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Title:
MECHANICAL FUSE, AND METHOD FOR SETTING THE SENSITIVITY OF THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087812
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a technique for changing the action sensitivity of a self-restoring fuse to a mechanical input, without changing the constitution and specifications of the fuse element body. A mechanical fuse for cutting the power current in response to mechanical shocks or vibrations is equipped with the self-restoring fuse for performing a breaking action in response to an excess current. This self-restoring fuse is constituted such that solid conductive particles are diffused to flow in a liquid matrix filling an insulated container, and such that electrodes are arranged to confront each other. The self-restoring fuse is fixed in a mounting member through a shock-absorbing material so that it may cut the connected state in response to an acceleration of a predetermined value or higher transmitted from the outside, thereby to break the current.

Inventors:
OHTSUKA SHINYA (JP)
AKIYOSHI FUMIHIRO (JP)
SUETOMI HIROKI (JP)
HIKITA MASAYUKI (JP)
MITARAI SHIGERU (JP)
ARIKAWA HIROO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070387
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
November 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYUSHU INST TECHNOLOGY (JP)
SOC CORP (JP)
OHTSUKA SHINYA (JP)
AKIYOSHI FUMIHIRO (JP)
SUETOMI HIROKI (JP)
HIKITA MASAYUKI (JP)
MITARAI SHIGERU (JP)
ARIKAWA HIROO (JP)
International Classes:
H01H87/00; G01P15/00; H01H35/14
Foreign References:
JP3955956B22007-08-08
US20030048619A12003-03-13
JPH06215903A1994-08-05
JP2000331592A2000-11-30
JP2003317602A2003-11-07
JPH09326302A1997-12-16
JP2002075329A2002-03-15
Attorney, Agent or Firm:
OHKAWA, Yuzuru (Sankyo Central Plaza Building 5F 11-8, Nishi-Nippori 5-chome, Arakawa-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
機械的衝撃や振動に対して通電電流を切断するメカニカルヒューズにおいて、
 過電流に対する遮断動作を行う自己回復性ヒューズを備え、該ヒューズは、絶縁容器内に充填された液体マトリックス中に固体導電粒子を流動分散させると共に互いに対向して電極を配設した構成を有し、
 前記自己回復性ヒューズを、緩衝材を介在させて取付部材に固着して、外部より伝達する所定値以上の加速度に対して接続状態を切断して電流遮断を行うよう構成した、
ことから成るメカニカルヒューズ。
前記緩衝材の配置は、自己回復性ヒューズの全面又はリード線がある面を除いた全面を緩衝材で被覆するか、若しくは、該自己回復性ヒューズと取付部材の間に挟んだ請求項1に記載のメカニカルヒューズ。
前記自己回復性ヒューズは、絶縁容器外部に磁界発生部を備え、該磁界発生部より発生する磁界が、前記自己回復性ヒューズに流れる電流と作用して電磁力を発生させて、過電流に対する遮断動作を行う請求項1に記載のメカニカルヒューズ。
主回路に接続された遮断回路を備え、該遮断回路は、メカニカルヒューズの遮断を感知して、主回路を遮断し、メカニカルヒューズが一定時間経過後導通状態になっても遮断状態を維持し、かつ遮断回路にリセット信号を入力することによって主回路の遮断状態を解除する請求項1に記載のメカニカルヒューズ。
メカニカルヒューズに接続される出力回路を備え、該出力回路は、メカニカルヒューズの遮断を感知して、外部装置へ作動指令信号を出力し 、メカニカルヒューズが一定時間経過後導通状態になっても該作動指令信号を維持し、出力回路にリセット信号を入力することによって定常状態に復帰する請求項1に記載のメカニカルヒューズ。
機械的衝撃や振動に対して通電電流を切断するメカニカルヒューズの感度設定方法において、
 過電流に対する遮断動作を行う自己回復性ヒューズを備え、該ヒューズは、絶縁容器内に充填された液体マトリックス中に固体導電粒子を流動分散させると共に互いに対向して電極を配設した構成を有し、
 前記自己回復性ヒューズを、緩衝材を介在させて取付部材に固着して、外部より印加される所定値以上の加速度に対して接続状態を切断して電流遮断を行うよう構成し、
 前記緩衝材の材質或いは厚さを選択することにより、前記自己回復性ヒューズを切断する加速度の感度を設定することから成るメカニカルヒューズの感度設定方法。
前記感度を下げる場合は硬い緩衝材材質を選択して、加速度波形周波数を上げる方向に周波数変更し、かつ、前記感度を上げる場合には柔らかい緩衝材材質を選択して、加速度波形周波数を下げる方向に周波数変更する請求項6に記載のメカニカルヒューズの感度設定方法。
前記硬い緩衝材材質は、金属或いはガラスであり、かつ、前記柔らかい緩衝材材質は、ゴム、プラスチック、或いは衝撃吸収体である請求項7に記載のメカニカルヒューズの感度設定方法。
外部より印加される加速度波形周波数と動作加速度の関係を事前に知っておくことで、所定値の加速度波形周波数を有する加速度が入力される場合にメカニカルヒューズが動作した場合の印加された加速度の大きさを検知する請求項6に記載のメカニカルヒューズの感度設定方法。
外部より印加される加速度波形周波数と動作加速度の関係を事前に知っておくことで、所定値の加速度が入力される場合にメカニカルヒューズが動作した場合の印加された加速度波形周波数の大きさを検知する請求項6に記載のメカニカルヒューズの感度設定方法。
 
Description:
メカニカルヒューズ及びその感 設定方法

 本発明は、機械的衝撃や振動に対して通 電流を切断するメカニカルヒューズ及びそ 感度設定方法に関する。

 自動車などの交通移動体、家電や工業用 電気電子機器などに対して、衝撃や衝突、 下、あるいは地震などの機械的振動・衝撃 加わった場合に、防災や安全上の観点から 流供給を遮断する機械的入力に対して動作 るメカニカルヒューズが求められている。

 一方、本発明者らは、自己回復性により り返し使用できる誘電泳動力を用いたヒュ ズを提案している(特許文献1参照)。図9は、 特許文献1に記載の誘電泳動力を用いた自己 復性ヒューズ(ヒューズ素子)の動作を説明す る図であり、(A)~(D)はヒューズ素子のそれぞ 異なる状態を示している。固体PTC素子の場 は、素子の劣化原因として問題となってい 遮断・限流動作時のボイドでの放電及びク ック発生が生じるが、図9の誘電泳動力を用 た自己回復性ヒューズは、これら問題を解 して、ヒューズ素子の高性能化、大容量化 もたらすことができる。

 誘電泳動力を用いた自己回復性ヒューズは 固体マトリックスに代えて液体マトリック を使用する。絶縁容器内に液体マトリック を収容し、液体マトリックスを介して互い 対向する電極を設置し、液体マトリックス に固体導電粒子を流動分散させて自己回復 ヒューズを構成したものである。自己回復 ヒューズは、電源から供給される電力で電 間に電圧が印加されていると、液体マトリ クス中の固体導電粒子に誘電泳動力が作用 る。図10を参照して、液体マトリックス中 おける固体導電粒子に働く誘電泳動力につ て説明する。液体マトリックスに固体導電 子を分散混入し、電極間に電圧を印加した ン状態では、水平方向成分F DEPr と垂直方向成分F DEPz とから成る誘電泳動力F DEP  が固体導電粒子に作用する。即ち、液体マ リックス中の固体導電粒子には、図10に示 ように、重力、粘性力、浮力、及び摩擦力 作用し、それによって、誘電泳動力FDEP が くことになり、固体導電粒子に矢印Aの方向 移動動作が発現する。

 誘電泳動力を用いた自己回復性ヒューズの 極間に電圧が印加されると、図9(A)に示す状 態、即ち、液体マトリックス中で浮遊状態の 固体導電粒子に誘電泳動力F DEP  が働いて固体導電粒子が電極間に捕集され 橋絡即ち連鎖し、通電即ちオン状態になる 固体導電粒子が連鎖した状態で、自己回復 ヒューズに過電流が流れると、液体マトリ クスにおける固体導電粒子の接触点、接触 を起点にジュール熱が発生し、オン状態か オフ状態への動作、即ち矢印Pの方向に状態 が変化する。この結果、図9(B)に示すように 固体導電粒子の溶融、更には液体マトリッ スを局所的に含んで固体導電粒子が蒸発・ 開し、即ち液体マトリックス中に分散し、 フ状態になり、自己回復性ヒューズに流れ 電流が抑制又は遮断状態になる。

 そこで、自己回復性ヒューズへの過電流 無くなると、再び、オフ状態からオン状態 の動作、即ち矢印Qの方向に状態が変化し、 図9(C)に示すように、液体マトリックス中の 体導電粒子が電極間に収集即ち捕集する動 が発生する。それによって、オフ状態から ン状態になる動作、即ち矢印Rの方向に状態 変化し、図9(D)に示すように、液体マトリッ クス中の固体導電粒子が電極間に捕集して元 に復帰し、固体導電粒子が電極間でパールチ ェーン化して導電パス即ち通電(オン)状態に る。図9(D)に示す固体導電粒子が連鎖した状 態で自己回復性ヒューズに過電流が流れると 、オン状態からオフ状態への動作、即ち矢印 Sの方向に状態が変化し、図9(B)に示す状態に る。即ち、この自己回復性ヒューズは、上 の状態が繰り返し行われ、自己回復性ヒュ ズの機能を果たすことになる。

 このように、誘電泳動力を用いた自己回 性ヒューズは、固体導電粒子の液体マトリ クス中での誘電泳動力を利用して固体導電 子を効率よく捕集即ち互いに連結させ、図9 (A)及び(D)で示すように、電極間を橋絡するこ とによって通電状態を実現し、また、過電流 によって図9(B)で示すように、固体導電粒子 蒸発・散開による高抵抗状態の形成による 断・限流動作を実現することができる。ま 、自己回復性ヒューズは、例えば、地震や 突等の機械的な衝撃や振動に対して固体導 粒子の互いの接続状態のパールチェーンが れることで、電流遮断を行う機械的な衝撃 対する保護素子として利用することができ 防災・衝撃保護用素子として発揮させるこ ができる。機械的な衝撃に対する保護素子 しての動作感度は、素子を構成する液体絶 マトリックスの粘度を変更することや、素 の動作電圧を変更することで変えることが きる。

 しかし、一度そのように構成した後には、 度を容易に変更できず、適用対象に対して の感度要求を満足するにはいくつもの素子 用意する必要があった。それ故、ヒューズ 子の過電流による遮断・限流動作に影響を ぼすこと無く、かつ、ヒューズ素子の構成 変えることなく簡易に、必要に応じて特性 変化させる手法が望まれていた。

特許 第3955956号

 本発明は、自己回復性ヒューズ(メカニカ ルヒューズ)への機械的入力に対する動作感 を、ヒューズ素子本体の構成や仕様を変え に変更する技術を提供することを目的とし いる。これによって、一つのヒューズ素子 任意の感度を選択的に実現できることにな 、自己回復性ヒューズの適用範囲が広がり ヒューズ動作時に印加された加速度や加速 波形周波数を検知するセンサに応用するこ ができる。

 メカニカルヒューズが動作する入力機械 (加速度)の値は、その加速度波形の周波数 依存することがわかった。そこで、ヒュー 素子と、この素子を取り付ける保護対象物 間に加速度波形の周波数を変換する部材を んで取り付けることで、動作感度を変更す ことができるようになる。また反対に、加 度と加速度波形周波数の関係から、メカニ ルヒューズ動作時の加速度あるいは加速度 形周波数を求めることができる。

 本発明の機械的衝撃や振動に対して通電 流を切断するメカニカルヒューズは、過電 に対する遮断動作を行う自己回復性ヒュー を備え、該ヒューズは、絶縁容器内に充填 れた液体マトリックス中に固体導電粒子を 動分散させると共に互いに対向して電極を 設した構成を有する。前記自己回復性ヒュ ズを、緩衝材を介在させて取付部材に固着 て、外部より伝達する所定値以上の加速度 対して接続状態を切断して電流遮断を行う う構成した。前記緩衝材の配置は、自己回 性ヒューズの全面又はリード線がある面を いた全面を緩衝材で被覆するか、若しくは 該自己回復性ヒューズと取付部材の間に挟 。

 自己回復性ヒューズは、絶縁容器外部に 界発生部を備えることができ、該磁界発生 より発生する磁界が、前記自己回復性ヒュ ズに流れる電流と作用して電磁力を発生さ て、過電流に対する遮断動作を行う。

 主回路に接続された遮断回路を備え、該 断回路は、メカニカルヒューズの遮断を感 して、主回路を遮断し、メカニカルヒュー が一定時間経過後導通状態になっても遮断 態を維持し、かつ遮断回路にリセット信号 入力することによって主回路の遮断状態を 除する。また、メカニカルヒューズに接続 れる出力回路を備え、該出力回路は、メカ カルヒューズの遮断を感知して、外部装置 作動指令信号を出力し、メカニカルヒュー が一定時間経過後導通状態になっても該作 指令信号を維持し、出力回路にリセット信 を入力することによって定常状態に復帰す 。

 また、本発明の機械的衝撃や振動に対し 通電電流を切断するメカニカルヒューズの 度設定方法は、緩衝材の材質或いは厚さを 択することにより、自己回復性ヒューズを 断する加速度の感度を設定する。感度を下 る場合は金属やガラスを含む硬い緩衝材材 を選択して、加速度波形周波数を上げる方 に周波数変更し、かつ感度を上げる場合に ゴムやプラスチック、衝撃吸収体を含む柔 かい緩衝材材質を選択して、加速度波形周 数を下げる方向に周波数変更する。

 外部より印加される加速度波形周波数と 作加速度の関係を事前に知っておくことで 所定値の加速度波形周波数を有する加速度 入力される場合にメカニカルヒューズが動 した場合の印加された加速度の大きさを検 する。また、外部より印加される加速度波 周波数と動作加速度の関係を事前に知って くことで、所定値の加速度が入力される場 にメカニカルヒューズが動作した場合の印 された加速度波形周波数の大きさを検知す 。

 従来、ヒューズ素子を構成する液体絶縁 トリックスの粘度或いは素子の動作電圧を 定値に設定した後には、感度を変更できず 適用対象に対してその感度要求を満足する はいくつもの素子を用意する必要があった 本発明は、ひとつのヒューズ素子に対して 速度波形周波数を変化させる部材を取り付 ることで、さまざまな感度に変更すること でき、一つの素子の適用範囲が広がる効果 ある。

 緩衝材によって衝撃を緩めると、作動が まり、感度が低下するのが一般的であるが 本ヒューズ素子の特性では、衝撃波形の振 が小さくなっても、その方が作動しやすく り(感度が上がる)、緩衝材の厚さを変える とによって、この感度を連続的に設定する とが可能になる。これによって、機械的入 の加速度の大きさや加速度波形の周波数を ンシングできるセンサ、及びコンパクトで ンプルな安全装置のセンサを提供すること できる。

本発明に基づき構成したメカニカルヒ ーズを例示する縦断面図(A)、及び図中のa-a ラインで切断した断面図(B)である。 測定装置を例示し、(A)は側面図を、(B) 上面図を示している。 各緩衝材毎の振り子の角度θに対する衝撃加 度(m/s 2 )を示すグラフである。 緩衝材毎のヒューズ素子のOFF転移加速 特性試験結果を示すグラフである。 αゲルの厚さとオフ衝撃加速度の関係 表すグラフである。 本発明のメカニカルヒューズに用いる とのできる自己回復性ヒューズの別の例を す図であり、(A)はオン維持定常状態を示し (B)及び(C)は過電流時及び切断時の動作をそ ぞれ説明する図である。 主回路を遮断する配線例を示す図であ 。 外部装置へ作動指令を出す配線例を示 図である。 特許文献1に記載の誘電泳動力を用いた 自己回復性ヒューズ(ヒューズ素子)の動作を 明する図であり、(A)~(D)はヒューズ素子のそ れぞれ異なる状態を示している。 液体マトリックス中における固体導電 粒子に働く誘電泳動力について説明する図で ある。

 図1は、本発明に基づき構成したメカニカ ルヒューズを例示する縦断面図(A)、及び図中 のa-a’ラインで切断した断面図(B)である。図 示の構成は、断面が長方形であるが、丸状の 断面形状でもよい。自己回復性ヒューズとそ れを取り付ける取付部材の間に緩衝材を介在 させた状態で、自己回復性ヒューズを取付部 材に固着する。この緩衝材の配置は、自己回 復性ヒューズのリード線がある面を除いた全 面を緩衝材で被覆した例を示しているが、リ ード線がある面を含め全面被覆にしても良い 。また、緩衝材の配置は下面のみでも良く、 その場合は自己回復性ヒューズと緩衝材を接 着剤等で取付部材に固着する。図中に示すXYZ は、後述する衝撃力の方向を示している。

 本発明のメカニカルヒューズは、主構成 素として自己回復性ヒューズを用いて過電 に対する遮断・限流動作を行うだけでなく 印加機械力に対して接続状態を切断して電 遮断を行うよう機能する。自己回復性ヒュ ズ自体は、上述した特許文献1に記載のよう な公知の構成とすることができる。図示の自 己回復性ヒューズは、絶縁容器内に充填され た液体マトリックス中に固体導電粒子を流動 分散させると共に互いに対向して電極を配設 して自己回復性ヒューズを構成している。電 極間の電圧印加で発生する固体導電粒子の誘 電泳動力によって、固体導電粒子を電極間に 捕集して電極間を橋絡する通電状態と、液体 マトリックス中での固体導電粒子の蒸発・散 開による遮断・限流状態とを繰り返し実現す る。

 このように、電極間に過電流が流れると 固体導電粒子を蒸発・散開させることによ 高抵抗状態を形成して、遮断・限流動作を 現するが、この遮断・限流動作に加えて、 己回復性ヒューズ(ヒューズ素子)は、機械 な衝撃に対する保護素子として利用する。 えば、地震や衝突等の機械的な衝撃や振動( 械力)に対して固体導電粒子の互いの接続状 態のパールチェーンが切れることで、電流遮 断を行う。

 自己回復性ヒューズをオフさせる機械力 感度は、印加される機械力の加速度の時間 化、即ち加速度波形の周波数を変化させる とにより変更する。この機械力の感度を変 する手段として、緩衝材(周波数変更部材) 用いる。緩衝材をヒューズ素子とその取付 材の間に挟んだ状態で、ヒューズ素子を取 付ける。この緩衝材の材質或いは厚さを選 することにより、自己回復性ヒューズを切 する機械力の感度を設定する。

 周波数変更部材は、感度を下げる場合は 属やガラスなどの硬い物体を選択する。即 、同一加速度に対してオフさせる機械力感 を下げる場合には加速度波形周波数を上げ 方向に周波数変更する。また、周波数変更 材は、感度を上げる場合にはゴムやプラス ック、衝撃吸収体などの柔らかい物体を選 する。即ち、同一加速度に対してオフさせ 機械力感度を上げる場合には加速度波形周 数を下げる。

 このように、ヒューズ素子をオフするに 要な動作加速度と加速度波形周波数の間に 所定の関係がある。それ故、加速度波形周 数と動作加速度の関係を事前に知っておく とで、一定周波数の加速度が入力される場 にメカニカルヒューズが動作した場合の印 された加速度の大きさを知ることができる また、加速度波形の周波数と動作加速度の 係を事前に知っておくことで、一定加速度 入力される場合にメカニカルヒューズが動 した場合の印加された加速度波形の周波数 大きさを知ることができる。

 段階的なオフ衝撃加速度の設定は、使用 る液体マトリックス(例えば、オイル)の粘 の違いによって、衝撃に対してオフ衝撃加 度が変わってくることを利用して行うこと できる。緩衝材はヒューズ素子が出来た後 微調整に使用することによって、実使用に 応でき、コンパクトでシンプルな安全装置 センサを提供できる。

 印加される機械力の加速度波形の周波数 応じて当該メカニカルヒューズの動作加速 が変化することを考慮して、周波数変更部 を取り付けない場合には、可能性のある入 加速度波形の周波数範囲で入力加速度(機械 力)の動作感度を設定する。

 図2に測定装置を例示し、(A)は側面図を、 (B)は上面図を示している。緩衝材で被覆した 自己回復性ヒューズに外部から衝撃を加えた ときにオフする衝撃加速度の値が、緩衝材の 違いによりどのように変化するかの測定を行 った。使用した自己回復性ヒューズの仕様は 以下の通りである。

 電極:Cu電極 ギャップ長600mm、導電粒子:Cu粒 子 粒径~150mm、液体絶縁マトリックス:シリコ ーン油 動粘性係数10mm 2 /s、ON抵抗値は一定の範囲内(3~4W)(OFF特性にはO N抵抗依存性がある)、印加電圧はV a =10V。

 使用した緩衝材は、以下の通りである。 (固定)、布(自由)、発泡スチロール、αゲル( 1mm)、αゲル(3mm)。ここで、布(固定)とは、図2 示すように、布の裏全面をテープで支持台( 取付部材)と固定した場合であり、布(自由)と は、布の四隅のみをテープで支持台と固定さ せた場合である。また、αゲルとは、シリコ ンを主原料とする非常に柔らかいゲル状素 であり、株式会社ジェルテックで取り扱う 品の中の「θゲル-5」を使用した(厚さ:1mm, 3 mm)。

 衝撃は、図示のように、振り子おもりに って加えた。印加した衝撃の方向は、図示 ように、一対の電極を結ぶラインに直交す X方向とした。このX方向が最も感度が高か たが、Y方向或いはZ方向に衝撃を印加しても 、ヒューズ素子はオフ動作可能である。自己 回復性ヒューズに加えられる加速度は、加速 度センサにより測定した。また、加速度の時 間変化波形をオシロスコープ(図示省略)で測 し、周波数は時間変化波形の周期から計算 求めた。

 図3は、各緩衝材毎の振り子の角度θ(図2(A)) 対する衝撃加速度(m/s 2 )を示すグラフである。例えば緩衝材が「αゲ ル1mm」の場合、振り子の角度θが40度のとき 衝撃加速度は80 m/s 2 弱程度であり、「緩衝材なし」の場合は、振 り子の角度θが40度のとき、衝撃加速度は380  m/s 2 程度である。

 図4は、上記の緩衝材毎のヒューズ素子の OFF転移加速度特性試験結果を示すグラフであ る。上記の緩衝材を用いて、異なる周波数の 衝撃を加えたときの自己回復性ヒューズのOFF 特性を示している。図2に示したような振り おもりにより、同一の衝撃を加えても、緩 材(物質)が異なると、周波数が変化した。こ れは、物質固有の音響インピーダンスがこと なるために、波形、即ち周波数が異なるもの と考えられる。衝撃による波形は原理的に種 々の周波数が組み合わされたものとなるが、 基板や緩衝材質などの振動は、主に、その物 質固有の周波数で揺れることになる。衝撃振 動は縦波で、進行方向に粗密があるために、 概念的には、物質自身が揺れ、かつ、その揺 れ方は堅い物は周波数が高く、柔らかい物は 周波数が低くなる。 

 オフ衝撃加速度とは、緩衝材で被覆した 己回復性ヒューズに外部から衝撃を加えた きにオフする加速度の値を意味している。 の図より、オフするに必要な加速度と周波 の関係は、二次曲線を近似したようなカー となることを示している。即ち、自己回復 ヒューズがOFF転移する加速度は、低周波数 衝撃ほど低いことが示された。どの緩衝材 料も緩衝材無しよりも低い値で、OFF転移を している。即ち、緩衝材で被覆することに り感度を高くすることができる。緩衝材を れることで衝撃加速度自体は低下するが、 かし、加速度の低下よりも、周波数の低下 より動作感度が上がることが、図4より読み 取ることができる。言い換えると、同一の加 速度であれば、周波数が低い衝撃の方がオフ しやすいことになる。

 このように、自己回復性ヒューズを切断す 加速度の感度は、緩衝材の材質に依存して 化するが、さらに、緩衝材の厚さによって 変化する。以下の表1及び図5は、αゲルの厚 さとオフ衝撃加速度の関係を示す試験結果の 表及びグラフである。例えば、緩衝材「αゲ 1mm」を使用した場合に、緩衝材外部からの 撃の加速度は380 m/s 2 程度でオフすることを意味する。この試験結 果から分かるように、αゲルで被覆した自己 復性ヒューズに外部から衝撃を加えたとき オフする衝撃加速度の値は、緩衝材厚さに してほぼ直線の特性が確認できた。

(表1)

  図6は、本発明のメカニカルヒューズに いることのできる自己回復性ヒューズの別 例を示す図であり、(A)はオン維持定常状態 示し、(B)及び(C)は過電流時及び切断時の動 をそれぞれ説明する図である。図示の自己 復性ヒューズは、非磁性材料の絶縁容器内 、非磁性材料の液体マトリックスを収容し 液体マトリックスを介して互いに対向する 極を設置する。液体マトリックス中には、 電性を有する固体粒子を流動分散させる。 縁容器の内側に固定されている一対の電極 は、それぞれ外部からの配線が接続される とになる。以上に加えて、図示の自己回復 ヒューズには、絶縁容器外部に磁界発生部 備える。

 磁界発生部は、発生する磁界が、過電流 よりヒューズ素子(固体粒子の連鎖)に流れ 電流と作用して発生する電磁力が、ヒュー 素子を切断するか、ヒューズ素子を電極外 押し出す方向に配置する。図6において、ヒ ーズ素子と直交する方向の成分を有する磁 が紙面のおもて面から裏面方向に発生する うに、磁界発生部は配置されている。この 界は、ヒューズ素子と直交する方向の成分 、十分な値を有していれば良いが、発生磁 をヒューズ素子と直交させることにより効 よく作用させることができる。磁界発生部 しては、永久磁石或いはコイルを用いるこ ができる。

 図6(A)に示すオン維持定常状態で、電源(図 省略)からの電力が、図示の自己回復性ヒュ ズを介して、負荷(図示省略)に供給されて る。このため、この自己回復性ヒューズの 極間に電圧が印加されている。このとき、 体マトリックス中の固体粒子が導電性を有 るために、この固体粒子には誘電泳動力F DEP  が作用する。これによって、図6(A)に示すよ うに、導電性を有する固体粒子が互いに連続 して接続され、導電パス(ヒューズ素子)を形 する。このとき、磁界発生部により紙面の もて面から裏面方向に発生した磁界強度Bと 、ヒューズ素子に流れる電流Iとの相互作用 より、そのいずれにも直交する方向の電磁 Fが働く。この電磁力Fは、電極間の距離に相 当するヒューズ素子の長さをLとして、F=IBLで あることが知られているように、流れる電流 値Iに比例する。それ故、磁界発生部の磁界 度B、及び液体マトリックスの粘度などを適 に予め設定しておくことにより、オン維持 常状態では、電磁力Fが、導電パスを切断す る程には大きくならないようにしておく。

 図6(A)に示すオン維持定常状態では、液体マ トリックス中の固体粒子の誘電泳動力F DEP  によって、固体粒子を効率よく電極間に収 即ち捕集し、固体粒子同士が連鎖する現象 発生し、固体粒子がパールチェーン化して 電パスが形成され、オン(ON)即ち通電状態に なる。

 次に、図6(B)に示すように、自己回復性ヒ ューズに過電流I’が流れたとする。このと 、導電性を有する固体粒子に作用して、過 流に比例して発生する大きな電磁力Fが、固 粒子の連鎖により構成されるヒューズ素子 切断するか、或いは、電極外に押し出す。

 図6(C)は、このようにして、ヒューズ素子が 切断された状態を示している。電流路は切断 されているが、電極間に電源からの電圧は依 然として印加されている。この状態では、液 体マトリックス中で浮遊状態の固体粒子に誘 電泳動力F DEP  が働いて固体粒子が電極間に捕集されて橋 即ち連鎖し、再び、図6(A)に示す通電即ちオ ン状態になる。

 このような自己回復性ヒューズもまた、 1に示したように、緩衝材で被覆することに よりメカニカルヒューズを構成することがで きる。

 図7は、主回路(主配線)を遮断する配線例 示す図である。上述したような構成を有す メカニカルヒューズは、遮断後、誘電泳動 によって一定時間経過後導通状態になる。 断回路は、メカニカルヒューズの遮断を感 して、主回路を遮断し、メカニカルヒュー が一定時間経過後導通状態になっても遮断 態を維持する。遮断回路にリセット信号を 力することによって主回路の遮断状態を解 する。

 図8は、外部装置へ作動指令を出す配線例 を示す図である。メカニカルヒューズは、遮 断後、誘電泳動力によって一定時間経過後導 通状態になる。出力回路は、メカニカルヒュ ーズの遮断を感知して、エアバッグ等の外部 装置へ作動指令信号(出力信号)を出力し 、 カニカルヒューズが一定時間経過後導通状 になっても信号を維持する。出力回路にリ ット信号を入力することによって定常状態 復帰する。

 以上、本開示にて幾つかの実施の形態の を単に一例として詳細に説明したが、本発 の新規な教示及び有利な効果から実質的に 脱せずに、その実施の形態には多くの改変 が可能である。