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Patent Searching and Data


Title:
KNITTING METHOD FOR KNITTED FABRIC AND KNITTED FABRIC
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136185
Kind Code:
A1
Abstract:
Using a flat knitting machine, there is provided a knitted fabric having, disposed between base knitted fabric areas apart from each other, a warp yarn pattern area as produced by hanging a knitting yarn across in substantially the wale direction thereof, and is provided a knitting method for the knitted fabric. The knitted fabric is one knitted with the use of a flat knitting machine and comprising a base knitted fabric area (4A); another base knitted fabric area (4B); a warp yarn pattern area (3) binding together the base knitted fabric areas (4A,4B), provided in such a fashion that a knitting yarn is hung across and folded back in substantially the wale direction thereof from the base knitted fabric area (4A) toward the other base knitted fabric area (4B); and a bind off treatment portion (41) provided on the final course of each of the base knitted fabric areas. This knitted fabric is produced by a knitting method for the knitted fabric, comprising the steps of knitting so as to obtain a base knitted fabric area (4A); knitting so as to obtain another base knitted fabric area (4B); and, between these base knitted fabric area providing steps, forming a warp yarn pattern area (3) as having a knitting yarn hung across in substantially the wale direction between the knitted fabric areas (4A,4B) after the completion of knitting operation for the knitted fabric.

Inventors:
UEMICHI KAZUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001093
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIMA SEIKI MFG (JP)
UEMICHI KAZUYA (JP)
International Classes:
D04B1/22; D04B1/00; D04B7/00; D04B7/22
Foreign References:
JP2006225776A2006-08-31
JP2002327303A2002-11-15
JP2006225776A2006-08-31
JP2000096398A2000-04-04
Other References:
See also references of EP 2157219A4
Attorney, Agent or Firm:
YAMANO, Hiroshi (10F ASTRO Shin Osaka 2 Bldg., 1-3, Nishinakajima 6-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 11, JP)
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Claims:
 左右方向に延び、かつ前後方向に対向する少なくとも一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、かつ前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて編地を編成する方法であって、
 ベース編地部を編成する過程と、
 別のベース編地部を編成する過程と、
 これら両ベース編地部を編成する過程の間に、編地の編成終了後において、両編地部の間で実質的にウェール方向に編糸が掛け渡されたようになる縦糸柄部を形成する過程とを含み、
 この縦糸柄部の形成過程は、
  ベース編地部における最終コースの編目を起点として、起点から引き出された編糸を左右の少なくとも一方向に離れた針に掛け渡して起点側に戻ることで掛け目を形成するステップと、
  起点となった編目を伏せ目処理して最終コースの編目を減らすステップとを含み、
 前記別のベース編地部の編成過程は、前記掛け目に対して行うことを特徴とする編地の編成方法。
 編成される編地が前後の針床の各々に係止されて互いに連続する編地部を有し、
 前後の針床に係止された編地部の各々を編成する際に、前記ベース編地部を編成する過程と、縦糸柄部を形成する過程とを行い、
 この縦糸柄部を形成する際の掛け目を形成するステップにおいて、起点から離れた針に編糸を掛け渡す左右の方向が、前後の針床に係止された一方の編地部と他方の編地部とで同一方向であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の編地の編成方法。
 別のベース編地部の編成に続いて、この編地部の最終コースに対してさらに縦糸柄部の形成過程と、その縦糸柄部に続くさらに別のベース編地部の編成過程とを順次交互に繰り返して行い、
 各縦糸柄部を形成する際の掛け目を形成するステップにおいて、起点から離れた針に編糸を掛け渡す左右の方向が、縦糸柄部を形成する過程毎に逆になることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の編地の編成方法。
 掛け目の起点側を基端とし、基端とは反対側の端部を折返し端とするとき、複数の掛け目に対して別のベース編地部を編成するのに先立って、これら掛け目の編幅方向における基端の並列順と折返し端の並列順とを逆転させておくステップを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の編地の編成方法。
 さらに、前記掛け目を縦糸とし、この縦糸と編幅方向に渡る横糸とが交差して織柄部を形成する過程を備え、
 この織柄部を形成する過程は、
  複数の掛け目の一部を対向する針床に目移しするステップと、
  目移しされた掛け目と目移しされていない掛け目との間に横糸となる編糸を給糸するステップと、
  掛け目を目移しするステップと横糸を給糸するステップとを繰り返すステップとを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の編地の編成方法。
 左右方向に延び、かつ前後方向に対向する少なくとも一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、かつ前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて編成された編地であって、
 ベース編地部と、
 別のベース編地部と、
 ベース編地部から別のベース編地部に向かって、実質的にウェール方向に編糸を折り返すように掛け渡すことで両ベース編地部をつなぐ縦糸柄部と、
 前記ベース編地部の最終コースに形成された伏せ目処理部とを備えることを特徴とする編地。
 ベース編地部から別のベース編地部に折り返すように掛け渡されてループ状となった編糸を折返し単位とし、この折返し単位のベース編地部側を基端とし、別のベース編地部側を折返し端とするとき、
 複数の折返し単位のコース方向の並列順が、基端側と折返し端側とで逆転するように構成されたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の編地。
 両ベース編地部の間に形成された織柄部を備え、
 この織柄部は、
  両ベース編地部をつなぐ縦糸柄部からなる縦糸と、
  この縦糸と交差し、編地の表裏に現われる横糸とからなることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の編地。
Description:
編地の編成方法および編地

 本発明は、互いに離れたベース編地部の に、実質的にウェール方向に編糸が掛け渡 れたようになる縦糸柄部を有する編地、ま は織物の柄を模した織柄部を有する編地と それらの編成方法に関するものである。

 横編機を用いて編地の途中に複数本の編 が並列した状態で長く掛け渡されたような 織柄を編成する方法として、特許文献1に記 載の編地の編成方法がある。この方法では、 編地のコース編成中の所定区間をミスするこ とで、ミスされた区間に給糸された編糸が渡 り糸となって水平方向に延ばされる。この編 成を、各コースを編成する際に繰り返すこと で、編地の途中に複数本の編糸がコース方向 (編成時の編幅(水平)方向)に長く掛け渡され いわゆるミス柄を形成することができる。

 一方、横編機を用いてインレイ編地を編 する方法として、特許文献2に記載の編成方 法がある。この方法では、ベース編地部の編 成中にインレイ糸(挿入糸)を編目の間に挿通 たインレイ編地を編成する。具体的には、 ず割り増やし編成によりベース編地部のル プとインレイ糸保持用ループを前後の針床 針に係止させる。次に、これらループ上に ンレイ糸を掛け渡して、インレイ糸保持用 ープをベース編地部のループと重ね、その 、次コースのループを形成する。

特開2006-225776号公報

特開2000-96398号公報

 このように、編地の途中で、そのウェー 方向(編成によりコースが増加されていく方 向)に複数本の編糸が並列され、かつコース 向に編糸が掛け渡されたようなミス柄を有 る編地や、編地の途中にインレイ糸が挿通 れた編地は既に提案されている。しかし、 地の途中に、コース方向に複数本の編糸が 列され、かつウェール方向に編糸が掛け渡 れたような組織柄を有する編地や、織物の うに、縦糸と横糸とが交差して織柄を形成 たような編地は提案されていない。

 本発明は、上記の事情に鑑みてなされた ので、その目的の一つは、互いに離れたベ ス編地部の間に、実質的にウェール方向に 糸が掛け渡されたような縦糸柄部を有する 地とその編成方法とを提供することにある

 また、本発明の他の目的は、互いに離れ ベース編地部の間に、織物を模したような 柄部を有する編地とその編成方法とを提供 ることにある。

 本発明に係る縦糸柄部を有する編地の編 方法は、左右方向に延び、かつ前後方向に 向する少なくとも一対の針床を有し、前後 針床の少なくとも一方が左右にラッキング 能で、かつ前後の針床間で編目の目移しが 能な横編機を用いて編地を編成する方法で る。この編成方法は、ベース編地部を編成 る過程と、別のベース編地部を編成する過 と、これら両ベース編地部を編成する過程 間に、編地の編成終了後において、両編地 の間で実質的にウェール方向に編糸が掛け されたようになる縦糸柄部を形成する過程 を含む。この縦糸柄部の形成過程は、ベー 編地部における最終コースの編目を起点と て、起点から引き出された編糸を左右の少 くとも一方向に離れた針に掛け渡して起点 に戻ることで掛け目を形成するステップと 起点となった編目に伏せ目処理をして最終 ースの編目を減らすステップとを含む。そ て、前記別のベース編地部の編成過程は、 記掛け目に対して行うことを特徴とする。

 また、本発明に係る縦糸柄部を有する編 は、左右方向に延び、かつ前後方向に対向 る少なくとも一対の針床を有し、前後の針 の少なくとも一方が左右にラッキング可能 、かつ前後の針床間で編目の目移しが可能 横編機を用いて編成された編地である。そ て、この編地は、ベース編地部と、別のベ ス編地部と、ベース編地部から別のベース 地部に向かって、実質的にウェール方向に 糸を折り返すように掛け渡すことで両ベー 編地部をつなぐ縦糸柄部と、前記ベース編 部の最終コースに形成された伏せ目処理部 を備えることを特徴とする。

 一方、本発明に係る織柄部を有する編地 編成方法は、左右方向に延び、かつ前後方 に対向する少なくとも一対の針床を有し、 後の針床の少なくとも一方が左右にラッキ グ可能で、かつ前後の針床間で編目の目移 が可能な横編機を用いて編地を編成する方 である。この編成方法は、前記縦糸柄部を 糸として利用する。つまり、この方法は、 ース編地部を編成する過程と、別のベース 地部を編成する過程と、これら両ベース編 部を編成する過程の間に、縦糸と編幅方向 渡る横糸とが交差して織柄部を形成する過 とを含む。ここで、織柄部を形成する過程 、ベース編地部における最終コースの編目 起点として、起点から引き出された編糸を 右の少なくとも一方向に離れた針に掛け渡 て起点側に戻ることで縦糸となる複数の掛 目を形成するステップと、起点となった編 を伏せ目処理して最終コースの編目を減ら ステップと、複数の掛け目の一部を対向す 針床に目移しするステップと、目移しされ 掛け目と目移しされていない掛け目との間 横糸となる編糸を給糸するステップと、前 掛け目を目移しするステップと横糸を給糸 るステップとを繰り返すステップとを含む そして、前記別のベース編地部の編成は、 記掛け目に続けて行うことを特徴とする。

 さらに、本発明に係る織柄部を有する編 は、左右方向に延び、かつ前後方向に対向 る少なくとも一対の針床を有し、前後の針 の少なくとも一方が左右にラッキング可能 、かつ前後の針床間で編目の目移しが可能 横編機を用いて編成された編地である。こ 編地は、前記縦糸柄部を縦糸として利用す 。つまり、この編地は、ベース編地部と、 のベース編地部と、両ベース編地部の間に 成された織柄部と、前記ベース編地部の最 コースに形成された伏せ目処理部とを備え 。そして、織柄部は、ベース編地部から別 ベース編地部に向かって、実質的にウェー 方向に編糸を折り返すように掛け渡すこと 両ベース編地部をつなぐループ状の縦糸と この縦糸と交差し、編地の表裏に現われる 糸とからなることを特徴とする。

 本発明の縦糸柄部を有する編地の編成方 によれば、ベース編地部の最終コースの編 を起点として、針床の左右の少なくとも一 向に離れた針に掛け目を形成すると共に、 ース編地部の最終コースの編目に伏せ目処 を行うことで、横編み機により、実質的に ェール方向に編糸が掛け渡されたような縦 柄部をベース編地部に続いて形成すること できる。さらに、この掛け目に別のベース 地部の編成を行うことで、両ベース編地部 途中に実質的にウェール方向に編糸が掛け されたような縦糸柄部を形成することがで る。

 また、本発明の縦糸柄部を有する編地に れば、ベース編地部から別のベース編地部 向かって、実質的にウェール方向に編糸を り返すように掛け渡して両ベース編地部を なぐ縦糸柄部と、ベース編地部の最終コー に形成された伏せ目処理部とを備えること 、従来にない新規なデザインの編地とする とができる。その他、本発明の編地は、縦 柄部を有することで、軽量で通気性に優れ 編地とすることができる。

 本発明の織柄部を有する編地の編成方法 よれば、ベース編地部の最終コースの編目 起点として、針床の左右の少なくとも一方 に離れた針に掛け目を形成すると共に、ベ ス編地部の最終コースの編目に伏せ目処理 行うことで、横編み機により、実質的にウ ール方向に編糸を折り返すように掛け渡し 両ベース編地部をつなぐループ状の縦糸を 成することができる。そのため、この掛け の一部を対向する針床に目移しし、その状 で歯口に横糸を給糸し、順次同様に掛け目 目移しと横糸の給糸を繰り返せば、目移し る掛け目の数や場所に応じて種々のパター の織柄部を形成することができる。さらに この掛け目に別のベース編地部の編成を行 ことで、両ベース編地部の途中に織柄部を 成することができる。

 また、本発明の織柄部を有する編地によ ば、実質的にウェール方向に編糸を折り返 ように掛け渡して両ベース編地部をつなぐ ープ状の縦糸と、この縦糸と交差し、編地 表裏に現われる横糸とで織柄部を構成する とで、織物を模した織柄部を有する新規な ザインの編地とすることができる。

本発明に係る縦糸柄部を有するワンピ スの一例の平面図である。 ワンピースの身頃に形成される縦糸柄 の繊維形状を示す拡大写真である。 本発明に係る織柄部を有する編地の一 の平面図である。 織柄部の繊維形状を示す拡大写真であ 。 本発明の編成方法で編成された織柄部 うち、横糸を配さず縦糸のみを形成した繊 形状を示す拡大参考写真である。 ベース編地部と縦糸柄部とを交互に複 編成する方法の一例を示す概略説明図であ 。 実施例1の編成方法を応用して形成した ワンピースの平面図であって、(A)は身頃の周 方向の一部に縦糸柄部が形成されているもの 、(B)は種々の形状の縦糸柄部が形成されてい るものを示す。 捻じれた縦糸柄部を有する本発明編地 一例の繊維形状を示す拡大写真である。 実施例1に係る縦糸柄部を形成するため の編成工程第一図である。 実施例1に係る縦糸柄部を形成するた の編成工程第二図である。 実施例1に係る縦糸柄部を形成するた の編成工程第三図である。 実施例1に係る縦糸柄部を形成するた の編成工程第四図である。 実施例1に係る縦糸柄部を形成するた の編成工程第五図である。 実施例2に係る織柄部を形成するため 編成工程第一図である。 実施例2に係る織柄部を形成するため 編成工程第二図である。

符号の説明

 1 ワンピース
 2 身頃  21 前身頃  22 後身頃
 3,3A,3a,3b,3c,3d,31,32,33,34,35,36 縦糸柄部
 4,4A,4B,4a,4b,4c,4d,4e ベース編地部
 41 伏せ目処理部
 7,8 給糸口
 10 編地
 20 捨て編地
 5 織柄部
 51 縦糸
 52 横糸

 〔縦糸柄部を有する編地〕
 縦糸柄部を有する本発明編地は、少なくと 一対のベース編地部と、縦糸柄部と、伏せ 処理部とを備える。図1は後述する実施例で 編成したワンピースの前身頃側から見た平面 図、図2はその部分拡大写真である。図1に示 ように、このワンピース1は、前身頃21と後 頃22とを有する身頃2からなり、前身頃21と 身頃22とは連続した一つの筒状編地になって いる。

 このワンピース1は、身頃2の途中に、実 的にウェール方向に掛け渡された編糸で形 される縦糸柄部3を有する。この縦糸柄部3は 、互いに離れて配される複数のベース編地部 4の間で身頃の全周に亘って形成されている また、図2に示すように、本発明の編地をよ 詳細に見ると、一方のベース編地部4Aと他 の(別の)ベース編地部4Bとの間に縦糸柄部3が 形成された領域を有し、一方のベース編地部 4Aの最終コースには伏せ目処理部41を備える このような編地は、ベース編地部4の編成と 縦糸柄部3の形成を交互に行うことで得られ る。

 〔織柄部を有する編地〕
 一方、織柄部を有する本発明編地は、少な とも一対のベース編地部と、織柄部と、伏 目処理部とを備える。図3は後述する実施例 2で編成した一枚ものの編地の平面図、図4は その部分拡大写真である。

 編地10に備える織柄部5は、実質的にウェ ル方向に掛け渡された縦糸51と、この縦糸51 に交差する横糸52で形成される。縦糸51は、 ース編地部4A,4Bを構成する編目に比べてルー プ長が長い編目を構成し、互いに離れて配さ れる2つのベース編地部4A,4Bの間で両ベース編 地部を連結している。一方、横糸52は、実質 にコース方向に伸びて、並列される縦糸51 間を縫うように縦糸51と交差している。つま り、本発明の横糸52は、重ねられた編目の間 インレイ糸が挟み込まれた特許文献2とは異 なり、コース方向に隣接する縦糸51に挟み込 れている。また、図4に示すように、本発明 の編地10をより詳細に見ると、一方のベース 地部4Aと他方の(別の)ベース編地部4Bとの間 織柄部5が形成され、一方のベース編地部4A 最終コースには伏せ目処理部41を備える。

 以上の縦糸柄部を有する編地と、織柄部 有する編地とは、外観が大きく相違する。 かし、織柄部は、後述するように、縦糸柄 を構成する編糸の間に横糸を配した構成で り、両者の編成方法も共通する箇所が多い そこで、本発明の編地と編成方法に関し、 下に、共通部分はまとめて、共通しない部 は個別により詳しく説明する。

 <ベース編地部>
 ベース編地部(別のベース編地部)は、後述 る縦糸柄部(織柄部)以外の編成組織からなる 編地部分である。つまり、本発明の編地は、 縦糸柄部(織柄部)を介して互いにウェール方 に離れた少なくとも一対のベース編地部を する。これら一対のベース編地部は、縦糸 部(織柄部)によりウェール方向に分離され 独立していても良いし、縦糸柄部(織柄部)の 側方(コース方向)にまで延長されて互いに接 された状態になっていてもよい。ベース編 部の編成は、平編み、ゴム編、ガーター編 ど、各種編組織を単独で又は組み合わせて うことができる。複数存在するベース編地 の各々は同じ色や柄や編組織であってもよ し、異なる色や柄や編組織であってもよい

 <縦糸柄部>
 縦糸柄部は、ウェール方向に離れて存在す 一対のベース編地部の間をつなぐ領域で、 せ目処理された一方のベース編地部の最終 ースから延びて他方のベース編地部の第一 ースに掛け渡される編糸で構成される。こ 編糸は、一方のベース編地部側を基端とし 他方のベース編地部側を折返し端としたル プ状に形成される。ここでは、このループ の編糸を折返し単位とする。この折り返し 位(編成時の掛け目)は、通常、ベース編地 の編目の長さよりも長尺に形成され、折り し単位の長さは任意に選択可能である。ベ ス編地部の編目の長さが種々存在する場合 折返し単位の長さを、ベース編地部の編目 平均長さ又は最大長さよりも長尺にするこ が考えられる。折返し単位の数は、少なく も一つあればよく、一方のベース編地部の 終コースの編目の数と同一の数にすること 異なる数にすることも可能である。さらに 折返し単位を構成する往路の編糸と復路の 糸とは交差していてもよいし、交差してい くてもよい。この縦糸柄部は、ベース編地 と同一の編糸で構成してもよいし、別の色 素材の糸で構成してもよい。

 <織柄部>
 織柄部は、織物を模した柄が形成され、ウ ール方向に離れて存在する一対のベース編 部の間をつなぐ領域である。この織柄部は 伏せ目処理された一方のベース編地部の最 コースから延びて他方のベース編地部の第 コースに掛け渡される縦糸を備える。この 糸は、前述した縦糸柄部を利用している。 まり、横糸を配さず、この縦糸のみで両ベ ス編地部をつないだ編地の写真は図5に示す ように、図2と同様になる。図5に示すように 縦糸51は、一方のベース編地部4A側を基端と し、他方のベース編地部4B側を折返し端とし ループ状に形成される。ここでは、このル プ状の縦糸51を折返し単位とする。この折 返し単位(編成時の掛け目)は、通常、ベース 編地部の編目の長さよりも長尺に形成され、 折り返し単位の長さは任意に選択可能である 。ベース編地部の編目の長さが種々存在する 場合、折返し単位の長さを、ベース編地部の 編目の平均長さ又は最大長さよりも長尺にす ることが考えられる。通常、折り返し単位の 長さは2cm以上、より好ましくは3cm以上の長さ を備える。また、折返し単位の数は、少なく とも一つあればよく、一方のベース編地部の 最終コースの編目の数と同一の数にすること も異なる数にすることも可能である。さらに 、折返し単位を構成する往路の編糸と復路の 編糸とは交差していてもよいし、交差してい なくてもよい。この縦糸は、ベース編地部と 同一の編糸で構成してもよいし、別の色や素 材の糸で構成してもよい。

 一方、織柄部の横糸は、実質的にウェー 方向に掛け渡される縦糸に交差する方向に びる編糸である。この横糸は、縦糸の表と に少なくとも1回ずつ現れるように縦糸と交 差される。つまり、この織柄部の縦糸と横糸 は、織物における縦の織り糸と横の織り糸の 交差状態と同様の交差状態になる。また、横 糸は、理論上、少なくとも1本あれば良いが 複数本とすることで、織柄部のデザインを 々変更できるので好ましい。そして、横糸 、縦糸と同種(同色)や異種(異色)の糸を採用 ることができる。

 ここで、横糸は、縦糸と交差する箇所で ットされないので、縦糸から外れないよう 固定することが好ましい。例えば、後述す 実施例に示すように、編成する編地10とは 幅方向に離れた位置で独立して編成される て編地20に横糸52をニットして固定する(図3 参照)。横糸52を捨て編地20にニットした場合 は、編地の編成が終了したときに、横糸52が 地の編幅よりも長くなるように裁断し、横 52を編地の編幅方向端部で縦糸51やベース編 地部に結びつけたり、あるいは、横糸52同士 結んだりして、横糸52が縦糸51から外れない ようにする。その他、実施例に例示するよう に、ベース編地部のコース方向端部において 、コース方向中間部よりも縦糸と横糸との交 差回数が多くなるようにして、横糸が縦糸か ら外れ難くなるようにしても良い。

 <伏せ目処理部>
 伏せ目処理部は一方のベース編地部の最終 ース、つまり折返し単位の基端側に形成さ ている。この伏せ目処理を行うことで、一 のベース編地部の最終コース側から編目が むことを抑制し、ベース編地部と縦糸柄部( 織柄部)の適正な形を保持することができる

 <縦糸柄部または織柄部の縦糸の形成過程 >
 縦糸柄部の形成過程には、「掛け目を形成 るステップ」と「伏せ目処理を行うステッ 」が含まれる。織柄部を形成する際にも、 ず先に縦糸をベース編地部につなげ、続い 、縦糸の間に横糸をはめ込むように配する 織柄部の縦糸は、縦糸柄部と同様に、「掛 目を形成するステップ」と「伏せ目処理を うステップ」を用いてベース編地部につな る。

  (掛け目を形成するステップ)
 掛け目を形成するステップは、ベース編地 における最終コースの編目を起点として、 点から左右の少なくとも一方向に離れた針 編糸を掛け渡して起点に戻ることを行う。 まり、編成時においては、起点から針床の 右方向(コース方向)の少なくとも一方に編 を引き出して掛け目を形成するが、編地の 成終了後には、一方のベース編地部が下に り、他方のベース編地部が上になるため、 方のベース編地部の重みで折返し単位(編成 の掛け目)は下方に引っ張られ、一対のベー ス編地部の間で実質的にウェール方向に編糸 が掛け渡された縦糸柄部(縦糸)が形成される

 縦糸柄部(縦糸)のウェール方向の長さは 編糸で掛け目を形成する際、起点となる針 起点から離れた針との距離(以下、離隔距離 いう)により規定される。この起点から離れ た針は、起点となる針に隣接する針であって もよいが、起点から複数針分離れた針に編糸 を掛け渡すことで、長尺の掛け目を容易に形 成することができる。

 また、起点から引き出した編糸の取り扱 については、直接起点から離れた針に編糸 掛けても良いし、引き出した編糸を起点か 離れた針に掛けるまでの間に、編地の編成 了後に解ける仮編みを行ってもよい。後者 場合、例えば、起点となる編目を対向する 床の針に目移しし、空針となった起点が係 されていた1針のみでウェール方向に数ウェ ール仮編みする。その間、他の針では何ら編 成を行わない。そして、その仮編み後に、仮 編み部の先端部(起点から離れた側の端部)か 左右方向の離れた針に編み糸を掛け、起点 に折り返せばよい。この仮編み部分は、編 の編成終了後に縦糸柄部を挟む一対のベー 編地部を引っ張ると解け、両編地部間を掛 渡すように形成されるループ状の折返し単 の一部となる。この方法によれば、離隔距 が比較的短い場合でも、仮編み部分で掛け の長さを稼げるため、離隔距離よりも長い 返し単位を形成することができる。もっと 、起点から引き出した編糸は、起点から離 た針に掛けるまでの間に、編成(上記仮編み は含まない)は行わないようにする。起点か 引き出した編糸で他の針により編成を行う 、編成された編目が新たな起点になってし うからである。

 さらに、起点から離れた針に編糸を掛け す左右の方向は、左右のいずれかであって 良いし、左右の双方としてもよい。起点か 左右の双方に離れた針に掛け目を形成する 合、例えば、起点から右側に離れた針に編 を掛け、続いて起点から左側に離れた針に 糸を掛けて、その後、編糸を起点側に折り すようにすればよい。この場合、掛け渡さ た編糸のうち、別のベース編地部が連続し 編成される針に係止される編糸のみが、掛 目として針床に残り、この掛け目以外の針 係止される編糸は、別のベース編地部の編 を開始する前に針床から払われ、折り返し 位の長さを稼ぐ仮の掛け目となる。

 その他、編成される編地が前後の針床の 々に係止されて互いに連続する編地部を有 、前後の針床に係止された編地部の各々を 成する際に、ベース編地部を編成する過程 、縦糸柄部(織柄部)を形成する過程とを行 場合、この縦糸柄部(織柄部)を形成する際の 掛け目を形成するステップにおいて、起点か ら離れた針に編糸を掛け渡す左右の方向を、 前後の針床に係止された一方の編地部と他方 の編地部とで同一方向とすることが好ましい 。

 筒状やC字状などに編地を編成する際、前 後の針床の各々に係止されて互いに連続する 編地部が編成されることになる。ここで、前 針床に係止された編地部と後針床に係止され た編地部の双方に縦糸柄部(織柄部)を形成す 場合、起点から離れた針に編糸を掛け渡す 右の方向を、前後の針床に係止された一方 編地部と他方の編地部とで同一方向とすれ 、掛け目に続く別のベース編地部を編成し める際、前後の編地部で掛け目の針床左右 向の位置が対応していることになる。その め、前後の針床に係止された各々の掛け目 対して連続して別のベース編地部を編成す 際、各ベース編地部が互いに針床の幅方向 ずれて離れることなく編成を行うことがで る。

 もちろん、前針床に係止される編地部で 、起点から右(左)側に離れた針に掛け目を 成し、後針床に係止される編地部では、起 から左(右)側に離れた針に掛け目を形成して もよい。その場合、掛け目に続く別のベース 編地部の編成前に、前後の針床に係止される 掛け目をラッキングと目移しによって互いに 対向する位置に移動させることが好ましい。

 また、ベース編地部の編成と縦糸柄部(織 柄部)の形成とを交互に繰り返し行う場合、 まり、別のベース編地部の編成に続いて、 の別の編地部の最終コースに対してさらに 糸柄部(織柄部)の形成過程と、その縦糸柄部 (織柄部)に続くさらに別のベース編地部の編 過程とを順次交互に繰り返して行う場合、 縦糸柄部(織柄部)を形成する際の掛け目を 成するステップにおいて、起点から離れた に編糸を掛け渡す左右の方向を、縦糸柄部( 柄部)を形成する過程毎に逆にすることが好 ましい。

 縦糸柄部の編成を例にすれば、図6に示す ように、第一ベース編地部4aの編成→第一縦 柄部3aの形成→第二ベース編地部4bの編成→ 第二縦糸柄部3bの形成→第三ベース編地部4c 編成→第三縦糸柄部3cの形成…という工程で 編地の編成を行う場合を想定する。この場合 、第一縦糸柄部3aで掛け目を形成する際には 起点より左側に離れた針に糸を掛け渡す。 方、第二縦糸柄部3bで掛け目を形成する際 は、起点より右側に離れた針に糸を掛け渡 。以下、順次縦糸柄部3c、3dの形成過程毎に 起点から編糸を針に掛け渡す左右方向を交 に変える。このような方法で編地を編成す ば、全てのベース編地部4a~4eを針床上の一 幅領域で編成できるため、針床で編成に要 る領域を最小に抑えることができる。

 もちろん、針床の幅に余裕がある限り、 縦糸柄部(織柄部)の形成過程で、起点から 糸を針に掛け渡す左右方向を同一としても わない。

 なお、掛け目を形成するステップは、前 の針床に係止される編地部の編幅方向の側 から行うことが好ましい。編地部の側縁の 側には、通常空針が並列されているため、 の空針を起点から離れた針として編糸を掛 渡すことに利用できる。前後の針床に係止 れる編地部における編幅方向の中間の編目 起点として掛け目の形成を行う場合、起点 左右方向の針にはベース編地部の編目が係 されているため、これらの編目を予め別の 床に目移しして空針状態としておけばよい

  (伏せ目処理を行うステップ)
 掛け目の起点となった編目を伏せ目処理す ステップにより、ベース編地部のうち、針 に係止される最終コースの編目を減らすこ ができる。つまり、掛け目を形成すること 加えて、ベース編地部の最終コースの編目 順次伏せ目処理により減らすことで、最終 に掛け目のみが針床上に係止された状態と ることができる。それにより、掛け目に連 して別のベース編地部を編成することが可 になる。また、伏せ目処理により、ベース 地部の編目が最終コース側から緩まないよ にできることは既に述べたが、さらに伏せ 処理により、編成終了後、ある折返し単位 編糸を引っ張っても、隣接する折返し単位 編糸が引き寄せられることを抑制でき、各 返し単位の編糸の長さを安定させることが きる。

 通常、この伏せ目処理をするステップは、 け目を形成するステップを行いながらなさ る。例えば、起点から針床の左右方向に離 た針に編糸を繰り出し、その間にベース編 部のうち、折り返し単位の基端となる編目 伏せ目処理する。その後、離れた針に繰り された編糸を起点にまで戻す。
 

 <織柄部の横糸の形成過程>
 一方、織柄部の横糸は、「掛け目を目移し るステップ」と「前後の針床に分かれた掛 目の間に給糸するステップ」を用いて、上 した縦糸の間に織り込ませる。

  (掛け目を目移しするステップ)
 複数の掛け目を形成するステップが終了し ら、この掛け目の一部を対向する針床に目 しする。この目移しにより、目移しされた け目が一方の針床に係止され、目移しされ い掛け目が他方の針床に係止されて、掛け が前後の針床に分かれて係止されることに る。

  (前後の針床に分かれた掛け目の間に給糸 るステップ)
 このステップにより、前後の針床に分かれ 係止される掛け目の間に編糸(横糸)を給糸 て、この横糸をコース方向に並列される複 の縦糸と交差させると共に、縦糸で編地の 側と裏側から挟み込ませることができる。

 これら横糸の形成において、掛け目を目 しする数や、どの掛け目を目移しするかは 任意に選択できる。また、縦糸の間に挟み まれるように給糸される横糸の数も任意に 択できる。これら選択できるパラメーター 組み合わせることで、織物の3原組織である 平織、綾織、朱子織、および、これらを組み 合わせた織組織からなる織柄部を編地に形成 できる。

 その後、同様に掛け目の目移しと横糸の 糸を繰り返して行うことで、織柄部を形成 る。この繰り返しステップにおいて、目移 される掛け目は繰り返し毎に同じでも良い 異なっても良く、任意の掛け目を選択する とができる。そして、掛け目の目移しと横 の給糸を繰り返すことで、一方の針床に係 される掛け目と他方の針床に係止される掛 目の交差する箇所で横糸が押し下げられ、 糸の間に横糸が織り込まれた織柄部が形成 れることになる。

 <縦糸柄部または織柄部の形成態様>
 本発明の編地では、一枚ものの編地の幅方 に亘って一様な長さの折返し単位で水平方 に延びる縦糸柄部(織柄部)を形成した編地 他、以下の縦糸柄部(織柄部)の形成態様が含 まれる。

 (1)筒状編地の全周に亘って一様な長さの 返し単位で水平方向に延びる縦糸柄部(織柄 部)を形成する。筒状編地の場合も、一枚も の編地で縦糸柄部(織柄部)を編成する場合と 同様の編成方法で編成できる。縦糸柄部(織 部)を有する筒状編地を編成するには、4枚ベ ッド横編機や、トランスファージャックを有 する2枚ベッド横編機を使用することが好ま い。これらの横編機であれば、下部に配置 れる前後の針床で、筒状編地の前後の編地 を編成し、上部に配置される前後の針床(あ いはトランスファージャック)を、編地部の 編目の目移しに使用できるので、縦糸柄部( 柄部)を有する筒状編地を総針状態で編成で る。

 (2)編地におけるベース編地部の幅方向の 部に単数または複数の縦糸柄部(織柄部)を 成する。縦糸柄部を例にすれば、図7の(A)に すように、ワンピース1の身頃2におけるベ ス編地部の幅方向の一部に単数または複数 縦糸柄部31,32を形成する。このような縦糸柄 部または織柄部は、前後の身頃の双方に設け られていてもよいし、片方に設けられていて も良い。また、縦糸柄部(織柄部)が前後の身 21、22に亘って形成されていても良い。編地 の一部に単数又は複数の縦糸柄部(織柄部)を 成することは、1枚ものの編地や筒状編地の 他、カーディガンのように開き部を有するC 状の編地などにも適用できる。

 (3)編地のコース方向に対して斜めに傾い 伸びるように縦糸柄部(織柄部)を形成して 良い。縦糸柄部の場合、図7(B)に示すように ワンピース1の身頃2におけるベース編地部 幅方向全長に亘って形成される縦糸柄部33~36 を編成することができる。例えば、縦糸柄部 を形成する際の掛け目の長さを一定として、 身頃2の斜め方向に延びる縦糸柄部33や、V字 に形成される縦糸柄部34が挙げられる。

 また、縦糸柄部を形成する際の掛け目の さを変えて、身頃2の一方の脇から他方の脇 に向かって拡がる縦糸柄部を形成することも できる。例えば、折返し単位の基端側が水平 に並び、折り返し端側が傾斜して並ぶ縦糸柄 部35や、折返し単位の基端側と折返し端側の 方が傾斜して並ぶ縦糸柄部36などが挙げら る。

 織柄部の場合、横糸が編地のコース方向 対して斜めに傾いて伸びるように織柄部を 成する。横糸を編地のコース方向に対して けて形成するには、例えば折り返し単位の 端側となるベース編地部の上端縁がコース 向に対して斜めになるように形成する。こ 場合、織柄部を形成する前に、ベース編地 の編幅を順次小さくするようにして、ベー 編地部における折り返し単位の基端側に異 るコースの編目が並んだ状態とし、その後 掛け目を形成する。これにより、ベース編 部の折り返し単位の基端側が、編地のコー 方向に対して斜めになった状態になり、そ 結果、横糸を縦糸に交差するように渡らし ときに、横糸が編地のコース方向に対して いて形成され、ベース編地部に連続して形 される織柄部も斜めになった状態になる。 地のコース方向に対して斜めに形成される 柄部としては、例えば、織柄部を形成する の掛け目の長さを一定として、編地の斜め 向に帯状に延びる織柄部や、V字状に形成さ れる織柄部が挙げられる。

 また、織柄部を形成する際の掛け目の長 を変えて、編地のコース方向における一端 ら他端に向かって拡がる織柄部を形成する ともできる。この場合、ベース編地部の折 返し単位の基端側に同一コースの編目が並 でいれば、折返し単位の基端側が水平に並 、折り返し端が傾斜して並ぶ織柄部となり ベース編地部の折り返し単位の基端側に異 るコースの編目が並んでいれば、折返し単 の基端側と折返し端の双方が傾斜して並ぶ 柄部となる。

 なお、各折り返し単位の長さが連続的に 化する縦糸柄部(織柄部)を形成する場合、 点から離れた針に編糸を掛け渡す方向を、 ース編地部の左右方向のうち、長い折り返 単位となる側として掛け目の形成を行うこ が好ましい。例えば、図7(B)の縦糸柄部36で 右側ほど長い折り返し単位となっているた 、この折返し単位を形成する際の掛け目は 点から右側に離れた針に編糸を掛け渡すこ で形成すればよい。長い掛け目ほど右側の に掛け渡され、順次短い掛け目ほど左側の に掛け渡されることになるため、このよう すれば、各掛け目を構成する編糸の長さが なっても、掛け目が一つの針に複数掛け渡 れることを抑制できる。

 <捻じれた縦糸柄部>
 複数の折返し単位からなる縦糸柄部には捻 れを形成することもできる。つまり、本発 編地において、ベース編地部から別のベー 編地部に折り返すように掛け渡されてルー 状となった編糸を折返し単位とし、この折 し単位のベース編地部側を基端とし、別の ース編地部側を折返し端とするとき、複数 折返し単位のコース方向の並列順が、基端 と折返し端側とで逆転するように構成する とが好ましい。このような編地は、例えば 8に示すように、ベース編地部4Aの最終コー に伏せ目処理部41が形成され、このベース 地部4Aと他のベース編地部4Bとの間に、一群 折返し単位ごとに捻じれが形成された縦糸 部3Aが形成されている。

 この構成の編地によれば、縦糸柄部を構 する複数の折返し単位群に捻じれが加わっ 斬新なデザインの編地とすることができる

 このような捻じれた縦糸柄部を形成する は、掛け目の起点側を基端とし、基端とは 対側の端部を折返し端とするとき、複数の け目に対して別のベース編地部を編成する に先立って、これら掛け目の編幅方向にお る基端の並列順と折返し端の並列順とを逆 させておくステップを含むことが好適であ 。掛け目の編幅方向における基端の並列順 折返し端の並列順とを逆転させるためのよ 具体的な手法としては、掛け目を形成する に上記並列順を逆転させる方法と、掛け目 形成した後に上記並列順を逆転させる方法 がある。

 前者としては、例えば、起点の並列順が 床上の左から右に向かってA~Eであった場合 起点Aからの掛け目を起点Aから近い左側の に形成し、起点B…Eからの掛け目を順次起点 Aに対応する掛け目よりも左側のより遠い針 形成することが挙げられる。この方法によ ば、各掛け目の長さは均一ではなくなるが 掛け目の折返し端側の並列順は、左から右 向かってE~Aとなり、捻じれを有する縦糸柄 を形成することができる。

 後者としては、掛け目を形成した後、こ ら掛け目の編幅方向の並列順を、掛け目の 向する針床への目移しと針床のラッキング より逆転させることが挙げられる。例えば 掛け目の折返し端側の並列順が前針床上の から右に向かってA~Eであった場合、これら 掛け目群を一旦後針床に目移しする。次に 後針床を右方向に掛け目の数より1針少ない ピッチ分右側にラッキングする。そして、掛 け目Aを対向する針床に目移しして戻し、順 掛け目Bは後針床を2針分、掛け目Cは後針床 4針分…というように左にラッキングさせて ら前針床に各掛け目B、C…を目移しで戻し いく。それにより、掛け目の折返し端側の 列順は、前針床の左側から右側に向かって 次E~Aとなり、捻じれを有する縦糸柄部を形 することができる。

 <横編み機>
 本発明の編成方法は、4枚ベッドの横編み機 で行える他、前針床、後針床からなる2枚ベ ドの横編機でも行うことができる。2枚ベッ の横編機を用いて編地を編成する場合は、 本おきに空針を設けた状態で編地を編成し もよい。また、2枚ベッドの横編機を用いる 場合、前後針床の一方または両方の上位にト ランスファージャックを列設したトランスフ ァージャックベッドを設けて編地を編成する ようにしてもよい。

 次に、縦糸柄部の編成に係る本発明の実 例を図面に基づいて詳細に説明する。本例 、左右方向に延び、かつ、前後方向に互い 対向する前後一対の針床を有し、後針床が 右にラッキング可能で、しかも、前後の針 間で編目の目移しが可能な4枚ベッドの横編 機を用いて編地を編成する。

 4枚ベッド横編機は、下部前針床と下部後 針床の上に、下部の針床と同ピッチで多数の 編針が列設された上部前針床と上部後針床を 備えている。以下、下部前針床を単にFDと、 部後針床をBDと、上部前針床をFUと、上部後 針床をBUという。

 このBUの針は、FDの針に係止される編目の 目移しに用い、FUの針は、BDに係止される編 の目移しに用いる。編目の目移しに使用す FUおよびBUを用いることにより、リンクス、 ーター、リブなどの表目と裏目が混在した 織柄を編成したり、編目の回し込みや、編 の重ねを行うことができる。

 本例で使用する横編機は、さらに、編機 編幅方向に摺動可能に設けられる給糸口を える。そして、この横編機では、針床上を 動し、編成に用いるカムシステムS2と、目 しに用いるカムシステムS1、カムシステムS3 が搭載された、いわゆる3カムシステムのキ ャリッジを備える。以下、カムシステムS1、 ムシステムS2、カムシステムS3を単にS1、S2 S3という。編成工程において、キャリッジの 進行方向の先行側からのカムシステムを常に S1,S2,S3としている。これらカムシステムによ キャリッジの1回の往動または復動する間に 、給糸口から給糸される編糸での編成を行な う。

 本例では、この横編機を使用して、図1に 示したノースリーブのワンピースを筒状に編 成する。

 このワンピース1は、後身頃22の編地部は 主としてBDを、空針を設けることなく総針 態で使用して編成される。前身頃21の編地部 は、主としてFDを、空針を設けることなく総 状態で使用して編成される。

 以下、身頃に縦糸柄部を形成する編成方 の一例を図9~13の編成工程図に基づいて説明 する。

 図9~13では、身頃2のある部分において、 編みで筒状に編成されたベース編地部に連 して縦糸柄部を形成していく編成工程が示 れている。

 図9~13の編成工程図において、説明の便宜 上、身頃の編目の数は、実際の編成で使用さ れる数よりも少なく表示している。これらの 図に示すアルファベットA~Rは、前後に対向配 置したFD、BD、FU、BUの針を示す。これらの図 各編成ブロックにおいて、左端の数字は編 ブロック番号を示し、その隣の括弧内の符 は、編成工程において使用するカムを示す また、これらの図の右端欄の矢印は、後針 のラッキング方向とラッキングピッチを示 、その左隣の欄は、編成方向を示している さらに、図中の白丸は、旧ループを、黒丸 、その編成ブロックにおいてニットされた 目を、山型の印は、掛け目を示す。

 図9に示す編成ブロックSは、身頃の編成 中の段階で、縦糸柄部が編成される前の状 を示している。編成ブロックSでは、FDとBDの 針L~Qに編目が係止されて、身頃が編成されて いる状態を示している。FDに係止されている 目は、前身頃の編地の編目であり、BDに係 されている編目は後身頃の編地の編目であ 。FDとBDの針に係止される編目は繋がってお 、身頃2は、筒状に編成されている。

 図9の編成ブロック1では、まず、キャリ ジを右方向に移動させ、給糸口7からBDに給 して、S2により後身頃の編地の一部(BDの針L,M )を編成する。

 次の編成ブロック2では、キャリッジを左 方向に移動させて、編成ブロック1で編成し BDの針Mに係止される編目を、S1により、FUの Mに目移しする。

 また、編成ブロック2では、S1よりも後方 走行するS2により、BDの針Cに編糸を掛け渡 、掛け目を形成する。この針Cに掛け渡され 編糸は、FUの針Mに目移しされた編目に連続 ている。この針Mから針Cまでの長さが、縦 柄部の形成長さになるので、身頃のデザイ をどのようにするかに応じて、針Mから延び 編糸をBDのどの針に掛け渡すかを決定すれ 良い。

 さらに、編成ブロック2では、S2の後方を 行するS3により、BDの針Lに係止されている 目をFUの針Lに目移しする。

 次の編成ブロック3では、まず、後針床を 左に1ピッチラッキングする。このラッキン により、BDの針LからFUの針Lに目移しされた 目が、BDの針Mに対向した位置になる。

 また、編成ブロック3では、ラッキング後 にキャリッジを右方向に移動させ、S1によりF Uの針Lに預けられていた編目をBDの針Mに目移 する。この目移しにより、もともと、BDの Lに係止されていた編目が、その隣の針Mに移 動する。

 次の編成ブロック4では、まず、後針床を 右に1ピッチラッキングして、前後の針床の 向状態を編成ブロックSの状態に戻す。

 同じく編成ブロック4では、ラッキング後 にキャリッジを左方向に移動させ、S1により FUの針Mに預けられていた編目をBDの針Mに返 。この目移しにより、BDの針Mに重ね目が形 される。この重ね目は、重ねられる編目(編 成ブロック2と3で、BDの針LからBDの針Mに移動 た編目)が、身頃の表側に現れて、凸形状を なす、いわゆる目立てがされた状態である。 また、上記S1により、BDの針Nに係止されてい 編目をFUの針Nに目移しし、次の掛け目を形 する前処理を同時に行なう。

 次の編成ブロック5では、キャリッジを右 方向に移動させ、給糸口7からBDに給糸して、 S2により、重ね目(BDの針Mの編目)に編目を形 する。このとき、BUの針Mの編目を起点とし 針Cに編糸を掛け渡して起点まで戻ってくる け目の形成ステップが一回行われたことに る。また、上述したブロック2~5における編 の目移しとニットは、いわゆる伏せ目処理 あり、これ以外の公知の伏せ目処理方法を 用しても良い。例えば、重ね目をするとき 、BDの針Lに係止される編目が針Mの編目の裏 側に重ねられて、凸形状が目立たない、いわ ゆる目立てがされない状態としても良い。

 次に、図10に示す編成ブロック6では、キ リッジを左方向に移動させ、給糸口7から給 糸して、S2により、BDの針Dに編糸を掛け渡し 掛け目を形成する。

 また、同編成ブロック6では、S2の後方を 行するS3により、BDの針Mに係止される編目 FUの針Mに目移しする。

 そして、図10における編成ブロック7以降 編成では、掛け目の形成と伏せ目処理を繰 返すようにする。具体的には、編成ブロッ 7では、後針床を左に1ピッチラッキングし 後、もともとBDの針Mに係止され、FUの針Mに けておいた編目を、BDの針Nに目移しする。

 次いで、編成ブロック8では、後針床のラ ッキングピッチを元に戻しておいて(右方向 1ピッチラッキングしておいて)、編成ブロッ ク4(図9を参照)でFUの針Nに預けておいた編目 、BDの針Nに返して目立てがされた重ね目を 成する。また、同編成ブロックでは、次の ね目の準備として、BDの針Oに係止される編 を、FUの針Oに目移ししておく。

 さらに、編成ブロック9では、BDの針Nの重 ね目に新たな編目を形成する。この時点で、 BDの針Nの編目を起点として針Dに編糸を掛け して起点まで戻ってくる掛け目の形成ステ プが一回行われたことになる。また、編成 ロック6から9の目移しとニットで、2回目の せ目処理が行われたことになる。

 そして、編成ブロック10では、BDの針Nに きた新たな編目から編糸を伸ばして、BDの針 Eに掛け目を形成すると共に、上記新たな編 をFUの針Nに目移しする。編成ブロック10が終 了した時点での編目の状態は、編成ブロック 6が終了した時点の編目の状態と比較して、 け目の数が一つ増えて、BDに係止される後身 頃の編目の数が一つ減った状態になる。以降 は、編成ブロック7~10を繰り返す。

 図11の編成ブロック11に、編成ブロック7~1 0を繰り返し、後身頃の編目に対応した5つ目 掛け目を形成した状態を示す。この編成ブ ック11が終了すると、BDの針Gに5つ目の掛け が形成され、BDの針P,Qに係止されていた後 頃の編目がFUの針P,Qにそれぞれ預けられた状 態になる。

 5つ目の掛け目が形成されたら、編成ブロ ック12に示すように、後針床を左に1ピッチラ ッキングした後、キャリッジを右方向に移動 させ、FUの針Pに預けられていた編目をBDの針Q に目移しする。

 次いで、編成ブロック13では、後針床の ッキングを元に戻して、キャリッジを左方 に移動させ、編成ブロック12でBDの針Qに目移 しした編目(元は、BDの針Pに係止されていた 目)に、FUの針Qの編目(元は、BDの針Qに係止さ れていた編目)を重ねて重ね目を形成する。

 編成ブロック14では、キャリッジを右方 に移動させ、編成ブロック13で形成した重ね 目にニットを行なう。

 また、編成ブロック15では、キャリッジ 左方向に移動させ、BDの針Hに6つ目の掛け目 形成する。

 そして、編成ブロック16では、キャリッ を右方向に移動させ、BDの針Qに係止される 目をFDの針Qに重ねて、その重ね目にニット 行なう。以上の編成工程により、BDの針L~Qで 編成していた後身頃の編目に対応する掛け目 がBDの針C~Hに形成される。

 後身頃に対応する掛け目の形成が終了し ら、図12に示すように、前身頃に対応する け目の形成を行なう。前身頃に対応する掛 目の形成も、図9~11を参照して説明した編成 法と基本的に同じである。なお、前身頃の ース編地部に対応する掛け目を起点から左 に離れた針に形成したのと同様に、以下の 成ブロックでは、後身頃のベース編地部に 応する掛け目も起点から左側に離れた針に 成することで、縦糸柄部に連続するベース 地部を編成し易くした。

 まず、編成ブロック17では、キャリッジ 左方向に移動させ、FDに係止される前身頃の 編地を1コース編成する。続いて、キャリッ を右方向に移動させ、FDの針L,Mにニットを行 なって、編目を形成する。

 編成ブロック18では、図9を参照して説明 た編成ブロック2と同様に、FDの針Mの編目を BUの針Mに目移しし、次いで、目移しした編目 から伸ばした編糸で、FDの針Cに掛け目を作る 。また、FDの針Lの編目をBUの針Lに目移しする 。

 編成ブロック19では、まず、後針床を右 向に1ピッチラッキングした後、BUの針Lに預 ておいた編目をFDの針Mに目移しする。

 次の編成ブロック20では、まず、後針床 ラッキングして元の位置に戻し、BUの針Mに けておいた編目をFDの針Mに目移しして重ね を形成する。同時に、FDの針Nの編目をBUの針 Nに目移ししておく。

 編成ブロック21では、編成ブロック20で形 成した重ね目にニットを行なう。この編成ブ ロック21により伏せ目が形成され、前身頃の 目が一つ減った状態になる。

 伏せ目形成後の編成ブロック22では、ま 、FDの針Dに掛け目を形成し、次いで、FDの針 Mに係止される編目(編成ブロック21で形成し 編目)をBUの針Mに目移しする。この編成ブロ ク22により、伏せ目により減少した編目に 応する掛け目が形成された状態になる。

 そして、編成ブロック23で、後針床を右 向に1ピッチラッキングした後、BUの針Mの編 をFDの針Nに目移しする。この編成が終了し 時点で、既に述べた編成ブロック19が終了 た状態からFDに係止される前身頃の編目が一 つ減り、減った編目に対応する掛け目がFDに 成された状態になる。

 これ以降は、編成ブロック20~23と同様の 成を繰り返すことにより、前身頃の編目が せ目処理されつつ、減った編目に対応する け目が形成され、図13の編成ブロック24の状 になる。編成ブロック24に示すように、平 で編成されていたBDとFDの針L~Qに係止されて た編目に連続して形成される掛け目は、そ ぞれBDとFDの針C~Hに係止される。

 なお、この編成ブロック24では省略され いるが、伏せ目処理される最後の一目は、 知の伏せ目処理方法による解れ止めのため ニットが行なわれているので、針床から編 を払ってしまっても、編地が解れることが い。

 最後に、編成ブロック25,26により、掛け にニットを行なって、掛け目に連続した編 を形成することで、縦糸柄部に連続して次 ベース編地部を編成することができる。そ て、ベース編地部を所定コース分だけ編成 た後、再び図9~13の編成工程を行なって縦糸 部を編成することができる。つまり、ベー 編地部と縦糸柄部の編成を繰り返すことで 身頃の長さ方向に所望の数の縦糸柄部を形 することができる。

 そして、各縦糸柄部を形成する過程にお て、起点から離れた針に編糸を掛け渡す針 の左右方向を、交互にすることで、針床上 編成に要する領域幅を極力小さくすること できる。

 以上のように編地を編成することにより 今までにない新規な組織柄である縦糸柄部 身頃に形成することができ、デザイン的に れた編地を形成できる。また、縦糸柄部を することにより、編地を軽く仕上げること できる上、編地の通気性を向上させること できるので、編地の着心地が良い。

 次に、織柄部の編成に係る本発明の実施 を図面に基づいて詳細に説明する。本例で 、左右方向に延び、かつ、前後方向に互い 対向する前後一対の針床(前針床FBと後針床B B)を有し、後針床が左右にラッキング可能で しかも、前後の針床間で編目の目移しが可 な2枚ベッドの横編機を用いて、図3に示し 一枚ものの編地を編成する。

 本例で使用する横編機は、さらに、横編 の編幅方向に摺動可能に設けられる給糸口 備える。そして、この横編機では、針床上 列設される編針に編成動作を行なわせるカ システムを備え、針床上を往復するキャリ ジにより、給糸口から給糸される編糸で編 を行なう。

 この横編機で編成する編地10は、主とし FBを、空針を設けることなく総針状態で使用 して編成される。また、図3に示すように、 の編地10とは別に、織柄部5の横糸52を固定す るための捨て編地20を編地10の両側に設けて る。

 以下、編地に織柄を形成する編成方法の 例を図14~15の編成工程図に基づいて説明す 。この図14~15では、編地のある部分において 、平編みで編成されたベース編地部に連続し て織柄部を形成していく編成工程が示されて いる。

 図14~15の編成工程図において、説明の便 上、編地の編目の数は、実際の編成に使用 れる数よりも少なく表示している。これら 図に示すアルファベットA~ZはFBの針を、a~zは FBに対向配置されるBBの針を示す。また、図 の各編成ブロックにおける左端欄の数字、 丸、黒丸、山型の印、および矢印の意義は 施例1と同様である。

 図14に示す編成ブロックSは、編地の編成 中の段階で、織柄部が編成される前の状態 示している。編成ブロックSでは、FBの針K~Y 編目が係止されて、ベース編地部が編成さ ている状態を示している。ここで、本例で 、ベース編地部の編幅を一定として編成し いるが、織柄部の編成直前に順次編幅を減 すようにしても良い。この場合、ベース編 部のうち、織柄部と連結される部分で異な コースの編目が並んだ状態となる。従って このベース編地部に連続して形成される織 部の横糸は、編地のコース方向に対して傾 て形成され、その結果、編地のコース方向 対して傾いた織柄部を有する編地を編成で る。

 図14の編成ブロック1では、まず、給糸口7 からFBに給糸して、編地の一部(FBの針K,L)を編 成する。

 次の編成ブロック2では、編成ブロック1 編成したFBの針Lに係止される編目を、BBの針 lに目移しする。次いで、BBの針lに目移しさ た編目からFBの針Cに編糸を掛け渡し、掛け を形成する。この針lから針Cまでの長さが、 織柄部のウェール方向長さになるので、編地 のデザインをどのようにするかに応じて、針 lから延びる編糸をFBのどの針に掛け渡すかを 決定すれば良い。

 そして、編成ブロック3では、FBの針Kに係 止されている編目をBBの針kに目移しする。

 次の編成ブロック4では、まず、BBを右に1 ピッチラッキングする。このラッキングによ り、編成ブロック3でFBの針KからBBの針kに目 しされた編目が、FBの針Lに対向した位置に る。次いで、このBBの針kに預けられていた 目をFBの針Lに目移しする。この目移しによ 、もともと、FBの針Kに係止されていた編目 、その隣の針Lに移動する。さらに、この編 ブロック4では、BBを左に1ピッチラッキング して、前後の針床の対向状態を編成ブロック Sの状態に戻し、BBの針lに預けられていた編 をFBの針Lに返す。この目移しにより、FBの針 Lに重ね目が形成される。この重ね目は、重 られる編目(FBの針KからFBの針Lに移動した編 )が、編地の表側に現れて、凸形状をなす、 いわゆる目立てがされた状態である。

 次の編成ブロック5では、FBの針Cに掛け目 を形成した給糸口7を右方向(針L側)に移動さ て、FBに給糸し、重ね目(FBの針Lの編目)に連 する編目を形成する。このとき、FBの針Lの 目を起点として針Cに編糸を掛け渡して起点 まで戻ってくる掛け目の形成ステップが一回 行われたことになり、ベース編地部の伏せ目 処理部から伸びる長尺の折り返し単位(縦糸) 形成される。

 ここで、上述したブロック2~5における編 の目移しとニットは、いわゆる伏せ目処理 あり、これ以外の公知の伏せ目処理方法を 用しても良い。例えば、重ね目をするとき 、FBの針Kに係止される編目が針Lの編目の裏 側に重ねられて、凸形状が目立たない、いわ ゆる目立てがされない状態としても良い。

 以降は、上述した編成ブロック2~5と同様 編成をFBに係止される残りの編目L~Yに対し 行う。これら編成ブロック2~5の繰り返しに り、編成ブロックSでFBの針K~Yに係止されて た編目が、伏せ目処理によりFBから払われる と共に、伏せ目処理により減少した編目に対 応する掛け目が、FBの針C~Qに形成された状態 なる(図15の編成ブロック6を参照)。つまり ベース編地部は、伏せ目処理部から長尺の ープ状に伸びる縦糸(FBの針C~Qに係止される け目)にぶら下がった状態になる。ここで、 け目を掛け渡す長さを順次異ならせるよう して、掛け目の上端部がベース編地部に対 て斜めになるようにしても良い。

 なお、この編成ブロック6では省略されて いるが、伏せ目処理される最後の一目は、公 知の伏せ目処理方法による解れ止めのための ニットが行なわれているので、その編目を針 床から払ってしまっても、編地が解れること がない。

 次に、編成ブロック7で、FBの針F、G、H、L 、M、Nに係止される掛け目を、それぞれ対向 るBBの針f、g、h、l、m、nに目移しする。こ 操作により、掛け目が前後の針床に分かれ 配置される。

 そして、編成ブロック8で、ベース編地部 を編成する給糸口7とは異なる給糸口8を、編 を横断するように往復させて、前後の針床 分かれて係止される掛け目の間に編糸(横糸 )を給糸する。この編成ブロック8により、コ ス方向に並ぶ長尺の掛け目の間に横糸が挟 れた状態になる。なお、本例では、この編 ブロック8の操作は、意図するデザインの織 柄部とするために複数回行なったが、1回で かまわない。

 編成ブロック9では、編成ブロック7でBBに 目移しした掛け目をFBに返すと共に、編成ブ ック7で目移ししなかったFBの掛け目(FBの針C 、D、E、I、J、K、O、P、Qに係止される掛け目) を、BBに目移しする。この目移しの操作にお て、FBとBBに係止されていた掛け目の位置が 入れ替わるときに、これらの掛け目の交差部 分が、横糸を挟み込みつつベース編地部側に 押し下げる。

 上述した横糸は、ベース編地部にも縦糸 もニットされていないが、図3に示すように 、編地を挟んで左右に設けられた捨て編地20 はニットされており、編地10から抜けてし わないようになっている。捨て編地20にニッ トされている横糸52は、後述する全ての編成 終了したときに、ベース編地部の編幅より 長めに裁断し、縦糸やベース編地部に結び けて固定すると良い。また、長めに裁断し 横糸52同士を結ぶと、横糸が縦糸から外れ いようにできるだけでなく、編地のコース 向両端部から垂れ下がるフリンジ状の部分 形成できる。

 その他、上述のように捨て編地を設ける となく、横糸の編成を行うこともできる。 体的には、縦糸の間に挿入した横糸を、編 の編幅方向端部の縦糸に引っ掛けるように て折り返すことを繰り返し、一連長の横糸 織柄部の横糸の編成を行う。この場合、編 の織柄部のコース方向両端部において、中 部よりも縦糸と横糸との交差回数が多くな ようにする。例えば、本例では、図15の編 ブロック8、9(後述する編成ブロック10、11)に おいて、前後の針床に分かれて係止される掛 け目の間に横糸を複数本まとめて挿入して、 縦糸に挟み込ませているのに対して、針Cお びQの位置(織柄部のコース方向両端部)にお て、横糸を一本挿入するごとに掛け目を目 しして、横糸を縦糸に挟み込ませる。この 連の編成により、織柄部のコース方向両端 において、中間部よりも縦糸と横糸との交 回数が多くなり、横糸が編地のコース方向 ずれ難くなるので、織柄部の交差状態が崩 難い。また、この編成における横糸は、一 長の編糸であるので、一端側をベース編地 に、他端を別のベース編地部に固定するだ で、横糸が縦糸から外れないようにするこ ができる。なお、この編成工程では、コー 方向両端部での掛け目の目移しの回数が多 、糸切れの虞がある。そこで、両端部の掛 目(図15の針CとQの掛け目)に加えて、両端部 傍の2~3の掛け目(例えば、図15においては針D Pの掛け目)を順次使用して、特定の掛け目 目移しの回数を少なくしても良い。

 上記の編幅方向端部の縦糸に横糸を引っ けるようにして編成する方法は、筒状編地 全周に亘って織柄部を形成するときにも好 に利用できる。筒状編地は、その前後の編 部がそれぞれ前後の針床に分かれて係止さ る。そこで、前側編地部に横糸を挿入し、 けて同じ横糸を、前側編地部の端部の縦糸 よび後側編地部の端部の縦糸のうち、少な とも一方に引っ掛けて引き返し、後側編地 に挿入する。このとき、横糸を引っ掛けて き返す縦糸の位置が、編幅方向端部から編 中央に寄り過ぎていると、横糸が前後の編 部をショートカットするように渡ってしま 。この場合、編地の周長に対して、横糸の 周の長さが短く、横糸を引っ掛けた箇所か 編幅方向端部までの横糸が引っ掛けられて ない縦糸の領域が、筒状部として有効に利 できない。従って、横糸を折り返す縦糸の 置は、編幅方向端部からせいぜい4~5本目ま とすることが好ましい。

 次の編成ブロック10では、編成ブロック8 同様に、編地を横断するように、給糸口8を 複数回往復させて、FBとBBに係止される掛け の間に横糸を挟みこませる。

 そして、上述した編成ブロック7~10を複数 回繰り返す。これら編成ブロック7~10により 図3、4に示すように縦糸51と横糸52が格子状 交差する織柄部5を編地10に形成できる。

 最後に、全ての掛け目をFBの針に返し(編 ブロック11)、返した掛け目にニットを行な て、掛け目に連続した編目を形成すること 、織柄部に連続して次のベース編地部を編 することができる(編成ブロック12)。

 以上のように編地を編成することにより ニット製品としては今までになかった、縦 と横糸が交差した新規な組織柄である織柄 を編地部に形成でき、デザイン的に優れた 地とできる。

 なお、ベース編地部を所定コース分だけ 成した後、再び図14~15の編成工程を行なっ 織柄部を編成することができる。つまり、 ース編地部と織柄部の編成を繰り返すこと 、編地のウェール方向に所望の数の織柄部 形成することができる。

 本発明の編成方法は、編地のウェール方 に編糸を折り返すように掛け渡して長尺の ープ状とした縦糸柄部を備える新規な組織 を編成することに好適に利用可能である。 た、本発明の編地は、ベース編地部の途中 縦糸柄部を有するニット製品に利用できる さらに、本発明の編成方法は、編地のウェ ル方向に編糸を折り返すように掛け渡して 成した長尺のループ状の縦糸と、この縦糸 交差する横糸とからなる織柄部を備える新 な組織柄を編成することに好適に利用可能 ある。そして、本発明の編地は、ベース編 部の途中に織柄部を有するニット製品に利 できる。