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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR LASER DEVICE AND ITS FABRICATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066428
Kind Code:
A1
Abstract:
A semiconductor laser device comprises a semiconductor layer laminate (12) having a ridge waveguide portion (12a) of ridge stripe extending in the direction intersecting the end face of a resonator. A dielectric layer (16) is formed on the semiconductor layer laminate (12) to cover the opposite side faces of the ridge waveguide portion (12a) at least partially. On the opposite sides of the ridge waveguide portion (12a) on the semiconductor layer laminate (12), a light absorption layer (17) is formed while spaced apart from the ridge waveguide portion (12a) and the end face of a resonator.

Inventors:
OHNO HIROSHI
HASEGAWA YOSHIAKI
SUGIURA KATSUMI
Application Number:
PCT/JP2008/003286
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
OHNO HIROSHI
HASEGAWA YOSHIAKI
SUGIURA KATSUMI
International Classes:
H01S5/22
Foreign References:
JP2003198065A2003-07-11
JP2003031909A2003-01-31
JP2003101155A2003-04-04
JP2004179350A2004-06-24
JP2006165513A2006-06-22
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 互いに対向する1対の共振器端面を有する共振器構造を備えた半導体レーザ装置であって、
 基板の上に該基板側から順次積層されたn型半導体層と活性層とp型半導体層とを含み、前記共振器端面と交差する方向に延びるリッジストライプ状のリッジ導波路部を有する半導体層積層体と、
 前記半導体層積層体の上に前記リッジ導波路部の両側面の少なくとも一部を覆うように形成された誘電体層と、
 前記半導体層積層体の上における前記リッジ導波路部の両側方に、前記リッジ導波路部及び前記共振器端面と間隔をおいて形成された光吸収層と、
 前記リッジ導波路部の上に形成されたp側電極とを備えている半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、導電性であり且つ前記p側電極と電気的に絶縁されている請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層と前記p側電極との間に形成された絶縁層をさらに備えている請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、前記リッジ導波路部に対して線対称である請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、前記共振器端面のうち、光を出射する光出射端面の近傍に形成されている請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、前記共振器端面のうち、光を出射する光出射端面の近傍に形成された第1の部分と、前記光出射端面と反対側の共振器端面の近傍に形成された第2の部分とを有している請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記第1の部分と前記光出射端面との間隔と、前記第2の部分と前記光出射端面と反対側の共振器端面との間隔とは互いに等しい請求項6に記載の半導体レーザ装置。
 前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記共振器構造における端面方向の中心線に対して線対称である請求項7に記載の半導体レーザ装置。
 前記半導体層積層体は、前記共振器端面における少なくとも前記リッジ導波路部を除く領域に形成された段差部を有している請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層と前記リッジ導波路部の中心との間隔は10μm以下である請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層の前記リッジ導波路部と平行な方向の長さは、5μm以上である請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、発振波長に対する屈折率n及び消衰係数kが、n≧1及びn+2k≧2の条件を満たす材料からなる請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、発振波長に対する屈折率n及び消衰係数kが、n>2且つ0.001<k<2.5を満たす材料からなる請求項12に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、Cu、Pd、Zr、Nb、Cr、Ni、Au、Pt、Ti、Ta、W、Mo及びアモルファスSiのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、CrN、TiN、ZrN、NbN、TaN及びMoNのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 前記光吸収層は、前記p側電極に含まれる金属材料と同一の金属材料を含む請求項1に記載の半導体レーザ装置。
 基板の上にn型半導体層、活性層及びp型半導体層を含む半導体層積層体を順次結晶成長する工程と、
 前記p型半導体層に共振器方向に延びるリッジ導波路部を形成する工程と、
 前記p型半導体層の上に誘電体層を形成する工程と、
 前記誘電体層に前記リッジ導波路部の上面を露出する第1の開口部を形成すると共に、前記リッジ導波路部及び劈開により共振器端面となる領域を除く領域の少なくとも一部に前記p型半導体層を露出する第2の開口部を形成する工程と、
 前記第1の開口部及び第2の開口部に金属材料を埋め込むことによりp側電極及び光吸収層を形成する工程とを備えている半導体レーザ装置の製造方法。
Description:
半導体レーザ装置及びその製造 法

 本発明は、半導体レーザ装置及びその製 方法に関し、特に窒化物を用いた青色から 外域の半導体レーザ装置及びその製造方法 関する。

 従来から通信用レーザやコンパクトディ ク(CD)やデジタルヴァーサタイルディスク(DV D)用の読み出し、書き込み素子として、アル ニウムガリウム砒素(AlGaAs)系赤外レーザや ンジウムガリウムリン(InGaP)系赤色レーザ等 III-V族化合物半導体レーザ装置が広く用い れている。

 近年、一般式がAl x Ga y In (1-x-y) N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦1-x-y≦1)で表される窒 物半導体を用いて、さらに波長の短い青色 紫外の半導体レーザ装置が実現されている これらの半導体レーザ装置は、次世代DVD(Blu- Ray Disc)等の高密度光ディスクの書き込み及 読み出し光源として実用化されつつある。 在、青色の半導体レーザ装置は、再生用の 十mWの低出力のものと、記録用の100mW級の高 力のものとが市販されている。記録速度の 上を実現するために、青色半導体レーザ装 のさらなる高出力化が行われており、200mW の半導体レーザ装置も市場に登場しつつあ 。

 一般的に、窒化物半導体レーザ装置の基 水平方向の注入電流狭窄は、窒化物半導体 料の一部をストライプ状にエッチングして 成したリッジ構造により行う。また、基板 平方向の光閉じ込めは実屈折率導波構造に り行う。このため、ストライプ状の光導波 域内を伝播するレーザ光は基板水平方向に 洩しやすい。漏洩した光(迷光)は、レーザ 振器方向に多重反射し、最終的には出射端 から放出される。その結果、迷光が主レー 光と干渉し、遠視野像(FFP:Far Field Pattern)に ップルが出現したり、ガウシアン形状から れたりする。このようなレーザ光を光ディ クの読み出し及び書き込み等に用いると、 の利用効率が減少するため、ノイズが発生 たり、読取りエラーが発生したりする。

 これまでにも、窒化物半導体レーザにお て、基板水平方向の漏れ光によるリップル 抑制し、良好なFFP形状を得る方法が検討さ ている。

 例えば、p側電極の一部をリッジストライ プ外のp型クラッド層が露出した部分にも連 して形成する方法が開示されている(例えば 特許文献1を参照。)。これにより、リッジ 波路部の外に漏れ出た迷光は、p側電極によ 吸収され、FFPの形状を改善することができ 。

 また、リッジ導波路部から離れた部分に 波路の屈折率よりも大きい屈折率を持つ誘 体、金属又は半導体等からなる光吸収領域 形成することにより、FFPの形状を改善する 術が開示されている(例えば、特許文献2及 3を参照。)。

 他に、光出射端面側の近傍に、複数の凹部 形成し、リッジ導波路部からの漏れ光を散 させることにより、FFP形状を改善する技術 開示されている(例えば、特許文献4を参照 )。

特開平11-186650号公報

特開2002-237661号公報

特開2006-216731号公報

特開2005-311308号公報

 しかしながら、従来のFFP形状を改善する 術には、以下のような問題がある。まず、p 側電極をリッジ導波路部だけでなくp型クラ ド層の露出面の上にも形成する場合には、 ッジ導波路部以外の部分においても電流が れてしまうという問題がある。リッジ導波 部以外の部分において流れる電流は、リッ 導波路部の100分の1程度である。しかし、半 体レーザ装置の出力を増大させるために、 入電流を大きくすると、リッジ導波部以外 部分に流れるリーク電流を無視できなくな 。リーク電流は、FFP形状を悪化させ、新た リップルの原因となる。

 また、リッジ導波路部以外の部分にもp側 電極を形成するために、p側電極の幅をリッ 導波路部の幅よりも遙かに大きくする必要 ある。このような幅広いp側電極は、共振器 面部にクラック、微小な段差及び欠け等が 生する劈開不良の原因となる。また、端面 において電極剥がれが生じやすくなる。そ 結果、歩留まりが低下してしまう。また、 面部において光が散乱しやすくなりFFP形状 不良が生じる新たな原因となる。

 吸収層を誘電体とすれば、リーク電流の それはなくなる。しかし、十分に大きな吸 係数を持つ誘電体材料が存在しないため、 吸収の効果を十分得ることができない。

 吸収層を半導体とする場合には、少なく も2回の半導体層の成長が必要になり、コス ト的に非常に不利になる。また、光吸収の多 い半導体層は、欠陥の多い層であったり、不 純物が多い層であったり、In組成が高い層等 あったりする。このため、吸収層が半導体 ーザ装置の劣化を促進し、信頼性が低下す 。

 吸収層を形成せず、凹部の形成により漏 光を散乱させる場合には、吸収層において じるような問題は生じない。しかし、漏れ を散乱させるのみであるため、散乱された の一部は位相の異なる状態で導波路部に帰 し、ノイズの原因となる。窒化物半導体レ ザ装置の場合、自発分極と歪みによるピエ 効果とによるバンドベンディング、高い注 キャリア密度によるバンドシュリンク及び 熱による発振波長の長波長シフト等が生じ 。このため、リッジ導波路部における発振 長が、周辺領域の吸収端の波長よりも長波 となる傾向がある。従って、導波路から漏 た光を散乱するだけでは光を吸収できずに 光として共振器内で散乱を繰り返すため、 終的には端面から漏れ出てFFPに干渉するか 導波路領域内に帰還しノイズとなってしま 可能性がある。

 本発明は、前記従来の問題を解決し、リ プルが低減され、遠視野像の形状がガウシ ン形状に近い窒化物半導体レーザ装置を実 できるようにすることを目的とする。

 前記の目的を達成するため、本発明は半 体レーザ装置を、リッジ導波路部の両側方 形成された光吸収層を備えている構成とす 。

 本発明に係る半導体レーザ装置は、互い 対向する1対の共振器端面を有する共振器構 造を備えた半導体レーザ装置を対象とし、基 板の上に該基板側から順次積層されたn型半 体層と活性層とp型半導体層とを含み、共振 端面と交差する方向に延びるリッジストラ プ状のリッジ導波路部を有する半導体層積 体と、半導体層積層体の上にリッジ導波路 の両側面の少なくとも一部を覆うように形 された誘電体層と、半導体層積層体の上に けるリッジ導波路部の両側方に、リッジ導 路部及び共振器端面と間隔をおいて形成さ 、半導体等積層体と接する光吸収層と、リ ジ導波路部の上に形成されたp側電極とを備 えていることを特徴とする。

 本発明の半導体レーザ装置は、半導体層 層体の上におけるリッジ導波路部の両側方 、リッジ導波路部及び共振器端面と間隔を いて形成された光吸収層を備えている。こ ため、リッジ導波路部の側方に漏れた漏れ の強度を低減することができる。従って、 導体レーザ装置から出射される出射光の遠 野像の形状を改善することができる。また 光吸収層が共振器端面と間隔をおいて形成 れているため、光吸収層が劈開の妨げとな ことがない。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、導電性であり且つp側電極と電気的に 絶縁されていることが好ましい。このような 構成とすることにより、光吸収層に導電性の 材料を用いた場合においても、光吸収層から のリーク電流をゼロにできる。従って、リー ク電流による迷光や、信頼性の低下を生じさ せることなく、実効吸収係数が高い金属等の 材料を用いることが可能となる。

 本発明の半導体レーザ装置は、光吸収層 p側電極との間に形成された絶縁層をさらに 備えていてもよい。このような構成とするこ とにより、光吸収層の共振器方向の奥行きを 大きくすることが可能となる。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、リッジ導波路部に対して線対称であ てもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において、光 収層は、共振器端面のうち、光を出射する 出射端面の近傍に形成されていてもよい。 のような構成とすることにより、絶縁膜を 成することなく、光吸収層とp側電極とを絶 縁できる。

 本発明の半導体レーザ装置において、光 収層は、共振器端面のうち、光を出射する 出射端面の近傍に形成された第1の部分と、 光出射端面と反対側の共振器端面の近傍に形 成された第2の部分とを有していてもよい。 のような構成とすることにより、光吸収層 共振器方向の奥行きを大きくすることがで る。

 本発明の半導体レーザ装置において、第1 の部分と光出射端面との間隔と、第2の部分 光出射端面と反対側の共振器端面との間隔 は互いに等しくてもよい。この場合におい 、第1の部分と第2の部分とは、共振器構造に おける端面方向の中心線に対して線対称であ ってもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において、半 体層積層体は、共振器端面における少なく もリッジ導波路部を除く領域に形成された 差部を有していてもよい。このような構成 することにより、半導体レーザ装置を劈開 る際に、正確に劈開を行うことが可能とな 。

 本発明の半導体レーザ装置において、光 収層とリッジ導波路部の中心との間隔は10μ m以下であることが好ましい。

 本発明の半導体レーザ装置において、光 収層のリッジ導波路部と平行な方向の長さ 、5μm以上であることが好ましい。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、発振波長に対する屈折率n及び消衰係 数kが、n≧1及びn+2k≧2の条件を満たす材料に り構成されていてもよい。この場合におい 、発振波長に対する屈折率n及び消衰係数k 、n>2且つ0.001<k<2.5を満たす材料であっ てもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、発振波長に対する消衰係数が1以上の 材料から構成されていてもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、Cu、Pd、Zr、Nb、Cr、Ni、Au、Pt、Ti、Ta W、Mo及びアモルファスSiのうちの少なくとも 1つを含んでいてもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、CrN、TiN、ZrN、NbN、TaNのうちの少なく も1つを含んでいてもよい。

 本発明の半導体レーザ装置において光吸 層は、p側電極に含まれる金属材料と同一の 金属材料を含んでいてもよい。

 本発明に係る半導体レーザ装置の製造方 は、基板の上にn型半導体層、活性層及びp 半導体層を含む半導体層積層体を順次結晶 長する工程と、p型半導体層に共振器方向に びるリッジ導波路部を形成する工程と、p型 半導体層の上に誘電体層を形成する工程と、 誘電体層にリッジ導波路部の上面を露出する 第1の開口部を形成すると共に、リッジ導波 部及び劈開により共振器端面となる領域を く領域の少なくとも一部にp型半導体層を露 する第2の開口部を形成する工程と、第1の 口部及び第2の開口部に金属材料を埋め込む とによりp側電極及び光吸収層を形成する工 程とを備えていることを特徴とする。

 本発明に係る半導体レーザ装置の製造方 は、第1の開口部及び第2の開口部に金属材 を埋め込むことによりp側電極及び光吸収層 形成する工程を備えている。このため、p側 電極と光吸収層とを同時に形成でき、工程を 削減できる。

 本発明に係る半導体レーザ及びその製造 法によれば、リップルが低減され、遠視野 の形状がガウシアン形状に近い窒化物半導 レーザ装置を実現できる。

(a)~(d)は本発明の第1の実施形態に係る 導体レーザ装置を示し、(a)は平面図であり (b)は(a)のIb-Ib線における断面図であり、(c)は (a)のIc-Ic線における断面図であり、(d)は(a)のI d-Id線における断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レ ーザ装置における光吸収層の部分を拡大して 示す平面図である。 (a)及び(b)は光吸収層を備えていない半 体レーザ装置の特性を示し、(a)は水平遠視 像の測定結果であり、(b)は水平遠視野像か 求めた近視野像のシミュレーション結果で る。 光吸収層の共振器方向の奥行きと漏れ の吸収率との関係を示すグラフである。 光吸収層の実効吸収率と共振器方向の 行きとの関係を示すグラフである。 光吸収層の実効吸収率を屈折率と消衰 数とにより算出した結果を示すグラフであ 。 種々の材料における屈折率及び消衰係 の一覧である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係 る半導体レーザ装置の特性を示し、(a)は水平 遠視野像の測定結果であり、(b)は水平遠視野 像から求めた近視野像のシミュレーション結 果である。 (a)~(c)は本発明の第1の実施形態に係る 導体レーザ装置における光吸収層の変形例 それぞれ示す平面図である。 (a)~(d)は本発明の第2の実施形態に係る 導体レーザ装置を示し、(a)は平面図であり (b)は(a)のXb-Xb線における断面図であり、(c) (a)のXc-Xc線における断面図であり、(d)は(a)の Xd-Xd線における断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体 ーザ装置における一次劈開前の状態を示す 面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体 ーザ装置の変形例における一次劈開前の状 を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に る半導体レーザ装置の変形例を示し、(a)は 面図であり、(b)は共振器端面における断面 である。 (a)~(d)は本発明の第3の実施形態に係る 導体レーザ装置を示し、(a)は平面図であり (b)は(a)のXIVb-XIVb線における断面図であり、( c)は(a)のXIVc-XIVc線における断面図であり、(d) (a)のXIVd-XIVd線における断面図である。 (a)~(d)は本発明の第4の実施形態に係る 導体レーザ装置を示し、(a)は平面図であり (b)は(a)のXVb-XVb線における断面図であり、(c) は(a)のXVc-XVc線における断面図であり、(d)は(a )のXVd-XVd線における断面図である。

符号の説明

10   基板
12   半導体層積層体
12A  光出射端面
12B  後端面
12a  リッジ導波路部
13   n型半導体層
14   活性層
15   p型半導体層
16   誘電体層
17   光吸収層
17A  第1の部分
17B  第2の部分
18   絶縁層
21   p側電極
22   n側電極
23   p側電極パッド
31   n型GaN層
32   n型クラッド層
33   n型ガイド層
51   光ガイド層
52   p型クラッド層
53   p型コンタクト層
61   一次劈開線
62   劈開ガイド溝
62a  段差部

 リッジ導波路型の半導体レーザ装置にお ては、リッジ導波路部からの漏れ光によっ 、近視野像(NFP)が悪化することが知られて る。本願発明者らは、まず、リッジ導波路 からの漏れ光がどのように起きているのか 詳細に調べた。その結果、リッジ導波路部 微小なゆらぎ及び半導体層表面のモフォロ によってリッジ導波路部内を伝播する光が 乱されるために、漏れ光が発生することが らかになった。また、リッジ幅が狭くなる ど散乱の影響を強く受けるため、漏れ光が 大することも明らかになった。

 漏れ光はNFPにおいてはリッジ導波路部の両 に存在し、NFPのピーク強度で規格化した相 強度が1×10 -3 程度になると遠視野像(FFP)のリップルが顕著 現れることが明らかになった。逆に漏れ光 相対強度が5×10 -4 以下になるとFFPのリップルはかなり低減され 、相対強度が1×10 -4 以下になると、FFPにリップルは完全に認めら れなくなり、良好なFFP形状を実現できること が明らかになった。

 窒化物半導体レーザ装置のリッジ幅は一 に1μm~2μm程度と比較的狭い。このため、窒 物半導体レーザ装置は、漏れ光が生じやす 。リッジ幅を広げることで、FFP形状の改善 期待されるが、閾値電流、キンク及び拡が 角等の他の特性の悪化を招くおそれがあり リッジ幅の変更は容易ではない。また、窒 物半導体レーザ装置においては、自発分極 歪みによるピエゾ効果によるバンドベンデ ング、高い注入キャリア密度によるバンド ュリンク及び発熱による発振波長の長波長 フト等の現象が生じる。これにより、リッ 導波路部における発振波長が、周辺領域の 収端の波長よりも長波長となることが多い このため、漏れ出た光が吸収されることな 、リッジ導波路部の外を伝播する迷光とな てしまう。この迷光は、最終的に光出射端 から出射され、FFP形状にリップルとして現 る。

 このように窒化物半導体レーザ装置にお ては、構造的に漏れ光の発生を防止するこ が困難である。従って、NFP及びFFPを改善す ためには、光出射端面からの漏れ光の放出 何らかの方法で防ぐ必要がある。本願発明 らは、検討の結果、リッジ導波路部以外の 域において半導体層の上に光吸収の大きな 料を光吸収層として形成することで、漏れ を効果的に吸収できることを見いだした。

 リッジ導波路部からの漏れ光はリッジ導 路部に対してほぼ対称に発生しうるため、 吸収層はリッジ導波路部の両側に対称に形 することが効果的であると考えられる。

 また、光吸収層は光出射端面の近傍に形 することが最も効果的であることが明らか なった。これは、漏れ光が、共振器方向に に伝播し、最終的に光出射端面から放出さ ることと、共振器方向の光密度分布が光出 端面の近傍において最も高くなることとが 因であると考えられる。

 以下に、以上の検討結果に基づいて実現 た、FFPの形状が改善された半導体レーザ装 について具体的に説明する。

 (第1の実施形態)
 本発明の第1の実施形態について図面を参照 して説明する。図1(a)~(d)は第1の実施形態に係 る半導体レーザ装置であり、(a)は平面構成を 示し、(b)~(c)はそれぞれ、(a)のIb-Ib線、Ic-Ic線 びId-Id線における断面構成を示している。

 本実施形態の半導体レーザ装置は、劈開 より形成され、互いに対向する1対の共振器 端面を有する共振器構造を備えている。共振 器構造は、基板の上に形成され、共振器方向 に延びるストライプ状のリッジ導波路部12aを 有する半導体層積層体12と、共振器端面に形 された多層誘電体反射膜とにより形成され いる。また、本実施形態の半導体レーザ装 は、半導体層積層体12の上におけるリッジ 波路部12aの両側方に形成された、光吸収層17 を備えている。これにより、リッジ導波路部 12aからの漏れ光を吸収することができ、FFPの 形状を改善することができる。

 具体的に、半導体層積層体12は、n型のGaN らなる基板10の上に、順次形成されたn型半 体層13と活性層14とp型半導体層15とを有して いる。半導体層積層体12はレーザ共振器が形 できればどのようなものでもよいが、例え 以下のような構成とすればよい。

 n型半導体層13は、膜厚が1μmのn型GaN層31と、 膜厚が2.5μmのn-Al 0.04 Ga 0.96 Nからなるn型クラッド層32と、膜厚が150nmのn のGaN(n-GaN)からなるn型ガイド層33を有してい 。活性層14は、膜厚が3nmのIn 0.10 Ga 0.90 Nからなるウェル層と、膜厚が7.5nmのIn 0.02 Ga 0.98 Nからなるバリア層との三重量子井戸からな 。p型半導体層15は、膜厚が120nmのp型のGaN(p-Ga N)からなる光ガイド層51と、膜厚が0.5μmのp-Al 0.05 Ga 0.95 Nからなるp型クラッド層52と、膜厚が100nmのp-G aNからなるp型コンタクト層53とを有している

 半導体層積層体12と基板10との間にはバッフ ァ層が形成されていてもよく、バッファ層は 例えば膜厚が200nmのn-GaNとすればよい。半導 層積層体12は有機金属気相堆積(MOCVD)法等に り形成すればよい。n型の層を形成する際に 、ドナー不純物としてシリコン(Si)を5×10 17 cm -3 程度ドーピングすればよい。p型の層を形成 る際には、アクセプタ不純物としてマグネ ウム(Mg)を1×10 20 cm -3 程度ドーピングすればよい。

 半導体層積層体12には、共振器方向に延び リッジ導波路部12aが形成されている。リッ 導波路部12aは、p型クラッド層52の一部及びp コンタクト層53をドライエッチング等によ 選択的に除去することにより形成すればよ 。リッジ導波路部12aの側面及びリッジ導波 部12aを除くp型クラッド層52の上には、膜厚 200nm酸化シリコン(SiO 2 )からなる誘電体層16が形成されている。なお 、誘電体層16はリッジ導波路部12aの側面全体 覆っている必要はなく、少なくとも一部を っていればよい。

 誘電体層16は、リッジ導波路部12aの両側 の所定の位置にp型クラッド層52を露出する 口部を有し、開口部を埋めるようにアモル ァスシリコンからなる光吸収層17が形成され ている。光吸収層17の位置、大きさ及び材質 については後で詳しく説明する。

 リッジ導波路部12aの上には、p型コンタク ト層53を介在させてp側電極21が形成されてい 。基板10の半導体層積層体12と反対側の面( 面)には、n側電極22が形成されている。誘電 層16の上には、p側電極パッド23が形成され いる。p側電極パッド23は、リッジ導波路部12 aを覆うように形成されており、p側電極21と 気的に接続されている。

 p側電極21は例えばパラジウム(Pd)と白金(Pt )との積層膜とすればよい。p側電極21を形成 る際には、基板を70℃~100℃に過熱した状態 電子線蒸着を行い、その後400℃程度で熱処 を行うことが好ましい。このようにすれば p側電極21のコンタクト抵抗を低減すると共 、密着性を向上させることができる。p側電 パッド23及びn側電極22は、チタン(Ti)と白金( Pt)と金(Au)との積層膜とすればよい。

 p側電極パッド23は、光吸収層17と間隔を いて形成されており、p側電極21と光吸収層17 とは電気的に絶縁されている。このため、p クラッド層52と接して形成された光吸収層17 介して半導体層積層体12にリーク電流が流 ることはない。

 半導体層積層体12のレーザ光が出射する 出射端面12Aには、反射率50%の多層誘電体反 膜(図示せず)が形成されており、光出射端面 12Aと反対側の後端面12Bには反射率95%の多層誘 電体反射膜(図示せず)が形成されている。こ により、半導体層積層体12はレーザ共振器 して機能する。

 以下に、光吸収層17の形成位置及び大き についてさらに詳細に説明する。図2は、光 収層17とリッジ導波路部12aとの平面的な位 関係を示している。リッジ導波路部12aから 漏れ光を吸収するという観点からは、光吸 層17をリッジ導波路部12aを除いてp型クラッ 層上の全面に形成すればよい。しかし、実 には光吸収層17を形成する領域には種々の制 約が課せられる。

 光吸収層17は、原理的には光出射端面12A 接して形成することが最も効果的であると えられる。しかし、素子の劈開工程前に劈 線をまたいで光吸収層17を形成すると、劈開 時の妨げとなり劈開端面にクラックや段差が 発生し、FFP形状の改善効果が低下してしまう ことがわかった。光吸収層17は、光吸収特性 優れた材料により形成する必要がある。こ ため、後で述べるように金属材料を用いる とが好ましい。一般的な蒸着により形成し 金属層は、アモルファス成分が多いため、 展性があり劈開性がない。このため、素子 劈開部をまたいで金属層を形成すると、劈 時に妨げになり劈開端面にクラック及び段 が発生したり、金属層のみが劈開線から逸 した位置で分離したりする。これにより、 えってFFPの形状が悪化してしまう。以上の とから、光吸収層17は、光出射端面と間隔 おいて形成する必要がある。

 また、光吸収層17とリッジ導波路部12aと 接していると、リッジ導波路部12a内を伝搬 る主ビームが吸収されてしまう。このため 光吸収層17はリッジ導波路部12aと間隔をおい て形成する必要がある。しかし、光吸収層17 リッジ導波路部12aとの間隔が大きすぎると FFPの形状に影響を与える漏れ光を吸収する とができなくなるおそれがある。

 図3(a)及び(b)は、リッジ導波路部の幅が1μ mの従来の半導体レーザ装置において得られ 水平FFPの強度分布と、水平FFPの強度分布か 推定したNFPの強度分布とをそれぞれ示して る。NFPの推定はFFP分布を逆フーリエ変換す ことにより行った。FFP強度分布においては 光の位相情報が消失しているためNFPの正確 強度分布を求めることはできない。つまり NFPの左右分布の非対称性については位相情 がないため、見積もることは不可能である しかし、NFPの観察結果との比較から推定NFP 位置及び相対強度は概ね一致することが確 できている。

 図3(b)に示すように、リッジ導波路部の中心 から2μm程度の所までは、主ビームが伝搬し いるため、図2に示すリッジ導波路部の中心 光吸収層17との距離d1を2μm未満とすること 好ましくない。また、先に述べたように、 れ光の相対強度が1×10 -4 以下となるとFFPの形状への影響はほとんど生 じない。従って、図2に示すリッジ導波路部12 aの中心から光吸収層17までの距離d1は10μm以 とすることが好ましい。リッジ導波路部の 心から2μm~10μm程度の領域において最も大き と考えられるため、d1を2μm~3μm程度とする とがさらに好ましい。

 次に、図2に示す光吸収層17の共振器方向 奥行きd2について検討する。d2は少なくとも 、漏れ光の吸収効果が十分発揮される長さと する必要がある。図4は、吸収係数が異なる 吸収層17における吸収率とd2との関係を示し いる。

 図4に示すように、実効吸収係数αeが100cm -1 の場合、漏れ光を1/2に低減するためには、d2 70μm程度とする必要がある。また、1/10に低 するためにはd2を250μm程度としなければな ない。一方、実効吸収係数αeが1000cm -1 の場合には、漏れ光を1/2にするためには、d2 7μm程度とし、1/10にするためにはd2を25μm程 としなければならない。なお、実効吸収係 αeとは、p型クラッド層52の上に形成された 吸収層17の下部における光の実効的な吸収 数である。

 但し、実際には、共振器内を伝播する漏れ は光出射端面及び後端面において反射され がら、光吸収層17が形成された領域を多数 通過する。光出射端面における反射率が50% 後端面における反射率が95%の場合には、平 3回程度光吸収層が形成された領域を通過す と見積もられる。このため、実効吸収係数 eが100cm -1 の場合でも、d2が25μm程度あれば漏れ光を1/2 低減できると考えられる。実効吸収係数αe 1000cm -1 の場合には、さらにd2を小さくすることが可 である。

 図5は、漏れ光を1/2に低減する場合及び1/10 低減する場合のd2と実効吸収係数αeとの関係 を示している。このように、d2と実効吸収係 αeの逆数とは比例関係にある。従って、最 限のd2の値は、
d2=c×(1/αe)
により求めることができる。但し、cは漏れ の低減率によって決まる係数である。cの値 一例を挙げると、漏れ光を1/2に低減する場 には約7000であり、1/10に低減する場合には 23000である。但し、本実施形態におけるp型 ラッド層のAl組成が3%の条件においての値で り、p型クラッド層52のAl組成等によりcの値 変動する。cの値はp型クラッド層のAl組成が 高くなると小さくなる傾向にある。

 以上のことから、光吸収層17の共振器方 の奥行きd2は、光吸収層17の材質及び必要と る漏れ光の低減の程度により変更する必要 あるが、2μm~50μm程度とすることが好ましい 。

 窒化物半導体レーザの標準的な共振器長 400μm~800μm程度である。従って、d2の値が2μm ~50μm程度の範囲であれば、光吸収層17とp側電 極パッド23とを空間的に離間させることが可 である。従って、光吸収層17が導電性であ 場合にも、光吸収層17とp側電極パッド23とを 、絶縁膜等を設けることなく絶縁することが できる。その結果、簡便なプロセスでFFP形状 の改善を実現できる。但し、共振器長が長く 光吸収層17とp側電極パッド23とを空間的に離 させることができる場合には、d2をさらに きくしても何ら問題はない。

 図2に示す光吸収層17の端面方向の幅d3は 図3に示すように10μm程度あれば、漏れ光の 在する主な部分がカバーできる。このため 10μm以上とすることが好ましい。また、共振 器方向の二次劈開時にも、一次劈開時と同様 に、劈開部分には光吸収層17が形成されてい い方が、劈開精度が向上する。従って、光 収層17の端面方向の幅d3は、共振器の側面に 到達しない幅とすることが好ましい。

 次に、光吸収層17の材質について検討する 先に説明したように、光吸収層17の下部にお ける実効吸収係数αeは100cm -1 以上とすることが好ましい。光吸収層17は漏 光が伝播する層の上部に形成されており、 れ光の光分布とは空間的なずれがあるため 吸収の効果は限定的にならざるを得ない。 かし、光吸収層の実効吸収係数αeは、光吸 層の屈折率n、消衰係数k及びp型クラッド層 材質から大まかに見積もることができる。

 図6は、波長405nmにおける屈折率nと消衰係 数kと実効吸収係数αeとの関係を求めた結果 示している。実効吸収係数αeは、p型クラッ 層の上に形成された光吸収層の下部におけ 光の実効的な吸収を示す指標である。従っ 、光吸収層による光の吸収特性及び光吸収 とp型クラッド層との屈折率の違い等によっ て決定される。図6に示すように大まかには 屈折率nが2程度よりも大きく、消衰係数kが0. 001以上の材料、屈折率nが1~2程度であり、消 係数kが1~4程度の材料を用いることができる さらに詳細には、n≧1且つn+2k≧2を満たす材 料が好ましく、n>2且つ0.001<k<2.5を満た 材料がさらに好ましい。但し、この場合、p 型クラッド層のAl組成は3%としている。Al組成 が増加すると、実効的吸収係数αeの値は大き くなる傾向にある。

 図7には、主な材料の屈折率nと消衰係数k の値を示す。先に述べた条件を満たす材料 ある銅(Cu)、パラジウム(Pd)、ジルコン(Zr)、 オブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、 白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリ デン(Mo)若しくはタンタル(Ta)等の金属材料 窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)、窒化ジル ン(ZrN)、窒化にオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN) しくは窒化モリブデン(MoN)等の金属窒化物 はアモルファスシリコン(a-Si)等を用いるこ が好ましい。また、これらの材料の積層膜 は合金等を用いることも可能である。なお 光吸収層の共振器方向の奥行きd2を大きく確 保できれば、この範囲を外れる銀(Ag)又はア ミニウム(Al)等の材料を用いることも可能で る。

 図8(a)及び(b)は、本実施形態の半導体レー ザ装置における水平FFPの強度分布と、FFPから 推定したNFPの強度分布を示す。図8は、光吸 層17がアモルファスSiからなり、リッジ導波 部12aの中心との距離d1が2μm、共振器方向の 行きd2が10μm、端面方向の幅d3が50μmの場合 ついて測定した結果を示している。図3に示 た光吸収層を形成していない場合と比べ、 ップルが大幅に低減され、ガウシアン形状 近いFFPの形状が得られている。

 光吸収層17の形状が平面方形状である例 示したが、図9(a)~(c)に示すように他の形状で あってもよい。但し、漏れ光の分布及び共振 器方向の光強度分布を考慮すると、光出射端 面の近傍ほど端面方向の幅が大きく、リッジ 導波路部の近傍ほど共振器方向の奥行きが大 きい形状であることが好ましい。

 本実施形態の半導体レーザ装置は、光吸 層17を形成することを除けば、通常の半導 レーザ装置の形成方法と同じである。まず 基板10の上に、常法に従ってい半導体層積層 体12を形成する。次に、p型クラッド層52及びp 型コンタクト層53を選択的にエッチングして ッジ導波路部12aを形成する。次に、リッジ 波路部12aが形成された半導体層積層体12の に誘電体層16を形成した後、リッジ導波路部 12aの上面を露出する第1の開口部を形成する 次に、第1の開口部にPdとPtとからなるp側電 を形成する。次に、誘電体層16の所定の領域 にp型クラッド層52を露出する第2の開口部を 成する。第2の開口部の形成は、例えばフォ リソグラフィーとバッファードフッ酸(BHF) により行えばよい。次に、第2の開口部を埋 るようにシリコン又は金属等の材料を蒸着 、光吸収層17を形成すればよい。この後、 定の位置にp側電極パッドを形成し、基板10 薄膜化した後、基板裏面にn側電極を形成す 。次に、基板裏面からのブレーキングによ 一次劈開を行い共振器端面を形成した後、 振器端面に多層誘電体反射膜を形成する。 に、共振器方向に二次劈開を行うことによ 共振器構造を有する半導体レーザ装置が得 れる。得られた半導体レーザ装置は、パッ ージに実装し配線を行う。

 また、以下に示すような工程により光吸 層17を形成することにより、工程数を低減 ることも可能である。誘電体層16を半導体層 積層体12の上に形成した後、リッジ導波路部1 2aの上面及び光吸収層17を形成する部分に選 的に開口部を形成する。次に、電子線蒸着 等により、開口部にPd及びPtを順次形成する これにより、p側電極21及び光吸収層17が同 に形成される。Pd及びPtの厚さは、例えば40nm 及び35nmとすればよい。また、PdとPtとの積層 に代えて他の材料を用いてもよい。

 このようにすれば、p側電極と光吸収層と を同時に形成できるため、工程数を削減でき る。p側電極と光吸収層とにPdとPtとの積層体 用いた場合において、光吸収層のリッジ中 からの距離d1を2μm、共振器方向の奥行きd2 25μm、端面方向の幅d3を50μmとすると、アモ ファスシリコンを用いて共振器方向の奥行 d2を10μmとした場合とほぼ同等の漏れ光の吸 効果が得られた。

 (第2の実施形態)
 以下に、本発明の第2の実施形態について図 面を参照して説明する。図10(a)~(d)は、第2の 施形態に係る半導体レーザ装置であり、(a) 平面構成を示し、(b)~(c)はそれぞれ、(a)のXb-X b線、Xc-Xc線及びXd-Xd線における断面構成を示 ている。図10において図1と同一の構成要素 は同一の符号を附すことにより説明を省略 る。

 本実施形態の半導体レーザ装置は、光吸 層17が光出射端面12A側に形成された第1の部 17Aと、後端面12B側に形成された第2の部分17B と有している。

 光吸収層の漏れ光を吸収する効果は、光 収層の共振器方向の長さに依存する。この め、後端面側にも光吸収層を形成すること より、光吸収の効果を約2倍に向上させるこ とができる。

 半導体レーザ装置を製造する工程の観点 らみた場合、第1の部分17Aと第2の部分17Bと 同一の形状であり且つ第1の部分17Aと光出射 面との間隔及び第2の部分17Bと後端面との間 隔が互いに等しいことが好ましい。つまり、 半導体レーザ装置を製造する工程において、 第1の部分17Aと第2の部分17Bとが一次劈開線に して対称となるようにすることが好ましい

 具体的には図11に示すように、基板上に 振器方向に連続して形成された2つのレーザ 振器において、第1の部分17Aと第2の部分17B を一次劈開線61に対して線対称となるように する。劈開線に対して非対称な構造が存在す ると、劈開ずれ、クラック及び段差等の劈開 不良が起こりやすくなる。劈開不良はFFP形状 を劣化させる原因となる。第1の部分17Aと第2 部分17Bとを一次劈開線に対して対象とする とにより、劈開不良の発生を低減すること できる。これによりFFP形状を改善すること できると共に、歩留まりも向上させること できる。この場合、劈開により得られた半 体レーザ装置においては、第1の部分17Aと第 2の部分17Bとが、共振器構造における端面方 の中心線に対して線対称となる。

 また、さらに劈開を容易とするために、 12に示すように劈開ガイド溝62を形成しても よい。劈開ガイド溝62は、どのような形状で よいが、先端がV字型となっていた方が正確 にガイドできる。また、深さを3μ程度とし、 n型クラッド層32又はn型GaN層31まで達していれ ば、劈開を正確にガイドすることができる。

 劈開ガイド溝を形成した場合には、図13 示すように劈開ガイド溝の痕跡である段差 62aが光出射端面12A及び後端面12Bに生じる。 お、第1の実施形態に示した、光吸収層17が 出射端面12A側にのみ形成されている場合に 劈開ガイド溝を形成すれば、劈開不良を低 することができる。

 本実施形態においても、光吸収層17とp側 極21とを同じ材料により形成すれば工程を 減することが可能となる。

 (第3の実施形態)
 以下に、本発明の第3の実施形態について図 面を参照して説明する。図14(a)~(d)は、第3の 施形態に係る半導体レーザ装置であり、(a) 平面構成を示し、(b)~(c)はそれぞれ、(a)のXIVb -XIVb線、XIVc-XIVc線及びXIVd-XIVd線における断面 成を示している。図14において図1と同一の 成要素には同一の符号を附すことにより説 を省略する。

 本実施形態の半導体レーザ装置は、光吸収 17が誘電体層16に覆われている。従って、光 吸収層17の共振器方向の奥行きが大きい場合 もp側電極パッドと光吸収層17との電気的絶 を確保することができる。このため、実効 収係数αeが小さい材料を用いて光吸収層17 形成することが可能となる。例えば、実効 収係数αeが100cm -1 の材料を用いた場合においても、光吸収層17 共振器方向の奥行きを300μm以上とすれば、 れ光の強度を1/10以下にすることが可能であ る。

 また、共振器長が短い半導体レーザ装置 おいても、共振器方向の奥行きを大きく確 することができる。例えば、共振器長が400 mの場合、端面近傍の5μmを除いた390μmの奥行 きの光吸収層を形成することができる。

 本実施形態の半導体レーザ装置は以下のよ にして形成すればよい。第1の実施形態と同 様にして、リッジ導波路部12aを形成する。次 に、リッジ導波路部12aの両側方に膜厚が200nm アモルファスシリコンからなる光吸収層17 選択的に形成する。続いて、基板10上の全面 に膜厚が200nmのSiO 2 膜を形成した後、SiO 2 膜におけるリッジ導波路部12aの上に形成され た部分を選択的に除去して誘電体層16を形成 る。続いて、リッジ導波路部12aの上にp側電 極21を形成する。次に、p側電極パッド23及びn 側電極22等を形成した後、劈開及び反射膜の 成等を行う。

 このようにすれば、リッジ導波路部12aを形 した直後に光吸収層を形成するため、電流 窄及び光閉じ込め用のSiO 2 誘電体層16だけで光吸収層17とp側電極21及びp 電極パッド23との絶縁を確保することがで る。従って、第1の実施形態と同じ工程数で より漏れ光の吸収効果が高い光吸収層を形 できる。これにより、FFP形状のより良好な 化物半導体レーザを実現できる。なお、本 施形態においても、劈開ガイド溝を設ける とが可能である。

 (第4の実施形態)
 以下に、本発明の第4の実施形態について図 面を参照して説明する。図15(a)~(d)は、第4の 施形態に係る半導体レーザ装置であり、(a) 平面構成を示し、(b)~(c)はそれぞれ、(a)のXVb- XVb線、XVc-XVc線及びXVd-XVd線における断面構成 示している。図15において図1と同一の構成 素には同一の符号を附すことにより説明を 略する。

 本実施形態の半導体レーザ装置は、光吸 層17とp側電極パッド23との間に形成された 縁層18を備えている。絶縁層18を設けること より、光吸収層17の共振器方向の奥行きが きい場合にもp側電極パッド23と光吸収層17と の電気的絶縁性を確保できる。また、絶縁層 18を設けることにより、p側電極21を形成し熱 理を行った後、光吸収層17を形成すること 可能となる。これにより、p側電極21及び光 収層17の材料選択の幅が広がるという効果も 得られる。

 本実施形態の半導体レーザ装置は以下のよ にして形成すればよい。第1の実施形態と同 様にしてp側電極21及び光吸収層17を形成した 、基板10上の全面に膜厚が50nmのSiO 2 からなる絶縁層18を形成する。次に、フォト ソグラフィーとBHFによるウエットエッチン とを用いて、絶縁層18にp側電極21を露出す 開口部を形成する。次に、p側電極パッド23 びn側電極22等を形成した後、劈開及び反射 の形成等を行う。なお、絶縁層18は、SiO 2 に代えて他の材料を用いて形成してもよい。 また、p側電極21と光吸収層17とを同一の材料 より形成すれば、工程数を削減することが 能となる。さらに、劈開ガイド溝を設ける とも可能である。

 本発明に係る窒化物半導体レーザ装置は リップルが低減され、遠視野像の形状がガ シアン形状に近い窒化物半導体レーザ装置 実現でき、窒化物を用いた青色から紫外域 半導体レーザ装置及びその製造方法等とし 有用であり、特に、高密度光ディスクの書 込み及び読み出し光源となる窒化物半導体 ーザ装置及びその製造方法等として有用で る。