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Patent Searching and Data


Title:
MICRO CHIP, MICRO CHIP DEVICE, AND EVAPORATION OPERATION METHOD USING THE MICRO CHIP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057693
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a micro chip which can integrate a liquid phase evaporation as an operation on the micro chip. A micro chip (10) has a gas phase channel (13) inside the micro chip. A liquid phase is dispersed into a pool portion (12) at the bottom of the channel (13) by using the capillary force and the dispersed liquid phase is pooled so that at least a part of the liquid phase pooled in the pool portion (12) is evaporated. By using the capillary force, it is possible to disperse the liquid phase into the pool portion (12) at the bottom of the channel (13) in the micro chip (10). Besides, even if a gas phase flows into the channel (13) because of the evaporation or the channel is evacuated, the liquid phase pooled in the pool portion (12) remains in the pool portion (12) by the surface tension. Thus, it is possible to realize a highly effective evaporation operation in the micro chip (10).

Inventors:
OHSAKI KATSUHIKO (JP)
YAMAZAKI SHIGEKI (JP)
KITAMORI TAKEHIKO (JP)
UENO MASAHARU (JP)
MAWATARI KAZUMA (JP)
KIKUTANI YOSHIKUNI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069755
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JFE ENG CORP (JP)
KANAGAWA KAGAKU GIJUTSU AKAD (JP)
OHSAKI KATSUHIKO (JP)
YAMAZAKI SHIGEKI (JP)
KITAMORI TAKEHIKO (JP)
UENO MASAHARU (JP)
MAWATARI KAZUMA (JP)
KIKUTANI YOSHIKUNI (JP)
International Classes:
B01J19/00; B01D1/00; B08B1/00; G01N1/10; G01N37/00; G01T1/161
Domestic Patent References:
WO2004051228A12004-06-17
WO2003076038A12003-09-18
WO2003076038A12003-09-18
Foreign References:
JP2007136280A2007-06-07
JPH01203038A1989-08-15
JP2005066382A2005-03-17
JP2006075680A2006-03-23
JP2005520827A2005-07-14
JP2006527367A2006-11-30
Other References:
SCIENCE, vol. 310, 16 December 2005 (2005-12-16)
Attorney, Agent or Firm:
SHIOJIMA, Toshiyuki (2-12 Kandasakumacho,Chiyoda-k, Tokyo 25, JP)
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Claims:
 内部に気相の流路を有するマイクロチップにおいて、
 前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜め、
 前記プール部に溜められた液相の少なくとも一部を蒸発させるマイクロチップ。
 前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝からなることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
 前記溝は、並列に配列された複数本の溝からなることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップ。
 前記マイクロチップは、前記溝が加工される基板と、基板の上面に設けられる側壁と、側壁の上面に設けられる蓋と、を備え、
 前記基板、前記側壁及び前記蓋によって、前記気相の流路が構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のマイクロチップ。
 前記液相は、溶質が溶媒に溶けた溶液からなり、
 前記プール部に溜められた前記溶媒を蒸発させ、前記溶質を前記プール部に乾固させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマイクロチップ。
 前記液相に極性溶媒を用いる場合、前記気相の流路の少なくとも一部に疎水処理をすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロチップ。
 前記液相に極性溶媒を用いる場合、前記プール部の少なくとも一部に親水処理をすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のマイクロチップ。
 前記液相に無極性溶媒を用いる場合、前記気相の流路の少なくとも一部に親水処理をすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロチップ。
 前記液相に無極性溶媒を用いる場合、前記プール部の少なくとも一部に疎水処理をすることを特徴とする請求項1ないし5および8のいずれかに記載のマイクロチップ。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜め、前記プール部に溜められた液相の少なくとも一部を蒸発させるマイクロチップと、
 気相を前記気相の流路に、液相を前記プール部に導くための導入路と、
 気相を前記気相の流路から、液相を前記プール部から排出するための排出路と、
 を備えるマイクロチップデバイス。
 前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝からなることを特徴とする請求項10に記載のマイクロチップデバイス。
 前記マイクロチップデバイスはさらに、
 前記マイクロチップの前記導入路に気相又は液相を供給する流体制御機構を備え、
 前記気相の流路に気相を流しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロチップデバイス。
 前記マイクロチップデバイスはさらに、
 前記マイクロチップの少なくとも一部を加熱する加熱機構を備え、
 前記マイクロチップの少なくとも一部を加熱しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロチップデバイス。
 前記マイクロチップデバイスはさらに、
 前記マイクロチップの前記気相の流路内の気相を吸引する真空吸引機構を備え、
 前記気相の流路内の気相を吸引しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロチップデバイス。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜めるマイクロチップを用い、
 前記プール部に溜められた液相の少なくとも一部を蒸発させる、マイクロチップを用いた蒸発操作方法。
 前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝からなることを特徴とする請求項15に記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方法。
 前記気相の流路に気相を導入し、前記気相の流路に気相を流しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項15又は16に記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方法。
 前記マイクロチップの少なくとも一部を加熱しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項15又は16に記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方法。
 前記マイクロチップの前記気相の流路内の気相を吸引しながら、前記プール部に溜められた液相を蒸発させることを特徴とする請求項15又は16に記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方法。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜めるマイクロチップを用い、
 前記プール部に溜められた放射性化学物質溶液を蒸発させる、マイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜めるマイクロチップを用い、
 前記プール部に溜められた放射性化学物質溶液を蒸発乾固させる、マイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜めるマイクロチップを用い、
 前記プール部に溜められた放射性化学物質溶液より溶媒を除去する、マイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
 前記プール部に新たに溶媒又は溶液を導入し、前記プール部に溜められた放射性化学物質を溶媒交換することを特徴とする請求項22に記載のマイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
 前記プール部に新たに溶液を導入し、前記プール部に溜められた放射性化学物質と新たに導入された前記溶液とを反応させることを特徴とする請求項22に記載のマイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
 内部に気相の流路を有し、前記気相の流路の底部のプール部に毛管力を利用して液相を分散させると共に、分散させた液相を溜めるマイクロチップを用い、
 前記プール部に溜められた放射性化学物質溶液を蒸留させる、マイクロチップを用いた放射性化学物質溶液の製造方法。
Description:
マイクロチップ、マイクロチッ デバイス及びマイクロチップを用いた蒸発 作方法

 本発明は、蒸発操作を行うことができる イクロチップ及びマイクロチップデバイス 関する。

 近年、微小空間の特徴を生かしたマイク 化学システムの検討が各種の領域において められており、混合、抽出、相分離などの 数の単位操作を組み合わせた非常に高効率 マイクロ化学システムが構築されつつある

 このようなマイクロ化学システムにおい 、反応操作に関しても、微小な反応流路内 行うことが提案されている。微小な反応流 を用いて化学反応を行う場合、マイクロチ プに微小な流路を形成し、その流路内で試 流体を混合して化学反応を行わせる。この 合のマイクロチップは通常、厚さ数mm程度 薄い基板に流路が形成されたものである。 点としては除熱に優れ、温度制御が容易で ること、使用する試料流体や反応溶媒の量 少量ですむことなどが挙げられる。

 また、近年、多段階の反応操作をマイク チップ内に集積化して行うことが試みられ いる。そのような応用例として、PET(ポジト ロン放出断層撮影法,Positron emission tomography) 用いられる放射性薬剤の合成がある。放射 薬剤の合成は通常多段階で実施される。放 性前駆体が液体の場合、水溶液の形で供給 れるが、有機反応は水をきらう無水反応で ることが多く、有機反応を行わせるために 、水溶液を有機溶媒溶液に交換しなければ らない。また、人体などに投与する薬剤は 終的に水溶液であるので、再び、有機溶媒 液から水溶液に交換する必要がある。

 これらの溶媒交換は、一般的に蒸発操作 よる溶媒除去の後、交換したい溶媒を導入 て行われる。しかし、この蒸発操作につい は、マイクロチップ内での実施は難しい。 来技術では通常の容器内で蒸発操作を行い マイクロチップ内での実施はしていなかっ 。

 放射性薬剤のマイクロチップを用いた合 例は、特許文献1及び特許文献2に示されて るが、どちらの例でもチップ内で行ってい のは反応操作のみであり、蒸発操作は行っ いない。全ての工程をチップ上に集積化す ことはできていない。

 放射性薬剤の全ての工程をマイクロチッ 内に集積化する初めての試みが非特許文献1 に発表されている。この合成例では、蒸発操 作は気体透過膜を介した操作となるため、微 量の液体であるにもかかわらず、蒸発に時間 がかかり、効率的な蒸発操作が実施できてい ない。

 この例のように放射性薬剤の合成はバッ 合成であり、マイクロチップ内にバッチ量 溜める必要がある。しかし、マイクロチッ 内の空間は重力よりも表面張力が支配的な 域となるため、気体透過膜などを用いなけ ば、バッチ量を通常のマイクロチップ内空 に分散させ、溜めることが困難である。

 また、放射性薬剤の合成において、液相 蒸発操作によって目的物質を蒸留して、次 応に移送させる操作がある。しかしながら これらの操作に関してはチップ内で実施さ た例はない。

 マイクロチップ内の蒸発操作の試みとして 、特許文献3に記載される方法が提案されて いる。この蒸発操作方法においては、図5に されるように、気相の流路2と液相の流路3を 非対称に加工したマイクロチップ1を用いて る。そして、気相及び液相を非対称の流路2, 3に流し、気相と液相の界面4から液相を蒸発 せる。しかし、液相を流せる安定流量域が0 .1μL/min程度に限られ、液相の濃縮に時間がか かってしまうという問題がある。また、流路 3に液相を流しながら濃縮させる蒸発操作で るから、放射性薬剤の合成などのバッチ合 には適さない。

特表2005-520827号公報

特表2006-527367号公報

国際公開WO2003/076038号のパンフレット SCIENCE VOL310 16 DECEMBER 2005

 このように、従来はマイクロチップ内で 、液相の蒸発操作を効率良く行うことが実 できていない。

 出願人は、図6に示されるように、マイク ロチップ内空間6の底部に液相7を分散させ、 相7の上方に気相を流すことで、液相7を蒸 させることを試みた。しかし、マイクロ空 は重力よりも表面張力が支配する。このた 、図7に示されるように、マイクロチップ内 間6にバルク状に液相7が溜まってしまう(す わち、マイクロチップの流路の底面から天 まで液相7が繋がってしまう)。マイクロチ プの流路に気相を流してみても、液相がバ ク状を保ったまま移動するだけであり、液 を蒸発させることができなかった。

 この発明は、上記のような問題点を解決 るためになされたものであり、液相の蒸発 作をマイクロチップ上の操作として集積化 ることを課題としている。より具体的には 放射性薬剤の合成のような蒸発操作を含む 段階合成操作を行うための新しいマイクロ ップ及びマイクロチップデバイスと、マイ ロチップを用いた蒸発操作方法を提供する とを課題とする。

 上記課題を解決するために、請求項1に記 載の発明は、内部に気相の流路を有するマイ クロチップにおいて、前記気相の流路の底部 のプール部に毛管力を利用して液相を分散さ せると共に、分散させた液相を溜め、前記プ ール部に溜められた液相の少なくとも一部を 蒸発させるマイクロチップである。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 マイクロチップにおいて、前記プール部は 前記気相の流路の底面に形成される溝から ることを特徴とする。

 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載 マイクロチップにおいて、前記溝は、並列 配列された複数本の溝からなることを特徴 する。

 請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に 載のマイクロチップにおいて、前記マイク チップは、前記溝が加工される基板と、基 の上面に設けられる側壁と、側壁の上面に けられる蓋と、を備え、前記基板、前記側 及び前記蓋によって、前記気相の流路が構 されることを特徴とする。

 請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4 いずれかに記載のマイクロチップにおいて 前記液相は、溶質が溶媒に溶けた溶液から り、前記プール部に溜められた前記溶媒を 発させ、前記溶質を前記プール部に乾固さ ることを特徴とする。

 請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5 いずれかに記載のマイクロチップにおいて 前記液相に極性溶媒を用いる場合、前記気 の流路の少なくとも一部に疎水処理をする とを特徴とする。

 請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6 いずれかに記載のマイクロチップにおいて 前記液相に極性溶媒を用いる場合、前記プ ル部の少なくとも一部に親水処理をするこ を特徴とする。

 請求項8に記載の発明は、請求項1ないし5 いずれかに記載のマイクロチップにおいて 前記液相に無極性溶媒を用いる場合、前記 相の流路の少なくとも一部に親水処理をす ことを特徴とする。

 請求項9に記載の発明は、請求項1ないし5 よび8のいずれかに記載のマイクロチップに おいて、前記液相に無極性溶媒を用いる場合 、前記プール部の少なくとも一部に疎水処理 をすることを特徴とする。

 請求項10に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜め、前記プール部に められた液相の少なくとも一部を蒸発させ マイクロチップと、気相を前記気相の流路 、液相を前記プール部に導くための導入路 、気相を前記気相の流路から、液相を前記 ール部から排出するための排出路と、を備 るマイクロチップデバイスである。

 請求項11に記載の発明は、請求項10に記載 のマイクロチップデバイスにおいて、前記プ ール部は、前記気相の流路の底面に形成され る溝からなることを特徴とする。

 請求項12に記載の発明は、請求項10又は11 記載のマイクロチップデバイスにおいて、 記マイクロチップデバイスはさらに、前記 イクロチップの前記導入路に気相又は液相 供給する流体制御機構を備え、前記気相の 路に気相を流しながら、前記プール部に溜 られた液相を蒸発させることを特徴とする

 請求項13に記載の発明は、請求項10又は11 記載のマイクロチップデバイスにおいて、 記マイクロチップデバイスはさらに、前記 イクロチップの少なくとも一部を加熱する 熱機構を備え、前記マイクロチップの少な とも一部を加熱しながら、前記プール部に められた液相を蒸発させることを特徴とす 。

 請求項14に記載の発明は、請求項10又は11 記載のマイクロチップデバイスにおいて、 記マイクロチップデバイスはさらに、前記 イクロチップの前記気相の流路内の気相を 引する真空吸引機構を備え、前記気相の流 内の気相を吸引しながら、前記プール部に められた液相を蒸発させることを特徴とす 。

 請求項15に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜めるマイクロチップ 用い、前記プール部に溜められた液相の少 くとも一部を蒸発させる、マイクロチップ 用いた蒸発操作方法である。

 請求項16に記載の発明は、請求項15に記載 のマイクロチップを用いた蒸発操作方法にお いて、前記プール部は、前記気相の流路の底 面に形成される溝からなることを特徴とする 。

 請求項17に記載の発明は、請求項15又は16 記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方 において、前記気相の流路に気相を導入し 前記気相の流路に気相を流しながら、前記 ール部に溜められた液相を蒸発させること 特徴とする。

 請求項18に記載の発明は、請求項15又は16 記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方 において、前記マイクロチップの少なくと 一部を加熱しながら、前記プール部に溜め れた液相を蒸発させることを特徴とする。

 請求項19に記載の発明は、請求項15又は16 記載のマイクロチップを用いた蒸発操作方 において、前記マイクロチップの前記気相 流路内の気相を吸引しながら、前記プール に溜められた液相を蒸発させることを特徴 する。

 請求項20に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜めるマイクロチップ 用い、前記プール部に溜められた放射性化 物質溶液を蒸発させる、マイクロチップを いた放射性化学物質溶液の製造方法である

 請求項21に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜めるマイクロチップ 用い、前記プール部に溜められた放射性化 物質溶液を蒸発乾固させる、マイクロチッ を用いた放射性化学物質溶液の製造方法で る。

 請求項22に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜めるマイクロチップ 用い、前記プール部に溜められた放射性化 物質溶液より溶媒を除去する、マイクロチ プを用いた放射性化学物質溶液の製造方法 ある。

 請求項23に記載の発明は、請求項22に記載 のマイクロチップを用いた放射性化学物質溶 液の製造方法において、前記プール部に新た に溶媒又は溶液を導入し、前記プール部に溜 められた放射性化学物質を溶媒交換すること を特徴とする。

 請求項24に記載の発明は、請求項22に記載 のマイクロチップを用いた放射性化学物質溶 液の製造方法において、前記プール部に新た に溶液を導入し、前記プール部に溜められた 放射性化学物質と新たに導入された前記溶液 とを反応させることを特徴とする。

 請求項25に記載の発明は、内部に気相の 路を有し、前記気相の流路の底部のプール に毛管力を利用して液相を分散させると共 、分散させた液相を溜めるマイクロチップ 用い、前記プール部に溜められた放射性化 物質溶液を蒸留させる、マイクロチップを いた放射性化学物質溶液の製造方法である

 本発明によれば、毛管力を利用すること 、マイクロチップ内の気相の流路の底部の ール部に液相を分散させ、溜めることがで る。しかも、蒸発操作のために気相の流路 気相を流したり、流路を真空引きしたりし も、プール部に溜まった液相が表面張力に ってプール部にとどまる。マイクロチップ での高効率での蒸発操作が実現できるので 溶媒交換あるいは蒸留操作などの蒸発操作 伴う工程を、マイクロチップ上に集積化す ことが可能になる。

本発明の一実施形態のマイクロチップ 概念図 本発明の一実施形態のマイクロチップ バイスの概念図 微細加工溝の変形例を示す図 実施例のマイクロチップの分解図(図中 (a)はカバー上板を示し、図中(b)は中板を示し 、図中(c)は基板を示す) 従来の蒸発操作方法に用いられるマイ ロチップを示す図(図中(a)は気相と液相の流 路の平面図を示し、図中(b)は気相と液相の流 路の断面図を示す) マイクロチップ内流路の底部に液相が 想的に溜められた状態を示す図 マイクロチップ内流路にバルク状に溜 った液相を示す図

符号の説明

10…マイクロチップ
11…基板
12…微細加工溝(溝、プール部)
12a…溝(プール部)
13…気相の流路
14…中板(側壁)
15…カバー上板(蓋)
18…導入路
19…排出路
20…ヒータ(加熱機構)
21…真空吸引機構
22…流体制御機構

 以下、発明の実施形態を説明する。本実 形態においては、マイクロチップの気相の 路の底面に形成した溝に毛管力を利用して 相を分散させ、溝に液相を溜めて蒸発操作 行うことを基本操作としている。この蒸発 作は、マイクロチップの気相の流路(マイク ロチャンネル)という微小な限定空間内での 発操作となり、マイクロチップ内に液相を 散させることにより、比界面積が大きく、 発速度が速いという原理的な特徴を有して る。

 図1は、本発明の一実施形態のマイクロチ ップ10の概念図である。たとえば、ガラス、 ラミックス、シリコン、あるいは樹脂製の 板11の上面には、プール部として、微細加 によって複数の微細加工溝12が形成されてい る。この微細加工溝12は、例えばドリルによ 加工、レーザ加工、エッチング加工などに って形成される。微細加工溝12は一定の間 で並列に配列される。この微細加工溝12に、 毛管力によって液相が導入される。そして、 マイクロチップ10内の空間の液相の上には、 相が導入される。

 微細加工溝12の大きさや長さについては に限定はないが、マイクロチップ10上のマイ クロ化学システムを構成し、毛管作用を発揮 する適宜な設定とする。例えば微細加工溝12 流れ方向に直交する断面についてみると、 の幅は、500μm以下、深さは700μm以下程度を 際的な目安とすることができる。

 マイクロチップ10は、内部に気相の流路13 を有する。微細加工溝12が形成されている基 11上には、側壁である中板14が設けられる。 中板14の上面には、蓋であるカバー上板15が けられる。これら基板11、中板14、カバー上 15によって気相の流路13が形成される。カバ ー上板15は、気相が導入される流路13の上に 置されて、気相及び液相が散逸されないよ にしている。

 液相は毛管作用により微細加工溝12にと まり、マイクロチップ10内に分散される。こ のため、排出路に気体透過膜を設置しなくて も、液相が気相の排出路から排出されること はない。微細加工溝12において液相の少なく も一部が蒸発し、気相の排出路より排出さ るが、気体透過膜が設置されている場合で 、液相により気体透過膜を塞ぐことがない め、効率的な蒸発操作が達成される。

 図2は、本発明の一実施形態のマイクロチ ップデバイスの概念図である。気相の導入路 と液相の導入路18、並びに気相の排出路と液 の排出路19がマイクロチップ10上に配置され ている。気相と液相の導入路、排出路が同じ 場合や、液相の導入路と排出路が同じである 場合などもある。

 蒸発操作は、少なくともマイクロチップ1 0の一部を加熱して行う。このような加熱の めの機構としては、各種のものが考慮され が、デバイス構成及び加熱操作性の観点か は、微細加工溝12を設けた基板11の背面部(す なわち基板11の底面)あるいはカバー上板15の 面部などに加熱機構であるヒータ20を設け ことが好適である。

 蒸発操作には、マイクロチップ10の流路13 に気相を流しながら行うこと、あるいは、マ イクロチップ10の流路13を真空ポンプ等の真 吸引機構21によって減圧して行うことなどが 考えられる。

 気相や液相の導入は、シリンジポンプや ス圧ポンプなどの流体制御機構22を用いて う。気相には、例えばHeを用いる。流体制御 機構22は、マイクロチップ10の流路13に流すHe 量を調整する。液相の導入量は、効率的な 発操作の達成のためには、微細加工溝12の 量以下とすることが好ましいが、微細加工 12の容量より大きくしても液相が排出路より 排出されることがなく、蒸発操作を行うこと が可能である。あるいは、液相の導入速度を 調整することによって、常に微細加工溝12の 量内に液相が収まるようにしながら、連続 に蒸発操作を行うことも可能である。

 マイクロチップ10の流路13に気相を流しな がら行う蒸発操作は、例えば以下のように行 われる。まず、流体制御機構22は液相の導入 18からマイクロチップ10の流路13に液相を供 する。流路13に供給された液相は、毛管現 によって流路13の底面の微細加工溝12を流れ 流路13の底部に分散する。微細加工溝12に液 相が溜まったならば、流体制御機構22は、液 の供給を停止し、液相の上部の空間に気相 流す。気相を流すと、液相が蒸発する。液 の蒸発分は、気相と共に気相の排出路19か 排出される。蒸発が進行すると、液相中の 質が乾固し、微細加工溝12の表面をコーティ ングする。溶媒交換したいときには、新たな 溶媒を流路13に導入し、乾固した溶質を溶媒 溶解させればよい。溶媒交換後の液相を取 出すためには、流路13の全体を液相で満た 。

 以上のように、マイクロチップ10上での 効率での蒸発操作が実現されるため、溶媒 換あるいは蒸留操作などの蒸発操作を伴う 程の集積化が可能となる。

 本実施形態のマイクロチップ10は、マイ ロ化学システムの蒸発操作に用いることが きるが、特に、PETに用いられるFDG(18F-fluorodeo xy glucose)などの放射性化学物質溶液の合成に 好適に用いることができる。放射性化学物質 溶液の合成は通常多段階で実施される。放射 性前駆体が液体の場合、水溶液の形で供給さ れるが、有機反応(特に標識反応)は水をきら 無水反応であることが多く、有機反応を行 せるためには、水溶液を有機溶媒溶液に交 しなければならない。また、人体などに投 する薬剤は最終的に水溶液であるので、再 、有機溶媒溶液から水溶液に交換する必要 ある。これらの溶媒交換は、微細加工溝12 おける蒸発操作による溶媒除去の後、交換 たい溶液を微細加工溝12に導入して行われる 。溶媒交換後に加熱すれば、放射性化学物質 溶液の溶質と反応させることができる。本実 施形態のマイクロチップ10を用いれば、放射 化学物質溶液の合成のための溶媒交換がマ クロチップ10上で可能になる。

 また、微細加工溝12における放射性化学 質溶液の蒸留操作の後、蒸留した気体を溶 又は溶液に回収して放射性化学物質溶液を てもよい。

 図3は、微細加工溝12の断面形状の他の例 示す。微細加工溝12の断面形状は、図3(a)に されるように円形状でもよいし、図3(b)に示 されるように四角形状でもよいし、図3(c)に されるように三角形状でもよい。ただし、 管現象によって液相を分散させることがで る寸法である必要がある。

 なお、液相に極性溶媒を用いる場合、気 の流路13に疎水処理をし、プール部である 細加工溝12に親水処理をし、液相が気相の流 路13に行かないようにしてもよい。また、液 に無極性溶媒を用いる場合、気相の流路13 親水処理をし、プール部である微細加工溝12 に疎水処理をし、液相が気相の流路13に行か いようにしてもよい。親水処理には、サン ブラスト処理、酸素プラズマ処理、酸化チ ン粒子による超親水処理などを挙げること でき、疎水処理には、フッ素コート、ODS(Oct aDecylSilyl)等のシランカップリング剤による表 面処理などを挙げることができる。

 以下に実施例を示し、マイクロチップ10 さらに詳しく説明する。勿論、以下の実施 によって発明が限定されることはない。

 図4は、マイクロチップ10の分解図を示す マイクロチップ10は、溝加工が施された基 11と、流路13並びに流路13に気相及び液相を 給する供給路23が加工された中板14と、液相 び気相の供給口24,25、並びに液相及び気相 排出口26が加工されたカバー上板15と、から 成される。

 基板11に加工された微細加工溝12は、幅500 μm、深さ700μmである。微細加工溝12は途中で 岐し、並列に配列された平行な複数本の溝1 2aになる。溝12aも幅500μm、深さ700μmである。 12aの端部には、溝12aよりも深いザグリ穴27 開けられる。複数本の溝12aの平面形状は、 行以外にジグザグ状や蛇行状であってもよ 。

 中板14には、流路13並びに流路13に気相及 液相を供給する供給路23が加工される。流 13の平面形状は溝12aの平面形状にほぼ一致す る。中板14の厚さ(側壁の高さ)は、微細加工 12の深さよりも大きい。また、供給路23の幅 深さは、微細加工溝12の幅や深さよりも大 い。

 カバー上板15には、液相の供給口24及び気 相の供給口25が加工される。液相の供給口24 一対の気相の供給口25に挟まれる。液相と気 相は、同じ供給路23を通った後、流路13に供 される。液相の供給口24が一対の気相の供給 口25に挟まれるので、液相は気相に挟まれた うな状態で流路13に供給される。流路13に導 入された気相は排出口26から排出される。反 後の液相も排出口26から排出される。この 施例では、気相の排出口26と液相の排出口を 兼用している。

 図4に例示した底面に幅500μm、深さ700μmの 溝加工を施したマイクロチップ10を用いて液 の蒸発に要する時間を評価した。比較とし 溝加工を施していないマイクロチップを用 て同様の操作を行った。液相としてアセト トリル/水の1:1溶液200μLを用いた。気相には 窒素ガスを使用した。

 マイクロチップ10の液相の供給口24からア セトニトリル/水溶液を導入し、微細加工溝12 に溜めた。マイクロチップ10の上面及び下面 ヒータを設置して、その設定温度を120℃に て、気相の供給口25より窒素ガスを100mL/min 流しながら蒸発操作を行った。蒸発操作は1 以内で完了した。

 同様の評価を溝加工のないマイクロチッ を用いて実施した。液相の導入路よりアセ ニトリル/水溶液を導入したが、溶液はバル ク状に供給され、液相が排出路から排出され てしまい、マイクロチップ内に液相を溜める ことができなかった。次に、排出路に気体透 過膜を設置し、アセトニトリル/水溶液を導 し、マイクロチップ内にとどめた。同様の 件において蒸発操作を行ったところ、操作 了におよそ7分を要した。

 本明細書は、2007年11月1日出願の特願2007-2 85012に基づく。この内容はすべてここに含め おく。




 
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