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Patent Searching and Data


Title:
SHUTTLECOCK FOR BADMINTON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088011
Kind Code:
A1
Abstract:
A shuttlecock (1) for badminton, which can sustain the initial flight performance over a long term, comprises a hemispheric base body (2) and a plurality of artificial feathers (3). The plurality of artificial feathers (3) include a feather portion and a shaft connected to the feather portion and are fixed to the base body (2) while being arranged annularly and partially overlapping. The overlapping part at the feather portion of the artificial feathers (3) is melted at least partially and then solidified thus forming a portion (41) for bonding and fixing the overlapping part of the feather portion.

Inventors:
OGAWA MASAO (JP)
TONOMURA YUTAKA (JP)
YOSHIDA SATOSHI (JP)
TAKENAKA TOSHIMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050070
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MIZUNO KK (JP)
OGAWA MASAO (JP)
TONOMURA YUTAKA (JP)
YOSHIDA SATOSHI (JP)
TAKENAKA TOSHIMASA (JP)
International Classes:
A63B67/19
Foreign References:
JPS3619067B1
GB531234A1940-12-31
JP2005278784A2005-10-13
US2338274A1944-01-04
JPS5737464A1982-03-01
JPS5340335A1978-04-12
JPS5926676U1984-02-18
Other References:
See also references of EP 2236176A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 半球状のベース本体(2)と、
 羽部(5)および前記羽部(5)に接続された軸(7)を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、前記ベース本体(2)に固定された複数の人工羽根(3)とを備え、
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を溶融させた後凝固させることにより、前記羽部(5)の重なった前記部分を固定する融着部(41)が形成されている、バドミントン用シャトルコック(1)。
 前記融着部(41)の少なくとも一部は、前記羽部(5)の前記軸(7)に垂直な方向である幅方向において前記軸(7)と前記羽部(5)の端部との間の中間点より前記軸寄りの領域に形成されている、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック。
 前記融着部(41)は前記人工羽根(3)の軸(7)に沿って延在するように形成されている、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記融着部(41)は、前記羽部(5)での前記軸(7)の延在方向における中央部より前記ベース本体(2)に近い位置に形成されている、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記融着部(41)は、隣接する前記羽部(5)における互いに重なった部分にて前記羽部(5)の間に位置するとともに前記羽部(5)と固着している補強部材(43)を含む、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記融着部(41)の平面形状は多角形状、円形状、長円形状、楕円形状からなる群から選択される1つである、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記融着部(41)は、複数の融着部部分からなる、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 複数の前記人工羽根(3)における前記羽部(5)の相対的な移動または変形を規制する紐状体(17)をさらに含む、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)は、前記羽部(5)の外周部から外側に突出するとともに、環状に配置された他の人工羽根(3)の羽部(5)と重なる位置にまで延在する延在部(50)を含み、
 前記融着部(41)は、前記延在部(50)に形成されている、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記延在部(50)は、前記羽部(5)の外周部から前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置にまで延在し、
 前記融着部(41)は、前記延在部(50)において前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置に形成されている、請求の範囲9に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)は、環状に配置された他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置にまで延在する延在部(50)を含み、
 前記融着部(41)は、前記延在部(50)において前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置に形成されている、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)において、前記軸(7)は、固着軸部(10)と、前記固着軸部(10)に連なる羽軸部(8)とを有し、
 前記羽部(5)を構成する部材(9)は、前記固着軸部(10)と接触し前記固着軸部(10)より幅の広い羽本体部(5)と、前記羽本体部(5)から前記羽軸部(8)に突出する突出部(12)とを有し、
 前記突出部(12)において前記羽本体部(5)側と反対側の端部は前記羽軸部(8)を構成する部材に埋設される、請求の範囲1に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 半球状のベース本体(2)と、
 羽部(5)および前記羽部(5)に接続された軸(7)を含み、環状に配置されるとともに隣接する前記羽部(5)が部分的に重なるように、前記ベース本体(2)に固定された複数の人工羽根(3)とを備え、
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を接着層(33)により接続した接着部(31)が形成されている、バドミントン用シャトルコック(1)。
 前記接着部(31)の少なくとも一部は、前記羽部(5)の前記軸(7)に垂直な方向である幅方向において前記軸(7)と前記羽部(5)の端部との間の中間点より前記軸(7)寄りの領域に形成されている、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記接着部(31)は前記人工羽根(3)の軸(7)に沿って延在するように形成されている、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記接着部(31)は、前記羽部(5)での前記軸(7)の延在方向における中央部より前記ベース本体(2)に近い位置に形成されている、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)は、前記羽部(5)の外周部から外側に突出するとともに、環状に配置された他の人工羽根(3)の羽部(5)と重なる位置にまで延在する延在部(50)を含み、
 前記接着部(31)は、前記延在部(50)に形成されている、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記延在部(50)は、前記羽部(5)の外周部から前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置にまで延在し、
 前記接着部(31)は、前記延在部(50)において前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置に形成されている、請求の範囲17に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)の前記羽部(5)は、環状に配置された他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置にまで延在する延在部(50)を含み、
 前記接着部(31)は、前記延在部(50)において前記他の人工羽根(3)の前記軸(7)を越えた位置に形成されている、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)において、前記軸(7)は、固着軸部(10)と、前記固着軸部(10)に連なる羽軸部(8)とを有し、
 前記羽部(5)を構成する部材(9)は、前記固着軸部(10)と接触し前記固着軸部(10)より幅の広い羽本体部(5)と、前記羽本体部(5)から前記羽軸部(8)に突出する突出部(12)とを有し、
 前記突出部(12)において前記羽本体部(5)側と反対側の端部は前記羽軸部(8)を構成する部材に埋設される、請求の範囲13に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 半球状のベース本体(2)と、
 羽部(5)および前記羽部(5)に接続された軸(7)を含み、環状に配置されるとともに隣接する前記羽部(5)が部分的に重なるように、前記ベース本体(2)に固定された複数の人工羽根(3)と、
 複数の前記人工羽根(3)における前記羽部(5)の相対的な移動または変形を規制する紐状体(15、17、19、21)とを備える、バドミントン用シャトルコック(1)。
 前記紐状体(15、17、19、21)は、複数の前記人工羽根(3)のそれぞれの前記軸(7)の周囲を周回するとともに、前記羽部(5)の互いに重なった部分において対向する前記羽部(5)の間を通るように配置されている紐部材(15)を含む、請求の範囲21に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記紐状体(15、17、19、21)は、複数の前記人工羽根(3)のそれぞれの前記軸(7)の周囲を周回するとともに、環状に配置された複数の前記人工羽根(3)の羽部(5)の内周側に配置されている他の紐部材(17)を含む、請求の範囲21に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記紐状体(21)は、前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を縫着することにより縫着部を構成する、請求の範囲21に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記縫着部の少なくとも一部は、前記羽部(5)の前記軸(7)に垂直な方向である幅方向において前記軸(7)と前記羽部(5)の端部との間の中間点より前記軸(7)寄りの領域に形成されている、請求の範囲24に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記縫着部は前記人工羽根(3)の前記軸(7)に沿って延在するように形成されている、請求の範囲24に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記縫着部は前記人工羽根(3)の前記軸(7)と交差する方向に延びるように形成されている、請求の範囲24に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記縫着部は、前記羽部(5)での前記軸(7)の延在方向における中央部より前記ベース本体(2)に近い位置に形成されている、請求の範囲24に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根(3)において、前記軸(7)は、固着軸部(10)と、前記固着軸部(10)に連なる羽軸部(8)とを有し、
 前記羽部(5)を構成する部材(9)は、前記固着軸部(10)と接触し前記固着軸部(10)より幅の広い羽本体部(5)と、前記羽本体部(5)から前記羽軸部(8)に突出する突出部(12)とを有し、
 前記突出部(12)において前記羽本体部(5)側と反対側の端部は前記羽軸部(8)を構成する部材に埋設される、請求の範囲21に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 半球状のベース本体(2)と、
 羽部(5)および前記羽部(5)に接続された軸(7)とを含み、環状に配置されるとともに隣接する前記羽部(5)が部分的に重なるように、前記ベース本体(2)に固定された複数の人工羽根(3)と、
 前記人工羽根(3)の積層状態を維持するための積層状態固定部(15、17、19、21、31、41)とを備える、バドミントン用シャトルコック(1)。
 前記積層状態固定部(15、17、19、21、31、41)は、複数の前記人工羽根(3)の前記羽部(5)の相対的な移動または変形を規制する紐状体(15、17、19、21)を含む、請求の範囲30に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記紐状体(15、17、19、21)は、複数の前記人工羽根(3)のそれぞれの前記軸(7)の周囲を周回するとともに、前記羽部(5)の互いに重なった部分において対向する前記羽部(5)の間を通るように配置されている紐部材(15)を含む、請求の範囲31に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記紐状体(15、17、19、21)は、複数の前記人工羽根(3)のそれぞれの前記軸(7)の周囲を周回するとともに、環状に配置された複数の前記人工羽根(3)の羽部の内周側に配置されている他の紐部材(17)を含む、請求の範囲31に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記積層状態固定部(15、17、19、21、31、41)は、前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を縫着した縫着部を含む、請求の範囲30に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記積層状態固定部(15、17、19、21、31、41)は、前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を接着層(33)により接続した接着部(31)を含む、請求の範囲30に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記積層状態固定部(15、17、19、21、31、41)は、前記人工羽根(3)の前記羽部(5)における互いに重なった部分の少なくとも一部を溶融させた後凝固させることにより、前記羽部(5)の重なった前記部分を固定した融着部(41)を含む、請求の範囲30に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
 前記人工羽根において、前記軸(7)は、固着軸部(10)と、前記固着軸部(10)に連なる羽軸部(8)とを有し、
 前記羽部(5)を構成する部材(9)は、前記固着軸部(10)と接触し前記固着軸部(10)より幅の広い羽本体部(5)と、前記羽本体部(5)から前記羽軸部(8)に突出する突出部(12)とを有し、
 前記突出部(12)において前記羽本体部(5)側と反対側の端部は前記羽軸部(8)を構成する部材に埋設される、請求の範囲30に記載のバドミントン用シャトルコック(1)。
Description:
バドミントン用シャトルコック

 この発明は、バドミントン用シャトルコ クに関し、より特定的には、優れた耐久性 有するバドミントン用シャトルコックに関 る。

 従来、バドミントン用シャトルコックと て、その羽根に水鳥の羽根を用いたもの(天 然シャトルコック)と、ナイロン樹脂などに り人工的に製造された羽根を用いたもの(人 シャトルコック)とが知られている。また、 人工シャトルコックには、羽根が樹脂などに より構成されたスカート状の一体成形品から なるものと、天然シャトルコックのように独 立した複数の人工羽根を用いたものとがある 。

 図30は、天然シャトルコックを示す側面 式図である。図31は、天然シャトルコックの 羽根の重なり状態を示す部分断面模式図であ る。図30および図31を参照して、天然シャト コックを説明する。

 図30に示すように、天然シャトルコック10 1は、半球状のベース本体102と、ベース本体10 2の平坦な表面に接続された複数の水鳥の羽 からなる羽根103と、複数の天然羽根103の軸 互いに固定するためのかがり糸とからなる 羽根103は軸107と羽本体部105とからなる。円 状に配置された複数の羽根103は、図31に示す ように羽本体部105が部分的に重なると共に、 羽本体部105の延在方向が個々の羽根103で交差 するように(捻り角が形成されるように)その 置が決定されている。

 そして、上述した人工シャトルコックの ち、複数の人工羽根を用いたものは、その 観自体は上記天然シャトルコック101と類似 ている。

 天然シャトルコックは、そのような天然 羽根について一定の品質のものを入手する とに手間が掛かることから、人工の羽根を いたシャトルコックより高価である。その め、安価で安定した品質の人工の羽根を用 た、独立した複数の人工羽根を用いた人工 ャトルコックが提案されている(たとえば、 特開昭57-37464号公報(特許文献1)および特開昭5 3-40335号公報(特許文献2)参照)。

 特許文献1では、不織布によって羽部を形 成し、当該羽部に結合した羽軸部を射出成形 により一体的に形成したシャトルコック用人 工羽根およびその人工羽根を用いた人工シャ トルコックが開示されている。また、特許文 献2では、羽部と、高強度繊維を補強材とす 羽軸部とを接着剤で接合したシャトルコッ 用人工羽根が開示されている。

 また、飛行を安定させるとともに羽軸部の 損を防止するという観点から、羽部に切欠 を設けると共に当該切欠部において羽軸部 糸を周着する構成も提案されている(たとえ ば、実開昭59-26676号公報(特許文献3)参照)。

特開昭57-37464号公報

特開昭53-40335号公報

実開昭59-26676号公報

 しかし、上述の特許文献1や特許文献2に 示されたシャトルコック用人工羽根を用い 人工シャトルコックでは、発明者の実験に れば、実際に使用すると人工羽根の強度が 然の羽根に比べて低いことから、人工羽根 羽本体部が交錯する(人工羽根の積層状態(配 置)が局所的に入替わる)ことがあった。この 本体部の交錯を、図32を参照して説明する ここで、図32は、人工羽根の羽本体部が交錯 した状態を説明するための部分断面模式図で ある。なお、図32は図31に対応する。

 図32に示すように、従来の人工シャトル ックでは、使用すると人工羽根3の強度が天 の羽根に比べて低いため、図32の交錯部150 示すように羽本体部5の積層順が入替わる(交 錯する)ことがあった。このような交錯が発 すると、ラケットで打撃されたシャトルコ クが正常に回転しなくなり、その飛翔特性 極端に悪化することになっていた。また、 許文献3に開示されている人工シャトルコッ においても、上述した羽本体部の交錯とい 問題は同様に発生すると考えられる。この うな羽本体部の交錯などによる飛翔特性の 化は、天然シャトルコックに比べて上述し 人工シャトルコックにおいて特に顕著であ た。

 この発明は、上記のような課題を解決す ためになされたものであり、この発明の目 は、初期の飛翔性能を長期に渡って維持可 な、バドミントン用シャトルコックを提供 ることである。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コックは、半球状のベース本体と、複数の 工羽根とを備える。複数の人工羽根は、羽 および当該羽部に接続された軸を含む。ま 、複数の人工羽根は、環状に配置されると もに部分的に重なるように、ベース本体に 定される。人工羽根の羽部における互いに なった部分の少なくとも一部を溶融させた 凝固させることにより、羽部の重なった部 を固定する融着部が形成されている。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸の 性や強度が低い人工羽根を用いる場合であ ても、積層状態固定部として作用する融着 を形成することにより、当該人工羽根の積 状態や形状を当初のまま維持できる。この め、人工羽根の積層状態が入替わったり、 工羽根が変形したりすることに起因してシ トルコックの飛翔性能が劣化することを抑 できる。

 また、融着部は、複数の人工羽根の積層 態を維持するため、隣接する人工羽根を互 に固定するので、補強部材としても作用す 。このため、シャトルコックの強度が向上 、結果的にシャトルコックの耐久性を向上 せることができる。

 また、人工羽根の積層された部分の少な とも一部を溶融・再凝固させることで、接 剤などの事前配置などを行なうことなく融 部を形成できる。このため、シャトルコッ の製造工程を簡略化できる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コックは、半球状のベース本体と、複数の 工羽根とを備える。複数の人工羽根は、羽 および当該羽部に接続された軸を含んでい 。複数の人工羽根は、環状に配置されると もに隣接する羽部が部分的に重なるように ベース本体に固定される。人工羽根の羽部 おける互いに重なった部分の少なくとも一 を接着層により接続した接着部が形成され いる。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸の 性や強度が低い人工羽根を用いる場合であ ても、積層状態固定部として作用する接着 を形成することにより、当該人工羽根の積 状態や形状を当初のまま維持できる。この め、人工羽根の積層状態が入替わったり、 工羽根が変形したりすることに起因してシ トルコックの飛翔性能が劣化することを抑 できる。

 また、接着部は、複数の人工羽根の積層 態を維持するため、隣接する人工羽根を互 に固定するので、補強部材としても作用す 。このため、シャトルコックの強度が向上 、結果的にシャトルコックの耐久性を向上 せることができる。

 また、接着層を所定の位置に配置して、 数の人工羽根の一部が重なるように配置す ことで、簡単に人工羽根の積層状態を維持 るための接着部を形成することができる。 のため、シャトルコックの製造工程を簡略 できる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コックは、半球状のベース本体と、複数の 工羽根と、紐状体とを備える。複数の人工 根は、羽部および当該羽部に接続された軸 含む。複数の人工羽根は、環状に配置され とともに隣接する羽部が部分的に重なるよ に、ベース本体に固定される。紐状体は、 数の人工羽根における羽部の相対的な移動 たは変形を規制する。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸の 性や強度が低い人工羽根を用いる場合であ ても、人工羽根の積層状態を維持する部材 して作用する紐状体を配置することにより 当該人工羽根の積層状を当初のまま維持で る。このため、人工羽根の積層状態が入替 ったりすることに起因してシャトルコック 飛翔性能が劣化することを抑制できる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コックは、半球状のベース本体と、複数の 工羽根と、積層状態固定部とを備える。複 の人工羽根は、羽部および当該羽部に接続 れた軸とを含む。また、複数の人工羽根は 環状に配置されるとともに隣接する羽部が 分的に重なるように、ベース本体に固定さ る。積層状態固定部は、人工羽根の積層状 を維持するためのものである。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸の 性や強度が低い人工羽根を用いる場合であ ても、積層状態固定部を形成することによ 当該人工羽根の積層状態を当初のまま維持 きるので、人工羽根の積層状態が入替わっ りすることに起因してシャトルコックの飛 性能が劣化することを抑制できる。また、 層状態固定部は、複数の人工羽根の積層状 を維持するため、隣接する人工羽根の位置 相対的に固定することになるので、補強部 としても作用する。このため、シャトルコ クの強度が向上し、結果的にシャトルコッ の耐久性を向上させることができる。

 このように、本発明によれば、積層状態 定部を形成することにより、人工羽根の積 順番や配置、形状などが変わることを抑制 きるので、水鳥の羽根を用いたシャトルコ クと同等の飛翔性能および耐久性を備える 人工羽根を用いたバドミントン用シャトル ックを提供できる。

本発明によるシャトルコックの実施の 態1を示す側面模式図である。 図1に示したシャトルコックの融着固定 部を示す部分断面模式図である。 図1および図2に示した本発明によるシ トルコックの実施の形態1の変形例を示す部 断面模式図である。 図1および図2に示した本発明によるシ トルコックの実施の形態1の他の変形例を示 側面模式図である。 図4に示したシャトルコックの上面模式 図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 態1における融着固定部の変形例を説明する ための模式図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 態1における融着固定部の変形例を説明する ための模式図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 態1における融着固定部の変形例を説明する ための模式図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 態1における融着固定部の変形例を説明する ための模式図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 形態1における融着固定部の変形例を説明す ための模式図である。 図1および図2に示したシャトルコック 構成する、シャトルコック用人工羽根の構 を示す平面模式図である。 図11の線分XII-XIIにおける断面模式図で ある。 図11の線分XIII-XIIIにおける断面模式図 ある。 図11の線分XIV-XIVにおける断面模式図で ある。 図11の線分XV-XVにおける断面模式図で る。 本発明によるシャトルコックの実施の 形態2を示す側面模式図である。 図16に示したシャトルコックの接着部 によって固定された接着固定部を示す部分 面模式図である。 本発明に従ったシャトルコックの実施 の形態3を示す側面模式図である。 図18に示したシャトルコックの上面模 図である。 図18に示したシャトルコックの中糸が 置された部分の構成を示す部分断面模式図 ある。 図18に示したシャトルコックの内糸が 置された部分の構成を示す部分断面模式図 ある。 図18および図19に示した本発明による ャトルコックの実施の形態3の変形例を示す 面模式図である。 図22に示したシャトルコックの外糸が 置された部分の構成を示す部分断面模式図 ある。 本発明によるシャトルコックの実施の 形態4を示す側面模式図である。 図24に示したシャトルコックの実施の 態4の変形例を示す側面模式図である。 図25に示したシャトルコックの固定用 が配置された部分の構成を示す部分断面模 図である。 本発明によるシャトルコックの実施の 形態5を示す上面模式図である。 図27に示したシャトルコックを構成す 、シャトルコック用人工羽根の構成を示す 面模式図である。 図27に示した本発明によるシャトルコ クの実施の形態5の変形例を示す上面模式図 である。 天然シャトルコックを示す側面模式図 である。 天然シャトルコックの羽根の重なり状 態を示す部分断面模式図である。 人工羽根の羽本体部が交錯した状態を 説明するための部分断面模式図である。

符号の説明

 1,101 シャトルコック、2,102 ベース本体 3 人工羽根、5,105 羽本体部、7,107 軸、8 羽 軸部、9 シート状部材、10 固着軸部、12 突 部、15 中糸、17 内糸、19 外糸、21 固定用 糸、31 接着固定部、33 接着部材、41 融着固 定部、43 補強部材、50 延在部、103 天然羽 、150 交錯部。

 以下、図面を用いて、本発明の実施の形 および実施例について説明する。なお、以 の図面において同一または相当する部分に 同一の参照番号を付しその説明は繰返さな 。

 (実施の形態1)
 図1は、本発明によるシャトルコックの実施 の形態1を示す側面模式図である。図2は、図1 に示したシャトルコックの融着固定部を示す 部分断面模式図である。図1および図2を参照 て、本発明によるシャトルコックの実施の 態1を説明する。

 図1および図2を参照して、本発明に従っ シャトルコック1は、半球状のベース本体2と 、ベース本体2の平坦な表面に接続された複 のシャトルコック用の人工羽根3とからなり さらに複数の人工羽根の積層状態を維持す ための融着固定部41が形成されている。ベ ス本体2は、たとえばコルクによって形成さ ている。また、複数(たとえば16枚)の人工羽 根3は、ベース本体2の平坦な表面に、円環状 接続されている。図1および図2からもわか ように、複数の人工羽根3は、ベース本体2か ら離れるに従って、互いの間の間隔が大きく なる(複数の人工羽根3によって形成される筒 部の内径がベース本体2から離れるに従って 大きくなる)ように配置されている。また、 数の人工羽根3は、その羽軸部8(図11参照)が 綿の糸のようなかがり糸によって互いに固 されている。融着固定部41は、平面形状が楕 円形状であって、積層した羽本体部5をウェ ダなどを用いて部分的に溶融および再凝固 せることによって形成されている。つまり 融着固定部41では、羽本体部5を構成する材 が部分的に溶融凝固することにより互いに 着した状態になっている。なお、融着固定 41の平面形状は、後述するように任意の形状 とすることができる。

 このようにすれば、人工羽根3の積層状態 が入替わったり、人工羽根3が変形したりす ことに起因してシャトルコック1の飛翔性能 劣化することを抑制できる。また、図8およ び図2に示したシャトルコック1では、その製 工程において予め接着剤などを羽本体部5の 表面に配置するといった工程を実施する必要 がないので、製造工程をより簡略化すること ができる。

 図3は、図1および図2に示した本発明によ シャトルコックの実施の形態1の変形例を示 す部分断面模式図である。図3を参照して、 発明によるシャトルコックの実施の形態1の 形例を説明する。

 図3に示したシャトルコック1は、基本的 は図1および図2に示したシャトルコック1と 様の構造を備えるが、融着固定部41の構造お よび製造方法が異なっている。すなわち、図 3に示したシャトルコック1では、融着固定部4 1において積層した羽本体部5の間に補強部材4 3が配置された状態になっている。この補強 材43は、たとえばポリプロピレンなどの樹脂 片を羽本体部5の積層部に配置し、羽本体部5 ともに加熱および再凝固させることにより 成され、融着固定部41を補強するものであ 。たとえば、補強部材43としてポリプロピレ ン製の樹脂シートであって縦横が4mmの四角形 状であり厚みが200μmのものなどを用いること ができる。このような補強部材43を配置する とで、融着固定部41の強度を向上させるこ ができる。この結果、シャトルコック1の耐 性を向上させることができる。

 上述した補強部材43としては、任意の樹 を用いることができるが、たとえばポリプ ピレン(PP)製のフィルムなどを用いることが きる。このようなフィルムを予め積層した 本体部5の間に挟み込んでおき、ウェルダな どを用いて当該部分を加熱することにより、 羽本体部5および補強部材43としてのポリプロ ピレンフィルムを融着させることができる。

 このような補強部材43としては、羽本体 5を構成する材料とは異なる材料であって、 該羽本体部5を構成する材料よりも融点の低 い材料を用いることが好ましい。このように すれば、融着固定部41に加える熱量を比較的 さくした状態で融着固定部41を形成するこ ができる。この場合には、羽本体部5を構成 る材料自体は完全には溶融することなく、 強部材43が溶融および再凝固することによ て融着固定部41が形成されることになる。

 このような融着固定部41の形成方法とし は、たとえば以下のような方法を用いるこ ができる。すなわち、補強部材43として、所 定の大きさのフィルム(たとえば4mm×4mm程度の 大きさの四角形状のフィルム)を準備し、当 フィルムを羽本体部5の所定の位置に仮留め る。この仮留めには、たとえばごく少量の 着剤、粘着剤などを用いることができる。 して、ハンドタイプの超音波ウェルダ装置 どを用いて、羽本体部5、補強部材43および の羽本体部5と3層構造になった積層部を押 し加熱する。このようにして、融着固定部41 を形成することができる。

 なお、このような補強部材43の質量は、 とえば上述したポリプロピレンフィルムを いた場合であれば、およそ0.04gと極めて軽量 である。したがって、シャトルコックの質量 バランスには当該補強部材43はほとんど影響 与えない。

 図4は、図1および図2に示した本発明によ シャトルコックの実施の形態1の他の変形例 を示す側面模式図である。図5は、図4に示し シャトルコックの上面模式図である。図4お よび図5を参照して、本発明によるシャトル ックの実施の形態1の他の変形例を説明する

 図4および図5に示したシャトルコック1は 基本的には図1および図2に示したシャトル ック1と同様の構造を備えるが、融着固定部4 1に加えて人工羽根3の羽部が内側へ屈曲する( カールする)ことを防止するための内糸17が配 置されている。

 内糸17は、人工羽根3の軸の周囲を周回す 。そして、内糸17は、円環状に並んだ複数 人工羽根3の内周側から隣接する他の人工羽 3の軸にまで到達し、当該軸の周囲を順次周 回していくように配置されている。このよう にすれば、図4および図5からもわかるように 内糸17は円環状に並んだ人工羽根3の内周側 沿って配置される。このため、シャトルコ ク1の使用時に、人工羽根3の羽本体部が内 側(内糸17が位置する側)に屈曲することを抑 できる。この結果、シャトルコック1の空気 抵抗などの特性が大きく変わるといった問題 の発生をより確実に抑制できる。

 図6~図10は、図1および図2に示した本発明 よるシャトルコックの実施の形態1における 融着固定部の変形例を説明するための模式図 である。以下、本発明によるシャトルコック 1の融着固定部41の変形例について説明する。

 図6に示したシャトルコックの融着固定部 41は、平面形状が四角形状となっている。当 融着固定部41では角部が丸くなっている。 た、人工羽根3における融着固定部41は、軸7 沿った方向で長さがL0である羽本体部5の、 7に沿った方向での中央部からベース本体2( 示せず)側の領域に配置される。融着固定部 41が配置される領域の軸7に沿った方向の長さ L1は、上記長さL0の40%以上65%以下、より好ま くは40%以上50%以下とすることが好ましい。 た、融着固定部41の少なくとも一部は、人工 羽根3の軸7に垂直な方向である幅方向におい 、軸7と羽本体部5の端部(図6の羽本体部5に いて軸7と対向する外周部のうちもっとも軸7 から離れた部分)との間の中間点より軸7寄り 領域に形成される。すなわち、図6に示した 軸7の中心軸22と、羽本体部5において幅方向 て軸7から最も離れた端部を通り、当該中心 22に平行な線分23とを考える。そして、この 中心軸22と線分23との間の中間点を通り、中 軸22に平行な線分24を規定すると、融着固定 41の少なくとも一部は羽本体部5において線 24と軸7とで囲まれる領域に位置することが ましい。

 図7に示したシャトルコックの融着固定部 41は、平面形状が長方形状(あるいは線状)と っている。融着固定部41は軸7に沿った方向 延在している。このような形状とすれば、 7に沿った方向における広い範囲について羽 体部5の重なり状態を維持することができる 。

 図8に示したシャトルコックの融着固定部 41は、平面形状が三角形状となっている。融 固定部41の外周の1つの辺は軸7に沿った方向 に延在し、また、融着固定部41の当該軸7に沿 った方向に延在する辺に対向する角部は、当 該辺の中央部よりベース本体2(図示せず)側に 寄った位置に配置されている。このような形 状とすることで融着固定部41に加えられる負 の分散を図る、といった効果を得ることが きる。

 図9に示したシャトルコックの融着固定部 41は、複数のドット状の固定部から構成され いる。個々の固定部の平面形状は、円形状 あるが、他の任意の形状としてもよい。ま 、固定部の配置された領域は軸7に沿った方 向に延びる長方形状あるいは楕円形状の領域 としてもよい。このようにすれば、実際に融 着されている部分の面積(ドット状の固定部 合計面積)を小さくした状態で、広い領域(ド ット状の固定部が分布している領域)につい 羽本体部5の重なり状態を維持することがで る。

 図10に示したシャトルコックの融着固定 41は、2つの四角形状の固定部から構成され いる。個々の固定部の平面形状は、四角形 であるが、他の任意の形状(たとえば円、楕 、多角形、など)としてもよい。また、個々 の固定部のサイズは同じにせず、サイズに差 のある固定部を2つ、あるいは3つ以上と複数 置してもよい。このような形状とすること 、たとえば個々の固定部のうちの1つが外れ ても他の固定部が機能し、シャトルコックの 形状を維持することができる。また、シャト ルコックの質量の増加を抑制しつつ、羽本体 部5の広い範囲に融着固定部41を配置すること もできる。

 なお、上述した融着固定部41の形状は例 であり、融着固定部41の形状は他の任意の形 状とすることができる。また、図6で説明し 融着固定部41の配置される領域の条件は図7~ 10に示した融着固定部41についても適用可能 である。

 次に、図1および図2に示したシャトルコ ク1を構成する人工羽根3の構成について説明 する。図11は、図1および図2に示したシャト コックを構成する、シャトルコック用人工 根の構成を示す平面模式図である。図12は、 図11の線分XII-XIIにおける断面模式図である。 図13は、図11の線分XIII-XIIIにおける断面模式 である。図14は、図11の線分XIV-XIVにおける断 面模式図である。図15は、図11の線分XV-XVにお ける断面模式図である。

 図11~図15を参照して、図1および図2に示し たシャトルコック1を構成する人工羽根3は、 本体部5と、当該羽本体部5に接続された軸7 からなる。軸7は、羽本体部5から突出する うに配置される羽軸部8と、羽本体部5のほぼ 中央部において羽本体部5と接続された固着 部10とからなる。羽軸部8と固着軸部10とは同 一線上に延びるように配置され、1つの連続 た軸7を構成している。

 羽本体部5には、羽軸部8の内部に埋設さ た状態で保持される突出部12が接続されてい る。羽本体部5と突出部12とは、1つのシート 部材9を構成する。

 軸7は、図12に示すように根元(図12の右側 部、あるいは羽軸部8において固着軸部10と 続される側と反対側の端部)から先端部(図12 の左側端部、あるいは固着軸部10において羽 部8と接続される側と反対側の端部)に向か につれて、徐々にその径が小さくなる。ま 、図13~図15に示すように、軸7の延在方向に して交差する方向(直交する方向)における断 面形状は四角形状、より具体的には菱形状で ある。なお、軸7の断面形状は、上述のよう 四角形状に限らず、任意の形状を採用する とができる。たとえば、軸7の断面形状とし 、シート状部材9の延在方向に交差する方向 (図13における縦方向)の長さが、当該シート 部材の延在方向(図13における横方向)におけ 長さより長くなっているような楕円形状な を採用することもできる。

 また、軸7について、図12、図13に示され ように、軸7の根元側ではシート状部材9が軸 7の内部に埋設された状態(シート状部材9が軸 7の内部において円弧状の断面形状となるよ に埋設された状態)である。しかし、軸7の先 端部側に向かうにつれて、図14および図15に すように、シート状部材9が軸7の表面に露出 した状態になっている(シート状部材9が軸7の 表面に接触、固定された状態になっている)

 なお、軸7におけるシート状部材9の配置 、図11~図15に示すように、軸7の根元側にお てシート状部材9が軸7の内部に埋設され、軸 7の中央部および先端部側で軸7の表面にシー 状部材9が露出した状態になっている場合に 限られず、他の形態になっていてもよい。た とえば、軸7の根元側および中央部において ート状部材9が軸7の内部に埋設される一方、 軸7の先端部側でシート状部材9が軸7の表面に 露出している状態になっていてもよい。ある いは、軸7の根元側、中央部および先端部側 すべての部分において、シート状部材9が軸7 の内部に埋設された状態になっていてもよい 。

 次に、図1、図2、図11~図15に示したシャト ルコック1およびシャトルコック用の人工羽 3の製造方法を簡単に説明する。まず、図11 示したような、本発明に従ったシャトルコ ク用の人工羽根3の製造方法を説明する。

 この人工羽根3の製造方法では、まず不織 布準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)で 備される不織布は、任意の形状のシート状 材を用いることができるが、たとえば四隅 丸く成形された概略四角形状の平面形状を する不織布を準備してもよい。当該不織布 厚さは、形成される人工羽根3の空気抵抗や 量バランスなどを考慮して適宜選択するこ ができる。また、不織布としては、ポリエ テル繊維、アクリル繊維などの化学繊維か なる不織布を用いることができる。たとえ 、不織布として目付けが10g/m2以上90g/m2以下 ものを用いることができる。また、たとえ 不織布としてポリエステル繊維製であり、 付けが30g/m2以上80g/m2以下、厚さが0.07mm以上0 .13mm以下、といったものを用いることもでき 。また、ポリエステル繊維製の不織布とし 、好ましくは目付けが40g/m2以上60g/m2以下、 さが0.08mm以上0.12mm以下、より好ましくは目 けが40g/m2以上50g/m2以下、厚さが0.09mm以上0.11 mm以下といったものを用いてもよい。

 また、不織布に代えて、絹織物、綿など 天然繊維、セルロース繊維(いわゆる紙)、 たそれらに樹脂などをコーティングしたも を用いてもよい。さらに、不織布に代えて ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹 フィルム、PETフィルムなどの樹脂フィルム( 厚が50μm以上100μm以下)などを用いることも きる。さらに、不織布として、上述したよ な任意の不織布の表面に、被覆層を形成し ものを用いてもよい。被覆層の形成方法と ては、たとえば樹脂フィルムを不織布にラ ネートする(共押出成形する)といった方法 用いることができる。また、樹脂フィルム どの被覆層は、不織布の片面に形成しても いし、両面に形成してもよい。また、被覆 を片面または両方の面の特定の部分のみに 成するようにしてもよい。

 次に、金型の内部に不織布を配置する工 (S20)を実施する。この工程(S20)では、軸7を とえば射出成形法などを用いて形成するた の金型の内部に、上述した工程(S10)で準備さ れた不織布を配置する。

 次に、金型セット工程(S30)を実施する。 体的には、内部に不織布が配置された金型 、当該内部に軸7を構成する樹脂を注入可能 状態に配置するとともに、金型の温度条件 どを調整する。

 次に、樹脂注入工程(S40)を実施する。具 的には、金型に設けられた樹脂の注入孔か 、金型内部に樹脂を注入する。この結果、 型内部において不織布からなるシート状部 9と接触固定した状態で軸7が形成される。

 次に、後処理工程(S50)を実施する。具体 には、金型の内部から軸7が接続、固定固着 れたシート状部材9を取出す。このとき、軸 7の断面は、図13~図15に示したような状態にな っている。すなわち、軸7はそのほぼ全長に ってシート状部材9と接続されている。そし 、軸7においては、上述のように軸7の根元 では軸7の内部にシート状部材9が埋設された 状態になっている。一方、軸7の先端側に向 うにつれて、シート状部材9は軸7の表面に露 出した状態になる。特に、軸7の先端側では 軸7の表面にシート状部材9が固着した状態に なっている。このような構成は、金型の内部 の軸7を形成するための溝の形状や、シート 部材9となる不織布の配置などにより実現す ことができる。次に、上述した後処理工程( S50)では、上記不織布の不要部(羽本体部5とな るべき部分以外の部分)を切断除去する。こ 結果、図11に示した人工羽根3を得ることが きる。

 次に、図1に示したシャトルコック1の製 方法を説明する。図1に示したシャトルコッ 1の製造方法では、まず準備工程(S100)を実施 する。この準備工程(S100)では、シャトルコッ ク1のベース本体2および人工羽根3など、シャ トルコック1構成部材を準備する。ベース本 2の製造方法は、従来公知の任意の方法を用 ることができる。また、人工羽根3の製造方 法としては、上述した製造方法を用いること ができる。

 次に、組立工程(S200)を実施する。当該組 工程(S200)では、ベース本体2の平坦な表面部 に上述した人工羽根3を複数枚接続する。人 羽根3は図1および図2に示すように円環状に 置される。そして、当該複数の人工羽根3の 軸部8を互いに木綿などからなるかがり糸に より固定する。

 そして、上述した組立工程(S200)において 、さらに人工羽根3の積層状態を維持するた め、人工羽根3の羽本体部5において重なった 域について、ウェルダなどを用いて融着固 部41を形成する。このようにして、図1およ 図2に示すシャトルコック1を製造すること できる。

 (実施の形態2)
 図16は、本発明によるシャトルコックの実 の形態2を示す側面模式図である。図17は、 16に示したシャトルコックの接着部材によっ て固定された接着固定部を示す部分断面模式 図である。図16および図17を参照して、本発 によるシャトルコックの実施の形態2を説明 る。

 図16および図17に示すように、シャトルコ ック1は基本的には図1および図2に示したシャ トルコック1と同様の構造を備えるが、人工 根3の積層状態を維持するための機構として 着固定部41ではなく接着固定部31を形成して いる点が異なる。すなわち、図16に示すよう 、円環状に配置された人工羽根3の羽本体部 5の積層した部分において、羽本体部5の中央 よりもベース本体2に近い側において、積層 した羽本体部5の間に接着部材33を配置した接 着固定部31が形成されている。この接着固定 31では、図17に示すように接着部材33を介し 積層された羽本体部5が接着固定されている 。このようにしても、図1および図2に示した ャトルコック1と同様の効果を得ることがで きる。

 なお、上述した接着固定部31の平面形状 、実施の形態1における融着固定部41と同様 任意の形状(たとえば図6~図10に示したような 形状)とすることができる。また、図16および 図17に示したシャトルコック1の製造方法は、 基本的には図1および図2に示したシャトルコ クの製造方法と同様であるが、上述した組 工程(S200)において融着固定部41を形成する わりに人工羽根3の所定の位置に接着部材33 配置し、人工羽根3同士を当該接着部材33に って接着固定することにより接着固定部31を 形成する。このようにすれば、図16および図1 7に示したシャトルコックを得ることができ 。

 (実施の形態3)
 図18は、本発明に従ったシャトルコックの 施の形態3を示す側面模式図である。図19は 図18に示したシャトルコックの上面模式図で ある。図20は、図18に示したシャトルコック 中糸が配置された部分の構成を示す部分断 模式図である。図21は、図18に示したシャト コックの内糸が配置された部分の構成を示 部分断面模式図である。図18~図21を参照し 、本発明に従ったシャトルコックの実施の 態3を説明する。

 図18~図21に示したシャトルコック1は、基 的には図15に示したシャトルコック1と同様 構造を備えるが、人工羽根3の羽本体部5に ける積層部(重なり部分)を固定するための固 定方法が異なっている。すなわち、複数の人 工羽根3の積層状態を維持するため中糸15およ び内糸17が用いられている。この中糸15およ 内糸17は、後述するように複数の人工羽根3 位置関係を規定するように配置されている 以下、中糸15および内糸17の配置を図20およ 図21を参照して具体的に説明する。

 図20に示すように、中糸15は、人工羽根3 軸7の周囲を周回するとともに、隣接する人 羽根3において積層した状態になっている羽 本体部5の部分で、隣接する人工羽根3の羽本 部5が互いに対向する領域を通るように(積 した羽本体部5の間を通るように)配置されて いる。このように羽本体部5が積層した部分 、積層した羽本体部5の間を中糸15が通って るため、羽本体部5の積層順がシャトルコッ の使用中に入替わる(たとえばラケットによ る打撃の衝撃によって羽本体部5の積層順番 入替わる)といった問題の発生を抑制するこ ができる。

 また、図21に示すように、内糸17は、図20 示した中糸15と同様に人工羽根3の軸7の周囲 を周回する。そして、内糸17は、円環状に並 だ複数の人工羽根3の内周側から隣接する他 の人工羽根3の軸7にまで到達し、当該軸7の周 囲を順次周回していくように配置されている 。このようにすれば、図19および図21からも かるように、内糸17は円環状に並んだ人工羽 根3の内周側に沿って配置される。このため シャトルコック1の使用時に、人工羽根3の羽 本体部5が内周側(内糸17が位置する側)に屈曲 ることを抑制できる。この結果、シャトル ック1の空気抵抗などの特性が大きく変わる といった問題の発生を抑制できる。

 上述した中糸15および内糸17は、図18およ 図19に示すように円環状に並んだ複数の人 羽根3の全てを互いに固定するように、円周 に配置されている。そして、これらの中糸1 5および内糸17は、たとえば作業者が針などを 用いて縫製することにより図18~図21に示すよ な配置とすることができる。円周状に配置 れた中糸15および内糸17は、その縫い始めの 一方端部と縫い終わりの他方端部とが結ばれ て、余った糸の部分は結び目近傍でカットさ れ除去される。当該結び目には接着剤などを 塗布することにより、保護層を形成すること が好ましい。このような保護層を形成するこ とにより、シャトルコック1がラケットによ 打撃されたときに、当該結び目が解けるこ を防止できる。

 また、中糸15および内糸17は綿や樹脂など 任意の材料を用いることができるが、ポリエ ステル製の糸を用いることが好ましい。また 、中糸15および内糸17はシャトルコック1の重 などに影響を極力与えないために、できる け軽量なものを用いることが好ましい。た えば、用いる糸としては50番のポリエステ 製の糸を用いてもよい。この場合、中糸15と して使用した糸の質量は約0.02gとなる。この 度の質量であれば、シャトルコック1の重心 位置に若干の影響があるものの、飛翔性能に はほとんど影響がないと考えられる。

 また、中糸15および内糸17の配置は、図18 よび図19に示したようにベース本体2からの 離が異なる位置に配置してもよいが、ベー 本体2からの距離が実質的に同じ位置にこれ らの中糸15および内糸17を配置してもよい。 だし、人工羽根3の積層順を固定するととも 強度部材としても中糸15および内糸17を利用 する場合には、中糸15および内糸17のベース 体2からの距離は異なっているほうが好まし 。また、人工羽根3の羽本体部5が内側へ屈 する(カールする)ことを防止することを考え ると、中糸15より内糸17をベース本体2から離 た位置に配置することがより効果的である

 図18~図21に示したシャトルコック1の製造 法は、基本的には図1および図2に示したシ トルコックの製造方法と同様であるが、上 した組立工程(S200)において融着固定部41を形 成するかわりに中糸15および内糸17を配置す 工程を実施する。中糸15および内糸17は、た えば作業者の縫製作業により配置してもよ 。なお、内糸17や中糸15などとしては、任意 の材料を用いることができるが、たとえば上 述したように綿やポリエステルなどの樹脂を 材料として用いることができる。このように して、図18および図19に示すシャトルコック1 製造することができる。

 図22は、図18および図19に示した本発明に るシャトルコックの実施の形態3の変形例を 示す側面模式図である。図23は、図22に示し シャトルコックの外糸が設置された部分の 成を示す部分断面模式図である。図22および 図23を参照して、本発明によるシャトルコッ 1の実施の形態3の変形例を説明する。

 図22および図23に示したシャトルコック1 、基本的には図18および図19に示したシャト コック1と同様の構造を備えるが、中糸15、 糸17に加えて、さらに外糸19が人工羽根3の 層状態および形状を保持するために設置さ ている点が異なる。すなわち、外糸19は、図 23からもわかるように人工羽根3の軸7の周り 周回するとともに、図22などに示すように人 工羽根3の外周側を通って隣接する人工羽根3 軸7の周囲を再び周回するように配置されて いる。このようにすれば、人工羽根3の羽本 部5が外周側に屈曲するといった問題の発生 抑制することができる。

 この外糸19は、上述した中糸15などの同じ 材料や太さの糸を用いることができる。また 、外糸19の設置方法も、上述した中糸15など 同様に作業者による縫製作業などによるも である。

 (実施の形態4)
 図24は、本発明によるシャトルコックの実 の形態4を示す側面模式図である。図24を参 して、本発明によるシャトルコックの実施 形態4を説明する。

 図24に示すシャトルコック1は、基本的に 図1および図2に示したシャトルコック1と同 の構造を備えるが、人工羽根3の積層状態を 維持するための部材の構成が異なる。すなわ ち、図1および図2に示したシャトルコック1に おいては、人工羽根3の羽本体部5の積層状態 形状を維持するために融着固定部41が形成 れていたが、図24に示すシャトルコック1で 、羽本体部5のベース本体2側の位置において 複数の人工羽根3が固定用糸21によって円周状 に縫い合わされた状態になっている。このよ うな固定用糸21により複数の人工羽根3を互い に縫い合わせることにより、当該人工羽根3 積層状態を容易に維持することができる。 の結果、図1および図2に示したシャトルコッ ク1と同様の効果を得ることができる。

 図25は、図24に示したシャトルコックの実 施の形態4の変形例を示す側面模式図である 図26は、図25に示したシャトルコックの固定 糸が配置された部分の構成を示す部分断面 式図である。図25および図26を参照して、本 発明によるシャトルコックの実施の形態4の 形例を説明する。

 図25および図26を参照して、本発明のシャ トルコックの実施の形態4の変形例は、基本 には図24に示したシャトルコック1と同様の 造を備えるが、固定用糸21の配置が異なって いる。すなわち、図25および図26に示したシ トルコック1では、隣接する人工羽根3につい て積層した状態になっている羽本体部5の部 において、軸7の延在方向に沿った方向に延 るように、固定用糸21が積層された2つの羽 体部5を縫い合わせている。この固定用糸21 縫い付けられた領域は、軸7の延在方向にほ ぼ沿うように延びている。このようにしても 、シャトルコック1において人工羽根3の羽本 部5の積層状態を維持することができる。

 (実施の形態5)
 図27は、本発明によるシャトルコックの実 の形態5を示す上面模式図である。図28は、 27に示したシャトルコックを構成する、シャ トルコック用人工羽根の構成を示す平面模式 図である。図27および図28を参照して、本発 によるシャトルコックの実施の形態5を説明 る。

 図27および図28を参照して、シャトルコッ ク1は基本的には図1および図2に示したシャト ルコックと同様の構造を備えるが、人工羽根 3の形状および隣接する人工羽根3同士の融着 定部41の配置が図1および図2に示したシャト ルコックと異なる。すなわち、図28に示すよ に、本実施の形態におけるシャトルコック1 を構成する人工羽根3は、基本的には図11に示 した人工羽根3と同様の構成を備えるが、羽 体部5の形状が異なる。具体的には、図28に すように、図27に示したシャトルコック1を 成する人工羽根3では、羽本体部5において外 周側に突出する延在部50が形成されている。 在部50は軸7から離れる方向(具体的には軸7 交差する方向、より具体的には軸7と直交す 方向)に延在する。図27に示したシャトルコ ク1では、人工羽根3の当該延在部50が、隣接 する他の人工羽根3の内周側において、当該 の人工羽根3の軸7を越える位置にまで延在し ている。そして、当該軸7を越えた位置で、 在部50と他の人工羽根3の羽本体部5とは融着 定部41により接続固定されている。なお、 着固定部41においては、図3に示すように補 部材43を延在部50と他の人工羽根3の羽本体部 5との間に配置してもよい。また、融着固定 41の平面形状は、たとえば図8~図10に示すよ な任意の形状としてもよい。

 また、融着固定部41の配置については、 なくとも一部が、人工羽根3の軸7(図28参照) 垂直な方向である幅方向において、軸7と羽 体部5(図28参照)の端部(図27の羽本体部にお て軸7と対向する外周部のうちもっとも軸7か ら離れた部分)との間の中間点より軸7寄りの 域に形成される。すなわち、図27に示した 7の中心軸22と、羽本体部において幅方向に 軸7から最も離れた端部を通り、当該中心軸2 2に平行な線分23とを考える。そして、この中 心軸22と線分23との間の中間点を通り、中心 22に平行な線分24を規定すると、融着固定部4 1の少なくとも一部は羽本体部5において線分2 4と軸7とで囲まれる領域に位置することが好 しい。なお、上述した羽本体部において軸7 と対向する外周部とは、羽本体部5において 在部50を含まない領域の外周部を意味する。

 このような構成としても、図1に示したシ ャトルコック1と同様に、人工羽根3の羽本体 5の積層状態を維持することができる。さら に、融着固定部41が隣接する他の人工羽根3の 軸7を越えた位置に配置されているため、図1 示したように融着固定分41が他の人工羽根3 軸7より手前側に配置されている場合より、 人工羽根3の形状の自由度や融着固定部41の配 置の自由度が大きくなる。このため、図27に した構成とすれば、羽本体部5の中央から先 端側(ベース本体2から離れる方向の端部側)に おいても人工羽根3の捻り角を所定の大きさ 維持することができる。また、融着固定部41 が羽本体部5の外周から突出した延在部50に形 成されているので、隣接する人工羽根3につ て、軸7の延在方向から見た羽本体部5同士の なす角度(捻り角)を十分大きくすることがで る。つまり、天然シャトルコックの形状に い形状を実現できる。

 なお、延在部50の形状は、図28に示したよ うな形状に限られず、他の任意の形状とする ことができる。たとえば、融着固定部41のサ ズを十分に大きくするため、延在部50の先 部(軸7から離れる方向の端部)の幅が、延在 50における他の部分の幅より大きくなってい てもよい。また、羽本体部5において軸7から て一方側の部分が他方側の部分より全体と て大きくなっている(軸7に交差する方向に ける一方側の部分の幅が、他方側の部分の より大きくなっている)構成として、一方側 部分のうち隣接する他の人工羽根3の軸7を えた位置にまで延びている部分を延在部50と してもよい。また、融着固定部41を図1に示す シャトルコック1と同様に軸7を越えない位置 配置してもよい。

 図29は、図27に示した本発明によるシャト ルコックの実施の形態5の変形例を示す上面 式図である。図29を参照して、本発明による シャトルコック1の実施の形態5の変形例を説 する。

 図29に示したシャトルコック1は、基本的 は図27に示したシャトルコック1と同様の構 を備えるが、内糸17が設置されている点が なる。内糸17は、図4および図5に示したシャ ルコック1に設置された内糸17と同様の配置 することができる。このようにすれば、図2 7に示したシャトルコック1による効果に加え 、人工羽根3の羽本体部が内周側(内糸17が位 置する側)に屈曲することを抑制できる。こ 結果、シャトルコック1の空気抵抗などの特 が大きく変わるといった問題の発生をより 実に抑制できる。なお、図29では図27に示し たシャトルコック1に内糸17を適用した例を示 したが、図27に示したシャトルコック1に、図 18などに示した中糸15や図22に示した外糸19な を設置してもよい。また、これら中糸15、 糸17、外糸19は任意の組合せで図27に示した ャトルコック1に適用してもよい。

 また、図27および図29に示したシャトルコ ック1では、延在部50と他の人工羽根3の羽本 部5との固定部として融着固定部41を形成し が、当該固定部として図17に示すような接着 部材33を用いた接着固定部31を形成してもよ 。

 上述した実施の形態と一部重複する部分 あるが、本願発明の特徴的な構成を以下に 挙する。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コック1は、半球状のベース本体2と、複数 人工羽根3とを備える。複数の人工羽根3は、 羽部および当該羽部に接続された軸7を含む また、複数の人工羽根3は、環状に配置され とともに部分的に重なるように、ベース本 2に固定される。人工羽根3の羽部における いに重なった部分の少なくとも一部を溶融 せた後凝固させることにより、羽部の重な た部分を固定する融着部としての融着固定 41が形成されている。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸7の 性や強度が低い人工羽根3を用いる場合であ っても、融着部として作用する融着固定部41 形成することにより、当該人工羽根3の積層 状態や形状を当初のまま維持できる。このた め、人工羽根3の積層状態が入替わったり、 工羽根3が変形したりすることに起因してシ トルコック1の飛翔性能が劣化することを抑 制できる。

 また、融着固定部41は、複数の人工羽根3 積層状態を維持するため、隣接する人工羽 3を互いに固定するので、強度部材としても 作用する。このため、シャトルコック1の強 が向上し、結果的にシャトルコック1の耐久 を向上させることができる。

 また、人工羽根3の積層された部分の少な くとも一部を溶融・再凝固させることで、接 着剤などの事前配置などを行なうことなく融 着固定部41を形成できる。このため、シャト コック1の製造工程を簡略化できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、融着固定部41の少なくとも一部は、図6 や図27に示すように、羽部の軸7に垂直な方向 である幅方向において軸7と羽部の端部との の中間点より軸7寄りの領域に形成されてい もよい。具体的には、図6などに示すように 羽本体部5に図26に示すような延在部50が形成 れていない場合、融着固定部41の少なくと 一部は羽本体部5において図6に示す線分24と 7とで囲まれる領域に形成されることが好ま しい。また、図27に示すように羽本体部5に延 在部50が形成されている場合には、延在部50 形成される融着固定部41の少なくとも一部は 羽本体部5において図27に示す線分24と軸7とで 囲まれる領域に位置することが好ましい。ま た、融着固定部41は当該軸7と線分24とで囲ま る領域の内部に形成されることがより好ま い。この場合、人工羽根3において融着固定 部41より外側の羽部の部分が十分な広さを有 ることになり、人工羽根3の捻り角を維持す ることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、融着固定部41は、隣接する羽本体部5に おける互いに重なった部分にて羽本体部5の に位置するとともに羽本体部5と固着してい 補強部材43を含んでいてもよい。この場合 人工羽根3の積層された部分の厚みが薄くて 、補強部材43を配置することで融着固定部41 の強度を十分高めることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、補強部材43は溶融した後凝固すること より前記羽本体部5と固着していてもよい。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、融着固定部41の平面形状は多角形状、 形状、長円形状、楕円形状からなる群から 択される1つであってもよい。また、バドミ ントン用シャトルコック1では、融着固定部41 の平面形状は四角形状、台形状、三角形状、 五角形以上の多角形状、その他任意の形状で あってもよい。また、平面形状が多角形状の 融着固定部41において、角部は曲面状になっ いてもよい。また、長円形状とは、矩形の 向する2つの辺にそれぞれ半円を接続したよ うな形状(陸上競技のトラックのような形状) 意味し、上記矩形が屈曲しているような形 も含む。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、融着固定部41は、複数の融着部部分か なっていてもよい。また、上記バドミント 用シャトルコック1では、融着固定部41が複 のドット状の融着部部分からなっていても い。

 上記バドミントン用シャトルコック1は、 複数の人工羽根3における羽本体部5の相対的 移動または変形を規制する紐状体(中糸15、 糸17、および外糸19)をさらに含んでいても い。この場合、紐状体(中糸15、内糸17、およ び外糸19)により人工羽根3の相対的な移動ま は変形を規制することにより、複数の人工 根3の積層状態を確実に維持することができ 。また、紐状体として極めて細い糸(たとえ ば綿の糸やポリエステルなどの樹脂製の糸) どを利用することができるので、質量や占 体積の小さな紐状体を用いることができる このため、当該紐状体を配置することによ シャトルコック1の重心位置やバランスなど 変化を極力小さくすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、紐状体は、複数の人工羽根3のそれぞ の軸7(好ましくは固着軸部10)の周囲を周回す るとともに、環状に配置された複数の人工羽 根3の羽本体部5の内周側に配置されている他 紐部材としての内糸17を含む。この場合、 数の人工羽根3の内周側に沿って内糸17が配 されることになるので、シャトルコック1を 用している間に人工羽根3の羽本体部5が内 側に折れ曲がることを当該内糸17により抑制 することができる。このため、シャトルコッ ク1の飛翔性能が羽部の折れ曲がりに起因し 変化することを防止できる。この結果、人 羽根3を用いたシャトルコック1の飛翔性能を 安定させるとともに、耐久性を向上させるこ とができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、人工羽根3の羽部(具体的には羽部を構 する羽本体部5)は、図27~図29に示すように、 羽部の外周部から外側に突出するとともに、 環状に配置された他の人工羽根3の羽部(具体 には他の人工羽根3の羽本体部5)と重なる位 にまで延在する延在部50を含んでいてもよ 。融着固定部41は、延在部50に形成されてい もよい。この場合、人工羽根3の積層状態や 形状を当初のまま維持できるとともに、人工 羽根3の変形の自由度を大きくすることがで る。そのため、耐久性を確保しつつ、天然 ャトルコックにおける羽根の捻り角に近い り角を実現できるので、飛翔特性を天然シ トルコックに近づけることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、図27または図29に示すように、延在部50 は、羽部の外周部から他の人工羽根の軸7を えた位置にまで延在してもよい。融着固定 41は、延在部50において他の人工羽根3の軸7 越えた位置に形成されていてもよい。

 また、上記バドミントン用シャトルコッ 1において、人工羽根3の羽部は、環状に配 された他の人工羽根の軸7を越えた位置にま 延在する延在部50を含んでいてもよい。融 固定部41は、延在部50において他の人工羽根3 の軸7を越えた位置に形成されていてもよい この場合、隣接する人工羽根3の捻り角を、 然シャトルコックにおける捻り角と同程度 十分大きくすることができる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コック1は、半球状のベース本体2と、複数 人工羽根3とを備える。複数の人工羽根3は、 羽部および当該羽部に接続された軸7を含ん いる。複数の人工羽根3は、環状に配置され とともに隣接する羽部が部分的に重なるよ に、ベース本体2に固定される。人工羽根3 羽部における互いに重なった部分の少なく も一部を接着層(接着部材33)により接続した 着部としての接着固定部31が形成されてい 。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸7の 性や強度が低い人工羽根3を用いる場合であ っても、接着固定部31を形成することにより 当該人工羽根3の積層状態や形状を当初のま ま維持できる。このため、人工羽根3の積層 態が入替わったり、人工羽根3が変形したり ることに起因してシャトルコック1の飛翔性 能が劣化することを抑制できる。

 また、接着固定部31は、複数の人工羽根3 積層状態を維持するため、隣接する人工羽 3を互いに固定するので、強度部材としても 作用する。このため、シャトルコック1の強 が向上し、結果的にシャトルコック1の耐久 を向上させることができる。

 また、接着部材33を所定の位置に配置し 、複数の人工羽根3の一部が重なるように配 することで、簡単に人工羽根3の積層状態を 維持するための接着固定部31を形成すること できる。このため、シャトルコック1の製造 工程を簡略化できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、接着固定部31の少なくとも一部は、羽 の軸7に垂直な方向である幅方向において軸 7と羽部の端部との間の中間点より軸7寄りの 域に形成されていてもよい。この場合、人 羽根3において接着固定部31より外側の羽部 部分が十分な広さを有することになり、人 羽根3の捻り角を維持することができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、人工羽根3の羽部(具体的には羽部を構 する羽本体部5)は、図27~図29に示すように、 羽部の外周部から外側に突出するとともに、 環状に配置された他の人工羽根3の羽部(具体 には他の人工羽根3の羽本体部5)と重なる位 にまで延在する延在部50を含んでいてもよ 。接着固定部31は、延在部50に形成されてい もよい。この場合、耐久性を確保しつつ、 然シャトルコックにおける羽根の捻り角に い捻り角を実現できるので、飛翔特性を天 シャトルコックに近づけることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、図27または図29に示すように、延在部50 は、羽部の外周部から他の人工羽根の軸7を えた位置にまで延在してもよい。接着固定 31は、延在部50において他の人工羽根3の軸7 越えた位置に形成されていてもよい。

 また、上記バドミントン用シャトルコッ 1において、人工羽根3の羽部は、環状に配 された他の人工羽根の軸7を越えた位置にま 延在する延在部50を含んでいてもよい。接 固定部31は、延在部50において他の人工羽根3 の軸7を越えた位置に形成されていてもよい この場合、隣接する人工羽根3の捻り角を、 然シャトルコックにおける捻り角と同程度 十分大きくすることができる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コックは、半球状のベース本体2と、複数の 人工羽根3と、紐状体(中糸15、内糸17、および 外糸19のうちの少なくともいずれか1つ)とを える。複数の人工羽根3は、羽部および当該 部に接続された軸7を含む。複数の人工羽根 3は、環状に配置されるとともに隣接する羽 が部分的に重なるように、ベース本体2に固 される。紐状体(中糸15、内糸17、および外 19)は、複数の人工羽根3における羽部の相対 な移動または変形を規制する。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸7の 性や強度が低い人工羽根3を用いる場合であ っても、紐状体としての中糸15や内糸17など 配置することにより、当該人工羽根3の積層 態や形状を当初のまま維持できる。たとえ 、中糸15が人工羽根3の積層された部分の間 配置されることで、人工羽根3の積層順番が 入替わることを防止できる。また、複数の人 工羽根3の内周側に沿って内糸17が配置される ことにより、シャトルコック1を使用してい 間に人工羽根3の羽部が内周側に折れ曲がる とを内糸17により抑制することができる。 のため、人工羽根3の積層状態が入替わった 、人工羽根3が変形したりすることに起因し てシャトルコック1の飛翔性能が劣化するこ を抑制できる。

 また、紐状体としての中糸15および内糸17 は、複数の人工羽根3の積層状態を維持する め、隣接する人工羽根3の軸7を互いに固定す るので、強度部材としても作用する。このた め、シャトルコック1の強度が向上し、結果 にシャトルコック1の耐久性を向上させるこ ができる。また、紐状体として極めて細い などを利用することができるので、中糸15 内糸17などを配置することによるシャトルコ ック1の重心位置やバランス、総質量などの 化を極力小さくすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、紐状体は、人工羽根3の羽部における いに重なった部分の少なくとも一部を縫着 ることにより縫着部(固定用糸21で固定され 部分)を構成してもよい。この場合、人工羽 3を互いに縫着する(固定用糸21で縫付ける) とにより、人工羽根3の積層順番や配置が変 ることを抑制できる。つまり、複数の人工 根3の積層状態を確実に維持することができ る。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、縫着部(固定用糸21で固定された部分) 少なくとも一部は、羽部の軸7に垂直な方向 ある幅方向において軸7と羽部の端部との間 の中間点より軸7寄りの領域に形成されてい もよい。この場合、人工羽根3において縫着 より外側の羽部の部分が十分な広さを有す ことになり、人工羽根3の捻り角を維持する ことができる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コック1は、半球状のベース本体としてのベ ース本体2と、複数の人工羽根3と、積層状態 定部(中糸15、内糸17、外糸19、固定用糸21、 着固定部31、融着固定部41)とを備える。複 の人工羽根3は、羽部および当該羽部に接続 れた軸7とを含む。また、複数の人工羽根3 、環状に配置されるとともに部分的に積層 れるように、ベース本体2に固定される。積 状態固定部(中糸15、内糸17、外糸19、固定用 糸21、接着固定部31、融着固定部41)は、人工 根3の積層状態を維持するためのものである

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸7の 性や強度が低い人工羽根3を用いる場合であ っても、積層状態固定部を形成することによ り当該人工羽根3の積層状態を当初のまま維 できるので、人工羽根3の積層状態が入替わ たりすることに起因してシャトルコック1の 飛翔性能が劣化することを抑制できる。また 、積層状態固定部は、複数の人工羽根3の積 状態を維持するため、隣接する人工羽根3の 置を相対的に固定することになるので、補 部材としても作用する。このため、シャト コック1の強度が向上し、結果的にシャトル コック1の耐久性を向上させることができる

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、積層状態固定部は、複数の人工羽根3 羽部の相対的な移動または変形を規制する 状体(中糸15および内糸17、あるいは外糸19)を 含む。この場合、紐状体(中糸15、内糸17、お び外糸19)により人工羽根3の相対的な移動ま たは変形を規制することにより、複数の人工 羽根3の積層状態を確実に維持することがで る。また、紐状体として極めて細い糸(たと ば綿の糸やポリエステルなどの樹脂製の糸) などを利用することができるので、質量や占 有体積の小さな紐状体を用いることができる 。このため、当該紐状体を配置することによ るシャトルコック1の重心位置やバランスな の変化を極力小さくすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、紐状体は、図20に示すように、複数の 工羽根3のそれぞれの軸7(好ましくは固着軸 10)の周囲を周回するとともに、人工羽根3の 羽部の互いに重なった部分(羽本体部5におい 隣接する他の人工羽根3と重なる部分)にお て対向する羽本体部5の間を通るように配置 れている紐部材としての中糸15を含む。こ 場合、中糸15が人工羽根3の積層された部分 間に配置されることで、人工羽根3の積層順 が入替わることを防止できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、紐状体は、図21に示すように、複数の 工羽根3のそれぞれの軸7(好ましくは固着軸 10)の周囲を周回するとともに、環状に配置 れた複数の人工羽根3の内周側に配置されて いる他の紐部材としての内糸17を含む。この 合、複数の人工羽根3の内周側(人工羽根3の 本体部5の内周側)に沿って内糸17が配置され ることになるので、シャトルコック1を使用 ている間に人工羽根3の羽部(羽本体部5)が内 側に折れ曲がることを当該内糸17により抑 することができる。このため、シャトルコ ク1の飛翔性能が羽部の折れ曲がりに起因し 変化することを防止できる。この結果、人 羽根3を用いたシャトルコック1の飛翔性能 安定させるとともに、耐久性を向上させる とができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、積層状態固定部は、図24~図26に示すよ に、人工羽根3の羽本体部5における互いに なった部分の少なくとも一部を縫着した縫 部(固定用糸21で固定された部分)を含んでい もよい。この場合、人工羽根3を互いに縫着 する(固定用糸21で縫付ける)ことにより、人 羽根3の積層順番や配置が変わることを抑制 きる。つまり、複数の人工羽根3の積層状態 を確実に維持することができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、図25に示すように、固定用糸21で固定 れた部分は人工羽根3の軸7に沿って延在する ように形成されていてもよい。この場合、積 層した人工羽根3を互いに固定する固定用糸21 が、軸7に沿って伸びるように配置されるこ から、軸7に沿って伸びる羽本体部5の広い範 囲について縫着部を形成することになる。こ のため、人工羽根3の積層順番や配置が変わ ことを抑制する効果をより確実に得ること できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、図24に示すように、縫着部(固定用糸21 固定された部分)は人工羽根3の軸7と交差す 方向に延びるように形成されていてもよい また、縫着部は、環状に配置された複数の 工羽根3のうちの少なくとも2枚以上、好ま くは全ての人工羽根3を連結するように、円 状に形成されることが好ましい。また、縫 部は、環状に配置された複数の人工羽根3の すべてを連結するように、2重または3重以上 円周状に形成されていてもよい。この場合 2枚以上の(好ましくは全ての)人工羽根3を所 定の積層順番で連結する縫着部を、ミシンな どを用いて簡単に形成することができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、縫着部は、図24に示すように、羽部(羽 本体部5)での軸7の延在方向における中央部よ りベース本体2に近い位置に形成されていて よい。この場合、ラケットによるシャトル ック1の打撃時に、比較的変形量が大きくな 羽本体部5の後端部(羽本体部5での軸7の延在 方向における中央部よりベース本体2から遠 領域)ではなく、上記のような位置に固定用 21による縫着部を形成することで、打撃時 衝撃によって縫着部が破損する可能性を低 できる。また、打撃時における羽本体部5の 端部の変形が、縫着部の形成により必要以 に制限されることを防止できるので、シャ ルコック1の飛翔性能を天然のシャトルコッ クに近いものにすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、積層状態固定部は、図16および図17に すように、人工羽根3の羽本体部5の互いに重 なった部分の少なくとも一部を接着層(接着 材33)により接続した接着部(接着固定部31)を んでいてもよい。接着固定部31は、環状に 置された複数の人工羽根3の積層された部分 すべてについて形成されていてもよい。こ 場合、接着部材33を所定の位置に配置して 複数の人工羽根3の一部が重なるように配置 ることで、簡単に人工羽根3の積層状態を維 持するための接着固定部31を形成することが きる。このため、シャトルコック1の製造工 程を簡略化できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、接着固定部31は人工羽根3の軸7に沿っ 延在するように形成されていてもよい。こ 場合、積層した人工羽根3を互いに固定する 着固定部31が、軸7に沿って伸びるように配 されることから、軸7に沿って伸びる羽本体 部5の広い範囲について接着固定部31を形成す ることになる。このため、人工羽根3の積層 番や配置が変わることを抑制する効果をよ 確実に得ることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、接着固定部31は、羽本体部5での軸7の 在方向における中央部よりベース本体2に近 位置に形成されている。この場合、ラケッ によるシャトルコック1の打撃時に、比較的 変形量が大きくなる羽本体部5の後端部では く、上記のような位置に接着固定部31を形成 することで、打撃時の衝撃によって接着固定 部31が破損する可能性を低減できる。また、 撃時における羽本体部5の後端部の変形が、 接着固定部31の形成により必要以上に制限さ ることを防止できるので、シャトルコック1 の飛翔性能を天然のシャトルコックに近いも のにすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、積層状態固定部は、図1~図3に示すよう に、人工羽根3の羽部(羽本体部5)における互 に重なった部分の少なくとも一部を溶融さ た後凝固させることにより、人工羽根3の羽 の重なった部分を固定した融着部としての 着固定部41を含んでいてもよい。この場合 人工羽根3の積層された部分の少なくとも一 を溶融・再凝固させることで、接着剤など 事前配置などを行なうことなく人工羽根3の 積層状態を維持するための融着固定部41を形 できる。このため、シャトルコック1の製造 工程を簡略化できる。

 上記バドミントン用シャトルコック1にお いて、図1に示すように、融着固定部41は人工 羽根3の軸7に沿って延在するように形成され いてもよい。この場合、積層した人工羽根3 を互いに固定する融着固定部41が、軸7に沿っ て伸びるように配置されることから、軸7に って伸びる羽本体部5の広い範囲について融 固定部41を形成することになる。このため 人工羽根3の積層順番や配置が変わることを 制する効果をより確実に得ることができる

 上記バドミントン用シャトルコックにお て、融着固定部41は、図1に示すように羽本 部5での軸7の延在方向における中央部より ース本体2に近い位置に形成されている。こ 場合、ラケットによるシャトルコック1の打 撃時に、比較的変形量が大きくなる羽本体部 5の後端部ではなく、上記のような位置に融 固定部41を形成することで、打撃時の衝撃に よって融着固定部41が破損する可能性を低減 きる。また、打撃時における羽本体部5の後 端部の変形が、融着固定部41の形成により必 以上に制限されることを防止できるので、 ャトルコック1の飛翔性能を天然のシャトル コックに近いものにすることができる。

 この発明に従ったバドミントン用シャト コック1は、半球状のベース本体としてのベ ース本体2と、複数の人工羽根3と、紐部材と ての中糸15および他の紐部材としての内糸17 とを備える。複数の人工羽根3は、羽部およ 当該羽部に接続された軸7とを含む。複数の 工羽根3は、環状に配置されるとともに部分 的に積層されるように、ベース本体2に固定 れる。中糸15は、図3に示すように複数の人 羽根3のそれぞれの軸7(好ましくは固着軸部10 )の周囲を周回するとともに、人工羽根3の互 に積層された部分において対向する人工羽 3の間を通るように配置されている。内糸17 、図2および図4に示すように複数の人工羽 3のそれぞれの軸7の周囲を周回するとともに 、環状に配置された複数の人工羽根3の内周 に配置されている。

 このようにすれば、天然シャトルコック 構成する水鳥の羽根(天然の羽根)より軸7の 性や強度が低い人工羽根3を用いる場合であ っても、積層状態固定部として作用する中糸 15および内糸17を配置することにより、当該 工羽根3の積層状態や形状を当初のまま維持 きる。つまり、中糸15が人工羽根3の積層さ た部分の間に配置されることで、人工羽根3 の積層順番が入替わることを防止できる。ま た、複数の人工羽根3の内周側に沿って内糸17 が配置されることになるので、シャトルコッ ク1を使用している間に人工羽根3の羽部が内 側に折れ曲がることを内糸17により抑制す ことができる。このため、人工羽根3の積層 態が入替わったり、人工羽根3が変形したり することに起因してシャトルコック1の飛翔 能が劣化することを抑制できる。

 また、中糸15および内糸17は、複数の人工 羽根3の積層状態を維持するため、隣接する 工羽根3の軸7を互いに固定するので、強度部 材としても作用する。このため、シャトルコ ック1の強度が向上し、結果的にシャトルコ ク1の耐久性を向上させることができる。ま 、中糸15および内糸17として極めて細い糸な どを利用することができるので、中糸15や内 17を配置することによるシャトルコック1の 心位置やバランス、総質量などの変化を極 小さくすることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1では 、融着固定部41が、図3に示すように人工羽根 3の積層された部分と異なる材質からなり、 工羽根3の積層された部分の間に配置される 強部材43を含んでいてもよい。この場合、 工羽根3の積層された部分の厚みが薄くても 補強部材43を配置することで融着固定部41の 強度を十分高めることができる。

 上記バドミントン用シャトルコック1では 、図11~図15に示すように、人工羽根3において 、軸7は、固着軸部10と、当該固着軸部10に連 る羽軸部8とを有していてもよい。羽部を構 成する部材であるシート状部材9は、固着軸 10と接触し固着軸部10より幅の広い羽本体部5 と、羽本体部5から羽軸部8に突出する突出部1 2とを有していてもよい。突出部12において羽 本体部5側と反対側の端部は羽軸部8を構成す 部材に埋設されていてもよい。

 この場合、固着軸部10に羽本体部5が接触 固定されるとともに、羽部を構成する部材 あるシート状部材9の突出部12が羽軸部8を構 成する部材に埋設されているため、羽部と軸 7との接合強度を高めることができる。また 羽軸部8に羽部を構成するシート状部材9の突 出部12が埋設された状態になっているので、 設された当該突出部12が羽軸部8の補強部材 して作用する。したがって、羽本体部5と羽 軸部8との接合部および羽軸部8の耐久性を十 高めることができる。また、固着軸部10に いても羽本体部5が補強部材として作用する め、当該固着軸部10の耐久性も高めること できる。このため、高い耐久性を有するシ トルコック用人工羽根3を実現できる。この 果、天然の水鳥の羽を用いたシャトルコッ 用羽根に近い強度および耐久性を実現でき 。そのため、天然のシャトルコック用羽根 用いたシャトルコックと同等の飛翔性能お び耐久性を備える人工のシャトルコック1を 実現できる。

 (実施例1)
 上述した本発明の効果を確認するため、以 のような実験を行なった。すなわち、実施 形態3に示すような中糸および内糸を配置し た本発明によるシャトルコックについて、こ れらの中糸および内糸を設置する前(固定用 設置前)の状態と、中糸および内糸を設置し 後(固定用糸設置後)についてラケットで打 したときのシャトルコックの飛翔軌跡、飛 安定性、および飛翔時の回転について、確 した。また、打撃後のシャトルコックにお る人工羽根の重なり部分について交錯(隣接 る人工羽根の重なり順番が初期の状態から わっている(入替わっている)状態)の発生の 無を確認した。その結果を表1に示す。

 ここで、試料ID1~6は、本発明の実施例に 当し、固定用糸としての中糸および内糸を 置している。また、試料ID7は、比較例であ て、試料ID1、2のシャトルコックと同じ不織 を用いて人工羽根を形成したが、中糸およ 内糸は設置しなかった。また、比較のため 天然の羽根を用いたシャトルコックについ も同様に飛翔軌跡、飛翔安定性および飛翔 の回転について確認した。

 試料ID1、2については、人工羽根を構成す る不織布として同じ銘柄(銘柄A)を用いた。当 該銘柄Aの不織布の素材はポリエステルであ 、目付けは45g/m2であった。また、試料ID3、4 ついては、銘柄Bの不織布を用いた。当該銘 柄Bの不織布の素材はポリエステルであり、 付けは60g/m2であった。試料ID5、6については 銘柄Cの不織布を用いた。当該銘柄の不織布 の素材はポリエステルであり、目付けは60g/m2 であった。また、比較例としての資料ID7につ いては、人工羽根を構成する不織布として上 記銘柄Aを用いた。

 上述した試料ID1~6について固定用糸を設 する前に打撃試験を行い、そのときのシャ ルコックの回転数を測定した。測定方法と ては、高速度カメラより飛翔中のシャトル ックを撮影し、その画像から回転数を算出 た。また、試料ID7および天然の羽根を用い シャトルコック(天然球)についても、同様に 飛翔中の回転数を測定した。

 また、上記試料ID1~6について、固定用糸 設置した後、打撃試験を行い、上述の方法 より回転数を測定した。また、20回打撃を行 なった後の羽部の交錯の有無、および打撃試 験中の飛翔軌跡、飛翔安定性および飛翔時の シャトルコックの回転状況について、天然球 と比較した場合の官能評価を行なった。なお 、比較例としての試料ID7および天然球につい ても、同様の測定および評価を行なった。な お、固定用糸としては、50番手のポリエステ 製糸を用いた。また、中糸の設置位置は、 工羽根の軸の先端部(図1に示すベース本体2 接続された端部と反対側の端部)から45mmの 置とした。また、内糸の設置位置は、人工 根の先端部から40mmの位置とした。

 表1では、上述した飛翔軌跡、飛翔安定性 および飛翔時の回転について、評価結果が良 好な場合を丸で、やや良好な場合を三角で、 不良(不安点)である場合をバツで示している

 表1からもわかるように、試料ID1~6におい 、シャトルコックの回転数は中糸および内 (固定用糸)を設置した場合の方が若干高く っているものの、羽根の交錯は無く、また 飛翔軌跡や飛翔安定性、さらに飛翔時の回 の状況などは、天然球とほぼ同等の評価を た。一方、比較例の試料ID7については、打 試験によって羽根の交錯が発生し、その結 飛翔軌跡や飛翔安定性、さらに飛翔時の回 が天然球とは大きく異なり、低い評価とな た。

 (実施例2)
 次に、図1に示すような融着固定部41を形成 た場合と、図18および図19に示すような中糸 15および内糸17を設置した場合との対比を行 うべく、以下のような実験を行なった。

 まず、同じベース本体および人工羽根を いて、本発明例として2種類の試料(試料ID8 よび9)と、比較例としての試料(試料ID10)を作 成した。試料ID8は、図18および図19に示した うに中糸15および内糸17を配置した構成とし 。また、試料ID9は、図1に示すように融着固 定部41を形成することにより、人工羽根3を互 いに固定した。一方、比較例としての試料ID1 0は、上記のような融着固定部などを形成す ことなく、人工羽根が互いに独立した状態 した。各試料は2個づつ準備した。

 上記のような試料ID8~試料ID10について、 イクリアおよびスマッシュを行なう実打試 を行なった。なお、クリアとは、バドミン ンコートの中央~後方より、相手方のコート 後方にシャトルコックを大きく打ち出すフ イト全般を言う。そして、ハイクリアとは 上記クリアのうちシャトルコックを高く打 出して相手をコート後方へ移動させるもの 言う。ここで、クリアにはドリブンクリア 呼ばれるものもあり、当該ドリブンクリア はシャトルコックを相対的に低く打ち出し 相手の頭上を抜くことを意図した攻撃的な リアのことを言う。また、上記スマッシュ は、オーバーヘッドストロークから、相手 ートに対してシャトルコックを鋭角に打ち すフライトを言い、最も攻撃的なフライト ある。

 上記のような実打試験の結果は、以下の うなものであった。まず、各試料について イクリアを行なう実験について、本発明例 試料ID8および試料ID9は、ハイクリアを150打 なった後でも、人工羽根の羽本体部におい 交錯は発生しなかった。また、シャトルコ クの飛翔時におけるシャトルコックの回転 、天然シャトルコックとほぼ同等であり、 験中大きく変化することは無かった。また 飛翔状態は上記2つの試料とも後述する比較 例の試料ID10より安定していたが、特に試料ID 9は試料ID8よりも飛翔状態が安定していた。

 次に、比較例の試料ID10については、ハイ クリアを2打行なった時点で、人工羽根の羽 体部において交錯が発生した。そして、羽 体部の交錯が発生した後は、シャトルコッ の回転が極端に少なくなるとともに、飛翔 態も不安定になった。

 次に、各試料についてスマッシュを行な 実験について、本発明例の試料ID8および試 ID9は、スマッシュを10打行なった後でも、 工羽根の羽本体部において交錯は発生しな った。また、打撃直後の状態を高速度カメ で撮影して観察した結果、試料ID8では打撃 よりシャトルコックがつぶれた状態になっ 後、打撃前の状態より人工羽根がわずかに いた状態になっていた。また、試料ID9では 撃によりシャトルコックがつぶれた状態に った後、打撃前の状態とほぼ同じ程度しか 工羽根は開いていなかった。つまり、試料ID 9の方が打撃直後の人工羽根の開きは小さか た。

 一方、比較例の試料ID10については、スマ ッシュを1打行なった時点で、人工羽根の羽 体部において交錯が発生した。また、打撃 後の状態を上述のように高速度カメラで撮 して観察した結果、試料ID10では打撃により ャトルコックがつぶれた状態になった後、 撃前の状態より人工羽根が大きく(試料ID8よ りも大きく)開いた状態になっていた。

 以上の結果から、比較例の試料ID10より本 発明例の試料ID8、9の方が耐久性に優れてい ことがわかる。また、飛翔特性という観点 らは、本発明例の試料ID8、9はいずれも比較 の試料ID10より優れているが、特に試料ID9が 良好な飛翔特性を示すことがわかる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。

 本発明は、バドミントン用シャトルコッ であって、得に飛翔性能を初期の状態のま 長期にわたって維持することが必要な人工 シャトルコックに有利に適用される。




 
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