FURUSAWA NAOKO (JP)
TSUKADA KAZUYA (JP)
GOAN KAZUYOSHI (JP)
FURUSAWA NAOKO (JP)
TSUKADA KAZUYA (JP)
WO2007145089A1 | 2007-12-21 |
JP2006186317A | 2006-07-13 | |||
JP2004332028A | 2004-11-25 | |||
JP2007077010A | 2007-03-29 |
平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半導体ナノ粒子であって、コア部とシェル部の間に中間層を有し、かつ当該コア部、シェル部及び中間層のそれぞれの組成と同一の組成のバルク結晶のバンドギャップ幅が、コア部<シェル部<中間層の順に大きいことを特徴とするコア/シェル型半導体ナノ粒子。 |
前記コア部が主成分としてSiを含有し、かつ中間層が主成分としてSiの酸化物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のコア/シェル型半導体ナノ粒子。 |
平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半導体ナノ粒子の製造方法であって、コア部とシェル部の間に中間層を有し、かつ当該コア部、シェル部及び中間層のそれぞれの組成と同一の組成のバルク結晶のバンドギャップ幅が、コア部<シェル部<中間層の順に大きいことを特徴とするコア/シェル型半導体ナノ粒子の製造方法。 |
本発明は、充分な発光強度を有し、かつ 滅現象(ブリンキング)のないコア/シェル型 導体ナノ粒子とその製造方法に関する。
半導体や金属などの超微細粒子のうち、 子の波長(10nm程度)より小さい粒子径を有す ナノサイズの粒子は、量子サイズ効果とし 電子の運動に対するサイズ有限性の影響が きくなってくるために、バルク体とは異な 特異な物性を示すことが知られている(非特 許文献1)。
粒子コア部とは異なる材料で被覆したコ /シェル構造を有する半導体ナノ粒子は、コ アとなる粒子のサイズや形状を変化させるこ となく機能化でき、あるいはコアとシェルの いずれのバルク材料とも異なる特性の発現が 期待できるために、新規な高活性触媒、光機 能性材料、光学素子用材料として注目されて いる材料である。例えば、発光性ナノ粒子の 表面が露出していると、ナノ粒子表面に存在 する多数の欠陥が発光キラーになってしまい 、発光効率が低下してしまう。そこでナノ粒 子の発光波長に相当するバンドギャップより も大きいバンドギャップを持つシェル材料で 被覆してコア/シェル構造にすることにより その発光強度を増強することができる(例え 、特許文献1~4参照。)。
特許文献1には、シリコン核の表面に酸化 シリコン主体の絶縁層を有する超微粒子が開 示されている。特許文献2には、ナノ構造結 を有する蛍光体粒子の周囲がガラス成分で ーティングされている粒子が開示されてい 。特許文献3には、ZnSを第一の主成分とし、 二成分としてII-VI族の化合物半導体を一部 む、又は含まない半導体中に、アクセプタ 位を形成する第一添加元素と、ドナー準位 形成する第二添加成分を含む蛍光体コアの 径が10nm以下で、該蛍光体の発光波長に相当 るバンドギャップよりも大きいバンドギャ プを持つシェル材中に分散されたコア/シェ ル構造を持つ粒子が開示されている。また、 特許文献4には、半導体ナノ結晶コアと導電 シェルからなる2~50nmのコア/シェル型粒子表 に表面修飾分子が結合している粒子が開示 れている。
しかしながら、いまだ十分な発光強度は得
れておらず、また、ナノ粒子の発光におい
は、例えば単一分子蛍光観察において、ブ
ンキングと呼ばれる明滅現象が観察される
とが、実用上問題となっている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたも であり、その解決課題は、コア/シェル型半 導体ナノ粒子であって、充分な発光強度を有 し、かつ明滅現象(ブリンキング)のないコア/ シェル型半導体ナノ粒子を提供することであ る。
従来、コア粒子の大きさをナノサイズま 微小化して量子サイズ効果を発現させ、さ に上記のようにコア/シェル構造をとること によって、バンドギャップエネルギーを増大 させて、特性を引き出すことが可能になるこ とが知られているが、コア部とシェル部に中 間層を有するコア/シェル型半導体ナノ粒子 ついては十分に検討されていなかったこと ら、この未検討領域について鋭意検討し、 発明に至った。すなわち、本発明に係る上 課題は下記の手段により解決される。
1.平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半 体ナノ粒子であって、コア部とシェル部の に中間層を有し、かつ当該コア部、シェル 及び中間層のそれぞれの組成と同一の組成 バルク結晶のバンドギャップ幅が、コア部& lt;シェル部<中間層の順に大きいことを特 とするコア/シェル型半導体ナノ粒子。
2.前記コア部が主成分としてSiを含有し、 かつ中間層が主成分としてSiの酸化物を含有 ることを特徴とする前記1に記載のコア/シ ル型半導体ナノ粒子。
3.平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半 体ナノ粒子の製造方法であって、コア部と ェル部の間に中間層を有し、かつ当該コア 、シェル部及び中間層のそれぞれの組成と 一の組成のバルク結晶のバンドギャップ幅 、コア部<シェル部<中間層の順に大き ことを特徴とするコア/シェル型半導体ナノ 子の製造方法。
本発明の上記手段により、コア/シェル型 半導体ナノ粒子であって、充分な発光強度を 有し、かつ明滅現象(ブリンキング)のないコ /シェル型半導体ナノ粒子を提供することが できる。
本発明のコア/シェル型半導体ナノ粒子は 、平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半導 ナノ粒子であって、コア部とシェル部の間 中間層を有し、かつ当該コア部、シェル部 び中間層のそれぞれの組成と同一の組成の ルク結晶のバンドギャップ幅が、コア部< ェル部<中間層の順に大きいことを特徴と する。
また、前記コア部が主成分としてSiを含 し、かつ中間層が主成分としてSiの酸化物を 含有することが好ましい態様である。
以下、本発明とその構成要素について詳 な説明をする。
(半導体ナノ粒子の形成材料)
本発明に係る半導体ナノ粒子は種々の半導
材料を用いて形成することができる。例え
、元素の周期表のIV族、II-VI族、及びIII-V族
半導体化合物を用いることができる。
II-VI族の半導体の中では、特に、MgS、MgSe MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、HgS、HgSe びHgTeを挙げることができる。
III-V族の半導体の中では、GaAs、GaN、GaPGaSb 、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb及 AlSが好ましい。
IV族の半導体の中では、Ge、Pb及びSiは特 適している。
本発明においては、蛍光半導体微粒子を ア/シェル構造を有する粒子にすることが好 ましい。この場合、半導体ナノ粒子は半導体 微粒子からなるコア粒子と該コア粒子を被覆 するシェル層とで構成されるコア/シェル構 を有する半導体ナノ微粒子であって、該コ 粒子とシェル層の化学組成が相異するもの あることが好ましい。
以下、コア粒子とシェル層について説明 る。
〈コア粒子〉
コア粒子に用いられる半導体材料としては
種々の半導体材料を用いることができる。
体例としては、例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS
CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaTe、ZnS、ZnSe
ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、GaP、GaSb、InGaAs、InP
、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbSe
Ge、Si、又はこれらの混合物等が挙げられる
。本発明において、特に好ましい半導体材料
は、Siである。
なお、必要があればGaなどのドープ材料 極微量含んでもよい。
本発明に係るコアの平均粒径に関しては 1~10nmであることが好ましい。
なお、本発明に係るコアの「平均粒径」 は、レーザー散乱法により測定される累積5 0%体積粒径をいう。
〈シェル層〉
シェルに用いられる半導体材料としては、
々の半導体材料を用いることができる。具
例としては、例えば、SiO 2
、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS
MgSe、GaS、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InAs、InN、InP、I
nSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、又はこれらの混合物
が挙げられる。
本発明において、特に好ましい半導体材料 、SiO 2 、ZnSである。
本発明に係るシェルの厚みに関しては、0 .1~3nmであることが好ましい。
なお、本発明に係るシェル層は、コア粒 が部分的に露出して弊害を生じない限り、 ア粒子の全表面を完全に被覆するものでな てもよい。
(中間層)
本発明では、半導体ナノ粒子粒子のコア部
シェル部の間に中間層を有することを特徴
する。具体例としては、コア部、シェル部
挙げられる組成で、かつコア部及びシェル
とは異なる組成である。
好ましい中間層組成としてはSiO 2 が挙げられる。
本発明に係る中間層の厚みに関しては、0 .1~2nmであることが好ましい。
本発明においては、当該コア部、シェル部 び中間層のそれぞれの組成と同一の組成の ルク結晶のバンドギャップ幅が、コア部< シェル部<中間層の順に大きいことを特徴 する。当該バンドギャップ幅は、上記半導 材料の組成変化で調整することができる。 に好ましい組み合わせは、コア部Si、中間層 SiO 2 、シェル部ZnSである。
前記したように(特許文献1~4等にも記載) バンドギャップ幅の大きいシェル材料で被 することにより、発光強度が増強されたナ 粒子が得られることは、すでに知られてい 。これは、コア粒子の量子閉じ込め効果の 強や表面欠陥の不動態化によるものと理解 れている。しかしながら、実際には、完全 コア部が被覆されることがなく、これが、 分な発光強度が得られなかったり、ブリン ングが観察される理由となっている。本発 の中間層は、不完全なシェルの働きを補足 る効果がある。中間層組成のバンドギャッ 幅は、コア部より大きいことで量子閉じ込 効果、表面欠陥の不動態化を促進する。中 層のバンドギャップ幅がシェル部よりも小 い場合、中間層による効果は得られない。
なお、本願においては、バンドギャップ 、アモルファス半導体に対して一般的に用 られている電子スペクトルから光学的バン ギャップを求める方法(所謂「Taucプロット )に準じた方法によって求めた。
すなわち、アモルファス半導体のバンド の光学的遷移による光吸収においては、吸 度と光子エネルギーの関係は次の式で表さ る。
α=k(E-E 0
) 2
/E(kは定数)
ここで、αは吸光度、Eは光子エネルギー、E
0
は光学的バンドギャップである。この式から
、横軸に光子エネルギー、縦軸に吸光度と光
子エネルギーの積の平方根をとり、接線を引
く。この接線と横軸との交点が光学的バンド
ギャップである(清水立生著「アモルファス
導体」、培風館(1994).p201)。
また、ここで「バルク結晶」とは、1μm以 上の粒径をもつ粒子結晶の集まりをいい、「 バルク組成」とは、バルク結晶の組成をいう 。
〈コア/シェル型半導体ナノ粒子の製造方法
〉
本発明のコア/シェル型半導体ナノ粒子は、
平均粒径が2~50nmであるコア/シェル型半導体
ノ粒子であって、コア部とシェル部の間に
間層を有することを特徴とする。本発明の
ア/シェル型半導体ナノ粒子の製造について
、従来公知の種々の方法を用いることがで
る。
液相法の製造方法としては、沈殿法であ 、共沈法、ゾル-ゲル法、均一沈殿法、還元 法などがある。そのほかに、逆ミセル法、超 臨界水熱合成法、などもナノ粒子を作製する 上で優れた方法である(例えば、特開2002-322468 号、特開2005-239775号、特開平10-310770号、特開2 000-104058号公報等を参照。)。
気相法の製造方法としては、(1)対向する 料半導体を電極間で発生させた第一の高温 ラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中に いて無電極放電で発生させた第二の高温プ ズマ中に通過させる方法(例えば特開平6-2790 15号公報参照。)、(2)電気化学的エッチングに よって、原料半導体からなる陽極からナノ粒 子を分離・除去する方法(例えば特表2003-515459 号公報参照。)、レーザーアブレーション法( えば特開2004-356163号参照。)などが用いられ 。また、原料ガスを低圧状態で気相反応さ て、粒子を含む粉末を合成する方法も、好 しく用いられる。
本発明のコア/シェル型半導体ナノ粒子の 製造方法としては、特に液相法による製造方 法が好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に 明するが、本発明はこれに限定されるもの はない。
(SiおよびSi/SiO 2
ナノ粒子の調製)
ジオクチルエーテル50mlにオレイン酸1mlとオ
レイルアミン1mlを添加し、よく攪拌した後、
脱気しながら100℃まで加熱する。3時間攪拌
、反応容器をアルゴンで満たしながら200℃
で加熱する。1時間攪拌後、SiCl 4
を1ml滴下して30分攪拌する。100℃まで冷却し
5時間攪拌後、さらに室温まで冷却する。こ
の溶液中に平均粒径3nmのシリコンナノ粒子が
含まれる。
得られた溶液を真空乾燥すると、ゲル状 有機物とナノ粒子の混合物が得られる。こ をメタノールで数回洗浄すると、茶褐色の 体が得られた。これを以下の方法で表面処 を行う。
ここで、アニールは電気炉による加熱に り行い、プラズマ処理は、所望のガスを満 した真空チャンバー内で、RF電源を用いて 導コイルに電流を流して発生したプラズマ 試料に照射した。
試料1:アルゴンプラズマ処理60分
試料2:アルゴンプラズマ処理60分後、大気雰
囲気700℃で2時間アニール処理
得られた粉体は、透過型電子顕微鏡(TEM)観
によれば、いずれも平均粒径が2nmのナノ粒
であり、オージェ電子分光法およびFT-IR分析
の結果、試料1はSi、試料2はシリコン核と酸
シリコンの表面層を有する粒子であった。
料2の表面層の厚みは、TEM観察によれば、平
0.2nmであった。
(シェル層ZnS層の被覆)
試料1および試料2をそれぞれトリオクチル
ォスフィンオキシド(TOPO)中に添加して、超
波分散後、300℃に加熱する。この分散液を1/
2に分割し、その一方に、トリオクチルフォ
フィン(TOP)中でトリメチルシリルスルフィド
とジメチル亜鉛を反応させた溶液を添加する
。1時間攪拌した後、室温まで降温する。い
れの試料も表面のシェル層の厚みは、TEM観
によれば、平均0.2nmであった。
尚、コア、中間層、またシェルを構成する 料について、電子スペクトルから光学的バ ドギャップを求める方法(所謂「Taucプロッ 」)に準じた方法によって求めたそれぞれの ンドギャップは、Si=1.12eV、SiO 2 =9.0eV、ZnS=3.7eVであった。また、以下の分散液 5で用いたCdSeについては、1.74eVであった。
上記分散液1~4に加えて、更に、以下の半 体ナノ粒子分散液を作製した。
分散液5
前記試料1をトリオクチルフォスフィンオキ
シド(TOPO)中に添加して、超音波分散後、200℃
に加熱する。この分散液に酢酸カドミウムの
TOPO溶液とセレンのTOP溶液を添加して、Si粒子
の表面に厚み0.2nmのCdSe中間層を形成する。さ
らに300℃に加熱した後、TOP中でトリメチルシ
リルスルフィドとジメチル亜鉛を反応させた
溶液を添加する。1時間攪拌した後、室温ま
降温して、ZnSシェル層を形成する。表面の
ェル層の厚みは、TEM観察によれば、平均0.2nm
であった。
分散液6
試料1をトリオクチルフォスシンオキシド(TO
PO)中に添加して、超音波分散後、300℃に加熱
する。この分散液にTOP中でトリメチルシリル
スルフィドとジメチル亜鉛を反応させた溶液
を添加して厚み0.2nmのZnS中間層を形成する。1
時間攪拌後、酢酸カドニウムのTOPO溶液とセ
ンのTOP溶液を添加して、Si粒子の表面に厚み
0.2nmのCdSeシェル層を形成する。
(蛍光量子収率)
上記で得られたナノ粒子の分散液1~6(表1参
。)について、波長350nmの励起光を照射して
生する蛍光スペクトルを測定した。相対量
収率は、試料の吸収スペクトルから得られ
モル吸光係数、蛍光スペクトルの波数積分
、溶媒の屈折率を、分散液1を基準とするこ
により求めた。
試料の量子収率をφ x
、標準物質の量子収率をφ r
とすると、φ x
は以下の式で求めることができる。
φ x
=F x
n x 2
/F r
n r 2
・ε r
c r
d r
/ε x
c x
d x
・φ r
・・・(A)
ここで、F x
は試料の波数積分値、n x
は標準物質の溶媒の屈折率、ε x
c x
d x
は試料の吸光度、F r
は標準物質の波数積分値、n r
は標準物質の溶媒の屈折率、ε r
c r
d r
は標準物質の吸光度である。
分散液1の相対量子収率を100%として、相 的に評価した。
(単一粒子蛍光観察)
蛍光顕微鏡により、それぞれの試料につい
蛍光発光の様子を観察し、以下の基準でラ
ク付けを行った。
×:激しい明滅現象(ブリンキング)が観察され
実用的ではない
△:数10秒単位での明滅現象が観察されるが、
実用上は問題ない
○:明滅現象がほとんど観察されず、実用上
く問題ない
試料の内容及び上記評価結果を表1にまとめ
て示す。
表1に示した結果から明らかなように、本 発明に係る試料の蛍光量子収率は顕著に高い にも拘わらず、明滅現象(ブリンキング)は殆 観察されなかった。
Next Patent: ADHESIVE COMPOSITION AND OPTICAL FILM HAVING ADHESIVE AGENT