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Patent Searching and Data


Title:
METHOD, APPARATUS AND PROGRAM FOR MANUFACTURING SILICON STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154034
Kind Code:
A1
Abstract:
In a method for manufacturing a silicon structure, in a so-called dry-etching process wherein gas-switching is employed, a step (c) is provided for etching a silicon region under low-speed etching conditions where the etching speed is lowest among the transition etching conditions. Such step is performed prior to a step (a) wherein an area where the etching speed is highest among the silicon region is etched to an etching stop layer under high-speed etching conditions, and after an etching step (b) under the transition etching conditions where the etching speed is reduced from the etching speed of the high-speed etching conditions with time.

Inventors:
NOZAWA YOSHIYUKI (JP)
YAMAMOTO TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057171
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
April 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO PRECISION PROD CO (JP)
NOZAWA YOSHIYUKI (JP)
YAMAMOTO TAKASHI (JP)
International Classes:
H01L21/3065; B81C1/00
Foreign References:
JP2002158214A2002-05-31
Attorney, Agent or Firm:
KOUNO, HIROAKI (JP)
Hiroaki Kono (JP)
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Claims:
 エッチングガスと有機堆積物形成ガスが交互に導入されて形成されるプラズマを用いてエッチングストップ層を有する基板におけるシリコン領域をエッチングする過程で、
 高速エッチング条件を用いてエッチングする工程により、前記シリコン領域のうち最もエッチング速度の速い場所が前記エッチングストップ層までエッチングされる前に、前記高速エッチング条件のエッチング速度から時間の経過とともにエッチング速度が低下する遷移エッチング条件を用いたエッチング工程を経て、前記遷移エッチング条件のうち最もエッチング速度の遅い条件のエッチング速度を持つ低速エッチング条件を用いて前記シリコン領域をエッチングする工程を備える
 シリコン構造体の製造方法。
 前記遷移エッチング条件が、略直線状にエッチング速度が低下する
 請求項1に記載のシリコン構造体の製造方法。
 エッチングガスと有機堆積物形成ガスが交互に導入されて形成されるプラズマを用いてエッチングストップ層を有する基板におけるシリコン領域をエッチングする過程で、
 高速エッチング条件を用いてエッチングするステップにより、前記シリコン領域のうち最もエッチング速度の速い場所が前記エッチングストップ層までエッチングされる前に、前記高速エッチング条件のエッチング速度から時間の経過とともにエッチング速度が低下する遷移エッチング条件を用いたエッチングステップを経て、前記遷移エッチング条件のうち最もエッチング速度の遅い条件のエッチング速度を持つ低速エッチング条件を用いて前記シリコン領域をエッチングするステップを備える
 シリコン構造体の製造プログラム。
 請求項3に記載の製造プログラムを記録した記録媒体。
 請求項3又は請求項4に記載の製造プログラムにより制御される制御部を備えた
 シリコン構造体の製造装置。
Description:
シリコン構造体の製造方法及び の製造装置並びにその製造プログラム

 本発明は、シリコン構造体の製造方法及 その製造装置並びにその製造プログラムに するものである。

 シリコンを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical  Systems)デバイスが適用される技術分野は日 月歩で拡大しており、近年では、その技術 マイクロタービンやセンサーのみならず情 通信分野や医療分野へも適用されている。 のMEMS技術を支える主要な要素技術の一つが リコンの異方性ドライエッチングであり、 の要素技術の発展がMEMS技術の発展を支えて いるといえる。ここ数年来、シリコンの異方 性ドライエッチングの技術は飛躍的に進歩し たが、高アスペクト比の開口の形成に対する 要求は依然として衰えを知らない。最近では 、トレンチやホールを形成する際に、アスペ クト比とともに側壁の形状に代表されるエッ チング形状に対する要求が厳しい。特に、エ ッチングストップ層を有する基板(例えば、SO I基板)におけるシリコン構造体を形成する際 は、高い垂直性とともに、良好な側壁形状 換言すれば、側壁の異状な形状の解消とい 要求を満足させることが非常に困難となる

 従来、エッチングストップ層を有するシ コン基板に対して高い垂直性と良好な側壁 状の開口を有するトレンチやホールを形成 るための一つの手段として、シリコン基板 の電力印加の際に2つの周波数を用いてエッ チングを行う方法が本願出願人等によって開 示されている(特許文献1及び特許文献2)。し しながら、前述の方法は、エッチングスト プ層とシリコン層との界面付近の「ノッチ と呼ばれる異状な形状を解消するためのも であり、基板への印加電力の周波数の変化 よる「ノッチ」以外の側壁形状への影響が 分に考慮されていなかった。

特開2006-148156号公報

特開2002-158214号公報

 従来、SOI(Silicon on insulator)基板に代表さ るエッチングストップ層を有するシリコン 板におけるシリコン層の異方性エッチング 際しては、そのエッチングストップ層(例え ば、下地のシリコン酸化膜層)とシリコン層 の界面付近の側壁形状の改善、すなわち、 ッチの低減が中心的な技術的課題であった その結果、上述の周波数変化に伴う側壁形 の影響、具体的には、下地層とシリコン層 の界面付近よりもエッチング深さの浅い位 での側壁形状の不均一性は、最終的に製造 れるデバイス(例えば、振動ジャイロセンサ )の特性に対して支配的ではなかったため十 分に考慮されていなかった。しかし、近年、 例えば、振動ジャイロセンサーに対する非常 に高い検知性能が要求されるようになると、 前述の側壁形状の異状が振動体の重量変化を 生じさせるため、ジャイロセンサーの特性の 向上を妨げる要因となり得ることが分かった 。図6A及び図6Bは、この側壁の異状形状が発 しているシリコン構造体の一例の断面SEM写 である。

 このノッチとは異なる側壁の異状形状の 題は、例えば、異方性エッチングプロセス 進んだ結果、トレンチ又はホールの一部が ッチングストップ層に到達した後に発生す 。例えば、シリコン表面上に複数の異なる さの開口部を有するエッチングマスク(例え ば、レジストマスク)が形成されている場合 エッチング対象となる場所(開口)の広さによ ってエッチング速度が変わる、いわゆるマイ クロローディング現象が生じる。このとき、 あるエッチングされたトレンチやホールがエ ッチングストップ層に到達すると、それまで シリコンのエッチングのために消費されてい たプラズマ中のラジカル等が消費されなくな るため、プラズマの状態が変化する。そうす ると、エッチングプロセス室内への導入ガス の種類や量の条件を一定に保っていても、前 述のプラズマ状態の変化が生じるために、そ の変化の前後で、未だエッチングストップ層 に到達していないトレンチやホールの側壁形 状が異なることになる。従って、1つのエッ ング対象内で多数のエッチング速度の違い 生じる場合は、最もエッチング速度の速い 所が最初にエッチングストップ層に到達し 後、エッチング速度の異なる場所が次々に ッチングストップ層に到達する結果、継続 にプラズマ状態が変化することになる。

 さらに興味深いことに、上述の問題は、 に、基板表面上に複数の単一形状の開口部 有するエッチングマスクが形成されている 合であっても生じうる。具体的には、エッ ング装置の特性、例えば、シリコン基板の 却の面内不均一性によって、エッチング速 のバラつきが発生し、その結果、エッチン ストップ層への到達時点がエッチングされ 基板表面位置によって異なるためである。

 上述の通り、エッチングストップ層を有 るシリコン基板のエッチングにおいて、エ チングされたトレンチやホールの到達時点 その基板の全面において一致させることは めて困難であるため、エッチング終了まで プラズマ状態の変動は不可避的に生じてし う。

 本発明は、そのような技術課題を解決し 、高い垂直性とともに、良好な側壁形状を 成することにより、エッチングストップ層 有するシリコンの異方性ドライエッチング 能の更なる向上に貢献するものである。

 発明者らは、これまで述べてきた側壁の 状形状が、高性能を要求される各種のデバ スの特性に少なからず影響を与えているこ に鑑み、従来の2つの周波数を用いるエッチ ング方法について注意深く観察した。その結 果、発明者らは、エッチングされたトレンチ 又はホールの一部がエッチングストップ層に 到達した後にエッチング条件を変更しても、 プラズマ状態の変動に伴う側壁の異状形状の 発生を抑制することが出来ないことを知見し た。シリコンとエッチングストップ層との界 面のみならず、側壁の形状も、プラズマ状態 の変化に敏感であることを踏まえ、発明者ら は、マイクロローティング現象やエッチング 速度の面内バラつきを解消するためには、エ ッチングストップ層までのシリコンの厚み又 は距離に対応したエッチング深さとエッチン グ条件の精密な管理が必要となることを知見 した。

 具体的には、次の処理が上述の問題の解 に有効であることを知見した。まず、第1段 階は、ある程度、エッチングマスクの単位時 間あたりの消耗量が多くなっても、エッチン グ速度を維持してプロセス全体の処理速度を 上げる必要がある。従って、高速エッチング 条件が採用される。

 その後、エッチングプロセスがある程度 行すると、エッチング速度が徐々に低下す ような第2段階の遷移エッチング条件が採用 される。これにより、プラズマ状態が変動し てしまう前にエッチング速度の低い、換言す れば、エッチング能力を弱める条件で処理さ れるため、急激なエッチング条件の変動によ る側壁形状の著しい変化が実質的に発生しな くなることが確認された。

 さらに、対象基板中で最もエッチング速 が速い場所のトレンチやホールがエッチン ストップ層に到達する少し手前の最終段階( 第3段階)では、前述の第2段階の遷移エッチン グ条件によるエッチング速度の内の最もエッ チング速度の遅い条件(低速エッチング条件) 採用される。その結果、最もエッチング能 の弱い処理状態が維持されるため、側壁形 に加えて、シリコンとエッチングストップ との界面の異状形状の発生を抑えることが 能となることが確認された。本発明は、上 の知見に基づいて創出された。

 本発明の1つのシリコン構造体の製造方法 は、エッチングガスと有機堆積物形成ガスが 交互に導入されて形成されるプラズマを用い てエッチングストップ層を有する基板におけ るシリコン領域をエッチングする過程で、高 速エッチング条件を用いてエッチングする工 程により、そのシリコン領域のうち最もエッ チング速度の速い場所がそのエッチングスト ップ層までエッチングされる前に、その高速 エッチング条件のエッチング速度から時間の 経過とともにエッチング速度が低下する遷移 エッチング条件を用いたエッチング工程を経 て、その遷移エッチング条件のうちの最もエ ッチング速度の遅い条件のエッチング速度を 持つ低速エッチング条件を用いて前述のシリ コン領域をエッチングする工程を備えている 。

 また、本発明の1つのシリコン構造体の製 造プログラムは、エッチングガスと有機堆積 物形成ガスが交互に導入されて形成されるプ ラズマを用いてエッチングストップ層を有す る基板におけるシリコン領域をエッチングす る過程で、高速エッチング条件を用いてエッ チングするステップにより、そのシリコン領 域のうち最もエッチング速度の速い場所がそ のエッチングストップ層までエッチングされ る前に、その高速エッチング条件のエッチン グ速度から時間の経過とともにエッチング速 度が低下する遷移エッチング条件を用いたエ ッチングステップを経て、その遷移エッチン グ条件のうち最もエッチング速度の遅い条件 のエッチング速度を持つ低速エッチング条件 を用いて前述のシリコン領域をエッチングす るステップを備えている。

 また、本発明の1つのシリコン構造体の製 造装置は、上述のシリコン構造体の製造プロ グラム又はそのシリコン構造体の製造プログ ラムを記録した記録媒体によって制御される 制御部を備えている。

 ここで、本出願における「高速エッチン 条件」は、例えば、エッチング対象基板全 におけるシリコンの領域の比率、換言すれ 、エッチングマスクの開口率に応じて選定 れる、異常形状を生じさせない高いエッチ グ速度が達成される条件である。また、本 願における「遷移エッチング条件」は、後 する「低速エッチング条件」に至るまでの いわば過渡期のエッチング条件であり、そ エッチング速度が時間の経過に従って徐々 低下するように設定される。具体的には、 の「遷移エッチング条件」は、エッチング 象となるシリコン領域のうち、最もエッチ グ速度の速い場所がエッチングストップ層 至るまでに貫通した後、時間と共にシリコ の露出面積(実質的な開口率)が低下してい ことを考慮して選定される。また、本出願 おける「低速エッチング条件」は、代表的 は、遷移エッチング条件によるエッチング 度の内の最もエッチング速度の遅い条件で る。一例としては、シリコンのエッチング 程が進行し、仮にエッチング対象のシリコ 領域が当初の約半分になったときに、前述 「高速エッチング条件」のエッチング速度 当初のシリコン領域で約半分になるような ッチング条件が定められる。

 また、本出願において、「ホール」とは 基板最表面におけるマスクパターンによる 状が円状の孔のみならず、楕円形や四角形 孔を含む。より具体的には、本出願におけ 「ホール」は、例えば、四角形の孔の場合 、長辺と短辺の関係が、短辺が1に対して長 辺が3以下までを意味する。また、本発明に いて、「トレンチ」とは、「ホール」以外 孔を意味する。

 本発明の製造方法、製造装置又は製造プ グラムによれば、エッチングストップ層を するシリコンのドライエッチングにおいて 高い垂直性が得られるとともに、側壁の異 形状の発生を大きく低減することができる

本発明の1つの実施形態におけるシリコ ン構造体の製造装置の構成を示す断面図であ る。 本発明の1つの実施形態におけるエッ ングストップ層を有するシリコン基板のエ チング工程におけるエッチングガスの圧力 時間変化を示すグラフである。 本発明の1つの実施形態におけるエッ ングストップ層を有するシリコン基板のエ チング工程における一単位処理時間を示す ラフである。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体の製造方法の一過程を示す断面図 ある。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体の製造方法の一過程を示す断面図 ある。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体の製造方法の一過程を示す断面図 ある。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体の製造方法の一過程を示す断面図 ある。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体のトレンチの側壁形状を示すSEM写 である。 本発明の1つの実施形態におけるシリ ン構造体のトレンチにおけるシリコン層と ッチングストップ層と界面付近の側壁形状 示すSEM写真である。 本発明の1つの実施形態におけるシリコ ン構造体の製造フローチャートである。 従来例としての側壁の異状形状が発生 しているシリコン構造体のトレンチの側壁形 状を示すSEM写真である。 従来例としての側壁の異状形状が発生 しているシリコン構造体のトレンチにおける シリコン層とエッチングストップ層と界面付 近の側壁形状を示すSEM写真である。

 本発明の実施形態を、添付する図面に基 いて詳細に述べる。尚、この説明に際し、 図にわたり、特に言及がない限り、共通す 部分には共通する参照符号が付されている また、図中、本実施形態の要素は必ずしも ケール通りに示されていない。また、各図 を見やすくするために、一部の符号が省略 れ得る。また、特に言及がない限り、以下 各種ガスの流量は、標準状態の流量を示す

 図1は、本実施形態のシリコン構造体の製 造装置100(以下、単に製造装置100ともいう)の 置構成の一例を示す断面図である。また、 2Aは、本実施形態におけるエッチングスト プ層であるシリコン酸化膜層を有するシリ ン基板W(以下、単にシリコン基板Wともいう) エッチング工程におけるエッチングガスの 力の時間変化を示すグラフである。また、 2Bは、前述のエッチング工程における一単 処理時間の時間変化を示すグラフである。 た、図3A乃至図3Dは、本実施形態におけるシ コン構造体10の製造方法の一過程を示す断 図である。

 まず、図1に示すシリコン構造体の製造装 置100の構成について説明する。エッチング対 象となるエッチングストップ層18を有するシ コン基板Wは、チャンバー20の下部側に設け れたステージ21に載置される。チャンバー20 には、エッチングガス、有機堆積物形成ガス (以下、保護膜形成ガスともいう)から選ばれ 少なくとも一種類のガスが、各ボンベ22a,22b からそれぞれガス流量調整器23a,23bを通して 給される。これらのガスは、第1高周波電源2 5により高周波電力を印加されたコイル24によ りプラズマ化される。その後、第2高周波電 26を用いてステージ21に高周波電力が印加さ ることにより、これらの生成されたプラズ はシリコン基板Wに引き込まれる。ここで、 本実施形態では、ステージ21に対してパルス 、換言すれば、印加のオン状態とオフ状態 所定間隔で繰り返し現れる状況で電力が印 される。その後、このチャンバー20内を減 し、かつプロセス後に生成されるガスを排 するため、チャンバー20には真空ポンプ27が 気流量調整器28を介して接続されている。 、このチャンバー20からの排気流量は排気流 量調整器28により変更される。上述のガス流 調整器23a,23b、第1高周波電源25、パルス状の 印加が可能な第2高周波電源26、及び排気流量 調整器28は、制御部29により制御される。

 次に、本実施形態のシリコン構造体10の 造工程について説明する。なお、本実施形 のシリコン構造体10は、約100μm及び約10μmの であって、それらの深さが約100μmのトレン がエッチングストップ層までエッチングさ た構造を備えている。

 まず、シリコンの異方性ドライエッチング ついて、本実施形態は、保護膜形成ガスが 入される保護膜形成工程とエッチングガス 導入されるエッチング工程とを順次繰り返 方法を採用する。尚、本実施形態の保護膜 成ガスはC 4 F 8 であり、エッチングガスはSF 6 である。

 本実施形態では、エッチング速度が異な 3つのエッチング条件が採用される。まず、 高速エッチング条件では、保護膜形成工程に おいて、一単位処理時間である2秒間に、保 膜形成ガスが200mL/min.で供給され、チャンバ 20内の圧力は5Paに制御される。コイル24には 、13.56MHzの高周波電力が1800W印加されるが、 テージ21には電力が印加されない。一方、つ づくエッチング工程では、エッチングガスが 400mL/min.で供給される。また、図2Aの(a)の時間 帯に示すように、エッチング開始から20分間 、チャンバー20内の圧力は8Paに制御される また、図2Bの(a)の時間帯に示すように、エッ チング開始から20分間は、一単位処理時間は8 秒に固定される。このとき、コイル24には、1 3.56MHzの高周波電力が2200W印加される。また、 ステージ21には、380kHzの高周波電力が45W印加 れる。また、本実施形態の高速エッチング 件によるエッチング速度は、トレンチ幅が 100μmの場所(最もエッチング速度の早い場所 )で約10μm/min.(マイクロメートル/分)トレンチ が約10μmの場所で約6μm/min.である。

 図3Aは、高速エッチング条件によってエッ ングされているシリコン構造体10の断面図で ある。本実施形態では、エッチングマスクの 開口幅が異なる2つの場所が設けられている そのため、上述のマイクロローティング現 により、開口幅の広い場所のトレンチの深 (D 1 )が他方の深さ(D 2 )に比べて深くなっている。ここで、高速エ チング条件によって形成されたトレンチの ち、最もエッチング速度が速い場所が、エ チング対象となるシリコン層の厚み(D 3 )に対して85%以下の深さまでエッチングされ 。

 次に、エッチングプロセスが開始してから2 0分後、遷移エッチング条件が開始する。遷 エッチング条件では、保護膜形成工程にお て、一単位処理時間である
2秒間に、保護膜形成ガスが200mL/min.で供給さ 、チャンバー20内の圧力は5Paに制御される コイル24には、13.56MHzの高周波電力が1800W印 されるが、ステージ21には電力が印加されな い。一方、エッチング工程では、図2Aの(b)の 間帯に示すように、高速エッチング条件終 から5分間は、チャンバー20内の圧力が徐々 減少するように制御部29の指令を受けた排 流量調整器28により制御され、最終的に3Paに 到達する。また、図2Bの(b)の時間帯に示すよ に、高速エッチング条件終了から5分間は、 一単位処理時間が8秒から4秒に徐々に減少す ように制御部29によって制御される。また エッチングガスが400mL/min.で供給される。こ とき、コイル24には、13.56MHzの高周波電力が 2200W印加される。また、ステージ21には、380kH zの高周波電力が45W印加される。また、本実 形態の遷移エッチング条件によるエッチン 速度は、トレンチ幅が約100μmの場所では約10 μm/min.から約5.5μm/min.へ徐々に減速され、ト ンチ幅が約10μmの場所では約6μm/min.から約3μ m/min.へ徐々に減速される。なお、遷移エッチ ング時間は低速エッチング条件の一単位処理 時間の5サイクル以上が好ましい。この時間 下であるとエッチング側壁が異常となる。

 図3Bは、高速及び遷移エッチング条件によ てエッチングされているシリコン構造体10の 断面図である。高速エッチング条件によるト レンチの領域(a)に続いて、遷移エッチング条 件によるトレンチの領域(b)が形成される。本 実施形態では、高速エッチング条件及び遷移 エッチング条件によって形成されたトレンチ のうち、最もエッチング速度が速い場所が、 エッチング対象となるシリコン層の厚み(D 3 )に対して95%以下の深さまでエッチングされ 。

 エッチングプロセスが開始してから25分 、低速エッチング条件が開始する。低速エ チング条件では、保護膜形成工程において 一単位処理時間である2秒間に、保護膜形成 スが200mL/min.で供給され、チャンバー20内の 力は、5Paに制御される。コイル24には、13.56 MHzの高周波電力が1800W印加されるが、ステー 21には電力が印加されない。一方、エッチ グ工程では、エッチングガスが400mL/min.で供 される。また、図2Aの(c)の時間帯に示すよ に、遷移エッチング条件終了から15分間は、 チャンバー20内の圧力は3Paに制御される。ま 、図2Bの(c)の時間帯に示すように、遷移エ チング条件終了から15分間は、一単位処理時 間は4秒に固定される。このとき、コイル24に は、13.56MHzの高周波電力が2200W印加される。 た、ステージ21には、380kHzの高周波電力が45W 印加される。また、本実施形態の低速エッチ ング条件によるエッチング速度は、トレンチ 幅が約100μmの場所で約5.5μm/min.である。また トレンチ幅が約10μmの場所は、トレンチ幅 約100μmの場所がエッチングストップ層18に達 するまでは約3μm/min.であり、その後は約5μm/m in.である。

 図3C及び図3Dは、高速乃至低速エッチング 条件によってエッチングされているシリコン 構造体10の断面図である。遷移エッチング条 によるトレンチの領域(b)に続いて、低速エ チング条件によるトレンチの領域(c)が形成 れる。ここで、低速エッチング条件は、最 エッチング速度が遅い場所のトレンチの底 がエッチングストップ層18に到達するまで ッチングされる。本実施形態では、最もエ チング速度が遅い場所のトレンチの底部が ッチングストップ層18に到達した後、約3分 のオーバーエッチングが行われたが、ノッ は発生しなかった(図3D)。なお、本実施形態 ように、低速エッチング条件において、略 定のエッチングガス圧力が維持されると、 ッチング中のプラズマ状態が安定化される め、公知のエッチング終点検出装置によっ エッチング時間の管理が非常に容易となる め好ましい。

 図4A及び図4Bは、本実施形態のドライエッ チングによって形成されたシリコン構造体10 一部の断面SEM写真である。具体的には、図4 Aは、シリコン構造体10のトレンチの側壁形状 を示すSEM写真であり、図4Bは、シリコン構造 10のトレンチにおけるシリコン層とエッチ グストップ層と界面付近の側壁形状を示すSE M写真である。これらの写真が示すとおり、 実施形態のエッチング処理により、非常に 好な側壁形状と、ノッチが無いシリコンと ッチングストップ層との界面付近の形状が られることが確認された。

 ところで、上述の製造装置100に備えられ いる制御部29は、コンピュータ60に接続され ている。コンピュータ60は、上述の各プロセ を実行するためのシリコン構造体10の製造 ログラムにより、上述の各プロセスを監視 、又は統合的に制御する。以下に、具体的 製造フローチャートを示しながら、シリコ 構造体10の製造プログラムを説明する。尚、 本実施形態では、上述の製造プログラムがコ ンピュータ60内のハードディスクドライブ、 はコンピュータ60に設けられた光ディスク ライブ等に挿入される光ディスク等の公知 記録媒体に保存されているが、この製造プ グラムの保存先はこれに限定されない。例 ば、この製造プログラムの一部又は全部は 本実施形態における各プロセスチャンバー 備えられている制御部29内に保存されていて もよい。また、この製造プログラムは、ロー カルエリアネットワークやインターネット回 線等の公知の技術を介して上述の各プロセス を監視し、又は制御することもできる。

 図5は、本実施形態のシリコン構造体10の 造フローチャートである。

 図5に示すとおり、本実施形態のシリコン 構造体10の製造プログラムが実行されると、 ず、ステップS101において、シリコン基板W チャンバー20内に搬送された後、チャンバー 20内のガスが排気される。その後、ステップS 102~ステップS105において、チャンバー20内で リコン基板Wが既述の条件により異方性ドラ エッチングされる。

 具体的には、まず、ステップS102において 、本実施形態のエッチングが開始される。エ ッチング開始から所定時間(例えば、本実施 態ではエッチング開始から20分)が経過する では、本実施形態のプログラムは、ステッ S103に示すように、エッチング工程における ッチングガスの圧力とその工程中の一単位 理時間が維持されるように制御する。この 階は、上述の高速エッチング条件による処 に該当する。

 その後、本実施形態のプログラムは、ス ップS104に示すように、エッチング工程にお けるエッチングガスの圧力とその工程中の一 単位処理時間が徐々に減少するように制御す る。この段階が、上述の遷移エッチング条件 による処理に該当する。

 さらにその後、本実施形態のプログラム 、ステップS105に示すように、エッチング工 程におけるエッチングガスの圧力とその工程 中の一単位処理時間が維持されるように制御 する。この段階は、上述の低速エッチング条 件による処理に該当する。その後、本実施形 態のプログラムにより、異方性エッチング処 理が停止され(S106)、本実施形態のプログラム が終了する。なお、図5では、特にエッチン 工程における2つのパラメータの推移につい 言及されているが、その他の条件、例えば 保護膜形成工程の各条件等についてもこの 造プログラムにおいて統合的に制御される 上述のとおり、シリコン構造体10の製造プ グラムが実行される結果、高い垂直性とと に良好な側壁形状が達成される。

 ところで、上述の実施形態では、エッチ グ速度を落とす手段、換言すれば、エッチ グ能力を弱める手段として、エッチング工 におけるエッチングガスの圧力及び一単位 理時間を変化させたが、これに限定されな 。例えば、パルス状の電力印加の際に、オ 状態とオフ状態の比率を変化させることに っても、エッチング速度を落とすことがで るため、実質的に本発明の効果を奏するこ ができる。

 また、上述の実施形態では、シリコンをエ チングする手段として、エッチングガスと 護膜形成ガスが交互にプラズマ化される技 を用いられているが、エッチング手段はこ に限定されない。例えば、特開2004-296474に 載されているようなエッチングガスと保護 形成ガスの混合ガスをプラズマ化する方法 シリコンの異方性ドライエッチングとして 用できる。この方法は、上記各々のガスを に交互にプラズマ化させてエッチングする 法に比べてエッチングレートが遅くなるが 側壁面の凹凸がより小さくなって滑らかに る点では有効である。また、上述の保護膜 成ガスであるC 4 F 8 の代わりにC 5 F 8 やC 4 F 6 が用いられても良く、上述のエッチングガス であるSF 6 の代わりにNF 3 やF 2 が用いられても良い。また、上記のエッチン グガス及び保護膜形成ガスは、それぞれが単 一ガスである必要はない。例えば、エッチン グガスはSF 6 等の他に酸素ガスやアルゴンガスを含んでい ても良く、保護膜形成ガスは、C 4 F 8 等の他に酸素ガスを含んでいても良い。

 ところで、上述の実施形態では、エッチ グされる対象がトレンチであったが、これ 限定されない。その対象がホールであって 、本発明と実質的に同様の効果が奏される

 さらに、上述の実施形態では、開口幅が2 種類(100μmと10μm)であったが、これに限定さ ない。仮に、開口幅が3種類以上であっても 発明を適用することができる。例えば、互 に異なる3種類の開口幅を持つトレンチ群が エッチング対象であった場合、エッチングス トップ層に到達するまでに要する時間、換言 すれば、エッチング速度がそれぞれ異なるた め、遷移エッチング条件を複数回採用するこ とにより、本発明の効果と同様の効果が奏さ れる。より具体的には、高速エッチング条件 を用いたエッチングする工程の後に、比較的 エッチング速度の速い遷移エッチング条件( 下、「第1遷移エッチング条件」という。)を 用いてエッチングする工程を行う。その後、 第1遷移エッチング条件のうち最もエッチン 速度の遅い条件のエッチング速度を持つエ チング条件(本段落では、便宜上、「中速エ チング条件」という。)を用いてエッチング する工程を行う。さらに、徐々にエッチング 速度を低下させる遷移エッチング条件(以下 「第2遷移エッチング条件」という。)を用い てエッチングする工程を経て、第2遷移エッ ング条件のうち最もエッチング速度の遅い 件のエッチング速度を持つ「低速エッチン 条件」を用いてエッチングする工程を行う その結果、互いに異なる3種類の開口幅のト ンチ群に対しても本発明の効果と同様の効 が奏される。なお、複数の遷移エッチング 件を採用することは、複数種の開口幅を持 トレンチ群と、一般的にトレンチと比較し エッチング速度が低い複数種の開口幅を持 ホール群とが混在する場合にも適用できる

 また、上述の実施形態では、SOI基板が採 されているが、シリコン酸化膜以外のエッ ングストップ層を有するシリコン基板に対 ても本発明は適用できる。

 さらに、プラズマ生成手段としてこれま の実施形態ではICP(Inductively Coupled Plasma)を いたが、本発明はこれに限定されない。他 高密度プラズマ、例えば、CCP(Capacitive-Coupled  Plasma)やECR(Electron-Cyclotron Resonance Plasma)を用 いても本発明の効果を得ることができる。以 上、述べたとおり、本発明の範囲内に存在す る変形例もまた、特許請求の範囲に含まれる ものである。