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Title:
PRODUCTION METHOD OF SEALING HONEYCOMB STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088078
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a production method of a sealing honeycomb structure comprising a sealing step for immersing a press-fit base (22) having a planar press-fit surface (23) into a slurry sealing material (25) stored in a storage tank (21) such that the press-fit surface (23) and the liquid surface (26) of the sealing material (25) face the same direction, locating, while vibrating the sealing material (25), the press-fit base (22) at such a position that the distance (D1) between the press-fit surface (23) and the liquid surface (26) of the sealing material (25) becomes equal to the depth at the sealing portion of a sealing honeycomb structure to be produced, mounting a honeycomb structure (12) on the press-fit base (22) while pressing one end face of the honeycomb structure (12) against the press-fit surface (23) after stopping vibration of the sealing material (25), and press fitting the sealing material (25) from the end of a cell and then taking out the honeycomb structure (12) from the press-fit base (22). The production method of a sealing honeycomb structure can produce a sealing honeycomb structure having a uniform depth at the sealing portion by using a simple method.

Inventors:
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
MIYASHITA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050228
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
MIYASHITA KOICHI (JP)
International Classes:
B28B11/02; B01D39/00; B01D53/86; B01J35/04
Domestic Patent References:
WO2006062141A12006-06-15
Foreign References:
JP2006272183A2006-10-12
JPH06190218A1994-07-12
JPS62174102A1987-07-30
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chome,Taito-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備えるハニカム構造体の前記セルの端部に、目封止部が形成された目封止ハニカム構造体を製造する目封止ハニカム構造体の製造方法であって、
 平面状の圧入面を有する圧入台を、貯留槽内に貯留されたスラリー状の目封止材料に、前記圧入面が上を向いた状態で浸漬し、前記圧入台を、前記目封止材料を振動させながら、前記圧入面と前記目封止材料の液面との距離が前記目封止ハニカム構造体の目封止部の深さと同じになる位置に配置し、
 前記目封止材料の振動を停止した後に、前記ハニカム構造体を一方の端面を前記圧入面に押圧しながら前記圧入台に載置して、前記目封止材料を前記セルの端部から圧入させた後、前記ハニカム構造体を前記圧入台から取り出す目封止工程を有する目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記目封止工程が、前記ハニカム構造体を前記圧入台に載置して前記目封止材料を前記セルの端部に圧入させた後に、前記圧入台を、前記ハニカム構造体を載置した状態で目封止材料内から外に出し、
 前記ハニカム構造体を、前記端面が前記圧入面に接触した状態で前記圧入面に沿って横滑りさせながら、前記圧入台から取り出す工程である請求項1に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記目封止材料に前記圧入台を浸漬する前、又は浸漬した後に、前記圧入面上に底無し筒状のスラリー保持具を載置し、前記ハニカム構造体を、前記スラリー保持具内に配置されるように前記圧入台に載置する請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記底無し筒状のスラリー保持具が、その内周側に弾性部材を有し、前記ハニカム構造体を前記スラリー保持具内に配置したときに前記ハニカム構造体が前記弾性部材に接触した状態となる請求項3に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
Description:
目封止ハニカム構造体の製造方

 本発明は、目封止ハニカム構造体の製造 法に関し、さらに詳しくは、簡易な方法で 封止部の深さが均一な目封止ハニカム構造 を製造することができる目封止ハニカム構 体の製造方法に関する。

 化学、電力、鉄鋼等の様々な分野におい 、環境対策や特定物資の回収等のために使 される触媒装置用の担体、又はフィルタと て、耐熱性、耐食性に優れるセラミック製 目封止ハニカム構造体が採用されている。 に、近時では、目封止ハニカム構造体は、 ィーゼル機関から排出されるパティキュレ トマター(PM)を捕集するディーゼルパティキ ュレートフィルタ(DPF)としての需要が盛んで る。

 図8に示されるように、目封止ハニカム構造 体41は、流体の流路となる複数のセル44を区 形成する多孔質の隔壁42を備えるハニカム構 造体43のセル44の端部に、目封止部46が形成さ れたものである。図8は、目封止ハニカム構 体の構造を模式的に示す、中心軸を含む平 で切断した断面図である。目封止部46は、所 定のセル44の一方の開口端に配設されるとと に残余のセル44の他方の開口端に配設され いる。目封止ハニカム構造体41においては、 目封止ハニカム構造体41の流体の入口側の端 Bにおけるセル44の開口端と、流体の出口側 端面Cにおけるセル44の開口端とにおいて、 封止部46が互い違いに形成されている(例え 、特許文献1参照)。

特開2001-300922号公報

 例えば目封止ハニカム構造体41をDPFとし 使用し、被処理ガスG1を入口側の端面Bから ル44に導入すると、多孔質の隔壁42を透過し 隣接するセル44に流入して、処理済ガスG2と して、出口側の端面Cから排出される。そし 、被処理ガスG1が隔壁42を透過するときに、 処理ガスG1に含有されるダストやパティキ レートは、隔壁42において捕捉される。

 上記のような目封止ハニカム構造体41は 押出し成形によって、流体の流路となる複 のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有す 筒状の未焼成のハニカム構造体を得た後に 以下に示す目封止工程を経ることで作製す ことが出来る。目封止工程では、先ず、未 成のハニカム構造体の一方の端面にマスク 貼着する。マスクの貼着は、粘着フィルム 未焼成のハニカム構造体の一方の端面に貼 し、画像処理を利用したレーザ加工等によ 、その粘着フィルムの目封止すべきセルに 応する(セルを覆う)部分のみを孔開けするこ とによって行う。そして、マスクが貼着され た未焼成のハニカム構造体の一方の端面を、 容器に貯めた目封止材料(セラミックスラリ )の中に浸漬し、目封止部を形成すべきセル 目封止材料を充填する。未焼成のハニカム 造体の他方の端面についても、同様にして 目封止部を形成すべきセルに目封止材料を 填する。そして、目封止材料を充填した未 成のハニカム構造体を乾燥し、焼成すれば 目封止ハニカム構造体41が得られる。

 しかしながら、このような目封止ハニカ 構造体を、上記目封止工程を経て作製した 合には、目封止部の深さが、不均一になり いという問題があった。目封止部の深さと 、目封止ハニカム構造体の軸方向における 封止部の長さのことを指す。このような問 が起こる理由の1つとして、容器内で目封止 材料であるセラミックスラリーを平準化し難 いことが挙げられる。そして、目封止部材の 深さにばらつきがあると、目封止部材の深い ところでは、例えばDPFとして使用した場合に 濾過面積が減るため、同じ量の被処理ガスを 通じると、それだけ圧損が上昇するという問 題がある。

 本発明は、上述した問題に鑑みてなされ ものであり、簡易な方法で目封止部の深さ 均一な目封止ハニカム構造体を製造するこ ができる目封止ハニカム構造体の製造方法 提供することを特徴とする。

 上述の目的を達成するため、本発明は、 下の目封止ハニカム構造体の製造方法を提 するものである。

[1] 流体の流路となる複数のセルを区画形 する多孔質の隔壁を備えるハニカム構造体 前記セルの端部に、目封止部が形成された 封止ハニカム構造体を製造する目封止ハニ ム構造体の製造方法であって、平面状の圧 面を有する圧入台を、貯留槽内に貯留され スラリー状の目封止材料に、前記圧入面が を向いた状態で浸漬し、前記圧入台を、前 目封止材料を振動させながら、前記圧入面 前記目封止材料の液面との距離が前記目封 ハニカム構造体の目封止部の深さと同じに る位置に配置し、前記目封止材料の振動を 止した後に、前記ハニカム構造体を一方の 面を前記圧入面に押圧しながら前記圧入台 載置して、前記目封止材料を前記セルの端 から圧入させた後、前記ハニカム構造体を 記圧入台から取り出す目封止工程を有する 封止ハニカム構造体の製造方法。

[2] 前記目封止工程が、前記ハニカム構造 を前記圧入台に載置して前記目封止材料を 記セルの端部に圧入させた後に、前記圧入 を、前記ハニカム構造体を載置した状態で 封止材料内から外に出し、前記ハニカム構 体を、前記端面が前記圧入面に接触した状 で前記圧入面に沿って横滑りさせながら、 記圧入台から取り出す工程である[1]に記載 目封止ハニカム構造体の製造方法。

[3] 前記目封止材料に前記圧入台を浸漬す 前、又は浸漬した後に、前記圧入面上に底 し筒状のスラリー保持具を載置し、前記ハ カム構造体を、前記スラリー保持具内に配 されるように前記圧入台に載置する[1]又は[ 2]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法

[4] 前記底無し筒状のスラリー保持具が、 の内周側に弾性部材を有し、前記ハニカム 造体を前記スラリー保持具内に配置したと に前記ハニカム構造体が前記弾性部材に接 した状態となる[3]に記載の目封止ハニカム 造体の製造方法。

 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 によれば、圧入台を目封止材料に浸漬し、 封止材料を振動させながら、圧入台の圧入 と目封止材料の液面との距離が、目封止ハ カム構造体(製造する目封止ハニカム構造体 )の目封止部の深さと同じになるように、圧 台を配置し、目封止材料の振動を停止した に、ハニカム構造体を一方の端面を圧入面 押圧しながら圧入台に載置して、目封止材 をセルの端部から圧入させるため、圧入台 圧入面と目封止材料の液面との距離を、目 止部の深さとすることができ、目封止部の さを一定に保つことが可能となる。

製造対象である目封止ハニカム構造体 模式的に示す斜視図である。 図1に示される目封止ハニカム構造体を 中心軸を含む平面で切断した断面の一部を示 す図(断面図)である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法の一の実施形態において、目封止ハニカ 構造体を作製するために、先ず作製される ニカム構造体を示す斜視図である。 本発明に係る目封止ハニカム構造体の 造方法の一の実施形態における、マスクを けたハニカム構造体を示す断面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 図5Cの状態を上から見た平面図である 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 目封止ハニカム構造体の構造を模式的 示す、軸方向を含む平面で切断した断面図 ある。

符号の説明

1:目封止ハニカム構造体、2:ハニカム構造 、3:目封止部、4:隔壁、5:セル、5a:所定のセ 、5b:残余のセル、6a:一方の開口端、6b:他方 開口端、7a:一方の端面、7b:他方の端面、12: ニカム構造体、12a:一方の端面、14:隔壁、15: ル、15a:所定のセル、15b:残余のセル、17a:一 の端面、19:マスク、21:貯留槽、22:圧入台、2 3:圧入面、24:支持棒、25:目封止材料、26:液面 31:スラリー保持具、32:保持具本体、33:弾性 材、D:深さ、D1:距離、G1:被処理ガス、G2:処 済ガス。

 次に本発明の実施形態を図面を参照しな ら詳細に説明するが、本発明は以下の実施 態に限定されるものではなく、本発明の趣 を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識 基づいて、適宜設計の変更、改良等が加え れることが理解されるべきである。

 図1は、製造対象である目封止ハニカム構 造体を模式的に示す斜視図である。又、図2 、図1に示される目封止ハニカム構造体を中 軸を含む平面で切断した断面の一例を示す (断面図)である。図1に示される目封止ハニ ム構造体1は、流体の流路となる複数のセル 5を区画形成する多孔質の隔壁4を備えるハニ ム構造体2のセル5の端部に、目封止部3が形 されたものであり、具体的には、セル5のう ちの、所定のセル5aの一方の開口端6aと、残 のセル5bの他方の開口端6bに目封止部3が形成 されたものである。本実施形態の目封止ハニ カム構造体の製造方法によって得られた目封 止ハニカム構造体1は、ハニカム構造体2の端 において、目封止部3の端面が平坦であり、 且つ、目封止部材3の深さDが所望の値に調整 れているものである(図2参照)。

(1)ハニカム構造体作製工程:
 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法 一の実施形態では、目封止ハニカム構造体1 を作製するために、先ず、図3に示されるよ な未焼成のハニカム構造体を作成する。図3 示されるハニカム構造体12は、流体の流路 なる複数のセル15が多孔質の隔壁14によって 画形成されたハニカム構造を有する筒状の 造体である。このような未焼成のハニカム 造12は、セラミックを含む成形原料を押出 成形し乾燥させて得ることが出来る。

 セラミックを含む成形原料は、コージェ イト原料、ムライト、アルミナ、スピネル 炭化珪素、窒化珪素、リチウムアルミニウ シリケート、チタン酸アルミニウム等のセ ミックの粉末に、水等の分散媒、バインダ 造孔剤、分散剤等を加えて混練したものを 適に用いることができる。

 バインダとしては、ヒドロキシプロピル チルセルロース、メチルセルロース、ヒド キシエチルセルロース、カルボキシルメチ セルロース、ポリビニルアルコール等を使 することができる。これらは、一種単独で 用してもよいし、二種以上を組み合わせて 用してもよい。造孔材としては、焼成工程 より飛散消失する性質のものであればよく コークス等の無機物質や発泡樹脂等の高分 化合物、澱粉等の有機物質等を単独で用い か組み合わせて用いることができる。分散 としては、エチレングリコール、デキスト ン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を使用 ることができる。これらは、一種単独で使 してもよいし、二種以上を組み合わせて使 してもよい。

 押出し成形の方法は、特に制限はなく、 えば、真空押出し成形機を用いた押出し成 等の従来公知の方法を用いることが出来る また、乾燥方法は、特に制限はなく、例え 、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、 圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知 乾燥法を用いることができる。中でも、成 体全体を迅速かつ均一に乾燥することがで る点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は 電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好まし 。

(2)マスキング工程:
 本実施形態の目封止ハニカム構造体の製造 法では、乾燥した未焼成のハニカム構造体1 2に対し、図4に示されるように、目封止部を 成しないセルにマスクを施す、マスキング 程を有することが好ましい。具体的には、 焼成のハニカム構造体12の一方の端面17aに 所定のセル15a以外のセル(残余のセル)15bの開 口端を覆うマスク19を配設する。所定のセル1 5aは、一方の端面17aにおいて目封止部を形成 るセルであり、端面17aにおけるその配置は に限定されず、使用目的により任意に決定 ることができる。例えば、所定のセル15aを 端面17aにおいて、市松模様が形成されるよ に一つおきのセルとする(所定のセルと残余 のセルとが交互に並ぶようにする)ことがで る。マスク19は、所定のセル15aのみにセラミ ックスラリーを導入するためのものであり、 従来のマスク手段を好適に用いることが出来 る。例えば、未焼成のハニカム構造体12の一 の端面17aに粘着フィルムを貼着し、画像処 を利用したレーザー加工によって、所定の ル15aを覆う粘着フィルム(マスク)の所定の 位に孔を空けて形成する方法を挙げること 出来る。尚、セルにマスクを配設する(施す) というときは、セルの開口端部をマスクが覆 い、目封止材料が圧入されない状態にするこ とをいい、セルの開口端部の一部にマスクが 配設されていても、そのマスクに孔が開いて いて目封止材料がそのセルに圧入される状態 になっている場合は、そのセルにはマスクが 配設されていないことになる。マスクに孔を 開けたときの「孔の開口面積」は、セルの開 口面積に対して30~100%であることが、目封止 スラリーを良好に浸入させることが可能に るため好ましく、上記開口面積が40~100%であ ことが更に好ましく、50~100%であることが特 に好ましい。

 次に、同様の方法により、未焼成のハニ ム構造体12の他方の端面に、所定のセル15a 開口端を覆うマスクを配設する。具体的に 、未焼成のハニカム構造体12の他方の端面に 粘着フィルムを貼着し、画像処理を利用した レーザー加工等によって、残余のセル15bに対 応する所定の部位に孔を空ける。

 マスク用フィルムは、その種類に特に制 はないが、例えば、加熱することで溶融可 であるとともに、レーザー光の照射によっ 穿孔可能なフィルムが好ましい。また、未 成のハニカム構造体の端面上で固定される うに、粘着層を有するフィルムを用いるこ が好ましい。このようなフィルムの具体例 しては、ポリエステル、ポリオレフィン、 ロゲン化ポリオレフィン等のポリマー材料 らなる基材と、この基材に積層配置される アクリル系粘着材等からなる粘着層とを備 た粘着フィルムを挙げることができる。ま 、マスク用フィルムの厚さは、強度、孔の け易さ等の観点から10~100μm程度が好ましい

 マスク用フィルムにスラリー浸入孔を開 る方法は、特に限定されないが、例えば、 記レーザー照射(レーザーマーカー)により 孔を形成する方法の他に、一本の針で一つ つ穿孔を形成する方法、セルのピッチに対 した所定の形状を有する剣山状の針を使用 て多数のスラリー浸入孔をまとめて形成す 方法などを挙げることができる。なお、セ のピッチや開口形状が一定ではないハニカ 基材にも柔軟に対応することが可能である いう観点から、ハニカム基材の端面を画像 理し、スラリー浸入孔を開けるべきセルの 置を抽出し、レーザーマーカーによって上 抽出した位置に対応する部分にスラリー浸 孔を穿孔する方法(画像処理を利用したレー ー加工)が好ましい。

 本実施形態においては、一方の端面の残 のセル及び他方の端面の所定のセルにそれ れマスキングをして、その後に、一方の端 の所定のセルに目封止をし、一方の端面の スキングを剥がした後に他方の端面の残余 セルに目封止をするようにしているが、一 の端面の残余のセルにマスキングをして一 の端面の所定のセルに目封止をした後に、 方の端面のマスキングを剥がし、他方の端 の所定のセルにマスキングをして、他方の 面の残余のセルに目封止をするようにして よい。

(3)目封止工程:
 次に、ハニカム構造体のセルに目封止材料 圧入する目封止工程について説明する。図5 A~図5Dは、本発明の目封止ハニカム構造体の 造方法の一の実施形態の目封止工程を模式 に示す説明図である。まず、平面状の圧入 23を有する圧入台22を、貯留槽21内に貯留さ たスラリー状の目封止材料25に、圧入面23が を向くようにして浸漬する(図5A参照)。「圧 入面23が上を向く」とは、圧入面23が目封止 料25の液面26と同じ方向を向くことである。

 貯留槽21内に貯留するスラリー状の目封 材料(セラミックスラリー)25としては、特に 限はないが、セラミック例えばコージェラ トの粉末に、バインダや分散媒等を加えて 練したものを好適に用いることが出来る。 ラミックの粉末の種類については特に制限 なく、例えば、上述した未焼成のハニカム 造体12を押出し成形する成形原料に含まれ セラミックの粉末と同様のものを用いても いし、異なるものを用いてもよい。目封止 料は、セルへの浸入性とセル内端部付近で スラリー保持の観点から、チキソトロピー を有することが好ましい。目封止材料のス リー濃度は、30~60体積%が好ましく、40~50体積 %が更に好ましい。また、目封止材料のスラ ー粘度は、25℃において、1~1000dPa・sが好ま く、5~500dPa・sが更に好ましく、10~100dPa・sが に好ましい。1dPa・sより低いと、流動性が いため目封止材料がセル内に侵入し難くな ことがあり、1000dPa・sより高いと、硬くなる ため目封止材料をセルに圧入し難くなること がある。粘度は、振動式粘度計により測定し た値である。振動式粘度計としては、例えば 、CBCマテリアルズ社製のFVM-80Aを用いること できる。分散媒としては、例えば、アセト 、メタノール、エタノール等の有機溶媒や 等を好適例として挙げることができる。バ ンダとしては、例えば、ポリビニルアルコ ル(PVA)等の樹脂を用いることができ、加熱に よってゲル化する特性を有する熱ゲル硬化性 のバインダを用いることが好ましい。この熱 ゲル硬化性のバインダとしては、例えば、メ チルセルロースを好適に用いることができる 。

 貯留槽21としては、特に限定されるもの はなく、目封止を行うハニカム構造体の大 さに合わせて適宜その口径、深さを決定す ことができる。例えば、直径5~100cm、深さ5~20 cmの有底筒状の容器を用いることができる。 面の形状は、円形、楕円形、四角形等の多 形、その他不定形等いずれの形状でもよい また、貯留槽21の材質は、特に限定されな が、例えば、ステンレススチール、アルミ ウム、MCナイロン、ジュラコン等の合成樹脂 等を挙げることができる。

 圧入台22は、平面状の圧入面23を有する部 材である。その形状は特に限定されないが、 例えば、一方の面(圧入面23)が平面状の板状 材を用いることが好ましい。ここで、「平 状」というときは、平面度公差範囲500μmま をいう。平面度公差範囲は、エスオーエル 製の「FlatMaster FM40」にて斜入射方式により ーザー光を広げて測定した値である。また 目封止工程において、圧入台22を目封止材 25の液面26から上に上昇させ、再び目封止材 25内に浸漬する操作をする場合には、圧入 22を目封止材料25に浸漬するときに下面側に 気を巻き込み難くするために、下面側を、 面の中央部分を突き出させたコーン状(例え ば、下面が円形の場合は円錐状)に形成する とが好ましい。尚、目封止材料に空気が巻 込まれると、次に目封止部を形成するとき 、空気の存在により目封止部が均一に形成 れないことがあるため好ましくない。

 圧入台22の大きさは、特に限定されず、 ニカム構造体12の底面全体を圧入面23に押圧 きる大きさであればよい。また、圧入台22 材質は、特に限定されず、ステンレススチ ル、アルミニウム、MCナイロン、ジュラコン 等の合成樹脂等を挙げることができる。

 圧入台22は、圧入面23が上を向くようにし て目封止材料25に浸漬する。圧入面23が上を くようにして圧入台22を目封止材料25に浸漬 ることにより、圧入面23と目封止材料25の液 面26とが平行になるため、圧入面23上に存在 る目封止材料の厚さ(高さ)が一定になり、ハ ニカム構造体のセルに目封止材料を圧入した ときに、目封止部の深さを一定に保つことが できる。

 圧入台22は、支持棒24によって外縁部分を 支持することが好ましい。例えば、圧入台22 四角形である場合には、四隅に一つずつ配 することが好ましい(図6参照)。ここで、図6 は、図5Cの状態を上から見た平面図である。 して、支持棒24は、昇降機(図示せず)に装着 され、圧入台22を昇降させ、所定の位置に停 させることができるように構成されている とが好ましい。また、圧入面23を押圧しな らハニカム構造体12を圧入台22に載置するた 、圧入台22並びにこれを支える支持棒24及び 昇降機(図示せず)は、そのときの押圧力に耐 得る強度を有することが好ましい。支持棒2 4は、このような強度を有する部材であれば その材質、形状は特に限定されない。また 支持棒24の形状は、ハニカム構造体の載置、 取り出しの障害にならない形状であることが 好ましい。

 圧入台22を目封止材料25に浸漬するときに は、目封止材料25を振動させて流動性を高め 状態で浸漬することが好ましい。目封止材 25は高濃度スラリーであることが好ましい め、その場合、通常、振動状態では流動性 高くなるのに対し、静止状態では固まった 態となり、圧入台22を浸漬し難いことがある からである。目封止材料25を振動させるため は、貯留槽21を超音波発生装置、振動篩等 用いて振動させることが好ましい。振動条 はとくに限定されないが、鉛直方向上下に 振動数1~1,000,000Hz、振幅0.001~50mmで振動させる ことが好ましい。

 次に、圧入台22を、目封止材料25を振動さ せながら、圧入面23と目封止材料25の液面26と の距離D1が「目封止ハニカム構造体」の目封 部の深さと同じになる位置に配置する(図5B 照)。ここで、「目封止ハニカム構造体」は 、本実施形態の目封止ハニカム構造体の製造 方法により「製造しようとする目封止ハニカ ム構造体」、すなわち「最終的に得られる目 封止ハニカム構造体」を意味する。このとき 、圧入面23と目封止材料25の液面26とが平行に なるように、圧入台22を配置する。ここで、 圧入台22を、圧入面23と目封止材料25の液面2 6との距離D1が、目封止ハニカム構造体の目封 止部の深さと同じになる位置に配置する」と いうときは、本発明の目封止ハニカム構造体 の製造方法により製造しようとする目封止ハ ニカム構造体において形成しようとする目封 止部の深さと、圧入面23と目封止材料25の液 26との距離D1とが同じ長さになるように、圧 台22を目封止材料内に配置することをいう 圧入台を目封止材料内で移動させる場合も 圧入台を目封止材料に浸漬する場合と同様 理由により、また同様の条件で、目封止材 を振動させることが好ましい。

 圧入台の圧入面と目封止材料の液面とを 行にし、その距離を、製造しようとする目 止ハニカム構造体の目封止部の深さとする とにより、圧入面上に位置する目封止材料 層の厚さが、ハニカム構造体に配設しよう する目封止部の深さと同じになるため、ハ カム構造体を圧入面に押圧しながら圧入台 載置することにより、所望の深さの目封止 を形成することができる。そして、圧入面 目封止部の液面とを平行に維持することに り、圧入面上に位置する目封止材料の層の さが一定となるため、ハニカム構造体の端 全体に均一な深さの目封止部を形成するこ ができる。このように、圧入台の配置を所 の位置に設定するだけで、所望の深さの目 止部を形成することができるため、極めて 易に均一な深さの目封止部をハニカム構造 に形成し、目封止ニカム構造体を作製する とができる。圧入面と目封止材料の液面と 距離は、作製する目封止ハニカム構造体に って適宜決定することができるが、例えば 1~15mmの範囲に設定することができる。また 目封止材料の液面を一定に保つために、目 止材料の液面を検知しながら、液面が低下 たときに目封止材料を貯留槽に供給するよ にすることが好ましい。例えば、液面計(図 示せず)と連動した送液ポンプ(図示せず)及び 目封止材料用タンク(図示せず)を備えること 好ましい。目封止材料の液面の調整は、圧 台の圧入面と目封止材料の液面との距離を 目封止ハニカム構造体の目封止部の深さに わせる前であることが好ましい。

 次に、目封止材料25の振動を停止した後 、ハニカム構造体12を、一方の端面12aを圧入 面23に押圧しながら圧入台22に載置して、目 止材料25をセルの端部から圧入させる(図5C参 照)。このとき、ハニカム構造体12の一方の端 面12aを目封止材料層27の上から圧入面23に押 しながらハニカム構造体12を圧入台22に載置 る。ここで、ハニカム構造体12の一方の端 を目封止材料層27の上から圧入面23に押圧す とは、ハニカム構造体12の端面を、目封止 料層27を介して圧入面23に押圧することであ 、ハニカム構造体12の一方の端面を目封止 料層27の表面に接触させて、そのまま目封止 材料層27を下に向けて(圧入面23側に向けて)押 圧し、目封止材料をセルの端部から圧入させ ながらハニカム構造体12の端面を圧入面23に かって移動させて圧入面23に到達させること である。これにより、上述のように、圧入面 と目封止部の液面とが平行に維持され、圧入 面上に位置する目封止材料の層の厚さが一定 となっているため、極めて容易に、ハニカム 構造体の端面全体に均一な深さの目封止部を 形成することができる。ハニカム構造体12を 動、押圧等させる方法は、特に限定されな が、例えば、ハニカム構造体を把持するた の把持部を有し、把持部を上下に移動可能 あり下降時には押圧することが可能であり 更に水平面内の移動も可能である移動・押 用装置等を使用することができる。移動・ 圧用装置としては、移動機能と押圧機能と 併せ持った一つの装置であってもよいし、 動装置と押圧装置とを組み合わせて用いた のであってもよい。具体的には、例えば、 動装置としてロボット(例えば、安川電機社 製のロボット)を用い、押圧装置としてシリ ダー(例えば、SMC社製のシリンダー)を用い、 これら2つの装置を合わせて移動・押圧装置 して使用することが好ましい。

 目封止材料25を振動させた状態で、目封 材料25をハニカム構造体12のセルに圧入しよ とすると、目封止材料25の流動性が高いた 、目封止材料25がハニカム構造体の端面に押 されて外周側に広がって逃げ易くなる。つま り、ハニカム構造体を圧入台に押圧しながら 載置するに従ってハニカム構造体の端面と容 器の底との間に挟まれた目封止材料25がハニ ム構造体の端面に押されて構造体の外側へ いてしまうことになる。これに対し、目封 材料25の振動を停止すると、目封止材料25の 流動性が小さくなるため、目封止材料25の振 を停止して、目封止材料25をハニカム構造 12のセルに圧入することにより、目封止材料 25がハニカム構造体の端面に押されて外周側 逃げることを抑制できる。

 ハニカム構造体12を、一方の端面12aを圧 面23に押圧しながら圧入台22に載置するとき 、押圧する圧力は、ハニカム構造体に所定 目封止部を形成できれば特に限定されない 、例えば、15~310kPaが好ましく、30~250kPaが更 好ましい。15kPaより低いと、目封止材料が ル内に圧入され難くなることがあり、310kPa り高いと、ハニカム構造体が破損したり、 入台に不要な圧力をかけることになったり ることがある。また、ハニカム構造体12の端 面12aが、圧入面23と平行になるようにして、 面12aを圧入面23に押圧することが好ましい

 次に、ハニカム構造体12を圧入台22から取 り出す。ハニカム構造体12を圧入台22から取 出す方法としては、特に限定されるもので ないが、ハニカム構造体12を圧入台22に載置 て目封止材料25をセルの端部に圧入させた に、圧入台22を、ハニカム構造体12を載置し 状態で目封止材料25内から外に出し、ハニ ム構造体12を、端面12aが圧入面23に接触した 態で圧入面23に沿って横滑りさせながら、 入台22から取り出す方法が好ましい(図5D参照 )。例えば、図5Dに示すように、圧入台22を所 の位置まで上昇させて、ハニカム構造体12 横滑りさせることが好ましい。ハニカム構 体12を、圧入台22から上方向に(横滑りさせな いで)移動させることにより取り出すと、目 止部の端面が突出したり凹んだりすること あり、均一な深さの目封止部を形成するこ ができないことがあるが、上記のように、 ニカム構造体12を横滑りさせながら圧入台22 ら取り出すと、目封止部の端面が平らにな 、均一な深さの目封止部を形成することが 能となる。

 圧入台22を、ハニカム構造体12を載置した 状態で目封止材料25内から外に出すときには 目封止材料25の流動性が高いほうが出し易 ため、目封止材料25に振動を加えることが好 ましい。また、圧入台22を上昇させたときに 圧入台22の底面部分が目封止材料25に接触し ている状態で止めて、ハニカム構造体12を横 りさせて取り出すことが、圧入台22と目封 材料25との間に空気を巻き込まない点で好ま しい。

 目封止部を形成したハニカム構造体を取 出した後、圧入台22を、再び目封止材料25を 振動させながら目封止材料25内に浸漬する。 して、次のハニカム構造体を目封止するた 、圧入台22を、再び所定の位置に配置する このように、圧入台22を、目封止材料25に入 たり、目封止材料25から出したりする操作 連続的に行いながら、目封止工程を行うた 、圧入台22を洗浄する必要がなく、生産効率 を向上させることができる。

(4)目封止部乾燥工程:
 一方の端面12a側における目封止工程を終え ら、次に、目封止材料25を圧入して形成し 目封止部を乾燥させる。この乾燥によって これ以降の乾燥及び焼成の工程において、 封止材料25は、その形状が変形しない程度に 硬化する。目封止材料25(目封止部)を乾燥さ る手段としては、特に制限はないが、例え 、目封止材料を充填したハニカム構造体12を 、その一方の端面12a側を下に向けた状態でホ ットプレートの上に載置して乾燥させる方法 や、熱風を吹きつけて乾燥させる熱風乾燥、 あるいはマイクロ波乾燥等、を採用すること が出来る。目封止部の乾燥温度は、特に制限 はないが、10~300℃であることが好ましく、20~ 200℃であることが更に好ましく、50~150℃であ ることが特に好ましい。上記乾燥温度が10℃ 満であると、充分乾燥する為に時間が掛か 過ぎることがある。一方、300℃超であると ハニカム構造体が熱によって変質すること ある。

(5)ハニカム構造体の他方の面の目封止工程、 目封止乾燥工程:
 次に、一方の端面に配設していたマスキン を剥がして、ハニカム構造体12の他方の端 において、上記方法と同様にして、マスキ グされていない残余のセル15bの開口端に、 封止材料25を充填して目封止部を形成し、形 成した目封止部を乾燥する。

(6)焼成工程:
 次に、両端面に目封止部を有するハニカム 造体を焼成し、目封止ハニカム構造体を得 。焼成する手段については特に制限はなく 従来公知の焼成方法、条件に準じて行うこ が出来る。例えば、焼成(本焼成)する前に 焼して、仮焼体を作製し、その後本焼成す 方法が挙げられる。「仮焼」とは、ハニカ 基材中の有機物(有機バインダ、分散剤、造 材等)を燃焼させて除去する操作を意味する 。一般に、有機バインダの燃焼温度は100~300 程度、造孔材の燃焼温度は200~800℃程度であ ので、仮焼温度は200~1000℃程度とすればよ 。仮焼時間としては特に制限はないが、通 は、10~100時間程度である。本焼成の焼成条 (温度・時間)は、成形原料の種類により異な るため、その種類に応じて適当な条件を選択 すればよいが、コージェライト原料を焼成す る場合には、1410~1440℃で焼成することが好ま しい。また、3~10時間程度焼成することが好 しい。この本焼成によって、仮焼体中の成 原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を 保することができる。尚、マスク19は、焼成 する際に焼成と同時に消失させるか、又は、 焼成前に取り除いておくことが好ましい。

 以上のようにして得られた、図1に示すよ うな目封止ハニカム構造体1は、その隔壁4の 表面及び/又はその隔壁の内部の気孔に触媒 を担持させることにより、触媒装置として利 用出来る。又、目封止ハニカム構造体1をDPF して用いる場合においても、隔壁4に捕捉さ た堆積物(粒子状物質)の燃焼を促進させる うな機能を有する触媒を担持させることが ましい。触媒としては、例えば、貴金属系 Pt、Pd、Rh等や、非金属系のペロブスカイト 触媒等を好適例として挙げることが出来る 触媒を担持させる手段は、従来公知の触媒 持方法を採用出来る。

 次に、本発明の目封止ハニカム構造体の 造方法の他の実施形態を説明する。図7A~図7 Dは、本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法の他の実施形態の目封止工程を模式的に す説明図である。本実施形態の目封止ハニ ム構造体の製造方法は、上述した本発明の 封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施 態において、目封止材料25に圧入台22を浸漬 る前、又は浸漬した後(図7A参照)に、圧入面 23上に底無し筒状のスラリー保持具31を載置 (図7B参照)、ハニカム構造体12を、スラリー 持具31内に配置されるように圧入台22に載置 る(図7C参照)方法である。そして、ハニカム 構造体12に目封止材料を圧入して、目封止部 形成した後に、ハニカム構造体12を取り出 ときには、スラリー保持具31と共に取り出す ことが好ましい(図7D参照)。目封止工程にお るその他の操作、及びその他の工程につい は、上述した本発明の目封止ハニカム構造 の製造方法の一の実施形態と同様である。 こで、底無し筒状とは、外周部分だけを有 、上面及び底面を有さない筒形状をいう。 た、圧入面23上に底無し筒状のスラリー保持 具31を載置するときは、筒形状のスラリー保 具31の中心軸が圧入面23に略直交するように 載置する。

 スラリー保持具31を圧入台22に載置し、そ の筒形状の内側にハニカム構造体12を載置す ため、目封止材料25をセル内に圧入すると に、目封止材料25がスラリー保持具31内に保 され、目封止材料25がハニカム構造体12の端 面の外周側に広がって逃げてしまうことを、 より効果的に防止することが可能となる。こ れにより、より精度良く、各セルに形成され た目封止部の深さを均一な深さとすることが 可能となる。スラリー保持具31は、目封止材 25を保持しておくために、圧入台22に載置す るときには、圧入台22との間に目封止材料25 挟まらないようにすることが好ましい。製 する目封止ハニカム構造体の目封止部の深 が10mm以上である場合に、目封止部の深さを 一にするのがより困難になるが、スラリー 持部はこのような場合に特に有効である。

 スラリー保持具31は、底無しの筒状であ て、その筒形状の内側にハニカム構造体を 置できるものであれば特に制限はない。例 ば、ハニカム構造体が円柱状であれば、円 形であることが好ましく、ハニカム構造体 角柱状であれば、底面が同形状の筒形状で ることが好ましい。

 底無し筒状のスラリー保持具31は、その 周側に弾性部材33を有し、ハニカム構造体を スラリー保持具内に配置したときにハニカム 構造体が弾性部材に接触した状態となること が好ましい。例えば、外周側に底無し筒状の 保持具本体32を有し、その内周側にリング状 弾性部材33が配設されて、全周に亘ってハ カム構造体と弾性部材とが接触しているこ が好ましい。そして、弾性部材33は、その内 径がハニカム構造体12の外周径と同じか若干 さいことにより、ハニカム構造体12の端部 スラリー保持具で保持された状態となるこ が好ましい。これにより、ハニカム構造体12 がスラリー保持具31内で安定して載置され、 ニカム構造体を圧入台に載置するときに、 ニカム構造体12とスラリー保持具31との間か ら目封止材料が押し出されてくることを効果 的に防止することができる。

 保持具本体32は、圧入台22に載置したとき に、圧入面23に接触する状態となって水平に 置されるように、軸方向に垂直な断面形状 おいて、下端部側が尖った形状であること 好ましい(例えば、図7B参照)。

 弾性部材33の材質は、弾性を有し、ハニ ム構造体を保持できるものであれば特に限 されないが、例えば、合成ゴム(EPDMやシリコ ーンゴム)等を挙げることができる。

 以下、本発明を実施例によって更に具体 に説明するが、本発明はこれらの実施例に って何ら限定されるものではない。

(実施例1)
(ハニカム構造体作製)
 セラミック原料としてアルミナ、カオリン びタルクを混合したコージェライト原料を い、バインダとしてメチルセルロースを用 、分散媒として水を用いた。セラミック原 100質量部に対して、バインダ5質量部、分散 媒20質量部を混合し、混練して坏土を得た。 られた坏土を押出成形し、底面の直径14.4cm 高さ15.2cmの円柱状のハニカム構造体を得た 得られたハニカム構造体のセル密度は300セ /cm 2 、隔壁厚さは0.3mmとし、セルの、中心軸に直 する断面形状は正方形とした。

(マスキング)
 得られた未焼成のハニカム構造体の一方の 面に粘着フィルムを貼着した。粘着フィル としては、ポリエステル基材にアクリル系 着剤を塗布したテープ(粘着力:5.3N/cm、厚さ: 25μm、商品名「マスキングテープ」、3M社製) 使用した。そして、画像処理を利用したレ ザー加工によって、市松模様状に孔が形成 れるように、所定のセルに対応する、粘着 ィルムの所定の部位に孔を開け、残余のセ にマスキングを施した。そして、同様にし 他方の端面の所定のセルにもマスキングを した。

(目封止)
 目封止材料としては、コージェライト粉末1 00質量部に対して、メチルセルロース1.5質量 、でんぷん8質量部、水40質量部を加えて混 して得られたスラリーを用いた。得られた 封止材料の粘度は、50dPa・s(25℃)であった。 目封止工程では、図5A~図5Dに模式的に示す操 を行った。具体的には、底面の直径40cm、高 さ10cmの有底円筒状のステンレススチール製 貯留槽に、目封止材料を高さ5cmの位置まで たし、平面状の圧入面を有する長方形の圧 台(20cm×20cm、厚さ1cm)を、目封止材料に、圧 面と目封止材料の液面とが同じ方向(上方向) を向くようにして浸漬した(図5A参照)。圧入 を目封止材料に浸漬するときには、目封止 料を振動させた(周波数60Hz)。目封止材料の 動は、貯留槽に振動装置(ダルトン社製、商 名:振動ふるい)を取り付けて行った。また 圧入台は、その四隅を支持棒で支え、4本の 持棒を昇降装置で制御しながら圧入台を昇 させるようにした。

 次に、圧入台を、目封止材料を振動させ がら、圧入面と目封止材料の液面との距離 3mmとなる位置に配置した(図5B参照)。このと き、圧入面と目封止材料の液面とを平行にし た。この圧入面と目封止材料の液面との距離 3mmが、製造される目封止ハニカム構造体の目 封止部の深さとなる。

 次に、目封止材料の振動を停止した後に ハニカム構造体を一方の端面を圧入面に押 しながら圧入台に載置して、目封止材料を ルの端部から圧入させた(図5C参照)。ハニカ ム構造体の移動、押圧は、ハニカム構造体を 把持するための把持部を有し、把持部を上下 に移動可能であり下降時には押圧することが 可能であり、更に水平面内の移動も可能であ る移動・押圧用装置(移動装置:安川電機社製 商品名;産業用ロボット、押圧装置:SMC社製 商品名;エアシリンダ)を用いて行った。ハニ カム構造体を圧入台に載置するときの、押圧 の圧力は、125kPaとした。

 ハニカム構造体を圧入台に載置して目封 材料をセルの端部に圧入させた後に、圧入 を、ハニカム構造体を載置した状態で目封 材料内から外に出し、ハニカム構造体を、 面が圧入面に接触した状態で圧入面に沿っ 横滑りさせながら、圧入台から取り出した( 図5D参照)。圧入台を目封止材料内から外に出 す操作は、目封止材料を振動させながら行っ た。

(目封止部の乾燥)
 端面に熱風を吹き付ける方法で目封止部を 燥させた。乾燥条件は、150℃、2分とした。

(ハニカム構造体の他方の端面の目封止、目 止乾燥工程)
 ハニカム構造体の一方の端面に施したマス ングを除去し、ハニカム構造体の他方の端 において、上記方法と同様にして、残余の ルの開口端に目封止材料を充填して目封止 を形成し、形成した目封止部を乾燥させた

(焼成)
 次に、目封止部を形成したハニカム構造体 焼成し、目封止ハニカム構造体を得た。焼 には、電気炉を用い、焼成条件は、1410~1440 、5時間とした。以下に示す方法により、目 封止部深さを測定し、目封止深さの均一性を 算出した。その結果、目封止部深さは、平均 値が3.1mmで、標本標準偏差が0.4mmであった。

(目封止部深さの均一性)
 ハイトゲージを用いた方法により、目封止 深さを測定し、その平均値及び標本標準偏 を算出することにより目封止部深さの均一 の評価を行った。平均値は、一方の端面に 成された目封止部の中から偏りなく17箇所 選択して、深さを測定し、その平均を算出 たものである。標本標準偏差は、上記平均 を算出した17箇所の目封止深さについての標 準偏差である。標本標準偏差が0.5mm以下の場 を合格とした。

(実施例2)
 目封止材料に圧入台を浸漬した後に、圧入 上に底無し筒状のスラリー保持具を載置し ハニカム構造体を、スラリー保持具内に配 されるように圧入台に載置した以外は、実 例1と同様にして目封止ハニカム構造体を製 造した(図7A~図7D参照)。

 スラリー保持具としては、内径15.5cm、高 6cm、厚さ10mmの底無し円筒状の保持具本体と 、保持具本体の内周面に配設された内径15cm 高さ5cm、厚さ5mmの底無し円筒状の弾性部材 を備えたものを用いた。支持具本体の材質 MCナイロンとし、弾性部材の材質は、天然ア メゴムとした。

 得られた目封止ハニカム構造体について 上記方法により、目封止部深さを測定し、 封止深さの均一性を算出した。その結果、 封止部深さは、平均値が3.0mmで、標本標準 差が0.3mmであった。

(比較例1)
 目封止材の貯留槽に圧入台を設けず浸漬す 以外は、実施例1と同様にして目封止ハニカ ム構造体を製造した。得られた目封止ハニカ ム構造体について、上記方法により、目封止 部深さを測定し、目封止深さの均一性を算出 した。その結果、目封止部深さは、平均値が 3.8mmで、標本標準偏差が1.5mmであった。

(比較例2)
 貯留槽及び圧入台を用いず、貯留槽の代わ に製品径同等サイズのオケ(桶)を用い、目 止材料をオケの底面に塗布し、ハニカム構 体を、一方の端面をオケの底面に押圧しな らオケに載置して、オケの底面に塗布され 目封止材料をセルの端部から圧入させ、ハ カム構造体を垂直に取り出す以外は、実施 2と同様にして目封止ハニカム構造体を製造 た。得られた目封止ハニカム構造体につい 、上記方法により、目封止部深さを測定し 目封止深さの均一性を算出した。その結果 目封止部深さは、平均値が4.2mmで、標本標 偏差が1.5mmであった。

(比較例3)
 貯留槽の代わりに用いるオケとして、比較 2において使用したオケを洗浄することなく 使用した以外は、比較例2と同様にして目封 ハニカム構造体を製造した。得られた目封 ハニカム構造体について、上記方法により 目封止部深さを測定し、目封止深さの均一 を算出した。その結果、目封止深さは、平 値が4.1mmで、標本標準偏差が2.8mmであった。

 本発明に係る目封止ハニカム構造体の製 方法は、触媒装置用の担体又はDPF等のフィ タとして用いられる目封止ハニカム構造体 作製する手段として好適に利用される。