Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DOUGH IMPROVER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096720
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a grain powder dough improver comprising 0.5 to 50 wt% of a linear fatty acid and 0.5 to 50 wt% of a monoglyceride; a premix comprising 100 parts by weight of a grain powder, 0.05 to 1.0 part by weight of a linear fatty acid and 0.05 to 1.0 part by weight of a monoglyceride; a method for producing a grain powder dough, which is characterized by adding a linear fatty acid and a monoglyceride to a raw material for the grain powder dough so that the contents of the linear fatty acid and the monoglyceride are 0.05 to 1.0 part by weight and 0.05 to 1.0 part by weight, respectively, relative to 100 parts by weight of a grain powder; and others.

Inventors:
ITOH TAKAYUKI
SHIMIZU KAYOKO
IMURA TOSHIAKI
Application Number:
PCT/JP2008/051800
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 05, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KYOWA HAKKO FOOD SPECIALTIES C (JP)
ITOH TAKAYUKI
SHIMIZU KAYOKO
IMURA TOSHIAKI
International Classes:
A21D2/16; A21D10/00; A21D13/00
Foreign References:
JP2004504859A2004-02-19
JPH10165093A1998-06-23
JP2000270770A2000-10-03
JPH11169073A1999-06-29
JPH09241673A1997-09-16
JPH05271685A1993-10-19
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Kazuyuki (Intellectual Property Department,6-1, Ohtemachi 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 85, JP)
Download PDF:
Claims:
 直鎖脂肪酸を0.5~50重量%およびモノグリセリドを0.5~50重量%含有することを特徴とする穀物粉生地改良剤。
 直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸である、請求項1記載の穀物粉生地改良剤。
 モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリセリドである、請求項1記載の穀物粉生地改良剤。
 油脂のリパーゼ処理物を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の穀物粉生地改良剤。
 穀物粉生地中の直鎖脂肪酸の含有量が穀物粉100重量部に対して0.05~1.0重量部およびモノグリセリドの含有量が穀物粉100重量部に対して0.05~1.0重量部となるように、直鎖脂肪酸およびモノグリセリドを生地原料に添加することを特徴とする穀物粉生地の改良方法。
 直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸である、請求項5記載の方法。
 モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリセリドである、請求項5記載の方法。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の穀物粉生地改良剤を添加することを特徴とする、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の穀物粉生地改良剤を添加して得られる穀物粉生地。
 穀物粉100重量部に対して、直鎖脂肪酸を0.05~1.0重量部およびモノグリセリドを0.05~1.0重量部含有することを特徴とするプレミックス。
 直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸である、請求項10記載のプレミックス。
 モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリセリドである、請求項10記載のプレミックス。
 油脂のリパーゼ処理物を含有する、請求項10~12のいずれか1項に記載のプレミックス。
 請求項10~13のいずれか1項に記載のプレミックスを添加して得られる穀物粉生地。
 穀物粉100重量部に対して、直鎖脂肪酸を0.05~1.0重量部およびモノグリセリドを0.05~1.0重量部含有することを特徴とする穀物粉生地。
 請求項9、14または15記載の穀物粉生地を用いることを特徴とする食品の製造方法。
食品がパンである、請求項16記載の方法。
Description:
生地改良剤

 本発明は、穀物粉生地改良剤、プレミッ ス、穀物粉生地および食品に関する。

 パン、菓子類等の穀物粉生地は、穀物粉等 原料を混合したり、あらかじめ、穀物粉生 の製造に必要な原料の一部を含有するプレ ックスを用いるなどして製造される。この うな穀物粉生地を用いて得られる食品は、 常、保存日数の経過とともに硬くなり、い ゆる老化が進む。特にデバイダー、自動包 ん機等の機械を用いると生地が機械処理に って損傷を受け、食品が老化しやすい。
 また、冷凍保存または冷蔵保存した生地が 造に用いられることがあるが、この場合、 容積、内相、外観、風味等の品質、特に比 積が、保存しない生地を用いる場合と比較 て劣るという問題がある。

 このような、食品の老化を抑制する、すな ち、食品のソフト性を維持する方法として 、グリセリン脂肪酸エステル(特許文献1参 )、アミラーゼ、リパーゼ等の酵素(特許文献 2参照)、澱粉(特許文献3参照)、グルテン(特許 文献4参照)等を生地改良剤として、生地に添 する方法等が知られている。
 しかし、グリセリン脂肪酸エステル等を添 すると風味や食感が低下してしまうという 題がある。また、アミラーゼを添加すると 地物性が悪化する場合があり、リパーゼを 加すると生地中の油脂と反応して好ましく い風味が形成される場合がある。

 このため、生地物性の悪化や風味の低下を こすことなく、生地の老化を抑制できる方 の開発が望まれている。

特開昭61-234733号公報

特開平9-135656号公報

特開昭62-104536号公報

特開昭60-78549号公報

 本発明の目的は、穀物粉生地改良剤、穀 粉生地の改良方法、生地物性の改良された レミックスもしくは穀物粉生地、またはソ トで老化の抑制された食品を提供すること ある。

 本発明は、以下の(1)~(17)に関する。
(1)直鎖脂肪酸を0.5~50重量%およびモノグリセ ドを0.5~50重量%含有することを特徴とする穀 粉生地改良剤。
(2)直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不 和の直鎖脂肪酸である、上記(1)の穀物粉生 改良剤。
(3)モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和また 不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリ リドである、上記(1)の穀物粉生地改良剤。

(4)油脂のリパーゼ処理物を含有する、上記(1) ~(3)いずれか1つの穀物粉生地改良剤。
(5)穀物粉生地中の直鎖脂肪酸の含有量が穀物 粉100重量部に対して0.05~1.0重量部およびモノ リセリドの含有量が穀物粉100重量部に対し 0.05~1.0重量部となるように、直鎖脂肪酸お びモノグリセリドを生地原料に添加するこ を特徴とする穀物粉生地の改良方法。
(6)直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不 和の直鎖脂肪酸である、上記(5)の方法。
(7)モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和また 不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリ リドである、上記(5)の方法。

(8)上記(1)~(4)いずれか1つの穀物粉生地改良剤 添加することを特徴とする、上記(5)~(7)いず れか1つの方法。
(9)上記(1)~(4)いずれか1つの生地改良剤を添加 て得られる穀物粉生地。
(10)穀物粉100重量部に対して、直鎖脂肪酸を0. 05~1.0重量部およびモノグリセリドを0.05~1.0重 部含有することを特徴とするプレミックス
(11)直鎖脂肪酸が、炭素数12~24の飽和または不 飽和の直鎖脂肪酸である、上記(10)のプレミ クス。

(12)モノグリセリドが、炭素数12~24の飽和また は不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたモノグリ セリドである、上記(10)のプレミックス。
(13)油脂のリパーゼ処理物を含有する、上記(1 0)~(12)いずれか1つのプレミックス。
(14)上記(10)~(13)いずれか1つのプレミックスを 加して得られる穀物粉生地。
(15)穀物粉100重量部に対して、直鎖脂肪酸を0. 05~1.0重量部およびモノグリセリドを0.05~1.0重 部含有することを特徴とする穀物粉生地。
(16)上記(9)、(14)または(15)の穀物粉生地を用い ることを特徴とする食品の製造方法。
(17)食品がパンである、上記(16)の方法。

 本発明により、穀物粉生地改良剤、穀物 生地の改良方法、生地物性の改良されたプ ミックスもしくは穀物粉生地、またはソフ で老化の抑制された食品を提供することが きる。

 本発明で用いられる直鎖脂肪酸としては 例えば、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン 酸(炭素数14)、ミリストレイン酸(炭素数14)、 ンタデカン酸(炭素数15)、ペンタデセン酸( 素数15)、パルミチン酸(炭素数16)、パルミト イン酸(炭素数16)、ヘプタデカン酸(炭素数17 )、ヘプタデセン酸(炭素数17)、ステアリン酸( 炭素数18)、オレイン酸(炭素数18)、リノール (炭素数18)、リノレン酸(炭素数18)、アラキジ ン酸(炭素数20)、イコセン酸(炭素数20)、イコ ジエン酸(炭素数20)、イコサトリエン酸(炭 数20)、アラキドン酸(炭素数20)、イコサペン エン酸(炭素数20)、ペヘン酸(炭素数22)、ド セン酸(炭素数22)、ドコサヘキサエン酸(炭素 数22)、リグノセリン酸(炭素数24)、テトラコ ン酸(炭素数24)等、炭素数12~24の飽和または 飽和の直鎖脂肪酸があげられる。直鎖脂肪 のうち、炭素数14~18のものが好ましく用いら れ、炭素数16~18のものがより好ましく用いら 、炭素数18のものがさらに好ましく用いら 、炭素数18の不飽和脂肪酸であるオレイン酸 が特に好ましく用いられる。これらの直鎖脂 肪酸は単独で用いてもよいし、2種以上を組 合わせて用いてもよい。

 本発明で用いられるモノグリセリドとし は、例えばモノラウリン(炭素数12)、モノミ リスチン(炭素数14)、モノミリストレイン(炭 数14)、モノパルミチン(炭素数16)、モノパル ミトレイン(炭素数16)、モノステアリン(炭素 18)、モノオレイン(炭素数18)、モノリノレイ ン(炭素数18)、モノリノレニン(炭素数18)、モ アラキジン(炭素数20)、モノイコセン(炭素 20)、モノイコサジエン(炭素数20)、モノイコ トリエン(炭素数20)、モノアラキドン(炭素 20)、モノペヘン(炭素数22)、モノドコセン(炭 素数22)、モノドコサヘキサエン(炭素数24)等 炭素数12~24の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸 で構成されたモノグリセリドがあげられる。 モノグリセリドのうち、炭素数14~18の飽和ま は不飽和の直鎖脂肪酸で構成されたものが ましく用いられ、炭素数16~18の飽和または 飽和の直鎖脂肪酸で構成されたものがより ましく用いられ、炭素数18の飽和または不飽 和の直鎖脂肪酸で構成されたものがさらに好 ましく用いられ、炭素数18の不飽和脂肪酸で 成されたモノオレインが特に好ましく用い れる。これらのモノグリセリドは単独で用 てもよいし、2種以上を組み合わせて用いて もよい。

 本発明の穀物粉生地改良剤(以下、本発明の 生地改良剤という)は、直鎖脂肪酸を0.5~50重 %、好ましくは1~40重量%、さらに好ましくは5~ 30重量%と、モノグリセリドを0.5~50重量%、好 しくは1~40重量%、さらに好ましくは5~30重量% を含有する、小麦粉生地、ライ麦粉生地、 麦粉生地、オーツ麦粉生地、米粉生地等の 物粉生地用の生地改良剤である。
 本発明の生地改良剤は、粉末状、顆粒状、 ースト状、乳液状等いずれの形状を有して てもよい。

 本発明の生地改良剤は、直鎖脂肪酸および ノグリセリドを混ぜ合わせて調製してもよ が、例えば以下に示す方法で、油脂をリパ ゼで処理することにより製造したものが好 しく用いられる。
 油脂としては、本発明に用いられる直鎖脂 酸で構成されたトリグリセリドを多く含む 物油脂、加工油脂、動物油脂、等があげら るが、本発明に用いられる直鎖脂肪酸で構 されたトリグリセリドを高含有しているこ 、および風味への影響の観点から植物油脂 よび加工油脂が好ましく用いられ、植物油 が特に好ましく用いられる。

 植物油脂としては、ナタネ油、パーム油、 まわり油、オリーブ油、大豆油、コーン油 米ぬか油、サフラワー油、ごま油、綿実油 落花生油等があげられ、ナタネ油、パーム 、ひまわり油、オリーブ油、コーン油、ま は米ぬか油が好ましく用いられるが、ナタ 油、パーム油、コーン油およびひまわり油 より好ましく用いられる。
 加工油脂としては、ショートニング、マー リン等があげられる。
 動物油脂としては、牛脂、豚脂、魚油等が げられ、牛脂または豚脂が好ましく用いら る。

 これらの油脂は常法により調製して用いて よいし、市販のものを用いてもよい。
 また、これらの油脂は、単独で用いてもよ し、組み合わせて用いてもよい。
 油脂のリパーゼ処理に用いるリパーゼとし は、トリアシルグリセロールリパーゼ(E.C.3. 1.1.3)活性を有するリパーゼであれば、微生物 由来のもの、動物由来のもの等、いずれのリ パーゼも用いることができるが、トリグリセ リドの1、3位に特異性があり、油脂からモノ リセリドを生成することのできる活性を有 るリパーゼが好ましく用いられる。

 リパーゼは精製されたものであってもよい 、トリアシルグリセロールリパーゼ活性を する微生物、動物等の細胞、組織、または れらの処理物であってもよい。
 微生物としては、ムコール( Mucor )属、リゾパス( Rizopus )属、キャンディダ( Candida )属、アスペルギルス( Aspergillus )属、アースロバクター( Arthrobacter )属、シュードモナス( Pseudomonas )属、クロモバクテリウム( Chromobacterium )属等に属する微生物があげられる。

 動物としては、ブタ、ヒツジ、ウシ、ヤギ があげられ、これらの組織としては腎臓、 頭等があげられる。
 リパーゼとして、リパーゼM「アマノ」10(天 野エンザイム社製)、リパーゼA「アマノ」6( 野エンザイム社製)等の市販のリパーゼを用 てもよい。
 油脂をリパーゼで処理する際、油脂は、必 に応じて該油脂の融点以上で融解した後、 らかじめ水、無機塩水溶液、緩衝液等の水 媒体と混合しておくことが好ましい。この 、混合物中の水性媒体の含有量は、0.1~50重 %であることが好ましく、1~20重量%であるこ がさらに好ましい。

 油脂のリパーゼ処理は、油脂または油脂と 性媒体との混合物にリパーゼを添加し、好 しくはホモジナイザー等を用いて乳化処理 行った後、静置または振とうして行う。
 リパーゼの添加量は、油脂の種類、処理条 等により異なるが、通常、油脂または油脂 水との混合物1gに対して、10~1000ユニット(以 下、Uと表記する)、好ましくは100~800U、さら 好ましくは150~500Uである。なお、1Uとは、油 学、1987年、第36巻、p.821に記載の方法に準 てリパーゼの酵素活性を測定した場合に、1 間に1μmolの脂肪酸を生成するリパーゼの量 ある。

 リパーゼ処理する際の温度は、リパーゼの 類および油脂の種類により異なるが、使用 るリパーゼの至適温度付近であって、かつ 用する油脂の融点より高い温度が好ましい 例えば、20~50℃が好ましく、30~50℃がさらに 好ましい。
 リパーゼ処理時のpHは使用するリパーゼの 類および油脂の種類により異なるが、pH2~8が 好ましく、pH3~7がさらに好ましい。

 リパーゼ処理する時間は使用するリパーゼ 種類および油脂の種類により異なるが、通 、2~120時間、好ましくは12~48時間である。
 リパーゼ処理後、得られる処理物はそのま 用いてもよいが、リパーゼを失活させるた 、50~100℃、好ましくは60~90℃で、5~60分間加 処理することが好ましい。
 このようにして得られる処理物は、そのま 本発明の生地改良剤としてもよいが、沈降 離、遠心濾過、フィルタープレス等の固液 離方法を用いて不溶性固形分を除去し、こ を本発明の生地改良剤としてもよい。

 また、該処理物を、さらに減圧濃縮等の濃 処理またはスプレードライ、凍結乾燥等の 燥処理に供して得られる濃縮物または乾燥 を本発明の生地改良剤として用いてもよい
 本発明の生地改良剤は、必要に応じてトリ リセリド、ジグリセリド、水、蛋白質、無 塩、核酸、有機酸、ビタミン、アルコール 糖類、増粘多糖類、調味料、香辛料、賦形 、乳製品、乳酸菌培養物またはその処理物 を含有してもよい。

 トリグリセリドおよびジグリセリドとして 、本発明の穀物粉生地改良剤に用いられる 鎖脂肪酸により構成されるトリグリセリド よびジグリセリドが好ましくあげられる。
 蛋白質としては、小麦蛋白質、大豆蛋白質 トウモロコシ蛋白質等の植物蛋白質、乳蛋 質、卵蛋白質、筋肉蛋白質等の動物蛋白質 があげられる。
 無機塩としては、食塩、塩化カリウム、塩 アンモニウム等があげられる。

 核酸としては、イノシン酸ナトリウム、グ ニル酸ナトリウム等があげられる。
 有機酸としては、酢酸、乳酸、プロピオン 等があげられる。
 ビタミンとしては、ビタミンB1、ビタミンB2 、ビタミンC、ビタミンE等があげられる。
 アルコールとしては、エタノール、グリセ ール等があげられる。

 糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖 乳糖等があげられる。
 増粘多糖類としてはアラビアガム、アルギ 酸、カラギナン、キサンタンガム、グァー ム、タマリンドガム、ペクチン等があげら る。
 調味料としては醤油、味噌、エキス等の天 調味料、香辛料としては各種の香辛料があ られる。

 賦形剤としてはデキストリン、各種澱粉等 あげられる。
 乳製品としては牛乳、山羊乳、脱脂乳、加 乳、クリーム、クリームパウダー、バター バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、ホエ パウダー、全粉乳、脱脂粉乳、乳酸菌飲料 乳飲料等があげられる。
 乳酸菌培養物としては、乳酸菌を、乳酸菌 培養に用いられる通常の方法に従って培地 培養して得られる培養液があげられる。ま 、該培養液より遠心分離、ろ過等の方法に って分離して得られる菌体または培養上清 乳酸菌培養物として用いることができる。

 乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス( Lactobacillus )属、ラクトコッカス( Lactococcus )属、ストレプトコッカス( Streptococcus )属、ロイコノストック( Leuconostoc )属、ペディオコッカス( Pediococcus )属、エンテロコッカス( Enterococcus )属、テトラゲノコッカス( Tetragenococcus )属等に属する微生物があげられる。これら 乳酸菌は単独で用いてもよいし、2種以上の 生物を組合せて用いてもよい。

 乳酸菌培養物の処理物としては、例えば、 酸菌の培養液、菌体または培養上清の乾燥 、凍結乾燥物、培養液または菌体の酵素処 物、超音波処理物、機械的摩砕処理物、溶 処理物等があげられる。
 これらの含有量は、使用目的に応じて適宜 定することができる。
 本発明のプレミックスは、穀物粉100重量部 対して、直鎖脂肪酸を0.05~1.0重量部、より ましくは0.05~0.5重量部、さらに好ましくは0.0 8~0.4重量部、特に好ましくは0.1~0.2重量部含有 し、モノグリセリドを0.05~1.0重量部、より好 しくは0.05~0.5重量部、さらに好ましくは0.08~ 0.4重量部、特に好ましくは0.1~0.2重量部含有 ればいずれの組成物であってもよく、必要 応じて糖類、油脂、脱脂粉乳、卵粉、膨張 、食塩、香料等を含有していてもよい。

 本発明のプレミックスは、直鎖脂肪酸およ モノグリセリドの含有量が上記範囲となる うに、直鎖脂肪酸およびモノグリセリドを 物粉に添加する以外は、通常のプレミック の製造方法を用いて製造することができる
 本発明の生地改良剤またはプレミックスは そのまま、または必要に応じて、食パン、 ールパン、硬焼きパン、菓子パン、調理パ 、むしパン等のパン、クッキー、まんじゅ 等の菓子類、ドーナツ、パイ、ピザ、スポ ジケーキ等の食品の製造に必要な成分、例 ば、水、酵母、砂糖、牛乳、脱脂粉乳、卵 イーストフード、ショートニング、バター を添加して、穀物粉生地の製造に用いるこ ができる。

 本発明の生地改良剤またはプレミックスの 物粉生地への添加量は、穀物粉100重量部に して、直鎖脂肪酸が0.05~1.0重量部、より好 しくは0.05~0.5重量部、さらに好ましくは0.08~0 .4重量部、特に好ましくは0.1~0.2重量部となり 、モノグリセリドが0.05~1.0重量部、より好ま くは0.05~0.5重量部、さらに好ましくは0.08~0.4 重量部、特に好ましくは0.1~0.2重量部となる である。
 本発明の穀物粉生地(以下、単に本発明の生 地ともいう)は、穀物粉100重量部に対して、 鎖脂肪酸を0.05~1.0重量部、より好ましくは0.0 5~0.5重量部、さらに好ましくは0.08~0.4重量部 特に好ましくは0.1~0.2重量部含有し、モノグ セリドを0.05~1.0重量部、より好ましくは0.05~ 0.5重量部、さらに好ましくは0.08~0.4重量部、 に好ましくは0.1~0.2重量部含有すればいずれ の組成物であってもよく、必要に応じて、各 食品の製造に必要な成分、例えば、酵母、砂 糖、脱脂粉乳、卵、イーストフード、ショー トニング、バター等を含有していてもよい。

 本発明の生地は、生地中の直鎖脂肪酸およ モノグリセリドの含有量が上記範囲となる うに、直鎖脂肪酸およびモノグリセリドを 地原料に添加する以外は、通常の穀物粉生 の製造方法を用いて製造することができる
 本発明の生地は、通常の穀物粉生地と同様 、上記のパン、菓子類、ドーナツ、パイ、 ザ、スポンジケーキ等の食品の製造に用い ことができる。
 本発明の生地改良方法としては、生地の調 の際に、穀物粉100重量部に対して直鎖脂肪 およびモノグリセリドを、それぞれ本発明 穀物粉生地における重量部と同様の重量部 なるように生地原料に添加すればよく、そ 以外は通常の生地調製方法を用いればよい 直鎖脂肪酸およびモノグリセリドは別々に 加してもよいが、本発明の生地改良剤また プレミックスを添加すると簡便で好ましい

 本発明の生地改良方法によれば、例えば生 を用いて得られる食品の柔軟性を維持させ 、老化を防止できるように生地物性を改良 ることができる。
 以下に、本発明の生地を用いる食品の例と てパンをあげ、その製造法を例示する。
 本発明のパンの製造法としては、パン生地 直鎖脂肪酸およびモノグリセリドを別々に または本発明の生地改良剤を添加する以外 通常のパンの製造方法が用いられる。

 代表的な食パン、菓子パン等のパンの製造 法としては、ストレート法と中種法があげ れる。ストレート法は、パン生地の全原料 最初から混ぜる方法であり、中種法は、穀 粉の一部に酵母および水を加えて中種をつ り、発酵後に残りのパン生地の原料を合わ る方法である。
 ただし、パンの製造方法はこの方法に限定 れるものではない。

 パン生地の原料としては、穀物粉、通常小 粉に、酵母、食塩、水、必要に応じて砂糖 脱脂粉乳、卵、イーストフード、ショート ング、バター等があげられる。
 ストレート法では、パン生地の全原料をミ シングした後、25~30℃で発酵させ、分割、 ンチを行い、成型、型詰めする。ホイロ(25~4 2℃)を経た後、焼成(170~240℃)する。

 中種法では、使用する穀物粉の全量の30~100 量%の穀物粉、酵母、イーストフード等に水 を加えミキシングして中種を得て、該中種を 25~35℃で1~5時間発酵させ、残りのパン生地の 料を追加し、ミキシング(本捏)、フロアー イム、分割、ベンチタイムを行い、成型、 詰めする。ホイロ(25~42℃)を経た後、焼成(170 ~240℃)する。
 直鎖脂肪酸およびモノグリセリドまたは本 明の生地改良剤の添加は、製パンの工程の ずれの時期であってもよい。

 例えば、ストレート法の場合はパン生地の 料中に添加してパン生地を作製してもよい 、原料を混合した後にパン生地をミキシン する際に添加してもよい。中種法の場合は 種を作製する原料中に添加してもよいし、 種のミキシング時に添加してもよいし、中 作製後、本捏時にパン生地に添加してもよ 。
 本発明のプレミックスを用いる場合、本発 のプレミックスに水、牛乳、卵等、必要に じて、穀物粉、イースト等を加え、混捏し 得られた生地を25~30℃で発酵させ、分割、 ンチを行い、成型、型詰めする。ホイロ(25~4 2℃)を経た後、焼成(170~240℃)する。

 以下に本発明の実施例を示す。

 1000gの強力粉、30gのイースト、50gのグラニ ー糖、20gの食塩、20gの脱脂粉乳、1.5gのイー トフードおよび690gの水を混ぜ合わせた。
 得られた混合物をパンミキサーを用いて低 で3分間、中高速で4分間混捏し、50gのショ トニングを加えて捏上温度が28℃となるよう に低速で2分間、中高速で3分間、高速で2分間 ミキシングして生地1を得た。

 生地1を25~28℃で30分間静置した後に分割、 ス抜きし、2斤食パン型(プルマン)に入れて 型した後、生地の容積が型容積の80%に達す まで、38℃、相対湿度85%で発酵させた。
 得られた生地を、オーブンを用いて200℃で3 0分間焼成して、コントロールの食パンを製 した。

 また、生地1の調製において、混合物にモノ パルミチン、モノステアリン、モノオレイン 、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイ ン酸をそれぞれ2g加える以外は同様の操作を い、食パンI~VIを製造した。
 また、生地1の調製において、混合物にモノ オレインを2g加え、さらにカプロン酸、ミリ チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ イン酸およびアラキジン酸をそれぞれ2g加 る以外は同様の操作を行い、食パンVII~XIIを 造した。

 得られたコントロールの食パンおよび食パ I~XIIを20℃で1日間保存し、それぞれ15mmの厚 となるようにスライスした。スライスした パン6枚を使用し、レオメータ(EZTest、島津 作所社製)を用いて、スライス面を5mm圧縮し 時の応力を測定した。
 結果を第1表に示す。なお、レオメータの数 値はコントロールを100とした場合の値を示し 、数値が低いほどパンがソフトであることを 示す。

 一方、コントロールの食パンおよび食パンV II~XIIを20℃で保存し、2日経過時の風味につい て熟練したパネラー15人により、コントロー の食パンの風味を3点として、以下の基準に より官能評価を行った。
 5点:コントロールより好ましい
 4点:コントロールよりやや好ましい
 3点:コントロールと同程度
 2点:コントロールよりやや劣る
 1点:コントロールより劣る
 結果を第1表にあわせて示す。

 第1表に示すとおり、モノグリセリドおよ び直鎖脂肪酸を添加して得られた生地を用い て得られたパンは、いずれもソフト性が向上 しており、直鎖脂肪酸として炭素数が6であ カプロン酸を添加して得られた生地を用い 得られた食パンVII以外は、風味の悪化もほ んど認められなかった。

 実施例1における生地1の調製において、混 物にモノオレインおよびオレイン酸を第2表 示す量添加する以外は、同様の操作を行っ 食パンを製造した。
 得られた食パンのソフト性および風味につ て、生地1を用いて得られた食パン(モノオ インおよびオレイン酸無添加の食パン)をコ トロールとして、試験例1と同様の方法で評 価した。
 結果を第2表に示す。

 第2表に示すとおり、モノオレインのみを 添加して得られた食パンと比べて、モノオレ インおよびオレイン酸を添加して得られた食 パンはソフト性が向上していた。

 95gのひまわり油(オレインリッチ、昭和産業 社製)および5mlの水を300ml容の三角フラスコに 入れて混合し、90℃で30分間保持して加熱殺 処理を行った。
 処理後、放置し、35℃になった時点で、 Mucor 属由来のリパーゼ(リパーゼM「アマノ」10、 野エンザイム社製)5000Uを添加し、混合した 得られた混合液を35℃で24時間、100rpmで振と してリパーゼ処理を行った。

 リパーゼ処理後、90℃で30分間加熱してリパ ーゼを失活させ、遠心分離して水相と油相と に分離させた後、油相部分90gを油脂のリパー ゼ処理物として得た。
 該油脂のリパーゼ処理物をガスクロマトグ フィーおよび液体クロマトグラフィーに供 たところ、遊離脂肪酸として、オレイン酸 よびパルミチン酸が、それぞれ46.2重量%お び1.0重量%検出され、モノグリセリドとして モノオレインおよびモノパルミチンがそれ れ17.0重量%および0.2重量%検出された。

 一方、実施例1の生地1の調製工程において リパーゼを200U、油脂のリパーゼ処理物を5g( パーゼ278Uによる処理に相当)および油脂の パーゼ処理物を10g(リパーゼ556Uによる処理に 相当)それぞれ添加する以外は同様の操作を い、食パン(1)~(3)を製造した。
 実施例1で得たコントロールの食パンおよび 食パン(1)~(3)を20℃で1日間保存し、保存後そ ぞれ15mmの厚さとなるようにスライスした。
 スライスした食パン6枚を使用し、試験例1 同様の方法で、各食パンのソフト性および 味を評価した。

 結果を第3表に示す。

 第3表に示すとおり、油脂のリパーゼ処理 物を添加して得られた食パンはコントロール と比較してソフト性が向上しており、風味も コントロールの食パンと同等以上であった。

 2000gの強力粉、100gのグラニュー糖、40gの食 、40gの脱脂粉乳、3gのイーストフードおよ 実施例3で得た油脂のリパーゼ処理物を20gを ンミキサーを用いて低速で10分間、中高速 10分間混合し、本発明のプレミックスを得た 。
 一方、1102gの該プレミックスと30gのイース および690gの水を混ぜ合わせる以外は実施例1 と同様の操作を行い、食パンを製造した。

 実施例1と同様の方法により、実施例1で得 コントロールの食パンおよびここで製造し 食パンのソフト性および風味を評価した。
 結果を第4表に示す。

 第4表に示すとおり、本発明のプレミック スを用いて得られた食パンはコントロールの 食パンと比較してソフト性が向上しており、 風味もコントロールの食パンと同等以上であ った。

 脱脂粉乳と水とを混合し、均一に分散させ 65℃で10分間加熱して殺菌処理する。該混合 液を40℃まで冷却し、フリーズドライの乳酸 を10mg添加し、40℃で20時間静置培養する。 養後、85℃で30分間加熱して加熱殺菌処理を って乳酸菌培養物を得る。
 実施例3で得た油脂のリパーゼ処理物40gおよ び乳酸菌培養物60gを混合して生地改良剤を得 る。

 本発明により、穀物粉生地改良剤、穀物 生地の改良方法、生地物性の改良されたプ ミックス、穀物粉生地、またはソフトで老 の抑制された食品を提供することができる