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Title:
RUBBER COMPOSITION FOR SIDE WALL, TIRE HAVING SIDE WALL COMPRISING THE RUBBER COMPOSITION, RUBBER COMPOSITION FOR CLINCH, AND TIRE HAVING CLINCH COMPRISING THE RUBBER COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044653
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to prevent the occurrence of surface blooming by controlling a scorch time, reduce a rolling resistance, provide a satisfactory level of stiffness for use as a side wall or clinch, and improve elongation at break and durability. Disclosed are: a rubber composition for a side wall and a rubber composition for a clinch, each of which comprises a rubber component comprising specified amounts of a natural rubber and/or an isoprene rubber and a butadiene rubber and/or an epoxidized natural rubber, an alkylphenol-(sulfur chloride) condensate represented by the formula shown below, and a specific fuller; and a tire having a side wall and a clinch respectively comprising the rubber compositions.

Inventors:
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067175
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
International Classes:
B60C1/00; C08L7/00; B60C15/06; C08K3/04; C08K3/36; C08K5/375; C08L9/00; C08L15/00
Foreign References:
JPH0288658A1990-03-28
US3992362A1976-11-16
JP2006137806A2006-06-01
JP2007246710A2007-09-27
JP2006063143A2006-03-09
JP2007191677A2007-08-02
JPS6399250A1988-04-30
JPS58210943A1983-12-08
JPS55114606A1980-09-04
JPH0415111A1992-01-20
Other References:
RUBBER WORLD, vol. 204, no. 5, 1991, pages 26 - 33
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta et al. (2-22 Tanimachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 12, JP)
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Claims:
 (A)(A1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム20~75重量%、ならびに(A2)ブタジエンゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴム20~75重量%を含むゴム成分100重量部に対して、
(B)式(B1):
(式中、R 1 ~R 3 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数5~12のアルキル基;xおよびyは同じかまたは異なり、いずれも2~4の整数;nは0~10の整数である)
で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を0.2~10重量部、
(C)(C1)カーボンブラックおよび(C2)シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーを18~40重量部
含有するサイドウォール用ゴム組成物。
 ブタジエンゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴム(A2)が、変性ブタジエンゴムである請求の範囲第1項記載のサイドウォール用ゴム組成物。
 請求の範囲第1項または第2項記載のサイドウォール用ゴム組成物を用いたサイドウォールを有するタイヤ。
 (A)(A1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム20~75重量%、ならびに(A2)ブタジエンゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴム20~75重量%を含むゴム成分100重量部に対して、
(B)式(B1):
(式中、R 1 ~R 3 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数5~12のアルキル基;xおよびyは同じかまたは異なり、いずれも2~4の整数;nは0~10の整数である)
で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を0.2~10重量部、
(C)(C1)カーボンブラックおよび(C2)シリカよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーを40~60重量部
含有するクリンチ用ゴム組成物。
 シリカ(C2)の配合量がゴム成分100重量部に対して10~15重量部である請求の範囲第4項記載のクリンチ用ゴム組成物。
 ブタジエンゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴム(A2)が、変性ブタジエンゴムである請求の範囲第4項または第5項記載のクリンチ用ゴム組成物。
 請求の範囲第4項、第5項または第6項記載のクリンチ用ゴム組成物を用いたクリンチを有するタイヤ。
 請求の範囲第1項または第2項記載のサイドウォール用ゴム組成物を用いたサイドウォール、ならびに請求の範囲第4項、第5項または第6項記載のクリンチ用ゴム組成物を用いたクリンチを有するタイヤ。
Description:
サイドウォール用ゴム組成物お びそれを用いたサイドウォールを有するタ ヤ、ならびにクリンチ用ゴム組成物および れを用いたクリンチを有するタイヤ

 本発明は、サイドウォール用ゴム組成物 よびそれを用いたサイドウォールを有する イヤ、ならびにクリンチ用ゴム組成物およ それを用いたクリンチを有するタイヤに関 る。

 タイヤのサイドウォール部ならびにクリ チ部に使用されるゴム組成物を低tanδ化す ことで、転がり抵抗を低減できることが知 れている。

 その際、加硫剤として硫黄が使用され、 らに、加硫促進剤が使用されている(たとえ ば、特開2006-63143号公報参照)。しかし、硫黄 、ファイナル練り工程で低温排出され、分 性がよくないことが知られている。さらに 硫黄の分散が悪いと、ゴムが不均一に加硫 、tanδや破断強度の悪化が生じる。

 また、リバージョン抑制のために、ハイ リッド架橋剤であるフレキシス社製のHTS、P K900、バイエル社製のKA9188などが補助として いられ、ある程度の効果は得られることも られている。しかし、硫黄分については、HT Sには一部含有されているが、抜本的な解決 なされていない。

 この解決のため、オイル処理、不溶性硫 化、ポリマーと硫黄のマスターバッチ化、 黄のペレット薬品化(硫黄とバインダーゴム をたとえば50:50比でブレンド)などが実施され ている。

 また、タイヤのホワイトゴムやブチルゴ の架橋剤として、アルキルフェノール・塩 硫黄縮合物を使用することも知られている このアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物 スコーチしやすいが、ホワイトゴムやブチ ゴムはもともとスコーチ時間が長いので、 ルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を使用 ても、ゴム焼けや表面ブルームの問題は発 しない。一方、サイドウォールならびにク ンチに通常使用される天然ゴムなどはスコ チ時間がホワイトゴムやブチルゴムほど長 ないため、架橋剤としてアルキルフェノー ・塩化硫黄縮合物を使用すると、加工中の ム焼けが問題となる。また、その対策とし 、加硫遅延剤であるPVI(大内新興化学工業( )製のリターダーCTPなど)を多量に配合すると 、PVI自体の表面ブルームが問題となる。その ため、表面ブルームが許容できないサイドウ ォールならびにクリンチには、アルキルフェ ノール・塩化硫黄縮合物を使用した場合、ス コーチを抑制するためにPVIを使用する必要が あり、表面ブルームしてしまうため、使用で きないものと考えられていた。

 本発明は、スコーチおよび表面ブルーム 抑制したうえで、転がり抵抗を低減し、サ ドウォールならびにクリンチとして充分な 性が得られ、さらに、破断時伸びおよび耐 性を向上させることができるサイドウォー 用ゴム組成物およびそれを用いたサイドウ ールを有するタイヤならびにクリンチ用ゴ 組成物およびそれを用いたクリンチを有す タイヤを提供することを目的とする。

 第1の本発明はサイドウォールに関する。

 第1の本発明は、
(A)(A1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム2 0~75重量%、ならびに(A2)ブタジエンゴムおよび /またはエポキシ化天然ゴム20~75重量%を含む ム成分100重量部に対して、
(B)式(B1):
(式中、R 1 ~R 3 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数5~12 アルキル基;xおよびyは同じかまたは異なり いずれも2~4の整数;nは0~10の整数である)
で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮 合物を0.2~10重量部、
(C)(C1)カーボンブラックおよび(C2)シリカより る群から選ばれる少なくとも1種のフィラー を18~40重量部
含有するサイドウォール用ゴム組成物に関す る。

 前記ブタジエンゴムおよび/またはエポキ シ化天然ゴム(A2)は、変性ブタジエンゴムで ることが好ましい。

 また、第1の本発明は、前記サイドウォー ル用ゴム組成物を用いたサイドウォールを有 するタイヤに関する。

 第2の本発明はクリンチに関する。

 第2の本発明は、
(A)(A1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム2 0~75重量%、ならびに(A2)ブタジエンゴムおよび /またはエポキシ化天然ゴム20~75重量%を含む ム成分100重量部に対して、
(B)式(B1):
(式中、R 1 ~R 3 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数5~12 アルキル基;xおよびyは同じかまたは異なり いずれも2~4の整数;nは0~10の整数である)
で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮 合物を0.2~10重量部、
(C)(C1)カーボンブラックおよび(C2)シリカより る群から選ばれる少なくとも1種のフィラー を40~60重量部
含有するクリンチ用ゴム組成物に関する。

 前記クリンチ用ゴム組成物は、シリカ(C2) の配合量がゴム成分100重量部に対して10~15重 部であることが好ましい。

 前記ブタジエンゴムおよび/またはエポキ シ化天然ゴム(A2)は、変性ブタジエンゴムで ることが好ましい。

 また、第2の本発明は、前記クリンチ用ゴ ム組成物を用いたクリンチを有するタイヤに 関する。

 サイドウォールに関する第1の本発明およ びクリンチに関する第2の本発明に共通する 容について説明する。本発明のサイドウォ ル用ゴム組成物ならびにクリンチ用ゴム組 物は、ゴム成分(A)、アルキルフェノール・ 化硫黄縮合物(B)およびフィラー(C)を含有す 。

 前記ゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)および/ たはイソプレンゴム(IR)(A1)、ブタジエンゴム (BR)および/またはエポキシ化天然ゴム(ENR)(A2) 含む。

 NRとしては、RSS♯3グレードなどのゴム工 において一般的なものを使用することがで る。また、IRとしても、ゴム工業において 般的なものを使用することができる。

 ゴム成分(A)中のNRおよび/またはIR(A1)の含 率は20重量%以上、好ましくは30重量%以上で る。NRおよび/またはIR(A1)の含有率が20重量% 満では、破断強度が低下する。また、ゴム 分(A)中のNRおよび/またはIR(A1)の含有率は75 量%以下、好ましくは70重量%以下である。NR よび/またはIR(A1)の含有率が75重量%をこえる 、耐亀裂成長性が悪化する。

 BRとしては、高シス含有量のブタジエン ム(ハイシスBR)、変性ブタジエンゴム(変性BR) などがあげられる。

 サイドウォールおよびクリンチに関する 発明において、サイドウォール用ゴム組成 ならびにクリンチ用ゴム組成物に使用され ブタジエンゴムおよび/またはエポキシ化天 然ゴム(A2)は、リムチェーフィング性を確保 き、低発熱化が可能であるという理由から 性ブタジエンゴムであることが好ましい。

 ハイシスBRとしては、とくに制限はなく ゴム工業で通常使用される宇部興産(株)製の BR150Bなどを使用することができる。

 変性BRとしても、とくに制限されるわけ はないが、リチウム開始剤により1,3-ブタジ ンの重合をおこなったのち、スズ化合物を 加することにより得られ、さらに変性BR分 の末端がスズ-炭素結合で結合されているも が好ましい。

 リチウム開始剤としては、アルキルリチ ム、アリールリチウム、ビニルリチウム、 機スズリチウムおよび有機チッ素リチウム 合物などのリチウム系化合物や、リチウム 属などがあげられる。前記リチウム開始剤 変性BRの開始剤とすることで、高ビニル、 シス含有量の変性BRを調製できる。

 スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチ スズトリクロライド、ジブチルスズジクロ イド、ジオクチルスズジクロライド、トリ チルスズクロライド、トリフェニルスズク ライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフ ニルスズエトキシド、ジフェニルジメチル ズ、ジトリルスズクロライド、ジフェニル ズジオクタノエート、ジビニルジエチルス 、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジス アレート、テトラアリルスズ、p-トリブチ スズスチレンなどがあげられ、これらのス 化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を み合わせて用いてもよい。

 変性BR中のスズ原子の含有率は、変性BR中 のカーボンブラックの分散を促進する効果が 大きく、tanδを低減できる点から50ppm以上が ましく、60ppm以上がより好ましい。また、ス ズ原子の含有率は、混練り物のまとまりが良 く、エッジが整うため、混練り物の押出し加 工性に優れる点から3000ppm以下が好ましく、25 00ppm以下がより好ましく、250ppm以下がさらに ましい。

 変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は、カーボンブ ックの分散性に優れ、tanδを低減できる点 ら2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい なお、Mw/Mnの好ましい下限値は1である。

 なお、BRとしては、上記のハイシスBRや変 性BR以外にも、1,2-シンジオタクチックポリブ タジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR )などを使用することもできる。

 本発明において、石油外モジュールを採 する場合は、ENRを使用する。

 ENRは、市販のENRを用いてもよいし、NRを ポキシ化して用いてもよい。NRをエポキシ化 する方法としては、とくに限定されるもので はなく、クロルヒドリン法、直接酸化法、過 酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法 、過酸法などの方法を用いて行なうことがで きる。たとえば、NRに過酢酸や過ギ酸などの 機過酸を反応させる方法などがあげられる

 ENRのエポキシ化率は、NRやIRと相溶化せず 、ゴム強度が充分に得られる点から12~50モル% が好ましい。

 ゴム成分(A)中のBRおよび/またはENR(A2)の含 有率は20重量%以上、好ましくは30重量%以上で ある。BRおよび/またはENR(A2)の含有率が20重量 %未満では、耐亀裂成長性が悪化する。また ゴム成分(A)中のBRおよび/またはENR(A2)の含有 は75重量%以下、好ましくは70重量%以下であ 。BRおよび/またはENR(A2)の含有率が75重量%を こえると、破断強度が低下する。

 前記ゴム成分(A)は、NRおよび/またはIR(A1) BRおよび/またはENR(A2)以外にも、従来からゴ ム工業で通常使用されるゴム成分、たとえば 、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイ プレンブタジエンゴム(SIBR)、ブチルゴム(IIR )、ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、クロロプレ ゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム (NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)な を使用することもできる。これらのゴムを 用する場合、単独で用いてもよいし、2種以 上を組み合わせて用いても良いが、上述のNR よび/またはIR(A1)、BRおよび/またはENR(A2)の 合量を崩さず、本発明の効果を損なわない 度の量とすることが好ましい。

 本発明において、アルキルフェノール・ 化硫黄縮合物(B)を使用することで、サイド ォールならびにクリンチに適用するのに充 に高硬度のゴム組成物を得ることができる

 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B) 、ホワイトゴムやブチルゴムの架橋剤とし 使用されている。このアルキルフェノール 塩化硫黄縮合物はスコーチしやすいが、ホ イトゴムやブチルゴムはもともとスコーチ 間が長いので、アルキルフェノール・塩化 黄縮合物を使用しても、表面ブルームの問 は発生しない。一方、本発明のように、サ ドウォールならびにクリンチに通常使用さ る天然ゴムなどはスコーチ時間がホワイト ムやブチルゴムほど長くないため、架橋剤 してアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物 使用すると、加工中のゴム焼けが問題とな ため、加硫遅延剤を配合せざるをえず、そ 場合配合した加硫遅延剤による表面ブルー が問題となる。そのため、加硫遅延剤によ 表面ブルームが許容できないサイドウォー ならびにクリンチには、アルキルフェノー ・塩化硫黄縮合物は使用できないものと考 られていたが、本発明では、フィラー(C)の 合量を調整することにより、サイドウォー ならびにクリンチに適用した場合にも、ス ーチが短くなりすぎず、表面ブルームの問 が解決されている。

 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B)と 、式(B1):
(式中、R 1 ~R 3 は同じかまたは異なり、いずれも炭素数5~12 アルキル基;xおよびyは同じかまたは異なり いずれも2~4の整数;nは0~10の整数である)
で示されるものである。

 nは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合 物(B)のゴム成分(A)中への分散性が良い点から 、0~10の整数が好ましく、1~9の整数がより好 しい。

 xおよびyは、高硬度を効率よく発現させ ことができる(リバージョン抑制)点から、同 じかまたは異なり、いずれも2~4の整数が好ま しく、ともに2がより好ましい。

 R 1 ~R 3 は、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B) のゴム成分(A)中への分散性が良い点から、い ずれも炭素数5~12のアルキル基が好ましく、 素数6~9のアルキル基がより好ましい。

 このアルキルフェノール・塩化硫黄縮合 (B)は、公知の方法で調製することができ、 くに制限されるわけではないが、たとえば アルキルフェノールと塩化硫黄とを、たと ば、モル比1:0.9~1.25で反応させる方法などが あげられる。

 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B)の 体例として、nが0~10、xおよびyが2、RがC 8 H 17 (オクチル基)であり、硫黄含有率が24重量%で る田岡化学工業(株)製のタッキロールV200:
(式中、nは0~10の整数である)
などがあげられる。

 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B) 配合量は、ゴム成分(A)100重量部に対して0.2 量部以上、好ましくは0.3重量部以上である アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B)の 合量が0.2重量部未満では、転がり抵抗特性 上(tanδ低減)の効果が充分に得られない。ま た、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B) の配合量は、ゴム成分(A)100重量部に対して10 量部以下、好ましくは9重量部以下である。 アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B)の配 合量が10重量部をこえると、スコーチ時間が くなり、加工中にゴム焼けが生じる。

 フィラー(C)は、カーボンブラック(C1)およ びシリカ(C2)よりなる群から選ばれる少なく も1種のフィラーである。

 カーボンブラック(C1)としては、とくに制 限はなく、ゴム工業で通常使用されるSAF、ISA F、HAF、FEF、GPFなどのグレードのものを使用 ることができる。

 また、シリカ(C2)としても、とくに制限は なく、湿式法または乾式法で調製されたもの を使用することができる。

 サイドウォールに関する第1の本発明にお いて、フィラー(C)の配合量について説明する 。サイドウォール用ゴム組成物において、フ ィラー(C)の配合量は、ゴム成分(A)100重量部に 対して18重量部以上、好ましくは20重量部以 である。フィラー(C)の配合量が18重量部未満 のサイドウォール用ゴム組成物では破断強度 が不充分であり、縁石カットなどが発生し、 耐久性に問題が生じる。また、フィラー(C)の 配合量は、ゴム成分(A)に対して40重量部以下 好ましくは37重量部以下である。フィラー(C )の配合量が40重量部をこえるサイドウォール 用ゴム組成物ではtanδが大きく、転がり抵抗 大きい。なお、紫外線劣化を防ぐためには ーボンブラック(C1)を5重量部以上配合する とが好ましい。

 クリンチに関する第2の本発明において、 フィラー(C)の配合量について説明する。クリ ンチ用ゴム組成物において、フィラー(C)の配 合量は、ゴム成分(A)100重量部に対して40重量 以上、好ましくは43重量部以上である。フ ラー(C)の配合量が40重量部未満のクリンチ用 ゴム組成物では破断強度が不充分であり、縁 石カットなどが発生し、耐久性に問題が生じ る。また、フィラー(C)の配合量は、ゴム成分 (A)に対して60重量部以下、好ましくは55重量 以下である。フィラー(C)の配合量が60重量部 をこえるクリンチ用ゴム組成物ではtanδが大 く、転がり抵抗も大きい。なお、紫外線劣 を防ぐためにはカーボンブラック(C1)を5重 部以上配合することが好ましい。

 また、加工中のゴム焼けを発生しにくく るために、クリンチ用ゴム組成物ではシリ (C2)を10~15重量部配合することが好ましい。

 フィラー(C)としてシリカ(C2)を使用する場 合、シランカップリング剤を併用することが 好ましい。

 シランカップリング剤としては、とくに 限はなく、従来からシリカ(C2)と併用される ものを使用することができ、たとえば、ビス (3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスル ィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テ ラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリル チル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキ シシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2 -トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィ 、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テトラ スルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロ ピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシ リルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリエ キシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3- トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィ 、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリス フィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル) トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリル プロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキ シリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエ キシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-ト リメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィ 、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスル フィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N- メチルチオカルバモイルテトラスルフィド 3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチル オカルバモイルテトラスルフィド、2-トリ トキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバ モイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシ ルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテ ラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピ ルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-ト エトキシシリルプロピルベンゾチアゾール トラスルフィド、3-トリエトキシシリルプ ピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリ メトキシシリルプロピルメタクリレートモノ スルフィドなどのスルフィド系、3-メルカプ プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプ プロピルトリエトキシシラン、2-メルカプト エチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエ ルトリエトキシシランなどのメルカプト系 ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ キシシランなどのビニル系、3-アミノプロ ルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルト リメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノ プロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエ ル)アミノプロピルトリメトキシシランなど のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエ トキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリ メトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメ チルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロ ピルメチルジメトキシシランなどのグリシド キシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラ 、3-ニトロプロピルトリエトキシシランな のニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシ シラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラ 、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2-ク ロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ 系などがあげられる。

 サイドウォール用ゴム組成物において、 ランカップリング剤の配合量は、シリカを 散させ、破断強度を高く保つことができる から、シリカ(C2)100重量部に対して4~10重量 が好ましい。

 クリンチ用ゴム組成物において、シラン ップリング剤の配合量は、シリカを分散さ 、破断強度を高く保つことができる点から シリカ(C2)100重量部に対して2~10重量部が好 しい。

 本発明において、ゴム成分(A)としてENRを 用する場合には、ステアリン酸カルシウム 配合することが好ましい。

 サイドウォール用ゴム組成物において、 テアリン酸カルシウムの配合量は、使用中 破断強度の低下を防げる点から、ENR100重量 に対して2~10重量部が好ましい。

 クリンチ用ゴム組成物において、ステア ン酸カルシウムの配合量は、使用中の破断 度の低下を防げる点から、ENR100重量部に対 て4~10重量部が好ましい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物な びにクリンチ用ゴム組成物には、前記ゴム 分(A)、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合 (B)、フィラー(C)、シランカップリング剤お びステアリン酸カルシウム以外にも、従来 ム工業で使用される配合剤、たとえば、オ ル、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス 酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、各種加硫促 剤などを必要に応じて適宜配合することが きる。

 これらの他の配合剤の配合量は、ゴム成 (A)、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物( B)およびフィラー(C)による本発明の効果を損 わない範囲とすればよい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物な びにクリンチ用ゴム組成物は、一般的な方 で調製される。すなわち、バンバリーミキ ーやニーダー、オープンロールなどでゴム 分(A)、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合 (B)、フィラー(C)、必要に応じて他の配合剤 混練りしたのち、加硫することにより、本 明のサイドウォール用ゴム組成物ならびに リンチ用ゴム組成物を調製することができ 。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物は 破断強度、耐亀裂成長性および低tanδの特 を追求したものであるという理由から、タ ヤのサイドウォールとして使用するもので る。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、破断 度、耐亀裂成長性および低tanδの特性を追 したものであるという理由から、タイヤの リンチとして使用するものである。

 本発明のタイヤは、本発明のサイドウォ ル用ゴム組成物および/またはクリンチ用ゴ ム組成物を用いて通常の方法で製造される。 すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合し た本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタ イヤのサイドウォールおよび/またはクリン の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成 機上にて通常の方法で成形することにより 未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイ を加硫機中で加熱加圧することによりタイ を得る。

 まず、サイドウォールに関する第1の本発 明において、実施例にもとづいて、本発明を 具体的に説明するが、本発明はこれらのみに 限定されるものではない。

 つぎに、実施例および比較例で使用した各 薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガスリ ー社製のENR25(エポキシ化率:25モル%)
変性ブタジエンゴム(変性BR):日本ゼオン(株) のNipol BR1250H(変性BR、リチウム開始剤:リチ ム、スズ原子の含有量:250ppm、Mw/Mn:1.5、ビニ 結合量:10~13重量%)
高シス含有量のブタジエンゴム(ハイシスBR): 部興産(株)製のBR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製 のショウブラックN660(GPF)
シリカ:ローディア社製の115GR
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビ ス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラス フィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロ セスX140
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラ ック6C(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フ ェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノッ クワックス
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸カルシウム:日本油脂(株)製のGF2 00
不溶性硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサル ファー(二硫化炭素による不溶物60%以上の不 性硫黄、オイル分:10%)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセ ラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリル-スル ェンアミド)
V200:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(ア ルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、以下の 式中、n:0~10)
HTS:フレキシス社製の1,6-ヘキサメチレンジチ 硫酸ナトリウム・2水和物
PK900:フレキシス社製のPK900(1,3-ビス(シトラコ イミドメチル)ベンゼン)

実施例1~6および比較例1~6
 表1に示す配合処方にしたがい、バンバリー ミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤および V200以外の薬品を混練りし、混練り物を得た 次に、オープンロールを用いて、得られた 練り物に硫黄、加硫促進剤およびV200を添加 て混練りし、未加硫サイドウォール用ゴム 成物を得た。得られた未加硫サイドウォー 用ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレ 加硫することにより、実施例1~6および比較 1~6の加硫サイドウォール用ゴム組成物を調 した。

(キュラスト試験)
 キュラストメーターを用いて、160℃におい 、試験片を、振動を加えながら加硫するこ で、トルクが10%上昇する時間T10(分)を測定 た。なお、T10は、加工中のゴム焼けや、生 け(接着不良など)を抑制するためには、2.0~5. 0分が好ましい。

(粘弾性試験)
 粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所 )を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10% および動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の 素弾性率(E*)および損失正接(tanδ)を測定し 。E*が大きいほど剛性が高く、操縦安定性が 優れることを示し、tanδが小さいほど低燃費 に優れることを示す。

(引張試験)
 前記加硫ゴム組成物からからなる3号ダンベ ル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴムお よび熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準 て引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定 した。EBが大きいほど優れることを示す。

(高荷重耐久ドラム試験)
 前記未加硫ゴム組成物をサイドウォールの 状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件 で12分間プレス加硫することにより、試験 タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。

 JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重 条件下で、前記タイヤを速度20km/hでドラム 行させ、タイヤが損傷するまでの走行距離 測定した。そして、比較例1の耐久性指数を 100とし、以下の計算式により、各配合の走行 距離を指数表示した。なお、耐久性指数が大 きいほど、耐久性が優れ、良好であることを 示す。
  (耐久性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1 の走行距離)×100

 前記試験の評価結果を表1に示す。

 次に、クリンチに関する第2の本発明にお いて、実施例にもとづいて、本発明を具体的 に説明するが、本発明はこれらのみに限定さ れるものではない。

 つぎに、実施例および比較例で使用した各 薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
変性ブタジエンゴム(変性BR):日本ゼオン(株) のNipol BR1250H(変性BR、リチウム開始剤:リチ ム、スズ原子の含有量:250ppm、Mw/Mn:1.5、ビニ 結合量:10~13重量%)
高シス含有量のブタジエンゴム(ハイシスBR): 部興産(株)製のBR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製 のショウブラックN330(HAF)
シリカ:ローディア社製の115GR
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビ ス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラス フィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロ セスX140
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラ ック6C(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フ ェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノッ クワックス
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸カルシウム:日本油脂(株)製のGF2 00
不溶性硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサル ファー(二硫化炭素による不溶物60%以上の不 性硫黄、オイル分:10%)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセ ラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリル-スル ェンアミド)
V200:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(ア ルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、以下の 式中、n:0~10)
PVI:大内新興化学工業(株)製のリターダーCTP

実施例7~12および比較例7~11
 表2に示す配合処方にしたがい、バンバリー ミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤、V200 よびPVI以外の薬品を混練りし、混練り物を た。次に、オープンロールを用いて、得ら た混練り物に硫黄、加硫促進剤、V200およびP VIを添加して混練りし、未加硫クリンチ用ゴ 組成物を得た。得られた未加硫クリンチ用 ム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加 することにより、実施例1~6および比較例1~5 加硫クリンチ用ゴム組成物を調製した。

(キュラスト試験)
 キュラストメーターを用いて、160℃におい 、試験片を、振動を加えながら加硫するこ で、トルクが10%上昇する時間T10(分)を測定 た。なお、T10が2.2分未満になると押し出し 工時にゴム焼けが発生する。

(粘弾性試験)
 粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所 )を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10% および動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の 素弾性率(E*)および損失正接(tanδ)を測定し 。リムとの接触、摩耗防止のためには、E*は 6.0~8.0程度が好ましい。

(引張試験)
 前記加硫ゴム組成物からからなる3号ダンベ ル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴムお よび熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準 て引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定 した。EBが大きいほど優れることを示す。

(高荷重耐久ドラム試験)
 前記未加硫ゴム組成物をクリンチの形状に 形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ 未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12 間プレス加硫することにより、試験用タイ (サイズ:195/65R15)を製造した。

 JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重 条件下で、前記タイヤを速度20km/hでドラム 行させ、タイヤが損傷するまでの走行距離 測定した。そして、比較例7の耐久性指数を 100とし、以下の計算式により、各配合の走行 距離を指数表示した。なお、耐久性指数が大 きいほど、耐久性が優れ、良好であることを 示す。
  (耐久性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例7 の走行距離)×100

 前記試験の評価結果を表2に示す。

 本発明によれば、特定のゴム成分(A)、特 のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(B) よび特定のフィラー(C)を特定量含有するこ で、スコーチおよび表面ブルームを抑制し うえで、転がり抵抗を低減し、サイドウォ ルならびにクリンチとして充分な剛性が得 れ、さらに、破断時伸びおよび耐久性を向 させることができるサイドウォール用ゴム 成物およびそれを用いたサイドウォールを するタイヤならびにクリンチ用ゴム組成物 よびそれを用いたクリンチを有するタイヤ 提供することができる。