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Patent Searching and Data


Title:
POLYMERIZABLE FLUORINE-CONTAINING MONOMER, FLUORINE-CONTAINING POLYMER AND METHOD FOR FORMING RESIST PATTERN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087889
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polymerizable fluorine-containing monomer which is suitable for a resist layer and a protective layer in a resist multilayer body for forming a fine pattern during production of a semiconductor device or the like. This polymerizable fluorine-containing monomer is particularly useful in immersion lithography wherein water is used as a liquid medium. Also disclosed are a fluorine-containing polymer and a method for forming a resist pattern. Specifically disclosed is a polymerizable fluorine-containing monomer represented by the formula (1) below. Also disclosed are a homopolymer or copolymer of such a polymerizable fluorine-containing monomer, and a method for forming a resist pattern by immersion lithography using such a polymerizable fluorine-containing monomer, or a homopolymer or copolymer thereof. (1) (In the formula, R1 represents a hydrogen atom, or a chain or cyclic, saturated or unsaturated monovalent hydrocarbon group having 1-15 carbon atoms which may contain an oxygen atom, a nitrogen atom, a sulfur atom or a halogen atom.)

Inventors:
YAMASHITA TSUNEO (JP)
KISHIKAWA YOSUKE (JP)
TANAKA YOSHITO (JP)
MORITA MASAMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073326
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
YAMASHITA TSUNEO (JP)
KISHIKAWA YOSUKE (JP)
TANAKA YOSHITO (JP)
MORITA MASAMICHI (JP)
International Classes:
G03F7/039; C08F20/26; G03F7/11; G03F7/38; H01L21/027
Foreign References:
JP2005206587A2005-08-04
JP2006328003A2006-12-07
JP2003040840A2003-02-13
Other References:
H. ITO ET AL.: "Fluoropolymer resists: Progress and properties.", JOURNAL OF PHOTOPOLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 16, no. 4, 2003, pages 523 - 536
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta (2-22 Tanimachi 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 12, JP)
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Claims:
 式(1):
(式中、R 1 は水素原子または酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の1価の炭素数1~15の炭化水素基)で示される重合性含フッ素単量体。
 式(I):
 -(M)-(N)-     (I)
(式中、Mは、式(1):
(式中、R 1 は水素原子または酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の1価の炭素数1~15の炭化水素基)で示される重合性単量体由来の構造単位;Nは式(1)で示される単量体と共重合可能な単量体由来の構造単位)で示され、構造単位Mを1~100モル%、構造単位Nを0~99モル%含む含フッ素重合体。
 (I)基板および該基板上に形成されるフォトレジスト層を有する液浸リソグラフィー用のレジスト積層体を形成する工程、
(II)該レジスト積層体に所望のパターンを有するフォトマスクおよび縮小投影レンズを介し、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を液体で満たした状態でエネルギー線を照射し、フォトレジスト層のフォトマスクパターンに対応した特定領域を選択的に露光する液浸露光工程、および
(III)該露光されたレジスト積層体を現像液で処理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジストパターン形成方法であって、
該フォトレジスト層が請求の範囲第2項記載の重合体を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
 (Ia)基板、該基板上に形成されるフォトレジスト層、および該フォトレジスト層上に形成される保護層を有する液浸リソグラフィー用のレジスト積層体を形成する工程、
(IIa)該レジスト積層体に所望のパターンを有するフォトマスクおよび縮小投影レンズを介し、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を液体で満たした状態でエネルギー線を照射し、フォトレジスト層のフォトマスクパターンに対応した特定領域を選択的に露光する液浸露光工程、および
(IIIa)該露光されたレジスト積層体を現像液で処理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジストパターン形成方法であって、
該フォトレジスト層および/または保護層が請求の範囲第2項記載の重合体を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
Description:
重合性含フッ素単量体および含 ッ素重合体ならびにレジストパターン形成 法

 本発明は、重合性含フッ素単量体および フッ素重合体ならびにレジストパターン形 方法に関し、特に半導体装置の製造等にお る微細パターンを形成するためのレジスト 層体のレジスト層や保護層などに好適で、 らには水を液状媒体に用いる液浸リソグラ ィーにおいて特に有用な重合性含フッ素単 体および含フッ素重合体ならびにレジスト ターン形成方法に関するものである。

 本発明の単量体や重合体は液浸リソグラ ィーの分野に限らず、各種の光学材料、例 ば反射防止膜、発光素子材料、レンズ用材 、光デバイス用材料、表示用材料、光学記 材料、光信号伝送用材料(光伝送媒体)、ま それらの封止部材用材料等があげられる。 た、例えば医用材料として各種医用デバイ 接液部やフィルターのコーティング材料と て使用できる。

 半導体集積回路をはじめとする各種の電 部品は超微細加工が必要とされ、その加工 術にはレジストが広く用いられている。ま 、電子部品の多機能化、高密度化に伴い、 成されるレジストパターンの超微細化が求 られている。

 現状、レジストパターンを形成するフォ リソグラフィー技術は、ArFエキシマレーザ により発せられる波長193nmの紫外光を用い 露光する、ArFリソグラフィープロセスが先 技術として実用化されつつある。

 次世代の、より微細パターンの要求に対 、露光波長をさらに短波長化した、F2レー ーにより発せられる波長157nmの紫外光を用い て露光する、F2リソグラフィープロセスの開 が行われる一方で、実用化されつつあるArF ソグラフィーで用いるArF露光装置を用いて 更なる微細化に対応するリソグラフィー技 の提案も行われている。

 その一つとして、ArF露光装置における、 小投影レンズとレジスト被膜を設けたウェ の間を、純水で満たす液浸露光技術が検討 れている(“Immersion Optical Lithography at 193nm ”(7/11/2003)Future Fab Intl. Volume 15 by Bruce W. Smith, Rochester Institute of Technology)。

 従来のプロセス(ドライ法)では屈折率1の 気中に光を通過させていたのを、屈折率1.44 の純水中を通過させることで、同一の露光光 の入射角度においては、理論上、最小解像寸 法(最小パターン線幅)を1/1.44にすることが可 となるものである。

 これら液浸露光技術を用いたArF露光は、 発済みの各種プロセスや装置を大幅に変更 ることなく、更なる微細パターン形成が可 となり期待されている。

 例えば、レジスト材料についても、波長1 93nmに対して透明な、従来のArFレジスト、つ り脂肪族環状構造を有する炭化水素系樹脂 主成分としたレジスト材料がそのまま検討 れてきている。

 また、一般的なレジストパターン形成法に 用できるレジスト材料や反射防止膜などの 料として、
(式中、R 1 は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、含 フッ素アルキル基を表し、R 2 は直鎖または分岐を有してもよいアルキル基 、環状構造を有するアルキル基、芳香環、ま たはそれらの複合置換基であって、その一部 がフッ素化されていてもよい。R 3 は水素原子、及び分岐を含んでもよい炭化水 素基、含フッ素アルキル基、芳香族や脂肪環 を有する環状体であって、酸素、カルボニル 等の結合を含んでもよい。また、nは1~2の整 を表す)で表される重合性単量体およびその 合体が記載されている(特開2003-40840号公報)

 しかし、特開2003-40840号公報ではR 1 はハロゲン原子という記載はあるものの、R 1 がハロゲン原子である具体的な単量体および 重合体についてはそれらの製造の仕方、特性 も含めまったく記載されていない。

 ところで液浸露光時は、縮小投影レンズ レジスト被膜または保護層の間を純水で満 すため、つまり、レジスト被膜または保護 が純水と接触するため、静的および動的対 接触角が大きいことが望まれ、また、露光 は速やかに現像液に溶解することが要求さ る。

 本発明は、このような従来の要求を満た べく鋭意研究を重ねた結果、完成されたも である。

 すなわち本発明は、
式(1):
(式中、R 1 は水素原子または酸素原子、窒素原子、硫黄 原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよ い鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の 1価の炭素数1~15の炭化水素基)で示される重合 性含フッ素単量体に関する。

 また本発明は、式(I):
 -(M)-(N)-     (I)
(式中、Mは前記式(1)で示される重合性単量体 来の構造単位;Nは式(1)で示される単量体と 重合可能な単量体由来の構造単位)で示され 構造単位Mを1~100モル%、構造単位Nを0~99モル% 含む含フッ素重合体にも関する。

 さらには、
(I)基板および該基板上に形成されるフォトレ ジスト層を有する液浸リソグラフィー用のレ ジスト積層体を形成する工程、
(II)該レジスト積層体に所望のパターンを有 るフォトマスクおよび縮小投影レンズを介 、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を 体で満たした状態でエネルギー線を照射し フォトレジスト層のフォトマスクパターン 対応した特定領域を選択的に露光する液浸 光工程、および
(III)該露光されたレジスト積層体を現像液で 理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジスト パターン形成方法であって、
該フォトレジスト層が本発明の重合体を含む ことを特徴とするレジストパターン形成方法 、または
(Ia)基板、該基板上に形成されるフォトレジ ト層、および該フォトレジスト層上に形成 れる保護層を有する液浸リソグラフィー用 レジスト積層体を形成する工程、
(IIa)該レジスト積層体に所望のパターンを有 るフォトマスクおよび縮小投影レンズを介 、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を 体で満たした状態でエネルギー線を照射し フォトレジスト層のフォトマスクパターン 対応した特定領域を選択的に露光する液浸 光工程、および
(IIIa)該露光されたレジスト積層体を現像液で 処理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジスト パターン形成方法であって、
該フォトレジスト層および/または保護層が 発明の重合体を含むことを特徴とするレジ トパターン形成方法にも関する。

本発明の第一のレジスト積層体の形成 法および液浸露光微細パターン形成方法の 工程(a)~(e)を説明するための概略図である。

符号の説明

 L0 基板
 L1 フォトレジスト層
 L2 保護層
 11 マスク
 12 露光領域
 13 エネルギー線
 14 縮小投影レンズ
 15 純水

 本発明の重合性含フッ素単量体は、式(1):
(式中、R 1 は水素原子または酸素原子、窒素原子、硫黄 原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよ い鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の 1価の炭素数1~15の炭化水素基)で示される重合 性含フッ素単量体である。

 この単量体の特徴の1つは、アクリロイル 基のα位がフッ素原子で置換されている点に る。このα-フルオロアクリロイル基にする とにより、特開2003-40840号公報に具体的に記 載されているメタクリロイル基やα-フルオロ アルキルアクリロイル基に比べて、現像液へ の溶解速度が格段に向上する。

 R 1 としては、水素原子、すなわち-OR 1 がOHであるほか、酸素原子、窒素原子、硫黄 子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよ 鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の1 価の炭素数1~15の炭化水素基である。

 鎖状の飽和または不飽和の1価の炭化水素 基としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数 1~15のアルキル基、直鎖状または分岐鎖状の 素数1~10の含フッ素アルキル基があげられる これらの炭化水素基は、鎖中または末端に 素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子 カルボニル基、水酸基、エポキシ基、カル キシル基、アミド基、シアノ基、ウレタン 、アミノ基、ニトロ基、チオール基、スル ィド基、スルフィン基、スルホキサイド基 スルホン酸アミド基などを含んでもよい。

 酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはハロ ン原子(フッ素原子以外)を含んでいてもよ 直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~15のアルキ 基としては、例えばメチル、エチル、プロ ル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペ チル、
などがあげられる。これらのうち、光酸発生 剤での脱保護反応が良好な点から、
が好ましく、また、架橋性が良好であること から、
が好ましい。

 酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含ん いてもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1 ~10の含フッ素アルキル基としては、例えば
などがあげられる。これらのうち、溶解性を 損なわずに撥水ならびに撥液性が向上できる 点から、
が好ましい。

 環状の1価の炭化水素基としては、フッ素 原子を含んでいてもよい芳香族環構造や脂肪 族環構造を有する炭素数3~15の炭化水素基な があげられ、これらは鎖中または末端に酸 原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、 ルボニル基、水酸基、エポキシ基、カルボ シル基、アミド基、シアノ基、ウレタン基 アミノ基、ニトロ基、チオール基、スルフ ド基、スルフィン基、スルホキサイド基、 ルホン酸アミド基などを含んでもよい。

 具体例としては、例えば
などがあげられる。これらのうち、真空紫外 領域で透明性が高くドライエッチング耐性が 良好な点から、
が好ましい。

 R 1 は、特に好ましくは現像液への溶解性が特に 優れる点から水素原子である。

 式(1)の単量体は例えば、α-フルオロアクリ 酸(またはα-フルオロアクリル酸フルオライ ドまたはクロライド、アルキルエステル)と (3):
(式中、R 1 は式(1)と同じ)で示されるアルコールとを反 させる方法などが採用できる。

 反応条件などは、例えば特開2003-40840号公 報や実験化学講座第5版16巻P35~38、P42~43などに 記載の反応条件が採用できる。

 本発明はまた、式(I):
 -(M)-(N)-     (I)
(式中、Mは、式(1):
(式中、R 1 は水素原子または酸素原子、窒素原子、硫黄 原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよ い鎖状もしくは環状の飽和もしくは不飽和の 1価の炭素数1~15の炭化水素基)で示される重合 性単量体(m)由来の構造単位;Nは式(1)で示され 単量体と共重合可能な単量体(n)由来の構造 位)で示され、構造単位Mを1~100モル%、構造 位Nを0~99モル%含む含フッ素重合体にも関す 。

 本発明の重合体は重合性単量体(m)の単独 合体でもよく、共重合可能な単量体(n)の1種 または2種以上との共重合体でもよい。

 重合性単量体(m)については、上記の本発 の単量体が採用される。

 共重合可能な単量体(n)としては、使用す 用途、目的に合わせて付加する機能によっ 適宜選択すればよい。

 例えば液浸レジスト積層体の保護層用材料 しては、特開2007-204385号公報に記載された (22)で示される単量体(ただし、R 5 はH、CH 3 、FまたはCl)が例示でき、なかでも
で示される単量体、または
で示される構造単位を与える単量体が好まし く例示できる。特に本発明で好ましい具体例 としては、
があげられる。

 さらにはR 5 がFである化合物が重合性が良好な点から好 しくあげられる。

 例えば液浸レジスト積層体のレジスト層用 料としては、特開2007-204385号公報に記載さ た式(19)~(21)で示される単量体(ただし、R 5 はH、CH 3 、FまたはCl)が例示でき、なかでも
で示される単量体、または
で示される構造単位を与える単量体がその具 体例と共に好ましく例示できる。特に本発明 で好ましい具体例としては、
がドライエッチング耐性が良好な点からあげ られる。

 共重合割合は、構造単位Mを10モル%以上、 さらには30モル%以上含むことが、溶解性を良 好に保つことから好ましい。構造単位Nの上 は99モル%である。

 重量平均分子量は、1000~1000000の範囲が好 しく、溶解性の点から500000以下、さらには3 00000以下、さらには100000以下が好ましい。一 、下限は製膜性の点から2000、さらには4000 好ましい。

 重合は、通常のラジカル重合法、イオン 合法、ヨウ素移動重合法、メタセシス重合 どで行うことができる。

 本発明の重合体は、液浸レジスト積層体 保護層用材料、液浸レジスト積層体のレジ ト層用材料、反射防止膜用材料などの液浸 ジスト積層体材料、他の反射防止膜用材料 発光素子材料、レンズ用材料、光デバイス 材料、表示デバイス用材料、光学記録材料 光信号伝送用材料(光伝送媒体)、またそれ の封止部材用材料などがあげられる。また 例えば医用材料として各種医用デバイス接 部やフィルターのコーティング材料などに 好適に使用できる。

 発光素子としては、例えばEL素子、ポリ ー発光ダイオード、発光ダイオード、光フ イバーレーザー、レーザー素子、光ファイ ー、液晶バックライト、光検知器などがあ られ、大型ディスプレイ、照明、液晶、光 ィスクシステム、レーザープリンター、医 用レーザー、レーザー加工、印刷、コピー 器などに応用される。本発明の重合体は、 明性、成形加工性、耐光性に優れ、これら 用途に好適である。

 また、レンズ用材料としては集光レンズ、 ックアップレンズ、めがね用レンズ、カメ
ラ用レンズ、プロジェクター用フレネルレン ズ、コンタクトレンズなどがあげられる。本 発明の重合体は、透明性、耐熱性、成形加工 性に優れ、これらの用途に好適である。

 光デバイス用光学材料としては、光増幅 子、光スイッチ、光フィルター、光分岐素 、波長変換素子などの光導波路素子をあげ ことができる。またN分岐導波路(Nは2以上の 整数)を含む光分岐素子と上記素子を組み合 せた光回路は今後の高度情報通信社会にお ては極めて有用である。これらの素子を組 合わせることにより、光ルーター、ONU、OADM メディアコンバーター等に利用できる。光 波路素子の形式は、平面型、ストリップ型 リッジ型、埋込み型などの適宜の形式をと ことができる。本発明の重合体は、広い波 範囲にわたって透明性が高く、成形加工性 優れ、また、屈折率も低いためこれらの用 に好適である。

 表示デバイス用の光学材料としては、反 防止材、照明器具のカバー材、ディスプレ 保護板、透明ケース、表示板、自動車用部 などがあげられる。本発明の重合体は、広 波長範囲にわたって透明性が高く、成形加 性に優れ、また、屈折率も低いため、これ の用途に好適である。

 光学記録材料としては、光ディスク基板 体積型ホログラム記録材料のマトリックス 料などに用いることができる。本発明の重 体は、広い波長範囲にわたって透明性が高 、成形加工性に優れ、また、屈折率も低い め、これらの用途に好適である。

 光信号伝送用材料(光伝送媒体)としては 耐熱性の光伝送媒体、コアとクラッドで形 されるプラスチック光ファイバーのコアお び/またはクラッド材などがあげられる。本 明の重合体はガラス転移温度が高いため、 れらの用途に好適である。

 また、水に不溶で高い動的ならびに静的 触角を示すにも拘わらずアルカリ水溶液可 性を示すような表面濡れ性をもつので、蛋 質など生体関連物質の吸着を抑えながら生 適合性を示す用途に利用する道があり、医 材料として各種医用デバイス接液部やフィ ターのコーティング材料として利用できる

 以下に液浸レジスト積層体の保護層用材 、液浸レジスト積層体のレジスト層用材料 用いる場合について、それらの材料を用い レジストパターン形成方法に焦点を当てて 体的に説明する。

 本発明の重合体を液浸レジスト積層体の保 層用材料として用いて、レジストパターン 形成する方法は、
(I)基板および該基板上に形成されるフォトレ ジスト層を有する液浸リソグラフィー用のレ ジスト積層体を形成する工程、
(II)該レジスト積層体に所望のパターンを有 るフォトマスクおよび縮小投影レンズを介 、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を 体で満たした状態でエネルギー線を照射し フォトレジスト層のフォトマスクパターン 対応した特定領域を選択的に露光する液浸 光工程、および
(III)該露光されたレジスト積層体を現像液で 理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジスト パターン形成方法であって、
該フォトレジスト層が本発明の重合体を含む ことを特徴とする。

 本発明の重合体を保護層中に含むレジス 積層体(以下、「第一のレジスト積層体」と いうこともある)は、波長193nm以上の紫外光で 露光する、純水を液状媒体として用いる液浸 リソグラフィーの露光工程で特に効果的であ る。

 つまり、第一のレジスト積層体は、ArFレ スト、KrFレジストなど、従来のレジスト材 を含むフォトレジスト層(L1)を有するレジス ト被膜の最表面に、さらに、保護層(L2)を形 したものであり、保護層(L2)に本発明の重合 を使用することで、現像液溶解性を格段に 善でき、良好な撥水性、光透過性、耐水性 有するものである。

 第一のレジスト積層体において、最外層 形成する保護層(L2)は、波長193nm以上の光線 対して透明であることが必要である。

 それによって、例えば、193nm波長を用い ArFリソグラフィー、248nm波長を用いるKrFリソ グラフィーにおいても純水を用いる液浸露光 プロセスが利用できる。

 具体的には、193nm以上の波長において、吸 係数で1.0μm -1 以下、好ましくは、0.8μm -1 以下、より好ましくは、0.5μm -1 以下、最も好ましくは0.3μm -1 以下である。

 保護層(L2)の吸光係数が大きすぎると、レ ジスト積層体全体の透明性を低下させるため 微細パターン形成時の解像度を低下させたり 、パターン形状を悪化させたりするため好ま しくない。

 また保護層(L2)は、現像液、例えば2.38%テ ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液( 2.38%TMAH水溶液)に対して良好な溶解性を有し がら、純水に対して溶解しにくい、または 解速度が遅い性質のものが好ましい。

 具体的には、現像液に対する溶解速度は 後述するQCM測定法で測定した2.38%TMAH水溶液 対する溶解速度で1nm/sec以上の層であり、好 ましくは10nm/sec以上、より好ましくは100nm/sec 上である。

 現像液に対する溶解速度が低すぎると、 細パターン形成時の解像度を低下させたり パターン形状がT-トップ状などになりやす 目的のものが得られにくく、好ましくない

 一方、保護層(L2)は純水に対して、逆に溶 解しにくいことが好ましく、QCM測定法で測定 した、純水に対する溶解速度で10nm/min以下の であり、好ましくは8nm/min以下、より好まし くは5nm/min以下、特に好ましくは2nm/min以下で る。

 純水に対する溶解速度が、大きすぎると 保護層(L2)による保護効果が不十分となり、 前述の問題点の改善効果が不十分となるため 好ましくない。

 純水に対する溶解速度の測定には通常の オン交換膜により得られるイオン交換水を 水として使用する。

 また、保護層(L2)は、現像液溶解速度を著 しく低下させない範囲で、撥水性が高い方が 好ましい。

 例えば、好ましくは対水接触角で70°以上 、より好ましくは75°以上、特に好ましくは80 °以上であり、上限の好ましくは100°以下、 り好ましくは95°以下、特に好ましくは90°以 下である。

 保護層(L2)表面の対水接触角が低すぎると 、純水との接触後、水の浸透速度が早くなり 、フォトレジスト層(L1)へ水が達しやすく、 護層(L2)による保護効果が不十分となるため ましくない。

 また、保護層(L2)表面の対水接触角が高す ぎると、逆に現像液溶解速度が著しく低下す るため好ましくない。

 また、さらに、保護層(L2)は吸水性(吸水 度)の低いものが好ましい。

 吸水性(吸水速度)が高すぎると純水との 触後、水の浸透速度が早くなり、フォトレ スト層(L1)へ水が達しやすく、保護層(L2)によ る保護効果が不十分となるため好ましくない 。

 例えば、吸水性(吸水速度)は、QCM法によ 測定でき、吸水による重量増加速度(吸水速 )として算出可能である。

 これらの性質を有する保護層(L2)として、 本発明の重合体を用いる。

 本発明の第一のレジスト積層体は、予め 成されたフォトレジスト層(L1)上に保護層(L2 )が、本発明の重合体を含むコーティング組 物を塗布することで形成される。

 保護層(L2)を形成するコーティング組成物 は、本発明の重合体と溶剤とからなるもので ある。

 溶剤は、本発明の重合体を均一に溶解さ るものから選ばれることが好ましく、成膜 の良好な溶剤を適宜選択し、利用される。

 具体的には、セロソルブ系溶剤、エステル 溶剤、プロピレングリコール系溶剤、ケト 系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アルコー 系溶剤、水またはこれらの混合溶剤が好ま くあげられる。さらに本発明の重合体の溶 性、成膜性を高めるために、CH 3 CCl 2 F(HCFC-141b)などの含フッ素炭化水素系溶剤やフ ッ素アルコール類などのフッ素系溶剤を併用 してもよい。

 コーティング組成物を塗布したとき、予 形成された下層のフォトレジスト被膜(L1)を 再溶解させない溶剤から選ばれることが好ま しく、その点からも水および/またはアルコ ル類であることが好ましい。

 これらの溶剤の量は、溶解させる固形分 種類や塗布する基材、目標の膜厚、などに って選択されるが、塗布のし易さという観 から、フォトレジスト組成物の全固形分濃 が0.5~70重量%、好ましくは1~50重量%となるよ に使用するのが好ましい。

 溶剤のうち、水は、水であれば特に制限 れないが、蒸留水、イオン交換水、フィル ー処理水、各種吸着処理などにより有機不 物や金属イオンなどを除去したものが好ま い。

 アルコール類は、フォトレジスト層(L1)を 再溶解させないものから選ばれ、下層のフォ トレジスト層(L1)の種類に応じて適宜選択さ るが、一般に低級アルコール類が好ましく 具体的にはメタノール、エタノール、イソ ロパノール、n-プロパノールなどが好ましい 。

 なお、これら溶剤に加えて、フォトレジ ト層(L1)を再溶解させない範囲内で、塗布性 等の改善を目的として、水に可溶な有機溶媒 を併用してもよい。

 水に可溶な有機溶媒としては、水に対し 1質量%以上溶解するものであればとくに制 されない。例えば、アセトン、メチルエチ ケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エ ルなどの酢酸エステル類;ジメチルホルムア ミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソ ルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソ ルブ、ブチルカルビトール、カルビトールア セテートなどといった極性溶媒などが好まし く挙げられる。

 水またはアルコール類に加えて添加され 水溶性の有機溶媒の添加量は、溶剤全体量 対し、0.1~50質量%、好ましくは0.5~30質量%、 り好ましくは1~20質量%、特に好ましくは1~10 量%である。

 本発明の保護層(L2)を形成するコーティン グ組成物は、必要に応じて、塩基性の物質、 例えばアンモニアまたは有機アミン類から選 ばれる少なくとも1種を添加してもよい。こ 場合、コーティング組成物中でpKaが11以下の 酸性OH基は、例えばアンモニウム塩、アミン などの形で親水性誘導体部位になっている ともある。

 有機アミン類は水溶性の有機アミン化合 が好ましく、例えばメチルアミン、エチル ミン、プロピルアミンなどの第一級アミン ;ジメチルアミン、ジエチルアミンなどの第 二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチ アミン、ピリジンなどの第三級アミン類;モ エタノールアミン、プロパノールアミン、 エタノールアミン、トリエタノールアミン トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンな のヒドロキシルアミン類;水酸化テトラメチ アンモニウム、水酸化テトラエチルアンモ ウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム 水酸化テトラブチルアンモニウムなどの第 級アンモニウム化合物などが好ましく挙げ れる。

 なかでも、現像液溶解速度の向上という で、モノエタノールアミン、プロパノール ミン、ジエタノールアミン、トリエタノー アミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノ タンなどのヒドロキシルアミン類であるこ が好ましく、なかでも特にモノエタノール ミンが好ましい。

 またさらに、本発明の保護層(L2)を形成す るコーティング組成物には、必要に応じて、 消泡剤、吸光剤、保存安定剤、防腐剤、接着 助剤、光酸発生剤などを添加してもよい。

 本発明の保護層(L2)を形成するコーティン グ組成物において、本発明の重合体の含有率 は、重合体の種類、分子量、添加物の種類、 量、溶剤の種類などによって異なり、薄層被 膜を形成可能となる適切な粘度となるように 適宜選択される。例えばコーティング組成物 全体に対し0.1~50質量%、好ましくは0.5~30質量% より好ましくは1~20質量%、特には2~10質量%で ある。

 コーティング組成物はフォトレジスト層( L1)上に塗布され、保護層(L2)を形成しレジス 積層体の最外層を形成する。

 塗布方法としては従来公知の方法が採用 れ、特に回転塗布法、流延塗布法、ロール 布法などが好適に例示でき、なかでも回転 布法(スピンコート法)が好ましい。

 保護層の膜厚は、液浸露光条件、水との 触時間などによって異なり、適宜選択され が、通常1~500nm、好ましくは10~300nm、より好 しくは20~200nm、特には30~100nmである。

 本発明の重合体は、透明性が高いため、 護層を厚く施しても良好な微細パターン形 が可能となる。

 第一のレジスト積層体において、フォト ジスト層(L1)は従来のフォトレジスト組成物 を用いて形成される層であり、後述するウェ ハなどの基板上に形成される。

 例えばノボラック樹脂とジアゾナフトキ ンを主成分とするポジ型フォトレジスト(g 、i線リソグラフィー)、ポリヒドロキシスチ レンをバインダー樹脂に用いた化学増幅型ポ ジ型またはネガ型レジスト(KrFリソグラフィ )、側鎖に脂環式構造を有するアクリル系ポ マーやポリノルボルネン構造を有する脂環 重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォ レジスト(ArFリソグラフィー)を成膜して得 れる層である。

 フォトレジスト層(L1)の膜厚は、作製する デバイスの種類や目的、それを得るためのエ ッチングなどのプロセス条件、レジスト層の 種類(透明性やドライエッチング耐性の程度 ど)によって異なり、適宜選択されるが、通 10~5000nm、好ましくは50~1000nm、より好ましく 100~500nmである。

 本発明における保護層(L2)は、純水を用い た液浸露光時、従来のフォトレジスト層を最 外層に持つもの、または従来のレジスト用反 射防止層を最外層にもつものなどに比べ、撥 水性、耐水性、防水性の少なくとも1つにつ て優れているため、特に側鎖に脂環式構造 有するアクリル系ポリマーやポリノルボル ン構造を有する脂環式重合体などを用いた 学増幅型ポジ型フォトレジスト(ArFリソグラ ィー)を用いた液浸フォトリソグラフィープ ロセスにおいて特に好ましく適用でき、精密 なパターン形状やパターンの高寸法精度、さ らにはそれらの再現性において効果的に目的 を達成するものである。

 第一のレジスト積層体における基板とし は、例えばシリコンウェハ;ガラス基板;有 系または無機系反射防止膜が設けられたシ コンウェハやガラス基板;表面に各種の絶縁 、電極および配線などが形成された段差を するシリコンウェハ;マスクブランクス;GaAs AlGaAs等のIII-V族化合物半導体ウェハやII-VI族 化合物半導体ウェハ;水晶、石英またはリチ ムタンタレイト等の圧電体ウェハなどがあ られる。

 また、いわゆる基板の上にて限定される のではなく、基板上の導電膜あるいは絶縁 など所定の層の上に形成されてよい。また かかる基板上に例えばBrewer Science社製のDUV- 30、DUV-32、DUV-42、DUV-44などの反射防止膜(下層 反射防止層)を施すことも可能であるし、基 を密着性向上剤によって処理してもよい。

 つぎに第一のレジスト積層体の製造法、 まりフォトレジスト層(L1)上に保護層(L2)を けてレジスト積層体を形成する方法、さら はそのフォトレジスト積層体を用いて液浸 光により微細パターンを形成する方法の一 を図面を参照して説明する。

 図1は、本発明の第一のレジスト積層体の 形成方法、および液浸露光微細パターン形成 方法の各工程(a)~(e)を説明するための概略図 ある。

(a)フォトレジスト層(L1)の形成工程:
 まず、図1(a)に示すように基板(L0)にフォト ジスト組成物を回転塗布法等によって10~5000n m、好ましくは50~1000nm、より好ましくは100~500n mの膜厚で塗布する。

 ついで150℃以下、好ましくは80~130℃の所 の温度でプリベーク処理を行って、フォト ジスト層(L1)を形成する。

(b)保護層(L2)の形成工程:
 図1(b)に示すように、乾燥後のフォトレジス ト層(L1)上に、本発明の重合体を含むコーテ ング組成物を回転塗布法等によって塗布す 。ついで、必要に応じてプリベークを行な 、保護層(L2)を形成する。

 プリベークは、保護層(L2)中の残留溶剤を 蒸発させ、さらに均質な薄層被膜を形成する ために適宜、条件選択される。例えばプリベ ーク温度は室温~150℃の範囲内から選ばれ、 ましくは40~120℃、より好ましくは60~100℃で る。

(c)液浸露光工程:
 つぎに図1(c)に示すように、レジスト積層体 (L1+L2)に、所望のパターンを有するマスク11お よび縮小投影レンズ14を介して、矢印13で示 ようにエネルギー線を照射し、特定の領域12 を選択的に露光することによってパターン描 画を行なう。

 本発明においては、縮小投影レンズ14と ジスト積層体の間に純水15を満たした状態で 露光するものである。

 第一のレジスト積層体は、これら純水で たした状態において、保護層(L2)の効果によ り、精密なパターン形状やパターンの高寸法 精度、さらにはそれらの再現性において目的 を達成するものである。

 このときエネルギー線(あるいは化学放射 線)としては、例えばg線(436nm波長)、i線(365nm 長)、KrFエキシマレーザー光(248nm波長)、ArFエ キシマレーザー光(193nm波長)などが使用可能 あり、それぞれのプロセスにおいて解像度 向上させることができる。

 なかでもArFエキシマレーザー光(193nm波長) において、液浸露光の高解像化効果がより発 揮される。

 続いて、70~160℃、好ましくは90~140℃で30 間~10分間程度の露光後ベーキング(PEB工程)を 行うことによって、図1(d)に示すように、フ トレジスト層(L1)の露光領域12に潜像を形成 せる。このとき、露光によって生じた酸が 媒として作用して、フォトレジスト層(L1)中 溶解抑止基(保護基)が分解されるため現像 溶解性が向上し、レジスト膜の露光部分が 像液に可溶化する。

(d)現像工程:
 ついで露光後ベーキングを行ったフォトレ スト層(L1)に対して現像液で現像処理を行う と、フォトレジスト層(L1)の未露光部分は現 液に対する溶解性が低いため基板上に残存 るが、一方、上述したように露光領域12は現 像液に溶解する。

 一方、上層の保護層(L2)は、露光部、未露 光部に関わらず現像液溶解性に優れているた め、現像工程で露光部と同時に除去される。

 現像液としては2.38重量%のテトラメチル ンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましく いられる。保護層(L2)表面、フォトレジスト (L1)表面との濡れ性を調整するため、2.38重 %のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド 溶液中に界面活性剤やメタノール、エタノ ル、プロパノールまたはブタノールなどの ルコール類を添加したものを用いてもよい

 ついで、純水、低級アルコールまたはそ らの混合物などで前記現像液を洗い流した と、基板を乾燥させることにより、図1(e)に 示すような所望のレジストパターンを形成す ることができる。

 また、このように形成した微細レジスト ターンをマスクとして、その下の所定の層 エッチングして導電膜あるいは絶縁膜の所 の微細パターンを形成し、さらに他の工程 重ねて半導体装置など電子装置を製造する とができる。これらの工程はよく知られて るところであるから、説明は省略する。

 本発明の重合体を液浸レジスト積層体のレ スト層用材料として用いて、レジストパタ ンを形成する方法は、
(Ia)基板、該基板上に形成されるフォトレジ ト層、および該フォトレジスト層上に形成 れる保護層を有する液浸リソグラフィー用 レジスト積層体を形成する工程、
(IIa)該レジスト積層体に所望のパターンを有 るフォトマスクおよび縮小投影レンズを介 、該縮小投影レンズとレジスト積層体間を 体で満たした状態でエネルギー線を照射し フォトレジスト層のフォトマスクパターン 対応した特定領域を選択的に露光する液浸 光工程、および
(IIIa)該露光されたレジスト積層体を現像液で 処理する工程
を含む液浸リソグラフィー法によるレジスト パターン形成方法であって、
該フォトレジスト層および/または保護層が 発明の重合体を含むことを特徴とする。

 この方法のレジスト積層体は、基材上にフ トレジスト層(L3)を有するレジスト積層体で あって、該フォトレジスト層(L3)が該積層体 最表面に形成されており、該フォトレジス 層(L3)が本発明の重合体に酸で解離してアル リ可溶性基に変換可能な保護基Y 2 を持たせた重合体と光酸発生剤を含むことを 特徴とする露光紫外光が波長193nm以上である 浸リソグラフィー用レジスト積層体(以下、 「第二のレジスト積層体」ということもある )である。

 本発明者らは、これらフォトレジスト層( L3)を最表面に有する第二のレジスト積層体を 、純水を液状媒体として用いる液浸フォトリ ソグラフィープロセスに用いることで、従来 のArFレジストやKrFレジストからなる被膜表面 では解決困難であった液浸露光プロセスによ るパターンの欠陥、不良を改善できることを 見出した。

 本発明において、酸解離性重合体からな フォトレジスト層(L3)は、それ自体、最表面 に使用し純水に接触させても、撥水性、耐水 性、防水性の少なくとも1つに優れるため、 ォトレジスト層(L3)に含まれる光酸発生剤の 散や溶出、クェンチャ-の拡散や溶出などを 抑制することができると考えられる。

 第二のレジスト積層体は前記酸解離性重 体からなるフォトレジスト層(L3)を基材に直 接施したものであってもよいし、従来のArFレ ジストやKrFレジストからなるフォトレジスト 層(L3-1)上に、前述と同様保護の役割を有する 層として施したものであってもよい。

 なかでも最外層を形成するフォトレジス 層(L3)は、露光後の現像特性を著しく低下さ せない範囲で、撥水性が高い方が好ましい。

 例えば、好ましくは対水接触角で70°以上 、より好ましくは75°以上、特に好ましくは80 °以上であり、上限の好ましくは110°以下、 り好ましくは100°以下、特に好ましくは90° 下である。

 フォトレジスト層(L3)表面の対水接触角が 低すぎると、純水との接触後、水の浸透速度 が早くなり、フォトレジスト層(L3)自体の吸 や膨潤が大きくなったり、または、フォト ジスト層(L3)に含まれる光酸発生剤やアミン などの添加物が溶出し、解像度や微細パタ ンの形状に悪影響を与えるため好ましくな 。また、従来のフォトレジスト層(L3-1)上に 発明の最外層を形成するフォトレジスト層( L3)を積層させる場合、下層のフォトレジスト 層(L3-1)へ水が達しやすくなり、上記と同様、 解像度や微細パターンの形状に悪影響を与え るため好ましくない。

 また、フォトレジスト層(L3)表面の対水接 触角が高すぎると、露光後、現像時の照射部 分の現像液溶解速度が低下し、解像度や微細 パターンの形状に悪影響を与えるため好まし くない。

 また、さらに、最表面のフォトレジスト (L3)は吸水性(吸水速度)の低いものが好まし 。

 吸水性(吸水速度)が高すぎると純水との 触後、水の浸透速度が早くなり、フォトレ スト層(L3)への水の浸透速度が速くなるため ましくない。

 フォトレジスト層(L3)の吸水性(吸水速度) 高すぎる、純水との接触後、フォトレジス 層(L3)に含まれる光酸発生剤やアミン類など の添加物が溶出し、解像度や微細パターンの 形状に悪影響を与えるため好ましくない。ま た、従来のフォトレジスト層(L3-1)上に本発明 の最外層を形成するフォトレジスト層(L3)を 層させる場合、下層のフォトレジスト層(L3-1 )へ水が達しやすくなり、上記と同様、解像 や微細パターンの形状に悪影響を与えるた 好ましくない。

 例えば、吸水性(吸水速度)は、QCM法によ 測定でき、吸水による重量増加速度(吸水速 )として算出可能である。

 また第二のレジスト積層体において最外 を形成するフォトレジスト層(L3)は、波長193 nm以上の光線に対して透明であることが必要 ある。

 それによって、例えば、193nm波長を用い ArFリソグラフィー、248nm波長を用いるKrFリソ グラフィーにおいても純水を用いる液浸露光 プロセスが有用に利用できる。

 具体的には、193nm以上の波長において、吸 係数で1.0μm -1 以下、好ましくは0.8μm -1 以下、より好ましくは0.5μm -1 以下、最も好ましくは0.3μm -1 以下である。

 フォトレジスト層(L3)の吸光係数が大きす ぎると、レジスト積層体全体の透明性を低下 させるため微細パターン形成時の解像度を低 下させたり、パターン形状を悪化させたりす るため好ましくない。

 第二のレジスト積層体のフォトレジスト層( L3)に含まれる酸解離性重合体は、酸で解離し てアルカリ可溶性基に変換可能な保護基Y 2 を有することが重要であり、つまりポジ型の レジストとして動作可能なものである。した がって、フォトレジスト層(L3)はさらに光酸 生剤を必須成分として含み、必要に応じて アミン類やその他レジストとして必要な添 物を含んでなる。

 酸解離性重合体に含まれる保護基Y 2 は、酸と反応する前はアルカリに不溶または 難溶であるが酸の作用により、アルカリに可 溶化させることができる官能基(-OR)である。 のアルカリへの溶解性の変化により、ポジ のレジストのベース重合体として利用でき ものになる。

 具体的には、
(式中、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 、R 14 、R 18 、R 19 、R 20 、R 21 、R 22 、R 24 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 は同じかまたは異なり、炭素数1~10の炭化水 基;R 13 、R 15 、R 16 は同じかまたは異なり、Hまたは炭素数1~10の 化水素基;R 17 、R 23 は同じかまたは異なり、炭素数2~10の2価の炭 水素基)
が好ましく利用でき、さらに具体的には
などが好ましく例示される。

 以上の保護基Y 2 のなかでも、酸でOH基に変換できる保護基Y 3 の少なくとも1種が好ましい。

 酸でOH基に変換できる保護基Y 3 としては、
(式中、R 31 、R 32 、R 33 およびR 34 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1~5の アルキル基)で示される基が好ましくあげら る。

 より具体的には、
が好ましく例示でき、なかでも酸反応性が良 好な点で、
が好ましく、さらに透明性が良好な点で、-OC (CH 3 ) 3 、-OCH 2 OCH 3 、-OCH 2 OC 2 H 5 が好ましい。

 また、酸でOH基に変換できる保護基Y 3 は、なかでも、酸によりpKa=11以下の酸性を示 すOHに変換可能なものが好ましく、さらにはp Ka=10以下、特にはpKa=9以下のOH基に変換可能も のが好ましい。

 それによって露光後の現像特性が良好と り、高解像度の微細パターンが可能となる め好ましい。

 具体的には、OH基に変換可能な保護基Y 3 が直接結合する炭素原子に、含フッ素アルキ ル基または含フッ素アルキレン基が結合した ものが好ましく、下式:
(式中、Rf 3 は炭素数1~10のエーテル結合を有していても い含フッ素アルキル基;R 2 は水素原子、炭素数1~10の炭化水素基および 素数1~10のエーテル結合を有していてもよい フッ素アルキル基から選ばれるもの)で表さ れる部位を有することが好ましい。

 R 2 はなかでも炭素数1~10のエーテル結合を有し いてもよい含フッ素アルキル基であること 好ましい。

 さらには、Rf 3 、R 2 は共にパーフルオロアルキル基であることが 好ましく、具体的には、
などの部位が好ましい。

 またさらには、下式:
(式中、Rf 3 は炭素数1~10のエーテル結合を有していても い含フッ素アルキル基;R 2 は水素原子、炭素数1~10の炭化水素基および 素数1~10のエーテル結合を有していてもよい フッ素アルキル基から選ばれるもの)で表さ れる部位を有するものが、水溶性、現像液溶 解性の面でより好ましく、具体的には、
などの部位を有するものが好ましい。

 保護基Y 2 を有する酸解離性含フッ素重合体は、フッ素 含有率で30質量%以上であることが好ましく、 より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは 50質量%以上である。

 フッ素含有率が低くなりすぎると、撥水 が低くなったり、吸水性が大きくなりすぎ ため好ましくない。

 一方、フッ素含有率の上限は75質量%であ 、好ましくは70質量%、より好ましくは65質 %である。

 フッ素含有率が高すぎると、被膜の撥水 が高くなり過ぎて、現像液溶解速度を低下 せたり、現像液溶解速度の再現性を悪くし りするため好ましくない。

 第二のレジスト積層体で最表面のフォトレ スト層(L3)に用いる保護基Y 2 を有する酸解離性重合体は、前述の本発明の 重合体の-OR 1 を前述の保護基Y 2 の少なくとも1種に置き換えたものであって その結果ポジ型レジストとしての動作を可 とするものである。本発明の重合体に保護 Y 2 を導入する方法としては定法が採用できる。

 第二のレジスト積層体において、フォト ジスト層(L3)は前記酸解離性重合体に加えて 、光酸発生剤を含んでなる。

 光酸発生剤は国際公開公報第01/74916号パ フレットに記載の光酸発生剤(b)と同様のも が同様に好ましく例示でき、本発明でも有 に使用できる。

 具体的には、光を照射することによって またはカチオンを発生する化合物であって 例えば有機ハロゲン化合物、スルホン酸エ テル、オニウム塩(特に中心元素がヨウ素、 イオウ、セレン、テルル、窒素またはリンで あるフルオロアルキルオニウム塩など)、ジ ゾニウム塩、ジスルホン化合物、スルホン アジド類など、またはこれらの混合物があ られる。

 より好ましい具体例としては、つぎのも があげられる。

(1)TPS系:
(式中、X - はPF 6 - 、SbF 6 - 、CF 3 SO 3 - 、C 4 F 9 SO 3 - など;R 1a 、R 1b 、R 1c は同じかまたは異なり、CH 3 O、H、t-Bu、CH 3 、OHなど)

(2)DPI系:
(式中、X - はCF 3 SO 3 - 、C 4 F 9 SO 3 - 、CH 3 -φ-SO 3 - 、SbF 6 -
など;R 2a 、R 2b は同じかまたは異なり、H、OH、CH 3 、CH 3 O、t-Buなど)

(3)スルホネート系:
(式中、R 4a
など)

 通常、フォトレジスト層(L3)は、例えば酸 解離性重合体と前記光酸発生剤からなるもの を溶剤に溶解させたレジスト組成物を作成し 、塗布することによって形成される。

 第二の積層体でフォトレジスト層(L3)を形 成するためのレジスト組成物における光酸発 生剤の含有量は、酸解離性重合体100重量部に 対して0.1~30重量部が好ましく、さらには0.2~20 重量部が好ましく、最も好ましくは0.5~10重量 部である。

 光酸発生剤の含有量が0.1重量部より少な なると感度が低くなり、30重量部より多く 用すると光酸発生剤が光を吸収する量が多 なり、光が基板まで充分に届かなくなって 像度が低下しやすくなる。

 フォトレジスト層(L3)を形成するためのレ ジスト組成物には、上記の光酸発生剤から生 じた酸に対して塩基として作用できる有機塩 基を添加してもよい。有機塩基は国際公開第 01/74916号パンフレットに記載のものと同様の のが好ましく例示でき、本発明でも有効に 用できる。

 具体的には、含窒素化合物から選ばれる 機アミン化合物であり、例えばピリジン化 物類、ピリミジン化合物類、炭素数1~4のヒ ロキシアルキル基で置換されたアミン類、 ミノフェノール類などがあげられ、特にヒ ロキシル基含有アミン類が好ましい。

 具体例としては、ブチルアミン、ジブチ アミン、トリブチルアミン、トリエチルア ン、トリプロピルアミン、トリアミルアミ 、ピリジンなどが好ましくあげられる。

 フォトレジスト層(L3)を形成するためのレ ジスト組成物における有機塩基の含有量は、 光酸発生剤の含有量に対して0.1~100モル%が好 しく、さらに好ましくは、1~50モル%である 0.1モル%より少ない場合は解像性が低くなり 100モル%よりも多い場合は低感度になる傾向 にある。

 その他、レジスト組成物に、必要に応じ 国際公開第01/74916号パンフレットに記載の 加物、例えば、溶解抑制剤、増感剤、染料 接着性改良剤、保水剤などこの分野で慣用 れている各種の添加剤を含有させることも きる。

 また、第二のレジスト積層体におけるフ トレジスト層(L3)を形成するためのレジスト 組成物において、溶剤は、国際公開公報第01/ 74916号パンフレットに記載の溶剤と同様のも が同様に好ましく例示でき、本発明でも有 に使用できる。

 具体的には、セロソルブ系溶剤、エステル 溶剤、プロピレングリコール系溶剤、ケト 系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、またはこ らの混合溶剤が好ましくあげられる。さら 酸解離性重合体の溶解性を高めるために、C H 3 CCl 2 F(HCFC-141b)などの含フッ素炭化水素系溶剤やフ ッ素アルコール類などのフッ素系溶剤を併用 してもよい。

 これらの溶剤の量は、溶解させる固形分 種類や塗布する基材、目標の膜厚、などに って選択されるが、塗布のし易さという観 から、フォトレジスト組成物の全固形分濃 が0.5~70重量%、好ましくは1~50重量%となるよ に使用するのが好ましい。

 第二のレジスト積層体において、その層 成の好ましい第一は、基板上に、酸解離性 合体を含むフォトレジスト層(L3)を形成され てなるレジスト積層体(X1)である。

 これらのレジスト積層体(X1)は、基板上に 、本質的にフォトレジスト層(L3)のみを積層 たもので、フォトレジスト層(L3)自体、波長1 93nm以上の紫外線に対して透明性が高く、そ らの紫外光を用いるリソグラフィープロセ においてポジ型レジストとして働き、良好 パターン形成が可能なものである。さらに 浸リソグラフィーにおいて用いられる水に る悪影響を最小限にできる点で好ましい。

 レジスト積層体(X1)において、フォトレジ スト層(L3)の膜厚は、作製するデバイスの種 や目的、それを得るためのエッチングなど プロセス条件、レジスト層の種類(透明性や ライエッチング耐性の程度など)によって異 なり、適宜選択されるが、通常10~5000nm、好ま しくは50~1000nm、より好ましくは100~500nmである 。

 第二のレジスト積層体において、その層 成の好ましい第二は、基材上にあらかじめ 成されたフォトレジスト層(L3-1)上に、酸解 性重合体を含むフォトレジスト層(L3)が形成 されてなるレジスト積層体(X2)である。

 これらのレジスト積層体(X2)は、従来のレ ジスト材料からなるフォトレジスト層(L3-1)上 に、水に対する保護層の役割で酸解離性重合 体を含むフォトレジスト層(L3)を積層したも で、フォトレジスト層(L3-1)、(L3)の両層が露 および現像工程によって、同時にパターン 成されるものである。

 これらのレジスト積層体におけるフォト ジスト層(L3-1)は、従来のフォトレジスト組 物を用いて形成される層であり、例えばノ ラック樹脂とジアゾナフトキノンを主成分 するポジ型フォトレジスト(g線、i線リソグ フィー)、ポリヒドロキシスチレンをバイン ダー樹脂に用いた化学増幅型ポジ型またはネ ガ型レジスト(KrFリソグラフィー)、側鎖に脂 式構造を有するアクリル系ポリマーやポリ ルボルネン構造を有する脂環式重合体など 用いた化学増幅型ポジ型フォトレジスト(ArF リソグラフィー)を成膜して得られる層であ 。

 なかでも、本発明の液浸リソグラフィー 用いる場合は、ポリヒドロキシスチレンを インダー樹脂に用いた化学増幅型ポジ型レ スト、側鎖に脂環式構造を有するアクリル ポリマーやポリノルボルネン構造を有する 環式重合体などを用いた化学増幅型ポジ型 ォトレジスト、特には側鎖に脂環式構造を するアクリル系ポリマーやポリノルボルネ 構造を有する脂環式重合体などを用いた化 増幅型ポジ型フォトレジストであることが ましい。

 レジスト積層体(X2)において、フォトレジ スト層(L3)の膜厚は、酸解離性重合体の種類 液浸露光条件、水との接触時間などによっ 異なり、適宜選択されるが、通常1~500nm、好 しくは10~300nm、より好ましくは20~200nm、特に は30~100nmである。

 レジスト積層体(X2)において、フォトレジ スト層(L3-1)の膜厚は、作製するデバイスの種 類や目的、それを得るためのエッチングなど のプロセス条件、レジスト層の種類(透明性 ドライエッチング耐性の程度など)によって なり、適宜選択されるが、通常10~5000nm、好 しくは50~1000nm、より好ましくは100~500nmであ 。

 このレジスト積層体(X2)は下層のフォトレ ジスト層(L3-1)が有するリソグラフィー性能( えば成膜性、感度、解像度、パターン形状) よびドライエッチング耐性などを利用しな ら、フォトレジスト層(L3-1)では不十分であ た液浸露光時の水に対する問題点を解決で るものである。

 なお、最表面の酸解離性重合体からなる ォトレジスト層(L3)自体も同様の形状でパタ ーン形成可能であるため、現像後のパターン 表面の形態やラフネスなどを向上できる点で 好ましい。

 第二のレジスト積層体(X1)、(X2)における 板としては、例えばシリコンウェハ;ガラス 板;有機系または無機系反射防止膜が設けら れたシリコンウェハやガラス基板;表面に各 の絶縁膜、電極および配線などが形成され 段差を有するシリコンウェハ;マスクブラン ス;GaAs、AlGaAs等のIII-V族化合物半導体ウェハ やII-VI族化合物半導体ウェハ;水晶、石英また はリチウムタンタレイト等の圧電体ウェハな どがあげられる。

 また、いわゆる基板の上にて限定される のではなく、基板上の導電膜あるいは絶縁 など所定の層の上に形成されてよい。また かかる基板上に例えばBrewer Science社製のDUV- 30、DUV-32、DUV-42、DUV-44などの反射防止膜(下層 反射防止層)を施すことも可能であるし、基 を密着性向上剤によって処理してもよい。

 基材にフォトレジスト層(L3)を形成する方 法、フォトレジスト層(L3-1)上にフォトレジス ト層(L3)を設けてレジスト積層体を形成する 法、さらにはそのフォトレジスト積層体(X1) (X2)を用いて液浸露光により微細パターンを 形成する方法については、前述のフォトレジ スト層(L1)上に保護層(L2)を設けてレジスト積 体を形成する方法、さらにはそのフォトレ スト積層体を用いて液浸露光により微細パ ーンを形成する方法が同様に採用できる。

 例えばレジスト積層体(X1)については、従 来のレジスト層形成法および液浸露光を含む 工程を行うことにより微細パターンが形成可 能である。

 またレジスト積層体(X2)については、前述 のフォトレジスト層(L1)の代わりにフォトレ スト層(L3-1)を、保護層(L2)の代わりにフォト ジスト層(L3)を用い、同様にしてレジスト積 層体を形成でき、それらレジスト積層体を用 い、同様にして、液浸露光を含む工程を行う ことにより微細パターンが形成可能である。

 つぎに実施例をあげて本発明を具体的に 明するが、本発明はかかる実施例のみに限 されるものではない。

 なお、物性の評価に使用した装置および 定条件は以下のとおりである。

(1)NMR
NMR測定装置:BRUKER社製
1 H-NMR測定条件:400MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19 F-NMR測定条件:376MHz(トリクロロフルオロメタ =0ppm)

(2)数平均(重量平均)分子量は、ゲルパーミ ーションクロマトグラフィ(GPC)により、東 ー(株)製のGPC HLC-8020を用い、Shodex社製のカ ム(GPC KF-801を1本、GPC KF-802を1本、GPC KF-806M 2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテト ハイドロフラン(THF)を流速1ml/分で流して測 したデータより算出する。

実施例1
(2-フルオロアクリル酸5,5,5-トリフルオロ-4-ヒ ドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン-2- ルの合成)
 窒素導入管、滴下漏斗、温度計、シリカゲ 乾燥管、セプタムラバーキャップ、スタラ チップを装着した四つ口フラスコを乾燥し 5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-(トリフル オロメチル)ペンタン-2-オール(5,5,5-trifluoro-4-h ydroxy-4-(trifluoromethyl)pentan-2-ol)22.5g(100mmol)、ピ ジン79g(100mmol)、THF50mlを加え氷-水浴で冷却し た。攪拌しながら2-フルオロアクリル酸フル ライド10g(110mmol)を内温5℃以下でゆっくりと 滴下した。その後窒素下室温で一夜間攪拌し た。反応混合物に水100mlとジイソプロピルエ テル50mlを加え分液した。飽和炭酸水素ナト リウム水溶液2回、希塩酸水溶液1回、飽和食 水2回でそれぞれ洗浄し無水硫酸マグネシウ ム上で乾燥した。得られた溶液を濃縮し、ハ イドロキノン存在下、減圧にて蒸留すること により無色透明の液体を得た。構造は 19 F-NMR、 1 H-NMRにて調べ、2-フルオロアクリル酸5,5,5-ト フルオロ-4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチ )ペンタン-2-イルと同定した。収量19.5g(収率 65.7%)、沸点57~65℃(1.0mmHg)。
19 F-NMR(アセトン-d6、ppm):-75.7(3F)、-76.9(3F)、-117.4( 1F)
1 H-NMR(アセトン-d6、ppm):1.41(3H、CH 3 )、2.29(1H、CH 2 )、2.54(1H、CH 2 )、5.44(2H、H 2 C=)、5.71(1H、CH)、6.92(1H、OH)

実施例2
(2-フルオロアクリル酸5,5,5-トリフルオロ-4-ヒ ドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン-2- ルの単独重合体の合成)
 窒素導入管、減圧ライン、温度計、セプタ ラバーキャップ、スタラーチップを装着し 三つ口フラスコを乾燥し、実施例1で合成し た2-フルオロアクリル酸5,5,5-トリフルオロ-4- ドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン-2 -イル3.0g(10mmol)、THF15mlを加えドライアイス-ア セトン浴で冷却する。アゾビスイソブチロニ トリル(AIBN)60mg(0.4mmol)を加えた後、攪拌しな ら減圧して脱酸素を行った。窒素で置換し 後水浴にて60℃に加温し3時間攪拌した、室 に戻して20時間攪拌した後、反応混合物をn- キサン300mlに攪拌しながら投入し再沈殿に 目的とする樹脂を得た。構造は 19 F-NMR、 1 H-NMRにて調べ、2-フルオロアクリル酸5,5,5-ト フルオロ-4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチ )ペンタン-2-イルの単独重合体と同定した。 GPCで測定したスチレン標準の数平均分子量は 27580、重量平均分子量は30880であった。収量2. 7g(収率90%)。
19 F-NMR(アセトン-d6、ppm):-75.6(3F)、-76.9(3F)、-161.2~ -167.8(1F)
1 H-NMR(アセトン-d6、ppm):1.42(3H、CH3)、2.24(1H、CH2) 、2.47(3H、CH2)、5.22(1H、CH)、6.72(1H、OH)

比較例1
(メタクリル酸5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキ -4-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-イルの単 独重合体の合成)
 2-フルオロアクリル酸フルオライドに代え メタクリル酸フルオライドを用いたほかは 施例1と同様の方法でメタクリル酸5,5,5-トリ ルオロ-4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル )ペンタン-2-イルを得た。この単量体3.0g(10mmol )にTHF15mlを加えドライアイス-アセトン浴で冷 却し、AIBN60mg(0.4mmol)を加えた後、攪拌しなが 減圧して脱酸素を行った。窒素で置換した 水浴にて55℃に加温し2時間攪拌した、室温 戻して20時間攪拌した後、反応混合物をn-ヘ キサン300mlに攪拌しながら投入し再沈殿にて 的とする樹脂を得た。構造は 19 F-NMR、 1 H-NMRにて調べ、メタクリル酸5,5,5-トリフルオ -4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ペン ン-2-イルの単独重合体と同定した。GPCで測 したスチレン標準の数平均分子量は18300、重 量平均分子量は23130であった。収量0.84g(収率2 8%)。

比較例2
 溶媒(THF)を用いなかったほかは比較例1と同 反応条件でメタクリル酸5,5,5-トリフルオロ- 4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタ -2-イルの単独重合体を得た。GPCで測定した チレン標準の数平均分子量は207120、重量平 分子量は295720であった。収量2.1g(収率70%)。

試験例1
 実施例2ならびに比較例1および2でそれぞれ た重合体について、つぎの方法で静的接触 、前進接触角、後退接触角、転落角を調べ 。結果を表1に示す。

試料の作製:
 ガラス基板に実施例2ならびに比較例1およ 2でそれぞれ得た重合体の10質量%メチルアミ ケトン(MAK)溶液をスピンコート(300rpm、3秒;20 00rpm、25秒)し、110℃で180秒乾燥して、試料を 製する。

静的接触角:
 水平に置いた試料の重合体膜表面にマイク シリンジから水、n-ヘキサデカンを2μl滴下 、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコ ープで撮影することにより求める。

前進接触角、後退接触角、転落角:
 水平に置いた試料の重合体膜表面にマイク シリンジから、水の場合は20μl、n-ヘキサデ カンの場合は5μl滴下し、試料基板を毎秒2° 速度で傾斜させ、液滴が転落し始めるまで 、ビデオマイクロスコープで動画として記 する。その動画を再生し、液滴が転落し始 る角度を転落角とし、転落角における液滴 進行方向側の接触角を前進接触角、進行方 と反対側を後退接触角とする。

試験例2
 実施例2ならびに比較例1および2でそれぞれ た重合体について、つぎの方法で標準現像 に対する溶解速度を調べた。結果を表1に示 す。

試料の作製:
 金で被覆された直径24mmの水晶振動子板に実 施例2ならびに比較例1および2でそれぞれ得た 重合体10質量%MAK溶液をスピンコート(300rpm、5 ;2000rpm、30秒)し、110℃で90秒乾燥して、厚さ 約100nmの重合体被膜を作製する。

標準現像液に対する溶解速度の測定:
 標準現像液として2.38%テトラメチルアンモ ウムヒドロキシド水溶液を用い、水晶振動 法(QCM法)により水に対する溶解速度を測定す る。膜厚は水晶振動子板の振動数から換算し て算出し測定する。

 上記で作製した試料の水晶振動子板を純 に浸し、浸漬させた時点から時間に対する 膜の膜厚変化を振動数の変化により測定し 単位時間あたりの溶解速度(nm/sec)を算出す (参考文献:Advances in Resist Technology and Procee dings of SPIE Vol. 4690, 904(2002))。

試験例3
 実施例2ならびに比較例1および2でそれぞれ た重合体について、ガラス転移温度(Tg)およ び熱分解温度(Td)を測定した。結果を表1に示 。

ガラス転移温度(Tg):
 示差走査熱量計(SEIKO社製、RTG220)を用いて、 30℃から150℃までの温度範囲を10℃/分の条件 昇温-降温-昇温(2回目の昇温をセカンドラン と呼ぶ)させて得られるセカンドランにおけ 吸熱曲線の中間点をTg(℃)とする。

熱分解温度(Td):
 島津製作所製TGA-50型熱天秤を用い、10℃/分 昇温速度で5%質量減少の始まる温度を測定 る。

試験例4
 実施例2ならびに比較例1および2でそれぞれ た重合体について、つぎの方法により透過 ならびに屈折率を測定した。結果を表1に示 す。

試料の作製:
 8インチのシリコンウェハ基板に、実施例2 らびに比較例1および2でそれぞれ得た重合体 10質量%MAK溶液のそれぞれを、スピンコーター を用いて、はじめに300rpmで3秒間、ついで4000r pmで20秒間ウェハを回転させながら塗布し、 燥後約100nmの膜厚になるように調整しながら 被膜を形成した。

屈折率の測定:
 分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製のVASE e llipsometer)を用いて各波長光における透過率(k )、屈折率および膜厚を測定する。

実施例3(レジスト積層体の形成)
(1)フォトレジスト層(L1)の形成
 ArFリソグラフィー用フォトレジストTArF-P6071 (東京応化工業(株)製)を、スピンコーターに 、8インチのシリコン基板上に回転数を変え がら200~300nmの膜厚に調整して塗布した後、1 30℃で60秒間プリベークしてフォトレジスト (L1)を形成した。

(2)保護層(L2)の形成
 上記(1)で形成したフォトレジスト層(L1)上に 、実施例2で得た単独重合体を含む塗布用組 物を、スピンコーターで、初めに300rpmで3秒 、ついで4000rpmで20秒間ウェハを回転させ膜 約100nmに調整しながら保護層(L2)を形成し、 ォトレジスト積層体を形成した。

(3)現像
 上記(2)で得たレジスト積層体について、テ ラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量 %の標準現像液で温度23℃、時間60秒間で静止 ドル現像を行った後純水リンスを行った。

 その結果、保護層(L2)が完全に除去された ことが確認できた。

 本発明によれば、静的および動的対水接 角が大きく、かつ現像液への溶解速度が大 に向上した含フッ素重合体、およびその重 体を与える単量体、ならびに含フッ素重合 を用いた液浸リソグラフィーによるレジス パターン形成方法を提供することができる

 また各種の光学材料、例えば反射防止膜 発光素子材料、レンズ用材料、光デバイス 材料、表示用材料、光学記録材料、光信号 送用材料(光伝送媒体)、またそれらの封止 材用材料に適用できる重合体を提供するこ ができる。