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Title:
GLASS WELDING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145044
Kind Code:
A1
Abstract:
A glass layer (3) is interposed between a glass member (4) and a heat conducting body (7) so as to follow a planned welding region. The glass layer (3) is formed using the heat conducting body (7) as a hot plate and removing an organic solvent and a binder from a paste layer. Thereafter, a glass layer (3) is melted by applying laser light L1 using the heat conducting body (7) as a heat sink, and the glass layer (3) is melted and affixed to the glass member (4). Thereafter, another glass member is overlaid on the glass member (4) with the glass layer (3) interposed therebetween. The glass members are then welded together by applying laser light to the planned welding area.

Inventors:
MATSUMOTO SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058753
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU PHOTONICS KK (JP)
MATSUMOTO SATOSHI (JP)
International Classes:
C03C27/06; C03C27/10; H05B33/02; H05B33/04
Foreign References:
JP2008115057A2008-05-22
JP2006524419A2006-10-26
JP2005213125A2005-08-11
JP2004182567A2004-07-02
JPH02120259A1990-05-08
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
 第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するガラス溶着方法であって、
 ガラス粉、レーザ光吸収材、有機溶剤及びバインダを含むペースト層を、溶着予定領域に沿うように熱伝導体に形成する工程と、
 前記熱伝導体をホットプレートとして前記ペースト層から前記有機溶剤及び前記バインダを除去することにより、前記熱伝導体にガラス層を形成する工程と、
 前記ガラス層が形成された前記熱伝導体に前記ガラス層を介して前記第1のガラス部材を重ね合わせることにより、前記第1のガラス部材と前記熱伝導体との間に前記ガラス層を配置する工程と、
 前記熱伝導体をヒートシンクとして前記溶着予定領域に沿って第1のレーザ光を照射することにより、前記第1のガラス部材と前記熱伝導体との間に配置された前記ガラス層を溶融させ、前記第1のガラス部材に前記ガラス層を定着させる工程と、
 前記ガラス層が定着した前記第1のガラス部材に前記ガラス層を介して前記第2のガラス部材を重ね合わせ、前記溶着予定領域に沿って第2のレーザ光を照射することにより、前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材とを溶着する工程と、を含むことを特徴とするガラス溶着方法。
 前記熱伝導体の熱伝導率は、前記ガラス粉の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
 前記熱伝導体の熱伝導率は、前記第1のガラス部材の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項2記載のガラス溶着方法。
 前記ガラス粉と前記熱伝導体との線膨張係数の差は、前記ガラス粉と前記第1のガラス部材との線膨張係数の差よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のガラス溶着方法。
 前記第1のレーザ光は、前記第1のガラス部材側から前記ガラス層に照射されることを特徴とする請求項請求項1記載のガラス溶着方法。
Description:
ガラス溶着方法

 本発明は、ガラス部材同士を溶着してガ ス溶着体を製造するガラス溶着方法に関す 。

 上記技術分野における従来のガラス溶着 法として、レーザ光吸収性顔料を含むガラ 層を、溶着予定領域に沿うように一方のガ ス部材に焼き付けた後、そのガラス部材に ラス層を介して他方のガラス部材を重ね合 せ、溶着予定領域に沿ってレーザ光を照射 ることにより、一方のガラス部材と他方の ラス部材とを溶着する方法が知られている

 ところで、ガラス部材にガラス層を焼き ける技術としては、ガラスフリット、レー 光吸性顔料、有機溶剤及びバインダを含む ースト層から、乾燥炉及び加熱炉のそれぞ で有機溶剤及びバインダを除去することに り、ガラス部材にガラス層を固着させた後 ガラス層が固着したガラス部材を焼成炉内 加熱することにより、ガラス層を溶融させ 、ガラス部材にガラス層を焼き付ける技術 一般的である(例えば、特許文献1参照)。

 これに対し、焼成炉の使用による消費エ ルギの増大及び焼付け時間の長時間化を抑 するという観点(すなわち、高効率化という 観点)から、ガラス部材に固着したガラス層 レーザ光を照射することにより、ガラス層 溶融させて、ガラス部材にガラス層を焼き ける技術が提案されている(例えば、特許文 2参照)。

特表2006-524419号公報

特開2002-366050号公報

 しかしながら、ガラス部材に対するガラ 層の焼付けをレーザ光の照射によって行う 、焼付け時や、その後のガラス部材同士の 着時に、ガラス部材にクラックが生じるな 、ガラス部材が破損することがあった。ま 、乾燥炉及び加熱炉の未使用による更なる 効率化が求められていた。

 そこで、本発明は、このような事情に鑑 てなされたものであり、ガラス部材の破損 防止して、効率良くガラス部材同士を溶着 ることができるガラス溶着方法を提供する とを目的とする。

 本発明者は、上記目的を達成するために 意検討を重ねた結果、レーザ光の照射によ ガラス層の焼付けがガラス部材の破損に繋 るのは、図12に示されるように、焼付け時 ガラス層の温度が融点Tmを超えるとガラス層 のレーザ光吸収率が急激に高くなることに起 因していることを突き止めた。つまり、ガラ ス部材に固着したガラス層においては、バイ ンダの除去による空隙やガラスフリットの粒 子性によって、レーザ光吸収性顔料の吸収特 性を上回る光散乱が起こり、レーザ光吸収率 が低い状態となっている(例えば、可視光に いて白っぽく見える)。そこで、図13に示さ るように、ガラス層の温度が融点Tmよりも高 く且つ結晶化温度Tcよりも低い温度Tpとなる うにレーザパワーPでレーザ光を照射すると ガラスフリットの溶融によって空隙が埋ま と共に粒子性が崩れるため、レーザ光吸収 顔料の吸収特性が顕著に現れ、ガラス層の ーザ光吸収率が急激に高くなる(例えば、可 視光において黒っぽく見える)。これにより ガラス層において想定以上のレーザ光の吸 が起こり、入熱過多によるヒートショック ガラス部材にクラックが生じるのである。 た、レーザパワーPでのレーザ光の照射によ て、実際には、図13に示されるように、ガ ス層の温度が結晶化温度Tcよりも高い温度Ta 達する。ガラス層において焼付け対象のガ ス部材と反対側に位置する部分(すなわち、 ガラス層において溶着対象のガラス部材側に 位置する部分)が入熱過多によって結晶化す と、その部分の融点が高くなる。そのため その後のガラス部材同士の溶着時に、ガラ 層において溶着対象のガラス部材側に位置 る部分を溶融させるべく、レーザパワーを くしてレーザ光を照射することが必要とな 、焼付け時と同様に入熱過多によるヒート ョックでガラス部材にクラックが生じるの ある。本発明者は、この知見に基づいて更 検討を重ね、本発明を完成させるに至った なお、ガラス層の溶融によってガラス層の ーザ光吸収率が高まる場合における可視光 でのガラス層の色変化は、白っぽい状態か 黒っぽい状態に変化するものに限定されず 例えば、近赤外レーザ光用のレーザ光吸収 顔料の中には、ガラス層が溶融すると緑色 呈するものも存在する。

 すなわち、本発明に係るガラス溶着方法 、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを 着してガラス溶着体を製造するガラス溶着 法であって、ガラス粉、レーザ光吸収材、 機溶剤及びバインダを含むペースト層を、 着予定領域に沿うように熱伝導体に形成す 工程と、熱伝導体をホットプレートとして ースト層から有機溶剤及びバインダを除去 ることにより、熱伝導体にガラス層を形成 る工程と、ガラス層が形成された熱伝導体 ガラス層を介して第1のガラス部材を重ね合 せることにより、第1のガラス部材と熱伝導 体との間にガラス層を配置する工程と、熱伝 導体をヒートシンクとして溶着予定領域に沿 って第1のレーザ光を照射することにより、 1のガラス部材と熱伝導体との間に配置され ガラス層を溶融させ、第1のガラス部材にガ ラス層を定着させる工程と、ガラス層が定着 した第1のガラス部材にガラス層を介して第2 ガラス部材を重ね合わせ、溶着予定領域に って第2のレーザ光を照射することにより、 第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着 る工程と、を含むことを特徴とする。

 このガラス溶着方法では、溶着予定領域 沿うように第1のガラス部材と熱伝導体との 間にガラス層を配置した後、熱伝導体をヒー トシンクとして第1のレーザ光を照射するこ により、ガラス層を溶融させて、第1のガラ 部材にガラス層を定着させる。このガラス の定着時には、ガラス層のレーザ光吸収率 急激に高くなるが、熱伝導体がヒートシン としてガラス層から熱を奪うため、ガラス が入熱過多の状態となることが抑止される これにより、第1のレーザ光の照射によって 第1のガラス部材にガラス層を定着させても ガラス層の定着時や、その後のガラス部材 士の溶着時に、ガラス部材にクラックが生 るなど、ガラス部材が破損するのを防止す ことができる。しかも、熱伝導体をホット レートとしてペースト層から有機溶剤及び インダを除去することによりガラス層を形 するため、乾燥炉及び加熱炉の使用による 費エネルギの増大を抑制することができる 従って、このガラス溶着方法によれば、ガ ス部材の破損を防止して、効率良くガラス 材同士を溶着することが可能となる。

 本発明に係るガラス溶着方法においては 熱伝導体の熱伝導率は、ガラス粉の熱伝導 よりも高いことが好ましい。この場合、熱 導体をホットプレートとして、効率良くガ ス層に熱を与えることが可能となり、また 熱伝導体をヒートシンクとして、効率良く ラス層から熱を奪うことが可能となる。こ とき、熱伝導体の熱伝導率は、第1のガラス 部材の熱伝導率よりも高いことがより好まし い。この場合、熱伝導体をホットプレートと して、より一層効率良くガラス層に熱を与え ることが可能となり、また、熱伝導体をヒー トシンクとして、より一層効率良くガラス層 から熱を奪うことが可能となる。

 本発明に係るガラス溶着方法においては ガラス粉と熱伝導体との線膨張係数の差は ガラス粉と第1のガラス部材との線膨張係数 の差よりも大きいことが好ましい。この場合 、第1のガラス部材にガラス層を定着させた に、熱伝導体にガラス層が固着するのを確 に防止することができる。

 本発明に係るガラス溶着方法においては 第1のレーザ光は、第1のガラス部材側から ラス層に照射されることが好ましい。この 合、第1のガラス部材とガラス層との界面部 が十分に加熱されるため、第1のガラス部材 にガラス層を強固に定着させることができる 。

 本発明によれば、ガラス部材の破損を防 して、効率良くガラス部材同士を溶着する とができる。

本発明に係るガラス溶着方法の一実施 態によって製造されたガラス溶着体の斜視 である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するためのガ ラス溶着方法を説明するための平面図及び拡 大縦断面図である。 図1のガラス溶着体を製造するための ラス溶着方法を説明するための平面図及び 大縦断面図である。 図2~8の各場合における熱伝導体の温度 履歴を示すグラフである。 ガラス層の温度とレーザ光吸収率との 関係を示すグラフである。 レーザパワーとガラス層の温度との関 係を示すグラフである。

 以下、本発明の好適な実施形態について 図面を参照して詳細に説明する。なお、各 において同一又は相当部分には同一符号を し、重複する説明を省略する。

 図1は、本発明に係るガラス溶着方法の一 実施形態によって製造されたガラス溶着体の 斜視図である。図1に示されるように、ガラ 溶着体1は、溶着予定領域Rに沿って形成され たガラス層3を介して、ガラス部材(第1のガラ ス部材)4とガラス部材(第2のガラス部材)5とが 溶着されたものである。ガラス部材4,5は、例 えば、無アルカリガラスからなる厚さ0.7mmの 形板状の部材であり、溶着予定領域Rは、ガ ラス部材4,5の外縁に沿って矩形環状に設定さ れている。ガラス層3は、例えば、低融点ガ ス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガ ス等)からなり、溶着予定領域Rに沿って矩 環状に形成されている。

 次に、上述したガラス溶着体1を製造する ためのガラス溶着方法について説明する。な お、図2~10において、(a)は平面図であり、(b) (a)の拡大縦断面図である。また、図11は、図 2~8の各場合における熱伝導体の温度履歴を示 すグラフである。

 まず、図2に示されるように、アルミニウ ムからなる板状の熱伝導体7を準備する。熱 導体7には、電熱線等のヒータ8が埋設されて いる。続いて、図3に示されるように、ディ ペンサやスクリーン印刷等によってフリッ ペーストを塗布することにより、熱伝導体7 表面7a(ここでは、研磨面)にペースト層6を トリックス状に複数形成する。フリットペ ストは、例えば、非晶質の低融点ガラス(バ ジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等) からなる粉末状のガラスフリット(ガラス粉)2 、酸化鉄等の無機顔料であるレーザ光吸収性 顔料(レーザ光吸収材)、酢酸アミル等である 機溶剤、及びガラスの軟化温度以下で熱分 する樹脂成分(アクリル等)であるバインダ 混練したものである。各ペースト層6は、ガ スフリット2、レーザ光吸収性顔料、有機溶 剤及びバインダを含んでおり、溶着予定領域 Rに沿うように矩形環状に形成されている。

 続いて、図4に示されるように、ヒータ8 作動させ、熱伝導体7をホットプレートとし ペースト層6から有機溶剤を除去し、更に、 バインダが分解する温度まで熱伝導体7の温 を上昇させてバインダを除去することによ 、熱伝導体7の表面7aにガラス層3を固着させ 。なお、熱伝導体7の表面7aに固着した各ガ ス層3は、バインダの除去による空隙やガラ スフリット2の粒子性によって、レーザ光吸 性顔料の吸収特性を上回る光散乱が起こり レーザ光吸収率が低い状態となっている(例 ば、可視光において白っぽく見える)。

 続いて、図5に示されるように、ヒータ8 停止させる一方でファン9を作動させ、熱伝 体7を常温程度の温度に冷却する。続いて、 図6に示されるように、ガラス層3が固着した 伝導体7の表面7aに、ガラス層3を介してガラ ス部材4(ここでは、各ガラス層3に対応するよ うにマトリックス状に配置された複数のガラ ス部材4を含む基板)を載置する。これにより 熱伝導体7にガラス層3を介してガラス部材4 重ね合わされて、ガラス部材4と熱伝導体7 の間にガラス層3が配置される。

 続いて、図7に示されるように、熱伝導体 7をヒートシンクとして、ガラス層3に集光ス ットを合わせてレーザ光(第1のレーザ光)L1 溶着予定領域Rに沿って照射する。これによ 、ガラス部材4と熱伝導体7との間に配置さ たガラス層3が溶融・再固化し、ガラス部材4 の表面4aにガラス層3が焼き付けられる。なお 、ガラス部材4の表面4aに焼き付けられたガラ ス層3は、ガラスフリット2の溶融によって空 が埋まると共に粒子性が崩れるため、レー 光吸収性顔料の吸収特性が顕著に現れ、レ ザ光吸収率が高い状態となる(例えば、可視 光において黒っぽく見える)。また、ガラス 材4の表面4aに焼き付けられたガラス層3は、 伝導体7側の表面3aが平坦化されるばかりか ガラス部材4側の表面3bの凹凸も平坦化され 状態となる。

 このガラス層3の焼付け時には、熱伝導体 7がヒートシンクとしてガラス層3から熱を奪 ため、ガラス層3が入熱過多の状態となるこ とが抑止される。このとき、熱伝導体7がア ミニウムからなっており、ガラスフリット2 熱伝導率及びガラス部材4の熱伝導率よりも 熱伝導体7の熱伝導率が高くなっているため ガラス層3から熱伝導体7への放熱が極めて効 率良く行われる。

 また、ガラスフリット2とガラス部材4との 膨張係数の差よりも、ガラスフリット2と熱 導体7との線膨張係数の差が大きくなってい るため、ガラス層3の焼付け時に、熱伝導体7 表面7aにガラス層3が固着することがない。 のことから、ガラスフリット2と熱伝導体7 の線膨張係数の差は、より大きくなること 好ましいものの、バナジウムリン酸系ガラ (線膨張係数:7.0×10 -6 /K)や鉛ホウ酸ガラス(線膨張係数:13×10 -6 /K)からなるガラスフリット2に対しては、ア ミニウム(線膨張係数:23×10 -6 /K)の他に、ステンレス鋼(線膨張係数:17.3×10 -6 /K)や銅(線膨張係数:16.8×10 -6 /K)からなる熱伝導体7を用いることができる

 ガラス層3の焼付けに続いて、図8に示さ るように、ガラス層3が焼き付けられたガラ 部材4をピックアップする。続いて、図9に されるように、ガラス層3が焼き付けられた ラス部材4に対し、ガラス層3を介してガラ 部材5(ここでは、各ガラス層3に対応するよ にマトリックス状に配置された複数のガラ 部材5を含む基板)を重ね合わせる。このとき 、ガラス層3の表面3aが平坦化されているため 、ガラス部材5の表面5aがガラス層3の表面3aに 隙間なく接触する。

 この状態で、ガラス層3に集光スポットを 合わせてレーザ光(第2のレーザ光)L2を溶着予 領域Rに沿って照射する。これにより、レー ザ光吸収率が高い状態となっているガラス層 3にレーザ光L2が吸収されて、ガラス層3及び の周辺部分(ガラス部材4,5の表面4a,5a部分)が 融・再固化し、ガラス部材4とガラス部材5 が溶着される。このとき、ガラス部材5の表 5aがガラス層3の表面3aに隙間なく接触して るため、ガラス部材4とガラス部材5とが溶着 予定領域Rに沿って均一に溶着される。

 続いて、図10に示されるように、各ガラ 層3に対応するようにマトリックス状に配置 れた複数のガラス部材4,5を含む基板を切断 定ライン10に沿って切断し、複数のガラス 着体1を得る。ここで、切断予定ライン10は マトリックス状に配置された複数のガラス 3毎に(すなわち、溶着予定領域R毎に)設定さ たものである。

 以上説明したように、ガラス溶着体1を製 造するためのガラス溶着方法においては、溶 着予定領域Rに沿うようにガラス部材4と熱伝 体7との間にガラス層3を配置した後、熱伝 体7をヒートシンクとしてレーザ光L1を照射 ることにより、ガラス層3を溶融させて、ガ ス部材4にガラス層3を焼き付けて定着させ 。このガラス層3の焼付け時には、ガラス層3 のレーザ光吸収率が急激に高くなるが、熱伝 導体7がヒートシンクとしてガラス層3から熱 奪うため、ガラス層3が入熱過多の状態とな ることが抑止される。これにより、ガラス部 材4に対するガラス層3の焼付けをレーザ光L1 照射によって行っても、ガラス層3の焼付け に、入熱過多によるヒートショックでガラ 部材4,5にクラックが生じるのを防止するこ ができる。更に、ガラス層3の焼付け時に、 ガラス層3の表面3a部分(すなわち、ガラス層3 おいて溶着対象のガラス部材5側に位置する 部分)が入熱過多によって結晶化することが く、よって、その部分の融点が高くなるこ もない。そのため、その後のガラス部材4,5 士の溶着時に、ガラス層3の表面3a部分を溶 させるべくレーザパワーを高くしてレーザ L2を照射することが不要となり、ガラス層3 焼付け時と同様に入熱過多によるヒートシ ックでガラス部材4,5にクラックが生じるの 防止することができる。従って、上述した ラス溶着方法によれば、ガラス部材4,5の破 を防止して、効率良くガラス部材4,5同士を 着することが可能となる。

 また、上述したガラス溶着方法において 、熱伝導体7をホットプレートとしてペース ト層6から有機溶剤及びバインダを除去する とによりガラス層3を形成する。そのため、 燥炉及び加熱炉の使用による消費エネルギ 増大を抑制することができると共に、乾燥 及び加熱炉の使用によるガラス部材4,5のサ ズの制限を自由化することができる。

 また、上述したガラス溶着方法において 、レーザ光L1がガラス部材4側からガラス層3 に照射される。そのため、ガラス部材4とガ ス層3との界面部分が十分に加熱される。従 て、ガラス部材4にガラス層3を強固に焼き けて定着させることができる。しかも、ガ ス層3において溶着対象のガラス部材5側に位 置する部分(ガラス層3の表面3a部分)が入熱過 によって結晶化するのをより確実に防止す ことができる。

 なお、ガラス層3の焼付け時には、レーザ 光L1の照射によって、ガラス層3において焼付 け対象のガラス部材4側に位置する部分を結 化させてもよい。また、ガラス部材4,5同士 溶着時には、レーザ光L2の照射によって、ガ ラス層3において溶着対象のガラス部材5側に 置する部分(ガラス層3の表面3a部分)を結晶 させてもよい。最終的にガラス層3を結晶化 せると、ガラス溶着体1においてガラス層3 線膨張係数が小さくなるからである。

 ところで、有機ELパッケージ等において 、容器自体が小型であるため、より薄型化 れたガラス部材4,5が使用されることから、 ラス部材4,5の材料としては、割れを生じ難 すべく低膨張ガラスが選択されることが多 。このとき、ガラス層3の線膨張係数をガラ 部材4,5の線膨張係数と合わせるために(すな わち、ガラス層3の線膨張係数を低くするた に)、セラミックス等からなるフィラーをガ ス層3に多量に含有させる。ガラス層3にフ ラーを多量に含有させると、レーザ光L1の照 射の前後でガラス層3のレーザ光吸収率がよ 一層大きく変化することになる。従って、 述したガラス溶着方法は、ガラス部材4,5の 料として低膨張ガラスを選択する場合に、 に有効である。

 本発明は、上述した実施形態に限定され ものではない。

 例えば、レーザ光L1に対して透過性を有 る材料からなる熱伝導体7を用いて、ガラス 材4と反対側から熱伝導体7を介してガラス 3にレーザ光L1を照射してもよい。

 本発明によれば、ガラス部材の破損を防 して、効率良くガラス部材同士を溶着する とができる。

 1…ガラス溶着体、2…ガラスフリット(ガ ス粉)、3…ガラス層、4…ガラス部材(第1の ラス部材)、5…ガラス部材(第2のガラス部材) 、6…ペースト層、7…熱伝導体、R…溶着予定 領域、L1…レーザ光(第1のレーザ光)、L2…レ ザ光(第2のレーザ光)。