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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING PIEZOELECTRIC VIBRATOR, PIEZOELECTRIC VIBRATOR, OSCILLATOR, ELECTRONIC APPARATUS AND RADIO-CONTROLLED CLOCK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104329
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for manufacturing a piezoelectric vibrator comprises an overlapping step for overlapping a lid substrate (40) on a base substrate (50) such that a piezoelectric vibrating-reed (4) is contained in a cavity (C) after the piezoelectric vibrating-reed is bonded to the upper surface of the base substrate when the base substrate on which through electrodes (32, 33) are formed is anodically bonded to the lid substrate having a lower surface entirely coated with a bonding film (3b); a setting step for mounting a dummy material (R) composed of such a material as the internal ions can migrate at the bonding temperature on an electrode plate (J) and mounting both substrates on the dummy material by having the base substrate on the dummy material side; and an application step for applying a bonding voltage between the electrode plate and the bonding film after heating the electrode plate and the bonding film up to the bonding temperature.

Inventors:
ARATAKE KIYOSHI (JP)
KAWADA YASUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072622
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
December 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
KAWADA YASUO (JP)
International Classes:
H03H3/02; H01L23/02; H03B5/32; H03H9/02
Foreign References:
JPH06283951A1994-10-07
JPH06163943A1994-06-10
JP2007173915A2007-07-05
JP2002319839A2002-10-31
Attorney, Agent or Firm:
MATSUSHITA, YOSHIHARU (JP)
Matsushita Yoshiharu (JP)
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Claims:
 ガラス材料からなるベース基板と、下面全体に接合膜が被膜され、間にキャビティが形成されるように接合膜を介してベース基板に陽極接合されたガラス材料からなるリッド基板と、キャビティ内に収容された状態でベース基板の上面に接合された圧電振動片と、ベース基板の下面に形成された外部電極と、ベース基板を貫通するように形成され、圧電振動片と外部電極とを電気的に接続する貫通電極と、を備える圧電振動子を製造する方法であって、
 前記ベース基板と前記リッド基板とを陽極接合する際に、
 前記貫通電極が形成された前記ベース基板の上面に前記圧電振動片を接合した後、該圧電振動片が前記キャビティ内に収容されるように前記リッド基板をベース基板に重ねる重ね合わせ工程と、
 接合温度で内部のイオンが移動可能な材料からなるダミー材を電極板上に載置すると共に、前記ベース基板をダミー材側にした状態で重ね合わせた前記両基板をダミー材上に載置するセット工程と、
 前記接合温度まで加熱した後、前記電極板と前記接合膜との間に接合電圧を印加する印加工程と、を行うことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記ダミー材として、前記ベース基板と熱膨張係数が略等しいものを用いることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項1又は2に記載の圧電振動子の製造方法で製造されたことを特徴とする圧電振動子。
 請求項3に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
 請求項3に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
 請求項3に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
Description:
圧電振動子の製造方法、圧電振 子、発振器、電子機器及び電波時計

 本発明は、接合された2枚の基板の間に形 成されたキャビティ内に圧電振動片が封止さ れた表面実装型(SMD)の圧電振動子の製造方法 該製造方法によって製造される圧電振動子 該圧電振動子を有する発振器、電子機器及 電波時計に関するものである。

 近年、携帯電話や携帯情報端末機器には 時刻源や制御信号等のタイミング源、リフ レンス信号源等として水晶等を利用した圧 振動子が用いられている。この種の圧電振 子は、様々なものが知られているが、その1 つとして、表面実装型の圧電振動子が知られ ている。この種の圧電振動子としては、一般 的に圧電振動片が形成された圧電基板を、ベ ース基板とリッド基板とで上下から挟み込む ように接合した3層構造タイプのものが知ら ている。この場合、圧電振動片は、ベース 板とリッド基板との間に形成されたキャビ ィ(密閉室)内に収容されている。

 また、近年では、上述した3層構造タイプ のものではなく、2層構造タイプのものも開 されている。このタイプの圧電振動子は、 ース基板とリッド基板とが直接接合される とで2層構造になっており、両基板の間に形 されたキャビティ内に圧電振動片が収容さ ている。この2層構造タイプの圧電振動子は 、3層構造のものに比べて薄型化を図ること できる等の点において優れており、好適に 用されている。

 ところで、この2層構造タイプの圧電振動 子を製造する際、リッド基板の下面(接合面) 形成された接合膜を利用して、ベース基板 リッド基板とを陽極接合している。具体的 は、両基板を重ね合わせた後、陽極接合装 の電極板上にセットする。続いて、ベース 板を加熱しながら接合膜と電極板との間に 圧を印加する。この際、ベース基板を加熱 ることで、ベース基板内のイオンが流動性 有する。よって、これに併せて接合膜と電 板との間に電圧を印加すると、ベース基板 に電流が流れる。これにより、接合膜とベ ス基板との界面に電気化学的な反応が生じ せることができ、両者をそれぞれ強固に密 して陽極接合することができる。

 ところで、このタイプの圧電振動子として 接合膜が接合面だけでなく、リッド基板の 面全体に形成されているものが知られてい (例えば、特許文献1)。この圧電振動子の一 を、図面を参照して簡単に説明する。図18 び図19示すように、圧電振動子200は、互いに 接合されたベース基板201及びリッド基板202と 、両基板201、202の間に形成されたキャビティ C内に封止された圧電振動片203と、を備えて る。圧電振動片203は、例えば音叉型の振動 であって、キャビティC内においてベース基 201の上面にマウントされている。
 ベース基板201及びリッド基板202は、例えば ラス基板である。両基板201、202のうちベー 基板201には、該基板201を貫通するスルーホ ル204が形成されている。そして、このスル ホール204内には、該スルーホール204を塞ぐ うに導電部材が埋め込まれて貫通電極205を 成している。この貫通電極205は、ベース基 201の下面に形成された外部電極206に電気的 接続されていると共に、キャビティC内にマ ウントされている圧電振動片203に電気的に接 続されている。また、リッド基板202の下面全 体には、接合膜207が形成されており、この接 合膜207を利用して、両基板201、202が陽極接合 されている。

特開平6-283951号公報

 ところが、リッド基板202の下面全体に接 膜207が形成されている圧電振動子200を製造 る場合には、陽極接合時に以下の課題がま 残されていた。具体的に説明すると、まず 極接合時には、図20に示すように、重ね合 せたベース基板201及びリッド基板202を電極 208上にセットした後、全体を接合温度(例え 、100~200℃)に加熱しながら、接合膜207と電 板208との間に接合電圧(例えば、0.5~5.0kV)を印 加する必要がある。

 このとき、ベース基板201に形成された貫 電極205は、電極板208に直接接触しているの 、接合膜207と電極板208との間に接合電圧を 加すると、接合膜207と貫通電極205との間に 同程度の電圧が作用してしまう場合があっ 。特にこの貫通電極205は、接合膜207に近接 ている圧電振動片203と電気的に接続されて る。そのため、接合膜207から、圧電振動片2 03を介して貫通電極205に放電現象(火花放電) 発生してしまう恐れがあった。

 その結果、放電を受けた貫通電極205が溶融 てしまうという問題があった。このため、 電振動片203と外部電極206との導電性が不確 になる可能性があった。加えて、貫通電極2 05が溶融するとスルーホール204を封止するこ ができないので、キャビティC内の気密性を 確保することができない可能性もあった。
 更に、放電現象が発生した場合、接合膜207 電流が十分に流れないので、ベース基板201 リッド基板202との陽極接合に影響を与えて まうという問題があった。このため、両基 を確実に封止できず、やはりキャビティC内 の気密を確保しにくかった。

 本発明は、このような事情に考慮してな れたもので、その目的は、リッド基板の下 全体に接合膜を形成した上で陽極接合を行 、キャビティ内の気密を確保すると共に、 電振動片と外部電極との安定した導電性を 保した高品質な2層構造タイプの表面実装型 の圧電振動子を製造する製造方法を提供する ことである。また、該製造方法によって製造 された圧電振動子、該圧電振動子を有する発 振器、電子機器、電波時計を提供することで ある。

 本発明は、前記課題を解決するために以下 手段を提供する。
 本発明に係る圧電振動子の製造方法は、ガ ス材料からなるベース基板と、下面全体に 合膜が被膜され、間にキャビティが形成さ るように接合膜を介してベース基板に陽極 合されたガラス材料からなるリッド基板と キャビティ内に収容された状態でベース基 の上面に接合された圧電振動片と、ベース 板の下面に形成された外部電極と、ベース 板を貫通するように形成され、圧電振動片 外部電極とを電気的に接続する貫通電極と を備える圧電振動子を製造する方法であっ 、前記ベース基板と前記リッド基板とを陽 接合する際に、前記貫通電極が形成された 記ベース基板の上面に前記圧電振動片を接 した後、該圧電振動片が前記キャビティ内 収容されるように前記リッド基板をベース 板に重ねる重ね合わせ工程と、接合温度で 部のイオンが移動可能な材料からなるダミ 材を電極板上に載置すると共に、前記ベー 基板をダミー材側にした状態で重ね合わせ 前記両基板をダミー材上に載置するセット 程と、前記接合温度まで加熱した後、前記 極板と前記接合膜との間に接合電圧を印加 る印加工程と、を行うことを特徴とするも である。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に いては、ベース基板とリッド基板とを陽極 合する際に、まず貫通電極が形成されたベ ス基板の上面に圧電振動片を接合した後、 ッド基板をベース基板に重ねる重ね合わせ 程を行う。この際、圧電振動片がキャビテ 内に収容されるように両基板を重ね合わせ 。続いて、ダミー材を電極板上に載置する 共に、ベース基板をダミー材側にした状態 重ね合わせた両基板をダミー材上に載置す セット工程を行う。続いて、接合温度まで 熱した後、電極板と接合膜との間に接合電 を印加する印加工程を行う。これにより、 ース基板とリッド基板とが互いに陽極接合 れた2層構造タイプの表面実装型の圧電振動 子を製造することができる。

 特に、ダミー材として、接合温度で内部 イオンが移動可能な材料からなるものを用 る。従って、加熱工程及び印加工程によっ 、接合温度まで加熱すると共に、電極板と 合膜との間に駆動電圧を印加することで、 極板と接合膜とに挟み込まれているベース 板及びダミー材には、局所的にイオン(荷電 粒子)の移動が生じ電流が流れる。これに対 て、貫通電極には接合膜が接触しておらず 貫通電極が電極板と接合膜との間に挟まれ いないので、接合膜と電極板との間に電圧 印加された場合であっても、イオン移動が じることはない。しかも、貫通電極と電極 との間にダミー材が挟まれているので、電 板から貫通電極に対して直接的に電流が流 ることがない。つまり、印加工程の際、接 膜と電極板との間に接合電圧を印加しても 貫通電極に電流が流れることがなく、接合 との間には接合電圧ほど大きな電位差は生 得ない。このため、接合膜と貫通電極との で従来、頻発していた放電現象(火花放電)の 発生を抑制することができる。

 これにより、放電現象による貫通電極の溶 を防止することができる。このため、圧電 動片と外部電極との安定した導電性を確保 きると共に、キャビティ内の気密を確保で る。よって、圧電振動子の高品質化を図る とができる。
 加えて、放電現象を抑制することで、接合 及びベース基板内に流れる電流を十分確保 ることができる。従って、陽極接合によっ 両者をそれぞれ強固に密着させることがで 、両基板の接合面においても気密性を確保 ることができる。
 また、単にベース基板と電極板との間にダ ー材を挟むだけの簡単な方法であるので、 来の設備を利用することができる。そのた 、低コストで実施することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記ダミー材として、前記ベース基板 熱膨張係数が略等しいものを用いることを 徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に いては、ダミー材として、ベース基板と熱 張係数が略等しいものを用いる。よって、 加工程時に加熱した際、ベース基板とダミ 材とが同じように熱膨張する。従って、一 だけが過度に膨張してしまい、ベース基板 一部がダミー材から浮いた状態になる等の れがない。つまり、ベース基板とダミー材 を密着させた状態で印加工程を実施するこ ができる。これにより、より確実にベース 板とリッド基板との陽極接合を実施するこ ができ、圧電振動子の更なる高品質化を図 ことができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子の製造方法で製造された とを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子においては、 述した製造方法で製造されているので、キ ビティ内の気密を確実に維持することがで ると共に、圧電振動片と外部電極との安定 た導電性を確保した高品質な圧電振動子と ることができる。

 また、本発明に係る発振器は、上記本発明 圧電振動子が、発振子として集積回路に電 的に接続されていることを特徴とするもの ある。
 また、本発明に係る電子機器は、上記本発 の圧電振動子が、計時部に電気的に接続さ ていることを特徴とするものである。
 また、本発明に係る電波時計は、上記本発 の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接 されていることを特徴とするものである。

 この発明に係る発振器、電子機器及び電 時計においては、高品質化された圧電振動 を備えているので、同様に高品質化を図る とができる。

 本発明に係る圧電振動子の製造方法によれ 、キャビティ内の気密を確実に維持できる 共に、圧電振動片と外部電極との安定した 電性を確保した高品質な2層構造タイプの表 面実装型の圧電振動子を製造することができ る。
 本発明に係る圧電振動子によれば、上述し 方法で製造されているので、高品質化の図 れた圧電振動子とすることができる。
 また、本発明に係る発振器、電子機器及び 波時計によれば、上述した圧電振動子を備 ているので、同様に高品質化を図ることが きる。

本発明に係る圧電振動子の一実施形態 示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であ って、リッド基板を取り外した状態で圧電振 動片を上方から見た図である。 図2に示すA-A線に沿った圧電振動子の断 面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図であ る。 図1に示す圧電振動子を構成する圧電振 動片の上面図である。 図5に示す圧電振動片の下面図である。 図5に示す断面矢視B-B図である。 図1に示す圧電振動子を製造する際の流 れを示すフローチャートである。 図8に示すフローチャートに沿って圧電 振動子を製造する際の一工程を示す図であっ て、リッド基板の元となるリッド基板用ウエ ハに複数の凹部及び接合膜を形成した状態を 示す図である。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、ベース基板の元となるベース基板用ウ ハに凹部、貫通電極及び引き回し電極を形 した状態を示す図である。 図10に示す状態のベース基板用ウエハ 全体図である。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、重ね合わせたベース基板用ウエハ及び ッド基板用ウエハを陽極接合している状態 、図2に示すA-A線に沿った断面を示す図であ 。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、圧電振動片をキャビティ内に収容した 態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウ ハとが陽極接合されたウエハ体の分解斜視 である。 図12に示す状態のベース基板及びダミ 材内でのイオン移動の様子を説明するため 図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示 す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を 示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を 示す構成図である。 従来の圧電振動子の内部構造図であっ て、リッド基板を取り外した状態で圧電振動 片を上方から見た図である。 図18に示す圧電振動子の断面図である 図18に示す圧電振動子を製造する際の 工程を示す図であって、重ね合わせたベー 基板及びリッド基板を電極板上にセットし 接合膜と電極板とに所定の電圧を印加して る様子を示す図である。

符号の説明

 1…圧電振動子
 2…ベース基板
 3…リッド基板
 3b…接合膜
 4…圧電振動片
 32、33…貫通電極
 40…ベース基板用ウエハ(ベース基板)
 50…リッド基板用ウエハ(リッド基板)
 100…発振器
 101…発振器の集積回路
 110…携帯情報機器(電子機器)
 113…電子機器の計時部
 130…電波時計
 131…電波時計のフィルタ部
 C…キャビティ
 R…ダミー材
 J…金属治具(電極板)

 以下、本発明に係る一実施形態を、図1から 図14を参照して説明する。
 本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に すように、ベース基板2とリッド基板3とで2 に積層された箱状に形成されており、内部 キャビティC内に圧電振動片4が収容された 面実装型の圧電振動子1である。
 なお、図4においては、図面を見易くするた めに後述する励振電極15、引き出し電極19、20 、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示 を省略している。

 圧電振動片4は、図5から図7に示すように、 晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウ 等の圧電材料から形成された音叉型の振動 であり、所定の電圧が印加されたときに振 するものである。
 この圧電振動片4は、平行に配置された一対 の振動腕部10、11と、該一対の振動腕部10、11 基端側を一体的に固定する基部12と、一対 振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対 振動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13 と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、 1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的 接続されたマウント電極16、17とを有してい る。
 また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の 振動腕部10、11の両主面上に、該振動腕部10、 11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝 18を備えている。この溝部18は、振動腕部10 11の基端側から略中間付近まで形成されて る。

 第1の励振電極13と第2の励振電極14とから る励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互 に接近又は離間する方向に所定の共振周波 で振動させる電極であり、一対の振動腕部1 0、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離さ れた状態でパターニングされて形成されてい る。具体的には、図7に示すように、第1の励 電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他 の振動腕部11の両側面上とに主に形成され 第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側 面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に 成されている。

 また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14 、図5及び図6に示すように、基部12の両主面 上において、それぞれ引き出し電極19、20を してマウント電極16、17に電気的に接続され いる。そして圧電振動片4は、このマウント 電極16、17を介して電圧が印加されるように っている。
 なお、上述した励振電極15、マウント電極16 、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロ ム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタ ン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成された のである。

 また、一対の振動腕部10、11の先端には、 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振 動するように調整(周波数調整)を行うための り金属膜21が被膜されている。なお、この り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使 用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使 用される微調膜21bとに分かれている。これら 粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整 を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波 をデバイスの公称周波数の範囲内に収める とができる。

 このように構成された圧電振動片4は、図 2から図4に示すように、ベース基板2の上面に 、図示しない導電性接着剤で接合されている 。より具体的には、ベース基板2の上面にパ ーニングされた引き回し電極36、37上に、一 のマウント電極16、17がそれぞれ接触した状 態で接合されている。これにより、圧電振動 片4は、マウント電極16、17と引き回し電極36 37とがそれぞれ電気的に接続された状態とな っている。

 上記リッド基板3は、ガラス材料、例えば ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板で あり、図1、図3及び図4に示すように、板状に 形成されている。そして、リッド基板3の下 側(ベース基板2が接合される接合面側)には 圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成 れている。この凹部3aは、両基板2、3が重ね わされたときに、後述するベース基板2の凹 部2aと共に、圧電振動片4を収容するキャビテ ィCを形成する。また、リッド基板3の下面側 は、導電性材料(例えば、アルミニウム)に り、陽極接合用の接合膜3bが全体にパターニ ングされている。そして、リッド基板3は、 の接合膜3bを利用して、凹部3aをベース基板2 側に対向させた状態で該ベース基板2に対し 陽極接合されている。

 上記ベース基板2は、リッド基板3と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図1から図4に示す ように、リッド基板3に対して重ね合わせ可 な大きさで板状に形成されている。このベ ス基板2の上面側(リッド基板3が接合される 合面側)には、図2から図4に示すように、キ ビティCを形成する凹部2aが設けられている より詳しく説明すると、凹部2aは、ベース基 板2上にマウントされた圧電振動片4の先端側 設けられている。よって、圧電振動片4の一 対の振動腕部10、11は、ベース基板2から浮い 状態になる。この凹部2aにより、圧電振動 4の一対の振動腕部10、11の振動に必要な振動 ギャップを確保することができる。

 また、このベース基板2には、該ベース基 板2を貫通する一対のスルーホール30、31が形 されている。この際、一対のスルーホール3 0、31は、キャビティC内に収まるように形成 れている。より詳しく説明すると、本実施 態のスルーホール30、31は、マウントされた 電振動片4の基部12側に一方のスルーホール3 0が位置し、振動腕部10、11の先端側に他方の ルーホール31が位置するように形成されて る。そして、これら一対のスルーホール30、 31には、該スルーホール30、31を埋めるように 一対の貫通電極32、33が形成されている。こ ら貫通電極32、33は、スルーホール30、31を完 全に塞いでキャビティC内の気密を維持して ると共に、引き回し電極36、37と外部電極38 39とを導通させる役割を担っている。

 一対の引き回し電極36、37は、一対の貫通電 極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動 片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続 すると共に、他方の貫通電極33と圧電振動片4 の他方のマウント電極17とを電気的に接続す ように、ベース基板2の上面に導電性材料( えば、アルミニウム)により、パターニング れている。より詳しく説明すると、一方の き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真 に位置するように一方の貫通電極32の真上に 形成されている。また、他方の引き回し電極 37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置 ら、振動腕部10、11に沿って該振動腕部10、11 の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電 極33の真上に位置するように形成されている
 そして、これら一対の引き回し電極36、37上 には、圧電振動片4がマウントされている。 れにより、圧電振動片4の一方のマウント電 16が、一方の引き回し電極36を介して一方の 貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17 、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通 電極33に導通するようになっている。

 また、ベース基板2の下面には、図1、図3 び図4に示すように、一対の貫通電極32、33 対してそれぞれ電気的に接続される外部電 38、39が形成されている。つまり、一方の外 電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き 回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振 極13に電気的に接続されている。また、他方 の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方 引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2 励振電極14に電気的に接続されている。ま 、図3に示すように、圧電振動片4の一対の振 動腕部10、11の先端側に形成された外部電極39 は、ベース基板2を下面から見た際、該振動 部10、11の先端と重ならないように形成され いる。

 このように構成された圧電振動子1を作動 させる場合には、ベース基板2に形成された 部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印 する。これにより、圧電振動片4の第1の励 電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極 15に電流を流すことができ、一対の振動腕部1 0、11を接近・離間させる方向に所定の周波数 で振動させることができる。そして、この一 対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻 、制御信号のタイミング源やリファレンス 号源等として利用することができる。

 次に、上述した圧電振動子1を、図8に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ(ベース基板)40とリッド基板用ウエ (リッド基板)50とを利用して一度に複数製造 する製造方法について以下に説明する。なお 、本実施形態では、ウエハ状の基板を利用し て圧電振動子1を一度に複数製造するが、こ に限られたものではなく、予めベース基板2 びリッド基板3の外形に寸法を合わせたもの を加工して、一度に一つのみ製造する等して も構わない。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図5 から図7に示す圧電振動片4を作製する(S10)。 体的には、まず水晶のランバート原石を所 の角度でスライスして一定の厚みのウエハ する。続いて、このウエハをラッピングし 粗加工した後、加工変質層をエッチングで り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加 を行って、所定の厚みのウエハとする。続 て、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した 、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によ て圧電振動片4の外形形状でパターニングす と共に、金属膜の成膜及びパターニングを って、励振電極15、引き出し電極19、20、マ ント電極16、17、重り金属膜21を形成する。 れにより、複数の圧電振動片4を作製するこ とができる。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板用 ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで 製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。ま 、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研磨 工して洗浄した後に、エッチング等により 表面の加工変質層を除去した円板状のリッ 基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで、図 9に示すように、リッド基板用ウエハ50の下面 に、エッチング等により行列方向にキャビテ ィC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を 行う(S22)。
 次いで、凹部3aが形成されたリッド基板用 エハ50の下面全体に、蒸着やスパッタリング 等の方法により導電性の接合膜3bを形成する 合膜形成工程を行う(S23)。この時点で、第1 ウエハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板2となるベース基板 用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のベ ス基板用ウエハ40を形成する(S31)。

 次いで、ベース基板用ウエハ40の上面に エッチング等により行列方向にキャビティC の凹部2aを複数形成する凹部形成工程を行 (S32)。この際、凹部2aを、圧電振動片4の振動 腕部10、11の先端側に位置するように形成す 。

 次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対 貫通電極32、33を複数形成する貫通電極形成 程を行う(S33)。具体的には、まず、一対の ルーホール30、31を、サンドブラスト法やプ ス加工等の方法で複数形成する。そして、 れら複数の一対のスルーホール30、31内に、 一対の貫通電極32、33を形成する。この一対 貫通電極32、33により、一対のスルーホール3 0、31を封止すると共に、ベース基板用ウエハ 40の上面側から下面側との電気導通性が確保 れる。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導 性材料をパターニングして、図10及び図11に すように、各一対の貫通電極32、33にそれぞ れ電気的に接続された引き回し電極36、37を 数形成する引き回し電極形成工程を行う(S34) 。なお、図10及び図11に示す点線Mは、後に行 切断工程で切断する切断線を図示している この時点で第2のウエハ作製工程が終了する 。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、そ れぞれ引き回し電極36、37を介してベース基 用ウエハ40の上面に接合するマウント工程を 行う(S40)。これにより、圧電振動片4は、マウ ント電極16、17と引き回し電極36、37とが電気 に接続された状態となる。よって、この時 で圧電振動片4の一対の励振電極15は、一対 貫通電極32、33に対してそれぞれ導通した状 態となる。

 マウント工程後、重ね合わせた2枚のウエ ハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ陽 接合する接合工程を行う(S50)。より具体的に は、まず、ベース基板用ウエハ40に対してリ ド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わ 工程を行う(S51)。具体的には、図示しない基 準マーク等を指標としながら、両ウエハ40、5 0を正しい位置にアライメントする。これに り、マウントされた圧電振動片4が、両ウエ 40、50で囲まれるキャビティC内に収容され 状態となる。

 続いて、図12に示すように、ダミー材Rを 属治具(電極板)J上に載置すると共に、ベー 基板用ウエハ40をダミー材R側にした状態で ね合わせた両ウエハ40、50をダミー材R上に 置するセット工程を行う(S52)。この際、ダミ ー材Rとして、接合温度で内部のイオンが移 可能な材料からなるものを用いる。具体的 は、例えばベース基板用ウエハ40と同一材料 であるガラス材料を用いる。また、金属治具 Jとしては、例えばステンレス鋼(SUS)等を用い る。なお、図12では、説明のために両ウエハ4 0、50全体でなく、圧電振動子1の一つに相当 る部分を示している。

 次いで、セットされたベース基板用ウエ 40及びダミー材Rを接合温度(例えば、200度か ら300度)まで加熱した後、金属治具Jと接合膜3 bとの間に接合電圧(例えば、0.5~5.0kV)を印加す る印加工程を行う(S53)。すると、接合膜3bと ース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な 反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して 陽極接合される。

 これにより、圧電振動片4をキャビティC に封止することができ、ベース基板用ウエ 40とリッド基板用ウエハ50とが接合した図13 示すウエハ体60を得ることができる。なお、 図13においては、図面を見易くするために、 エハ体60を分解した状態を図示しており、 ッド基板用ウエハ50に形成された接合膜3bの 示を省略している。また、図13に示す点線M 、後に行う切断工程で切断する切断線を図 している。

 そして、上述した陽極接合が終了した後 ベース基板用ウエハ40の下面に導電性材料 パターニングして、一対の貫通電極32、33に れぞれ電気的に接続された一対の外部電極3 8、39を複数形成する外部電極形成工程を行う (S60)。この工程により、外部電極38、39を利用 してキャビティC内に封止された圧電振動片4 作動させることができる。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動子1の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S70)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38、39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ せる。そして、周波数を計測しながらベース 基板用ウエハ40を通して外部からレーザ光を 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させ 。これにより、一対の振動腕部10、11の先端 の重量が変化するので、圧電振動片4の周波 数を、公称周波数の所定範囲内に収まるよう に微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を図13に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S80)。その結果、互い に陽極接合されたベース基板2とリッド基板3 の間に形成されたキャビティC内に圧電振動 片4が封止された、図1に示す2層構造タイプの 表面実装型の圧電振動子1を一度に複数製造 ることができる。
 なお、切断工程(S80)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S70)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S70)を先に行うことで、ウエハ体 60の状態で微調を行うことができるので、複 の圧電振動子1をより効率よく微調すること ができる。よって、スループットの向上化を 図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S90) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振 抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェ クする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチ ックする。そして、最後に圧電振動子1の外 検査を行って、寸法や品質等を最終的にチ ックする。これをもって圧電振動子1の製造 が終了する。

 特に、ダミー材Rとして、接合温度で内部 のイオンが移動可能なガラス材料からなるも のを用いる。従って、加熱工程及び印加工程 によって、接合温度まで加熱すると共に、金 属治具Jと接合膜3bとの間に駆動電圧を印加す ることで、金属治具Jと接合膜3bとに挟み込ま れているベース基板用ウエハ40及びダミー材R には、局所的にイオン(荷電粒子)の移動が生 電流が流れる。より具体的には、接合膜3b 陽極側、ダミー材Rが陰極側に接続されてい 場合、図14に示すように、ベース基板用ウ ハ40及びダミー材Rを形成するガラス材料内 ナトリウムイオンが接合膜3b側からダミー材 R側に移動すると共に、電子が反対方向に移 する。

 これに対して、貫通電極32、33には接合膜 3bが接触しておらず、貫通電極32、33が金属治 具Jと接合膜3bとの間に挟まれていないので、 接合膜3bと金属治具Jとの間に電圧が印加され た場合であっても、イオン移動が生じること はない。しかも、貫通電極32、33と金属治具J の間にダミー材Rが挟まれているので、金属 治具Jから貫通電極32、33に対して直接的に電 が流れることがない。つまり、印加工程の 、接合膜3bと金属治具Jとの間に接合電圧を 加しても、貫通電極32、33に電流が流れるこ とがなく、接合膜3bとの間には接合電圧ほど きな電位差は生じ得ない。このため、接合 3bと貫通電極32、33との間で従来、頻発して た放電現象(火花放電)の発生を抑制するこ ができる。

 これにより、放電現象による貫通電極32、33 の溶融を防止することができる。このため、 圧電振動片4と外部電極38、39との安定した導 性を確保できると共に、キャビティ内の気 を確保できる。よって、圧電振動子1の高品 質化を図ることができる。
 加えて、放電現象を抑制することで、接合 3b及びベース基板用ウエハ40内に流れる電流 を十分確保することができる。従って、陽極 接合によって両者をそれぞれ強固に密着させ ることができ、両ウエハ40、50の接合面にお ても気密性を確保することができる。
 また、単にベース基板用ウエハ40と金属治 Jとの間にダミー材Rを挟むだけの簡単な方法 であるので、従来の設備を利用することがで きる。そのため、低コストで実施することが できる。

 更に、本実施形態においては、ダミー材R として、ベース基板用ウエハ40と同一材料で るガラス材料を用いる。よって、印加工程 に加熱した際、ベース基板用ウエハ40とダ ー材Rとが同じように熱膨張する。従って、 方だけが過度に膨張してしまい、ベース基 用ウエハ40の一部がダミー材Rから浮いた状 になる等の恐れがない。つまり、ベース基 用ウエハ40とダミー材Rとを密着させた状態 印加工程を実施することができる。これに り、より確実にベース基板用ウエハ40とリ ド基板用ウエハ50との陽極接合を実施するこ とができ、圧電振動子1の更なる高品質化を ることができる。

 次に、本発明に係る発振器の一実施形態に いて、図15を参照しながら説明する。
 本実施形態の発振器100は、図15に示すよう 、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接 された発振子として構成したものである。 の発振器100は、コンデンサ等の電子部品102 実装された基板103を備えている。基板103に 、発振器用の上記集積回路101が実装されて り、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1 が実装されている。これら電子部品102、集積 回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線 ターンによってそれぞれ電気的に接続され いる。なお、各構成部品は、図示しない樹 によりモールドされている。

 このように構成された発振器100において、 電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動 子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は 圧電振動片4が有する圧電特性により電気信 号に変換されて、集積回路101に電気信号とし て入力される。入力された電気信号は、集積 回路101によって各種処理がなされ、周波数信 号として出力される。これにより、圧電振動 子1が発振子として機能する。
 また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リ アルタイムクロック)モジュール等を要求に じて選択的に設定することで、時計用単機 発振器等の他、当該機器や外部機器の動作 や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等 提供したりする機能を付加することができ 。

 上述したように、本実施形態の発振器100 よれば、キャビティC内の気密が確実で、圧 電振動片4と外部電極38、39との安定した導電 を確保した高品質な圧電振動子1を備えてい るので、発振器100自体も同様に高品質化を図 ることができる。さらにこれに加え、長期に わたって安定した高精度な周波数信号を得る ことができる。

 次に、本発明に係る電子機器の一実施形 について、図16を参照して説明する。なお 子機器として、上述した圧電振動子1を有す 携帯情報機器110を例にして説明する。始め 本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、 帯電話に代表されるものであり、従来技術 おける腕時計を発展、改良したものである 外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する 分に液晶ディスプレイを配し、この画面上 現在の時刻等を表示させることができるも である。また、通信機として利用する場合 は、手首から外し、バンドの内側部分に内 されたスピーカ及びマイクロフォンによっ 、従来技術の携帯電話と同様の通信を行う とが可能である。しかしながら、従来の携 電話と比較して、格段に小型化及び軽量化 れている。

 次に、本実施形態の携帯情報機器110の構 について説明する。この携帯情報機器110は 図16に示すように、圧電振動子1と、電力を 給するための電源部111とを備えている。電 部111は、例えば、リチウム二次電池からな ている。この電源部111には、各種制御を行 制御部112と、時刻等のカウントを行う計時 113と、外部との通信を行う通信部114と、各 情報を表示する表示部115と、それぞれの機 部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列 接続されている。そして、電源部111によっ 、各機能部に電力が供給されるようになっ いる。

 制御部112は、各機能部を制御して音声デ タの送信及び受信、現在時刻の計測や表示 、システム全体の動作制御を行う。また、 御部112は、予めプログラムが書き込まれたR OMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み して実行するCPUと、該CPUのワークエリアと て使用されるRAM等とを備えている。

 計時部113は、発振回路、レジスタ回路、 ウンタ回路及びインターフェース回路等を 蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えて いる。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電 動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電 性により電気信号に変換されて、発振回路 電気信号として入力される。発振回路の出 は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回 とにより計数される。そして、インターフ ース回路を介して、制御部112と信号の送受 が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日 或いはカレンダー情報等が表示される。

 通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能 有し、無線部117、音声処理部118、切替部119 増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力 122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124 備えている。
 無線部117は、音声データ等の各種データを アンテナ125を介して基地局と送受信のやり りを行う。音声処理部118は、無線部117又は 幅部120から入力された音声信号を符号化及 複号化する。増幅部120は、音声処理部118又 音声入出力部121から入力された信号を、所 のレベルまで増幅する。音声入出力部121は スピーカやマイクロフォン等からなり、着 音や受話音声を拡声したり、音声を集音し りする。

 また、着信音発生部123は、基地局からの呼 出しに応じて着信音を生成する。切替部119 、着信時に限って、音声処理部118に接続さ ている増幅部120を着信音発生部123に切り替 ることによって、着信音発生部123において 成された着信音が増幅部120を介して音声入 力部121に出力される。
 なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼 御に係るプログラムを格納する。また、電 番号入力部122は、例えば、0から9の番号キ 及びその他のキーを備えており、これら番 キー等を押下することにより、通話先の電 番号等が入力される。

 電圧検出部116は、電源部111によって制御 112等の各機能部に対して加えられている電 が、所定の値を下回った場合に、その電圧 下を検出して制御部112に通知する。このと の所定の電圧値は、通信部114を安定して動 させるために必要な最低限の電圧として予 設定されている値であり、例えば、3V程度 なる。電圧検出部116から電圧降下の通知を けた制御部112は、無線部117、音声処理部118 切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止 る。特に、消費電力の大きな無線部117の動 停止は、必須となる。更に、表示部115に、 信部114が電池残量の不足により使用不能に った旨が表示される。

 即ち、電圧検出部116と制御部112とによって 通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部1 15に表示することができる。この表示は、文 メッセージであっても良いが、より直感的 表示として、表示部115の表示面の上部に表 された電話アイコンに、×(バツ)印を付ける ようにしても良い。
 なお、通信部114の機能に係る部分の電源を 選択的に遮断することができる電源遮断部1 26を備えることで、通信部114の機能をより確 に停止することができる。

 上述したように、本実施形態の携帯情報 器110によれば、キャビティC内の気密が確実 で、圧電振動片4と外部電極38、39との安定し 導電性を確保した高品質な圧電振動子1を備 えているので、携帯情報機器自体も同様に高 品質化を図ることができる。さらにこれに加 え、長期にわたって安定した高精度な時計情 報を表示することができる。

 次に、本発明に係る電波時計の一実施形態 ついて、図17を参照して説明する。
 本実施形態の電波時計130は、図17に示すよ に、フィルタ部131に電気的に接続された圧 振動子1を備えたものであり、時計情報を含 標準の電波を受信して、正確な時刻に自動 正して表示する機能を備えた時計である。
 日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz) に、標準の電波を送信する送信所(送信局)が あり、それぞれ標準電波を送信している。40k Hz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播 る性質と、電離層と地表とを反射しながら 播する性質とを併せもつため、伝播範囲が く、上述した2つの送信所で日本国内を全て 羅している。

 以下、電波時計130の機能的構成について詳 に説明する。
 アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標 準電波を受信する。長波の標準電波は、タイ ムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しく 60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。 受信された長波の標準電波は、アンプ133によ って増幅され、複数の圧電振動子1を有する ィルタ部131によって濾波、同調される。
 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬 送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数 有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備え いる。

 更に、濾波された所定周波数の信号は、検 、整流回路134により検波復調される。続い 、波形整形回路135を介してタイムコードが り出され、CPU136でカウントされる。CPU136で 、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報 読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反 され、正確な時刻情報が表示される。
 搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水 晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造 を持つ振動子が好適である。

 なお、上述の説明は、日本国内の例で示 たが、長波の標準電波の周波数は、海外で 異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの 標準電波が用いられている。従って、海外で も対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込 む場合には、さらに日本の場合とは異なる周 波数の圧電振動子1を必要とする。

 上述したように、本実施形態の電波時計1 30によれば、キャビティC内の気密が確実で、 圧電振動片4と外部電極38、39との安定した導 性を確保した高品質な圧電振動子1を備えて いるので、電波時計自体も同様に高品質化を 図ることができる。さらにこれに加え、長期 にわたって安定して高精度に時刻をカウント することができる。

 なお、本発明の技術範囲は上記実施の形 に限定されるものではなく、本発明の趣旨 逸脱しない範囲において種々の変更を加え ことが可能である。

 例えば、上記実施形態では、圧電振動片4の 一例として振動腕部10、11の両面に溝部18が形 成された溝付きの圧電振動片4を例に挙げて 明したが、溝部18がないタイプの圧電振動片 でも構わない。但し、溝部18を形成すること 、一対の励振電極15に所定の電圧を印加さ たときに、一対の励振電極15間における電界 効率を上げることができるので、振動損失を より抑えて振動特性をさらに向上することが できる。つまり、CI値(Crystal Impedance)をさら 低くすることができ、圧電振動片4のさらな 高性能化を図ることができる。この点にお て、溝部18を形成する方が好ましい。
 また、上記実施形態では、音叉型の圧電振 片4を例に挙げて説明したが、音叉型に限ら れるものではない。例えば、厚み滑り振動片 としても構わない。

 また、上記実施形態では、ベース基板2に 凹部2aを形成することで、圧電振動片4の一対 の振動腕部10、11の振動ギャップを確保した 、これに限らない。例えば、凹部2aを形成せ ず、引き回し電極36、37上にバンプを形成し バンプ接合しても構わない。バンプ接合に れば、圧電振動片4をベース基板2の上面から 浮かすことができ、振動に必要な最低限の振 動ギャップを自然と確保することができる。

 また、上記実施形態では、ダミー材Rとして 、ベース基板用ウエハ40と同一材料のガラス 料を用いたが、これに限られるものではな 。ダミー材Rは、接合温度で内部のイオンが 移動可能な材料からなるものであれば構わな い。
 但し、ダミー材Rは、上記実施形態で用いた 材料のように、熱膨張係数がベース基板用ウ エハ40と略等しいものが好ましい。これによ ば、上述したようにベース基板用ウエハ40 ダミー材Rとが同じように熱膨張することに り、圧電振動子1の更なる高品質化を図るこ とができる。
 更に、ダミー材Rは、陽極接合可能なガラス であることが好ましい。陽極接合可能なガラ スは、平常時は絶縁性であるが、接合温度ま で加熱されるとイオン移動が活発になる。そ のため、接合工程時に、ベース基板用ウエハ 40と共に適度な導電性を確保できる。




 
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