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Patent Searching and Data


Title:
SULTAM DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084501
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a sultam derivative represented by general formula (1), which has an inhibitory activity on an aggrecanase activity. The sultam derivative represented by general formula (1) or a salt thereof exhibits a potent inhibitory activity on an aggrecanase activity in a living body of a mammal including a human body, and is therefore useful as an active ingredient of a pharmaceutical agent for the prevention and/or treatment of various diseases caused by the decomposition of aggrecan or the like.

Inventors:
MAEKAWARA NAOMI (JP)
ATOBE MASAKAZU (JP)
KAWANISHI MASASHI (JP)
TANAKA EIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073292
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI PHARMA CORP (JP)
MAEKAWARA NAOMI (JP)
ATOBE MASAKAZU (JP)
KAWANISHI MASASHI (JP)
TANAKA EIICHI (JP)
International Classes:
C07D513/04; A61K31/41; A61P19/02
Foreign References:
JP2002503657A2002-02-05
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshio et al. (Jochi Kioizaka Bldg.7-1 Kioi-ch, Chiyoda-ku Tokyo 94, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)
[一般式(1)中、
Ar 1 はヘテロアリール環を示し、
R 11
-R 111 -R 112 -R 113 -R 114
(R 111 は単結合、-O-、-NR 1111 -、-NR 1111 CO-、-CONR 1111 -、-NR 1111 SO 2 -、-SO 2 NR 1111 -(R 1111 は水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 112 は置換されていてもよいアルキレン基又は置換されていてもよいアリーレン基を示し、R 1111 と結合し環構造を形成してもよく、
R 113 は単結合、-O-、-NR 1131 -、-NR 1131 CO-、-CONR 1131 -、-NR 1131 SO 2 -、-SO 2 NR 1131 -(R 1131 は水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 114 は置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R 1131 と結合し環構造を形成してもよい)を示し、
ただし、R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 111 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 111 は単結合、-NR 1111 CO-、-NR 1111 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-CONR 1131 -、-SO 2 NR 1131 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 114 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 114 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-NR 1131 CO-、-NR 1131 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、;
ただし、Ar 1 が窒素原子を含む基であって、かつR 11 の置換位置がAr 1 上の窒素原子であった場合、R 111 は単結合、-CONR 1111 -、-SO 2 NR 1111 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し;
R 12 及びR 13 は同一であっても異なってもよく、各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアミノ基を示し;
又は存在せず;
R 21 及びR 22 は同一であっても異なってもよく、各々独立に、
水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、又は置換されていてもよいアミノ基を示し;
R 31
水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し;
R 21 とR 31 、又はR 22 とR 31 はそれぞれが一緒になって環を形成してもよく;
n及びmは同一であっても異なってもよく、各々独立に、0又は1を示し;
Y 1
-COY 11 (Y 11 は-NHOH、-OH、-NH 2 、1又は2個の置換されていてもよいアルキル基で置換されたアミノ基、1又は2個の置換されていてもよいアリール基で置換されたアミノ基、又は置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアルキル基で置換されたアミノ基を示す)を示す。]で示される化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 Ar 1 がチオフェン環である請求項1に記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 111 が単結合である請求項1又は2に記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 111 が-CH=CH-である請求項1又は2のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 112 が置換されていてもよいアリーレン基である請求項1~4のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 112 が置換されていてもよいフェニレン基である請求項1~5のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 113 が単結合、-CH=CH-、又は-C≡C-のいずれかである請求項1~6のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 114 が置換されていてもよいアリール基である請求項1~7のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 12 が存在する場合該置換基が水素原子であり、かつ、R 13 が存在する場合該置換基が水素原子である請求項1~8のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 21 及びR 22 がともに水素原子である請求項1~9のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 31 が置換されていてもよいアルキル基である請求項1~10のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 31 がイソプロピル基である請求項1~11のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が下記一般式(5)
で示される請求項1~12のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 R 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成していない請求項1~13のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 n及びmがともに0である請求項1~14のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 Y 11 が-NHOHである請求項1~15のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 Y 11 が-OHである請求項1~15のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
 請求項1~17のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグを有効成分として含む医薬。
 関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予防及び/又は治療のための請求項18に記載の医薬。
 変形性関節症の予防及び/又は治療のための請求項18に記載の医薬。
 請求項1~17のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグを有効成分として含むアグリカナーゼ活性阻害剤。
 哺乳動物の関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予防及び/又は治療方法であって、請求項1~17のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグの有効量を該哺乳動物に投与する工程を含む方法。
 関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予防及び/又は治療用医薬の製造のための請求項1~17のいずれかに記載の化合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッグの使用。
Description:
スルタム誘導体

 本発明は、細胞間基質分解抑制作用を示 、医薬の有効成分として有用な新規なスル ム誘導体に関する。

 変形性関節症は、関節軟骨の損失と骨の 厚により特徴づけられ、骨棘を形成する関 症である。軟骨は関節への荷重負荷時及び 作時に衝撃吸収材として働き、関節機能に いて重要な役割を果たす。軟骨細胞外基質 二大成分であるII型コラーゲンとアグリカ は、軟骨にこの衝撃吸収機能を示すことが きるような特性を与える。変形性関節症に ける軟骨の損失にはアグリカンとII型コラー ゲンの酵素的分解が関与する。

 アグリカンは軟骨組織に発現している主 な糖タンパクである。そのコアタンパク質 結合した数多くのグリコサミノグリカンは 電荷を有し、水を結合するので、高度に水 したゲル体を形成し、それが空間を充たす とによって軟骨の圧縮性と弾力性を生み出 ている。

 アグリカナーゼはアグリカンを切断する ロテアーゼであり、アグリカン球間ドメイ のGlu373-Ala374ペプチド結合を切断する。アグ リカナーゼとしては、Aggrecanase-1、aggrecanase-2 2つが関節組織から見つかっている。これら の酵素はA Disintegrin And Metalloproteinase with Th romboSpondin motifs(ADAMTS)familyに属し、ADAMTS-4, ADA MTS-5とも称される。

 関節軟骨基質からのアグリカンの損失は 関節破壊の進行に寄与する。関節炎におい 、アグリカンは測定可能な喪失を受ける最 の軟骨マトリクス成分の1つである(非特許 献1)。

 また、アグリカンはコラーゲンの分解に して保護的な役割を果たす。その機序とし 、アグリカンの分解によりII型コラーゲン 露出し、コラーゲン鎖の特異的分解酵素で るコラゲナーゼ等の酵素的破壊を受けやす なること、及びアグリカンの減少は軟骨基 の吸水性を低下させるので軟骨基質として 粘弾性は低下してコラーゲン鎖への機械的 トレスが増大し、コラーゲン鎖破綻が誘発 れることが提唱されている。(非特許文献2)

 また、アグリカンの球間ドメインでの切 が耐性になった遺伝子改変マウスでは、手 的に誘発した変形性関節症モデルや炎症性 節炎モデルにおいて、アグリカンの損失が 少し、軟骨侵食が抑制されるのみならず、 骨の修復作用が促進される(非特許文献3)。

 現状の変形性関節症の治療法は、限られ 対症療法しかなく、骨関節における軟骨破 を抑制する薬はない。アセトアミノフェン ような非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は 疼痛や腫脹をもたらすプロスタグランジン 合成を阻害することによって作用する。従 て、NSAIDsは軟骨の破壊を直接的に防止する けではない。また、副腎皮質ステロイドの 与は、軟骨代謝に悪影響を及ぼし、急速な 節破壊を生じる危険性が指摘されている。( 特許文献4)。また、ヒアルロン酸の関節内 与による関節破壊抑制作用に関しては賛否 論である。(非特許文献5)。一方アグリカナ ゼの阻害薬は軟骨侵食抑制及び/又は軟骨修 促進作用を示すことで軟骨温存作用を示し 既存薬よりも有用である。

 これまでアグリカナーゼ阻害作用を有する 合物が報告されている(特許文献1、2)が、効 果及び副作用の面で満足の行くものではない 。また、類似の構造を有する化合物が報告さ れている(特許文献3)が、アグリカナーゼ阻害 作用については述べられていない。

WO2005/060456号公報

WO03/080042号公報

WO91/15486号公報 Mankin等、J. Bone Joint surg., 52A, 424-434(197 0). Michael等、J. Biol. Chem., 278(46), 45539-45545( 2003). Christopher等、J. Clin. Invest., 1-10(2007). 鳥巣等、関節外科, 21, 180-184(2002). Lo等、JAMA., 290(23), 3115-21(2003).

 本発明の課題は、アグリカナーゼ活性阻 作用を有する新規な物質を提供することに る。より具体的には、優れたアグリカナー 活性阻害作用を有し、副作用の少ない新規 物質を提供することが本発明の課題である

 本発明者は、上記課題を解決するために 意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で示さ る新規な化合物が優れたアグリカナーゼ活 阻害作用を有することを見いだした。本発 は上記の知見に基づいて完成されたもので る。

 すなわち、本発明としては以下のものが挙 られる。
〔A1〕下記一般式(1)

[一般式(1)中、
Ar 1 はヘテロアリール環を示し、
R 11
-R 111 -R 112 -R 113 -R 114
(R 111 は単結合、-O-、-NR 1111 -、-NR 1111 CO-、-CONR 1111 -、-NR 1111 SO 2 -、-SO 2 NR 1111 -(R 1111 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示 、
R 112 は置換されていてもよいアルキレン基又は置 換されていてもよいアリーレン基を示し、R 1111 と結合し環構造を形成してもよく、
R 113 は単結合、-O-、-NR 1131 -、-NR 1131 CO-、-CONR 1131 -、-NR 1131 SO 2 -、-SO 2 NR 1131 -(R 1131 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示 、
R 114 は置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルキル基、又は水素原子を 示し、R 1131 と結合し環構造を形成してもよい)を示し、
ただし、R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 111 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 111 は単結合、-NR 1111 CO-、-NR 1111 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-CONR 1131 -、-SO 2 NR 1131 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、
R 114 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 114 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-NR 1131 CO-、-NR 1131 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、;
ただし、Ar 1 が窒素原子を含む基であって、かつR 11 の置換位置がAr 1 上の窒素原子であった場合、R 111 は単結合、-CONR 1111 -、-SO 2 NR 1111 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し;
R 12 及びR 13 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換され ていてもよいアルキル基、置換されていても よいアルケニル基、置換されていてもよいア ルキニル基、置換されていてもよいアルコキ シ基、又は置換されていてもよいアミノ基を 示し;
又は存在せず;
R 21 及びR 22 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、
水素原子、置換されていてもよいアルキル基 、置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルコキシ基、置換されてい てもよいアリールオキシ基、又は置換されて いてもよいアミノ基を示し;
R 31
水素原子、置換されていてもよいアルキル基 、置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルコキシ基、又は置換され ていてもよいアリールオキシ基を示し;
R 21 とR 31 、又はR 22 とR 31 はそれぞれが一緒になって環を形成してもよ く;
n及びmは同一であっても異なってもよく、各 独立に、0又は1を示し;
Y 1
-COY 11 (Y 11 は-NHOH、-OH、-NH 2 、1又は2個の置換されていてもよいアルキル で置換されたアミノ基、1又は2個の置換さ ていてもよいアリール基で置換されたアミ 基、又は置換されていてもよいアリール基 び置換されていてもよいアルキル基で置換 れたアミノ基を示す)を示す。]で示される化 合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ 体、又はその薬理学的に許容される塩、水和 物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A2〕Ar 1 がチオフェン環である上記〔A1〕に記載の化 物、その可能な立体異性体あるいはラセミ 、又はその薬理学的に許容される塩、水和 、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A3〕R 111 が単結合である上記〔A1〕又は〔A2〕に記載 化合物、その可能な立体異性体あるいはラ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、 和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A4〕R 111 が-CH=CH-である上記〔A1〕又は〔A2〕のいずれ に記載の化合物、その可能な立体異性体あ いはラセミ体、又はその薬理学的に許容さ る塩、水和物、あるいはこれらのプロドラ グ。
〔A5〕R 112 が置換されていてもよいアリーレン基である 上記〔A1〕~〔A4〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A6〕R 112 が置換されていてもよいフェニレン基である 上記〔A1〕~〔A5〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A6-2〕R 112 がハロゲン原子で置換されていてもよいフェ ニレン基である上記〔A1〕~〔A5〕のいずれか 記載の化合物、その可能な立体異性体ある はラセミ体、又はその薬理学的に許容され 塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッ 。
〔A6-3〕R 112 が無置換のフェニレン基である上記〔A1〕~〔 A5〕のいずれかに記載の化合物、その可能な 体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理 的に許容される塩、水和物、あるいはこれ のプロドラッグ。
〔A7〕R 113 が単結合、-CH=CH-、又は-C≡C-のいずれかであ 上記〔A1〕~〔A6〕のいずれかに記載の化合 、その可能な立体異性体あるいはラセミ体 又はその薬理学的に許容される塩、水和物 あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A7-2〕R 113 が単結合である上記〔A1〕~〔A6-3〕のいずれ に記載の化合物、その可能な立体異性体あ いはラセミ体、又はその薬理学的に許容さ る塩、水和物、あるいはこれらのプロドラ グ。

 なお、〔A1〕~〔A6-3〕のように引用する項番 号が範囲で示され、その範囲内に〔A6-2〕等 枝番号を有する項が配置されている場合に 、〔A6-2〕等の枝番号を有する項も引用され ことを意味する。以下においても同様であ 。
〔A7-3〕R 113 が-CH=CH-である上記〔A1〕~〔A6-3〕のいずれか 記載の化合物、その可能な立体異性体ある はラセミ体、又はその薬理学的に許容され 塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッ 。
〔A7-4〕R 113 が-C≡C-である上記〔A1〕~〔A6-3〕のいずれか 記載の化合物、その可能な立体異性体ある はラセミ体、又はその薬理学的に許容され 塩、水和物、あるいはこれらのプロドラッ 。
〔A8〕R 114 が置換されていてもよいアリール基である上 記〔A1〕~〔A7-4〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A8-2〕R 114 が置換されていてもよいフェニル基である上 記〔A1〕~〔A7-4〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A8-3〕R 114 がハロゲン原子又は低級アルコキシ基で置換 されていてもよいフェニル基である上記〔A1 ~〔A7-4〕のいずれかに記載の化合物、その 能な立体異性体あるいはラセミ体、又はそ 薬理学的に許容される塩、水和物、あるい これらのプロドラッグ。
〔A8-4〕R 114 が無置換のフェニル基である上記〔A1〕~〔A7- 4〕のいずれかに記載の化合物、その可能な 体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理 的に許容される塩、水和物、あるいはこれ のプロドラッグ。
〔A8-5〕R 114 が置換されていてもよいアルキル基である上 記〔A1〕~〔A7-4〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A9〕R 12 が存在する場合該置換基が水素原子であり、 かつ、R 13 が存在する場合該置換基が水素原子である上 記〔A1〕~〔A8-5〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔A10〕R 21 及びR 22 がともに水素原子である上記〔A1〕~〔A9〕の ずれかに記載の化合物、その可能な立体異 体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に 容される塩、水和物、あるいはこれらのプ ドラッグ。
〔A11〕R 31 が置換されていてもよいアルキル基である上 記〔A1〕~〔A10〕のいずれかに記載の化合物、 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、又 はその薬理学的に許容される塩、水和物、あ るいはこれらのプロドラッグ。
〔A12〕R 31 がイソプロピル基である上記〔A1〕~〔A11〕の いずれかに記載の化合物、その可能な立体異 性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に 許容される塩、水和物、あるいはこれらのプ ロドラッグ。
〔A13〕R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が下記一 般式(5)

で示される上記〔A1〕~〔A12〕のいずれかに記 載の化合物、その可能な立体異性体あるいは ラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩 、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A14〕R 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成していない上記〔A1〕~〔A13〕のい ずれかに記載の化合物、その可能な立体異性 体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許 容される塩、水和物、あるいはこれらのプロ ドラッグ。
〔A15〕n及びmがともに0である上記〔A1〕~〔A14 〕のいずれかに記載の化合物、その可能な立 体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学 的に許容される塩、水和物、あるいはこれら のプロドラッグ。
〔A16〕Y 11 が-NHOHである上記〔A1〕~〔A15〕のいずれかに 載の化合物、その可能な立体異性体あるい ラセミ体、又はその薬理学的に許容される 、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ
〔A17〕Y 11 が-OHである上記〔A1〕~〔A15〕のいずれかに記 載の化合物、その可能な立体異性体あるいは ラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩 、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔A18〕上記〔A1〕~〔A17〕のいずれかに記載の 化合物、その可能な立体異性体あるいはラセ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水 和物、あるいはこれらのプロドラッグを有効 成分として含む医薬。
〔A19〕関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予 防及び/又は治療のための上記〔A18〕に記載 医薬。
〔A20〕変形性関節症の予防及び/又は治療の めの上記〔A18〕に記載の医薬。
〔A21〕上記〔A1〕~〔A17〕のいずれかに記載の 化合物、その可能な立体異性体あるいはラセ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、水 和物、あるいはこれらのプロドラッグを有効 成分として含むアグリカナーゼ活性阻害剤。
〔A22〕哺乳動物の関節軟骨の破壊を特徴とす る疾患の予防及び/又は治療方法であって、 記〔A1〕~〔A17〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグの有効量を該 乳動物に投与する工程を含む方法。
〔A23〕関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予 防及び/又は治療用医薬の製造のための上記 A1〕~〔A17〕のいずれかに記載の化合物、そ 可能な立体異性体あるいはラセミ体、又は の薬理学的に許容される塩、水和物、ある はこれらのプロドラッグの使用。
〔B1〕下記一般式(1)

[一般式(1)中、
Ar 1 はヘテロアリール環を示し、
R 11
-R 111 -R 112 -R 113 -R 114
(R 111 は単結合、-O-、-NR 1111 -、-NR 1111 CO-、-CONR 1111 -(R 1111 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-C=C-を示し
R 112 は置換されていてもよいアルキレン基又は置 換されていてもよいアリーレン基を示し、
R 113 は単結合、-NR 1131 -、-NR 1131 CO-、-CONR 1131 -(R 1131 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-C=C-を示し
R 114 は置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルキル基、又は水素原子を 示す)を示し;
ただし、R 11 の置換位置がAr 1 上の窒素原子であった場合、R 111 は単結合、-CONR 1111 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-C=C-を示し;
R 12 及びR 13 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換され ていてもよいアルキル基、置換されていても よいアルケニル基、置換されていてもよいア ルキニル基、置換されていてもよいアルコキ シ基、又は置換されていてもよいアミノ基を 示し;
又は存在せず;
R 21 及びR 22 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、
水素原子、置換されていてもよいアルキル基 、置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルコキシ基、置換されてい てもよいアリールオキシ基、又は置換されて いてもよいアミノ基を示し;
R 31
水素原子、置換されていてもよいアルキル基 、置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルコキシ基、又は置換され ていてもよいアリールオキシ基を示し;
R 21 とR 31 、又はR 22 とR 31 はそれぞれが一緒になって環を形成してもよ く;
n及びmは同一であっても異なってもよく、各 独立に、0又は1を示し;
Y 1
-COY 11 (Y 11 は-NHOH、-OH、-NH 2 、1又は2個の置換されていてもよいアルキル で置換されたアミノ基、1又は2個の置換さ ていてもよいアリール基で置換されたアミ 基、又は置換されていてもよいアリール基 び置換されていてもよいアルキル基で置換 れたアミノ基を示す)を示す。]で示される化 合物、その可能な立体異性体あるいはラセミ 体、又はその薬理学的に許容される塩、水和 物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔B2〕Ar 1 がチオフェン環である上記〔B1〕に記載の化 物、その可能な立体異性体あるいはラセミ 、又はその薬理学的に許容される塩、水和 、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔B3〕R 111 が単結合である上記〔B1〕又は〔B2〕に記載 化合物、その可能な立体異性体あるいはラ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、 和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔B4〕R 112 が置換されていてもよいフェニレン基である 上記〔B1〕~〔B3〕のいずれかに記載の化合物 その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 はその薬理学的に許容される塩、水和物、 るいはこれらのプロドラッグ。
〔B5〕R 12 が存在する場合該置換基が水素原子であり、 かつ、R 13 が存在する場合該置換基が水素原子である上 記〔B1〕~〔B4〕のいずれかに記載の化合物、 の可能な立体異性体あるいはラセミ体、又 その薬理学的に許容される塩、水和物、あ いはこれらのプロドラッグ。
〔B6〕R 21 及びR 22 がともに水素原子である上記〔B1〕~〔B5〕の ずれかに記載の化合物、その可能な立体異 体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に 容される塩、水和物、あるいはこれらのプ ドラッグ。
〔B7〕R 31 が置換されていてもよいアルキル基である上 記〔B1〕~〔B6〕のいずれかに記載の化合物、 の可能な立体異性体あるいはラセミ体、又 その薬理学的に許容される塩、水和物、あ いはこれらのプロドラッグ。
〔B8〕R 31 がイソプロピル基である上記〔B1〕~〔B6〕の ずれかに記載の化合物、その可能な立体異 体あるいはラセミ体、又はその薬理学的に 容される塩、水和物、あるいはこれらのプ ドラッグ。
〔B9〕R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が下記一 般式(5)

で示される上記〔B1〕~〔B8〕のいずれかに記 の化合物、その可能な立体異性体あるいは セミ体、又はその薬理学的に許容される塩 水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔B10〕R 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成していない上記〔B1〕~〔B9〕のい れかに記載の化合物、その可能な立体異性 あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許 される塩、水和物、あるいはこれらのプロ ラッグ。
〔B11〕n及びmがともに0である上記〔B1〕~〔B10 〕のいずれかに記載の化合物、その可能な立 体異性体あるいはラセミ体、又はその薬理学 的に許容される塩、水和物、あるいはこれら のプロドラッグ。
〔B12〕Y 11 が-NHOHである上記〔B1〕~〔B11〕のいずれかに 載の化合物、その可能な立体異性体あるい ラセミ体、又はその薬理学的に許容される 、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ
〔B13〕Y 11 が-OHである上記〔B1〕~〔B11〕のいずれかに記 載の化合物、その可能な立体異性体あるいは ラセミ体、又はその薬理学的に許容される塩 、水和物、あるいはこれらのプロドラッグ。
〔B13-2〕Ar 1 がチオフェン環であり;
R 11 が以下のER11-1~ER11-5で示される置換基のいず かであり;

R 12 が水素原子であり;
R 21 及びR 22 がともに水素原子であり;
R 31 が置換されていてもよいアルキル基であり;
R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が下記一 般式(5)

で示される立体配置であり;
R 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成しておらず;
n及びmがともに0であり;
Y 11 が-NHOHである上記〔B1〕に記載の化合物、そ 可能な立体異性体あるいはラセミ体、又は の薬理学的に許容される塩、水和物、ある はこれらのプロドラッグ。
〔B13-3〕Ar 1 がチオフェン環であり;
R 11 が以下のER11-1~ER11-5で示される置換基のいず かであり;

R 12 が水素原子であり;
R 21 及びR 22 がともに水素原子であり;
R 31 が置換されていてもよいアルキル基であり;
R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が下記一 般式(5)

で示される立体配置であり;
R 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成しておらず;
n及びmがともに0であり;
Y 11 が-OHである上記〔B1〕に記載の化合物、その 能な立体異性体あるいはラセミ体、又はそ 薬理学的に許容される塩、水和物、あるい これらのプロドラッグ。
〔B14〕上記〔B1〕~〔B13-3〕のいずれかに記載 化合物、その可能な立体異性体あるいはラ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、 和物、あるいはこれらのプロドラッグを有 成分として含む医薬。
〔B15〕関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予 防及び/又は治療のための上記〔B14〕に記載 医薬。
〔B16〕変形性関節症の予防及び/又は治療の めの上記〔B14〕に記載の医薬。
〔B17〕上記〔B1〕~〔B13-3〕のいずれかに記載 化合物、その可能な立体異性体あるいはラ ミ体、又はその薬理学的に許容される塩、 和物、あるいはこれらのプロドラッグを有 成分として含むアグリカナーゼ活性阻害剤
〔B18〕哺乳動物の関節軟骨の破壊を特徴とす る疾患の予防及び/又は治療方法であって、 記〔B1〕~〔B13-3〕のいずれかに記載の化合物 、その可能な立体異性体あるいはラセミ体、 又はその薬理学的に許容される塩、水和物、 あるいはこれらのプロドラッグの有効量を該 哺乳動物に投与する工程を含む方法。
〔B18-2〕哺乳動物の変形性関節症の予防及び/ 又は治療方法であって、上記〔B1〕~〔B13-3〕 いずれかに記載の化合物、その可能な立体 性体あるいはラセミ体、又はその薬理学的 許容される塩、水和物、あるいはこれらの ロドラッグの有効量を該哺乳動物に投与す 工程を含む方法。
〔B19〕関節軟骨の破壊を特徴とする疾患の予 防及び/又は治療用医薬の製造のための上記 B1〕~〔B13-3〕のいずれかに記載の化合物、そ の可能な立体異性体あるいはラセミ体、又は その薬理学的に許容される塩、水和物、ある いはこれらのプロドラッグの使用。
〔B19-2〕変形性関節症の予防及び/又は治療用 医薬の製造のための上記〔B1〕~〔B13-3〕のい れかに記載の化合物、その可能な立体異性 あるいはラセミ体、又はその薬理学的に許 される塩、水和物、あるいはこれらのプロ ラッグの使用。

 本発明の化合物又はその塩は、ヒトを含 哺乳類動物の生体内で強力なアグリカナー 活性阻害作用を示し、例えば、アグリカン 分解に起因する種々の疾患の予防及び/又は 治療のための医薬の有効成分として有用であ る。また、本発明の化合物又はその塩は極め て毒性が低く、安全な医薬の有効成分として 用いることができる。

 以下、本発明について具体的に説明する

 本明細書においては特に断らない限り、 ロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子 臭素原子、又はヨウ素原子が例示される。

 本明細書において、「低級」の置換基と 、該置換基を構成する炭素数が、最大10個 でである置換基をいい、例えば1から6個まで である置換基が例示され、炭素数が1から3個 でである置換基が好ましい例として挙げら る。

 アルキル基としては、直鎖状、分枝状、 状、又はそれらの組み合わせである飽和炭 水素基が挙げられ、低級アルキル基が好ま い。低級アルキル基は、炭素数が1から10個 でであるアルキル基をいい、炭素数1から6 でのアルキル基が好ましく、炭素数1から3ま でのアルキル基が特に好ましい。アルキル部 分を有する他の置換基(例えばアルコキシ基 ど)の該アルキル部分についても同様である

 炭素数1から3までのアルキル基としては メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプ ロピル基、又はシクロプロピル基等が好適な 例として挙げられ、さらに炭素数4から6まで アルキル基としては、n-ブチル基、イソブ ル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチ 基、シクロプロピルメチル基、n-ペンチル 、シクロペンチル基、シクロプロピルエチ 基、シクロブチルメチル基、n-ヘキシル基、 シクロヘキシル基、シクロプロピルプロピル 基、シクロブチルエチル基、又はシクロペン チルメチル基等が好適な例として挙げられる 。アルキル基としては、メチル基、エチル基 、n-プロピル基、又はイソプロピル基が特に ましい。最も好ましいアルキル基としては チル基が挙げられる。又、最も好ましいア キル基としてエチル基が挙げられる別の態 もある。

 アルケニル基としては、1個又は2個以上 二重結合を含む低級アルケニル基等が挙げ れ、1個の二重結合を含む低級アルケニル基 好ましい。低級アルケニル基は、炭素数が2 から10個までであるアルケニル基をいい、炭 数2から5までのアルケニル基が好ましく、 素数2から4までのアルケニル基が特に好まし い。炭素数2から4までのアルケニル基として 、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブ リデン基、ブト-1-エニル基、ブト-2-エニル 、又はブト-3-エニル基等が好適な例として げられ、さらに炭素数5のアルケニル基とし ては、ペンチリデン基、ペント-1-エニル基、 ペント-2-エニル基、ペント-3-エニル基、又は ペント-4-エニル基等が好適な例として挙げら れる。アルケニル基としては、ビニル基、ア リル基、又はプロペニル基がより好ましく、 ビニル基、又はアリル基がさらに好ましく、 アリル基が特に好ましい。

 アルキニル基としては、1個又は2個以上 三重結合を含む低級アルキニル基等が挙げ れ、1個の三重結合を含む低級アルキニル基 好ましい。低級アルキニル基としては、炭 数2から5までのアルキニル基が好ましい。 体的には、エチニル基、プロプ-1-イニル基 プロプ-2-イニル基、ブト-1-イニル基、ブト-2 -イニル基、ブト-3-イニル基、ペント-1-イニ 基、ペント-2-イニル基、ペント-3-イニル基 又はペント-4-イニル基等が好適な例として げられ、エチニル基、プロプ-2-イニル基、 はブト-3-イニル基がより好ましく、エチニ 基、又はプロプ-2-イニル基がさらに好まし 、プロプ-2-イニル基が特に好ましい。

 アルキレン基としては、前記に説明した ルキル基から任意の1個の水素原子を除いて できる2価の残基を例示することができ、直 状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わ である飽和炭化水素の2価の基が挙げられ、 級アルキレン基が好ましい。低級アルキレ 基は、炭素数が1から10個までであるアルキ ン基をいい、炭素数1から6までのアルキレ 基が好ましく、炭素数1から3までのアルキレ ン基がより好ましく、炭素数1のアルキレン がさらに好ましい。炭素数1のアルキレン基 してはメチレン基が挙げられ、炭素数2から 3までのアルキレン基としては、エチレン基 n-プロピレン基、イソプロピレン基、又はシ クロプロピレン基等が好適な例として挙げら れ、さらに炭素数4から6までの好適なアルキ ン基の例としては、前記炭素数4から6まで 好適なアルキル基の例に挙げられた基から 意の1個の水素原子を除いてできる2価の残基 を挙げることができる。アルキレン基として は、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン 、又はイソプロピレン基が特に好ましい。 も好ましいアルキレン基としてはメチレン が挙げられる。又、最も好ましいアルキレ 基としてエチレン基が挙げられる別の態様 ある。

 アルケニレン基としては、前記に説明し アルケニル基から任意の1個の水素原子を除 いてできる2価の残基を例示することができ 1個又は2個以上の二重結合を含む低級アルケ ニレン基等が挙げられ、1個の二重結合を含 低級アルケニレン基が好ましい。低級アル ニレン基は、炭素数が2から10個までである ルケニレン基をいい、炭素数2から5までのア ルケニレン基が好ましく、炭素数2から4まで アルケニレン基が特に好ましい。炭素数2か ら4までのアルケニレン基としては、ビニレ 基、プロペニレン基、ブト-1-エニレン基、 ト-2-エニレン基、又はブト-3-エニレン基等 好適な例として挙げられ、さらに炭素数5の ルケニレン基としては、前記炭素数5の好適 なアルケニル基の例に挙げられた基から任意 の1個の水素原子を除いてできる2価の残基を げることができる。アルケニレン基として 、ビニレン基、又はプロペニレン基がより ましく、ビニレン基が特に好ましい。

 アルコキシ基としては、直鎖状、分枝状 環状、又はそれらの組み合わせである飽和 ルキルエーテル基が挙げられ、低級アルコ シ基が好ましい。低級アルコキシ基として 、炭素数1から6までのアルコキシ基が挙げ れるが、炭素数1から4までのアルコキシ基が 好ましい。炭素数1から4までのアルコキシ基 しては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロ キシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポ シ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブ キシ基、t-ブトキシ基、シクロブトキシ基 又はシクロプロピルメトキシ基等が好適な として挙げられ、さらに炭素数5又は6のアル コキシ基としては、n-ペンチルオキシ基、シ ロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチ オキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n -ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ 、シクロプロピルプロピルオキシ基、シク ブチルエチルオキシ基、又はシクロペンチ メチルオキシ基等が好適な例として挙げら る。

 アルキルチオ基としては、直鎖状、分枝 、環状、又はそれらの組み合わせである飽 アルキルチオエーテル基が挙げられ、低級 ルキルチオ基が好ましい。低級アルキルチ 基としては、炭素数1から4までのアルキル オ基が好ましい。具体的には、メチルチオ 、エチオルチオ基、n-プロピルチオ基、イソ プロピルチオ基、シクロプロピルチオ基、n- チルチオ基、イソブチルチオ基、s-ブチル オ基、t-ブチルチオ基、シクロブチルチオ基 、又はシクロプロピルメチオルチオ基等が好 適な例として挙げられる。

 アルコキシカルボニル基としては、上記 アルコキシ基の末端にカルボニル基を付し 基が挙げられ、低級アルコキシカルボニル が好ましい。低級アルコキシカルボニル基 しては、炭素数1から6までのアルコキシ基 末端にカルボニル基を付した基が挙げられ が、炭素数1から4までのアルコキシ基の末端 にカルボニル基を付した基が好ましい。具体 的には、メトキシカルボニル基、エトキシカ ルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イ プロポキシカルボニル基、シクロプロポキ カルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、 ソブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボ ニル基、t-ブトキシカルボニル基、シクロブ キシカルボニル基、又はシクロプロピルメ キシカルボニル基等が好適な例として挙げ れる。

 アルケニルオキシ基としては、上記アル ニル基の末端に酸素原子を付したアルケニ エーテル基等が挙げられ、1個又は2個以上 二重結合を含む低級アルケニルオキシ基が ましく、1個の二重結合を含む低級アルケニ オキシ基がより好ましい。低級アルケニル キシ基としては、炭素数2から4までのアル ニルオキシ基が好ましい。具体的には、ビ ルオキシ基、アリルオキシ基、又はプロペ ルオキシ基が好ましく、アリルオキシ基が に好ましい。

 アルケニルチオ基としては、上記アルケ ル基の末端に硫黄原子を付したアルケニル オエーテル基等が挙げられ、1個又は2個以 の二重結合を含む低級アルケニルチオ基が ましく、1個の二重結合を含む低級アルケニ チオ基がより好ましい。低級アルケニルチ 基としては、炭素数2から4までのアルケニ チオ基が好ましい。具体的には、ビニルチ 基、アリルチオ基、又はプロペニルチオ基 好ましく、アリルチオ基が特に好ましい。

 アシル基としては、例えばアルカノイル 又はアリールカルボニル基が好ましい例と て挙げられ、アルカノイル基が好ましく、 級アルカノイル基がさらに好ましい。アル ノイル基としては、直鎖状、分枝状、環状 又はそれらの組み合わせである飽和アルキ カルボニル基が挙げられるが、該アルキル 分は1個又は2個以上の不飽和結合を含んで てもよい。低級アルカノイル基としては、 素数2から5までのアシル基が好ましい。具体 的にはアセチル基、プロパノイル基、ブタノ イル基、2-メチルプロパノイル基、シクロプ ピルカルボニル基、ペンタノイル基、3-メ ルブタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル 、又はシクロブチルカルボニル基等が好適 例として挙げられる。

 アシルオキシ基としては、例えばアルカ イルオキシ基(アルキルカルボニルオキシ基 )又はアリールカルボニルオキシ基が好まし 例として挙げられ、アルカノイルオキシ基 好ましく、低級アルカノイルオキシ基がさ に好ましい。アルカノイルオキシ基のアル ル部分は1個又は2個以上の不飽和結合を含ん でいてもよい。低級アルカノイルオキシ基と しては、炭素数2から5までのアシルオキシ基 好ましい。具体的には、アセトキシ基、プ パノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2 -メチルプロパノイルオキシ基、シクロプロ ルカルボニルオキシ基、ペンタノイルオキ 基、3-メチルブタノイルオキシ基、2,2-ジメ ルプロパノイルオキシ基、又はシクロブチ カルボニルオキシ基等が好適な例として挙 られる。

 アルキルスルフィニル基としては、低級 ルキルスルフィニル基が好ましい例として げられる。低級アルキルスルフィニル基と ては、炭素数1から4までのアルキルスルフ ニル基が好ましい。具体的には、メチルス フィニル基、エチルスルフィニル基、n-プロ ピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィ ニル基、シクロプロピルスルフィニル基、n- チルスルフィニル基、イソブチルスルフィ ル基、s-ブチルスルフィニル基、t-ブチルス ルフィニル基、シクロブチルスルフィニル基 、又はシクロプロピルメチルスルフィニル基 等が好適な例として挙げられる。

 アルキルスルホニル基としては、低級ア キルスルホニル基が好ましい例として挙げ れる。低級アルキルスルホニル基としては 炭素数1から4までのアルキルスルホニル基 好ましい。具体的には、メチルスルホニル 、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニ ル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプ ロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基 イソブチルスルホニル基、s-ブチルスルホ ル基、t-ブチルスルホニル基、シクロブチル スルホニル基、又はシクロプロピルメチルス ルホニル基等が好適な例として挙げられる。

 アルキルカルバモイル基としては、低級 ルキルカルバモイル基が好ましい例として げられる。低級アルキルカルバモイル基と ては、炭素数1から4までのアルキルカルバ イル基が好ましい。具体的には、メチルカ バモイル基、エチルカルバモイル基、n-プロ ピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモ イル基、シクロプロピルカルバモイル基、n- チルカルバモイル基、イソブチルカルバモ ル基、s-ブチルカルバモイル基、t-ブチルカ ルバモイル基、シクロブチルカルバモイル基 、又はシクロプロピルメチルカルバモイル基 等が好適な例として挙げられる。

 アミノ基としては、-NH 2 基が挙げられる。

 アリール環としては、例えば、単環式芳 族環又は縮合多環式芳香族環等が挙げられ 。アリール環は炭化水素環であってもよい 、炭素原子以外の環構成原子として、例え 、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から る群から選ばれる1種又は2種以上のヘテロ 子を1個以上、例えば1~3個を含んでいてもよ 。

 該単環式芳香族環としては、単環式芳香 炭化水素、又はヘテロ原子を1個又は2個以 含む単環式芳香族複素環などが挙げられる 単環式芳香族炭化水素としてはベンゼン環 挙げられる。単環式芳香族複素環としては テロ原子を1個又は2個以上含む5又は6員環の 香族複素環が挙げられる。5又は6員環芳香 複素環としては、具体的には、チオフェン ピリジン、フラン、チアゾール、オキサゾ ル、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、 ロール、イミダゾール、ピリダジン、イソ アゾール、イソオキサゾール、1,2,4-オキサ アゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チ ジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、又はフ ザン等が好適な例として挙げられる。

 該縮合多環式芳香族環としては、縮合多 式芳香族炭化水素、又はヘテロ原子を1個又 は2個以上含む縮合多環式芳香族複素環など 挙げられる。縮合多環式芳香族炭化水素と ては、例えば、炭素数9~14個の縮合多環式、 なわち、2又は3環式芳香族炭化水素が挙げ れ、具体例としては、ナフタレン、インデ 、フルオレン、又はアントラセン等が好適 例として挙げられる。縮合多環式芳香族複 環としては、例えば、ヘテロ原子を1個以上 例えば1~4個を含む9~14員、好ましくは9又は10 員の縮合多環式芳香族複素環などが挙げられ 、具体例としては、ベンゾフラン、ベンゾチ オフェン、ベンズイミダゾール、ベンズオキ サゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチ アゾール、ナフト[2,3-b]チオフェン、キノリ 、イソキノリン、インドール、インダゾー 、キノキサリン、フェナントリジン、フェ チアジン、フェノキサジン、フタラジン、 フチリジン、キナゾリン、シンノリン、カ バゾール、β-カルボリン、アクリジン、フ ナジン、フタルイミド、又はチオキサンテ 等が好適な例として挙げられる。

 アリール基としては、例えば、単環式芳 族基又は縮合多環式芳香族基等が挙げられ 上記に説明したアリール環から任意の1個の 水素原子を除いてできる1価の残基を例示す ことができる。

 該単環式芳香族基としては、単環式芳香 環から任意の1個の水素原子を除いてできる 1価の残基が挙げられる。単環式芳香族基の 体例としては、フェニル基、チエニル基(2- は3-チエニル基)、ピリジル基(2-, 3- 又は4- リジル基)、フリル基(2-又は3-フリル基)、チ ゾリル基(2-, 4- 又は5-チアゾリル基)、オキ サゾリル基(2-, 4- 又は5-オキサゾリル基)、 ラゾリル基(1-, 3- 又は4-ピラゾリル基)、2- ラジニル基、ピリミジニル基(2-, 4- 又は5- リミジニル基)、ピロリル基(1-, 2- 又は3-ピ リル基)、イミダゾリル基(1-, 2- 又は4-イミ ダゾリル基)、ピリダジニル基(3-又は4-ピリダ ジニル基)、3-イソチアゾリル基、3-イソオキ ゾリル基、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル基 又は1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基等が好 な例として挙げられる。

 該縮合多環式芳香族基としては、2~4個、 ましくは2又は3個の環からなる縮合多環式 香族環から任意の1個の水素原子を除いてで る1価の残基が挙げられる。

 縮合多環式芳香族基の具体例としては、1 -ナフチル基、2-ナフチル基、2-インデニル基 2-アンスリル基、キノリル基(2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7- 又は8-キノリル基)、イソキノリル基(1 -, 3-, 4-, 5-, 6-, 7- 又は8-イソキノリル基) インドリル基(1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6- 又は7-イ ンドリル基)、イソインドリル基(1-, 2-, 4-  は5-イソインドリル基)、インダゾリル基(1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6- 又は7-インダゾリル基)、 タラジニル基(1-, 5- 又は6-フタラジニル基) キノキサリニル基(2-, 3- 又は5-キノキサリ ル基)、ベンゾフラニル基(2-, 3-, 4-, 5- 又 6-ベンゾフラニル基)、ベンゾチアゾリル基( 2-, 4-, 5- 又は6-ベンゾチアゾリル基)、ベン イミダゾリル基(1-, 2-, 4-, 5- 又は6-ベンズ イミダゾリル基)、フルオレニル基(1-, 2-, 3- 又は4-フルオレニル基)、又はチオキサンテ ル基等が好適な例として挙げられる。

 アリールオキシ基としては、アリールエ テル基が挙げられる。アリールオキシ基に けるアリール環としては、前記のアリール が例示され、アリールオキシ基におけるア ール環の好適な例としては、前記のアリー 環における好適な例が挙げられる。

 アリーレン基としては、前記に説明したア ール環から任意の2個の水素原子を除いてで きる2価の残基を例示することができる。具 例としては例えば下記式で表される2価の基 例示することができる。なお下記式におい 、V 1 およびV 2 はアリーレン基の結合する結合手を示す。

 上記で示した例はアリーレン基の例の一 であり、同様にキノキサリン、フェナント ジン、フェノチアジン、フェノキサジン、 タラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シ ノリン、カルバゾール、β-カルボリン、ア リジン、フェナジン、フタルイミド、又は オキサンテン等についても水素原子を2つ除 いて2価の基とし、アリーレン基として使用 ることができる。

 置換されていてもよいアルキル基におけ 置換基としては、水酸基、シアノ基、ハロ ン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、1 個以上のハロゲン原子で任意に置換されたア ルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルケニ ルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アル キルスルフィニル基、アルキルスルホニル基 、アルキルカルバモイル基、アルキルアミノ 基、ジアルキルアミノ基、1個以上のハロゲ 原子で任意に置換されたアルキルアミノ基 アシルアミノ基、アシル(アルキル)アミノ基 、アルキルスルホニルアミノ基、アルキルス ルホニル(アルキル)アミノ基、1個以上のハロ ゲン原子で任意に置換されたアルキルスルホ ニルアミノ基、1個以上のハロゲン原子で任 に置換されたアルキルスルホニル(アルキル) アミノ基、1又は2個の置換されていてもよい ルキル基で置換されたアミノ基、1又は2個 置換されていてもよいアリール基で置換さ たアミノ基、置換されていてもよいアリー 基及び置換されていてもよいアルキル基で 換されたアミノ基、置換されていてもよい ルコキシ基、置換されていてもよいアリー オキシ基、又は置換されていてもよいアリ ル基等が好適な例として挙げられ、水酸基 ハロゲン原子、又はアルコキシ基がより好 しい例として挙げられ、アルコキシ基又は ッ素原子がさらに好ましい例として挙げら 、アルコキシ基が特に好ましい例として挙 られる。また、フッ素原子が特に好ましい の態様もある。

 本明細書において、置換されていてもよ 基(すなわち、アルキル基、アルケニル基、 アルキニル基、アルコキシ基など)における 換基の数は特に限定されないが、通常1個か 数個であり、1個であることが好ましい。別 の態様においては、置換されていてもよい基 における置換基がハロゲン原子である場合、 該置換基の数は1~3個であることが好ましい。

 置換されていてもよいアルキル基として 、前述したアルキル基としての好適な例が ましい。別の態様として、置換されていて よいアルキル基としては、前述した置換さ ていてもよいアルキル基における好適な置 基によって置換されたアルキル基が好まし 。置換されていてもよいアルキル基として 、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基 、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、 クロブチル基、シクロプロピルメチル基、n- ペンチル基、シクロペンチル基、シクロプロ ピルエチル基、シクロブチルメチル基、n-ヘ シル基、シクロヘキシル基、シクロプロピ プロピル基、シクロブチルエチル基、シク ペンチルメチル基、トリフルオロメチル基 ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル 、メトキシメチル基、又は2-メトキシエチル 基等が好適な例として挙げられ、より好まし い例として、メチル基、エチル基、n-プロピ 基、イソプロピル基、トリフルオロメチル 、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチ 基、メトキシメチル基、又は2-メトキシエチ ル基が挙げられ、特に好ましい例としてメチ ル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒ ロキシエチル基、又はメトキシメチル基が げられる。

 置換されていてもよいアルケニル基にお る置換基、置換されていてもよいアルキニ 基における置換基としては、上記の置換さ ていてもよいアルキル基における置換基が げられる。置換されていてもよいアルケニ 基としては、前述したアルケニル基として 好適な例が好ましく、置換されていてもよ アルキニル基としては、前述したアルキニ 基としての好適な例が好ましい。

 置換されていてもよいアルキレン基にお る置換基としては、上記の置換されていて よいアルキル基における置換基が挙げられ 。置換されていてもよいアルキレン基とし は、前述したアルキレン基としての好適な が好ましい。

 置換されていてもよいアルコキシ基にお る置換基としては、上記の置換されていて よいアルキル基における置換基が挙げられ 。置換されていてもよいアルコキシ基とし は、前述したアルコキシ基としての好適な が好ましい。別の態様として、置換されて てもよいアルコキシ基としては、前述した 換されていてもよいアルキル基における好 な置換基によって置換された好適なアルコ シ基が好ましい。具体的には、メトキシ基 エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ シ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブ キシ基、t-ブトキシ基、トリフルオロメト シ基、又は2-メトキシエトキシ基が好適な例 として挙げられ、より好ましい例として、メ トキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキ シ基、又は2-メトキシエトキシ基が挙げられ 特に好ましい例としてメトキシ基、又はエ キシ基が挙げられ、最も好ましい例として トキシ基が挙げられる。

 置換されていてもよいアルキルチオ基に ける置換基としては、上記の置換されてい もよいアルキル基における置換基が挙げら る。置換されていてもよいアルキルチオ基 しては、前述したアルキルチオ基としての 適な例が好ましい。具体的には、メチルチ 基、エチオルチオ基、n-プロピルチオ基、 ソプロピルチオ基、シクロプロピルチオ基 n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s-ブチ チオ基、t-ブチルチオ基、シクロブチルチ 基、シクロプロピルメチオルチオ基、又は2- メトキシエチルチオ基等が好適な例として挙 げられ、より好ましい例として、メチルチオ 基、エチルチオ基、又は2-メトキシエチルチ 基が挙げられ、特に好ましい例としてメチ チオ基又はエチルチオ基が挙げられる。

 置換されていてもよいアルコキシカルボ ル基としては、前記の置換されていてもよ アルコキシ基の末端にカルボニル基を付し ものが好適な例として挙げられる。具体的 は、メトキシカルボニル基、エトキシカル ニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソ ロポキシカルボニル基、シクロプロポキシ ルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソ ブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボニ 基、t-ブトキシカルボニル基、シクロブト シカルボニル基、又はシクロプロピルメト シカルボニル基等が好適な例として挙げら 、より好ましい例として、メトキシカルボ ル基、エトキシカルボニル基、又はt-ブトキ シカルボニル基が挙げられ、特に好ましい例 として、メトキシカルボニル基又はエトキシ カルボニル基が挙げられる。

 置換されていてもよいアミノ基としては、- NH 2 基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基 、アシルアミノ基、アシル(アルキル)アミノ 、アルキルスルホニルアミノ基、アルキル ルホニル(アルキル)アミノ基、1個以上のハ ゲン原子で任意に置換されたアルキルアミ 基、1個以上のハロゲン原子で任意に置換さ れたアルキルスルホニルアミノ基、又は1個 上のハロゲン原子で任意に置換されたアル ルスルホニル(アルキル)アミノ基等が挙げら れる。さらに、置換されていてもよいアミノ 基としては、1又は2個の置換されていてもよ アルキル基で置換されたアミノ基、1又は2 の置換されていてもよいアリール基で置換 れたアミノ基、置換されていてもよいアリ ル基及び置換されていてもよいアルキル基 置換されたアミノ基、置換されていてもよ アシル基で置換されたアミノ基、置換され いてもよいアシル基で置換されたアルキル ミノ基、置換されていてもよいアルキルス ホニル基で置換されたアミノ基、置換され いてもよいアルキルスルホニル基で置換さ たアルキルアミノ基、置換されていてもよ アルキルカルバモイルアミノ基、置換され いてもよいアルキルチオカルバモイルアミ 基、置換されていてもよいアリールカルバ イルアミノ基、置換されていてもよいアリ ルチオカルバモイルアミノ基、置換されて てもよいアルキルオキシカルボニルアミノ 、又は置換されていてもよいアリールオキ カルボニルアミノ基等も挙げられる。

 アルキルアミノ基としては、低級アルキ アミノ基が好ましい例として挙げられる。 級アルキルアミノ基としては、炭素数1から 4までのアルキルアミノ基が好ましい。具体 には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n- プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、 シクロプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基 イソブチルアミノ基、s-ブチルアミノ基、t- ブチルアミノ基、シクロブチルアミノ基、又 はシクロプロピルメチルアミノ基等が好適な 例として挙げられ、より好ましい例として、 メチルアミノ基、エチルアミノ基、又はイソ プロピルアミノ基が挙げられ、特に好ましい 例としてメチルアミノ基又はエチルアミノ基 が挙げられる。

 ジアルキルアミノ基としては、同一又は なったアルキル基で置換されたアミノ基が げられ、通常、低級ジアルキルアミノ基が ましい。低級ジアルキルアミノ基としては それぞれ炭素数1から4までのアルキルで置 されたアミノ基が好ましい。具体的には、 メチルアミノ基、エチル(メチル)アミノ基、 ジエチルアミノ基、メチル(n-プロピル)アミ 基、イソプロピル(メチル)アミノ基、シクロ プロピル(メチル)アミノ基、n-ブチル(メチル) アミノ基、イソブチル(メチル)アミノ基、s- チル(メチル)アミノ基、t-ブチル(メチル)ア ノ基、シクロブチル(メチル)アミノ基、又は シクロプロピルメチル(メチル)アミノ基等が 適な例として挙げられ、より好ましい例と て、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基 又はエチル(メチル)アミノ基が挙げられ、 に好ましい例として、ジメチルアミノ基又 ジエチルアミノ基が挙げられる。

 アシルアミノ基としては、上記アシル基 置換されたアミノ基が挙げられ、アシル基 好ましい例については前記と同様である。 体的には、アセチルアミノ基、プロパノイ アミノ基、ブタノイルアミノ基、2-メチル ロパノイルアミノ基、シクロプロピルカル ニルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、3-メ チルブタノイルアミノ基、2,2-ジメチルプロ ノイルアミノ基、又はシクロブチルカルボ ルアミノ基などが好適な例として挙げられ より好ましい例として、アセチルアミノ基 プロパノイルアミノ基、又は2,2-ジメチルプ パノイルアミノ基が挙げられ、特に好まし 例として、アセチルアミノ基又はプロパノ ルアミノ基が挙げられる。

 アシル(アルキル)アミノ基としては、1個 アシル基及び1個のアルキル基で同時に置換 されたアミノ基が挙げられ、アシル基及びア ルキル基の好ましい例については前記と同様 である。具体的には、アセチル(メチル)アミ 基、メチル(プロパノイル)アミノ基、ブタ イル(メチル)アミノ基、メチル(2-メチルプロ パノイル)アミノ基、シクロプロピルカルボ ル(メチル)アミノ基、メチル(ペンタノイル) ミノ基、メチル(3-メチルブタノイル)アミノ 基、2,2-ジメチルプロパノイル(メチル)アミノ 基、又はシクロブチルカルボニル(メチル)ア ノ基などが好適な例として挙げられ、より ましい例として、アセチル(メチル)アミノ 、又はメチル(プロパノイル)アミノ基が挙げ られ、特に好ましくはアセチル(メチル)アミ 基が挙げられる。

 アルキルスルホニルアミノ基としては、 記アルキルスルホニル基で置換されたアミ 基が挙げられ、アルキルスルホニル基の好 しい例については前記と同様である。具体 には、メチルスルホニルアミノ基、エチル ルホニルアミノ基、n-プロピルスルホニル ミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基 シクロプロピルスルホニルアミノ基、n-ブチ ルスルホニルアミノ基、イソブチルスルホニ ルアミノ基、s-ブチルスルホニルアミノ基、t -ブチルスルホニルアミノ基、シクロブチル ルホニルアミノ基、又はシクロプロピルメ ルスルホニルアミノ基が好適な例として挙 られ、より好ましくは、メチルスルホニル ミノ基、エチルスルホニルアミノ基、又はn- プロピルスルホニルアミノ基が挙げられ、特 に好ましくは、メチルスルホニル基又はエチ ルスルホニル基が挙げられる。

 アルキルスルホニル(アルキル)アミノ基 しては、1個のアルキルスルホニル基及び1個 のアルキル基で同時に置換されたアミノ基が 挙げられ、アルキルスルホニル基及びアルキ ル基の好ましい例については前記と同様であ る。具体的には、メチル(メチルスルホニル) ミノ基、エチルスルホニル(メチル)アミノ 、メチル(n-プロピルスルホニル)アミノ基、 ソプロピルスルホニル(メチル)アミノ基、 クロプロピルスルホニル(メチル)アミノ基、 n-ブチルスルホニル(メチル)アミノ基、イソ チルスルホニル(メチル)アミノ基、s-ブチル ルホニル(メチル)アミノ基、t-ブチルスルホ ニル(メチル)アミノ基、シクロブチルスルホ ル(メチル)アミノ基、又はシクロプロピル チルスルホニル(メチル)アミノ基が好適な例 として挙げられ、より好ましくは、メチル( チルスルホニル)アミノ基又はエチルスルホ ル(メチル)アミノ基が挙げられ、特に好ま くは、メチル(メチルスルホニル)アミノ基が 挙げられる。

 1個以上のハロゲン原子で任意に置換され たアルキルアミノ基としては、上記のアルキ ルアミノ基の1個以上の水素原子が任意の種 のハロゲン原子で置換されたアルキルアミ 基が挙げられ、1個以上のハロゲン原子で任 に置換された炭素数1から4のアルキルアミ 基が好ましい。2個以上のハロゲン原子で置 されている場合には、該ハロゲン原子は同 でも異なっていてもよい。具体的には、ク ロメチルアミノ基、ジクロロメチルアミノ 、トリクロロメチルアミノ基、フルオロメ ルアミノ基、ジフルオロメチルアミノ基、 リフルオロメチルアミノ基、フルオロエチ アミノ基、又は2,2,2-トリフルオロエチルア ノ基等が好適な例として挙げられ、より好 しくはトリフルオロメチルアミノ基、又は2 ,2,2-トリフルオロエチルアミノ基が挙げられ 特に好ましくはトリフルオロメチルアミノ が挙げられる。

 1個以上のハロゲン原子で任意に置換され たアルキルスルホニルアミノ基としては、前 記のアルキルスルホニルアミノ基の1個以上 水素原子が任意の種類のハロゲン原子で置 されたアルキルスルホニルアミノ基が例示 れ、通常、1個以上のハロゲン原子で任意に 換された炭素数1から4のアルキルスルホニ アミノ基が好ましい。2個以上のハロゲン原 で置換されている場合には、該ハロゲン原 は同一でも異なっていてもよい。具体的に 、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基 どが例示される。

 1個以上のハロゲン原子で任意に置換され たアルキルスルホニル(アルキル)アミノ基と ては、前記のアルキルスルホニル(アルキル )アミノ基の1個以上の水素原子が任意の種類 ハロゲン原子で置換されたアルキルスルホ ル(アルキル)アミノ基が例示され、通常、1 以上のハロゲン原子で任意に置換された炭 数1から4のアルキルスルホニル(アルキル)ア ミノ基が好ましい。2個以上のハロゲン原子 置換されている場合には、該ハロゲン原子 同一でも異なっていてもよい。具体的には メチル(トリフルオロメチルスルホニル)アミ ノ基などが例示される。

 1又は2個の置換されていてもよいアルキ 基で置換されたアミノ基における置換され いてもよいアルキル基としては、前述した 換されていてもよいアルキル基としての好 な例が好ましい。1又は2個の置換されていて もよいアルキル基で置換されたアミノ基とし ては、前述したアルキルアミノ基、及びジア ルキルアミノ基としての好適な例が好ましい 。別の態様として、1又は2個の置換されてい もよいアルキル基で置換されたアミノ基と ては、前述した置換されていてもよいアル ル基における好適な置換基によって置換さ た1又は2個のアルキル基で置換されたアミ 基が好ましい。又、別の態様として、1又は2 個の置換されていてもよいアルキル基で置換 されたアミノ基としては、前述した置換され ていてもよいアルキル基における好適な置換 基によって置換された1個のアルキル基で置 されたアミノ基が好ましい。さらに別の態 として、1又は2個の置換されていてもよいア ルキル基で置換されたアミノ基としては、前 述した置換されていてもよいアルキル基にお ける好適な置換基によって置換された1個の ルキル基及び1個の低級アルキル基で置換さ たアミノ基が好ましい。具体的には、ジメ ルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメ ルアミノ基、メトキシエチルアミノ基、メ ル(メトキシエチル)アミノ基、ヒドロキシ チルアミノ基、又はヒドロキシエチル(メチ )アミノ基が好ましい例として挙げられ、特 に好ましい例としてジメチルアミノ基、メト キシエチルアミノ基、又はヒドロキシエチル アミノ基が挙げられる。

 1又は2個の置換されていてもよいアリー 基で置換されたアミノ基における置換され いてもよいアリール基としては、後述する 換されていてもよいアリール基としての好 な例が好ましい。また、1又は2個の置換され ていてもよいアリール基で置換されたアミノ 基としては、1個の前述したアリール基の好 な例で置換されたアミノ基が好ましい。特 好ましい例としてはフェニルアミノ基を挙 ることができる。

 置換されていてもよいアリール基及び置 されていてもよいアルキル基で置換された ミノ基における、置換されていてもよいア ール基の好ましい例としては前記と同様で り、置換されていてもよいアルキル基にお る置換基としては、前述した置換されてい もよいアルキル基の好適な例が好ましい。 換されていてもよいアリール基及び置換さ ていてもよいアルキル基で置換されたアミ 基としては、置換されていてもよいアリー 基で置換されたアルキルアミノ基が好まし 。特に好ましい例としては、メチル(フェニ ル)アミノ基を挙げることができる。

 置換されていてもよいアシル基で置換さ たアミノ基、及び置換されていてもよいア ル基で置換されたアルキルアミノ基におけ アシル基の置換基としては、後述する置換 れていてもよいアシル基における置換基の 適な例が好ましい。置換されていてもよい シル基で置換されたアミノ基の特に好まし 例としては、アセチルアミノ基、プロパノ ルアミノ基、ブタノイルアミノ基、又はフ ニルアセチルアミノ基を挙げることができ 。

 置換されていてもよいアルキルスルホニ 基で置換されたアミノ基、及び置換されて てもよいアルキルスルホニル基で置換され アルキルアミノ基におけるアルキルスルホ ル基の置換基としては、後述する置換され いてもよいアルキルスルホニル基における 換基の好適な例が好ましい。置換されてい もよいアルキルスルホニル基で置換された ミノ基の特に好ましい例としては、メタン ルホニルアミノ基、トリフルオロメタンス ホニルアミノ基、メチル(メタンスルホニル )アミノ基、又はメチル(トリフルオロメタン ルホニル)アミノ基を挙げることができる。

 置換されていてもよいアルキルカルバモ ルアミノ基における置換基としては、該置 基の置換位置がアルキル基上である場合、 置換基は前述した置換されていてもよいア キル基における置換基の好適な例が好まし 、又は該置換基の置換位置がアルキルカル モイルアミノ基の窒素原子上であった場合 、該置換基は前述した置換されていてもよ アルキル基の好適な例、又は水素原子が好 しい。置換されていてもよいアルキルカル モイルアミノ基における置換基は1つ又はそ れ以上あってもよく、それぞれ独立に同一又 は異なっていてもよい。置換されていてもよ いアルキルカルバモイルアミノ基としては、 該置換基として一つ存在し、その置換位置が アルキル基上である基が好ましい。特に好ま しい例としては、エチルカルバモイルアミノ 基又はメチルカルバモイルアミノ基を挙げる ことができる。

 置換されていてもよいアルキルチオカル モイルアミノ基についての好ましい例は上 アルキルカルバモイルアミノ基の例に対応 るそれぞれの場合と同様である。特に好ま い例としては、エチルチオカルバモイルア ノ基又はメチルチオカルバモイルアミノ基 挙げることができる。

 置換されていてもよいアルキルオキシカ ボニルアミノ基についての好ましい例は上 アルキルカルバモイルアミノ基の例に対応 るそれぞれの場合と同様である。特に好ま い例としては、エトキシカルボニルアミノ 又はメトキシカルボニルアミノ基を挙げる とができる。

 置換されていてもよいアリールカルバモ ルアミノ基における置換基としては、該置 基の置換位置がアリール基上である場合、 述する置換されていてもよいアリール基に ける置換基の好適な例が好ましく、該置換 の置換位置がアリールカルバモイルアミノ の窒素上であった場合には、該置換基は前 した置換されていてもよいアルキル基の好 な例、又は水素原子が好ましい。置換され いてもよいアリールカルバモイルアミノ基 おける置換基は一つ又はそれ以上あっても く、それぞれ独立に同一又は異なっていて よい。置換されていてもよいアリールカル モイルアミノ基としては、該置換されてい もよいアリールカルバモイルアミノ基上の 換基として一つ存在し、その置換位置がア ール基上である基が好ましい。特に好まし 例としては、置換されていてもよいフェニ カルバモイルアミノ基を挙げることができ 。

 置換されていてもよいアリールチオカル モイルアミノ基についての好ましい例は上 アリールカルバモイルアミノ基の例に対応 るそれぞれの場合と同様である。

 置換されていてもよいアリールオキシカ ボニルアミノ基についての好ましい例は上 アリールカルバモイルアミノ基の例に対応 るそれぞれの場合と同様である。特に好ま い例としては、置換されていてもよいフェ ルチオカルバモイルアミノ基を挙げること できる。

 置換されていてもよいアリールオキシ基 おける置換基としては、後述する置換され いてもよいアリール基における置換基の好 な例が好ましい。置換されていてもよいア ールオキシ基における置換基は一つ又はそ 以上あってもよく、それぞれ独立に同一又 異なっていてもよい。置換されていてもよ アリールオキシ基としては、該置換されて てもよいアリールオキシ基上の置換基とし 一つ存在する基が好ましい。特に好ましい としては、置換されていてもよいフェニル キシ基、2-チエニルオキシ基、又は3-チエニ ルオキシ基を挙げることができる。

 置換されていてもよいアシル基における 換基としては、上記の置換されていてもよ アルキル基における置換基と同様であるが 特に、1個以上のハロゲン原子が好ましい。

 置換されていてもよいアシル基としては 1個以上のハロゲン原子で任意に置換された アシル基が好ましく、1個以上のハロゲン原 で任意に置換された炭素数2から5のアシル基 が好ましい。2個以上のハロゲン原子で置換 れている場合には、該ハロゲン原子は同一 も異なっていてもよい。トリフルオロアセ ル基等が好適な例として挙げられる。

 そのほかに、置換されていてもよいアシ 基としては、アセチル基、プロパノイル基 ブタノイル基、2-メチルプロパノイル基、 クロプロピルカルボニル基、ペンタノイル 、3-メチルブタノイル基、2,2-ジメチルプロ ノイル基、又はシクロブチルカルボニル基 が好ましく、より好ましくはアセチル基、 ロパノイル基、又は2,2-ジメチルプロパノイ 基が挙げられ、特に好ましくはアセチル基 又はプロパノイル基が挙げられる。

 置換されていてもよいアシルオキシ基と ては、上記の置換されていてもよいアシル の末端に酸素原子を付したものが好ましい トリフルオロアセトキシ基等が好適な例と て挙げられる。

 そのほかに、置換されていてもよいアシ オキシ基としては、アセトキシ基、プロパ イルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2-メ ルプロパノイルオキシ基、シクロプロピル ルボニルオキシ基、ペンタノイルオキシ基 3-メチルブタノイルオキシ基、2,2-ジメチル ロパノイルオキシ基、又はシクロブチルカ ボニルオキシ基等が好ましく、より好まし はアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、 は2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基が挙げ れ、特に好ましくはアセトキシ基又はプロ ノイルオキシ基があげられる。

 置換されていてもよいアルキルスルフィ ル基における置換基としては、上記の置換 れていてもよいアルキル基における置換基 同様であるが、特に、1個以上のハロゲン原 子が好ましい。

 置換されていてもよいアルキルスルフィ ル基としては、1個以上のハロゲン原子で任 意に置換されたアルキルスルフィニル基が好 ましく、1個以上のハロゲン原子で任意に置 された炭素数1から4のアルキルスルフィニル 基が好ましい。2個以上のハロゲン原子で置 されている場合には、該ハロゲン原子は同 でも異なっていてもよい。トリフルオロメ ンスルフィニル基等が好適な例として挙げ れる。

 そのほかに、置換されていてもよいアル ルスルフィニル基としては、メチルスルフ ニル基、エチルスルフィニル基、n-プロピ スルフィニル基、イソプロピルスルフィニ 基、シクロプロピルスルフィニル基、n-ブチ ルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル 基、s-ブチルスルフィニル基、t-ブチルスル ィニル基、シクロブチルスルフィニル基、 はシクロプロピルメチルスルフィニル基等 好ましく、より好ましい例としてメチルス フィニル基、又はエチルスルフィニル基が げられ、特に好ましくは、メチルスルフィ ル基が挙げられる。

 置換されていてもよいアルキルスルホニ 基における置換基としては、上記の置換さ ていてもよいアルキル基における置換基と 様であるが、特に、1個以上のハロゲン原子 が好ましい。

 置換されたアルキルスルホニル基として 、1個以上のハロゲン原子で任意に置換され たアルキルスルホニル基が好ましく、1個以 のハロゲン原子で任意に置換された炭素数1 ら4のアルキルスルホニル基が好ましい。2 以上のハロゲン原子で置換されている場合 は、該ハロゲン原子は同一でも異なってい もよい。トリフルオロメタンスルホニル基 が好適な例として挙げられる。

 そのほかに、置換されていてもよいアル ルスルホニル基としては、メチルスルホニ 基、エチルスルホニル基、n-プロピルスル ニル基、イソプロピルスルホニル基、シク プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル 基、イソブチルスルホニル基、s-ブチルスル ニル基、t-ブチルスルホニル基、シクロブ ルスルホニル基、又はシクロプロピルメチ スルホニル基等が好ましく、より好ましい としては、メチルスルホニル基、又はエチ スルホニル基が挙げられ、特に好ましくは チルスルホニル基が挙げられる。

 置換されていてもよいアリール環におけ 置換基、置換されていてもよいアリール基 おける置換基としては、水酸基、1個以上の 水酸基で任意に置換されたアルキル基、ハロ ゲン原子、1個以上のハロゲン原子で任意に 換されたアルキル基、アルコキシ基、アル ルチオ基、1個以上のハロゲン原子で任意に 換されたアルコキシ基、アルケニルオキシ 、アルケニルチオ基、アシル基、アシルオ シ基、アルキルスルフィニル基、アルキル ルホニル基、アルキルカルバモイル基、ア キルアミノ基、ジアルキルアミノ基、1個以 上のハロゲン原子で任意に置換されたアルキ ルアミノ基、アシルアミノ基、アシル(アル ル)アミノ基、アルキルスルホニルアミノ基 アルキルスルホニル(アルキル)アミノ基、1 以上のハロゲン原子で任意に置換されたア キルスルホニルアミノ基、又は1個以上のハ ロゲン原子で任意に置換されたアルキルスル ホニル(アルキル)アミノ基等が好適な例とし 挙げられる。

 置換されていてもよいアリール環又は置 されていてもよいアリール基としては、前 したアリール環又はアリール基としての好 な例が挙げられる。別の態様として、上記 置換されていてもよいアルキル基における 換基若しくは低級アルキル基を有するアリ ル環又は置換されていてもよいアルキル基 おける置換基若しくは低級アルキル基を有 るアリール基が好適な例として挙げられる

 置換されていてもよいアリーレン基にお る置換基としては、上記の置換されていて よいアリール基における置換基が挙げられ 。置換されていてもよいアリーレン基とし は、前述したアリーレン基として例示され いる例が好ましい。

 本発明においては、特に指示しない限り 性体はこれをすべて包含する。二重結合、 、縮合環における異性体(E、Z、シス、トラ ス)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S 体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステ オマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d 、l体)、クロマトグラム分離による極性体(高 極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性 、これら任意の割合の混合物、及びラセミ 合物はすべて本発明に含まれる。

 本発明においては、特に断らない限り、 業者にとって明らかなように記号

は紙面の向こう側(すなわちα-配置)に結合し いることを表し、記号

は紙面の手前側(すなわちβ-配置)に結合して ることを表し、記号

はα-配置、β-配置又はそれらの混合物である ことを表すか、又は二重結合における異性体 のE体、Z体、又はそれらの混合物であること 表し、記号

はα-配置とβ-配置の混合物であることを表す 。

 前記一般式(1)中、Ar 1 はヘテロアリール環を示す。該ヘテロアリー ル環としては単環式芳香族複素環が挙げられ る。単環式芳香族複素環としてはヘテロ原子 を1個又は2個以上含む5又は6員環の芳香族複 環が挙げられる。5又は6員環芳香族複素環と しては、具体的には、チオフェン、ピリジン 、フラン、チアゾール、オキサゾール、ピラ ゾール、ピラジン、ピリミジン、ピロール、 イミダゾール、ピリダジン、イソチアゾール 、イソオキサゾール、1,2,3-トリアゾール、又 は1,3,4-トリアゾール等が好適な例として挙げ られる。

 より具体的には、前記一般式(1)中の部分 造である一般式(2)

で表される部分が下記の構造で示される化合 物を挙げることができる。

 Ar 1 はチオフェン環であることが好ましい。Ar 1 がチオフェン環である化合物として、下記一 般式(3)又は(4)[一般式(3)及び(4)中、R 11 、R 12 、R 21 、R 22 、R 31 、n、m、及びY 1 は前記と同義]である化合物が挙げられる。

 Ar 1 がチオフェン環である場合、一般式(3)で示さ れる化合物が好ましい。あるいは、一般式(4) で示される化合物が好ましい別の態様もある 。

 R 11 は-R 111 -R 112 -R 113 -R 114 (R 111 は単結合、-O-、-NR 1111 -、-NR 1111 CO-、-CONR 1111 -、-NR 1111 SO 2 -、-SO 2 NR 1111 -(R 1111 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示 、R 112 は置換されていてもよいアルキレン基又は置 換されていてもよいアリーレン基を示し、R 112 はR 1111 と結合し環構造を形成してもよく、R 113 は単結合、-O-、-NR 1131 -、-NR 1131 CO-、-CONR 1131 -、-NR 1131 SO 2 -、-SO 2 NR 1131 -(R 1131 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示 、R 114 は置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルキル基、又は水素原子を 示し、R 114 はR 1113 と結合し環構造を形成してもよい)を示す。

 Ar 1 がチオフェン環である場合、R 11 の置換位置としては以下が例示される。

 Ar 1 がチオフェン環である場合、R 11 の置換位置としては

が好ましく、

がさらに好ましい。

 R 111 は単結合、-O-、-NR 1111 -、-NR 1111 CO-、-CONR 1111 -、-NR 1111 SO 2 -、-SO 2 NR 1111 -(R 1111 は水素原子又は置換されていてもよいアルキ ル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示 。ただし、Ar 1 が窒素原子を含む基であって、かつR 11 の置換位置がAr 1 上の窒素原子であった場合、R 111 は単結合、-CONR 1111 -、-SO 2 NR 1111 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-である。また、R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 111 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 111 は単結合、-NR 1111 CO-、-NR 1111 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示す。Ar 1 が窒素原子を含む基であって、かつR 111 の結合位置がAr 1 の窒素原子上である化合物の例は、下記の一 般式で示される化合物を挙げることができる 。

[上記一般式NL-1からNL-7において、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 31 、n、m、およびY 1 は前記と同義である。]
 R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 111 の結合位置がR 112 の窒素原子上であるR 11 の例は、下記の一般式で示される基を挙げる ことができる。

[上記一般式NL-11からNL-34において、V 6 はAr 1 との結合手を示し、R 111 、R 113 、及びR 114 は前記と同義である。]
 R 111 が-NR 1111 CO-である場合、-NR 1111 がAr 1 に結合しCO-がR 112 に結合する。同様に、R 111 が-CONR 1111 -である場合、-COがAr 1 に結合しNR 1111 -がR 112 に結合する。また、R 111 が-NR 1111 SO 2 -である場合、-NR 1111 がAr 1 に結合しSO 2 -がR 112 に結合する。同様に、R 111 が-SO 2 NR 1111 -である場合、-SO 2 がAr 1 に結合しNR 1111 -がR 112 に結合する。R 111 としては単結合又は-CH=CH-が好ましく、単結 がさらに好ましい。また、-CH=CH-が好ましい の態様もある。

 R 112 は置換されていてもよいアリーレン基、又は 置換されていてもよいアルキレン基を示す。 R 112 は置換されていてもよいアリーレン基である ことが好ましく、さらに好ましくは前記の置 換されていてもよいアリーレン基の好ましい 例と同様であり、特に好ましくは置換されて いてもよいフェニレン基である。

 R 112 が置換されていてもよいアリーレン基である 場合、該置換されていてもよいアリーレン基 におけるアリーレン基としては、上記のアリ ーレン基であれば特に限定されないが、ベン ゼン又はチオフェンから任意の2個の水素原 を除いてできる2価の残基が挙げられる。

 前記のアリーレンの例示において、V 1 で示される結合手がR 111 と結合し、かつV 2 で示される結合手がR 113 と結合することが好ましい。また、V 1 で示される結合手がR 113 と結合し、かつV 2 で示される結合手がR 111 と結合することが好ましい別の態様もある。

 また、該置換されていてもよいアリーレ 基における置換基としては、上記の置換さ ていてもよいアリーレン基における置換基 好適な例であれば特に限定されないが、ハ ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又 シアノ基であることが好ましく、ハロゲン 子又はアルキル基であることがさらに好ま い。ハロゲン原子としては、フッ素原子、 素原子、又は臭素原子が好ましく、フッ素 子がより好ましい。

 R 112 はR 111 中にR 1111 が存在する場合はR 1111 と結合し環構造を形成してもよく、その場合 の該-R 111 -R 112 -部分構造としては以下の例が挙げられる。

 上記式中、V 3 はAr 1 への結合手を示し、V 4 はR 113 への結合手を示す。

 R 113 は単結合、-O-、-NR 1131 -、-NR 1131 CO-、-CONR 1131 -、-NR 1131 SO 2 -、-SO 2 NR 1131 -(R 1131 は水素原子、又は置換されていてもよいアル キル基を示す)、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を す。ただし、R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 112 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-CONR 1131 -、-SO 2 NR 1131 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示し、R 114 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 114 の窒素原子上であった場合はR 113 は単結合、-NR 1131 CO-、-NR 1131 SO 2 -、-(C=O)-、-C≡C-、又は-CH=CH-を示す。

 R 112 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 112 の窒素原子上であるR 11 の例は、下記の一般式で示される基を挙げる ことができる。

[上記一般式NL-41からNL-64において、V 6 、R 111 、R 113 、およびR 114 は前記と同義である。]
 R 114 が窒素原子を含む基であって、かつR 113 の結合位置がR 114 の窒素原子上であるR 114 の例は、下記の一般式で示される基を挙げる ことができる。

[上記一般式NL-71からNL-76において、V 7 はR 113 との結合手を示す。]
 R 113 が-NR 1131 CO-である場合、-NR 1131 がR 112 に結合しCO-がR 114 に結合する。同様に、R 113 が-CONR 1131 -である場合、-COがR 112 に結合しNR 1131 -がR 114 に結合する。また、R 113 が-NR 1131 SO 2 -である場合、-NR 1131 がR 112 に結合しSO 2 -がR 114 に結合する。同様に、R 113 が-SO 2 NR 1131 -である場合、-SO 2 がR 112 に結合しNR 1131 -がR 114 に結合する。R 113 としては単結合又は-(C=O)-が好ましく、単結 がさらに好ましい。また、R 113 としては-CH=CH-又は-C≡C-が好ましい別の態様 あり、さらに好ましくは-CH=CH-である。

 R 1131 が置換されていてもよいアルキル基である場 合、該置換されていてもよいアルキル基にお ける置換基としては上記の置換されていても よいアルキル基における置換基の好適な例で あれば特に限定されないが、ハロゲン原子又 はアルコキシ基であることが好ましく、フッ 素原子又はアルコキシ基であることがさらに 好ましい。

 R 114 は置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアルキル基、又は水素原子を 示す。R 114 は置換されていてもよいアリール基又は水素 原子であることが好ましく、より好ましくは 前記のアリール基の好ましい例と同様である か、又は水素原子であり、特に好ましくはフ ェニル基、1-ピラゾリル基、又は水素原子で り、さらに好ましくはフェニル基である。 た、1-メチル-1H-インダゾール-5-イル基が好 しい別の態様もある。

 R 114 が置換されていてもよいアリール基である場 合、該置換されていてもよいアリール基にお けるアリール基としては、上記のアリール基 であれば特に限定されないが、ベンゼン又は チオフェンから任意の1個の水素原子を除い できる1価の残基が挙げられる。

 また、該置換されていてもよいアリール における置換基としては、上記の置換され いてもよいアリール基における置換基の好 な例であれば特に限定されないが、ハロゲ 原子又はアルコキシ基であることが好まし 、フッ素原子又はアルコキシ基であること さらに好ましい。特に好ましくはアルコキ 基である。また、置換されてもよいアミノ が好ましい別の態様もある。

 R 114 が置換されていてもよいアルキル基である場 合、該置換されていてもよいアルキル基にお ける置換基としては上記の置換されていても よいアルキル基における置換基の好適な例で あれば特に限定されないが、ハロゲン原子又 はアルコキシ基であることが好ましく、フッ 素原子又はアルコキシ基であることがさらに 好ましい。

 R 114 はR 113 中にR 1131 が存在する場合はR 1113 と結合し環構造を形成してもよく、その場合 の該-R 113 -R 114 部分構造としては以下の例が挙げられる。

 上記式中、V 5 はR 112 への結合手を示す。

 以上のR 111 、R 112 、R 113 、及びR 114 の組み合わせとして、R 11 の好適な例としては以下の置換基が例示され る。

 上記式中、矢印はAr 1 への結合手を示す。

 R 11 のさらに好適な例としては上記式ER11-5式で表 される置換基が挙げられる。
また、別の態様として上記式ER11-11式で表さ る置換基が好適な例として挙げられる。さ に別の態様として上記式ER11-15、又はER11-16式 で表される置換基が好適な例として挙げられ る。

 R 12 及びR 13 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換 されていてもよいアルキル基、置換されてい てもよいアルケニル基、置換されていてもよ いアルキニル基、置換されていてもよいアル コキシ基、又は置換されていてもよいアミノ 基を示し、又は存在しない。より具体的には 、前記一般式(1)中の部分構造式である前記一 般式(2)の構造によってR 12 及びR 13 の存在の有無が下記のように決定される。
1.一般式(2)の構造が前記PD-1、PD-2、PD-3、PD-4、 PR-1、PR-2、PR-3、PR-4、又はPR-5である場合はR 12 、R 13 共に存在する
2.一般式(2)の構造が前記TP-1、TP-2、TP-3、FR-1、 FR-2、FR-3、PZ-1、PZ-2、PZ-3、PZ-4、PA-1、PM-1、PM-2 、IZ-1、IZ-2、IZ-3、IZ-4、IZ-5、PN-1、PN-2、又はPN -3である場合はR 12 は存在しR 13 は存在しない。
3.一般式(2)の構造が前記TZ-1、TZ-2、OZ-1、OZ-2、 IT-1、IT-2、IT-3、IT-4、IO-1、IO-2、IO-3、IO-4、TR-1 、TR-2、TR-3、TR-4、TA-1、TA-2、又はTA-3である場 合、R 12 及びR 13 は共に存在しない。

 R 12 及びR 13 が存在する場合の好ましい例としては、それ ぞれ水素原子であることが挙げられる。

 R 12 及びR 13 における置換されていてもよいアルキル基と しては、上記の置換されていてもよいアルキ ル基の好適な例であれば特に限定されないが 、メチル基又はエチル基が好ましい。

 R 12 及びR 13 における置換されていてもよいアルケニル基 としては、上記の置換されていてもよいアル ケニル基の好適な例であれば特に限定されな いが、ビニル基又はアリル基が好ましい。

 R 12 及びR 13 における置換されていてもよいアルキニル基 としては、上記の置換されていてもよいアル キニル基の好適な例であれば特に限定されな いが、エチニル基又はプロプ-2-イル基が好ま しい。

 R 12 及びR 13 における置換されていてもよいアルコキシ基 としては、上記の置換されていてもよいアル コキシ基の好適な例であれば特に限定されな いが、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい 。

 R 12 及びR 13 における置換されていてもよいアミノ基とし ては、上記の置換されていてもよいアミノ基 の好適な例であれば特に限定されないが、メ チルアミノ基又はアセチルアミノ基が好まし い。

 R 21 及びR 22 は同一であっても異なってもよく、各々独立 に、水素原子、置換されていてもよいアルキ ル基、置換されていてもよいアリール基、置 換されていてもよいアルコキシ基、置換され ていてもよいアリールオキシ基、又は置換さ れていてもよいアミノ基を示す。R 21 及びR 22 の好ましい例としては、両方とも水素原子で あることが挙げられる。又、別の態様として R 21 及びR 22 の好ましい例としては、両方ともメチル基で あることが挙げられる。

 R 21 及びR 22 における置換されていてもよいアルキル基と しては、上記の置換されていてもよいアルキ ル基の好適な例であれば特に限定されないが 、メチル基、エチル基、又はベンジル基が好 ましい。

 R 21 及びR 22 における置換されていてもよいアリール基と しては、上記の置換されていてもよいアリー ル基の好適な例であれば特に限定されないが 、フェニル基又はチエニル基であることがさ らに好ましい。

 R 21 及びR 22 における置換されていてもよいアルコキシ基 としては、上記の置換されていてもよいアル コキシ基の好適な例であれば特に限定されな いが、メトキシ基又はエトキシ基であること がさらに好ましい。

 R 21 及びR 22 における置換されていてもよいアリールオキ シ基としては、上記の置換されていてもよい アリールオキシ基の好適な例であれば特に限 定されないが、フェノキシ基又は2-チエニル キシ基であることがさらに好ましい。

 R 21 及びR 22 における置換されていてもよいアミノ基とし ては、上記の置換されていてもよいアミノ基 の好適な例であれば特に限定されないが、メ チルアミノ基又はアセチルアミノ基であるこ とがさらに好ましい。

 R 31 は水素原子、置換されていてもよいアルキル 基、置換されていてもよいアリール基、置換 されていてもよいアルコキシ基、又は置換さ れていてもよいアリールオキシ基を示す。R 31 の好ましい例としては、置換されていてもよ いアルキル基又は置換されていてもよいアリ ール基が例示される。R 31 のさらに好ましい例としては前記の置換され ていてもよいアルキル基又は置換されていて もよいアリール基の好ましい例の例示が挙げ られる。最も好ましい例としてはイソプロピ ル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基が 挙げられる。また、別の態様としてエチル基 が好ましい例として挙げられる。

 R 31 における置換されていてもよいアルキル基と しては、上記の置換されていてもよいアルキ ル基の好適な例であれば特に限定されないが 、イソプロピル基、シクロヘキシル基、又は イソブチル基が好ましい。また、別の態様と してエチル基が好ましい例として挙げられる 。

 R 31 における置換されていてもよいアリール基と しては、上記の置換されていてもよいアリー ル基の好適な例であれば特に限定されないが 、フェニル基又はチエニル基であることがさ らに好ましい。

 R 31 における置換されていてもよいアルコキシ基 としては、上記の置換されていてもよいアル コキシ基の好適な例であれば特に限定されな いが、メトキシ基又はエトキシ基であること がさらに好ましい。

 R 31 における置換されていてもよいアリールオキ シ基としては、上記の置換されていてもよい アリールオキシ基の好適な例であれば特に限 定されないが、フェノキシ基又は2-チエニル キシ基であることがさらに好ましい。

 R 31 の結合している炭素原子は不斉中心となる可 能性がある。該不斉炭素に起因する立体異性 体は下記一般式(5)及び一般式(6)[一般式(5)及 (6)中、Ar 1 、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 31 、n、m、及びY 1 は前記と同義]で例示される。

 上記異性体のうち、好ましい例としては一 式(5)で示される異性体が挙げられる。
R 21 とR 31 、又はR 22 とR 31 はそれぞれが一緒になって環を形成してもよ い。環を形成する場合の好ましい例としては 、形成した環が5から7員環の飽和ヘテロシク アルカン環を形成する例が挙げられる。好 しくはR 21 とR 31 、及びR 22 とR 31 が環を形成していない化合物が例示される。

 n及びmは同一であっても異なってもよく 各々独立に、0又は1を示す。好ましくはn及 mが共に0である例が挙げられる。

 Y 1 は-COY 11 (Y 11 は-NHOH、-OH、-NH 2 、1又は2個の置換されていてもよいアルキル で置換されたアミノ基、1又は2個の置換さ ていてもよいアリール基で置換されたアミ 基、又は置換されていてもよいアリール基 び置換されていてもよいアルキル基で置換 れたアミノ基を示す)を示す。Y 11 の好ましい例としては-NHOH、-OHが挙げられる Y 11 の特に好ましい例としては-NHOHが挙げられる また、別の態様としてY 11 の特に好ましい例としては-OHが挙げられる。

 一般式(1)で示される化合物における各置換 の組み合わせは特に限定されないが、例え 、
<1>Ar 1 がチオフェン環である化合物
<2>Ar 1 がチオフェン環であり、前記一般式(3)で示さ れる化合物
<3>Ar 1 がチオフェン環であり、前記一般式(4)で示さ れる化合物
<4>Ar 1 がチオフェン環であり、かつR 11 の置換位置が前記PR-11-1で示される化合物
<5>Ar 1 がチオフェン環であり、かつR 11 の置換位置が前記PR-11-3で示される化合物
<6>R 111 が単結合である化合物
<7>R 111 が-NHCO-である化合物
<8>R 111 が-CH=CH-である化合物
<9>R 111 が-C≡C-である化合物
<10>R 112 が置換されていてもよいアリール基である化 合物
<11>R 112 が置換されていてもよいフェニル基である化 合物
<12>R 113 が単結合である化合物
<13>R 113 が-(C=O)-である化合物
<14>R 113 が-CH=CH-である化合物
<15>R 113 が-C≡C-である化合物
<16>R 114 が水素原子である化合物
<17>R 114 が置換されていてもよいアリール基である化 合物
<18>R 114 が置換されていてもよいフェニル基である化 合物
<19>R 114 が置換されていてもよいインドリル基である 化合物
<20>R 114 が置換されていてもよいピリミジニル基であ る化合物
<21>R 114 が置換されていてもよいインダゾリル基であ る化合物
<22>R 12 が水素原子である化合物
<23>R 13 が存在する場合、該置換基が水素原子である 化合物
<24>R 21 、R 22 ともに水素原子である化合物
<25>R 21 、R 22 ともにメチル基である化合物
<26>R 31 が置換されていてもよいアルキル基である化 合物
<27>R 31 が置換されていてもよいアリール基である化 合物
<28>R 31 がイソプロピル基である化合物
<29>R 31 がフェニル基である化合物
<30>R 31 がエチル基である化合物
<31>R 31 の結合している不斉炭素の立体配置が前記一 般式(5)で示される化合物
<32>R 21 とR 31 、およびR 22 とR 31 が環を形成していない化合物
<33>n、mともに0である化合物
<34>Y 11 が-NHOHである化合物
<35>Y 11 が-OHである化合物
<36>上記<1>~<5>のいずれかにおい 、かつ<6>である化合物
<37>上記<1>~<5>のいずれかにおい 、かつ<7>である化合物
<38>上記<1>~<5>のいずれかにおい 、かつ<8>である化合物
<39>上記<1>~<5>のいずれかにおい 、かつ<9>である化合物
<40>上記<1>~<9>、又は<36>~<3 9>のいずれかにおいて、かつ<10>である 化合物
<41>上記<1>~<9>、又は<36>~<3 9>のいずれかにおいて、かつ<11>である 化合物
<42>上記<1>~<11>、又は<36>~< 41>のいずれかにおいて、かつ<12>であ 化合物
<43>上記<1>~<11>、又は<36>~< 41>のいずれかにおいて、かつ<13>であ 化合物
<44>上記<1>~<11>、又は<36>~< 41>のいずれかにおいて、かつ<14>であ 化合物
<45>上記<1>~<11>、又は<36>~< 41>のいずれかにおいて、かつ<15>であ 化合物
<46>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<16>であ 化合物
<47>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<17>であ 化合物
<48>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<18>であ 化合物
<49>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<19>であ 化合物
<50>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<20>であ 化合物
<51>上記<1>~<15>、又は<36>~< 45>のいずれかにおいて、かつ<21>であ 化合物
<52>上記<1>~<21>、又は<36>~< 51>のいずれかにおいて、かつ<22>であ 化合物
<53>上記<1>~<22>、又は<36>~< 52>のいずれかにおいて、かつ<23>であ 化合物
<54>上記<1>~<23>、又は<36>~< 53>のいずれかにおいて、かつ<24>であ 化合物
<55>上記<1>~<23>、又は<36>~< 53>のいずれかにおいて、かつ<25>であ 化合物
<56>上記<1>~<25>、又は<36>~< 55>のいずれかにおいて、かつ<26>であ 化合物
<57>上記<1>~<25>、又は<36>~< 55>のいずれかにおいて、かつ<27>であ 化合物
<58>上記<1>~<25>、又は<36>~< 55>のいずれかにおいて、かつ<28>であ 化合物
<59>上記<1>~<25>、又は<36>~< 55>のいずれかにおいて、かつ<29>であ 化合物
<60>上記<1>~<25>、又は<36>~< 55>のいずれかにおいて、かつ<30>であ 化合物
<61>上記<1>~<30>、又は<36>~< 60>のいずれかにおいて、かつ<31>であ 化合物
<62>上記<1>~<31>、又は<36>~< 61>のいずれかにおいて、かつ<32>であ 化合物
<63>上記<1>~<32>、又は<36>~< 62>のいずれかにおいて、かつ<33>であ 化合物
<64>上記<1>~<33>、又は<36>~< 63>のいずれかにおいて、かつ<34>であ 化合物
<64>上記<1>~<33>、又は<36>~< 63>のいずれかにおいて、かつ<35>であ 化合物
 また、一般式(1)で示される化合物の塩、又 一般式(1)で示される化合物における各置換 の組み合わせを限定した上記<1>~<65> ;の化合物の塩;
一般式(1)で示される化合物の薬理学的に許容 される塩、又は一般式(1)で示される化合物に おける各置換基の組み合わせを限定した上記 <1>~<65>の化合物の薬理学的に許容さ る塩;
一般式(1)で示される化合物のプロドラッグ、 又は一般式(1)で示される化合物における各置 換基の組み合わせを限定した上記<1>~<6 5>の化合物のプロドラッグ;
一般式(1)で示される化合物の塩のプロドラッ グ、又は一般式(1)で示される化合物における 各置換基の組み合わせを限定した上記<1> ~<65>の化合物の塩のプロドラッグ;
一般式(1)で示される化合物の薬理学的に許容 される塩のプロドラッグ、又は一般式(1)で示 される化合物における各置換基の組み合わせ を限定した上記<1>~<65>の化合物の薬 学的に許容される塩のプロドラッグが好ま い。
具体的に、一般式(1)で示される本発明の化合 物の好ましい例として、以下の化合物:

を挙げることができるが、本発明の範囲はこ れらの好ましい例に限定されることはない。
また、これら化合物の可能な立体異性体ある いはラセミ体、またはその薬理学的に許容さ れる塩、水和物、溶媒和物、あるいはこれら のプロドラッグも本発明の範囲である。

 本発明の化合物は、文献には記載されて ない新規化合物である。一般式(1)で示され 本発明の化合物は例えば下記の方法により 造できるが、本発明の化合物の製造方法は に限定されるものではない。

 それぞれの反応において、反応時間は特 限定されないが、公知の分析手段により反 の進行状態を容易に追跡できるため、目的 の収量が最大となる時点で終了すればよい

 一般式(1)で示される本発明の化合物のうち Y 11 が-NHOH、置換されていてもよいアルキルアミ 基、置換されていてもよいジアルキルアミ 基、置換されていてもよいアリールアミノ 、置換されていてもよいアルキルアリール ミノ基、又は置換されていてもよいジアリ ルアミノ基を示す化合物は下記一般式(S1)[ 般式(S1)中、Ar 1 、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 31 、n、及びmは前記と同義であり、Y 12 は-NHOH、置換されていてもよいアルキルアミ 基、置換されていてもよいジアルキルアミ 基、置換されていてもよいアリールアミノ 、置換されていてもよいアルキルアリール ミノ基、又は置換されていてもよいジアリ ルアミノ基を示す]で示される化合物と同義 であり、それらの化合物は、例えば下記の反 応経路の逆合成経路に従って製造することが 可能である。

 例えば、一般式(S1)で示される化合物は、一 般式(S2)[一般式(S2)中、Ar 1 、n及びmは前記と同義であり、R 11a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びY 12a は、それぞれ前記R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 31 、及びY 12 と同義であるか、或いはこれらのうちの1以 の基が保護されていてもよい。]で示される 合物において、すべての保護基を同時又は 次脱保護することにより製造することがで る。脱保護反応は、公知の方法、例えばProt ective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and S ons 刊(2007)に記載の方法などに準じて行えば い。

 特に、Y 12a が-NHOC(CH 3 ) 2 OCH 3 である化合物に対し酸を作用させることによ ってY 12 が-NHOHである化合物を製造することができる この場合における酸としては塩酸、硝酸、 は硫酸などの鉱酸や、酢酸、トリフルオロ 酸、メタンスルホン酸、又はp-トルエンス ホン酸などの有機酸などが挙げられ、塩酸 好ましい例として挙げられる。酸の用量と てはY 12a が-NHOC(CH 3 ) 2 OCH 3 である化合物に対し当量又は過剰量用いるこ とができ、過剰量用いることが好ましい。反 応に用いることのできる溶媒としては例えば 水、メタノール、エタノール、プロパノール 、テトラヒドロフラン、又は1,4-ジオキサン どが挙げられ、また、これらの溶媒を2種以 混合して用いることもできる。水、メタノ ル、エタノール、又はこれらの混合溶媒が ましい例として挙げられ、さらに好ましく 水とメタノールの混合溶媒である。酸と溶 の組み合わせとしては塩酸とメタノールを 合して用いるものが好ましく、より好まし は1規定塩酸とメタノールの1:1(v/v)混合溶媒 ある。反応温度は通常0℃から100℃で行うこ とができ、好ましくは10℃から50℃である。 応時間は特に限定されないが、通常、1時間 ら96時間が例示され、3時間から60時間が好 しい例として挙げられる。

 一般式(S2)で示される化合物は一般式(S3)[一 式(S3)中、Ar 1 、n、m、R 11a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、及びR 31a は前記と同義である。]で示される化合物と アンモニア、1級アミン、2級アミン、又はヒ ドロキシアミンとを、縮合剤の存在下で、必 要があれば塩基の存在下で反応させることに よって製造することができる。アンモニア、 1級アミン、2級アミン、又はヒドロキシアミ の使用量としては、一般式(S3)で示される化 合物に対して1/10から100当量用いることがで 、好ましくは1当量から10当量である。縮合 としてはジシクロヘキシルカルボジイミド(D CC)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)N,N,N ,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオ フォスフェート(HATU)、又は1-エチル-3-[3-ジ チルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)塩 塩等を挙げることができる。縮合剤の使用 としては、一般式(S3)で示される化合物に対 て当量ないし過剰量用いることができ、例 して1から10当量が挙げられ、好ましくは1当 量から5当量である。縮合反応において補助 を加えることも望ましく、補助剤としては ドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)等が挙げ れる。塩基としては、例えばトリメチルア ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエ ルアミン、N-メチルモルホリン、又はピリジ ンなどが挙げられる。好ましくはトリエチル アミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メ ルモルホリン、又はピリジンである。反応 用いる溶媒としては、例えばジクロロメタ 、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、 ルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テ ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ タン、ピリジン、又はジメチルホルムアミ などが挙げられる。また、これらの溶媒を2 種以上混合して用いても好適である。好まし くはジメチルホルムアミド、又はテトラヒド ロフランである。反応温度は通常-80℃から100 ℃で行うことができ、好ましくは0℃から50℃ である。反応時間は特に限定されないが、通 常、1時間から96時間が例示され、2時間から48 時間が好ましい例として挙げられる。該反応 におけるアンモニア、1級アミン、2級アミン 又はヒドロキシアミンは保護されているも を用いてもよく、例えば保護されたヒドロ シアミンとしてはO-(2-メトキシプロパン-2- ル)ヒドロキシアミンを挙げることができ、 護基は公知の方法(Mori, K., Tetrahedron, 44, 60 13(1988).)に従って脱保護することができる。

 一般式(S3)で示される化合物は一般式(S4)[一 式(S4)中、Ar 1 、n、m、R 11a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、及びR 31a は前記と同義であり、R 51 はカルボン酸の保護基である。]で示される 合物のカルボン酸の保護基を脱保護反応に することにより製造することができる。一 式(S4)中R 51 はカルボン酸の保護基であって、置換されて いてもよいアルキル基等を用いることができ 、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル 基、t-ブチル基、ベンジル基、2-(トリメチル リル)エチル基が好ましく、より好ましくは メチル基又はt-ブチル基である。カルボン酸 保護基の脱保護反応としては公知の方法、 えばProtective Groups in Organic Synthesis、John W iley and Sons 刊(2007)に記載の方法などに準じ 行えばよい。例えばR 51 がメチル基、又はエチル基等の場合には塩基 性条件下での加水分解が挙げられる。この場 合における塩基としては水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニ アなどが挙げられ、水酸化ナトリウム、又は 水酸化リチウムが好ましい例として挙げられ る。塩基の用量としては一般式(S4)で示され 化合物に対し当量又は過剰量用いることが き、1当量から5当量用いることが好ましい。 反応に用いることのできる溶媒としては例え ば水、メタノール、エタノール、プロパノー ル、テトラヒドロフラン、又は1,4-ジオキサ などが挙げられ、また、これらの溶媒を2種 上混合して用いることもできる。水、メタ ール、エタノール、1,4-ジオキサン、又はそ れらの混合溶媒が好ましい例として挙げられ 、さらに好ましくは水とメタノールの混合溶 媒である。反応温度は通常0℃から200℃で行 ことができ、好ましくは10℃から100℃である 。反応時間は特に限定されないが、通常、1 間から96時間が例示され、3時間から60時間が 好ましい例として挙げられる。また、例えば R 51 がt-ブチル基の場合には一般式(S4)で示される 化合物に酸を作用させる製造法が例示される 。酸としては塩酸、硝酸、又は硫酸などの鉱 酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスル ホン酸、又はp-トルエンスルホン酸などの有 酸などが挙げられ、塩酸、又はトリフルオ 酢酸が好ましい例として挙げられる。酸の 量としては一般式(S4)で示される化合物に対 して当量又は過剰量であることが好ましく、 例えば1~10当量、より好ましくは1~20当量用い ことができ、別の態様として、好ましくは 剰量、例えば溶媒量で用いることができる 反応に用いる溶媒としては、例えば、ジク ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベ ゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエー ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ トキシエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル又 アセトニトリルなどが挙げられ、クロロホ ム、トルエン、テトラヒドロフランが好ま い例として挙げられる。また、これらの溶 を2種以上混合して用いることもできる。又 は、前記の反応に用いる酸を溶媒として用い ることも好適である。好ましい反応条件とし ては、4規定塩酸-1,4-ジオキサン溶液を溶媒量 用いる条件が挙げられる。反応温度は通常0 から200℃で行うことができ、好ましくは10℃ から100℃である。反応時間は特に限定されな いが、通常、1時間から200時間が例示され、1 間から96時間が好ましい例として挙げられ 。

 一般式(1)で示される本発明の化合物のうち Y 11 が-OHを示す化合物は上記一般式(S3)で示され 化合物において、すべての保護基を同時又 順次脱保護することにより製造することが きる。脱保護反応は、公知の方法、例えばPr otective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons 刊(2007)に記載の方法などに準じて行え よい。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-NHCO-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記R 112 、R 113 、及びR 114 と同義であるか、或いはこれらのうちの1以 の基が保護されていてもよい]で示される化 物は、下記一般式(S5)[式中、Ar 1 、n、m、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、それらの化合物は、例えば下記の 応経路の逆合成経路に従って製造すること 可能である。

 一般式(S5)で示される化合物は、一般式(S6)[ 中、R 112a 、R 113a 、R 114a は前記と同義であり、L 1 は水酸基、塩素原子、又は臭素原子である] 示される化合物と、一般式(S7)[式中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]とを必要に応じて縮合 及び/又は塩基の存在下で反応させることに って製造することができる。一般式(S6)で示 される化合物の使用量としては、一般式(S7) 示される化合物に対して1/10から100当量用い ことができ、好ましくは1当量から10当量で る。一般式(S6)で示される化合物中、L 1 が水酸基を示す化合物の場合、反応において 縮合剤を用いることが好ましい。縮合剤とし てはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、O -(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)N,N,N’,N’ -テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフ スフェート(HATU)、又は1-エチル-3-[3-ジメチル アミノプロピル]カルボジイミド(EDC)塩酸塩等 を挙げることができる。縮合剤の使用量とし ては、一般式(S6)で示される化合物に対して 量ないし過剰量用いることができ、例とし 1から10当量が挙げられ、好ましくは1当量か 5当量である。縮合剤を用いる縮合反応にお いては補助剤を加えることも望ましく、補助 剤としてはヒドロキシベンゾトリアゾール(HO BT)等が挙げられる。反応に用いることのでき る塩基としては、例えばトリメチルアミン、 トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア ミン、N-メチルモルホリン、又はピリジンな が挙げられる。好ましくはトリエチルアミ 、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチル ルホリン、又はピリジンである。塩基の使 量としては一般式(S6)で表される化合物に対 て0.1当量から10当量が例示され、好ましく 0.5当量から5当量である。反応に用いる溶媒 しては、例えばジクロロメタン、クロロホ ム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キ レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ピリ ン、又はジメチルホルムアミドなどが挙げ れる。また、これらの溶媒を2種以上混合し て用いても好適である。好ましくはジメチル ホルムアミド、ジクロロメタン、又はテトラ ヒドロフランである。反応温度は通常-80℃か ら100℃で行うことができ、好ましくは0℃か 50℃である。反応時間は特に限定されないが 、通常、1時間から96時間が例示され、2時間 ら48時間が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S6)で示される化合物は、例えば市販 のBenzoyl chloride(Aldrich社製)、4-(Dimethylamino)benzo yl chloride(Aldrich社製)、4-Phenylbenzoyl Chloride (La ncaster社製)、4-Benzoylbenzoic acid(Aldrich社製)など を用いることができる。
一般式(S7)で示される化合物は、一般式(S8)[式 中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物に対 、公知のBuchwald-Hartwig反応を経由することに り製造することができる。反応条件につい は公知文献(A.R Muci, S.L.Buchwald, Top. Curr. Ch em., 219, 131(2002)., J.F.Hartwig, Angew. Chem., Int. Ed., 37, 2046(1998)., D.Baranano, G.Mann, Hartwig, J.  F. Curr. Org. Chem. 1, 287(1997)., C.G.Frost, P.Men donca, J. Chem. Soc. Perkin Trans.1, 1998, 2615.)な に記載のとおりである。該反応の条件によ てはアミノ基が保護された状態で生成物が られる場合もあり、その場合には適宜脱保 反応を行うことによってアミノ基を有する 導体を製造することができる。具体的には ベンゾフェノンイミンを用いてBuchwald-Hartwig 反応を実施し、得られるイミンをメタノール 中、ヒドロキシアミン塩酸塩及び酢酸ナトリ ウムを用いて脱保護を行いアミンを得る方法 が例示される。

 一般式(S8)で示される化合物は一般式(S9)[式 、Ar 1 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、及びR 22a は前記と同義である]で示される化合物と、 般式(S10)[式中、n、m、R 31a 、及びR 51 は前記と同義であり、X 1 は臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、p-トル ンスルホニルオキシ基、又はメタンスルホ ルオキシ基を表す]で示される化合物とを塩 基の存在下で反応させて製造することができ る。一般式(S10)で示される化合物の使用量は 一般式(S9)で示される化合物に対して1/10か 10当量用いることができ、好ましくは1/5当量 から5当量であり、より好ましくは1当量から2 当量である。反応に用いる塩基としては、ナ トリウムメトキシド又はナトリウムエトキシ ドなどの金属アルコキシド、炭酸ナトリウム 、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムなどの炭 酸塩、水素化ナトリウムなどの金属水素化合 物、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム などを例示することができる。好ましくは水 素化ナトリウムである。用いる塩基の用量と しては一般式(S9)で示される化合物に対して1/ 5当量から10当量が例示され、好ましくは1/2当 量から3当量である。反応に用いる溶媒とし は、例えば、エタノール、メタノール、プ パノール、イソプロパノール、エチレング コール、プロピレングリコール、ジエチレ グリコールモノメチルエーテル、ジクロロ タン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼ 、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト シエタン、ジエチレングリコールジメチル ーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチ ホルムアミド又はアセトニトリルなどが挙 られ、好ましくはジメチルホルムアミドで る。また、これらの溶媒を2種以上混合して いることもできる。反応温度は通常0℃から 200℃で行うことができ、好ましくは10℃から1 50℃である。反応時間は特に限定されないが 通常、1時間から96時間が例示され、3時間か ら36時間が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S9)で示される化合物のうち、R 21a 及びR 22a が共に水素原子である化合物としては、例え ば5-ブロモ-2,3-ジヒドロチエノ[2,3-d]イソチア ール-3-オン-1,1-ジオキシドを原料として還 反応に供することにより製造することがで る。該還元反応としては金属水素錯化合物 用いる反応が例示され、水素化金属錯化合 としては水素化アルミニウムリチウムが好 しい例として挙げられる。用いる金属水素 化合物の用量としては原料に対し1当量から1 0当量が例示され、1当量から5当量が好ましい 。反応に用いる溶媒としては、例えば、ジエ チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ サン、ジメトキシエタンなどが挙げられ、好 ましくはテトラヒドロフランである。また、 これらの溶媒を2種以上混合して用いること できる。反応温度は通常0℃から100℃で行う とができ、好ましくは10℃から70℃である。 反応時間は特に限定されないが、通常、1時 から96時間が例示され、3時間から24時間が好 ましい例として挙げられる。上記原料の5-ブ モ-2,3-ジヒドロチエノ[2,3-d]イソチアゾール- 3-オン-1,1-ジオキシドは、公知の5-ブロモ-2,3- ヒドロベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン-1,1- オキシドの合成法(Tetrahedron, 62, 33, 7902-7910,  2006., Bioorg. Med. Chem., 13, 949-962(2005).)など 従って製造することができる。

 また、一般式(S8)で示される化合物は、一 般式(S7)で示される化合物からSandmeyer反応に り製造することもできる。Sandmeyer反応は亜 酸ナトリウム、亜硝酸t-ブチル、又は亜硝酸 アミルなどのジアゾニウム化剤、及び臭化銅 などのハロゲン化剤を順次、又は同時に作用 させて実施することができる。それぞれの反 応剤の用量は一般式(S7)で示される化合物に して1当量から10当量用いることができ、好 しくは1当量から5当量である。反応に用いる 溶媒としては、例えば、水、エタノール、メ タノール、プロパノール、イソプロパノール 、又はアセトニトリルなどが挙げられ、好ま しくは水又はアセトニトリルである。また、 これらの溶媒を2種以上混合して用いること できる。反応温度は通常-30℃から150℃で行 ことができ、好ましくは0℃から100℃である 反応時間は特に限定されないが、通常、1時 間から96時間が例示され、3時間から36時間が ましい例として挙げられる。

 一般式(S10)で示される化合物は、例えば 販のMethyl bromoacetate(Aldrich社製)、Ethyl 2-bromo- 3-methylbutanoate(AVOCADO社製)、Ethyl α-bromophenylacet ate(Aldrich社製)などを用いることができる。

 また別法として、一般式(S7)で示される化 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経路 に従って製造することが可能である。 

 一般式(S7)で示される化合物は上記一般式(S1 1)[式中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物を還 反応に供することにより製造することがで る。還元反応としては接触水素還元による 法が挙げられる。接触水素還元においては 溶媒中、水素雰囲気下で触媒を用いて実施 ることができる。水素は1気圧雰囲気下で使 することもできるし、加圧条件下で使用す こともできる。好ましくは1気圧条件下であ る。触媒としては例えばパラジウム-炭素、 化白金、白金-炭素、又は水酸化パラジウム が挙げられる。反応に用いる溶媒としては 例えばジクロロメタン、クロロホルム、四 化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、 エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ キサン、ジメトキシエタン、メタノール、 はエタノールなどが挙げられる。好ましく テトラヒドロフラン又はメタノールである また、これらの溶媒を2種以上混合して用い ても好適である。反応温度は通常-80℃から100 ℃で行うことができる。好ましくは0℃から50 ℃である。反応時間は特に限定されないが、 通常、1時間から96時間が例示され、1時間か 24時間が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S11)で示される化合物は一般式(S12)[ 中、Ar 1 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、及びR 22a は前記と同義である]で示される化合物と、 般式(S10)で示される化合物とを塩基の存在下 で反応させて製造することができる。一般式 (S10)で示される化合物の使用量は、一般式(S12 )で示される化合物に対して1/10から10当量用 ることができ、好ましくは1/5当量から5当量 あり、より好ましくは1当量から2当量であ 。反応に用いる塩基としては、ナトリウム トキシド又はナトリウムエトキシドなどの 属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カ ウム、又は炭酸セシウムなどの炭酸塩、水 化ナトリウムなどの金属水素化合物、又は 酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを例 することができる。好ましくは水素化ナト ウムである。用いる塩基の用量としては一 式(S12)で示される化合物に対して1/5当量から 10当量が例示され、好ましくは1/2当量から3当 量である。反応に用いる溶媒としては、例え ば、エタノール、メタノール、プロパノール 、イソプロパノール、エチレングリコール、 プロピレングリコール、ジエチレングリコー ルモノメチルエーテル、ジクロロメタン、ク ロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエ ン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒ ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン 、ジエチレングリコールジメチルエーテル、 酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムア ミド又はアセトニトリルなどが挙げられ、好 ましくはジメチルホルムアミドである。また 、これらの溶媒を2種以上混合して用いるこ もできる。反応温度は通常0℃から200℃で行 ことができ、好ましくは10℃から150℃であ 。反応時間は特に限定されないが、通常、1 間から96時間が例示され、3時間から36時間 好ましい例として挙げられる。

 一般式(S12)で示される化合物は、例えば 般式(S9)で示される化合物を製造する方法に じて製造することができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 112a -NHCO-R 114a [式中、R 111a はR 111 と同義であるか或いは保護されていてもよい 基を示し、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、下記一般式(S5-2)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 112a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、それらの化合物は、例えば下記の 応経路の逆合成経路に従って製造すること 可能である。

 一般式(S5-2)で示される化合物は、一般式(S6- 2)[式中R 114a 、及びL 1 は前記と同義である。]で示される化合物と 一般式(S7-2)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 112a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]とを縮合反応に供する とによって製造することができる。該縮合 応の条件としては、例えば前記の一般式(S5) 示される化合物を一般式(S6)で示される化合 物及び一般式(S7)で示される化合物を用いて 造する方法と同様の条件で製造することが きる。

 一般式(S6-2)で示される化合物は、市販の 合物を用いることができ、例えば前記の(S6) で示される化合物の例示と同様である。

 一般式(S7-2)で示される化合物は、前述の 般式(S-7)で示される化合物を製造する方法 準じて、例えば市販のethyl 3-amino-5-(3-nitrophen yl)thiophene-2-carboxylate(ENAMINE社)を出発原料とし 製造することができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-NH-CH 2 -R 1121a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義であり、R 1121a は-CH 2 -と結合してR 112a の一部と同義となる]で示される化合物は、 えば下記の反応経路の逆合成経路に従って 造することが可能である。 

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-NH-CH 2 -R 1121a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義であり、R 1121a は-CH 2 -と結合してR 112a の一部と同義となる]で示される化合物は一 式(S13)[式中、Ar 1 、n、m、R 1121a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で表される化合物と同 であり、一般式(S14)[式中、R 1121a 、R 113a 、及びR 114a は前記と同義である]と一般式(S7)で示される 合物を還元アミノ化反応に供することによ 製造することができる。還元アミノ化反応 用いる溶媒としてはジエチルエーテル、テ ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ タン、メタノール、エタノール、アセトニ リルなどが挙げられる。好ましくはメタノ ル又はアセトニトリルである。また、これ の溶媒を2種以上混合して用いても好適であ る。一般式(S14)で示される化合物は一般式(S7) で示される化合物に対し当量または過剰量用 いることが好ましく、より好ましくは1当量 ら10当量である。反応においては必要に応じ て酸を使用することも好ましく、酸としては 酢酸又は酸性緩衝溶液が好ましい。あるいは 、必要に応じて塩基を使用することも好まし く、塩基としては3級アミンが例示され、好 しくはトリエチルアミンである。用いる還 剤としては水素化シアノホウ素ナトリウム 又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ が好ましく、より好ましくは水素化シアノ ウ素ナトリウムである。還元剤は一般式(S7) 示される化合物に対し当量または過剰量用 ることが好ましく、より好ましくは1当量か ら10当量である。反応温度は通常-20℃から100 で行うことができ、好ましくは-10℃から50 である。反応時間は特に限定されないが、 常、0.2時間から36時間が例示され、1時間か 24時間が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S14)で示される化合物は、例えば 販のBiphenyl-4-carboxaldehyde(Aldrich社製)、4-Phenoxyb enzaldehyde(Aldrich社製)等を用いることができる

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 1122a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義であり、R 1122a は置換されていてもよいアリーレン基を示し 、R 1122a は保護されていてもよい]で示される化合物 、例えば下記の反応経路の逆合成経路に従 て製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 1122a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義であり、R 1122a は置換されていてもよいアリーレン基を示す ]で示される化合物は上記一般式(S15)[式中、Ar 1 、n、m、R 1122a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16)[式中、R 1122a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義であり、L 2 はボロン酸-B(OH) 2 又はボロン酸エステルを示す]で示される化 物と一般式(S8)で示される化合物をSuzuki反応 供することにより製造することができる。S uzuki反応の条件については公知文献(N.Miyaura e t.al, J.Am.Chem.Soc.,107, 972(1985)., N.Miyaura, A.Suzuk i, Chem. Rev. 95, 2457(1995))などに記載のとおり である。Suzuki反応は触媒の存在下、必要に応 じて塩基及び添加剤を使用して実施すること ができる。具体的には、Suzuki反応に用いる溶 媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン 、トルエン、ジメトキシエタン、メタノール 、エタノール、アセトニトリルなどが挙げら れる。また、これらの溶媒を2種以上混合し 、或いはそれらを更に水と混合して用いて 好適である。好ましくはテトラヒドロフラ と水の混合溶媒、トルエンとメタノール及 水との混合溶媒、又はジオキサンである。 般式(S16)で示される化合物は一般式(S8)で示 れる化合物に対し当量または過剰量用いる とが好ましく、より好ましくは1当量から10 量である。反応においては必要に応じて塩 を使用することも好ましく、塩基としては 酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウ が例示され、好ましくは炭酸ナトリウム又 炭酸セシウムである。使用する塩基の用量 一般式(S8)で示される化合物に対し1当量から 10当量が挙げられ、好ましくは1当量から5当 である。用いる触媒としてはPdCl 2 (dppf)、Pd 2 (dba) 3 、Pd(PPh 3 ) 4 などが好ましく、一般式(S8)で示される化合 に対して0.01当量~1当量用いることができ、 ましくは0.1~0.5当量である。必要に応じて用 る添加剤としてはrac-BINAPなどが挙げられ、 般式(S8)で示される化合物に対して0.01当量~1 当量用いることができ、好ましくは0.1~0.5当 である。反応温度は通常0℃から200℃で行う とができ、好ましくは10℃から100℃である 反応時間は特に限定されないが、通常、0.2 間から48時間が例示され、1時間から36時間が 好ましい例として挙げられる。反応はマイク ロウェーブ照射条件下において実施しても好 適である。

 一般式(S16)で示される化合物としては、 えば市販の4-Biphenylboronic acid(Aldrich社製)、4-P henoxyphenylboronic acid(Aldrich社製)、4-Benzoylphenylbo ronic acid(Aldrich社製)等を用いることができる

 なお、上記Suzuki反応においては、さらにカ ボン酸の保護基R 51 の脱保護反応が進行する場合もあり、その場 合は前記一般式(S3)で示される化合物のうち R 11a が-R 1122a -R 113a -R 114a [式中、R 1122a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である]で示される化 物を生成物として得ることができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-CH=CH-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-CH=CH-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は上記一般式(S15-2)[式中、Ar 1 、n、m、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16-2)[式中、R 112a 、R 113a 、R 114a 、及びL 2 はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物と一般式(S8)で示される化合物をSuzuki反 に供することにより製造することができる 該Suzuki反応の条件は前記の一般式(S15)で示 れる化合物を製造する方法における条件と 様である。

 なお、上記Suzuki反応においては、さらにカ ボン酸の保護基R 51 の脱保護反応が進行する場合もあり、その場 合は前記一般式(S3)で示される化合物のうち R 11a が-CH=CH-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である]で示される化 物を生成物として得ることができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-C≡C-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-C≡C-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は上記一般式(S15-3)[式中、Ar 1 、n、m、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16-3)[式中、R 112a 、R 113a 、R 114a 、及びL 2 はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物と一般式(S8)で示される化合物をSonogashir a反応に供することにより製造することがで る。該Sonogashira反応の反応条件については公 知文献(R. Chinchilla et. al., Chem. Rev., 107(3),  874-922(2007).)などに記載のとおりである。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 1122a -R 1142a [式中、R 1142a は置換されていてもよいアリーレン基を示し 、R 1142a は保護されていてもよく、R 111a 、R 1122a は前記と同義である。]で示される化合物は 例えば下記の反応経路の逆合成経路に従っ 製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 1122a -R 1142a [式中、R 111a 、R 1122a 、及びR 1142a は前記と同義である。]で示される化合物は 上記一般式(S15-4)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 1122a 、R 1142a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16-4)[式中、R 1142a 、及びL 2 は前記と同義である。]で示される化合物と 般式(S8-2)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 1122a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物をSuzuk i反応に供することにより製造することがで る。該Suzuki反応の条件は前記の一般式(S15)で 示される化合物を製造する方法における条件 と同様である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 112a -CH=CH-R 114a [式中、R 111a 、R 1122a 、及びR 114a は前記と同義である。]で示される化合物は 例えば下記の反応経路の逆合成経路に従っ 製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 112a -CH=CH-R 114a [式中、R 111a 、R 1122a 、及びR 114a は前記と同義である。]で示される化合物は 上記一般式(S15-5)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 1122a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16-5)[式中、R 114a 、及びL 2 は前記と同義である。]で示される化合物と 般式(S8-2)で示される化合物をSuzuki反応に供 ることにより製造することができる。該Suzuk i反応の条件は前記の一般式(S15)で示される化 合物を製造する方法における条件と同様であ る。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 1122a -C≡C-R 114a [式中、R 111a 、R 1122a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 111a -R 1122a -C≡C-R 114a [式中、R 111a 、R 1122a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、上記一般式(S15-6)[式中、Ar 1 、n、m、R 111a 、R 1122a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S16-6)[式中、R 114a は前記と同義である。]で示される化合物と 般式(S8-2)で示される化合物をSonogashira反応に 供することにより製造することができる。該 Sonogashira反応の反応条件については公知文献( R. Chinchilla et. al., Chem. Rev., 107(3), 874-922(20 07).)などに記載のとおりである。一般式(S8)で 示される化合物のうち、R 21a 及びR 22a が共に水素原子であり、R 51 がt-ブチル基である一般式(S17)で示される化 物は、例えば下記の反応経路の逆合成経路 従って製造することが可能である。

 一般式(S17)で示される化合物は、一般式(S18) [式中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、及びR 31a は前記と同義である]で示される化合物をMitsu nobu反応に供することにより製造することが きる。Mitsunobu反応の反応条件については公 文献(Mitsunobu, O.,  Synthesis, 1981, 1., Hughes,  D. L., Org. React., 42, 335(1992).)等に記載のと りである。具体的には、Mitsunobu反応に用い 溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキ ン、トルエン、ジメトキシエタン、アセト トリルなどが挙げられる。また、これらの 媒を2種以上混合して用いても好適である。 ましくはトルエンである。反応はトリフェ ルホスフィン、又はトリブチルホスフィン どのリン試薬とジエチルアゾジカルボン酸 ジイソプロピルアゾジカルボン酸、又はTMAD などのアゾ試薬を共に用いることにより実施 することができる。各試薬は一般式(S18)で示 れる化合物に対し当量または過剰量用いる とが好ましく、より好ましくは1当量から10 量である。反応温度は通常-50℃から200℃で うことができ、好ましくは0℃から100℃であ る。反応時間は特に限定されないが、通常、 0.2時間から48時間が例示され、1時間から36時 が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S18)で示される化合物は一般式(S19)[ 中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、及びR 31a は前記と同義である]で示される化合物を還 反応に供することにより製造することがで る。反応に際して用いられる還元剤として 、例えばボラン・テトラヒドロフラン、ボ ン・ジメチルスルフィド、ボラン・ピリジ 、ボラン・トリメチルアミン、ボラン・ト フェニルフォスフィンなどのボラン錯体類 あるいはジボランなどが挙げられる。還元 の用量としては一般式(19)で表される化合物 対して当量または過剰量を用いることが通 であり、好ましくは1から100当量、さらに好 ましくは1から10当量が挙げられる。また、必 要に応じてSnCl 4 などのルイス酸を加えることもできる。溶媒 としては不活性溶媒を用いることができる。 不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン 、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、ト ルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テト ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ タンなどが挙げられる。好ましくはジクロロ メタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ ランである。また、これらの溶媒を2種以上 合して用いても好適である。反応温度は通 -20℃から100℃で行うことができ、好ましく -10℃から50℃である。反応時間としては0.2時 間から96時間が例示され、好ましくは1時間か ら48時間が挙げられる。

 一般式(S19)で示される化合物は、一般式(S20) [式中、Ar 1 、n、m、R 12a 、R 13a 、及びR 31a は前記と同義である]で示される化合物のメ ルエステルを加水分解することにより製造 ることができる。加水分解反応は塩基を用 て実施することができ、塩基としては例え 炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアル リ金属炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナ リウム、水酸化リチウムなどの水酸化アル リ金属などが挙げられる。塩基の使用量は 通常、式(S20)で表される化合物に対して同量 または過剰量が例示され、好ましくは1から10 当量が挙げられる。溶媒としては、極性溶媒 、あるいは極性溶媒と水の混合溶媒を用いる ことができ、極性溶媒としては例えばエタノ ール、メタノールなどのアルコール類、ジオ キサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー テルなどのエーテル類、ジメチルスルホキシ ド、アセトンなどを挙げることができ、好ま しくはエタノール、メタノール、ジオキサン 、アセトンなどの極性溶媒と水との混合溶媒 などである。反応温度は通常-20℃から150℃で 行うことができ、好ましくは-10℃から100℃が 例示される。反応時間は、特に限定されない が、通常、0.2時間から48時間が例示され、好 しくは1時間から24時間である。

 一般式(S20)で示される化合物は、一般式(S21) [式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である]で示される化合物と一 式(S22)[式中、n、m、及びR 31a は前記と同義である]で示される化合物を塩 の存在下で反応させることにより製造する とができる。一般式(S22)で示される化合物は 一般式(S21)で示される化合物に対して当量又 過剰量用いることができ、好ましくは1当量 から5当量である。塩基としては、例えばト メチルアミン、トリエチルアミン、ジイソ ロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、 又はピリジンなどが挙げられる。好ましくは トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア ミン、N-メチルモルホリン、又はピリジンで る。用いる塩基の用量としては一般式(S21) 示される化合物に対して当量又は過剰量で り、1当量から10当量が好ましい。反応に用 る溶媒としては、例えばジクロロメタン、 ロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トル ン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラ ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ 、ピリジン、又はジメチルホルムアミドな が挙げられる。また、これらの溶媒を2種以 混合して用いても好適である。好ましくは クロロメタン、又はテトラヒドロフランで る。反応温度は通常-80℃から100℃で行うこ ができ、好ましくは0℃から50℃である。反 時間は特に限定されないが、通常、1時間か ら96時間が例示され、2時間から48時間が好ま い例として挙げられる。

 一般式(S22)で示される化合物としては、 えば市販のValine t-butyl ester(和光純薬社製) どを用いることができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-O-R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である]で示される化 物は、下記一般式(S23)[式中、Ar 1 、n、m、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、それらの化合物は、例えば下記の 応経路の逆合成経路に従って製造すること 可能である。

 一般式(S23)で示される化合物は、一般式(S24) [式中、R 112a 、R 113a 、及びR 114a は前記と同義である]で示される化合物と一 式(S8)で示される化合物を公知のBuchwald-Hartwig 反応を経由することにより製造することがで きる。反応条件については公知文献(A.R Muci, S.L.Buchwald, Top. Curr. Chem., 219, 131(2002)., J.F. Hartwig, Angew. Chem., Int. Ed., 37, 2046(1998)., D.B aranano, G.Mann, Hartwig, J. F. Curr. Org. Chem. 1, 287(1997)., C.G.Frost, P.Mendonca, J. Chem. Soc. Perk in Trans.1, 1998, 2615.)などに記載のとおりであ る。具体的には、以下のとおり塩基の存在下 で金属触媒を用いて実施することがでる。一 般式(S24)で示される化合物は一般式(S8)で示さ れる化合物に対して当量又は過剰量用いるこ とができ、好ましくは1当量から5当量である 塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸 トリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジ ソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホ ン、又はピリジンなどが挙げられる。好ま くはリン酸カリウムである。用いる塩基の 量としては一般式(S24)で示される化合物に対 して当量又は過剰量であり、1当量から10当量 が好ましい。金属触媒としては酢酸パラジウ ム等を用いることができ、2-(Di-t-butylphosphino)b iphenyl等の配位子を添加しても好適である。 応に用いる溶媒としては、例えばジクロロ タン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼ 、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト シエタン、ピリジン、又はジメチルホルム ミドなどが挙げられる。また、これらの溶 を2種以上混合して用いても好適である。好 しくはトルエンである。反応温度は通常0℃ から200℃で行うことができ、好ましくは30℃ ら150℃である。反応時間は特に限定されな が、通常、1時間から96時間が例示され、2時 間から48時間が好ましい例として挙げられる

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-NR 1111 -R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 1111 、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-NR 1111 -R 112a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、R 112a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は上記一般式(S23-2)[式中、R 1111 、Ar 1 、n、m、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S24-2)[式中、R 1111 、R 112a 、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物と一般式(S8)で示される化合物を公知のB uchwald-Hartwig反応を経由することにより製造す ることができる。該Buchwald-Hartwig反応の条件 前記の一般式(S23)で示される化合物を製造す る方法における条件と同様である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 1123a -R 113a -R 114a [式中、R 1123a は窒素原子上でAr 1 と結合する置換されていてもよいアリーレン 基を示し、R 1123a は保護されていてもよく、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 R 1123a としては例えば前述のアリーレン基の例示中 、EL-19、EL-58、EL-59、EL-60、EL-119、EL-220におい V 1 がAr 1 に結合し、V 2 がR 113a に結合する例を挙げることができる。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 11a が-R 1123a -R 113a -R 114a [式中、R 113a 、R 1123a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物は、上記一般式(S23-3)[式中、Ar 1 、n、m、R 1123a 、R 113a 、R 114a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物と同 であり、一般式(S24-3)[式中、R 1124a は-NH-を構造中に含むアリーレン基を示し、R 1124a は保護されていてもよく、R 113a 、及びR 114a はそれぞれ前記と同義である。]で示される 合物と一般式(S8)で示される化合物を公知のU llman反応に供することにより製造することが きる。該Ullman反応の条件については公知の 献(A.W.Thomas et. al., Angew. Chem. Int. Ed., 42, 5400(2003).)などに記載のとおりである。反応 マイクロウェーブ照射条件下において実施 ても好適である。

 一般式(S4)で示される化合物のうち、R 21a 及びR 22a が共に水素原子である下記一般式(S25)[式中、 Ar 1 、n、m、R 11a 、R 12a 、R 13a 、R 31a 、及びR 51 は前記と同義である]で示される化合物は、 えば下記の反応経路の逆合成経路に従って 造することが可能である。

 一般式(S25)で示される化合物は上記一般式(S 26)[式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である]で示される化合物と、 記一般式(S10)[式中の記号は前記と同義であ ]で示される化合物とを塩基の存在下で反応 せて製造することができる。一般式(S10)で される化合物の使用量は、一般式(S26)で示さ れる化合物に対して1/10から10当量用いること ができ、好ましくは1/5当量から5当量であり より好ましくは1当量から2当量である。反応 に用いる塩基としては、ナトリウムメトキシ ド又はナトリウムエトキシドなどの金属アル コキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、 又は炭酸セシウムなどの炭酸塩、水素化ナト リウムなどの金属水素化合物、又は水酸化ナ トリウム、水酸化カリウムなどを例示するこ とができる。好ましくは水素化ナトリウムで ある。用いる塩基の用量としては一般式(S26) 示される化合物に対して1/5当量から10当量 例示され、好ましくは1/2当量から3当量であ 。反応に用いる溶媒としては、例えば、エ ノール、メタノール、プロパノール、イソ ロパノール、エチレングリコール、プロピ ングリコール、ジエチレングリコールモノ チルエーテル、ジクロロメタン、クロロホ ム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キ レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエ レングリコールジメチルエーテル、酢酸エ ル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド又 アセトニトリルなどが挙げられ、好ましく ジメチルホルムアミドである。また、これ の溶媒を2種以上混合して用いることもでき る。反応温度は通常0℃から200℃で行うこと でき、好ましくは10℃から150℃である。反応 時間は特に限定されないが、通常、1時間か 96時間が例示され、3時間から36時間が好まし い例として挙げられる。

 一般式(S26)で示される化合物は、一般式(S27) [式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義であり、L 3 は臭素原子を示す。]で示される化合物を塩 性条件下で反応させることにより製造する とができる。反応に用いる塩基としては、 トリウムメトキシド又はナトリウムエトキ ドなどの金属アルコキシド、炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムなどの 酸塩、水素化ナトリウムなどの金属水素化 物、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウ などを例示することができる。好ましくは 素化ナトリウムである。用いる塩基の用量 しては一般式(S27)で示される化合物に対して 1/5当量から10当量が例示され、好ましくは1/2 量から3当量である。反応に用いる溶媒とし ては、例えば、エタノール、メタノール、プ ロパノール、イソプロパノール、エチレング リコール、プロピレングリコール、ジエチレ ングリコールモノメチルエーテル、ジクロロ メタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼ ン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル 、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト キシエタン、ジエチレングリコールジメチル エーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチ ルホルムアミド又はアセトニトリルなどが挙 げられ、好ましくはジメチルホルムアミドで ある。また、これらの溶媒を2種以上混合し 用いることもできる。反応温度は通常0℃か 200℃で行うことができ、好ましくは10℃か 150℃である。反応時間は特に限定されない 、通常、1時間から96時間が例示され、3時間 ら36時間が好ましい例として挙げられる。

 一般式(S27)で示される化合物は、一般式(S28) [式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物に 素化反応条件下で反応させることにより製 することができる。臭素化反応に用いる反 剤としてはトリフェニルホスフィン、トリ チルホスフィンなどのリン試薬、及び四臭 炭素などの臭素化化合物を用いることがで る。使用するリン試薬の当量は一般式(S28)で 示される化合物に対し当量又は過剰量であり 、好ましくは1当量から4当量である。使用す 臭化化合物の当量は一般式(S28)で示される 合物に対し当量又は過剰量であり、好まし は1当量から4当量である。反応に用いる溶媒 としては、例えば、ジクロロメタン、クロロ ホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、 キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロ フラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ エチレングリコールジメチルエーテル、酢酸 エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド 又はアセトニトリルなどが挙げられ、好まし くはテトラヒドロフランである。また、これ らの溶媒を2種以上混合して用いることもで る。反応温度は通常0℃から200℃で行うこと でき、好ましくは10℃から150℃である。反 時間は特に限定されないが、通常、1時間か 96時間が例示され、3時間から36時間が好ま い例として挙げられる。

 一般式(S28)で示される化合物は、一般式(S29) [式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を 元反応に供することにより製造することが きる。該還元反応としては金属水素錯化合 を用いる反応が例示され、水素化金属錯化 物としては水素化アルミニウムリチウム、 素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい として挙げられる。用いる金属水素錯化合 の用量としては原料に対し1当量から10当量 例示され、1当量から5当量が好ましい。反応 に用いる溶媒としては、例えば、ジエチルエ ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 ジメトキシエタンなどが挙げられ、好ましく はテトラヒドロフランである。また、これら の溶媒を2種以上混合して用いることもでき 。反応温度は通常-50℃から100℃で行うこと でき、好ましくは-20℃から70℃である。反応 時間は特に限定されないが、通常、0.1時間か ら96時間が例示され、0.5時間から24時間が好 しい例として挙げられる。

 一般式(S29)で示される化合物は、一般式(S30) [式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を ルホンアミド化反応に供することにより製 することができる。該スルホンアミド化反 としては溶媒中アンモニアを作用させる方 が例示される。反応に用いる溶媒としては 例えば、水、エタノール、メタノール、プ パノール、イソプロパノール、エチレング コール、プロピレングリコール、ジエチレ グリコールモノメチルエーテル、ジクロロ タン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼ 、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト シエタン、ジエチレングリコールジメチル ーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチ ホルムアミド又はアセトニトリルなどが挙 られ、好ましくはジオキサン、エタノール メタノール、水である。用いるアンモニア 量は当量から過剰量が例示され、好ましく 1当量から10当量である。反応温度は通常0℃ ら100℃で行うことができ、好ましくは10℃ ら70℃である。反応時間は特に限定されない が、通常、0.1時間から96時間が例示され、0.5 間から24時間が好ましい例として挙げられ 。

 一般式(S30)で示される化合物は、一般式(S31) [式中、Ar 1 、R 11a 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を ロロスルホニル化反応に供することによっ 製造することができる。クロロスルホニル 反応の条件としては例えば公知文献(Heterocycl ic Chem.,41,435-438(2004).)の方法などに準じて実 することができる。

 一般式(S31)で示される化合物としては、 えば市販のMethyl 3-amino-5-phenyl-2-thiophenecarboxyl ate (AK Scientific社製)等を用いることができる 。

 一般式(S9)で示される化合物のうち、R 21a 及びR 22a が共に水素原子である下記一般式(S32)[式中、 Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である]で示される化合物は、 えば下記の反応経路の逆合成経路に従って 造することが可能である。

 一般式(S32)で示される化合物は、前記の一 式(S26)で示される化合物を一般式(S27)で示さ る化合物より製造する方法に従い、一般式( S33)[式中、Ar 1 、R 12a 、R 13a 、及びL 3 は前記と同義である。]で示される化合物よ 製造することができる。

 一般式(S33)で示される化合物は、前記の一 式(S27)で示される化合物を一般式(S28)で示さ る化合物より製造する方法に従い、一般式( S34)[式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物よ 製造することができる。

 一般式(S34)で示される化合物は、一般式(S35) [式中、R 6 はシリル保護基を示し、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を 保護反応に供することにより製造すること できる。R 6 はシリル保護基であり、シリル保護基として はt-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフ ニルシリル基などを用いることができ、好 しくはt-ブチルジフェニルシリル基である。 脱保護反応は、公知の方法、例えばProtective  Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons 刊 (2007)に記載の方法などに準じて行えばよい。

 一般式(S35)で示される化合物は、一般式(S36) [式中、Ar 1 、R 12a 、R 13a 及びR 6 は前記と同義である。]で示される化合物に しリチオ化剤を作用させ、次いで臭素化化 物を反応させることにより製造することが きる。一連の反応に用いることのできる溶 としては不活性溶媒を用いることができる 不活性溶媒としては、例えばベンゼン、ト エン、キシレン、ジエチルエーテル、テト ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ ンなどが挙げられる。好ましくはテトラヒ ロフランである。また、これらの溶媒を2種 上混合して用いても好適である。反応温度 通常-100℃から0℃で行うことができ、好ま くは-90℃から0℃である。リチオ化剤を作用 せる反応時間としては1分間から24時間が例 され、好ましくは5分間から30分間である。 素化化合物を作用させる時間としては0.1か 24時間が例示され、好ましくは0.5から10時間 である。リチオ化剤としてはt-ブチルリチウ 、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロ ルアミドなどを挙げることができ、好まし はリチウムジイソプロピルアミドである。 素化化合物としては四臭化炭素を挙げるこ ができる。

 一般式(S36)で示される化合物は、一般式(S37) [式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を リル化反応に供することにより製造するこ ができる。シリル化反応は溶媒中シリル化 および塩基を作用させる方法が例示される 反応に用いる溶媒としては、例えばジクロ メタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベン ン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテ 、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ キシエタン、ジエチレングリコールジメチ エーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメ ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又 アセトニトリルなどが挙げられ、好ましく ジメチルホルムアミドである。用いるシリ 化剤としては例えばt-ブチルジメチルシリル クロリド、t-ブチルジフェニルシリルクロリ が例示され、好ましくはt-ブチルジフェニ シリルクロリドである。用いるシリル化剤 量は当量から過剰量が例示され、好ましく 1当量から10当量である。用いる塩基として 例えばトリメチルアミン、トリエチルアミ 、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモ ルホリン、イミダゾール、又はピリジンが例 示され、好ましくはイミダゾールである。用 いる塩基の量は当量から過剰量が例示され、 好ましくは1当量から10当量である。反応温度 は通常0℃から100℃で行うことができ、好ま くは10℃から70℃である。反応時間は特に限 されないが、通常、0.1時間から96時間が例 され、0.5時間から24時間が好ましい例として 挙げられる。

 一般式(S37)で示される化合物は、一般式(S38) [式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を 元反応に供することにより製造することが きる。該還元反応の条件は前記の一般式(S29) で示される化合物より一般式(S28)で示される 合物を製造する方法と同様である。

 一般式(S38)で示される化合物は、一般式(S39) [式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物を ルホンアミド化反応に供することにより製 することができる。該スルホンアミド化反 の条件は前記の一般式(S30)で示される化合物 より一般式(S29)で示される化合物を製造する 法と同様である。

 一般式(S39)で示される化合物としては、例 ば市販のMethyl 3-(Chlorosulfonyl)-2-thiophenecarboxyla te(和光純薬社製)等を用いることができる。
また別法として、上記一般式(S37)で示される 合物は、例えば下記の反応経路の逆合成経 に従って製造することが可能である。

 一般式(S37)で示される化合物は、一般式(S40) [式中、Ar 1 、R 12a 、及びR 13a は前記と同義である。]で示される化合物に しアミノスルホニル化反応を実施すること 製造することができる。該アミノスルホニ 化反応としては、まずリチオ化剤を作用さ 、ついで二酸化硫黄を作用させ、さらにヒ ロキシルアミン-O-スルホン酸を作用させる 応が挙げられる。リチオ化剤および二酸化 黄を作用させる段階において用いることの きる溶媒としては不活性溶媒が挙げられる 不活性溶媒としては、例えばベンゼン、ト エン、キシレン、ジエチルエーテル、テト ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ ンなどが挙げられる。好ましくはテトラヒ ロフランである。また、これらの溶媒を2種 上混合して用いても好適である。リチオ化 を作用させる段階における反応温度は通常- 100℃から0℃で行うことができ、好ましくは-9 0℃から0℃である。リチオ化剤を作用させる 応時間としては10分間から24時間が例示され 、好ましくは20分間から2時間である。リチオ 化剤としてはt-ブチルリチウム、n-ブチルリ ウム、リチウムジイソプロピルアミドなど 挙げることができ、好ましくはn-ブチルリチ ウムである。用いる二酸化硫黄の量は当量も しくは過剰量であり、好ましくは1-5当量であ る。二酸化硫黄を作用させる段階は通常-100 から50℃で行うことができ、好ましくは-90℃ から40℃である。二酸化硫黄を作用させる反 時間としては1時間から24時間が例示され、 ましくは2時間から12時間である。用いるヒ ロキシルアミン-O-スルホン酸の量としては 量もしくは過剰量であり、好ましくは1-5当 である。ヒドロキシルアミン-O-スルホン酸 作用させる段階は通常-50℃から50℃で行う とができ、好ましくは0℃から40℃である。 ドロキシルアミン-O-スルホン酸を作用させ 段階において用いることのできる溶媒とし は、水及びアルコール等があげられ、また それらの混合溶媒も好ましい。二酸化硫黄 作用させる反応時間としては10分間から24時 が例示され、好ましくは30分間から12時間で ある。一般式(S40)で示される化合物としては 例えば市販の3-チオフェンメタノール(和光 薬社製)等を用いることができる。

 前記中、R 11a 、R 12a 、R 13a 、R 21a 、R 22a 、R 31a 、Y 12a 、R 112a 、R 113a 、R 114a 、R 111a 、R 1121a 、R 1122a 、R 1123a 、R 1124a 、及びR 1142a はそれぞれ保護されていてもよい基を表すが 、該基における保護基について、前記製造工 程中において必要に応じて保護反応、又は脱 保護反応に供することができる。また同様に 、前記R 51 は、前記一般式(1)で示される化合物のうちY 11 がカルボキシル基(-COOH)を示す化合物の製造 程におけるカルボキシル基の保護基である 、これも前記製造工程中において必要に応 て保護反応、又は脱保護反応に供すること できる。保護反応及び脱保護反応は、公知 方法、例えばProtective Groups in Organic Synthesi s、John Wiley and Sons 刊(2007)に記載の方法な に準じて行えばよい。

 このようにして得られる本発明化合物及 それぞれの原料化合物、中間体は抽出、蒸 、クロマトグラフィーなどの常法に従って 離精製することができる。

 前記一般式(1)で示される化合物からその を製造することができる。塩の製造方法は に限定されないが、酸付加塩を製造する方 としては、例えば、一般式(1)の化合物をメ ノール、エタノールなどのアルコール類に 解し、当量若しくは数倍量の酸成分を加え ことにより、それらの酸付加塩を得ること できる。用いられる酸成分としては、後述 る酸付加塩に対応する酸成分であればよく 塩酸、臭化水素酸、硫酸、硫酸水素、リン 二水素、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、 マル酸、グルコン酸、又はメタンスルホン などの薬理学的に許容される鉱酸又は有機 を好適な例として挙げることができる。ま 、塩基付加塩を製造する方法としては、前 酸付加塩を製造する方法と同様に、酸成分 代わりに塩基成分を用いて実施することが きる。用いられる塩基成分としては、後述 る塩基付加塩に対応する塩基成分であれば く、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、N -メチル-D-グルカミン、N,N’-ジベンジルエチ ンジアミン、2-アミノエタノール、トリス( ドロキシメチル)アミノメタン、アルギニン 、又はリジンなどの薬理学的に許容される塩 基を好適な例として挙げることができる。

 本発明における一般式(1)の化合物の塩の 類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付 塩のいずれであってもよく、分子内対イオ の形態をとっていてもよい。酸付加塩とし は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸 、硫酸水素塩、リン酸二水素塩、クエン酸 、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、 ルコン酸塩、又はメタンスルホン酸塩や、 るいはカンファースルホン酸、マンデル酸 又は置換マンデル酸のような光学的に活性 酸との付加塩が含まれる。塩基付加塩とし は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩な の金属塩、N-メチル-D-グルカミン、N,N’-ジ ンジルエチレンジアミン、2-アミノエタノ ル、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 、アルギニン、又はリジン等の有機塩基との 付加塩などを例示することができる。もっと も、塩の種類はこれらに限定されることはな く、当業者が適宜選択可能であることは言う までもない。これらのうち、薬理学的に許容 される塩が好ましい。なお、本発明の化合物 は水和物又は溶媒和物として存在する場合も あるが、これらの物質も本発明の範囲に含ま れる。

 前記一般式(1)で示される化合物からその ロドラッグとなす場合には、例えば相当す ハロゲン化物等のプロドラッグ化試薬を用 て、一般式(1)で示される化合物における水 基及びアミノ基から選択される1以上の任意 の基に、常法に従い適宜プロドラッグを構成 する基を導入した後、所望に応じ、適宜常法 に従い単離精製することにより製造すること ができる。又、一般式(1)で示される化合物に おけるカルボキシル基に、相当するアルコー ル又はアミン等のプロドラッグ化試薬を用い て、常法に従い適宜プロドラッグを構成する 基を導入することもできる。又、該プロドラ ッグを得るために、一般式(S2)で示される化 物に存在する保護基を利用しながら製造し もよい。

 本発明における一般式(1)の化合物のプロ ラッグとしては特に限定されないが、例え 、一般式(1)で示される化合物の水酸基、ア ノ基、及びカルボキシル基から選択される1 以上の任意の基にプロドラッグを構成する基 が導入された化合物が挙げられる。水酸基及 びアミノ基についてプロドラッグを構成する 基としては、例えばアシル基、アルコキシカ ルボニル基が例示される。好ましい例として は、アセチル基、プロピオニル基、メトキシ カルボニル基、又はエトキシカルボニル基等 が挙げられ、エトキシカルボニル基が特に好 ましい。又、アセチル基が好ましい態様もあ り、プロピオニル基が好ましい態様もあり、 メトキシカルボニル基が好ましい別の態様も ある。又、カルボキシル基についてプロドラ ッグを構成する基としては、例えばメチル基 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基 n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t- チル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチ アミノ基、ジメチルアミノ基、又はジエチ アミノ基が例示される。好ましい例として 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル 等が挙げられ、エチル基が特に好ましい。 、n-プロピル基が特に好ましい別の態様もあ る。さらに又、イソプロピル基が好ましい別 の態様もある。

 一般式(1)で示される化合物には不斉炭素 存在する場合がある。これらの不斉炭素の 体は特に限定されず、S配置又はR配置のい れか、あるいは両者の混合物であってもよ 。これらの不斉炭素に基づく純粋な形態の 学活性体又はジアステレオ異性体などの立 異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセ 体などはいずれも本発明の範囲に包含され 。

 上記の一般式(1)で表される本発明の化合 、その塩、又はそのプロドラッグは後述す 通り、強力なアグリカナーゼ活性阻害作用 有していることから、医薬の有効成分とし 有用である。アグリカナーゼ活性阻害は、 骨アグリカンの分解を遮断するので、軟骨 壊を抑制する効果をもたらす。従って本発 の化合物は関節軟骨の破壊を特徴とする疾 に有効であると考えられる。関節軟骨の破 を特徴とする疾患としては、変形性関節症 関節損傷、反応性関節炎、急性ピロホスフ ート関節炎、乾癬性関節炎、又は慢性関節 ウマチなどが挙げられる。

 上記の一般式(1)で表される本発明の化合 、その塩、又はそのプロドラッグが軟骨ア リカンの分解を抑制できることは、例えば 節軟骨器官の培養系などを用いて確認でき (Yamada,et al:Journal of Rheumatology,26,p654-662,1999 Pratta M.A.,et al:J.Biol.Chem.278,p45539-45545,2003)。 サギまたはウシ軟骨器官と本発明の化合物 びインターロイキン1を加えて培養し、2日 に培養上清中に放出されたアグリカン断片 、またはグリコサミノグリカン量を測定す ことによって、アグリカン分解抑制作用を 認できる。

 上記の一般式(1)で表される本発明の化合物 その塩、又はそのプロドラッグが変形性関 症の予防及び/又は治療のための有効成分と して有用であることは、例えばラット前十字 靭帯切除(Hayami T:Arthritis Rheum,50,p1193-1206,2004) 半月板切断(Janusz M.J.,et al : Osteoarthritis Ca rtilage,10,p785-791,2002)、またはマウス半月板不 定化(Glasson SS:Nature,434,p644-648,2005)などの変形 性関節症モデルを用いて確認できる。本発明 の化合物、その塩、又はそのプロドラッグを 0.1-1000mg/kgの投与量で、モデル動物に経口投 、静脈内投与、腹腔内投与、又は関節内投 し、膝軟骨破壊進行を病理組織学的に解析 ること、またはアグリカンやコラーゲン等 軟骨基質成分量を測定することによって、 形性関節症の治療薬としての有用性を確認 きる。
上記の一般式(1)で表される本発明の化合物、 その塩、又はそのプロドラッグが慢性関節リ ウマチの予防及び/又は治療のための有効成 として有用であることは、例えばラット又 マウスのコラーゲン誘発関節炎モデル(Griffit h M.M.,et al,ArthritisRheumatism,24p781,1981;Wooley P.H.e t al,J.Exp.Med.,154,p688,1981.)等を用いて確認でき 。本発明の化合物、その塩、又はそのプロ ラッグを0.1-1000mg/kgの投与量で、モデル動物 に経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、又は 関節内投与し、踵体積を測定すること、また は骨破壊進行を測定することによって、慢性 関節リウマチの治療薬としての有用性を確認 できる。

 上記の一般式(1)で表される本発明の化合 、その塩、又はそのプロドラッグが、好ま くない副作用である筋骨格症候群を起こさ いことは、例えばルイスラットなどを用い 確認できる(Richard R.et al,Arthritis Rheumatism,48 ,6,p1742-1749,2003)。化合物を0.1-1000mg/kgの投与量 、モデル動物に経口投与、関節内投与、又 浸透圧ポンプを用いて連続投与し、2週間後 の後肢膝関節の腫脹、または病理組織学的変 化(滑膜の過形成など)を観察することにより 好ましくない副作用の有無を確認できる。

 上記の一般式(1)で表される本発明の化合 、その塩、又はそのプロドラッグについて アグリカナーゼと各種マトリックスメタロ ロテイナーゼ(MMP-2,MMP-3,MMP-14など)に対する 択性を調べることにより、薬効と好ましく い副作用である筋骨格症候群、または関節 増悪などとの乖離を示すことができる。ア リカナーゼと各種MMPsに対する選択性は、通 の酵素アッセイにおける阻害活性より示す とができる。

 本発明の医薬は、一般式(1)で示される化 物又はその塩を有効成分として含む医薬と て調製することができるが、例えばプロド ッグとして投与された化合物又はその塩が 体内で代謝を受けて一般式(1)で示される化 物又はその薬理学的に許容される塩を生成 る場合も、本発明の医薬の範囲に包含され 。

 本発明の医薬としては、一般式(1)で示さ る化合物又はその薬理学的に許容される塩 1種又は2種以上の混合物をそのまま用いて よいが、一般式(1)で示される化合物又はそ 薬理学的に許容される塩の1種又は2種以上の 混合物に1種又は2種以上の薬理学的に許容さ る担体を添加して医薬組成物を調製して投 することが好ましい。薬理学的に許容され 担体の種類は特に限定はされないが、例え 、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、又は 加剤などが例示される。一般式(1)で示され 化合物又は薬学上許容される塩を0.5%カルボ キシメチルセルロースを含む精製水に懸濁又 は溶解し用いる方法が挙げられる。

 本発明化合物(1)又は薬学上許容される塩 上記の医薬として用いるには、有効量の本 明化合物(1)又は薬学上許容される塩をその まで、あるいは薬学上許容される担体と混 して医薬組成物となせばよく、この担体と て、たとえばカルボキシメチルセルロース どの懸濁化剤や場合によっては、精製水、 理食塩水などであってもよく、その他の公 の担体も用いることができる。一例を示す 本発明化合物(1)又は薬学上許容される塩を0 .5%カルボキシメチルセルロースを含む精製水 に懸濁又は溶解し用いる方法が挙げられる。

 上記医薬組成物の製剤化のための剤形と ては、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、 濁剤、カプセル剤、注射剤等が挙げられる 、その製造のためには、これらの製剤に応 た各種担体が使用される。例えば、経口剤 担体としては、賦形剤、結合剤、滑沢剤、 動性促進剤、着色剤を挙げることができる

 本発明化合物を注射剤等の非経口剤とす 場合には、希釈剤として一般に注射用蒸留 、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植 油、プロピレングリコール、ポリエチレン リコール等を使用することができる。さら 必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤、 張化剤、無痛化剤等を加えてもよい。

 本発明化合物を哺乳類、例えばヒトに投 する際には、錠剤、散剤、顆粒剤、懸濁剤 カプセル剤の形で経口投与することができ また、点滴を含む注射剤、さらには坐剤、 ル剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム又 スプレーの形で非経口投与することができ 。その投与量は、適用症、投与形態、患者 年齢、体重、症状の度合いなどによって異 るが、一般的には成人1日当たり0.01~1000mgを1 ~3回に分けて投与することが例示される。投 期間は数日~2カ月の連日投与が一般的であ が、患者の症状により1日投与量、投与期間 に増減することができる。

 さらに、治療効果の増強を目的として、 発明の医薬と、本発明の医薬の作用に悪影 を及ぼさない薬剤並びに栄養補助食品とを 用することができる。このような併用用の 剤としては、標準の非ステロイド抗炎症化 物、例えばピロキシカム、ジクロフェナッ 、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、 ルビプロフェン、フェノプロフェン、ケト ロフェン、及びイブプロフェン;フェナーメ ート類、例えばメフェナム酸、インドメタシ ン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン類、 例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、 例えばアスピリン;COX-2阻害薬、例えばセレコ キシブ、バルデコキシブ、パラコキシブ、ロ フェコキシブ;鎮痛薬、例えばLTD-4、LTB-4及び5 -LO阻害薬、p38キナーゼ阻害薬、並びに関節内 療法、例えばコルチコステロイド類及びヒア ルロン酸類、例えばヒアルガン及びシンビス クなどが例示されるが、これらに限定されな い。併用用の栄養補助食品としてはグルコサ ミン、コンドロイチン硫酸などが例示される が、これらに限定されない。

 前記した併用用薬剤の投与時期は限定さ ず、本発明の医薬と併用用薬剤とを、投与 象に対し、同時に投与してもよく、あるい 時間差をおいて投与してもよい。併用用薬 の投与量は、臨床上用いられている投与量 準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾 、及び本発明の医薬と併用用薬剤との組み わせ等により適宜選択することができる。

 併用用薬剤の投与形態は、特に限定され 、投与時に、本発明の医薬と併用用薬剤と 組み合わされていればよい。このような投 形態としては、例えば、1)本発明の医薬の 効成分である本発明の化合物、その塩、又 そのプロドラッグと併用用薬剤とを同時に 剤化して得られる単一の製剤の投与、2)本発 明の医薬と併用用薬剤とを別々に製剤化して 得られる2種の製剤の同一投与経路での同時 与、3)本発明の医薬と併用用薬剤とを別々に 製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経 での時間差をおいての投与、4)本発明の医薬 と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる 2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、5) 本発明の医薬と併用用薬剤とを別々に製剤化 して得られる2種の製剤の異なる投与経路で 時間差をおいての投与(例えば、本発明の医 の次に併用用薬剤の順序で投与、あるいは の順序での投与)などが挙げられる。

 本発明の医薬と併用用薬剤との配合比は 投与対象、投与ルート、及び疾患等により 宜選択することができる。

 本発明の医薬の有用性は、ヒトを含む哺 類動物(例えば、マウス、ラット、モルモッ ト、ウサギ、イヌ、サル等)や、ヒトを含む 乳類動物の細胞(軟骨細胞、プライマリー細 、生細胞等)を用いて、本発明の化合物、そ の塩、又はそのプロドラッグに関する効果、 及び/又は血中濃度推移等(例えば、最大血中 度、有効血中濃度持続時間、血中半減期、A UC等)などで確認することができ、また本発明 の化合物、その塩、又はそのプロドラッグの 毒性の低さを調べることによって医薬として のさらに高い有用性を確認できる。さらに、 ヒトまたは動物での血中濃度推移、酵素誘導 、酵素阻害、ミクロソームに対する安定性等 によって有用性を確認することもできる。特 に本発明の化合物又はその塩の有用性の確認 は、ミクロソームに対する安定性で行うのが 好ましい態様として例示される。

 以下、本発明を実施例及び試験例により らに具体的に説明するが、本発明の範囲は 下の例に限定されることはない。

 以下の実施例において、特にことわりの い限り、種々の分析は次のようにして行っ 。薄層クロマトグラフィー(TLC)はPrecoated sil icagel 60 F254(メルク社製)を使用、スポットは UV(254nm)照射により確認した。シリカゲルカラ ムクロマトグラフィーは充填剤としてワコー ゲルC-300(和光純薬社製)又はシリカゲル60N(球 、中性、40~100μm、関東化学社製)を使用して 実施するか、あるいは「Quad分取システム」(B iotage社製)を用い、カラムは同社製KP-Sil-12S、1 2M、40S又は40Mのいずれかのカートリッジカラ を1本又は数本使用して実施した。同様に、 「Flashカラムシステム」(Biotage社製)を用いて 施した場合もある。実施例中の操作で、「 縮」とはエバポレータ(東京理科器械社製) 用いた減圧下の、溶媒若しくは過剰試薬の 去を意味する。

 LC-MSのHPLCについて、以下に詳細な溶出条件 示す。
LC条件1;waters社製カラム(ACQUITY UPLC BEH C18 1.7 μM 2.1X50mm)を用い、水-アセトニトリル(0.1%(v/v )酢酸含有)の下記に示すグラジェント溶出に り目的物を溶出した。
流速:0.6ml/min
溶媒:A液=水,0.1%(v/v)酢酸含有、B液=アセトニト リル,0.1%(v/v)酢酸含有
0分から2分まで:〔A液95%+B液5%(v/v)〕から〔A液1 0%+B液90%(v/v)〕まで直線グラジエント
2分から2.5分まで:〔A液10%+B液90%(v/v)〕から〔A 2%+B液98%(v/v)〕まで直線グラジエント
2.6分から3.2分まで:〔A液2%+B液98%(v/v)〕まで直 グラジエント
LC条件2;野村化学社製カラム(Develosil C30-UG-5 4 .6X50mm)を用い、水-アセトニトリル(0.1%(v/v)酢 含有)の下記に示すグラジエント溶出により 的物を溶出した。
流速;2ml/min
溶媒;A液=水、0.1%(v/v)酢酸含有;B液=アセトニト リル、0.1%(v/v)酢酸含有
0分から5分までA液95%+B液5%(v/v)からA液2%+B液98%( v/v)まで直線グラジエント
5分から6分までA液2%+B液98%(v/v)に保持
6分から7.5分までA液95%+B液5%(v/v)に保持
 <参考例1>3-クロロスルホニル-5-フェニ -2-チオフェンカルボン酸メチル
 3-アミノ-5-フェニル-2-チオフェンカルボン メチル(5g、AK scientific社製)を20%塩酸(12ml)溶 し、氷冷下水(3.2ml)溶かした亜硝酸ナトリウ (1.5g、和光純薬社製)を滴下、1時間撹拌した 。その溶液に二酸化硫黄(2.5g)、塩化銅(530mg、 関東化学社製)を溶解させた酢酸溶液をゆっ り加え5時間撹拌した。反応混合物を氷水(100 ml)へ注ぎ入れジクロロメタン(100ml)で抽出、 酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、表記化合 6.5gを得た。

 <参考例2>5-フェニル-3-スルファモイル オフェン-2-カルボン酸メチル
 参考例1の化合物(3g)をTHF(10ml)、0.5Mアンモニ -ジオキサン溶液(40ml、アルドリッチ社製)に 溶解し室温で3時間撹拌した。反応混合物を 縮し得られた残渣を酢酸エチル(20ml)洗浄し 表記化合物1.7gを得た。LC-MS:HPLC保持時間2.80 (LC条件2)、m/z 298(MH+)。

 <参考例3>2-(ヒドロキシメチル)-5-フェニ ルチオフェン-3-スルホンアミド
 参考例2の化合物(634mg)をテトラヒドロフラ (8ml)に溶解し、氷冷下水素化リチウムアルミ ニウム(122mg、和光純薬社製)を加え、30分撹拌 した。反応混合物に5規定塩酸(2ml)を加えセラ イト濾過し、酢酸エチルで洗浄した。得られ た溶液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシ ウムで乾燥後濃縮し、表記化合物151mgを得た LC-MS:HPLC保持時間1.14分(LC条件1)、m/z 270(MH+)

 <参考例4>2-ブロモメチル-5-フェニルチ フェン-3-スルホンアミド
 参考例3の化合物(151mg)をジクロロメタン(1.5m l)及びテトラヒドロフラン(0.5ml)に溶解し、氷 冷下トリフェニルホスフィン(176mg、東京化成 社製)、四臭化炭素(223mg、和光純薬社製)を加 て30分撹拌した。反応混合物に水(2ml)、酢酸 エチル(4ml)を加え酢酸エチルで抽出、飽和食 水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮 、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサ ン:酢酸エチル=5:1)に付し、標記化合物51mgを た。LC-MS:HPLC保持時間3.95分(LC条件2)
 <参考例5>5-フェニル-1,1-ジオキソ-2,3-ジ ドロチエノ[2,3-d]イソチアゾール
 参考例4の化合物(520mg)をN,N-ジメチルホルム ミド(8ml)に溶解し、水素化ナトリウム(63mg、 関東化学社製)を加え55℃で16時間撹拌した。 応混合物に水(8ml)、酢酸エチル(10ml)を加え 酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸 グネシウムで乾燥後濃縮し、得られた残渣 シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) 付し、標記化合物138mgを得た。LC-MS:HPLC保持 間3.56分(LC条件2)、m/z 252(MH+)。

 <参考例6>3-メチル-2-(5-フェニル-1,1-ジオ キソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブ タン酸エチル
 参考例5の化合物(67mg)及び水素化ナトリウム (13mg、和光純薬社、40%ミネラルオイル含有)を N,N-ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、60℃ 1時間撹拌した後に2-ブロモイソ吉草酸エチ (68μl、和光純薬社製)を加え更に24時間撹拌 た。反応混合物を室温まで放冷した後濃縮 、酢酸エチル(2ml)、水(2ml)を加え酢酸エチル で抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウ ムで乾燥後濃縮し、得られた残渣をシリカゲ ルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付し、 記化合物16mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間4.94分(L C条2)、m/z 380(MH+)。

 <参考例7>N-(2-メトキシプロパン-2-イル キシ)-3-メチル-2-(5-フェニル-1,1-ジオキソチ ノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸 ミド
 実施例1の化合物(8mg)をN,N-ジメチルホルムア ミド(0.5ml)に溶解し、O-(2-メトキシプロパン-2- イル)ヒドロキシルアミン(7.9mg)、N-ヒドロキ ベンゾトリアゾール(5.1mg、国産化学社製)、 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カル ジイミド塩酸塩(7.2mg、国産化学社製)、トリ エチルアミン(5.3μl、和光純薬社製)を加えて 温で12時間撹拌した。反応混合物に酢酸エ ル(2ml)、水(2ml)を加え、酢酸エチルで抽出、 和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水 順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮 標記化合物9.2mgを得た。

 <実施例1>3-メチル-2-(5-フェニル-1,1-ジオ キソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブ タン酸
 参考例6の化合物(16mg)を1規定水酸化ナトリ ム水溶液(0.1ml)、メタノール(0.4ml)に溶解し2.5 時間撹拌した。反応混合物に1規定塩酸(0.1ml) 加えた後濃縮し、得られた残渣をシリカゲ カラム(ジクロロメタン:メタノール=10:1)に し、標記化合物11mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間 4.10分(LC条件2)、m/z 352(MH+)。

 <実施例2>N-ヒドロキシ-3-メチル-2-(5-フ ニル-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチアゾー -2(3H)-イル)ブタン酸アミド
 参考例7の化合物(9.2mg)をメタノール(0.3ml)に 解し、2規定塩酸(0.3ml)を加えて室温で1.5時 撹拌した。反応混合物に2規定水酸化ナトリ ム水溶液(0.3ml)を加えた後濃縮し、得られた 残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:メ ノール=10:1)に付し、標記化合物4.6mgを得た LC-MS:HPLC保持時間3.51分(LC条件2)、m/z 367(MH+)。

 <実施例3~14>
 実施例3~14の化合物の製造について以下に示 す。実施例3~14の詳細については表1-1に示し 。表1-1中の記号の意味については以下に示 とおりである。「Exp.」;実施例番号、「Strctu re」;実施例化合物、「LCRT」;LCMSにおける液体 クロマトグラフィーの保持時間(分)、「LCMT」 ;LC条件、「MS」;LCMSにおけるマススペクトル ータ、「Syn.」対応する中間体及び実施例化 物の製造方法。

 「Structure」欄における構造式中、不斉炭 原子における「*」印が記載された化合物は 、該不正炭素においてα配置又はβ配置のい れかである光学活性体であることを示す。

 本発明においては、特に断らない限り、 業者にとって明らかなように記号「Syn.」欄 における記号は以下のとおり製造方法を示す 。「A」;参考例1に示した製造法、「B」;参考 2に示した製造法、「C」;参考例3に示した製 造法、「D」;参考例4に示した製造法、「E」; 考例5に示した製造法、「F」;参考例6に示し た製造法、「G」;参考例7に示した製造法、「 a」;実施例1に示した製造法、「b」;実施例2に 示した製造法。

 <参考例8-1>2-(5-(4-(1-メチル-1H-インドー -5-イル)フェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イ ソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 2-(5-(4-ブロモフェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2 ,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチ (64.5mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.75ml)に溶 解し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジ ム(27.5mg、アルドリッチ社製)、リン酸三カ ウム(63.7mg、和光純薬社製)、トリ-o-トリルホ スフィン (18.3mg、関東科学社製)、1-メチル-5- インドールボロン酸(31.5mg、フロンティア社 ) を加えてマイクロウェーブを照射しなが 140℃で30分間撹拌した。反応混合物に水(1ml) 1規定塩酸(1ml)、酢酸エチル(1ml)を加え酢酸 チルで抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグ シウムで乾燥後濃縮し、得られた残渣をシ カゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付 、標記化合物24.9mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間 2.04分(Lc条件1)、m/z 481(MH+)。

 <参考例8-2>(E)-2-(5-(4-(4-メトキシスチリ )フェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチア ゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 2-(5-(4-ブロモフェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2 ,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチ (64.5mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.75ml)に溶 解し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジ ム(27.5mg、アルドリッチ社製)、リン酸三カ ウム(63.7mg、和光純薬社製)、トリ-o-トリルホ スフィン(18.3mg、関東科学社製)、4-メトキシ ェニルビニルボロン酸(32.0mg、アルドリッチ 製)を加えてマイクロウェーブを照射しなが ら140℃で30分間撹拌した。反応混合物に水(1ml )、1規定塩酸(1ml)、酢酸エチル(1ml)を加え酢酸 エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグ ネシウムで乾燥後濃縮し、得られた残渣をシ リカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に し、標記化合物30.5mgを得た。LC-MS:HPLC保持時 2.09分(LC条件1)、m/z 484(MH+)。

 <参考例8-3>(E)-2-(5-(2-(ビフェニル-4-イル) ビニル)-1,1-ジオキソチエノ[3,2-d]イソチアゾ ル-2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 2-(5-ブロモ-1,1-ジオキソチエノ[3,2-d]イソチ ゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル(22.5mg)をN,N- ジメチルホルムアミド(0.32ml)に溶解し、ビス( ジベンジリデンアセトン)パラジウム(11.7mg、 ルドリッチ社製)、リン酸三カリウム(27.2mg 和光純薬社製)、トリ-o-トリルホスフィン(7.8 mg、関東科学社製)、4-メトキシフェニルビニ ボロン酸(32.0mg、アルドリッチ社製)を加え マイクロウェーブを照射しながら140℃で15分 間撹拌した。反応混合物に水(1ml)、1規定塩酸 (1ml)、酢酸エチル(1ml)を加え酢酸エチルで抽 、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで 燥後濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカ ム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、標記化 物9.4mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間5.96分(LC条件 2)、m/z 454(MH+)。

 <参考例9> 2-(5-(6-モルホリノピリジン-3- イル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチアゾー -2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 参考例18の化合物(40mg)のジメチルホルムア ド(560μl、関東化学社製)溶液に、テトラキス トリフェニルホスフィンパラジウム(879mg、東 京化成社製)、6-(モルホリン-4-イル)ピリジン- 3-ボロン酸ピナコールエステル(65mg、アルド ッチ社製)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(200μl) を加え、100℃で終夜攪拌した。反応溶液に1M 酸(400μl、関東化学社製)を加え中和した後 酢酸エチルで抽出(3×5ml)し、飽和食塩水(10ml) で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をプレパ ティブ薄層クロマトグラフィー(CHCl 3 :MeOH=9:1)で精製し、標記化合物51mgを得た。

 <参考例10> 2-(5-(フェニルエチニル)-1,1- オキソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イ )ブタン酸メチル 
 参考例18の化合物(40mg)のテトラヒドロフラ (500μl、関東化学社製)の溶液に、室温でフェ ニルアセチレン(17mg、東京化成社製)、ジクロ ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム( 4mg、関東化学社製)、トリフェニルホスフィ (1mg、和光純薬社製)及びトリエチルアミン(24 μl、和光純薬社製)を加え、同温で20分攪拌し た。反応溶液にヨウ化銅(1mg、関東化学社製) 加え、80℃で2時間マイクロウェーブ照射し 。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、 標記化合物9.4mgを得た。

 <参考例11> 3-スルファモイルチオフェ -2-カルボン酸メチル
 3-クロロスルホニル-2-チオフェンカルボン メチル(20g、和光化学社製)の1,4-ジオキサン(4 0ml、和光化学社製)溶液に、室温下25%アンモ ア水(0.5ml、関東化学社製)を加え5時間攪拌し た後、反応溶液を留去した。水(100ml)を加え クロロホルムで抽出(3×100ml)し、飽和食塩水( 100ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後溶媒留去し、標記化合物12.3gを得た。

 <参考例12> 2-(ヒドロキシメチル)チオフ ェン-3-スルホンアミド
 参考例11の化合物(12.3g)のジクロロメタン(556 ml、和光純薬社製)溶液に、氷冷下水素化ジイ ソブチルアルミニウム(1.02Mのヘキサン溶液、 82ml、関東化学社製)を加え室温下5時間攪拌し た。反応溶液に飽和食塩水(50ml)を滴下した後 、硫酸マグネシウムを加え、室温で1時間攪 した後セライトろ過した。溶媒留去して得 れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ ィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標 化合物9.2gを得た。

 <参考例13> 2-((tert-ブチルジフェニルシ キシ)メチル)チオフェン-3-スルホンアミド
 参考例12の化合物(9.2g)のジメチルホルムア ド(450ml、関東化学社製)の溶液に、室温でイ ダゾール(6.38g、関東化学社製)及びtert-ブチ ジフェニルクロロシラン(24.5mL、東京化成社 製)を加え終夜攪拌した。反応溶液を留去し 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し 標記化合物6.5gを得た。

 <参考例14> 5-ブロモ-2-((tert-ブチルジフ ニルシロキシ)メチル)チオフェン-3-スルホ アミド
 参考例13の化合物(3.0g)のテトラヒドロフラ (70mL、関東科学社製)の溶液に、-78℃でリチ ムジイソプロピルアミド(23%のテトラヒドロ ラン/エチルベンゼン/ヘプタン溶液、15.5ml アルドリッジ社製)を加え、10分攪拌した後 さらに同温で四臭化炭素(9.22g、和光純薬社 )を加え、2時間攪拌した。室温まで昇温した 後、反応溶液に水(50ml、関東化学社製)を加え 、酢酸エチルで抽出(3×50mL)し、飽和食塩水(50 ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去して得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ チル=2:1)で精製し、標記化合物3.1gを得た。

 <参考例15> 5-ブロモ-2-(ヒドロキシメチ )チオフェン-3-スルホンアミド
 参考例14の化合物(4.98g)のテトラヒドロフラ (100ml、関東化学社製)の溶液に、室温でテト ラブチルアンモニウムフルオリド(1.0Mのトル ン溶液、19.5ml、東京化成社製)を加え、1時 攪拌した。反応溶液を留去し、得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ サン:酢酸エチル=2:1)で精製、標記化合物2.6g を得た。

 <参考例16> 5-ブロモ-2-(ブロモメチル)チ オフェン-3-スルホンアミド
 参考例15の化合物(1.0g)のジクロロメタン(37ml 、関東化学社製)の溶液に、-20℃で三臭化リ (416μL、アルドリッチ社製)及びピリジン(582mg 、和光純薬社製)を加え、同温で2時間攪拌し 。室温まで昇温した後、反応溶液に水(20ml) 加え、クロロホルムで抽出(3×20ml)し、飽和 塩水(20ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=2:1)で精製し、標記化合物1.1gを得た。

 <参考例17> 5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1,1-ジ キソチエノ[2,3-d]イソチアゾール
 参考例16の化合物(50mg)のジメチルホルムア ド(1.5ml、関東化学社製)の溶液に、50℃で水 化ナトリウム(ミネラルオイル40%含有、12mg、 関東化学社製)を加え、同温で30分攪拌した。 室温まで冷却した後、反応溶液に1M塩酸(3mL) 加え、酢酸エチルで抽出(3×10mL)し、飽和食 水(20ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=2:1)で精製、標記化合物22.2mgを得た
 <参考例18> 2-(5-ブロモ-1,1-ジオキソチエ ノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メ チル
 参考例17の化合物(734mg)のジメチルホルムア ド(29mL、関東化学社製)の溶液に、氷冷下水 化ナトリウム(ミネラルオイル40%添加、231mg 関東化学社製)を加え、50℃で2-ブロモ-n-ブ ン酸メチル(1.05g、東京化成社製)を加え20分 拌した。反応溶液に水(30mL)を加え、酢酸エ ルで抽出(3×30mL)し、飽和食塩水(30mL)で洗浄 乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=2:1)で精製、標記化合物449mgを得た。

 <参考例19> 2-(5-(4-フェニルピペリジン-1 -イル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチアゾー -2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 参考例18の化合物(22mg)の1,4-ジオキサン(300μl 、関東化学社製)溶液に、炭酸セシウム(40mg、 和光純薬社製)、XANTPHOS(14mg、ストレム社製)、 酢酸パラジウム(3mg、関東化学社製)、及び4- ェニルピペリジン(12mg、和光純薬社製)を加 、80℃で2時間マイクロウェーブ照射した。 応溶液を室温まで冷却した後、水(1ml)を加え 、酢酸エチルで抽出(3×2ml)し、飽和食塩水(10m l)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=4:1)で精製し、標記化合物5.0mgを得た

 <参考例20> 2-(5-(1H-インダゾール-1-イル) -1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H) -イル)ブタン酸メチル
 参考例18の化合物(25mg)のN,N-ジメチルアセト ミド(177μl、関東化学社製)溶液に、リン酸 リウム(30mg、和光純薬社製)、(1S、2S)-(+)-N、N- ジメチルシクロヘキサン-1、2-ジアミン(4.0mg 東京化成社製)、ヨウ化銅(3.0mg、関東化学社 )及びインダゾール(10mg、東京化成社製)を加 え、15分間180℃でマイクロウェーブ照射した 反応溶液を室温まで冷却した後、シリカゲ カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 チル=2:1)で精製し、標記化合物8.5mgを得た。

 <参考例21> (2-ヒドロスルホニルチオフ ン-3-イル)メタノール
 チオフェン-3-メタノール(14.5ml、アルファー エーサー社製)のテトラヒドロフラン(230ml、 東化学社製)溶液に、-78℃でn-ブチルリチウ (1.59Mのn-ヘキサン溶液、212ml、関東化学社製) を45分間かけて滴下し、同温にて30分間攪拌 た後、さらに二酸化硫黄(16ml、住友精化社製 )を加え徐々に室温まで昇温させながら2時間 拌した。反応溶液を留去し標記化合物を得 。

 <参考例22> 3-(ヒドロキシメチル)チオフ ェン-2-スルホニルアミド
 参考例21の化合物(25g)の水(400ml)溶液中、室 で酢酸ナトリウム(37.8g、和光純薬社製)及び ドロキシルアミン-O-スルホン酸 (33g、和光 薬社製)を加え終夜攪拌した。反応溶液に酢 酸エチル(200ml)を加え、酢酸エチルで抽出(3×2 00ml)し、飽和食塩水(200ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=2:1)で精製し、標記化合物25.0gを得た

 <参考例23>2-(5-(3-アミノフェニル)-1,1-ジ キソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル) タン酸メチル
 2-(5-(3-ニトロフェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2 ,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチ (81mg)をテトラヒドロフラン(1.0ml)、メタノー (0.5ml)に溶解し、10wt%パラジウム-炭素(20mg、 ルドリッチ社製)を加え水素雰囲気下室温で 2時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過 、酢酸エチルで洗浄した。母液を濃縮し標 化合物74mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間1.47分(LC 件1)、m/z 367(MH+)。

 <参考例24-1>2-(5-(3-(シクロヘキサンカル キシアミド)フェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2, 3-d]イソチアゾール-5(3H)-イル)ブタン酸メチル  
 2-(5-(3-アミノフェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2 ,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチ (25mg)をジクロロメタン(0.5ml)に溶解し、トリ チルアミン(14.2μl、東京化成社製)シクロヘ サンカルボニルクロリド(10.9μl、東京化成 製)を氷冷下加え10分間撹拌した。反応混合 に水(1ml)、酢酸エチル(2ml)を加え酢酸エチル 抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウ で乾燥後濃縮し、得られた残渣をシリカゲ カラム(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、標 記化合物20.4mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間1.85分( LC条件1)、m/z 477(MH+)。

 <参考例24-2> 2-(5-(4-(ベンジロキシ)ベン アミド)フェニル-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イ ソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル
 4-ベンジロキシ安息香酸(33.7mg、東京化成社 )のN,N-ジメチルホルムアミド(500μL、関東化 社製)溶液に、室温で1-ヒドロキシベンゾト アゾール水和物(27.2mg、国産化学社製)及び1- エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボ イミド塩酸塩(38.3mg、国産化学社製)を加え5 攪拌した後、参考例25の化合物(49mg)のジメ ルホルムアミド(800μL、関東化学社製)溶液及 びトリエチルアミン(28.1μL)を加え、終夜攪拌 した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム(50 0μL)を加えた後、クロロホルムで抽出(3×5mL) 、飽和食塩水(10mL)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル=2:1(CHCl 3 :MeOH=9:1)で精製し、標記化合物21.5mgを得た。

 <参考例25> 2-(5-(4-アミノフェニル)-1,1- オキソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル )ブタン酸メチル
 参考例18の化合物から参考例9の方法によっ 合成した2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルア ノ)フェニル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチ アゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル(360mg)のジ クロロメタン(7.7ml、関東化学社製)溶液に、 冷下トリフルオロ酢酸(879mg、和光純薬社製) 加え、室温で3時間攪拌した。反応溶液に25% アンモニア水(10ml、関東化学社製)を加え中和 した後、クロロホルムで抽出(3×20ml)し、飽和 食塩水(10ml)で洗浄、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒留去し、標記化合物154mgを得た。

 <参考例26>2-(5-ブロモ-1,1-ジオキソチエ [2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸
 2-(5-ブロモ-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチ ゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル(44.3mg)をメ ノール(1.0ml)に溶解し、5規定水酸化ナトリ ム水溶液(0.1ml、和光純薬社製)を加えて室温 3時間撹拌した。反応混合物に5規定塩酸(0.1m l、和光純薬社製)を加えた後に濃縮し、得ら た残渣を薄層クロマトグラフィーにて精製 (ジクロロメタン:メタノール=10:1)、標記化 物32.9mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間3.47(LC条件2) m/z 339(M-1)。

 <実施例15>2-(5-(ビフェニル-4-イル)-1,1-ジ オキソチエノ[2,3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル) ブタン酸
 2-(5-(4-(-ブロモフェニル)-1,1-オキソチエノ[2, 3-d]イソチアゾール-2(3H)-イル)ブタン酸メチル (45mg)をジメトキシエタン(0.5ml)、水(0.1ml)に溶 し、テトラキストリフェニルホスフィンパ ジウム(12.1mg、アルドリッチ社製)、炭酸ナ リウム(13.2mg、和光純薬社製)、フェニルボロ ン酸(15.2mg、アルドリッチ社製)を加え100℃で2 日間撹拌した。反応混合物に水(1ml)、1規定塩 酸(1ml)、酢酸エチル(1ml)を加え酢酸エチルで 出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム 乾燥後濃縮し、得られた残渣をシリカゲル ラム(ジクロロメタン:メタノール=10:1)に付し 、標記化合物16.1mgを得た。LC-MS:HPLC保持時間1. 85分(LC条件1)、m/z411(MH+)。

 <実施例16>2-(5-(4-ブロモフェニル)チエノ [2,3-d]イソチアゾール-2-[3H]-イル)-N-ヒドロキ ブタンアミド
 2-(5-(4-ブロモフェニル)チエノ[2,3-d]イソチア ゾール-2-[3H]-イル)ブタン酸メチル(21.6mg)をメ ノール(0.5ml)及びクロロホルム(0.5ml)の混合 媒に溶解し、ヒドロキシルアミン-メタノー 溶液(1.76M、284μl)を加え、室温で1時間攪拌 た。1規定塩酸(0.5ml)を加え、酢酸エチルで希 釈し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネ シウムで乾燥後濃縮し、得られた残渣を薄層 クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2 )にて精製し、標記化合物6.6mgを得た。LC-MS:HPL C保持時間1.59分(LC条件1)、m/z 431(MH+)
 <実施例17>2-(5―(2-フェノキシピリミジ -5-イル)-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチアゾ ル-2(3H)-イル)ブタン酸
 2-(5-ブロモ-1,1-ジオキソチエノ[2,3-d]イソチ ゾール-2(3H)-イル)ブタン酸(32.9mg)をN,N-ジメチ ルホルムアミド(0.4ml)、水(0.1ml)に溶解し、テ ラキストリフェニルホスフィンパラジウム( 22.4mg、アルドリッチ社製)、炭酸ナトリウム(2 0.6mg、和光純薬社製)、5-フェノキシピリミジ -2-ルボロン酸ピナコールエステル(28.9mg) を 100℃で24時間撹拌した。反応混合物に水(1ml) 1規定塩酸(5ml)、ジクロロメタン(1ml)を加えジ クロロメタンで抽出、飽和食塩水で洗浄、硫 酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、得られた残 渣を薄層クロマトグラフィーにて精製し(ジ ロロメタン:メタノール=10:1)、標記化合物6.5m gを得た。LC-MS:HPLC保持時間1.49分(LC条件1)、m/z 432(MH+)。

 <実施例18~148>
 実施例18~148の化合物の製造について以下に す。実施例18~148の詳細については表1-2に示 た。表1-2中の記号の意味については以下に すとおりである。「Exp.」;実施例番号、「St ructure」;実施例化合物、「LCRT」;LCMSにおける 体クロマトグラフィーの保持時間(分)、「LC MT」;LC条件、「MS」;LCMSにおけるマススペクト ルデータ、「Syn.」対応する中間体及び実施 化合物の製造方法。
「Structure」欄における構造式中、不斉炭素原 子における「*」印が記載された化合物は、 不斉炭素においてα配置又はβ配置のいずれ である光学活性体であることを示す。

 本発明においては、特に断らない限り、 業者にとって明らかなように記号「Syn.」欄 における記号は以下のとおり製造方法を示す 。「A」;参考例1に示した製造法、「B」;参考 2に示した製造法、「C」;参考例3に示した製 造法、「D」;参考例4に示した製造法、「E」; 考例5に示した製造法、「F」;参考例6に示し た製造法、「G」;参考例7に示した製造法、「 H」;参考例8-1、8-2、または8-3に示した製造法 「J」;参考例9に示した製造法、「K」;参考 10に示した製造法、「L」;参考例11に示した 造法、「M」;参考例12に示した製造法、「N」 ;参考例13に示した製造法、「P」;参考例14に した製造法、「Q」;参考例15に示した製造法 「R」;参考例16に示した製造法、「S」;参考 17に示した製造法、「T」;参考例18に示した 造法、「U」;参考例19に示した製造法、「V ;参考例20に示した製造法、「W」;参考例21に した製造法、「X」;参考例22に示した製造法 、「Y」;参考例23に示した製造法、「Z」;参考 例24-1または24-2に示した製造法、「AA」;参考 25に示した製造法、「AB」;参考例26に示した 製造法、「a」;実施例1に示した製造法、「b ;実施例2に示した製造法、「c」;実施例15に した製造法、「d」;実施例16に示した製造法 「e」実施例17に示した製造法。

 <試験例1>アグリカナーゼ酵素活性阻害 用
 (1)ヒト組み換え型ADAMTS-5の調整
 ADAMTS-5活性の測定に用いる酵素蛋白は、ヒ 組み換え型ADAMTS-5とした。Asn624のC末端側に6 Hisタグを付加したヒト組み換え型ADAMTS-5を安 定発現する昆虫細胞株を作成した。この細胞 株の培養上清を回収し、得られた培養上清を Ni-NTAアガロース(キアゲン社)を用いて精製し 。

 (2)ヒト組み換え型アグリカンInterglobularドメ インの調整
 アグリカナーゼ活性の測定に用いる基質ペ チドはヒト組み換え型アグリカンのInterglobu larドメインとした。本ペプチドはHughesらの方 法(J.Biol.Chem.272:pp.20269-20274,1997)を参考に、ヒ アグリカンのThr331からGly457のペプチドを含 、またN末端側にFLAGエピトープペプチドを付 加し、C末端側はビオチンで修飾した。大腸 を用いて本ペプチドを発現し、得られた大 菌を溶解後、アフィニティカラム(プロメガ )を用いて本ペプチドを精製した。

 (3)ADAMTS-5活性阻害作用の測定
 試験化合物は所望の濃度を50mmol/L Tris-HCl(pH7 .5)、100mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl 2 、0.05% Brij35およびヒト組み換え型ADAMTS-5、ヒ ト組み換え型アグリカンInterglobularドメイン プチドを含有している反応混合液40μl中で37 で60分間反応させた。反応混合液に0.2mol/L E DTAを10μl加えて酵素反応を停止させた。この 応混合液から5μlを採取して384穴プレートに 移し、更に0.2%ウシアルブミン、800mmol/L フッ 化カリウム含有PBS(-)で適宜希釈したクリプテ ート標識Streptavidin(CIS bio社)およびXL665標識抗 FLAG(M2)抗体(CIS bio社)を各2.5μl添加し室温でイ ンキュベーションした。60分後蛍光プレート ーダーで励起波長340nm、測定波長615nmと665nm 蛍光値を測定した。基質ペプチドが切断さ ていない場合、クリプテートからXL665への 光共鳴エネルギー転移が起こり665nmの波長の 長寿命蛍光が生じるが、酵素反応により基質 ペプチドが切断された場合は蛍光共鳴エネル ギー転移が起こらず長寿命蛍光を生じないた め、665nmの蛍光値と615nmでの蛍光値の比の変 を用いて、アグリカナーゼ活性を算出した その結果、表2に代表的に示すように、本発 化合物又はその塩は優れたアグリカナーゼ 性阻害作用を示した。アグリカナーゼ活性 害作用はIC50値(μmol/L)で表した。表2におい Exp.No.は実施例番号を表す。

 また、実施例番号が18、22、26、30、41、42 53、54、56、60、61、66、69、92、94、95、96、97 102、104、および147の化合物は、すべてIC50値 が2μmol/L以下の阻害活性を示した。

 (4)ADAMTS-4活性阻害作用の測定
 試験化合物は所望の濃度を50mmol/L Tris-HCl(pH7 .5)、100mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl 2 、0.05% Brij35およびヒト組み換え型ADAMTS-4(R& ;D社)、ヒト組み換え型アグリカンInterglobular メインペプチドを含有している反応混合液40 μl中で37℃で60分間反応させた。反応混合液 0.2mol/L EDTAを10μl加えて酵素反応を停止させ 。この反応混合液から5μlを採取して384穴プ レートに移し、更に0.2%ウシアルブミン、800mm ol/L フッ化カリウム含有PBS(-)で適宜希釈した クリプテート標識Streptavidin(CIS bio社)およびXL 665標識抗FLAG(M2)抗体(CIS bio社)を各2.5μl添加し 室温でインキュベーションした。60分後蛍光 レートリーダーで励起波長340nm、測定波長61 5nmと665nmで蛍光値を測定し、これらの蛍光値 比の変化を用いて、アグリカナーゼ活性を 出した。

 <試験例2>
 MMP酵素活性阻害作用
 (1)MMP-2活性阻害作用の測定
 試験化合物は所望の濃度を50mmol/L Tris-HCl(pH7 .5)、150mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl 2 、0.05% Brij35および活性化したヒト組み換え MMP-2(R&D社)、蛍光ペプチド基質Mca-ProLeuGlyLe uDpaAlaArg-NH2(R&D社)を含有している反応混合 100μl中で30°Cで45分間反応させた。反応混合 液に0.2mol/L EDTAを10μl加えて酵素反応を停止 せた後、蛍光プレートリーダーで励起波長32 0nm、測定波長405nmで蛍光値を測定した。
実施例番号が96、104、113、および147の化合物 、すべてIC50値が30μmol/L以上であった。

 (2)MMP-3活性阻害作用の測定
 試験化合物は所望の濃度を50mmol/L Tris-HCl(pH7 .5)、150mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl 2 、0.05% Brij35および活性化したヒト組み換え MMP-3(R&D社)、蛍光ペプチド基質Mca-ArgProLysPr oValGlu-Nval-TrpArgLys(Dnp)-NH2(R&D社)を含有して る反応混合液100μl中で30°Cで45分間反応させ 。反応混合液に0.2mol/L EDTAを10μl加えて酵素 反応を停止させた後、蛍光プレートリーダー で励起波長320nm、測定波長405nmで蛍光値を測 した。
実施例番号が96、102、104、113、および147の化 物は、すべてIC50値が30μmol/L以上であった。

 (3)MMP-14活性阻害作用の測定
 試験化合物は所望の濃度を50mmol/L Tris-HCl(pH7 .5)、150mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl 2 、0.05% Brij35および活性化したヒト組み換え MMP-14catalyticドメイン(カルビオケム社)、蛍光 ペプチド基質Mca-ProLeuGlyLeuDpaAlaArg-NH2(R&D社) 含有している反応混合液100μl中で30°Cで45分 間反応させた。反応混合液に0.2mol/L EDTAを10μ l加えて酵素反応を停止させた後、蛍光プレ トリーダーで励起波長320nm、測定波長405nmで 光値を測定した。
実施例番号が96、102、104、113、および147の化 物は、すべてIC50値が30μmol/L以上であった。