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Patent Searching and Data


Title:
COOLING SYSTEM AND COOLING METHOD OF ROLLING STEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107639
Kind Code:
A1
Abstract:
A cooling system of rolled steel for cooling a long hot-rolled steel comprises a plurality of chambers arranged along the longitudinal direction of the rolled steel. The plurality of chambers are provided, respectively, with an air outlet which supplies compressed air for cooling introduced into the chamber from a gas inlet toward the rolled steel, a nozzle plate having a plurality of nozzle holes provided at the air outlet to face the rolled steel, a cooling water supply nozzle for supplying cooling water into the chamber, and an equalizing plate provided between the gas inlet and the cooling water supply nozzle in order to prevent the compressed air for cooling introduced from the gas inlet from striking the nozzle plate directly. The cooling system sprays cooling medium produced by mixing the cooling water supplied from the cooling water supply nozzle and the compressed air for cooling introduced from a gas inlet toward the rolled steel via the nozzle holes of the nozzle plate thus cooling the surface of the rolled steel uniformly.

Inventors:
SUGIYAMA SEIJI (JP)
YAMANOKUCHI TATSUYA (JP)
KIMURA TAKESHI (JP)
KAJIWARA MITSUGU (JP)
FUJIWARA KAZUHISA (JP)
SATOH TAKUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053377
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CORP (JP)
SUGIYAMA SEIJI (JP)
YAMANOKUCHI TATSUYA (JP)
KIMURA TAKESHI (JP)
KAJIWARA MITSUGU (JP)
FUJIWARA KAZUHISA (JP)
SATOH TAKUYA (JP)
International Classes:
B21B45/02; C21D1/00; C21D8/00; C21D9/04
Foreign References:
JPH08319515A1996-12-03
JP2000026916A2000-01-25
JPH09137228A1997-05-27
JPH08144016A1996-06-04
JPH09137228A1997-05-27
JPS477606A
JPS54147124A1979-11-17
JPH08319515A1996-12-03
JPS61149436A1986-07-08
JPS61279626A1986-12-10
JPS5785929A1982-05-28
JPH08170120A1996-07-02
Other References:
See also references of EP 2253394A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 熱間圧延された長尺の圧延鋼材を冷却する圧延鋼材の冷却装置であって、
 前記圧延鋼材の長手方向に沿って配置された複数のチャンバーを備え、
 前記複数のチャンバーはそれぞれ、
 前記チャンバーから前記圧延鋼材に向けて、前記チャンバーに接続された気体導入口からチャンバーに導入された前記冷却用加圧空気を吹出す吹出口と、
 この吹出口に前記圧延鋼材に面するように設けられ、複数のノズル孔を有するノズルプレートと、
 前記チャンバー内に冷却水を供給する冷却水供給ノズルと、
 前記気体導入口と前記冷却水供給ノズルとの間に設けられ、前記気体導入口から導入された前記冷却用加圧気体が前記ノズルプレートに直接当たるのを防止する整流板と、
を備え、
 前記冷却水供給ノズルから供給された前記冷却水と、前記気体導入口から導入され前記整流板によって整流された冷却用加圧気体とが混合された冷却媒体を前記ノズルプレートの前記ノズル孔を通じて、前記圧延鋼材に向けて噴射し、この圧延鋼材の表面の均一冷却を行う圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、
 前記圧延鋼材がレールであり、このレールの頭頂部と前記チャンバーとの間に隙間を有するように前記チャンバーが配置され、前記ノズルプレートの前記ノズル孔から前記レールの頭頂部に向けて前記冷却媒体が噴射される圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、
 前記圧延鋼材がレールであり、このレールの頭側部と前記チャンバーとの間に隙間を有するように前記チャンバーが配置され、前記ノズルプレートの前記ノズル孔から前記レールの頭側部に向けて前記冷却媒体が噴射される圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、前記チャンバーは、
 前記気体導入口を設けるために、その幅が広く形成された拡幅部と、
 この拡幅部よりも幅が狭く形成された縮幅部と、
 前記拡幅部と前記縮幅部との間でこれらを互いに連結する傾斜部と、
で形成され、
 前記吹出口が前記縮幅部の端部に設けられている圧延鋼材の冷却装置。
 請求項4に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、
 前記圧延鋼材がレールであり、前記チャンバーが前記レールの上方に配置され、
 前記チャンバーの前記拡幅部内に、前記整流板が水平状態で配置され、
 この整流板の側端と前記拡幅部の内壁との間を前記冷却用加圧気体が通過するように隙間が形成されている圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用加圧気体の体積流量の比が1000~50000である圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1~6のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、前記冷却用加圧気体が、空気又は窒素である圧延鋼材の冷却装置。
 請求項1~7のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却装置であって、前記冷却水が、前記冷却水供給ノズルからミスト状、シャワー状、又は流水状に供給される圧延鋼材の冷却装置。
 冷却水を供給する冷却水供給ノズルと、気体導入口を通じて導入された冷却用加圧空気と前記冷却水とを混合した冷却媒体を吹き出す吹出口と、前記吹出口の端部に設けられ複数のノズル孔を有するノズルプレートとを有する複数のチャンバーを備える冷却装置を使って、熱間圧延された長尺の圧延鋼材を冷却する冷却方法であって、
 前記気体導入口を通じて前記チャンバーに導入された前記冷却用加圧空気を、前記気体導入口と前記冷却水供給ノズルとの間に配置された整流板により、前記チャンバーに導入された前記冷却用加圧空気が前記吹出口に直接向かわないように整流し、
 前記整流板によって整流された冷却用加圧空気と、前記冷却水供給ノズルから供給された冷却水とを混合して前記冷却媒体とし、
 前記冷却媒体を、前記吹出口に沿って配置された前記圧延鋼材の表面に向けて、前記ノズルプレートの複数のノズル孔を通じて50~200m/秒の速度で噴射し、前記圧延鋼材の全長を均一に冷却する圧延鋼材の冷却方法。
 請求項9に記載の圧延鋼材の冷却方法であって、前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用加圧気体の体積流量の比を1000~50000とする圧延鋼材の冷却方法。
 請求項9または10に記載の圧延鋼材の冷却方法であって、前記冷却用加圧気体が、空気又は窒素である圧延鋼材の冷却方法。
 請求項9~11のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法であって、前記冷却水供給ノズルから前記冷却水を、ミスト状、シャワー状、又は流水状に供給する圧延鋼材の冷却方法。
 請求項9~12のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法であって、熱間圧延後の前記圧延鋼材の冷却開始温度をオーステナイト域温度以上とすると共に、この圧延鋼材の冷却終了温度を450~600℃とする圧延鋼材の冷却方法。
 請求項9~13のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法であって、前記圧延鋼材がレールであり、このレールの頭頂部及び頭側部と前記チャンバーとの間に隙間を有するように前記チャンバーを配置し、前記ノズルプレートの前記ノズル孔から前記レールの前記頭頂部及び前記頭側部に向けて前記冷却媒体を噴射する圧延鋼材の冷却方法。
Description:
圧延鋼材の冷却装置および冷却 法

 本発明は、熱間圧延されたレール等の長尺 延鋼材を冷却する冷却装置および冷却方法 関する。
 本願は、2008年2月27日に日本出願された特願 2008-046461と2008年2月28日に日本出願された特願 2008-048383とに基づいて優先権を主張し、それ の内容をここに援用する。

 重荷重鉄道や曲線区間に用いられる鉄道 レールは、通常のレール以上に耐摩耗性が 求される。このため、熱間圧延後に、オー テナイト域温度からパーライト変態が終了 るまでの間、加速冷却によってレール頭部 強度を高める処理が行われている。近年で 、さらなる耐摩耗性向上のため、過共析領 まで炭素量を増加させたパーライト系レー が開発され、実用化されている(特許文献1 照)。

 しかし、耐摩耗性を向上させるために炭素 を増加させると、レール頭部に初析セメン イトが生成し易くなり、レールの靭性及び 性が大きく低下するという問題点があった
 そこで、特許文献2では、レール柱部の初析 セメンタイトの生成を抑制し、且つ、レール 頭部においてセメンタイト比率が高く、高硬 度のパーライト組織を安定的に生成させるた め、レール頭部をオーステナイト域温度から 700~500℃までの間、1~10℃/sで加速冷却し、さ にレール柱部をオーステナイト域温度から75 0~600℃までの間、1~10℃/sで加速冷却するパー イト系レールの製造法が開示されている。

 他方、レールの加速冷却方法としては、冷 媒体の違いにより、(1)ミストを用いる方法( 特許文献3~5参照)、(2)空気等の気体を用いる 法(特許文献6、7参照)、(3)レール頭部を冷却 に浸漬する方法(特許文献8、9参照)が知られ ている。

特開平8-144016号公報

特開平9-137228号公報

特開昭47-7606号公報

特開昭54-147124号公報

特開平8-319515号公報

特開昭61-149436号公報

特開昭61-279626号公報

特開昭57-85929号公報

特開平8-170120号公報

 高炭素レール鋼においてパーライト組織 安定的に生成させるには、加速冷却時にお る冷却速度を、より速くする必要がある。 かしながら、上述した従来の加速冷却方法 よって、これを実現しようとした場合、以 のような課題がある。

 液滴が高温物体と接触すると、液滴と高 物体との間に蒸気膜が形成され、液滴が高 物体上を浮遊するライデンフロスト現象が 生する。冷却媒体に液体を用いる(1)と(3)の 法の場合、レール表面に形成される蒸気膜 よって、レールと冷却媒体との接触が阻害 れ、冷却速度にバラツキが生じる。その結 、レールに温度偏差が生じ、温度偏差が大 くなると、鋼組織にも偏差が生じるおそれ ある。

 また、気体を冷却媒体に用いる(2)の方法 、液体による冷却方法に比べて冷却速度が いという難点がある。

 本発明はかかる事情に鑑みてなされたも で、長尺の圧延鋼材表面における蒸気膜の 成を抑制して冷却速度を大幅に向上させる ともに、均一な加速冷却が可能な圧延鋼材 冷却装置および冷却方法を提供することを 的とする。

 上記目的を達成するため、本発明は、熱 圧延された長尺の圧延鋼材を冷却する圧延 材の冷却装置であって、前記圧延鋼材の長 方向に沿って配置された複数のチャンバー 備える。前記複数のチャンバーはそれぞれ 前記チャンバーから前記圧延鋼材に向けて 前記チャンバーに接続された気体導入口か チャンバーに導入された前記冷却用加圧空 を吹出す吹出口と、この吹出口に前記圧延 材に面するように設けられ、複数のノズル を有するノズルプレートと、前記チャンバ 内に冷却水を供給する冷却水供給ノズルと 前記気体導入口と前記冷却水供給ノズルと 間に設けられ、前記気体導入口から導入さ た前記冷却用加圧気体が前記ノズルプレー に直接当たるのを防止する整流板とを備え 。本発明の冷却装置は、前記冷却水供給ノ ルから供給された前記冷却水と、前記気体 入口から導入され前記整流板によって整流 れた冷却用加圧気体とが混合された冷却媒 を前記ノズルプレートの前記ノズル孔を通 て、前記圧延鋼材に向けて噴射し、この圧 鋼材の表面の均一冷却を行う。

 冷却媒体に液体を使用すると、大きな冷 能力が確保できるが、圧延鋼材の表面に形 される蒸気膜により、冷却速度にバラツキ 生じ、不均一な冷却となる。そこで、本発 では、圧延鋼材に向けて吹出口から冷却用 圧気体を噴出するチャンバー内に、冷却水 供給する冷却水供給ノズルを設置し、冷却 加圧気体と冷却水とを混合してノズルプレ トからノズル孔を通じて圧延鋼材表面に対 て垂直方向(好ましくは垂直)にミスト噴射 ることで水滴の衝突速度を高めて、圧延鋼 に付着する水滴を迅速に除去する。これに り、蒸気膜の形成が阻害され、冷却速度を 動させることなく、均一な冷却が可能とな 。

 なお、冷却水に対する冷却用加圧気体の 率を高めた高気水比のノズルの使用も考え れるが、長尺圧延鋼材を一挙に均一に冷却 ようとすると、多数のノズルが必要となる え、ノズルのメンテナンスが頻繁に発生す ため、工業化設備としては現実的ではない

 ノズルプレートからノズル孔を通じて噴出 る冷却用加圧気体について、チャンバーの 手方向、即ち圧延鋼材の長手方向の吐出分 を見ると、気体導入口近傍が吐出量が最も く、気体導入口から離れるにつれて吐出量 減少する。この状態で、冷却水供給ノズル らノズルプレートに向けて冷却水を供給さ た場合、冷却用加圧気体の流れが強い気体 入口近傍では、水滴が背後からの冷却用加 気体に押され、ノズルプレートからノズル を通じて噴射される水量が減少する。その 果、チャンバー全体で水量にバラツキが生 る。
 そこで、本発明では、気体導入口と冷却水 給ノズルとの間に整流板を設置して、気体 入口から導入された冷却用加圧気体が整流 を介してチャンバー全体に流れるようにす ことで、チャンバー全体に関する水量のバ ツキを防止している。

 また、本発明に係る圧延鋼材の冷却装置で 、前記整流板に複数の孔を形成してもよい
 但し、孔を形成する場合には、前記ノズル レートからノズル孔を通じて噴出する冷却 加圧気体の吐出量が前記チャンバーの長手 向で均一となるように、前記気体導入口に する箇所に形成された前記孔の単位面積当 りの合計面積が、他の箇所に形成された前 孔の単位面積当たりの合計面積より小さく るようにすることが好ましい。

また、本発明に係る圧延鋼材の冷却装置で は、前記冷却水供給ノズルを前記ノズルプレ ートに指向させることが好ましい。

 前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用 圧気体の体積流量の比が1000~50000であっても よい。
 前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用 圧気体の体積流量の比は、気水比と呼ばれ 。
 高気水比の場合、圧延鋼材の表面に形成さ た蒸気膜が冷却用加圧気体によって排除さ るため、蒸気膜の形成が阻害され、安定し 冷却が確保される。この際、気水比を1000未 満とすると、冷却速度のバラツキが大きく、 気水比が50000を超えると、冷却効果が飽和す 。

 前記冷却用加圧気体は、空気又は窒素であ てもよい。
 本発明では冷却媒体の種類は問わないが、 いやすさと経済性の点から、空気又は窒素 好ましい。

 前記冷却水が、前記冷却水供給ノズルか ミスト状、シャワー状、又は流水状に供給 れてもよい。

 冷却水供給ノズルから供給される水滴の粒 に依らず、ノズルプレートからノズル孔を じて噴射されるミストの粒径分布は、ほぼ 一傾向にあることが本発明者等の実験によ 確認された。この理由としては、チャンバ 内で供給された冷却水がノズルプレートで 旦合体し、合体した冷却水が冷却用加圧気 と一緒にノズルプレートの孔から噴射され 際に再分散されるからであろうと考えられ 。
 従って、供給される冷却水は、ミスト状、 ャワー状、流水状のいずれでも良く、冷却 供給ノズルから冷却水のみ供給しても良い 、冷却水と冷却用加圧気体とを混合して供 しても良い。要は、ノズルプレート上に所 の水量が供給されればよい。

 前記圧延鋼材がレールであり、このレー の頭頂部と前記チャンバーとの間に隙間を するように前記チャンバーが配置され、前 ノズルプレートの前記ノズル孔から前記レ ルの頭頂部に向けて前記冷却媒体が噴射さ てもよく、前記レールの頭側部と前記チャ バーとの間に隙間を有するように前記チャ バーが配置され、前記ノズルプレートの前 ノズル孔から前記レールの頭側部に向けて 記冷却媒体が噴射されてもよい。このよう することで、レール頭部の表面に対して垂 方向にミスト噴射することができる。

 前記各チャンバーは、前記チャンバーは 前記気体導入口を設けるために、その幅が く形成された拡幅部と、この拡幅部よりも が狭く形成された縮幅部と、前記拡幅部と 記縮幅部との間でこれらを互いに連結する 斜部と、で形成され、 前記吹出口が前記 幅部の端部に設けられていてもよい。

 前記圧延鋼材がレールであり、前記チャ バーが前記レールの上方に配置され、前記 ャンバーの前記拡幅部内に、前記整流板が 平状態で配置され、この整流板の側端と前 拡幅部の内壁との間を前記冷却用加圧気体 通過するように隙間が形成されてもよい。

 また、本発明に係る圧延鋼材の冷却装置 は、前記チャンバーを前記レールの側方に 置する場合も、レールの頭頂部に対向して 置されるチャンバーと同様な構成のチャン ーを横向き(90度転回)とし、レールの側方の 両側に配置される。

 本発明の熱間圧延された長尺の圧延鋼材 冷却する冷却方法は、冷却水を供給する冷 水供給ノズルと、気体導入口を通じて導入 れた冷却用加圧空気と前記冷却水とを混合 た冷却媒体を吹き出す吹出口と、前記吹出 の端部に設けられ複数のノズル孔を有する ズルプレートとを有する複数のチャンバー 備える冷却装置を使って、熱間圧延された 尺の圧延鋼材を冷却する冷却方法である。 記気体導入口を通じて前記チャンバーに導 された前記冷却用加圧空気を、前記気体導 口と前記冷却水供給ノズルとの間に配置さ た整流板により、前記チャンバに導入され 前記冷却用加圧空気が前記吹出口に直接向 わないように整流し、前記整流板によって 流された冷却用加圧空気と、前記冷却水供 ノズルから供給された冷却水とを混合して 記冷却媒体とし、前記冷却媒体を、前記吹 口に沿って配置された前記圧延鋼材の表面 向けて、前記ノズルプレートの複数のノズ 孔を通じて50~200m/秒の速度で噴射し、前記 延鋼材の全長を均一に冷却する。

 衝突速度を速くするほど高い冷却速度が られ、衝突速度を50m/s以上とすると、冷却 度のバラツキが±1.5℃程度まで低減されるこ とが判明した。なお、衝突速度が200m/sを超え ると、冷却効果が飽和する。

 前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用 圧気体の体積流量の比を1000~50000としてもよ い。
 前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用 圧気体の体積流量の比は、気水比と呼ばれ 。
 高気水比の場合、圧延鋼材の表面に形成さ た蒸気膜が冷却用加圧気体によって排除さ るため、蒸気膜の形成が阻害され、安定し 冷却が確保される。この際、気水比を1000未 満とすると、冷却速度のバラツキが大きく、 気水比が50000を超えると、冷却効果が飽和す 。

 また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法 は、前記冷却水供給ノズルを前記ノズルプ ートに指向させて前記冷却水を供給するこ が好ましい。

 前記冷却用加圧気体は、空気又は窒素であ てもよい。
 本発明では冷却媒体の種類は問わないが、 いやすさと経済性の点から、空気又は窒素 好ましい。

 前記冷却水供給ノズルから前記冷却水を ミスト状、シャワー状、又は流水状に供給 るようにしてもよい。

 熱間圧延後の前記圧延鋼材の冷却開始温度 オーステナイト域温度以上とすると共に、 の圧延鋼材の冷却終了温度を450~600℃として もよい。
 冷却開始温度をオーステナイト域温度以上 且つ冷却終了温度を少なくとも600℃以下と なければ、焼き入れが生じず好ましくない らである。一方、450℃未満まで加速冷却を 続すると、レール頭部にマルテンサイト組 が生じるため、硬度は増すものの延靭性が 下するため好ましくない。

 前記圧延鋼材がレールであり、このレー の頭頂部及び頭側部と前記チャンバーとの に隙間を有するように前記チャンバーを配 し、前記ノズルプレートの前記ノズル孔か 前記レールの前記頭頂部及び前記頭側部に けて前記冷却媒体を噴射してもよい。この うにすることで、レール頭部の表面に対し 垂直方向にミスト噴射することができる。

 本発明に係る圧延鋼材の冷却装置および 却方法では、圧延鋼材に向けて吹出口から 却用加圧気体を噴出するチャンバー内に、 却水を供給する冷却水供給ノズルを設置し 冷却用加圧気体と冷却水とを混合してノズ プレートからノズル孔を通じて圧延鋼材表 に対して垂直方向にミスト噴射させること 水滴の衝突速度を高くして、圧延鋼材に付 する水滴を迅速に除去する。これにより、 気膜の形成が阻害され、冷却速度を変動さ ることなく、均一な冷却が可能となり、ま 安定した加速冷却も可能となる。

 加えて、気体導入口と冷却水供給ノズル の間に整流板を設置して、気体導入口から 入された冷却用加圧気体が、整流板を介し チャンバー全体に均整に流れるようにする とで、チャンバー内の全体での水量密度の ラツキを防止することができる。

図1は、本発明の一実施の形態に係る圧 延鋼材の冷却装置を示す模式図である。 図2は、同冷却装置のノズルプレートの 平面図である。 図3は、冷却水を供給する配管と冷却水 供給ノズル部分の斜視図である。 図4Aは、冷却水供給ノズルの冷却水の 給状況を示した模式図である。 図4Bは、図4Aの冷却水供給ノズルの位 と水量密度との関係を示したグラフである 図5は、チャンバー内に整流板が設置さ れた状態を示す斜視図である。 図6Aは、チャンバー内に整流板が無い 態における空気の吐出分布及びミストの水 密度割合を示したグラフである。 図6Bは、図6Aの状態におけるチャンバ 内の空気の流れを示した模式図である。 図7Aは、ブロワーの直下に整流板が設 された状態における空気の吐出分布及びミ トの水量密度割合を示したグラフである。 図7Bは、図7Aの状態におけるチャンバ 内の空気の流れを示した模式図である。 図8は、ミストの衝突速度と冷却速度と の関係を示したグラフである。 図9は、気水比と冷却速度のバラツキと の関係を示したグラフである。

符号の説明

 10 冷却装置
 11 チャンバー
 11a 拡幅部
 11b 傾斜部
 11c 縮幅部
 12 吹出口
 13 気体導入口
 14 ノズルプレート
 14c ノズル孔
 15 冷却水供給ノズル
 16 整流板
 17 配管
 17a 分岐管
 20 冷却装置
 21 チャンバー
 21a 拡幅部
 21b 傾斜部
 21c 縮幅部
 22 吹出口
 23 気体導入口
 24 ノズルプレート
 25 冷却水供給ノズル
 26 整流板
 27 配管
 30 レール(圧延鋼材)
 31 頭頂部
 32 頭側部

 続いて、添付した図面を参照しつつ、本 明を具体化した実施の形態につき説明し、 発明の理解に供する。なお、以下では、長 の圧延鋼材としてレールを例に採り説明す 。

 本発明の一実施の形態に係る圧延鋼材の冷 に使用する冷却装置(以下、単に冷却装置と いう)10、20は、熱間圧延されたレール30を冷 する冷却装置である。図1に示すように、レ ル30の頭頂部31に対向して冷却装置10が配置 れ、両頭側部32にそれぞれ対向して冷却装 20が配置される。冷却装置10とレール30の頭 部31との距離、及び冷却装置20とレール30の 側部32との距離は、それぞれ数mm~数十mmとさ る。
 冷却装置10は、レール30の長手方向に細長い 形状(長手方向の寸法は1000~5000mm程度)の箱形 チャンバー11を複数有している。レール30の 長を同時に冷却する必要があるため、複数 チャンバー11が、レール30の長手方向に沿い 、レール30の全長に渡って一列に連続して配 される。つまり、チャンバー11の数は、レ ル30の長さに応じて決められる。1個あたり チャンバー11の長さは、例えば、5m~10m程度が 好ましい。そのため、例えば、レール30の長 が50mの場合は、一列に連続して配置される ャンバー11の数は、5~10個になる。また、レ ル30の長さが100mの場合は、一列に連続して 置されるチャンバー11の数は、10~20個になる 。
 上記は、本発明のチャンバーの長さや数を 定するものではなく、実際の製造設備では その設備において製造される圧延鋼材の最 圧延長さを覆う分だけチャンバーを配置し 実際の圧延長さに応じて稼動するチャンバ の数を選択することになる。
 以下、個々のチャンバー11,21について詳細 説明する。

 冷却装置10のチャンバー11には、図示しな いブロワーから送出される空気(冷却用加圧 体の一例)を導入する気体導入口13が上部に 続されている。この箱形のチャンバー11内に は、配管17を介して供給される冷却水をレー 30の頭頂部31の方向に供給するように冷却水 供給ノズル15が設置されている。チャンバー1 1の下流側の端部には、吹出口12が設けられ、 ブロワーからの空気によって、供給された冷 却水を吹出口12に向けて押すように構成され いる。

 チャンバー11は、上部に気体導入口13を設 けるために、その幅が広く形成された拡幅部 11aと、吹出口12が下流側の端部に設けられ、 幅部11aよりも幅が狭い縮幅部11cと、拡幅部1 1aと縮幅部11cとの間でこれらを連結するテー ー状の傾斜部11bとで形成される。レール30 対向する吹出口12には、複数のノズル孔14c( 2参照)を有するノズルプレート14が、レール3 0の頭頂部31と平行になるように装着されてい る。また、拡幅部11a内で、気体導入口13と冷 水供給ノズル15との間には、気体導入口13か ら導入された空気がノズルプレート14に直接 たるのを防止する整流板16が水平状態に設 されている。

 一方、冷却装置20のチャンバー21も、図示 しないブロワーから送出される空気を導入す る気体導入口23が接続されている。箱形のチ ンバー21内には、配管27を介して供給される 冷却水をレール30の頭側部32の方向に供給す ように冷却水供給ノズル25を設置されている 。チャンバー21の下流側の端部には、吹出口2 2が設けられ、ブロワーからの空気によって 供給された冷却水を吹出口22に向けて押すよ うに構成されている。

 チャンバー21は、側部に気体導入口23を設 けるために、その幅が広く形成された拡幅部 21aと、吹出口22が下流側の端部に設けられ、 幅部21aよりも幅が狭い縮幅部21cと、拡幅部2 1aと縮幅部21cとの間でこれらを連結するテー ー状の傾斜部21bとで形成される。レール30 対向する吹出口22には、複数のノズル孔を有 するノズルプレート24が、レール30の頭側部32 と平行になるように装着されている。また、 拡幅部21a内で、気体導入口23と冷却水供給ノ ル25との間には、チャンバー21全体に均一に 気体が分散して流れるように整流板26が設置 れている。

 次に、冷却装置10のノズルプレート14、冷 却水供給ノズル15、及び整流板16について詳 に説明するが、冷却装置20のノズルプレート 24、冷却水供給ノズル25、及び整流板26もほぼ 同様である。

 ノズルプレート14には、図2に示すように 例えば直径2~10mm程度の多数のノズル孔14c… 所要の間隔(例えば2mm~10mm程度の間隔)をおい て規則的に形成されている。また、ミスト( 気と冷却水との混合体からなる冷却媒体)が ール30の頭頂部31全幅に垂直に当たるように 、ノズル孔14cが形成されている領域の短手方 向(レール30の幅方向)の幅Wは、レール30の頭 部31の幅と略同一とされている。

 チャンバー11内にレール30の長手方向と平行 になるように配管17が配置され、図3に示すよ うに、この配管17から複数の分岐管17a…が下 に向けて分岐している。冷却水供給ノズル1 5は、分岐管17aの各先端に装着されている。 却水供給ノズル15から供給される冷却水は、 ミスト状、シャワー状、流水状のいずれでも 良い。
 また、冷却水供給ノズル15から冷却水のみ 供給しても良いし、冷却水と空気とを混合 て供給しても良い。

 冷却水供給ノズル15から供給される水滴 ノズルプレート14に向けて噴射されるように 、ノズルプレート14からノズル孔14cを通じて 射されるミストの水量密度は均一とする(図 4A、図4B、参照)。

 整流板16は、図5に示すように、平面視で ャンバー11の少なくとも気体導入口13相当部 の直下に配置される。また、整流板16の側端 拡幅部11aの内壁との間には空気が通過する うに隙間が形成されている。これにより、 体導入口13から導入された空気は、整流板16 によりチャンバー11全体に分散して均整に流 、チャンバー11内における水量密度分布の ラツキが防止される。

 なお、図示しないが、整流板に多数の孔 形成してもよく、さらにその際に複数ある 体導入口の各直下に形成される孔の単位面 当たりの合計面積が、他の箇所に形成され 孔の単位面積当たりの合計面積より小さく るようにすることで、ノズルプレート14か ノズル孔14cを通じて噴射されるミストがチ ンバー11の長手方向で均一となるようにして もよい。

 図6Aは、チャンバー11内に整流板が無い状態 (図6B参照)における空気の吐出分布及びミス の水量密度割合を示したグラフである。冷 水供給ノズル15とノズルプレート14との距離 100mm、隣接する冷却水供給ノズル15間の間隔 は500mmとし、冷却水供給ノズル15間の中央に 体導入口13が位置している(距離及び間隔は ずれも試験例)。
 チャンバー11内に整流板が無い場合、チャ バー11の長手方向に関する空気の吐出量は、 気体導入口13直下が大きく、気体導入口13か 離れるにつれて小さくなる。この状態で、 却水供給ノズル15からミストを供給した場合 、空気の流れが強い気体導入口13直下では、 ストが空気に押されるため、ノズルプレー 14からノズル孔14cを通じて噴射されるミス の量は減少する。このため、チャンバー11長 手方向の水量は不均一となる。

 図7Aは、気体導入口13の直下に適切な形状の 整流板16を設置した状態(図7B参照)における空 気の吐出分布及びミストの水量密度割合を示 したグラフである。他の条件は、図6Aおよび 6Bと同条件である。整流板16とノズルプレー ト14との距離は185mm(試験例)である。
 気体導入口13の直下に整流板16を設置した場 合、気体導入口13からチャンバー11内に導入 れた空気は、整流板16に一旦衝突した後、チ ャンバー11全体に分散されるため、ノズルプ ート14からノズル孔14cを通じて噴出する空 の吐出量は、チャンバー11全体で均一となる 。

 気体導入口13から導入された空気は、整 板16によりチャンバー11の長手方向にも流れ ため、チャンバー11の長手方向の水量分布 均一となる。

 上記構成を有する冷却装置10、20を用いて レール頭部を冷却する場合、ノズルプレート 14、24からノズル孔を通じて噴射される空気 冷却水との混合体からなる冷却媒体の気水 を1000~50000、レール頭部へのミストの衝突速 を50~200m/sとして、レール30の頭頂部31に対向 して配置したノズルプレート14からノズル孔1 4cを通じて該頭頂部31に向けて冷却媒体をミ ト噴射する。またこれと同時に、レール30の 頭側部32に対向して配置したノズルプレート2 4からノズル孔を通じて該頭側部32に向けて冷 却媒体をミスト噴射する。そして、オーステ ナイト域温度から450~600℃までの間について ール頭部を均一に冷却する。

 冷却温度を上記のように定めた理由は、 却開始温度をオーステナイト域温度以上、 つ冷却終了温度を少なくとも600℃以下とし ければ、焼き入れを実施する上で好ましく いためである。一方、450℃未満まで加速冷 を継続すると、レール頭部にマルテンサイ 組織が生じるため、硬度は増すものの延靭 が低下するため好ましくない。

 図8は、実験によって得られた、ミストの衝 突速度と冷却速度との関係をグラフ化したも のである。
 冷却水供給ノズルは、株式会社いけうち製 ノズルBIM J 2015、供試体は、長さ100mmの141 ンドレールとし、供試体の頭頂部から深さ2m mの位置に熱電対を埋め込んだものを使用し 。
 供試体を加熱炉で820℃まで加熱した後、取 出して750℃から本冷却装置による冷却を開 し、500℃以下になるまで冷却した。冷却条 は、吐出冷却水量密度を70L(リットル)/m 2 ・min一定とし、空気の量を変化させてミスト の衝突速度を10、20、50、150、200m/sの5条件に 定した。なお、この際の空気圧は、1.1~1.2気 とした。

 ミストの衝突速度Vaは、吐出速度をVe、吹出 口とレールとの間の距離をh、吹出口径をdと て、次式により算出した。
 Va=6.39×Ve/(h/d+0.6)

 各衝突速度について10回ずつ実験を行い 熱電対の指示値が750℃から500℃までに要し 時間から冷却速度を求めた。その結果、衝 速度を速くするほど高い冷却速度が得られ 衝突速度を50m/s以上とすると、冷却速度のバ ラツキが±1.5℃程度まで低減し安定すること 判明した。なお、衝突速度が200m/sを超える 、設備の大型化やランニングコストの増大 伴い、現実的ではない。

 また、表1は、気水比と冷却速度との関係 を示したものである。同表より、気水比を100 0以上とすると、冷却速度の標準偏差が2.2以 となり、気水比50000でその効果が飽和し、安 定的な冷却が可能となることがわかる。なお 、図9は、表1のデータをグラフ化したもので る。

 なお、本冷却装置を用いてレールの柱部 足部を冷却する場合については、これらの 位の冷却速度が頭部より速くなるため、別 、冷却条件を設定する必要がある。

 以上、本発明の実施の形態について説明 てきたが、本発明は何ら上記した実施の形 に記載の構成に限定されるものではなく、 許請求の範囲に記載されている事項の範囲 で考えられるその他の実施の形態や変形例 含むものである。例えば、上記の実施の形 では、チャンバーに導入される冷却用加圧 体は空気としたが、窒素でも良い。

 本発明によれば、長尺の圧延鋼材表面に ける蒸気膜の形成を抑制して冷却速度を大 に向上させるとともに、均一な加速冷却が 能な圧延鋼材の冷却装置および冷却方法を 供することができる。