INOUE TSUTOMU (JP)
KUBOTA YASUSHI (JP)
INOUE TSUTOMU (JP)
WO2006104226A1 | 2006-10-05 | |||
WO2005077908A1 | 2005-08-25 | |||
WO2002040491A1 | 2002-05-23 | |||
WO2006054366A1 | 2006-05-26 | |||
WO2006104226A1 | 2006-10-05 |
JP2005225810A | 2005-08-25 | |||
US6441231B1 | 2002-08-27 |
KAKEI, H. ET AL.: "Catalytic asymmetric epoxidation of a, beta-unsaturated esters with chiral yttrium-biaryldiol complexes", CHEMISTRY--AN ASIAN JOURNAL, vol. 2, no. 2, 2007, pages 257 - 264
KAKEI, H. ET AL.: "Catalytic Asymmetric Epoxidation of a, beta-Unsaturated Esters Using an Yttrium-Biphenyldiol Complex", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 127, no. 25, 2005, pages 8962 - 8963
See also references of EP 2264038A4
ORGANIC PROCESS RESEARCH & DEVELOPMENT, vol. 11, 2007, pages 628
Masaki Hirota (JP)
下記式(1’) R 1 及びR 2 は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を示し、 或いはR 1 とR 2 は一緒になって、2価の有機基を示す。 R 3’ 及びR 4’ は、同一又は相異なって、1価の有機基を示し、 或いはR 3’ とR 4’ は一緒になって、オニウム窒素原子を含む環状構造を為す有機基を示す。 Arは、1価の有機基を示す。 *は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。 X - は、カウンターアニオンを示す。) で表される光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
式(1’)が、式(1) R 1 及びR 2 は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2~C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2~C8アルキニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基、置換基を有していてもよいC1~C8アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1~C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6~C14アリールカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6~C14アリールスルホニル基を示し、 或いは、R 1 とR 2 は一緒になって、Rと同じ定義の2価の基を示す。 R 3 及びR 4 は、同一又は相異なって、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び-SO 2 -基からなる群から選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から30の1価の基を示し、 或いは、R 3 とR 4 は一緒になって、-CH 2 -N + -CH 2 -と共に合計員数が5から63の環を形成する。 Arは、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、又は、置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基を示す。 X - 、*は、前記と同じ意味を示す。)で表されることを特徴とする、請求項1記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
前記式(1’)又は式(1)中の、Rが、下記式(2) -O-R’-O- (2) (式中R’は、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて酸素原子又は-SO 2 -基からなり、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から8の鎖状の2価の基を示す。)で表される基であることを特徴とする、請求項1又は2記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
前記式(1’)又は(1)中の、R 1 及びR 2 が、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、又は分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
前記式(1)中の、R 3 及びR 4 は、同一又は相異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C30アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、或いは、R 3 とR 4 は一緒になって、置換基を有してもよい炭素数2から60の2価の基であることを特徴とする、請求項2~4のいずれかに記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
前記式(1’)中の、Arは、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基である、請求項1に記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。 |
下記式(3) R 1 及びR 2 は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2~C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2~C8アルキニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基、置換基を有していてもよいC1~C8アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1~C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6~C14アリールカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6~C14アリールスルホニル基を示し、或いは、R 1 とR 2 は一緒になって、2価の有機基を示す。 *は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。 Yはスルホネート基又はハロゲン原子を示す。)で表される光学活性ビフェニル誘導体。 |
下記式(A) R β は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC7~C16アラルキル基を示す。 R a は、有機基を示す。 Ar’は、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基を示す。 波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるα-置換グリシン誘導体と、下記式(C) R b Z (C) (式中、R b はR a と異なる有機基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合物を、請求項1~6のいずれかに記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B) |
下記式(A’) R β は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC7~C16アラルキル基を示す。 Ar’は、置換基を有していてもよいC6~C14アリール基を示す。 波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるグリシン誘導体と、下記式(C) R b Z (C) (式中、R b は有機基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合物を、請求項1~6のいずれかに記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B') |
本発明は、光学活性ジベンゾアゼピン誘 体に関し、詳しくは医・農薬を中心とする 学活性を有する原体や中間体・出発原料等 製造に関わる分野で、不斉相間移動触媒と て高い利用価値を有する新規な光学活性4級 アンモニウム塩に関するものである。
不斉相間移動触媒として利用価値を有する
々な光学活性4級アンモニウム塩が提案され
ているが、とりわけ、光学活性6,7-ジヒドロ-5
H-ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格を有する化合物
有用である。該化合物としては、特許文献1
記載された下記式(L-1a)
一方、同じ触媒で前記反応に類似した反応
ある下式(M-2)
すなわち、従来のいずれの光学活性6,7-ジヒ
ドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格化合物も、
不斉ジアルキル化反応の触媒として用いるた
めには、課題を有していた。
本発明の目的は、新規な光学活性6,7-ジヒ ドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格を有する化 合物と、該化合物を触媒として微量用いるこ とによって、高い光学純度の生成物を高収率 で与える不斉ジアルキル化反応を提供するこ とにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意 究の結果、光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベン [c,e]アゼピン誘導体の1位と11位炭素を架橋す ることによって得られる新規な化合物が、不 斉ジアルキル化反応において極めて高い触媒 活性を発現することを見出し、本発明を完成 するに至った。
即ち、本発明は、
[1]下記式(1’)
R 1
及びR 2
は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲ
ン原子、又は有機基を示し、
或いはR 1
とR 2
は一緒になって、2価の有機基を示す。
R 3’
及びR 4’
は、同一又は相異なって、1価の有機基を示
、
或いはR 3’
とR 4’
は一緒になって、オニウム窒素原子を含む環
状構造を為す有機基を示す。
Arは、1価の有機基を示す。
*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニ
構造を構成する結合軸に関して一方の軸不
異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰で
ることを示す。
X -
は、カウンターアニオンを示す。)
で表される光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[
c,e]アゼピン誘導体、
[2]式(1’)が、式(1)
R 1
及びR 2
は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲ
ン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分
岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を
していてもよいC2~C8アルケニル基、置換基
有していてもよいC2~C8アルキニル基、置換基
を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状
のC1~C8アルコキシ基、置換基を有していても
いC6~C14アリール基、置換基を有していても
いC3~C8ヘテロアリ-ル基、置換基を有してい
もよいC1~C8アルキルカルボニル基、置換基
有していてもよいC1~C8アルキルスルホニル基
、置換基を有していてもよいC6~C14アリールカ
ルボニル基、又は置換基を有していてもよい
C6~C14アリールスルホニル基を示し、或いは、
R 1
とR 2
は一緒になって、Rと同じ定義の2価の基を示
。
R 3
及びR 4
は、同一又は相異なって、置換基を有してい
てもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置
換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子
、硫黄原子及び-SO 2
-基からなる群から選ばれる原子又は基によ
て構成され、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が1から30の1価の基を示し、
或いは、R 3
とR 4
は一緒になって、-CH 2
-N +
-CH 2
-と共に合計員数が5から63の環を形成する。
Arは、置換基を有していてもよいC6~C14アリー
基、又は、置換基を有していてもよいC3~C8
テロアリ-ル基を示す。
X -
、*は、前記と同じ意味を示す。)で表される
とを特徴とする、上記[1]記載の光学活性6,7-
ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[3]前記式(1’)又は式(1)中の、Rが、下記式(2)
-O-R’-O- (2)
(式中R’は、置換基を有していてもよい炭素
子、及び、必要に応じて酸素原子又は-SO 2
-基からなり、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が1から8の鎖状の2価の基を
す。)で表される基であることを特徴とする
上記[1]又は[2]記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H
-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[4]前記式(1’)又は(1)中の、R 1
及びR 2
が、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲ
ン原子、置換基を有していてもよい直鎖、又
は分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換
を有していてもよいC6~C14アリール基である
とを特徴とする、上記[1]~[3]のいずれかに記
載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]ア
ピン誘導体、
[5]前記式(1)中の、R 3
及びR 4
は、同一又は相異なって、置換基を有してい
てもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C30アル
キル基又は置換基を有していてもよいC6~C14ア
リール基、或いは、R 3
とR 4
は一緒になって、置換基を有してもよい炭素
数2から60の2価の基であることを特徴とする
上記[2]~[4]のいずれかに記載の光学活性6,7-ジ
ヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、及び
、
[6]前記式(1’)中の、Arは、置換基を有してい
もよいC6~C14アリール基、又は置換基を有し
いてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基である、上
[1]記載の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c
,e]アゼピン誘導体に関する。
本発明は、また、
[7]
下記式(3)
R 1
及びR 2
は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲ
ン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分
岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基を
していてもよいC2~C8アルケニル基、置換基
有していてもよいC2~C8アルキニル基、置換基
を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状
のC1~C8アルコキシ基、置換基を有していても
いC6~C14アリール基、置換基を有していても
いC3~C8ヘテロアリ-ル基、置換基を有してい
もよいC1~C8アルキルカルボニル基、置換基
有していてもよいC1~C8アルキルスルホニル基
、置換基を有していてもよいC6~C14アリールカ
ルボニル基、又は置換基を有していてもよい
C6~C14アリールスルホニル基を示し、或いは、
R 1
とR 2
は一緒になって、2価の有機基を示す。
*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニ
構造を構成する結合軸に関して一方の軸不
異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰で
ることを示す。
Yはスルホネート基又はハロゲン原子を示す
)で表される光学活性ビフェニル誘導体に関
る。
本発明は、さらに、
[8]下記式(A)
R β
は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1~
C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C
14アリール基、又は置換基を有していてもよ
C7~C16アラルキル基を示す。
R a
は、有機基を示す。
Ar’は、置換基を有していてもよいC6~C14アリ
ル基を示す。
波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素
原子上の置換基の立体配置に制限がないこと
を示す。)で表されるα-置換グリシン誘導体
、下記式(C)
R b
Z (C)
(式中、R b
はR a
と異なる有機基を示し、Zは脱離基を示す。)
化合物を、上記[1]~[6]のいずれかに記載の光
学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン
導体の存在下に反応させることを特徴とす
、下記式(B)
[9]下記式(A’)
R β
は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1~
C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C
14アリール基、又は置換基を有していてもよ
C7~C16アラルキル基を示す。
Ar’は、置換基を有していてもよいC6~C14アリ
ル基を示す。
波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素
原子上の置換基の立体配置に制限がないこと
を示す。)で表されるグリシン誘導体と、下
式(C)
R b
Z (C)
(式中、R b
は有機基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合
を、上記[1]~[6]のいずれかに記載の光学活性
6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体
存在下に反応させることを特徴とする、下
式(B’)
以下、本発明を詳細に説明する。
1-1.光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼ
ン誘導体
下記式(1’)
(R)
Rは1位と11位を架橋するための2価の有機基
示し、より具体的には、置換基を有してい
もよい炭素原子、及び、必要に応じて、置
基を有していてもよい窒素原子、酸素原子
硫黄原子及び-SO 2
-基からなる群から選ばれる原子又は基によ
て構成され、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が3~10の鎖状の2価の基等を示
す。
ここで、「必要に応じて」とは、置換基を
してもよい炭素原子を有し、化学的に可能
あればそれらの炭素原子の一部を、適宜に
置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子
硫黄原子及び-SO 2
-基からなる群より選ばれる原子又は基によ
交換できるということを意味する。後記す
R 3
’(又はR 3
)及びR 4
’(又はR 4
)においても同様の意味を有する。
「置換基を有していてもよい炭素原子」と
、置換基を有していてもよい-CH 2
-基を意味し、置換基としては、ハロゲン原
、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基
、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキシ
、オキソ基、置換基を有していてもよいア
ール基、置換基を有していてもよいアリー
カルボニル基、置換基を有していてもよい
ルキルカルボニル基、置換基を有していて
よいアリールスルホニル基、置換基を有し
いてもよいアルキルスルホニル基が包含さ
る。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩
、臭素、ヨウ素を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
」は、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert
-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペ
チル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル
イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、
クロプロピル、シクロブチル、シクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキ
基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ
イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ
sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキ
、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、
プチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプ
ポキシ、シクロブトキシ、2-メチルシクロプ
ロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロ
ペンチルオキシ基等を包含する。
「置換基を有してもよいアリール基」は、
環又は多環のアリール基を意味する。ここ
、多環アリール基の場合は、完全不飽和に
え、部分飽和の基も包含する。アリール基
しては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-
ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-ア
ントリル、1-フェナントリル、2-フェナント
ル、3-フェナントリル、4-フェナントリル、9
-フェナントリル、10-フェナントリルフェニ
、アズレニル、インデニル、インダニル、
トラリニル等を包含する。好ましくは、C6~C1
0アリール基である。
「置換基を有していてもよいアリールカル
ニル基」及び「置換基を有していてもよい
リールスルホニル基」の「アリール基」は
上記「アリール基」と同様のものを包含す
。
「置換基を有していてもよいアルキルカル
ニル基」及び「置換基を有していてもよい
ルキルスルホニル基」の「アルキル基」は
上記C1~C8アルキル基と同様のものを包含す
。
「置換基を有していてもよい窒素原子」と
、置換基を有していてもよい-NH-基を意味し
、置換基としては、直鎖、分岐もしくは環状
のC1~C8アルキル基、置換基を有していてもよ
アリール基、置換基を有していてもよいア
ールカルボニル基、置換基を有していても
いアルキルカルボニル基、置換基を有して
てもよいアリールスルホニル基、置換基を
していてもよいアルキルスルホニル基を包
する。
ここで、アルキル基、アリール基、アリー
カルボニル基、アルキルカルボニル基、ア
ールスルホニル基、アルキルスルホニル基
、置換基を有していてもよい炭素原子にお
る各定義と同様である。
上記「置換基を有していてもよいアリール
」、「置換基を有していてもよいアリール
ルボニル基」、「置換基を有していてもよ
アルキルカルボニル基」、「置換基を有し
いてもよいアリールスルホニル基」、「置
基を有していてもよいアルキルスルホニル
」における「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基であり、より好ましいアルキル基として
、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、te
rt-ペンチル、tert-ペンチル、tert-ヘキシル、te
rt-ヘプチル、tert-オクチル、シクロプロピル
シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、
岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であ
るC1~C8アルキル基;
フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アント
リル、2-アントリル、9-アントリル、1-フェナ
ントリル、2-フェナントリル、3-フェナント
ル、4-フェナントリル、9-フェナントリル、1
0-フェナントリル等のC6~C14アリール基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基が挙げられる。
化合物(1’)の1位と11位を架橋する2価の鎖状
有機基を構成する原子に窒素原子が含まれる
場合には、
(1)窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基
、アリールカルボニル基、アルキルスルホニ
ル基、又はアリールスルホニル基のいずれか
で置換されているときには、該窒素原子に隣
接する炭素原子はオキソ基で置換されていて
もいなくても良い。
(2)窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基
、アリールカルボニル基、アルキルスルホニ
ル基、又はアリールスルホニル基以外で置換
されているときには、該窒素原子に隣接する
炭素原子はオキソ基で置換される。
Rとしては、好ましくは、以下の基を挙げ ることができる。
[式中、2価有機基の構成要素である二箇のr 1
は、互いに同一又は相異なったヘテロ原子(
下、“ヘテロ原子”は、置換基を有してい
もよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子の各
子、又は、-SO 2
-基のいずれかを意味する。)であるか、又は
一方がヘテロ原子で他方が炭素原子である
とを示し、2価有機基の構成要素である一箇
のr 2
はヘテロ原子であることを示し、2価有機基
構成要素である二箇のr 3
は、いずれかがヘテロ原子で他方が炭素原子
であることを示し、2価有機基の構成要素で
る二箇のr 2’
は、r 1
と独立に、互いに同一又は相異なったヘテロ
原子であるか、又は一方がヘテロ原子で他方
が炭素原子であることを示す。]
これらのうち、特に、(4-1)、(4-2)、(4-3)、(4-4
)、(4-6)、(4-7)、(4-9)、(4-12)、(4-13)、(4-16)及び(4
-20)の基が好ましい。
また、Rとしては、置換基を有していても よい下記式(5-1)、(5-2)、(5-3)、(5-4)
[式中、R 5
,R 6
,R 7
,R 5
’,R 6
’,R 7
’は、同一又は相異なって、水素原子、ハロ
ゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、
分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換基
有していてもよいC2~C8アルケニル基、置換
を有していてもよいC2~C8アルキニル基、置換
基を有していてもよいC6~C14アリール基、置換
基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基、
又は置換基を有していてもよい直鎖、分岐も
しくは環状のC1~C8アルコキシ基を、
或いは、R 5
とR 6
、R 6
とR 7
又は二個のR 7
同士、或いはR 6
’とR 7
’は一緒になって、前記のRで定義された基
ら適宜に選ばれる2価基であることを示し、r
1
は、前記と同じ意味を示し、
*は光学活性、すなわち該置換基のビフェニ
構造を構成する結合軸に関して一方の軸不
異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰で
ることを示し、
(*)は、前記の*と同じ意味を示すがR 7
が水素の場合には光学活性ではないことを示
す。]が挙げられ、これらのうち、特に、(5-1)
及び(5-2)の基が好ましい。
上記式(1’)又は式(1)中、Rは、式(2)
-O-R’-O- (2)
[式中R’は、置換基を有していてもよい炭素
子、及び、必要に応じて酸素原子又は-SO 2
-基からなり、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が1から11の鎖状の2価の基を
す。ここで、「置換基を有していてもよい
素原子」は、上記定義と同様である。]で表
される基であることが好ましい。
たとえば、式(4-1)~(4-22)及び式(5-1)~(5-4)にお
ては、r 1
が酸素原子の場合が好適である。
(R 1
、R 2
)
R 1
及びR 2
は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲ
ン原子、又は有機基であるか、或いはR 1
とR 2
は一緒になって、前記のRと同様の2価の有機
を示す。
有機基は、置換基を有していてもよい直鎖
分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基、置換
を有していてもよいC2~C8アルケニル基、置換
基を有していてもよいC2~C8アルキニル基、置
基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは
状のC1~C8アルコキシ基、置換基を有してい
もよいC6~C14アリール基、置換基を有してい
もよいC3~C8ヘテロアリ-ル基、置換基を有し
いてもよいC1~C8アルキルカルボニル基、置換
基を有していてもよいC1~C8アルキルスルホニ
基、置換基を有していてもよいC6~C14アリー
カルボニル基、又は置換基を有していても
いC6~C14アリールスルホニル基を包含する。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩
、臭素、ヨウ素を包含する。
「置換基を有していてもよい直鎖、分岐も
くは環状のC1~C8アルキル基」の「直鎖、分
もしくは環状のC1~C8アルキル基」は、メチル
、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル
、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシ
ル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル
、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル
、シクロブチル、2-メチルシクロプロピル、
クロプロピルメチル、シクロペンチル等の
鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基を
含し、より好ましくは、イソプロピル、sec-
チル、tert-ブチル、tert-ペンチル、tert-ペン
ル、tert-ヘキシル、tert-ヘプチル、tert-オク
ル、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα
が2あるいは3級炭素であるC1~C8アルキル基で
る。
「置換基を有していてもよいC2~C8アルケニ
基」の「C2~C8アルケニル基」は、ビニル、1-
ロペニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル
、3-ブテニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチ
ル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニ
、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-2-
テニル、2-メチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル
2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル
5-ヘキセニル、1-ヘプテニル、6-ヘプテニル
1-オクテニル、7-オクテニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC2~C8アルキニ
基」の「C2~C8アルキニル基」は、エチニル、
1-プロピニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-
ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニ
、2-メチル-3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペ
チニル、3-ペンチニル基、4-ペンチニル、1-
チル-2-ブチニル、2-メチル-3-ペンチニル、1-
キシニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル等を包含
する。
「置換基を有していてもよい直鎖、分岐も
くは環状のC1~C8アルコキシ基」の「直鎖、
岐もしくは環状のC1~C8アルコキシ基」は、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキ
、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキ
シ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シ
クロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ、
クロプロピルメトキシ、シクロペンチルオ
シ等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
」の「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-
フチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アン
リル、9-アントリル、1-フェナントリル、2-
ェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナ
トリル、9-フェナントリル、10-フェナント
ル、アズレニル、インデニル、インダニル
テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロア
-ル基」の「C3~C8ヘテロアリ-ル基」は、窒素
子、酸素原子、又は硫黄原子を1~3個有する
環又は多環のC3~C8アリール基を意味し、た
えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル
2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノ
リル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、
2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、
5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、
2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル
2-ピロリジル、3-ピロリジル、2-イミダゾリ
、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、2-オキ
ゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、
2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル等
を包含する。
「置換基を有していてもよいC1~C8アルキル
ルボニル基」および置換基を有していても
い「C1~C8アルキルスルホニル基」の「アルキ
ル基」は、上記「直鎖、分岐もしくは環状の
C1~C8アルキル基」の定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
ルボニル基」および「置換基を有していて
よいC6~C14アリールスルホニル基」の「C6~C14
リール基」は、上記「C6~C14アリール基」の
義と同様である。
前記「置換基を有していてもよい」の「置
基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基であり、より好ましいアルキル基として
、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、te
rt-ペンチル、tert-ペンチル、tert-ヘキシル、te
rt-ヘプチル、tert-オクチル、シクロプロピル
シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、
岐もしくは環状のα位が2あるいは3級炭素で
あるC1~C8アルキル基;
フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アント
リル、2-アントリル、9-アントリル、1-フェナ
ントリル、2-フェナントリル、3-フェナント
ル、4-フェナントリル、9-フェナントリル、1
0-フェナントリル等のC6~C14アリール基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基を包含する。
(R 3
、R 3
’、R 4
、R 4
’)
R 3
’及びR 4
’は、式(1’)で表される光学活性6,7-ジヒド
-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格中の窒素原子
オニウムとすることができる置換基であれ
良く、R 3
’とR 4
’は、同一又は相異なる1価の有機基である
、又は、該アゼピン骨格中の窒素原子とR 3
’及びR 4
’が一緒になって環状構造を為す有機基であ
る。
具体的には、1価の有機基は、置換基を有し
てもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置
換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫
黄原子及び-SO 2
-基からなる群より選ばれる原子又は基によ
て構成され、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が1から31であるものを示し
アゼピン骨格中の窒素原子とR 3
’とR 4
’が一緒になって環状構造を為す有機基(以
、「環状構造を為す有機基」と呼称する場
がある。)は、アゼピン骨格の窒素原子以外
、置換基を有してもよい炭素原子、及び、
要に応じて、置換基を有してもよい窒素原
、酸素原子、硫黄原子、及び-SO 2
-基からなる群より選ばれる原子又は基によ
て構成され、アゼピン骨格中の窒素原子と
それらの原子或いはそれらの原子と基の合
数は5~63である。
ここで、「置換基を有してもよい炭素原子
及び「置換基を有してもよい窒素原子」は
前記Rにおける「置換基を有してもよい炭素
原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子
」の定義と同様である。
これらの1価の有機基及び環状構造を為す有 機基は、式(1)で表される化合物が示すように 、無置換炭素原子を介してアゼピン骨格中の 窒素原子と結合しているものが好ましい。す なわち、R 3 ’は-CH 2 -R 3 であることが好ましく、R 4 ’も同様に-CH 2 -R 4 であることが好ましい。
R 3
及びR 4
は、同一又は相異なって、置換基を有しても
よい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基
を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原
子及び-SO 2
-基からなる群より選ばれる原子又は基によ
て構成され、それらの原子或いはそれらの
子と基の合計数が1から30であるものを示し
アゼピン骨格中の窒素原子と2つのメチレン
R 3
とR 4
とが一緒になって環状構造を為す有機基(以
、「環状構造を為す有機基」と呼称する場
がある。)は、アゼピン骨格の窒素原子以外
、置換基を有してもよい炭素原子、及び、
要に応じて、置換基を有してもよい窒素原
、酸素原子、硫黄原子、及び-SO 2
-基からなる群より選ばれる原子又は基によ
て構成され、アゼピン骨格中の窒素原子と2
のメチレンとそれらの原子或いはそれらの
子と基との合計数は5~63である。
ここで、「置換基を有してもよい炭素原子
及び「置換基を有してもよい窒素原子」は
前記Rにおける「置換基を有してもよい炭素
原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子
」の定義と同様である。
「置換基を有していてもよい炭素原子」の
置換基」としては、ハロゲン原子、オキソ
、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキシ
基、置換基を有していてもよいC6~C14アリール
基、置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
ル基が包含される。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩
、臭素、ヨウ素等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
」は、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert
-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペ
チル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル
イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、
クロプロピル、シクロブチル、2-メチルシク
ロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロ
ペンチル等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルコキ
基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ
イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ
sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキ
、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、
プチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプ
ポキシ、シクロブトキシ、2-メチルシクロプ
ロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロ
ペンチルオキシ等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
」の「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-
フチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アン
リル、9-アントリル、1-フェナントリル、2-
ェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナ
トリル、9-フェナントリル、10-フェナント
ル、アズレニル、インデニル、インダニル
テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
基」の「C7~C16アラルキル基」は、べンジル
2-フェニルエチル、1-ナフチルメチル、2-ナ
チルメチル等のC7~C16アラルキル基を包含す
。
これらの置換基は同一炭素原子に、0から2
まで置換可能であり、置換基が2個の場合、
異なる置換基を置換させることもできる。
「置換基を有してもよい窒素原子」の「置
基」としては、直鎖、分岐もしくは環状のC
1~C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1
~C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしく
は環状のC1~C8アルキルスルホニル基、置換基
有していてもよいC6~C14アリール基、置換基
有していてもよいC6~C14アリールカルボニル
、置換基を有していてもよいC6~C14アリール
ルホニル基、置換基を有していてもよいC7~C
16アラルキル基、置換基を有していてもよいC
7~C16アラルキルカルボニル基、置換基を有し
いてもよいC7~C16アラルキルスルホニル基が
含される。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8
ルキル基」、「置換基を有していてもよいC6
~C14アリール基」及び「置換基を有していて
よいC7~C16アラルキル基」は、上記「置換基
有してもよい炭素原子」におけるそれらの
義と同様である。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
ルボニル基」は、直鎖、分岐もしくは環状
C1~C8アルキル基とカルボニル基が結合した基
であり、「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
キル基」は、メチル、エチル、プロピル、
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、
オペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘ
チル、イソヘプチル、オクチル、イソオク
ル、デシル、ドデシル、シクロプロピル、
クロブチル、2-メチルシクロプロピル、シ
ロプロピルメチル、シクロペンチルを包含
る。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
ルホニル基」は、C1~C8アルキル基とスルホニ
ル基が結合した基であり、「C1~C8アルキル基
は上記「C1~C8アルキルカルボニル基」にお
る定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
ルホニル基」の「C6~C14アリールスルホニル
」は、C6~C14アリール基とスルホニル基が結
した基であり、「C6~C14アリール基」は上記
置換基を有してもよい炭素原子」における
義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
ルボニル基」の「C6~C14アリールカルボニル
」は、C6~C14アリール基とカルボニル基が結
した基であり、「C6~C14アリール基」は上記
置換基を有してもよい炭素原子」における
義と同様である。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
カルボニル基」の「C7~C16アラルキルカルボ
ル基」は、C7~C16アラルキル基とカルボニル
が結合した基であり、「C7~C16アラルキル基
は上記「置換基を有してもよい炭素原子」
おける定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
スルホニル基」の「C7~C16アラルキルスルホ
ル基」は、C7~C16アラルキル基とスルホニル
が結合した基であり、「C7~C16アラルキル基
は上記「置換基を有してもよい炭素原子」
おける定義と同様である。
前記「置換基を有していてもよいC6~C14アリ
ル基」「置換基を有していてもよいC7~C16ア
ルキル基」等における「置換基」としては
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプ
ピル、シクロプロピルメチル、シクロペン
ル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
ル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
キシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチル
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキ
、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチ
オキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
ルコキシ基が包含される。
前記の1価の有機基或いは前記の環状構造を
為す有機基を構成する原子に窒素原子が含ま
れる場合には、
(1)その窒素原子が、前記のアルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基、アラルキルカ
ルボニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、又はアラルキルスルホニル
基のいずれかで置換されているときには、該
窒素原子に隣接する炭素原子はオキソ基で置
換されていてもいなくても良い。
(2)その窒素原子が、前記のアルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基、アラルキルカ
ルボニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、又はアラルキルスルホニル
基以外で置換されているときには、該窒素原
子に隣接する炭素原子はオキソ基で置換され
る。
式(1)において、好適なR 3
及びR 4
としては、同一又は相異なって、置換基を有
していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~
C30アルキル基、好ましくは、直鎖又は分岐C1~
C8アルキル基、又は、置換基を有していても
いC6~C14アリール基であるか、或いはR 3
とR 4
は一緒になって、置換基を有してもよい炭素
数2から60の2価基である。前記の置換基を有
てもよい炭素数2から60の2価基としては、下
式(6-1)~(6-20)のものを包含する。
但し、式(6-1)~(6-20)はR 3
及びR 4
に隣接する炭素原子も含めて表示されており
、すなわち、次式(6)の具体例を表したもので
ある。
(式中、R 5
とR 6
、及び、R 6
とR 7
は、それぞれ、R 1
とR 2
で定義した置換基であり、R 8
、R 9
は、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン
原子を示し、r a
は、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
ルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C
8アルキルスルホニル基、置換基を有しても
いC6~C14アリール基、置換基を有していても
いC6~C14アリールカルボニル基、置換基を有
ていてもよいC6~C14アリールスルホニル基、
換基を有していてもよいC7~C16アラルキルカ
ボニル基、又は、置換基を有していてもよ
C7~C16アラルキルスルホニル基を示す。)
R 8
,R 9
及びr a
における各基の定義は、上記「置換基を有し
ていてもよい炭素原子」及び「置換基を有し
ていてもよい窒素原子」におけるそれらの基
の定義と同様である。
(Ar)
Arは、1価の有機基を示し、好ましくは、置
基を有していてもよいC6~C14アリール基、置
基を有していてもよいC3~C8ヘテロアリ-ル基
示す。
さらに好ましくは、置換基を有していても
いC6~C14アリール基又は置換基を有していて
よいC3~C8ヘテロアリ-ル基であり、特に好ま
くは、C6~C14アリール基である。
ここで、「C6~C14アリール基」及び「C3~C8ヘ
ロアリ-ル基」の各定義は、R 1
及びR 2
におけるそれらの定義と同様である。
「置換基を有していてもよい」の「置換基
としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐もし
は環状のC1~C8アルキル基、直鎖、分岐もし
は環状のC1~C8アルコキシ基、直鎖、分岐もし
くは環状のC1~C8アルキルカルボニル基、直鎖
分岐もしくは環状のC1~C8アルキルスルホニ
基、置換基を有していてもよいC6~C14アリー
カルボニル基、置換基を有していてもよいC6
~C14アリールスルホニル基を包含する。
ここで、各基の定義は、上記R 3
、R 3’
、R 4
、R 4’
におけるそれらの定義と同様である。
(その他)
*は光学活性、すなわち本願化合物(1’)又は
(1)のビフェニル骨格構造を構成する結合軸に
関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異
性体よりも過剰であることを示す。
X -
は、アンモニウムのカウンターアニオンであ
れば特に制限は無いが、
水酸化物イオン、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子イオン、
HSO 3 -
、r b
SO 4 -
等のスルホン酸系イオン、
H 2
PO 4 -
、PO 3 -
等のリン酸イオン、
r b
CO 2 -
等のカルボン酸系イオン等のアニオンを包含
する。
ここで、r b
は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1~
C8アルキル基、置換基を有してもよいC6~C14ア
ール基を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
」は、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert
-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペ
チル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル
イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、
クロプロピル、シクロブチル、2-メチルシク
ロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロ
ペンチル等を包含する。
「置換基を有してもよいC6~C14アリール基」
「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-ナフ
ル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリ
、9-アントリル、1-フェナントリル、2-フェ
ントリル、3-フェナントリル、4-フェナント
ル、9-フェナントリル、10-フェナントリル
アズレニル、インデニル、インダニル、テ
ラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基
としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐もし
は環状のC1~C8アルキル基、直鎖、分岐もし
は環状のC1~C8アルコキシ基を包含する。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8
ルキル基」及び「直鎖、分岐もしくは環状
C1~C8アルコキシ基」各基の定義は、上記R 1
及びR 2
、或いは、R 3
’(又はR 3
)及びR 4
’(又はR 4
)におけるそれらの定義と同様である。
1-2.光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼ
ン誘導体の製造方法
本発明の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c
,e]アゼピン誘導体のうち例えば、式(1a)で表
れる化合物は、下記反応式(D)
すなわち、出発原料の化合物(3’)で表され
光学活性ビフェニル誘導体をアリール化し
化合物(3”)
化合物(3”)をハロゲン化して化合物(3''')
化合物(3''')をアミノ化して式(1a)
各工程について説明する。
工程1は、化合物(3’)に対して式(8)
ArB(Or c
) 2
(8)
[式中、Arは前記と同じ意味を、r c
は、水素原子又はC1~C8アルキルを示し、或い
r c
同士が一緒になって、ピナコール基等の環状
ジアルコキシ基を示す。]で表されるホウ素
合物を、パラジウム触媒と塩基の存在下、
宜な溶媒中において作用させて、化合物(3”
)を得る工程である。
式(8)で表されるホウ素化合物は、化合物(3
)に対して、2.0倍モル~10.0倍モル、好ましく
2.1倍モル~5.0倍モル、より好ましくは2.5倍モ
~3.5倍モルである。
パラジウム触媒は、ビス[1,2-(ジフェニルホ
フィノ)エタン]パラジウム、ビス(ジベンジ
デンアセトン)パラジウム、トリス(ジベン
リデンアセトン)ジパラジウム、Pd(PPh 3
) 4
等の0価のパラジウム錯体が好適に使用でき
化合物(3’)に対して、0.005当量~0.2当量、好
しくは0.001当量~0.1当量、より好ましくは0.01
量~0.05当量である。
また、パラジウム触媒は、2価パラジウム化
合物にホスフィンを作用させることによって
、反応系中で調製し使用することもできる。
2価パラジウムは、塩化パラジウム、臭化パ
ジウム等のハロゲン化パラジウム、酢酸パ
ジウム、アセト酢酸パラジウム等が挙げら
、好ましくは、酢酸パラジウムである。ホ
フィンには特に制限は無いが、入手容易な
リアリールホスフィン類が好ましく使用で
、トリフェニルホスフィンがより好ましい
2価パラジウム化合物とホスフィンのモル比
は、1:1~1:10、好ましくは1:2~1:5である。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキ
ド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウ
、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カ
ウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシ
、カリウムtert-ブトキシド、水酸化セシウム
、炭酸セシウム、水酸化タリウム、リン酸塩
類すなわち、第二、第三リン酸ナトリウム、
それらの水和物、第二、第三リン酸カリウム
、それらの水和物、ピロリン酸ナトリウム、
その水和物、ピロリン酸カリウム、その水和
物等が適宜に使用でき、好ましくは、第三リ
ン酸カリウム又はその水和物であり、化合物
(3’)に対して、2.0倍モル~10.0倍モル、好まし
は2.1倍モル~5.0倍モル、より好ましくは2.5倍
モル~3.5倍モルである。
溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン等
芳香族系溶媒、エーテル、イソプロピルエ
テル、THF、tert-ブチルメチルエーテル、CPME
のエーテル系溶媒、DMF、N-メチルピロリジ
-2-オン(NMP)、N,N’-ジメチルイミダゾリジン-2
-オン(DMI)等のアミド系溶媒が好ましく使用で
きる。溶媒量(L)は化合物(3’)(kg)に対して、
積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍~100倍、より
ましくは3倍~30倍である。
反応は、溶媒の融点から沸点までの適宜な
度で、好ましくは0℃~120℃で、より好まし
は室温~100℃である。
反応は攪拌することにより行われ、反応時
は反応速度に応じて適宜に設定できるが、
ましくは3~50時間、より好ましくは6~24時間
ある。
工程2は、化合物(3”)にハロゲン化剤と、必
要に応じて、反応開始剤を作用させ、適宜な
溶媒中において化合物(3''')に誘導する工程で
ある。
ハロゲン化剤は、塩素、N-クロロコハク酸
ミド、臭素、N-ブロムコハク酸イミド(NBS)等
ヨウ素等が使用でき、NBSが好適であり、化
物(3”)に対して、好ましくは2.0倍モル~5.0倍
モル、より好ましくは2.1倍モル~3.0倍モルで
る。
反応開始剤として、AIBN、BPO(過酸化ベンゾ
ル)等のラジカル反応開始剤を使用すること
好ましく、化合物(3”)に対して、0.05倍モル
~1.0倍モル、より好ましくは0.1倍モル~0.5倍モ
である。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限は
いが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼ
等の炭化水素系、塩化メチレン、クロロホ
ム、クロロベンゼン等塩素系溶媒、DMF、N-
チルピロリジン-2-オン(NMP)、N,N’-ジメチル
ミダゾリジン-2-オン(DMI)等のアミド系溶媒が
使用できる。溶媒量(L)は化合物(3’)(kg)に対
て、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍~100倍
より好ましくは3倍~30倍である。
反応は、溶媒の融点から沸点までの適宜な
度で、好ましくは0℃~100℃である。
反応は攪拌することにより行われ、反応時
は反応速度に応じて適宜に設定できるが、
ましくは3~50時間、より好ましくは6~24時間
ある。
工程3は、化合物(3''')に対して式(9)
HNR 3
’R 4
’ (9)
(式中、R 3
’、R 4
’は、前記と同じ意味を示す。)で表される
ミン化合物を、塩基の存在下、適宜な溶媒
において作用させて化合物(1a)を得る工程で
る。
式(9)で表されるアミン化合物は、化合物(3''
')に対して、0.5倍モル~5.0倍モル、好ましくは
0.75倍モル~2.0倍モルである。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキ
ド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウ
、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カ
ウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド
水酸化セシウム、炭酸セシウム等の無機塩
が、好ましく使用でき、化合物(3’)に対し
、2倍モル~30倍モル、好ましくは3倍モル~20倍
モルである。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限は
いが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼ
、トルエン等の炭化水素系、塩化メチレン
クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶
、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニ
リル系溶媒、DMF、N-メチルピロリジン-2-オ
(NMP)、N,N’-ジメチルイミダゾリジン-2-オン(D
MI)等のアミド系溶媒が使用できる。溶媒量(L)
は化合物(3’)(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で
好ましくは1.0倍~100倍、より好ましくは3倍~30
である。
本反応を相間移動反応条件下に行うことも
能であり、この場合にはテトラブチルアン
ニウムブロミド、ベンジルトリメチルアン
ニウムブロミド、ベンジルトリエチルアン
ニウムブロミド、18-クラウン-6-エーテル、1
5-クラウン-4-エーテル等の一般的な相間移動
媒を化合物(3''')に対して0.005倍モル~0.2倍モ
、好ましくは0.01~0.05倍モル共存させること
よる。この場合には前記の塩基を、水溶液
いは固体のままできる。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の
点から沸点までの適宜な温度で、好ましく
室温~100℃である。反応時間は反応速度に応
じて適宜に設定できるが、好ましくは3~50時
、より好ましくは6~24時間である。
2-1.光学活性ビフェニル誘導体
前記のアゼピン誘導体を製造するために、
記式(3)
当該光学活性ビフェニル誘導体において、R
’、R 1
及びR 2
は前記と同じ意味を示す(ただし、ハロゲン
子は、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい)。
*は前記と同じ意味を示し、Yは、スルホネー
基又はハロゲン原子を示す。
ここで、-O-R’-O-は、好ましくは、Rにおい
例示された式(4-1)~(4―22)及び(5-1)並びに(5-2)
おいて、r 1
が酸素原子の2価置換基であり、さらに、よ
好ましいは、前記の群より選ばれる、r 1
が酸素原子である以下の2価基である。
(4-1)、(4-2)、(4-3)、(4-4)、(4-6)、(4-7)、(4-9)、(4
-12)、(4-13)、(4-17)、(4-20)、(5-1)及び(5-2)
Yのスルホネート基は式(7)
r c
SO 2
- (7)
で表される基であり、式中、r c
は、直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル
、置換基を有してもよいC6~C14アリール基が
ましい。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8
ルキル基」は、メチル、エチル、プロピル
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
ル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル
ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、
プチル、イソヘプチル、オクチル、イソオ
チル、シクロプロピル、シクロブチル、2-メ
チルシクロプロピル、シクロプロピルメチル
、シクロペンチル等を包含する。
「置換基を有してもよいC6~C14アリール基」
「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-ナフ
ル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリ
、9-アントリル、1-フェナントリル、2-フェ
ントリル、3-フェナントリル、4-フェナント
ル、9-フェナントリル、10-フェナントリル
アズレニル、インデニル、インダニル、テ
ラリニル等を包含する。
「置換基を有してもよい」の「置換基」と
ては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基であり、より好ましいアルキル基として
、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、te
rt-ペンチル、tert-ペンチル、tert-ヘキシル、te
rt-ヘプチル、tert-オクチル、シクロプロピル
シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、
岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であ
るC1~C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基;
であり、また前記の置換基群における各基の
水素原子が適宜にフッ素原子に置換されても
良い。
2-2.光学活性ビフェニル誘導体の製造方法
前記の式(3)で表される光学活性ビフェニル
導体は、下記反応式(E)
すなわち、式(10)で表される光学活性ビフェ
ニル誘導体に対して式(11)
x2-R’-x2 (11)
(式中、R’は、前記と同じ意味を示す2価基で
あり、x2は脱離基を示す。)で表される2官能
化合物を、塩基の存在下、適宜な溶媒中に
いて作用させて化合物(3)を得る工程である
式(11)で表される2官能性化合物中のR’は、R
において例示された式(4-1)~(4―22)及び(5-1)~(5-4
)において、r 1
を除く部分が好ましく、これ等のうち、(4-1)
(4-2)、(4-3)、(4-4)、(4-6)、(4-7)、(4-9)、(4-12)、(
4-13)、(4-16)、(4-17)、(5-1)、(5-2)、(5-3)及び(5-4)
相当するものが特に好ましい。
式(11)で表される2官能性化合物の二つのx2は
、脱離基であり、二つが同一でも、異なって
いても良く、化学反応において一般的に脱離
基として用いることが可能な置換基であれば
特に制限はないが、塩素、臭素、ヨウ素など
のハロゲン原子と、式(C’)
ここで、「置換基を有していてもよい直鎖
分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」の「
鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」は
、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル
、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソ
ヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロ
プロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプ
ピル、シクロプロピルメチル、シクロペン
ル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
」の「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-
フチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アン
リル、9-アントリル、1-フェナントリル、2-
ェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナ
トリル、9-フェナントリル、10-フェナント
ル、アズレニル、インデニル、インダニル
テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロア
-ル基」の「C3~C8ヘテロアリ-ル基」は、2-ピ
ジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-キノリル
3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノ
リル、7-キノリル、8-キノリル、2-インドリル
、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル
、6-インドリル、7-インドリル、2-フリル、3-
リル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリジ
、3-ピロリジル、2-イミダゾリル、4-イミダ
リル、5-イミダゾリル、2-オキサゾリル、4-
キサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル
、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラヒド
-2-フラニル、テトラヒドロ-2-ピラニル等を
含する。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
基」の「C7~C16アラルキル基」は、べンジル
2-フェニルエチル、1-ナフチルメチル、2-ナ
チルメチル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基」
としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基であり、より好ましいアルキル基として
、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、te
rt-ペンチル、tert-ペンチル、tert-ヘキシル、te
rt-ヘプチル、tert-オクチル、シクロプロピル
シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、
岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であ
るC1~C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基;
が挙げられる。
式(3)で表される光学活性ビフェニル誘導体
、式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導
体に式(11)で表される2官能性化合物を、塩基
存在下、適宜な溶媒中において作用させる
とにより得られる。
式(11)で表される2官能性化合物は、式(10)で
される光学活性ビフェニル誘導体に対して
1.0倍モル~5.0倍モル、好ましくは1.05倍モル~2
.0倍モルである。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキ
ド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウ
、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カ
ウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド
水酸化セシウム、炭酸セシウム等の無機塩
が、好ましく使用でき、化合物(10)に対して
2倍モル~30倍モル、好ましくは3倍モル~20倍
ルである。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限は
いが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼ
、トルエン等の炭化水素系、塩化メチレン
クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶
、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニ
リル系溶媒、アセトン、エチルメチルケト
、tert-ブチルメチルケトン等のケトン系溶
、DMF、N-メチルピロリジン-2-オン(NMP)、N,N’-
ジメチルイミダゾリジン-2-オン(DMI)等のアミ
系溶媒、DMSO等が使用できる。溶媒量(L)は式
(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体(kg)
対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍~1
00倍、より好ましくは5倍~30倍である。
本反応を相間移動反応条件下に行うことも
能であり、この場合にはテトラブチルアン
ニウムブロミド、ベンジルトリメチルアン
ニウムブロミド、ベンジルトリエチルアン
ニウムブロミド、18-クラウン-6-エーテル、1
5-クラウン-4-エーテル等の一般的な相間移動
媒を式(10)で表される光学活性ビフェニル誘
導体に対して0.005倍モル~0.2倍モル、好ましく
は0.01~0.05倍モル共存させることによる。この
場合には前記の塩基を、水溶液或いは固体の
ままできる。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の
点から沸点までの適宜な温度で、好ましく
0℃~80℃である。反応時間は反応速度に応じ
て適宜に設定できるが、好ましくは3~50時間
より好ましくは6~24時間である。
3.光学活性α、α-ジ置換グリシン誘導体又は
学活性α-モノ置換グリシン誘導体の製造方
本発明の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c
,e]アゼピン誘導体の存在下に、以下の反応を
行うことができる。
下記式(A)
R a
は、有機基、
Ar’は、置換基を有していてもよいC6~C14アリ
ル基、
波線の結合軸は、この結合軸が置換している
炭素原子上の置換基の立体配置に制限がない
ことを示す。)で表されるα-置換グリシン誘
体と、下記式(C)
R b
Z (C)
(式中、R b
はR a
と異なる有機基、Zは脱離基を示す。)の化合
を反応させることにより、式(B)
すなわち下記反応式(X)
で表されるα-置換グリシン誘導体からの光学
活性α、α-ジ置換グリシン誘導体の製造方法
ある。
また、本発明の光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジ
ンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に、以下の
反応も行うことができる。
下記式(A’)
R b
Z (C)
(式中、R b
、Zは、上記定義と同じ。)の化合物を反応さ
ることにより、下記式(B’)
即ち、下記反応式(X’)
上記反応式において、各置換基の定義は以
のとおりである。
R α
における、「置換基を有していてもよい直鎖
、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」の「
鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」
、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イ
ヘプチル、オクチル、イソオクチル、シク
プロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプ
ロピル、シクロプロピルメチル、シクロペン
チル基等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6~C14アリール
」の「C6~C14アリール基」は、フェニル、1-
フチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アン
リル、9-アントリル、1-フェナントリル、2-
ェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナ
トリル、9-フェナントリル、10-フェナント
ル、アズレニル、インデニル、インダニル
テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3~C8ヘテロア
-ル基」の「C3~C8ヘテロアリ-ル基」は、2-ピ
ジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-キノリル
3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノ
リル、7-キノリル、8-キノリル、2-インドリル
、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル
、6-インドリル、7-インドリル、2-フリル、3-
リル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリジ
、3-ピロリジル、2-イミダゾリル、4-イミダ
リル、5-イミダゾリル、2-オキサゾリル、4-
キサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル
、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラヒド
-2-フラニル、テトラヒドロ-2-ピラニル等を
含する。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
基」の「C7~C16アラルキル基」は、べンジル
2-フェニルエチル、1-ナフチルメチル、2-ナ
チルメチル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基
としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基であり、より好ましいアルキル基として
、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、te
rt-ペンチル、tert-ペンチル、tert-ヘキシル、te
rt-ヘプチル、tert-オクチル、シクロプロピル
シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、
岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であ
るC1~C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基;が挙げられる。
R β
における、「直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8
ルキル基」、「置換基を有していてもよいC
6~C14アリール基」、及び「置換基を有してい
もよいC7~C16アラルキル基」の定義は、R 5
におけるそれらの定義と同様であり、R 6
としては、水素原子、又は、C1からC6の直鎖
級アルキル基が好ましい。
Ar’における「置換基を有していてもよいC6
~C14アリール基」の「C6~C14アリール基」は、
記定義と同様である。
また、「置換基を有していてもよいC6~C14ア
ール基」の「置換基」としては、ベンゼン
上の置換基であり、その数は単数でも複数
もよく、その種類も単一でも複数でもよく
その置換位置にも特に制限は無いが、原料
入手し易さから、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8ア
コキシ基;
シアノ基、
ニトロ基、
等が、好ましい置換基として挙げられる。
R a
、R b
は相異なる有機基であり、置換基を有してい
てもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アル
ル基、又は置換基を有していてもよいC7~C16
ラルキル基が好適に適用でき、特に制限無
使用できる。
ここで、「置換基を有していてもよい直鎖
分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」の「
鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキル基」は
、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル
、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソ
ヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロ
プロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプ
ピル、シクロプロピルメチル、シクロペン
ル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7~C16アラルキ
基」の「C7~C16アラルキル基」は、べンジル
2-フェニルエチル、1-ナフチルメチル、2-ナ
チルメチル等を包含する。
前記「置換基を有していてもよい」の置換
としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロ
ル、シクロプロピルメチル、シクロペンチ
等の直鎖、分岐もしくは環状のC1~C8アルキ
基又は置換基を有するそれらの基;
ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソ
ロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテ
ル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテ
ル、4-ペンテニル、1-メチル-2-ブテニル、1-
チル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル
3-メチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキ
ニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキ
ニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペ
ンテニル、4-メチルー1-ペンテニル、2-メチル
-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、2-エ
ル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、1-
プテニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、1-
クテニル、2-オクテニル、3-オクテニル、4-
クテニル等のC2~8アルケニル基又は置換基を
するそれらの基;
エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブ
チニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニ
ル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニ
ル、4-メチル-1-ペンテニル、1-ヘキシニル、1-
オクチニル等のC2~C8アルキニル基又は置換基
有するそれらの基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト
シ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ
シクロプロピルメトキシ、シクロペンチル
キシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキ
等のC1~C8アルコキシ基又は置換基を有する
れらの基;
フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アント
リル、2-アントリル、9-アントリル、1-フェナ
ントリル、2-フェナントリル、3-フェナント
ル、4-フェナントリル、9-フェナントリル、1
0-フェナントリル等のC6~C14アリール基又は置
基を有するそれらの基;
2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-キノ
ル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6
-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、2-イン
リル、3-インドリル、4-インドリル、5-イン
リル、6-インドリル、7-インドリル、2-フリ
、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロ
リジル、3-ピロリジル、2-イミダゾリル、4-イ
ミダゾリル、5-イミダゾリル、2-オキサゾリ
、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チア
リル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラ
ドロ-2-フラニル、テトラヒドロ-2-ピラニル
のC3~C8ヘテロアリ-ル基又は置換基を有する
れらの基;
オキソ基、ニトロ基、シアノ基を包含する。
前記の「置換基を有する」の置換基として
、前記の置換基と同様の置換基を定義する
とができる。
Zは脱離基であり、化学反応において脱離 基として用いることが可能な置換基であれば 特に制限はないが、塩素、臭素、ヨウ素など のハロゲン原子と、前記の式(C’)で表される スルホニルオキシ基が一般的に好ましく、よ り好ましいハロゲン原子としては、塩素、臭 素、ヨウ素が挙げられ、式(C’)で表されるス ルホニルオキシ基としては、入手の容易さか ら、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスル ホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、 トリフルオロメタンスルホニルオキシである 。
本反応は、有機溶媒と塩基水溶液の2溶液二
相系或いは有機溶媒に単体の塩基を分散・ス
ラリー化させた1溶液二相系での相間移動反
条件下に行われ、式(1’)で表される光学活
6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体(
以下、式(1’)で表されるアゼピン誘導体とい
う)を相間移動触媒として用いる。
式(A)で表されるα-置換グリシン誘導体又は
(A’)で表されるグリシン誘導体と式(1’)で
されるアゼピン誘導体のモル比は、20,000/1
ら10/1、好ましくは10,000/1から100/1、より好ま
しくは5,000/1から500/1である。
式(A)で表されるα-置換グリシン誘導体又は
(A’)で表されるグリシン誘導体と式(C)の化
物のモル比は、1/0.75から1/10、好ましくは1/1
から1/5、より好ましくは1/1.1から1/2である。
式(A)で表されるα-置換グリシン誘導体又は
(A’)で表されるグリシン誘導体と塩基のモ
比は、1/1から1/100、好ましくは1/1から1/10、
り好ましくは1/1.1から1/3であり、塩基は、
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水
ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナト
ウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸カ
ウム、カリウムメトキシド、カリウムエト
シド、カリウムtert-ブトキシド、水酸化セシ
ウム、炭酸セシウム等の無機塩基を、単独或
いは混合して使用できる。塩基を水溶液とし
て使用する場合には、その濃度(w/w)は、5%か
過飽和まで適宜に行われるが、好ましくは
10%から飽和濃度である。
溶媒は、2溶液二相系で反応を行う場合には
、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、ト
ルエン等の炭化水素系、塩化メチレン、クロ
ロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶媒等の
非水溶性溶媒を単独或いは混合して用いるこ
とが好ましく、より好ましくはヘキサン、シ
クロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化
水素系溶媒を単独或いは混合溶媒として用い
ることができる。1溶液二相系で反応を行う
合には、前記の溶媒に加えて、アセトニト
ル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、DM
F、N-メチルピロリジン-2-オン(NMP)、N,N’-ジメ
チルイミダゾリジン-2-オン(DMI)等のアミド系
媒等が使用できる。溶媒量(L)は式(A)で表さ
るα-置換グリシン誘導体又は式(A’)で表さ
るグリシン誘導体(kg)に対して、容積(L)/重
(kg)で好ましくは1.0倍~100倍、より好ましくは
5倍~30倍である。なお、前記のいずれかの有
溶媒を使用することが一般的であるが、有
溶媒を使用せずに塩基水溶液だけで反応を
うことも可能である。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の
点から沸点までの適宜な温度で、好ましく
-10℃~60℃である。反応時間は反応速度に応
て適宜に設定できるが、好ましくは3~60時間
、より好ましくは6~24時間である。
以下に、本発明の実施例を掲げより詳細 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。
[実施例1]光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e
]アゼピン誘導体の合成
実施例1-1
工程1 (S)-1の合成
キラルビスフェノール(0.5mmol)と炭酸カリウ
塩基(1.5~2mmol)をアセトニトリル(50mL)溶媒に
かした。還流させながら、1,4-ジブロモブタ
をゆっくり滴下した。3時間後、アセトニト
リルを減圧留去した後、抽出・乾燥をおこな
った。減圧濃縮後、シリカゲルショートカラ
ムにて簡単な精製を行い、次工程に用いた(
率87%)。
1
H NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ 7.51 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.84 (2H, d,
J = 8.7 Hz, ArH), 4.30-4.38 (2H, m, ArOCH 2
), 3.90-3.99 (2H, m, ArOCH 2
), 2.07 (6H, s, ArCH 3
), 1.61-1.79 (4H, m, CH 2
); [α] D 29
+118.2° (c 1.0, CHCl 3
).
工程2 (S)-2の合成
アリールブロマイド体(S)-1をアルゴン雰囲
にて、酢酸パラジウム(5mol%)p-トリルトリフ
ニルホスフィン(20mol%)触媒存在下、リン酸カ
リウム(5e.q.)を塩基として用い、DMF(5mL)溶媒中
、アリールボロン酸(1.5mmol)と鈴木カップリン
グさせた。反応混合物を90℃にて12時間攪拌
た。反応終了後、セライトにて触媒をろ過
た後、抽出し乾燥を行なった。減圧濃縮の
、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)にて精製し次工程に用いた(収率94
%)。
1
H NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ 7.15 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.90-7.03 (6H
, m, ArH), 4.40-4.48 (2H, m, ArOCH 2
), 3.95-4.07 (2H, m, ArOCH 2
), 1.94 (6H, s, ArCH 3
), 1.74-2.02 (4H, m, CH 2
); [α] D 26
+169.20° (c 1.0, CHCl 3
).
工程3 (S)-3の合成
得られた(S)-2に、NBS(2.2e.q.)、AIBN(10mol%)を加
、ベンゼン溶媒中(20mL)、還流下3時間攪拌を
なった。反応終了後、抽出・乾燥・減圧濃
後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酸エチル=15:1)にて精製を行った(収率83%)。
1
H NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ 7.12-7.28 (8H, m, ArH), 4.48 (2H, d, J = 12.
0 Hz, ArOCH 2
), 4.09-4.20 (4H, m, ArCH 2
Br), 3. 90-4.01 (2H, m, ArOCH 2
), 1.60-1.90 (4H, m,CH 2
); [α] D 25
+73.4° (c 1.0, CHCl 3
).
工程4 (S)-4の合成
触媒前駆体であるビスブロマイド(S)-3に対
てn-ジブチルアミンを過剰量(2~3倍モル量)加
、炭酸カリウム(2~3倍モル量)存在下、アセ
ニトリル溶媒中、40℃にて3時間攪拌を行な
た。TLCにて反応終了を確認した後、抽出・
燥・濃縮を行なった。カラムクロマトグラ
ィー(塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製
した(収率63%)。
1
H NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ 6.90-7.53 (4H, m, ArH), 7.40 (2H, d, J = 8.7
Hz, ArH), 7.32 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.76 (
2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH 2
N), 4.54-4.59 (2H, m, ArOCH 2
), 4.20-4.35 (2H, m, ArOCH 2
), 3.66 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH 2
N), 3.22 (2H, t, J = 12.9 Hz, NCH 2
), 2.70-2.85 (2H, m, NCH 2
), 0.87-2.15 (10H, m, CH 2
),0.75 (6H, t, J = 6.9 Hz, CH 3
), 0.20-0.31 (2H, m, CH 2
); [α] D 27
-124.40° (c 1.0,MeOH).
実施例1-2
実施例1-1と同様にして実施例1-2の化合物を
成した。
実施例1-3
実施例1-1と同様にして実施例1-3の化合物を
成した。
実施例1-4
実施例1-1と同様にして実施例1-4の化合物を
成した。
実施例1-5
実施例1-1と同様にして実施例1-5の化合物を
成した。
実施例1-6
実施例1-1と同様にして実施例1-6の化合物を
成した。
実施例1-7
実施例1-1と同様に、実施例1-7の化合物を合
した。
(実施例2)光学活性α、α-ジ置換グリシン誘導
の製造
実施例2-1
反応式に示されるアラニンシッフ塩基(0.25mm
ol)、ピペラニルブロマイド(0.3mmol)、相間移動
触媒PTC(0.02mol%)をトルエン溶媒(2mL)に溶かした
。混合溶液を激しく攪拌しながら、飽和KOH水
溶液(0.5mL)を滴下した。アルゴン雰囲気下、25
℃(恒温槽)にて反応が終了するまで激しく攪
を行なった。反応終了後、内部標準物質と
て安息香酸メチルを0.25mmol加え、反応混合
をそのまま 1
HNMR分析し収率を求めた(定量的)。
反応混合物を抽出・濃縮・乾燥後、カラム
ロマトグラフィーにて精製を行った。この
きイミン部位が脱保護されたアミン体とし
目的物を得た。このアミン体を塩化メチレ
溶液に溶かし、塩化ベンゾイル(0.25mmol)を滴
下した。1時間後、アンモニア水によって反
を終了させた後、抽出・カラム精製(ヘキサ
:酢酸エチル=7:1)を行い、ベンゾイル化体を
た。光学純度は、このベンゾイル化体をHPLC
分析(キラルセルAD-H、ヘキサン:イソプロパノ
ール:エタノール=90:5:5)することにより決定し
た(95%ee)。
注)相間移動触媒PTC:実施例1-1において合成
た光学活性6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[c,e]アゼ
ン誘導体
実施例2-2
実施例2-1と同じアラニンシッフ塩基 (0.25mmo
l)、ベンジルブロマイド(0.3mmol)、実施例2-1と
じ相間移動触媒PTC(0.02mol%)をトルエン溶媒(2m
L)に溶かした。混合溶液を激しく攪拌しなが
、飽和KOH水溶液(0.5mL)を滴下した。アルゴン
雰囲気下、25℃(恒温槽)にて反応が終了する
で激しく攪拌を行なった。反応終了後、有
相に1Nの塩酸を加え、室温にて3時間攪拌を
なった。反応終了後、水相を回収し、炭酸
トリウムを加えて溶液をアルカリ性にした
、酢酸エチルで抽出し、脱保護されたアミ
体を得た。このアミン体を塩化メチレン溶
に溶かし、塩化ベンゾイル(0.25mmol)を滴下し
。1時間後、アンモニア水によって反応を終
了させた後、抽出・カラム精製(ヘキサン:酢
エチル=7:1)を行い、ベンゾイル化体を得た
光学純度は、このベンゾイル化体をHPLC分析(
キラルセルAD-H、ヘキサン:イソプロパノール:
エタノール=90:5:5)することにより決定した(97%
ee)。
本発明の化合物を触媒として使用すれば 高い光学純度をもつ光学活性ジ置換グリシ 誘導体を簡便に効率よく入手可能である。