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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING PEPTIDE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017154
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method for producing a peptide characterized by, in a peptide containing an amino acid residue having an -SH group, converting the -SH group into an -OH group, and including the following steps (a) to (c): (a) a step of converting an -SH group in a peptide into an -SMe group by reacting the -SH group with a methylating agent; (b) a step of forming a reaction intermediate by reacting the -SMe group obtained in the step (a) with a cyanide agent; and (c) a step of converting the reaction intermediate obtained in the step (b) into a peptide containing an amino acid residue having an -OH group under a more basic condition compared with the step (b).

Inventors:
KAJIHARA YASUHIRO (JP)
SAKAMOTO IZUMI (JP)
NAMBU YURI (JP)
FUKAE KAZUHIRO (JP)
ASAI HIROAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063659
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OTSUKA CHEMICAL CO LTD (JP)
UNIV YOKOHAMA CITY (JP)
KAJIHARA YASUHIRO (JP)
SAKAMOTO IZUMI (JP)
NAMBU YURI (JP)
FUKAE KAZUHIRO (JP)
ASAI HIROAKI (JP)
International Classes:
C07K1/113; C07K5/10; C07K7/06; C08B37/00; C07K9/00; C07K14/46
Domestic Patent References:
WO2004005330A12004-01-15
WO1996034878A11996-11-07
WO2003008431A12003-01-30
WO2004058984A12004-07-15
WO2004058824A12004-07-15
WO2004070046A12004-08-19
WO2007011055A12007-01-25
WO2004005330A12004-01-15
WO2005010053A12005-02-03
Foreign References:
JPH1077294A1998-03-24
Other References:
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ZHU X. ET AL.: "Synthesis of an S-linked glycopeptides analog derived from human Tamm-Horsfall glycoprotein", ORG. BIOMOL. CHEM., vol. 2, no. 1, 2004, pages 31 - 33, XP003010443
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TRENDS IN BIOCHEMICAL SCIENCES, vol. 27, no. 3, March 2002 (2002-03-01)
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D. CRICH ET AL., J. AM. CHEM. SOC., vol. 129, 2007, pages 10064
FEBS LETTERS, vol. 50, no. 3, February 1975 (1975-02-01)
PROTEIN SCIENCE, vol. 16, 2007, pages 2056 - 2064
See also references of EP 2184290A4
Attorney, Agent or Firm:
NANJO, Masahiro (Roppongi Hills Mori Tower 6-10-1 Roppongi, Minato-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 -SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドにおいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特徴とするペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応させる工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させる工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件とする工程;
を含む、前記製造方法。
 -SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドにおいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特徴とするペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、-OH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 システイン残基を含むペプチドにおいて、前記システイン残基をセリン残基に変換することを特徴とするペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中のシステイン残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、セリン残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 式(1)で示されるトレオニン誘導体A
をアミノ酸残基として含むペプチドにおいて、前記トレオニン誘導体A残基をトレオニン残基に変換することを特徴とするペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中のトレオニン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、トレオニン残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 -SMe基を有するアミノ酸残基を含むペプチドにおいて、前記-SMe基を-OH基に変換することを特徴とするペプチドの製造方法であって、以下の工程(b)及び(c): 
 (b)ペプチド中の-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、-OH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 前記反応中間体がエステル体である、請求項2~5のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、弱塩基性条件である、請求項1~6のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、強塩基性条件である、請求項1~6のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(a)におけるペプチド中のメチオニン残基が、保護メチオニン残基であり、さらに所望により以下の工程(d):
(d)保護メチオニン残基を脱保護する工程;
を工程(b)又は(c)の後に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 -OH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドの製造方法であって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル基から選択され、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)で表されるα-カルボキシチオエステル基で置換されたアミノ酸残基をC末端に含む第1のペプチドと、-SH基を有するアミノ酸残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲーション法により連結して-SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドを得る工程;
 (a)工程(o)で得られたペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、-OH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 セリン残基を含むペプチドの製造方法であって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル基から選択され、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)で表されるα-カルボキシチオエステル基で置換されたアミノ酸残基をC末端に含む第1のペプチドと、システイン残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲーション法により連結してシステイン残基を含むペプチドを得る工程;
 (a)工程(o)で得られたペプチド中のシステイン残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、セリン残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 トレオニン残基を含むペプチドの製造方法であって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル基から選択され、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)で表されるα-カルボキシチオエステル基で置換されたアミノ酸残基をC末端に含む第1のペプチドと、トレオニン誘導体残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲーション法により連結して式(1)で示されるトレオニン誘導体A
をアミノ酸残基として含むペプチドを得る工程;
 (a) 工程(o)で得られたペプチド中のトレオニン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、トレオニン残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 前記反応中間体がエステル体である、請求項10~12のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、弱塩基性条件である、請求項10~13のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、強塩基性条件である、請求項10~13のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 工程(a)におけるペプチド中のメチオニン残基が、保護メチオニン残基であり、さらに所望により以下の工程(d):
(d)保護メチオニン残基を脱保護する工程;
を工程(b)又は(c)の後に含む、請求項10~15のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 前記第1のペプチドがシステイン残基を含まないペプチド又はシステイン残基が保護システイン残基であるペプチドであり、
 前記第2のペプチドがN末端以外にシステイン残基を含まないペプチド又はN末端以外のペプチドのシステイン残基が保護システイン残基であるペプチドである、
請求項10~16のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
 -SH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチドにおいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応させる工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させる工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件とする工程;
を含む、前記製造方法。
 -SH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチドにおいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、-OH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 システイン残基を含む糖ペプチドにおいて、前記システイン残基をセリン残基に変換することを特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中のシステイン残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、セリン残基を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 式(1)で示されるトレオニン誘導体A
をアミノ酸残基として含む糖ペプチドにおいて、前記トレオニン誘導体A残基をトレオニン残基に変換することを特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中のトレオニン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより、反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、トレオニン残基を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 前記反応中間体がエステル体である、請求項19~21のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、弱塩基性条件である、請求項18~22のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、強塩基性条件である、請求項18~22のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 前記糖ペプチドがN結合型糖鎖を有する、請求項18~24のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 前記糖ペプチドがO結合型糖鎖を有する、請求項18~24のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 セリン残基を含む糖ペプチドの製造方法であって、
 (o)C末端が以下の式で表される第1の糖ペプチド:
    -糖Asn-X-C(=O)-SR
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基のカルボキシル基以外の部分であり、
Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル基から選択され、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)
と、システイン残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲーション法により連結してシステイン残基を含む糖ペプチドを得る工程;
 (a)工程(o)で得られた糖ペプチド中のシステイン残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、セリン残基を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 トレオニン残基を含む糖ペプチドの製造方法であって、
 (o)C末端が以下の式で表される第1の糖ペプチド:
    -糖Asn-X-C(=O)-SR
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基のカルボキシル基以外の部分であり、
Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル基から選択され、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)
と、トレオニン誘導体残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲーション法により連結して式(1)で示されるトレオニン誘導体A
をアミノ酸残基として含む糖ペプチドを得る工程;
 (a) 工程(o)で得られた糖ペプチド中のトレオニン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反応させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを反応させることにより反応中間体を生成する工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体を、トレオニン残基を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法。
 前記反応中間体がエステル体である、請求項27又は28に記載の糖ペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、弱塩基性条件である、請求項27~29のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 工程(c)における塩基性条件が、強塩基性条件である、請求項27~29のいずれか1項に記載の糖ペプチドの製造方法。
 以下の式:
      -糖Asn-X-Y-
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基であり、
Yは、式(2)で示されるトレオニン誘導体A残基
である)
で示される構造を含む糖ペプチド。
Description:
ペプチドの製造方法

 本発明は、ペプチド及び糖ペプチドの製 方法に関する。

 ペプチドの製造方法として、ライゲーシ ン法が有用である。その中でも、天然型化 的ライゲーション法(Native Chemical Ligation、N CL法)は、連結部位(ライゲーション部位)に天 アミド結合(ペプチド結合)を有するペプチ を製造することができる方法である。NCL法 、無保護のペプチド鎖同士でも行うことが き、連結部位に天然アミド結合を生成する めの有用な方法であることが知られている( えば、特許文献1)。NCL法は、以下に図示す ように、C末端にαカルボキシチオエステル 分を有するようにした第1のペプチドとN末端 にシステイン残基を有する第2のペプチドと 化学選択反応であり、システインの側鎖の オール基(SH基。スルフヒドリル基ともいう )がチオエステル基のカルボニル炭素に選択 に反応し、チオール交換反応により、チオ ステル結合初期中間体が生成する。この中 体は、自発的に分子内転位して、連結部位 天然アミド結合を与え、一方、システイン 鎖チオールを再生させる。この反応を用い ことで様々なポリペプチドを効率よく合成 ることが可能となった。

 典型的なNCL法の主な欠点は、この方法に いては、連結される2つのペプチド断片のう ち、一方は、N末端においてシステイン残基 有していなければならず、連結後において られるペプチドも連結部位においてシステ ン残基を有することになる点である。故に 合成して得ようとする所望のペプチドにシ テイン残基が存在しない場合には、この方 を用いることができなかった。

 また、典型的なNCL法においては、連結し うとする2つまたはそれ以上のペプチド断片 を、例えば固相合成法等によって用意するが 、例えば生体内に存在するペプチドのように 、システイン含有量が非常に少ない場合(又 システインが存在しない場合)、NCL法に供す ために、非常に長いペプチド断片を用意す 必要があり、効率的とは言えなかった。

 一方、生体内には様々な糖ペプチド及び タンパク質が存在することが知られている これらの糖ぺプチド又は糖タンパク質の糖 はN結合型とO結合型の2種類に大別される。N 結合型糖鎖は、一般的に、アスパラギン側鎖 のアミドの窒素にN-グリコシド結合をした糖 であり、通常、天然の状態においては、し しば、-Asn-X-Ser/Thr- (式中、Xはプロリン以外 のアミノ酸である。)というコンセンサス配 におけるAsnに結合している。O結合型糖鎖は リン又はトレオニン側鎖の水酸基にO-グリ シド結合をしている糖鎖である。以下にそ 一例を示す(Gal:ガラクトース、GlcNAc:N-アセチ ルグルコサミン、Man:マンノース、Fuc:フコー 、GalNAc:N-アセチルガラクトサミン)。O結合 糖鎖を有する天然の糖ペプチドは、プロリ 、トレオニン及びセリンの含有率が高いこ が知られている(非特許文献1及び2)。

国際公開WO96/34878号 TRENDS in biochemical sciences, Vol.27, No.3,Marc h 2002 Cancer Biology & Therapy 6:4, 481-486, April  2007

 本発明の課題は、ペプチド及び糖ペプチド 新規な製造方法を提供することである。
 特に、従来、典型的なNCL法においては、連 される2つのペプチド断片のうち、片方は、 N末端においてシステイン残基を有していな ればならず、また、連結後において得られ ペプチドも連結部位においてシステイン残 を有することになるため、最終的に得よう する所望のペプチド(又は糖ペプチド)におけ るシステイン残基を連結部位として、NCL法を 設計し適用するほかなかった。そこで、本発 明は、得ようとする所望のペプチドにおける システイン残基以外にも、セリン残基やトレ オニン残基に対応する部分を連結部位とした ライゲーション法を設計可能とする、ペプチ ド及び糖ペプチドの新規な製造方法を提供す る。

 より具体的には、本発明の一態様によれ 、ペプチド(又は糖ペプチド)中のシステイ 残基をセリン残基に変換することができる そのため、N末端にシステイン残基を有する プチドを他のペプチドとNCL法により連結し その後、このシステイン残基をセリン残基 変換することができる。よって、本発明に れば、得ようとする所望の配列にシステイ 残基が存在しなくてもセリン残基が存在す ば、その位置をNCL法における連結部位とし 設計することができる。

 また、本発明の一態様によれば、N末端に-SH 基を有するトレオニン誘導体(または該-SH基 ジスルフィド結合等により保護されたトレ ニン誘導体)残基をN末端に有するペプチドを 他のペプチドとライゲーション法により連結 し、その後、得られるトレオニン誘導体残基 をトレオニン残基に変換することができる。 よって、本発明によれば、得ようとする所望 の配列にシステイン残基が存在しなくてもト レオニン残基が存在すれば、その位置をライ ゲーション法における連結部位として設計す ることができる。
 このように、本発明は、糖ペプチド中に豊 に存在するセリンやトレオニンをライゲー ョン法による連結部位として設計可能とす 、ライゲーション法を用いたペプチド及び ペプチドの新規な製造方法を提供する。

 以上の課題を解決するために本発明は以下 特徴を有し得る。
 すなわち、本発明は、
-SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドに おいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特 徴とするペプチドの製造方法であって、以下 の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応 せる工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させる工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件とする 程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明は、また、
-SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドに おいて、前記-SH基を-OH基に変換することを特 徴とするペプチドの製造方法であって、以下 の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応 せることにより、前記-SH基を-SMe基に変換す る工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
システイン残基を含むペプチドにおいて、前 記システイン残基をセリン残基に変換するこ とを特徴とするペプチドの製造方法であって 、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中のシステイン残基の-SH基とメ ル化剤とを反応させることにより、前記-SH を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、セリン残基を むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
 式(1)で示されるトレオニン誘導体A

をアミノ酸残基として含むペプチドにおいて 、前記トレオニン誘導体A残基をトレオニン 基に変換することを特徴とするペプチドの 造方法であって、以下の工程(a)~(c): 
 (a)ペプチド中のトレオニン誘導体A残基の-SH 基とメチル化剤とを反応させることにより、 前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、トレオニン残 を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
-SMe基を有するアミノ酸残基を含むペプチド おいて、前記-SMe基を-OH基に変換することを 徴とするペプチドの製造方法であって、以 の工程(b)及び(c): 
 (b)ペプチド中の-SMe基とシアン化剤とを反応 させることにより反応中間体を生成する工程 ;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
-OH基を有するアミノ酸残基を含むペプチドの 製造方法であって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、 ンジル基、アリール基又はアルキル基から 択され、これらは置換基によりさらに置換 れていてもよい。)で表されるα-カルボキシ オエステル基で置換されたアミノ酸残基をC 末端に含む第1のペプチドと、-SH基を有する ミノ酸残基をN末端に含む第2のペプチドとを 、ライゲーション法により連結して-SH基を有 するアミノ酸残基を含むペプチドを得る工程 ;
 (a)工程(o)で得られたペプチド中の-SH基とメ ル化剤とを反応させることにより、前記-SH を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
セリン残基を含むペプチドの製造方法であっ て、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、 ンジル基、アリール基又はアルキル基から 択され、これらは置換基によりさらに置換 れていてもよい。)で表されるα-カルボキシ オエステル基で置換されたアミノ酸残基をC 末端に含む第1のペプチドと、システイン残 をN末端に含む第2のペプチドとを、ライゲー ション法により連結してシステイン残基を含 むペプチドを得る工程;
 (a)工程(o)で得られたペプチド中のシステイ 残基の-SH基とメチル化剤とを反応させるこ により、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、セリン残基を むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
トレオニン残基を含むペプチドの製造方法で あって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、 ンジル基、アリール基又はアルキル基から 択され、これらは置換基によりさらに置換 れていてもよい。)で表されるα-カルボキシ オエステル基で置換されたアミノ酸残基をC 末端に含む第1のペプチドと、トレオニン誘 体残基をN末端に含む第2のペプチドとを、ラ イゲーション法により連結して上記式(1)で示 されるトレオニン誘導体Aをアミノ酸残基と て含むペプチドを得る工程;
 (a) 工程(o)で得られたペプチド中のトレオ ン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反応 せることにより、前記-SH基を-SMe基に変換す る工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、トレオニン残 を含むペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
-SH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチド において、前記-SH基を-OH基に変換することを 特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、 以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反 させる工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させる工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件とする 程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
-SH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチド において、前記-SH基を-OH基に変換することを 特徴とする糖ペプチドの製造方法であって、 以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反 させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換 する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含む糖ペプチドに変換する工 ;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
システイン残基を含む糖ペプチドにおいて、 前記システイン残基をセリン残基に変換する ことを特徴とする糖ペプチドの製造方法であ って、以下の工程(a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中のシステイン残基の-SH基と チル化剤とを反応させることにより、前記- SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、セリン残基を む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、上記式(1)で示されるトレオ ン誘導体Aをアミノ酸残基として含む糖ペプ チドにおいて、前記トレオニン誘導体A残基 トレオニン残基に変換することを特徴とす 糖ペプチドの製造方法であって、以下の工 (a)~(c): 
 (a)糖ペプチド中のトレオニン誘導体A残基の -SH基とメチル化剤とを反応させることにより 、前記-SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、トレオニン残 を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
-OH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチド の製造方法であって、
 (o)カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、 ンジル基、アリール基又はアルキル基から 択され、これらは置換基によりさらに置換 れていてもよい。)で表されるα-カルボキシ オエステル基で置換されたアミノ酸残基をC 末端に含む第1のペプチド又は糖ペプチドと -SH基を有するアミノ酸残基をN末端に含む第2 のペプチド又は糖ペプチド(ここで、第1のペ チド又は糖ペプチド及び第2のペプチド又は 糖ペプチドの少なくとも一方は糖ペプチドで ある)とを、ライゲーション法により連結し -SH基を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチ を得る工程;
 (a)工程(o)で得られた糖ペプチド中の-SH基と チル化剤とを反応させることにより、前記- SH基を-SMe基に変換する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含む糖ペプチドに変換する工 ;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
セリン残基を含む糖ペプチドの製造方法であ って、
 (o)C末端が以下の式で表される第1の糖ペプ ド:
    -糖Asn-X-C(=O)-SR
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基のカ ボキシル基以外の部分であり、
Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル から選択され、これらは置換基によりさら 置換されていてもよい。)
と、システイン残基をN末端に含む第2のペプ ドとを、ライゲーション法により連結して ステイン残基を含む糖ペプチドを得る工程;
 (a)工程(o)で得られた糖ペプチド中のシステ ン残基の-SH基とメチル化剤とを反応させる とにより、前記-SH基を-SMe基に変換する工程 ;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、セリン残基を む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、
トレオニン残基を含む糖ペプチドの製造方法 であって、
 (o)C末端が以下の式で表される第1の糖ペプ ド:
    -糖Asn-X-C(=O)-SR
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基のカ ボキシル基以外の部分であり、
Rは、ベンジル基、アリール基又はアルキル から選択され、これらは置換基によりさら 置換されていてもよい。)
と、トレオニン誘導体残基をN末端に含む第2 ペプチドとを、ライゲーション法により連 して上記式(1)で示されるトレオニン誘導体A をアミノ酸残基として含む糖ペプチドを得る 工程;
 (a) 工程(o)で得られた糖ペプチド中のトレ ニン誘導体A残基の-SH基とメチル化剤とを反 させることにより、前記-SH基を-SMe基に変換 する工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより反応中間体を生成する 工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、トレオニン残 を含む糖ペプチドに変換する工程;
を含む、前記製造方法を提供し得る。

 本発明はまた、以下の式:
      -糖Asn-X-Y-
(式中、
糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギンであり、
Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残基であ 、
Yは、式(2)で示されるトレオニン誘導体A残基

である)
で示される構造を含む糖ペプチドを提供し得 る。

 本発明において、実施態様によっては、工 (a)又は工程(o)におけるペプチド若しくは糖 プチド中のメチオニン残基が、保護メチオ ン残基であり、さらに所望により以下の工 (d):
(d)保護メチオニン残基を脱保護する工程;
を工程(b)又は(c)の後、特に工程(c)の後に含む ことが好ましい場合がある。

 本発明において、実施態様によっては、工 (b)で得られる反応中間体は、好ましくはエ テル体であり得る。
 本発明において、実施態様によっては、工 (b)は、酸性条件下、特にpH2~3で行うことが ましい場合がある。
 本発明において、実施態様によっては、工 (b)で用いるシアン化剤は、好ましくは臭化 アンであり得る。

 本発明において、実施態様によっては、 程(c)を、弱塩基性条件下、例えば、pH7~9、 にpH7~8で行うことが好ましい場合がある。弱 塩基性条件下で工程(c)を行う場合、実施態様 によっては、工程(c)を約10分以上、特に約15 以上(例えば、約10分~30時間程度、特に約15分 ~30時間程度)行うことが好ましい場合がある

 本発明において、実施態様によっては、 程(c)を、強塩基性条件下、例えば、pH9~13、 にpH10~11で行うことが好ましい場合がある。 強塩基性条件下で工程(c)を行う場合、実施態 様によっては、工程(c)を約1時間以下、特に 10分以下(例えば、約5分~1時間程度、特に約5 ~10分程度)行うことが好ましい場合がある。

 本発明において、第2のペプチドのN末端 トレオニン誘導体残基が含まれる場合、実 態様によっては、前記トレオニン誘導体残 は、式(3):

(式中、Rは、H又はライゲーション反応の条件 下で容易に脱保護されるチオール基の保護基 であり、好ましくはH又はジスルフィド基で る。)
で表されるトレオニン誘導体のN末端アミノ 残基であり得る。

 本発明において、実施態様によっては、 1のペプチド(又は糖ペプチド)及び第2のペプ チド(又は糖ペプチド)のいずれか、より特定 れば両方が、システインを含まないかシス インが保護システインであるペプチド(又は 糖ペプチド)であることが好ましい場合があ 。

 本発明において、実施態様によっては、 1のペプチド(又は糖ペプチド)及び第2のペプ チド(又は糖ペプチド)のいずれかは、80個以 、好ましくは50個以下、より好ましくは30個 下のアミノ酸残基を有するペプチド(又は糖 ペプチド)であることが好ましい場合がある

 本発明において、糖ペプチドにおける糖鎖 、実施態様によっては、N結合型糖鎖又はO 合型糖鎖であることが好ましい場合がある
 本発明において、糖鎖は、実施態様によっ は、以下の式(4)で表される糖鎖が好ましい 合がある。

[式中、R 1 およびR 2 は、各々独立して、水素原子、又は、式(5)~(8 )で示される基である。]

 本発明において、実施態様によっては、 程(c)又は工程(d)の後、更に糖鎖を付加する 程を含むことが好ましい場合がある。

 本発明の製造方法で得られるペプチド又は ペプチドは、実施態様によっては、全ての ミド結合が天然アミド結合であることが好 しい場合がある。
 本発明の製造方法で得られるペプチド又は ペプチドは、実施態様によっては、全ての 成アミノ酸が、生体内にペプチド又は糖ペ チドの構成アミノ酸として存在するアミノ であることが好ましい場合がある。

 本発明のペプチドの製造方法によれば、- SH基を有するペプチドの-SH基を-OH基に変換す ことができる。また、-C(=O)-SRで表されるα- ルボキシチオエステル部分をC末端に有する ようにした第1のペプチドと、-SH基を有する ミノ酸残基をN末端に有する第2のペプチドと をライゲーション法により連結して得られた 、-SH基を有するアミノ酸残基を含むペプチド の-SH基を-OH基に変換することができる。これ らの方法は糖ペプチドに応用することもでき る。

 従って、本発明のペプチドの製造方法に れば、ペプチド中のシステイン残基をセリ 残基に変換することが可能になり、得よう する所望の配列にシステイン残基が存在し くてもセリン残基が存在すれば、NCL法を適 することが可能になる。

 また、本発明は、-SH基を有するトレオニ 誘導体を連結部位としたライゲーション法 も提供し、このライゲーション法で得られ ペプチド中の-SH基を有するトレオニン誘導 残基をトレオニン残基に変換することがで るため、トレオニンを有するペプチドの製 に、トレオニン残基を連結部位として、ラ ゲーション法を適用することが可能になる

 従来の天然型化学的ライゲーション法に ける連結部位であったシステインは、生体 のペプチド中における含有率が低かったが 本発明の方法によれば、生体内のペプチド 特に糖ペプチド中において含有率の高いセ ン及びトレオニンを、ライゲーション法に ける新たな連結部位として設計することが きる。

 さらに、上記の方法を糖ペプチド、特に セリン及びトレオニンの含有率の高いO結合 型糖鎖や、コンセンサス配列として-糖Asn-X-Se r-又は-糖Asn-X-Thr-(式中、糖Asnは糖鎖が付加し アスパラギンであり、Xはプロリン以外の任 意のアミノ酸残基である)の配列を有するN結 型糖鎖を有する糖ペプチドに適用すること 、ライゲーション法を利用して天然型と同 構造の、N結合型糖鎖又はO結合型糖鎖を有 る糖ペプチドを製造することができる。

 本発明の第1の側面は、-SH基を有するアミノ 酸残基を含むペプチドにおいて、下記の工程 (a)~(c)を含む工程を経ることにより、-OH基を するアミノ酸残基を含むペプチドを得るこ である。
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応 せる工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させる工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件とする 程。

 上記工程(a)~(c)は、より特定すれば、
 (a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応 せることにより、前記-SH基を-SMe基に変換す る工程;
 (b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 反応させることにより、反応中間体を生成す る工程;及び
 (c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有する ミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
である。

 本発明の第2の側面は、以下の工程:
 カルボキシル基が式-C(=O)-SR(式中、Rは、ベ ジル基、アリール基又はアルキル基から選 され、これらは置換基によりさらに置換さ ていてもよい。)で表されるα-カルボキシチ エステル基で置換されたアミノ酸残基をC末 端に含む第1のペプチドと、-SH基を有するア ノ酸残基をN末端に含む第2のペプチドとを、 ライゲーション法により連結して-SH基を有す るアミノ酸残基を含むペプチドを得る工程;
及び、上記の工程(a)~(c)を含む工程を経るこ により、-OH基を有するアミノ酸残基を含む プチドを得ることである。

 本発明の第3の側面は、-SH基を有するアミ ノ酸残基を含む糖ペプチドにおいて、上記の 工程(a)~(c)を含む工程を経ることにより、-OH を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチドを ることである。

 本発明の第4の側面は、以下の工程:
 C末端が以下の式で表される第1の糖ペプチ :
    -糖Asn-X-C(=O)-SR
(式中、糖Asnは糖鎖が付加したアスパラギン あり、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸残 のカルボキシル基以外の部分であり、Rは、 ベンジル基、アリール基又はアルキル基から 選択され、これらは置換基によりさらに置換 されていてもよい。)
と、-SH基を有するアミノ酸残基をN末端に含 第2のペプチドとを、ライゲーション法によ 連結して-SH基を有するアミノ酸残基を含む ペプチドを得る工程;
及び、上記の工程(a)~(c)を含む工程を経るこ により、-OH基を有するアミノ酸残基を含む ペプチドを得ることである。

 本明細書中において、「ペプチド」とは 2以上のアミノ酸がアミド結合により結合し ているものであれば特に限定されず、公知ペ プチド及び新規ペプチド並びにペプチド改変 体を含む。一般にタンパク質と呼ばれるもの も、本発明においてはペプチド中に含むもの とする。好ましい態様において、本発明の製 造方法で得られるペプチド(又は糖ペプチド) 、天然型と同じアミド結合(ペプチド結合) 2以上のアミノ酸が結合している。

 本明細書中において、「ペプチド改変体 とは、ペプチドを天然又は人工的に改変し 化合物であり、そのような改変としては、 えば、ペプチドの1又は複数のアミノ酸残基 の、アルキル化、アシル化(例えばアセチル )、アミド化(例えば、ペプチドのC末端のア ド化)、カルボキシル化、エステル形成、ジ ルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化 リン酸化、水酸化、標識成分の結合等が挙 られる。

 本明細書中において、「アミノ酸」とは その最も広い意味で用いられ、天然のアミ 酸、例えばセリン(Ser)、アスパラギン(Asn)、 バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile) 、アラニン(Ala)、チロシン(Tyr)、グリシン(Gly) 、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(H is)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu) グルタミン(Gln)、トレオニン(Thr)、システイ (Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Ph e)、トリプトファン(Trp)、プロリン(Pro)のみな らず、アミノ酸変異体及び誘導体といったよ うな非天然アミノ酸を含む。当業者であれば 、この広い定義を考慮して、本明細書におけ るアミノ酸として、例えばL-アミノ酸;D-アミ 酸;アミノ酸変異体及び誘導体等の化学修飾 されたアミノ酸;ノルロイシン、β-アラニン オルニチン等生体内でタンパク質の構成材 とならないアミノ酸;及び当業者に公知のア ノ酸の特性を有する化学的に合成された化 物などが挙げられることを理解するであろ 。非天然アミノ酸の例として、以下に詳述 るトレオニン誘導体Aのほか、α-メチルアミ ノ酸(α-メチルアラニンなど)、D-アミノ酸、 スチジン様アミノ酸(2-アミノ-ヒスチジン、 -ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、 α-フルオロメチル-ヒスチジン及びα-メチル- スチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有 するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)及び側鎖中 カルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基 置換されるアミノ酸(システイン酸など)が げられる。

 本明細書中において、「トレオニン誘導 」とは、以下の式(3): 

で示される化合物をいう。式(3)中、RはH又 ライゲーション反応の条件下で容易に脱保 されるチオール基の保護基であり、好まし はH又はジスルフィド基である。特に、上記 式(3)において、RがHである以下の式(1)の化合 を、トレオニン誘導体Aと呼ぶ。

 式(3)のトレオニン誘導体は、トレオニン -OH基の部位が-SR基である化合物であり、い れの立体配置を有するものも含む。本発明 製造方法において、ペプチド中のアミノ酸 基の-SH基が-OH基に変換する際に、立体反転 起こると考えられるため、特に天然に存在 るトレオニンを得ようとする際には、天然 存在するトレオニンの-OH基と立体が反転し -SR基を有するトレオニン誘導体を用いるこ が好ましい場合がある。

 上記のトレオニン誘導体は、例えば後述の 施例及び合成例も参照し、以下の方法で得 ことができる。
 まず、トレオニンのアミノ基及びカルボキ ル基を保護したものを用意する。それぞれ 保護基は以降の反応で目的のペプチドが得 れる限り特に限定されないが、例えば、ア ノ基をBoc基で保護し、カルボキシル基をTMSE (トリメチルシリルエチル)基で保護したもの 用いることができる。次に公知の手法を用 てβ位の水酸基をメシル化する。次いで、 えばDBUとチオ酢酸を用いて、このメシル基 チオアセチル基へと置換する(D. Crich et al, J. Am. Chem. Soc., 129, 10064(2007)参照)。

 このチオアセチル基を、公知の手法によ 、ジスルフィド基、アセトアミドメチル基 ニトロベンジル基、トリチル基等、当業者 公知の保護基で保護したチオール基に変換 る。例えば、ジスルフィド基で保護したチ ール基とする場合、後述の合成例1を参照す ることができる。ジスルフィド基は、その後 のライゲーション法の反応条件下で容易に脱 保護される。

 好ましい態様において、本発明の製造方 で得られるペプチド(又は糖ペプチド)は、 て生体内にペプチド(又は糖ペプチド)の構成 アミノ酸として存在するアミノ酸からなる。 また、本発明の一態様において、本発明の製 造方法によって得られるペプチドは、システ イン残基を含まないかあるいは構成アミノ酸 中のシステイン含有量が少ないペプチドであ ることが好ましい。さらに、本発明の一態様 において、本発明の製造方法によって得られ るペプチドは、任意のセリン残基又はトレオ ニン残基から、次のセリン残基若しくはトレ オニン残基又はN末端若しくはC末端までのい れかの間に、80個以下、好ましくは50個以下 、より好ましくは30個以下のアミノ酸残基を する。例えば、本発明の一態様において、 発明の製造方法によって得られるペプチド 、5~40アミノ酸残基中、好ましくは20~30アミ 酸残基中に1つ以上、セリン残基又はトレオ ニン残基を有する。

 本明細書中において、「反応中間体」と 、広い意味において、ペプチド中の-SMe基に シアン化剤を反応させた後、-OH基に変換され るまでの各化合物のいずれもを指す。本発明 の反応スキームは、以下のスキーム1のよう あると考えられ、以下のスキーム1中、Cで示 されるエステル体も本発明における反応中間 体の1つである。なお、本明細書中において 例えば以下のスキーム1中に「ペプチド-OH」 の記載があるが、この-OHは特筆しない限り ペプチドのC末端カルボキシル基の-OHを示す 。

 本明細書において、「糖ペプチド」とは 前記のペプチドに少なくとも1の糖鎖が付加 した化合物であれば特に限定されず、公知の 糖ペプチド及び新規の糖ペプチドを含む。一 般に糖タンパク質と呼ばれるものも、本発明 における糖ペプチドの定義に含むものとする 。

 好ましい態様において、本発明の製造方 で得られる糖ペプチドは、N結合型糖鎖又は O結合型糖鎖を有するペプチドであり、例え 、エリスロポエチン、インターロイキン、 ンターフェロン-β、抗体、単球走化性因子 ンパク質-3(MCP-3、monocyte chemotactic protein-3)等 のペプチドの一部分あるいは全部が挙げられ る。

 本発明の一態様において、本発明の製造 法によって得られる糖ペプチドは、糖鎖を 加していない任意のセリン残基又はトレオ ン残基から、次のセリン残基若しくはトレ ニン残基又はN末端若しくはC末端までのい れかの間に、80個以下、好ましくは50個以下 より好ましくは30個以下のアミノ酸残基を する。例えば、本発明の一態様において、 発明の製造方法によって得られる糖ペプチ は、5~40アミノ酸残基中、好ましくは20~30ア ノ酸残基中に1つ以上、セリン残基又はトレ ニン残基を有する。

 糖ペプチドにおいて、糖鎖とペプチド中 アミノ酸残基とは、直接結合していても、 ンカーを介して結合していてもよい。糖鎖 アミノ酸との結合部位に特に制限はないが 糖鎖の還元末端にアミノ酸が結合している とが好ましい。

 糖鎖が結合するアミノ酸の種類は特に限 されず、天然アミノ酸、非天然アミノ酸の ずれに結合していてもよい。糖ペプチドが 体内に存在する糖ペプチド(糖たんぱく質) 同一又は類似の構造を有するという観点か は、糖鎖は、N結合型糖鎖のようにAsnに結合 ていること、又はO結合型糖鎖のようにSer若 しくはThrに結合していることが好ましい。特 に、N結合型糖鎖の場合、本発明の製造方法 より得られる糖ペプチドは、Asnに糖鎖が結 し、該AsnのC末端側にプロリン以外のアミノ (X)がアミド結合(ペプチド結合)し、さらに XのC末端側にThr又はSerがアミド結合(ペプチ 結合)した構造(-糖Asn-X-Thr/Ser-)を有する糖ペ チドであることが好ましい。

 糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結 している場合、リンカーとの結合容易性と う観点からは、糖鎖が結合するアミノ酸は: アスパラギン酸やグルタミン酸等の分子内に 2以上のカルボキシル基を持つアミノ酸;リシ 、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファ 等の分子内に2以上のアミノ基を持つアミノ 酸;セリン、トレオニン、チロシン等の分子 に水酸基を持つアミノ酸;システイン等の分 内にチオール基を持つアミノ酸;又はアスパ ラギン、グルタミン等の分子内にアミド基を 持つアミノ酸が好ましい。特に、反応性の観 点からは、アスパラギン酸、グルタミン酸、 リシン、アルギニン、セリン、トレオニン、 システイン、アスパラギン又はグルタミンが 好ましい。

 糖ペプチドにおいて、糖鎖とアミノ酸とが ンカーを介して結合している場合、リンカ としては、当該分野において用いられてい ものを広く使用することができるが、例え :
-NH-(CO)-(CH 2 ) a -CH 2 -
(式中、aは整数であり、目的とするリンカー 能を阻害しない限り限定されるものではな が、好ましくは0~4の整数を示す。);
C 1-10 ポリメチレン;
-CH 2 -R 3 -
(ここで、R 3 は、アルキル、置換されたアルキル、アルケ ニル、置換されたアルケニル、アルキニル、 置換されたアルキニル、アリール、置換され たアリール、炭素環基、置換された炭素環基 、複素環基及び置換された複素環基からなる 群より選択される基から水素原子が1つ脱離 て生ずる基である);
等を挙げることができる。

 本明細書中において、「糖鎖」とは、単 糖(単糖及び/又はその誘導体)が2つ以上連な ってできた化合物の他、1つの単位糖(単糖及 /又はその誘導体)からなる化合物をも含む このような糖鎖としては、例えば、生体中 含有される単糖類及び多糖類(グルコース、 ラクトース、マンノース、フコース、キシ ース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチル ガラクトサミン、シアル酸並びにそれらの複 合体及び誘導体)の他、分解された多糖、糖 ンパク質、プロテオグリカン、グリコサミ グリカン、糖脂質などの複合生体分子から 解又は誘導された糖鎖など広範囲なものが げられるがそれらに限定されない。単位糖 2つ以上連なる場合、各々の単位糖同士の間 、グリコシド結合による脱水縮合によって 合する。糖鎖は直鎖型であっても分岐鎖型 あってもよい。

 また、本明細書中において、「糖鎖」に 糖鎖の誘導体も含まれ、糖鎖の誘導体とし は、例えば、糖鎖を構成する糖が、カルボ シル基を有する糖(例えば、C-1位が酸化され てカルボン酸となったアルドン酸(例えば、D- グルコースが酸化されたD-グルコン酸)、末端 のC原子がカルボン酸となったウロン酸(D-グ コースが酸化されたD-グルクロン酸))、アミ 基又はアミノ基の誘導体(例えば、アセチル 化されたアミノ基)を有する糖(例えば、N-ア チル-D-グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクト サミンなど)、アミノ基及びカルボキシル基 両方とも有する糖(例えば、N-アセチルノイ ミン酸(シアル酸)、N-アセチルムラミン酸な )、デオキシ化された糖(例えば、2-デオキシ -D-リボース)、硫酸基を含む硫酸化糖、リン 基を含むリン酸化糖などである糖鎖が挙げ れるがこれらに限定されない。

 本発明の糖鎖は、好ましくは、生体内で 合糖質(糖ペプチド(又は糖タンパク質)、プ テオグリカン、糖脂質等)として存在する糖 鎖であり、好ましくは、生体内で糖ペプチド (又は糖タンパク質)としてペプチド(又はタン パク質)に結合している糖鎖であるN-結合型糖 鎖、O-結合型糖鎖等である。O-結合型糖鎖が 合している糖ペプチドにおいては、ペプチ のSer又はThrにN-アセチルガラクトサミン(GalNA c)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、キシロー ス、フコース等がO-グリコシド結合で結合し これにさらに糖鎖が付加する。N結合型糖鎖 としては、例えば、高マンノース(ハイマン ース)型、複合(コンプレックス)型、混成(ハ ブリッド)型を挙げることができ、複合型が 好ましい。

 本発明において、好ましい糖鎖としては 例えば、下記式(4)で表される糖鎖である。

[式中、R 1 およびR 2 は、各々独立して、水素原子、又は、式(5)~(8 )で示される基である。]

 本発明の糖ペプチドの製造方法を、医薬 等の製造の分野に適用することを考慮した 合に抗原性等の問題を回避し得るという観 からは、好ましい糖鎖としては、例えば、 ト体内において、タンパク質と結合した糖 ンパク質として存在する糖鎖(例えば、FEBS  LETTERS Vol.50, No.3, Feb. 1975に記載の糖鎖)と、 同一の構造を有する糖鎖(構成糖の種類及び れらの結合様式が同一の糖鎖)又はこれの非 元末端から1又は複数の糖を失った糖鎖を挙 げることができる。

 糖ペプチドにおける、糖鎖の付加数は、1 鎖以上であれば特に限定されないが、生体内 に存在する糖ペプチドと類似した構造の糖ペ プチドを提供するという観点からは、体内に 存在する糖ペプチドと同程度の付加数であれ ば、より好ましいであろう。

 本発明の好ましい一態様において、本発 の糖ペプチドにおける糖鎖の構造は、均一 ある。本明細書中において、糖ペプチドに ける糖鎖の構造が均一であるとは、糖ペプ ド間で比較した場合に、ペプチド中の糖鎖 加部位、糖鎖を構成する各糖の種類、結合 序、及び糖間の結合様式が同一であること いい、少なくとも90%以上、好ましくは95%以 、より好ましくは99%以上の糖鎖の構造が均 であることを言う。糖鎖が均一である糖ペ チドは、品質が一定であり、特に医薬品の 造や、アッセイなどの分野において好まし 。

 本発明の製造方法において原料として用 るペプチドは、例えば、固相合成、液相合 、細胞による合成、天然に存在するものを 離抽出する方法等、当業者に公知のペプチ 製造方法を適用することにより製造するこ ができる。また、原料として糖ペプチドを いる場合、上記の公知のペプチドの製造方 に、糖鎖付加工程を組み込むことで製造す ことができる。糖鎖付加工程で用いる糖鎖 製造方法に関しては、例えば、国際公開番 WO03/008431、WO2004/058984、WO2004/058824、WO2004/07004 6、WO2007/011055等を参照することができる。

 具体例として、-SH基を有するアミノ酸残 を含むペプチド又は糖ペプチドを固相合成 により製造する方法を以下に示す。以下に す方法において、国際公開番号WO2004/005330も 参照することができる。

 先ず、(1)水酸基を有する樹脂(レジン)の 酸基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護さ たアミノ酸のカルボキシル基をエステル化 応させる。この場合アミノ酸のアミノ基を 溶性保護基で保護しているので、アミノ酸 士の自己縮合は防止され、レジンの水酸基 アミノ酸のカルボキシル基が反応してエス ル化が起こる。

 次に(2)上記で得られたエステルの脂溶性保 基を脱離して遊離アミノ基を形成させ、
(3)この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミ ノ基が保護された所望のアミノ酸のカルボキ シル基とアミド化反応させ、
(4)上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基 を形成させ、
(5)上記(3)及び(4)の工程を必要に応じて繰り返 すことにより、所望の数の所望のアミノ酸が 連結した、末端にレジンを結合し、他端に遊 離アミノ基を有するペプチドが得られる。

 上記(1)~(5)の工程でアミノ酸として-SH基を 有する(-SH基は保護されていてもよい)アミノ (例えば、システインや既出の式(3)のトレオ ニン誘導体)を使用することにより、-SH基を するアミノ酸残基を含むペプチドを得るこ ができる。なお、上記(1)~(5)の工程で用いる には、-SH基を有するアミノ酸の-SH基は当業 に公知の保護基、例えば、ジスルフィド基 アセトアミドメチル基、ニトロベンジル基 トリチル基等の保護基で保護されているこ ができ、その後、必要に応じ脱保護するこ ができる。また、上記(1)~(5)の工程でアミノ 酸として、糖鎖が付加したアミノ酸(例えば アスパラギンに糖鎖が付加した糖鎖アスパ ギン、セリン又はトレオニンに糖鎖が付加 た糖鎖セリン又は糖鎖トレオニン等)を用い ことにより、さらに、所望の位置に1つ又は 2つ以上の糖鎖を有するN結合型及び/又はO結 型糖ペプチドを得ることもできる。このよ なN結合型又はO結合型の糖ペプチドは、上述 のとおり、所望の位置に、-SH基を有するアミ ノ酸残基を含むことが可能である。

 (6)そして、酸で樹脂(レジン)と(1)のアミ 酸との間のエステル結合を切断することに り、所望のペプチド(又は糖ペプチド)を製造 することができる。

 固相樹脂(レジン)としては、通常、固相合 で使用する樹脂(レジン)であればよく、例え ば、Amino-PEGAレジン(メルク社製)、Wangレジン( ルク社製)、HMPA-PEGAレジン(メルク社製)、Trt Chlorideレジン(メルク社製)等を用いることが きる。
 また、Amino-PEGAレジン(樹脂)とアミノ酸との にリンカーを存在させてもよく、このよう リンカーとして、例えば、4-ヒドロキシメ ルフェノキシ酢酸(HMPA)、4-(4-ヒドロキシメチ ル-3-メトキシフェノキシ)-ブチル酢酸(HMPB)等 挙げることができる。

 脂溶性保護基としては、例えば、9-フルオ ニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、t-ブチルオ キシカルボニル(Boc)基、アリルオキシカルボ ル(Alloc)基等のカルボニル含有基、アセチル (Ac)基等のアシル基、アリル基、ベンジル基 の保護基を挙げることができるが、特にこ らに限定されるものではない。
 脂溶性保護基を導入するには、例えばFmoc基 を導入する場合には9-フルオレニルメチル-N- クシニミジルカーボネートと炭酸水素ナト ウムを加えて反応を行うことにより導入で る。反応は0~50℃、好ましくは室温で、約1~5 時間程度行うのが良い。

 脂溶性保護基で保護したアミノ酸として 、既出のアミノ酸を上記の方法で保護した のを用いることができる。また、市販のも も使用することができる。例えば、Fmoc-Ser Fmoc-Asn、Fmoc-Val、Fmoc-Leu、Fmoc-Ile、Fmoc-Ala、Fmoc -Tyr、Fmoc-Gly、Fmoc-Lys、Fmoc-Arg、Fmoc-His、Fmoc-Asp Fmoc-Glu、Fmoc-Gln、Fmoc-Thr、Fmoc-Cys、Fmoc-Met、Fmo c-Phe、Fmoc-Trp、Fmoc-Proを挙げることができる。

 エステル化触媒として、例えば1-メシチ ンスルホニル-3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール(MSN T)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1, 3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)等の 知の脱水縮合剤を用いることができる。ア ノ酸と脱水縮合剤との使用割合は、前者1重 部に対して、後者が、通常1~10重量部、好ま しくは2~5重量部である。

 エステル化反応は、例えば、固相カラムに ジンを入れ、このレジンを溶剤で洗浄し、 の後アミノ酸の溶液を加えることにより行 のが好ましい。洗浄用溶剤としては、例え ジメチルホルムアミド(DMF)、2-プロパノール 、塩化メチレン等を挙げることができる。ア ミノ酸を溶解する溶媒としては、例えばジメ チルスルホキシド(DMSO)、DMF、塩化メチレン等 を挙げることができる。エステル化反応は0~5 0℃、好ましくは室温で、約10分~30時間程度、 好ましくは15分~24時間程度行うのが良い。
 この時固相上の未反応の官能基を、無水酢 等を用いてアセチル化してキャッピングす ことも好ましい。

 脂溶性保護基の脱離は、例えば塩基で処理 ることにより行うことができる。塩基とし は、例えばピペリジン、モルホリン等を挙 ることができる。その際、溶媒の存在下行 のが好ましい。溶媒としては、例えばDMSO、 DMF、メタノール等を挙げることができる。
 遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基 素が保護された任意のアミノ酸のカルボキ ル基とのアミド化反応は、活性化剤及び溶 の存在下行うのが好ましい。

 活性化剤としては、例えば、ジシクロヘキ ルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチ ルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(W SC/HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、 ルボニルジイミダゾール(CDI)、ジエチルシア ノホスホネート(DEPC)、1,3-ジイソプロピルカ ボジイミド(DIPCI)、ベンゾトリアゾール-1-イ オキシ-トリスピロリジノホスホニウムヘキ サフルオロホスフェート(PyBOP)、3-ジエトキシ ホスホリルオキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H )-オン(DEPBT)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾー (HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジ チルアミノピリジン(DMAP)、1-ヒドロキシ-7- ザベンゾトリアゾール(HOAt)、3-ヒドロキシ-4- オキソ-3,4-ジヒドロ-5-アザベンゾ-1,2,3-トリア ジン(HODhbt)、ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、 ペンタフルオロフェノール(Pfp-OH)、2-(1H-ベン トリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウ ロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU) O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3- トラメチルウロニウム ヘキサフルオロホ ホネート(HATU)、O-ベンゾトリアゾール-1-イル -1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフル ロボレート(TBTU)等を挙げることができる。
 活性化剤の使用量は、脂溶性の保護基でア ノ基窒素が保護された任意のアミノ酸に対 て、1~20当量、好ましくは1~10当量、さらに ましくは、1~5当量とするのが好ましい。

 上記活性化剤のみでも反応は進行するが 補助剤としてアミンを併用することが好ま い。アミンとしては、例えば、ジイソプロ ルエチルアミン(DIPEA)、N-エチルモルホリン( NEM)、N-メチルモルホリン(NMM)、N-メチルイミ ゾール(NMI)等を用いることができる。補助剤 の使用量は、脂溶性の保護基でアミノ基窒素 が保護された任意のアミノ酸に対して、1~20 量、好ましくは1~10当量、さらに好ましくは 1~5当量とするのが好ましい。

 溶媒としては、例えばDMSO、DMF、塩化メチ レン等を挙げることができる。反応は0~50℃ 好ましくは室温で、約10~30時間程度、好まし くは15分~24時間程度行うのが良い。この際に 固相上の未反応のアミノ基を無水酢酸等を いてアセチル化しキャッピングするのが好 しい。脂溶性保護基の脱離は、上記と同様 行うことができる。

 レジン(樹脂)からペプチド鎖を切断する は酸で処理するのが好ましい。酸としては 例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、弗化水素(HF) を挙げることができる。その際、アミノ酸 使用していた脂溶性保護基およびレジン(樹 )上のリンカーから、反応性の高いカチオン 種が生成する場合があるため、このものを捕 獲するため求核性試薬を添加することが好ま しい。求核性試薬としてはトリイソプロピル シラン(TIS)、フェノール、チオアニソール、 タンジチオール(EDT)等を挙げることができ 。

 このようにして、-SH基を有するアミノ酸残 を含むペプチド(又は糖ペプチド)を得るこ ができる。
 また、上述のようにして得られた、-SH基を するアミノ酸残基を含むペプチド又は糖ペ チドに、トランスグルタミナーゼに代表さ る、酵素の逆反応を利用する方法を用いて 鎖を付加することで、-SH基を有するアミノ を含む糖ペプチドを得ることもできる。
 さらに、上記の方法に、転移酵素による糖 伸長反応を組み合わせることも可能である

 上述のようにして得られた、ぺプチド又は ペプチドのうち、-SH基を有するアミノ酸残 をN末端に含むペプチド(又は糖ペプチド)と C末端にα-カルボキシチオエステル部分を有 するようにしたペプチド(又は糖ペプチド)と 、ライゲーション法を用いて連結すること できる。
 なお、本明細書中において、「ライゲーシ ン法」とは、特許文献1に記載の天然型化学 的ライゲーション法(Native Chemical Ligation、NCL 法)のみならず、後述の実施例に記載のよう 、非天然アミノ酸、アミノ酸誘導体(例えば 式(1)のトレオニン誘導体A、保護メチオニン 、糖鎖付加アミノ酸等)を含むペプチドにつ て、上記天然型化学的ライゲーション法を 用する場合をも含む。ライゲーション法に り、連結部位に天然アミド結合(ペプチド結 )を有するペプチドを製造することができる 。

 ライゲーション法を用いた連結は、ペプチ -ペプチド間、ペプチド-糖ペプチド間、糖 プチド-糖ペプチド間の、いずれにおいても うことができる。
 ライゲーション法に用いる、C末端にα-カル ボキシチオエステル部分を有するようにした ペプチド(又は糖ペプチド)は、特許文献1に記 載のように、当業者に公知の手法を用いて製 造することができる。

 例えば、後述の実施例に記載のように、 相合成法によって、アミノ酸側鎖とN末端の アミノ基が保護された保護ペプチド(又は糖 プチド)を得て、このC末端側のカルボキシル 基を、液相中において縮合剤にPyBOP(Benzotriazol e-1-yl-oxy-tris-pyrrolidino-phosphonium hexafluorophosphate )/DIPEAを用いてベンジルチオールと縮合させ その後、95%TFA溶液を用いてアミノ酸の鎖を 保護することで、C末端にα-カルボキシチオ ステル部分を有するようにしたペプチド(又 は糖ペプチド)を得ることができる。

 ライゲーション法は、特許文献1に記載の ような当業者に公知の手法を用いて、また、 後述の実施例の記載を参照して実施すること ができる。例えば、C末端に-C(=O)-SRにより表 れるα-カルボキシチオエステル部分を有す ようにした第1のペプチドと、N末端に-SH基を 有するアミノ酸残基を有する第2のペプチド を上述の記載を参照して用意する。なお、 1のペプチドにおいて、Rはチオール交換反応 を阻害せず、カルボニル炭素への求核置換反 応において脱離基となる基であれば特に限定 されないが、好ましくはベンジルメルカプタ ン等のベンジル型、チオフェノール、4-(カル ボキシメチル)-チオフェノール等のアリール 、2-メルカプトエタンスルホン酸塩、3-メル カプトプロピオン酸アミド等のアルキル型等 から選択することができる。また、第2のペ チドのN末端の-SH基は、所望により保護基に り保護されていてもよいが、この保護基は 下のライゲーション反応までの所望の時点 脱保護し、N末端に-SH基を有する第2のペプ ドが、第1のペプチドと反応する。例えばジ ルフィド基等、ライゲーションが起こる条 において自然に脱保護される保護基であれ 、保護基により保護した第2のペプチドをそ のまま以下のライゲーション反応に用いるこ ともできる。 

 これらの2つのペプチドを、必要に応じ、 4-メルカプトフェニル酢酸、ベンジルメルカ タン、チオフェノール等の触媒チオールの 在下、100mMリン酸緩衝溶液等の溶液中で混 する。好ましくは、第1のペプチド1当量に対 し第2のペプチドを0.5~2当量及び触媒チオール を5当量程度の割合で反応を行う。反応はpH6.5 ~7.5程度、20~40℃程度の条件下、約1~30時間程 行うのが望ましい。反応の進行は、HPLC、MS を組み合わせた公知の手法を用いて確認す ことができる。

 これに、ジチオスレイトール(DTT)、トリ 2-カルボキシエチルホスフィン塩酸塩(TCEP)の ような還元剤を加えて副反応を抑制し、所望 により精製することで、第1のペプチドと第2 ペプチドとを連結することができる。

 なお、C末端にカルボキシチオエステル部 分(-C=O-SR)を有するようにしたペプチドにおい て、R基の異なるペプチドが存在する場合、 イゲーション反応の順序を操作することが 能であり(Protein Science (2007), 16:2056-2064等参 )、複数回のライゲーションを行う場合には これを考慮することができる。例えば、Rと てアリール基、ベンジル基及びアルキル基 存在する場合には、一般に、この順に、連 反応が進行する。

 本発明において、-SH基を有するアミノ酸残 を含むペプチド(又は糖ペプチド)の-SH基を-O H基に変換することを特徴とするペプチド(又 糖ペプチド)の製造方法を具体的に示す。原 料としては、上述の方法で得られたペプチド 又は糖ペプチドを用いる。本発明の一態様に おいては、ライゲーション法を用いて得られ たペプチド又は糖ペプチドを用いることが好 ましい。次いで、以下の工程(a)~(c):
(a)ペプチド中の-SH基とメチル化剤とを反応さ せることにより、前記-SH基を-SMe基に変換す 工程;
(b)工程(a)で得られた-SMe基とシアン化剤とを 応させることにより、反応中間体を生成す 工程;及び
(c)工程(b)と比較してより塩基性条件下、工程 (b)で得られた反応中間体を、-OH基を有するア ミノ酸残基を含むペプチドに変換する工程;
を含む工程行う。以下、原料としてペプチド を用いた場合について例示する。

  工程(a)
 工程(a)のメチル化において用いるメチル化 はペプチド中の-SH基を-SMe基に変換すること ができるものであれば特に限定されず、例え ば、ヨードメタン、メチル-4-ニトロベンゼン スルホネート等を挙げることができる。
 メチル化剤の使用量は、原料ペプチドの-SH 1残基に対して、1~1000当量とすることができ 、好ましくは、10~100当量、より好ましくは、 15~30当量とすることができる。メチル化反応 、0~50℃、好ましくは20~30℃で、約10分~30時 程度、好ましくは15分~1時間程度行うことが ましい。

 メチル化反応を行う際の溶媒としては緩 溶液が好ましく、そのpHは7~9、特に8~9を示 ものを好適に用いることができる。例えば 0.25Mトリス塩酸緩衝溶液(6Mグアニジン塩酸液 、3.3mM EDTA含有、pH8.6)等を用いることができ 。

 なお、ペプチド中にアミノ酸としてシス イン残基が含まれ、これをセリン残基に変 せず、本発明の製造方法で得られるペプチ 中にシステイン残基として存在させる場合 システインを保護した保護システインの形 公知の手法を用いてペプチドに導入するこ で、システインの-SH基が工程(a)においてメ ル化されることを防ぐことができる。シス インの保護基としては、本発明の製造方法 各工程におけるチオール交換反応、酸処理 塩基処理等を考慮し、適切な保護基を用い ことができ、例えば、アセトアミドメチル( Acm)基、ベンジル基、アセトアミド基、トリ ル基等、好ましくはAcm基を用いることがで る。工程(a)~(c)の後、所望により、公知の手 を用いて保護システイン残基を脱保護する 例えば、Acm基、ニトロベンジル基、トリチ 基等を保護基とした保護システインを導入 た場合、酢酸銀酢酸水溶液による脱保護法 光による脱保護法、酸処理による脱保護法 を用いた工程を追加することで、システイ 残基に変換される。このようにして、本発 の製造方法で得られるペプチドにシステイ 残基を存在させることができる。

 なお、本発明の一態様によれば、-SMe基を 有するペプチドから-SMe基を-OH基に変換する とで-OH基を有するペプチドを得ることも可 であり、このような場合には、上記工程(a) 省略することが可能である。

  工程(b)
 工程(b)において用いるシアン化剤としては 例えば、安定性等の観点から、臭化シアン フェニルシアネート等を用いることができ 好ましくは、入手容易な臭化シアンを用い ことができる。
 シアン化剤の使用量は、-SMe基1に対して、1~ 1000当量とすることができ、好ましくは、10~10 0当量、より好ましくは、15~30当量とすること ができる。シアン化剤との反応は、0~50℃、 ましくは30~40℃で、約30分~100時間程度、好ま しくは12時間~50時間程度行うことが望ましい

 シアン化剤との反応は、酸性条件下で行 、特に好ましくはpH2~3で行う。酸性水溶性 質、具体的には、蟻酸、トリフルオロ酢酸 メタンスルホン酸等の使用により、反応を 性条件下で行うことができる。この際、使 する酸性水溶性物質は、硫黄原子の酸化防 のため脱気したものであることが特に好ま い。また、シアン化剤の安定性の観点から 反応は遮光下で行うことが好ましい。

 溶媒としては上記のpH2~3を示す水溶性溶媒 例えば、80%蟻酸溶液、70%蟻酸溶液、2%トリフ ルオロ酢酸/39%アセトニトリル含有水溶液等 好適に用いることができる。
 工程(b)で得られる反応中間体の一例は、以 の構造で示されるエステル体である。

 なお、ペプチド中にアミノ酸としてメチオ ン残基が含まれる場合には、メチオニン残 の-SMe基と工程(a)で得られる-SMe基を区別す ことが好ましい。本明細書中において、保 メチオニンとは、工程(b)におけるシアン化 と反応しない化合物であれば特に限定され 、例えば、スルホキシド型メチオニン(Met(O): -CH 2 -CH 2 -S(=O)-CH 3 )を挙げることができる。後述の実施例5に記 のように、保護メチオニン(例えばMet(O))を 知の手法を用いてペプチドに導入すること 、メチオニン残基と工程(a)で得られる-SMe基 が区別され、工程(b)のシアン化剤との反応 対し、メチオニン残基が不活性となる。そ 後、適宜公知の手法を用いて保護メチオニ 残基をメチオニン残基に変換する(後述の工 程(e))。このようにして、メチオニン残基を するペプチドも、本発明の製造方法を用い 得ることができる。

 また、必要に応じ、工程(b)のシアン化剤 の反応の際に形成された副生成物である、 ステインの酸化体の除去を行うことができ 。このような除去工程は、例えば、工程(b) 得られた反応中間体を含む混合物を、ヨウ アンモニウム及びジメチルスルフィドの存 下、室温下に30分程度反応させ、その後分 洗浄することで行うことができる。除去工 は、工程(b)の後であればどの時点で行って よく、好ましくは工程(c)の後に行うことが きる。

  工程(c)
 工程(c)においては、工程(b)と比較してより 基性条件下、工程(b)で得られた反応中間体 O-からN-への分子内アシル転移によって-OH基 を有するアミノ酸残基を含むペプチドが得ら れる。
 工程(c)における塩基性条件は、工程(b)と比 してより塩基性条件であれば酸性又は中性 あってもよく、より特定すれば、工程(b)で られた反応中間体のエステル結合に隣接す C原子上の-NH 2 基がプロトン化されない条件であればよい。 反応中間体から-OH基を有するペプチドへの変 換を効率よく行うという観点からは、弱塩基 性条件又は強塩基性条件を用いることができ る。

 工程(c)における塩基性条件が弱塩基性で る場合、そのpHは、pH7~9であり、好ましくは pH7~8である。例えば、グアニジン、燐酸二ナ リウム、トリス、炭酸水素ナトリウム等、 業者に公知のpH調整剤である塩基性化合物 溶液に添加することで、弱塩基性条件とす ことができる。このとき、塩基性化合物の 用量は、原料ペプチドに対して、1~1000当量 することができ、好ましくは、10~100当量、 り好ましくは、15~30当量とすることができる 。

 工程(c)における塩基性条件が弱塩基性であ 場合、反応は、0~50℃、好ましくは20~40℃で 約10分~30時間程度、好ましくは15分~30時間程 度行うことが望ましく、pH7~9、好ましくはpH7~ 8を示す緩衝溶液中で行うことが望ましい。 えば、0.2Mリン酸緩衝液(6Mグアニジン塩酸液 有、pH7.2)中で工程(c)を行うことができる。
 工程(c)における塩基性条件が弱塩基性であ 場合、さらにpHを下げて工程(c)を終了する ともできるが、そのままpHを変化させずに、 HPLC等による精製工程に移ることも可能であ 。

 工程(c)における塩基性条件が強塩基性で る場合、そのpHは、pH9~13であり、好ましく pH10~11である。強塩基性条件は、水酸基に過 反応した化合物を加水分解により取り除け 条件であることが好ましく、塩基性水溶性 質、例えば、ヒドラジン含水物、50mM水酸化 ナトリウム水溶液等を溶液に添加して強塩基 性条件とすることができる。このとき、塩基 性水溶性物質の使用量は、原料ペプチドに対 して0.5~100当量とすることができ、好ましく 、0.1~10当量、より好ましくは、0.5~1当量とす ることができる。例えば、pH10~11を示す5%ヒド ラジン水溶液中で工程(c)を行うことができる 。

 工程(c)における塩基性条件が強塩基性で る場合、工程(b)で得られた反応中間体のO- らN-への分子内アシル転移によって-OH基を有 するアミノ酸残基を含むペプチドが得られる とともに、工程(a)~(b)で過剰に反応した-OH基 ついて、脱シアノ化(過剰反応したシアン化 を加水分解により取り除く脱シアノ化反応) 、脱ホルミル化(過剰反応した蟻酸の脱ホル ル化反応)等が起こり得る。

 工程(c)における塩基性条件が強塩基性で る場合、工程(c)は、0~50℃、好ましくは20~30 で、約5分~3時間程度、好ましくは5分~1時間 より好ましくは5分~10分程度行うことが望ま しい。工程(c)における塩基性条件が強塩基性 である場合、工程(c)を長時間行うと、ラセミ 化、ペプチド結合の切断等の副反応が起こり 得る。

 工程(c)における塩基性条件が強塩基性で る場合、工程(c)は、pHをpH4~9、好ましくは5~9 、例えばpH7付近やpH8~9等に下げることで終了 ることができる。

 なお、工程(c)において、得られる-OH基を するアミノ酸残基のβ位の立体は、工程(b) 得られた反応中間体から反転すると予想さ る。

  工程(d)  
 保護メチオニン残基を含むペプチドを原料 した場合、さらに所望により以下の工程(d) 、工程(b)又は(c)の後に行う:
(d)保護メチオニンを脱保護する工程。

 脱保護は、用いた保護メチオニンに応じて 当業者に公知の手法を用いて行うことがで る。例えば、保護メチオニンとしてメチオ ンをスルホキシド型(Met(O))で導入した場合 ヨウ化アンモニウム/ジメチルスルフィド/TFA 混合液等を用いた還元工程を追加することで 、保護メチオニンがメチオニンに変換される 。副反応を回避するという観点からは、好ま しくは工程(c)の後に、工程(d)を行う。
 このようにして、メチオニン残基を有する プチドを得る場合についても本発明の製造 法を適用することができる。

 生成物の精製は、数種類の高速液体クロ トグラフィー条件下で97%以上の精製物を与 る手法を用いることが好ましい。具体的に 結晶化、交流分配法、分配クロマトグラフ ー、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラ ィー、高速液体クロマトグラフィー等が挙 られる。好ましくは高速液体クロマトグラ ィー等を用いることができる。

 上記の工程に加え、さらに糖鎖の付加工 を行うことができる。糖鎖の付加は、ペプ ド及び糖ペプチドのいずれについても行う とができ、目的とする糖ペプチドを得られ 限りどの時点で行うことも可能であるが、 程(c)の後に行うことが好ましい。

 糖鎖の付加は、トランスグルタミナーゼに 表される、酵素の逆反応を利用する方法や 以下のように国際公開番号WO2005/010053の記載 を参照した方法を用いて行うことができる。
 まず、ハロアセタミド化複合型糖鎖誘導体 、上記で得たペプチド(特に、アスパラギン 酸やグルタミン酸等の分子内に2つ以上のカ ボキシル基を持つアミノ酸;リシン、アルギ ン、ヒスチジン、トリプトファン等の分子 に2以上のアミノ基を持つアミノ酸;セリン トレオニン、チロシン等の分子内に水酸基 持つアミノ酸;システイン等の分子内にチオ ル基を持つアミノ酸;アスパラギン、グルタ ミン等の分子内にアミド基を持つアミノ酸等 を含むペプチド。特に、アスパラギン酸、グ ルタミン酸、リシン、アルギニン、セリン、 トレオニン、システイン、アスパラギン又は グルタミンを含むペプチド)と反応させるこ により製造する。上記反応は、通常0~80℃、 ましくは、10~60℃、更に好ましくは15~35℃で 行うのが良い。反応時間は、好ましくは、通 常30分~5時間程度である。反応終了後は、適 、公知の方法(例えば、高速液体カラムクロ トグラフィー(HPLC))で精製するのが良い。

 ハロアセタミド化複合型糖鎖誘導体は、例 ば、複合型アスパラギン結合型糖鎖の1位の 炭素に結合している水酸基を、-NH-(CO)-(CH 2 ) a -CH 2 X(式中、Xはハロゲン原子、aは整数であり、 的とするリンカー機能を阻害しない限り限 されるものではないが、好ましくは0~4の整 を示す。)で置換した化合物である。
 具体的には、ハロアセタミド化複合型糖鎖 導体と、上記で得たペプチドとをリン酸緩 液中、室温で反応させる。反応終了後、HPLC で精製することにより糖鎖が付加された糖ペ プチドを得ることができる。

 上記の方法に加え、転移酵素による糖鎖 長反応を組み合わせることも可能である。 のようにして得られた糖ペプチドもまた、 発明の範囲に含まれる。

 以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明するが何らこれらに限定されるもので ない。

  実施例1 Ac-Ala-Ser-Gly-Leuの製造
 固相合成用カラムにWang resin(メルク社製)(10 0μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に 洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた。Fmoc-Leu( 0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイミダゾー (0.375mmol)をDCM(2mL)に溶解させて、固相合成用 ラムに入れ、25℃にて1時間攪拌した。なお DCMは1.5mLとすることもできる。攪拌後、樹 をDCM及びDMFで十分に洗浄し、Fmoc基を20%ピペ ジン/DMF溶液(2mL)で15分間処理し脱保護した なお、本脱保護処理は10分間行うこともでき る。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長 は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を 縮合させた。

 Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(1mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。なお、DMFは2mL することもできる。25℃で1時間攪拌した後 Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処 し脱保護した。なお、本脱保護処理は10分間 行うこともできる。この操作を繰り返し、ア ミノ酸を順次縮合させた。Fmoc基で保護した ミノ酸にはFmoc-Gly(148.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Cys(Trt) (292.9mg、0.50mmol)、Fmoc-Ala(155.7mg、0.50mmol)を用い 、固相樹脂にFmoc-Ala-Cys(Trt)-Gly-Leuの保護基を する4残基ペプチド(配列番号1)を得た。その 、樹脂上で、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2 mL)で20分間処理して脱保護し、20%無水酢酸/DMF 溶液(2mL)を用いて、遊離アミノ基に対し、ア チル保護を行った。なお、20%無水酢酸/DMF溶 液は1.7mLとすることもできる。DMF,DCMを用いて 洗浄した後に、予め用意した試薬(TFA/水/フェ ノール/チオアニソール/EDT(1,2-エタンジチオ ル)/TIPS=81.5/5/5/5/2.5/1)を樹脂が十分に浸る程 に加え、2時間25℃で攪拌した。樹脂をろ過 て除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得 れた残渣をHPLC(Vydac column  C8 250×10mm 展開 媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル: =90:10 グラジエントA:B=85:15->50:50 60分 流 3.0ml/min)で精製し、Ac-Ala-Cys-Gly-Leuの保護基を 有する4残基ペプチド(配列番号2)を得た。

 得られた4残基のペプチド(配列番号2)30mg(73μ mol)をナスフラスコにいれ、0.25M トリス塩酸 衝溶液73mL(pH8.6、6M グアニジン塩酸液、3.3mM  EDTA含有)とアセトニトリル24mLに溶解させた 、25℃にてメチル-4-ニトロベンゼンスルホ ート(316mg)を加えた。30分後、10%TFA溶液(7.3mL) え、pH4にした後、ジエチルエーテルを加え 出操作を行った。濃縮後、得られた残渣をO DSカラムにて精製を行いAc-Ala-Cys(Me)-Gly-Leuのシ ステイン残基の硫黄原子がメチル化された保 護基を有する4残基ペプチド(配列番号3)を25mg た。
ESI-MS:Calcd for C 17 H 30 N 4 O 6 S:[M+1H] 1+  419.2、found、419.1

 得られたシステイン残基の硫黄原子がメチ 化された4残基ペプチド(配列番号3)6.5mg(15μmo l)をエッペンチューブに入れ、80%蟻酸溶液(6.5 mL)に溶解させた後、25℃にて臭化シアン159.0mg (1.5mmol)を加えた。反応容器を遮光した後、37 にて反応を行い、28.5時間後、反応溶液を凍 らせ反応を停止させた。このものを凍結乾燥 後、得られた残渣をHPLC(Vydac column  C4 250×4. 6mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセト トリル:水=90:10 グラジエントA:B=100:0->60:40 30分 流速1.0ml/min)にて精製を行い、反応中間 体であるエステル体を3.8mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 16 H 28 N 4 O 7 :[M+1H] 1+  389.4、found、389.2

 同様にして得られた反応中間体5mgをエッペ チューブにいれ、リン酸緩衝溶液(pH7.2、6M  グアニジン塩酸含有)0.6mLにて溶解させた後、 37℃にて反応させた。1時間後、反応が終了し ていることをHPLCで確認後、HPLC(Vydac column  C 4 250×4.6mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA  セトニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=100:0- >60:40 30分 流速1.0ml/min)にて精製を行い、 的とする保護基を有する4残基ペプチドAc-Ala- Ser-Gly-Leu(配列番号4)を3.5mg得た。なお、反応 了は30分後とすることもできる。
ESI-MS:Calcd for C 16 H 28 N 4 O 7 :[M+1H] 1+  389.4、found、389.1

  実施例2 Val-Asp-Lys-Ala-Val-Ser-Gly-Leu 製造
 固相合成用カラムにWang resin(メルク社製)(10 0μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に 洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた。Fmoc-Leu( 0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイミダゾー (0.375mmol)をDCM(2mL)に溶解させて、固相合成用 ラムに入れ、25℃にて1時間攪拌した。なお DCMは1.5mLとすることもできる。攪拌後、樹 をDCM及びDMFで十分に洗浄し、Fmoc基を20%ピペ ジン/DMF溶液(2mL)で15分間処理し脱保護した なお、本脱保護処理は10分間行うこともでき る。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長 は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を 縮合させた。

 Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(1mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。なお、DMFは2mL することもできる。25℃で1時間撹拌した後 Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処 し脱保護した。なお、本脱保護処理は10分間 行うこともできる。この操作を繰り返し、ア ミノ酸を順次縮合させた。Fmoc基で保護した ミノ酸にはFmoc-Gly(148.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Cys(Trt) (292.9mg、0.50mmol)、Fmoc-Val(169.7mg、0.50mmol)、Fmoc-A la(155.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Lys(Boc)(234.3mg、0.50mmol) Fmoc-Asp(OtBu)(205.8mg、0.50mmol)、Fmoc-Val(169.7mg、0.5 0mmol)を用い、固相樹脂にFmoc-Val-Asp(OtBu)―Lys(Bo c)-Ala-Val-Cys(Trt)-Gly-Leuの保護基を有する8残基 プチド(配列番号5)を得た。その後、樹脂上 、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間 理し脱保護し、DMF,DCMを用いて洗浄した後に 予め用意した試薬K(TFA/水/フェノール/チオ ニソール/EDT=82.5/5/5/5/2.5)を樹脂が十分に浸る 程度に加え、2時間25℃で攪拌した。なお、試 薬Kの代わりに、TFA/水/フェノール/チオアニ ール/EDT/TIPS=81.5/5/5/5/2.5/1.0を用いることもで る。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧 で濃縮した。得られた残渣をHPLC(Vydac column  C18 250×10mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TF A アセトニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=85 :15->50:50 15分 流速2.5ml/min)で精製し、8残基 のペプチド、Val-Asp-Lys-Ala-Val-Cys-Gly-Leu(配列番 6)を得た。

 得られた8残基のペプチド(配列番号6)32mg(40μ mol)をナスフラスコにいれ、0.25M トリス塩酸 衝溶液40mL(pH8.6、6M グアニジン塩酸液、3.3mM  EDTA含有)とアセトニトリル13mLに溶解させた 、25℃にてメチル-4-ニトロベンゼンスルホ ート(261mg)を加えた。1時間後、10%TFA溶液(3.8mL )を加え、pH4にした後、ジエチルエーテルを え抽出操作を行った。濃縮後、得られた残 をODSカラムにて精製を行い、Val-Asp-Lys-Ala-Val- Cys(Me)-Gly-Leuのシステイン残基の硫黄原子がメ チル化された8残基ペプチド(配列番号7)を30mg た。
ESI-MS:Calcd for C 35 H 64 N 9 O 11 S:[M+1H] 1+  819.0、found、818.8

 得られたシステイン残基の硫黄原子がメチ 化された8残基ペプチド(配列番号7)29mg(36μmol )をナスフラスコに入れ、80%蟻酸溶液15mLにて 解させた後、25℃にて臭化シアン381mg(3.6mmol) を加えた。反応容器を遮光した後、25℃で反 を行い、32時間後、反応溶液を凍らせ反応 停止させた。このものを凍結乾燥後、得ら た残渣をHPLC(Vydac column  C8 250×10mm 展開溶 A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水= 90:10 グラジエントA:B=90:10->70:30 60分 流速4 .0ml/min)にて精製を行い、反応中間体であるエ ステル体を18mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 34 H 62 N 9 O 12 :[M+1H] 1+  788.9、found、788.5

 得られた反応中間体5mgをエッペンチューブ いれ、リン酸緩衝溶液(pH7.2、6M グアニジン 塩酸含有)0.63mLで溶解させた後、37℃にて反応 させた。9.25時間後、反応が終了しているこ を確認後、HPLC(Vydac column  C4 250×4.6mm 展開 溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル: 水=90:10 グラジエントA:B=100:0->40:60 30分 流 速1.0ml/min)にて精製を行い、目的とする8残基 プチドVal-Asp-Lys-Ala-Val-Ser-Gly-Leu(配列番号8)を 4.1mg得た。なお、反応終了は7.25時間後とする こともできる。
ESI-MS:Calcd for C 34 H 62 N 9 O 12 :[M+1H] 1+  788.9、found、788.7

  実施例3 Leu-Phe-Arg-Val-Tyr-Ser-Asn-Phe-L eu-Arg-Glyの製造
 固相合成用カラムにWang resin(メルク社製)(10 0μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に 洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた。Fmoc-Gly( 0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイミダゾー (0.375mmol)をDCM(2mL)に溶解させて、固相合成用 ラムに入れ、25℃にて1時間攪拌した。なお DCMは1.5mLとすることもできる。攪拌後、樹 をDCM及びDMFで十分に洗浄し、Fmoc基を20%ピペ ジン/DMF溶液(2mL)で15分間処理し脱保護した なお、本脱保護処理は10分間行うこともでき る。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長 は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を 縮合させた。

 Fmoc基でアミノ酸を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(1mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。25℃で1時間撹 した後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で2 0分間処理し脱保護した。なお、本脱保護処 は10分間行うこともできる。この操作を繰り 返し、アミノ酸を順次縮合させた。Fmoc基で 護したアミノ酸にはFmoc-Arg(Pbf)(324.4mg、0.50mmol )、Fmoc-Leu(176.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Phe(193.7mg、0.50mm ol)、Fmoc-Asn(177.2mg、0.50mmol)、Fmoc-Cys(Trt)(292.9mg 0.50mmol)、Fmoc-Tyr(tBu)(229.8mg、0.50mmol)、Fmoc-Val(16 9.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Arg(Pbf)(324.4mg、0.50mmol)、Fmoc -Phe(193.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Leu(176.7mg、0.50mmol)を い、固相樹脂にFmoc-Leu-Phe-Arg(Pbf)-Val-Tyr(tBu)-Cys (Trt)-Asn-Phe-Leu-Arg(Pbf)-Glyの保護基を有する11残 ペプチド(配列番号9)を得た。その後、樹脂 で、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液2mLで20分間 処理し脱保護した。なお、本脱保護処理は10 間行うこともできる。DMF,DCMを用いて洗浄し た後に、予め用意した試薬K(TFA/水/フェノー /チオアニソール/EDT=82.5/5/5/5/2.5)を樹脂が十 に浸る程度に加え、2時間25℃で攪拌した。 お、試薬Kの代わりに、TFA/水/フェノール/チ アニソール/EDT/TIPS=81.5/5/5/5/2.5/1.0を用いるこ ともできる。樹脂をろ過して除き、反応溶液 を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC(Vyda c column  C18 250×10mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水=90:10 グラジエ トA:B=70:30->40:60 15分 流速2.0ml/min)で精製し 、Leu-Phe-Arg-Val-Tyr-Cys-Asn-Phe-Leu-Arg-Glyの11残基の ペプチド(配列番号10)を得た。

 得られた11残基のペプチド(配列番号10)21mg(15 μmol)をナスフラスコにいれ、0.25M トリス塩 緩衝溶液15mL(pH8.6、6M グアニジン塩酸液、3.3 mM EDTA含有)とアセトニトリル(5mL)に溶解させ 後、25℃にてメチル-4-ニトロベンゼンスル ネート(66mg)を加えた。30分間後、10%TFA溶液(1. 5mL)加え、pH4にした後、ジエチルエーテルを え抽出操作を行った。濃縮後、得られた残 をODSカラムにて精製を行い、Leu-Phe-Arg-Val-Tyr- Cys(Me)-Asn-Phe-Leu-Arg-Glyのシステイン残基の硫黄 原子がメチル化された11残基ペプチド(配列番 号11)を19mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 66 H 100 N 18 O 14 S:[M+2H] 2+  701.4、found、701.5

 得られたシステイン残基の硫黄原子がメチ 化された11残基ペプチド(配列番号11)18mg(13μm ol)をナスフラスコに入れ、2.4mM 80%蟻酸溶液5. 4mLで溶解させた後、25℃にて臭化シアン136mg(1 .3mmol)を加えた。反応容器を遮光した後、25℃ にて反応を行い、約50時間後、反応溶液を凍 せ反応を停止させた。このものを凍結乾燥 、得られた残渣をHPLC(Vydac column  C8 250×10m m 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニ リル:水=90:10 グラジエントA:B=85:15->50:50 6 0分 流速3.0ml/min)にて精製を行い、反応中間 であるエステル体を7.5mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 65 H 100 N 18 O 15 :[M+2H] 2+  686.4、found、686.5

 得られた反応中間体7mgをエッペンチューブ いれ、りん酸緩衝溶液(pH7.2、6M グアニジン 塩酸含有)0.50mLで溶解させた後、37℃にて反応 させた。1時間後、反応が終了していること 確認後、HPLC(Vydac column  C4 250×4.6mm 展開溶 媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水 =90:10 グラジエントA:B=80:20->40:60 30分 流速 1.0ml/min)にて精製を行い、目的とするLeu-Phe-Arg -Val-Tyr-Ser-Asn-Phe-Leu-Arg-Glyの11残基ペプチド(配 番号12)を5.4mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 65 H 100 N 18 O 15 :[M+2H] 2+  686.4、found、686.4

  実施例4 Ala-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosacchari de chain)-Ser-Ser-Gln-Pro-Trp-Glu-Pro-Leu-Gln-Leu-His-Val-A sp-Lys-Alaの製造
 固相合成用カラムにAmino-PEGA resin(メルク社 )(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十 分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4- ドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ酪酸( HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN-エチルモルホ ン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入 、25℃で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで 分に洗浄し、HMPB-PEGA resinを得、これを固相 成用の固相担体として用いた。

 Fmoc-Ser(tBu)(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチル ミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、 固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌し た。なお、DCMは2.5mLとすることもできる。攪 後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄し、Fmoc基を 20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)で15分間処理し脱保 した。なお、本脱保護処理は10分間行うこ もできる。
 DMFで洗浄後、1残基のペプチド2μmol相当の樹 脂をエッペンチューブに移した。下記式(9)で 表される糖鎖アスパラギン(10mg,3.6μmol)とDEPBT( 2mg,6μmol)をDMF(0.12mL)に溶解させ、エッペンチ ーブに入れ、DIPEA(0.68μl,4μmol)を加えて25℃で 18時間攪拌した。

 攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(1ml)で15分間処 し脱保護した。DMFで洗浄後、その後の糖ペ チド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、 次アミノ酸を縮合させた。

 Fmoc基でアミノ酸を保護したアミノ酸とHOB t(1.35mg、0.01mmol)、DIPCI(1.53μL、1.26mg、0.01mmol)を DMF(0.02mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。25℃で1時間撹 した後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(1mL)で2 0分間処理し脱保護した。この操作を繰り返 、アミノ酸を順次縮合させた。アミノ基を 護したアミノ酸にはFmoc-Val(3.4mg、0.01mmol)、Fmo c-Leu(3.5mg、0.01mmol)、Fmoc-Leu(3.5mg、0.01mmol)、Fmoc- Ala(3.1mg、0.01mmol)を用い、固相樹脂にFmoc-Ala-Leu -Leu-Val-Asn(Oligosaccharide chain)-Ser(tBu)の保護基を 有する6残基糖付加ペプチド(配列番号13)を得 。このものを、酢酸:トリフルオロエタノー ル(=1:1)を樹脂が十分に浸る程度に加え、4時 後、樹脂をろ過して除き、ろ液部分を別途 意したジエチルエーテルに加え晶析を行い 溶液部分をメンブレンフィルターで除くこ で、保護基を有する6残基の糖鎖付加ペプチ (配列番号13)を含む残渣が得られた。

 得られた保護基を有する6残基の糖鎖付加 ペプチド(配列番号13)2mg(0.55μmol)とモレキュラ ーシーブ(MS)4A(10mg)、ベンジルメルカプタン(2 l,16.4μmol)をDMF溶媒中(85μl)アルゴン気流下-20 で1時間攪拌した後、PyBOP(1.4mg,2.7μmol)、DIPEA( 0.46μl,2.7μmol)を加え2.5時間攪拌した。その後 反応溶液にジエチルエーテル(5ml)を加え化 物を沈殿させ、ろ過した後に沈殿物をアセ ニトリル50%水溶液で回収した。これを凍結 燥し、得られた凍結乾燥品に95%TFA水溶液を えて25℃で2時間攪拌した。樹脂をろ過して き、反応溶液を濃縮した後に、50%アセトニ リル水溶液に溶かして凍結乾燥した。凍結 燥品をHPLC(Vydac column  C4 250×4.6mm 展開溶媒 A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水=90 :10 グラジエントA:B=80:20->40:60 60分 流速1.0 ml/min)で精製して、C末端がベンジルチオエス ルであるAla-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosaccharide chain)-Se r-SBnの6残基の糖鎖付加ペプチド(配列番号15) 得た。

 なお、エッペンチューブ内での糖鎖アスパ ギンとの反応から配列番号15の6残基の糖鎖 加ペプチドを得る上記の工程として、以下 手法を用いることも可能であった:
DMFで洗浄後、1残基のペプチド4.3μmol相当の樹 脂をエッペンチューブに移した。式(9)で表さ れる糖鎖アスパラギン(17mg,8.6μmol)とDEPBT(6mg,8. 6μmol)をDMF:DMSO=4:1、0.29mLに溶解させ、エッペ チューブに入れ、DIPEA(1.5μl,8.6μmol)を加えて2 5℃で18時間攪拌した。

 攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(1ml)で10分間処 し脱保護した。DMFで洗浄後、その後の糖ペ チド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、 次アミノ酸を縮合させた。

 Fmoc基でアミノ酸を保護したアミノ酸とHOB t(2.9mg、0.022mmol)、DIPCI(3.3μL、0.022mmol)、をDMF(0. 54mL)に溶解させ、15分間活性化させた後、固 合成用カラムに入れた。25℃で1時間撹拌し 後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(1mL)で20分 処理し脱保護した。この操作を繰り返し、 ミノ酸を順次縮合させた。アミノ基を保護 たアミノ酸にはFmoc-Val(7.3mg、0.022mmol)、Fmoc-Leu (7.6mg、0.022mmol)、Fmoc-Leu(7.6mg、0.022mmol)、Boc-Ala( 4.0mg、0.022mmol)を用い、固相樹脂にBoc-Ala-Leu-Leu -Val-Asn(Oligosaccharide chain)-Ser(tBu)の保護基を有 る6残基糖付加ペプチド(配列番号14)を得た このものを、酢酸:トリフルオロエタノール( =1:1)を樹脂が十分に浸る程度に加え、24時間 、樹脂をろ過して除き、ろ液部分を別途用 したジエチルエーテルに加え晶析を行い、 液部分をメンブレンフィルターで除くこと 、保護基を有する6残基の糖鎖付加ペプチド( 配列番号14)を含む残渣が得られた。

 得られた保護基を有する6残基の糖鎖付加 ペプチド(配列番号14)18mg(7.5μmol)とモレキュラ ーシーブ(MS)4A(190mg)、ベンジルメルカプタン(2 6μl,37.5μmol)をDMF溶媒中(1.9mL)アルゴン気流下-2 0℃で1時間攪拌した後、PyBOP(20mg,37.5μmol)、DIPE A(6.7μl,37.5μmol)を加え2時間攪拌した。その後 反応溶液にジエチルエーテル(10ml)を加え化 物を沈殿させ、ろ過した後に沈殿物をDMFで 解した。これを減圧下に濃縮し、得られた 渣に95%TFA水溶液を加えて25℃で2時間攪拌し 。反応液を濃縮後、HPLC(Vydac column  C4 250× 4.6mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセト ニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=100:0->40:6 0 60分 流速1.0ml/min)で精製して、C末端がベン ジルチオエステルであるAla-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosa ccharide chain)-Ser-SBnの6残基の糖鎖付加ペプチ (配列番号15)を得た。

 一方、固相合成用カラムにWang resin(メル 社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMF で十分に洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた 。Fmoc-Ala(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイ ダゾール(0.375mmol)をDCM(2mL)に溶解させて、固 合成用カラムに入れ、25℃にて1時間攪拌し 。なお、DCMは1.5mLとすることもできる。攪 後、樹脂をDCM及びDMFで十分に洗浄し、Fmoc基 20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で15分間処理し脱 護した。なお、本脱保護処理は10分間行うこ ともできる。DMFで洗浄後、その後のペプチド 鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次ア ミノ酸を縮合させた。

 Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(1mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。なお、DMFは2mL することもできる。25℃で1時間撹拌した後 Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処 し脱保護した。この操作を繰り返し、アミ 酸を順次縮合させた。Fmoc基で保護したアミ 酸にはFmoc-Lys(Boc)(234.3mg、0.50mmol)、Fmoc-Asp(OtBu )(205.8mg、0.50mmol)、Fmoc-Val(169.7mg、0.50mmol)、Fmoc- His(Trt)(309.9mg、0.50mmol)、Fmoc-Leu(176.7mg、0.50mmol) Fmoc-Gln(184.2mg、0.50mmol)、Fmoc-Leu(176.7mg、0.50mmol )、Fmoc-Pro(168.7mg、0.50mmol)、Fmoc-Glu(OtBu)(212.8mg、 0.50mmol)、Fmoc-Trp(Boc)(263.3mg、0.50mmol)、Fmoc-Pro(168 .7mg、0.50mmol)、Fmoc-Gln(184.2mg、0.50mmol)、Fmoc-Cys(T rt)(292.9mg、0.50mmol)を用い、固相樹脂にFmoc-Cys(T rt)-Gln―Pro-Trp(Boc)-Glu(OtBu)-Pro-Leu-Gln-Leu-His(Trt)― Val-Asp(OtBu)-Lys(Boc)-Alaの保護基を有する14残基 プチド(配列番号16)を得た。その後、Fmoc基を 20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処理し脱保 し、DMF,DCMを用いて洗浄した後に、予め用意 した試薬K(TFA/水/フェノール/チオアニソール/ EDT=82.5/5/5/5/2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加 、2時間25℃で攪拌した。なお、試薬Kの代わ に、TFA/水/フェノール/チオアニソール/EDT/TI PS=81.5/5/5/5/2.5/1.0を用いることもできる。樹脂 をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮し た。得られた残渣をHPLC(Vydac column  C8 250×10 mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニ トリル:水=90:10 グラジエントA:B=80:20->40:60  30分 流速4.0ml/min)で精製し、Cys-Gln―Pro-Trp-Glu- Pro-Leu-Gln-Leu-His―Val-Asp-Lys-Alaの14残基ペプチド (配列番号17)を得た。

 このようにして調製した14残基ペプチド( 列番号17)1.1mgと先に合成したC末端がベンジ チオエステルである6残基の糖付加ペプチド (配列番号15)1.3mgとの二種類を同じエッペンチ ューブにいれ、リン酸緩衝溶液(pH7.2、6M グ ニジン塩酸含有)275μLに溶解させた後、25℃ てチオフェノール(1μL)とベンジルメルカプ ン(1μL)を加え、37℃で反応を行った。26時間 、反応終了をHPLCで確認した後、反応溶液を HPLC(Vydac column  C18 250×4.6mm 展開溶媒A:0.1%TFA 水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水=90:10 グ ジエントA:B=80:20->50:50 60分 流速1.0ml/min) て精製を行い、Ala-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosaccharide c hain)-Ser-Cys-Gln-Pro-Trp-Glu-Pro-Leu-Gln-Leu-His-Val-Asp-Ly s-Alaの20残基糖鎖付加ペプチド(配列番号18)を1 .5mg得た。

 得られた20残基糖鎖付加ペプチド(配列番号1 8)1.5mg(0.39μmol)をナスフラスコにいれ、0.25M  リス塩酸緩衝溶液0.39mL(pH8.6、6M グアニジン 酸液、3.3mM EDTA含有)とアセトニトリル0.13mL 溶解させた後、25℃にてメチル-4-ニトロベ ゼンスルホネート(1.7mg)を加えた。40分間後 10%TFA溶液(1.5mL)加え、pH4にした後、ジエチル ーテルを加え抽出操作を行った。水層を濃 後、得られた残渣をHPLC(Vydac column  C4 250× 4.6mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセト ニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=80:20->55:4 5 60分 流速1.0ml/min)にて精製を行い(なお、精 製には上記C4カラムの代わりにC18カラムを用 ることもできる)、Ala-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosacchari de chain)-Ser-Cys(Me)-Gln-Pro-Trp-Glu-Pro-Leu-Gln-Leu-His-V al-Asp-Lys-Alaのシステイン残基の硫黄原子がメ ル化された20残基の糖鎖付加ペプチド(配列 号19)を1.6mg得た。
ESI-MS:Calcd for C 165 H 265 N 31 O 74 S:[M+2H] 2+  1300.7、found、1300.4

 得られたシステイン残基の硫黄原子がメ ル化された20残基糖鎖付加ペプチド(配列番 19)1.6mg(0.4μmol)をエッペンチューブに入れ、8 0%蟻酸溶液0.4mLにて溶解させた後、25℃にて臭 化シアン4.3mg(0.04mmol)を加えた。反応容器を遮 光した後、37℃にて反応を行い、35時間後、 応溶液を凍らせ反応を停止させた。このも を凍結乾燥後、得られた残渣に5%ヒドラジン 含水和物(200μL)加え反応系内をpH10~11にした。 5分後、酢酸(5μL)を加え反応系内をpH8~9にした 。このものをHPLC(Vydac column  C4 250×4.6mm 展 溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリ :水=90:10 グラジエントA:B=80:20->50:50 30分  速1.0ml/min)にて精製を行い、目的とする糖ペ プチドAla-Leu-Leu-Val-Asn(Oligosaccharide chain)-Ser-Ser -Gln-Pro-Trp-Glu-Pro-Leu-Gln-Leu-His-Val-Asp-Lys-Alaの20残 基の糖鎖付加ペプチド(配列番号20)を0.7mg得た 。

 なお、臭化シアンとの反応後、34時間後、 応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に5% ヒドラジン含水和物(200μL)加え10分間撹拌し 後、反応液に酢酸5μLを加え、HPLCで精製を行 っても、同様に20残基の糖鎖付加ペプチド(配 列番号20)を得ることができた。
ESI-MS:Calcd for C 164 H 263 N 31 O 75 :[M+2H] 2+  1290.6、found、1290.7

  実施例5 Ac-Gly-Ser-Gly-Met-Alaの製造
 固相合成用カラムにWang resin(メルク社製)(10 0μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に 洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた。Fmoc-Ala( 0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイミダゾー (0.375mmol)をDCM(1.5mL)に溶解させて、固相合成 カラムに入れ、25℃にて2時間攪拌した。攪 後、樹脂をDCM及びDMFで十分に洗浄し、Fmoc基 20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で15分間処理し脱 護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖 伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミ 酸を縮合させた。

 Fmoc基でアミノ酸を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(2mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。25℃で1時間撹 した後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で1 0分間処理し脱保護した。この操作を繰り返 、アミノ酸を順次縮合させた。Fmoc基で保護 たアミノ酸にはFmoc-Met(O)(193.8mg、0.50mmol)、Fmo c-Gly(148.9mg、0.50mmol)、Fmoc-Cys(Trt)(292.9mg、0.50mmol )、Fmoc-Gly(148.9mg、0.50mmol)を用い、固相樹脂上 Fmoc-Gly-Cys(Trt)-Gly-Met(O)-Alaの保護基を有する5 基ペプチド(配列番号21)を得た。その後、樹 脂上で、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で10 分間処理して脱保護し、20%無水酢酸/DMF溶液(1 .25mL)を用いて、遊離アミノ基に対し、アセチ ル保護を行った。DMF,DCMを用いて洗浄した後 、予め用意した試薬(TFA/水/TIPS=95/2.5/2.5)を樹 が十分に浸る程度に加え、2時間25℃で攪拌 た。樹脂をろ過して除き、ろ液にジエチル ーテル20mLを加え沈殿させた。沈殿をろ過し た後、0.1%TFA水溶液にて溶解させた。このも を減圧下に濃縮した後、凍結乾燥を行い、Ac -Gly-Cys-Gly-Met(O)-Alaである4位のメチオニンの硫 黄原子が酸化された5残基ペプチド(配列番号2 2)を含む混合物を得た。

 得られた4位のメチオニンの硫黄原子が酸 化された5残基ペプチド(配列番号22)混合物5mg ナスフラスコにいれ、0.25M トリス塩酸緩衝 溶液(pH8.6、6M グアニジン塩酸液、3.3mM EDTA含 有)10mLで溶解した。このものに2-メルカプト タノール(7μL)を加え10分間撹拌を行った後、 反応液にメチル-4-ニトロベンゼンスルホネー ト(66mg)を含有するアセトニトリル溶液3.3mLを えた。25分後、10%TFA溶液(1.0mL)加え、中和し 後、ジエチルエーテルを加え抽出操作を3回 行った。水層を減圧下に濃縮後、得られた残 渣をHPLC(Vydac column  C-18 250×10mm、 展開溶媒 A:0.1%TFA水溶液 B:0.09%TFA アセトニトリル:水=90 :10、 グラジエントA:B=100:0→100:0→60:40、 0分 →5分→35分 流速4.0mL/min)で精製し、Ac-Gly-Cys(M e)-Gly-Met(O)-Alaである2位のシステイン残基の硫 黄原子がメチル化、4位のメチオニン残基が 化された5残基ペプチド(配列番号23)を4mg得た 。

 得られた2位のシステイン残基の硫黄原子 がメチル化、4位のメチオニン残基が酸化さ た5残基ペプチド(配列番号23)3.8mgをエッペン ューブに入れ、80%蟻酸溶液3.1mLに溶解させ 後、臭化シアン79.0mgを加え遮光した後、ア ゴン置換下、37℃にて39時間撹拌した。反応 、減圧濃縮を行い、反応中間体であるエス ル体を含む残渣を得た。

 得られた残渣をエッペンチューブにいれ、p H7.2のリン酸ナトリウム緩衝溶液1.25mL(6Mグア ジン塩酸含有)にて溶解させた後、45分間撹 した。その後、反応液に、トリフルオロ酢 3.6mL、ヨウ化アンモニウム22mg、ジメチルス フィド11μLを加え、室温にて撹拌した。30分 、反応液に水10mLを加えた後、四塩化炭素に て分液洗浄を行った。水層を減圧下に濃縮し 、得られた残渣をHPLC(Vydac column  C18 250×4.6m m、 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.09%TFA アセト トリル:水=90:10、 グラジエントA:B=100:0→100: 0→60:40、 0分→5分→65分 流速1.0mL/min)にて精 製を行い、目的とするAc―Gly-Ser-Gly-Met-Alaの保 護基を有する5残基ペプチド(配列番号24)を2.6m g得た。
ESI-MS:Calcd for C 16 H 28 N 4 O 7 :[M+1H] 1+  464.2、found、464.5

  実施例6 Ser-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-H is-Gly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Gly-Ser-T hr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-T hr-Arg-Pro-Ala-Pro-Glyの製造
 固相合成用カラムにAmino-PEGA resin(メルク社 )(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十 分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4- ドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ酪酸( HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN-エチルモルホ ン(0.25mmol)をDMF(2mL)に溶解させてカラムに入 、25℃で2時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで 分に洗浄し、HMPB-PEGA resinを得、これを固相 成用の固相担体として用いた。

 Fmoc-Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイ ミダゾール(0.375mmol)をDCM(4.5mL)に溶解させて、 固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌し た。攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄し、 Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で10分間処理 し脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチ ド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次 アミノ酸を縮合させた。

 Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸とHOB t(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、 をDMF(4mL)に溶解させ、15分間活性化させた後 固相合成用カラムに入れた。25℃で1時間撹 した後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で1 0分間処理し脱保護した。この操作を繰り返 、アミノ酸を順次縮合させた。Fmoc基で保護 たアミノ酸にはFmoc-Pro、Fmoc-Ala、Fmoc-Pro、Fmoc -Arg(Pbf)、Fmoc-Thr(tBu)、Fmoc-Asp(OtBu)、Fmoc-Pro、Fmoc -Ala、Fmoc-Ser(tBu)、Fmoc-Thr(tBu)、Fmoc-Val、Fmoc-Gly Fmoc-His(Trt)、Fmoc-Ala、Fmoc-Pro、Fmoc-Pro、Fmoc-Ala 用い、固相樹脂上にFmoc-Ala-Pro-Pro-Ala-His(Trt)-Gl y-Val-Thr(tBu)-Ser(tBu)-Ala-Pro-Asp(OtBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)- Pro-Ala-Pro-Glyの保護基を有する18残基ペプチド( 配列番号25)を得た。

 この保護基を有する18残基ペプチド(配列 号25)を、樹脂上で、Fmoc基を20%ピペリジン/DM F溶液(2mL)で10分間処理して脱保護した。DMF,DCM を用いて洗浄した後にFmoc-Thr(GalNAc)(0.20mmol)、H OBt(0.50mmol)、DIPCI(0.50mmol)、をDMF(3.6mL)に溶解さ 、15分間活性化させたものを加えた。5時間 応後、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20 間処理し脱保護し、固相樹脂上にThr(GalNAc)-A la-Pro-Pro-Ala-His(Trt)-Gly-Val-Thr(tBu)-Ser(tBu)-Ala-Pro-As p(OtBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Pro-Ala-Pro-Glyの保護基を有 る19残基糖付加ペプチド(配列番号26)を得た

 得られた固相樹脂上の保護基を有する19 基糖付加ペプチド(配列番号26)の0.02mmol相当 別途固相合成用カラムにとり、Boc-Ser(tBu)(0.1m mol)、DIPCI(0.1mmol)、HOBt(0.1mmol)をDMF0.5mLに溶解さ せ、15分間活性化させたものを加え1時間反応 を行った。反応液をろ過後、酢酸:トリフル ロエタノール=1:1を樹脂が十分に浸る程度に え、14時間後、樹脂をろ過して除き、ろ液 減圧下に濃縮し、Boc-Ser(tBu)-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pr o-Ala-His(Trt)-Gly-Val-Thr(tBu)-Ser(tBu)-Ala-Pro-Asp(OtBu)-T hr(tBu)-Arg(Pbf)-Pro-Ala-Pro-Glyの保護基を有する20 基糖付加ペプチド(配列番号27)を含む残渣が られた。

 得られた20残基の保護基を有する糖付加 プチド(配列番号27)75mg(35μmol)とベンジルメル カプタン123μl(105μmol)をDMF3.5mlに加え、アルゴ ン気流下-20℃で1時間攪拌した後、PyBOP(91mg,175 μmol)、DIPEA(30μl,175μmol)を加え2.5時間攪拌した 。反応液にジエチルエーテルを加え、結晶を 沈殿させた後、ろ過、得られた残渣にTFA/水/T IPS=95/2.5/2.5を樹脂が十分に浸る程度に加え、2 時間25℃で攪拌した。樹脂をろ過して除いた 、ろ液を濃縮し残渣を回収した。得られた 渣を、HPLC(Vydac column  C8 250×10mm 展開溶媒 A:0.1%TFA水溶液 B:0.09%TFA アセトニトリル:水=90 :10 グラジエントA:B=90:10->60:40 30分 流速4.0 mL/min)で精製して、C末端がベンジルチオエス ルである、Ser-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val -Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Gly-SBnの20残基 付加ペプチド(配列番号28)を得た。

 一方、先に得られた固相樹脂上の19残基 保護基を有する糖付加ペプチド(配列番号26) 0.02mmol相当を別途固相合成用カラムにとり Boc-Thia(0.04mmol)、DIPCI(0.1mmol)、HOBt(0.1mmol)をDMF1. 5mLに溶解させ、15分間活性化させたものを加 20分間反応を行った。反応液をろ過後、試 (TFA/水/TIPS=95/2.5/2.5)を樹脂が十分に浸る程度 加え、2時間25℃で攪拌した。樹脂をろ過し 除いた後、ろ液を濃縮した。得られた残渣 、0.2Mメトキシアミン及び0.1Mリン酸ナトリ ム緩衝液(pH4、6M塩酸グアニジン含有)2.1mlに 解させ、N末端のチアゾリンを開環した後、H PLC(Vydac column  C8 250×10mm 展開溶媒A:0.1%TFA水 溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水=90:10 グラ エントA:B=90:10->60:40 30分 流速4.0mL/min)で 製して、Cys-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr -Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Glyの20残基の糖付 加ペプチド(配列番号29)を得た。

 このようにして得られた、20残基の糖付 ペプチド(配列番号29)13mgと先に得られたC末 がベンジルチオエステルである20残基のペプ チド(配列番号28)12mgを、リン酸緩衝溶液(pH7.2 6M グアニジン塩酸含有)2.9mLに溶解させ、こ のものに4-メルカプトフェニル酢酸30mg、トリ ス(2-カルボキシエチル)ホスフィン17mgを加え 3時間反応させた。反応液を、HPLC(Vydac column   C8 250×10mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.09%TF A アセトニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=90 :10→60:40 30分 流速4.0mL/min)で精製して、Ser-Th r(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Th r-Arg-Pro-Ala-Pro-Gly-Cys-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gl y-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Glyの40残基 糖付加ペプチド(配列番号30)を18mg得た。

 得られた40残基の糖付加ペプチド(配列番 30)16mgをナスフラスコにいれ、0.25M トリス 酸緩衝溶液(pH8.6、6M グアニジン塩酸液、3.3m M EDTA含有)3.8mLで溶解した。このものに2-メル カプトエタノール(3μL)を加え10分間撹拌を行 た後、メチル-4-ニトロベンゼンスルホネー 25mgを含有したアセトニトリル1.27mLを加えた 。25分後、10%TFA溶液0.45mL加え、中和した後、 エチルエーテル2mLを加え分液洗浄を3回行っ た。水層を減圧下に濃縮後、得られた残渣を HPLC(Vydac column  C-4 250×4.6mm、 展開溶媒A:0.1% TFA水溶液 B:0.08%TFA アセトニトリル:水=90:10、  グラジエントA:B=100:0→100:0→90:10→60:40、 0 →10分→40分 流速1.2ml/min)で精製し、Ser-Thr(G alNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-A rg-Pro-Ala-Pro-Gly-Cys(Me)-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-G ly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Glyの21位 システイン残基の硫黄原子がメチル化され 40残基糖付加ペプチド(配列番号31)を含む混 物を13mg得た。

 得られた21位のシステイン残基の硫黄原子 メチル化された40残基糖付加ペプチド(配列 号31)を含む混合物12mgをナスフラスコに入れ 80%蟻酸水溶液2.9mLにて溶解させた後、25℃に て臭化シアン152mgを加えた。反応容器を遮光 た後、37℃にて反応を行い、36時間後、反応 溶液を減圧下に濃縮した。残渣をトリフルオ ロ酢酸2.9mLに溶解させ、ヨウ化アンモニウム2 .4mg、ジメチルスルフィド24μLを加え、室温下 に30分反応させた。30分後、反応系に水6mLを えた後、四塩化炭素にて分液洗浄を行った 水層を、減圧下に濃縮後、残渣を5%ヒドラジ ン水溶液1.4mLに溶解させ、10分間室温にて反 させた。10分後、反応液に酢酸0.14mLを加えた 後、HPLC(Vydac column  C-4 250×4.6mm、 展開溶媒 A:50mM AcONH4水溶液 B:アセトニトリル、 グラ エントA:B=90:10→70:30、60分 流速1.0mL/min)で精 製し、Ser-Thr(GalNAc)-Ala-Pro-Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr-Ser -Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro-Gly-Ser-Thr(GalNAc)-Ala-Pro -Pro-Ala-His-Gly-Val-Thr-Ser-Ala-Pro-Asp-Thr-Arg-Pro-Ala-Pro -Glyの目的とする40残基糖付加ペプチド(配列 号32)を2.3mg得た。
ESI-MS:Calcd for :[M+3H] 3+  1388.5、found、1388.6

  実施例7 Glu-Ser-Asn-Gly-Thr-Leu-Thr-Leu 製造
 固相合成用カラムにTrt chloride resin(メルク 製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで 十分に洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた。 ろ過後、Fmoc-Gly(0.20mmol)、DIPEA(0.4mmol)をDCM(0.66mL )に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25 ℃にて2時間攪拌した。攪拌後、樹脂をDCM:MeOH :DIPEA=17:2:1、DCM及びDMFで十分に洗浄した後、Fm oc基を20%ピペリジン/DMF溶液(1mL)で20分間処理 脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチ 鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次 ミノ酸を縮合させた。

 アミノ基を保護したアミノ酸とHOBt(67.6mg 0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、63.1mg、0.50mmol)、をDMF(2mL )に溶解させ、15分間活性化させた後、固相合 成用カラムに入れた。25℃で1時間撹拌した後 、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処 理し脱保護した。この操作を繰り返し、アミ ノ酸を順次縮合させた。保護したアミノ酸に はFmoc-Asn(177.2mg、0.50mmol)、Fmoc-Ser(tBu)(191.6mg、0. 50mmol)、Boc-Glu(OtBu)(151.6mg、0.50mmol)を用い、固 樹脂上にBoc-Glu(OtBu)-Ser(tBu)-Asn-Glyの保護基を する4残基ペプチド(配列番号33)を得た。

 DMF、DCMを用いて洗浄した後に、AcOH:MeOH:DCM =5:4:1、2mLを加え、室温で2時間反応させた。2 間後、反応液をろ過して回収し、減圧下に 縮を行い、残渣を得た。この残渣にベンゼ 1mLを加え共沸操作を2回行った後、DMF0.81mLに て溶解させた。この溶液に対し、アルゴン気 流下0℃で、PyBOP42.1mg、DIPEA14μl、ベンジルメ カプタン57μLを加え30分攪拌した。反応後、 和塩化アンモニウム水溶液で中和後、水お び飽和食塩水にて分液洗浄を行った。有機 を、硫酸マグネシウムにて乾燥後、ろ過、 いでろ液を減圧下に濃縮した。得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展 開溶媒;酢酸エチル:MeOH:水=20:2:1)にて精製し、 目的とするペプチドが含まれるフラクション を集め、減圧下に濃縮を行った。得られた残 渣を、95%TFA水溶液で溶解し、10分間反応させ 。反応液を減圧下に濃縮し、C末端にベンジ ルチオエステルを有するGlu-Ser-Asn-Gly-SBnの4残 ペプチド(配列番号34)を得た。

 一方、固相合成用カラムにWang resin(メル 社製)(0.1mmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMF 十分に洗浄した後、DCMで十分に膨潤させた Fmoc-Leu(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN-メチルイミ ダゾール(0.375mmol)をDCM(2mL)に溶解させて、固 合成用カラムに入れ、25℃にて2時間攪拌し 。2時間後、樹脂をDCM及びDMFで十分に洗浄し Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処 し脱保護した。DMF、DCMで洗浄後、その後の プチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて 順次アミノ酸を縮合させた。

 アミノ基を保護したアミノ酸とHOBt(67.6mg 0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、0.50mmol)、をDMF2mLに溶解 せ、15分間活性化させた後、固相合成用カ ムに入れた。25℃で1時間撹拌した後、Fmoc基 20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処理し脱 護した。この操作を繰り返し、アミノ酸を 次縮合させた。保護したアミノ酸にはFmoc-Thr (tBu)(198.8mg、0.50mmol)、Fmoc-Leu(176.8mg、0.50mmol)を い、固相樹脂上にFmoc-Leu-Thr(tBu)-Leuの保護基 有する3残基ペプチドを得た。その後、Fmoc を20%ピペリジン/DMF溶液(2mL)で20分間処理し脱 保護した後、別途合成例1で合成したBoc-Thr(S-S secBu)の保護基を有するトレオニン誘導体を、 HOBt(67.6mg、0.50mmol)、DIPCI(77.0μL、0.50mmol)、をDMF 2mLに溶解させ、15分間活性化させたものを加 3時間反応させ、固相樹脂上に、Boc-Thr(S-SsecB u)-Leu-Thr(tBu)-Leuの保護基を有する4残基ペプチ (配列番号35)を得た。このものに、95%TFA水溶 液を加え、室温で2時間反応させた後、樹脂 ろ過して除き、ろ液を減圧下に濃縮し、Thr(S -SsecBu)-Leu-Thr-Leuの保護基を有する4残基ペプチ ド(配列番号36)を得た。

 このようにして得られた保護基を有する4 残基ペプチド(配列番号36)2.2mgと、先に得られ たチオエステルを有する4残基ペプチド(配列 号34)2.2mgを0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3 6M 塩酸グアニジン、4-メルカプトフェニル 酸 20mg含有)xxmLに溶解し、3.5時間反応させ 。反応後、ジチオスレイトールを加え、10分 間撹拌した後、反応液をHPLC(Cadenza column  C18  75×4.6mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.1%TFA ア トニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=90:10→3 5:65 15分 流速1.0mL/min)で精製し、5位のトレオ ニン残基の側鎖水酸基がチオール基で置換さ れた、Glu-Ser-Asn-Gly-Thr(SH)-Leu-Thr-Leuである8残基 のペプチド、(配列番号37)を得た。得られた プチドに含まれるトレオニン誘導体残基は 主に以下の式で示される立体配置を有する 考えられた。

 得られた5位のトレオニン残基の側鎖水酸 基がチオール基で置換された8残基のペプチ 、(配列番号37)3.5mgをナスフラスコにいれ、0. 25M トリス塩酸緩衝溶液(pH8.6、6M グアニジン 塩酸液、3.3mM EDTA含有)4.1mLで溶解した。この のに2-メルカプトエタノール(2.9μL)を加え15 間撹拌を行った後、メチル-4-ニトロベンゼ スルホネート(26.2mg)をアセトニトリル1.37mL 溶解したものを加え50分間反応させた。反応 後、10%TFA溶液(1.0mL)加え、中和した後、反応 をHPLC(Cadenza column  C18 75×4.6mm、 展開溶媒A :0.1%TFA水溶液 B:0.1%TFA アセトニトリル:水=90:1 0、 グラジエントA:B=90:10→35:65 15分 流速1.0m L/min)で精製し、5位のトレオニン残基の置換 れたチオール基の硫黄原子がメチル化され 、Glu-Ser-Asn-Gly-Thr(SMe)-Leu-Thr-Leuである8残基ペ チド(配列番号38)を得た。

 得られた5位のトレオニン残基の置換された チオール基の硫黄原子がメチル化された8残 ペプチド(配列番号38)4mgをナスフラスコに入 、70%蟻酸溶液4.63mLに溶解させた後、臭化シ ン49.0mgを加え遮光、アルゴン置換下、37℃ て撹拌した。48時間後、減圧濃縮を行った後 、5%ヒドラジン水溶液0.93mLを加え15分間反応 た。このものに酢酸60μLを加えた後、反応液 をHPLC(Cadenza column  C18 75×4.6mm 展開溶媒A:0.1 %TFA水溶液 B:0.1%TFA アセトニトリル:水=90:10  ラジエントA:B=85:15→45:55 15分 流速1.0ml/min) 精製し、Glu-Ser-Asn-Gly-Thr-Leu-Thr-Leuの目的とす る8残基ペプチド、(配列番号39)を得た。得ら たペプチド中に含まれるトレオニン残基の 体配置は、天然のものと同様であると反応 構から推察された。
ESI-MS:Calcd for C 34 H 59 N 9 O 15 :[M+1H] 1+  834.41、found、835.1

  合成例1 Boc-Thr(S-SsecBu)の合成
 Boc-Thr(300mg,1.37mmol)を蒸留したDMF(6.85mL,200mM)に 溶かした後にN-(3-Dimethylaminopropyl)-N’-ethylcarbod iimide hydrochloride(786mg,4.1mmol)とHOBt(370mg,2.74mmol) 加え、0℃で15分撹拌した後、TMSEtOH(1.95mL,13.7 mmol)を加え、0℃で撹拌した。20時間後、TLCで 応終了確認後、反応溶液を酢酸エチルで希 し、飽和重曹水で中和し、水で2回、飽和食 塩水で1回分液洗浄した。有機層を硫酸マグ シウムで乾燥させた後、ろ過を行い、ろ液 減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(展開溶媒、酢酸エチル: ヘキサン=1:3)で精製し、Boc-Thr-TMSエステル(収 :342mg,収率:78%)を得た。

 得られたBoc-Thr-TMSエステルを、ベンゼン 2回共沸した後、残渣をDCM20.8mLに溶かした。 タンスルホニルクロライド322mL(4.16mmol)とト エチルアミン1.16mL(8.32mmol)を加えて、0℃で 拌した。10分後、TLCで反応終を了確認後、反 応溶液をDCMで希釈し、飽和塩化アンモニウム 水溶液で中和後、水で2回、飽和食塩水で1回 液洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで 燥させた後、ろ過を行い、ろ液を減圧下に 縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(展開溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1 :4)で精製し、Boc-Thr(OMs)-TMSエステル(収量724.6mg ,収率88%)を得た。

 得られたBoc-Thr(OMs)-TMSエステル1.06gを、ベ ゼンで2回共沸した後、一晩デシケーターで 乾燥させた。このものをDMF8.9mLに溶解させた 、チオ酢酸0.57mL(7.95mmol)とDBU0.79mL(5.3mmol)をDMF 4.4mLに溶解させ20分間反応させた溶液を加え 45℃で撹拌した。18時間後、TLCにて反応の終 を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶 で中和後、水で2回、飽和食塩水で1回分液 浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥 せた後、ろ過を行い、ろ液を減圧下に濃縮 た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ ィー(展開溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:20)で 精製し、Boc-Thr(SAc)-TMSエステル(収量536.8mg、収 率53.7%)を得た。

 得られたBoc-Thr(SAc)-TMSエステル1.1gをメタ ール100mLに溶解した後、ジピリジルジスルフ ィド(3.21g、14.6mmol)、Sec-BuSH1.75mL(16.1mmol)をメタ ノール5.5mLに溶解させた溶液を加えた。その 、水酸化ナトリウムのメタノール溶液(500mM)  11.7mLを加えた。18時間後、TLCにて反応の終 を確認後、1%酢酸水溶液で中和後、減圧下に 濃縮した後、酢酸エチルで希釈した。このも のを水で2回、飽和食塩水で1回分液洗浄した 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後 過を行い、ろ液を減圧下に濃縮した。残渣 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開 溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:40)で精製した 得られた混合物をベンゼンで2回共沸した後 DMF29mL(100mM)に溶解させた。これにテトラブ ルアンモニウムフルオライド・3水和物2.28mg( 7.3mmol)を加え、0℃で撹拌した。15分撹拌後、T LCにて反応の終了を確認、次いで飽和塩化ア モニウム水溶液で中和を行った。この反応 を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した後、 機層を硫酸マグネシウムで乾燥を行い、ろ 後、ろ液を減圧下に濃縮した。残渣をシリ ゲルカラム(展開溶媒、酢酸エチル:ヘキサン =1:4→酢酸エチル:メタノール:水=20:2:1)で精製 、目的とするBoc-Thr(S-SsecBu)(収量650mg、収率69 %)を得た。

  配列表フリーテキスト
 配列番号1は、実施例1の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号2は、実施例1の、アセチル化され アミノ酸配列である。
 配列番号3は、実施例1の、メチル化された ステインを有するアミノ酸配列である。
 配列番号4は、実施例1の、アセチル化され アミノ酸配列である。
 配列番号5は、実施例2の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号6は、実施例2の、アミノ酸配列で る。
 配列番号7は、実施例2の、メチル化された ステインを有するアミノ酸配列である。
 配列番号8は、実施例2の、アミノ酸配列で る。
 配列番号9は、実施例3の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号10は、実施例3の、アミノ酸配列で る。
 配列番号11は、実施例3の、メチル化された ステインを有するアミノ酸配列である。
 配列番号12は、実施例3の、アミノ酸配列で る。
 配列番号13は、実施例4の、糖鎖が付加され 、保護基を有するアミノ酸配列である。
 配列番号14は、実施例4の、糖鎖が付加され 、保護基を有するアミノ酸配列である。
 配列番号15は、実施例4の、糖鎖が付加され 、ベンジルチオエステル基を有するアミノ 配列である。
 配列番号16は、実施例4の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号17は、実施例4の、アミノ酸配列で る。
 配列番号18は、実施例4の、糖鎖が付加され アミノ酸配列である。
 配列番号19は、実施例4の、糖鎖が付加され 、メチル化されたシステインを有するアミ 酸配列である。
 配列番号20は、実施例4の、糖鎖が付加され アミノ酸配列である。

 配列番号21は、実施例5の、保護基及びメチ ニンスルホキシドを有するアミノ酸配列で る。
 配列番号22は、実施例5の、メチオニンスル キシドを有する、アセチル化されたアミノ 配列である。
 配列番号23は、実施例5の、メチル化された ステイン及びメチオニンスルホキシドを有 る、アセチル化されたアミノ酸配列である
 配列番号24は、実施例5の、アセチル化され アミノ酸配列である。
 配列番号25は、実施例6の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号26は、実施例6の、糖鎖が付加され 、保護基を有するアミノ酸配列である。
 配列番号27は、実施例6の、糖鎖が付加され 、保護基を有するアミノ酸配列である。
 配列番号28は、実施例6の、糖鎖が付加され 、ベンチルチオエステル基を有するアミノ 配列である。
 配列番号29は、実施例6の、糖鎖が付加され アミノ酸配列である。
 配列番号30は、実施例6の、糖鎖が付加され アミノ酸配列である。
 配列番号31は、実施例6の、糖鎖が付加され 、メチル化されたシステインを有するアミ 酸配列である。
 配列番号32は、実施例6の、糖鎖が付加され アミノ酸配列である。
 配列番号33は、実施例7の、保護基を有する ミノ酸配列である。
 配列番号34は、実施例7の、ベンチルチオエ テル基を有するアミノ酸配列である。
 配列番号35は、実施例7の、保護基及びトレ ニン誘導体を有するアミノ酸配列である。
 配列番号36は、実施例7の、トレオニン誘導 を有するアミノ酸配列である。
 配列番号37は、実施例7の、トレオニン誘導 を有するアミノ酸配列である。
 配列番号38は、実施例7の、トレオニン誘導 を有するアミノ酸配列である。
 配列番号39は、実施例7の、アミノ酸配列で る。

 本発明は、ペプチド及び糖ペプチドの製 方法を提供する。本発明によれば、システ ンを含まないペプチドを得ようとする場合 も、ライゲーション法を用いることができ 。本発明はまた、N結合型糖ペプチド及びO 合型糖ペプチドの製造に有用である。