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Patent Searching and Data


Title:
RESIN COMPOSITION FOR FOAM PRODUCTION AND FOAM USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093544
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a resin composition for foam production, which contains a carboxyl group-containing resin and an ADCA foaming agent. The resin composition is improved in problems such as discoloration (yellowing) of a foam which is obtained by thermally foaming the resin composition. A foam obtained by using the resin composition for foam production is also disclosed. Specifically, the resin composition for foam production is characterized by containing a carboxyl group-containing resin, an azodicarbonamide foaming agent, and a carboxylic acid hydrazide compound.

Inventors:
MOTONO HIROYUKI (JP)
TAKAHASHI KAZUHIRO (JP)
NISHIO TOSHIKAZU (JP)
KURODA ATSUSHI (JP)
TAKEMOTO MASATAKA (JP)
MASUDA HIROSHI (JP)
MORI KOJI (JP)
YASUMARU CHIAKI (JP)
OTSUKA KENJIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050663
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON PRINTING CO LTD (JP)
OTSUKA CHEMICAL CO LTD (JP)
MOTONO HIROYUKI (JP)
TAKAHASHI KAZUHIRO (JP)
NISHIO TOSHIKAZU (JP)
KURODA ATSUSHI (JP)
TAKEMOTO MASATAKA (JP)
MASUDA HIROSHI (JP)
MORI KOJI (JP)
YASUMARU CHIAKI (JP)
OTSUKA KENJIRO (JP)
International Classes:
C08J9/10; B32B5/18; B32B27/32; B32B29/00; B32B33/00; C08K5/23; C08K5/25; C08L23/08; C08L23/26; C08L31/02; C08L101/08
Foreign References:
JPH04117467A1992-04-17
JPH0841234A1996-02-13
JP2007291599A2007-11-08
Attorney, Agent or Firm:
Saegusa & Partners (1-7-1 Doshomachi, Chuo-ku,Osaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
 発泡体製造用樹脂組成物であって、カルボキシル基含有樹脂、アゾジカルボンアミド系発泡剤及びカルボン酸ヒドラジド化合物を含有することを特徴とする発泡体製造用樹脂組成物。
 前記カルボキシル基含有樹脂は、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体及びこれらの共重合体を含むアイオノマーからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の発泡体製造用樹脂組成物。
 前記カルボキシル基含有樹脂は、エチレン-メタクリル酸共重合体である、請求項1に記載の発泡体製造用樹脂組成物。
 前記カルボン酸ヒドラジド化合物は、アジピン酸ジヒドラジドである、請求項1~3のいずれかに記載の発泡体製造用樹脂組成物。
 請求項1~4のいずれかに記載の発泡体製造用樹脂組成物を所望の形状に成形後、加熱発泡させて得られる発泡体。
 請求項1~4のいずれかに記載の発泡体製造用樹脂組成物をシート状に成形後、加熱発泡させて得られる発泡樹脂層。
 紙質基材上に少なくとも請求項6に記載の発泡樹脂層を有する発泡化粧シート。
 紙質基材上に請求項6に記載の発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを順に積層した発泡化粧シート。
 前記紙質基材と前記発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層Bを更に有する、請求項8に記載の発泡化粧シート。
 最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項7~9のいずれかに記載の発泡化粧シート。
Description:
発泡体製造用樹脂組成物及びそ を用いた発泡体

 本発明は、発泡体製造用樹脂組成物及び れを用いた発泡体に関する。

 発泡体としては、例えば、発泡化粧シー に用いられる発泡樹脂層が挙げられる。

 従来、発泡化粧シートとしては、紙質基 (裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を 成したものが知られている。近年では、環 に配慮し、発泡樹脂層にはエチレン-酢酸ビ ル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレ ィン系樹脂等の、ハロゲン成分を含有しな 樹脂が用いられてきている(特許文献1~3等)。

 発泡樹脂層は、例えば、樹脂成分、熱分 型発泡剤及び発泡助剤を含む樹脂組成物か 形成される発泡剤含有樹脂層を加熱発泡さ ることにより得られる。上記樹脂組成物の 合例としては、例えば、EVA、エチレン-メチ ルメタクリレート共重合体(EMMA)等の樹脂成分 、アゾジカルボンアミド系発泡剤(ADCA系発泡 )、金属酸化物系発泡助剤や脂肪酸金属塩系 発泡助剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化 鉛、酸化マグネシウム等)等を含む配合例が られている。

 しかしながら、上記配合例において、樹 成分をカルボキシル基含有樹脂(例えば、エ チレンメタクリル酸共重合体:EMAA)に変えた場 合には、最終的に得られた発泡樹脂層が変色 (黄変)したり、紙質基材が黄変したりする問 がある。これは、カルボキシル基含有樹脂 発泡助剤(金属酸化物系及び脂肪酸金属塩系 )とが化学的に反応することによって発泡助 の発泡促進効果が損なわれてしまうため、 泡工程において過度の加熱が必要となって 脂層や紙質基材が焼ける(変色する)ことが原 因と考えられている。また、カルボキシル基 含有樹脂、発泡剤及び発泡助剤が錯体等の発 色団(黄色)を形成して樹脂層を着色すること 原因と考えられている。

 上記問題は、発泡化粧シートだけでなく、 ルボキシル基含有樹脂、ADCA系発泡剤及び発 泡助剤(金属酸化物系及び脂肪酸金属塩系)を 有する発泡体製造用樹脂組成物に共通する 題である。カルボキシル基含有樹脂(特にEMA A)を用いる場合には、他の樹脂を用いる場合 りも発泡体表面強度が高くなる点で好まし ため、発泡助剤の種類を工夫することによ 、上記問題を改善した発泡体製造用樹脂組 物及び発泡体を開発することが望まれてい 。

特開平6-47875号公報

特開2000-255011号公報

特開2001-347611号公報

 本発明は、カルボキシル基含有樹脂、ADCA 系発泡剤を含有する発泡体製造用樹脂組成物 であって、加熱発泡させて得られる発泡体の 変色(黄変)等の問題が改善された発泡体製造 樹脂組成物を提供することを目的とする。 た、当該発泡体製造用樹脂組成物を用いて られる発泡体を提供することも目的とする

 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発 助剤として特定の化合物を使用する場合に 上記目的を達成できることを見出し、本発 を完成するに至った。

 即ち、本発明は、下記の発泡体製造用樹脂 成物及び発泡体に関する。
1.発泡体製造用樹脂組成物であって、カルボ シル基含有樹脂、アゾジカルボンアミド系 泡剤及びカルボン酸ヒドラジド化合物を含 することを特徴とする発泡体製造用樹脂組 物。
2.前記カルボキシル基含有樹脂は、エチレン- メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル 共重合体及びこれらの共重合体を含むアイ ノマーからなる群から選択される少なくと 1種である、上記項1に記載の発泡体製造用樹 脂組成物。
3.前記カルボキシル基含有樹脂は、エチレン- メタクリル酸共重合体である、上記項1に記 の発泡体製造用樹脂組成物。
4.前記カルボン酸ヒドラジド化合物は、アジ ン酸ジヒドラジドである、上記項1~3のいず かに記載の発泡体製造用樹脂組成物。
5.上記項1~4のいずれかに記載の発泡体製造用 脂組成物を所望の形状に成形後、加熱発泡 せて得られる発泡体。
6.上記項1~4のいずれかに記載の発泡体製造用 脂組成物をシート状に成形後、加熱発泡さ て得られる発泡樹脂層。
7.紙質基材上に少なくとも上記項6に記載の発 泡樹脂層を有する発泡化粧シート。
8.紙質基材上に上記項6に記載の発泡樹脂層及 び非発泡樹脂層Aを順に積層した発泡化粧シ ト。
9.前記紙質基材と前記発泡樹脂層との間に非 泡樹脂層Bを更に有する、上記項8に記載の 泡化粧シート。
10.最表面層の上からエンボス加工が施されて いる、上記項7~9のいずれかに記載の発泡化粧 シート。

 以下、本発明の発泡体製造用樹脂組成物 び発泡体について説明する。

1.発泡体製造用樹脂組成物
 本発明の発泡体製造用樹脂組成物は、カル キシル基含有樹脂、アゾジカルボンアミド 発泡剤(ADCA系発泡剤)及びカルボン酸ヒドラ ド化合物を含有する。

 上記特徴を有する本発明の発泡体製造用 脂組成物は、カルボン酸ヒドラジド化合物 発泡助剤として作用する。従来、カルボキ ル基含有樹脂と発泡助剤(金属酸化物系及び 脂肪酸金属塩系:例えば、酸化亜鉛、ステア ン酸亜鉛等)とを組み合わせて用いた場合、 者の化学的な反応により発泡助剤の本来の 果が失われたり発色団を形成したりして樹 層や紙質基材が変色(黄変)する問題があっ が、上記カルボン酸ヒドラジド化合物を用 ることにより、発泡助剤の効果が損なわれ 、変色等の問題が改善された発泡体を提供 きる。

 以下、発泡体製造用樹脂組成物の各成分 ついて説明する。

  カルボキシル基含有樹脂
 カルボキシル基含有樹脂としては樹脂中に ルボキシル基を含有するものであれば特に 定されない。カルボキシル基含有樹脂とし は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸 少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組 み合わせにより得られる共重合体を好適に用 いることができる。具体的には、エチレン- タクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリ 酸共重合体(EAA)及びこれらの共重合体を含 アイオノマーの少なくとも1種を用いること 望ましい。アイオノマーとしては、EMAA及び /又はEAAの分子間をナトリウム、亜鉛等の金 のイオンで分子間結合した構造を有する樹 が使用できる。上記樹脂(重合体やアイオノ ー)を用いることにより、樹脂中の水素結合 等に起因する強固な層を形成できるため、発 泡体の表面強度を高め易い。

 本発明では、カルボキシル基含有樹脂に の樹脂を添加しても良い。例えば、本発明 効果を損なわない範囲で他の樹脂(EVA等)を 加しても良い。なお、カルボキシル基含有 脂と他の樹脂とを混合して用いる場合には 樹脂成分100重量%中のカルボキシル基含有樹 の含有量は、60重量%以上に設定することが ましい。

  アゾジカルボンアミド系発泡剤
 本発明では、発泡剤としてアゾジカルボン ミド(ADCA)系発泡剤を用いる。

 ADCA系発泡剤は熱分解温度が高いため、製 膜性が高く、押出し製膜時に機内発泡のおそ れが少ない観点で好ましい。本発明では、熱 分解型発泡剤としてADCA系発泡剤を単独で使 すれば良いが、発明の効果を損なわない範 で、ADCA系発泡剤とともに、オキシビスベン ンスルホニルヒドラジド(OBSH)系発泡剤等、 の熱分解型発泡剤を併用してもよい。

 樹脂組成物中の熱分解型発泡剤の含有量 発泡倍率に応じて適宜設定できる。例えば 発泡倍率が1.5倍以上、好ましくは3~7倍程度 なるように調整する。具体的には、樹脂成 100重量部に対して、3~6重量部が好ましく、3 .5~5重量部がより好ましい。本発明では、実 的にADCA系発泡剤のみを使用すれば良いが、O BSH系発泡剤等を併用する場合には、発泡剤100 重量%に含まれるADCA系発泡剤の含有量は50重 %以上とすることが好ましい。

  カルボン酸ヒドラジド化合物
 本発明では、発泡助剤としてカルボン酸ヒ ラジド化合物を用いる。カルボン酸ヒドラ ド化合物は、カルボキシル基含有樹脂と組 合わせて使用しても、化学的な反応により 泡助剤の効能を失活しない。そのため、樹 成分としてカルボキシル基含有樹脂を含む 泡体を製造する場合に、発泡体の変色等を じさせることなく発泡体が得られる。

 カルボン酸ヒドラジド化合物としては、 えば、分子中に1個のヒドラジド基を有する モノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒド ジド基を有するジヒドラジド化合物、分子 に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒド ジド化合物が挙げられる。

 モノヒドラジド化合物の具体例としては、 えば、一般式(1)
 R-CO-NHNH 2  (1)
〔式中、Rは水素原子、アルキル基又は置換 を有してもよいアリール基を示す。〕
で表されるモノヒドラジド化合物が挙げられ る。

 上記一般式(1)において、Rで示されるアル キル基としては、例えば、メチル基、エチル 基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基 、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基 、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基等 の炭素数1~12の直鎖状アルキル基が挙げられ 。アリール基としては、例えば、フェニル 、ビフェニル基、ナフチル基等を挙げるこ ができ、これらの中でもフェニル基が好ま い。またアリール基の置換基としては、例 ば、水酸基、フッ素、塩素、臭素等のハロ ン原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基 、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基 iso-ブチル基等の炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖 状のアルキル基等を挙げることができる。

 上記一般式(1)のヒドラジド化合物として 、より具体的には、ラウリル酸ヒドラジド サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジ 、p-ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフ エ酸ヒドラジド、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸 ヒドラジド等を例示できる。

 ジヒドラジド化合物の具体例としては、例 ば、一般式(2)
 H 2 NHN-X-NHNH 2  (2)
〔式中、Xは基-CO-又は基-CO-A-CO-を示す。Aはア ルキレン基又は置換基を有してもよいアリー レン基を示す。〕
で表わされるジヒドラジド化合物が挙げられ る。

 上記一般式(2)において、Aで示されるアル キレン基としては、例えば、メチレン基、エ チレン基、トリメチレン基、テトラメチレン 基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナ メチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチ レン基等の炭素数1~12の直鎖状アルキレン基 挙げることができる。アルキレン基の置換 としては、例えば水酸基等を挙げることが きる。アリーレン基としては、例えば、フ ニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基 アントリレン基、フェナントリレン基等を げることができ、これらの中でもフェニレ 基、ナフチレン基等が好ましい。アリーレ 基の置換基としては、上記アリール基の置 基と同様のものを挙げることができる。

 上記一般式(2)のジヒドラジド化合物は、 体的には、例えば、シュウ酸ジヒドラジド マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラ ド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、 デカンジオヒドラジド、マレイン酸ジヒド ジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコー 酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リ ゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ ド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド 等の2塩基酸ジヒドラジド等が挙げられる。 に、特公平2-4607号公報に記載の各種2塩基酸 ヒドラジド化合物、2,4-ジヒドラジノ-6-メチ ルアミノ-sym-トリアジン等も本発明のジヒド ジドとして用いることができる。

 ポリヒドラジド化合物は、具体的には、 リアクリル酸ヒドラジド等を例示できる。

 これらの中でも、ジヒドラジド化合物が ましく、2塩基酸ジヒドラジドが特に好まし く、アジピン酸ジヒドラジドが最も好ましい 。

 上記ヒドラジド化合物は単独又は2種以上 を混合して使用することができる。

 カルボン酸ヒドラジド化合物の含有量は 定的ではないが、ADCA系発泡剤1重量部に対 て0.2~1重量部が好ましく、0.3~0.7重量部がよ 好ましい。

  その他の添加剤
 発泡体製造用樹脂組成物は、発明の効果を なわない範囲で添加剤を含んでもよい。

 添加剤は、例えば、無機充填剤、顔料、 剤、流動性改善剤、架橋剤等である。

 無機充填剤としては、例えば、炭酸カル ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ ウム、三酸化アンチモン、モリブデン化合 等が挙げられる。無機充填剤を含むことに り、樹脂成分の使用量を相対的に減量する とができる。また、表面強度の向上効果が られる。更に、発泡体が発泡化粧シートの 泡樹脂層である場合には、無機充填剤の添 により発泡化粧シートのカールを抑制する 果も得られる。このような無機充填剤の含 量は、樹脂成分100重量部に対して0~100重量 が好ましく、20~70重量部がより好ましい。

 顔料としては、例えば、酸化チタン、カ ボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、 鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイ ロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチ ンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレ ド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化ク ム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、 ロンズ粉、雲母チタン等の無機顔料;例えば アニリンブラック、ペリレンブラック、ア 系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、 環式(イソインドリノン、イソインドリン、 ノフタロン、ペリノン、フラバントロン、 ントラピリミジン、アントラキノン、キナ リドン、ペリレン、ジケトピロロピロール ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、 オインジゴ、フタロシアニン、インダント ン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔 料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分 100重量部に対して10~50重量部が好ましく、15~3 0重量部がより好ましい。

 架橋剤としては、電子線照射による架橋 促進するものであればよい。例えば、ネオ ンチルグリコールジメタクリレート、トリ チロールプロパントリメタクリレート等の 官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げら る。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0 ~10重量部とすることが好ましく、1~4重量部と することがより好ましい。

 発泡体製造用樹脂組成物は、上記成分を 定量用意して混練することにより得られる 混練方法は特に限定されず、公知のミキサ などで混練すれば良い。

2.本発明の発泡体
 本発明の発泡体は、発泡体製造用樹脂組成 を所望の形状に成形後、加熱発泡させるこ により得られる。例えば、溶融状態の発泡 製造用樹脂組成物を所望の形状(例えば、シ ート状)に成形後、成形体を加熱発泡させる とにより得られる。

 加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解によ 発泡体が形成される条件ならば限定されな 。加熱温度は190~240℃程度が好ましく、加熱 時間は15~90秒程度が好ましい。

 前記加熱処理の前に電子線照射を行って よい。これにより樹脂成分を架橋できるた 、発泡体の発泡倍率及び表面強度を調整す ことができる。電子線のエネルギーは、150k V程度が好ましい。照射量は、10~70kGy程度が好 ましい。電子線源としては、公知の電子線照 射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架 橋剤(架橋剤又は架橋助剤)を使用して実施す こともできる。

 本発明の発泡体は、発泡化粧シートの発 樹脂層として好適に利用できる。例えば、 質基材上に発泡樹脂層を積層した発泡化粧 ートが挙げられる。以下、発泡体の例とし 、発泡化粧シートについて説明する。具体 には、基材上に非発泡樹脂層B(任意層)、発 樹脂層、非発泡樹脂層A(任意層)、絵柄模様 (任意層)及び表面保護層(任意層)を有する発 泡化粧シートについて説明する。

  基材
 基材は、化粧シート基材として適した機械 度、耐熱性等を有する限り特に限定されず 例えば、樹脂シート、繊維質シート(紙等) どが一般に使用できる。

 上記の中でも紙等の繊維質シートが好ま く、具体的には、難燃紙(パルプ主体のシー トをスルファミン酸グアニジン、リン酸グア ジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化ア ミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添 剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙 られる。

 基材の坪量は限定的ではないが、50~300g/m 2 程度が好ましく、50~80g/m 2 程度がより好ましい。

  非発泡樹脂層B
 本発明では、必要に応じて基材と発泡樹脂 との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形 されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが 接着剤層として形成される場合は、優れた密 着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bと ては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合 (EVA)等を好適に用いることができる。

 非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添 加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が 70~100重量%となるように配合することが好ま い。

 非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが 、10~50μm程度が好ましく、特に10~20μm程度が り好ましい。

  発泡樹脂層
 発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡さ ることにより形成される。本発明では、発 体製造用樹脂組成物からシート状に成形さ た発泡剤含有樹脂層を形成し、それを加熱 泡させることにより得られる。

 発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、 発泡状態(発泡前)で70~150μmが好ましい。発 後は300~900μmが好ましい。

 発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法とし は、後記の製造方法に記載された方法に従 て実施すれば良い。

  非発泡樹脂層A
 発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹 層Aを形成してもよい。

 非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として 泡樹脂層を保護するものである。本発明で 、アクリル酸(CH 2 =CHCOOH)及びメタクリル酸(CH 2 =C(CH 3 )COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得ら る重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物 より形成された層を非発泡樹脂層とするこ が好ましい。

 前記樹脂成分としては、例えば、アクリ 酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノ マーとエチレンとの組み合わせにより得られ る共重合体を樹脂成分として好適に用いるこ とができる。より具体的には、EMAA、エチレ -アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂 少なくとも1種を用いることが望ましい。ア イオノマー樹脂としては、EMAA及び/又はエチ ン-アクリル酸共重合体の分子間をナトリウ ム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した 構造を有する樹脂が使用できる。このような 樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水 素結合等に起因する強固な層を形成すること ができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩 耗性等を得ることができる。これらは、公知 又は市販のものを使用することができる。

 前記共重合体におけるアクリル酸又はメ クリル酸の含有量は限定的ではないが、15 量%以下が好ましく、4~15重量%程度がより好 しい。このような樹脂も市販品を使用する とができる。前記樹脂組成物には、公知の 加剤を配合することもできる。

 非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが 10~50μm程度が好ましく、特に10~20μm程度がよ り好ましい。

 前記樹脂成分のメルトフローレート値は 用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に1 0g/10分以上の範囲内で適宜設定すれば良い。 常は10~100g/10分、特に10~95g/10分、さらに20~80g /10分の範囲にあることが好ましい。このよう な数値範囲のものを使用することにより、よ り優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得る ことができる。

 また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含 量は限定的ではないが、通常70~100重量%の範 囲内で適宜設定することが好ましい。

  絵柄模様層
 本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必 要に応じて絵柄模様層を有してもよい。

 絵柄模様層は、発泡化粧シートに意匠性 付与する。絵柄模様としては、例えば木目 様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、 瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図 、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。 柄模様は、発泡化粧シートの種類に応じて 択できる。

 絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aの おもて面に絵柄模様を印刷することで形成で きる。なお、絵柄模様層を形成する際には、 必要に応じてあらかじめプライマー層を形成 しても良い。印刷手法としては、例えば、グ ラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリー ン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印 刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶 剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用でき 。これらのインキは公知又は市販のものを 用しても良い。

 着色剤としては、例えば、発泡体製造用 脂組成物に使用される顔料を使用できる。

 結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂 スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウ タン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポ リビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、 石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、 メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン 系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げ られる。

 溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘ サン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キ レン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢 エチル、酢酸ブチル、酢酸-2-メトキシエチ 、酢酸-2-エトキシエチル等のエステル系有 溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール 、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピ ルアルコール、イソブチルアルコール、エチ レングリコール、プロピレングリコール等の アルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエ ルケトン、メチルイソブチルケトン、シク ヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチル ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、 四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラク ロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが げられる。

 絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類よ 異なるが、一般には0.1~10μm程度とすること 好ましい。

  表面保護層(オーバーコート層)
 本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及 /又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護 層を有してもよい。表面保護層の種類は限定 的ではない。艶調整を目的とする表面保護層 であれば、例えば、シリカなどの既知フィラ ーを含む表面保護層がある。表面保護層の形 成方法としては、グラビア印刷などの公知の 方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面 保護層との密着性が十分に得られない場合に は、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライ ー処理)した後に表面保護層を設けることも きる。

 発泡化粧シートの表面強度(耐スクラッチ 性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を 的として表面保護層を形成する場合には、 離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有 るものが好適である。電離放射線硬化型樹 としては、電子線照射によってラジカル重 (硬化)するものが好ましい。

 表面保護層の厚みは限定的ではないが、0 .1~15μm程度が好ましい。

  エンボス
 本発明では、適宜エンボス模様を付しても い。この場合、発泡化粧シートの最表面層( 基材と反対側)の上からエンボス加工すれば い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等 公知の手段により実施することができる。 えば、最表面層が表面保護層である場合は そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を 圧することにより所望のエンボス模様を賦 できる。エンボス模様としては、例えば木 板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチ ア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等 ある。

 <発泡化粧シートの製造方法>
 発泡化粧シートの製造方法は特に限定され い。例えば、紙等の基材上に発泡樹脂層と 発泡樹脂層Aとを有する発泡化粧シートを製 造するには、Tダイ押出し機による同時押出 が好適である。2つの層に対応する溶融樹脂 同時に押出すことにより2層の同時成膜が可 能なマルチマニホールドタイプのTダイを用 ることができる。この場合、発泡剤含有樹 層を形成するための樹脂組成物及び非発泡 脂層Aを形成するための樹脂組成物をそれぞ 別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時 押出し成膜・積層すればよい。この方法で 、同時押出し積層体は、基材上に同時積層( 膜)する。基材上に押出しと同時に積層され た樹脂層は、熱溶融により接着性を有するた め基材と接着される。

 なお、予め2種2層を同時成膜した積層体 用意して、それを基材上に載せて、熱ラミ ートすることにより基材と接着してもよい

 なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂 成物に無機充填剤が含まれる場合には、押 し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無 充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く 、これがシート表面の異物となり易い。その ため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成 物に無機充填剤が含まれる場合には、上記非 発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bを、発泡剤含 樹脂層とともに同時押出し成形(3種3層同時 出し成形)することが好ましい。同時押出し 成形は、例えば、マルチマニホールドタイプ のTダイを用いることにより行える。このよ に発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によっ 挟み込んだ態様で同時押出し成形すること より、前記目やにの発生を抑制することが きる。

 電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保 層を形成した場合には、電子線照射によっ 表面保護層を硬化させることができる。こ ような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に まれる樹脂を架橋させるために行う電子線 射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡 含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及 電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護 を順に形成後、電子線照射を行って、発泡 含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとと に表面保護層に含まれる樹脂を硬化させる とができる。

 絵柄模様層を有する発泡化粧シートを製 する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹 層の表面に絵柄模様層を形成することが好 しい。

 本発明の発泡体製造用樹脂組成物は、カ ボン酸ヒドラジド化合物が発泡助剤として 用する。従来、カルボキシル基含有樹脂と 泡助剤(金属酸化物系及び脂肪酸金属塩系: えば、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等)とを み合わせて用いた場合、両者の化学的な反 により発泡助剤の本来の効果が失われたり 色団を形成したりして樹脂層や紙質基材が 色(黄変)する問題があったが、上記カルボ 酸ヒドラジド化合物を用いることにより、 泡助剤の効果を損なわず、変色等の問題が 善された発泡体を提供できる。

 以下に実施例及び比較例を示して本発明 より詳しく説明する。但し、本発明は実施 に限定されない。

  実施例1
 下記表1に示す成分からなる発泡体製造用樹 脂組成物(発泡剤含有樹脂層を形成するため 樹脂組成物)を用意した。

 Tダイ押出し機を用いて、発泡剤含有樹脂 層(100μm)を基材(裏打紙)に押出し製膜した。 材としては、裏打紙「WK-665DO(興人製)、厚さ1 10μm、坪量65g」を用意し、これに発泡剤含有 脂層を押出し製膜した。

 押出し条件のうち、発泡剤含有樹脂層を 成するための樹脂組成物を収容したシリン ー温度は100℃とした。

 上記積層体に対して、発泡剤含有樹脂層 側から電子線(200kV,50kGy)を照射して発泡剤含 有樹脂層に含まれるEMAAを樹脂架橋した。

 次に、発泡剤含有樹脂層上にEVA系水性エマ ジョンを塗布(2g/m 2 )してプライマー層を形成し、更に水性イン 「ハイドリック」(大日精化工業製)により布 目絵柄を印刷した。

 次に、布目絵柄を印刷した積層体をギア ーブンで加熱(220℃で45秒)し、発泡剤含有樹 脂層を発泡させた。

 最後に、上記発泡体に布目パターンのエ ボスを施して発泡化粧シートを作製した。

  実施例2
 発泡助剤をセバシン酸ジヒドラジド(製品名 「SDH」大塚化学製)に代えた以外は実施例1と 様にして発泡化粧シートを作製した。

  実施例3
 発泡助剤をドデカンジオヒドラジド(製品名 「DDH」大塚化学製)に代えた以外は実施例1と 様にして発泡化粧シートを作製した。

  実施例4
 発泡助剤をイソフタル酸ジヒドラジド(製品 名「IDH」大塚化学製)に代えた以外は実施例1 同様にして発泡化粧シートを作製した。

  比較例1
 発泡助剤としてステアリン酸亜鉛を5重量部 使用した以外は、実施例1と同様にして240℃ 45秒加熱し、発泡化粧シートを作製した。

  比較例2
 発泡助剤を添加せずに240℃45秒にて加熱し 実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製 た。

  比較例3
 発泡助剤として尿素を1重量部使用した以外 は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを 製した。

  比較例4
 樹脂成分をEVA(MFR=20g/10分、酢酸ビニル含有 :20重量%)100重量部、発泡助剤としてステアリ ン酸亜鉛を5重量部、発泡剤含有量を4重量部 した以外は、実施例1と同様にして発泡化粧 シートを作製した。

  試験例1(機内発泡の有無)
 実施例及び比較例において、押出し時の機 発泡の有無を確認した。機内発泡は、Tダイ 押出し機の内部において押出し前に異常発泡 することを意味する。

 機内発泡が認められない場合を○、機内 泡が認められる場合を×とした。

  試験例2(発泡樹脂層の白度)
 実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の発 樹脂層の白度を色彩色差計CR-300(コニカミノ ルタ製)を用いて評価した。

 具体的には、b値を測定し、b値が5以下の 合を、白度が高いと評価した。

  試験例3(耐スクラッチ性)
 実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の耐 クラッチ性を評価した。

 試験・評価は、日本ビニル工業会ビニル 装部会制定の「表面強化壁紙性能規定」に 拠して行った。具体的には、次の手順に従 て試験・評価を行った。

 学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型) に試験片(発泡壁紙)を取り付けた。試験機の 擦子として同部会指定の金属製爪を用いて 金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5 復させた。試験片の試験後の表面状態を肉 観察した。

 前記規定における耐スクラッチ性の評価 、5級:変化なし、4級:表面に少し変化あり、 3級:表面が破けて見える、2級:表面が破けて 等の裏打材が見える(長さ1cm未満)、1級:表面 破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm以上) 5段階である。

 上記5~4級に該当するものを○と評価し、3 ~1級に該当するものを×と評価した。

  試験例4(紙質基材の変色)
 実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の紙 基材の変色を目視により確認した。

 変色が認められない場合を○、変色が認 られる場合を×とした。

 上記試験の結果を下記表2に示す。