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Title:
LUBRICATING OIL COMPOSITION AND USE OF SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148110
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a lubricating oil composition having viscosity characteristics (viscosity index improving effect) and friction characteristics similar to or better than those when a PMA-based viscosity modifier is used.  Also provided is a lubricating oil composition having superior biodegradability while having the abovementioned characteristics. The lubricating oil composition includes (A) base oil and (B) ricinolic acid (co)polymer of weight average molecular weight measured by GPC (gel permeation chromatography) of 10,000 or above, in proportions by weight of (A)/(B) from 70/30 to 99.5/0.5.

Inventors:
KANESHIGE RYOUSUKE (JP)
EBATA HIROKI (JP)
MATSUMURA SHUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060231
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
UNIV KEIO (JP)
KANESHIGE RYOUSUKE (JP)
EBATA HIROKI (JP)
MATSUMURA SHUICHI (JP)
International Classes:
C10M169/04; C10M101/04; C10M105/36; C10M105/38; C10M145/16; C10N20/04; C10N30/00; C10N30/02; C10N30/06; C10N40/00; C10N40/02; C10N40/04; C10N40/08; C10N40/16; C10N40/20; C10N40/25; C10N40/26; C10N40/30; C10N50/10
Foreign References:
JPH1112224A1999-01-19
JPS6281494A1987-04-14
JPH07252489A1995-10-03
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (JP)
Shunichiro Suzuki (JP)
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Claims:
(A)基油および(B)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量が10,000以上であるリシノール酸(共)重合体を含み、かつ(A)と(B)との重量比((A)の重量/(B)の重量)が70/30~99.5/0.5である潤滑油組成物。
基油が植物油および/又は合成エステルである請求項1に記載の潤滑油組成物。
  前記合成エステルが、ジエステルまたはポリオールエステルである請求項2に記載の潤滑油組成物。
前記合成エステルが、脂肪族ジエステルまたは脂肪族ポリオールエステルである請求項3に記載の潤滑油組成物。
リシノール酸(共)重合体の重量平均分子量が10,000~300,000である請求項1~4の何れか1項に記載の潤滑油組成物。
  前記潤滑油組成物が、(A)および(B)の他に、酸化防止剤、極圧剤、防錆剤、金属不活性剤、耐摩耗添加剤、消泡剤および清浄分散剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含む請求項1~5の何れか1項に記載の潤滑油組成物。
修正MITI試験法OECD301C法にて測定される生分解率が60%以上であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の潤滑油組成物。
  請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑油組成物からなるギヤー油。
  請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑油組成物からなる作動油。
  請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑油組成物からなるエンジン油。
  請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑油組成物からなるグリース。
  請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑油組成物からなる金属加工油。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量が10,000以上であるリシノール酸(共)重合体からなる潤滑油用粘度調整剤。
Description:
潤滑油組成物およびその用途

 本発明は、リシノール酸(共)重合体を含 する潤滑油組成物およびその用途に関する より詳しくは、良好な粘度特性および摩擦 性を有するとともに、生分解性が高いリシ ール酸(共)重合体を含有する潤滑油組成物、 およびその用途に関する。

 石油製品は一般に温度が変わると粘度が きく変化する、いわゆる粘度の温度依存性 有している。また、潤滑油も粘度の温度依 性を有しており、粘度の温度依存性が小さ ことが好ましい。この粘度の温度依存性を さくする目的で、粘度指数向上剤として潤 油基油に可溶なポリマーが用いられている 代表的な粘度調整剤としては、オレフィン 重合体或いはポリメタクリル酸エステルの 合体(以下PMAと記述)の鉱油溶液が知られて る。

 一方、近年、地球環境問題に対する意識 高まりから、各産業界において環境への負 を低減させた製品の開発が望まれている。 のような要望は、潤滑油組成物に関しても 外ではなく、種々の生分解性を有する潤滑 組成物が提案されている。

 例えば、基油として大豆油やナタネ油等 植物油やポリオール等の合成エステルを含 するグリース用やエンジン油用の潤滑油組 物が提案されている(例えば、非特許文献1 照)。

 しかしながら、このような潤滑油組成物 、従来の潤滑油組成物と比べて、粘度が低 ために、使用範囲が限られていた。

潤滑経済 12月号 22頁 (2007年)

 また、本発明者らが検討したところ、基 として植物油を含有する潤滑油組成物は、 温での保存特性や安定性に問題があった。 かる潤滑油組成物に、OCP(オレフィンコポリ マー)系粘度調整剤等の粘度調整剤を含有さ た場合、この粘度調整剤は、植物油への溶 性に乏しく、適用することが困難であった

 さらには、植物油や合成エステルを基油 した潤滑油組成物の粘度調整剤として、PMA( ポリメタクリレート)系の粘度調整剤を選択 ることにより、基油への粘度調整剤の溶解 が改善されるものの、PMA系の粘度調整剤は 釈油として生分解率の低い鉱油が50重量%以 の含まれるため、潤滑油組成物の生分解率 著しく低下した。

 そこで、PMA系粘度調整剤を用いた場合に比 て同等若しくはそれ以上の粘度特性(粘度指 数向上効果)および摩擦特性を有する潤滑油 成物を提供することを課題とする。また、 記した特性を有するとともに、生分解性を 下させるような鉱油等の希釈油を含まず、 れた生分解性を有する潤滑油組成物を提供 ることを課題とする。
また、生分解性の高い、潤滑油用粘度調整剤 を提供することを課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 検討した結果、粘度調整剤として特定のリ ノール酸(共)重合体を用いることにより、PM A系粘度調整剤を用いた場合に比べて、潤滑 組成物が、同等若しくはそれ以上の粘度特 (粘度指数向上効果)および摩擦特性を発揮す るとともに、生分解性に著しく優れることを 見出し、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明に係るリシノール酸(共 )重合体を含有する潤滑油組成物(以下、便宜 、潤滑油組成物と称する場合がある。)は下 記の事項により特定される。

 本発明に係る潤滑油組成物は、(A)基油お び(B)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ フィー)で測定される重量平均分子量が10,000 上であるリシノール酸(共)重合体を含み、か つ(A)と(B)との重量比((A)の重量/(B)の重量)が70/ 30~99.5/0.5である。

 また、前記基油は、植物油および/または 合成エステルが好ましい。

 また、前記合成エステルが、ジエステル たはポリオールエステルであることが好ま く、脂肪族ジエステル、脂肪族ポリオール ステルがより好ましい。

 また、前記リシノール酸(共)重合体(B)の 量平均分子量は、10,000~300,000であることが好 ましい。

 また、前記潤滑油組成物が、(A)および(B)の に、酸化防止剤、極圧剤、防錆剤、金属不 性剤、耐摩耗添加剤、消泡剤および清浄分 剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の 添加剤(C)を含むことが好ましい。
また、前記潤滑油組成物は、修正MITI試験法OE CD301C法にて測定される生分解率が60%以上であ ることが好ましい。

 また、前記潤滑油組成物は、ギヤー油、 動油、エンジン油、グリース、金属加工油 することが好ましい。

 さらに、本発明に係る潤滑用粘度調製剤 、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ ィー)で測定される重量平均分子量が10,000以 であるリシノール酸(共)重合体からなること を特徴とする。

 本発明の潤滑油組成物によれば、PMA系粘 調整剤等の粘度調整剤と植物油や合成エス ルとからなる生分解性潤滑油組成物と比べ 、潤滑油組成物が、同等若しくはそれ以上 粘度特性(粘度指数向上効果)および摩擦特 とともに、優れた生分解性を発揮すること できる。

 さらに、基油が植物油である場合、上記 効果とともに、良好な低温貯蔵安定性を発 することができる。

 また、本発明の潤滑用粘度調製剤は、潤 油組成物に添加されることで、潤滑油組成 に粘度特性(粘度指数向上効果)および摩擦 性とともに、優れた生分解性を付与するこ ができる。

 以下、本発明に係るリシノール酸(共)重合 を含有する潤滑油組成物(以下、便宜上、潤 油組成物と称する場合がある。)について、 構成要件ごとに詳細に説明する。
[基油(A)]
 本発明において、基油(A)の種類としては、 物油、合成エステル、低分子量のポリα-オ フィン等を挙げることができる。なかでも 物油、合成エステルが好ましい。

 また、潤滑油組成物の生分解性をより向 できることから、植物油として、ナタネ油 大豆油、ヒマシ油、パーム油、ヒマワリ油 サフラワー油、とうもろこし油、メドウフ ーム油、米ぬか油、オリーブ油、ホホバ油 が好ましく、ナタネ油、大豆油、ヒマシ油 パーム油がさらに好ましい。また、これら 植物油を1種または2種類以上使用してもよ 。

 また、基油を植物油とした場合に比べて 潤滑油組成物の生分解性が若干劣るが、幅 い温度条件下で潤滑油組成物が使用可能に ることから、合成エステルとしては、ジエ テル、ポリオールエステルが好ましい。

 さらに、低温域(室温以下)から高温域(50 ~100℃)までの幅広い温度条件下で、潤滑油組 成物が使用可能になることから、ジエステル としては、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、 ジオクチルアジペート、ジオクチルドデカン ジオエート、ジイソデシルアジペート、ジオ クチルセバケート等の脂肪族ジエステルが好 ましく、ポリオールエステルとしては、ペン タエリスリトールテトラオレエート、トリメ チロールプロパントリペラルゴナート、ネオ ペンチルポリオール等の脂肪族ポリオールエ ステルが好ましく、これらの合成エステルを 1種または2種類以上使用してもよい。

 なお、基油(A)として、1種または2種類以 の植物油と、1種または2種類以上の合成エス テルとを混合して使用してもよい。

 また、適正な潤滑性を有する潤滑油組成物 得るために、基油(A)の40℃での動粘度(ASTM 4 45動粘度試験法に準拠)は、10~80mm 2 /sとすることが好ましく、20~60mm 2 /sとすることがさらに好ましい。

 また、低温域(室温以下)における適正な流 性を有する潤滑油組成物を得るために、基 (A)の流動点(JIS K2269の測定法に準拠)を0~-50℃ にすることが好ましい。
[リシノール酸(共)重合体(B)]
 本発明に係るリシノール酸(共)重合体(B)のGP C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー) から測定される重量平均分子量は10,000以上で あり、好ましくは10,000~300,000であり、さらに ましくは30,000~150,000である。このような範 の重量平均分子量を有するリシノール酸(共) 重合体(B)を用いることにより、リシノール酸 (共)重合体を配合した潤滑油組成物に、優れ 増粘性、粘度指数向上効果及び優れた生分 性を付与することができる。また、基油が 物油の場合、良好な低温貯蔵安定性を付与 ることができる。

 また、このような範囲の重量平均分子量 有するリシノール酸(共)重合体(B)は、下記 応式(I)に示されるように、リシノール酸(12- ドロキシ-cis-9-オクタデセン酸)エステル誘 体から、またはリシノール酸エステル誘導 およびヒドロキシカルボン酸エステル誘導 (例えば、12-ヒドロキシステアリン酸メチル ステル)から、リパーゼによるエステル重合 反応を経て合成することができる。

 上記重合反応において、リシノール酸エ テル誘導体単独を重合した場合、単独重合 であるポリリシノール酸が得られる。一方 リシノール酸エステル誘導体とともにヒド キシカルボン酸エステル誘導体を共重合し 場合、リシノール酸共重合体が得られる。

 また、エステル重合反応が良好であり、 分子量のポリリシノール酸が得られること ら、リシノール酸エステル体は、リシノー 酸メチルであることが好ましい。

 また、上記リシノール酸共重合体は、モ マー成分として、リシノール酸エステル誘 体およびヒドロキシカルボン酸エステル誘 体から構成される。ここで、ヒドロキシカ ボン酸エステル誘導体は、水酸基(ヒドロキ シル基)を有するカルボン酸エステル誘導体 ある限り、特に限定されないが、ヒドロキ ステアリン酸であることが好ましい。

 また、リシノール酸エステル誘導体と12- ドロキシステアリン酸エステル誘導体との 込みモル比(リシノール酸エステル誘導体/12 -ヒドロキシステアリン酸エステル誘導体)は1 00/0~20/80が好ましい。

 また本発明のリシノール酸(共)重合体(B) して、所望により前記ポリリシノール酸ま はリシノール酸共重合体を水添する等の処 したものを用いてもよい。

(反応式I)
 また、リパーゼとしては、Burkholderia cepacia 来の固定化リパーゼ(例えば、ワコーケミカ ル株式会社製の、リパーゼPS-CアマノII(商品 )、PS-DアマノI(商品名)等)が好ましく、この 合、高温でもリパーゼが失活しにくいため 、反応温度を90℃まで上げることができる。 また、反応条件としては、バルク条件下にお いて、攪拌機付き反応器によるバッチ法とす ることが好ましい。

 また、反応時間としては、触媒濃度、重 温度などの条件によって異なるが、通常4~7 間である。

 また、上記反応式(I)に示されるように、 パーゼを用いたエステル重合反応は可逆反 であり、効率的なエステル重合反応を進行 せるためには、生成したアルコールを逐次 去することが好ましい。具体的には、反応 における圧力状態を減圧状態に維持したり 合成ゼオライト(例えば、モレキュラーシー ブ4A)等の吸湿剤を反応系に非接触で設置した 上で合成反応を実施したりすることが挙げら れる。このような条件下においてエステル重 合反応を実施することにより、単純かつ容易 にエステル重合反応を進行させることができ 、高分子量のポリリシノール酸を効率よく合 成することができる。

 また、上述の方法により合成された、GPCか 測定される重量平均分子量が10,000以上であ リシノール酸(共)重合体からなる潤滑用粘 調製剤は、潤滑油組成物に添加されること 、潤滑油組成物に粘度特性(粘度指数向上効 )および摩擦特性とともに、優れた生分解性 を付与することができる。
[潤滑油組成物]
 本願発明に係る潤滑油組成物において、上 (A)基油と上記(B)リシノール酸(共)重合体と 重量比((A)の重量/(B)の重量)が70/30~99.5/0.5であ り、好ましくは75/25~99/1、さらに好ましくは80 /20~97/3である。このような範囲で、潤滑油組 物に基油(A)とリシノール酸(共)重合体(B)と 含まれることにより、基油(A)とリシノール (共)重合体(B)との間に良好な相溶性が得られ るとともに、潤滑油組成物に増粘効果が付与 される。また、室温条件下であっても、潤滑 油組成物が適正な粘度指数を発揮できるため に、流動性が良好である。さらに、基油(A)が 植物油である場合、潤滑油組成物の低温貯蔵 安定性を向上させることができる。

 また、潤滑油組成物に、中温域(室温~50℃) おいて適正な潤滑性能を付与できることか 、本願発明に係る潤滑油組成物の40℃での動 粘度(ASTM D445に準拠)は、50~300mm 2 /sとすることが好ましく、80~200mm 2 /sとすることがさらに好ましい。

 また、潤滑油組成物に、高温域(50℃~100℃) おいて適正な潤滑性能を付与できることか 、本願発明に係る潤滑油組成物の100℃での 粘度(ASTM D445に準拠)は、10~100mm 2 /sとすることが好ましく、15~50mm 2 /sとすることがさらに好ましい。

 また、潤滑油組成物を幅広い温度範囲に いて使用できるようになるとともに、各温 において適正な潤滑性を維持できることか 、本願発明に係る潤滑油組成物の粘度指数( ASTM D2270に準拠)は、180~250とすることが好ま く、200~250とすることがさらに好ましい。

 また、潤滑油組成物が天然に飛散(漏洩)さ る場合において、自然環境中で速やかに分 (生分解)されることが求められることから、 本願発明に係る潤滑油組成物の修正MITI試験 「OECD301C」に基づく生分解率が、60%以上であ ることが好ましい。
[添加剤(C)]
 本発明に係る潤滑油組成物は、基油(A)およ リシノール酸(共)重合体(B)の他に、酸化安 性、防錆性、極圧性、消泡性の向上等の目 に応じて、添加剤(C)を含むことが好ましい

 このような添加剤(C)としては、酸化防止 、極圧剤、防錆剤、金属不活性剤、耐摩耗 加剤、消泡剤および清浄分散剤からなる群 らから選ばれる1種以上であることが好まし い。

 また、添加剤(C)の合計配合量は、本発明の 的を損なわない範囲で適宜配合することが きるが、潤滑油組成物100重量%に対して、0.0 5~25重量%とすることが好ましい。
[酸化防止剤]
 本発明の潤滑油組成物に用いる酸化防止剤 しては、公知の酸化防止剤が使用できるが 具体的には、ジ(アルキルフェニル)アミン( ルキル基は炭素数4~20)、フェニル-α-ナフチ アミン、アルキルジフェニルアミン(アルキ ル基は炭素数4~20)、N-ニトロソジフェニルア ン、フェノチアジン、N,N’-ジナフチル-p-フ ニレンジアミン、アクリジン、N-メチルフ ノチアジン、N-エチルフェノチアジン、ジピ リジルアミン、ジフェニルアミン、フェノー ルアミン、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ ラクレゾール等のアミン系酸化防止剤、2,6- ジ-t-ブチルパラクレゾ-ル、4,4’-メチレンビ (2,6-ジ-t-ブチルフェノ-ル)、2,6-ジ-t-ブチル-4 -N,N-ジメチルアミノメチルフェノール、2,6-ジ -t-ブチルフェノ-ル、ジオクチルジフェニル ミン等のフェノ-ル系酸化防止剤、また鉄オ トエ-ト、フェロセン、鉄ナフトエ-ト等の 機鉄塩、セリウムナフトエ-ト、セリウムト エ-ト等の有機セリウム塩、ジルコニウムオ クトエ-ト等の有機ジルコニウム塩等の有機 属化合物系酸化防止剤が挙げられる。また 酸化防止剤は単独で使用してもよいが、二 以上組み合わせて使用することもできる。
〔極圧剤〕
 本発明の潤滑油組成物に用いる極圧剤とし は、公知の極圧添加剤が使用できるが、具 的には、塩素化パラフィン、塩素化ジフェ ル、および塩素化脂肪酸等の塩素系化合物; 硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル、硫化動物 油、硫化植物油、ジベンジルジサルファイド 、合成ポリサルファイド、アルキルチオプロ ピオン酸のアミン塩またはアルカリ金属塩、 およびアルキルチオグリコール酸のアミン塩 またはアルカリ金属塩等のイオウ系化合物; ン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性 ン酸エステルのアミン塩、ならびに塩素化 ン酸エステルおよび亜リン酸エステル等の ン系化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛 合物またはジアリルジチオリン酸亜鉛化合 、有機モリブデン化合物、ナフテン酸鉛等 金属石鹸、有機ホウ酸エステルおよびその 属塩やアミン塩、有機ホスホン酸およびそ 金属塩やアミン塩が挙げられる。

 極圧剤は、本発明の潤滑油組成物中に1種 または2種以上添加でき、2種以上添加する場 に用いる極圧添加剤の組み合わせは、得ら る潤滑油組成物が所望する特性を有するこ ができるように、任意に組み合わせること できる。

 また、潤滑油組成物中の極圧剤の含有量は 基油(A)100重量部に対して、0.5~10重量部であ ことが好ましく、2~8重量部であることがさ に好ましい。
[防錆剤]
本発明の潤滑油組成物に用いる防錆剤として は 、例えば、石油スルホネート、アルキル ンゼンスルホネート、ジノニルナフタレン ルホネート、アルケニルコハク酸エステル 及び多価アルコールエステル等が挙げられ 。
[金属腐食防止剤]
 本発明の潤滑油組成物に用いる金属腐食防 剤としては、ベンゾトリアゾールとその誘 体、チアゾール系化合物などを挙げること できる。
[耐摩耗添加剤]
 耐摩耗添加剤としては 、リン系化合物、 機モリブデン化合物、脂肪酸エステル化合 あるいは脂肪族アミン系化合物が挙げられ 。

 リン系化合物の耐摩耗添加剤としては、 えば、アルキルジチオリン酸亜鉛、リン酸 亜リン酸、リン酸モノエステル類、リン酸 エステル類、リン酸トリエステル類、亜リ 酸モノエステル類、亜リン酸ジエステル類 亜リン酸トリエステル類、(亜)リン酸エス ル類の塩、及びチオリン酸、あるいはチオ リン酸又はこれらのエステル類等、並びに れらの混合物が挙げられる。この中でも、 ルキルジチオリン酸亜鉛が好適に用いられ 通常、炭素数2~30、好ましくは3~20の炭化水素 基を含有する。この炭素数2~30の炭化水素基 しては、例えば、アルキル基、シクロアル ル基、アルキルシクロアルキル基、アルケ ル基、アリール基、アルキルアリール基、 びアリールアルキル基を挙げることができ 。

 耐摩耗添加剤の有機モリブデン系化合物と ては、例えば、モリブデンジチオカーバメ ト、モリブデンジチオフォスフェート、モ ブデン酸アミン塩などが挙げられ、特に、 リブデンジチオカーバメートが好ましい。
[消泡剤]
 本発明の潤滑油組成物に用いる消泡剤とし は、公知の消泡剤が使用できるが、例えば ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体等 シリコン系消泡剤;アルコール、エステル系 消泡剤などが挙げられる。
[清浄分散剤]
 本発明の潤滑油組成物に用いる清浄分散剤 しては、公知の清浄分散剤が使用できるが 例えば、カルシウムスルホネート、マグネ ウムスルホネート、バリウムスルホネート の金属スルホネートやチオホスホネート、 ェナート、サリチレート、コハク酸イミド ベンジルアミン、コハク酸エステルなどが げられる。
[潤滑油組成物の製造方法]
 本発明の潤滑油組成物は、基油(A)および所 のリシノール酸(共)重合体(B)、必要によっ は添加剤(C)等を所定割合で混合・混錬して られる。

 ここで、基油(A)、リシノール酸(共)重合 (B)、必要によっては添加剤(C)等を混合・混 するにあたり、これらの成分を同時に、あ いは任意の順序で、混合・混錬装置に添加 てもよい。

 また、混合・混錬手段として、タンクブ ンド方式、オートブレンダ方式等の公知の 合・混錬装置を使用することができる。

 また、潤滑油組成物中の各成分の均一性を 好にするために、各成分を、60~80℃に加熱 あるいは加熱しながら混合・混錬すること 好ましい。
[潤滑油組成物の用途]
 本発明に係る潤滑油組成物は、良好な粘度 性および摩擦特性を有するとともに、生分 性に優れているために、各用途の潤滑油組 物として非常に有用である。

 具体的な用途としては、例えば、ギヤー 、作動油、エンジン油(2サイクルエンジン 、ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジ 油など)、グリース、切削油、研削油、打ち き油、絞り加工油、プレス油、引き抜き油 圧延油、鍛造油、摺動面油、電気絶縁油、 ービン油、ギヤー油、エアーコンプレッサ 油、圧縮機油、真空ポンプ油、軸受け油、 媒体油、ミスト油、冷凍機油、ロックドリ 油が好ましい。

 次に、本発明について実施例を示してさら 詳細に説明するが、本発明はこれらによっ 限定されるものではない。また、リシノー 酸(共)重合体の重量平均分子量の測定条件 よび製造条件、ならびに潤滑油組成物の各 性の評価基準を以下に示す。
〔重量平均分子量〕
 リシノール酸(共)重合体の重量平均分子量 、GPCを用いた分子量測定によって、ポリス レン換算により算出した。
以下に、測定に用いた装置および測定条件を 以下に示した。
ポンプ:880-PU(日本分光(株))
カラム:Shodex K-804L+K-800D(昭和電工(株))
検出器:830-RI(日本分光(株))
レコーダー:807IT(日本分光(株))
溶離液:クロロホルム (1%エタノールを含む)
測定条件:流速  1.0 ml/min
     :注入量 200 μl(2 mg / ml)
     :温度  25℃
検量線用標準試料:Special polystyrene standard(ケ コ化学(株))(Mw = 600,000、Mw = 50,000、Mw = 17 ,500、Mw = 9,000、Mw = 2,200、Mw = 906)
〔製造例1〕(ポリリシノール酸 P-1の製造)
 ポリリシノール酸(P-1)は攪拌子を備えた容 10mlの試験管を用いてバッチ式にて合成した

 具体的には、まず、試験管にリシノール メチル(シグマ アルドリッチ ジャパン株 会社製)500mg、およびBurkholderia cepacia由来の 定化リパーゼ250mg(ワコーケミカル株式会社 、リパーゼPS-CアマノII)を入れ、80℃にて3日 、攪拌反応を行った。ただし、反応系より 合物(メタノール)を除去するため、試験管 部にはモレキュラーシーブ4Aを充填した管を 付して反応を行った。

 3日間の反応後、得られたポリリシノール 酸粗生成物(固定化リパーゼ含む)に対して、8 mlのクロロホルムを添加し、ポリリシノール を溶解させた後、濾過することでクロロホ ムに対して不溶である固定化リパーゼを取 除いた。エバポレーターにてクロロホルム 濃縮し、約1mlの濃厚ポリリシノール酸を調 した。得られたポリマー溶液を貧溶媒であ メタノール中に滴下することで高分子量ポ リシノール酸を沈殿させ、デカンテーショ することによって、目的とするポリリシノ ル酸(重量平均分子量40,600)を400mg沈殿物とし て得た。同様の操作を繰り返すことで、ポリ リシノール酸(P-1)を5g調製した。重合条件お び得られたポリマーの重量平均分子量を表1 示す。

 〔製造例2〕(ポリリシノール酸 P-2の製造)
 重合時間を変更したこと以外はP-1と同様の 件で、ポリリシノール酸(P-2)を合成した。 合条件および得られたポリマーの重量平均 子量を表1に示す。

 〔製造例3〕(ポリリシノール酸 P-3の製造)
 触媒として用いた酵素量および重合時間を 更したこと以外はP-1と同様の条件で、ポリ シノール酸(P-3)を合成した。重合条件およ 得られたポリマーの重量平均分子量を表1に す。

 〔製造例4〕(ポリリシノール酸 P-4の製造)
 触媒として用いた固定化リパーゼPS-C(商品 )を固定化リパーゼPS-D(商品名)に変更したこ 以外はP-3と同様の条件で、ポリリシノール (P-4)を合成した。重合条件および得られた リマーの重量平均分子量を表1に示す。

 〔製造例5〕(リシノール酸共重合体 P-5の製 造)
 原料として用いたモノマー種を、リシノー 酸メチルエステル単独から、リシノール酸 チルエステルと12-ヒドロキシステアリン酸 チルエステルとからなるモノマーブレンド( 等モル仕込み比)に変更したこと以外はP-3と 様の条件で、ポリリシノール酸(P-5)を合成し た。重合条件および得られたポリマーの重量 平均分子量を表1に示す。

 ※1:酵素量(wt%)は、原料(モノマー種)100wt%と た場合における酵素の使用量を示す。
[基油の性状]
 本実施例および比較例において使用した下 基油の性状を表2に示す。

 ナタネ油:MP Biomedical社製
 DIDA(ジイソデシルアジペート):大八化学工業 株式会社製
 H-334R(ネオペンチルポリオール脂肪酸エステ ル):日油株式会社製

[評価基準]
 以下、潤滑油組成物の(i)貯蔵安定性、(ii)粘 度特性(動粘度)、(iii)粘度特性(粘度指数)、(vi )摩擦特性および(v)生分解性の評価方法を示 。
[(i)貯蔵安定性]
 実施例及び比較例で得られた潤滑油組成物1 0gを20mlのネジ口ビンに入れ、50℃で30分間加 し、室温に放置した後、25℃、0℃、-5℃の温 度条件下で貯蔵安定性として相溶性(流動性 結晶化)を以下の基準に基づいて評価した。
○:潤滑油組成物の各成分が、均一に分散し おり、分離していない。
△:潤滑油組成物の各成分が、分離していな が、僅かに結晶化した微粒子が見られる。
×:潤滑油組成物の各成分が、分離するととも に、結晶凝固化した微粒子が見られる。
[(ii)粘度特性(動粘度)]
 動粘度:ASTM D445に基づいて、40℃と100℃の動 粘度を測定した。
[(iii)粘度特性(粘度指数)]
 粘度指数:ASTM D2270に基づいて粘度指数を求 た。
[(vi)摩擦特性]
 オプティモール社のSRV摩擦摩耗試験機を用 て、ボールonディスク(鋼球/鋼質円盤)法に り、荷重200N、温度80℃での摩擦係数(最大、 小)と摩耗痕深さを測定した。
[(v)生分解性]
 修正MITI試験法「OECD301C」に準拠し、生分解 を測定した。なお、1998年7月に改定された コマーク認定基準では、上記生分解率は60% 上であることが要求される。
〔実施例1〕
 ナタネ油とポリリシノール酸(P-1)との重量 ((P-1)の重量/ナタネ油の重量)が97/3となるよ に、ポリリシノール酸(P-1)と基油としてのナ タネ油とを、混合して潤滑油組成物を調製し た。得られた潤滑油組成物の物性(相溶性、 度特性、摩擦特性)を、上記の評価基準に基 いて評価した。結果を表3に示す。

 〔実施例2〕
 ナタネ油とポリリシノール酸(P-1)との重量 ((P-1)の重量/ナタネ油の重量)が95/5となるよ に、ポリリシノール酸(P-1)と基油としてのナ タネ油%とを混合したこと以外は、実施例1と 様に潤滑油組成物を調製し、物性を評価し 。結果を表3に示す。

 〔実施例3〕
 ナタネ油とポリリシノール酸(P-1)との重量 ((P-1)の重量/ナタネ油の重量)が90/10となるよ に、ポリリシノール酸(P-1)と基油としての タネ油とを混合したこと以外は、実施例1と 様に潤滑油組成物を調製し、物性を評価し 。結果を表3に示す。
〔実施例4〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -2)に変更したこと以外は、実施例1と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例5〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -2)に変更したこと以外は、実施例2と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例6〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -2)に変更したこと以外は、実施例3と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例7〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -3)に変更したこと以外は、実施例1と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例8〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -3)に変更したこと以外は、実施例2と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例9〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -3)に変更したこと以外は、実施例3と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例10〕
 ポリリシノール酸(P-1)をポリリシノール酸(P -4)に変更したこと以外は、実施例2と同様に 滑油組成物を調製し、物性を評価した。結 を表3に示す。
〔実施例11〕
 ポリリシノール酸(P-1)をリシノール酸共重 体(P-5)に変更したこと以外は、実施例2と同 に潤滑油組成物を調製し、物性を評価した 結果を表3に示す。

 〔実施例12〕
 基油として、ナタネ油を合成エステルDIDA( イソデシルアジペート)に変更したこと以外 、実施例5と同様に潤滑油組成物を調製し、 物性を評価した。結果を表3に示す。
〔実施例13〕
 基油として、ナタネ油を合成エステルH-334R( ネオペンチルポリオール脂肪酸エステル)に 更したこと以外は、実施例5と同様に潤滑油 成物を調製し、物性を評価した。結果を表3 に示す。
〔比較例1〕
 基油であるナタネ油に、粘度調整剤を添加 なかったこと以外は、実施例1と同様に潤滑 油組成物を調製し、物性を評価した。結果を 表4に示す。
〔比較例2〕
 ポリリシノール酸(P-1)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるアクルーブ728( 洋化成社製:鉱油40~30%、アルキルメタクリレ ート系共重合物60~70%)に変更したこと以外は 実施例2と同様に潤滑油組成物を調製し、物 を評価した。結果を表4に示す。
〔比較例3〕
 ポリリシノール酸(P-1)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるサンルーブ1502( 三洋化成社製:鉱油30~40%、アルキルメタクリ ート系共重合物60~70%)に変更したこと以外は 実施例2と同様に潤滑油組成物を調製し、物 性を評価した。結果を表4に示す。
〔比較例4〕
 ポリリシノール酸(P-1)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるサンルーブ1703( 三洋化成社製:鉱油35~45%、アルキルメタクリ ート系共重合物55~65%)に変更したこと以外は 実施例2と同様に潤滑油組成物を調製し、物 性を評価した。結果を表4に示す。
〔比較例5〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤アクルーブ728に変更 たこと以外は、実施例12と同様に潤滑油組成 物を調製し、物性を評価した。結果を表4に す。
〔比較例6〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるアクルーブ728 変更したこと以外は、実施例13と同様に潤滑 油組成物を調製し、物性を評価した。結果を 表4に示す。
〔比較例7〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤サンルーブ1502に変更 たこと以外は、実施例12と同様に潤滑油組 物を調製し、物性を評価した。結果を表4に す。
〔比較例8〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるサンルーブ1502 変更したこと以外は、実施例13と同様に潤 油組成物を調製し、物性を評価した。結果 表4に示す。
〔比較例9〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤サンルーブ1703に変更 たこと以外は、実施例12と同様に潤滑油組 物を調製し、物性を評価した。結果を表4に す。
〔比較例10〕
 ポリリシノール酸(P-2)を、市販のポリメタ リレート系粘度調整剤であるサンルーブ1703 変更したこと以外は、実施例13と同様に潤 油組成物を調製し、物性を評価した。結果 表4に示す。