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Title:
OPTICAL MEMBER COOLING APPARATUS, LENS BARREL, EXPOSURE APPARATUS AND DEVICE MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051199
Kind Code:
A1
Abstract:
A cooling apparatus for cooling optical members, such as a mirror (41), includes a cooling member (51), and an engaging mechanism (52) for bringing a contact surface (51A) of the cooling member (51) into close contact with a rear surface (41B) of the mirror (41). The rear surface (41B) and the contact surface (51A) are flattened. On the rear surface (41B) of the mirror (41), a locking section (44) having a groove section (46) and an extending section (48) are formed. In a state where a shaft section (57) of the engaging mechanism (52) is engaged with the extending section (48) of the locking section (44), an engaging member (60) of the engaging mechanism (52) is urged toward the cooling member (51) by a spring (58).

Inventors:
NISHIKAWA JIN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068792
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIKON CORP (JP)
NISHIKAWA JIN (JP)
International Classes:
H01L21/027; G02B5/08; G02B7/00; G03F7/20
Foreign References:
JP2006317913A2006-11-24
JP2000036449A2000-02-02
JPH05506517A1993-09-22
JP2004039851A2004-02-05
JP2004246030A2004-09-02
Attorney, Agent or Firm:
ONDA, Hironori (Ohmiya-cho 2-chome Gifu-sh, Gifu 31, JP)
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Claims:
光学部材を冷却する光学部材冷却装置において、
 前記光学部材の特定の表面に接触する接触面を有する冷却部材と、
 前記特定の表面と前記冷却部材の接触面とを互いに押し付け合った状態で、前記光学部材と前記冷却部材とを固定する固定機構とを有することを特徴とする光学部材冷却装置。
前記特定の表面は、第1の面と、該第1の面とは異なる第2の面とを有すると共に、
 前記第1の面及び前記第2の面の温度を個別制御する温度調整装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、前記第1の面に接触する第1接触面と、前記第2の面に接触する第2接触面とを有することを特徴とする請求項2に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、前記第1の面に接触する第1接触面を有する第1冷却部と、前記第2の面に接触する第2接触面を有する第2冷却部とを備え、
 前記第1冷却部及び前記第2冷却部は、前記固定機構によって前記光学部材にそれぞれ固定され、前記温度調整装置は、前記第1冷却部及び前記第2冷却部の温度を個別に調整することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学部材冷却装置。
前記特定の表面と前記冷却部材の接触面とは、軟質性の熱伝達物質の層を介して接触していることを特徴とする請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
光学部材を冷却する光学部材冷却装置において、
 吸熱面及び放熱面を有し、且つ前記光学部材の特定の表面に前記吸熱面が接触する熱伝達部材と、
 該熱伝達部材の放熱面に接触する接触面を有する冷却部材と、
 前記特定の表面と前記吸熱面とを互いに押し付け合わせると共に前記放熱面と前記接触面とを互いに押し付け合わせた状態で、前記光学部材に対して前記熱伝達部材及び前記冷却部材を固定する固定機構と、を有することを特徴とする光学部材冷却装置。
前記特定の表面は、第1の面と、該第1の面とは異なる第2の面とを有し、
 前記熱伝達部材は、前記第1の面に接触する吸熱面を有する第1熱伝達部材と、前記第2の面に接触する吸熱面を有する第2熱伝達部材とを有し、
 前記第1熱伝達部材の熱伝達と前記第2熱伝達部材の熱伝達とを個別に制御する制御装置をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、前記第1熱伝達部材の放熱面に接触する第1接触面と、前記第2熱伝達部材の放熱面に接触する第2接触面とを備えることを特徴とする請求項7に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、前記第1熱伝達部材の放熱面に接触する第1接触面を有する第1冷却部と、前記第2熱伝達部材の放熱面に接触する第2接触面を有する第2冷却部とを備え、
 前記第1冷却部及び前記第2冷却部は、それらの接触面と前記特定の表面との間に前記第1熱伝達部材及び第2熱伝達部材を介在させた状態で前記固定機構によって前記光学部材に固定されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学部材冷却装置。
前記第1熱伝達部材は、前記第1の面に対して複数設けられ、
 前記第1冷却部は、前記第1熱伝達部材毎に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の光学部材冷却装置。
前記第2熱伝達部材は、前記第2の面に対して複数設けられ、
 前記第2冷却部は、前記第2熱伝達部材毎に設けられていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の光学部材冷却装置。
前記特定の表面と前記吸熱面とは、軟質性の熱伝達物質の層を介して接触していると共に、前記放熱面と前記冷却部材の接触面とは、軟質性の熱伝達物質の層を介して接触していることを特徴とする請求項6~請求項11のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記軟質性の熱伝達物質の層は、軟金属、あるいは合金のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項5又は請求項12に記載の光学部材冷却装置。
前記特定の表面は、前記光学部材に設けられ、かつ前記光学部材を構成する材料よりも加工し易い金属層に形成されていることを特徴とする請求項1~請求項13のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記接触面は、前記冷却部材に設けられ、かつ前記冷却部材を構成する材料よりも加工し易い金属層に形成されていることを特徴とする請求項1~請求項14のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記固定機構は、
 前記光学部材に設けられ、前記特定の表面に形成された第1の係合部と、
 前記冷却部材に設けられ、前記第1の係合部に係合する第2の係合部と、
 前記第1の係合部を前記第2の係合部側に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記第2の係合部は、所定形状を有する先端部と、前記所定形状より小さい形状を有する軸部とを有し、
 前記第1の係合部は、前記先端部が係合可能で、かつ所定方向に延びて形成された溝部と、前記溝の一部を覆い、かつ前記軸部と嵌合可能な嵌合部とを有することを特徴とする請求項16に記載の光学部材冷却装置。
前記第2の係合部は、前記先端部と前記軸部とを連結するフレクシャ部を有することを特徴とする請求項17に記載の光学部材冷却装置。
前記固定機構は、前記特定の表面に複数設けられることを特徴とする請求項16に記載の光学部材冷却装置。
前記特定の表面は、光が入射する入射面とは反対側の面に形成され、
 前記固定機構は、前記特定の表面のうち、前記入射面に対応する領域内に複数設けられることを特徴とする請求項18に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、該冷却部材を冷却する冷媒が流通する冷媒通路を有することを特徴とする請求項1~請求項20のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記冷却部材は、前記第1の面に対応する部分を冷却する冷媒が流通する第1冷媒通路と、前記第2の面に対応する部分を冷却する冷媒が流通する第2冷媒通路とを有することを特徴とする請求項2~請求項4のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記光学部材と前記冷却部材との少なくとも一方の温度を検出する温度センサを備え、該温度センサの検出結果に基づいて、前記冷媒の温度を調整することを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の光学部材冷却装置。
前記第1冷却部及び前記第2冷却部の各々は、冷媒が流通する冷媒通路を有し、前記温度調整装置は、前記冷媒の温度を前記冷却部毎に調整することを特徴とする請求項4に記載の光学部材冷却装置。
前記光学部材の温度と前記冷却部の温度との少なくとも一方を検出する温度センサを前記冷却部毎に備え、前記温度調整装置は、前記各温度センサの検出結果に基づいて、前記各冷却部の温度を調整することを特徴とする請求項4又は請求項24に記載の光学部材冷却装置。
前記光学部材の温度と前記熱伝達部材の前記吸熱面側の温度の少なくとも一方を検出する温度センサが前記第1熱伝達部材及び前記第2熱伝達部材毎に備え、前記制御装置は、前記各温度センサの検出結果に基づいて、前記第1熱伝達部材及び前記第2熱伝達部材を個別に制御することを特徴とする請求項7~請求項11のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
前記光学部材が、真空雰囲気内に配置されるミラーであることを特徴とする請求項1~請求項26のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置。
複数の光学部材を保持する鏡筒において、
 前記光学部材の少なくとも1つに、請求項1~請求項27のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置を設けたことを特徴とする鏡筒。
複数の光学部材を有し、パターンが形成されたマスクを介した露光光で基板を露光する露光装置において、
 前記複数の光学部材の少なくとも1つに、請求項1~請求項27のうちいずれか一項に記載の光学部材冷却装置を設けたことを特徴とする露光装置。
前記露光光は、極端紫外光または軟X線であることを特徴とする請求項29に記載の露光装置。
前記複数の光学部材は、前記パターンが形成されたマスクを照明する光学系、又は前記パターンを前記基板に形成する光学系を構成することを特徴とする請求項29又は請求項30に記載の露光装置。
リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
 前記リソグラフィ工程は、請求項29~請求項31のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
Description:
光学部材冷却装置、鏡筒及び露 装置ならびにデバイスの製造方法

 本発明は、例えば、反射光学素子、透過 学素子等の光学部材を冷却するための光学 材冷却装置に関するものである。また、本 明は、少なくとも1つの光学部材を有する鏡 筒に関するものである。さらに、本発明は、 例えば半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気 ヘッド等のデバイスの製造工程で使用される 露光装置及びその露光装置を利用したデバイ ス製造方法に関するものである。

 近年、半導体素子は、著しい高集積度化要 に伴って、回路パターンがますます微細化 てきている。このため、半導体製造用露光 置では、使用される露光光が紫外光、遠紫 光へと短波長側にシフトしてきている。ま 、さらに短波長の極端紫外光、軟X線を露光 光とする露光装置も開発されつつある(例え 特許文献1参照)。

特開平11-243052号公報

 最近では、露光光として波長が100nm程度 下の軟X線領域の光、すなわちEUV(Extreme Ultrav iolet)光を使用するEUV露光装置の開発も行われ ている。このEUV露光装置では、EUV光の透過を 許容する実用可能な光学材料が現時点では存 在しないため、照明光学系及び投影光学系は 全て反射光学素子(ミラー)によって構成され 回路パターンが形成されるマスクにもまた 射型マスクが使用される。ところが、照明 学系及び投影光学系を構成する反射光学素 は、入射したEUV光の全てを反射することが きず、入射したEUV光の一部が、熱エネルギ として反射光学素子に蓄積される。この蓄 された熱エネルギーの影響で、反射光学素 に熱変形が生じ、反射面の面精度の低下を くおそれがあるという問題があった。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、その目的は、光学部材を効 よく冷却することのできる光学部材冷却装 及び鏡筒を提供することにある。また、そ 他の目的は、高集積度のデバイスを効率よ 製造することのできる露光装置及びデバイ の製造方法を提供することにある。

 上記の課題を解決するため、本発明の一 施形態の光学部材冷却装置は、光学部材を 却する光学部材冷却装置において、前記光 部材(41)の特定の表面(41B)に接触する接触面( 51A)を有する冷却部材(51)と、前記特定の表面( 41B)と前記冷却部材(51)の接触面(51A)とを互い 押し付け合った状態で、前記光学部材(41)と 記冷却部材(51)とを固定する固定機構(44,52,58 )とを有する。

 この構成によれば、冷却部材を、光学部 の特定の表面に互いに押し付け合った状態 接触させつつ固定することができる。この め、露光光の照射により、光学部材が発熱 たとしても、光学部材の熱は熱伝導により 却部材に移動される。従って、光学部材を めて効率よく冷却することができる。

 また、本発明の光学部材冷却装置は、光 部材(41)を冷却する光学部材冷却装置におい て、吸熱面(92)及び放熱面(94)を有し、且つ前 光学部材(41)の特定の表面(41B)に前記吸熱面( 92)が接触する熱伝達部材(93)と、該熱伝達部 (93)の放熱面(94)に接触する接触面(51A)を有す 冷却部材(51)と、前記特定の表面(41B)と前記 熱面(92)とを互いに押し付け合わせると共に 前記放熱面(94)と前記接触面(51A)とを互いに押 し付け合わせた状態で、前記光学部材(41)に して前記熱伝達部材(93)及び前記冷却部材(51) を固定する固定機構(44,52,58)と、を有する。

 この構成によれば、熱伝達部材は、その 熱面が特定の表面に押し付けられた状態で 学素子に固定されると共に、冷却部材は、 の接触面が放熱面に押し付けられた状態で 学素子及び熱伝達部材に固定される。その め、露光光の照射によって光学部材が発熱 たとしても、光学部材の熱が熱伝導により 伝達部材に吸熱される。また、光学部材を 却させる熱伝達部材の放熱面が冷却部材の 触面に密接し、放熱面の冷却が冷却部材に って好適に行われることから、熱伝達部材 よる光学部材の冷却効率が良好に維持され 。したがって、光学部材を極めて効率よく 却することができる。

 なお、本発明をわかりやすく説明するため 各実施形態を示す図面の符号に対応づけて 明したが、本発明が実施形態に限定される のではないことは言うまでもない。
 本発明によれば、高エネルギーの露光光を いたとしても、光学部材の熱変形を効果的 抑制することができる。従って、光学部材 光学面の面精度を高く保つことができる。 って、基板に対して精度よくパターン転写 できる。

第1の実施形態の露光装置を示す概略構 成図。 EUV光露光装置の光学系鏡筒の一例を示 構成図。 第1の実施形態の光学系鏡筒内のミラー 及びそのミラー冷却装置を示す斜視図。 図3のミラーの裏面を示す平面図。 図4の5-5線断面図。 ミラーと冷却部材とを、固定機構を用 て固定した状態を示す断面図。 係合機構の取付状態を示す断面図。 取付ジグを取り付けた状態を示す断面 。 取付ジグに軸部を移動させ、ミラーを 合した状態を示す断面図。 軸部の先端部を係止部の嵌合部に嵌合 させた状態を示す断面図。 取付ジグを取り外した状態を示す断面 図。 第2の実施形態のミラー冷却装置を示 側面図。 第2の実施形態のミラー冷却装置を示 模式図。 第3の実施形態のミラー冷却装置を示 模式図。 第4の実施形態のミラー冷却装置を示 模式図。 第4の実施形態のミラー冷却装置の一 を示す断面図。 第5の実施形態のミラー冷却装置を示 模式図。 他の別の実施形態のミラー冷却装置を 示す斜視図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関 する詳細なフローチャート。

 (第1の実施形態)
 以下、本発明の第1の実施形態を図1~図11に って説明する。
 第1の実施形態の露光装置と光学部材冷却装 置と鏡筒は、例えば半導体素子製造用の露光 装置と、ミラーを冷却するミラー冷却装置と 、照明光学系を収容する鏡筒である。なお、 本実施形態では、露光装置として、極端紫外 (EUV)光を使用するEUV露光装置を例に説明する

 図1には、本例の露光装置20の全体構成が 略的に示されている。以下では、投影光学 25の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平 面内で図1における紙面内左右方向にY軸を取 、紙面に直交する方向にX軸を取って説明す る。露光装置20は、マスクとしてのレチクル2 2に形成された回路パターンの一部の像を投 光学系25を介して物体または基板としてのウ エハ24上に投影しつつ、レチクル22とウエハ24 とを投影光学系25に対して1次元方向(ここで Y方向)に相対走査することによって、レチク ル22の回路パターンの全体をウエハ24上の複 のショット領域の各々にステップ・アンド スキャン方式で転写するものである。

 露光装置20は、軟X線領域の光、即ち波長1 00nm程度以下のEUV光(極端紫外光)EXを露光用の 明光(露光ビーム)として射出するEUV光源21、 このEUV光源21からのEUV光EXを反射して所定の 射角、例えば約50mradでレチクル22のパターン 面(下面)に入射させる光路折り曲げ用のミラ Mを含む照明光学系(不図示)、レチクル22を 持するレチクルステージ26、レチクル22のパ ーン面で反射されたEUV光EXをウエハ24の被露 光面(上面)に照射する投影光学系25、及びウ ハ24を保持するウエハステージ27を備えてい 。なお、ミラーMは、平面ミラーで形成され 、投影光学系25の鏡筒2の内部に配置されてい るが、実際には照明光学系の一部である。EUV 光源21としては、一例として、レーザ励起プ ズマ光源が用いられている。また、EUV光EX しては、一例として、主に波長5~20nm、例え 波長13.5nmのEUV光が用いられる。EUV光EXの気体 による吸収を防止するため、露光装置20は不 示の真空チャンバ内に収容されている。

 照明光学系は、複数の照明用ミラー、波 選択窓等(いずれも図示省略)、及びミラーM を含んで構成されている。EUV光源21から射 され、照明光学系の端部のミラーMで反射さ たEUV光EXは、レチクル22のパターンの一部の 領域を円弧スリット状で照明する。

 レチクルステージ26の下面側に不図示の 電チャック方式(又はメカチャック方式)のレ チクルホルダが設けられ、該レチクルホルダ によってレチクル22が保持されている。この チクル22としては、照明光としてEUV光が用 られていることから反射型レチクルが用い れている。レチクル22は、シリコンウエハ、 石英、低膨張ガラスなどの薄い板から成る。 レチクル22のパターン面には、EUV光を反射す 反射膜が形成されている。この反射膜は、 リブデンMoとシリコンSiとの膜が交互に約5.5 nmの周期で、約50ペア積層された多層膜であ 。この多層膜は波長13.5nmのEUV光に対して約70 %の反射率を有する。なお、ミラーM、その他 照明光学系及び投影光学系25内の各ミラー 反射面にも同様の構成の多層膜が形成され いる。レチクル22のパターン面に形成された 多層膜上には、吸収層として例えばニッケル Ni又はアルミニウムAlが一面に塗布され、そ 吸収層にパターンニングが施されて反射部 しての回路パターンが形成されている。そ 回路パターンで反射されたEUV光EXが投影光学 系25に向かう。

 投影光学系25は、開口数NAが例えば0.3で、 反射光学素子(ミラー)のみから成る反射光学 が使用されており、本例の投影倍率は1/4倍 ある。投影光学系25の鏡筒2には、ミラーMに 入射するEUV光EX及びレチクル22に入射して反 されるEUV光EXをそれぞれ通過させるための開 口2a及び2bが形成され、投影光学系25からウエ ハ24に入射するEUV光EXを通過させるための開 (不図示)も形成されている。レチクル22によ て反射されたEUV光EXは、投影光学系25を介し てウエハ24上に照射され、これによりレチク 22上のパターンは1/4に縮小されてウエハ24に 転写される。

 ウエハステージ27の上面には、静電チャッ 方式の不図示のウエハホルダが載置され、 ウエハホルダによってウエハ24が吸着保持さ れている。
 次に、投影光学系25について詳細に説明す 。図2は、投影光学系25を構成する複数の光 部材としての6枚のミラーM1~M6の配置を示し この図2において、レチクル22からウエハ24に 向かって、反射面を下方(-Z方向)に向けたミ ーM2、反射面を下方に向けたミラーM4、反射 を上方(+Z方向)に向けたミラーM3、反射面を 方に向けたミラーM1、反射面を下方に向け ミラーM6、及び反射面を上方に向けたミラー M5が配置され、照明光学系の一部であるミラ Mは、ミラーM3及びM4の反射面を延長した2つ 面Ca及びCbの間に配置されている。ミラーM1~ M6の反射面は、球面又は非球面などの回転対 な面であり、その回転対称軸が投影光学系2 5の光軸AXにほぼ一致するように位置調整され ている。また、ミラーM1,M2,M4,M6は凹面鏡であ 、他のミラーM3,M5は凸面鏡である。ミラーM1 ~M6それぞれの反射面は、設計値に対して露光 波長の約50分の1から60分の1以下の凹凸となる 加工精度で加工され、RMS値(標準偏差)で0.2nm ら0.3nm以下の平坦度誤差のみが残存している 。各ミラーの反射面の形状は、計測と加工と を交互に繰り返しながら形成されている。

 図2の構成において、レチクル22で反射さ たEUV光EXは、ミラーM1で上方に反射され、ミ ラーM2で下方に反射された後、ミラーM3で上 に反射され、ミラーM4で下方に反射される。 そして、ミラーM5で上方に反射されたEUV光EX 、ミラーM6で下方に反射されて、ウエハ24上 レチクル22のパターンの像を形成する。

 ウエハ24上の一つのショット領域を露光 るときには、EUV光EXが照明光学系によりレチ クル22の照明領域に照射され、レチクル22と エハ24とは投影光学系25に対して投影光学系2 5の縮小倍率に応じた速度比でY方向に同期し 移動する。その後、ウエハステージ27を駆 してウエハ24をステップ移動した後、ウエハ 24上の次のショット領域に対してレチクル22 パターンが走査露光される。このステップ 動と走査露光を繰り返すことによって、ウ ハ24上の複数のショット領域にレチクル22の ターンの像が露光される。

 前述の通り、照明光学系及び投影光学系2 5は、約70%の反射率を有する多層膜が形成さ た複数のミラーで構成されている。そのた 、EUV光EXのエネルギーの一部(残りの約30%)は ラー自身に吸収される。そして、その際に 収される熱量は数サブW~数Wであり、ミラー 反射面を熱変形させる可能性があり、投影 学系25の結像性能を低下させる可能性があ 。

 図3は、本発明の実施形態に係るミラー及 びそのミラー冷却装置を示す図である。図4 ミラーの特定の表面(非光学面)を示す平面図 、図5は図4の5-5線断面図を示している。

 なお、ここで説明するミラー41は、照明 学系又は投影光学系25を構成する複数のミラ ーの一つである。図4及び図5に示すミラー41 、厚さ1~2cm程度の略八角形ミラーであるが、 照明光学系内又は投影光学系25内に配置され 位置に応じて、八角形以外の形状、例えば 円盤状や扇盤状、八角形以外の多角形状等 用いられる場合もある。本実施形態におけ ミラー冷却装置は、多種多様のミラー形状 適用できることはいうまでもない。

 ミラー41は、反射面(入射面ともいう)41Aと 、反射面41Aと反対側の面、すなわち、特定の 表面を形成する裏面41Bと、側面41Cとを有する 。なお、反射面41Aを光学面と定義したとき、 裏面41B及び側面41Cを非光学面と定義すること ができる。このミラー41は、ゼロデュア(登録 商標)等の低熱膨張性ガラスで形成され、反 面41AはMo/Si多層膜42により形成されている。 た、この裏面41Bは、光学面並みに研磨して 面度が高められている。

 このミラー41には、側面41Cの一部に支持 43が周方向に離れて3箇所に形成されている ミラー41は、各支持部43において支持部材(図 示略)を介して鏡筒2内に支持されている。

 図4に示すように、ミラー41の裏面41Bには 反射面41AにおけるEUV光EXの照射領域RAと対応 する領域内に複数(本実施形態では6個)の係止 部44が形成されている。この係止部44は、第1 係合部として作用する。この係止部44は、 定方向に延び、かつ所定方向の両端部に曲 を有する溝部46と、この溝部46の一端部の周 の一部を覆い、溝部46の縁の部分が溝部46の 中央部に向けて張り出した張出部48とを有す 。この張出部48によって、ミラー41の裏面41B には、円形の挿入孔45と、その挿入孔45の径 り小さい幅を有する開口部47とが形成される 。挿入孔45は、溝部46の他端部がそのまま露 して形成されたものである。

 図3に示すように、ミラー41の裏面41Bには 後述する係合機構52を介して、例えばイン ー(登録商標)等の低熱膨張鋼または合金製の 平板状をなす冷却部材51が固定される。また 図3において、複数(本実施形態では6個)の係 合機構52のうち、一つの係合機構52について 、カバー53を取り外した状態で示している。 なお、冷却部材51とミラー41との接触精度を めるため、すなわち、冷却部材51の接触面51A とミラー41の裏面41Bとが互いにぴったりと接 するために、それらの接触面を平面加工す ことが望ましい。なお、好ましくは、冷却 材51におけるミラー41との接触面51Aには、低 熱膨張鋼または合金より加工の容易な物質の 層、例えばニッケル-リンめっき等の層を設 、鏡面加工を施すことにより接触面51Aの平 度を高めてもよい。また、ミラー41の裏面41B にも、冷却部材51と同様に、低熱膨張鋼また 合金より加工の容易な物質の層、例えばニ ケル-リンめっき等の層を設け、鏡面加工を 施すことにより裏面41Bの平面度を高めてもよ い。なお、加工の容易な物質の層は、ミラー 41の裏面41Bあるいは冷却部材の接触面51Aのい れか一方に設けてもよい。

 この冷却部材51の内部には、例えば純水 の冷媒が流通する冷媒通路54が係合機構52の を蛇行するように形成されている。また、 却部材51には、この冷媒通路54の入口と出口 の中間部、すなわち、ミラー41の裏面41Bの中 部に対応して、冷媒通路54の前記中間部を 通する冷媒の温度を検出するための温度セ サ55が設けられている。本実施形態では、温 度センサ55の検出結果に基づいて、冷媒通路5 4に供給する冷媒の温度を調整している。

 図6は、ミラー41と冷却部材51とを、係合 構52を用いて固定した状態を示す断面図であ る。図6に示すように、冷却部材51には、接触 面(内面ともいう)51Aと反対側の面(外面ともい う)51Bとの間を貫通する貫通孔56が形成されて いる。係合機構52は、冷却部材51に設けられ 、第2の係合部として作用する。係合機構52 、冷却部材51の貫通孔56に挿通され、かつ一 部にばね受け59が取り付けられた軸部57と、 この軸部57をばね受け59と面51Bとの間に配置 れるばね58と共に覆うカバー53とを有する。 ね58は、軸部57を接触面51Aとは反対側の面51B 側に付勢する付勢力を備え、付勢部材として 作用する。

 軸部57の他端部には、ミラー41の裏面41Bに 設けられた円形の挿入孔45に係合する係合部 60がフレクシャ部61を介して取り付けられて いる。この係合部材60は、軸部57より大径の 板状で形成され、挿入孔45、すなわち溝部46 係合する。また、軸部57は、開口部47の開口 幅に対応する径を有する。そして、本実施形 態では、第1の係合部として作用する係止部44 、第2の係合部として作用する係合機構52、付 勢部材として作用するばね58により、ミラー4 1と冷却部材51とを固定する固定機構が構成さ れている。

 ミラー41と冷却部材51とを固定機構を介し て取り付ける場合には、係合部材60をミラー4 1の裏面41Bに設けられた挿入孔45に係合する。 その後、挿入孔45から溝部46の他端部に向か て、係合部材60をスライドさせると、軸部57 張出部48の開口部47に沿って移動する。すな わち、軸部57は、張出部48と嵌合することに る。したがって、張出部48は、軸部57と嵌合 る嵌合部として機能する。

 そして、ミラー41と冷却部材51とは、ばね 58の付勢力が軸部57の係合部材60を介して張出 部48に伝達され、ミラー41と冷却部材51とが互 いに押し付け合うように固定される。

 ここで、ミラー41の挿入孔45は、軸部57の係 部材60よりさらに大径に形成されていても い。
 フレクシャ部61は、軸部57の軸方向において 異なる位置に形成された一対の首部を有する 。各首部は、軸部57の両側から掘り込み加工 ることよって形成されている。一対の首部 、軸部57の軸線方向における異なる位置に 成され、掘り込み加工の方向が両首部で異 っている。すなわち、一方の首部が所定方 に掘り込み加工された場合、他方の首部は 定方向に直交する方向に掘り込み加工して 成される。このフレクシャ部61により、軸部 57の係合部材60が、一対の首部を回転軸とし 溝部46の表面に沿って傾斜可能になっている 。

 次に、冷却部材51をミラー41に固定する方法 について、図6~図11に基づいて説明する。
 図7は、冷却部材51をミラー41に取り付ける の状態を示した断面図であり、この状態で 、係合機構52の軸部57の係合部材60は、ばね58 の付勢力により冷却部材51の接触面51Aに当接 れている。この状態で、図8に示すように、 冷却部材51に対して断面逆U字状の取付ジグ62 、軸部57を跨ぐように取り付ける。この取 ジグ62には、軸部57の一端部に当接して軸部5 7を係合部材60が接触面51Aから離間するように 移動させるねじ63が設けられている。

 ついで、図9に示すように、取付ジグ62の じ63をねじ込んで、ばね58の付勢力に抗して 、軸部57の係合部材60を冷却部材51の接触面51A から離間させる。この際、軸部57の係合部材6 0を、接触面51Aとの間に張出部48の厚さよりわ ずかに大きな隙間ができるように移動させて おく必要がある。そして、ミラー41の裏面41B 、係合機構52の係合部材60が挿入孔45に係合 るように、冷却部材51の接触面51Aを対向さ る。

 図10に示すように、係合部材60を挿入孔45 係合させた後、冷却部材51を溝部46の延びる 方向に平行移動させる。この平行移動によっ て、係合部材60は、溝部46に沿って移動し、 つ軸部57が張出部48に嵌合しながら移動し、 合部材60は、溝部46の底面と、張出部48との に配置される。その後、取付ジグ62のねじ63 を緩め、軸部57の係合部材60を張出部48に当接 させる。これにより、ばね58の付勢力によっ 、ミラー41と冷却部材51とが互いに押し付け 合った状態で固定される。ついで、図11に示 ように、取付ジグ62を冷却部材51から取り外 し、さらに、図6に示すように軸部57を覆うよ うに冷却部材51にカバー53を取り付ける。

 なお、図では、2つの係合機構52のみを示し が、冷却部材51をミラー41に固定する場合に は、すべての係合機構52を同じように操作す ばよい。
 従って、本実施形態によれば、以下に示す 果を得ることができる。

 (1)このミラー41には、その裏面41Bと冷却 材51の接触面51Aとが互いに押し付け合った状 態で、冷却部材51に取り付けられた係合機構5 2に係合する係止部44が設けられている。この ため、冷却部材51を、ミラー41の裏面41Bに直 接触させた状態で固定することができる。 れにより、EUV光EXの照射により、ミラー41が 熱したとしても、ミラー41の熱は直接熱伝 により冷却部材51に移動され、ミラー41を極 て効率よく冷却することができる。従って 高エネルギーのEUV光EXを用いたとしても、 ラー41の熱変形を効果的に抑制することがで きる。そして、ミラー41の反射面41Aの面精度 高く保つことができ、レチクル22上のパタ ンをウエハ24上に精度よく転写することがで きる。

 (2)この冷却部材51の接触面51Aには、冷却 材51を構成する材料よりも加工し易い金属層 が形成されている。このため、冷却部材51の 触面51Aの平面度を容易に向上させることが きる。これにより、ミラー41と冷却部材51と の密着性を向上することができ、冷却部材51 冷却効率をさらに高めることができる。ま 、冷却部材51をミラー41に接合した際に、ミ ラー41の反射面41Aの面精度に与える影響を小 くすることができる。

 (3)このミラー41と冷却部材51とは、ミラー 41の係止部44と冷却部材の係合機構52との係合 により固定され、係合機構52にはミラー41を 却部材51側に付勢するばね58が設けられてい 。このため、簡易な構成でかつ安定にミラ 41と冷却部材51とを互いに押し付け合った状 態で固定することができる。また、例えばミ ラー41の反射面41Aの再加工が必要になった場 にも、ばね58を撓ませることにより、冷却 材51をミラー41から取り外すことができる。 らに、冷却部材51をミラー41に再度取り付け た際にも、再現性よく押し付け力を発生させ ることができる。

 (4)係合機構52が、大径の係合部材60とその 係合部材60より小径の軸部57とを有している 一方、ミラー41の裏面41Bには、係合機構52の 合部材60が係合可能で、かつ所定方向に延 る溝部46と、その溝部46の一部を覆い、かつ 部57と嵌合可能な張出部48とを有する係止部 44が形成されている。このため、係合機構52 軸部57を係止部44内に挿入して係合部材60を 部46に沿って移動させ係止することで、冷却 部材51をミラー41に固定することができる。

 (5)係合機構52には、係合部材60と軸部57と 連結するフレクシャ部61が設けられている このため、係合機構52が係止部44の張出部48 当接する際に、係合部材60を張出部48に負荷 を生じさせることなく沿わせることができ 。従って、冷却部材51をミラー41に固定する ことによる反射面41Aの面精度への影響をさら に小さくすることができる。

 (6)このミラー41では、係合機構52を係止す る係止部44が、裏面41Bに複数設けられている このため、ミラー41と冷却部材51とを隙間な くかつ均一に密着させることができ、冷却部 材51による冷却効果を高めることができる。

 (7)このミラー41では、係止部44が、その裏 面41BのEUV光EXが入射する反射面41Aの照射領域R Aに対応する領域内に複数設けられている。 のため、ミラー41の発熱しやすい領域におい て、冷却部材51をより確実に密着させること でき、ミラー41を効率よく冷却することが きる。

 (8)この冷却部材51には、冷媒通路54が設け られており、冷媒通路54に冷媒を流すことに り、ミラー41から伝達された熱を速やかに 却部材51の外部に放出することができる。

 (9)この冷却部材51には、冷媒通路54内の冷 媒の温度を検出する温度センサ55が設けられ いる。これにより冷却部材51の温度を求め ことができ、この温度センサ55の検出結果に 基づいて、冷媒通路54に供給する冷媒の温度 調整することで、より確実にミラー41の冷 を行うことができる。

 (10)このミラー41は、真空雰囲気内に配置 れるミラーである。このため、輻射冷却で 、ミラー41を十分に冷却することが難しい とがある。これに対して、このミラー41は冷 却部材51と隙間なく直接接触されている。従 て、ミラー41の熱を熱伝達により、より確 かつ効率よく冷却部材51に移行させることが でき、このミラー41及び冷却部材51の構成は 真空雰囲気内に配置されるミラーと冷却部 との構成として、特に好適である。

 (11)この鏡筒2及び露光装置20は、少なくと も1つのミラー41が、前記(1)~(10)に記載の優れ 効果を有するミラー冷却装置により冷却さ ている。このため、ミラー41の熱変形を効 的に抑制することができ、露光装置20の露光 精度を向上することができる。

 なお、本実施形態の冷却部材51は、照明 学系及び投影光学系25を構成するミラーのそ れぞれに設け、そして、冷却部材51に設けら た温度センサの検出結果に基づいて、ミラ 毎に温度調整することが望ましい。

 (第2の実施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態を図12及び図1 3に従って説明する。なお、第2の実施形態は ミラー冷却装置の構成が第1の実施形態と異 なっている。したがって、以下の説明におい ては、第1の実施形態と相違する部分につい 主に説明するものとし、第1の実施形態と同 又は相当する部材構成には同一符号を付し 重複説明を省略するものとする。

 図12に示すように、ミラー41の反射面41A全 体にEUV光EXが入射するとは限らない。例えば 図4の例では、ミラー41の反射面41AがEUV光EX よって対称的にまたは偏りなく照射される 、図12のように、反射面41AがEUV光EXによって 対称的にまたは偏って照射されることがあ 。この場合、ミラー41の反射面41Aには、図12 にて一点鎖線で示す境界線よりも左側に位置 し、且つEUV光EXが入射する入射面70と、図12に て一点鎖線で示す境界線よりも右側に位置し 、且つEUV光EXが入射しない非入射面71とが形 されることがある。こうして反射面41Aに入 面70及び非入射面71が偏って形成される場合 ミラー41のうち入射面70に対応する入射部分 と、非入射面71に対応する非入射部分とでは 熱エネルギーの蓄熱量が異なる。そこで、 実施形態のミラー冷却装置は、ミラー41の ち入射部分を冷却する効率と非入射部分を 却する効率とが互いに異なるように構成さ ている。なお、以降の記載において、ミラ 41において特定の表面を形成する裏面41Bのう ち入射部分に対応する領域のことを第1の面72 というものとし、非入射部分に対応する領域 のことを第2の面73というものとする。

 具体的には、図13に示すように、ミラー 却装置は、ミラー41の裏面41Bに接触する接触 面51Aを有する冷却部材51を備えている。この 却部材51の接触面51Aのうちミラー41の第1の 72に接触可能な領域は第1接触面74とされると 共に、接触面51Aのうち第2の面73に接触可能な 領域は第2接触面75とされる。そして、冷却部 材51は、上記第1の実施形態と同様に、複数( 実施形態では6つ)の係合機構52によって、そ 接触面51Aと裏面41Bとが互いに押し付け合う 態でミラー41に固定されている。

 また、冷却部材51内には、冷媒が流通す 複数(本実施形態では2つ)の冷媒流路76,77が形 成されている。具体的には、第1冷媒流路76は 、冷却部材51のうち第1接触面74に対応する部 内に形成されていると共に、第2冷媒流路77 、冷却部材51のうち第2接触面75に対応する 分内に形成されている。また、冷却部材51に は、冷媒流路76,77に個別対応する複数(本実施 形態では2つ)の温度センサ78,79が設けられて る。第1冷媒流路76用の温度センサ78は、冷却 部材51のうち第1接触面74に対応する部分の中 付近であって、且つ冷却部材51の第1の面72 温度を検出可能な状態で配置されている。 た、第2冷媒流路77用の温度センサ79は、冷却 部材51のうち第2接触面75に対応する部分の中 付近であって、且つ冷却部材51の第2の面73 温度を検出可能な状態で配置されている。

 ミラー冷却装置には、温度センサ78,79に 続された温度調整装置80が設けられている。 温度調整装置80は、温度センサ78,79からの電 信号に基づき冷媒流路76,77内を流通させる冷 媒の温度を個別に調整可能である。具体的に は、温度調整装置80は、冷却部材51において 1の面72の温度と第2の面73の温度とが等しく るように冷媒流路76,77内に供給する冷媒の温 度を個別に調整し、該冷媒を冷媒流路76,77内 冷媒供給管路81,82を介してそれぞれ供給す 。

 本実施形態の冷却部材51においては、入 部分のほうが非入射部分よりも熱エネルギ の蓄熱量が多い。そのため、冷却部材51全体 を均一に冷却する場合には、入射部分のほう が非入射部分よりも高温になりやすく、ミラ ー41に不均一な温度分布が発生する可能性が る。そこで、第1冷媒流路76内では、第2冷媒 流路77内を流通する冷媒の温度よりも低温の 媒が流通する。

 すなわち、冷却部材51において第1接触面7 4によるミラー41の入射部分の冷却効率のほう が、第2接触面75によるミラー41の非入射部分 冷却効率よりも高い。そのため、本実施形 のミラー冷却装置は、ミラー41に入射部分 び非入射部分が形成される場合であっても ミラー41内に不均一な温度分布を形成させる ことなく、該ミラー41が冷却される。

 したがって、本実施形態では、上記第1の実 施形態の効果(1)~(11)に加えて以下に示す効果 得ることができる。
 (12)本実施形態のミラー冷却装置は、ミラー 41の入射部分の冷却効率が非入射部分の冷却 率よりも高効率となるように構成されてい 。そのため、入射部分と非入射部分とが形 されるようなミラー41を冷却する場合には ミラー41の裏面41Bを一様に冷却する場合に比 して、ミラー41内に不均一な温度分布が形成 れることを抑制できる。したがって、ミラ 41の一部分(例えば、入射部分)のみが熱変形 してしまうことを抑制でき、ミラー41の反射 性を良好に維持できる。

 (第3の実施形態)
 次に、本発明の第3の実施形態を図14に従っ 説明する。なお、第3の実施形態は、冷却部 材の構成が第2の実施形態と異なっている。 たがって、以下の説明においては、第1及び 2の実施形態と相違する部分について主に説 明するものとし、第1及び第2の実施形態と同 又は相当する部材構成には同一符号を付し 重複説明を省略するものとする。

 図14に示すように、本実施形態のミラー 却装置は、ミラー41の裏面41Bに接触する冷却 部材51と、該冷却部材51の温度を調整する温 調整装置80とを備えている。冷却部材51は、 ラー41の裏面41Bのうち第1の面72に接触する 1接触面74を有する複数(本実施形態では4つ) 第1冷却部85と、第2の面73に接触する第2接触 75を有する複数(本実施形態では2つ)の第2冷 部86とを備える。

 第1冷却部85及び第2冷却部86は、係合機構5 2によって、それらの第1接触面74及び第2接触 75がミラー41の第1の面72及び第2の面73にそれ ぞれ押し付け合った状態で固定されている。 また、複数の冷却部85及び86には、第1の面72 び第2の面73の温度を検出するための温度セ サ87A,87B,87C,87D,87E,87Fがそれぞれ設けられてい る。そして、これら温度センサ87A~87Fは、対 づけられた第1の面72及び第2の面73の温度に 応した電気信号を温度調整装置80に出力する ようになっている。

 また、各第1冷却部85内には、該第1冷却部 85を介してミラー41の入射部分を冷却させる めの冷媒を流通させる第1冷媒流路76が形成 れている。また、各第2冷却部86内には、該 2冷却部86を介してミラー41の非入射部分を冷 却させるための冷媒を流通させる第2冷媒流 77が形成されている。そして、複数の冷媒流 路76及び77内には、温度調整装置80によって個 別に温度調整された冷媒がそれぞれ供給され る。

 したがって、本実施形態では、上記第1及び 第2の実施形態の効果(1)~(12)に加えて以下に示 す効果を得ることができる。
 (13)本実施形態の冷却部材51は、複数の冷却 85,86から構成されている。しかも、冷却部85 ,86には、冷媒流路76,77がそれぞれ形成されて る。そのため、ミラー41の部分毎の温度調 を、より細やかに行うことができる。した って、ミラー41の各部分での熱エネルギーの 蓄熱量が異なったとしても、好適に対応でき る。

 (第4の実施形態)
 次に、本発明の第4の実施形態を図15及び図1 6に従って説明する。なお、第4の実施形態は ミラー冷却装置の構成が第1~第3の実施形態 異なっている。したがって、以下の説明に いては、第1~第3の実施形態と相違する部分 ついて主に説明するものとし、第1~第3の実 形態と同一又は相当する部材構成には同一 号を付して重複説明を省略するものとする

 図15に示すように、本実施形態のミラー 却装置は、ミラー41の裏面41B側に固定される 冷却機構90と、該冷却機構90を制御する制御 置91とを備えている。冷却機構90は、図15及 図16に示すように、ミラー41の特定の表面で る裏面41Bに吸熱面92が接触する複数(本実施 態では6つ)のペルチェ素子93と、該各ペルチ ェ素子93の放熱面94と接触する接触面51Aを有 る冷却部材51とを備えている。そして、各ペ ルチェ素子93及び冷却部材51は、ペルチェ素 93と同数(本実施形態では6つ)の係合機構52に って、吸熱面92と裏面41Bとを互いに押し付 合わせると共に放熱面94と接触面51Aとを互い に押し付け合わせた状態で、ミラー41に固定 れる。

 各ペルチェ素子93は、円環状をなしてお 、係合機構52の軸部57を包囲するように配置 れている。すなわち、各ペルチェ素子93は 係合機構52によって付与される押圧力が最も 強い位置に配置されている。なお、冷却部材 51内には、各ペルチェ素子93の放熱面94を冷却 させるための冷媒が流通する冷媒通路54が形 されている。

 本実施形態では、各ペルチェ素子93の吸 面92及び放熱面94は、ミラー41及び冷却部材51 との接触精度を高めるために、平面加工する ことが望ましい。なお、好ましくは、各ペル チェ素子93の吸熱面92及び放熱面94には、低熱 膨張鋼または合金より加工の容易な物質の層 、例えばニッケル-リンめっき等の層を設け 鏡面加工を施すことにより吸熱面92及び放熱 面94の平面度を高めてもよい。また、ミラー4 1の裏面41B及び冷却部材51の接触面51Aにも、冷 却部材51と同様に、低熱膨張鋼または合金よ 加工の容易な物質の層、例えばニッケル-リ ンめっき等の層を設け、鏡面加工を施すこと により裏面41B及び接触面51Aの平面度を高めて もよい。

 また、冷却機構90には、ミラー41の裏面41B の中央部に対応した位置に、該ミラー41の裏 41Bの温度を検出するための温度センサ55が けられている。この温度センサ55は、ミラー 41の裏面41Bの温度に対応した電気信号を制御 置91に出力するようになっている。

 制御装置91は、図示しないCPU、ROM及びRAM どを有するデジタルコンピュータを有して る。そして、制御装置91は、温度センサ55か の電気信号に基づき、ミラー41の裏面41Bの 度を演算により検出し、該検出結果に応じ 各ペルチェ素子93によるミラー41の冷却効率 制御している。すなわち、本実施形態では 上記各実施形態とは異なり、ミラー41は、 ルチェ素子93によって冷却され、冷却部材51 、ペルチェ素子93の放熱面94を冷却している 。このように構成しても、ミラー41は、ミラ 冷却装置によって好適に冷却される。

 したがって、本実施形態では、上記第1~第3 実施形態の効果(3)~(8)に加えて以下に示す効 果を得ることができる。
 (14)このミラー41には、その裏面41Bと各ペル ェ素子93の吸熱面92とが互いに押し付け合う と共に、各ペルチェ素子93の放熱面94と冷却 材51の接触面51Aとが互いに押し付け合った状 態で、冷却部材51に取り付けられた係合機構5 2に係合する係止部44が設けられている。この ため、各ペルチェ素子93を、吸熱面92がミラ 41の裏面41Bに直接接触した状態で固定するこ とができる。これにより、EUV光EXの照射によ 、ミラー41が発熱したとしても、ミラー41の 熱は熱伝導により各ペルチェ素子93を介して 却部材51に移動され、ミラー41を極めて効率 よく冷却することができる。したがって、高 エネルギーのEUV光EXを用いたとしても、ミラ 41の熱変形を効果的に抑制することができ 。そして、ミラー41の反射面41Aの面精度を高 く保つことができ、レチクル22上のパターン ウエハ24上に精度よく転写することができ 。

 (15)ミラー41の裏面41B及び各ペルチェ素子9 3の吸熱面92には、ミラー41とペルチェ素子93 の接触精度を高めるために、平面加工が施 れている。そのため、各ペルチェ素子93の放 熱面94とミラー41との密着性を向上すること でき、各ペルチェ素子93による冷却効率をさ らに高めることができる。

 (16)また、各ペルチェ素子93の放熱面94及 冷却部材51の接触面51Aには、ペルチェ素子93 冷却部材51との接触精度を高めるために、 面加工が施されている。そのため、各ペル ェ素子93の放熱面94と冷却部材51との密着性 向上することができ、冷却部材51による各ペ ルチェ素子93からの吸熱効率をさらに高める とができる。

 (17)各ペルチェ素子93は、係合機構52から 押圧力が最も強い位置に配置されている。 のため、各ペルチェ素子93が係合機構52から 間した位置に配置される場合に比して、各 ルチェ素子93とミラー41との密着性を高める ことができる分、ミラー41の冷却効率を高め ことができる。

 (18)また、一般的に、加工精度のため、ペ ルチェ素子93の形状誤差は、ミラー41などに して、大きく、複数のペルチェ素子93の厚み を高精度に揃えることは困難である。そのた め、1つの係合機構52だけでミラー41にペルチ 素子93や冷却部材51を固定させようとした場 合には、ミラー41や冷却部材51に対して密着 の低い状態で接触するペルチェ素子93が存在 する可能性がある。この点、本実施形態では 、係合機構52は、ペルチェ素子93毎に設けら ている。そのため、各ペルチェ素子93を、そ の形状誤差などに関係なく、ミラー41及び冷 部材51に確実に密着させることができる。 のため、各ペルチェ素子93による吸熱性能を 十分に発揮させることができる。

 (19)ミラー41は、真空雰囲気内に配置され ミラーである。このため、輻射冷却では、 ラー41を十分に冷却すること難しいことが る。これに対して、このミラー41はペルチェ 素子93の吸熱面92と隙間なく直接接触されて る。したがって、ミラー41の熱を熱伝達によ り、より確実かつ効率よくペルチェ素子93を して冷却部材51に移行させることができ、 のミラー41、ペルチェ素子93及び冷却部材51 構成は、真空雰囲気内に配置されるミラー 熱伝達部材及び冷却部材の構成として、特 好適である。

 (第5の実施形態)
 次に、本発明の第5の実施形態を図17に従っ 説明する。なお、第5の実施形態は、冷却部 材の構成が第4の実施形態と異なっている。 たがって、以下の説明においては、第1~第4 実施形態と相違する部分について主に説明 るものとし、第1~第4の実施形態と同一又は 当する部材構成には同一符号を付して重複 明を省略するものとする。

 前述したように、ミラー41の反射面41Aに 、EUV光EXが入射する入射面70と、EUV光EXが入 しない非入射面71とが形成されることがある 。こうしたミラー41を冷却するためのミラー 却装置は、ミラー41のうち入射部分を冷却 る効率と、非入射部分を冷却する効率とが いに異なるように構成されていることが好 しい。

 すなわち、図17に示すように、本実施形 の冷却部材51は、ミラー41の入射部分を冷却 るための複数(本実施形態では4つ)の第1冷却 部85と、ミラー41の非入射部分を冷却するた の複数(本実施形態では2つ)の第2冷却部86と 備える。第1冷却部85及び第2冷却部86内には ペルチェ素子93の放熱面94を冷却させるため 冷媒を流通させる冷媒流路76,77がそれぞれ 成されている。

 また、各第1冷却部85には、第1の面72に接 する吸熱面92を有するペルチェ素子93(第1熱 達部材ともいう)の放熱面94に接触する第1接 触面74が形成されている。各第2冷却部86には 第2の面73に接触する吸熱面92を有するペル ェ素子93(第2熱伝達部材ともいう)の放熱面94 接触する第2接触面75が形成されている。ま 、各第1冷却部85及び各第2冷却部86は、係合 構52によって、ペルチェ素子93と共にミラー 41に固定されている。さらに、複数の第1冷却 部85には、ミラー41の第1の面72の温度を検出 るための温度センサ87A,87B,87C,87Dがそれぞれ けられると共に、複数の第2冷却部86には、 ラー41の第2の面73の温度を検出するための温 度センサ87E,87Fがそれぞれ設けられている。 して、制御装置91は、各温度センサ87A~87Fか の電気信号に応じて検出した温度に基づき 各ペルチェ素子93を個別に制御するようにな っている。

 したがって、本実施形態では、上記第1~第4 実施形態の効果(3)~(8)(14)~(19)に加えて以下に 示す効果を得ることができる。
 (20)本実施形態では、ペルチェ素子93毎に冷 部85,86が設けられるため、各ペルチェ素子93 によるミラー41の冷却効率を、良好に維持で る。

 (21)また、各ペルチェ素子93は、該ペルチ 素子93毎に設けられた温度センサ87A~87Fから 電気信号に応じて個別に制御される。その め、1つの温度センサにて各ペルチェ素子93 制御する場合に比して、ミラー41の不均一 温度分布の発生を好適に抑制できる。

 上記各実施形態は以下のような別の実施形 に変更してもよい。
 ・図3においては、ミラー41と冷却部材51と 直接接触させていたが、図18に示すように、 ミラー41と冷却部材51との間には、軟質性の 伝達物質の層、例えばインジウムやその合 からなる軟金属層64を形成して、この軟金属 層64を介してミラー41と冷却部材51とが接触す るようにしてもよい。また、軟質性の熱伝達 物質として、高熱伝導性を有する液体金属( えば、ガリウムやインジウムなどを含む液 金属)を用いてもよい。このように構成すれ 、軟金属層64が変形することにより、ミラ 41の裏面41B及び冷却部材51の接触面51A上の微 な凹凸が吸収され、ミラー41の裏面41B及び 却部材51の接触面51Aの平面加工を厳密に行う ことなく、より確実に密着させることができ る。

 ・同様に、第2及び第3の実施形態におい 、ミラー41と冷却部材51との間には、軟質性 熱伝達物質の層、例えばインジウムやその 金からなる軟金属層64を形成して、この軟 属層64を介してミラー41と冷却部材51とが接 するようにしてもよい。また、軟質性の熱 達物質として、高熱伝導性を有する液体金 を用いてもよい。

 ・同様に、第4及び第5の実施形態におい 、ミラー41とペルチェ素子93との間には、軟 性の熱伝達物質の層、例えばインジウムや の合金からなる軟金属層を形成して、この 金属層を介してミラー41とペルチェ素子93と が接触するようにしてもよい。また、ペルチ ェ素子93と冷却部材51との間にも、軟質性の 伝達物質からなる軟金属層を形成して、こ 軟金属層を介してペルチェ素子93と冷却部材 51とが接触するようにしてもよい。なお、軟 性の熱伝達物質として、高熱伝導性を有す 液体金属を用いてもよい。

 ・第2の実施形態において、冷却部材51の ち第1接触面74に対応する部分内には、複数( 例えば4つ)の第1冷媒流路76を形成してもよい また、冷却部材51のうち第2接触面75に対応 る部分内には、複数(例えば2つ)の第2冷媒流 77を形成してもよい。

 ・第2実施形態において、第2冷媒流路77に は、第1冷媒流路76内を流通した後の冷媒を供 給してもよい。このように構成しても、第1 媒流路76内を流通する冷媒と、第2冷媒流路77 内を流通する冷媒との間で温度差を発生させ ることができる。

 ・第1~第3の実施形態において、温度センサ5 5,78,79,87A~87Fは、冷却部材51の接触面51Aの温度 検出できるように配置してもよい。
 ・第4及び第5の実施形態において、温度セ サ55,87A~87Fは、ペルチェ素子93の吸熱面92の温 度を検出できるように配置してもよい。

 ・各実施形態において、ミラー41の裏面41B 少なくとも一部を、冷却部材51の接触面51Aに 接触するようにしてもよい。
 ・第1~第3の実施形態において、冷却部材51 ミラー41に、例えばねじ止め等により、ミラ ー41と冷却部材51とが互いに押し付け合うよ に固定してもよい。この場合、ねじが固定 構を構成する。

 ・同様に、第4及び第5の実施形態において ねじ止めなどにより、ペルチェ素子93を介在 させた状態で冷却部材51をミラー41に固定さ てもよい。
 ・第4及び第5の実施形態において、各ペル ェ素子93を、互いに隣り合う係合機構52同士 間に配置してもよい。

 ・各実施形態において、ミラー41を、例え 銅、ステンレス鋼等の金属により構成して よい。
 ・各実施形態では、露光装置内を真空雰囲 としたが、照明光学系及び投影光学系の鏡 のみを真空雰囲気としてもよい。また、鏡 内を、例えば空気や、窒素、ヘリウム、ア ゴン、クリプトン、ラドン、ネオン、キセ ン等の不活性ガス等で満たすものとしても い。

 ・各実施形態では、本発明の光学部材冷 装置を、ミラー41を冷却する光学部材冷却 置に具体化した。これに対して、本発明の 学部材冷却装置は、例えばレンズ、ハーフ ラー、平行平板、プリズム、プリズムミラ 、ロッドレンズ、フライアイレンズ、位相 板等の他の光学部材を冷却する光学部材冷 装置に具体化してもよい。

 ・各実施形態において、光学部材冷却装 は、実施形態の露光装置20の照明光学系に けるミラー41の冷却構成に限定されることな い。例えば、レチクル22の冷却構成に具体化 てもよい。さらに、他の光学機械、例えば 微鏡、干渉計等の光学系における光学部材 冷却構成に具体化してもよい。

 ・また、露光光がArF波長域の場合には、 影光学系として反射屈折型の光学系を用い ことがある。この場合には、反射屈折型の 学系が有するミラーに、本実施形態のミラ 冷却装置を適用することができる。

 ・また、ミラーの裏面に曲率がある場合に 、その曲率に合わせて、冷却部材の接触面 加工すればよい。
 ・さらに、ミラーに開口が形成されている 合には、その開口を囲むような冷却部材を 成すればよい。

 ・各実施形態の露光装置20は、液体として (純水)、フッ素系液体、デカリン(C 10 H 18 )を用いる液浸露光装置、投影光学系25とウエ ハ24との間の所定の気体(空気、不活性ガスな ど)で満たされた露光装置にも適用すること 可能である。さらに、投影光学系を用いる となく、マスクと基板とを密接させてマス のパターンを露光するコンタクト露光装置 マスクと基板とを近接させてマスクのパタ ンを露光するプロキシミティ露光装置の光 系にも適用することができる。

 ・さらに、本発明の露光装置20は、縮小露 型の露光装置に限定されるものではなく、 えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置で ってもよい。
 ・また、半導体素子などのマイクロデバイ だけでなく、光露光装置、X線露光装置、及 び電子線露光装置などで使用されるレチクル またはマスクを製造するために、マザーレチ クルからガラス基板やシリコンウエハなどへ 回路パターンを転写する露光装置にも本発明 を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空 紫外)光などを用いる露光装置では一般に透 型レチクルが用いられ、レチクル基板とし は、石英ガラス、フッ素がドープされた石 ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、また 水晶などが用いられる。また、プロキシミ ィ方式のX線露光装置や電子線露光装置など は、透過型マスク(ステンシルマスク、メン バレンマスク)が用いられ、マスク基板とし はシリコンウエハなどが用いられる。

 ・もちろん、半導体素子の製造に用いら る露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD) どを含むディスプレイの製造に用いられて バイスパターンをガラスプレート上へ転写 る露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用 られて、デバイスパターンをセラミックウ ハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像 子の製造に用いられる露光装置などにも本 明を適用することができる。

 ・さらに、本発明は、マスクと基板とが 対移動した状態でマスクのパターンを基板 転写し、基板を順次ステップ移動させるス ャニング・ステッパ、マスクと基板とが静 した状態でマスクのパターンを基板へ転写 、基板を順次ステップ移動させるステップ アンド・リピート方式のステッパとを問わ 適用することができる。

 ・また、露光装置20の光源としては、例え g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(247nm) 、ArFエキシマレーザ(193nm)、F 2 レーザ(157nm)、Kr 2 レーザ(146nm)、Ar 2 レーザ(126nm)等を用いてもよい。また、DFB半 体レーザまたはファイバレーザから発振さ る赤外域、または可視域の単一波長レーザ を、例えばエルビウム(またはエルビウムと ッテルビウムの双方)がドープされたファイ バアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて 紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい 。

 ・なお、各実施形態の露光装置20は、例え 次のように製造される。
 すなわち、まず、照明光学系、投影光学系2 5を構成する複数のミラーの少なくとも一つ 、本実施形態の冷却部材51を固定し、この照 明光学系及び投影光学系25を露光装置20の本 に組み込み、光学調整を行う。次いで、多 の機械部品からなるウエハステージ27(スキ ンタイプの露光装置の場合は、レチクルス ージ26も含む)を露光装置20の本体に取り付け て配線を接続する。そして、EUV光EXの光路内 ら気体を吸引する真空配管を接続した上で さらに総合調整(電気調整、動作確認など) 行う。

 ここで、冷却部材51を構成する各部品は 超音波洗浄などにより、加工油や、金属物 などの不純物を落としたうえで、組み上げ れる。なお、露光装置20の製造は、温度、湿 度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整 されたクリーンルーム内で行うことが望まし い。

 ・各実施形態におけるミラー41の材料と て、ゼロデュア(登録商標)を例に説明したが 、蛍石、合成石英、フッ化リチウム、フッ化 マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチ ウム-カルシウム-アルミニウム-フロオライド 、及びリチウム-ストロンチウム-アルミニウ -フロオライド等の結晶や、ジルコニウム- リウム-ランタン-アルミニウムからなるフッ 化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス 、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガ ラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素 加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良 英を用いた場合にも、前記実施形態の冷却 成を適用することができる。

 次に、上述した露光装置20をリソグラフィ 程で使用したデバイスの製造方法の実施形 について説明する。
 図19は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、 晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッ ド、マイクロマシン等)の製造例のフローチ ートを示す図である。図19に示すように、ま ず、ステップS101(設計ステップ)において、デ バイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計( 例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行 、その機能を実現するためのパターン設計 行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ス テップ)において、設計した回路パターンを 成したマスク(レチクル22等)を製作する。一 、ステップS103(基板製造ステップ)において シリコン、ガラスプレート等の材料を用い 基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハ となる。)を製造する。

 次に、ステップS104(基板処理ステップ)に いて、ステップS101~S103で用意したマスクと 板を使用して、後述するように、リソグラ ィ技術等によって基板上に実際の回路等を 成する。次いで、ステップS105(デバイス組 ステップ)において、ステップS104で処理され た基板を用いてデバイス組立を行う。このス テップS105には、ダイシング工程、ボンディ グ工程、及びパッケージング工程(チップ封 等)等の工程が必要に応じて含まれる。

 最後に、ステップS106(検査ステップ)にお て、ステップS105で作製されたデバイスの動 作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う 。こうした工程を経た後にデバイスが完成し 、これが出荷される。

 図20は、半導体デバイスの場合における 図19のステップS104の詳細なフローの一例を す図である。図20において、ステップS111(酸 ステップ)では、ウエハの表面を酸化させる 。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハ表面 に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成 テップ)では、ウエハ上に電極を蒸着によっ て形成する。ステップS114(イオン打込みステ プ)では、ウエハにイオンを打ち込む。以上 のステップS111~S114のそれぞれは、ウエハ処理 の各段階の前処理工程を構成しており、各段 階において必要な処理に応じて選択されて実 行される。

 ウエハプロセスの各段階において、上述 前処理工程が終了すると、以下のようにし 後処理工程が実行される。この後処理工程 は、まず、ステップS115(レジスト形成ステ プ)において、ウエハに感光剤を塗布する。 き続き、ステップS116(露光ステップ)におい 、先に説明したリソグラフィシステム(露光 装置21)によってマスク(レチクル)の回路パタ ンをウエハ上に転写する。次に、ステップS 117(現像ステップ)では露光されたウエハを現 し、ステップS118(エッチングステップ)にお て、レジストが残存している部分以外の部 の露出部材をエッチングにより取り去る。 して、ステップS119(レジスト除去ステップ) おいて、エッチングが済んで不要となった ジストを取り除く。

 これらの前処理工程と後処理工程とを繰り し行うことによって、ウエハ上に多重に回 パターンが形成される。
 以上説明した本実施形態のデバイス製造方 を用いれば、露光工程(ステップS116)におい 上記の露光装置20が用いられ、EUV光EXにより 解像力の向上が可能となり、しかも露光量制 御を高精度に行うことができる。従って、結 果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバ イスを歩留まりよく生産することができる。