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Patent Searching and Data


Title:
SHOCK ABSORBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175180
Kind Code:
A1
Abstract:
According to the present invention, an attachment 21 is fastened to a rod by pushing, in an annular groove of the rod, a portion of or the entire circumference of the outer circumference of a joint part of an attachment eye. Accordingly, it is possible to reduce the axial length of the fastening part compared to a conventional structure (screw fastening), and ensure the stroke of a rod of a shock absorber in which the attachment eye is fastened to the rod.

Inventors:
SUEHIRO MASATO (JP)
MAEDA ATSUSHI (JP)
NAKAYAMA YUJI (JP)
KOZONO TAKASHI (JP)
YAMAKA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/005745
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 14, 2020
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI AUTOMOTIVE SYSTEMS LTD (JP)
International Classes:
F16F9/38; F16F9/46; F16F9/54
Foreign References:
JPS6140537U1986-03-14
JP2013133927A2013-07-08
JP2005114112A2005-04-28
Attorney, Agent or Firm:
ONO, Shinjiro et al. (JP)
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Claims:
〇 2020/175180 12 卩(:171? 2020 /005745

請求の範囲

[請求項 1 ] 緩衝器であって、 該緩衝器は、

作動流体が封入されるシリンダと、

前記シリンダ内に挿入されるピストンと、

一端が前記ピストンに連結され、 他端が前記シリンダの外部へ延出 される中空のロッ ドと、

前記ロッ ドの他端に締結される取付アイと、 を備え、

前記取付アイは、 内周側に軸受が揷入される貫通穴を有するアイ部 と、 前記アイ部と前記ロッ ドとを繫ぐジョイント部と、 からなり、 前記緩衝器は、 また、

前記ロッ ドの一端側に締結されるアクチユエータと、

_側が前記アクチユエータに接続され、 他側が前記ロッ ドの中空部 を介して外部へ延出されるハーネスと、 を有し、

前記ロッ ドの外周には、 環状溝が形成され、

前記取付アイは、 前記環状溝に前記ジョイント部の外周が部分的ま たは全周に亙って押し込まれて前記ロッ ドに接合され、

前記ハーネスの他側は、 前記ジョイント部または前記アイ部の側壁 を介して外部へ延びることを特徴とする緩衝器。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の緩衝器において、

前記ジョイント部は、 筒状部と、 該筒状部よりも大径の結合部とを 有し、

前記筒状部と前記結合部との間に形成される段部には、 環状部材が 締結されることを特徴とする緩衝器。

[請求項 3] 請求項 2に記載の緩衝器において、

前記環状部材には、 ダストカバーが装着されることを特徴とする緩衝 器。

[請求項 4] 緩衝器であって、 該緩衝器は、

作動流体が封入されるシリンダと、 \¥0 2020/175180 13 卩(:17 2020 /005745

前記シリンダ内に挿入されるピストンと、

一端が前記ピストンに連結され、 他端が前記シリンダの外部へ延出 されるロッ ドと、 前記ロッ ドの他端に締結される取付アイと、 を備え 前記取付アイは、 軸方向一端側からの投影面にて直交する 2つの径 方向において、 長い部分と短い部分とからなり、

前記取付アイは、

前記短い部分側を貫通し、 内周側に軸受が揷入されるアイ部と、 前記アイ部のロッ ド側の、 前記長い部分の両端に形成されるフラン ジ部と、

前記アイ部のロッ ド側に形成され、 前記アイ部と前記ロッ ドとを繫 ぐ係合突起部と、 からなることを特徴とする緩衝器。

[請求項 5] 請求項 4に記載の緩衝器において、

前記ロッ ドの他端側の、 前記係合突起部に挿入される部分には、 環 状溝が形成され、

前記係合突起部には、 前記取付アイと前記ロッ ドとを接合させる接 合部が形成され、

前記接合部は、 前記係合突起部の側壁の内周面を前記環状溝に押し 込むことで形成されることを特徴とする緩衝器。

[請求項 6] 請求項 4または 5に記載の緩衝器において、

前記ロッ ドは、 中空であり、

前記ロッ ドには、 アクチユエータが締結されて設けられ、 前記アクチユエータには、 ハーネスの _側が接続され、

前記ハーネスの他側は、 前記ロッ ドの中空部を介して、 前記アイ部 に形成される溝部から外部へ延びることを特徴とする緩衝器。

[請求項 7] 請求項 6に記載の緩衝器において、

前記溝部は、 前記アイ部の、 軸方向他端から一端まで延びることを 特徴とする緩衝器。 \¥0 2020/175180 14 卩(:17 2020 /005745

[請求項 8] 請求項 4ないし 7のいずれか 1項に記載の緩衝器において、

前記アイ部の内周側には、 ブッシュが揷入されることを特徴とする 緩衝器。

[請求項 9] 請求項 4ないし 8のいずれか 1項に記載の緩衝器において、

前記フランジ部には、 ダストカバーが装着されることを特徴とする 緩衝器。

Description:
\¥0 2020/175180 1 卩(:17 2020 /005745 明 細 書

発明の名称 : 緩衝器

技術分野

[0001 ] 本発明は、 ロッ ドのストロークに伴う作動流体の流れを制御 することで減 衰力が調整される緩衝器に関する。

背景技術

[0002] 特許文献 1 には、 ロッ ドに取付アイ (ベアリング) が締結され、 ハーネス (ライン) の一側がシリンダ内のアクチユエータに接続 されたハーネスの他 側が、 ロッ ドの中空部を介して、 取付アイに形成されたスリッ トから外部へ 延出される構造が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :米国特許第 6 , 3 5 7 , 5 6 4号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 特許文献 1 に記載の構造では、 取付アイとロッ ドとがねじによって締結さ れるため、 締結部の軸長 (軸方向長さ) が長くなる分、 ロッ ドのストローク が短くなる。

本発明は、 ロッ ドに取付アイが締結される緩衝器のストロー クを確保する ことを課題とする。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明の一実施形態に係る緩衝器は、 作動流体が封入されるシリンダと、 前記シリンダ内に挿入されるピストンと、 一端が前記ピストンに連結され、 他端が前記シリンダの外部へ延出される中空 のロッ ドと、 前記ロッ ドの他端 に締結される取付アイと、 を備える緩衝器であって、 内周側に軸受が揷入さ れる貫通穴を有するアイ部と、 前記アイ部と前記ロッ ドとを繫ぐジョイント 咅6と、 からなる前記取付アイと、 前記ロッ ドの一端側に締結されるアクチユ 〇 2020/175180 2 卩(:171? 2020 /005745

エータと、 一側が前記アクチユエータに接続され、 他側が前記ロッ ドの中空 部を介して外部へ延出されるハーネスと、 を有し、 前記ロッ ドの外周には、 環状溝が形成され、 前記取付アイは、 前記環状溝に前記ジョイント部の外周 が部分的または全周に亙って押し込まれて前 記ロッ ドに接合され、 前記ハー ネスの他側は、 前記ジョイント部または前記アイ部の側壁を 介して外部へ延 びる。

[0006] 本発明の一実施形態によれば、 ロッ ドに取付アイが締結される緩衝器のス トロークを確保することができる。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]第 1実施形態に係る緩衝器の一部を断面で示す 面図である。

[図 2]図 1の要部 (ダストカバーを除く) を拡大して示す図である。

[図 3]第 2実施形態に係る緩衝器の要部を拡大して示 図である。

[図 4]第 2実施形態の説明図であって、 取付アイの斜視図である。

[図 5]第 2実施形態の説明図であって、 取付アイの下面図である。

[図 6]第 3実施形態に係る緩衝器の要部を拡大して示 図である。

[図 7]第 3実施形態の説明図であって、 取付アイの斜視図である。

[図 8]第 3実施形態の説明図であって、 取付アイの下面図である。

[図 9]第 3実施形態の変形例を示す取付アイの斜視図 ある。 発明を実施するための形態

[0008] 本発明の第 1実施形態を、 添付した図 1、 図 2を参照して説明する。 暫定 的に、 図 1 における上下方向を 「上下方向」 と称する。

図 1 を参照すると、 第 1実施形態に係る緩衝器 1は、 アクチユエータ 2 8 (ソレノイ ド) を有する減衰力発生機構がシリンダ 2内に内蔵される、 いわ ゆる、 制御弁内蔵型の減衰力調整式緩衝器 1 (以下 「緩衝器 1」 と称する) である。 なお、 当該緩衝器 1 における減衰力発生機構の基本構造は、 従来の 減衰力調整式緩衝器における減衰力発生機構 の構造と同一である。 よって、 明細書の記載を簡潔にすることを目的に、 減衰力発生機構に関する説明を省 略する。 〇 2020/175180 3 卩(:171? 2020 /005745

[0009] 図 1 に示されるように、 緩衝器 1は、 油液等の作動流体が封入されるシリ ンダ 2と、 シリンダ 2内に摺動可能に挿入されるピストン 3と、 下端部 (一 端) がピストン 3に連結されて上端部 (他端) がシリンダ 2の外部へ延出さ れる中空のロッ ド 1 1 と、 ロッ ド 1 1の上端部 (他端) に締結 (固定) され る取付アイ 2 1 と、 取付アイ 2 1 によって保持されてロッ ド 1 1のシリンダ 2からの突出部分を被う略円筒形のダストカ ー 4と、 シリンダ 2の下端部 (ロッ ド 1 1 とは反対側) に締結される取付アイ 2 2と、 を有する。 なお、 取付アイ 2 1 , 2 2のうち、 一方は車体側に取り付けられ、 他方は車輪側に 取り付けられる。

[0010] 図 2に示されるように、 ロッ ド 1 1の上端部には、 取付アイ 2 1のアイ本 体 2 3に嵌合される略円筒形の嵌合部 1 3が形成される。 嵌合部 1 3の外周 面 (外側円筒面) には、 ロッ ド 1 1 に対して同軸 (同心) の環状溝 1 5が形 成される。 アイ本体 2 3は、 内周側に軸受 (図示省略) が挿入される貫通穴 2 5が形成されたアイ部 2 4と、 アイ部 2 4とロッ ド 1 1 とを繫ぐジョイン 卜部 2 6と、 アイ部 2 4とジョイント部 2 6との間に介装されてダストカバ _ 4を保持する保持部 2 7 (環状部材) と、 を有する。

[001 1 ] 取付アイ 2 1は、 アイ本体 2 3と、 ジョイント部 2 6と、 保持部 2 7と、 を有する。 また、 ロッ ド 1 1 には、 下端部 (一端側) に締結されるアクチユ エータ 2 8 (図 1参照) と、 一側 (図 2における下側) がアクチユエータ 2 8に接続され、 他側 (図 2における上側) がロッ ド 1 1の中空部 1 2を介し て外部へ延出されるハーネス 2 9と、 を有する。 なお、 ロッ ド 1 1の中空部 1 2に揷通されたハーネス 2 9は、 ロッ ド 1 1の嵌合部 1 3の端面 1 4 (口 ッ ド 1 1の他端面) の中央に開口する開口部 1 6から、 ロッ ド 1 1の外へ取 り出される。

[0012] ジョイント部 2 6は、 略円筒形の接続筒部 3 1 (筒状部) と、 接合筒部 3

1 よりも大径に形成されて接続筒部 3 1の上端部を閉塞させる閉塞部 3 2 ( 結合部) と、 閉塞部 3 2の接続筒部 3 1 とは反対側に突出する軸部 3 3と、 を有する。 ジョイント部 2 6の接続筒部 3 1内には、 閉塞部 3 2とは反対側 〇 2020/175180 4 卩(:171? 2020 /005745

の開口部 3 4から、 ロッ ド 1 1の嵌合部 1 3が揷入される。 軸部 3 3の基端 周縁から外側へ延びる閉塞部 3 2の環状面 3 5 (段部) は、 軸部 3 3の基端 から離れるほど大径となるテーパ状に形成さ れる。

[0013] アイ本体 2 3には、 ハーネス 2 9の他側、 すなわち、 ロッ ド 1 1の中空部

1 2に揷通されて開口部 1 6からロッ ド 1 1の外へ取り出されたハーネス 2 9を、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3の側壁 3 7を介して、 外部へ取り出すた めの通路 4 1が形成される。 通路 4 1は、 一側の開口部 4 2が、 閉塞部 3 2 の端面 3 6 (接続筒部 3 1の底面) の中央に開口し、 他側の開口部 4 3が、 軸部 3 3の側壁 3 7に開口する。 通路 4 1は、 開口部 4 2から直線状に延び る第 1通路 4 4と、 開口部 4 3から直線状に延びる第 2通路とからなる。

[0014] 第 1通路 4 4の軸線は、 アイ本体 2 3の軸線上に位置する。 換言すると、 第 1通路 4 4の軸線は、 アイ本体 2 3の軸線に一致する。 他方、 第 2通路 4 5の軸線は、 第 1通路 4 4の軸線 (アイ本体 2 3の軸線) と交わるように配 置され、 当該交点から、 軸部 3 3の側壁 3 7に向かって斜め上方向へ延びる 。 これにより、 通路 4 1は、 第 1通路 4 4の軸線と第 2通路 4 5の軸線とを 含む平面による断面が、 緩やかな屈曲形状に形成される。 なお、 通路 4 1の 内径は、 ロッ ド 1 1の中空部 1 2の内径よりも大きく設定されている。 また 、 ジョイント部 2 6の軸線、 すなわち、 接続筒部 3 1、 閉塞部 3 2、 および 軸部 3 3の軸線は、 アイ本体 2 3の軸線に一致する。

[0015] 保持部 2 7は、 鍛造部品であり、 円筒部 4 7と、 円筒部 4 7の下端に接続 されて円筒部 4 7から離れるほど大径となるように延出する ーパ部 4 8と 、 テーパ部 4 8の外側周縁部 (下端) に接続されて径方向外側へ延出するフ ランジ部 4 9と、 を有する。

[0016] そして、 アイ本体 2 3は、 アイ部 2 4、 ジョイント部 2 6、 および保持部

2 7が一体化されて構成される。 当該一体化に際し、 まず、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3に保持部 2 7の円筒部 4 7を嵌合させる。 次に、 保持部 2 7の テ—パ部 4 8をジョイント部 2 6の環状面 3 5 (段部) に当接させた状態で 、 ジョイント部 2 6と保持部 2 7とを接合 (溶接) する。 ジョイント部 2 6 〇 2020/175180 5 卩(:171? 2020 /005745

と保持部 2 7とを一体化させた後、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3とアイ部 2 4とを接合 (溶接) する。 一体化されたアイ本体 2 3は、 ジョイント部 2 6 の軸線と保持部 2 7の軸線とが一致し、 ジョイント部 2 6および保持部 2 7 の軸線 (アイ本体 2 3の軸線) が、 アイ部 2 4の貫通穴 2 5の軸線 (中心線 ) に直交する。

[0017] 図 2に示されるように、 ジョイント部 2 6の接続筒部 3 1 には、 塑性加工 (シユリンキング) によって形成された環状の凹部 5 1が形成される。 当該 塑性加工に際し、 まず、 ハーネス 2 9の他側、 すなわち、 ロッ ド 1 1の開口 部 1 6から取り出されたハーネス 2 9を、 アイ本体 2 3のジョイント部 2 6 の開口部 4 2から通路 4 1 (第 1通路 4 4) 内へ挿入し、 第 1通路 4 4およ び第 2通路 4 5を介して、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3の側壁 3 7に開口す る開口部 4 3から取り出しておく。

[0018] 次に、 アイ本体 2 3のジョイント部 2 6の接続筒部 3 1 に、 ロッ ド 1 1の 嵌合部 1 3を揷入する。 このとき、 ロッ ド 1 1の嵌合部 1 3の端面 1 4と、 ジョイント部 2 6の閉塞部 3 2の端面 3 6との間には、 軸方向に一定間隔の 隙間 5 2が形成される。 この状態で、 ジョイント部 2 6の接続筒部 3 1の外 周を全周に亙って径方向内側へ塑性変形させ る (押し込む) ことにより、 接 続筒部 3 1の外周面に環状の凹部 5 1が形成される。 なお、 凹部 5 1は、 接 続筒部 3 1の外周を全周に亙って連続させる必要はな 、 接続筒部 3 1の外 周を周方向に一定の間隔をあけて部分的にか しめることで形成してもよい。

[0019] また、 凹部 5 1は、 ロッ ド 1 1の環状溝 1 5に一致するように、 ロッ ド 1

1 に対する軸方向 (図 2における上下方向) への位置が調整されている。 ジ ョイント部 2 6の接続筒部 3 1の内周側には、 環状の接合部 5 3が形成され る。 接合部 5 3は、 塑性加工 (シユリンキング) によって、 ロッ ド 1 1の環 状溝 1 5に、 接続筒部 3 1の肉 (材料) が流入 (塑性流動) することで形成 される。 このように、 アイ本体 2 3 (取付アイ 2 1) は、 ロッ ド 1 1の環状 溝 1 5に、 ジョイント部 2 6の外周を部分的または全周に亙って押し込 こ とにより、 ロッ ド 1 1 に接合される。 そして、 保持部 2 7のフランジ部 4 9 〇 2020/175180 6 卩(:171? 2020 /005745

の外側周縁部にダストカバー 7 (図 1参照) の上端側周縁部が塑性締結され ることにより、 ダストカバー 7がアイ本体 2 1 によって保持される。

[0020] 前述した特許文献 1 に記載された構造 (以下 「従来構造」 ) では、 取付ア イとロッ ドとをねじによって締結させるため、 緩み止めナッ トの軸長 (軸方 向長さ) を含む締結部の軸長が長くなる分、 ロッ ドのストロークが短くなる 。 よって、 緩衝器の軸長 (全長) が決定している場合、 ロッ ドのストローク を確保するのが困難である。 換言すると、 ロッ ドのストロークに対する緩衝 器の軸長が長くなり、 緩衝器の小型化が困難である。

また、 従来構造では、 製造時にロッ ドと取付アイとをねじ締結させるとき 、 ロッ ドの中空部から取り出したハーネスを取付ア イのスリッ トに揷通させ た状態で、 ロッ ドと取付アイとを相対回転させるため、 締結には工数を要し 、 さらに、 ハーネスに悪影響を及ぼすおそれがある。 詳述すると、 ハーネス が締結部に嚙み込まないための工夫や、 組み立て時にハーネスを仮固定する 治具などが必要であり、 多くの工数を要していた。

[0021 ] これに対し、 第 1実施形態では、 ロッ ド 1 1の環状溝 1 5に、 取付アイ 2

1のジョイント部 2 6の外周を部分的または全周に亙って押し込 ことによ り、 ロッ ド 1 1 に取付アイ 2 1 を接合し、 さらに、 ハーネス 2 9の他側を、 ジョイント部 2 6に形成された通路 4 1 を介して、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3の側壁 3 7に形成された開口部 4 3から、 外部へ延びるように構成した このように、 第 1実施形態では、 ジョイント部 2 6を塑性変形させること で取付アイ 2 1 をロッ ド 1 1 に締結させたので、 当該締結部の軸長を従来構 造 (ねじ締結) に対して短くすることができる。 第 1実施形態によれば、 口 ッ ド 1 1 に取付アイ 2 1が締結された制御弁内蔵型の減衰力調整式 衝器 1 におけるロッ ド 1 1のストロークを確保することができる。 また、 ロッ ド 1 1のストロークが決定している場合、 従来構造を適用した緩衝器と比較して 緩衝器 1の軸長 (全長) を短くすることが可能であり、 緩衝器 1 を小型化す ることができる。 〇 2020/175180 7 卩(:171? 2020 /005745

また、 第 1実施形態によれば、 ジョイント部 2 6の接続筒部 3 1 (筒状部 ) と閉塞部 3 2 (結合部) との間に環状面 3 5 (段部) を形成し、 該環状面 3 5に保持部 2 7 (環状部材) のテーパ部 4 8を当接させてジョイント部 2 6に保持部 2 7を締結させたので、 保持部 2 7をジョイント部 2 6に対して 容易に芯出しすることが可能であり、 組立工数を削減することができる。 さらに、 ねじ締結の際の問題点であったロッ ドと取付アイとの相対回転が なくなるため、 生産性を向上させることができる。

[0022] なお、 第 1実施形態では、 ハーネス 2 9の他側を、 ジョイント部 2 6に形 成された通路 4 1 を介して、 ジョイント部 2 6の軸部 3 3の側壁 3 7に形成 された開口部 4 3から外部へ延びるように構成した。 これに対し、 ハーネス 2 9の他側を、 アイ部 2 4の側壁に形成された溝部 (スリッ ト) から外部へ 延出させるように構成することができる。 この場合、 ジョイント部 2 6の軸 部 3 3の軸長をさらに短くすることが可能であり ロッ ド 1 1のストローク をさらに増やす、 または、 緩衝器 1の軸長 (全長) をさらに短く して当該緩 衝器 1 を小型化することができる。

[0023] (第 2実施形態) 次に、 本発明の第 2実施形態を、 添付した図 3ないし図

5を参照して説明する。 なお、 第 1実施形態と同一または相当の構成要素に ついては、 同一の名称および符号を付与し、 詳細な説明を省略する。

前述した第 1実施形態に係る緩衝器 1では、 アイ本体 2 3は、 アイ部 2 4 、 ジョイント部 2 6、 および保持部 2 7 (環状部材) の 3つの部材を、 接合 することで一体化させていた。

[0024] これに対し、 第 2実施形態に係る緩衝器 6 1では、 取付アイ 6 2 (第 1実 施形態に係る緩衝器 1 における 「アイ本体 2 3」 に相当) は、 鍛造による一 体成型部品である。 取付アイ 6 2は、 軸方向一端側からの投影面にて直交す る 2つの径方向 1_ 1 , !_ 2 (図 5参照) において、 長い部分と短い部分とか らなる。 換言すると、 取付アイ 6 2は、 ロッ ド 1 1の軸線に対して平行な投 射線によるシリンダ 2側からの視点の平行投影図 (図 5参照) が矩形 (長方 形) をなし、 長辺 6 5に沿って延びる長い部分と、 短辺 6 6に沿って延びる 〇 2020/175180 8 卩(:171? 2020 /005745

短い部分と、 からなる。

[0025] 取付アイ 6 2は、 略直方体に形成されたアイ部 6 3を有する。 アイ部 6 3 の内周側には、 軸受 (図示省略) が揷入される貫通穴 2 5が設けられる。 貫 通穴 2 5は、 アイ部 6 3の短い部分側を貫通する。 換言すると、 貫通穴 2 5 は、 アイ部 6 3を短辺 6 6に沿う方向 (径方向 1_ 2) に貫通する。 アイ部 6 3のロッ ド 1 1側 (図 3における下端側) の、 長辺 6 5 (長い部分) の両端 には、 フランジ部 6 8 , 6 9が形成される。 フランジ部 6 8 , 6 9は、 アイ 部 6 3の下端部から、 径方向 !_ 1へ相反するように突出する。 なお、 各フラ ンジ部 6 8 , 6 9は、 前述した平行投影図において、 一辺の長さが短辺 6 6 の長さと同 _ の矩形 (長方形) に形成される。

[0026] 取付アイ 6 2は、 アイ部 6 3とロッ ド 1 1 とを繫ぐジョイント部 6 7を有 する。 ジョイント部 6 7は、 アイ部 6 3のロッ ド 1 1側に形成され、 アイ部

6 3の下面 6 4の中央からロッ ド 1 1側へ突出する。 ジョイント部 6 7は、 第 1実施形態におけるジョイント部 2 6の接続筒部 3 1 (筒状部) と同一形 状をなす。 ジョイント部 6 7の外周には、 塑性加工 (シユリンキング) によ って形成された環状の凹部 5 1が形成される。 ジョイント部 6 7の内周側に は、 環状の接合部 5 3が形成される。 接合部 5 3は、 塑性加工 (シユリンキ ング) によって、 ロッ ド 1 1の環状溝 1 5にジョイント部 6 7の側壁の内周 面を押し込むことで形成される。

[0027] そして、 取付アイ 6 2のフランジ部 6 8 , 6 9の端縁部に、 ダストカバー

7 (図 3参照) の上端側縁部を塑性締結させることにより、 ダストカバー 7 が取付アイ 6 2によって保持される。 なお、 ダストカバー 7は、 上端側縁部 の開口部 5の断面 (ロッ ド 1 1の軸線に直交する平面による断面) の形状が 、 アイ部 6 3の下端部とフランジ部 6 8 , 6 9とからなる取付アイ 6 2の底 部 (図 5参照) と略同一の矩形 (長方形) であり、 開口部 5から離れるにつ れて円形へ移行するように形成 (成形) される。

[0028] 前述した第 1実施形態 (図 2参照) では、 ジョイント部 2 6と保持部 2 7 (環状部材) とを接合させた後、 アイ部 2 4とジョイント部 2 6とを接合さ 〇 2020/175180 9 卩(:171? 2020 /005745

せることにより、 アイ本体 2 3を一体化させていた。

[0029] これに対し、 第 2実施形態では、 取付アイ 6 2を鍛造による一体成型部品 としたので、 部品点数が削減されるとともに接合 (溶接) 工程を廃止するこ とが可能であり、 生産性および組付性を向上させることができ る。

また、 第 2実施形態では、 取付アイ 6 2のロッ ド 1 1側のフランジ部 6 8 , 6 9 (保持部) を矩形 (長方形) に形成したので、 取付アイ 6 2を鍛造に より容易に製作することができる。 さらに、 取付アイ 6 2を鍛造による一体 成型部品としたことで、 取付アイ 6 2の機械的性質を向上させることができ る。

また、 第 2実施形態では、 ジョイント部 6 7を塑性変形させて取付アイ 6 2をロッ ド 1 1 に締結させたので、 当該締結部の軸長を従来構造 (ねじ締結 ) に対して短くすることができる。 これにより、 ロッ ド 1 1のストロークが 決定している場合、 従来構造を適用した緩衝器と比較して緩衝器 6 1の軸長 (全長) を短くすることが可能であり、 当該緩衝器 6 1 を小型化することが できる。

[0030] (第 3実施形態) 次に、 本発明の第 3実施形態を、 添付した図 6ないし図

8を参照して説明する。 なお、 第 1 または第 2実施形態と同一または相当の 構成要素については、 同一の名称および符号を付与し、 詳細な説明を省略す る。

[0031 ] 第 3実施形態に係る緩衝器 7 1は、 溝部 7 3が形成された取付アイ 7 2を 有する。 取付アイ 7 2は、 第 2実施形態に係る緩衝器 6 1の取付アイ 6 2に 、 ハーネス 2 9を揷通させるための溝部 7 3を形成したものである。 ここで 、 取付アイ 7 1の溝部 7 3を除く構造は、 第 2実施形態に係る緩衝器 6 1 に おける取付アイ 6 2と同一である。 また、 第 2実施形態に係る緩衝器 6 1 に おけるロッ ド 1 1は中実軸であったが、 第 3実施形態に係る緩衝器 7 1 にお けるロッ ド 1 1 には、 第 1実施形態に係る緩衝器 1同様、 アクチユエータ 2 8 (図 1参照) に接続されたハーネス 2 9を揷通させるための中空部 1 2が 形成される。 〇 2020/175180 10 卩(:171? 2020 /005745

[0032] 溝部 7 3は、 アイ部 6 3の、 軸方向他端 (図 6における上端) から軸方向 一端まで延びる。 溝部 7 3は、 径方向 1_ 2に一定の幅 \^/ 1 を有し、 軸方向一 端側がジョイント部 6 7の内周側に開口する。 幅 1は、 ロッ ド 1 1の中空 部 1 2の内径よりも大きく、 かつロッ ド 1 1の外径よりも小さい。 また、 溝 7 3は、 ロッ ド 1 1 に締結された取付アイ 7 2を軸方向他端側から軸方向の 視線で見たとき、 当該溝部 7 3からロッ ド 1 1の開口部 1 6の全体が見える (臨む) ように設けられる。 そして、 ハーネス 2 9の他側、 すなわち、 ロッ ド 1 1の中空部 1 2に揷通されて開口部 1 6からロッ ド 1 1の外へ取り出さ れたハーネス 2 9は、 アイ部 6 3に形成された溝部 7 3に揷通され、 アイ部

6 3の側壁 7 4を介して、 取付アイ 7 2の外部へ取り出される。

[0033] ジョイント部 6 7の外周面には、 塑性加工 (シュリンキング) によって形 成された環状の凹部 5 1が形成される。 また、 ジョイント部 6 7の内周側に は、 環状の接合部 5 3が形成される。 接合部 5 3は、 塑性加工 (シュリンキ ング) によって、 ロッ ド 1 1の環状溝 1 5にジョイント部 6 7の側壁の内周 面を押し込むことで形成される。 なお、 当該塑性加工に際し、 ハーネス 2 9 の他側、 すなわち、 ロッ ド 1 1の開口部 1 6から取り出されたハーネス 2 9 を、 取付アイ 7 2の溝部 7 3に揷通させて取付アイ 7 2のアイ部 6 3の側壁

7 4を介して外部へ取り出しておく。

[0034] 第 3実施形態によれば、 前述した第 1および第 2実施形態と同一の作用効 果を得ることができる。

なお、 図 6および図 9に示されるように、 取付アイ 7 2のアイ部 6 3の貫 通穴 2 5にブッシュ 7 5を揷入し、 ハーネス 2 9をブッシュ 7 5の外周に沿 わせることにより、 溝部 7 3内のハーネス 2 9の暴れを防いでハーネス 2 9 への攻撃性を低下させることができる。 これにより、 緩衝器 7 1の信頼性を 高めることができる。

[0035] 尚、 本発明は上記した実施形態に限定されるもの ではなく、 様々な変形例 が含まれる。 例えば、 上記した実施形態は本発明を分かりやすく説 明するた めに詳細に説明したものであり、 必ずしも説明した全ての構成を備えるもの 〇 2020/175180 11 卩(:171? 2020 /005745

に限定されるものではない。 また、 ある実施形態の構成の一部を他の実施形 態の構成に置き換えることが可能であり、 また、 ある実施形態の構成に他の 実施形態の構成を加えることも可能である。 また、 各実施形態の構成の一部 について、 他の構成の追加 ·削除 ·置換をすることが可能である。

[0036] 本願は、 201 9年2月 26日付出願の日本国特許出願第 201 9— 03

281 0号に基づく優先権を主張する。 201 9年 2月 26日付出願の日本 国特許出願第 201 9-03281 0号の明細書、 特許請求の範囲、 図面、 及び要約書を含む全開示内容は、 参照により本願に全体として組み込まれる

符号の説明

[0037] 1 緩衝器、 2 シリンダ、 3 ピストン、 1 1 ロッ ド、 1 2 中空部、

1 5 環状溝、 2 1 取付アイ、 24 アイ部、 25 貫通穴、 26 ジョ イント部、 28 アクチユエータ、 29 ハーネス、 37 側壁