図6は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7の動作を例示する回路図である。 図7は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7の動作を例示する回路図である。 図8は、本発明の比較対象技術に係る画 素回路7の動作を例示する回路図である。 図9は、本発明の比較対象技術に係る駆 動トランジスタにおけるゲート-ソース間の 圧とドレイン-ソース間の電流との関係を例 する図である。 図10は、本発明の比較対象技術に係るV th補償期間を2msに設定した際の駆動トランジ タにおけるゲート-ソース間の電圧値の経時 変化を例示する図である。 図11は、本発明の比較対象技術に係るV th補償期間を2msに設定した際の駆動トランジ タにおけるドレイン-ソース間の電圧値の経 時変化を例示する図である。 図12は、本発明の比較対象技術に係るV th補償期間を0.2msに設定した際の駆動トラン スタにおけるゲート-ソース間の電圧値の経 変化を例示する図である。 図13は、本発明の比較対象技術に係るV th補償期間を0.2msに設定した際の駆動トラン スタにおけるドレイン-ソース間の電圧値の 時変化を例示する図である。 図14は、本発明の第1実施形態に係る画 像表示装置1Aの概略構成を例示する図である 図15は、本発明の第1実施形態に係る表 示部200の構成を例示するブロック図である。 図16は、本発明の第1実施形態に係る画 像表示装置1Aの画素回路7Aを例示する図であ 。 図17は、本発明の第1実施形態に係る画 素回路7Aにおいて発生する寄生容量を模式的 示す図である。 図18は、本発明の第1実施形態に係る画 素回路7Aの駆動波形を示すタイミングチャー である。 図19は、本発明の第1実施形態に係る駆 動トランジスタのゲート-ソース間電圧の経 変化を示す図である。 図20は、本発明の第1実施形態に係る駆 動トランジスタのドレイン-ソース間電圧の 時変化を示す図である。 図21は、本発明の第2実施形態に係る駆 動波形を示すタイミングチャートである。 図22は、本発明の第3実施形態に係る駆 動波形を示すタイミングチャートである。 図23は、変形例に係る画像表示装置の 動波形を示すタイミングチャートである。 図24は、変形例に係る画像表示装置の 素回路7Pを例示する図である。 図25は、変形例に係る画像表示装置の 動波形を示すタイミングチャートである。 図26は、変形例に係る画像表示装置の 動波形を示すタイミングチャートである。 図27は、変形例に係る画像表示装置の 動波形を示すタイミングチャートである。 図28は、変形例に係る画像表示装置の 動波形を示すタイミングチャートである。

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 説明する。

 実施形態について説明する前に、後述す 本発明の実施形態に係る画像表示装置の比 対象となる画像表示装置(比較対象技術に係 る画像表示装置)について、図1から図13に基 いて説明する。ここでは、画像表示装置は いわゆる電流値によって発光輝度を調節す 有機ELディスプレイを備えて構成される。こ の画像表示装置では、多数の画素が配置され 、各画素に有機EL素子が配置されている。

 <画素回路の構成>
 図1は、比較対象技術に係る画像表示装置を 構成する1画素分の画素回路(駆動回路)7の構 例を示す図である。

 画素回路7は、有機EL素子(OLED)1、駆動トラ ンジスタ2、閾値(Vth)補償用トランジスタ3、 よびコンデンサ4を備える。

 有機EL素子1は、有機物などで構成され、 光層を流れる電流量によって発光輝度が変 する発光素子である。この有機EL素子1は、 ノード電極1aとカソード電極1bとを有してお り、アノード電極1aは、給電線のうちで有機E L素子1の発光時に高電位側となる電源線とし のVDD線Lvdに対して電気的に接続される。カ ード電極1bは、給電線のうちで有機EL素子1 発光時に低電位側となる電源線としてのVSS Lvsに対して駆動トランジスタ2を介して電気 に接続される。

 駆動トランジスタ2は、有機EL素子1に対し て電気的に直列に接続され、有機EL素子1にお ける電流量を調整することで有機EL素子1の発 光輝度を制御するトランジスタである。ここ では、駆動トランジスタ2は、キャリアが電 であるタイプ(n型)のMIS(Metal Insulator Semiconduc tor)構造を採用した電界効果トランジスタ(FET: Field Effect Transistor)の一種である薄膜トラン スタ(TFT:Thin Film Transistor)、すなわちn-MISFETT FTによって構成される。

 この駆動トランジスタ2は、第1から第3電 2ds,2sd,2gを有している。第1電極2dsは、有機EL 素子1のカソード電極1bに対して電気的に接続 され、有機EL素子1が発光する際、すなわち有 機EL素子1に対して順方向の電流が流れる際に ドレイン電極(以下「ドレイン」と略称する) して機能する。有機EL素子1に対して逆方向 電流が流れる際には、ソース電極(以下「ソ ース」と略称する)として機能する。また、 2電極2sdは、VSS線Lvsに対して電気的に接続さ 、有機EL素子1に対して順方向の電流が流れ 際にソース電極(ソース)として機能する。 機EL素子1に対して逆方向に電流が流れる際 は、ドレイン電極(ドレイン)として機能する 。更に、第3電極2gは、いわゆるゲート電極( 下「ゲート」と略称する)であり、コンデン 4の一方の電極(第7電極4a)に対して電気的に 続される。

 また、駆動トランジスタ2では、第3電極2g に印加される電位、より詳細には第1電極2ds たは第2電極2sdと第3電極2gとの間(すなわちゲ ートとソースとの間)に印加される電圧値が 整されることで、第1電極2dsと第2電極2sdとの 間(以下「第1-2電極間」とも称する)において れる電流量が調整される。そして、この第3 電極(ゲート)2gに印加される電位により、駆 トランジスタ2は、第1-2電極間(すなわちドレ インとソースとの間)において電流が流れ得 状態(導通状態)と、電流が流れ得ない状態( 導通状態)とに選択的に設定される。

 Vth補償用トランジスタ3は、駆動トランジ スタ2が通電状態となる場合の、駆動トラン スタ2の第2電極2sdに対する第3電極2gの電位の 下限値(所定の閾値電圧Vth)を検出するととも 、駆動トランジスタ2のゲート電圧を、閾値 電圧Vth(以下「閾値Vth」と略称する)に調整す トランジスタである。なお、ここでは、Vth 償用トランジスタ3も、駆動トランジスタ2 同様にn-MISFETTFTによって構成される。

 このVth補償用トランジスタ3は、第4から 6電極3ds,3sd,3gを有している。第4電極3dsは、 動トランジスタ2の第1電極2dsと有機EL素子1の カソード電極1bとを電気的に接続する配線に して導電可能に接続される。すなわち、第4 電極3dsは、駆動トランジスタ2の第1電極2dsに して電気的に接続される。また、第5電極3sd は、接続点T1において駆動トランジスタ2の第 3電極(ゲート)2gとコンデンサ4とを電気的に接 続する配線に対して導電可能に接続される。 すなわち、駆動トランジスタ2のゲート2gに対 して電気的に接続される。更に、第6電極3gは 、いわゆるゲート電極であり、走査信号線Lss に対して電気的に接続される。

 また、Vth補償用トランジスタ3では、第6 極3gに印加される電位、より具体的には第4 極3dsまたは第5電極3sdと第6電極3gとの間(すな わちゲートとソースとの間)に印加される電 値が調整されることで、第4電極3dsと第5電極 3sdとの間(以下「第4-5電極間」とも称する)に いて流れる電流の量(電流量)が調整される そして、この第6電極(ゲート)3gに印加される 電位により、Vth補償用トランジスタ3は、第4- 5電極間(ドレインとソースとの間)において電 流が流れ得る状態(導通状態)と、電流が流れ ない状態(非導通状態)とに選択的に設定さ る。

 ここで、有機EL素子1は、電流値によって 光輝度が制御されるため、発光時における 動トランジスタ2のゲート電圧の変化に対し て、発光輝度が敏感に変動する。特に、駆動 トランジスタ2がアモルファスシリコンを用 て構成された場合には、駆動トランジスタ2 とに閾値Vthが異なる傾向にある。よって、 素毎に異なる閾値Vthを補償する機能(Vth補償 機能)を持たせないと、所望の発光輝度と実 の発光輝度との間に違いが生じ、結果とし 画素間で発光輝度のムラが生じてしまう。

 そこで、Vth補償用トランジスタ3は、発光 前において各画素に駆動トランジスタ2のゲ ト電圧を閾値Vthに合わせることで、駆動ト ンジスタ2における閾値Vthのばらつきを補償 るVth補償機能を実現するために設けられて る。

 コンデンサ4は、駆動トランジスタ2の第3 極2gに対して電気的に接続される第7電極4a 、画像信号線Lisに対して電気的に接続され 第8電極4bとを備えて構成されている。なお コンデンサ4の保持容量を所定値Csとする。

 ところで、有機EL素子1は、発光時と逆の 圧が印加されるとコンデンサとして機能し この容量(EL素子容量)を所定値Coとする。ま 、駆動トランジスタ2は、第2電極2sdと第3電 2gとの間(以下「第2-3電極間」とも称する)の 寄生容量CgsTdと、第1電極2dsと第3電極2gとの間 (以下「第1-3電極間」とも称する)の寄生容量C gdTdとを有する。更に、Vth補償用トランジス 3は、第5電極3sdと第6電極3gとの間(以下「第5- 6電極間」とも称する)の寄生容量CgsTthと、第4 電極3dsと第6電極3gとの間(以下「第4-6電極間 とも称する)の寄生容量CgdTthとを有する。な 、寄生容量CgsTd,CgdTd,CgsTth,CgdTthは、それぞれ 駆動トランジスタ2、およびVth補償用トラン スタ3の構成によって決定される所定値の容 である。

 図2は、図1で示した画素回路7の回路構成( 図中太線で記載)に対して、寄生容量CgsTth,CgdT th,CgsTd,CgdTdとEL素子容量Coとに係る回路構成( 中細線で記載)を加えた模式図である。

 図2で示すように、画素回路7では、有機EL 素子1の両電極間にはEL素子容量Coを有するコ デンサ(素子コンデンサ)1cが存在し、駆動ト ランジスタ2の第2-3電極間には寄生容量CgsTdを 有するコンデンサ2gsが存在し、駆動トランジ スタ2の第1-3電極間には寄生容量CgdTdを有する コンデンサ2gdが存在する。更に、Vth補償用ト ランジスタ3の第5-6電極間には寄生容量CgsTth 有するコンデンサ3gsが存在し、Vth補償用ト ンジスタ3の第4-6電極間には寄生容量CgdTthを するコンデンサ3gdが存在する。

 なお、ここでは、1つの画素回路7に着目 て説明したが、有機ELディスプレイ全体では 、画素回路7が多数存在する。このため、走 信号線Lssも多数存在する。そこで、以下で 、多数の走査信号線Lssを、適宜「第N走査信 線(Nは自然数)Lss」と称する。

 <有機EL素子の発光に関する駆動方法>
 図3は、有機EL素子1を発光させる際の信号波 形(駆動波形)を示すタイミングチャートであ 。図3では、横軸が時刻を示し、上から順に 、(a)VDD線Lvdに印加される電位(電位Vdd)、(b)VSS Lvsに印加される電位(電位Vss)、(c)第1走査信 線Lssに印加される信号の電位(電位Vls1)、(d) 2走査信号線Lssに印加される信号の電位(電 Vls2)、(e)画像信号線Lisに印加される信号の電 位(電位Vlis)、の波形が示されている。

 また、図3では、有機EL素子1を1回発光さ るための駆動波形が示されており、1回の発 に係る期間は、時間順次に、Cs初期化期間P1 (時刻t11~t12)、準備期間P2(時刻t12~t13)、Vth補償 間P3(時刻t13~t14)、書込期間P4(時刻t14~t15)、素 子初期化期間P5(時刻t15~t16)、および発光期間P 6(時刻t16~)を備えて構成される。なお、書込 間P4における電位Vlisは、各有機EL素子1の発 輝度によって決まる任意の値であるため、 3では、当該電位が存在し得る範囲に斜線ハ チングが便宜的に付されている。

 図4から図8は、比較対象技術に係る画像 示装置を駆動させる際に、画素回路7に着目 て、各期間において発生する画素回路7の電 流の流れを例示する図である。図4から図8で 、画素回路7のうち、電流の流れに寄与する 回路は太線で示され、電流の流れにほとんど 寄与しない回路は細線で示されている。

 以下、図3および図4から図8を適宜参照し つ、比較対象技術に係る画像表示装置の駆 方法について説明する。

 ○Cs初期化期間P1:
 図4では、Cs初期化期間P1(以下適宜「期間P1 と略する)での画素回路7における電流の流れ が例示されている。

 期間P1では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれ れ所定の正の高電位VDD(例えば15V)が印加され 、全走査信号線Lssに所定の正の高電位VgH(例 ば15V)が印加され、画像信号線Lisに所定の基 電位(ここでは0V)が印加される。

 このとき、Vth補償用トランジスタ3につい ては、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加 により、第6電極(ゲート)3gに高電位VgHに応じ 正電位が印加され、導通状態となる。一方 駆動トランジスタ2については、VDD線LvdとVSS 線Lvsとが略同電位であるため、駆動トランジ スタ2がオフとなり、非導通状態となる。

 したがって、期間P1では、図4において白 きの矢印で示すように、VDD線LvdからVth補償 トランジスタ3の第4および第5電極3ds,3sdを介 してコンデンサ4に向けて電流が流れ、コン ンサ4に所定量の電荷(例えば、15Vに応じた電 荷量)が蓄積される。

 なお、期間P1における時間経過とともに ンデンサ4に蓄積される電荷量が高まると、 動トランジスタ2において、第3電極(ゲート) 2gに所定値を超える正電位が印加され、導通 態となることもあり得る。しかし、VDD線Lvd よびVSS線Lvsがともに同電位VDDに設定されて るため、駆動トランジスタ2の第1-2電極間で 電流は流れない。

 ○準備期間P2:
 図5では、準備期間P2(以下適宜「期間P2」と する)での画素回路7における電流の流れが 示されている。

 期間P2では、VDD線Lvdに負の所定電位-Vp(例 ば-7V)が印加され、VSS線Lvsに所定の基準電位 (ここでは0V)が印加され、全走査信号線Lssに 定の低電位VgL(例えば-10V)が印加され、画像 号線Lisに所定の高電位VdH(例えば10V)が印加さ れる。

 このとき、Vth補償用トランジスタ3につい ては、走査信号線Lssにおける低電位VgLの印加 により、第6電極(ゲート)3gにはほとんど正の 位が印加されないため、非導通状態となる 駆動トランジスタ2については、画像信号線 Lisにおける高電位VdHの印加により、第3電極( ート)2gに高電位VdHに応じた正電位(例えば15+ 10=25V)が印加され、導通状態となる。

 そして、VDD線LvdよりもVSS線Lvsの方がVpだ 電位が高いため、図5において白抜きの矢印 示すように、VSS線Lvsから駆動トランジスタ2 の第2および第1電極2sd,2dsを介して、有機EL素 1に向けて電流が流れる。その結果、有機EL 子1すなわち素子コンデンサ1cにVDD線LvdとVSS Lvsとの間の電位差に応じた所定量の電荷(例 えば7Vに応じた電荷)が蓄積される。

 ○Vth補償期間P3:
 図6では、Vth補償期間P3(以下適宜「期間P3」 略する)での画素回路7における電流の流れ 例示されている。

 期間P3では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれ れ所定の基準電位(ここでは0V)が印加され、 走査信号線Lssに高電位VgHが印加され、画像 号線Lisに高電位VdH(例えば10V)が印加される

 このとき、Vth補償用トランジスタ3につい ては、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加 により、第6電極(ゲート)3gに高電位VgHに応じ 正電位が印加され、導通状態となる。また 駆動トランジスタ2については、期間P3の初 では、コンデンサ4に蓄積された電荷と画像 信号線Lisに印加された電位VdHにより、導通状 態となる。

 したがって、期間P3の初期では、図6にお て白抜きの矢印で示すように、コンデンサ4 に蓄積された電荷に伴う電流が、コンデンサ 4からVth補償用トランジスタ3の第5および第4 極3sd,3dsに流れ、更には駆動トランジスタ2の 第1および第2電極2ds,2sdを介してVSS線Lvsに向け て流れる。また、素子コンデンサ1cに蓄積さ た電荷に伴う電流が、駆動トランジスタ2の 第1および第2電極2ds,2sdを介してVSS線Lvsに向け て流れる。

 ところが、コンデンサ4に蓄積された電荷 に伴う電流が、コンデンサ4からVSS線Lvsに向 て流れるにつれて、コンデンサ4に蓄積され 電荷が減少する。そして、駆動トランジス 2の第2電極2sdに対する第3電極2gの電位Vgs(以 「第3-2電極間」とも称する)が閾値Vthまで減 少すると、駆動トランジスタ2は、非導通状 となる。このとき、コンデンサ4には、閾値V thに応じた電荷が蓄積された状態となる。こ ように、期間P3では、閾値Vthに応じた電荷 コンデンサ4に蓄積されて、画素ごとに異な 閾値Vthのばらつきが補償される。

 ○書込期間P4:
 図7では、書込期間P4(以下適宜「期間P4」と する)での画素回路7における電流の流れが 示されている。

 期間P4では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれ れ基準電位0Vが印加されるとともに、画素デ ータ信号に応じた電荷の蓄積を行う処理(デ タ書込処理)の実施対象画素において、走査 号線Lssに高電位VgHが印加され、画像信号線L isに電位(VdH-Vdata)が印加される。なお、電位Vd ataは、画素データ信号の電位であり、画像を 構成する画素の輝度の階調に対応する値に応 じた電位である。

 このとき、Vth補償用トランジスタ3につい ては、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加 により、ゲートに高電位VgHに応じた正電位が 印加され、導通状態となる。一方、駆動トラ ンジスタ2については、画像信号線Lisに対し 、期間P3における電位VdH以下の電位(VdH-Vdata) 印加され、ゲート電圧が閾値Vth以下となる め、非導通状態となる。

 したがって、期間P4では、図7において白 きの矢印で示すように、有機EL素子1(すなわ ち素子コンデンサ1c)からVth補償用トランジス タ3の第4および第5電極3ds,3sdを介してコンデ サ4に向けて電流が流れる。その結果、コン ンサ4に既に蓄積された閾値Vthに応じた電荷 の上に電位Vdataに応じた電荷が加算されて蓄 される。すなわち、期間P4においては、コ デンサ4に有機EL素子1の発光輝度に応じた電 が蓄積される。換言すれば、期間P4では、 素回路7において画素データ信号に応じた電 がコンデンサ4に蓄積される。

 コンデンサ4の第7電極4aの電位(駆動トラ ジスタ2のゲート電位)の変化量は、画像信号 線Lisの電位の変化量と、コンデンサ4の保持 量Csと素子コンデンサ1cのEL素子容量Coとの比 (容量比)との積である。すなわち、画像信号 Lisの電位がVdHからVdataに変化する場合、駆 トランジスタ2のゲート電位が、(Vdata-VdH)・Cs /(Cs+Co)だけ変化する。例えば、VdH=10V,Vdata=5V、 Cs:Co=1:2である場合には、画像信号線Lisの電位 が-5V変化し、駆動トランジスタ2のゲート電 は、有機EL素子1からコンデンサ4に対する電 の移動により、(5-10)・1/(1+2)=-5/3V変化する。 このようにコンデンサ4に蓄積される電荷の 動により、画像信号線Lisの電位の変化が駆 トランジスタ2のゲート電位に反映される。

 ○素子初期化期間P5:
 素子初期化期間P5(以下適宜「期間P5」と略 る)については、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれ れ所定の負電位-Vpが印加され、全走査信号 Lssに低電位VgLが印加され、画像信号線Lisに 電位VdHが印加される。このとき、Vth補償用 ランジスタ3が非導通状態となり、駆動トラ ンジスタ2が導通状態となる。そして、VDD線Lv dとVSS線Lvsとの間に電位差がなく、VSS線Lvsが 電位-Vpに設定されているため、有機EL素子1( なわち素子コンデンサ1c)に蓄積された電荷 、VSS線Lvsに抜けて、有機EL素子1に蓄積され 電荷が放出される。

 ○発光期間P6:
 図8では、発光期間P6(以下適宜「期間P6」と する)での画素回路7における電流の流れが 示されている。

 期間P6では、VDD線Lvdに正の高電位VDDが印 される。VSS線Lvsに基準電位0Vが印加される。 走査信号線Lssに低電位VgLが印加される。画像 信号線Lisに高電位VdHが印加される。

 このとき、Vth補償用トランジスタ3につい ては、走査信号線Lssにおける低電位VgLの印加 により、非導通状態となる。駆動トランジス タ2については、画像信号線Lisに対して高電 VdHが印加されるため、期間P4においてコンデ ンサ4に蓄積された電荷量(電位Vdataに応じた 荷量)に応じた電位分だけVgsが、閾値Vthより 高くなり、導通状態となる。

 例えば、Vdata=5V、Cs:Co=1:2である場合には 期間P4においてコンデンサ4に蓄積される電 が、閾値Vthよりも5/3Vだけ低い電位([Vth-5/3]V) 対応する。そして、期間P6では、画像信号 Lisに対して期間P4よりもVdata(=5V)分だけ高い 位が印加され、第3電極(ゲート)2gに対して、 閾値Vthよりも10/3Vだけ高い電位([Vth+10/3]V=[Vth-( 5/3)+5]V)が印加される。

 そして、VDD線LvdがVSS線Lvsよりも電位VDD分 け高電位であり、駆動トランジスタ2が電位 Vdataに応じて第1-第2電極間で電流が流れる導 状態となる。このため、図8において白抜き の矢印で示すように、有機EL素子1に対して電 位Vdataに応じた電流が流れる。その結果、有 EL素子1が電位Vdataに応じた輝度で発光する つまり、期間P6では、各画素から画素データ 信号に応じた輝度の光が出射される。

 ここで、有機EL素子1が発光する際の駆動 ランジスタ2に関して、Vgs,Vdata,Vthの間には 下式(1)が成立する。

 上式(1)のa,dは定数である。

 また、駆動トランジスタ2の第1-2電極間( レイン-ソース間)で流れる電流をIdsとすると 、下式(2)が成立する。

 有機EL素子1の発光輝度は、有機EL素子1を れる電流密度に略比例するため、図3で示し た駆動波形を用いた制御により、各画素にお いて所望の発光輝度が得られる。

 画像表示装置で表示される画面の実際の輝 (すなわち視認される輝度)は、時間順次に 光させている期間中の輝度にデューティー( 機EL素子1を1回発光させる1フレーム分の期 (以下「1フレーム期間」と称する)を占める 光期間P6の比率、すなわち[発光期間/1フレー ム期間])を乗じたものである。例えば、期間P 6中の輝度が500cd/m 2 、デューティーが0.4(すなわち発光期間の占 率が40%)の場合、実際の輝度は500cd/m 2 に0.4を乗じた200cd/m 2 になる。

 ところで、上述したように、有機EL素子1 発光輝度は、有機EL素子1における電流密度 略比例するが、有機EL素子1を流れる電流密 が高いほど有機EL素子1の劣化が促進され、 機EL素子1の短寿命化、ひいては画像表示装 の寿命の短期化を招く。

 ここで、画像表示装置の長寿命化を図る めの1手法として、電流密度の低下を意図し たデューティーの向上が考えられる。そして 、デューティーを向上させるためには、1フ ーム期間のうちの期間P6以外の期間P1~P5を短 しなければならないが、期間P2,P4,P5は既に 分短いため、Vth補償期間P3を短くする工夫が 考えられる。

 しかしながら、本願発明者らは、Vth補償 間P3を単に短くしたのでは、種々の問題が 生することを見出した。この問題について 下説明する。

 図9は、駆動トランジスタ2における第3-2 極間(すなわちゲート-ソース間)の電位差(電 値)Vgsと第1-2電極間(すなわちドレイン-ソー 間)を流れる電流の電流値Idsとの関係を例示 する図である。図9では、上式(2)を用いて算 される電圧値Vgsと電流値Idsとの関係が破線 示され、実験的に求められた電圧値Vgsと電 値Idsとの関係が実線で示されている。

 図9から明らかなように、電圧値Vgsが閾値 Vth(ここでは約2.1V)近傍に設定された場合、電 流値Idsについては、実測値の方が算出値より も大きな値となる。つまり、駆動トランジス タ2では、電圧値Vgs=閾値Vthに設定されても、 レイン-ソース間を流れる電流(以下「漏れ 流」と称する)が発生する。

 図10は、Vth補償期間P3を2ミリ秒(ms)に設定 た際における駆動トランジスタ2のゲート- ース間の電位差(電圧値)Vgsの経時的な変化( 測値)を例示する図であり、図11は、期間P3を 2msに設定した際の駆動トランジスタ2におけ ドレイン-ソース間の電位差(電圧値)Vdsの経 的な変化(実測値)を例示する図である。ここ では、期間P3の開始時点では、電圧値Vgs,Vdsが ともに8Vに設定されるように調整した。

 なお、図10および図11の横軸が期間P3の開 時からの時間経過を示し、図10の縦軸が電 値Vgsを示し、図11の縦軸が電圧値Vdsを示して いる。また、図10および図11では、閾値Vthが なる5種類の駆動トランジスタ2に係る電圧値 Vgs,Vdsの経時変化、すなわち、上から順に、 値Vth=6.2Vの場合の経時変化(細線)、閾値Vth=5.2 Vの場合の経時変化(細破線)、閾値Vth=4.2Vの場 の経時変化(細一点鎖線)、閾値Vth=3.2Vの場合 の経時変化(太線)、閾値Vth=2.2Vの場合の経時 化(太破線)がそれぞれ示されている。

 電圧値Vgsについては、図10で示すように 期間P3の開始から100μs程度で閾値Vthに到達し た後、ドレイン-ソース間における漏れ電流 より徐々に低下した。そして、期間P3の開始 から2msで期間P4に移行する際に、駆動トラン スタ2のゲート電位において、Vth補償用トラ ンジスタ3によるいわゆる突き抜け(Vth補償用 ランジスタ3のゲート電位の変化に伴って寄 生容量で電位が変動する現象)が生じて、駆 トランジスタ2の電圧値Vgsが、0.3~0.4V程度急 した。その後は、駆動トランジスタ2の電圧 Vgsは略一定で推移した。

 なお、本明細書では、Vth補償用トランジ タ3のゲート電位の変化により非導通状態に 移行する際における駆動トランジスタ2のゲ トの電位変化量を「突き抜け」と称する。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vgsが略一定で保持さ るのは、Vth補償用トランジスタ3がソース- レイン間で電流が流れ得ない非導通状態と り、コンデンサ4から電荷が抜けないからで る。

 また、期間P2において有機EL素子1(すなわ 素子コンデンサ1c)に蓄積された電荷に起因 た電圧値Vdsについては、図11で示すように 期間P3の初期(開始から700μs迄)では急激に減 し、期間P3の中期から終期(700μs~2ms)にかけ 徐々に減少した。そして、期間P3から期間P4 移行する際に、いわゆる突き抜けが生じて 駆動トランジスタ2の電圧値Vdsが、0.5V程度 落した。その後は、駆動トランジスタ2の電 値Vdsは略一定で推移した。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vdsが略一定で保持さ る現象は下記メカニズムによるものである 図9で示したように、電圧値Vgsが閾値Vthを下 回った後も、期間P3が十分な時間だけ継続さ るため、駆動トランジスタ2のドレイン-ソ ス間における漏れ電流の発生により、駆動 ランジスタ2の電圧値Vgsが十分低下される。 の結果、駆動トランジスタ2のドレイン-ソ ス間で漏れ電流がほとんど発生しない状態 至るため、素子コンデンサ1cからVSS線Lvsに電 荷がほとんど抜けないのである。なお、Vgsが Vthを下回る量はVthに依らないため、全画素で 同じオフセット電圧が生じるだけであり、各 画素のVthの違いを検出するのに支障は無い。

 図12は、Vth補償期間P3を0.2ミリ秒(ms)に設 した際の駆動トランジスタ2におけるゲート- ソース間の電位差(電圧値)Vgsの経時的な変化( 実測値)を例示する図であり、図13は、期間P3 0.2msに設定した際の駆動トランジスタ2にお るドレイン-ソース間の電位差(電圧値)Vdsの 時的な変化(実測値)を例示する図である。 こでも、期間P3の開始時点では、電圧値Vgs,Vd sがともに8Vに設定されるように調整した。

 なお、図10および図11と同様に、図12およ 図13の横軸が期間P3の開始時からの時間経過 を示し、図12の縦軸が電圧値Vgsを示し、図13 縦軸が電圧値Vdsを示している。また、図10お よび図11と同様に、図12および図13では、閾値 Vthが異なる5種類の駆動トランジスタ2に係る 圧値Vgs,Vdsの経時変化、すなわち、上から順 に、閾値Vth=6.2Vの場合の経時変化(細線)、閾 Vth=5.2Vの場合の経時変化(細破線)、閾値Vth=4.2 Vの場合の経時変化(細一点鎖線)、閾値Vth=3.2V 場合の経時変化(太線)、閾値Vth=2.2Vの場合の 経時変化(太破線)がそれぞれ示されている。

 電圧値Vgsについては、図12で示すように 期間P3(経過時間=0~0.2ms)の間に閾値Vthを下回 値まで急速に減少する。そして、期間P3の開 始から0.2msで期間P4に移行する際(経過時間=0.2 ms)に、駆動トランジスタ2のゲート電位にお て、Vth補償用トランジスタ3のゲート電位変 による突き抜けが生じ、駆動トランジスタ2 の電圧値Vgsが、0.3~0.4V程度急落した。その後 、駆動トランジスタ2の電圧値Vgsは略一定で 推移した。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vgsが略一定で保持さ るのは、Vth補償用トランジスタ3がソース- レイン間で電流が流れ得ない非導通状態と り、コンデンサ4から電荷が抜けないからで る。

 電圧値Vdsについては、図13で示すように 期間P3の初期(経過時間=0~0.2ms)の間に急激に 少するとともに、急激な減少の途中で、期 P3から期間P4に移行する。そして、期間P3か 期間P4に移行する際(経過時間=0.2ms)に、いわ る突き抜けが生じて、駆動トランジスタ2の 電圧値Vdsが0.5V程度急落した。更に、その後 駆動トランジスタ2の電圧値Vdsは、時間経過 ともに徐々に減少していく傾向を示した。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vdsが時間経過ととも 徐々に減少していくのは下記メカニズムに るものである。図9で示したように、電圧値 Vgsが閾値Vthを下回った後に期間P3が少しの間 けしか継続されず、駆動トランジスタ2のド レイン-ソース間における漏れ電流が発生す ことにより駆動トランジスタ2の電圧値Vgsが 下される量が十分でなく、駆動トランジス 2のドレイン-ソース間で漏れ電流が発生す 状態が維持される。このため、素子コンデ サ1cからVSS線Lvsに電荷が徐々に抜けていくこ ととなる。

 そして、期間P4への移行からデータ書込 理が行われるまでの時間は、画像表示装置 構成する画素の位置や画像表示装置の駆動 法によっても異なり、素子コンデンサ1cから の電荷の抜け量は、期間P4への移行から300μs 間でも0.1V以上に達する。

 したがって、Vth補償期間P3を単に短くし のでは、書込期間P4に移行した直後にデータ 書込処理が行われる画素と、期間P4に移行し から相当な期間が経過された後にデータ書 処理が行われる画素との間で、素子コンデ サ1cから抜ける電荷量に差が出る。このた 、データ書込処理時にコンデンサ4に蓄積さ る電荷量が素子間でばらつき、発光期間P6 おける駆動トランジスタ2のゲート電圧が所 の値からずれるため、画像表示装置の画面 おいて所望の輝度が得られず、輝度のムラ 発生してしまう。

 また、書込期間P4では、1本の画像信号線L isに共通に接続されている複数の画素間にお て、1つの画素に対するデータ書込処理時に 画像信号線Lisに印加される電位がデータ書込 処理前の他の画素に対して影響を及ぼす。

 より詳細には、例えば、1つの画素におい て、高輝度に対応する電荷をコンデンサ4に 積する場合には、画像信号線Lisに印加され 電位が相対的に低くなり、低輝度に対応す 電荷をコンデンサ4に蓄積する場合には、画 信号線Lisに印加される電位が相対的に高く る。したがって、1つの画素に係る画像信号 線Lisに高電位が印加される場合には、データ 書込処理前の他の画素においても画像信号線 Lisに高電位が印加されるため、駆動トランジ スタ2のゲート電圧が上昇し、駆動トランジ タ2のドレイン-ソース間で漏れ電流が発生し 易くなる。

 その結果、1本の画像信号線Lisに共通に接 続されている画素群のうち、低輝度の発光を 行う画素が所定数以上存在している場合には 、所望の輝度が得られない。つまり、1本の 像信号線Lisに共通に接続されている複数画 のうちの低輝度の発光を行う画素が占める 合の違いにより、画像表示装置の画面にお て筋状のムラ(いわゆるクロストーク)の発生 を招いてしまう。

 そこで、本願発明者らは、Vth補償期間P3 短くしても、画面上に輝度ムラやクロスト クが発生し難い画像表示装置およびその駆 方法を創出した。これについて以下に説明 る。

 <第1実施形態>
  <画像表示装置の概略構成>
 図14は、本発明の第1実施形態に係る画像表 装置の概略構成を例示する図である。

 携帯電話機1Aは、表示制御部100と表示部20 0とを備えた携帯可能な電子機器であり、動 をはじめとした各種画像を表示部200で表示 る画像表示装置として機能する。なお、以 では、携帯電話機1Aを適宜「画像表示装置1A とも称する。

 表示制御部100は、画像信号に基づいて、 示部200における画像表示を制御する部位で る。

 表示部200は、例えば、略長方形の輪郭を する有機ELディスプレイ(organic electroluminesce nce display)と、表示制御部100より供給される 種信号が入力されるドライバ手段とを備え 構成された部位である。有機ELディスプレイ は、有機材料に電流を流すことで材料自らが 発光する自発光型の発光素子を有する自発光 型画像表示装置である。

 また、有機ELディスプレイは、発光輝度 対応するデータ信号(画素データ信号)を各画 素に供給するための画像信号線と、当該画像 信号線に対して略直交するように設けられ、 各画素に走査信号を供給するための走査信号 線とを有している。なお、走査信号は、各画 素に画像信号線を介して画素信号を供給する タイミングを制御するための信号である。

 ドライバ手段は、画像信号線に対して電 的に接続され、画素信号を画像信号線に供 するタイミングを制御するXドライバ(画像 号線駆動回路)と、走査信号線に対して電気 に接続され、走査信号を走査信号線に供給 るタイミングを制御するYドライバ(走査信 線駆動回路)とを備えている。例えば、携帯 話機1Aでは、Xドライバは有機ELディスプレ の短辺に沿って配置され、Yドライバは有機E Lディスプレイの長辺に沿って配置されてい 。

  <表示部の概略構成>
 図15は、表示部200の概略構成を示すブロッ 図である。なお、図15では、方位関係を明確 化するために直交するXYの2軸が示されている 。

 表示部200は、有機ELディスプレイAA、タイ ミング発生回路TC、給電制御部EC、画像信号 駆動回路(Xドライバ)Xd、および走査信号線駆 動回路(Yドライバ)Ydを備えている。

 有機ELディスプレイAAには、多数の画素回 路7Aが縦方向(Y方向)ならびに横方向(X方向)に ってマトリックス状(すなわち格子状)に配 されている。そして、Y方向に平行な画素回 7Aの列ごとに画像信号線Lisがそれぞれ設け れ、各画像信号線Lisが複数の画素回路7Aに対 して電気的に共通に接続されている。また、 X方向に平行な画素回路7Aの行ごとに、走査信 号線Lssがそれぞれ設けられ、各走査信号線Lss が複数の画素回路7Aに対して電気的に共通に 続されている。

 タイミング発生回路TCは、表示制御部100 ら送られてくる画像データ(例えば、RGBの画 信号)Dに同期させて、画像信号線駆動回路Xd から各画像信号線Lisに対する画素信号の供給 タイミングを制御する信号を画像信号線駆動 回路Xdに対して送出し、走査信号線駆動回路Y dから各走査信号線Lssに対する走査信号の供 タイミングを制御する信号を走査信号線駆 回路Ydに対して送出する。

 画像信号線駆動回路Xdは、タイミング発 回路TCからの信号に応答して、画像信号線Lis に対して画素信号を供給する。また、走査信 号線駆動回路Ydは、タイミング発生回路TCか の信号に応答して、走査信号線Lssに対して 査信号を供給する。このようなタイミング 生回路TCの制御により、画像信号線Lisを介し て各画素回路7Aに画素信号が適宜供給される

 給電制御部ECは、各画素回路7Aに対する電 力(具体的には発光などに要する電力)の供給 制御する部分であり、ハードウェアすなわ 回路構成によって実現されても良いし、ソ トウェアがCPUで実行されることで実現され も良い。

  <画素回路の構成>
 図16は、画像表示装置1Aを構成する1画素の 動回路(画素回路)7Aの構成を例示する図であ 。

 画素回路7Aでは、比較対象技術に係る画 回路7のVth補償用トランジスタ3が、本発明の 特徴的な機能・構成を有するVth補償用トラン ジスタ3Aに置換されている。

 以下、第1実施形態に係る画素回路7Aにつ て説明するが、ここでは、画素回路7Aのう 、画素回路7と同様な部分には同じ符号を付 て説明を省略し、異なる部分について主に 明する。

 Vth補償用トランジスタ3Aは、比較対象技 に係るVth補償用トランジスタ3と同様に、駆 トランジスタ2の第1-2電極間(すなわちドレ ン-ソース間)で電流が流れ得る駆動トランジ スタ2の第3-2電極間(すなわちゲート-ソース間 )の電位差(すなわちゲート電圧)の下限値(閾 Vth)を検出するとともに、駆動トランジスタ2 のゲート電圧を閾値Vthに調整するものである 。なお、Vth補償用トランジスタ3Aは、比較対 技術に係るVth補償用トランジスタ3と同様に 、いわゆるn-MISFETTFTによって構成される。

 また、Vth補償用トランジスタ3Aは、比較 象技術に係るVth補償用トランジスタ3と同様 他の部分と電気的に接続される。具体的に 、Vth補償用トランジスタ3Aの第4電極3dsが、 動トランジスタ2の第1電極2dsと有機EL素子1 カソード電極1bとを電気的に接続する配線に 対して導電可能に接続されることで、駆動ト ランジスタ2の第1電極2dsに対して電気的に接 される。

 また、Vth補償用トランジスタ3Aの第5電極3 sdが、接続点T1において駆動トランジスタ2の 3電極(ゲート)2gとコンデンサ4の第7電極4aと 電気的に接続する配線に対して導電可能に 続されることで、駆動トランジスタ2の第3 極(ゲート)2gに対して電気的に接続される。 に、Vth補償用トランジスタ3Aの第6電極(ゲー ト)3gが、走査信号線Lssに対して電気的に接続 される。

 そして、Vth補償用トランジスタ3Aには第6- 5電極間の寄生容量CgsTthAと第6-4電極間の寄生 量CgdTthAとが生じる。

 図17は、図2と同様に、図16で示した画素 路7Aの回路構成(図中太線で記載)に対して、 生容量CgsTthA,CgdTthA,CgsTd,CgdTdとEL素子容量Coと に係る回路構成(図中細線で記載)を加えた回 図である。

 図17で示すように、画素回路7Aでは、有機 EL素子1の両電極間にはEL素子容量Coを有する ンデンサ(素子コンデンサ)1cが存在する。駆 トランジスタ2の第2-3電極間には寄生容量Cgs Tdを有するコンデンサ2gsが存在し、駆動トラ ジスタ2の第1-3電極間には寄生容量CgdTdを有 るコンデンサ2gdが存在する。また、Vth補償 トランジスタ3Aの第5-6電極間には寄生容量Cg sTthAを有するコンデンサ3Agsが存在し、Vth補償 用トランジスタ3Aの第4-6電極間には寄生容量C gdTthAを有するコンデンサ3Agdが存在する。

 画素回路7Aでは、比較対象技術とは異な 、Vth補償用トランジスタ3Aの寄生容量CgsTthA,C gdTthAについて、下式(3)の関係を成立させるこ とで、寄生容量CgsTthAが増加するように調整 れている。

 上式(3)の関係を成立させる調整手法とし は、例えば、Vth補償用トランジスタ3Aの素 構造において、第5電極3sdと第6電極3gとが対 する面積の方が、第4電極3dsと第6電極3gとが 対向する面積よりも大きくなれば、上式(3)の 関係が成立する。

 そして、例えば、第5電極3sdと第6電極3gと が対向する面積を第4電極3dsと第6電極3gとが 向する面積よりも2倍以上大きくすることで 寄生容量CgsTthAを、寄生容量CgdTthAよりも2倍 上と十分大きな値に設定することができる

 以下、比較対象技術に係る寄生容量CgsTth, CgdTthを共に3.6フェムトファラド(fF)とし、本 施形態では、寄生容量CgdTthAが3.6fF、寄生容 CgsTthAが寄生容量CgsTthの5倍の18fFに設定され いる例について説明する。

  <駆動方法>
 図18は、画像表示装置1Aを駆動させる際の信 号波形(駆動波形)を示すタイミングチャート ある。図18では、図3と同様に、横軸が時刻 表し、上から順に、(a)VDD線Lvdに印加される 位(電位Vdd)、(b)VSS線Lvsに印加される電位(電 Vss)、(c)第1走査信号線Lssに印加される信号 電位(電位Vls1)、(d)第2走査信号線Lssに印加さ る信号の電位(電位Vls2)、(e)画像信号線Lisに 加される信号の電位(電位Vlis)、の波形が示 れている。

 また、図18では、図3と同様に、有機EL素 1を1回発光させるための駆動波形が示されて おり、1回の発光に係る期間は、時間順次に Cs初期化期間P1(時刻t1~t2)、準備期間P2(時刻t2~ t3)、Vth補償期間P3(時刻t3~t4)、書込期間P4(時刻 t4~t5)、素子初期化期間P5(時刻t5~t6)、および発 光期間P6(時刻t6~)を備えて構成される。なお 書込期間P4における電位Vlisは、各有機EL素子 1の発光輝度によって決まる任意の値である め、図18では、図3と同様に、当該電位が存 し得る範囲に斜線ハッチングが便宜的に付 れている。

 なお、画像表示装置1Aの駆動時(具体的に 期間P1~P6)における画素回路7Aの電流の流れ ついては、比較対象技術に係る画素回路7に けるもの(すなわち、図4から図8で示したも )と同様であるため、ここでは説明を省略す る。また、VDD線LvdとVSS線Lvsとの間に対する電 圧の印加、すなわち画素回路7Aに対する電力 供給(給電)は、給電制御部ECによって制御さ れる。

 また、図18で示す期間P1~P6において各部に 印加される電位については、図3で示したも と同様なものとなっているため、ここでは 明を省略する。

 ただ、図18で示す期間P1~P6の長さについて は、Vth補償期間P3(図18で砂地ハッチングが付 れた時刻t3~t4の期間)のみが、図3で示した期 間P3よりも短くなっている。

 具体的には、図18で示す期間P1(時刻t1~t2) 図3で示した期間P1(時刻t11~t12)とが同じ長さ あり、図18で示す期間P2(時刻t2~t3)と図3で示 た期間P2(時刻t12~t13)とが同じ長さであり、図 18で示す期間P4(時刻t4~t5)と図3で示した期間P4( 時刻t14~t15)とが同じ長さであり、図18で示す 間P5(時刻t5~t6)と図3で示した期間P5(時刻t15~t16 )とが同じ長さである一方、図18で示すVth補償 期間P3(時刻t3~t4)の方が、図3で示した期間P3( 刻t13~t14)よりも短くなっている。例えば、図 3で示した期間P3が2ms、図18で示す期間P3が0.2ms であるような場合が挙げられる。

  <Vth補償期間の短縮化とその影響につい >
 図19は、Vth補償期間P3を0.2msに設定した際の 動トランジスタ2における第3-2電極間(すな ちゲート-ソース間)の電位差(電圧値)Vgsの経 的な変化(実測値)を例示する図であり、図20 は、期間P3を0.2msに設定した際の駆動トラン スタ2における第1-2電極間(すなわちドレイン -ソース間)の電位差(電圧値)Vdsの経時的な変 (実測値)を例示する図である。ここでは、期 間P3の開始時点では、電圧値Vgs,Vdsがともに8V 設定されるように調整した。

 図10および図11と同様に、図19および図20 横軸が期間P3の開始時からの時間経過を示し 、図19の縦軸が電圧値Vgsを示し、図20の縦軸 電圧値Vdsを示している。

 また、図19および図20では、図10および図1 1と同様に、閾値Vthが異なる5種類の駆動トラ ジスタ2に係る電圧値Vgs,Vdsの経時変化、す わち、上から順に、閾値Vth=6.2Vの場合の経時 変化(細線)、閾値Vth=5.2Vの場合の経時変化(細 線)、閾値Vth=4.2Vの場合の経時変化(細一点鎖 線)、閾値Vth=3.2Vの場合の経時変化(太線)、閾 Vth=2.2Vの場合の経時変化(太破線)がそれぞれ 示されている。

 電圧値Vgsについては、図19で示すように 期間P3(経過時間=0~0.2ms)の間に閾値Vthを下回 値まで急速に減少する。そして、期間P4に移 行する際(経過時間=0.2ms)に、駆動トランジス 2のゲート電位において、Vth補償用トランジ スタ3Aのゲート電位の変化による突き抜けが じ、駆動トランジスタ2の電圧値Vgsが、1V以 急落した。その後は、駆動トランジスタ2の 電圧値Vgsは略一定で推移した。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vgsが略一定で保持さ るのは、Vth補償用トランジスタ3Aが第4-5電 間(すなわちドレイン-ソース間)で電流が流 得ない非導通状態となり、コンデンサ4から 荷が抜けないからである。

 次に、電圧値Vdsについては、図20で示す うに、期間P3(経過時間=0~0.2ms)の間に急激に 少するとともに、急激な減少の途中で、期 P3から期間P4に移行する。そして、期間P3か 期間P4に移行する際(経過時間=0.2ms)に、いわ る突き抜けが生じて、駆動トランジスタ2の 電圧値Vdsが0.5V程度急落した。その後は、駆 トランジスタ2の電圧値Vdsは略一定で推移し 。

 このように、期間P4へ移行した後に、駆 トランジスタ2の電圧値Vdsが略一定で保持さ る現象は下記メカニズムによるものである ここでは、図19で示すように、期間P3から期 間P4に移行する際において突き抜けによって 動トランジスタ2の電圧値Vgsが急落する量( えば1V以上)が、図10および図12で示した比較 象技術に係る突き抜けによって駆動トラン スタ2の電圧値Vgsが急落する量(例えば約0.3~0 .4V)よりも2倍以上大きくなっているため、駆 トランジスタ2の電圧値Vgsが十分低下される 。その結果、駆動トランジスタ2が、ソース- レイン間で漏れ電流がほとんど発生しない 態となるため、素子コンデンサ1cからVSS線Lv sに電荷がほとんど抜けないこととなる。

 ここで、突き抜けによって駆動トランジ タ2における電圧値Vgsの急落量が増加する理 由について説明する。

 駆動トランジスタ2のゲート電圧(電圧値Vg s)のVth補償用トランジスタ3Aによる突き抜け 電圧(突き抜け電圧、すなわちゲート電位が わったときに寄生容量で電位が変動する量) MVは、Vth補償用トランジスタ3Aのゲート電位 高電位VgH、低電位VgLを用いて、下式(4)で表 れる。

 また、上述したように、本実施形態に係 Vth補償用トランジスタ3の寄生容量CgsTthA,CgdT thAについては、上式(3)の関係を成立させて、 寄生容量CgsTthAを増加させている。そして、 式(4)で示すように、寄生容量CgsTthAの増加に り、突き抜け電圧の絶対値が増大すると、 間P3から期間P4に移行する際に駆動トランジ スタ2のゲート電圧(電圧Vgs)が急落する量が大 きくなる。

 このように、駆動トランジスタ2における 電圧値Vgsの急落量が増大すると、駆動トラン ジスタ2がソース-ドレイン間で十分電流が流 得ない非導通状態となる。このため、期間P 3を短くしても、期間P4に移行した直後にデー タ書込処理が行われる画素と、期間P4に移行 てから相当な期間が経過された後にデータ 込処理が行われる画素とで、素子コンデン 1cから抜ける電荷量にほとんど差が出ない したがって、画面上における輝度ムラやク ストークの発生を抑制しつつ、Vth補償期間P3 を短くすることができる。

 例えば、期間P3を2msから0.2msへと1.8msも短 可能であり、この短縮分(1.8ms)を期間P6の延 に利用することで、比較対象技術のデュー ィーが30%の場合には、デューティーを40.8% と大幅に増大させることが可能である。こ デューティーの増大により、視認される発 輝度が向上するため、同じ発光輝度を実現 せるために要する電流密度を低減させるこ ができる。

 以上のように、第1実施形態に係る画像表 示装置1Aでは、Vth補償用トランジスタ3Aにお て、第5-6電極間の寄生容量CgsTthAが、第4-6電 間の寄生容量CgdTthAよりも大きな値となるよ うに設定されている。このような構成により 、Vth補償用トランジスタ3Aが導通状態から非 通状態へと移行する際に発生する駆動トラ ジスタ2のゲート電位の変化量が増大するた め、Vth補償期間P3を短くしても、駆動トラン スタ2が非導通状態に至る。その結果、Vth補 償期間P3を短くしても、書込期間P4において 素ごとに画像データ信号に応じた電荷が蓄 されるまでに有機EL素子1に蓄積される電荷 低下量にほとんど差が出ない。したがって 画面上における輝度ムラやクロストークの 生を抑制しつつ、画像表示装置1Aの長寿命化 を図ることができる。

 また、寄生容量CgsTthAを、寄生容量CgdTthA りも2倍以上と十分大きな値に設定すると、V th補償用トランジスタ3Aが導通状態から非導 状態へと移行する際に駆動トランジスタ2に いて発生するゲート電位の変化量が大きく 加する。このため、Vth補償期間P3をより短 しても、書込期間P4に移行した際に駆動トラ ンジスタ2が非導通状態に至り易い。したが て、画面上における輝度ムラやクロストー の発生を抑制しつつ、画像表示装置1Aの長寿 命化を更に図ることができる。

 <第2実施形態>
 第1実施形態に係る画像表示装置1Aでは、Vth 償用トランジスタ3Aにおいて、寄生容量CgsTt hAを寄生容量CgdTthAよりも大きな値に設定する ことで、Vth補償用トランジスタ3Aが導通状態 ら非導通状態に移行する際に発生する駆動 ランジスタ2のゲート電位の低下量を増大さ せ、期間P3を短くしても、期間P4に移行した に駆動トランジスタ2が非導通状態に至り易 した。これに対し、第2実施形態に係る画像 表示装置1Bでは、画像信号線Lisに印加される 号の電位を適宜調整することで、期間P3を くしても、期間P4に移行した際に駆動トラン ジスタ2が非導通状態に至るようにしている

 以下、第2実施形態に係る画像表示装置1B ついて説明する。

 以下では、第1実施形態と同様な部分や期 間や電位については、同じ符号を付して説明 を省略し、主に異なる点について説明する。

 図21は、画像表示装置1Bを駆動させる際の 信号波形(駆動波形)を示すタイミングチャー である。図21では、図3および図18と同様に 横軸が時刻を表し、上から順に、(a)VDD線Lvd 印加される電位(電位Vdd)、(b)VSS線Lvsに印加さ れる電位(電位Vss)、(c)第1走査信号線Lssに印加 される信号の電位(電位Vls1)、(d)第2走査信号 Lssに印加される信号の電位(電位Vls2)、(e)画 信号線Lisに印加される信号の電位(電位Vlis) の波形が示されている。

 また、図21では、図3および図18と同様に 有機EL素子1を1回発光させるための駆動波形 示されているが、1回の発光に係る期間は、 時間順次に、Cs初期化期間P1(時刻t1~t2)、準備 間P2(時刻t2~t3)、Vth補償期間P3(時刻t3~t4)、書 期間P4(時刻t4~t5)、素子初期化期間P5(時刻t5~t 6)、および発光期間P6(時刻t6~)を備えて構成さ れている。なお、書込期間P4における電位Vlis は、各有機EL素子1の発光輝度によって決まる 任意の値であるため、図21では、図3および図 18と同様に、当該電位が存在し得る範囲に斜 ハッチングが便宜的に付されている。

 図21で示す駆動波形では、4つの電位Vdd,Vss ,Vls1,Vls2については、図18で示したものと同一 の電位の波形を示す。

 これに対し、画像信号線Lisに印加される 位(電位Vlis)については、図18で示したもの 比較して、時刻t2~t4すなわち期間P2,P3におけ 電位が、所定値αだけ高く設定されてVdH+α されている点が異なり、その他は同様な電 の波形を示す。

 このように、期間P2,P3において電位Vlisを 定の高電位VdHよりも所定値αだけ高めに設 しておくと、コンデンサ4の第8の電極4bも電 VdH+αに設定され、期間P3において、コンデ サ4に蓄積されている電荷がVSS線Lvsに対して り速く且つ多めに抜ける。したがって、期 P3を短くしても、駆動トランジスタ2のゲー 電圧Vgsが十分低下するため、期間P4におい 駆動トランジスタ2が第1-2電極間で漏れ電流 ほとんど発生しない状態に至る。その結果 期間P4では、データ書込処理前の画素にお て、素子コンデンサ1cからVSS線Lvsに電荷が抜 け難くなる。

 また、別の観点から見れば、期間P3にお る電位Vlisが、期間P4における電位Vlisの最大 よりも高い電位に設定されている。このよ な電位の設定により、期間P4において、同 の画像信号線Lisに対して共通に接続されて る複数の画素のうち、1つの画素に対してデ タ書込処理が行われる際にも、他の画素の 動トランジスタ2において漏れ電流が発生し 難くなる。

 ところで、図21で示す駆動波形では、期 P3から期間P4に移行する際にVth補償用トラン スタ3Bが非導通状態となるのと略同時(時刻t 4)に、電位Vlisを0Vまで下げている。このVth補 用トランジスタ3Bが非導通状態にされるタ ミングと、電位Vlis(すなわち第8電極4bに印加 される電位)を下げるタイミングとの関係に いては、以下の点に留意することが好まし 。

 例えば、Vth補償用トランジスタ3Bを非導 状態とした後に、電位Vlisを下げることが好 しい。これは、電位Vlisが下げられてから、 Vth補償用トランジスタ3Bが非導通状態とされ までに若干の期間が発生すると、この期間 にコンデンサ4に電荷が蓄積されて、駆動ト ランジスタ2のゲート電圧Vgsの低下を阻害す からである。但し、期間P3の短縮化を図る観 点から言えば、Vth補償用トランジスタ3Bを非 通状態としてから、電位Vlisを下げるまでの 期間は、短いほど好ましい。すなわち、Vth補 償用トランジスタ3Bを非導通状態にするタイ ングと、電位Vlisを下げるタイミングとは、 同一であることが最も好ましい。

 なお、期間P2,P3において電位Vlisが、VdHよ もαだけ高く設定されるが、この電位の増 分αについては、例えば、下記のように設定 すれば良い。

 例えば、閾値電圧Vth=2.2Vの場合には、図10 で示したように、期間P3を2msとして、期間P3 おいて駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを 0.9Vまで下げると、図11で示したように、期 P4において駆動トランジスタ2が非導通状態 なる。これに対して、図12で示したように 期間P3を0.2msまで短縮して、期間P2において 動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを約1.7Vまで しか下げなければ、図13で示したように、期 P4において駆動トランジスタ2で漏れ電流が 生する状態となってしまう。この点から、 間P3を0.2msまで短縮するには、期間P3の終了 にコンデンサ4に蓄積される電荷量を約0.8(=1 .7-0.9)V分だけ下げれば良い。より詳細には、 位の増加分αを、コンデンサ4ならびに他の ンデンサの容量のうち、コンデンサ4の容量 が占める比率(容量比)に基づいて設定すれば い。

 以上のように、第2の実施形態に係る画像 表示装置1Bでは、期間P3における電位Vlis(ここ では電位VdH+α)が、期間P4における電位Vlisの 大値(ここでは電位VdH)よりも高い電位に設定 される。このような構成によっても、期間P3 短くしても、Vth補償用トランジスタ3Aが導 状態から非導通状態へと移行する際に、駆 トランジスタ2が漏れ電流がほとんど発生し い非導通状態となる。その結果、期間P3を くしても、期間P4において、画素ごとに画素 データ信号に応じた電荷が蓄積されるまでに 有機EL素子1に蓄積される電荷の低下量にほと んど差が出ない。したがって、画面上におけ る輝度ムラやクロストークの発生を抑制しつ つ、画像表示装置の長寿命化を図ることがで きる。

 また、第2実施形態に係る画像表示装置1B は、第1実施形態に係る画像表示装置1Aと比 して、以下の点でより好ましいと言える。

 寄生容量VgsTthを大きくするために、Vth補 用トランジスタ3Bがオーバーラップ部分の 加によって大型化するようなこともない。 まり、第2実施形態に係る画像表示装置1Bに いては、第1実施形態に係る画像表示装置1A 比較して、電位Vlisを調整する回路を変更す 必要性はあるが、より簡素な画素回路7Bの 成を採用することができる。このため、有 EL素子1の発光輝度を調節する上で重要な駆 トランジスタ2やコンデンサ4などを形成する ための領域が狭くなったりするような設計の 自由度の低下を回避することができる点でよ り好ましい。

 また、Vth補償用トランジスタ3Aのオーバ ラップ部分を精度良く調整するのと比較し 、電位Vlisの方が容易に精度良く調整するこ ができる。更に、画素回路7Bが形成された において、電位Vlisを調節することができる でも好ましい。

 <第3実施形態>
 第2実施形態に係る画像表示装置1Bでは、電 Vlis(すなわちコンデンサ4の第8電極4bの電位) を適宜調整することで、期間P3を短くしても 期間P4に移行する際に駆動トランジスタ2が 導通状態となるようにした。これに対し、 3実施形態に係る画像表示装置1Cでは、VSS線L vsに印加される電位(すなわち駆動トランジス タ2の第2電極2sdに印加される電位)を適宜調整 することで、期間P3を短くしても、期間P4に 行する際に駆動トランジスタ2が非導通状態 なるようにしている。

 以下、第3実施形態に係る画像表示装置1C ついて説明する。

 以下では、第1および第2実施形態と同様 部分や期間や電位については、同じ符号を して説明を省略し、主に異なる点について 明する。

 図22は、画像表示装置1Cを駆動させる際の 信号波形(駆動波形)を示すタイミングチャー である。図22では、図3、図18および図21と同 様に、横軸が時刻を示し、上から順に、(a)VDD 線Lvdに印加される電位(電位Vdd)、(b)VSS線Lvsに 加される電位(電位Vss)、(c)第1走査信号線Lss 印加される電位(電位Vls1)、(d)第2走査信号線 Lssに印加される電位(電位Vls2)、(e)画像信号線 Lisに印加される電位(電位Vlis)、の波形が示さ れている。

 また、図22では、図3、図18および図21と同 様に、有機EL素子1を1回発光させるための駆 波形が示されているが、1回の発光に係る期 は、時間順次に、Cs初期化期間P1(時刻t1~t2) 準備期間P2(時刻t2~t3)、Vth補償期間P3(時刻t3~t4 )、書込期間P4(時刻t4~t5)、素子初期化期間P5( 刻t5~t6)、および発光期間P6(時刻t6~)を備えて 成されている。なお、期間P4における電位Vl isは、各有機EL素子1の発光輝度によって決ま 任意の値であるため、図22では、図3、図18 よび図21と同様に、電位Vlisが存在し得る範 に斜線ハッチングが便宜的に付されている

 図22で示す駆動波形では、4つの電位Vdd,Vls 1,Vls2,Vlisについては、図18で示したものと同 の電位の波形を示す。一方、VSS線Lvsに印加 れる電位(電位Vss)については、図18で示した のと比較して、時刻t2~t4すなわち期間P2,P3に おける電位が、所定値βだけ低く設定されて- βとされている点が異なるが、その他は同様 電位の波形を示す。

 このように、期間P2,P3における電位Vssを0V よりもβだけ低めに設定しておくと、期間P3 おいて、コンデンサ4に蓄積されている電荷 VSS線Lvsに対してより速く且つ多めに抜ける したがって、期間P3を短くしても、駆動ト ンジスタ2のゲート電圧Vgsが十分低下する。 のため、期間P4において駆動トランジスタ2 第1-2電極間(すなわちドレイン-ソース間)で れ電流がほとんど発生しない状態となる。 の結果、期間P4において、データ書込処理 の画素では、素子コンデンサ1cからVSS線Lvsに 電荷が抜け難くなる。

 また、期間P3から期間P4にかけた電位Vssの 制御の観点から言えば、Vth補償用トランジス タ3Bが導通状態とされた期間においてVSS線Lvs 対して第1電位(ここでは、-β)が付与される そして、Vth補償用トランジスタ3Bが導通状 から非導通状態に移行するタイミングと略 時に電位Vssが、第1電位から第1電位よりも相 対的に高い第2電位(ここでは、0V)とされる。

 ところで、図22で示す駆動波形では、期 P3から期間P4に移行する際にVth補償用トラン スタ3Bが非導通状態となるのと略同時(時刻t 4)に、電位Vssを-βから0Vへと上げている。こ Vth補償用トランジスタ3Bが非導通状態にされ るタイミングと、電位Vss(すなわち駆動トラ ジスタ2の第2電極2sdの電位)を上げるタイミ グとの関係については、以下の点に留意す ことが好ましい。

 Vth補償用トランジスタ3Bを非導通状態と た後に、電位Vssを上げることが好ましい。 れは、電位Vssが上げられてからVth補償用ト ンジスタ3Bが非導通状態とされるまでに若干 の期間が発生すると、この期間中にコンデン サ4に電荷が蓄積され、駆動トランジスタ2の ート電圧Vgsの低下を阻害するからである。 し、期間P3の短縮化を図る観点から言えば Vth補償用トランジスタ3Bを非導通状態として から、電位Vssを上げるまでの期間は、短いほ ど好ましい。すなわち、Vth補償用トランジス タ3Bを非導通状態にするタイミングと、電位V ssを上げるタイミングとは、同一であること 最も好ましい。

 なお、電位Vssの減少分βについては、第2 施形態においても説明したように、例えば 閾値電圧Vth=2.2Vの場合には、期間P3を0.2msま 短縮するには、期間P3の終了時にコンデン 4に蓄積される電荷量を約0.8(=1.7-0.9)V分だけ げれば良い。より詳細には、電位の減少分β を、コンデンサ4ならびに他のコンデンサの 量のうち、コンデンサ4の容量が占める比率( 容量比)に基づいて設定すれば良い。

 以上のように、第3の実施形態に係る画像 表示装置1Cでは、期間P3において、駆動トラ ジスタ2の第2電極2sdに電気的に接続されてい るVSS線Lvsに対して第1電位(ここでは、-β)が付 与される。そして、Vth補償用トランジスタ3B 導通状態から非導通状態に移行するタイミ グと略同時に電位Vssが、第1電位から第1電 よりも相対的に高い第2電位(ここでは、0V)と なるように制御される。このような構成によ り、期間P3を短くしても、Vth補償用トランジ タ3Bが導通状態から非導通状態へと移行す 際に、駆動トランジスタ2が実質的に非導通 態に至る。その結果、期間P3を短くしても 期間P4において画素ごとに画素データ信号に 応じた電荷が蓄積されるまでに有機EL素子1に 蓄積される電荷の低下量にほとんど差が出な い。したがって、画面上における輝度ムラや クロストークの発生を抑制しつつ、画像表示 装置の長寿命化を図ることができる。

 また、第3実施形態に係る画像表示装置1C 、第1実施形態に係る画像表示装置1Aと比較 て、第2実施形態に係る画像表示装置1Bと同 に、有機EL素子1の発光輝度を調節する上で 要な駆動トランジスタ2やコンデンサ4など 形成するための領域が狭くなったりするよ な設計の自由度の低下を回避することがで る点でより好ましい。

 また、Vth補償用トランジスタ3Aのオーバ ラップ部分を精度良く調整するのと比較し 、電位Vssの方が容易に精度良く調整するこ ができる。更に、画素回路7Bが形成された後 において、電位Vssを調節することができる点 でも好ましい。

 <変形例>
 なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ るものではなく、本発明の要旨を逸脱しな 範囲において種々の変更、改良等が可能で る。

 ◎例えば、上記第1実施形態に係る画像表 示装置1Aでは、駆動トランジスタ2、およびVth 補償用トランジスタ3Aが、ともにn-MISFETTFTに って構成されたが、これに限られず、とも キャリアが正孔であるタイプ(p型)のMIS構造 採用した電界効果トランジスタの一種であ 薄膜トランジスタ、すなわちp-MISFETTFTによっ て構成されても、上記第1実施形態に係る画 表示装置1Aと同様な効果を得ることができる 。

 なお、p-MISFETTFTでは、n-MISFETTFTとは導通状 態と非導通状態とを切り替える際のゲート電 圧の正負が逆転するため、駆動トランジスタ 2のゲート電位の変化量(すなわち、突き抜け 圧)が正の値である必要性がある。しかしな がら、上記第1実施形態では、上式(4)の右辺 (VgL-VgH)が負であったが、p-MISFETTFTでは、上式 (4)の右辺の(VgL-VgH)が正の値に置換されるため 、駆動トランジスタ2の突き抜け電圧は正の となる。

 ◎また、上記第1実施形態に係る画像表示 装置1Aでは、上式(3)の関係が成立するようにV th補償用トランジスタ3Aの構造を調整したが 駆動トランジスタ2の突き抜け電圧は、画素 路7Aに含まれる複数のコンデンサの容量比 どといった回路設計上の要因によって種々 化させる必要性がある。

 ◎また、上記第1実施形態では、寄生容量 CgsTthAを増加させることで、突き抜け電圧の 対値を増大させ、結果として、期間P3から期 間P4に移行する際に駆動トランジスタ2のゲー ト電圧(電圧Vgs)を増大させたが、これに限ら ない。

 例えば、Vth補償用トランジスタ3Aの第6電 3gに一方電極が電気的に接続され、Vth補償 トランジスタ3Aの第5電極3sd、すなわち駆動 ランジスタ2の第3電極2gに他方電極が電気的 接続されるようにコンデンサが設けられて 、突き抜け電圧の絶対値の増大が可能であ 、第1実施形態と同様な作用効果が得られる 。

 ◎また、上記第2実施形態に係る画像表示 装置1Bでは、図21で示したように、期間P2,P3に おける電位VlisをVdHよりもαだけ高めに設定し ておき、期間P4に移行する際に電位Vlisを0Vに 下させたが、これに限られない。

 例えば、期間P2,P3における電位VlisをVdHと 、期間P4に移行する際に電位Vlisを0Vよりもα だけ低い-αに低下させて、期間P3における電 Vlisが、期間P4における電位Vlisの最大値より も高い電位に設定されても、上記第2実施形 と同様な作用効果を得ることができる。こ ような具体的な態様について、図23を参照し つつ以下説明する。

 図23は、変形例に係る画像表示装置を駆 させる際の信号波形(駆動波形)を示すタイミ ングチャートである。図23では、図21と同様 項目の電位の増減を示す波形が示されてい 。

 図23で示す駆動波形では、4つの電位Vdd,Vss ,Vls1,Vls2については、図21で示したものと同一 の電位の波形を示す。

 画像信号線Lisに印加される電位(電位Vlis) ついては、図21で示したものと比較して、 間P2,P3(時刻t2~t4)における電位Vlisが、所定値 だけ低い値(すなわち、VdH)に設定され、期間 P4(時刻t4~t5)における電位Vlisの最小値および 大値が所定値αだけ低く設定され、最小値が -α、最大値がVdH-αとされている。このように 、第2実施形態と比較して、期間P2~P4における 電位Vlisの絶対値は異なるものの、期間P3にお ける電位Vlisが、期間P4における電位Vlisの最 値よりも高い電位に設定される点では変わ ない。

 そして、このような電位設定によっても 期間P3を短縮化しても、期間P3から期間P4に 行する際に、駆動トランジスタ2のゲート電 圧Vgsが十分低下するため、第2実施形態と同 な作用効果が得られる。

 ◎また、上記第2実施形態に係る画像表示 装置1Bでは、駆動トランジスタ2、およびVth補 償用トランジスタ3Bが、ともにn-MISFETTFTによ て構成されたが、これに限られず、ともに ャリアが正孔であるタイプ(p型)のMIS構造を 用した電界効果トランジスタの一種である 膜トランジスタ、すなわちp-MISFETTFTによって 構成されても良い。

 但し、駆動トランジスタ、およびVth補償 トランジスタにp-MISFETTFTを適用した場合に 、画素回路ならびにその駆動方法が異なる

 そこで、まず、駆動トランジスタ、およ Vth補償用トランジスタにp-MISFETTFTを適用し 画素回路ならびにその基本的な駆動方法に いて説明し、次に、上記第2実施形態と同様 、画像信号線に印加される電位を適宜調整 つつ、Vth補償期間を短くしても、書込期間 移行した際に駆動トランジスタが非導通状 に至るようにする方法について説明する。

 ○p型のトランジスタを適用した画素回路の 構成:
 図24は、p-MISFETTFTによって構成された駆動ト ランジスタとVth補償用トランジスタとを用い た画素回路7Pの回路構成を示す図である。

 画素回路7Pは、有機EL素子1と、4つのトラ ジスタTr1~Tr4と、2つのコンデンサ4Cc,4Csとを えている。

 有機EL素子1は、上記第1~第3実施形態に係 有機EL素子1と同様なものであり、アノード 極1aが、トランジスタTr2の電極R2dに対して 気的に接続され、カソード電極1bが接地され る。

 トランジスタTr1は、有機EL素子1に対して 気的に直列に接続され、有機EL素子1の発光 度を調整するための駆動トランジスタであ 、電極R1d、電極R1s、および制御電極(ゲート 電極)R1gを備える。電極R1dは、トランジスタTr 2を介して有機EL素子1のアノード電極1aに対し て電気的に接続され、電極R1sは、有機EL素子1 が発光する際に高電位VDDが印加される電源線 (VDD線)Lvdに対して電気的に接続され、ゲート 極R1gは、コンデンサ4Ccの電極Ccaに対して電 的に接続される。そして、制御電極R1gに印 される電位により、電極R1dと電極R1sとの間 電流が流れる量が調整され、更に、電極R1d 電極R1sとの間で電流が流れ得る状態(導電状 態)と流れ得ない状態(非導電状態)とが実現さ れる。

 トランジスタTr2は、有機EL素子1に対して 気的に直列に接続され、有機EL素子1の発光 イミングを調整するための発光制御用のト ンジスタであり、電極R2d、電極R2s、および 御電極(ゲート電極)R2gを備える。電極R2dは 有機EL素子1のアノード電極1aに対して電気的 に接続され、電極R2sは、トランジスタTr1の電 極R1dに対して電気的に接続され、制御電極R2g は、所定の電力供給線(発光制御線)Lecに対し 電気的に接続される。そして、発光制御線L ecによって制御電極R2gに印加される電位によ 、電極R2dと電極R2sとの間で電流が流れ得る 態(導電状態)と流れ得ない状態(非導電状態) とが実現される。

 トランジスタTr3は、駆動トランジスタTr1 閾値電圧(閾値Vth)を補償するためのVth補償 トランジスタであり、電極R3d、電極R3s、お び制御電極(ゲート電極)R3gを備える。電極R3d は、駆動トランジスタTr1の制御電極R1gとコン デンサ4Ccとを電気的に接続する配線に対して 電気的に接続され、電極R3sは、駆動トランジ スタTr1の電極R1dとトランジスタTr2の電極R2sと を電気的に接続する配線に対して電気的に接 続され、制御電極R3gは、所定の電力供給線( ートゼロ線)Latに対して電気的に接続される そして、オートゼロ線Latによって制御電極R 3gに印加される電位により、電極R3dと電極R3s の間で電流が流れ得る状態(導電状態)と流 得ない状態(非導電状態)とが実現される。

 トランジスタTr4は、画素データ信号の電 を駆動トランジスタTr1の制御電極R1gに対し 作用させるか否かを調整するものであり、 極R4d、電極R4s、および制御電極(ゲート電極 )R4gを備える。電極R4dは、画像信号線Lisに対 て電気的に接続され、電極R4sは、コンデン 4Ccの電極Ccbに対して電気的に接続され、制 電極R4gは、走査信号線Lssに対して電気的に 続される。そして、走査信号線Lssによって 御電極R4gに印加される電位により、電極R4d 電極R4sとの間で電流が流れ得る状態(導電状 )と流れ得ない状態(非導電状態)とが実現さ る。

 コンデンサ4Csは、所定の容量Csを有し、 極Csaと電極Csbとを備える。電極Csaは、駆動 ランジスタTr1とVDD線Lvdとを電気的に接続す 配線に対して電気的に接続され、電極Csbは 駆動トランジスタTr1の制御電極R1gとコンデ サ4Ccの電極Ccaとを電気的に接続する配線に して電気的に接続されることで、制御電極R1 g、電極Cca、およびVth補償用トランジスタTr3 電極R3dに対して電気的に接続される。

 コンデンサ4Ccは、所定の容量Ccを有し、 極Ccaと電極Ccbとを備える。電極Ccaは、駆動 ランジスタTr1の制御電極R1g、コンデンサ4Cs 電極Csb、およびVth補償用トランジスタTr3の 極R3dに対して電気的に接続され、電極Ccbは トランジスタTr4の電極R4sに対して電気的に 続される。

 ○p型のトランジスタを適用した画素回路の 駆動方法:
 図25は、画素回路7Pを1回発光させる駆動時 信号波形(駆動波形)を例示するタイミングチ ャートである。図25では、横軸が時刻を表し 上から順に、(a)VDD線Lvdに印加される電位(電 位Vdd)、(b)オートゼロ線Latに印加される電位( 位Vat)、(c)発光制御線Lecに印加される電位( 位Vec)、(d)走査信号線Lssに印加される電位(電 位Vls)、(e)画像信号線Lisに印加される電位(電 Vlis)、の波形が示されている。

 また、図25では、有機EL素子1を1回発光さ るための駆動波形が示されているが、1回の 発光に係る期間は、時間順次に、準備期間Pa( 時刻T1~T2)、Vth補償期間Pb(時刻T2~T3)、書込期間 Pc(時刻T3~T4)、および発光期間Pd(時刻T4~T5)を備 えて構成される。なお、図25では、図3、図18 よび図21~図23と同様に、書込期間Pcにおける 電位Vlisが存在し得る範囲に斜線ハッチング 便宜的に付されている。

 以下、準備期間Pa(以下「期間Pa」と適宜 称する)、Vth補償期間Pb(以下「期間Pb」と適 略称する)、書込期間Pc(以下「期間Pc」と適 略称する)、および発光期間Pd(以下「期間Pd と適宜略称する)における動作について説明 る。

 期間Pa(時刻T1~T2)では、電位Vddが正の所定 位VDD、電位Vec,Vlsがそれぞれ所定の低電位VgL 、電位Vlisが所定の基準電位VdHに設定される また、期間Paに入った直後に電位Vatが所定の 高電位VgHから所定の低電位VgLに変更される。 このとき、4つのトランジスタTr1~Tr4が全て導 状態となり、コンデンサ4Cc,4Csに所定の電荷 が蓄積される。

 次に、期間Pb(時刻T2~T3)では、電位Vddが正 所定電位VDD、電位Vat,Vlsがそれぞれ所定の低 電位VgL、電位Vlisが所定の基準電位VdHにそれ れ設定されたままで維持される一方、電位Ve cが所定の低電位VgLから所定の高電位VgHに変 される。

 この期間Pbでは、まず、トランジスタTr1~T r4のうち、トランジスタTr2が非導電状態に設 されることで、駆動トランジスタTr1の電極R 1sから電極R1dに向けて正の電荷が移動すると もに、Vth補償用トランジスタTr3の電極R3sお び電極R3dを介して駆動トランジスタTr1の制 電極R1gに向けて正の電荷が移動する。この め、制御電極R1gの電位が上昇していく。そ て、コンデンサ4Ccに基準電位VdHと閾値Vthと 差分(VdH-Vth)に相当する電荷が蓄積された時 で、駆動トランジスタTr1が非導通状態とな 。

 次に、期間Pc(時刻T3~T4)では、電位Vddが正 所定電位VDD、電位Vecが所定の高電位VgH、電 Vlsが所定の低電位VgLにそれぞれ設定された まで維持される一方、電位Vatが所定の高電 VgHに設定される。また、電位Vlisは適宜画素 データ信号に応じた電位に設定され、最終的 に電位Vlsが所定の高電位VgHに切り替えられる 。

 この期間Pcでは、Vth補償用トランジスタTr 3が非導通状態となり、電位Vlisに応じた電荷 すなわち画素データ信号に応じた電荷がコ デンサ4Ccに蓄積され、トランジスタTr4が非 通状態に移行されることで、コンデンサ4Cc 蓄積された電荷が画素回路7Pの外部に逃げ れない状態となる。

 期間Pd(時刻T4~T5)では、電位Vddが正の所定 位VDD、電位Vat,Vlsが所定の高電位VgH、電位Vli sが所定の高電位VdHにそれぞれ設定され、電 Vecが所定の低電位VgLに移行する。このとき トランジスタTr2が導通状態となるとともに 駆動トランジスタTr1が、画素データ信号に じた電流が流れ得る導通状態にある。この め、有機EL素子1のアノード電極1aからカソー ド電極1bに向けて、画素データ信号に応じた 流が流れ、有機EL素子1が所望の輝度で発光 る。

 ○p型のトランジスタが適用された画素回路 に係るVth補償期間の短縮化方法:
 図26は、画素回路にp型のトランジスタが適 された画像表示装置を駆動させる際の信号 形(駆動波形)を示すタイミングチャートで る。図26では、図25と同様な項目の電位の増 を示す波形が示されている。

 図26で示す駆動波形は、期間Pb(時刻T2~T3) おいて、画像信号線Lisに付与される電位Vlis 、書込期間Pc(時刻T3~T4)における電位Vlisの最 大値より低くなるように、基準電位VdHよりも 所定電位αだけ低い電位(VdH-α)に設定される 以外は、図25で示す駆動波形と同様なものと なっている。

 このように、期間Pbにおける電位Vlisが、 間Pcにおける電位Vlisの最大値より低くなる うに調整されることで、期間Pbにおいて、 動トランジスタTr1が非導通状態に至るのに する時間が短縮化される。したがって、Vth 償期間Pbを短くしても、Vth補償用トランジス タTr3が導通状態から非導通状態へと移行する 際に、駆動トランジスタTr1が漏れ電流がほと んど発生しない非導通状態となる。その結果 、第2実施形態と同様な作用効果を得ること できる。

 ◎また、上記第3実施形態に係る画像表示 装置1Cでは、図22で示したように、期間P2,P3に おいてVSS線Lvsに印加される電位Vssを0Vよりも 定値βだけ低めに設定しておき、期間P4に移 行する際に電位Vssを0Vに上昇させたが、これ 限られない。

 例えば、期間P2,P3における電位Vssを0Vとし 、期間P4に移行する際に電位Vssを0Vよりも所 値βだけ高い電位に上昇させても良い。つま り、期間P3においてVSS線Lvsに対して第1電位( こでは、0V)が付与され、Vth補償用トランジ タ3Bが導通状態から非導通状態に移行するタ イミングと略同時に電位Vssが、第1電位から 1電位よりも相対的に高い第2電位(ここでは +β)とされても良い。このような具体的な態 について、図27を参照しつつ以下説明する

 図27は、変形例に係る画像表示装置を駆 させる際の信号波形(駆動波形)を示すタイミ ングチャートである。図27では、図22と同様 項目の電位の増減を示す波形が示されてい 。

 図27で示す駆動波形では、4つの電位Vdd,Vls 1,Vls2,Vlisについては、図22で示したものと同 の電位の波形を示す。

 VSS線Lvsに印加される電位Vssについては、 22で示したものと比較して、期間P2,P3(時刻t2 ~t4)および期間P4(時刻t4~t5)における電位が、 定値βだけ高くなるように制御される。つま り、電位Vssが、期間P2,P3で所定の基準電位(こ こでは0V)に設定され、期間P4で所定値βに設 される。このように、第3実施形態と比較し 、期間P2~P4における電位Vssの絶対値は異な ものの、期間P3においてVSS線Lvsに対して第1 位(ここでは、0V)が付与され、Vth補償用トラ ジスタ3Bが導通状態から非導通状態に移行 るタイミングと略同時に電位Vssが、第1電位 ら第1電位よりも相対的に高い第2電位(ここ は、+β)とされる点では変わりない。

 このような電位の設定により、期間P3か 期間P4に移行する際に、駆動トランジスタ2 ゲート電圧Vgsが十分低下することとなり、 果的に、第3実施形態と同様な作用効果が得 れる。

 ◎また、上記第3実施形態に係る画像表示 装置1Cでは、駆動トランジスタ2、およびVth補 償用トランジスタ3Bが、ともにn-MISFETTFTによ て構成されたが、これに限られず、ともに ャリアが正孔であるタイプ(p型)のMIS構造を 用した電界効果トランジスタの一種である 膜トランジスタ、すなわちp-MISFETTFTによって 構成されても良い。

 但し、駆動トランジスタ、およびVth補償 トランジスタにp-MISFETTFTを適用した場合に 、画素回路ならびにその駆動方法が異なる このp型のトランジスタを適用した画素回路 構成については、上記の如く図24を示して 明した画素回路7Pが挙げられる。

 ここで、画素回路7Pにおいて、上記第3実 形態と同様に、有機EL素子が発光する際に 動トランジスタにおいてソースとなる電極 印加される電位を適宜調整しつつ、Vth補償 間を短くしても、書込期間に移行した際に 動トランジスタが実質的に非導通状態に至 ようにする方法について説明する。

 図28は、画素回路にp型のトランジスタが 用された画像表示装置を駆動させる際の信 波形(駆動波形)を示すタイミングチャート ある。図28では、図25と同様な項目の電位の 減を示す波形が示されている。

 図28で示す駆動波形は、期間Pb(時刻T2~T3) おいてVDD線Lvdに付与される電位Vddが、所定 高電位VDDよりも所定値だけ高い電位に設定 れる以外は、図25で示す駆動波形と同様なも のとなっている。つまり、図28で示す駆動波 では、期間PbにおいてVDD線Ldd(すなわち、駆 トランジスタTr1の電極R1s)に対して第1電位( こでは、VDD+β)が付与され、Vth補償用トラン ジスタTr3が導通状態から非導通状態に移行す るタイミングと略同時に電位Vddが、第1電位 ら第1電位よりも相対的に低い第2電位(ここ は、所定の高電位VDD)となるように制御され 。

 このように、期間Pbにおける電位Vddが、 間Pcにおける電位Vddよりも高めに調整される ことで、期間Pbを短くしても、Vth補償用トラ ジスタTr3が導通状態から非導通状態へと移 する際に、駆動トランジスタTr1が漏れ電流 ほとんど発生しない非導通状態となる。そ 結果、第3実施形態と同様な作用効果を得る ことができる。

 ◎また、上記実施形態では、画像表示装 の一例として、携帯電話機を例示して説明 たが、これに限られず、例えば、ノート型 ソコンや家庭用の薄型テレビ装置などとい たその他の画像表示装置に本発明を適用し も、上記実施形態と同様な効果を得ること できる。

 ◎また、上記実施形態では、有機ELディ プレイを用いた画像表示装置を挙げて説明 たが、本発明の適用対象はこれに限られず 例えば、電流量によって発光輝度が調整さ るタイプ(電流制御型)の素子が配列された画 像表示装置に本発明を適用することができる 。