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Title:
IMAGING LENS UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/047868
Kind Code:
A1
Abstract:
An imaging lens unit (1) comprising a resinous lens barrel (30) and two or more resinous lenses (10, 20). The lens barrel (30) includes a cylindrical portion (31) having an inner surface (31a) parallel to an optical axis (L), an end wall (32) at the object-side end of the cylindrical portion (31), and a first inclined surface (33) formed along an opening (32a) inside the end wall (32). The first lens (10) includes a first edge (12) formed outside a first lens portion (11) and having an outer surface (15) from which to the inner surface (31a) of the cylindrical portion (31) a clearance (50) is provided, a second inclined surface (14) formed on the object-side surface of the first edge (12) and positioning the first lens (10) with respect to the lens barrel (30) by being brought into contact with the first inclined surface (33), and a first connection portion (16) formed on the side facing the second lens (20) of the first edge (12) and connected to the second lens (20). The second lens (20) includes a second edge (22) formed outside a second lens portion (21) and having an outer surface (25) from which to the inner surface (31a) of the cylindrical portion (31) the clearance (50) is provided, and a second connection portion (24) formed on the side facing the first lens (10) of the second edge (22) and positioning the second lens (20) with respect to the first lens(10) by being connected to the first connection portion (16).

Inventors:
MURAOKA YUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/070000
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 12, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSULITE MFG CO LTD (JP)
MURAOKA YUJI (JP)
International Classes:
G02B7/02
Foreign References:
JPS61121019A1986-06-09
JPS61123809A1986-06-11
JP2007208793A2007-08-16
JPS60213916A1985-10-26
JPS6249116U1987-03-26
Attorney, Agent or Firm:
ITAYA, Yasuo (9-10 Minamisemba 3-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 81, JP)
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Claims:
1. 樹脂製鏡筒と樹脂製のレンズを備え、
 前記鏡筒は、前記レンズを含む光学系の光軸に対して平行な内周面を有する筒状部と、前記筒状部のいずれか一方の端部に設けられ、開口を有する前記光軸に垂直な端壁と、前記端壁の内側で、かつ前記開口の一部又は全周に沿って形成された第1傾斜面を有し、
 前記レンズは、前記光軸を中心として形成されたレンズ部と、前記光軸に垂直な方向における前記レンズ部の外側に形成され、前記筒状部の内周面に対してクリアランスが設けられた外周面を有するコバと、前記コバの前記端壁に対向する側に形成され、前記第1傾斜面と当接されることにより、前記鏡筒に対して前記レンズの位置決めを行う第2傾斜面を有することを特徴とする撮像レンズユニット。
2. 前記鏡筒及び前記レンズは、それぞれはんだリフロー温度において耐熱性を有する材料で形成され、はんだリフロー温度に加熱された状態で、前記クリアランスが維持されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
3. 前記第1傾斜面及び第2傾斜面は、それぞれ単一の傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
4. 前記第1傾斜面及び第2傾斜面は、それぞれ複数の傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
5. 前記第1傾斜面及び第2傾斜面は、それぞれ光軸を中心線とする円錐面の一部、光軸を中心線とする角錐面の一部、あるいは光軸を中心線とする円錐面と角錐面の一部とが複合された面形状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
6. 前記第1接続部及び第2接続部は、互いに嵌合可能な段差部、傾斜面、凹凸形状部のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
7. 前記鏡筒は熱硬化性樹脂又は成形温度280℃以上の熱可塑性樹脂から選ばれた樹脂で形成され、前記レンズは透明性を有する熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズユニット。
Description:
撮像レンズユニット

 本発明は、CCDやCMOSなどの固体撮像素子を 使用した小型撮像装置、光センサ、携帯用モ ジュールカメラなどに使用される撮像レンズ ユニットに関する。

 従来から、樹脂製鏡筒と樹脂製レンズで 成された撮像レンズユニットが一般に知ら ている。ところで、このように樹脂製鏡筒 樹脂製レンズで構成された撮像レンズユニ トは、CCDやCMOSセンサなどの電子部品と共に 回路基板に実装され、はんだリフロー炉で加 熱される。そのため、鏡筒材料やレンズ材料 の耐リフロー性が問題となる。

 鏡筒材料の耐リフロー性に関しては、鏡 の材料として用いられるLCP(液晶ポリマー) どの耐熱性樹脂は、樹脂メーカーカタログ 記載されているように、耐リフロー性を有 ている。

 レンズの耐リフロー性に関しては、例え 特開2004-133328号公報には、熱硬化性樹脂で 成され、耐リフロー性を有する撮像レンズ 開示されている。この撮像レンズは、例え 2枚の平凸レンズを互いに逆方向に貼り合せ 特殊な形状を有しており、撮像レンズのサ ズや得られる光学特性に制約がある。

 図10に、樹脂製鏡筒と樹脂製レンズで構 された従来の撮像レンズユニット100の構成 示す。図10からわかるように、樹脂製レンズ 110,120では、レンズ周辺部に、光軸Lに垂直な と外周部に光軸Lに平行な面を有するコバ112 ,122が形成されている。樹脂製レンズ110,120を 脂製鏡筒130に固定する場合、鏡筒130の光軸L に垂直な面131,132を受け面として、レンズ110,1 20のコバ112,122の光軸Lに垂直111,121な面を当接 せ、レンズ110,120のコバ112,122の光軸Lに平行 外周面113,123を鏡筒の内周面133,134に嵌合さ ることにより、レンズ110,120の位置決めが行 れる。このような構造では、鏡筒130の受け 及び内周面、レンズ110,120のコバ112,122の光 Lに垂直な面及び光軸Lに平行な外周面の仕上 げ精度が悪いと、鏡筒130に対するレンズ110,12 0の位置を正確に、かつ、再現性良く決める とができない。また、樹脂製鏡筒130や樹脂 レンズ110,120は温度変化による形状(寸法)変 が大きい。そのため、前述の構造では、リ ロー処理(通常、250-270℃)を受けると、鏡筒13 0とレンズ110,120が当接し、かつ嵌合している め、寸法変化により鏡筒130やレンズ110,120が 変形する。その変形は、リフロー処理後も残 るため、撮像レンズユニット100の光学特性が 劣化する。

 特開2002-286987号公報又は特開2006-84621号公 には、鏡筒とコバを有する2以上のレンズで 構成された他の従来の撮像レンズユニットが 開示されている。この撮像レンズユニットで は、鏡筒と第1レンズの位置決めは、鏡筒の 軸に垂直な受け面に第1レンズのコバの光軸 垂直な面を当接させることにより行われ、 1レンズと第2レンズの位置決めは、第1レン のコバの外周部のリブの内壁部に形成され 光軸を中心とした円錐面に第2レンズのコバ 外周部のリブの外壁部に形成された円錐面を 当接させて行われる。このような構造では、 鏡筒の内周面と第1レンズのコバの外周面に リアランスがある場合、第1レンズを正確に かつ再現性良く位置決めすることは困難で る。また、鏡筒の内周面と第1レンズのコバ の外周面にクリアランスが殆ど無い場合、仮 にリフロー処理が可能であったとしても、リ フロー処理時に起こる鏡筒やレンズの形状変 化により、撮像レンズユニットの光学特性が 劣化する。

 なお、特開昭56-149010号公報には、従来の ィルムカメラ用の撮像レンズではあるが、 筒の内周面とレンズコバの外周面との間に リアランスを設け、各レンズを精度良く位 決め可能な構成が開示されている。具体的 は、鏡筒の内周面と像側端壁との間に第1傾 斜面を形成すると共に、像側の第1レンズの 周面の像側端部にも第2傾斜面が形成されて り、第1傾斜面と第2傾斜面を当接させるこ により第1レンズを鏡筒に対して位置決めし いる。しかしながら、このレンズは常温(例 えば、20℃)で組み立てられ、常温でカメラな どに装着されることを前提としており、はん だリフロー処理の際、高温に曝されることは 全く考慮されていない。そのため、鏡筒材料 の熱膨張率が第1レンズの材料の熱膨張率よ も小さい場合、第1レンズの膨張が鏡筒によ て妨げられ、第1レンズが変形する可能性が ある。同様のことは、第2レンズ及び第3レン についても当てはまる。

 本発明は、上記従来例の問題点を解決す ためになされたものであり、樹脂製鏡筒と2 枚以上の樹脂製レンズで構成され、各レンズ を正確に、かつ容易に位置決めすることがで き、かつ、リフロー処理によっても光学特性 が劣化しない撮像レンズユニットを提供する ことを目的としている。

 本発明の一態様に係る撮像レンズユニット 、
樹脂製鏡筒と樹脂製のレンズを備え、
 前記鏡筒は、前記レンズを含む光学系の光 に対して平行な内周面を有する筒状部と、 記筒状部のいずれか一方の端部に設けられ 開口を有する前記光軸に垂直な端壁と、前 端壁の内側で、かつ前記開口の一部又は全 に沿って形成された第1傾斜面を有し、
 前記レンズは、前記光軸を中心として形成 れたレンズ部と、前記光軸に垂直な方向に ける前記レンズ部の外側に形成され、前記 状部の内周面に対してクリアランスが設け れた外周面を有するコバと、前記コバの前 端壁に対向する側に形成され、前記第1傾斜 面と当接されることにより、前記鏡筒に対し て前記レンズの位置決めを行う第2傾斜面を することを特徴とする。

 上記構成において、前記鏡筒及び前記レ ズは、それぞれはんだリフロー温度におい 耐熱性を有する材料で形成され、はんだリ ロー温度に加熱された状態で、前記クリア ンスが維持されていることが好ましい。

 また、前記第1傾斜面及び第2傾斜面は、 れぞれ単一の傾斜面で構成されていること 特徴とすることが好ましい。

 あるいは、前記第1傾斜面及び第2傾斜面 、それぞれ複数の傾斜面で構成されている とが好ましい。

 あるいは、前記第1傾斜面及び第2傾斜面 、それぞれ複数の傾斜面で構成されている とが好ましい。

 また、前記第1傾斜面及び第2傾斜面は、 れぞれ光軸を中心線とする円錐面の一部、 軸を中心線とする角錐面の一部、あるいは 軸を中心線とする円錐面と角錐面の一部と 複合された面形状のいずれかであることが ましい。

 さらに、前記第1接続部及び第2接続部は 互いに嵌合可能な段差部、傾斜面、凹凸形 部のいずれかであることが好ましい。

 さらに、前記鏡筒は熱硬化性樹脂又は成 温度280℃以上の熱可塑性樹脂から選ばれた 脂で形成され、前記レンズは透明性を有す 熱硬化性樹脂で形成されていることが好ま い。

 このような構成によれば、鏡筒の第1傾斜 面とレンズの第2傾斜面を当接させることに り、レンズを鏡筒に対して所定の位置に位 決めすることができる。その際、第1傾斜面 ガイドとなり、レンズの取り付け作業を容 に行うことができ、作業性が改善される。 た、鏡筒とレンズとを傾斜面同士で当接さ て位置決めしているので、平面同士を当接 せて位置決めする場合に比べて、形状変化 影響を少なくすることができる。

 さらに、はんだリフロー温度に加熱され 状態でも、鏡筒の筒状部の内周面とレンズ コバの外周面との間のクリアランスが維持 れているので、このクリアランスがリフロ 処理時に緩衝領域となり、レンズの材料の 膨張係数が鏡筒の材料の熱膨張係数よりも きい場合であっても、レンズのコバの外周 は鏡筒の内周面とは接触せず、レンズに無 な応力は加えられない。そのため、はんだ フロー処理後も撮像レンズの光学性能が維 される。

 より具体的には、常温T0(例えば、20℃)にお る前記所定のクリアランスをC、前記鏡筒の 内径D1、前記レンズのコバの外径をD2、前記 筒の材料の線膨張係数をα1、前記レンズの 料の線膨張係数をα2、はんだリフロー時の 度T1(例えば、260℃)における前記鏡筒の内径D 1’、前記レンズのコバの外径をD2’として、
   C=(D1-D2)/2
   D1’=D1+D1・α1・(T1-T0)
   D2’=D2+D2・α2・(T1-T0)
   D1’≧D2’
の条件を満たすことが好ましい。

 このように、本発明に係る撮像レンズユ ットによれば、レンズを容易に、かつ正確 位置決めすることができる。また、本発明 係る撮像レンズユニットは、リフロー処理 耐えられる構造であり、鏡筒及びレンズに 定の耐熱材料を使用することにより、リフ ー処理後であっても、レンズ形状はほとん 変化しない。そのため、本発明に係る撮像 ンズユニットは、他の電子部品と共にリフ ー処理を受けることができ、この撮像レン ユニットを用いた小型撮像装置、光センサ 携帯用モジュールカメラなどの生産性向上 寄与することができる。

図1は、本発明の一実施形態に係る撮像 レンズユニットの構成を示す断面図である。 図2は、上記撮像レンズユニットを像側 から見た構成を示す平面図である。 図3は、上記撮像レンズユニットの鏡筒 の構成を示す断面図である。 図4は、上記撮像レンズユニットの第1 ンズの構成を示す断面図である。 図5Aは、上記第1レンズの第1コバの物体 側に設けられた傾斜面の一構成例を示す斜視 図であり、図5Bはその傾斜面の他の構成例を す斜視図である。 図6は、上記撮像レンズユニットの第2 ンズの構成を示す断面図である。 図7A~図7Cは、それぞれ本発明の一実施 態に係る撮像レンズユニットの変形例を示 断面図である。 図8A~図8Cは、それぞれ本発明の一実施 態に係る撮像レンズユニットの変形例、撮 レンズユニットを像側から見た構成の変形 を示す平面図である。 図9A~図9Cは、それぞれ上記第1レンズと 2レンズの接続部の他の構成例を示す断面図 である。 図10は、従来の撮像レンズユニットの 成を示す断面図である。

 本発明の一実施形態に係る撮像レンズユ ットについて、図面を参照しつつ説明する 図1は、本発明の一実施形態に係る撮像レン ズユニットの構成を示す断面図である。なお 、図1に示す各構成部材に付した符号は、他 図においても、共通して使用する。

 図1において、撮像レンズユニット1は、 脂製第1レンズ10、樹脂製第2レンズ20及び樹 製鏡筒30で構成されている。必要に応じて、 第1レンズ10の物体側や第1レンズ10と第2レン 20の間に、絞りあるいは遮光フィルム(共に 図示せず)が設けられていてもよい。位置決 された第1レンズ10及び第2レンズ20は、伸縮 を有する接着剤40で第2レンズ20を鏡筒30に接 着することにより、固定されている。

 鏡筒30は、第1レンズ10及び第2レンズ20を む光学系の光軸Lに対して平行な内周面31aを する筒状部31と、筒状部31のいずれか一方の 端部(この場合物体側の端部)に設けられ、開 32aを有し、光軸Lに垂直な端壁32と、端壁32 内面32b側で、かつ開口32aの周囲に形成され 第1傾斜面33を有している。第1レンズ10は、 軸Lを中心として形成された第1レンズ部11と 光軸Lに垂直な方向における第1レンズ部11の 外側(周辺部)に形成された第1コバ12を有して る。第1コバ12の端壁32に対向する側(この場 物体側)には、光軸Lに略垂直な面13と鏡筒30 第1傾斜面33と当接する第2傾斜面14が形成さ ている。鏡筒30の第1傾斜面33と第1レンズ10 第2傾斜面14は、第1レンズ10を鏡筒30に対して 位置決めするために位置決め部として機能す る。

 また、光軸Lに垂直な方向において、鏡筒 30の筒状部31の内周面31aと第1レンズ10の第1コ 12の外周面15の間には、所定のクリアランス 50が設けられている。鏡筒30に第1レンズ10を 入し、鏡筒30の第1傾斜面33と第1レンズ10の第 2傾斜面14を当接させると、鏡筒30に対して第1 レンズ10が位置決めされる。傾斜面同士を当 させているので、鏡筒30に対する第1レンズ1 0の位置が一義的に決められる。そのため、 筒30に対する第1レンズ10の位置決めは正確で あり、作業性にも優れている。第1レンズ10の 位置決めの際、鏡筒30と第1レンズ10とを伸縮 を有する接着剤で固定してもよい(図示せず )。

 前述のように、本実施形態に係る撮像レン ユニット1は、CCDやCMOSセンサなどの電子部 と共に回路基板に実装され、はんだリフロ 炉で加熱される可能性がある。そのため、 1レンズ10、第2レンズ20及び鏡筒30の材料がそ れぞれ耐熱性を有するのみならず、これらの 材料の熱膨張率に差があったとしても、はん だリフロー炉で加熱された状態で、上記クリ アランス50が維持されていなければならない そのため、常温T0(例えば、20℃)における所 のクリアランス50をC、鏡筒30の内径D1、第1 ンズ10の第1コバ12又は第2レンズ20の第2コバ22 の外径をD2、鏡筒30の材料の線膨張係数をα1 第1レンズ10又は第2レンズ20の材料の線膨張 数をα2、はんだリフロー時の温度T1(例えば 260℃)における鏡筒30の内径D1’、第1レンズ10 の第1コバ12又は第2レンズ20の第2コバ22の外径 をD2’として、
   C=(D1-D2)/2
   D1’=D1+D1・α1・(T1-T0)
   D2’=D2+D2・α2・(T1-T0)
   D1’≧D2’
の条件を満たしていることが好ましい。この 条件を満たすことにより、鏡筒30の材料の線 張係数α1と、第1レンズ10又は第2レンズ20の 料の線膨張係数α2のいずれが大きいかに関 らず、第1レンズ10の第1コバ12の外周面15及 第2レンズ20の第2コバ22の外周面25が鏡筒30の 状部31の内周面31aと接触することはなく、 1レンズ10及び第2レンズ20に無理な応力は加 られない。そのため、はんだリフロー処理 も撮像レンズの光学性能が維持される。な 、後述する変形例ように、第1レンズ10の第1 バ12及び第2レンズ20の第2コバ22の形状によ ては、リフロー処理の際、鏡筒30や第1レン 10及び第2レンズ20に変形を与えるような大き な負荷がかからない場合もあるので、鏡筒30 筒状部31の内周面31aと第1レンズ10の第1コバ1 2の外周面15及び第2レンズ20の第2コバ22の外周 面25の一部が接触していてもよい。

 一方、位置決めされた第1レンズ10及び第2レ ンズ20は、伸縮性を有する接着剤40により鏡 30に固定されているため、クリアランス50を きくしすぎると、このクリアランス50内で 接着剤40の伸縮により、第1レンズ10及び第2 ンズ20が光軸Lに垂直な方向に変位し、光学 能が低下する可能性がある。そのため、は だリフロー時の温度T1において、D1’≒D2’ することが好ましい。さらに、鏡筒30の材料 の線膨張係数α1と、第1レンズ10又は第2レン 20の材料の線膨張係数α2の差が小さいことが 好ましい。従って、鏡筒30の材料、第1レンズ 10及び第2レンズ20の材料を考慮して、
   1×10 -5 /℃<α1<10×10 -5 /℃
   5×10 -5 /℃<α2<15×10 -5 /℃
 {(D2・α2・(T1-T0))-(D1・α1・(T1-T0))}/2
  <C<D2・α2・(T1-T0)
の条件を満たすことが好ましい。

 第1レンズ10又は第2レンズ20の材料の線膨 係数α2が鏡筒30の材料の線膨張係数α1より 大きい場合、加熱によりクリアランス50は縮 小されるけれども、上記条件式を満たしてい れば、はんだリフロー処理の際にも、鏡筒30 筒状部31の内周面31aと第1レンズ10の第1コバ1 2の外周面15及び第2レンズ20の第2コバ22の外周 面25が接触することはないので、第1レンズ10 び第2レンズ20が変形することはなく、はん リフロー処理後も撮像レンズの光学性能が 持される

 一方、鏡筒30の材料の線膨張係数α1の方 第1レンズ10又は第2レンズ20の材料の線膨張 数α2よりも大きい場合、加熱によりクリア ンス50は拡大されるので、第1レンズ10の第1 バ12の外周面15及び第2レンズ20の第2コバ22の 周面25が鏡筒30の筒状部31の内周面31aと接触 ることはなく、はんだリフロー処理後も撮 レンズの光学性能が維持される。なお、鏡 30の第1傾斜面33が膨張することにより、第1 ンズ10の第2傾斜面14が光軸Lに平行な方向に されるが、接着剤40が伸縮性を有している め、はんだリフロー処理後常温に戻ると、 筒30の第1傾斜面33と第1レンズ10の第2傾斜面14 の接触状態も元に戻る。そのため、撮像レン ズの光学性能に問題はない。

 第1レンズ10の第1コバ12の像側の端面18に 、第2レンズ20を接続するための第1接続部16 形成されている。第2レンズ20は、光軸Lを中 として形成された第2レンズ部21と、光軸Lに 垂直な方向における第2レンズ部21の外側(周 部)に形成された第2コバ22を有している。第2 コバ22の第1レンズ10に対向する側(この場合物 体側)の端面23には、第1レンズ10の第1接続部16 と当接されるための第2接続部24が形成されて いる。鏡筒30に対して第1レンズ10を位置決め た後、第1レンズ10の第1接続部16に第2レンズ 20の第2接続部24を当接させることにより、第1 レンズ10に対して第2レンズ20を一義的に位置 めすることができる。その後、鏡筒30と第2 ンズ20を、伸縮性を有する接着剤40で接着し て、第1レンズ10及び第2レンズ20が鏡筒30に固 される。なお、第1レンズ10の第1接続部16と 2レンズ20の第2接続部24の形状は、両者が当 できる段差及び/又は傾斜面の形状であれば 、特に制約はない。具体的な形状例は後述す る。

 第1レンズ10の第1コバ12には、第1レンズ10 第2レンズ20の間の空間を撮像レンズユニッ 1の外部と連通させるために通気孔17が形成 れている。通気孔17はレンズ性能への影響 さけるため、第1レンズ部11からできるだけ なれた位置に設けられることが好ましい。 気孔17の孔の大きさは空気が通る大きさがあ れば良く、特に制約は無い。通気孔17は、撮 レンズユニット1をはんだリフロー処理のよ うな高温環境下で取り扱う場合に必要となる 。もっとも、使用温度が100℃以下の場合、通 気孔17は、必ずしも必要としない。通気孔17 、第1レンズ10の成形時あるいは第1レンズ10 成形後に、公知の微細孔の加工法により形 される。

 第1レンズ10と第2レンズ20との間には、光 L方向にクリアランス51が設けられている。 1レンズ10と第2レンズ20の光軸L上のクリアラ ンス51は、リフロー処理時の寸法変化を考慮 て、光学設計で決定された第1レンズ10と第2 レンズ20との光軸上の面間隔である。クリア ンス51は、第1レンズ10の第1コバ12の像側の 面18と第2レンズ20の第2コバ22の物体側の端面 23のうち、両者の接続部以外に設けられてお 、このクリアランス51の大きさは、リフロ 処理の際、第1レンズ10のコバ12の像側の端面 と第2レンズ20のコバ22の物体側の端面が接触 ない大きさに設定されている。

 図2は、図1の撮像レンズユニット1を像側 ら見た平面図である。図2に示すように、鏡 筒30の外形は円筒状であり、第1レンズ10及び 2レンズ20の外形は略円盤状であり、鏡筒30 筒状部31の光軸Lに平行な方向の内周面31aと 1レンズ10の第1コバ12の外周面15及び第2レン 20の第2コバ22の外周面25との間の全周にクリ ランス50が設けられている。

 鏡筒30の断面構成を図3に示す。上記のよ に鏡筒30を物体側から見た外観は略円筒状 あり、物体側と像側にそれぞれ開口部を有 る中空体である。鏡筒30の光軸Lと垂直な像 の端壁32の内面32b側には第1傾斜面33が形成さ れており、この第1傾斜面33は第1レンズ10の第 1コバ12の物体側に形成された第2傾斜面14と面 同士で当接可能な形状である。この第1傾斜 33の形状は、光軸Lを中心線とする円錐面の 部、光軸Lを中心線とする角錐面の一部、あ いは光軸Lを中心線とする円錐面と角錐面の 一部とが複合された面形状のいずれかの形状 である。第1傾斜面33は、開口32aの全周に沿っ て形成されていてもよいし、部分的に数箇所 に形成されていてもよい。第1傾斜面33の傾斜 角は特に限定されないが、傾斜角15°以上が ましく、30°以上がより好ましい。

 図4は、第1レンズ10の断面形状の一例を示 す。上記のように、第1レンズ10は第1レンズ 11と第1レンズ部11の周辺部の第1コバ12などで 構成されている。第1コバ12の物体側の面には 、光軸Lに略垂直な面13と第2傾斜面14が形成さ れている。また、第1レンズ10の第1コバ12の像 側の面には、第2レンズ20との第1接続部16が形 成されている。

 第2傾斜面14の面形状は、上記鏡筒30の第1 斜面33に対して、部品成形時における寸法 差を有しているが、面状で精度良く当接で る形状である。従って、第1レンズ10の第2傾 面14の面形状は、鏡筒30の第1傾斜面33に対応 しており、光軸Lを中心線とする円錐面の一 、光軸Lを中心線とする角錐面の一部あるい 光軸Lを中心線とする円錐面と角錐面の一部 とが複合された面形状のいずれかの形状であ る。また、この第1レンズ10の第1コバ12の第2 斜面14の面形状は鏡筒30の第1傾斜面33に対応 ており、第1レンズ部11の全周に沿って形成 れていてもよいし、部分的に数箇所に形成 れていてもよい。図5Aは、第1レンズ10の第2 斜面14が第1レンズ部11の全周に沿って形成 れた例を示す。また、図5Bは、第1レンズ10の 第2傾斜面14が第1レンズ部11の周囲に部分的に 数箇所に形成されている例を示している。な お、鏡筒30の第1傾斜面33と第1レンズ10の第2傾 斜面14との当接面積は、鏡筒30の第1傾斜面33 第1レンズ10の第2傾斜面14を当接させた状態 、弱い力を第1レンズ10に加えても第1レンズ1 0が光軸Lに垂直な方向に動かなければ、特に 定されない。

 図6は、第2レンズ20の断面図の一例を示す 。第2レンズ20は、第2レンズ部21と第2レンズ 21の外周部の第2コバ22などで構成されている 。第2コバ22の物体側端面23には、第1レンズ10 の第2接続部24が形成されている。第1レンズ 10が位置決めされた後、第1レンズ10の第1接続 部16に第2レンズ20の第2接続部24を当接して、 2レンズ20の位置決めが行われる。これら第1 レンズ10の第1接続部16と第2レンズ20の第2接続 部24として、図4及び図6に示す構成例では段 を形成しているが、これに限定されるもの はなく、例えば傾斜面や段差と傾斜面の組 合わせなど、第2のレンズ20が第1レンズ10に 接して、第2レンズ20の位置決めができる形 であればよい。

 これらの第1接続部16及び第2接続部24は、 れぞれ第1レンズ10のコバ12の像側端面18の内 周部及び第2レンズ20の第2コバ22の物体側端面 23の外周部の全周に沿って形成されていても いし、あるいは部分的に形成されていても い。また、これら第1接続部16及び第2接続部 24は、部品成形時における寸法公差を有して るが、第1レンズ10と第2レンズ20とを容易に 接させることができ、かつ、第1レンズ10を 準として、第2レンズ20を精度良く位置決め ることができる。第1レンズ10の第1接続部16 第2レンズ20の第2接続部24の接触面積は、第2 レンズ20の位置決めが可能な面積であればよ 、特に限定されない。

 次に、撮像レンズユニット1における第1 ンズ10及び第2レンズ20の位置決め方法につい て説明する。まず、鏡筒30の像側の開口から 1レンズ10を挿入し、鏡筒30の第1傾斜面33に 1レンズ10の第2傾斜面14を当接させる。その 、鏡筒30の第1傾斜面33がガイドとなり、鏡筒 30に対する第1レンズ10の位置が精度良く、か 一義的に決められる。光軸Lに垂直な方向に おいて、鏡筒30の筒状部31の内周面31aと第1レ ズ10の第1コバ12の外周面15の間には、所定の クリアランス50が設けられているため、第1レ ンズ10には負荷をかけることなく、第1レンズ 10を鏡筒30内部に挿入することができ、第1レ ズ10の第2傾斜面14を鏡筒30の第1傾斜面33に当 接させることができる。

 第1レンズ10の位置決め後、第1レンズ10の 1接続部16に第2レンズ20の第2接続部24を当接 せることにより、第1レンズ10に対する第2レ ンズ20の位置決めを行う。第1レンズ10を基準 するため、鏡筒30や第1レンズ10に特別の負 をかけることなく、第2レンズ20を、精度良 、かつ一義的に位置決めすることができる 第2レンズ20の位置決め後、伸縮性のある接 剤40を鏡筒30の筒状部31の内周面31aと第2レン の第2コバ22の外周面25の間に塗布すること より、鏡筒30に対して第1レンズ10及び第2レ ズ20が位置決めされた状態で固定される。接 着剤40としては、柔軟性成分が配合されてい 化学的、熱的あるいは紫外線硬化型などの 着剤を使用することができる。なお、第2レ ンズ20の位置決めの前に、第1レンズ10と鏡筒3 0とを接着剤で固定してもよい。

 鏡筒30や第1レンズ10及び第2レンズ20を形 する樹脂材料の線膨張係数は特に限定され いが、鏡筒30を形成する樹脂としては、第1 ンズ10及び第2レンズ20を形成する樹脂よりも 線膨張係数の大きい樹脂を用いることが好ま しい。鏡筒30に使用される樹脂は、撮像レン ユニット1がリフロー処理されない場合とリ フロー処理される場合で異なる。

 撮像レンズユニット1が他の電子部品と共 にリフロー処理されない場合、鏡筒30に使用 れる樹脂の具体例としては、ポリアセター 、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブ レンテレフタレート、ポリフェニレンエー ル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポ マー、ポリエーテルエーテルケトン、フェ ール樹脂、エポキシ樹脂などの熱可塑性や 硬化性の樹脂材料を挙げることができる。 れらの樹脂を用いた鏡筒30は、射出成形、 縮成形、注型成形、トランスファー成形な 公知の成形加工法により成形することがで る。

 撮像レンズユニット1が他の電子部品と共 にリフロー処理される場合、鏡筒30に使用さ る樹脂としては、射出成形時の成形温度が2 80℃以上好ましくは、成形温度が300℃以上の 可塑性樹脂であるか、熱硬化性樹脂が使用 れる。これらの樹脂の具体例としては、ポ フェニレンスルファイド、液晶ポリマー、 リエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性 脂やフェノール樹脂、エポキシ樹脂などの 硬化性樹脂を挙げることができる。これら 樹脂を用いた鏡筒30は、射出成形、圧縮成 、注型成形、トランスファー成形など公知 成形加工法により成型することができる。 お、射出成形時の成形温度は、射出シリン ーの最高設定温度を意味する。

 第1レンズ10及び第2レンズ20の材料として 、波長450~600nmの範囲での光線透過率が80%以 、好ましくは85%以上の透明性の高い樹脂が 用される。

 撮像レンズユニット1がリフロー処理され ない場合、第1レンズ10及び第2レンズ20の樹脂 材料の具体例としては、シクロ環や、その他 の環状構造を有する非晶性のポリオレフィン 系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、9,9-ビス(4 -ヒドロキシフェニル)フルオレンなどを構成 分とするポリエステル系樹脂などの熱可塑 樹脂や透明性エポキシ系樹脂や透明性シリ ン系樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げること できる。これらの樹脂を用いたレンズは、 出成形、圧縮成形、注型成形、トランスフ ー成形など公知の成形加工法により成型す ことができる。

 撮像レンズユニット1がリフロー処理され る場合、第1レンズ10及び第2レンズ20の樹脂材 料としては、熱硬化性樹脂が好ましい。光線 透過率が80%以上の熱硬化性樹脂の具体例とし ては、光硬化性又は熱硬化性のエポキシ系樹 脂やポリエステル系樹脂を挙げることができ る。また、これらエポキシ系樹脂やポリエス テル系樹脂は、平均粒径100nm以下、より好ま くは平均粒径70nmの無機粒子が5~30重量%混合 散されたものが用いられる。平均粒径が100n m以下の無機粒子が混合分散された場合、透 性をほとんど低下させることなく、樹脂の 熱性を高くすることができ、かつ線膨張率 低下させることができる。無機粒子の具体 としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン 酸化亜鉛などを挙げることができる。これ の熱硬化性樹脂を用いる場合、レンズは圧 成形、注型成形、トランスファー成形など 知の成形加工法により成型することができ 。

 このように、本発明に係る撮像レンズユ ット1によれば、鏡筒30や第1レンズ10自体に とんど負荷をかけることなく、鏡筒30に対 て、容易に、かつ精度良く第1レンズ10を位 決めすることができる。また、第1レンズ10 基準として、第2レンズ20の位置決めを行う とができるので、第2レンズ20の位置決め工 も単純化することができ、撮像レンズユニ ト1の生産性を向上させることができる。さ に、撮像レンズユニット1が他の電子部品と 共にリフロー処理を受け、鏡筒30や第1レンズ 10の寸法が変化した場合でも、鏡筒30と第1レ ズ10の当接面がそれぞれ傾斜面であること び鏡筒30と第1レンズ10の間にクリアランス50 設けられているため、リフロー処理後にお て、鏡筒30や第1レンズ10にはほとんど変形 見られず、光学特性の安定した撮像レンズ ニット1を得ることができる。特に、本発明 係る撮像レンズユニット1は、他の電子部品 と共にリフロー炉に入れてリフロー処理を受 けても、光学特性が劣化しないので、この撮 像レンズユニットを用いた撮像装置などの高 性能化及び生産性向上に寄与する。

 なお、本発明に係る撮像レンズユニット 、上記実施形態の構成に限定されるもので なく、様々な変形が可能である。図7A~図7C 、それぞれ撮像レンズユニット1の鏡筒30と 1レンズ10のコバ12及び第2レンズ20のコバ22の 成の変形例を示している。なお、撮像レン ユニット1の鏡筒30と第1レンズ10の第1コバ12 び第2レンズ20の第2コバ22の構成はこれらに 定されるものではない。

 図7Aに示す変形例では、鏡筒30の端壁32の 側の面32b及び第1レンズ10の第1コバ12の物体 の面13は、それぞれ光軸Lに略垂直ではなく それぞれ単一の傾斜面のみで構成され、鏡 30と第1レンズ10とが傾斜面同士でのみ当接 ている。

 図7Bに示す変形例では、鏡筒30の端壁32の 側の面32b及び第1レンズ10の第1コバ12の物体 の面13は、それぞれ光軸Lに略垂直でなく、2 つの傾斜面を有するように構成され、鏡筒30 第1レンズ10とがこれら傾斜面同士で当接し いる。

 図7Cに示す変形例では、鏡筒30の筒状部31 内周面31aと第1レンズ10のコバ12の外周面15及 び第2レンズ20のコバ22の外周面25がそれぞれ 斜面である。

 図8A~図8Cは、それぞれ撮像レンズユニッ 1を像側から見た状態における鏡筒30と第1レ ズ10及び第2レンズ20の光軸Lに直交する断面 状の変形例を示している。

 図8Aに示す変形例では、鏡筒30の外形が略 円形で、第1レンズ10の第1コバ12及び第2レン 20の第2コバ22の外形が多角形(図では、正方 を例示)である。鏡筒30の筒状部31の内周面31a と第1レンズ10の第1コバ12の外周面15及び第2レ ンズ20の第2コバ22の外周面25が部分的に接し いる。なお、第1レンズ10の第1コバ12及び第2 ンズ20の第2コバ22の外形は、五角形以上の 角形であってもよく、必ずしも正多角形で る必要はない。

 図8Bに示す変形例では、鏡筒30の外形が多 角形(図では、正方形を例示)で、第1レンズ10 第1コバ12及び第2レンズ20の第2コバ22の外形 略円形であり、鏡筒30の筒状部31の内周面31a と第1レンズ10の第1コバ12の外周面15及び第2レ ンズ20の第2コバ22の外周面25が部分的に接し いる。なお、鏡筒30の外形は、五角形以上の 多角形であってもよく、必ずしも正多角形で ある必要はない。

 図8Cに示す変形例では、鏡筒30、第1レン 10の第1コバ12及び第2レンズ20の第2コバ22の外 形が共に略円形であり、鏡筒30の筒状部31の 周面31a又は第1レンズ10の第1コバ12の外周面15 及び第2レンズ20の第2コバ22の外周面25のいず かに設けられた突起60により、これらが部 的に接している。

 図9A~図9Cは、それぞれ第1レンズ10の第1接 部16と第2レンズ20の第2接続部24の変形例を している。

 図9Aに示す変形例では、第1レンズ10の第1 続部16と第2レンズ20の第2接続部24として、 1レンズ10の第1コバ12の像側の端面18及び第2 ンズ20の第2コバ22の物体側の端面23に光軸Lを 中心線とする円錐面の一部又は光軸Lを中心 とする角錐面の一部を形成し、傾斜面同士 当接させている。

 図9Bに示す変形例では、第1レンズ10の第1 続部16と第2レンズ20の第2接続部24として、 1レンズ10の第1コバ12の像側の端面18及び第2 ンズ20の第2コバ22の物体側の端面23にそれぞ に段差部を形成し、段差部同士を当接させ いる。

 図9Cに示す変形例では、第1レンズ10の第1 続部16と第2レンズ20の第2接続部24として、 1レンズ10の第1コバ12の像側の端面18に凹部( 凸形状部)を形成し、第2レンズ20の第2コバ22 物体側の端面23に凸部(凹凸形状部)を形成し 、これら凹凸形状部同士を嵌合させている。

 また、上記実施形態では、撮像レンズユ ットの光学系を第1レンズ10と第2レンズ20の2 枚のレンズで構成したが、これに限定される ものではなく、単レンズあるいは3枚以上の ンズで光学系を構成しても良い。光学系を 成するレンズが3枚の場合、第2レンズ20のコ 22の像側端面にさらに接続部を設けると共 、第3レンズのコバの物体側端面に第2レンズ 20と当接できる形状の接続部を設け、第2レン ズ20の接続部と第3レンズの接続部を当接させ ることにより、容易に第3レンズの位置決め 行うことができる。また、接続部の構造は 第1レンズ10と第2レンズ20の第1接続部16及び 2接続部24と同様の構造とすることができる なお、この場合、第2レンズ20のコバ22に、必 要に応じて通気口を設けてもよい。さらに、 レンズの数が4枚以上であっても、同様の方 によりレンズの位置決めを行うことができ 。

 以上のように、本実施形態の構成によれ 、鏡筒30の第1傾斜面33と第1レンズ10の第2傾 面14を当接させることにより、第1レンズ10 鏡筒30に対して所定の位置に位置決めするこ とができる。その際、第1傾斜面33がガイドと なり、第1レンズ10の取り付け作業を容易に行 うことができ、作業性が改善される。また、 鏡筒30と第1レンズ10とを傾斜面同士で当接さ て位置決めしているので、平面同士を当接 せて位置決めする場合に比べて、形状変化 影響を少なくすることができる。さらに、 2レンズ20の位置決めは、鏡筒30に対して一 的に位置決めされた第1レンズ10を基準とし 、それぞれのコバ15及び25に設けられた接続 16及び24を当接させることにより行うため、 第2レンズ20の位置決めを正確に行うことがで き、第2レンズ20の取り付け作業性も改善され る。

 さらに、はんだリフロー温度に加熱され 状態でも、鏡筒30の筒状部31の内周面31aと第 1レンズ10の第1コバ12の外周面15及び第2レンズ 20の第2コバ22の外周面25との間のクリアラン 50が維持されているので、このクリアランス 50がリフロー処理時に緩衝領域となり、第1レ ンズ10及び第2レンズ20の材料の熱膨張係数が 筒30の材料の熱膨張係数よりも大きい場合 あっても、第1レンズ10及び第2レンズ20のコ 12及び22の外周面15及び25は鏡筒30の内周面31a は接触せず、第1レンズ10及び第2レンズ20に 理な応力は加えられない。そのため、はん リフロー処理後も撮像レンズの光学性能が 持される。