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Patent Searching and Data


Title:
WATER-COMPATIBLE AMINO RESIN AND WATER-BASED THERMOSETTING RESIN COMPOSITION CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096682
Kind Code:
A1
Abstract:
A completely novel water-compatible amino resin which mitigates the problem of butylated amino resins that they are more difficult to be made water-compatible than methylated amino resins although excellent in coating-film properties and the problem of methylated amino resins that they are inferior in coating-film properties to butylated amino resins although capable of being easily made water-compatible. The water-compatible amino resin is a product of condensation of (a) an amino compound having no acid functional group, (b) an amino compound having an acid functional group or an amide compound having an acid functional group, (c) formaldehyde, and (d) an alcohol, the acid functional group derived from the compound (b) has been neutralized with a basic compound (e).

Inventors:
MIYATA GEN (JP)
SAITOU YOSHITOMO (JP)
MAEDA SUNAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051684
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
MIYATA GEN (JP)
SAITOU YOSHITOMO (JP)
MAEDA SUNAO (JP)
International Classes:
C09D161/20; C08G12/02
Foreign References:
JPS62172078A1987-07-29
JPS60231721A1985-11-18
JPS57158218A1982-09-30
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (Gotanda Yamazaki Bldg.6F 13-6, Nishigotanda 7-chome,Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)、酸官能基を有するアミノ化合物または酸官能基を有するアミド化合物(b)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)の縮合物であって、
 該化合物(b)由来の酸官能基が塩基性化合物(e)で中和された水性アミノ樹脂。
 GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1200~10000であることを特徴とする請求項1に記載の水性アミノ樹脂。
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)、酸官能基を有するアミノ化合物または酸官能基を有するアミド化合物(b)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)を、水(g)の存在下で縮合させ、
 該縮合により得られた生成物(I)における前記化合物(b)由来の酸官能基を塩基性化合物(e)で中和することを特徴とする請求項1に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 前記生成物(I)が、前記化合物(a)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)を縮合させ、
 該縮合により得られた生成物(II)を前記化合物(b)と、水(g)の存在下で縮合させることにより得られることを特徴とする請求項3に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 前記生成物(II)と前記化合物(b)との縮合が、アルコール(f)および水(g)の存在下で、かつ反応温度50~60℃で行われることを特徴とする請求項4に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)、酸官能基を有するアミノ化合物または酸官能基を有するアミド化合物(b)を塩基性化合物(e)で中和して得られた化合物(h)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)を、水(g)の存在下で縮合させることを特徴とする請求項1に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)を縮合させ、
 該縮合により得られた生成物(III)を、酸官能基を有するアミノ化合物または酸官能基を有するアミド化合物(b)を塩基性化合物(e)で中和して得られた化合物(h)と、水(g)の存在下で縮合させることを特徴とする請求項1に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 前記生成物(III)と化合物(h)との縮合が、アルコール(f)および水(g)の存在下で、かつ反応温度50~60℃で行われることを特徴とする請求項7に記載の水性アミノ樹脂の製造方法。
 請求項1に記載の水性アミノ樹脂を含む水性熱硬化性樹脂組成物。
 請求項9に記載の水性熱硬化性樹脂組成物を含む塗料。
 請求項9に記載の水性熱硬化性樹脂組成物を含むコーティング材。
Description:
水性アミノ樹脂及びそれを含む 性熱硬化性樹脂組成物

 本発明は、水性特性を付与したアミノ樹 でありながら、耐水性、加工性、硬度等の 物性に優れた塗膜の形成が可能な塗料に適 することができる水性アミノホルムアルデ ド樹脂(以下水性アミノ樹脂と略称する)及 それを含む水性熱硬化性樹脂組成物に関す 。該水性熱硬化性樹脂組成物は主として家 、自動車、缶等に塗装またはコーティング れる塗料またはコーティング材として利用 能である。

 熱硬化性塗料組成物として、従来、アミ ホルムアルデヒド樹脂(以下アミノ樹脂と略 称する)を架橋剤(硬化剤)として用いる樹脂組 成物が知られている。このような樹脂組成物 からなる塗料は、有機溶剤で希釈して用いら れる。近年、大気汚染、環境保護の観点から 塗膜乾燥、焼付け時に放出される有機溶剤の 削減を目的に、水で希釈可能な熱硬化性塗料 組成物の研究が盛んになってきている。

 一般にアミノ樹脂を架橋剤(硬化剤)とし 用いる水性化された熱硬化性塗料組成物と て、メタノールでアルキルエーテル化した ミノ樹脂と、アミノ樹脂と架橋反応する水 溶性もしくは水分散性を有する樹脂(以下主 と略称する。)とを組み合わせた熱硬化性塗 料組成物がある。しかし、この熱硬化性塗料 組成物は熱硬化させる際の架橋反応が遅く、 得られた塗膜の耐水性が、従来の有機溶剤で 希釈された塗料から形成される塗膜に比較し て劣る傾向にある。

 一方、ブタノール等のアルコールでアル ルエーテル化したアミノ樹脂(たとえばブチ ル化メラミン樹脂)と主剤とを組み合わせた 硬化性塗料組成物もある。これは水希釈性 劣るが、硬化性、硬化した塗膜の耐水性が れるため、水性塗料に応用する技術も報告 れている(特許文献1,2)。しかし、難水溶性の アミノ樹脂を水中に安定に分散させるために 用いる分散剤の親水性が高いために、結局は ブタノール等のアルコールでアルキルエーテ ル化したアミノ樹脂を使用しても塗膜の耐水 性を完全に改良することはできない。

 また、前述のメタノールでアルキルエー ル化したアミノ樹脂はその水溶性を発現す 目的の為に、アミノ樹脂1分子中に含まれる メラミン骨格が1つである単核体の含有比が50 %以上と、単核体の含有比が高い設計になっ いる。したがって前記アミノ樹脂は、硬化 せて塗膜とした時に、機械物性において単 体含有比が小さいブチル化メラミン樹脂よ も劣るという問題を抱えている。

 さらにポリエチレングリコール、ポリプ ピレングリコール骨格をもった変性アミノ 脂など、高分子量親水性化合物で変性され アミノ樹脂も報告がなされてきた(特許文献 3,4)。しかし、性能維持の為に重要な前記ポ エチレングリコール、ポリプロピレングリ ール骨格を除いたアミノ樹脂骨格の部分の 子中での割合が、ポリエチレングリコール の水性化のための大分子量セグメントによ 低くなり、期待された性能が発現しにくい とも問題である。

 その他、オキシカルボン酸である2,2-ビス-( メチロール)ブタン酸などによって変性され たアミノ樹脂も発明されている(特許文献5)。 しかし、このようなアミノ樹脂を製造するた めには、水酸基変性による酸官能基導入を行 う際に、反応温度を100℃まで上昇させる必要 がある。そのため、特に水性塗料に使用され るアミノ樹脂でアミノ基を3つ保有するメラ ンを原料としたときに自己架橋が進行しや く、目的の分子量のアミノ樹脂を得ること 難しいという製造上の問題がある。

特開平3-21673号公報

特開平3-24170号公報

特開2002-97243号公報

特開平6-145277号公報

特開平8-165408号公報

 本発明の目的は、塗膜の物性が優れるが チル化アミノ樹脂と比較して水性化しにく ブチル化アミノ樹脂の問題点と、水性化が 易ではあるがブチル化アミノ樹脂と比較し 塗膜物性が劣るメチル化アミノ樹脂の問題 とを改良する、全く新規の水性アミノ樹脂 提供することである。

 また本発明は、アミノ樹脂自身の自己架 を抑制して官能基導入前後の分子量変化の ない、目的の分子量の水性アミノ樹脂を容 に得ることができる水性アミノ樹脂の製造 法及びそのような製造方法により製造され 水性アミノ樹脂を提供することを目的とし いる。

 更に本発明は、貯蔵安定性が良好で硬化 に優れ、得られる塗膜の耐水性、耐候性、 械物性が従来の有機溶剤系の塗料と比較し 遜色のない塗料に適用することができる水 熱硬化性樹脂組成物を提供することをも目 としている。

 本発明者らは上記課題を解決するため鋭 研究を行った結果、酸官能基を有さないア ノ化合物(a)、酸官能基を有するアミノ化合 または酸官能基を有するアミド化合物(b)、 ルムアルデヒド(c)およびアルコール(d)を、 (g)の存在下で縮合させ、得られた縮合物の 記化合物(b)由来の酸官能基を塩基性化合物( e)で中和して得られた水性アミノ樹脂と、水 性または水分散性の主剤とを組み合わせる とにより、従来の水性熱硬化性塗料組成物 欠点が大きく改善された水性熱硬化性樹脂 成物が得られることを見出し、本発明を完 するに至った。

 即ち本発明の要旨は、
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)、酸官 基を有するアミノ化合物または酸官能基を するアミド化合物(b)、ホルムアルデヒド(c) よびアルコール(d)の縮合物であって、該化 物(b)由来の酸官能基が塩基性化合物(e)で中 された水性アミノ樹脂である。

 前記酸官能基を有するアミノ化合物また 酸官能基を有するアミド化合物(b)(以下、単 に化合物(b)ともいう)は高反応性であり、こ を用いることによって低温でアミノ樹脂へ 酸官能基の導入を行うことができる。

 本発明の水性アミノ樹脂の重量平均分子 は1200~10000であることが好ましい。なお、本 明細書において重量平均分子量とはGPC(ゲル ーミエーションクロマトグラフィー)による リスチレン換算の重量平均分子量を指す。

 また本発明の水性アミノ樹脂は、酸官能 を有さないアミノ化合物(a)、酸官能基を有 るアミノ化合物または酸官能基を有するア ド化合物(b)、ホルムアルデヒド(c)およびア コール(d)を、水(g)の存在下で縮合させ、該 合により得られた生成物(I)における前記化 物(b)由来の酸官能基を塩基性化合物(e)で中 することにより製造することができる。

 前記生成物(I)は、前記化合物(a)、ホルム ルデヒド(c)およびアルコール(d)を縮合させ 該縮合により得られた生成物(II)を前記化合 物(b)と、水(g)の存在下で縮合させることによ り得ることが好ましい。

 前述のように化合物(b)を用いることによ て、低温でアミノ樹脂への酸官能基の導入 行うことができるため、目的の分子量の水 アミノ樹脂を容易に得ることができる。

 前記生成物(II)と前記化合物(b)との縮合は 、アルコール(f)と水(g)の存在下で、かつ反応 温度50~60℃で行われることが好ましい。

 また本発明の水性アミノ樹脂は、酸官能 を有さないアミノ化合物(a)、酸官能基を有 るアミノ化合物または酸官能基を有するア ド化合物(b)を塩基性化合物(e)で中和して得 れた化合物(h)、ホルムアルデヒド(c)および ルコール(d)を、水(g)の存在下で縮合させる とによっても製造することができる。

 更に本発明の水性アミノ樹脂は、酸官能 を有さないアミノ化合物(a)、ホルムアルデ ド(c)およびアルコール(d)を縮合させ、該縮 により得られた生成物(III)を、酸官能基を するアミノ化合物または酸官能基を有する ミド化合物(b)を塩基性化合物(e)で中和して られた化合物(h)と、水(g)の存在下で縮合さ ることによっても製造することができる。

 前記生成物(III)と化合物(h)との縮合は、 ルコール(f)と水(g)の存在下で、かつ反応温 50~60℃で行われることが好ましい。

 そして上記の水性アミノ樹脂を含む水性 硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が良好で 化性に優れ、得られる塗膜の耐水性、耐候 、機械物性が従来の有機溶剤系の塗料と比 して遜色のない塗料に適用することができ 各種コーティング材にも適用可能である。

 本発明の水性アミノ樹脂は、酸官能基を するアミノ化合物または酸官能基を有する ミド化合物(b)が縮合されているため、優れ 水希釈性を有しており、水性塗料に適した 化剤として使用可能である。

 本発明の水性アミノ樹脂の製造方法は、 合物(b)を既存のアミノ樹脂の製造方法に原 として取り入れた方法である。前述のよう 化合物(b)は高反応性であり、これを用いる とによって低温でアミノ樹脂への酸官能基 導入を行うことができるため、目的の分子 の水性アミノ樹脂を容易に得ることができ 。

 また本発明の塗料は、前記水性アミノ樹 を含む水性熱硬化性樹脂組成物を含むため 前記塗料を硬化して得られる塗膜の耐水性 硬度、接着性、耐溶剤性等は、既存のブチ 化アミノ樹脂と同等である。

 以下、本発明を詳細に説明するが、以下 説明は本発明の実施態様の代表例であり、 発明はこれらの内容に限定されるものでは い。

 [水性アミノ樹脂]
 本発明の水性アミノ樹脂は、酸官能基を有 ないアミノ化合物(a)、酸官能基を有するア ノ化合物または酸官能基を有するアミド化 物(b)、ホルムアルデヒド(c)およびアルコー (d)の縮合物であって、該化合物(b)由来の酸 能基が塩基性化合物(e)で中和された水性ア ノ樹脂である。なお本発明において「水性 とは、水可溶性あるいは水分散性を有する とを意味する。

 <酸官能基を有さないアミノ化合物(a)>
 酸官能基を有さないアミノ化合物(a)(以下、 単に化合物(a)ともいう。)は、酸官能基を有 ず、かつアミノ基を有する化合物であり、 般にアミノ樹脂の原料として使用される、 リアジン核を有する化合物や尿素などが化 物(a)として使用可能である。酸官能基とし はたとえばカルボン酸基およびスルホン酸 などが挙げられる。

 化合物(a)のアミノ基の数は、本発明の水 アミノ樹脂の架橋度を高くするためには2個 以上であることが好ましく、化合物(a)がトリ アジン核を有する化合物であることがより好 ましい。

 前記トリアジン核を有する化合物として メラミン、ベンゾグアナミンなどが挙げら 、本発明の水性アミノ樹脂の架橋度を高く る観点からはメラミンが好ましい。

 <酸官能基を有するアミノ化合物または酸 官能基を有するアミド化合物(b)>
 酸官能基を有するアミノ化合物または酸官 基を有するアミド化合物(b)は、本発明のア ノ樹脂に水性特性を付与する為に使用され 。

 化合物(b)の具体例としては、グリシンや ラニンなどを始めとするアミノ酸類、o,m,p- ミノ安息香酸、o,m,p-アミノメチル安息香酸 3-アミノプロピオン酸、4-アミノブタン酸、 DL-アミノイソブタン酸、4-アミノクロトン酸 4-アミノ-3-ヒドロキシブタン酸、グリシル リシン、アミノメタンスルホン酸、2-アミノ エタンスルホン酸、3-アミノプロパンスルホ 酸、o,m,p-スルファニル酸、1-アミノ-4-ナフ レンスルホン酸とその位置異性体、オキサ ド酸、アミノマロネート、スクシナミック ミド、マレアメート(Maleamate)、o,m,p-フタルア ミド酸、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンス ルホン酸および12-アミノドデカン酸などが挙 げられる。

 <ホルムアルデヒド(c)>
 本発明に使用するホルムアルデヒド(c)は水 液でも固形のパラホルムアルデヒドでもよ 。経済性の観点から80%以上の不揮発分を持 パラホルムアルデヒドが望ましい。

 <アルコール(d)>
 本発明における水性アミノ樹脂の原料であ アルコール(d)としては通常式C n H 2n+1 OH(nは1~8の整数)で示されるものが用いられ、 の構造は直鎖状でも分岐を有する構造でも い。

 nが9以上のアルコールを使用する場合に 、水性アミノ樹脂の製造工程中、後述する 反応溶媒工程における加熱により水性アミ 樹脂の自己架橋が進行する可能性がある。 済性、塗膜性能の観点からnは1~4の整数であ ことが好ましい。さらに、得られる水性ア ノ樹脂の親水性を向上させるためにはnの値 は小さいことが望ましく、反対に疎水性を向 上させるためにはnの値は大きい事が望まし 。このnの値は本発明の水性熱硬化性樹脂組 物が使用される塗料形態、水性アミノ樹脂 主剤との目的とする相溶性によって選択さ る。

 本発明に使用されるアルコール(d)として 、例えばメタノール、n-ブタノール、イソ タノール、エタノール、プロパノールおよ イソプロパノールなどが挙げられ、これら 混合物であっても構わない。アルコール(d) して好ましいのはn-ブタノールである。

 <塩基性化合物(e)>
 本発明の水性アミノ樹脂の製造工程におい アルコール(d)と化合物(b)を縮合させた直後 、得られたアミノ樹脂は化合物(b)由来の酸 能基を持っているため、その液性は酸性の 態である。

 アミノ樹脂は酸性条件下で自己架橋反応 進行し、自己架橋したアミノ樹脂は貯蔵安 性が低いので、酸性状態のアミノ樹脂、よ 詳しくは酸性状態のアミノ樹脂の化合物(b) 来の酸官能基を塩基性化合物(e)によって中 する必要がある。本発明において「中和」 は、通常の「酸と塩基がその性質を相互に ち消しあう化学過程」を意味する。また前 の「化合物(b)由来の酸官能基を塩基性化合 (e)によって中和する」とは、必ずしも化合 (b)由来のすべての酸官能基を中和すること 意味せず、前記自己架橋反応が進行しない 度に酸官能基が中和されていればよい。

 塩基性化合物(e)で酸官能基を中和するこ により、アミノ樹脂の自己架橋反応を防ぐ とができるだけでなくアミノ樹脂の水性特 が向上するため、塩基性化合物(e)による中 は本発明の水性アミノ樹脂の極性コントロ ルに大きく寄与している。

 塩基性化合物(e)としては無機塩基および 機塩基のいずれも使用することができる。 機塩基として具体的には水酸化ナトリウム 水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸 物やアンモニアなどを挙げることができ、 機塩基として具体的にはモノエタノールア ン、ジメチルエタノールアミン、トリエタ ールアミン等を始めとするアルカノールア ン類、アミンモルホリン等のアミン類など 挙げられる。

 [水性アミノ樹脂の製造方法]
 本発明の水性アミノ樹脂の製造方法は以下 通りである。化合物(a)、ホルムアルデヒド( c)、アルコール(d)を反応容器に仕込み、反応 媒の還流温度まで加熱してこれらを溶解し 後、酸を触媒として前記3成分の縮合反応を 行い、アミノ樹脂を得る。

 前記反応溶媒としてはアミノ樹脂の製造 用いられる一般的な反応溶媒が挙げられ、 とえばメタノール、n-ブタノール、イソブ ノール、エタノール、プロパノールおよび ソプロパノールなどである。必要に応じて の反応溶媒および反応せずに残ったアルコ ル(d)などの液体成分は、前記アミノ樹脂の 成反応の後、蒸留操作によって反応溶液か 除去することも出来る。

 前記酸としては有機酸および無機酸のい れも用いることができ、有機酸としては蟻 、蓚酸などが、無機酸としては燐酸などが げられる。

 前記縮合反応の後に反応溶液を好ましく 50~60℃まで冷却し、その反応溶液に化合物(b )、アルコール(f)および水(g)を加えてアミノ 脂との縮合反応を行う。

 アルコール(f)は、本発明の水性アミノ樹 の製造において、アルコール(d)とは別の工 で使用されるものであり、通常前記反応溶 にアルコール(d)とは別に新たに加えられる 合物である。アルコール(d)とアルコール(f) は同じ化合物であっても異なる化合物であ てもよい。アルコール(d)とアルコール(f)が じ化合物である場合には、前述のアミノ樹 の合成反応で用いるアルコール(d)の量、そ 反応の後に蒸留操作が行われる場合には、 ミノ樹脂の合成反応で用いるアルコール(d) 量および蒸留操作におけるアルコール(d)の 去量を調節することにより、アルコール(d) そのままアルコール(f)として使用すること できる。

 アルコール(f)は化合物(b)をアミノ樹脂反 溶液に加える前、あるいは化合物(b)と同時 添加することが出来る。この場合の「同時 添加する」とは、個々の原料を同じ時に別 に加える場合と、個々の原料を混ぜて溶液 スラリー状態として加える場合の両方を指 。

 このアルコール(f)を使用することにより 極性を持った化合物(b)がアミノ樹脂と相溶 やすくなり反応が効率よく進行する。

 アルコール(f)としては水との親和性が高 メタノール、エタノール、1-プロパノール iso-プロパノールなどの低分子アルキルアル ール、メチルセロソルブ、エチルセロソル 、ブチルセロソルブなどのエチレングリコ ルモルアルキルエーテル類、メチルカルビ ール、エチルカルビトール等のジエチレン リコールモノアルキルエーテル類などが挙 られる。アルコール(f)として好ましいのは タノールである。

 次に前記水(g)について、本発明の水性ア ノ樹脂の製造工程において化合物(b)または 述する化合物(h)は、固体の状態で存在する め前記アミノ樹脂と反応しにくい。化合物( b)または化合物(h)は水溶性を示すことが多い で、前述のアミノ樹脂を含む反応溶液に水( g)を添加することにより、化合物(b)または化 物(h)を溶解させて反応効率を向上させるこ ができる。

 アルコール(f)は使用しなくとも化合物(b) たは化合物(h)とアミノ樹脂との反応が可能 はあるが、その場合、反応にかかる時間が くなる等の影響がある。一方、水(g)は化合 (b)やその中和塩である化合物(h)を溶解させ 働きがあるために必須の成分である。

 前述のようにアミノ樹脂を生成させるた の縮合反応の後には反応溶液を好ましくは5 0~60℃まで冷却し、その反応溶液に化合物(b) アルコール(f)および水(g)を加えるが、その の反応温度が50~60℃の範囲にあると、十分に 縮合反応が進行して酸官能基をアミノ樹脂に 取り込むことができ、かつ得られる水性アミ ノ樹脂の自己縮合が抑制可能である。

 従って本発明の水性アミノ樹脂の製造方 によれば目的の分子量の水性アミノ樹脂を ることができ、水性アミノ樹脂の分子量が すぎることにより、水性アミノ樹脂を含む 性熱硬化性樹脂組成物を含む塗料から形成 れる塗膜の機械物性が不足したり、分子量 高すぎるために塗料の粘性が高くなって塗 作業性が低下したり、塗膜の平滑性が低下 て塗膜の外観が損なわれる、といった不都 が非常に起こりにくい。

 前記化合物(a)、化合物(b)、ホルムアルデヒ (c)およびアルコール(d)を縮合させる際のそ ぞれの成分のモル比は、化合物(a)を1.0とし ときに、
化合物(b)が通常0.1~4.0、好ましくは0.1~3.0、よ 好ましくは0.1~2.0、
ホルムアルデヒド(c)が通常3.0~7.0、好ましく 4.0~7.0、より好ましくは4.0~6.5、
アルコール(d)が通常4.0~10.0、好ましくは5.0~9.0 、より好ましくは5.0~7.0である。

 このような反応比でこれら4成分を縮合さ せ、その後の中和を行うことにより、耐水性 、耐候性、機械物性に優れた塗膜を与えるこ とができる水性熱硬化性樹脂組成物に適用可 能な水性アミノ樹脂を得ることができる。

 また前記アルコール(f)および水(g)の使用量( 化合物(a)に対するモル比)は、化合物(a)を1.0 したときに、
アルコール(f)が通常1.0~3.0、好ましくは1.5~2.7 より好ましくは1.8~2.4、
水(g)が通常1.0~6.0、好ましくは1.0~5.8、より好 しくは1.0~5.6である。

 前記のアミノ樹脂と化合物(b)との縮合反 の後、さらに塩基性化合物(e)で中和操作を い、過剰に残ったアルコールと水を減圧蒸 操作により一部除去して不揮発分を調整す ことによって水性特性を付与したアミノ樹 、すなわち水性アミノ樹脂を得ることが出 る。

 塩基性化合物(e)の使用量は、アミノ樹脂 含まれる酸官能基のモル比を1.0としたとき 、得られる水性アミノ樹脂の水分散性とそ 安定性の点から0.8~1.2であることが望ましい 。より好ましくは0.9~1.1である。

 また化合物(b)は、あらかじめ塩基性化合 (e)で中和して、酸官能基が中和された化合 (h)としてからアミノ樹脂と縮合させること 可能である。この場合の塩基性化合物(e)の 用量は、化合物(b)の酸官能基のモル比を1.0 したときに、0.8~1.2であることが望ましい。 より好ましくは0.9~1.1である。

 水性アミノ樹脂の分子量やアルコール(d) よるアルキルエーテル化度を調整する為に 化合物(b)を反応容器に添加する工程をアル ルエーテル化工程中にすることも出来る。

 本発明の水性アミノ樹脂のGPCによるポリ チレン換算の重量平均分子量は通常1200~10000 、好ましくは1500~7000である。重量平均分子量 が低すぎると本発明の水性アミノ樹脂を含む 水性熱硬化性樹脂組成物を含む塗料を硬化さ せて得られた塗膜の機械物性が不足すること があり、大きすぎると塗膜内での架橋点が少 なくなるとともに、水性アミノ樹脂の粘度が 高くなるために塗料配合時と塗装時の作業性 が低下し、塗膜の平滑性が低下して塗膜の外 観が損なわれることがある。

 [水性アミノ樹脂を含む水性熱硬化性樹脂組 成物]
 本発明の水性熱硬化性樹脂組成物は、本発 の水性アミノ樹脂を硬化剤の主成分として む組成物であり、通常硬化剤と主剤とから る。

 硬化剤は本発明の水性アミノ樹脂を主成 とし、他に顔料、染料、レベリング剤、塗 安定性向上剤、発泡抑制剤、耐候性向上剤 ワキ防止剤および酸化防止剤などを含有し もよい。

 主剤は、水性アミノ樹脂と架橋反応する 可溶性あるいは水分散性を有する樹脂であ 、主剤としてポリエステル樹脂、アクリル 脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂など 単独成分またはこれらの樹脂からなる混合 複合化された樹脂などが挙げられる。

 [水性熱硬化性樹脂組成物を含む塗料]
 本発明の塗料は本発明の水性熱硬化性樹脂 成物を含み、また本発明の水性熱硬化性樹 組成物そのものを塗料として使用すること できる。また本発明の塗料に対しては、塗 表面の平滑性の改良あるいは発泡防止等の 的で各種の添加剤を添加するなど、任意の 知の塗装作業性及び塗膜改良方法を適用す ことができる。

 そのような方法として例えば、平滑性の 良目的ではBYK-Chemie社のBYK-380・BYK-381(アクリ ルポリマー系添加剤)、BYK-348(シリコン系樹脂 )などを添加する方法が、発泡防止目的ではBY K-Chemie社のBYK-020(変性ポリシロキサン共重合 )、BYK-022(シリコン系樹脂)などを添加する方 が挙げられる。

 また、本発明の塗料は水に溶解あるいは 散した形で使用されるが、有機溶剤に溶解 るいは分散させても何等問題はない。ただ 、該塗料に含まれる本発明の水性アミノ樹 の溶解性、塗料の塗装方法及び環境、また 膜の乾燥条件等を考慮して有機溶剤の種類 添加量等を決定することが望ましい。

 有機溶剤としては、メタノール、エタノー 、n-プロパノール、iso-プロパノール、フル リルアルコール、テトラヒドロフルフリル ルコール等の水可溶性のアルコール類;
エチレングリコール、エチレングリコールモ ノメチルエーテル、エチレングリコールモノ メチルエーテルアセテート、エチレングリャ ールモノエチルエーテル、エチレングリコー ルモノイソプロピルエーテル、エチレングリ コールモノブチルエーテル、メトキシメトキ シエタノール、エチレングリコールモノアセ テート等のエチレングリコール及び水可溶性 のエチレングリコール誘導体;
ジエチレングリコール、ジエチレングリコー ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコー ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコー ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコー ルジメチルエーテル、ジエチレングリコール メチルエチルエーテル、トリエチレングリコ ール、トリエチレングリコールモキメチルエ ーテル、トリエチレングリコールモノエチル エーテル等のジエチレングリコール、トリエ チレングリコール及び水可溶なそれぞれのグ リコールの誘導体;
プロピレングリコール、プロピレングリコー ルモノメチルエーテル、プロピレングリコー ルモノエチルエーテル、ジプロピレングリコ ール、ジプロピレングリコールモノメチルエ ーテル、トリメチレングリコール、グリセリ ン、グリセリルモノアセテート、グリセリル ジアセテート等の水に可溶な多価アルコール 類及びその誘導体などが挙げられる。

 またその他の有機溶剤としては、テトラ ドロフラン、テトラヒドロピラン、アセト 、ジアセトンアルコール、ホルムアミド、N ,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル2-ピロリ ン等が挙げられる。

 [水性熱硬化性樹脂組成物を含むコーティン グ材]
 本発明の水性熱硬化性樹脂組成物を含むコ ティング材としては、本発明の水性熱硬化 樹脂組成物を含む接着材、モールディング 等が挙げられる。コーティング材の用途に じて本発明の水性熱硬化性樹脂組成物に各 の添加剤、例えば、上記の発泡防止剤、平 性改良剤等の添加剤をコーティング材に含 させることができる。また、必要に応じて 記の有機溶剤を添加しても何等問題はない

 以下に本発明をより具体的に説明するた 、実施例、比較例および参考例を挙げる。 かし、本発明はこれら実施例に限定される のではない。尚「%」、「部」で示したもの の単位は特記しない限り重量基準である。

 以下の製造例で、得られた樹脂の重量平 分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマト グラフィ)によるポリスチレン換算の重量平 分子量であり、不揮発分はJIS K5407-4-3-1によ 求めた。

 <製造例1(主剤水性アクリル樹脂A-1)>
 スチレン53部、メチルメタアクリレート13部 、エチルアクリレート20部、β-ヒドロキシメ ルアクリレート7部、メタアクリル酸7部と ンゾイルパーオキサイド0.5部を、100℃に加 された溶剤であるエチレングリコールモノ ソプロピルエーテル67部中へ4時間かけて滴 し、さらに同じ温度で3時間保ってビニル共 合樹脂を得た。得られた樹脂の加熱残分は6 0%で樹脂酸価は40であった。

 <製造例2(主剤アクリル樹脂A-2)>
 参考例で使用するビニル共重合樹脂の製造 を示す。スチレン53部、メチルメタアクリ ート16部、エチルアクリレート23部、β-ヒド キシメチルアクリレート7部、メタアクリル 酸1部とベンゾイルパーオキサイド0.5部を100 に加熱された溶剤であるエチレングリコー モノイソプロピルエーテル67部中へ4時間か て滴下し、さらに同じ温度で3時間保ってビ ル共重合樹脂を得た。得られた樹脂の加熱 分は60%であった。

 <製造例3(水性アミノ樹脂B-1)>
 β-アラニンを使用した反応による水性アミ 樹脂の製造例を示す。温度計、攪拌機、還 冷却管及び溶剤副生成物回収装置を備えた 応器にパラホルムアルデヒド(ホルムアルデ ヒド92%含有)196部、メラミン126部、n-ブタノー ル481部を加え、還流温度条件下まで加熱し攪 拌を行いながら溶解させた。

 次いで、燐酸の10%水溶液を加え、反応液 PHを5.0に調整した後、反応液の還流温度条 下で4時間反応を継続した後、減圧蒸留操作 行い不揮発分が80%となるまで濃縮後50℃迄 却した。反応液にβ-アラニン46部と水100部を 加え、50℃で4時間攪拌し、アミノ樹脂への酸 官能基導入を行った。

 得られた酸官能基が導入されたアミノ樹 をジメチルエタノールアミン46部により中 してから、減圧下で系内の温度を50℃以下に 保ちながら水性アミノ樹脂の不揮発分が60%に なるように過剰の水とn-ブタノールを系外へ 去した。得られた水性アミノ樹脂の重量平 分子量は4000であった。

 <製造例4~6(水性アミノ樹脂B-2、B-3、B-4)>
 製造例3と同様の操作で使用するアミノ酸の 種類、中和のジメチルエタノールアミン量を 表1に示すように変更し、水性アミノ樹脂を 成した。

 <製造例7(水性アミノ樹脂B-5)>
 β-アラニンを使用した反応による水性アミ 樹脂の製造例を示す。温度計、攪拌機、還 冷却管及び溶剤副生成物回収装置を備えた 応器にパラホルムアルデヒド(ホルムアルデ ヒド92%含有)196部、メラミン126部、メタノー 288部を加え、還流温度条件下まで加熱し攪 を行いながら溶解させた。

 次いで、反応液の還流温度条件下で燐酸 10%水溶液を加え、反応液のPHを5.0に調整し 9時間反応を継続した後減圧蒸留操作を行い 不揮発分が80%となるまで濃縮後50℃迄冷却 た。反応液にβ-アラニン46部と水100部を加え 、50℃で4時間攪拌してアミノ樹脂への酸官能 基導入を行った。

 得られた酸官能基が導入されたアミノ樹 をジメチルエタノールアミン46部により中 してから、減圧下で系内の温度を50℃以下に 保ちながら水性アミノ樹脂の不揮発分が70%に なるように過剰の水とメタノールを系外へ除 去した。得られた水性アミノ樹脂の重量平均 分子量は3,200であった。

 <製造例8(水性アミノ樹脂B-6)>
 β-アラニンを使用した反応によるアミノ樹 の製造例を示す。温度計、攪拌機、還流冷 管及び溶剤副生成物回収装置を備えた反応 にパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド 92%含有)196部、メラミン126部、n-ブタノール593 部を加え、還流温度条件下まで加熱し攪拌を 行いながら溶解させた。

 次いで、反応液の還流温度条件下で燐酸 10%水溶液を加え、反応液のPHを5.0に調整し 9時間反応を継続した後減圧蒸留操作を行い 不揮発分が80%となるまで濃縮後50℃迄冷却 た。反応液にβ-アラニン46部と水100部を加え 50℃で4時間攪拌し、アミノ樹脂への酸官能基 導入を行った。

 得られた酸官能基が導入されたアミノ樹 をジメチルエタノールアミン46部により中 してから、減圧下で系内の温度を50℃以下に 保ちながら水性アミノ樹脂の不揮発分が70%に なるように過剰の水とn-ブタノールを系外へ 去した。得られた水性アミノ樹脂の重量平 分子量は1,800であった。

 <製造例9(水性アミノ樹脂B-7)>
 β-アラニンを使用した反応によるアミノ樹 の製造例を示す。温度計、攪拌機、還流冷 管及び溶剤副生成物回収装置を備えた反応 にパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド 92%含有)196部、メラミン126部、n-ブタノール370 部を加え、還流温度条件下まで加熱し攪拌を 行いながら溶解させた。

 次いで、反応液の還流温度条件下で燐酸 10%水溶液を加え、反応液のPHを5.0に調整し 9時間反応を継続した後減圧蒸留操作を行い 不揮発分が80%となるまで濃縮後50℃迄冷却 た。反応液にβ-アラニン46部と水100部を加え 50℃で4時間攪拌し、アミノ樹脂への酸官能基 導入を行った。

 得られた酸官能基が導入されたアミノ樹 をジメチルエタノールアミン46部により中 してから、減圧下で系内の温度を50℃以下に 保ちながら樹脂の不揮発分が70%になるように 過剰の水とn-ブタノールを系外へ除去した。 られた水性アミノ樹脂の重量平均分子量は6 ,500であった。

 <製造例10(水性アミノ樹脂B-8)>
 p-アミノ安息香酸を使用した反応によるア ノ樹脂の製造例を示す。温度計、攪拌機、 流冷却管及び溶剤副生成物回収装置を備え 反応器にパラホルムアルデヒド(ホルムアル ヒド92%含有)196部、メラミン126部、n-ブタノ ル481部を加え、還流温度条件下まで加熱し 拌を行いながら溶解させた。

 次いで、反応液の還流温度条件下で燐酸 10%水溶液を加え、反応液のPHを5.0に調整し 9時間反応を継続した後減圧蒸留操作を行い 不揮発分が90%となるまで濃縮後50℃迄冷却 た。反応液にp-アミノ安息香酸69部と水100部 エタノールを100部加え50℃で3時間攪拌し、 ミノ樹脂への酸官能基導入を行った。

 得られた酸官能基が導入されたアミノ樹 をジメチルエタノールアミン46部により中 してから、減圧下で系内の温度を50℃以下に 保ちながら樹脂の不揮発分が60%になるように 過剰の水とエタノールならびにn-ブタノール 系外へ除去した。得られた水性アミノ樹脂 重量平均分子量は4,000であった。

 <製造例11(水性アミノ樹脂B-9)>
 p-スルファニル酸を使用した反応によるア ノ樹脂の製造例を示す。温度計、攪拌機、 流冷却管及び溶剤副生成物回収装置を備え 反応器にパラホルムアルデヒド(ホルムアル ヒド92%含有)196部、メラミン126部、n-ブタノ ル481部を加え、還流温度条件下まで加熱し 拌を行いながら溶解させた。

 次いで、反応液の還流温度条件下で燐酸 10%水溶液を加え、反応液のPHを5.0に調整し 9時間反応を継続した後減圧蒸留操作を行い 不揮発分が90%となるまで濃縮後50℃迄冷却 た。反応液にp-アミノ安息香酸87部と水100部 エタノールを100部ならびにジメチルエタノ ルアミン46部を加え50℃で3時間攪拌し、ア ノ樹脂への酸官能基導入を行った。

 得られたアミノ樹脂を減圧下で系内の温 を50℃以下に保ちながら、樹脂の不揮発分 60%になるように過剰の水とエタノールなら にn-ブタノールを系外へ除去した。得られた 水性アミノ樹脂の重量平均分子量は4,100であ た。

 <製造例12(ブチル化アミノ樹脂B-10)>
 比較例及び参考例で使用するアミノ樹脂の メラミンとn-ブタノールとの反応による製 例を示す。温度計、攪拌機、還流冷却管及 溶剤副生成物回収装置を備えた反応器にパ ホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド92%含有) 196部、メラミン126部、n-ブタノール444部を加 、攪拌を行いながら燐酸の10%水溶液を加え 反応液のPHを5.0に調整した。

 その後、加熱し反応液の還流温度条件下 4時間反応を継続した後70℃迄冷却し、水酸 ナトリウムの10%水溶液を加え系内のPHを7.0 調整した。更に、減圧下で系内の温度を70℃ 以下に保ちながらアミノ樹脂の不揮発分が60% になるように過剰のブタノールを系外へ除去 した。得られたアミノ樹脂の重量平均分子量 は3,900であった。

 製造例で得られたアミノ樹脂の物性等を 1および表2に示す。

 なお、水希釈性及び気泡粘度(アミノ樹脂の 規格の管理項目の一つ)は以下のようにして 価又は測定した。
水希釈性:25℃の条件下で試料1gを100mlのビー ーに取り、水50gを加えてマ
     グネチックスターラーにより200rpmに 攪拌を実施後、2分間静置した
     ときの水とサンプルの状態を目視で 断。

     ○ 均一に分散または溶解
     △ 二相分離
     × 沈殿を伴った2相分離
気泡粘度:JIS K5400-4-5-1により測定

 [実施例、比較例、参考例]
 製造例1,2および製造例3~12で得られた樹脂を 使用して表3に示す配合比に従って水性熱硬 性樹脂組成物を作成した。なお、日本サイ ックインダストリーズ(株)製「サイメル325」 (メチル化メラミン、重量平均分子量1000)をア ミノ樹脂B-11とし、低分子量アミノ樹脂の代 例とした。

 次に実施例および比較例で得られた水性 硬化性樹脂組成物を水により希釈し、参考 で得られた熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤( キシレン)により希釈し、粘度測定用フォー ・カップ試験で、25℃において溶液がカップ の穴より全量落下するまでの秒数を15秒にな ように調整して水性塗料および有機溶剤で 釈した塗料を得た。なお、フォード・カッ 粘度測定はJIS K5400-4-5-4に準じて行った。

 その後、スプレーにて燐酸亜鉛処理鋼板 焼付後の塗膜厚みが30μmになるように前記 料を塗装し、温度140℃、焼付け時間30分間で 加熱して塗装板を形成させた。形成された塗 膜ならびに塗料の物性評価結果を表4に示す

 なお、物性評価は以下のようにして行っ 。

 外観:目視により判断。
◎: 平滑性も光沢も問題なし
○: 弱い白化または弱いユズ肌
×: 白化またはユズ肌。

 耐溶剤性:ガーゼにメチルエチルケトンを浸 したものでこすり、50回往復させたとき
     の塗膜変化を示した。

   (判定基準)
     ◎ 変化なし
     ○ 白化
     △ 白化と共に塗膜が削れた
     × 塗膜の下地まで見えた。

 エリクセン:JIS K-5400-8-2
 デュポン:JIS K5400-8-3 デュポン式に準じ、30 0g荷重で先端1/2
      inchRの打付具を使用し測定した。

 鉛筆硬度 :JIS K5400-8-4
 耐温水性 :60℃の温水中に塗布板を50時間浸 漬し、後の塗膜変化を観察した。

   (判定基準)
     ◎ 塗布面にはブリスターは全く見ら れない
     ○ 塗布面には1~2個のブリスターが見 られるが実用上問題はない
     △ 塗布面にはブリスターがところど ころ見られ使用しにくい
     × 塗布面にはブリスターが全面に見 れる。

 安定性:塗料を50mlのガラス管に30g取り、40℃ で60時間放置後の分子量変
     化または外観変化を評価。

   (判定基準:塗料)
     ○ 変化なし 
     × 分離、白濁。

 碁盤目密着:JIS K5400-8-5-2によりテープ剥離 の密着部位の個数で
      評価。

 表4に示すように、実施例で得た水性熱硬 化性樹脂組成物から得た水性塗料は、有機溶 剤で希釈して用いられる通常の塗料(参考例) 同等の優れた性能を有していた。